第二次聖杯戦争⑯〜もふもふフェンリル大パニック
●震えるミント
「うーん……不思議なオブリビオンが現れましたわね……」
エリル・メアリアル(
孤城の女王・f03064)は、首を傾げながら猟兵へと語り掛けた。
第二次聖杯戦争では、
銀の雨の降る時代で対峙したオブリビオンが数多く出現している。かつて能力者であった猟兵にとっては、どの相手も脅威に感じていることだろう。
「今回皆様に向かって頂く戦場の石川県庁も、そんなオブリビオンが待っているのだけれど……」
そう言ってエリルが見せたオブリビオンは、なんとも頼りない、一匹のゴーストウルフであった。
「名前は『震えるミント』。話によると、いくつもの戦場を渡り歩いてきた勇者……といいうのだけれど……弱そうですわよね?」
エリルが尋ねる。震えるミントはその名の通りぷるぷる震えており、鳴き声もか細く弱弱しい。
実際、震えるミントはとっても弱い。だが、数々の戦場を生き抜いたということは確かであり、その結果、何故かオブリビオン達に慕われているのだそうだ。
「弱いだけならば問題ないけれど……その震えるミントにハビタント・フォーミュラがあるユーベルコードを移植させたようなのですわ」
そのユーベルコードは『魔狼フェンリルの召喚術』。その名の通り、フェンリルを召喚する力である。
「……というか、ミントを慕うフェンリルの群れが勝手に現れるようなのですけれど……」
それほどまでにミントは慕われているというのだ。何故だ。
「フェンリルはミントと違ってとても強力かつ、超巨大。その群れを相手にすることなんてとてもできませんわ」
ですから、とエリルは指を二本立ててみせる。
「皆様の選択肢は二つ。フェンリルをうまくかわしてミントを倒すか……ミントの頭上にある魔力の渦を壊すか」
ミントの頭上には、ハビタント・フォーミュラから移植された膨大な魔力が『無限大マークの渦』になっていて、それがフェンリルたちのパワーの供給源なんだという。
「なので、魔力の渦を破壊することが出来れば、フェンリル達は即座に全滅、ミントはどこかへ逃げていきますわ」
まぁ、ミントもオブリビオンではあるのだが……なんやかんやで世界を壊す前になんとかなってしまうだろう。弱いから。
「まぁ、しかしフェンリル達は脅威。しっかり戦場を制圧してしまいましょう!」
そう言って、エリルはグリモアを輝かせた。
いくつもの戦場を駆け抜けたゴーストは、今回も生き延びられるか――?
●わうわうがうがうきゃんきゃん
「くぅ~ん……」
しゅびびびびん。ワープしてくる音とともにふわふわの巨体が石川県庁にたくさん現れる。
「わうっ!?」
「がう」
「がうがう!!」
「わお~~~ん!!」
「……きゃいん」
G.Y.
こんにちは。G.Y.です。
ゴーストウルフ『震えるミント』との対決です!
数々の戦場を生き抜いた震えるミントは、やけにみんなから慕われています。
現在ミントはハビタント・フォーミュラに『魔狼フェンリルの召喚術』を移植されており、周囲には勝手に召喚されたフェンリル達がミントを守ろうとしています。
うまくかわして、ミントを倒すか、ミントの頭上の『無限大マークの渦』を壊しましょう。
渦を壊した場合、ミントはきゃんきゃん鳴いてどっかに行きますが、まぁ今回は問題ないです。
それでは、皆さんのプレイングをお待ちしております!
第1章 ボス戦
『フェンリルを統べる者『震えるミント』』
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POW : なぜかフェンリルに慕われている
【魔狼フェンリル】を召喚する。騎乗すると【フェンリルの毛並みに隠れた】状態となり、【フェンリル頼みのパワー】属性とレベル×5km/hの移動力を得る。
SPD : けなげっぽい目で見つめて噛み付く
【かみつき】で攻撃する。また、攻撃が命中した敵の【顔】を覚え、同じ敵に攻撃する際の命中力と威力を増強する。
WIZ : くぅ〜ん、きゃんきゃん!
自身が【ぷるぷる不安な気持ち】を感じると、レベル×1体の【魔狼フェンリル】が召喚される。魔狼フェンリルはぷるぷる不安な気持ちを与えた対象を追跡し、攻撃する。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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栗花落・澪
ミントさん、現れてくるフェンリルにすら怯えてる説無い?
勝手に変なもの付けられて可哀想
自身に【オーラ防御】を纏い
翼の【空中戦】でフェンリル達とも一定距離を確保
【催眠術】を乗せた子守唄の【歌唱】をマイクで直接鼓膜に響かせ
出来れば寝かしつけて穏便にいきたいところ
更に【指定UC】発動
ミントさんにもフェンリル達にも多幸感を与え
攻撃を無力化している間にミントさんに急いで接近
死にたくはないけどもふもふには命をかけます
怖がらせてごめんね
これお詫び
と飴をあげて(動物でも食べれるよ)
可能なら優しく撫でて
一瞬で終わらせるね
UC解除と同時に指先から【高速詠唱】で雷魔法の【属性攻撃】
衝撃による渦の破壊狙い
怪我しないでね
石川県庁の前に出現した、もっふもふの巨大フェンリル達の隙間の奥に、ゴーストウルフ『震えるミント』がぷるぷると震えていた。
「ミントさん、現れてくるフェンリルにすら怯えてる説無い?」
屈強なフェンリル達に比べて、ミントの身体はとっても小さい。
栗花落・澪(泡沫の花・f03165)はそんな心配さえしてしまう。だが、それにしたってやはり気になるのは。
「勝手に変なもの付けられて可哀想」
ミントの頭上に浮かぶ『無限大マークの渦』。あれがあるからこそミントはフェンリルを召喚してしまうのだという。
しかし、フェンリル達がしっかりミントをリスペクトしているというのも厄介だ。
「うーん、出来れば穏便にいきたいところだよね」
そう考えた澪は、オーラを纏いながら翼を広げて空へと浮かび上がると、フェンリル達から距離を取ってマイクを構えた。
――――♪
澪の歌がフェンリル達、そしてミントの鼓膜に直接響く。その澪の歌声は、優しく、柔らかで、心地よかった。
そんな子守歌に包まれると、フェンリル達は目をとろんとさせ、まぶたをぴくぴく震えさせ始めた。一部は丸くなって眠り始めたりもしていた。
「よし、それじゃあ……」
続けて澪はゆっくり目を閉じ、祈りを捧げる。すると身体からふわん、と心地の良い多幸感のオーラが降り注ぎ始めた。
一日に長く使い過ぎれば命に関わる力だが、もふもふのためならば命を賭ける。
その想いも乗せて、力が戦場全体に広がってゆく。
「くぅん……」
「ぐるるぅ……」
湧き上がる多幸感に、フェンリル達が穏やかになってゆく。その間に、澪は翼をはばたかせ、大急ぎでミントの元へと近寄っていった。
「怖がらせてごめんね、これお詫び」
澪が飴を差し出した。
「動物でも食べられるよ」
「くぅ~ん……」
ぺろぺろと飴を舐め始めるミント。一応ミントもオブリビオンであるが、敵対の意志が落ちていることなどから、もはや普通にわんこである。澪がゆっくり頭を撫でてみようと手を伸ばすと、ミントはあっさりとその手を受け入れていた。
「さて、一瞬で終わらせるね」
多幸感の放出を止めて、澪が指先を無限大マークの渦へと向ける。直後、ぴしりと一瞬稲妻が走り、強い魔力が無限大マークの渦に衝撃を走らせた。
「きゃんっ!」
その衝撃にびっくりして、ミントが跳ね上がった。それと同時に渦が力を弱め、周囲のフェンリル達が消え去ってゆく。
「きゃんきゃんっ」
独りぼっちになったミントは、澪のもとから逃げ去っていった。まだ渦は完全には壊れていない。いずれ再び渦の力は元に戻り、フェンリル達も現れるだろう。
だが、破壊の為の一撃は十分に伝わった。このまま続けていけば、いずれ渦は壊れ、ミントはハビタント・フォーミュラの力から解放されるであろう。
「怪我しないでね」
澪は去ってゆくミントを、心配そうに見送るのであった。
大成功
🔵🔵🔵
大町・詩乃
(銀誓館学園に敬意を表してセーラー服姿で)
私、猫派なのですが、犬も普通に好きなのです♪
皆さんがミントちゃんを慕う気持ちは判るような気がします。
ミントちゃんを倒すつもりはないですから安心して下さいね。
と《慈眼乃光》と催眠術・コミュ力でミントちゃんやフェンリルさん達の不安や戦意を解消して進みます。
犬用おやつもたくさん持参してますので、フェンリルさん達に配ります。
ミントちゃんの近くに来たら犬用おやつを差し出して、「震えなくて良いですよ~♪」と頭なでなでして震えなくて済むようにします。
ひとしきりモフって満足した後に、「えいっ!」とミントちゃんの頭上の『無限大マークの渦』を壊して解決しますよ。
銀色の雨の降る時代、かつてこの世界を救った者達は、銀誓館学園に所属する若者――学生たちであった。
そんな銀誓館学園に敬意を表し、大町・詩乃(
阿斯訶備媛・f17458)はセーラー服で戦場に現れた。
「私、猫派なのですが、犬も普通に好きなのです♪」
というわけで、目的は震えるミント。といってもミント自身の討伐ではなく、無限大マークの渦の破壊である。
「くぅ~ん……」
ぷるぷる震えるミントを見て、詩乃はうんうんと頷いた。
「皆さんがミントちゃんを慕う気持ちは判るような気がします」
ゴーストウルフといっても、見た目からして弱そうだし、なんとも庇護欲を掻き立てる。そんなミントが沢山の戦場を渡り歩いてきたというのだから、カリスマ性も爆上がりなのだ。……多分。きっとフェンリル達もそう思っている。……きっと。
ともあれ、そんなミントを慕って現れるフェンリル達を蹴散らすのも忍びない。
「ミントちゃんを倒すつもりはないですから、安心してくださいね」
詩乃は、ミントとフェンリル達に向け、慈愛に満ちた視線を向けた。それは見つめられるだけで暖かな気持ちになって、フェンリル達は剥いていた牙をおさめて座り込む。
「おやつもたくさん持ってきてますよ~♪」
すっかり戦意を喪失したフェンリル達に、詩乃はゆっくり近付くと、持ってきていた犬用おやつを配り歩く。
「がう!」
フェンリル達は尻尾を振って、我先にとおやつを貰ってゆく。そんな様子に満足そうにしながら、フェンリル達のもふもふの山をかき分けて進んでゆくと、詩乃はミントの前に立った。
「震えなくていいですよ~♪」
しゃがみ込んで、骨型のおやつをミントの鼻先で見せつけると、詩乃がにっこりと笑った。
「きゃうんっ」
ミントはそのおやつに食いつくと、尻尾を千切れんばかりに振ってかぶりついている。
「いい子いい子、です♪」
その様子に詩乃は目を細めて、頭を二、三なでてやる。
ミントの震えはすっかり止まっていて、詩乃の手を拒む様子もない。フェンリル達もそれに怒る様子もなく、詩乃はひとしきりもふもふを楽しむのであった。
――そして。
「えいっ」
詩乃の薙刀が頭上の渦に亀裂を生んだ。
「きゃいんっ!」
マークが歪んだ衝撃にびっくりして、ミントが悲鳴を上げる。渦の力が不安定になったのか、フェンリル達は消えてミントは再びひとりぼっち。
「きゃんきゃんっ!」
ミントが詩乃の前から逃げてゆく。一応オブリビオンなので、このままでは不利だと思ったのだろう。
「うーん、残念。でも、ダメージは与えました」
渦の力は着実に弱まっている。このままいけば、きっとハビタント・フォーミュラの植え付けた力だけを破壊することが出来るだろう。
「それまで辛抱ですよ!」
去ってゆくミントに、詩乃はエールを贈るのであった。
大成功
🔵🔵🔵
尾守・夜野
…UDC-Pみてぇな感じなのかね?
なら倒したくはねぇな
犬達をよんで仲介してもらうし俺はそれまでの間遠く離れたところにいる
交渉役の犬達には敵対行動はとるなと伝え、なんなら腹向けたまま話せと頼んでる
…あくまで俺のUC呼ぶだけだから、お願いに答えるかどうかは呼ばれた犬たち次第ではあんだがね
「ここは戦場である」
「ミントは巻き込まれて爆弾抱え込まされてる」
「ミントの安全のため頭上のを壊したい」
「これだけのがリスクもなく使用できると?ミントの震えを見ろ」
「何なら戦場から去るために護衛につく」
「上の壊す奴が不審な動きをしたら即座に噛み殺せる位置に付けばいい」
「UDCアースでなら安全かもよ」
等々丸め込む
震えるミント。かつて銀誓館と繰り広げた二度の大戦を生き抜いた猛者である。
その功績が人狼騎士達に認められ、皆から慕われるカリスマ性を誇るようになったはいいが……。
「うーん……UDC-Pみてぇな感じなのかね?」
尾守・夜野(
墓守・f05352)は、首を傾げた。
元々ゴーストウルフであったミントは、当時から人間とは敵対していた。今も一応ゴースト側の存在ではあり、ただひたすらに弱いだけなのだ。その点ではUDC-Pともまた違うのだろう。
「くぅ~ん……」
弱々しく鳴くミントに、強敵のオーラはない。本来はこんな戦場にまでやってくるような器ではなさそうな相手だ。
「まぁ、とはいえ倒したくはねぇな」
夜野はそう言うと、触媒より黒妖犬達を呼び出した。
「さて、じゃあ交渉役になってくれ。俺はそれまでの間、遠く離れたところにいる」
夜野はそう言いながら、犬達に交渉の内容を伝えるのであった。
「きゃう~~ん……」
その声に、フェンリル達が現れる。フェンリル達は迫る敵を警戒し、ミントがぷるぷる震えてしまう相手がいないか睨みをきかせている。
そんなところに、ひょこひょこと黒妖犬達が現れた。
「ぼふ」
「わふ」
そんなやりとりをかわして、フェンリルは黒妖犬達を素通りさせた。なんとなく犬同士、シンパシーを感じちゃったんだろう。
「きゃんっ」
迫る黒妖犬にミントが小さく吼える。
「ばふっ」
「きゅぅん」
「……とりあえず大丈夫か?」
遠くから彼らのやりとりを見守っていた夜野が呟いた。
呼び出した黒妖犬達を完全に操ることは出来ない。あくまでお願いをしただけなので、実際にお願いに答えてくれるかは犬達次第なのだ。
戦場であることや、ミントが巻き込まれていること、頭上の渦を破壊したいことなどを様々伝えて、場合によってはお腹を見せるくらいまでやってくれと頼んだが……。
「おっ」
ころん、と黒妖犬がころがった。
ミントもころんと転がる。
「……交渉、成立なのか?」
夜野が首をかしげると、もう一体の黒妖犬がひょいとジャンプして、渦へと噛みついた。すると渦の力が弱まって、フェンリル達が消えてゆく。
「きゃんきゃんっ!」
渦の衝撃にびっくりしたミントが黒妖犬から逃げていった。完全な破壊にまでは至らなかったようだが、十分ダメージを与えることが出来たようである。
「とにかくお願いは聞いてくれたみたいだな」
去ってゆくミントを見送りながら、夜野は黒妖犬達を労うため、彼らの元へ向かうのであった。
大成功
🔵🔵🔵
アリス・フォーサイス
いくつもの戦場を渡り歩いてきた勇者か。美味しいお話を生み出しそうな香りがするね。これでオブリビオンでなければなあ。
まあでもいいや、ミントくんは残そう。そのためにも魔力の渦を怖そう。
魔力の矢の何本かはフェンリルの足を狙って足止めしつつ、他は全力で魔力の渦にぶちこむよ。
ほらほら、怖かったら、邪魔しないでよね。
「いくつもの戦場を渡り歩いてきた勇者か。美味しいお話を生み出しそうな香りがするね」
アリス・フォーサイス(好奇心豊かな情報妖精・f01022)は、震えるミントを興味深げに頷いた。
震えるミントは過去の大戦を何度も生き抜いてきた猛者である。が、実際は偶然何故か生き残ってしまった、という感じなので、戦闘能力はぜんぜんない。とはいえ、運も実力のうちということで、今に至るまで様々なオブリビオンに慕われているのだとか。
「これでオブリビオンでなければなあ」
いるだけで世界に破壊をもたらすオブリビオンであれば、ずっと生かしておくことは出来ないだろう、が。
「まぁでもいいや、ミントくんは残そう」
まぁ弱いならなんやかんやでなんとかなるだろう。アリスは今回のターゲットを『無限大マークの渦』に定め、ミントへと対峙するのであった。
「くぅ~ん……」
ぷるぷると震えるミントのもとに、勝手にフェンリル達が現れた。
ミントの不安な気持ちを察して、ミントを不安にさせた奴はどこだぁ!とばかりに牙を剥いている。
「ぼくはここだよ」
アリスはあえてそう告げ、フェンリル達の注意を引く。そうして視線を誘導した直後に、アリスは手にしたウィザードロッド型端末をかざす。
「それっ」
放たれたのはウィザードミサイル。アリスの端末から、無数の炎の矢が戦場に降り注いだ。
「きみたちには止まっててもらうよ」
ウィザードミサイルがフェンリル達の足元に着弾し、フェンリル達の動きを止める。その瞬間を見計らって、アリスは残る炎の矢を、無限大マークの渦へと向ける。
「ほらほら、怖かったら邪魔しないでよね」
600本にもなる炎の矢が、渦に次々と吸い込まれてゆく。渦は炎に包まれ、爆発とともにその力を弱らせてゆく。
「きゃんきゃんっ!!」
フェンリル達が消え、残ったミントが逃げてゆく。渦はもはや破壊寸前。もう一押しで、ハビタント・フォーミュラの野望を覆すことが出来るであろう!
大成功
🔵🔵🔵
ロウガ・イスルギ
アドリブ・連携歓迎
……
望まぬ力押し付けられるってのは哀れだな、
待ってろ、今楽にしてやる……!
渦破壊を狙うためフェンリルの包囲網を躱しミントへ接近
フェンリルの攻撃は【残像】【早業】【ダッシュ】で躱す
必要ならばフック付きワイヤ―「グレイプニル」も使用し
【ロープワーク】を駆使した立体的機動も織り交ぜる
攻撃範囲に入ったら銃器はホルスターにしまい敵意は無い事を示してみる
どんな形でも歴戦の勇者にゃ敬意を表したいってのもあるし、な
懐いてくれたならUCで
お祓いだ
渦は憑依物だし!
汚えモンにはコイツに限る!燃やせアグネヤストラ!
炎神来りて業成せ!!
「くぅ~ん……」
震えるミントが心細げに鳴く。ハビタント・フォーミュラによって移植された『魔狼フェンリル召喚術』によって現れるフェンリル達は身体の何倍も大きくて強いのに、何故かみんなミントを慕っていて、ミントを守ろうと周囲を警戒している。
「……
望まぬ力押し付けられるってのは哀れだな」
ロウガ・イスルギ(白朧
牙虎・f00846)は、そんなミントを見て呟いた。
与えられた力はどう考えてもミントには荷が重い。しかもそのせいで前線に出なくてはならないのもミントにとっては辛いところかもしれない。
「待ってろ、今楽にしてやる……!」
そう言うと、ロウガはミントへ向かって走り出した。
「きゃうんっ!」
吼えるミントの声に、フェンリル達が反応した。ロウガに視線が一気に集まると同時に、殺気がロウガを貫いてゆく。
「がおおっ!!」
フェンリルが巨大な腕を振り下ろす。巨体から繰り出される一振りは、するどい爪と相まって強烈な威力を誇る。ロウガはそれをあえてダッシュで駆け抜け、そのままスライディングでフェンリルの足元をすり抜けてゆく。
どぉん、と背後で地面が砕ける音が響く。ロウガは振り向くことなく立ち上がると、フック付きワイヤー『グレイプニル』を構えて射出する。
「ぐぁうっ!?」
グレイプニルがフェンリルの首に絡みついた。ロウガはそれを巧みに操ってスイングすると、その勢いで一気に上空へと跳ね上がる。
「見つけたぜ、ミント」
上空で伸ばしたワイヤーを巻き取りながら、ロウガはミントを見据える。ミントは今フェンリルの上に騎乗し、守ってもらおうとしているところであった。
「よっ……と!!」
「ぎゃんっ」
そのフェンリルの頭に勢いよく飛び降りたロウガは、銃器をすべてホルスターにしまい込んで、両手を上げた。
「震えんな、俺に敵意はねぇ」
ぷるぷる震えるミントに対して、ロウガがなだめる様に告げた。
偶然によるものとはいえ、どんな形であっても勇者は勇者。ロウガはそれに敬意を表したのだ。
「くぅーん……」
ミントも当初はぷるぷると震えていたが、次第に攻撃をしてこないロウガに対しても心を開き始める。
「ありがてえ」
震えを止めて静かに座り込んだミントが、ふるふるとロウガを見つめる。あとは、あの頭にあるものを壊せばいいだけだ。
「よし、すぐに終わらせてやるからな」
ロウガは視線を『無限大マークの渦にやり、アグネヤストラを抜く。
「汚えモンにはコイツに限る! 燃やせアグネヤストラ!」
アグネヤストラに邪念、邪心、そして憑依物のみを破壊する力が集まってゆく。それは炎となり、無限大マークの渦を狙う。
「
炎神来りて業成せ!!」
ロウガの叫びと共に、聖なる炎が迸る!
炎は渦を貫き、内部から砕いてゆく。
「きゃうぅんっ!!」
呼び出したフェンリルが消えてゆく。ダメージを受け、渦が一時的に機能停止したのである!
「きゃんきゃんっ!」
ミントが逃げ去ってゆく。渦はまだ完全には壊れておらず、少し時間を置けば復活してしまうだろう。
しかし、そのダメージは確実に蓄積されている。破壊まで、もう一息だ!
大成功
🔵🔵🔵
八坂・詩織
起動!
髪を解き、瞳は青く変わり白い着物を纏う。
震えるミント…覚えがあります。頑張って生き延びてたんですね。
でもフェンリルを統べる者だなんて荷が勝ち過ぎじゃないでしょうか…ハビタントフォーミュラ何やってるんですか。
とはいえフェンリルは放置できませんね。
指定UC発動、姿を隠しフェンリルをかわして…ミントの頭上の渦を狙って吹雪の竜巻をぶつけます。ミントは攻撃しませんよ、かわいそうじゃないですかけっこう可愛い…こほん、弱いのに頑張っていくつもの戦場を生き延びてきた子を無情に倒しちゃうなんて。
…というか、この場でミントを倒そうとする猟兵がいたら他の猟兵からヘイト集めそうな気がします…
「震えるミント……覚えがあります。頑張って生き延びてたんですね」
八坂・詩織(銀誓館学園中学理科教師・f37720)は震えるミントの姿を見ながら呟いた。
彼女は
銀色の雨の降る時代を戦い抜いた銀誓館の元生徒。懐かしい敵を前に、当時の記憶が呼び起こされる。
まぁ実際は一回死んじゃってオブリビオンになっている状態ではあるのだが、そう思わせるだけ長く生き延びたという実績も伊達じゃないのだ。
「でも、フェンリルを統べる者だなんて荷が勝ちすぎじゃないでしょうか……ハビタント・フォーミュラ、何やってるんですか」
詩織は既に戦場を離れているハビタント・フォーミュラの行いに溜息をついて、改めてミント達を見やる。
「とはいえ、フェンリルは放置できませんね」
ミントの周囲には、召喚術によって勝手に現れたフェンリル達のとりまきがいる。ミントはともかく、屈強なフェンリル達は脅威に違いない。ならばこの場を収めなくては。
「では……」
詩織は取り出したイグニッションカードを手にして、叫ぶ。
「
起動!」
髪が解け、瞳が蒼く変わる。ふわりと白い着物を纏い、かつてを思わせる姿となって戦場へと舞い降りた。
「がう?」
「ぐるる……!」
フェンリル達が詩織に気付く。しかし次の瞬間、視界が真っ白に染まってゆく。
「ホワイトアウトにご注意ください」
吹雪の竜巻が戦場を覆ったのだ。この吹雪の中では視覚どころか嗅覚さえもが当てにならない。
敵の探知能力を失ったフェンリル達の隙間をひょいと抜け、詩織はミントへと近付いてゆく。
「ミントは攻撃しませんよ、かわいそうじゃないですか。結構可愛い……こほん、弱いのに頑張っていくつもの戦場を生き延びてきた子を無情に倒しちゃうなんて」
そんな風に言われているミントは、吹雪の中でぷるぷる震えている。
普段からぷるぷるしてるミントだが、今は吹雪の中とあってそのぷるぷるも二割増しだ。
確かに、例えオブリビオンとはいえこんな姿を見ては、倒すのも気が引ける。
「ですから……えい!」
詩織が吹雪の竜巻を操作し、風を逆巻かせる。竜巻はミントの頭上へ向かって一気に吹き荒れ、無限大マークの渦を巻き込んでゆく!
「壊れてくださいっ!」
吹雪の勢いに呑まれ、渦が崩れてゆく。同時に周囲に召喚されていたフェンリルの姿が消えてゆく。渦を一時的に破壊することに成功したのだ。
「きゃんきゃんっ」
力を失ったミントが逃げてゆく。だが、渦はまだ完全に壊れていない。再び力を取り戻し、フェンリル達を再び召喚するだろう。
しかし、着実にダメージは与えている。渦の破壊まではあと少しだ!
大成功
🔵🔵🔵
ソフィア・アンバーロン
●WIZ/アドリブお任せ
わぁ、大きな巨獣みたいな狼がわろわらとオブリビオンじゃなきゃ突撃してモフ倒したいのに
あんなの相手にしてられないなぁ
え?シルヴィア、自分に任せろってる
あー!?勝手に?!
……シルヴィアが惹きつけて暴れてる
スピカなのに偶に好戦的だからなぁ、あの仔
シルヴィアが、フェンリル達を惹きつけている間にボクは闇に紛れたり、危なくなったら影縛りをして、急いで慌てずミントに近づこう
シルヴィアだって無限に戦える分けじゃないんだから急がないと
急げ急げ
ミントに近づいたら、頭の渦を持っている武器でぶっ壊そう
たぶん、渦を破壊するのだけで精一杯だと思う
下手にミントに攻撃したからどうなるか解らないし
「わぁ、大きな巨獣みたいな狼がわらわらと……」
ソフィア・アンバーロン(虚ろな入れ物・f38968)は、震えるミントと、そのミントを慕って現れたフェンリル達を見てほへぇと呆けた顔を見せた。
「オブリビオンじゃなきゃ突撃してモフ倒したいのに……」
今、石川県庁の足元はもっふもふパラダイスである。
「あんなの相手にしてられないなぁ」
どうやって攻略するべきか、ソフィアが頭を悩ませていたその時。ひらりとソフィアの周りを星霊スピカが飛び回った。ソフィアが赤ん坊の頃から一緒の星霊、シルヴィアである。
「え? シルヴィア? 自分にまかせろって?」
シルヴィアは自信たっぷりにぽむんと胸を叩く。そして。
「あーっ!? 勝手に!?」
ソフィアの制止も聞かずに、シルヴィアはフェンリルに向かって一直線に飛び込んでいくのであった。
「……スピカなのに、偶に好戦的だからなぁ、あの仔」
スピカダンスでフェンリル達の注意を引いて、ぼすんと頭突きを入れるシルヴィアの姿に、ソフィアはやれやれと呆れ顔。しかし、これは一大チャンスでもある。フェンリルがシルヴィアに引きつけられているのなら、ミントへ近付くことは容易になる。
「うん、シルヴィアだって無限に戦えるわけじゃないんだから、急がないと」
急げ急げと思いつつ、慌てずしっかり闇に紛れ、気配を殺しながらソフィアはミントへと向かってゆく。
「きゅぅ~ん……」
周囲のフェンリルがいなくなり、心細くなったミントが鳴く。
その声を聞きつけて現れたフェンリル達は今、シルヴィアと一生懸命バトル中だ。
不安な気持ちでいっぱいになって周囲をきょろきょろ見渡したミントが、ハッと気付く。
「到着~」
目と鼻の先に、ソフィアが立っていたのだから。
「きゃうっ!?」
驚いて鳴くのとほぼ同時、ソフィアが無限大マークの渦に向けて魔鍵を振う。
攻撃を受けて渦が歪み――一気にしぼんでしまった。周囲のフェンリル達が力を失い消えてゆく。
「きゃんきゃんっ」
そんな攻撃にびっくりしたミントが、ソフィアの元から一目散に逃げてゆく。
それを見送ったソフィアは、ふぅ、とため息一つ。
「やっぱり、渦の破壊だけで精いっぱいだったな」
ミントの背を見守りながら思い返す。しかし、これで充分。ミントを攻撃したらどうなっていたかもわからないし、渦を傷付けることが出来た。
完全な破壊まであと少し。そうすれば、ハビタント・フォーミュラの企みは潰えるはずである。
大成功
🔵🔵🔵
剣未・エト
いずれは倒さなければいけないのだろうけれど、この戦争中無力化されて後回しにできるなら他に手を回せる
個人的に同情してしまうしね…いこうくーちゃん
くーちゃんに休みなく体をちぎってもらって視肉を量産してそれをフェンリルたちの口元へ投げていく
フェンリルとてゴースト、視肉の美味しさにはついつい注意がそれてしまうんじゃないかな
「やぁ、僕は剣未エト、君と同じゴーストさ(地縛霊の鎖をみせながら)
こちらはくーちゃん。彼女のお肉を食べるかい?」
その間にミント君に接近、怖がらせないように笑顔で彼にも視肉を差し出そう、不安が和らげば召喚も止まるかもだし
無事接近できてチャンスがあれば渦を攻撃しよう
剣未・エト(黄金に至らんと輝く星・f37134)は、震えるミントと、ミントに召喚されたフェンリル達を見て呟いた。
狙うはハビタント・フォーミュラによって移植された『フェンリル召喚術』の源、『無限大マークの渦である。それさえ破壊すれば、ミントはどっかに行ってしまう。
「いずれ倒さなければならないのだろうけれど……」
震えるミントはとっても弱い。フェンリル達が現れないなら、放っておいても問題ないくらいだ。
「後回しにできるなら他に手を回せるし」
エトは肩に乗ったミニ視肉、くーちゃんをちょっとつついて、呟く。
「個人的には同情してしまうしね……」
くーちゃんに向けた視線をミントに移し、エトはゆっくりと歩き始めた。
「いこう、くーちゃん」
エトが歩く最中、くーちゃんは身体をちぎって、ぽいぽい投げていた。
ちぎられた肉はフェンリル達の口元にぽとりと落ちて、フェンリル達はそれをふんふんと嗅いで、ぺろりと舌で掬いとる。
「ばふっ」
フェンリルが嬉しそうに吼えた。どうやらくーちゃんの肉はとっても美味しく、特にゴーストの彼等にとってはかなりのごちそうであるようだ。
「フェンリルとてゴースト、視肉の美味しさにはつい注意がそれてしまうよね」
フェンリルが夢中で視肉を食べている横を、エトは悠々と歩いてゆく。フェンリルがそれに気付いても、くーちゃんがさらに身体をちぎって投げ込むので、ついつい気持ちが逸れてしまう。
そんなこんなで、エトはあっという間にミントへと対峙していた。
「やぁ、僕は剣未・エト。君と同じゴーストさ」
太腿に絡みついた地縛霊の鎖を見せて、エトはミントに笑いかける。
「くぅーん……」
ミントはぷるぷると震えて、エトのことを警戒している。同じゴーストだとしても、今は猟兵とオブリビオン。やはり簡単に相容れられるわけでもない。
「こちらはくーちゃん。彼女のお肉をたべるかい?」
紹介された肩のくーちゃんは、肉をちぎってエトの掌に載せる。
「ほら、どうぞ」
しゃがみこんで、ミントの目線に合わせる。それから視肉を差し出してみると、ミントは鼻をひくひくさせながらおそるおそる近付いてゆく。
ふんふん、と視肉のにおいを嗅いで、ミントが意を決してかぶりつく。すると、とっても美味しかったのか、はぐはぐと食いついて、あっという間に視肉をたいらげてしまった。
「あはは、まだあるよ」
ぺろぺろとエトの手のひらを舐めるミントに向かって、くーちゃんから新しい肉が提供される。
気が付けばミントの震えは止まっていて、ミントの不安な気持ちに敏感なフェンリル達もまったりしている状況だ。
「今だ!」
エトが剣を抜いて、ミントの頭上の渦へと一太刀を浴びせかけた。
「きゃいんっ!?」
ミントがびっくりすると同時に、渦が歪み、崩れ、弾け飛んだ。
魔力は霧散し、彼方に消えてゆく。とうとう猟兵達は渦の完全な破壊に成功したのだ。
渦が消えたことでフェンリル達が消え去ってゆく。そして、残るはミントただ一匹。
「……きゃんきゃんっ!」
もはや勝ち目は一切ない。ミントはぷるぷる震えながら一目散に逃げてゆく。
「もうあれなら戦えないね」
エトはミントを見送りながら、安心したように言った。ミントの事はこの戦争の後考えればいいだろう。
「くーちゃん、ありがとう」
エトはくーちゃんの頭を撫でながら石川県庁を後にするのであった。
大成功
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