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第二次聖杯戦争⑳~其れでも刃を握れるか

#シルバーレイン #第二次聖杯戦争 #槍持つ男



 都怒我阿羅斯等。つぬがあらしと、と読む。
 彼は雷鳴と共に突如戦場に降り立った。オブリビオンではあるが、其の身体からは神気が立ち上り、槍のような不思議なものを其の手に携えていた。
 其れは知る者は知る巨大槍「ディアボロスランサー」。嘗て銀色の雨の時代シルバーレインを生きた者なら判るだろう。其れはシルバーレインという世界全ての生命を創造した「創造主」であり、戦いを終えた能力者たちはこの槍に乗って宇宙へと旅立って行った、筈だった。
 しかし、其れがいま都怒我阿羅斯等の手の中にある。

 都怒我阿羅斯等とはどういう存在なのか?
 記録は殆ど残されていない。
 ただ判るのは、彼が生命に絶望しているという事だけだ。

 ――槍よ、槍。
 許せ、我が槍よ。
 我が骸の海で何を見たのかは語らぬ。だが……汝はきっと怒るであろうな。
 汝が持ち手に選んだ我が生命に絶望した、などと。笑えぬ話だ。
 だが、……許してくれるな。其れで良い。許されずとも構わない。
 汝を振るい、我は生命を駆逐する。

 この世界に、生命は要らぬ。



「嘗て銀色の雨の中を戦い抜いた者たちは、とある槍に載って宇宙へと旅立ったそうだな」

 ヴィズ・フレアイデア(ニガヨモギ・f28146)は穏やかに言う。既に白磁の扉は隣に立ち、座標を定め、開かれる時を待っている。

「だが、其れは今、とあるオブリビオンの手の中にある。“都怒我阿羅斯等”……謎の多いオブリビオンだよ。能力者なら知ってるのかな、どうだろう。ディアボロスランサーが唯一“持ち手と認めた”男なのだそうだ」

 だが、彼はオブリビオンとなって骸の海から這い上がり。
 そしてこの戦場で、生命に牙を剥いている。

「彼は骸の海で生命に絶望をした、……其れが何故かは判らない。恐らく聞いても応えてはくれぬだろう。都怒我阿羅斯等は槍を活性化させて、樹木のような角を生やしたカタチへと変化している。勿論其の状態でもお前達と対等に撃ち合える、……強敵だよ」

 だが、とヴィズは続ける。
 最初に絶望を、そして次に僅かな希望を話すのはこの魔女の癖のようなものだ。

「仮にこれを“生命樹”と命名するなら――これから転送する戦場には、其の生命樹に対抗するための武器が何故か周りに散らばっている。剣、槍、銃、……どれをとっても良いだろう。其の武器だけが生命樹に対抗し得る、が……生命を削る武器だからね。握るだけで激痛が走るし、振るえば敵からの攻撃以上の負傷を負う事になる」

 タダでおいてある美味しい話ではないのだと、ヴィズは肩を竦め。
 其れでも取れ、と猟兵たちに告げるのだ。

「其の武器を取らねば都怒我阿羅斯等は斃せない。ディアボロスランサーの中には時を止められた能力者たちの命が閉じ込められている。――槍には修復と生命の力が在るから、多少傷付いても自己修復は叶うだろう。遠慮なく打ち合って来ると良い」

 ぎい、と白磁の扉が開く。
 其れは――最早何処かも判らぬ荒野と化した戦場だった。
 武器がまるで木々の芽のように突き立っている様は不気味でもある。

「傷付いても、其れでも斃さねばならぬ。今がそういう時だ、――送り出すしか出来ないあたしを許すな! そして征って来い!」


key
 こんにちは、keyです。
 彼は一体何を見たのでしょう。

●目的
「都怒我阿羅斯等を撃退せよ」

●プレイング受付
 プレイング募集日時はタグ・マスターページにてお知らせします。
 🔵が十分集まり次第〆切を設定し、タグでお知らせ致します。

●立地
 荒野です。立地としては金沢港にあたるのですが、海の香りはするものの周囲は荒野のような戦場に変化しています。
 其処に“生命樹”状態になった都怒我阿羅斯等が佇み、まるで囲むように様々な武器が大地に突き立っています。

●プレイングボーナス!
「都怒我阿羅斯等の先制攻撃に対処する」
「何らかの手段で『生命樹』に対処する」

 都怒我阿羅斯等は領域に踏み込んだ総ての生命に先制攻撃を仕掛けてきます。
 まずはこれを何らかの方法でかわし、そして己に合った武器を捜しましょう。
 “生命樹”状態の都怒我阿羅斯等は普通の武器で傷付けることはかないません。何故か周囲に散乱している武器はかつてゴーストが使っていたもので、“総ての生命を拒絶する”力を持つ為、“生命樹”である都怒我阿羅斯等も傷付ける事が出来ます。
 ですが――この武器も曲者です。“生命を拒絶する”ゆえに握るだけで激痛が奔り、振るえば普通に戦う以上の傷が猟兵たちを苛むでしょう。


●注意事項(宜しければマスターページも併せてご覧下さい)
 迷子防止のため、同行者様がいればその方のお名前(ID)、或いは合言葉を添えて下さい。
 また、アドリブが多くなる傾向になります。
 知らない人と共闘する事なども在り得ますので、ソロ希望の方はプレイング冒頭に「🌼」を添えて頂けると助かります。


 此処まで読んで下さりありがとうございました。
 皆様のプレイングをお待ちしております。
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第1章 ボス戦 『都怒我阿羅斯等』

POW   :    天地開闢の祝詞槍
詠唱時間に応じて無限に威力が上昇する【純粋生命力 】属性の【ディアボロスランサー】を、レベル×5mの直線上に放つ。
SPD   :    舒弗邯閼智(ソブルハンアルチ)
【全身に生えた七本の蒼き角 】を纏い空中高く舞い上がった後、敵めがけて急降下し、[全身に生えた七本の蒼き角 ]が尽きるまで【ディアボロスランサー】で攻撃し続ける。
WIZ   :    魂よわだつみに還れ
【ディアボロスランサーから生命の奔流 】を放ち、レベルm半径内の指定した対象全てを「対象の棲家」に転移する。転移を拒否するとダメージ。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​
ローズ・ベルシュタイン
アドリブや連携歓迎

■心情
生命樹に対抗する武器ですか、強力そうですけど激痛が走るのは使い辛いですわね。
ですがそれしか対処法が無いなら、使いこなしてみせますわ。

■行動
敵の魂よわだつみに還れに対しては、生命の奔流を【オーラ防御】で身を守りつつ
ダメージを覚悟で転移を拒否し、ダメージは【激痛耐性】で耐える。

生命樹に対抗する武器は、拳銃型の武器を選びますわね。
【範囲攻撃】で纏めて攻撃し、生命樹を破壊していきますわ。
生命を削られても【激痛耐性】や【呪詛耐性】で耐えてみせますわ。

敵には『薔薇の刻印』を付与して
敵が私の半径135m以内に居る位置を維持しつつ、
【継続ダメージ】で追加攻撃を与え続けますわ。




 ローズ・ベルシュタイン(夕焼けの薔薇騎士・f04715)は其の地に立った瞬間、中央にそびえる角の塊のような都怒我阿羅斯等から生命の奔流が放たれたのを感じた。

 ――還れ。総て、還れ。

 其の誘いを、ローズはいいえ、と頭を振って拒否する。オーラで己を護れども、体の内部から傷付けるような痛みには効果がない。
 どうせ痛むなら、とローズが手にしたのは拳銃の形をした武器だった。
 握った瞬間、ぶしゅ、と腕に裂傷が走る。

「ッ……!! 矢張り、生命を拒絶しますか……!」

 痛みが走る。けれどもローズは震える腕で照準を合わせ、都怒我阿羅斯等へ向けて弾を放つ。其の一撃は青白く、広範囲を包み込む。
 うわん、と空間が哭く。一撃、二撃、三撃。撃つたびに裂傷が全身を蝕み、仕立ての良いローズの服を斬り裂き、其の下の膚を、肉を裂いていく。

 其れでも――其れでも!

「私は成さなければならないのです……!」

 薔薇の刻印が皓々と輝いていた。其れは都怒我阿羅斯等の隆々とした角に確かに傷を付け――そして其の傷は茨の刻印を呼ぶ。
 刻印がばちばちと角を傷付けて……ばぎん、と角をまず一本、叩き折った。

大成功 🔵​🔵​🔵​

神臣・薙人
葛城さん(f35294)と

都怒我阿羅斯等
貴方が何を見て絶望したのかは分からない
でも
例え槍が認めようと
その中にいる人達を傷付ける事は許さない…!

戦場にある武器は蟲笛に似たものを使用
転送完了時点から相手の動きを警戒
槍や樹木の角が動く等
何らかの行動の素振りが見えた際は
すぐに蟲笛で弾く・散開する等
回避行動を取ります
声を上げて葛城さんとも情報を共有

自分もしくは葛城さんの負傷が
攻撃の妨げになるようなら
桜花乱舞で治療
敵UCの転移拒否で傷を負った場合も
同様に治療します

治療の必要が無い場合は
蟲笛を使用して白燐蟲を呼び出し
敵に向かって食らい付くよう指示
祝詞詠唱時にはそれを妨害するべく
首や口元を狙って噛み付かせます


葛城・時人
神臣(f35429)と

神臣の怒りに俺も応えよう…
俺にとっても許せない相手だ

抗体兵器は細身の笛

持つだけで痛みが全身を抉る
激痛耐性で堪えつつ
これへUCを載せよう

先制回避は神臣の様子も見て
空中機動や弾き飛ばし
全身で避け躱し神臣も護る

横に神臣がいる
目をみて頷き
「任せた!」と一言叫んでから
躊躇わず唇へ笛を載せ

UC天より来る百億の光使詠唱

135秒間回避しつつ笛を奏す
手首の愛用の蟲笛から​白燐蟲ククルカンも召喚
守護にも当てる
…音だけは綺麗だ
宇宙でも聞こえる音があるという
こういう音だろうか

さぁ来い俺の光使!
焼き尽くせ命奪うものを!
既に力に抗体は載った!
邪な樹を打ち払え!

可能であれば高速詠唱で二撃目も放つ




 ――天地は、まず分かたれた。

 そうして矛で持って混沌を掻き混ぜて……ぽつり。落ちた一滴が最初の島となり、世界が産まれた。

 そんな“天地開闢の神話”を再現するかのように、ディアボロスランサーから光が放たれる。祝詞はなく、しかし純粋で過剰な生命力を纏った其の光線は、神臣・薙人(落花幻夢・f35429)と葛城・時人(光望護花・f35294)を狙って放たれた。

「葛城さんッ!」
「ああ!」

 二人は最小限の言葉を交わし、左右に散開する。生命樹となった都怒我阿羅斯等はどうやら動く事が出来ないようだ。ならば攻撃さえ当たらなければ、余程の事がない限りこちらの攻撃を外す事はないだろう。

 ――還ろう。総ての命が生まれる前の、母なる海へ

 頭の中にうわんうわんと男の声がこだまする。其れはきっと、都怒我阿羅斯等の声。総ての命の棲家へと誘い掛ける彼の声に、嫌だと薙人は頭を振る。すると、ぐり、と刃をねじ込まれるような痛みが脇腹に奔って。

「うあ」
「神臣……!」

 似たようなダメージを時人を受けたのだろう。薙人を呼ぶ時人の声は苦しげだった。だが、二人は其の誘いを拒否して武器を取る。
 薙人は蟲笛に似たものを。そして時人は、細身の笛を。
 其れを握った瞬間、脇腹の痛みが更に増した。まるで刃がぐりぐりと傷を抉るかのような痛み。けれど――だけども。薙人に其れを手放す理由はない!

「貴方が、何を見て絶望したのかは判らない……でも……! 例え槍が貴方を持ち手と認めたとしても……! 其の中にいる人たちを傷付けるのは、絶対に、許さない……!」

 ディアボロスランサーの内側には、時を止められ眠っている能力者たちがいる。
 薙人は桜の精ではあるが、本来の出身はこの世界シルバーレインである。だから、という訳ではない。例え己がただの桜の精だったとしても、きっと……ディアボロスランサーの内側に命が眠っていると知っていたら、許せなかったに違いない。
 何に絶望したのだとしても、其れは無辜の命を振るって良い証左にはならないのだ。

「……お前達には、判るまい」

 都怒我阿羅斯等はただ一言のみ述べて、次に祝詞を唱え始める。
 させない、と薙人は痛みの中で蟲笛を吹いた。身体が斬り裂かれるような痛みが訪れる――其れをかき消すように、強く、強く、吹いた。

「神臣、」

 そう、薙人は一人ではない。時人もまた動き出していた。
 ぴい、と甲高く美しく、そして残酷に笛の音が鳴る。其の代償は時人の痛覚。人は此処まで痛みを感じられるのかと感心するほどの痛みが時人を襲い、……僅かに息が詰まる。けれども、其れでも。己は呼ばねばならぬ。

 ――綺麗な音だ、と。痛みにふわつく頭で時人は思う。
 ――宇宙でも聞こえる音があるという。其れが在るのなら、このような音なのだろうか。

 ディアボロスランサーが舞う。時人を狙う其の槍を防ぐのは、薙人の放った白燐蟲だ。其れ等は都怒我阿羅斯等の喉元に噛み付き祝詞を躓かせ、時人を護り、命がけの2分を護り続ける。

「させません……其の槍を振るう事は、させません……!」

 時人も蟲笛で白燐蟲を呼び出し、己を護らせる。
 命が削られていく音がする。笛は其の美しい音と裏腹に生命そのものを拒絶して、時人と薙人の命を無情に削ぎ落していく。

 ――しかし、成った。

 ――2分と数秒。其れが、時人がユーベルコードを行使するために必要だった時間。

「来い、光使よ!!」

 薙人がダメージを癒すために桜吹雪を舞わせる。
 まるで内側から薙がれるような痛みをどれだけ癒せるかは判らないが、極論、時人が動ければ其れで良い。
 そして時人は呼ぶ――白い羽に、白い身体。光り輝く剣を携えた、翼人と化した白燐蟲を。およそ三桁にのぼる彼らは、都怒我阿羅斯等を囲むように円を描いて空の彼方から降り立ち―― 一斉に光線を放ち、都怒我阿羅斯等という生命樹を攻撃した。

「既に力に抗体は載った……! 邪な樹を打ち払え!」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

小鳥遊・トト
な、なんで、ボクは戦場に居るんですか!?
猟兵になってからずっとこんなのばっかり。


うぎゃぁぁぁぁああああ、死ぬうぅぅぅうう!

泣き叫びながら技能【召喚術】【天候操作】敵の先制攻撃に対処
とりあえずバロックレギオンを盾にする、
ディアボロスランサーの攻撃が当たる前に自分の雷攻撃の余波で先に変な方向へぶっ飛ぶ。

貴方が何を見たか分かりませんが、ボクは死ぬ方が怖いですー!

UC【ヘブンリィ・シルバー・ストーム】使用
『万色の稲妻』を体内に取り込み、(疑似?)パフュームリリスになります。
種類・性能はMS様に任せます。抗体兵器を下さい。
抗体ゴーストなら抗体兵器を持っててもおかしくないはず。(ついでに雀の涙程度の技能【呪詛耐性】)
変身しても泣き虫でビビりなのは治らないし、パフュームリリスになった割には魅了があまり使える気はしないけど。猟兵埒外として死ぬ気で頑張ります。
少なくともUCの雨の回復が無くなるまでは

(抗体兵器は持って帰りたいです)

※アレンジ・連携歓迎




 猟兵になってから、ずっとこんなのばっかりだ!

 小鳥遊・トト(快楽も知らず・f39451)は青い魔女にあれよあれよと送り出されて、気付けば荒野にいた。
 中央と思われる場所には、幾らか角の折れた何かがいる。其れは一歩、トトへと近付くと……一気に速度を上げて、青く輝く槍のようなものを振り上げてきたではないか!

「うぎゃぁあああああ!? 死ぬぅううううう!!!」

 まあそう簡単に猟兵は死なないのだが、其れは置いておいて。
 トトは極めて普通の感性を持っていた。死ぬのは嫌だし、痛いのも嫌。戦うのだって、本当は御免被りたい。のに、気付けば戦場に立っているのだ。
 何で?
 どうして?
 ボクが猟兵だから、足が勝手に戦場に向かっちゃうんですか!?
 やだやだやだ、こんなのやだ!

 けれども本能は戦い方を知っている。
 バロックレギオンが召喚され、槍の盾となって散る。其れは僅かな間隙ではあるが、槍を避けるに足るタイミングをトトに与えた。
 そしてごろりと空が鳴ったかと思うと――ぴしゃあん!! と雷が一筋落ちて……全く戦闘とは何が起きるか判らぬというもの。トトは“全く意図せぬ方向に吹っ飛んだゆえに”ディアボロスランサーの致命の一撃を避ける事が出来たのである。

「ひい、ひい……!!」
「……汝」
「ひっ!?」
「何故戦場ここへ来た」

 訊かれちゃった。
 都怒我阿羅斯等でさえ首を傾げてしまうような、トトのか弱さ。
 トトは、ごくりと唾を飲み。

「……ボクが、猟兵だから、だと、思いま、す! ……あ、あ、貴方が何を見たか判りませんが、……ボクは、死ぬ方が怖いです! 放っておいたらボクが死ぬかもしれません!」

 其れは嫌です、と、トトは言った。言ってやったぞ、と思った。
 そこでようやく腹を括った、と言っても良い。トトは己の意思で万色の稲妻を己のうちに取り込むと、其の雰囲気を一転させる。
 嘗てトトはリリスであった。其れがどうして何がどうなって猟兵となったのかはトト自身も覚えていない。
 だが、死ぬのは嫌なのだ。
 痛いのだって嫌だけど、死ぬのはもっと嫌だ。だからトトはなけなしの勇気を振り絞り、慈雨が降り注ぐ中で武器を手に取る。
 抗体兵器は日本刀のような形をしていた。

「ッ、ぐっ、う……!! いだっ、いだ、いだい……!! でも、でも……!!」

 疑似的にパフュームリリスになったって性格はそうそう変わらないし、武器を持った手が、全身が痛むしなぜか傷が走っているけれど、でも……! それでも、とトトは武器を手に都怒我阿羅斯等へと構えた。

 死ぬのは嫌だから! 死ぬ気で頑張るしかないんです!
 何の役にも立てなくたって、死んだら本当に何もなくなってしまうから!

 トトは抗体兵器を構えて……傷を付ける事こそ敵わなかったが、都怒我阿羅斯等と暫しの間打ち合った。其れはきっと、トトにとって大きな成果だったと言えるだろう。

成功 🔵​🔵​🔴​

政木・朱鞠
やれやれ…『生命は要らない』なんて、都怒我阿羅斯等さん…貴方って何とも厄介で無粋な人ね、過去から抜け出て自分の絶望を説くとは何とも滑稽極まれり…なんてね。
私個人の感想だけど…自分の心の隙間を満たすために世を乱す八つ当たりなんて絶対に許すわけには行かないよ。
勝手に命を軽んじて非道を働く貴方のでっかい図体に暴虐を働き、抗う術のない人達に不安と厄災を撒き散らして苦しめた咎はキッチリ償って貰うよ。

戦闘【WIZ】
敵の先手確定なのは痛いね、私のチビ分身達がどれだけ都怒我阿羅斯等の攻撃に対応できるか未知数だけど『忍法・火煙写身の術』で攻撃を相殺受けしたいね。
得物は『風狸ノ脛当』をチョイスして、【投擲】技能を使って散乱している武器を蹴り飛ばして【鎧砕き】や【鎧無視攻撃】の合わせで間を置かないダメージを与えたいね。

アドリブ連帯歓迎




「やれやれ……良い男かと思ったら貴方、とっても厄介で無粋な人なのね」

 政木・朱鞠(狐龍の姫忍・f00521)はあくまで柔らかく言う。けれども其の唇から零れたのは非難の言葉だ。過去から抜け出てまで自分の絶望を説くなんて、全く、何とも滑稽極まれりね、と。

「これは私個人の感想だけど――心の隙間を満たすために世を乱す八つ当たりなんて、絶対に許す訳にはいかないよ」

 勝手に絶望して、命を軽んじて、非道を働くなんて。
 そんな貴方にはしっかり咎を償って貰うよ。其れが抗う術のない人達に不安と厄災を撒き散らした責任ってものでしょ?

「さあ、この言霊にて煙火に暫しの魂魄を――疾く攻めよ!」

 朱鞠は狐尾でかたどった小さな分身たちを召喚する。
 還ろう、と誰かが言っている。
 嫌だ、と朱鞠は其れを拒絶する。あなたが言う「還る場所」は、私が「帰る場所」ではないから。
 其の瞬間、痛みが走る。まるで腹を裂かれたかのような痛みに思わず手をやると、血が滲んでいた。成る程ね、とじわり汗をにじませながら朱鞠は笑みを浮かべる。これくらいどうという事はない。
 そうして手に取ったのは、脛当だった。びりり、と痛みが手から脳天を突き抜けて、思わず手を離しそうになる。だけれども朱鞠は気力で耐えた。離すものか、と足に半ばやけくそのように脛当を装着する。

 痛む。
 痛む。
 痛む。

 足が痛む。まるで脛当の内側に刃が付いているかのようだ。
 手が痛む。まるで即効性の毒に触れたかのようだ。
 腹が痛む。まるでまだ、都怒我阿羅斯等が還ろうと言っているかのようだ。

 ――だが、朱鞠は其の全てに抗った。
 散乱している武器を蹴り飛ばし、其の刃で都怒我阿羅斯等を強襲する。何かを護るかのように佇む生命樹に次々と突き刺さる、生命拒絶の刃たち。
 一見ダメージが通っているようには見えなかったが、朱鞠は其れでも周囲の得物を蹴り飛ばしていく。すると不意に、めり、と角が一本折れて落ちた。
 其れはまるで、来た冬に枝が枯れ落ちるかのよう。

「……随分としぶとい樹ね……!」

 やってやったという達成感と、まだだと告げる戦士の本能と。
 朱鞠は其の両方を噛み締めながら、痛みに克ち笑みを浮かべるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

桜田・鳥獣戯画
アルフレッド(f03702)とヘルカイトで来た!!

死と隣り合わせの青春、つまりそれは生だ!
貴殿の絶望も生きるがゆえ。抗わせてもらうぞ!

先制攻撃への対応はアルフレッドに便乗
肩に掴まってヘルカイトの後ろに乗る。背後は任せろ!
見える範囲でアルフレッドの周囲を守る

詠唱ガトリングガンの形状の抗体兵器を手に取り応戦
失った記憶か別人格の記憶か、不思議と手になじむ感覚がある
【激痛耐性】で堪え【生命力吸収】で少しでも回復
多少痛いくらいが丁度良いわ!!

投げられるもの!?山ほどあるぞ武器が!!
傍らにあったチェーンソー剣をアルフレッドに手渡す
自分は弾切れのタイミングでUC【ラストスタンド】を使い、動かぬ防御壁となっておく

かつてこのUCで自分が無敵城塞となり、アルフレッドが敵に向かって自分を投擲するという謎の攻撃方法を思い出した
わりと有効だったのが本当に謎だが、心構えはしておくか…
ダメージを与えられればそれでよい!

兵器はできれば持ち帰りたい
都怒我阿羅斯等、その名を覚えておきたい

アドリブ容赦なくお願いします!


アルフレッド・モトロ
姉御(f09037)とこうして協力するのも慣れたもんだ!
姉御、しっかり捕まっててくれよ!


敵の攻撃は直線上だ
常に円を描くように移動して対処したい
青ツノ野郎を中心にUCを発動、発生した渦潮に周囲の兵器を巻き込みつつ『ヘルカイト』でサーフィンするんだ

戦闘開始直後だし敵が詠唱する時間は無いよな?
初撃はヘルカイトのスタートダッシュで凌ぎ、避けきれない分は『プロトステガ』で盾受け
姉御に当たらないよう全力でかばう

武器を巻き込んだ渦潮はそのまま攻撃に転用
あとは…なあ姉御!なんか投げられそうな兵器無い!?
姉御に渡される兵器を手当たり次第に投擲――したかったんだが、これは…チェーンソーの剣!?

生命の樹にチェーンソーとは随分お誂え向きじゃないか!
呪いは蒼炎の浄化で対抗、激痛は気合いで耐える
身体に流れる溟獄に比べりゃこの程度の痛み…ッ!

…姉御、準備はいいか!隙を見て突っ込むぞ!
今回は投げ飛ばしたりなんかしない!俺も一緒に行くんだ!

俺たちの十八番"捨て身の一撃"!
さあ覚悟しろ!直接叩っ斬ってやる!

アドリブ歓迎




 桜田・鳥獣戯画(鑑の鐵・f09037)とアルフレッド・モトロ(蒼炎のスティング・レイ・f03702)は――ヘルカイト、空飛ぶエイで転移した瞬間から飛行を開始した!
 転移した直後なら詠唱も殆ど成っていない筈。ならば其の瞬間から移動を開始すれば生命の飽和たる光線も避けられるだろうという目算だ。

「死と隣り合わせの青春――つまり其れは生だ! 貴殿の絶望も生きるが故。ならば……抗わせて貰うぞ! 存分に!」
「おうさ! 姉御、しっかり捕まっててくれよ!」

 ははは、とまさに戦場を楽しむように鳥獣戯画は笑う。
 アルフレッドはヘルカイトを駆り、“青ツノ野郎”――都怒我阿羅斯等を中心として円を描くように高速移動を開始する。生命樹は祝詞を唱えども、常に動く彼らに照準を合わせられず、光線はヘルカイトを……捉えてしまった。尻尾にぼう、と火が燃える。
 其れを見付けたのは鳥獣戯画だった。あれ? 避けたと思ったらヘルカイトが燃えていらっしゃるぞ!?

「あっ!? 燃えてる! 燃えてるぞアルフレッド!!」
「何ィ!? 消してくれよ姉御!!」
「オッケー! じゃあギュッと握って消火……よし! 熱い!!!」
「何してんだ!!」

 仕方ねえなあもう!!
 アルフレッドが放った渦潮が、まさか鳥獣戯画の手の火傷を冷やすためだけに放たれた……訳でもなく。勿論勝利への一つのステップである、安心して欲しい。渦は容赦なく生命樹を巻き込み、そしてヘルカイトは正に水を得た魚の如く高速で飛び回る!

「よっしゃあ、この調子で私も……あいっで、イデデデデデ!!」

 鳥獣戯画が手に取ったのは、ガトリングガン型の抗体兵器。弾もたっぷり! やったね! とか言っている場合ではなかった。
 物凄く痛い。気が狂うかと思うほど痛いが、多少痛いくらいが戦場においては丁度良い! しかし何故だろう、何処か手になじむ……失った記憶の中で扱ったか、別人格が使っていたのか……兎も角。飛び回るヘルカイトから鳥獣戯画は弾丸をこれでもかとバラまいて、都怒我阿羅斯等が進撃してくるのを渦潮と共に阻止する。

 ぐるぐると渦潮は渦を巻いて、武器を抜き去り巻き込んでいく。刃纏う渦となった其れは放っておいても生命樹を傷つけ得るだろうが――其れでは足りない、とアルフレッドは後ろを少しばかり振り返る。

「なあ姉御! なんか投げられそうな兵器ない!?」
「投げられるもの!? 武器なら山ほどあるぞ!」

 渦が収まる頃に鳥獣戯画はアルフレッドと前後を交代して、片手にガトリングガンを持ったまま適当な武器を引っこ抜き……メチャメチャに痛いと喚きながら放り出すようにアルフレッドに“其れ”を手渡した。

「おう、ありが……ってイテェ……じゃない、これは! チェーンソーの剣!?」

 生命の樹に対抗するチェーンソーとは、なかなか風流ではないか。
 痛みの呪いを浄化で打ち消して弱め、気合で痛みに耐えながらアルフレッドはチェーンソーを構えた。
 そして其の前には、無敵城塞と化した鳥獣戯画の姿。既にガトリングガンは弾切れだが、銃にはもう一つ使い道がある、知ってるか? 鈍器って使い方だよ!

「躰に流れる溟獄に比べりゃこの程度の痛み、どうってこと、ねえ!! 姉御、準備はいいか! 俺は出来てる!」
「私も勿論出来ているが、此処から動けないので盾にでもしてくれ!」
「いいや、姉御も俺と一緒に行くんだ! 前みたいに無敵なんだろ? だったら……!!」

 そう言ってアルフレッドは鳥獣戯画を持ち上げると、盾にして・・・・都怒我阿羅斯等へと突っ込む!!

「これが! 俺達の十八番!」
「捨て身の一撃だ!!」

 まさに捨て身。しかし死なない程度に。
 都怒我阿羅斯等が迎撃に振るった槍は鳥獣戯画という名の無敵要塞ががりがりと削るように其の死線をずらし。
 そうして放たれたアルフレッドの一撃が、生命樹たる都怒我阿羅斯等の角をまた一本、ごりっと削って割り折った。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

夜刀神・鏡介
「オブリビオンこそ至高」なんて言う連中は大勢いたが、今回のは意味が違って聞こえる……が、考える余裕はないか

無手の状態で敵と相対
全神経を集中して、初撃を紙一重の所で回避後に、敢えて自分から生命樹の方に突っ込む
すると迎撃されて吹き飛ばされるので、それによって攻撃を回避しながら抗体兵器を掴んで枝を破壊して吹き飛ばしを中断
日本刀が理想だが、状況的に細かく選んでいる余裕はなし。刀剣類なら良しとしよう

呪いは……普段から神刀で代償を払い続けている以上なんともというか。耐えられないものではない
使い慣れた刀でない以上普段どおりの動きとはいかないが、識の型【炯光】も用いて攻撃を避けつつ、反撃を加えていこう




「“オブリビオンこそ至高”なんて言う連中は大勢いたが、今回のは少し意味が違って聞こえるな」

 考える余裕はないか、と夜刀神・鏡介(道を探す者・f28122)は無手にて戦場に立つ。生命樹は其の角を幾つか折っているが……其れでもずず、と動き出した。
 動き出してから鏡介へと槍が迫るのは、一瞬。

 ――疾い、などという言葉すら生温い。

 鏡介ほどの猛者でも、全神経を研ぎ澄ませていなければ避けられない初撃だった。其れでも二の腕を裂かれ、真っ赤な血が噴き出す。軽傷だ・・・
 刀など持っていれば諸共に折られ斬られていただろう。そう思えばぞわりと背筋を駆け上るものがあるが、鏡介の意識は既に其処にはない。避けた脚を急停止、身体を旋回させて今度は一気に都怒我阿羅斯等へと突っ込む!

「――……」

 都怒我阿羅斯等は鏡介の予想通り、其れを迎撃する。元より彼は角を総て失うまで戦いを已めるつもりなどないのだ。吹き飛ばされて宙を舞う鏡介の躰。貫かれたかと思うような闘気を感じながらも空中で鏡介は体勢を立て直し、其の場にあった抗体武器を手にして強制的に着地する。

 其れは西洋の曲剣だった。
 理想としては日本刀の形が良かったが、この際選んではいられない。痛みが奔る。まるで痛みの塊を掴んだかのようだ。――が、鏡介は普段から神刀を扱い、其の代償を払い続けている。痛くない訳ではないが、耐えられない程でもない。
 数度剣を振るうと、今度は武器を持って都怒我阿羅斯等へと突っ込んで行く。剣の形が違うし、手に馴染んでもいないから、普段通りとはいかないが――剣の心得は、持っているユーベルコードは無駄ではない筈だ。
 都怒我阿羅斯等が槍を振るう。其の捻り、足捌き……見れば達人だと判る。達人であるが故に・・・・・・、読める。其の槍の一撃を鏡介はぎりぎりの所ですり抜けると、曲剣を、痛みをも振り払うように薙いだ。

 ぶし、と青黒い霧が散る。

 鏡介の一撃は確かに生命樹の角を刈り取り――都怒我阿羅斯等の身体から、対照的な色をした“血液”が噴き出したのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ヴォルフガング・エアレーザー
貴様が何者か、貴様が骸の海で何を見、何故に生命に絶望したのか
そんなことは俺の知ったことではない
だが、これだけは言える
生命とは、『絶望』という名の死に至る病に抗う意志の力
命ある限り、俺は絶望に抗い立ち向かう!

先制対策は詠唱の終わる瞬間を集中力で注意深く見極め
発動と同時に直線状の軌道から回避
手にする生命樹の形状は、最も使い慣れた鉄塊剣
【守護騎士の誓い】を胸に抱き激痛に抵抗
これまで幾多の死地を乗り越え、心身を抉る苦痛に耐えてきた
覚悟を決めれば腹も括れる
限界突破の速度で駆け抜け接敵、懐に飛び込んで斬撃
たとえ一太刀でも全力の攻撃を浴びせれば奴も無事では済むまい

愛する人のくれた命の輝き
俺は必ず守ってみせる




 ――貴様が何者なのか。
 ――果たして骸の海で何を見、なにゆえに生命に絶望したのか。

 そんな事は俺の知った事ではない。

 ヴォルフガング・エアレーザー(蒼き狼騎士・f05120)ははっきりと心中でそう述べた。其れが伝わった訳ではないだろうが――都怒我阿羅斯等は返答の代わりに、生命力の飽和するが如き光線を、ヴォルフガングへと放っていた。

「俺の知った事ではないが……此れだけは言える!!」

 ヴォルフガングは其の直線上から横合いに、都怒我阿羅斯等を中心として円を描くように奔る。どのように強力であろうと、光線は真っ直ぐにしか放たれない。であるならば――常に動いていれば、当たる訳はないという事だ。
 奔りながら手に取った抗体武器は、果たして何の因果か、使い慣れた鉄塊剣の形をしていた。まるで棘の塊を掴んだかのような痛みがヴォルフガングを苛み、やがて其れは数秒もせずに全身に広がる。そして結果から過程が生まれるかのように傷が勝手に刻まれて、赤い血がぱたぱたとヴォルフガングの足跡めいて荒野の地面へと落ちていく。

 けれど。
 抗え、と己の誓いが言うから。
 だからヴォルフガングは、改めて誓うのだ。愛する者を護る。無辜の民を護る。例えどのような事情があり、都怒我阿羅斯等を絶望させるに足る何かが骸の海にあったとしても、其れでも! 其れでも、己は今を生きる一人の生き物として、抗うのだと。
 これまで幾多の死地を乗り越えた。絶望があった。痛みがあった。何度も何度も、心身を傷付けられ抉られた。其の度にヴォルフガングは唇を噛んで耐えてきた。
 覚悟を決めれば腹も括れる。そうすればもう何も恐れるものはないとばかりに。

 だからヴォルフガングは駆けた!
 決して止まってはならないと、己に誓ったから!
 例え一太刀でも良い、届いてくれさえすればいい! 其の後の事など知るものか、都怒我阿羅斯等という“オブリビオン”へ此の剣が届いてくれるなら……!!

 ざぐん、と音がした。
 ディアボロスランサーは違いなく、ヴォルフガングの腹を貫いたが……ヴォルフガングの一太刀は、都怒我阿羅斯等という生命樹の角を見事に数本へし折っていた。

「……俺、は、護る」

 血反吐を吐きながら、其れでも。
 愛する人がくれた命の輝きを。世界に満ちる輝きを護ると、ヴォルフガングは己を鼓舞し続けた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

朱鷺透・小枝子
……ッッ!!

人工魔眼の【動体視力】で祝詞槍の矛先を視認
【早業】身をちぢめて回避し、その場にあった武器──
バイオレンスチェイン型抗体兵器を手に取り『魔改造能力者』リモデルブレインを発動

抗体兵器!壊せ!!否、壊すぞ!!

敵に対する【闘争心】で抗体兵器の呪いと同調し【念動力】自身と鎖を操る
高速移動で槍の攻撃を回避し【ロープワーク】ディアボロスランサーと都怒我阿羅斯等を決して切れることのない鎖で拘束。

この生命を!このオブリビオンを!!壊せ抗体兵器朱鷺透小枝子!!

ディアボロスランサーの力を鎖の【呪詛】で抑えつけ『生命樹』状態を解除させ
【追撃】騎兵刀二振りで挟み込むように首を狙って【切断】攻撃!




 朱鷺透・小枝子(亡国の戦塵ジカクナキアクリョウ・f29924)は、其の瞳で都怒我阿羅斯等を見る。見る。観る。
 其の人工魔眼は確かに生命力の槍の矛先を視認し――出会い頭に放たれた生命力の光線をぎりぎりの所で身を縮めて回避せしめた。

 壊せ。
 壊せ。

 小枝子の中で誰かが囀る。
 其の破壊衝動に急かされるように手に取ったのは、バイオレンスチェイン型の武器だった。身体は痛む。だが、動けない程ではない。動けるなら戦える、戦えるなら壊せるだろう!!

「抗体兵器!! 壊せ!! 否――壊すぞ!!」

 思考と武器が直結する。己に付与するのは高速移動と転移能力。寿命なんぞ幾らでもくれてやる、目の前にいる敵をこわせるのなら!!

 ディアボロスランサーは其の一薙ぎですら致命に至る。
 しかし小枝子は風のように其れを避け、とん、と跳んだ。都怒我阿羅斯等の頭上を越えるように跳躍して視線を捉え、鎖を其の間に念動力で動かして槍と持ち手を拘束する。
 角を折られた都怒我阿羅斯等は明らかに弱体化していた。だが、其れでも小枝子は油断をしない。彼女が想うのはただ一つだけ。

 壊せ。
 この生命を。
 このオブリビオンを、壊せ!
 壊せ!! 抗体兵器朱鷺透小枝子!!!

 衝動に任せて小枝子は吼えた。
 呪詛がぎりりと鎖から滲み、小枝子はまるで獣のように騎兵刀を両手に取る。破壊と呪詛。破壊と呪詛。破壊と呪詛。
 小枝子が持つ物は其れだけ。
 小枝子が与えられるものは、其れだけ。
 だから小枝子は惜しみなく、都怒我阿羅斯等に其れを与える。其の呪詛で生命樹が生命樹たる力さえ押さえつけて、そうして其の刀で挟み込むように、都怒我阿羅斯等という男の頸を、挟み、斬る。

「――汝もいずれ、知る」

 其の意味を解す必要はない。
 小枝子はそう判断した。
 だから刃は止まらずに、都怒我阿羅斯等の頸を迷いなく刎ね飛ばしてみせたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2023年01月19日


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#シルバーレイン
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト