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汝は人か家畜か

#ダークセイヴァー

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#ダークセイヴァー


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「戦うべきだ!」
「我々に戦う力などない!」
「戦わなければ俺達はヴァンパイアの餌になるしかないんだぞ!!」
「負けたら全滅だ!!」
 村人達が集まった議論が紛糾していた。互いに怒鳴り合い、今にも殴り合いが始まりそうな剣呑とした雰囲気の中、年老いた村長が声を上げる。
「やめいっ! 身内同士で争ってどうする」
 ヒートアップしていた村人達は一旦身を引いて頭を冷ます。
「しかし、どうするんです? このままだと我々は生贄を出さなくてはならない」
「一日に一人を差し出せなど! 一年も経たず村が滅びてしまう!」
 ヴァンパイアの使い魔から村に告知が届いたのは今日のことだった。それは一日一人の生贄を出すか、抗い戦うかの選択を強いる内容だった。
「他所の村の逃げるとか……」
「俺達を受け入れられるような余裕のある村がどこにある? どこだってギリギリの食い物しかねえんだよ!」
 逃げ出す意見はすぐに却下される。ヴァンパイアの目を逃れて作られた村など、どこも見つかる事を怖れて大きく拡張など出来ないのだ。
「だから戦うしかないんだ! 明日に攻めてくるんだろ!? さっさと戦支度をやらんと間に合わん!」
「そもそも本当に戦って勝ったら助かるのか? あいつらが俺達との約束なんか守るわけがねえ!」
 どちらの村人も意見を激しくぶつけるが、それは絶望へと逃避のようなものだった。誰も彼もが悲壮な顔をしている。ヴァンパイアに目をつけられた以上、その先にあるのは悪夢しかないと皆が知っていた。
「ヴァンパイアはどちらを選択してもこの村を滅ぼすつもりじゃろう……ならば抗うしかあるまい」
 皆の意見を聞いていた村長が顔を上げる。
「せめて一矢報いてやろう。我々は家畜ではなく人間として死のう……」
 ある者はその言葉に決意し、ある者は諦めて項垂れる。未来のない戦いが始まろうとしていた。

「ダークセイヴァーで村がヴァンパイアに襲われ滅びる事件が起きる」
 グリモアベースで待っていたバルモア・グレンブレア(人間の戦場傭兵・f02136)が猟兵達に説明を始めた。
「ヴァンパイアから生贄を求められた村は、生贄を出しても滅ぶと判断し絶望的な抗戦を選んだ。その結果、圧倒的なヴァンパイアの戦力によって皆殺しに遭ってしまう」
 戦いに長けた者がおらず、碌な戦準備も出来ぬままヴァンパイアの配下に囲まれ、村の防衛ラインはあっという間に突破されてしまい、老人だろうと子供だろうと虐殺されていく。
「諸君には村の防衛を手伝い、襲撃に来るヴァンパイアとその配下を返り討ちにしてもらいたい」
 まずは村の防衛を強化し、村人の犠牲を減らす努力をしなくてはならない。
「村があるのは木々に囲まれた森の中だ。周囲の切り開いた場所には畑が広がっている。人だけでなく畑も荒れてしまえば人々が生活する食料が足りなくなるだろう。材木を使い村と畑の柵を補強するか、周辺に罠を仕掛けるか、それとも伏兵といった防衛の為の他の作戦を考える必要がある」
 近くに避難できるような場所はない。離れた村に逃げ込めば、そこが次の標的となるし、村人全てを養う蓄えもない。
「最初に襲撃してくるのは、ヴァンパイア配下のレッサーヴァンパイア達だ。生贄となった人間の成れの果てで、諸君に比べれば個の力は劣るが、数の力で攻めて来る。最悪の場合は畑か村の被害を許容せねばならないかもしれん」
 敵の数に比べてこちらは少数である。手を尽くしても多くを守ろうとすればボロが出る可能性が高い。
「優先順位を決め、高いものから確実に守っていけ。もちろん多く守れるに越したことはないが、いざという時の為に保険を掛けておくのも重要だ」
 どこの守りを重点的に固めるかで、襲撃時の防衛力が変わってくる。
「村人達は自棄になっているが、一部にはやる気のある者も居るようだ。多くの者に手伝ってもらう事で作業効率が上がるだろう」
 絶望し活力を失った者もいれば、ただ静かに死を待つよりも、決死の覚悟で戦おうとしている者もいる。どちらにしても村を失えば生きる術は無いのだ。
「ヴァンパイアの横暴を許すな。力を示せというのなら、諸君の力を思い知らせてやれ」


天木一
 こんにちは天木一です。今回はヴァンパイアとの戦いとなります。

 一日かけて村の防衛力を高め、ヴァンパイアとその配下の襲撃に備えることになります。村人の多くは絶望し自暴自棄になっています。労働力にするには説得が必要です。村と畑全てを守るのは困難で、何かしら犠牲が出てしまいます。
 絶望に沈む村に、皆さんで僅かでも希望を与えてあげてください。
 一章で村の防衛力強化、二章で集団戦、三章でボス戦となります。
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第1章 冒険 『残されるもの』

POW   :    畑や村の周囲に防衛のための柵などを設置する。

SPD   :    畑や村の周辺に迎撃のための罠などを仕掛ける。

WIZ   :    畑や村を防衛するための作戦を考える。

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

リーヴァルディ・カーライル
…ん。彼らは座して死ぬより戦って死ぬ事を選んだのね。
たとえ絶望の中にあっても、抗う事を選んだ彼らを殺させはしない。

私は村人達に猟兵の事を伝え、
全体の作業効率の上昇を試みる
事前に防具を改造して存在感を増す誘惑の呪詛を付与
只人では無い雰囲気やカリスマを放ち交渉を有利に進める

私達が“猟兵”という吸血鬼や魔獣を狩る集団である事
この村の防衛に口出しさせてほしい事を礼儀正しく告げる

その見返りとして、村の防衛に猟兵も手を貸す事
大量の保存食や救助活動用の物資を【常夜の鍵】から取り出し、
吸血鬼を狩る事が大言壮語で無い事を証明する

…取り出した物資は、挨拶代わりに皆で使って。
腹が減っては戦は出来ない…でしょう?



●絶望に包まれた村
 森の奥にある村。普段ならば多くの人が日々の糧を得る為に働いているはずだが、今は皆が暗い顔をして、一部の人間以外はやる気を失ったように惚けていた。
 絶望しながらも抗う者達は必死に柵を強化しようと、汗を流して木材を大地に打ち込んでいく。
「……ん。彼らは座して死ぬより戦って死ぬ事を選んだのね。たとえ絶望の中にあっても、抗う事を選んだ彼らを殺させはしない……」
 抗う意思があるのならその手伝いをしようとリーヴァルディ・カーライル(ダンピールの黒騎士・f01841)は村人に近づく。
「私はリーヴァルディ……ヴァンパイアと戦う猟兵。死の運命に抗うのなら力を貸しましょう」
 誘惑の呪詛が外套から放たれ、その存在感が村人達を圧倒する。
「手を貸してくれるって言うのか? 相手はヴァンパイアなんだぞ。死ぬかもしれないのに……」
「ヴァンパイアを狩る。それが私の仕事」
 無表情に淡々と語るリーヴァルディに凄みを感じ、ごくりと村人は唾を飲み込んだ。
「……開け、常夜の門」
 そしてリーヴァルディは魔法陣を血で描き、空間を繋げて大量の保存食や救助活動用の物資を取り出した。
「これだけあれば一月は持つはず……」
 その物資を見せてリーヴァルディは大言壮語ではない事を行動で証明する。
「食べ物だ! 食べ物が出て来た!?」
「これだけあれば生き残れるかもしれない……」
「俺達だけじゃ無理だが、手助けしてくれる人がいれば……!」
 僅かな希望に村人の顔に生気が戻る。
「では村の防衛に私達猟兵が口出しする事を許してほしい」
「ああ、俺らは戦いの素人だ。どうしたら村が守れるのか教えてくれ!」
 リーヴァルディの提案に二つ返事で村人が頷く。
「……取り出した物資は、挨拶代わりに皆で使って。腹が減っては戦は出来ない……でしょう?」
「ありがてえ! すぐにみんなに配れるようにするよ!」
 どうぞご自由にとリーヴァルディが手で示すと、村人は駆け出し女衆を呼んできて食料の分配を始めた。
「……これで少しは作業効率が上がるはず。襲撃に備えなくては……」
 少しは不安が取り除けたかと、リーヴァルディは村人達の顔を見渡し、この場に居ない村人にも協力を取り付けようと動き出した。

大成功 🔵​🔵​🔵​

トリテレイア・ゼロナイン
【古城】で参加
吸血鬼への横暴についに立ち上がった人々をむざむざ見捨てることなどできません。騎士として助太刀しましょう。……同行するフォルター様の動機はいつものことなので触れません。
(依頼で度々組む、能力は認め合う凸凹コンビ)
まずは信用を得るために「礼儀作法」「世界知識」で「吸血鬼の専門家とその従者」として振舞いましょう。
村人達の人心掌握はフォルター様に任せ、防衛設備の増築を行います。「怪力」で柵用の材木を切り出しますが、「破壊工作」の知識を活かし、森の中に鳴子を設置、どこから攻めてくるかわかるようにしましょう。柵の薄い所にUCで穴を掘り、その中に杭を敷き詰めた落とし穴も造るのも良いですね。


フォルター・ユングフラウ
【WIZ】

【古城】で参加

ほぅ、たまには気概がある家畜もいるものだ
そうだな…少し手助けをして奴等の反乱を、家畜に手を噛まれた飼い主の顔を眺めるのも一興か
そう考えれば俄然やる気が湧くというものよ

やる気に満ちた我を騎士が訝しむかもしれぬが、まぁ任せておけ
吸血鬼退治の専門家とその従者という体で、言いくるめや鼓舞で村人の信用を得ていく
“証拠”として、UC:ノスフェラトゥで父上を喚び出すか…勿論、我の父上というのは伏せてな
防衛関係はトリテレイアに任せ、我は村人の人心掌握に努めよう
いざとなれば、誘惑で男共を悉く堕として纏め上げるのも手かもしれぬな
勝利の暁には“褒美”を与える、と囁いてな…ふふっ

※アドリブ歓迎



●吸血鬼の専門家と従者
「吸血鬼への横暴についに立ち上がった人々をむざむざ見捨てることなどできません。騎士として助太刀しましょう」
 トリテレイア・ゼロナイン(紛い物の機械騎士・f04141)は騎士ならばこうすると、己が行動基準に則り動き出す。
「ほぅ、たまには気概がある家畜もいるものだ。そうだな……少し手助けをして奴等の反乱を、家畜に手を噛まれた飼い主の顔を眺めるのも一興か」
 その隣に立ったフォルター・ユングフラウ(嗜虐の乙女・f07891)は高慢に村人達を見下し、ヴァンパイアが手痛い目に遭う姿を想像してくつくつと笑う。
「そう考えれば俄然やる気が湧くというものよ」
 興が乗ったとフォルターは村に助力してやることにする。
 トリテレイアがそんなやる気に満ちたフォルターに暴走しないか心配そうな視線を向ける。
「まぁ任せておけ」
 言い包めれば良いだけとひらひらと手を振ったフォルターは村人に近づく。

「誰だあんた?」
「我は吸血鬼退治の専門家だ。汝らは幸運だな。偶々我がこの場に居合わせたのだから」
 訝し気に尋ねる村人に、傲岸不遜にフォルターが言い放つ。
「あんたみたいな細腕の女に何ができるってんだ?」
「ふむ……ならば見せてやるとしよう。我が力の一端を」
 フォルターの元から蝙蝠の群れが飛び出し、集結するとかつて殺めたヴァンパイアの父の霊が召喚される。その威厳ある姿は周囲を威圧するように空気を震わせた。
「うおっ!?」
 その突然の出来事に村人は腰を抜かして尻餅をついた。
「これが我が手足となって働く僕よ。この力を持ってすれば吸血鬼退治など容易いこと」
 どうだと自信満々なフォルターの言葉と、召喚された霊の強そうな姿に村人達もこれなら行けると思い始める。
「こんな凄そうな力があるなら……やつらに勝てるかもしれねえ」
「ほ、本当に手助けしてくれるのか?」
「勿論だとも。だがより完全を期すならば汝らの力も必要だ。あそこの従者の指示に従うといい」
 フォルターがトリテレイアの方へ視線を向ける。その立派な鎧纏う騎士の姿に村人は騎士様だと安堵を覚える。
「では頑張るといい。もし汝らの力で勝利を得られたならば“褒美”を与えてもよいぞ……ふふっ」
「お、オレに任せてくれ!」
「いや、俺の方が!!」
 意味深に囁きフォルターは流し目を送って笑う。その言葉に男達は奮起して仕事に向かった。
「愚かな民衆を揶揄うのも愉快よな」
 楽しそうにフォルターは次の村人をその手管でやる気にさせるべく足を向けた。

「……人心掌握はフォルター様にお任せして、こちらはこちらで仕事をしましょう」
 吸血鬼専門家の従者として礼儀正しく振る舞い、トリテレイアは村人に指示を出す。
「まずは防衛施設の増築です。柵を強固に広げ、村と畑を守ります」
「はい!」
「やってやるぜ!」
 やる気に満ちた村人を引き連れ、トリテレイアは森に足を踏み入れる。
「では少し離れていてください」
 トリテレイアは儀式剣を抜いて横薙ぎに振り抜く。刃は木をあっさりと断ち切りずずっと木がゆっくりと倒れた。
「おおっすっげえ」
 その凄まじい太刀筋に村人達が驚きの声を上げる。
「これを順番に運んでください」
「任せてくれ!」
「よっしゃ運ぶぜ!」
 トリテレイアが指示を出すと、縄で木を縛り、男達が掛け声を上げて木を引き摺っていく。その間にもトリテレイアは手を休めずに木を切り倒していく。
「一先ずはこんなものでしょうか」
 手を休め木を並べて置くとトリテレイアは周囲を見渡す。周囲は見渡す限り木々が茂り、視界が悪かった。
「敵がどこから攻めて来るか判れば戦い易くなりますね」
 そう思い、森の奥に鳴子を設置しておく。これならば見えなくても敵の位置が分かるようになる。
「足止めに落とし穴も造っておくのも良さそうですね」
 次にトリテレイアは拳を振り上げ、思い切り地面に叩きつけて爆発するような衝撃が巻き起こり地面に穴が空く。そこへ木を剣で削って杭を何本も作り、落とし穴を設置した。
「な、なんだ!?」
「爆発したぞ!」
 音に驚いた村人が穴を見てさらに驚く。
「こちらは危ないので近づかないようにお願いします。木の方は運び終わりましたか?」
「あ、いや。すぐに運んじまうよ!」
 思い出したように村人が走って戻って行く。巻き込む心配がないのを確認し、トリテレイアは次の穴を空けるべく拳を振り上げた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ジェイ・バグショット
何もせずに死にたい奴はそうしろ
死んででも敵の喉笛噛み切ってやろうってんなら、とことん戦おうじゃねぇか
生きることを諦めるなんて、死ぬその瞬間まで取っとけよ。

俺なりの鼓舞。甘ったれは戦いの邪魔だから俺は切り捨てるぞ

本当に生きたい奴が生き残るべきだ。
非力でも出来ることはあるだろ


村周辺の地の利を活かして敵が攻めてくる方向を誘導する
柵を村の入口に向かって窄まるような形に設置
周囲に生えてる木も利用し障害物とする
攻め入る方向を狭くすることで大軍でも一気に入ってくるのを防ぐ
加えて進路に罠を設置

敵の攻撃は届かず、こちらの攻撃は届くのが理想

女子供は村の中心一箇所に集め守る
畑は先に収穫出来るものがあれば収穫し蓄える


パラス・アテナ
アタシが一番に守るのは、誇りだよ
それがなけりゃ、生き延びたって先はないね
「アタシは戦場傭兵なんでね。戦闘は引き受けてやる。だがね、この村を守るのはアンタ達自身だ。でなきゃ遅かれ早かれこの村は滅ぶ」
「蹂躙されるしかない家畜でも庇護されるだけの弱者でもない。誇り高い人間として生きるんだ」

襲撃時
畑を守るように堂々立ってレッサーどもを挑発
レッサーが猟兵に向かって走って来たらしめたものさ
森と畑の境目の木に地面から高さ50センチ程の幹に縄をぐるりと張り巡らせといて足を引っ掛ける
村人に、転倒したら倒れ込む場所に落とし穴を掘らせる
幅2m深さ1mくらいかね
底に剣を切先上に埋めて、殺傷力強化
少しでも数を減らすよ



●戦う意思
「俺達もう終わりだ……」
「クソッ何でだよ! オレらが何したってんだ!!」
 絶望を顔に浮かべた村人が座り込み、文句だけを垂れ流して無気力に時間を浪費していた。
「情けねぇ」
 そんな村人をジェイ・バグショット(幕引き・f01070)が呆れたように見下ろす。
「なんだと!」
「あんた余所もんか? 余所もんにオレらの何がわかるってんだ!」
 八つ当たりのように村人達はジェイに怒りをぶつけた。
「まだ怒鳴るだけの元気はあるみたいだな」
 そんな村人達の怒りを平然と受け止め、ジェイは視線を合わせる。
「何もせずに死にたい奴はそうしろ。死んででも敵の喉笛噛み切ってやろうってんなら、とことん戦おうじゃねぇか」
 戦うのなら俺も付き合ってやるとジェイが語り掛ける。その目には絶望など無く、どんな事をしてでも死に抗おうという強い意志が宿っていた。
「生きることを諦めるなんて、死ぬその瞬間まで取っとけよ」
 虚弱な体で生まれ、隣り合わせの死と長く付き合っているジェイの言葉は心に響いた。
「………そうだな。諦めるのはいつだってできるよな」
 村人の一人が目に輝きを宿して立ち上がる。
「おい、本気か? ヴァンパイアが相手なんだぞ!」
「村長も言ってただろ、一矢報いてやろうってさ。俺もそんな気分になった」
 無謀だという仲間の声に、村人は吹っ切ったような顔を見せる。だがその足は震えていた。
「……仕方ねえな。オレも手伝ってやるよ!」
 まだ顔の青い村人も立ち上がる。それに続いて他の村人も何人か活力を取り戻した。
「よし、やる事は柵の設置だ。村の入り口に向かって窄まるような形に立てる」
 ジェイがこんな感じだと地面に図を描いてみせた。
「攻め入る方向を狭くすることで大軍でも一気に入ってくるのを防ぐ」
 敵の進軍ルートを誘導しようとする作戦を説明し、自分達のやるべき事の意味を教える。
「女子供は村の中心に集めて守りを固める」
 次に防衛時の配置についても示し、自らの手で家族を守る意識を持たせる。
「それと畑で収穫出来るものがあればすぐに収穫して蓄えておけ」
「ああ、わかったよ」
 次々と指示を出されやる気になってきた村人がすぐに頷いた。
「本当に生きたいなら、全力でやってみろよ」
「「おおー!」」
 ジェイの言葉に村人達は気合を入れて動き出した。

「何をしたって無駄だよ……」
「ヴァンパイアに勝てる訳がないんだ」
 仕事をさぼり男達がたむろして、働いている仲間に冷めた視線を向ける。
「アタシが一番に守るのは、誇りだよ。それがなけりゃ、生き延びたって先はないね」
 そんな男達の前に姿を現したパラス・アテナ(サトラレ・f10709)が、開口一番厳しい言葉を投げかける。
「誇りだって? 誇りがあったらなんだってんだ! それで生き延びられるってのかよ!」
 自暴自棄になった村人がパラスに向かって言い返す。
「アタシは戦場傭兵なんでね。戦闘は引き受けてやる。だがね、この村を守るのはアンタ達自身だ。でなきゃ遅かれ早かれこの村は滅ぶ。今回助かったとして、もしまた襲われたらどうするんだい。その時はアンタ達がやるしかないんだよ」
 今回助かったところで、次に危機が訪れたところで自らの力で村を守る事ができなければいずれ村は滅ぶとパラスは厳しい現実を告げる。
「そんな……」
「俺達がやれば助かるってのかよ! 俺達だけであいつらを叩きのめせるってのかよ!!」
「それはアンタ達のやる気次第さ。だがその手に武器を持たなければ可能性はゼロだ」
 パラスの言葉に村人達が己が手を見つめる。
「蹂躙されるしかない家畜でも庇護されるだけの弱者でもない。誇り高い人間として生きるんだ」
「人間として……生きる」
「やってやるよ! やりゃいいんだろ! 俺達の手で化け物どもをぶっ殺してやる!」
 やけくそになって奮起した村人が防衛の準備をしている仲間の元へ駆け出した。
「約束した手前、こっちも勝つための準備をしておかないといけないね」
 パラスは村人の後に続き、集まった人々を何人か引き連れ、罠を仕掛けに村の外に向かう。
「そこに地面から50㎝程の高さに縄を張り巡らせるんだよ。そっちは幅2m深さ1m程の穴を掘りな。中に何でも尖ったものを、そこらの木の枝でもいいさ。尖らせて一面に埋めておくんだ」
 パラスは指示を飛ばし村人自らの手で村を守る為の罠を仕掛けさせる。この経験が次からも村を守る力になる。教導官のように厳しく村人を鍛え上げ始めた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

花塚・メアリ
レッサーヴァンパイアの集団は厄介ね……村人も守る、畑も守る、その両方をやらなくっちゃいけないってのが猟兵の辛い所ね。

それでも理想を諦め切れないのは私がバカだからかしら

先ず何をするにしても資材が必要ね、村人に私の力を誇示して信用を得るついでにUC【剣刃一閃】で木を切り倒して木材を用意するわ。

村人達には柵の補強と槍の作成を手伝わせて、もしこちら側に弓や銃の使い手がいるようなら追加で木を切り倒して天然の身を隠せる障害物を作るのもいいわね。

畑は一部を囲むように刈り取ってブロック状に分割する、突破された部分の畑には火矢を放たさせるわ。 分割するのは一つの火種で全ての畑に燃え移らないように切り捨てる為よ。


有栖川・夏介
※アドリブ歓迎

人として死ぬと決めた、村人達のその心意気を私は尊いと思います。
ならば、彼らが人として生きるために…私にできることをします。

攻撃は最大の防御、です。
原始的ですがトラバサミのような足止めの罠を村の周辺に設置します。
敵を足止めすることができれば、田畑への被害を減らすこともできるかと。

村人たちには畑の柵の設置、補強をしていただけると助かります。
無理のない程度でよいのですが…動いてくれるでしょうか?
「……人として死にたいなら、私が今ここで処刑してさしあげましょうか?」
【恐怖を与え】てみます。荒療治でしょうか。
村人たちには人として死ぬのではなく、生きると決意してほしいです。


喰龍・鉋
*他猟兵との連携、アドリブ大歓迎 POW 【指定UC】選択防御
ひたむきに働いてれば自ずと皆まとまってくれると信じてるよ
先ずは必要な資材を【怪力】を使って作業場へ一気に運搬するよ、
勿論完成したバリケードもくまなく運搬するよ
足りないならその多少に成るかもだけど手伝いだね、木を【薙ぎ払う】よ
現場で事故が起こりそうなら躊躇なく【庇う】
兎に角ボクは運搬と設置の手伝いに全力を注ぐ、村人達にも勿論元気に
なってもらいたいけど、そんな中しんどい作業をするのは
かなりモチベーションが下がると思うからね、一番つらいのは彼らだから
立ち向かう【勇気】をもって働いてる姿に村のみんながある程度感銘を受けてもらえたら嬉しいな



●村を強くするために
「レッサーヴァンパイアの集団は厄介ね……村人も守る、畑も守る、その両方をやらなくっちゃいけないってのが猟兵の辛い所ね」
 花塚・メアリ(シティスタイル・サムライガール・f02587)は村と森の中に広がる畑を見渡す。少々柵を作ったところで全てを守りきるなど無理だと一目で分かってしまう。
「それでも理想を諦め切れないのは私がバカだからかしら」
 どれだけ困難であろうとも、全てを救う道を行く。そう決意してメアリは行動を開始する。
「先ず何をするにしても資材が必要ね。口で語るよりも力を見せてあげるわ」
 無気力そうに何もしていない村人達を目の端に捉え、村の近くに立っている木の前にメアリが足を運ぶと、野太刀を横一閃に振るう。その一刀で纏めて数本の木を断ち切った。
「おお! あんな細腕でなんて剣を振るいやがる」
「……すげえな。なんで木があんな風に切れるんだ?」
 そのパフォーマンスに近くで見ていた村人達が驚き目を丸くしていた。
「さあ! ぐずぐずしている暇はないわ! これから切り出す木材を使って柵の補強と、武器にする簡易な槍を作るわ。手の空いている人は手伝って!」
 メアリの力強い声に押されるように、村人達がふらふらと動き出した。
「遅いわよ! そんな調子じゃ木が余ってしまうわ」
 次々とメアリが木を斬り倒し、地面に転がっていく。
「速過ぎる!」
「あのねーちゃん無茶苦茶だ! こんなスピードで切られても手が追いつかねえ!」
 悪態を吐きながらも、身体を動かしていれば不安が和らぐのか、村の男達が作業を放棄せずに柵作りに取り掛かった。
「そういえば、この中に弓か銃が使える人は居るかしら?」
「オレは猟師だから弓は使えるが……」
 メアリの質問に一人の男が答える。
「それなら身を隠せる場所も要るわね」
 飛び道具で隠れなが撃てる場所を作ろうと、メアリは木を倒し天然の障害物を作り出す。

「ひたむきに働いて、見本を見せることが大事だよね」
 喰龍・鉋(楽天家の呪われた黒騎士・f01859)は言葉よりも行動と、切り出された木材をその小さな体からは信じられない怪力で持ち上げ、村の作業場へと運ぶ。
「こっちのちっこいじょーちゃん、なんちゅー怪力だ」
「女子供に働かせて俺らが何もしねえ訳にはいかねえよな……」
 そんな様子を見てやる気を出した村人達も、ペースは遅いものの木材を運び出す。
「この木材はもう処理出来てるのかな。それなら持っていくね」
 切り出した木材を置いた鉋は、今度は加工して先端を尖らせた木材を運び、柵を設置している村人の元まで運ぶ。
「これはここに立てればいいんだよね?」
「ああ、そうだ。だがこの調子じゃ間に合わんな……」
 尋ねながら鉋が足場の上の村人を見上げる。カーンッカーンッと大きな木槌を何度も振るって木材を地面に突き立てていくが、しっかり固定するまで埋めるには時間が掛かる。そして焦って作業をしているとミスもまた生まれる。
「あっ?! うわーー!!」
 足を踏み外した高い足場から村人が落下してしまう。それを鉋は下に駆け込んでキャッチした。
「大丈夫?」
「あ? あれ!? 助かった……ありがとうございます!」
 目を閉じていた村人が助けられた事を知って慌てて腕の中から降りて頭を下げる。
「あれを刺せばいいんだよね。ボクに任せて」
「あ……!?」
 鉋が軽々と木槌を片手で担ぐと、ひょいっと足場を上って木槌を振り下ろす。するとドンッと重い音が響き一発で木材が地面に食い込んだ。
「……こりゃーすごい」
 言葉もないと村人達が驚いた目を向ける。
「これでいいんだよね?」
「あ、ああ! もちろん! おい! すぐに木を並べろ!」
 呆気に取られていた村人達が我に返ったように動き出し、柵となる木材を並べていく。
「準備できた! やってくれ!」
「じゃあいくよー!」
 鉋がリズムよく木槌を叩きつけ、並べられた木材を次々と埋めていく。そしてあっという間に柵の基礎が出来上がった。
「ここまでできりゃー後の細かい部分は俺達で何とかなる。あんたの力が必要になる他の所を手伝ってやってくれねえか」
「任せておいて!」
 胸をどーんと叩いた鉋が次の仕事に向かう。その後ろ姿に村人達は勇気を貰ったように、今までよりも懸命に仕事に取り組んだ。

「……全部を守れなくても、被害を広げないようにする必要があるわね」
 急ピッチで収穫が行われているが、それでも間に合わない畑を確認していたメアリは、一部を囲むように麦を刈り取ってブロック状に分割していく。
「あんた! 畑に何してるんだ!」
 慌ててそれを止めようと収穫していた村人が近づく。
「明日にはここも戦場になるわ。突破された時に火矢を掛けて迎撃することになる。区分けする事で全部が燃えないように工夫しているのよ」
「そんな! 畑が燃えたら食っていけねえ!」
「明日負ければ食べるどころか、命が無くなるのよ」
 興奮する村人にメアリが冷静に起こるであろう事実を告げる。
「ああ……そうだ、明日勝たなけりゃもう畑も意味がねえんだな……」
 がっくりと肩を落とした村人はふらりと立ち去った。その後ろ姿を見送り、メアリは作業を続ける。
「オレも手伝うよ。悪く思わないでやってくれ。あいつはみんなを食わせていけるように畑の改良にずっと力を入れてたんだ」
 そう言って村人が鎌を手に持ってくる。
「気にしてないわ。生き残れたら文句をゆっくり聞いてあげることにするわ」
 全ては明日を乗り切ってからだとメアリは指示を出し、畑の分割作業を進める。

「人として死ぬと決めた、村人達のその心意気を私は尊いと思います。ならば、彼らが人として生きるために……私にできることをします」
 その覚悟に敬意を払い、有栖川・夏介(寡黙な青年アリス・f06470)は出来るだけの手伝いをしようと地形を見ながら作戦を考える。
「攻撃は最大の防御、です。原始的ですがトラバサミのような足止めの罠を村の周辺に設置しましょう」
 敵が数で来るのならば足並みを乱れさせれば、その分攻勢が弱まり防衛もしやすくなる。そう考え設置場所をどこにすれば最も効果的かを決めていく。
「それに敵を足止めすることができれば、田畑への被害も減らすこともできるはず」
 防衛ラインを上げれば畑が戦場になる機会も減ると、早速罠を仕掛ける為に動き出す。その途中で何をしようかとおろおろ迷っていた村人達と言葉を交わす。
「皆さんには畑の柵の設置、補強をしていただけると助かります」
「ああ、わかった。元々村の守りは固めにゃと思ってたからな」
 夏介から頼まれると、不安にしていた村人達がとにかくやれる事が出来たと作業に取り掛かる。
「けっ、やってられっか。どうせみーんな死んじまうんだからな」
「そうだよ、何をしたってヴァンパイアが来たらお仕舞いだ」
 だが素直に働く村人ばかりではない。既に諦めやる気を失った者もいる。
「……人として死にたいなら、私が今ここで処刑してさしあげましょうか?」
 座り込んだ村人に穏やかな声をかけるが、夏介の言葉には殺気が混じっていた。
「ひっ……」
「そ、そんなことが」
「無理のない程度でよいのですが……動いてくれますよね?」
 怯える村人に夏介が人形のように冷たい視線を向ける。
「お、俺たちも手伝いに行こうぜ」
「あ、ああ……!」
 逃げるように座り込んでいた村人が柵作りをしているところへ合流する。
「荒療治ですが、この危難に輪を乱されるのは困りますからね」
 皆が一丸となって動かなくてはならないときに、不平不満ばかり言う人間は邪魔になる。
「人として死ぬ覚悟ではなく、生きると決意してもらえるよう、私も頑張りましょう」
 柵は仲間に任せて夏介はトラバサミや落とし穴の準備に向かった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

北条・喜夏
WIZ/アドリブ・連携歓迎やで!

抗戦か、降伏か……足並み揃えな勝てる戦も勝てへんて。
先ずは村人はん達を纏めるんが必要やけど……せや!メシでも作ったろか!

腹が減ってはなんとやらや!
食料は少ないやろうけど……ウチの【料理】スキルで少しでも美味ぁしたるで!
んー、お好み焼きとか作れたらええんやけど。まあ、スープとか鍋系とかがベターかなあ。

ひとまず、みんなでメシにしよーや。
【コミュ力】【言いくるめ】あたりでなるたけ人を集めてな。
主義主張も老若男女も関係あらへん!
まずは!
メシや!!


んで。みんなメシ食い終わったくらいで、こう言ったろうか。

明日も、明後日も、明々後日も。まぁたみんなでメシ食おうや!……ってな!



●生きる糧
「抗戦か、降伏か……足並み揃えな勝てる戦も勝てへんて。先ずは村人はん達を纏めるんが必要やけど……せや! メシでも作ったろか!」
 何をすれば村人の意思を統一できるだろうかと考えた北条・喜夏(武装召喚JKよしかちゃんとはウチのことやで!・f13043)が、これだと閃く。
「腹が減ってはなんとやらや! 食料は少ないやろうけど……ウチの料理スキルで少しでも美味ぁしたるで!」
 喜夏は何が作れるだろうかと食材を調べる。
「んー、お好み焼きとか作れたらええんやけど。まあ、スープとか鍋系とかがベターかなあ」
 小麦はあるが卵がないとお好み焼きを断念する。そして干し肉や根菜を使って鍋を作ろうと決めた。
「ちょーええか? みんなが元気になるようにメシの差し入れしようか思っとるんやけど、手伝ってくれんかなあ?」
 大人数分を作るとなると一人では手が足りないと、喜夏は手透きにしている女性や子供に話しかける。
「私達でできることがあるなら」
「てつだうー!」
 主婦達を中心にそれぞれ大きな鍋が集められ、食材の下処理が行われる。子供達もちょこちょこと動き回って食材を運んだり、親のやる事を真似て野菜を洗っていた。
「これでいいー?」
「おーええ感じやな! ほんなら鍋に入れてくれるか」
 子供が剥いた野菜を見せると喜夏が褒めてやり、子供を後ろから抱えてやって大きな鍋に入れるのを手伝ってやる。そして喜夏が味付けをして鍋が煮られていく。
「ぐつぐつ煮えたら完成や! みんな呼んできてくれるか。メシにしよーや」
「うん!」
「はーい!」
 しっかりとキノコの出汁が出た美味い鍋が出来上がると、子供達が村中の大人を呼びに走り出す。そうして村の広場に人々が集まり出す。
「ひとまず、みんなでメシにしよーや!」
 喜夏がそう言って多くの村人が老若男女集まり、村人も猟兵も揃って少し遅い昼飯が始まる。
「うめー」
「こんな美味い飯は初めてだ」
「おいしーねー」
「うん!」
 どんな時でも腹は減る。そして腹を満たせば生きたいという欲求も生まれてる。
「明日も、明後日も、明々後日も。まぁたみんなでメシ食おうや!」
 そこへ喜夏が声をかける。それは当たり前の言葉。明日以降もいつもと同じような日常を過ごしたいとただそんな平凡な願い。
「よし! ごちそーさん! 一仕事がんばるか!」
「おう!」
 美味い物で活力を取り戻した男達が立ち上がり作業に戻る。
「オレも手伝おうかな……」
「明日も美味い飯食いて―しな!」
 気力を失っていた人々も持ち直し、作業を手伝いにいく。
 その姿を満足そうに眺めながら、喜夏は夜の食材を探そうと、主婦達に聞きながら森の幸を探しに向かった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ハーミル・フラウミル
あと一歩が足らずに戦えない村人達を戦力とする作戦を考えたいです

私達の参戦により武器を手に立ち上がってくれる人は良いでしょう
問題はその他、体力があっても勇気が及ばなかったり何か故障のある方々ですね
無理に戦いに加えてもきっと良い結果にはなりません

それなら、例えばこんな役割は如何でしょうか
・伏兵
数名まとまって物陰に潜み、敵が来たらピッチフォークなどの農具で一刺し
敵の集団に押し込まれる形で誘導したところに決めて頂きたいです
それが済んだら下がって頂いて構いません
ポイントは1人はきちんと戦える人を加えるところでしょうか
最初の1人が動けば勢いで皆さん続いて頂けそうです

1人1人の手を取り目を合わせて説得します



●明日に備えて
 作業は順調に進み、村と畑をある程度守れる柵が作られ、周辺にもトラバサミや落とし穴といった罠が仕掛けられた。そして薄暗い空がさらに暗く夜の闇に包まれる。そこで作業が打ち切られ、村人達は広場でたき火を囲んで遅い夕食を取る。食事で体を温めながらもその心には隙間風が吹いているように寒々としているのが分かる。誰も彼もが不安なのだ。
「あと一歩の勇気が足りないなら、私がその背中を押してあげたいです
 その為の方法をハーミル・フラウミル(白翼の聖女・f14624)は思案する。
「私達の参戦により武器を手に立ち上がってくれる人は良いでしょう。問題はその他、体力があっても勇気が及ばなかったり何か故障のある方々ですね
無理に戦いに加えてもきっと良い結果にはなりません……」
 それ以外の手伝ってもらえる事はないかと様々な案を浮かべて提案してみる。
「皆さん、明日には敵と直接矛を交えることになります。そこで皆さんの戦い方を考えました」
 村人の前に立ったハーミルが説明を始める。
「数人にまとまりピッチフォークや今日作った木の槍などで武装して物陰に潜み、我々猟兵が誘導したところへ一刺しするというものです」
 敵を村に引き込んだところへ伏兵の一撃を任せるという案だった。
「それは危険じゃないのか?」
「俺達はろくに戦ったことがないんだ……」
 不安そうに村人達が声を上げる。
「明日の戦いに勝たなければ全てを失います。それにその攻撃が済んだら下がって頂いて構いません。そこからは我々が討ち漏らした敵の迎撃だけをお願いすることになります」
 ハーミルの言葉に村人はやはり不安そうにしながらも頷いた。
「大丈夫です。私達猟兵が必ず皆さんを生き残らせてみせます。だから信じて共に戦ってください」
 ハーミルはその震える手を握り、目を合わせ言葉を交わす。そうして一人一人とコミュニケーションを取って不安を取り除こうとする。
「わ、わかった。この村は俺らの村だ。関係のないあんたらが頑張ってくれるってのに、情けない事言ってられないよな……」
「そうだよな。村は俺達の手で守るのが道理だ」
 手の温もりが不安を溶かすように村人に落ち着きを与える。
「皆さん。明日は絶対に勝利して生き残りましょう」
「「おおおおおー!!!」」
 ハーミルの掛け声に皆の声が合わさり、心ひとつにして明日の死闘に備える。

 猟兵と村人が力を合わせ突貫工事で出来るだけのことはやった。後は覚悟を決め明日の決戦に臨むしかない。不安を押し込め、身体を休める為に人々は横になる。
 生き残れる可能性は残した。それを活かせるかどうかは明日の戦い次第だ。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 集団戦 『レッサーヴァンパイア』

POW   :    血統暴走
【血に飢えて狂乱した姿】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。
SPD   :    ブラッドサッカー
戦場で死亡あるいは気絶中の対象を【レッサーヴァンパイア】に変えて操る。戦闘力は落ちる。24時間後解除される。
WIZ   :    サモンブラッドバッド
レベル×5体の、小型の戦闘用【吸血蝙蝠】を召喚し戦わせる。程々の強さを持つが、一撃で消滅する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●吸血鬼の群れ
 薄っすらと空を覆う分厚い雲が白ばむ。村の正面近くには大量のレッサーヴァンパイアと、その主である大剣を背負ったヴァンパイアが迫っていた。離れた位置からでもその優れた視力は村が柵を作り防衛力を高めているのが見て取れる。
「いいぞ……人であることを選んだか。ならばその決意が本物であるか試すとしよう。征け、弱き者は全て殺し、強き者は眷属にしてしまえ」
 命令に従い、眷属のレッサーヴァンパイア達が血に飢えた獣のように、村の入り口目掛けて駆け出す。
「もし眷属を倒せるようならば……私の獲物だ」
 ヴァンパイアが大剣を一閃する。すると周囲の木が全て薙ぎ倒され、戦いの狼煙のように燃え上がった。
ジェイ・バグショット
緊張感の張りつめた空気の中
フゥー、っと煙草の煙を漂わせる
開戦前の一服が美味い

第六感で軍勢の規模を察すると
まぁまぁいるな。
と変わらぬ調子でぽつり

慌てるなよ。いつだって冷静さを欠いた方が負けるのさ。

接近戦は拷問具による死角からの斬撃
追撃で【傷口を抉る】

村の入口、押し寄せた敵が柵で停滞している付近にて

集団を相手取るのは実は得意なんだ。

自身の鮮血にて【刻印】を発動
生み出された『黒い液体の生物』は雨のように敵の集団へ降り注ぐ。
触れた箇所から体内へ吸収されるとそのまま血液を貪り食い敵を殺す

荊棘の王は自動モード
村人の不利を加勢し、追撃や逃げる際の足止めなど臨機応変に対応
緊急時には意思を持って動かす
俺って天才


リーヴァルディ・カーライル
…ん。吸血鬼相手に容赦をする気は無い。
来るが良い。吸血鬼狩りの業を教えてあげる…。

他の猟兵と連携して行動し、私は矢面に立ち戦闘。
事前に防具を改造して存在感を増す誘惑の呪詛を自身に付与
戦闘に支障が無い程度に、あえて血を流して敵の目を引き付ける。

…そう、こっち。お前達の大好きな血の匂いよ…。

両目に魔力を溜め、攻撃の気配や殺意を見切り、
暗視と【吸血鬼狩りの業】を駆使して敵の攻撃を回避。
カウンターで生命力を吸収する大鎌をなぎ払う。

第六感が村に危険が迫っている事を感じたら、
怪力を瞬発力に変え村に向かい、
傷口を抉る銃撃の2回攻撃で救助し鼓舞する。

…誇りなさい。この結果は、貴方達が絶望に抗ったからよ。



●防衛戦
 命を賭けた戦いの直前に、フゥーっと紫煙が上がる。柵にもたれ座り込んだジェイが煙草を美味そうに燻らせ普段と変わらぬ調子で一服していた。
「あ、あんたよくそんな気を抜いてられるな、こ、これから戦いだってのに……」
 そんなリラックスした様子とは対照的に、ガチガチに緊張した村人の顔は今にも倒れんばかりに青かった。
「開戦前の一服が美味いんだ」
 ジェイは煙草を銜えたまま視線を森に向け、軍勢の接近を感じ取る。
「まぁまぁいるな」
「も、もう来てるのか!? 準備しないと!」
 ジェイの呟きに反応した村人が焦って動き出そうとする。
「慌てるなよ。いつだって冷静さを欠いた方が負けるのさ」
 フゥーっとジェイがその顔に煙を吹きかけると、村人はゲホゲホと咳き込む。
「さぁて、ぼちぼち始めるとするか」
 そんな様子にジェイはニヤリと笑い、煙草の火を消し鉄輪に棘が刺さっている拷問器具を手に立ち上がった。
「血を! 血を寄越せ!」
「あああ、血ぃいい! 飲ませてぇ!」
 血に飢えたレッサーヴァンパイア達が柵へと押し寄せる。
「ひっきた!?」
 だが入り口の柵は窄むような形になり狭くなり、レッサーヴァンパイア達はぶつかり合うように村の入り口付近で足が止まる。
「血が欲しいなら、自分の血を吸ってな」
 柵を飛び越え背後から接近したジェイは、鉄輪を首に掛けて引き摺り倒し、顔を踏んで首を絞め上げて骨を折った。

「……ん。吸血鬼相手に容赦をする気は無い。来るが良い。吸血鬼狩りの業を教えてあげる……」
 続いてリーヴァルディも柵の外に出ると、外套から誘惑の呪詛を放ち敵の目を引きつける。そして指先を噛んで血を垂らす。ぽたりぽたりと赤い雫が地面に落ちた。それは砂漠で水を見つけたようにレッサーヴァンパイア達の五感を刺激した。
「……そう、こっち。お前達の大好きな血の匂いよ……」
 誘うようにリーヴァルディは敵を集めながら両目に魔力を溜める。すると敵の動きや魔力の流れが見て取れ、放たれる蝙蝠の群れや、それに紛れて襲い掛かる刃物のような鋭い爪も、獣のように噛み千切らんとする牙も最低限の動きで回避する。そして隙だらけの敵に大鎌を振るい胴を薙いだ。
「……個の力は弱い。けど数が厄介……」
 村から引き離しながらリーヴァルディは大鎌を薙ぎ払い纏めて数体切り裂くが、すぐに後ろから新手が現れ休む間を与えぬ物量の攻勢に後退させられていく。
「……でも、吸血鬼は全て狩る……」
 顔目掛けて飛んでくる蝙蝠を屈んで避けると、リーヴァルディは敵の足首を斬り飛ばし、倒れ込んだところに止めと首を斬り落とした。

「血ィィィ!」
 そこへ新たなレッサーヴァンパイア達が群がり、ジェイが鉄輪で叩きのめしていくが手足に爪痕が刻まれる。その爪に付いた血を美味しそうにレッサーヴァンパイアは舐める。
「俺の血は高くつくぜ」
 ジェイは自身の鮮血を代償に刻印を発動し、黒い液体が生まれ生物のように動き出す。近くの敵を呑み込むと血液を貪り食らい、干からびた体を吐き捨てた。
「ガアアアア!!」
 その黒い液体へ蝙蝠が襲い掛かり、続いて爪で引き裂かれる。黒い液体は飛び散り破裂した。するとまるで雨のように拡散した黒い液体がレッサーヴァンパイア達に降り注ぎ、皮膚から体内に沁み込むと血を食らい枯れ木のように敵を殺していく。
「数で押せると思ったんだろうが、集団を相手取るのは実は得意なんでね」
 ジェイは鉄輪を複数呼び出し、自動モードで放つ。それは村人に加勢しに周囲に散った。

「……柵が突破される……!」
 村人が押されているのに気づいたリーヴァルディは、敵を薙ぎ払い、間合いを開けると、地面に穴を開ける程の強さで蹴って駆け出した。
「来るな、来るなー!」
「ヴァンパイアが入って来る! 絶対に入れるな!」
「……間に合わせる」
 リーヴァルディは飛ぶように一気に村に戻ると、柵を抉じ開け穴から中に入ろうとしているレッサーヴァンパイアと、それを阻止せんと中から槍で突く村人が争っているのが目に入った。その背中に二連装マスケット銃を向け、背中と後頭部に弾を撃ち込む。仰向けに倒れるレッサーヴァンパイア。その攻撃でリーヴァルディに気付いた敵が向かって来るが、それを大鎌で斬り倒し柵の穴の前で反転して立ち塞がる。
「……誇りなさい。この結果は、貴方達が絶望に抗ったからよ」
「お……おおー! 俺達だって村を守れるんだ!」
「やるぞー!!」
 背中越しのリーヴァルディの言葉に、鼓舞された村人達は興奮して鬨の声を上げ、士気を高めてまだ抵抗の意思を見せる。
「……ここは通さない……」
 リーヴァルディは離れた敵には銃弾を、近づく敵には大鎌を振るい、レッサーヴァンパイアの襲撃を抑え込む。それを援護しようと村人達も懸命に槍を振るい柵を守る為に奮闘する。だが柵を飛び越した敵が上から降って来る。その村人を押し倒そうとしていたレッサーヴァンパイアを横から鉄輪が薙ぎ倒す。ジェイの意思で動く鉄輪は敵に嵌まって引き摺って引き離し、止めを刺した。
「俺って天才だな」
 自画自賛して口の端に笑みを浮かべると、ジェイは次の敵に向かって鉄輪を放った。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

コロッサス・ロードス
●戦術
自身の『武器受け、盾受け、オーラ防御、見切り』等の防御技能を活かす為、また村人や仲間を『かばう』事で被害を抑える為にも、敵群に肉薄して『おびき寄せ』攻撃を誘う
捌けぬ程の集中攻撃には一時的に【無敵城塞】使用

闇雲に突出する愚は冒さず、他の猟兵達の遊撃行動を支援する為、自身は村入り口の『拠点防御』と確実な戦線維持に重点を置いた闘いに徹す

●攻撃
己の『怪力』と『鎧砕き』の技で敵の防御を崩し、二の太刀でその隙をを穿つ『2回攻撃』が基本

●対コード
【血統暴走】には敢えて素早く動いて攻撃を誘い【無敵城塞】で防ぐ
防御後はコードを解除して反撃

●心情
悪しき者達よ、この地に貴様らが奪って良い物など塵一つ無いと知れ


有栖川・夏介
※アドリブ歓迎

……敵が動きだしたようですね。
作業の手を止め、村人たちには避難を促します。
「私たちに任せて、貴方がたは生きのびることだけを考えてください」

処刑人の剣を構えて【覚悟】し、戦闘に備えます。
敵の攻撃は【戦闘知識】や【第六感】を駆使し、相手の行動を予測し【見切り】で回避。
設置した罠も役に立つとよいのですが……。原始的な罠ですし、例え発動せずとも気にしません。

ある程度敵がたまっている所には「スペードのエースのトランプ」をかざし、ユーベルコードの【執行者たるトランプ兵】を発動。
天からの光で敵をまとめて攻撃します。
「……判決は下った。サヨナラの時間です」



●亡者の群れ
「……敵が動きだしたようですね」
 夏介はギリギリまで柵の補強を行っていた手を止め、村人たちには避難を促す。
「戦闘は私たちに任せて、貴方がたは生きのびることだけを考えてください」
 特に戦えない女子供は村の真ん中で待機し、決して近づいてはいけないと忠告する。
「わ、わかりました。お気をつけて……」
 作業を手伝っていた線の細い男が頭を下げて、女子供を守ろうと村の中央に向かう。
「ではこちらも動きましょう」
 夏介は敵を迎え撃つべく柵の外へと飛び出る。
「血だあああ! 人間を食い尽くせぇ!」
 森からレッサーヴァンパイア達が姿を現す。正面から溢れた敵が広がって畑の柵を壊し被害を拡大していた。敵を視界に収めると夏介は駆け出し、切断することに特化した処刑専用の剣を振るう。その切れ味は凄まじくするりと敵の首を飛ばした。続々とやってくる敵を夏介は無表情にただ刃を振るって斬り殺していく。それはまるで斬り殺す為の機械か何かのようだった。
「ぐああああアアア!」
 胴を深く斬られながらもレッサーヴァンパイアはそのタフさを活かして掴み掛かる。
「人外には人とは違う殺し方が必要のようですね」
 その腕を斬り飛ばし、胴の傷に刃を当て完全に断ち切った。その後に続く敵には手を脚を、そして首を飛ばし、致命傷を与えるよりも身体機能の破壊を優先して行う。

「アアアアッ血ィ!」
「血をくれ……血がほしぃ……」
 血を欲する亡者達が続々と村へと接近してくる。
「来たか、悪鬼と成り果てた亡者ども」
 分厚い壁のように、筋肉質な体に重厚な鎧を纏ったコロッサス・ロードス(金剛神将・f03956)が敵の前に立ち塞がる。
「悪しき者達よ、この地に貴様らが奪って良い物など塵一つ無いと知れ」
 破邪の剣を抜き放つと、襲い来るレッサーヴァンパイアを斬り捨てた。
「血を、飲ませろォオ!」
 横から口を開けて噛みつこうとする敵に、金色の籠手を押し込み牙を折った。
「そんな脆い牙では俺の血は飲めん」
 そのまま地面に叩きつけ頭を叩き割る。そこへ飛び掛かるレッサーヴァンパイアを大盾を構えて受け止め、下から剣を斬り上げて両断する。そして目の端で柵から槍を突き出し、敵を迎撃する村人を捉える。
「柵に近づきすぎるな! 出来るだけ距離を取って戦え!」
 村人と交戦するレッサーヴァンパイアを背後から斬り捨て、すぐに反転しながら背中に迫る敵を薙ぎ払う。
「しかし数が多い、防衛ラインを守り切るには村の住人にも頑張って貰うしかないか」
 だが犠牲は出させないと、一体でも多く敵を倒そうと剣を振るい、敵の群れを迎え撃つ。
「グガアアアアッ!」
 血を求め暴走し、狂気に憑りつかれたレッサーヴァンパイアが捨て身の如く駆けてくる。
「死兵か、一体ならばどうということはないが――」
 コロッサスは振り抜かれる爪を剣で弾き、横に飛び退く。するとそこに上から跳躍したレッサーヴァンパイアがその場に着地した。見ればコロッサスの周りを敵が囲んでいる。そして背後から爪で背中を引き裂き、手刀で腹を貫き、牙が首に突き立てられる。だがそのどれもがコロッサスに傷一つ付けることはなかった。それどころか攻撃したレッサーヴァンパイアの方が傷ついている。
「流石にこの全てを普通に捌くのは無理があるか」
 敵の攻撃が止んだ一瞬の隙を突き、硬化を解いたコロッサスが剣を閃かせ敵の首を飛ばす。そして柵を破壊し村人を襲っている敵の元へ駆けつけようとする。
「血ィ血をヨコセ! 貴様も吸血鬼にしてやるぅ!」
 横から敵が噛みつこうとするのをコロッサスは身を捻って鎧で防ぐ。
「貴様らのような外道に堕ちるつもりは毛頭ない」
 敵の顔を大盾で殴りつけて距離を話すと、剣を振り下ろして斬り倒す。
「そして誰一人悪鬼羅刹の道に堕とさせるつもりもない」
 村人を巻き込むように放たれる蝙蝠を防ぐように、コロッサスが割り込み大盾を構える。黒く覆い潰すようにコロッサスの全身を襲った。やがて蝙蝠達が散っていく。そこには傷一つ無いコロッサスの姿があった。
「グアァアアア!」
 だが硬化を解く前に足を引き摺るレッサーヴァンパイア達が遅れて到着する。見れば足から血を流していた。その敵は集団でコロッサスを取り囲み、元に戻った瞬間を狙おうとしていた。

「原始的な罠でしたが、多少役に立ったようですね」
 その足の傷が落とし穴やトラバサミによる傷だと察し、敵がトラップに掛かりながら猪突猛進に突進してきたことを悟る。
「まとまっているのなら好都合です」
 夏介がスペードのエースのトランプをかざすと、天から光が敵に降り注ぐ。
「……判決は下った。サヨナラの時間です」
 躱す間もなく光はコロッサスに群がる敵を貫き、灰となって消滅させた。
「ここの敵は一掃できたか。だがまだまだ敵はいるようだな」
「ええ、柵の補修を済ませたら援護の必要な場所に向かいましょう」
 コロッサスと夏介は頷き合い、素早く壊された柵の補修を手伝い、次の戦場に向かって駆け出した。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

喰龍・鉋
【女子会】で連携*アドリブ歓迎
準備でこれだけ団結できたんだ、誰一人欠けること無く戦いを終わらせよう!
メアリや他猟兵から状況を教えて貰いながら、
精一杯村に被害が及ばない様、森の方向へ【おびき寄せ】る
村人達が被害にあうなら武器受けで【庇う】兎に角すばやく動いて
敵を引きつける、村人より早く動くくらいならわけないと思うからね。
激痛耐性で痛いくらいは大丈夫、いろいろ無理があるだろうけど、
狙い通り限界状態になれれば、【指定UC】を使って
薙ぎ払い吹き飛ばしていってより効率的に追いやることが出来るはず
ボクが目指すのは森、そこには喜夏が待っているからね
見事合流出来たら反撃開始だ!


北条・喜夏
【女子会】で参戦や!

村人はん達の指揮はメアリ達に任せよか。

ウチは……『千夜一夜の装甲旅団』ッ!
さあて今度は、ウチと、この子らの出番や!

食材集めながら、森ん中の地形は大体把握したからな!
【戦闘知識】でええ感じに伏せられる場所を見つけてそこで伏兵になったろ。
後は鉋ッ!こっちに引き込んだってや!……あんま無茶するんやないで?

上手ぁ行ったら、のこのこやってきた敵さんの鼻っ面に、【一斉発射】ぁ!
んまあ、駄目そなら【援護射撃】でもしながらこっちから打って出る事も考えとこか。

さてさて、村のみんながここまでやる気になってくれたんやしな!いっちょかましたるで!


花塚・メアリ
【女子会】で参加

鉋と喜夏の作戦は確かに有効ね、でも全員が引っかかるとは思えない……私は前線で村人を指揮しながら残った敵相手に防衛戦を決行するわ。

村人達と隊列を組んで指示を出しつつ戦うわ、防衛が破られそうになったり村人が危なくなったら撤退か後退を指示するわ。

相手は元は人間の怪物……生き物なら多少の個体差はあるはず。

最後に残るのはきっと村人では相手取れない危険な個体でしょうね、前線が崩れそうになったら全員下がらせるわ。

全員下がったのを確認したら一人で突撃、縮地で距離を詰めて生き残った首級達にUC【血刀・彼岸花】の一太刀を浴びせて咲かせるわ。

鉋、喜夏……そっちは頼んだわよ、村の防衛は私に任せなさい。



●陽動作戦
「鉋と喜夏の作戦は確かに有効ね、でも全員が引っかかるとは思えない……」
 敵を誘導する作戦を聞いたメアリは、上手くいけば相当防衛が楽になるが、残って村を守る役割を担う者も必要だと考える。
「私は前線で村人を指揮しながら残った敵相手に防衛戦を決行するわ」
 敵を引き付ける作戦を鉋と喜夏の2人に任せると、メアリは村人に指示を出す。
「隊列を組んで、決して列を崩さないように。私達が行うのは村の防衛よ。敵にこの柵を突破させないこと。集団で立ち向かえば十分戦えるわ」
「おう!」
「村には女房子供もいるんだ、絶対に守ってやる!」
 メアリの言葉に頷き、士気旺盛な村人達が木の槍を構える。

「村人はん達の指揮はメアリに任せるで」
 その様子を見て任せておけば大丈夫そうだと、喜夏は村から敵へと視線を移す。そして昼の食材集めの間に見て回り、把握した森の地形を利用しようと、森の中へと入り込む。そして森の開けた場所へとやって来た。
「ウチは……『千夜一夜の装甲旅団』ッ!」
 喜夏の周囲に多数の戦車が召喚される。その無骨だが強固な鉄の塊が森に展開して、開けた場所に向けて砲塔を調整する。
「さあて今度は、ウチと、この子らの出番や! 村のみんながここまでやる気になってくれたんやしな! いっちょかましたるで!」
 敵を待ち伏せる伏兵として、仲間が敵群を森へと誘い込むのを準備万端と待ち構える。
「後は鉋が敵を引き込むのを待つだけや」
 仲間が上手く事を運んでくれると信じ、じっと静かに息を潜めた。

「準備でこれだけ団結できたんだ、誰一人欠けること無く戦いを終わらせよう!」
「「おおーーー!」」
 気合を入れて腕を挙げる鉋に合わせ、武装した村人達も武器を掲げた。
「みんなは柵が壊されないように取り付いた敵を倒して! ボクは前に出るよっ!」
「気をつけて!」
「ここは俺らに任せてくれ!」
 見送られながら鉋は柵を乗り越え、手を振るとレッサーヴァンパイアの方へ向かって接近し、黒剣を振るい一当てする。
「血だ! 女の血だあ!」
 そして興奮する敵の注意を引くと森の方へと駆け出した。それを追うレッサーヴァンパイア達は爪を振り下ろし、組み付いて噛もうと飛び掛かる。それを鉋は剣で受け流し、弾いて攻撃を凌ぎ、森へと急ぐ。
「もう少し!」
 鉋をレッサーヴァンパイア達は獣のように襲い、その背中や腕を爪で引き裂く。その痛みに耐えて鉋は森に辿り着く。だがそこで足を爪で斬りつけられ、鉋の駆ける速度が落ちる。
「痛い――けど我慢!」
 血を流し痛みを堪えた鉋は森の中へと足を踏み入れる。
「アアアアギィ!」
 その血の匂いに興奮を増した敵の群れがすぐ背後に迫った。


 前に出た猟兵の防衛を抜け、敵が村を覆う柵にまで突進してくる。
「前衛の討ち漏らしが来たわ。落ち着いて対処すればこちらの方が数は多いから大丈夫よ。私に続いて攻撃を」
 柵を軽く乗り越えたメアリは、敵の前に着地すると共に野太刀を一薙ぎした。敵の胴が断ち斬られ上半身が後ろに転がり落ち、下半身だけが走って柵にぶつかって止まった。
「おお! なんて切れ味だ!」
「俺達も続くぞ!」
 柵の中から村人達は迫るレッサーヴァンパイア達に槍を突き入れる。体を刺されながらも敵は柵に手を掛け、その力で破壊しようとする。
「離しやがれ!」
「手を狙え!」
 村人達が何度も槍を突き刺し、敵を仕留める。
「やった!」
「油断しないで、戦場では常に周囲に注意を払わなくては危険よ」
 喜ぶ村人が油断した隙に、腕を伸ばそうとしていた新手の敵をメアリが背後から斬り捨てる。
「あ、あぶねえ……」
「き、気をつけようぜ」
 気を入れ直して村人達は乱れた隊列を直し、槍を構える。
 メアリもすぐに敵に向けて野太刀を振るい、纏めて斬り倒していく。その内の一体が刃を爪で受け止めた。
「多少の個体差はあるみたいね」
 メアリは低く刃を振るって足を斬り、姿勢を崩したところへ逆袈裟に胴を断った。
「そして前線を抜けてここまで来るくらいだから弱い個体ではないわよね……」
 突撃したレッサーヴァンパイアが柵を傾けさせる。そこへ次々と敵が殺到し柵が決壊した。
「うわあ!」
「この野郎!」
 柵の内部に入り込んだレッサーヴァンパイアが防戦しようとする村人を襲う。爪が肩を引き裂き血が撒き散らされる。だが村人も必死で応戦し槍を腹に突き立てた。しかし耐久力で勝るレッサーヴァンパイアが村人を抑え込み牙を突き立てようとする。
「そこまでよ」
 レッサーヴァンパイアの口から刃が突き出る。背後に回ったメアリが野太刀を引き抜く。
「みんな怪我人を連れて下がって!」
「わ、わかった!」
「大丈夫か!」
 怪我をした仲間を支えながら村人達が奥に引く。それを確認したメアリは縮地で一瞬にして間合いを詰め、野太刀で斬りつける。すると敵は腕で受け止めた。だがメアリは押し切り腕を断つ。すると血液が暴走してレッサーヴァンパイアは体内から爆ぜて上半身が吹き飛んだ。まるで赤い花のように血が噴き出る。
「さあ、次に花を咲かせたいのは誰かしら?」
 レッサーヴァンパイア達は派手に動くメアリを一番の獲物と見て襲い掛かる。
「鉋、喜夏……そっちは頼んだわよ、村の防衛は私に任せなさい」
 返り血に濡れながらメアリは次の敵に向かって刃を閃かせた。


「鉋ッ! 伏せてや! 敵さんの鼻っ面に、一斉発射ぁ!」
 喜夏が叫ぶと鉋がダイブするように地面に伏せる。すると森が眩く照らされる程の火線が走り、戦車の一斉砲撃が始まった。地面が、木々が爆発で吹き飛び、敵の身体も宙を舞い、直撃を受けたものは肉片となって飛び散る。
「撃って撃って撃ちまくるんや!」
 戦車が休む間もなく次々と砲弾を発射し、焼け野原にする勢いで爆撃する。その度に敵が吹き飛び地面に転がる。地面にはレッサーヴァンパイア達の死体が並ぶ。
「グギィィイイイ!!」
 だがそれでも狂気に染まった敵はただ血を求めて突進してくる。
「よーし! ここから反撃開始だ!」
 足を止め鉋は血を流しながら反転する。すると媒介とした主の危機に黒剣が覚醒し、凶悪な姿へと変身し鉋の戦闘能力を高める。
「血を飲ませろぉ!」
 突っ込んで来る敵を鉋は一振りで両断する。そして刃を返し次の敵もまた同じように断ち切る。
「ここなら村を巻き込まないで全力で戦えるからね!」
 踏み込んだ鉋が横に黒剣を振るい、2体の敵を纏めて叩き斬る。
「ギガアア!」
 すると蝙蝠の群れが放たれ鉋を包み込もうとする。そこへ戦車の砲弾が直撃し蝙蝠を吹き消した。
「近づく敵は鉋に任せたで! 離れた敵はウチが一網打尽や!」
 迎え撃つのは鉋に任せ、喜夏は一体でも多く減らすべく砲撃によって敵の多い場所を狙う。
「全部やっつけちゃうよ!」
 敵の群れに飛び込んだ鉋は縦横に黒剣を振り回し、敵をぶつ切りにしていく。
「一体も逃さへんで! ここで殲滅するんや!」
 喜夏が戦車を前進させ攻撃を続け蹴散らすと、散り散りになった敵が回り込んで喜夏に襲撃を仕掛ける。
「血ィ血をくれぇえ!」
「まずはボクが相手だよ!」
 その前に割り込んだ鉋が黒剣を勢いよく振り抜いて敵を斬り裂く。
「助かったわ。戦車は小回りが利かんからなあ」
 喜夏が斉射するとここまで追って来た敵戦力は瓦解して散ってゆく。
「こっちは一先ず終わりやな」
 周囲を見渡し喜夏は敵がまともな集団が作れなくなっている事を確認した。
「じゃあボクはメアリの手伝いに行くね!」
「ほんならウチは掃討しながら合流するわ」
 駆け出す鉋を見送り、喜夏は戦車を進ませ、まだ動く敵に止めを刺しながら村へと戻るルートを取った。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ベリザリオ・ルナセルウス
●目的
そうか……ここの人々は戦う事を選んだのか
私は彼等が人として生きられるようにしたい
織久(f10350)と共に戦い、ヴァンパイアを倒そう
この先も彼等が人として生き人として死ねるように

●戦闘
織久は勘がいいし最小限の動きで敵を捌く事もできるだろう
私はそうはいかないが、守りに徹するだけでは織久を守り切れない
【鈴蘭の嵐】を最大の力で放って攻撃する
吸血蝙蝠を倒しつつ、素早く動く花弁でレッサーヴァンパイアを【おびき寄せ】て織久に集中させない
もし織久の方に行きそうになったら【存在感】を示すために味方を【鼓舞】する事で【挑発】しよう
私に集まってきた所を【無敵城塞】で耐えて織久が攻撃する隙を作る


西院鬼・織久
ベリザリオ、俺の分の獲物は残して下さい
何せ我等が怨念は底無し故
血肉も苦痛も悉くを喰らい尽くさねば収まらぬ

【戦闘】
【POW】
呼称:ベリザリオ(f11970)と共闘
五感と第六感を活用し周辺の状況を把握
最も攻め易い個所・対象をいち早く発見する

「殺意の炎」の「範囲攻撃」で「先制攻撃」
反応が鈍く此方以外に気を取られている場合
「殺意の炎」で周辺ごとやきながらゆっくり近付く
炎でもっとも削れた一角を射程に収め「なぎ払い」「傷口を抉る」

こちらに反応するなら回避か武器受けで凌ぎ「カウンター」
最初の一体を「串刺し」、そのまま「怪力」で寄って来た敵を「なぎ払い」
「二回攻撃」で「殺意の炎」を使い纏めて燃やす



●獣を焼き尽くす炎
「そうか……ここの人々は戦う事を選んだのか。私は彼等が人として生きられるようにしたい」
 その人々の尊い決意がベリザリオ・ルナセルウス(この行いは贖罪のために・f11970)の胸に響く。
「ヴァンパイアを倒そう。この先も彼等が人として生き人として死ねるように」
「ベリザリオ、俺の分の獲物は残して下さい」
 村の正面で敵を迎え撃つべく踏み出すベリザリオに、西院鬼・織久(西院鬼一門・f10350)がその背を守るように続く。
「何せ我等が怨念は底無し故、血肉も苦痛も悉くを喰らい尽くさねば収まらぬ」
 敵を視界に収めると、無表情だった織久の顔に狂気が宿る。膨れ上がる殺意が血色の炎となって灯る。
「感じるぞ……血に飢えた獣の吐息を。我等こそ血に渇き求める獣なれば……!」
 織久は敵の気配を感じ取り、草陰から飛び掛かろうとするレッサーヴァンパイア達に向け、薙ぎ払うように黒い炎を放つ。
「ぐげえええあああ」
 直撃を受けた敵が燃えて崩れ落ちる。だが即死を免れたレッサーヴァンパイアは炎上しながらも飛び掛かってくる。対して織久は下から黒い大鎌を斬り上げ、股間から頭まで敵を真っ二つにした。そして次の敵が突っ込んで来る前に踏み込んだ織久は、袈裟斬りにして斬り伏せた。
「グガアアアア!」
 横から蝙蝠が飛んでくるのを大鎌を横に薙いで斬り飛ばし、炎を放って敵を火だるまにする。
「来るがいい、全て燃やし尽くしてくれよう」
 織久は炎で周囲を燃やし、敵に近づく。
「ガアアアアア!」
 凶暴性を増し理性を失ったレッサーヴァンパイアは燃えようとも気にせず突っ切って織久に迫る。
「己が保身よりも血を求めるか。その狂気と憎悪、我等が喰らってくれる」
 自然と口元に笑みを浮かべた織久は、赤黒い槍に持ち替えると敵の胸を貫き串刺しにする。そして持ち上げると串刺しにしたまま薙ぎ払い、他の敵にぶつけて炎が伝って燃え上がる。
「燃えろ……その苦悶の声を我等の糧とせん」
 織久の歩く先が燃え、一匹残らず駆逐せんと刃が振るわれる。

「相変わらず織久は勘がいい」
 最小限の動きで敵を捌く織久に、自分ではああはいかないとベリザリオは剣で敵を斬り伏せながら己との違いを確認する。
「私は守りに徹するだけでは織久を守り切れない」
 ならば相手から来てもらおうと、ベリザリオは声を上げる。
「相手はヴァンパイアとは名ばかりの下等種です。恐るるに足らず、このまま押し戻しましょう!」
 仲間達を鼓舞するように戦場に声を響かせる。そうして目立つ事で敵の注意を引き付ける。
「ガアアアァア!!」
 牙を剥き出しにレッサーヴァンパイアが掴み掛かってくる。待ち受けるベリザリオが淡く煌めく剣を横に振り抜いてその首を刎ねた。仰向けに倒れるレッサーヴァンパイア。だがその背後からまだまだ敵の群れが続く。
「好都合だ」
 ベリザリオが間合の外から剣を振るう。すると剣が無数の鈴蘭の花びらとなり周囲に舞い飛ぶ。それに突っ込んできた敵が触れた瞬間、手が切断され、脚が千切れ、顔が両断される。刃の嵐が近くのレッサーヴァンパイアを細切れにした。
「ウゥゥゥオオオオ!!」
 だがそれでもまだ勢いが止まらず、死体を乗り越えるように次の敵が続々と囲むように迫って来る。
「血に飢えた獣か……だがこの血を一滴も飲ませてやるつもりはない」
 花びらを剣に戻し、純白の盾を構えて身を固めベリザリオの全身が光に包まれる。それと同時にレッサーヴァンパイアの爪が顔を引き裂き、腕に足にと獣のように牙を突き立てる。だが傷一つ付かずに、逆に牙が欠けた。身動き一つ取れなくなるが、ベリザリオはその身を鉄壁の城壁の如く強化していた。
「蜜に群がる蟻の如くだな、纏めて消し炭にしてくれよう」
 そこへ織久が黒い炎の渦を放つ。ベリザリオごと巻き込まれたレッサーヴァンパイア達が燃え尽き、炎が消えると変わらずベリザリオだけが無傷で立っていた。だがまだレッサーヴァンパイア達は次々と増えていく。
「まだまだ現れるか、だがこちらも引くつもりはない」
 動けるようになったベリザリオは剣で斬り裂き、盾を叩きつけて敵を吹き飛ばした。だが敵の猛攻も止まらず、ベリザリオの腕を爪が抉る。そして蝙蝠の群れが襲い全身に浅い傷を作った。
「今までどれだけの人が眷属にされたのか、彼等までそうさせる訳にはいかない」
 それでも揺らぐ事なくベリザリオは村を死守するように立ち塞がる。
「まだだ、まだ足りぬと我等が怨念が囁いている。残らず喰らい尽くさねば止まらぬと飢えている」
 その横に並び立つ織久は槍を突き入れて数体纏めて串刺しにし、大鎌を振るって敵を斬り裂いていく。そして斬撃と共に放たれる炎が、まるで煉獄の如く広がり敵を焼き尽くす。その間隙を突き、ベリザリオが斬り込んで敵の群れを崩した。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

トリテレイア・ゼロナイン
【古城】で参加
吸血鬼達はは吸血衝動を抑えられず暴走するそうですね。ならばそこを利用します。
機械馬に騎乗して行動。
フォルター様が村の男たちに供出させた血を「餌」として吸血鬼達の眼前に撒いたりちらつかせたりして私を追いかける様に仕向けます
そのまま村に被害が及ばないように誘導、罠や迎撃態勢を整えた猟兵達の元に導き迎撃します。誘導が終わったら戦闘に参加。UCと怪力で振るう槍や盾で復活不可能なほどに吸血鬼を破壊します。攻撃は盾受けや武器受けで防ぎ、カウンターで馬の踏みつけをお見舞い。
血を供出させるのは騎士として心苦しいですが被害を抑えるため。余った血は勿体ないのでフォルター様に処理してもらいましょう…


フォルター・ユングフラウ
【WIZ】

【古城】にて参加

ははっ、雑兵がうようよと…
丁度良い
準備運動に付き合え

血統暴走を利用した秘策を騎士が立案してくれたのでな…それに乗ろう
事前準備として、堕とした男共から血液を供出させる
多ければ多い程良い、死なぬ様には気を付けてやる
これを複数の革袋に詰めてトリテレイアに預け、我は迎撃予定地にて合流を待つ
雑兵が来れば、UC:ヒュドラで一息に猛毒で腐り溶かしてやる
ブラッドサッカーで延々生き返られても面倒故な、迅速に頭数を減らそう
毒以外にも、誘惑や催眠、呪詛、恐怖等々で弄んでやる
負った傷は攻撃に付随する吸血や生命力吸収で賄おう

余った血液は、勝利の祝杯として我が有効活用するか…ふふっ

※アドリブ歓迎



●腐毒の罠
「下級の吸血鬼は吸血衝動を抑えられないと聞きます。ならば試す価値がありそうですね」
 トリテレイアは機械の白馬に跨り、フォルターが村の男達に喜んで供出させた血を詰めた革袋を餌にしようと、敵の前で軽く撒いてみる。
「血ぃ血の匂いだあ!」
「喉が渇く。血をちょうだいぃいい!」
 その匂いを嗅ぎつけたのか、離れた位置からでもレッサーヴァンパイア達が追いかけてくる。
「餌に掛かりましたね。ではこのまま誘導しましょう」
 白馬を駆り、トリテレイアは村から離れた場所に誘導する。そして仕掛けられていた落とし穴やトラバサミを利用し敵の足を止めた。
「騎士は民を守る為に全力を尽くすもの、罠も地形も使えるものは全て使って勝利に導いてみせましょう」
 動こうともがく敵に、トリテレイアは馬上槍を突き刺していく。すると落とし穴に嵌った仲間を足場にして後続のレッサーヴァンパイアが飛び掛かる。それを盾で打ち落とし、馬で踏みつけて上半身を砕く。そしてトリテレイアはまた逃げ出す。それを追って無我夢中でレッサーヴァンパイア達が背後から襲い掛かろうとした。

「ははっ、雑兵がうようよと……」
 下等な吸血鬼の群れを見て、待ち構えていたフォルターは怖れるどころか楽し気に笑う。
「丁度良い、準備運動に付き合え」
 本番の前の肩慣らしだと、トリテレイアが引き連れる敵を前に、9つ首を持つ大蛇に変身した。そしてそれぞれの巨大な口から広範囲に放たれる猛毒の液体がレッサーヴァンパイア達の身体を一瞬にして腐敗させ、ぐちゃりと肉が削げ落ちた。骨だけになった脚で前に進もうとしたレッサーヴァンパイアは、骨までも崩れ落ちて原型を失って息絶えた。
『他愛もない。この程度では準備運動にもならぬ』
 フォルターは大蛇の尾を振るって敵を薙ぎ払う。周囲の木ごと吹き飛び、まるで暴風にでも遭ったように地形が変わった。
『個々に相手をするのも面倒故、纏めて掛かってくるがよかろう』
 フォルターがするりと敵に近づくと、毒液が吐き出され苦しみのたうち回りながらレッサーヴァンパイア達が生きながら溶け落ちていく。だが腐り落ちる前に上半身だけで近づいたレッサーヴァンパイアが大蛇の身体に噛みついた。
『我の血を吸うつもりか? 汝には過ぎたものよ』
 大蛇が一睨みすると、恐怖の形相で顔を歪めたレッサーヴァンパイアは金縛りに遭ったように動きを止め、そのまま毒が巡り地に帰った。次々と仲間が死のうとも、レッサーヴァンパイア達は止まる事なく襲い掛かって来る。その眼には狂気と飢えだけが宿っていた。
『精々我を退屈させぬよう楽しませるがよい』
 フォルターの声は魅惑的に響き、ふらふらとレッサーヴァンパイア達が近づいてくる。
『飢えた汝らの血は飲んでも不味そうだな。そのまま廃棄してやろう』
 そこへ尾を叩きつけて纏めて押し潰した。そこへ新手が蝙蝠の群れを放たれ大蛇の体に傷が入る。だがフォルターは慌てる事なく敵を9つの首で纏めて噛み殺し、生気を吸い上げて傷を癒した。

「効果は絶大ですね。とは言え過信は出来ませんが」
 敵は多い、全てがこちらに誘えた訳ではないだろう。だがそれでも柵に取りつく敵を減らせれば防衛が楽になるはずだと、トリテレイアは槍を振るって敵を倒していく。
「グアアアア!!」
 すると胸を突き刺されたまま狂ったレッサーヴァンパイアが近づいてくる。
「そこまでして血を求めるとは、吸血鬼の衝動というものは恐ろしいものですね」
 トリテレイアは槍を持ち上げて敵の脚を浮かす。そして反対の手で剣を抜いて頭から叩き斬った。上半身を断たれ敵は槍からずり落ちる。
「ですが恐怖を乗り越え敵を討つのが騎士というもの。今度はこちらから参ります」
 白馬を駆けさせトリテレイアは槍を構えて突撃する。穂先が敵を貫き、刺したまま槍を繰り、次々と犠牲者が槍に串刺しになっていく。そして槍を振るって纏めて放り捨てた。
「好物の血はこちらです!」
 トリテレイアは革袋の血を撒いて敵を誘う。敵は餌を差し出された獣のように突っ込んできては罠の穴に嵌る。
『無駄に血を使うでない。その余った血液は、勝利の祝杯として我が有効活用する故……ふふっ』
 最初から勝利など決まっていると、楽し気にフォルターは毒の液体を吐いて皆殺しにしていく。
「勿体ないので余った分はフォルター様に処理してもらいましょう……」
 だが出し惜しみして村に被害を出す訳にもいかないと、トリテレイアは血の匂いに誘われる敵に槍を振るった。
『ふんっ、この程度の有象無象。我が少し力を見せれば塵芥と変わらぬ……』
 ならば倒してしまえばよいのだろうと、フォルターが敵群に突っ込み、大蛇の身体が敵を撥ね飛ばした。触れた瞬間に汚染した呪詛が精神を蝕む。そのままフォルターが毒液を周囲に撒き散らし、草木も何もかも生きている全てを殺し尽くす。そこにはレッサーヴァンパイア達も含まれ、腐って死に絶えていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

パラス・アテナ
おいでなすったね、吸血鬼ども
村人たちに大口を叩いた手前、アンタ達は掃討させてもらうよ
覚悟おし

動きを封じられたレッサー達に弾幕を張るよ
手負いの連中への攻撃を優先して、数を減らしていこうか
血統暴走対策に、自分は極力動かずに攻撃
高耐久力を得られるのを防ぐよ
銃弾に無差別攻撃されたらしめたもの
その間は足を止めてるからね。他の猟兵達とも連携して、確実に仕留めていこうか

前線に出る村人たちのことは視界の端で気にかけておこおうね
弾幕を抜けて村人に向かうレッサーには、牽制の射撃を
足は止めたよ。さっさと攻撃して退避しな
見た目がどんなに人間に似てても、連中はオブリビオン
アンタ達を苦しめるヴァンパイアだ
慈悲はいらないよ


緋翠・華乃音
……圧制、暴虐、略奪、虐殺。
この世界では何処かで見た悲惨な光景が幾度も繰り返される。
――そして、それに対する反逆もまた同じく。

ユーベルコードの範囲内で戦場を広く見渡せる箇所(可能な限り遠距離且つ高所が望ましい)に目立たぬように潜伏
優れた視力・聴力・直感を全て活用し、状況を広範囲に渡って把握
見切りと先読み、予測、予知を常時行いつつ、苦戦している味方や後方の敵に狙撃にて援護射撃
状況によっては狙撃を中断して近接戦闘を行う

……避けられるものなら避けてみろ。
筋肉の動き、骨格の駆動、呼吸のリズム、眼球の動きに視線の向き、体温脈拍、移動の癖、攻撃方法、避け方、歩法。
さて……何処まで読み取らせてくれるかな?



●共同戦線
「おいでなすったね、吸血鬼ども」
 柵の前に陣取ったパラスは二丁拳銃を構えて敵を迎え撃つ。
「村人たちに大口を叩いた手前、アンタ達は掃討させてもらうよ。覚悟おし」
 左右の銃が火を噴き、連続で撃ち出される弾が弾幕を張って射程内に入ったレッサーヴァンパイア達を撃ち抜いていく。一歩も近づかせぬと気迫の籠もった銃撃が敵の進軍を止めた。
「グガラァアアアア!」
 狂乱したレッサーヴァンパイア達が恐れを失い、弾丸を受けながらも突撃してくる。
「突進力だけはなかなかのものだね。だけど足元がお留守だよ」
 冷静にパラスは銃口を僅かに下げて敵の足を撃ち抜く。そして機動力を奪ったところに頭に弾丸を叩き込んで仕留める。
「動く者を無差別に襲うというなら、弾丸でも追いかけるんだね」
 パラスが誰も居ない場所に向かって銃弾を放つ。すると敵はそれを追うようなそぶりを見せて振り返った。
「いくら身体能力が強化されたって、おつむが足りなくなるんじゃ持ち腐ってものさ」
 その隙だらけのところへ弾丸を叩き込み、後頭部から顔に弾丸が抜けて撃ち殺す。だが敵の群れは少々倒されただけでは止まらず、パラスだけでなく柵の後ろで構える村人にも向かって駆け出す。

「……圧制、暴虐、略奪、虐殺。この世界では何処かで見た悲惨な光景が幾度も繰り返される」
 大木の上に立つ緋翠・華乃音(prelude finale.・f03169)は目の前に広がる戦場を見渡す。
「――そして、それに対する反逆もまた同じく」
 これは人の命を虫けらのように消し去る暗黒の世界に対する反逆だと、狙撃銃を構える。そして引き金をゆっくり絞る。
「……避けられるものなら避けてみろ」
 放たれる弾丸が真っ直ぐに飛んで柵を乗り越えようとしていた敵の頭を撃ち抜いた。続けて狙撃を繰り返し、柵に取りつく敵を射殺していく。するとこちらに気付いた敵が走って向かって来る。だが華乃音には一切の焦りも力みもなく、変わらず銃を構える。
「さて……何処まで読み取らせてくれるかな?」
 筋肉の動き、骨格の駆動、呼吸のリズム、眼球の動きに視線の向き、体温脈拍、移動の癖、攻撃方法、避け方、歩法。その全てを計算し放たれる弾丸は、気付いていても避けることは出来ない。辿り着く前に頭を撃ち抜かれて、脳髄を撒き散らし倒れた。

「お、オレ達もやるぞ!」
「村を守るんだ!」
 木の槍や農具を手に、村人が柵に取りつくレッサーヴァンパイア達を攻撃する。だが一撃では倒せず、敵が反撃に腕を振ると槍が容易く折れた。そこに残忍な笑みを浮かべたレッサーヴァンパイアが爪を突き立てようと振りかぶる。だがその腕が肘から吹き飛び、さらに足が撃ち抜かれ膝をついた。
「足は止めたよ。さっさと攻撃して退避しな」
「お、おう!」
 銃口を次の敵に向けるパラスの言葉に、村人は槍を胸に突き刺す。だが勢いが足りず心臓に届かない。
「見た目がどんなに人間に似てても、連中はオブリビオン。アンタ達を苦しめるヴァンパイアだ。慈悲はいらないよ」
 パラスは迫る敵を撃ち殺し、背中越しに村人に言葉をかける。
「こいつらを殺さないと、村が全滅しちまう……だから俺たちは戦わなくっちゃならねえ!」
 気合を入れて槍を突き立て、敵に止めを刺す。
「よくやった。その調子で殺せる敵を確実に仕留めていきな」
「は、はい」
 新兵を鍛えるようにパラスは守ってやりながら、戦いの場を与え村人達を戦闘に慣らしていく。戦いが終わるまで生き残れば戦士となるだろう。その為にもここで敵を抑えなくてはならないと、パラスは弾幕を張り敵の勢いを削いだ。

「血をヨコセ、血を血を血血血……!」
 自爆まがいの体当たりで柵が壊される。そこから雪崩込もうとするのを、村人達が何とか抑え込む。
「……狙えない位置に取り付いたか」
 敵が柵に接近して、今の位置では死角に入った。ならばと華乃音は狙撃銃を収納して飛び降りる。そして駆け出しながら漆黒の拳銃と白銀の拳銃を左右に持った。
「ここからは近接戦だ」
 柵に取りつく敵を背後から撃ち抜き、力を失った体が地面に落ちる。
「ウゥォオオオオ!!」
 レッサーヴァンパイア達が華乃音に気付き襲い掛かる。それを跳躍して避け、逆さになりながら頭上から弾丸を降らせて頭を撃ち抜く。そして着地して胸にも弾丸を叩き込んだ。
「今のうちに体勢を立て直せ」
 そう村人に指示しながら、華乃音は弾丸を的確に敵に撃ち込み、敵を近づかせない。
「早くおし! 長くは持たないよ!」
 そこへパラスも加わり、背中合わせで弾をばら撒いて一歩も敵に壊れた柵を潜らせない。その間に村人達が壊れた柵に適当な木材を山積みにして穴を塞いだ。必死に穴を押さえている間に、パラスと華乃音は敵を撃ち殺し、死体の山を築いていった。

●予感
 最後のレッサーヴァンパイアが倒れ伏し、無数の屍が並び敵の群れが全滅した。村を囲う柵はぼろぼろで穴も空き、今にも倒れそうなほど損傷している。入り口に近い畑の柵に至っては完全い破壊され踏み荒らされていた。だが怪我人は出ても死傷者が出ることは防げた。1日かけて行った村の防衛が功を奏したのだ。
「やった……やったぞ!」
「俺達は勝ったんだ!」
 村人達が喜び、歓声と安堵の声を上げる。だが猟兵達はまだ緊張を解かず、戦闘態勢のままだった。何故ならばレッサーヴァンパイアの襲撃を上回る殺意を肌に感じていたからだ。今行われた争いよりも激しい戦いの予感に、猟兵達は武器を持つ手に力を込め、レッサーヴァンパイア達がやって来た方向へ視線を向けた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『残影卿・アシェリーラ』

POW   :    我が終生の敵手の力を見よ
【刀身に封じられた『太陽の炎』を纏った剣 】が命中した対象を燃やす。放たれた【吸血鬼を浄化する太陽の力を秘めた】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。
SPD   :    我は既に死者である故に
【オブリビオンとして復活させた自分の分身 】が現れ、協力してくれる。それは、自身からレベルの二乗m半径の範囲を移動できる。
WIZ   :    我が闘争の果に
【オブリビオンとなる前からの戦闘経験により】対象の攻撃を予想し、回避する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はランゼ・アルヴィンです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●残影卿・アシェリーラ
 戦いの喧騒が消えたところに、拍手の音が響き渡る。
「見事だ。よくぞ眷属を倒してみせた。褒めてやろう」
 現れたのは巨大な剣を背負ったヴァンパイアの戦士。その存在感は眷属の比ではない。
「強き意思と抗う力を示した貴様達こそ人だ。ならばこそ……」
 背負った大剣の柄を握り一振りする。すると剣圧が吹き荒れる暴風のように猟兵達を襲った。そして巻き起こる炎が眷属の死体を焼いて炎の柱を立てる。
「この私が食らう価値がある。我が名は残影卿・アシェリーラ。さあ私と戦い糧となれ、貴様達の血を飲み干し私はさらなる高みへと至る!」
 ヴァンパイアの殺気が解き放たれ、刃を突きつけられるようなプレッシャーが猟兵達を包み込んだ。
ジェイ・バグショット
大物のお出ましだぜ。
さすがにただの村人じゃあちと荷が重すぎるなァ。とくっくっと笑う

あとは根性論じゃねぇ。アンタらは生き残ることだけ考えとけよ。
戦うのに村人が近くにいたんじゃ邪魔だからという思いもある

【騙し討ち】と同時に刻印を発動
敵の身体に刻印が刻まれた場合、刻印を中心に肉体が粒子化していく。(超振動で極微細に砕かれた肉体が霧のように霧散している)

『荊棘の王』を使用
自動追尾を解除し自分で操ることで【早業】により速度アップ
多方面から強襲させると同時にサバイバルナイフによる攻撃で【傷口を抉る】。敵の攻撃からは輪を間に挟んだりなどして回避

【咎力封じ】は効果を最大限発揮させる為タイミングを見計らう。


緋翠・華乃音
……どうやらさっきの雑魚とは比較にならない敵のようだな。
強者であることに疑いは無いが……
血を飲み干し更なる高みへ到ったとして――で、それで? 終わりか?
強くなって何か望みはあるのか? 無いだろう? 強くなるという手段が目的と化してしまっているからな。

――詰まらないな、お前の底は既に見えた。


さて……前線に出た以上、狙撃手じゃなくて暗殺者として相手させて貰おうか。

基本戦術はヒット&アウェイ。
拳銃で牽制を行い、様子見しつつ敵の情報を収集して見切りや先読みに繋げていく。
本命の攻撃は黒剣にて。規則的且つ無秩序、虚実自在の変幻軌道を操る。
速度と手数にて翻弄。一撃一撃は弱くとも、それを蓄積させ――散華。


コロッサス・ロードス
「貴様の齎す悪しき終焉……我らが武を以て打ち砕く」

●戦術
『武器受け、盾受け、見切り』等の防御技能を活かす為、また仲間を『かばう』事で被害を抑える為にも、集中攻撃を受ける『覚悟』で敵に肉薄して攻撃を誘う
但し闇雲な突出はせず、他の猟兵達との連携重視

●対コード
【我が終生の敵手の力を見よ】に対しては剣筋を『見切り』、『カウンター』を合わせる為に相討ち『覚悟』で敵の懐に飛び込む
その際に敢えて一撃を受けて吸血鬼を浄化する太陽の力を秘めた炎を我が身に纏い、その儘【黎明の剣】に太陽の炎を上乗せした『捨て身の一撃』を放つ

「残影卿、貴様の敵手の力『太陽の炎』、そして我が『紅き神炎』……この双炎を以て貴様を討つ!」



●吸血鬼退治
「大物のお出ましだぜ。さすがにただの村人じゃあちと荷が重すぎるなァ」
 くっくっとジェイは青ざめている村人達を見て愉快そうに笑う。
「あとは根性論じゃねぇ。アンタらは生き残ることだけ考えとけよ。戦うのに村人が近くにいたんじゃ邪魔だからという思いもある
「わ、わかった。ここまでやったんだ絶対に生き残ってやる!」
「あんたも気をつけてな。あ、あんな奴やっつけてくれ!」
 殺気に当てられ怯えながらも、村人達は声援を送って巻き込まれぬように離れた。
「さぁて、それじゃあ吸血鬼退治を始めるぜ」
 鉄輪を手にジェイは敵の正面から仕掛ける。鉄輪を投げ、追うように新たな鉄輪を手にして接近し同時に攻撃する。
「ぬるい攻撃だ」
 それをアシェリーラは容易く大剣で受け止め、飛んで来た鉄輪とジェイの身体を纏めて吹き飛ばした。
「引っ掛かったな。本命は他にあるぜ」
 接触した瞬間に刻印を発動し、アシェリーラの腕にジェイの刻印が移っていた。そこからアシェリーラの身体が粒子化して霧のように肉体が霧散していく。
「ほう、面白い手妻だが、私を倒すには力不足だな」
 アシェリーラは腕に刻まれた刻印を肉ごと抉り取った。すぐにその肉が再生し傷が塞がる。
「次はこちらからゆくぞ」
 踏み込んだアシェリーラが大剣を振るう。それをジェイが鉄輪で弾くと、アシェリーラの背後から現れた分身がさらに大剣を振り下した。防ぐ鉄輪が叩き割られ、刃が肩を抉る。
「そっちの方がよっぽど手品みたいじゃねぇか」
 悪態を吐きながらジェイは新たな鉄輪を左右に生み出し、大剣が深く入らぬように受け止めた。そこへ本体のアシェリーラが横から大剣を振り抜こうとするが、先に弾いた鉄輪が背後から飛んで来るのに気づき大剣を守りに使った。
「飛び続ける得物か」
 アシェリーラは一振りで鉄輪を叩き斬る。その間にジェイは新たな鉄輪を放ち牽制しながら距離を取った。

「……どうやらさっきの雑魚とは比較にならない敵のようだな。強者であることに疑いは無いが……」
 だがと華乃音は問いかける。
「血を飲み干し更なる高みへ到ったとして――で、それで? 終わりか? 強くなって何か望みはあるのか? 無いだろう? 強くなるという手段が目的と化してしまっているからな」
 黙したままのアシェリーラに、華乃音は白と黒の二丁の拳銃の銃口を敵に向けた。
「――詰まらないな、お前の底は既に見えた」
「見えたかどうか、試してみろ」
 華乃音の言葉に、アシェリーラは大剣の切っ先を掛かって来いと揺らして答える。
「そうさせてもらおう」
 華乃音が引き金を引くと、アシェリーラは大剣を盾にして弾丸を防ぐ。すぐに華乃音は駆け出し回り込みながら銃撃を行う。それに対してアシェリーラは冷静に軌道を読み最低限の動きで防ぎ続ける。
「普通に撃つだけでは通らないか、なら……」
 華乃音は銃弾を連射し、敵を守りに釘付けにする。そして片方の手で銃撃したまま、細身の黒剣に持ち替えながら一気に接近すると、側面に回り込み黒剣を脇腹に突き立てた。
「我が深淵を覗くにはまだ足りぬ」
 傷を気にすることもなく、アシェリーラは炎纏う大剣を薙ぎ払った。胴を真っ二つにする一撃を華乃音は跳躍して避ける。だが巻き起こる炎の熱風に煽られ体が宙に飛ばされた。そこへアシェリーラが下から大剣を斬り上げようとする。空中から華乃音は銃弾を撃ち込むが、顔を逸らすだけでそのままアシェリーラは刃を振るった。

「貴様の齎す悪しき終焉……我らが武を以て打ち砕く」
 割り込んだコロッサスは、大盾で攻撃を押さえつけるように受け止めた。吹き飛ばされそうになる圧力に耐え、反撃に剣を振るう。それをアシェリーラは飛び退いて避け仕切り直す。
「ほう、我が一撃を受けたか。こうも次々と猛者に出会えるとは。今日はなんとも善き日だ。これだけの戦士の命を食らう事が出来るのだから!」
 獰猛な笑みを浮かべたアシェリーラが鋭く大剣を振るってコロッサスの首を狙う。それをまた盾で受け止めるが、勢いの増した一撃にコロッサスの身体が後ろに下がる。
「凄まじい一撃。だが守りに徹せば防ぐことも可能だ」
 踏み込んだコロッサスは盾で大剣を押して敵の姿勢を崩させる。

「ここで決めてやるぜ」
 そこへジェイは幾つもの鉄輪の自動追尾を解除し、自らの意思で操り敵の前後左右、さらに上からも襲わせる。そして自らは突っ込みサバイバルナイフを脇腹の傷口に突き立て捻って抉り傷を広げる。
「決めるのはこちらの方だ」
 痛みを無視してアシェリーラは叩き斬ろうと大剣を振り下ろす。それを紙一重でジェイは躱した。その隙に腕に手枷を嵌め、ロープで体を縛り上げる。そして猿轡を噛ませようとしたところで、炎が噴き出しジェイは薙ぎ倒された。
「さすがに全部は無理だよなァ。だけど弱体化はさせたぜ」
 ジェイは倒れながらも敵に向けしてやったりと笑みを浮かべる。敵の注意が逸れている隙に華乃音が背後から斬り掛かるが、アシェリーラは大剣を背負うようにして防いだ。

「力の差を見せられてもまだ挑むか、それでこそ血を奪うに値するというものだ」
「正面からぶつかり合うだけが強さではない」
 振り下ろされる大剣を華乃音は踏み込みながら身を捻って避け、黒剣を変幻自在に操り敵の腕を太腿を斬りつけ、反撃の大剣は獣をいなすように受け流す。そして背後に回り込みながら背中を切り裂き、大剣が薙ぎ払われる頃には既に間合を離していた。
「一撃で倒せないなら、削り倒せばいいだけだ」
 またも華乃音は一気に間合いを詰めて速度と手数で翻弄しようとする。
「手数で戦うスピード型戦士というわけか。だがその手合いは今まで何度も見てきた」
 アシェリーラは掲げた大剣に炎を宿し、まだ間合いの外だというのに大剣を振り下ろした。刃は地面を引き裂き、炎の柱が巻き起こる。その渦に近づいていた華乃音は咄嗟に横に跳んだが巻き込まれ火が移る。
「そこだ!」
 それを追うように炎の中を突っ切ったアシェリーラが大剣を振るうと、華乃音は黒剣で受け止めようと試みるが、押し切られ肩を抉られて吹き飛ばされる。
「強いだけでは怖れるものはない」
 だがその状態から華乃音は銃を手にし、反撃の弾丸を胸と腹に叩き込んだ。
「いいぞ最後まで諦めぬ闘志、その血を食らうとしよう!」
 追いかけたアシェリーラが大剣を振り下ろすと、コロッサスが割り込み大盾で受け止めた。

「どうした。その自慢の剣技で俺の守りを打ち破ってみせろ」
 敵の前でコロッサスは破れるものなら破って見せよと大盾を揺らす。
「面白いっ! ならば私も本気でいかせてもらおう!」
 興が乗ったと、アシェリーラは狙いを変え大剣を疾風の如く操り、大盾の上から叩きつける。重い一撃を防いだと思った瞬間、アシェリーラは既に次の斬撃の姿勢に入っていた。暴風のように連撃が吹き荒れ、コロッサスの腕は痺れ押されていく。
「ハハハハッ素晴らしい! どこまで耐えられるかな!」
 怒涛の攻撃にコロッサスの構える大盾が歪み始める。それでも身体を張って持ちこたえていると、大きく振りかぶった炎纏う必殺の一撃が放たれる。
「その一撃を待っていた」
 そこでコロッサスは盾を捨てて懐に飛び込み、振り下ろされる刃を鎧で受ける。刃は鎧を裂き肩まで食い込み炎が伝わる。コロッサスはその太陽の炎を受け入れて身に纏い、紅き神火と払暁の輝きを宿す神剣を顕現させて、上乗せさせる。
「残影卿、貴様の敵手の力『太陽の炎』、そして我が『紅き神炎』……この双炎を以て貴様を討つ!」
 猛々しく燃える剣をコロッサスは腹に突き入れると、炎が内部から敵の身体を焼く。
「炎を操る私を炎で焼こうとは! その気迫見事! しかし我が身を朽ちさせるにはまだぬるい」
 アシェリーラはそのまま剣の炎を増大させて自ら纏い、密接するコロッサスを巻き込む。コロッサスの身体も焼かれ、このままでは耐久力に劣る自分が先に倒れると、剣を消して敵を押しやりながら後ろに下がる。そこへ大剣を待ち構えていたように振り下ろされた。それをギリギリでコロッサスは大盾を拾って受け止める。だが刃は盾を裂き肩に達した。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

ベリザリオ・ルナセルウス
己が強くなるために弱者をなぶり、敵に相応しい強者を求めたのですか
そのやり方は許せません
弱者から生まれ強くなった私だからこそ、許すわけにはいかない


織久(f10350)をサポートしながら戦う
相手が強敵なら織久はますます特攻していくから気を付けないと

私が味方を鼓舞する事で敵を挑発して誘き寄せる事も、無敵城塞を使えば動けない事も向こうは分かっている
私の方からも積極的に攻めよう
。予測は手数で押しきる!
武器落としの要領で盾と剣を使って的確に攻撃をしのぐ
織久の攻撃に合わせて更に鈴蘭の嵐を使って防御や回避に気を回させよう
生まれながらの光は動きが鈍る傷に使う
織久はもちろん盾役の私も倒されてはいけない


西院鬼・織久
我等が狩るべきオブリビオン
その血肉を啜り喰らう事こそ我等が糧
どちらが先に喰らい尽くされるか
死合うとしよう

【戦闘】
【POW】
呼称:ベリザリオ(f11970)と共闘
五感、第六感と「戦闘知識」を活かし敵味方の行動戦況を「見切る」
敵の攻撃は「武器受け」か「見切り」回避か
「カウンター」しやすい行動を判断して実行

「先制攻撃」は「殺意の炎」を纏った闇焔の「なぎ払い」
「生命力吸収」の「属性攻撃」も利用し、血肉を吸収しながら戦う
分身が邪魔であれば本体を「影面」で拘束、分身の方に「怪力」で振り回し本体ごと「なぎ払い」と「殺意の炎」の二回攻撃で片付ける
守りが硬ければ「鎧砕き」「怪力」で「串刺し」、「傷口をえぐる」



●驕れる強者
「己が強くなるために弱者をなぶり、敵に相応しい強者を求めたのですか」
 問うベリザリオの声に憤りが混じる。
「然り。弱者などこの世に不要。弱者は人に非ず、ただ腹の足しにされるだけの家畜よ」
 そんな怒りなど気にもせず、アシェリーラは弱者を家畜と言い放った。
「そのやり方は許せません。弱者から生まれ強くなった私だからこそ、許すわけにはいかない」
 決して驕る強者に負ける訳にはいかないと、ベリザリオは気迫を持って対峙する。
「弱者を人とも思わぬ吸血鬼よ、私達が必ずこの場で倒します」
 鼓舞するようにベリザリオが高らかに宣言する。その横をすり抜けるように織久が飛び出し、黒い大鎌を一閃させる。それをアシェリーラは大剣で受け止める。そして大鎌から血色の炎が放たれると、大剣からは太陽の炎が放たれ、互いに顔を合わせて相手の首を取ろう刃を押し合う。
「我等が狩るべきオブリビオン。その血肉を啜り喰らう事こそ我等が糧。どちらが先に喰らい尽くされるか、死合うとしよう」
「私を食らうというのか、いいだろう。食らえるものなら食らってみよ!」
 愉快そうにアシェリーラは大剣を振り払い、織久を押し退けると大剣を軽々とすぐにまた振り抜く。そこへベリザリオが割り込み純白の盾で受け止めた。

「私も居ることを忘れてもらっては困ります」
 そしてベリザリオも剣を振るって戦列に加わる。思うがままに大鎌を振るう織久と、それに合わせてフォローするベリザリオ。
「素晴らしい。息の合ったコンビネーションだ。だからこそそれを打ち破る楽しみがある!」
 笑みを浮かべたアシェリーラが大剣を振るってベリザリオの盾に叩き込む。すると炎が迸り眩く視界を防いだ。その炎ごと消し飛ばすように織久が大鎌を振るうと、その腕が掴まれ投げ飛ばされる。織久は受け身を取って着地するが、距離が僅かに離された。その間にアシェリーラはベリザリオを狙い大剣を振り下ろす。
「一対一でも負けるつもりはありません」
 上から振り下ろされる刃を盾で受け止める。だがその衝撃は想像よりも少ない。
「守りを固める重戦士は強引に抉じ開けて仕留めるのが手っ取り早い」
 アシェリーラは片手で大剣を持ち、空いた反対の手で盾を掴んで引っ張りベリザリオの身体を泳がせた。そこへもう一度大剣が振り下ろされる。
「そうは簡単にやられるつもりはありません」
 ベリザリオは剣でそれを受け止めようとし、軌道を逸らして刃は腕と肩を斬り裂いた。そのまま押し切って両断しようとアシェリーラは力を込める。
「オブリビオンよ、その首を我等に寄越せ」
 そこへ戻った織久が大鎌を薙ぎ、敵の胴を深く斬りつけた。
「その血肉を、その魂を、その悉くを我等は喰らう」
 織久の続く斬撃をアシェリーラは大剣で受け止め、反撃に移ろうとすると異変に気付いた。
「何だ? 花びらか」
 周囲に鈴蘭の花びらが舞い、それは刃の如くアシェリーラを切り裂く。
「この鈴蘭は全て私の刃です。一歩でも動けばその体は切り刻まれるでしょう」
 傷つき血を流しながらもベリザリオは花びらに変えた剣を操り、敵の動きを阻害し織久が戦い易いようにサポートする。
「我等が殺意の熱さをその身で味わえ」
 そこへ織久から黒い炎が放たれ、敵の体が燃え上がる。

「まるで地獄の炎だな。だが私の太陽の炎には敵わん。消し飛べ!」
 アシェリーラは自ら炎を纏って突進し、花びらで体が傷つこうとも間合いを詰めて大剣を振るう。それをベリザリオが受け止める。
「そして花びら程度でこの攻撃は止められん」
 炎が渦巻き花びらは吹き飛び、ベリザリオの盾を持つ左腕が熱を持ち焼けるような痛みが走る。
「いいえ、止めてみせます」
 それでもベリザリオは盾を持ち続け、敵に向けて叩きつけるように押し込んだ。
「我等が怨念は尽きん。全てを燃やし尽くすまでは……」
 炎の渦に黒い炎をぶつけて強引に突破した織久が大鎌で斬りつけ、左肩から腰に掛けて刃を走らせる。そこへ黒い炎が伝い肉を焼き焦がす。
「心地いい、これこそが闘争、殺し殺される。まさに私の求める戦いだ!」
 深い傷を負っているにも関わらずアシェリーラは笑う。そして大剣で反撃すると織久が大鎌で受け止めた。互いに必殺を狙う一撃の応酬に両者の体が傷ついていく。
「傷ついて笑っているなんて、まさに戦闘狂ですね」
 ベリザリオが敵の背後から剣を振り下ろす。躱す事のできない一撃。だが敵は確認もせずに大剣を横に一回転させて薙ぎ払い、ベリザリオの身体を吹き飛ばし、織久の胴にも傷をつけた。
「どのようなタイミングで攻めて来るか、幾千もの戦いを繰り返せば感じ取れるものだ」
 織久に追い打ちを仕掛けようと大剣を大きく振りかぶる。そこはベリザリオの花びらが舞い飛んだ。
「ではその経験を超える戦いをご覧に入れましょう」
 花びらが敵の腕を切り裂き、僅かに動きを鈍らせた。
「燃えろ。その眩き炎ごと燃え尽きよ」
 そこへ織久が大鎌で胴を斬りつけ、黒い炎が燃え広がる。
「まさか私の予想の一歩上を行くとは、だがこれでまた私は高みに登ることが出来る」
 傷つきながらも新たな経験を得て強くなったと、嬉しそうにアシェリーラは大剣を振るって炎を放ち、周囲に爆炎を生み出した。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

フォルター・ユングフラウ
【WIZ】

【古城】で参加

高み、だと?
嗤わせる、過去の残滓が何を吠えている
今を生きる我に、貴様など塵芥も同じよ
平伏せ、残影卿よ…この、女帝フォルターの前に

その剣の秘密…いや、欠陥をトリテレイアが知っていたのでな
その策に、我も乗じるとしよう
まず、牽制としてUC:トーデスシュトラーフェで斬り込む
これは攻撃と回避を両立出来るのでな…誘惑と催眠を与え、すぐに再転移して退こう
この際、奴が回避行動を取ればしめたものよ
トリテレイアの行動にて捕縛し、本命の一撃を再度トーデスシュトラーフェで叩き込んでやる
楽に逝けると思うな
鋸刃で抉られた喉で、精々泣き叫べ
そして、我等を甘く見た事を後悔するが良い

※アドリブ歓迎


トリテレイア・ゼロナイン
【古城】で参加

懸命に生きる人々を己が糧と捉えるその有りよう、私と真っ向から対立する物です。アシェリーラ卿、騎士として討たせていただきます。
……私の隣にいる彼女こそ討たねばならない気もしますが、戦友として、今は信頼していますよ。

フォルター様の牽制を敵が回避した隙に彼女を「かばう」ように接近。近接戦闘を仕掛けます。
太刀筋を「見切り」「盾受け」「武器受け」で防御しますが、その際に「怪力」で押し込み大剣の刀身をアシェリーラに近づけます。
刀身の炎は持ち主自身にも弱点となり身を焼くでしょう。
これを証明し、UCの隠し腕で動きを封じ、さらに「怪力」で「手をつなぎ」拘束。フォルター様の一撃に繋げましょう。



●魔剣封じ
「高み、だと? 嗤わせる、過去の残滓が何を吠えている」
 敵の高慢な態度をフォルターは鼻で嗤う。
「今を生きる我に、貴様など塵芥も同じよ。平伏せよ、残影卿……この、女帝フォルターの前に」
 我こそが最も尊き存在であるとフォルターはさらに上から目線で相手を見下した。
「どちらが上か、力で示せばよかろう女帝とやら」
 アシェリーラが口ではなく武を示せと大剣の切っ先を向けた。
「懸命に生きる人々を己が糧と捉えるその有りよう、私と真っ向から対立する物です。アシェリーラ卿、騎士として討たせていただきます」
 その視線を遮るようにトリテレイアが前に立つ。
「……私の隣にいる彼女こそ討たねばならない気もしますが、戦友として、今は信頼していますよ」
「任せよ。必ず我にこうべを垂れさせ許しを請わせてやろう」
 トリテレイアの背に声が届くと背後から気配が消えた。フォルターは敵の背後に魔法陣を作り出すとそこへ転移し、全周囲に鋸鎌を放って全てを抉り裂く。
「そうだ。力こそ全て。どちらが跪くか試してやろう!」
 それを予測していたようにアシェリーラは背後に大剣を回して受け止める。そして振り向きざまに大剣を振り抜くが空振りした。攻撃を終えたフォルターはすぐさま転移を行い離れていた。
「跪かせる趣味はありませんが、力こそ全てというならば、力で押し切ってみせましょう」
 その隙にトリテレイアは接近して剣を振り下ろす。それを敵が大剣で受け止めると、トリテレイアは力を込めて押し込む。敵もまた力を込めて力と力がせめぎ合う。

「なかなかの剛力。だがそれだけでは私には届かない」
 アシェリーラは力を抜いて刃の上を滑らせて受け流し、トリテレイアの上体が泳いだところに大剣を叩き込まんとする。
「何をしておる。己の役割を全うせぬか」
 そこへまた転移したフォルターが鋸鎌を放ち、敵の胴を切断しようと刃が迫る。それをアシェリーラは攻撃を止め大剣で受け止める。
「申し訳ありません。助かりました」
 その間に体勢を整えたトリテレイアは剣を構え、フォルターに向けて振り下ろされる炎の大剣を受け止めた。
「仕切り直しと参りましょう」
 足腰の力も使ってトリテレイアは大剣を押し戻し、その刃を敵の肩に当てた。
「刀身の炎は持ち主自身にも弱点となり身を焼くでしょう」
 トリテレイアの言葉通りにその刃が持ち主であるアシェリーラの身体を傷つける。その効果を実証した事によりユーベルコードが発動し、腰装甲からワイヤ制御の隠し腕が飛び出して敵に繋がり電流を流す。それが180秒間敵の大剣の能力を封じた。炎が掻き消え熱気が散る。
「私の力が封じられただと?」
「炎を封じました、今こそ攻勢の時です」
 驚くアシェリーラにトリテレイアが斬りつけると、それでも自然と体が動き大剣で受け止めた。

「その剣の秘密……いや、欠陥をトリテレイアが知っていたのでな」
 いつの間にか背後に現れたフォルターが笑みを浮かべ鋸鎌を放つ。アシェリーラが大剣で受け止めようとするが火花を散らして押し込み胴を抉る。
「力を封じるものまた実力。この間に討たせていただきます」
 さらにトリテレイアが剣を振り下し掲げた腕を斬り裂いた。それを防ごうとすると今度は鋸鎌が喉の肉を抉り取る。
「楽に逝けると思うな。鋸刃で抉られた喉で、精々泣き叫べ。そして、我等を甘く見た事を後悔するが良い」
 フォルターが縦横無尽に鋸鎌を操り敵の全身を抉っていく。その猛攻を大剣を盾にしてアシェリーラは受け続けるが、防ぎ切れずに目に見えて傷が増えていった。
「心地よい痛みだ。これこそが闘争。互いに痛みを味わい、死の境界で剣を振るう。ああ――喉が渇く、これほど血を流したのはいつ以来か」
 鋭い牙を見せたアシェリーラが無造作に前に出て、出鱈目な鋸鎌の動きが全て見えているように、紙一重で躱し大剣がフォルターに襲い来る。
「その傷でまだ動けますか、流石は歴戦の吸血鬼の戦士。身体能力は高いようですね」
 庇うようにトリテレイアが割って入ると、それを待っていたとばかりに大剣が向きを変えてトリテレイアに振り下ろされた。剣で受け止めるが剣勢を止められず頭に刃が届き兜が割れた。
「戻って来たぞ、我が力が!」
 刀身に炎が走り、トリテレイアの顔を焼こうとする。それを咄嗟に顔を背けて避け、トリテレイアは腕部に仕込まれた銃を発砲して敵の腹を穿つ。
「凌ぎおったか、しぶとさだけは塵芥ではなく虫並みか」
 憎々し気にフォルターは鋸鎌を放つと同時に瞬間移動で距離を取った。敵は鋸鎌を炎纏う剣で斬り払う。その間にトリテレイアも銃撃して牽制しながら間合いを開けると、剣が放つ炎が渦巻き周囲を呑み込んだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

喰龍・鉋
【女子会】で連携*アドリブ歓迎
ボクはこのくらいしかしてあげられないや、
メアリも喜夏も頼んだよ!喜夏の射線を塞がない様に立ち回る、
危険なら【ダッシュ】で離れて又ダッシュで敵の前に戻る、
ボクは先の戦いで消耗してるしメアリの一撃にすべてを託す為、
敵の視線をボクに【おびき寄せる】その前の段階で
【怪力】で拘束することが可能なら良いんだけど…
剣を弾き飛ばされたり、それほど疲弊して剣を握れなくなって落ちた場合、その時点でとっさに【指定UC】を発動し剣を影化、
爆破対象は敵の居る地面、吹き上げて敵を覆う様に爆破する、
味方には剣が落ちたら離れる様勧告済破片とともに
敵を貫きながら地面と繋ぐ!仕上げだよ、メアリ!


北条・喜夏
【女子会】で参戦や!

……ゆーてもウチ、食うても旨ぁないと思うで?
んな事言うてる場合ちゃうか。おっしゃ、あともーちょい、気ぃ張るかー!

鉋、メアリ、前衛は頼むで!
鉋がちっとばかし心配やけどな……そんでも任せてって言うたし、信じるわ!

ほないこか、「からびん」!
飽くまで二人の邪魔にならんように【援護射撃】。少しでもやっこさんを消耗させたろか。

ほんで、鉋がやっこさんを捕らえたら――『其は七発目の弾丸』。
チャンスは一瞬でええ。
心臓か?ドタマか?やっこさんの急所を【スナイパー】でブチ抜いたる!

んま、こんくらいで倒れるわきゃないやろけどな。そんでも、お膳立てには充分やろ。
後はメアリ!いっちょ決めたってや!


花塚・メアリ
【女子会】で参加

はぁ!?なんなのあの剣……あれ対ヴァンパイア用でしょ絶対……。

私も半分はヴァンパイアだから相性が悪い……とでも言うと思った? 私は猟兵よ、多世界の恩恵に預かってパワーアップしたんだから!

以前は防げなかった炎も今の私なら……! UDCの技術で開発してもらった緋緋神之盾で炎を突っ切る!

鉋、喜夏の連携に参加して私も攻撃を加えて体力削りに協力しつつ、鉋の捕縛UCが決まったら緋閃滅在を鞘に納めて、コアを媒介にした指定UCを発動。

鞘の中で空間固定した緋閃滅在に推進力が溜まったら鞘をパージ、居合で残影卿の首を断ち斬るわ。

「その鎧と大剣、炎でさえも私の剣を止める事は出来ないと思い知りなさい!」



●炎を切り裂く刃
「さあ、強き者達よその力を示せ、貴様達強者の力を食らい我が力は輝きを増す」
 アシェリーラが大剣を横薙ぎにし、周辺に炎を撒き散らす。
「……ゆーてもウチ、食うても旨ぁないと思うで? んな事言うてる場合ちゃうか。おっしゃ、あともーちょい、気ぃ張るかー!」
 これが最後の戦いだと気合を入れなおし、喜夏は愛用のライフルを構える。
「鉋、メアリ、前衛は頼むで!」
 喜夏が声をかけると、2人は任せてと敵に向かう。
「はぁ!? なんなのあの剣……あれ対ヴァンパイア用でしょ絶対……」
 メアリは敵の大剣を間近に見て、明らかにヴァンパイアを相手取る想定に作られたものだと唸る。
「私も半分はヴァンパイアだから相性が悪い……とでも言うと思った? 私は猟兵よ、多世界の恩恵に預かってパワーアップしたんだから!」
 踏み出したメアリは野太刀を振り下ろし、燃え盛る炎を切り裂いて道を作り出す。

「鉋がちっとばかし心配やけどな……そんでも任せてって言うたし、信じるわ! ほないこか、『からびん』!」
 ならば自分は仲間を信じて後方から援護するだけと、喜夏はしっかりと狙いを定めると弾丸を放ち敵の手足を狙う。それをアシェリーラは大剣の平を盾にして受け止めた。
「あっさり防ぎよるな。けど無視する訳にもいかんやろ」
 防がれるのを承知で銃撃を続け、喜夏は敵の行動を妨害するのに専念する。
「チャンスは一瞬でええ。心臓か? ドタマか? 必ずぶち抜いたるさかいに、2人とも頼んだで……」
 援護射撃を続けながら、仲間の作るチャンスを逃さぬように喜夏は集中力を保つ。

「ボクはこのくらいしかしてあげられないや、メアリも喜夏も頼んだよ!」
 自分に出来ることをしようと、鉋は喜夏の射線を塞がないように意識して立ち回り、敵に向かって突っ込み黒剣で胴を斬り抜く。だがその一撃は大剣で受け止められた。
「なかなか重い一撃だが、技量はこちらが上だ」
 アシェリーラは刀身に炎を宿して受け流し、反対に大剣で斬りつけてくる。鉋はさっと飛び退くと攻撃を躱し、もう一度と駆け出して斬りつける。それをまたアシェリーラが大剣で受け流し、反撃を素早く距離を離して避ける。
「どうした、それでは私は倒せんぞ」
 離れたところでアシェリーラが炎を放ち、巨大な火球が迫る。
「以前は防げなかった炎も今の私なら……!」
 鞘を盾に変形させたメアリは炎を突っ切り、野太刀で敵の胴を薙いだ。
「これが世界を跨ぐ猟兵の力よ! この小さな世界で強者を騙るなんて滑稽だと知りなさい!」
 そして刃を返しもう一度斬りつける。だがその一撃は大剣によって阻まれた。
「まさに、このような血の湧き立つ戦いを私は求めていたのだ!」
 アシェリーラは弾き返すと、反対に攻勢に出て大剣を振り抜く。それをメアリは盾で受け止めるが、押し切られた足が浮く。
「もっともっと力を見えてみろ! 私よりも強い者を倒せば、私は何所まで強くなれるのか!」
 猛る大剣が炎を放ち、メアリの身体を盾ごと爆炎に飲み込んだ。
「直撃を免れてもこの威力!」
 衝撃に後退しながらメアリは何とか体勢を立て直して着地するが、敵が休む間を与えずに迫って来る。

「次はボクの番だよ!」
 入れ替わるように鉋が突進し、正面から黒剣を振るう。
「動きが単調になっているぞ」
 その動きに合わせてアシェリーラは大剣を斬り上げ、鉋の手から黒剣が空に弾き飛ばされる。
「これで終わりだ」
「まだだよ!」
 がら空きになった胴にアシェリーラが大剣を振り抜くと、鉋は黒剣を影化して光速で移動させ地面に突き立てる。すると敵の足元で爆発が起き、大量の土が巻き上げられアシェリーラに覆いかぶさった。
「この隙に!」
 鉋が地面の黒剣を針化して敵の脚を刺し貫き、縫い付けるように動きを止めた。
「よっしゃ! チャンス到来や!」
 チャンスが来たと、待ち構えていた喜夏は距離に応じた精神力を消費する事で必中の弾丸を放つ。放たれた弾丸は狙い逸らさず、視線に誘導されるように真っ直ぐに飛び敵の胸を貫いた。
「仕上げだよ、メアリ!」
「後はメアリ! いっちょ決めたってや!」
 鉋と喜夏の作り出した好機にメアリが仕掛ける。
「2人が作ってくれた好機、絶対に決めてみせる……!」
 メアリは野太刀を鞘に納めコアを媒介にユーベルコードが起動する。鞘の中で空間が固定されぐっと柄に力を込める野太刀に推進力が溜まる。
「その鎧と大剣、炎でさえも私の剣を止める事は出来ないと思い知りなさい!」
 鞘が分解するようにパージされ、急加速する長い刃が暴走しないようコントロールして居合を放つ。必殺の一撃が敵の首を見事に刎ね飛ばした。ごろりと驚いた顔が地面い転がる。

「メアリ、後ろや!」
 勝ったと思った瞬間、喜夏の悲鳴のような声が響く。
「見事な連携だ。これほど追い詰められたのはいつぶりか、だがその窮地を乗り越えたからこそ今の私がある」
 首を刎ねられた敵とは別に、もう一体のアシェリーラがいつの間にか背後に現れていた。
「分身!? いつの間に――」
「危ない!」
 首の転がるアシェリーラは土煙に紛れて生み出された分身だった。真のアシェリーラが背後から大剣を振り下ろし、慌てて割り込んだ鉋が黒剣で受け止めるが、勢いに負け吹き飛ばされる。
「せっかくの千載一遇の好機を……」
 しくじったとメアリは間合いを開ける。そこへ大剣が振り下ろされ地面を裂いた。
「まだ終わりじゃないよ! もう一度仕掛けるから!」
 一度失敗したくらいでは諦めないと、着地した鉋は駆け戻り斬り掛かる。
「そうや、何回でもチャンスを作ったるわ!」
 喜夏も銃撃を合わせ、同時攻撃により敵を守勢に立たせる。
「ありがとう。そうよね……倒せるまで攻撃を続ければいいだけだわ!」
 続けてメアリも野太刀を振り下し、防ぐ大剣の上から押し込んで、額を割った。

「そうだ。戦士ならば不測の事態など当たり前。どのような苦境であろうと命尽きるまで戦い続けるものだ!」
 気力の尽きなかった猟兵に笑みを向け、アシェリーラは大剣を振り抜き、炎を巻き起こす。その炎をメアリが盾で受け止めた。
「次はウチがきっかけを作ったるで!」
 喜夏はもう一度精神力を込めて、目を霞ませながらも必中の弾丸を撃ち出す。放たれた弾丸は右目に当たり穴を穿った。敵の身体が反射的に竦む。
「ボクもいくよ! 絶対に倒そう!」
 鉋が黒剣を影に変化させて飛ばし、地面で爆発を起こす。察して飛び退こうとした敵の左足を黒い針が貫き捕えた。
「大丈夫! 分身じゃないよ!」
 そしてまた分身していないか鉋が視線を巡らせて確認する。
「今度こそ、仕留めてみせる!」
 鞘に納め推進力が溜めるとその力を解き放つ。放たれる神速の居合。その一刀は敵の胸を両断する軌道を描く。だが動けぬはずの敵は後ろに下がり、深く胸を斬り裂くに留まった。
「危ないところだった……ここまでの窮地は今までの記憶にもない」
 アシェリーラの左足が膝から無くなっていた。攻撃を避ける為に大剣で自ら叩き斬って拘束から逃れたのだ。
「誇るがいい。この私をここまで追い詰めた事を。貴様達こそ私が食らうに相応しい勇者達だ!」
 大剣で黒い針を振り払ったアシェリーラは千切れた左足を簡易に繋ぎ、炎纏う大剣で猟兵達を薙ぎ払った。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

リーヴァルディ・カーライル
…ん。よく己を理解しているのね、吸血鬼
絶望に抗う心を持つ彼らに比べれば、
ただ力を求めるお前は遥かに格下だという事を…

改造した防具や両目に溜めた魔力を維持
殺気の存在感を可視化して攻撃を【吸血鬼狩りの業】で先読み、
大鎌をなぎ払い武器で受け、炎を出す瞬間を第六感を頼りに見切り、
【限定解放・血の再誕】で無効化を試みる

…過去に沈みし太陽の剣よ。今一度、その威を此処に示せ…!

成功したらカウンターで【限定解放・血の聖槍】を連続発動(2回攻撃)
吸血鬼化した怪力の踏み込みで、生命力を吸収する呪詛の掌打で敵を掴んだ後、
気合いで反動に耐えながら陽光血杭を連射し傷口を抉る

…お前にも、私にも。太陽の光は過ぎたものよ…。


有栖川・夏介
※アドリブ歓迎

「食らう価値がある」ですか。ずいぶんと傲慢な物言いですね。
戦えというのなら喜んで相手になりましょう。
「……だが、お前はここで俺達が処刑する」
処刑人の剣を構えて戦闘体勢。

【見切り】で回避し、近接の攻撃は回避が間に合わなければ【武器受け】してから【カウンター】で反撃。
こちらの攻撃は、例え防御されても【怪力】と【鎧無視攻撃】の力技で押し切る。
相手が不審な行動をみせたら深追いはせずに、離れて距離をとります。

こちらの攻撃時、相手が少しでも怯んだら【黄泉へと誘う紅の乙女】を発動し追撃。
「さあ、今度は貴方が恐怖する番です」

人は…最期まで人であるべきです。
だからこそ貴方も人として屠りましょう。


パラス・アテナ
来たねヴァンパイア
アンタにくれてやる血は、一滴たりともないよ
口を慎み顔を伏せ、骸の海へお帰り

アタシの得物は銃
クイックドロウ、2回攻撃、鎧無視攻撃で牽制を掛けながら、味方猟兵の攻撃が当たりやすい場所に誘導しようか
でも相手は「卿」の名を持つオブリビオン
決して油断せず、接近されたら零距離射撃で隙を作って距離を取ろうか
敵のUCは、見切りと第六感で回避を第一に
もし食らったら激痛耐性で持ちこたえようか
UC使用直後の隙を狙って威力重視の一斉射撃
これを繰り返すよ

戦闘終了後は、村人たちに防衛のための策をいくつか教えとこうかね
自分の身は自分で守る。それがこの世界で生きるための鉄則だよ
いつか空が晴れる日まで辛抱おし



●吸血鬼は灰に
「『食らう相応しい』ですか。ずいぶんと傲慢な物言いですね。戦えというのなら喜んで相手になりましょう」
 不快そうな顔を隠しもせずに夏介が敵の前に立つ。
「……だが、お前はここで俺達が処刑する」
 そして処刑人の剣を構えて鋭い殺気を放った。
「心地よい殺意だ。全力で殺しに来い。そしてその血を捧げよ」
 どこまでも傲慢にアシェリーラは大剣を軽々と横に薙ぎ払う。それを屈んで紙一重で回避した夏介は、低く踏み込みながらただ切る為だけの剣を出足に向け振り抜く。だがまるで分かっていたように敵は足を上げ、身を捻った夏介は肩を蹴られて後退する。
「今まで何人もの剣士を屠ってきた。私を倒したければそれらよりも強き剣を振るえ」
 アシェリーラが踏み込み重々しい斬撃を放つ。夏介はそれを跳び退いて間合いの外へと躱した。
「いいでしょう。今までに味わったことのない一太刀をお見舞いしてみせます」
 夏介はじりっと間合いを詰める。そこは敵の間合い。すぐさま大剣が振り抜かれ、紙一重で身を引いて避けると、すぐに間合いを詰めて次の斬撃が来る前に己の間合いに入る。そして放つ一撃で敵の首を狙った。だがアシェリーラは前に踏み出し、刃が首の皮膚を破り肉を裂いたところで肩から体当たりして夏介をぶっ飛ばす。
「まだだ、もっと力を見せてみろ、もっと私を高みへと導いてくれ!」
 そこへアシェリーラが追撃の一撃を突き入れる。それを夏介は咄嗟に剣で逸らし弾いた。

「……ん。よく己を理解しているのね、吸血鬼」
 両目に魔力を宿したリーヴァルディは、一挙一動を見逃さぬよう目を凝らす。
「絶望に抗う心を持つ彼らに比べれば、ただ力を求めるお前は遥かに格下だという事を……」
 そして挑発しながら殺気を読み取ろうとする。
「舌戦は不要。その武で我が血となるに相応しいか示せ」
 大剣の刀身に太陽の如き炎が宿り、アシェリーラは無造作に踏み込むと刃を振り下ろす。どう攻めて来るかリーヴァルディは吸血鬼の動きを読み切って大鎌を薙ぎ払い、火花を散らし受け止める。だが圧倒的質量と速度に押されアシェリーラは膝をついた。同時に刀身に宿る炎を目の前で放たれる。
「間に合わない……」
 敵のスピードが想定より速く対処が間に合わぬと悟ると、リーヴァルディは外套に魔力を込めて身を守りながら力を抜いて地面を転がり、爆炎の直撃を避けて衝撃波の勢いに身を任せるように間合を開けた。

「来たねヴァンパイア。アンタにくれてやる血は、一滴たりともないよ」
 入れ替わるように二丁拳銃を手にパラスは敵の前に立ち塞がる。
「口を慎み顔を伏せ、骸の海へお帰り」
 そして銃口を向けるや発砲し、敵の頭と胸を狙う。
「正確な狙いだ。だからこそ読みやすい」
 アシェリーラはそれを容易く大剣で受け止めた。
「へえ、そうかい。だったらずっとそうやって構えているんだね」
 構わずパラスは銃撃を続け、今度は手足を狙う。すると敵は飛び退いて避けた。
「どうしたんだい、受け止めるんじゃなかったのかい?」
 挑発するように次は頭を胸を狙い弾丸を撃ち込む。
「成程、私を守りに釘付けにする為の攻撃というわけか」
 振り返りながらアシェリーラは接近する夏介に大剣を振るう。

「傲慢になるだけの技量を持っているようですね。ですがそれは決して打ち破れないものではありません」
「破れるものなら破ってみよ」
 夏介が仕掛けると、アシェリーラは粉砕せんと大剣を横に振り抜く。それに合わせて夏介は剣を叩き込み、互いに剣が弾き合い、幾度も交わす剣戟に激しく火花が飛ぶ。
「いいぞ! もっと、もっとだ! 我が剣は今限界を超える!」
 楽し気にアシェリーラが剣を振り下ろし、頭から叩き割らんとする。それに対して夏介は下から全力で斬り上げ、刃をぶつけた。全力の打ち合い。そこで傷を負ったアシェリーラは踏み込みに足がついてこれず剣筋にずれが生じる。その僅かな差に夏介の剣勢が勝り敵の剣が上に弾かれる。大きな隙が出来、僅かにアシェリーラの顔が歪む。
「さあ、今度は貴方が恐怖する番です」
 その隙に夏介は赤いドレスの少女を召喚し、ドレスの中から大鎌が放たれる。その刃は首を刎ねようと迫り、血を撒き散らした。
「……危ないところだった。これほど焦ったのは久方ぶりだぞ」
 アシェリーラは左腕で受け止め、骨まで達した傷口からは血が噴き出した。そこへ夏介は追い打ちで剣を振るうが、アシェリーラは右手一本で大剣を操り、夏介の剣を受け止めた。

「構わず攻撃を続けな、隙はアタシが作ってやるよ」
 パラスは頭部と脚に弾丸を放ち、敵は頭を防ぐが下は防ぎ切れずに脹脛に被弾する。
「戦いに慣れているようだな、面白い!」
 ならばとアシェリーラは地面に大剣を叩きつけて炎の柱を立てる。それを煙幕に使いパラスに向かって飛ぶように接近してくる。
「こっちに来たかい、だが想定内だよ」
 パラスは迎撃に弾丸をばら撒くと、敵は大剣を盾にしたまま突っ込んで来る。
「さあ、こちらの間合いに入ったぞ」
 間合に入るとアシェリーラが大剣に炎を纏わせて振り下ろす。パラスは半身になって敵の片目がまだ修復しきれていない側に入り、大剣の側面に左の銃で弾丸を叩き込み軌道を逸らすと、右の銃口を突き付けて引き金を引く。放たれる弾丸が胸を穿った。
「そんな豆鉄砲では真のヴァンパイアは殺せんぞ」
 構わずアシェリーラは剣を横薙ぎにして胴を斬り飛ばそうとする。それをパラスは二丁拳銃をクロスして受け止める。そして後方に跳び剣の勢いを利用して大きく後ろに飛ばされながら銃口を向ける。
「豆鉄砲かい、それなら効くまで撃ち込むとするかねえ」
 大振りの後の隙を突き、パラスは顔と胸に弾丸を何発も叩き込んだ。

「……確かに吸血鬼を相手に言葉は不要ね。その自慢の力を上回ることで証明する」
「面白い。やってみせるがいい」
 リーヴァルディは大鎌で先と同じように大剣と剣戟を交わして受け止める。するとアシェリーラがまた炎を至近距離から放った。
「……一度使った技が何度も通じると思わないことね」
 今度はタイミングを合わせ、リーヴァルディはその炎を吸収した。
「何!? 我が炎を吸収しただと!」
「……過去に沈みし太陽の剣よ。今一度、その威を此処に示せ……!」
 驚く敵に向かって、間髪入れずにリーヴァルディは一瞬だけ吸血鬼化して増した力で大剣を弾き上げながら踏み込み、掌打を胸に叩き込む。
「貴様も同族か!」
 その腕を掴み、アシェリーラは大剣を振り下ろそうとする。
「……吸血鬼を狩るには吸血鬼の力が相応しい……」
 リーヴァルディの吸血鬼化が解除され、余波で放出される魔力を圧縮して手から放つ。それは杭の形となって敵の胸に突き刺さった。そこでアシェリーラがリーヴァルディの右肩を掴み逆手に持った大剣が振り下ろされ左肩から背中を斬り裂く。
「まだだ、私はまだ戦える! もっと闘争を! 輝け我が太陽の炎よ!」
 燃え上がる炎がリーヴァルディの身体を焼く。
「人は……最期まで人であるべきです。だからこそ貴方も人として屠りましょう」
 夏介が剣を振るい肩を掴む腕を斬り飛ばした。
「さあ、終わりにしちまいな」
 そこへパラスが脚に弾丸を撃ち込んで、繋げていた足を吹き飛ばした。
「……お前にも、私にも。太陽の光は過ぎたものよ……」
 痛みに耐えリーヴァルディは杭をねじ込んだ。血が穴の空いた背中から噴き出しアシェリーラの身体が力を失い膝をつく。
「ああ、燃え尽きる……私の頂はここだったか………」
 アシェリーラの身体が燃え上がり、灰となって消え去った。


●本当の強さ
「ありがとう。あんた方のお蔭で俺達は生き残れた」
 村人達が猟兵に感謝の気持ちを込めて頭を下げる。
「畑もやられちまったところもあるが、貰った食糧でなんとか食いつないでいけるかもしれねえ」
 辛い生活になるだろうが、ここで確実に果てるはずだった命が繋がったのだ。猟兵達の与えた希望が村人達の胸に宿っていた。
「自分の身は自分で守る。それがこの世界で生きるための鉄則だよ。いつか空が晴れる日まで辛抱おし」
 パラスが厳しくも未来を見据えた言葉を告げる。
「ああ、あんた達ならきっとやってくれる。そう信じてるよ!」
 いつの日か、それはどれくらい先の未来かもわからない。だが信じるものがあれば人は厳しい現実に耐える事ができる。死んだような目をしていた人々は、今は生命力に溢れる輝きを持っていた。
「本当にありがとう。俺達もやれるだけのことをやって、最後まで足掻いてみせるよ」
 諦めない事、それが今回の戦いで村人達が得た強さだった。少し逞しくなった村人と別れ、猟兵は帰途についた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年03月10日


挿絵イラスト