クリスマスに蒸気紅茶の一時を
「貴殿ら、アルダワ魔法学園での『蒸気紅茶』によるティーパーティーに興味はないか?」
そう言ってブリュンヒルデ・ブラウアメル(蒼翼羽剣ブラウグラムの元首たる終焉破壊の騎士・f38903)はアルダワ魔法学園の諸王国連合で開催される『蒸気紅茶』……紅茶の成分を上質な魔道具と腕の良い精霊術師の御業によって変成させ、上質な香り高い紅茶へと変える高級品を試飲できるパーティーが開かれるとの事だ。
今回、2020年の2月に勃発した『アルダワ魔王戦争』にてオブリビオン・フォーミュラ『大魔王『ウームー・ダブル―トゥ』』を撃破して世界を救ってくれた猟兵にも招待状が届いたのだ。
「ティーパーティーにはお茶会用のお菓子以外にも、豪華なクリスマス料理……ローストビーフやチキングリルなども提供されるとの事だ。また、当時の『アルダワ魔王戦争』に参戦していた猟兵ならばその時の武勇伝を披露すればアルダワ魔法学園の者はその話の虜となるだろう」
世界を完膚なきまでに救った猟兵の逸話は、誰もが聞きたいものだろう。
それを紅茶と共に語るのは、良い時間を生み出す事に成ろう。
「勿論、個室で静かに『蒸気紅茶』を嗜みたいというなら運営は取り計らってくれる。ゆっくりと優雅で落ち着いたクリスマスを過ごしてくれ」
ブリュンヒルデも都市国家の国家元首として、数々の世界を『
悲劇の終焉』を破壊する事で救ってきたエンドブレイカーとして、戦い続けた戦士……猟兵にも労い、報酬は必要だと理解している。
「我が尊敬するヴァルキリーのエンドブレイカーはこう述べた……『見ろよ、夕陽が綺麗だぜ。今日も平穏に1日が終わる事。それが、俺達の勲章だ』、と」
完膚なきまでに『救われた世界』にて、一時の安らぎを得る事。
其れこそがエンドブレイカーも含めた『猟兵』にとっての最大の報酬なのだ。
黒代朝希
と言う訳でアルダワのクリスマスシナリオです。
上質な紅茶を楽しみながらクリスマスを過ごすシナリオとなります。
アルダワの民と語り合うのも良し、静かに豪華な食事を楽しむのも良し。
楽しみ方は、猟兵に委ねられます。
それでは、皆様の素晴らしいプレイングをお待ちしております。
第1章 日常
『花やかなお茶会』
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POW : カフェでまったり過ごす
SPD : お菓子を購入する
WIZ : 温室の花を観賞する
👑5
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黒木・摩那
メリークリスマス!
蒸気紅茶とはアルダワらしいですね。
茶葉も高級品ということですから、是非とも味わいたいです。
そして、合わせるお茶菓子もすごいことになってそうです。
期待大です。
アルダワ魔王戦争ですか?
あの戦争は迷宮の戦いとあって、ひどいトラップがたくさんありました……
後ろからローラーで追われたり、吊り橋から落とされたり、崖をよじ登ったり。
大変でした。
敵もひと癖揃いで、グラン・ギニョールはマグマの上にいて、熱々だし、自分のドッペルゲンガーが出てきたり。もちろん大魔王は大変強力で相当やばかったですね。
こうして振り返ってみると結構紙一重でしたね。
いいお茶が今こうして楽しめるのも、勝利あってですね。
「メリークリスマス! 蒸気紅茶とはアルダワらしいですね」
十分に魔導蒸気で蒸された紅茶をじっくりと味わいながら黒木・摩那(冥界の迷い子・f06233)はスコーンを齧る。
諸王国連合はアルダワ世界の中でも屈指の農業地帯であり、この地域で生産された食料は各国自治体を横断する魔導列車によって他の地域へ輸出されている程の収穫量を誇るのだ。
「茶葉も高級品ということですから、期待していましたが……いい味です」
そして、合わせるお茶菓子も王族や貴族御用達の高級品がずらりと皿の上に置かれている。
滑らかな生地のマドレーヌにサクサクで風味が芳ばしいクッキー。
東方諸島から取りそろえた抹茶風味のお菓子まである事には驚かされた。
「美味ですね……え? アルダワ魔王戦争ですか?」
ゆっくりとお茶菓子も味わい終わったところを見計らい、諸王国連合の若き王族達が摩耶に『アルダワ魔王戦争』における戦果を訪ねてくる。
摩耶もあの時の事をたまには思い出すのも良いかと思う、王族達に語っていく。
「あの戦争は迷宮の戦いとあって、ひどいトラップがたくさんありました……後ろからローラーで追われたり、吊り橋から落とされたり、崖をよじ登ったり……大変でした」
無論の事、大魔王最終形態が座す最深部へと進むのを阻む大魔王各形態との戦いや何故か存在していた……否、このアルダワはエンドブレイカー世界と繋がりがある事を示唆されている。
故にエリクシルの妖精がいた事も不思議ではないのだろう。
「グラン・ギニョールはマグマの上にいて、熱々だし……もちろん大魔王は大変強力で相当やばかったですね」
そう、謎の『戦略級殺人鬼』の事も特筆すべきだろう。
ある特定数の猟兵の中ではカクリヨファンタズムのオウガ・フォーミュラを改造した『悪魔』と無関係ではないとの事だが……
「こうして振り返ってみると結構紙一重でしたね……いいお茶が今こうして楽しめるのも、勝利あってです」
猟兵は快進撃を以て『アルダワ魔王戦争』に完全勝利したと噂される。
しかし、かの戦争で登場したオブリビオンは屈指の実力を持っていた事も忘れずに語るべきであろう。
大成功
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村崎・ゆかり
【白百合】
たまには優雅な時間も必要よね。
悪いけどあたし達は個室で。お茶の味をじっくり楽しみたい。
改めてメリークリスマス! こういうお茶会も悪くないでしょ。
三段重ね程度のティースタンドにスイーツ一式を乗せて出してもらって……ニコルはもっとお腹に溜まるものいる?
お料理いるなら給仕頼もう。ベルを鳴らし給仕さんにホールから料理を運んでもらう。
ティーポットに器物覚醒。空いたカップに自分で注がせて。
紅茶の味は、結構重い。ミルクティ向けだ、これ。ミルクと砂糖投入。
ニコル、いい物持ってきてくれたね。試そう試そう。
アーネはこういうお茶会慣れてそうだけど、実際のところどうなの?
瑞穂は緑茶の方がよかったかな?
ニコル・ピアース
【白百合】
お茶会?
本で読んだことありますよ。
貴族がドレス着て集まって、
途中で参加者が毒殺とかされるやつですよね。
蒸気紅茶?
大体わかった。
なんかすごい紅茶ってことですね。
うんうん、これがあのティースタンド。
確か全部食べ終わるとお替りか食べ放題か選べるって、
確かどこかで聞いたことがあるような気が。
まあ全部食べ終わったらクリスマス料理持ってきてもらいましょう。
せっかくクリスマスなんだし、それっぽいのも食べないと。
うん、これがすごい紅茶。
そうだ、こういうのを持ってきたんですよ。
その辺のスーパーで買ったティーバッグ。
これを入れて飲み比べてみましょう。
お願いしますね。
違いは、うん、なんか違う気がしますね。
クリスティアーネ・アステローペ
【白百合】
蒸気紅茶、ねえ
面白いというかアルダワらしい楽しみ方、というべきかしら?
少し変わった香りと味、ですけれどこれが元々のものなのか変成させたからなのか…
色々遊んでみたくなるわね
大体作法や食べる順番は似たようなものでしょうけど…
とやかく言い過ぎるのも無粋ですし
誰が見ているでもなし、気楽に楽しむのが一番よ。きっと
お替りか食べ放題、は…ホールの方にある料理も持ってきてもらいましょう
折角ですし私も色々食べてみたいわ
あらニコル、いいもの持ってきてくれてるじゃない
次はそのティーバッグを蒸気紅茶にしてもらいましょう
後は最初の紅茶の処理前のも淹れてほしいわね
変成させていると言っても元が分からないと、よね
秋津洲・瑞穂
[白百合]全四名
Merry Xmas.アルダワは初めてだわ。
クリスティアーネには近そうな文化だけど、茶会の作法解る?
解るなら教えて欲しいー。
(とりあえずクリスティアーネの真似をしつつ)
や、食物神の使いのサガで、こういう会は神事やってる気分に……。
UDCアースとかと同じ感覚でいいのかしらね。
さて、ともあれ紅茶を試飲。香りが強いわ。
……何て言うか、独特な風味。こういう葉なのかしら。
この地の紅茶は初めて飲むから、良く解らないなぁ。
雑味がなくて美味しいとは思うけども(ず
ああゆかり、エンパイアの秋津洲郷には紅茶も緑茶もないのよ。
なので、どっちがという事もないわねぇ。
でなに、実験? また面白げなことをー。
「たまには優雅な時間も必要よね。悪いけどあたし達は個室で。お茶の味をじっくり楽しみたい」
村崎・ゆかり(“
紫蘭”/黒鴉遣い・f01658)はそう言って個室を設けてもらい、四人で蒸気紅茶を嗜んでいく。
ゆかりと共にクリスマスの紅茶を楽しむのはニコル・ピアース(蛮鬼・f06009)、クリスティアーネ・アステローペ(朧月の魔・f04288)、秋津洲・瑞穂(狐の巫女・f06230)の三名。
「Merry Xmas.アルダワは初めてだわ」
「蒸気紅茶、ねえ……面白いというかアルダワらしい楽しみ方、というべきかしら?」
「蒸気紅茶?大体わかった。なんかすごい紅茶ってことですね」
「まぁ、それでもいいけれど……」
ニコルの認識にクリスティアーネは嘆息を吐く。
ちなみにニコルはお茶会に関して『お茶会?本で読んだことありますよ。貴族がドレス着て集まって、途中で参加者が毒殺とかされるやつですよね』とかなんとか言っていたとか。
「クリスティアーネには近そうな文化だけど、茶会の作法解る?解るなら教えて欲しいー」
「はいはい、えーっと……」
瑞穂の言葉に対してクリスティアーネは蒸気紅茶の器具をいじり、カップに琥珀色の液体を注いでいく。
上質な魔道具と腕の良い精霊術師の御業によって変成した紅茶の成分は、もともと最高級であった茶葉を更に上質な香りを有する甘露へと変質、いや昇華させた。
「少し変わった香りと味、ですけれどこれが元々のものなのか変成させたからなのか……色々遊んでみたくなるわね」
「成程……」
食物神のサガで神事を行っている気分になっている瑞穂。
そんな妖狐の狐耳に、ゆかりの言葉が響く。
「改めてメリークリスマス! こういうお茶会も悪くないでしょ!」
三段重ね程度のティースタンドにスイーツ一式を乗せて出して貰い、ニコルの為お腹に溜まる料理を提供するべくゆかりは呼び鈴を鳴らす。
「ローストビーフとかどう?」
「とりあえず、肉で」
チキングリルにステーキ、ハンバーグにマリネ……
そういったがっつりした物を食べるのも、またクリスマスらしくて良いだろう。
「せっかくクリスマスなんだし、それっぽいのも食べないと」
ニコルの真を突いた言葉に対し、他の三人も肩を竦めて食事を注文する。
「ホールの方にある料理も持ってきてもらいましょう。折角ですし私も色々食べてみたいわ」
「UDCアースとかと同じ感覚でいいのかしらね……あ、舌平目のムニエルもお願い」
「では、サンドイッチ等の軽食も頼んで……結局豪勢になってしまったわね」
しかしこういうのも良いだろう。
今夜は聖夜……クリスマスなのだから。
「ティーポットに器物覚醒、と」
ユーベルコードを用いて空いたカップに自分で注がせていくゆかり。
他の三人もそれぞれの作法で蒸気紅茶を味わっていく。
「香りが強いわ……何て言うか、独特な風味。こういう葉なのかしら」
「元々、ここで使われている茶葉は最高級のものだとは聞いているわ」
瑞穂の疑問に対し、クリスティアーネがそう答える。
「うん、これがすごい紅茶」
ローストビーフを口にしながらニコルは蒸気紅茶を飲んでいき、満足そうに頷く。
そして懐から何かを取り出そうとしていく。
「こういうのを持ってきたんですよ……UDCアースのその辺のスーパーで買ったティーバッグ。これを入れて飲み比べてみましょう」
「あらニコル、いいもの持ってきてくれてるじゃない。次はそのティーバッグを蒸気紅茶にしてもらいましょう」
そう言ってニコルとクリスティアーネはティーバックの茶葉を蒸気紅茶の機械へと入れて処理を施していく。
「と、そう言えば瑞穂は緑茶の方がよかったかな?」
「あ、ゆかり、エンパイアの秋津洲郷には紅茶も緑茶もないのよ。なので、どっちがという事もないわねぇ」
ふとゆかりがみずほに投げかけた疑問。
そのやり取りから、更にお茶会は進んでいく。
「あ、緑茶の茶葉も持ってました」
ゆかりと瑞穂の会話を聞いたニコルは緑茶の茶葉を取り出し、ティーバックの紅茶を入れ終えた蒸気紅茶の器具へと緑茶を注いでいく。
「なに、実験? また面白げなことをー」
「あらニコル、いいもの持ってきてくれてるじゃない」
ゆかりと瑞穂も興味津々だ。
最初に注がれたティーバックの紅茶を飲みながら緑茶……『蒸気緑茶』を待つ。
「違いは……うん、なんか違う気がしますね」
「だいぶ違うのだけど……でも、独特の風味があり、その上で雑味が取り払われているわね」
ニコルはシンプルにそう評し、クリスティアーネは分析した感想を述べる。
どうやら蒸気紅茶は良質でない茶葉であっても美味しく飲める、という事だ。
「もしかしたら、災魔との戦いで良質でない茶葉でも楽しめる様に、という所から発展していった文化かもね」
ゆかりがそんな考察を述べる。
実際、過去のアルダワでの大魔王との戦いは熾烈なものであったに違いない。
「大魔王……オブリビオン・フォーミュラ『ウームー・ダブルートゥ』は何でもエンドブレイカーが15年前に戦った『次元移動存在』と同等の存在らしいからね……」
クリスティアーネは溜息を吐く。
今は過去の戦いの事は置いておこう。
其れよりも……蒸気緑茶が出来上がったようだ。
「どれどれ……わ、美味しい」
瑞穂が蒸気緑茶の注がれたカップに口を着けると、緑茶の風味が更に深くなった味わいが口と鼻腔に広がる。
先程、瑞穂は緑茶と紅茶もないとは言ったが、良質な茶を理解していないと言う訳ではない。
そして、この蒸気緑茶は十分に彼女の舌を楽しませる茶であった。
「蒸気緑茶も美味しいですね」
ニコルもこの深みのある風味が気に入ったようで、東方諸島風味のクリスマス料理と共に飲んでいく。
「そう言えばお寿司もあるのね」
「東方諸島から諸王国連合に留学している名家の子息令嬢もいるみたいねー。東方諸島出身のアルダワ魔法学園生徒も、諸王国連合の友人と共にこっちで冬休みを過ごす子もいるみたいだし」
ゆかりの言葉に瑞穂が小耳に挟んだ話で応える。
ともあれ、蒸気紅茶の実験は大成功だ。
「後は最初の紅茶の処理前のも淹れてほしいわね。変成させていると言っても元が分からないと、よね」
最後に、クリスティアーネはそう述べる。
処理前の紅茶が注がれたカップを手にし、違いを比べていく四人。
蒸気紅茶でなくとも、最高級の茶葉だ。
「うん、やはりこっちも美味ね」
「うん、美味しいー」
「美味しいですね」
「蒸気紅茶の味は、結構重かったけど……これはよりいい意味で重いわね」
この茶葉はミルクティ向けと判断したゆかりは砂糖とミルクを入れる。
ミルクが入れられ、よりまろやかな味わいとなる紅茶。
匂いも牛乳と紅茶が合わさった独特の香りが鼻腔を擽るではないか。
「アーネはこういうお茶会慣れてそうだけど、実際のところどうなの?」
「大体作法や食べる順番は似たようなものでしょうけど……とやかく言い過ぎるのも無粋ですし、誰が見ているでもなし。気楽に楽しむのが一番よ、きっと」
「雑味がなくて美味しい紅茶がある……味わえるならばそれでいいと思うのー」
「料理冷めてしまいますよ?」
そうして、お茶会は回る。
クリスマス料理を囲み、紅茶と共に堪能しながら……少女達はクリスマスの夜を楽しんでいくのであった。
大成功
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