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幽世を蝕む偽物の世界と少女たち

#カクリヨファンタズム #UDCアース #戦後 #滅詩のユリと幽銃のシズク


●カクリヨファンタズム・石抱きの井戸
「くそっ、また最初からやり直しなのか……」
「シズクお姉様、次の蘇生時にも、また仲良くしてくださいね……」
 オウガ・フォーミュラ『滅詩ほろびうたのユリと幽銃ユウガンのシズク』は閻魔王の獲得のため、カクリヨファンタズムを侵略していた。
 閻魔王の「世界を殺す懐刀」である「生と死を繋ぐものヤマラージャ・アイビー」を手に入れるために。
 しかし、もう残された時間はない。

 二人は自身の体内に『偽物の世界』が発生する」という奇病に冒されていた。
 ユリは偽物のカクリヨファンタズムが、シズクは偽物のUDCアースが体内に発生する。
 そのために完全な力を発揮できないばかりか、体内で膨れ上がった『世界』に圧し潰されて死に、骸の海から再び同じ病を抱えた状態で蘇るという永遠の苦しみに苛まれていた。
 今回も、ヤマラージャ・アイビーを手に入れる前にユリの中の世界が爆発しようとしている。
「ぐあっ、オレもそろそろ限界か……」
 シズクも自分の中の、偽物の世界の爆発が近いことを悟っていた。
 発作により体内に生まれた「偽物の世界」がいよいよ膨れ上がり、ユリとシズクの肉体を破壊してカクリヨに生まれ出ようとしている。

 既にシズクの身体からは闇が溢れ、UDCアースの怪物たちが実体化している。
 今は亡者が動き回る程度だが、いずれ神話生物がカクリヨに現れるだろう。
 そうなれば、カクリヨは怪物の狂気に満たされ、崩壊してしまうのだ。

●グリモアベース
「カクリヨファンタズム崩壊の危機です。それも、UDCアースの怪物の手によるものです」
 クロノ・ライム(お菓子に目がないクレリック・f15759)が神妙な顔で猟兵たちに話を始める。
 カクリヨが崩壊の危機にあるのはいつものことだが、今回は一層厄介なものらしい。

「カクリヨの侵略を行っていたオウガ・フォーミュラ『滅詩のユリと幽銃のシズク』の中から、偽物のUDCアースが実体化しようとしています。これは彼女たちの病によるもので、防ぐことは出来ません」
 クロノの予知では、猟兵たちがたどり着くのは崩壊の寸前であると予想された。
 彼女たちの内包する世界は膨れ上がる一方で、実体化すればカクリヨを崩壊に導くだろう。
「オブリビオンである彼女たちは、このままでは骸の海から再び同じ病を抱えた状態で蘇ることを繰り返すばかりです」
 その連鎖を断ち切るためにも、実体化されようとしている世界ごと、ユリとシズクの二人を倒すしかない。

「場所はカクリヨの石抱きの井戸です。準備できたらすぐに転送します」
 二人がいるのは奇しくも、UDCアースとカクリヨを繋ぐと言われる井戸の近くであった。
 今、そこに偽物のUDCアースが実体化しようとしているのだ。
 すでに周囲には動く亡者、いわゆるゾンビたちが現れ始めている。
 それだけでなく、時間が経てば神話級UDC怪物『蒼の王』が復活する可能性が高いという。
 蒼の王は全生命のUDC化を目論んでおり、復活すればカクリヨの妖怪たちをUDC怪物にしようと暴れまわるだろう。

「どうか怪物と二人を止め、カクリヨも救ってください。よろしくお願いします」
 クロノは最後にそう言って、猟兵たちをカクリヨへと送り出すのであった。


青猫格子
 こんにちは、青猫格子です。
 カクリヨファンタズムの猟書家決戦です。
 オウガ・フォーミュラ『滅詩ほろびうたのユリと幽銃ユウガンのシズク』のうち、シズクから「偽物のUDCアース」が実体化しようとしています。
 溢れ出たUDC怪物を倒して、さらにユリとシズクを倒し、カクリヨを救ってください。

 第1章 集団戦『ゾンビ』
 偽物のUDCアースから実体化した亡者たちです。既に大量に湧いているので倒してください。

 第2章 ボス戦『蒼の王』
 シズクの中から現れる強力なUDC怪物です。偽物の世界から大量の亡者を呼び寄せている首謀者です。
 蒼の王を倒せば偽物の世界もろとも全て消滅しますが、それまでは押し寄せる亡者の大群に対処しながら戦う必要があります。
 以下の行動によりプレイングボーナスが入ります。
「プレイングボーナス……押し寄せる大量の怪物に対処しながら戦う」

 第3章 ボス戦『滅詩のユリと幽銃のシズク』
 二人を同時に相手取る最終決戦です。
 二人組のオウガ・フォーミュラである為、シンプルに「戦力が二倍」の強敵です。
「妹のユリが『触れた者を消滅させる魔法弾幕』で敵を追い込み、姉シズクが『幽銃による膨大な魔力を込めた射撃』で撃ち抜く」という連携を必殺の戦法としています。

 第1章のプレイング受付は、12月17日8:30より受付開始します。
 以降の章の受付はタグで告知する予定です。
 どうぞよろしくお願いいたします。
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第1章 集団戦 『ゾンビ』

POW   :    反射行動
【生者を追うだけの行動パターン】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。
SPD   :    活性化
戦闘中に食べた【被害者の肉】の量と質に応じて【興奮状態となり】、戦闘力が増加する。戦闘終了後解除される。
WIZ   :    感染増殖
戦場で死亡あるいは気絶中の対象を【自身と同じユーベルコードを持ったゾンビ】に変えて操る。戦闘力は落ちる。24時間後解除される。
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●世界を壊す爆弾
「シズクお姉様、大丈夫ですか!?」
 苦しむ姉を見て滅詩のユリが駆け寄る。自らも限界に近かったが、今はシズクの方が明らかに危険だ。
 彼女たちの周りには、次々に動く死体、亡者といった類の怪物が湧き始めていた。
 亡者のような存在はカクリヨにもいるが、それとは明らかに様子が違うのが見て取れた。
 なぜならば、これは幽銃のシズクの中から実体化しつつある偽物のUDCアースから現れたゾンビだからだ。
「こんな奴ら、オレの幽銃ユウガンで……ぐっ!」
 シズクが人差し指を構えて、亡者に向けて膨大な魔力を放つ『幽銃』を撃とうとするが、発射の前に膝をついてしまった。
 本来の力を発揮できれば、この程度のゾンビなど敵ではないのに。
 今は爆発を耐えるだけで精一杯であった。
アリス・セカンドカラー
お任せプレ汝が為したいように為すがよい。

その理不尽エンディングを認めない。
奇病を植え付けられて?オブリビオンになっても強制爆発で死と蘇生を繰り返えさせられて?その末にただ骸の海に還せって?オブリビオンだからとか知ったこっちゃないわ、私は私の無理道理を押し通す。
それに影朧オブリビオンが転生するシステムもその場での産み直す再孵化も識っている。人が想像しうることは必ず人の手で実現可能なのよ。
さて、そのためにもまずはゾンビの掃討ね。多重詠唱結界術で空間を掌握し天候操作。破魔の力を込めたエネルギー弾、連続コンボ雷霆を一斉発射して蹂躙しましょうか。


楠葉・狐徹
【POW】
「俺も刀を抜いたら殺意が増幅して殺す事しか考えられなくなるが…それじゃゾンビと同レベルだからな。浄玻璃刀の出番はもう少し後だ。」

まずは鉄壊を【怪力】で【なぎ払い】、敵の頭を潰す。続いて敵が反射行動を使って来たら鬼神力を使用し、頭を潰したゾンビを持ち上げて敵の集団に投げ飛ばす

「動くものを無差別に攻撃するならコイツは無視しねえよな!」

飛んで来たゾンビに敵の集団が気を取られて追いかけ出したら後ろからエクスカリバールを使い奇襲。敵が振り向く前に次々と【2回攻撃】で【吹き飛ばして】いく

「どれだけキル数稼げるか…他の猟兵と勝負してみても面白えかもな。」

※アドリブ&連携OK



 カクリヨファンタズムへ転送されてきた楠葉・狐徹は、周囲を埋め尽くすほどの亡者の群れを目にする。
「これがすべて偽物の世界からきた亡者たちか……」
 同時にやってきたアリス・セカンドカラーは亡者の中から姉妹の姿を見つけた。
 二人は亡者に対抗する余裕もないのか、ただ避けるので精一杯のようだ。
(強制爆発で死と蘇生を繰り返させられて? その末にただ骸の海に還せって?)
 アリスは二人の運命、理不尽エンディングを認めたくなかった。
 オブリビオンだから、など知ったことではない。
(ここは、私の無理道理を押し通させてもらうよ)

 亡者は猟兵たちが現れたところで特別に何かするわけではない。
 ただ、動くもの、生者へ見境なく群れてむさぼろうとするだけだ。
 もっとも、理性なき死体の攻撃は見境なく行われるため、周囲の亡者たちも巻き込んでいるが。
「俺も刀を抜いたら、殺意が増幅して殺す事しか考えられなくなるが……それじゃゾンビと同レベルだからな」
 狐徹は妖刀の力を温存することにして、木刀『鉄壊』を構える。
 鉄も破壊するという願いが込められた木刀で、ゾンビたちの頭を目がけてなぎ払う。
「……!」
 頭を潰されたゾンビたちが声も上げず倒れていく。
「更にこれで、どうだ!」
 倒れたゾンビを複数体抱え上げた狐徹は、姉妹の近くの集団に向かってその死体を投げ込んだ。
 投げられた死体に反応したゾンビたちがそちらに近寄っていく。

 姉妹が一時的にゾンビの集団から開放される。
 その隙にアリスはゾンビを一掃するため、多重詠唱結界を展開した。
「闇よりきたる、無数の雷霆よ、終焉を撃ちぬけ!」
『夜』の権能により周囲が一時的に暗くなり、空から無数の雷が降り注ぐ。
 周囲のゾンビたちが雷により打ち砕かれていった。
「人が想像しうることは必ず人の手で実現可能なのよ」
 アリスは他の世界でオブリビオンが転生することや、再孵化という現象が起きることを知っていた。
 ただ運命を待つのでなく、己の力を信じて足掻き続ければ道を切り拓けるはずだ。

「なかなかやるじゃないか。どちらか多く倒せるか勝負といくか」
 アリスの雷によりゾンビ一掃されるのを見て、狐徹は感心したように言う。
 負けずと懐から取り出したエクスカリバールを伸ばし、寄ってきたゾンビに向けて振り回す。
「グアァ!!」
 周囲のゾンビたちが、警棒の打撃で弾き飛ばされていった。
 妖刀による殺意の増幅を禁じているとはいえ、怪力は手加減していない。
 二人の攻撃により多くのゾンビが倒れていくが、まだ闇の中から新たな亡者がわき続けている。
 しばらく戦いは終わらないようだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

七星・桜華(サポート)
『天魔御剣流免許皆伝、だからこそ更なる高みへと。』
『一か八かの勝負?そんな事しなくても私達の勝ちだね!!』
『勝った後は派手に騒ぐんだ!誰一人として倒れないようにね!!』
敵の数が多い場合は敵の強さで一体づつ倒すか複数を纏めて狙うかを第六感や野生の勘と言われる直感で即決する、また見切りの速さも早い。
闘う姿は舞っているかの動きで敵を魅了する、上空の敵が相手でも空中戦もできる。
攻守において残像を使い殺気や覇気が残像にまで残る程の濃密加減。
頑丈な敵が相手でも鎧等を無視した内部破壊系攻撃を当たり前のように使いこなす。
長期戦になっても敵の消耗と自身の回復に生命力を吸収して凌ぐ。
戦闘では先の先、後の先問わず。


高柳・源三郎(サポート)
旅芸人一座の座長、それが高柳源三郎じゃ!!(まだ零細なんじゃがな......)。
性格は酔いどれおやじじゃが旅芸人一座の座長なので本番(戦闘)では酔いが殆ど覚めて戦うことが出来るんじゃ。
武器である【不思議なたぬき人形「はな」】【暗殺用たぬき人形「たろう」】を使いまるで踊りや人形劇をするかのう様にユーベルコードを使い戦うのじゃ。時々【竜珠】に封じ込めてある骸魂・八岐大蛇に乗っ取られて暴れて回ってしまうんじゃ。
情報収集は芸をして道行く人の足を止めて人達の噂話を聞けば集められると考えてとるんじゃ。
宴会技能が高いので戦場で宴会をするんじゃ。
口調は(わし、~殿、じゃ、のう、じゃろう、じゃろうか?)です。



 幽銃のシズクの中の「偽物のUDCアース」からは、未だに多くのゾンビが現れ続けている。
 たぬき人形たちを連れた高柳・源三郎(幕府に目をつけられた旅芸人呑んだくれ野郎・f15710)は、亡者の群れを目の当たりにして酔いから醒める。
「これは大変じゃ!」
 人形たち「はな」、「たろう」と力を合わせてもこれだけの数のゾンビを相手にするのは大変そうだ。
「こういう時は……そうだ!」
 七星・桜華(深紅の天魔流免許皆伝・f00653)は、周囲の状況を見て直感的に閃いたらしい。
 早速、刀を振りかざして亡者の群れに突進していく。

「いくぞ、三乃奥義・覇天崩界九閃!」
 彼女の全身から闘気が溢れ出し、突進の勢いを加速させる。
 ゾンビを集団ごと、様々な方向からの斬撃と突進により蹴散らしていく。
「まずは動けるようにこいつらを後退させる!」
 桜華は天性の戦いの腕と野生の勘により、まず敵のゾンビたちを井戸の周囲から押し出し、戦うための最適な状態を作り出そうとしていた。

「おお、これで戦いやすくなったのう」
 ゾンビが埋め尽くしていた空間が開かれ、源三郎は喜んだ。
 ところが、少しすると様子がおかしいことに気がつく。
 既に桜華との戦いで何体ものゾンビが倒れていたが、それらがまた起き上がってきたのだ。
「なんじゃと!」
 源三郎は迫ってくるゾンビを見て驚いたが、あることに気付く。
 彼らはUDCアースのゾンビだ。現代の地球でゾンビものといえば、謎のウィルスで増殖するという展開は定番である。
 おそらく、このゾンビたちも同じような力を持っているのだろう。
「しかし、感染で動き出したやつらなら、元よりは弱くなっているはずじゃ! はな、一気に倒すぞ!」

 源三郎の呼びかけで、たぬき人形の「はな」が彼の周りを踊り始めた。
 彼の装備が花びらに変わって舞い上がり、はなの踊りとともに周囲の亡者たちに向かって吹き付けられる。
「グウアアア!!」
 周囲のゾンビたちは花びらの攻撃を受け、次々倒れていく。
 そして今度こそ起き上がることはなかった。
「……これで少しは亡者を減らせることができたな」
 桜華は二人で倒したゾンビたちを見て、ひと安心する。数多くいたゾンビも、あと少しで全滅できるだろう。
「よし、終わったら宴会じゃのう!」
 源三郎は早くも戦いの後、酒を飲むことを想像し笑みがこぼれていた。
 とはいえ、実際に宴会できるのはもう少し先だろう。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

架空・春沙(サポート)
『断罪します』
人狼の女性
ピンク掛かった銀髪と同色の狼耳・狼尻尾、緋色の瞳
スタイルが良い
服装:ぴっちりスーツ
普段の口調は「丁寧(私、あなた、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」
罪有る者には「冷徹(私、あなた、です、ます、でしょう、でしょうか?)」です。

・性格
通常は明るく人懐っこい女性ですが
罪有る者に対しては冷徹に、処刑人として断罪しようとします

・戦闘
大鎌「断罪の緋鎌」を振るって戦います

ユーベルコードはどれでもいい感じで使います


あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



 ユリの横で気絶していたシズクが目を覚ます。
「お姉さま!」
「う、オレは何を……」
 どうやら、周囲のゾンビたちがある程度倒されたことで、意識を取り戻したらしい。
 それでも、まだ完全な力を取り戻したわけではない。

 シズクが起き上がろうとするのと同時に、大鎌を持った女性が近づいてくることに二人は気づいた。
 猟兵の架空・春沙(緋の断罪・f03663)である。
「気がついたようですね」
「お前たち……猟兵か。一体何の目的で来た?」
 シズクは周囲のゾンビを倒したのが猟兵であることに気づき、疑問を口にする。

「目的ですか。それは、猟兵の中でも見解が異なるようですが」
 春沙はそこでしばし沈黙した後、再び口を開く。
「私は咎人殺しとして、あなた達を断罪する。そのためにやってきました」
 そう答えた彼女は次の瞬間、大鎌を振るい斬撃を放つ。
 ユリとシズクは瞬間身構えたが、斬撃は通過して、背後から迫りつつあったゾンビの群れを一掃した。

 春沙の『罪断つ緋閃』は、肉体を傷つけずに対象の「罪に惹かれる心」のみを攻撃する。
 二人の少女と猟兵たちを狙うゾンビは心を裂かれたことで、脆い肉体を崩壊させていった。
「忘れないでください。これはあなた達を断罪するため。あなたの中の偽物の世界から出てくる怪物を完全に排除しなければ、こちらも危険ですから」
 春沙はそう言いながら周囲のゾンビを大鎌で次々に薙ぎ払っていく。
 その様子を見て、ユリとシズクは一時的に安堵したが、いずれ彼女たちと戦うことになる運命を改めて実感するのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 ボス戦 『蒼の王』

POW   :    冥宮楽土
戦場全体に、【自身の複製体を無尽蔵に生み出す水晶】で出来た迷路を作り出す。迷路はかなりの硬度を持ち、出口はひとつしかない。
SPD   :    蒼籃氷晶
非戦闘行為に没頭している間、自身の【負傷を癒そうと活性化する寄生体】が【敵を分断する水晶の迷宮を構築。傷が治る迄】、外部からの攻撃を遮断し、生命維持も不要になる。
WIZ   :    晶瑩玲瓏
攻撃が命中した対象に【結晶化状態】を付与し、レベルm半径内に対象がいる間、【近づく程効果を増す結晶化の呪詛】による追加攻撃を与え続ける。
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●偽物世界の王
 周囲のゾンビが一層されたが、ユリとシズクの力は戻っていない。
 それは彼女たちの中にある偽物の世界が残ったままだからだ。
「くそっ、このままオレたちの偽物の世界が爆発するのを待つしかねえのかよ……!」
 シズクの言葉に、どこかから知らない男の声が答える。
「待つ必要はありませんよ」
「誰だ!」

 姉妹と猟兵たちが声のする方を見ると、そこに居たのは銀の髪に眼鏡、黒いコートを纏った男であった。
「失礼しました。私は『蒼の王』。残念ながら、記憶の多くを失っておりましてね」
 男は丁寧な口調でにこやかに答えるが、その目は笑っていない。
 一見普通の人間にも見えるが、常人離れした禍々しい雰囲気を漂わせていた。

「あなたも、シズクお姉さまの偽物の世界から出てきたUDCなの?」
 ユリが男に尋ねると、彼はあっさりうなずいた。
「そうです。ゾンビを呼び寄せていたのも私です」
「なぜそんなことを?」
 驚いているユリたちを、蒼の王はあざ笑うように見る。
「私の目的はただ一つ、全生命をUDC化することです」

 彼の話によると、蒼の王はどこかの世界で倒されたらしいが、偶然偽物の世界の中にて復活を果たしたのだという。
「膨張する世界、素晴らしいではないですか。シズクさん、あなたの世界を膨張させて他の世界を押しつぶせば、一気に私の目的を叶えることも可能です」
「ふっざけるな……!」
 シズクは怒りとともに立ち上がり、蒼の王を撃ち抜くために指を向ける。

「おっと、そう簡単には撃たれませんよ」
 蒼の王が片腕を上げると、再び闇の中からゾンビたちが湧き始め、猟兵たちに向かって押し寄せてきた。
「そんな、ようやく倒したのに!」
 ユリは迫ってくる亡者の群れを見て、力が抜けたように座り込んでしまった。

■マスターより
 第2章はUDC『蒼の王』との戦いになります。ゾンビの群れは蒼の王を倒せば偽物の世界もろとも消滅しますが、それまで大量に押し寄せてくるので対処しながら戦う必要があります。
 以下のプレイングボーナスが有効です。どうぞよろしくお願いします。
「プレイングボーナス……押し寄せる大量の怪物に対処しながら戦う」
アリス・セカンドカラー
お任せプレ汝が為したいように為すがよい。

ソーンイーターが扱う創世神術は天地開闢に連なる力、古事記ジョブ説明にもそう書いてある。水晶の迷宮で分断?外部からの攻撃を遮断?関係ないわねぇ、甲殻類や貝の殻を剥くようなものね。
そう、これより行うのは攻撃に非ず料理よ。水晶の迷宮をソーン魔力吸収剥き剥きしてぇ、中の蒼の王大食いおいしくいただくの
大量のゾンビ?高速詠唱早業先制攻撃タイムフォールダウン多重詠唱封印術時間止めちゃえば気にする必要はないわね。そのまま大食い、魔力吸収棘(ソーン)の養分になっちゃえ
魔力充填&エネルギー充填ごちそうさま


楠葉・狐徹
「お前の目的は難しくて理解できねえ…だがよ、お前がこの世界に存在しちゃいけない奴なのはわかるぜ!」と刀を抜き殺意を増幅させる

まずゾンビの大群にはフォックスファイアをありったけ放ち、それを一塊にして【怪力】と【吹き飛ばし】を駆使した刀の風圧で炎を拡散させてゾンビを迎撃

「1体ずつ相手にしてる時間はないからな。焼き畑戦法だ!」

ある程度ゾンビを倒せたら王に突撃。【鎧無視攻撃】+【2回攻撃】の浄玻璃刀の斬撃を見舞う。晶瑩玲瓏には【ジャストガード】+【カウンター】の斬撃と王に魔術を使う間を与えないように連撃

「術を使いたきゃ斬られながら使ってみな…お前が細切れになるのが先だと思うがな!」

※アドリブ&連携OK



 ゾンビに包囲された猟兵たちを嘲笑いながら、蒼の王はコートをひるがえし、闇の中に消えようとしていた。
「待ちやがれ!」
 楠葉・狐徹は蒼の王を追いかけるが、ゾンビが遮ってくる。
「何度も相手にしていられるか。焼き畑戦法だ!」
 狐徹が前方に手を突き出すと数多くの狐火が出現し、大きな一つの塊になる。
 彼の刀の風圧を受けた炎がより強く燃え上がり、周囲のゾンビたちをまとめて焼き払っていった。

「ほう、なかなかやるじゃないですか」
 周りのゾンビが焼き払われても、蒼の王は微動だにしない。
「お前の目的は難しくて理解できねえ……だがよ、お前がこの世界に存在しちゃいけない奴なのはわかるぜ!」
 怒りの形相で迫ってくる狐徹を見て、蒼の王が口を開く。
「いいでしょう。それなら、私が直々に相手をしてあげましょう」

 蒼の王の、コートの中から不定形の怪物が現れる。
 怪物たちは冷気を吹き出しながら、狐徹に襲いかかってきた。
 彼が素早く刀で弾き返すと、弾かれた冷気が森の木々を結晶化する。
「打たれる前に、これを使うしかねぇ!」
 狐徹が『浄玻璃刀』を手にした。抜くと殺意を増幅させる恐ろしい妖刀である。

「細切れにしてやる!!」
 刀を手にした狐徹は不定形の怪物を手際よく捌くようにバラバラに切り刻んだ。
 蒼の王自体は素早く避けようとするが、気づかないうちに二度目の斬撃が命中していた。
「これは……! 私としたことが。このままでは少々不便ですね」
 下半身に大きく傷を受けた蒼の王。
 痛みを感じていないのか、表情は変わらない。それでも、足の怪我を放置していては動きが制限される。
 蒼の王はコートの中から怪物を呼び出し、自身の脚を固定させた。
 さらに怪物たちは周囲に広がり、身体を結晶のように硬質化させ迷宮を構築していく。

(どうやら、時間を稼いで傷を癒そうとしているようね)
 アリス・セカンドカラーは迷宮の中を、迫ってくるゾンビを避けながら駆け抜けていた。
 しかし、彼女にとっては外部からの攻撃の遮断など些末な問題だ。
「硬い殻をまとった甲殻類は絶対に食べられないと思う? そう、これはいわば料理よ」
 アリスの『創生神術・虚無』は天地開闢に連なる力である。
 その力をソーンとして打ち出し、迷宮の壁を貫く。

 蒼の王は迷宮の壁に攻撃を受けたと同時に、肉体の回復が止まったことに気がついた。
「なんだ、何が起きている!?」
「あなたの魔力を吸収しているのよ」
 壁を破って現れたアリスが微笑む。
「吸収だと? 馬鹿なことを。世界を滅ぼすほどの、無限に等しい魔力を吸い続けたら無事でいられるはずがない……」
 蒼の王は表情には出さないが、実際に自分の魔力が減少しつつあることを感じていた。
「わたしはこれでも大食いなの。あなたも美味しくいただくわ」
 蒼の王が不定形の怪物でアリスを攻撃しようとするが、彼女の方が早かった。
 時間を捻じ曲げた多重詠唱により、複数の棘で蒼の王を撃ち抜く。
「ぐむ……」
 蒼の王の魔力減少が加速し、初めて苦しみの表情を浮かべる。
「あら、そういう顔もできるのね。でもあとは棘の養分になるしかないんだから今更ね」
 アリスは大量の魔力を吸収し、体全体にエネルギーがみなぎるのを感じていた。
充填完了ごちそうさま♪」
 この後の戦いに備え、できる限り力を確保しておくに越したことはない。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

真宮・響
夫の律(f38364)と参加

何か色々ほざいているみたいだが、この戦いには邪魔な存在ってのは良く分かる。件の二人のお嬢さんにとってもイレギュラーみたいだし、とっとと消えて貰うよ。

長引くと本体の攻撃とゾンビの群れに押し切られるか。なら最初から全力だ。【迷彩】で姿を隠し、【残像】【見切り】【気配感知】でゾンビの攻撃を凌ぐ。光の槍を撃ってある程度ゾンビの群れを減らしたらゾンビの対処を律に任せ、敵本体に【ダッシュ】で肉薄。【怪力】で槍を容赦なく【串刺し】。その腑抜けたツラを【グラップル】で思い切り殴る。

アタシ達はそこの二人のお嬢さん達に用があるんだ。どきな!!


真宮・律
妻の響(f00434)と参加

口数が多い奴だな。二人の姉妹のお嬢さん達の反応見るとあちらさんにとってアンタは侵入者のようだ。俺達にとっても邪魔なんで、退場して貰うぜ。

最初は【迷彩】【残像】【気配感知】で敵の攻撃を凌ぎながらゾンビを成神の矢で頭数を減らしていくが、響が蒼の王本体への接近を狙うなら敢えて【迷彩】を解除し、【陽動】【遊撃】でゾンビの群れを引きつけるな。

ゾンビの対処に専念するが、【勝負勧】【瞬間思考力】で隙を見つけてあわよくば蒼の王にも鳴神の矢を撃ちたい。

まあ、お前はお呼びじゃないってことだ。とっとと退場しな!!



 多くの魔力を吸収された蒼の王だが、まだかろうじて生きていた。
 もっとも、彼が存在していることを「生きている」と表現するのが正しいのかわからないが……。
「ぐ……ようやく偽物の世界を膨張させ、顕現できたのです。ここで終わる訳にはいかない」
 なんとか残りの魔力で再起を図ろうとしている蒼の王。

 その時、彼の前に真宮・響(赫灼の炎・f00434)と真宮・律(黄昏の雷鳴・f38364)の二人が立ちふさがった。
「口数が多い奴だな。お前はお呼びじゃない。とっとと退場しな!」
 律は蒼の王と、ユリ、シズクたちを交互に見る。
 猟兵たちがここに来たのは、彼を倒すことが目的ではない。とはいえ、放置しておいて良い存在でないことは明らかだ。
 先程までの反応を見るに、蒼の王は彼女たちにとっても侵入者である。
「ああ、とっとと消えて貰うよ」
 響も同じ考えであった。彼はこの戦いには邪魔な存在だ。排除をためらう必要はない。

「この蒼の王に向かって随分な態度ですね」
 二人に向かって力なく笑う蒼の王。
 しかし、押し寄せるゾンビの大群の勢いは相変わらずだ。長引けば数の暴力で潰されてしまうだろう。
「なら、最初から全力だ」
 響は自分の姿を周囲に同化させ、ゾンビたちの攻撃を避けながら蒼の王に近づいていく。
「なるほど、姿を隠して近づくと。ならば、まとめて潰しましょう」
 蒼の王の、コートの中から不定形の怪物が現れ、響がいるであろう範囲をまとめて叩き潰す。
 一帯がゾンビごと結晶化し、周囲を呪詛で覆い尽くした。
「響!」
 律は驚いて妻の名前を呼ぶが、彼女の返事は別のところから返ってくる。
「大丈夫だ。奴は弱っている。動きくらい感知できるさ」
 響は寸前で攻撃を読み結晶化を逃れていた。
(そうだ。彼女を信じろ……)
 律はゾンビの対処に専念することにする。押し寄せてくる敵に向かって『鳴神の矢』を放つ。
 猛烈な雷が周囲にいる亡者たちを焼き尽くす。
 敵の数が減った所で、響は蒼の王に改めて迫っていく。

「アタシ達はそこの二人のお嬢さん達に用があるんだ。どきな!!」
 響の手に現れた『光焔の槍』が、蒼の王に向かって飛ぶ。
 槍は空中で複数に分かれ、蒼の王をゾンビもろとも撃ち抜いていった。
 直後に巨大な爆発が巻き起こる。
「これで終わりか? いや、まだ終わってないようだな」
 律が周囲を見回すと、結晶化したゾンビたちの姿が崩れていった。
 蒼の王の力が失われたのか。否、そうではない。
 彼は結晶から残りの魔力を集め、姉妹と猟兵たちに向かって強大な一撃を放とうとしているようだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

火土金水・明
「蒼の王ですか。似たような名前を聞いた覚えがありますが、気のせいでしょう。あちらは、頭部が無かったはずですし。」「相手が数で攻めて来るのなら、こちらは戦場全体を範囲にして纏めて攻撃することにします。」
【WIZ】で攻撃です。
攻撃は、【継続ダメージ】と【鎧無視攻撃】と【貫通攻撃】を付け【フェイント】を絡めた【ホーリーランス】を【範囲攻撃】にして、『蒼の王』とゾンビ達を纏めて【2回攻撃】します。相手の攻撃に関しては【第六感】【残像】【オーラ防御】で、ダメージの軽減を試みます。
「(攻撃を回避したら)残念、それは残像です。」「私の役目は少しでもダメージを与えて次の猟兵の方に繋げる事です。」
アドリブや他の猟兵の方との絡み等は、お任せします。



 何やら不味そうな雰囲気だ、と姉妹も猟兵たちも気づいていた。
 このままでは全員が巻き込まれてしまう。
 皆が身構えた時、飛び出したのは火土金水・明(夜闇のウィザード・f01561)であった。
「ここは任せて下さい!」
 彼女は手にした七色の杖を掲げ、呪文を詠唱し始めた。
 その間にもゾンビの群れが押し寄せてくる。
(相手が数で攻めてくるというのなら、こちらは戦場全体を攻撃すればいいのよ!)
「悪しきものだけを貫く、槍の雨よ……『ホーリーランス』!」
 上空に展開された魔法陣から、大量の槍が降り注ぎ、複雑な軌道で飛翔しながらゾンビと蒼の王を撃ち抜いていく。

「くっ!」
 蒼の王は槍の攻撃に怯みながらも、残りの魔力を明に向けて放った。
 爆風により明の姿が掻き消える。しかし……
「残念、それは残像です」
 周囲が結晶化した中、明は第六感と自らの放つオーラを駆使して巧みに攻撃を避けていた。
「蒼の王と言いましたね。似たような名前を聞いた覚えがありますが、気のせいでしょう。あなたに恨みはありませんが、ここで倒れていただきます」
 明の放ったホーリーランスが、時間差で更に蒼の王に降り注ぐ。
 魔力を失い、肉体を破壊された蒼の王は今度こそ完全に倒れた。

「……これで、次の戦いにつなぐことができましたね」
 蒼の王を倒した明は、改めてユリとシズクに向き合う。
「助けてくれたことはありがたいが、そのまま帰るわけではないんだろう?」
 シズクが猟兵たちを見ながら問いかけた。
「はい、このままあなた達を放置すれば、いずれまた偽物の世界が膨れ上がり、爆発するでしょう。そして、死んだあなた達は同じ病を抱えて再び骸の海から蘇る……」
 説明しながら明は改めて、なんてひどい運命なのだろうと思う。
 この連鎖を断ち切るには、彼女たちを完全に倒すしかない。
「……分かったよ。しかしオレたちだって、黙ってやられるわけにはいかないからな」
 シズクは猟兵たちの考えを理解しつつも、自らの死を黙って受け入れることはしなかった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『滅詩のユリと幽銃のシズク』

POW   :    滅びの詩
【周囲を消滅させる効果を持つ、魔法の弾幕】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
SPD   :    幽銃(ユウガン)
レベル分の1秒で【指先から膨大な魔力で「幽銃(ユウガン)」】を発射できる。
WIZ   :    記憶の詩
【あなたの過去を写し出す「トラウマ」、】【あなたの記憶を回想させる「歌」、】【膨大な魔力で「過去と同じ背景」】を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らす。全て命中するとユーベルコードを封じる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

●ユリとシズク、最後の戦いへ
 蒼の王が倒れたことで、石抱きの井戸の周囲に発生していた偽物の世界は消えた。
 しかし、それでユリとシズクの病が治ったわけではない。
「来いよ、猟兵。だが黙ってやられると思うなよ!」
 偽物の世界が消えたことで先ほどよりは回復したらしい幽銃ユウガンのシズク。
 今は虚勢を張っているが、病が進行すればいずれまた苦しみ出すだろう。
 それでも、猟兵たちを相手取って戦う意志は揺らがない。

「お姉様、わたくしも一緒に戦います!」
 シズクの様子を見ていた滅詩ほろびうたのユリが手を差し出す。
 ユリも自分の中の偽者の世界が爆発することを恐れていた。
 それでも、今はシズクのために戦いたい。
「ああ、行くぞ!」
 シズクがユリの手を取ると、二人は空中へと上昇していく。
 いよいよ、最後の戦いの幕開けである。

■マスターより
 おまたせしました。第3章、オウガ・フォーミュラ『滅詩のユリと幽銃のシズク』との戦いの開幕です。
 二人組なのでシンプルに「戦力が二倍」の強敵です。
 どうぞよろしくお願いいたします。
真宮・響
夫の律(f38464)と参加

ああ、理不尽すぎる運命に抗いたいだろう。こんな事で死ぬのは受け入れ難いだろう。でもアタシと律は・・・・二つの世界を護りたい。互いに譲れないね。ここは意地の張り合いだ。

敵の攻撃を【気配感知】【心眼】【残像】で回避し、【カウンター】で情熱の炎を撃つ。纏めて二人ごと攻撃するよ!!律が少し敵の動きを制限してるから、当てやすいはずだ。

アンタ達をこんな体にした黒幕は必ず叩き潰す。幾らでも恨んでいい。アタシ達夫婦はかけがえのない世界を護りたい。ここは意地を貫かせて貰うよ。


真宮・律
妻の響(f00434)と参加

こんな運命、こんな死に方。お嬢さん方には受け入れ難いだろうな。でも俺たち夫婦にはかけがえの無い二つの世界と引き換えには出来ない。ああ、意地の張り合いだ。どちらの意地が勝つか。

敵の攻撃は【オーラ防御】【結界術】による防御壁と【残像】【瞬間思考力】【心眼】で回避し、【遊撃】【陽動】を使った荒ぶる雷鳴で二人まとめて感電を与える。

非情な破壊者と思うならそう思ってもいい。俺らは二つの世界を護りたいからな。お嬢さん達をこんな運命にした黒幕は必ず叩き潰す。俺らは俺らの譲れない信念を貫かせてもらう。



「いくぞ!」
 シズクが指先を猟兵たちのいる地上へ向けて、膨大な魔力を集中させる。
 彼女の『幽銃ユウガン』は超高速で魔力の弾丸を発射することが可能な技だ。
「まずい! 行くぜ律!」
 撃たれる前に真宮・響と真宮・律が動き出す。
 響は長年培った先頭知識と閃きで、一瞬でも早くシズクの狙いを読み攻撃を回避する狙いのようだ。
「ああ、任せろ」
 律は彼女を援護するため、オーラの防御結界を周囲に展開する。
「幽……なにっ!?」
 シズクが魔力の弾を放とうとした瞬間、彼女の視界から響の姿が消えていることに気づいた。
 どんなに早く弾丸を発射できても、見えなければ当てることはできない。
 発射を一旦止め、今一度標的を探すシズク。
「お姉様、向こうです!!」
 ユリの声に反応して、シズクはいつの間にか移動を始めていた律のことに気づく。

 彼は援護を続けながらも、密かに『荒ぶる雷鳴』を発射する瞬間を狙っていたのだ。
(気づいたか。だがまとめて薙ぎ払えば同じだ!)
 瞬間的に律は判断して手を掲げる。掌から空中へ向けて、激しい雷が放たれる。
 稲妻は姉妹を確実に狙い、撃ち落とそうとしてきた。
「まずい!」
 シズクはユリの寸前に雷が迫っているのを見て、幽銃を発射する。
 雷をも超える速度で魔力の弾が飛び、稲妻を弾き飛ばした。

 姿を隠し『情熱の炎』を当てるタイミングを見計らっていた響は、シズクの弾の速度に目を見張る。
(向こうも必死だ……だが、こちらも譲れない)
 理不尽すぎる運命の姉妹。こんな所で死ぬのは受け入れがたいはずだ。
 それでも今は、お互い譲れないもののために戦うしかない。
(今なら律の雷に気を取られて当てやすいはずだ)
 響はそう判断して、二人に手を向けて、『情熱の炎』を発動する。
「これでどうだ!」
 彼女が放った炎は周囲に広がり、戦場を赤く染め上げた。
「クソッ……囲まれたか」
 シズクたちは炎に包囲されたことに気づく。炎は徐々に勢いを増し、姉妹に迫ってくる。
 ユリが弾幕を展開し炎を消そうとするが、勢いが強くなんとか耐えるだけで精一杯だ。

(アンタ達をこんな体にした黒幕は必ず叩き潰す。幾らでも恨んでいい……)
 かけがえのない世界を守るために、響は炎の勢いを止めることはない。
 その思いは律も同じであった。
(俺らは二つの世界を護りたいからな。俺らは俺らの譲れない信念を貫かせてもらう)
 二人の思いが姉妹に届いたかは分からない。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

バルタン・ノーヴェ
POW アドリブ連携歓迎!

援軍に駆け付けマシタ! ワタシも加勢しマース!
ユリ殿とシズク殿の病を治すことはできマセンガ……爆死などはさせマセン!
オウガ・フォーミュラとして、我輩たちの強敵として!
敬意を以て倒させていただくであります!

戦力が二倍、弾幕も十分……ならば、こちらも増えれば良いのデース!
「カオスメモリ、ロゴスイグニッション!」
スーパーカオスドラゴン殿の力をここに!
カオスヘッダーだと一体消滅したら全滅するので、使用するのは混沌魔法ハイパーカオスチャージ!
予測不能な混沌軌道で弾幕を潜り抜けて、ユリ殿とシズク殿に直接攻撃ダイレクトアタック
シューティングは回避して至近距離攻撃であります!


楠葉・狐徹
【SPD】
「死を覚悟して戦う奴は俺の苦手な相手だ。まだ「こいつに負けるわけがない」って俺を見下してる敵の方が戦い安いぜ。」と殺意を増幅させて一言

まずは【怪力】と【グラップル】を組み合わせ、井戸の一部をぶっこぬき、幽銃の発動を妨害するために投石したり、石の塊を盾にして敵に徐々に【忍び足】で接近。2人が直線上に並ぶ瞬間を狙い、その瞬間が来たら敵に向かって走り出す

「姉妹仲良く…串刺しだな…!」

殺戮の刀身を発動し、威力と射程を3倍にした浄玻璃刀の突きを一発

「お前達はどっちか死ぬまで戦い続けるんだろ?ならばお互い思い残しのないように殺し合おうぜ。まあ、俺の首は簡単には渡さんがな。」

※アドリブ&連携OK



 炎と弾幕の飛び交う過酷な戦場の中、楠葉・狐徹は己の殺意の増幅を感じていた。
「……死を覚悟して戦う奴は俺の苦手な相手だ」
 狐徹としてはまだ、「こいつに負けるわけがない」と見下してくる相手の方が戦い易い。
 残念に思いながらも、浄玻璃刀をユリとシズクに向ける。
 その時だった。一人の猟兵が狐徹の元に駆けつけてきたのは。
「ワタシも加勢しマース!」
 彼女はバルタン・ノーヴェ(雇われバトルサイボーグメイド・f30809)。地獄のような戦場へ躊躇うことなく飛び込んできた。
「爆死などはさせマセン! オウガ・フォーミュラとして、我輩たちの強敵として!
 敬意を以て倒させていただくであります!」
「分かった、一緒に戦おう」
 狐徹は殺意で自らを失いそうになる中、バルタンの存在を頼もしく感じていた。
 敵が二人なら、こちらも二人で戦えば勝機は見えるはずだ。

「何人増えようと、同じことですわ。すべて打ち消せばいいのですから」
 ユリはシズクを庇うように、周囲に魔法の弾幕を発射し続けている。
 触れたものはすべて消滅するという恐ろしい『滅びの詩』だ。
 これでは迂闊に近寄れない。
「……ならば、こちらも速さを増やせば良いのデース! カオスメモリ、ロゴスイグニッション!」
 バルタンは『模倣様式・混沌魔法』によりスーパーカオスドラゴンの力を呼び出す。
 混沌魔法「ハイパーカオスチャージ」を模した力で、自らの機動を加速させる。
「行きマース!」
 予測不能な動き、かつロケットエンジンのような勢いで弾幕の間を縫って、ユリとシズクに接近していく。
「近寄るな!」
 シズクが指先を彼女に向けた時にはすでにユリに直接攻撃ダイレクトアタックを食らわせた後であった。
「お姉さまー!」
 ユリは吹き飛ばされて火の海に落下していく。

 シズクはその直後、狐徹の殺意を察知して回避する。忍び足での接近を許してしまった。
「気づかれたか」
「そんな大きなものを振り回していればな」
 狐徹が掴んでいたのは井戸を壊して手にした石の塊であった。これで弾幕を避けて近づいてきたのだろう。
「そんな石、オレの幽銃で砕いてやる!」
 シズクは狐徹の持つ石に向けて幽銃を発射した。
 しかし、狐徹は弾を防がず、石をシズクに向かって投げつける。
 予想外の行動にシズクは咄嗟に回避し、幽銃の弾は明後日の方向に飛んでいった。
「くそ……あいつはどこだ!」
 避けた先でシズクは空中を見上げる。
 高く跳躍した狐徹が上空からシズクに向かって刀を振り上げていた。
「お前たちとの遊びはここまでだ……一撃で倒してやる」
『殺戮の刀身』を発動させ、浄玻璃刀の放つ妖気が伸びていく。
「姉妹仲良く……串刺しだな……!」
 狐徹、シズク、そして地上のユリが一直線に並ぶタイミングで振り下ろされた刀が二人を貫く。
 意識を失ったシズクは、ユリの側へと落下していった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

アリス・セカンドカラー
お任せプレ、汝が為したいように為すがよい。

高速詠唱早業先制攻撃重量攻撃凍結攻撃マヒ攻撃気絶攻撃身体部位封じ禁呪封印術タイムフォールダウン、時間質量の解放で時を凍結させる。ま、一瞬だけ止められればいいわ。混沌神の戯れアリスゲームを開催すれば戦闘行為を多重詠唱禁呪封印術禁じられる
ま、禁じきれなくとも大食い、魔力吸収、魔力供給、エネルギー充填エナジードレインで魔力そのものを喰らえばいいし。
転生術いらなかったわ指定UCコレで十分だった。内包する混沌神の戯れソーン廃棄された時間質量オブリビオンの構成物質化術肉体改造武器改造防具改造物質組成を改竄して元の種族にすればいいのだもの。
『夜』に堕とす、時間も質量をもった物質であるので物質組成の改竄で現代過去未来を改竄できる。つまり、過去の改竄で奇病そのものをなかったことにできるわね。
奇病を排除しオブリビオンでなくなったならもう戦う理由もないわね?
ではあなた達の世界に繋がり再会できる時までにごきげんよう。



 オウガ・フォーミュラ『滅詩のユリと幽銃のシズク』は猟兵たちの戦いによって撃ち落とされた。
 落下したシズクの手の先には、倒れたユリの手があった。しかし、どちらも互いの手が触れたことに気づいていない。
 二人の意識はなく、命は今まさに尽きようとしていた。

 アリス・セカンドカラーは姉妹たちを前にし、小さく呟く。
「これがエンディングだなんて、わたしは認めない」
 たとえ自分だけだとしても、結末を迎える直前であろうと、その思いは揺るがない。
 アリスは今こそ、集めてきた魔力を開放しする。

「さあ、運命を覆し……楽しく遊びましょう」

 多重詠唱で一気に開放された力が、時間を凍結させていく。
(さすがに時間を止めてさらに『夜』の領域を展開、となると、魔力がギリギリね。でもいいわ。このためにたくさんため込んできたのだから)
『夜』デモンの領域が広がり、姉妹二人を取り込んでいく。
 そしてアリスの内包する混沌神の棘が、時計の針を戻すように凍結された時間を逆流させた。
 オブリビオンの組成自体を改竄するという方法で。
 時間が物質であるということは、組成を変化させれば歴史を変えられることを意味する。

 ◇ ◇ ◇

 無意識の中、滅びを待つばかりのユリとシズクであったが、ふと自分たちが消滅していないことに気づく。
 しばらくしてシズクは、ユリに揺さぶられて目を覚ました。
「……シズクお姉さま、どうしましたの? 起きてください」
 目覚めながらシズクは、今の状態を思い出そうとする。
 長い夢を見ていて、記憶が混濁している気がした。
「……ああ、わりぃ、昨日漫画の読みすぎで夜ふかししちまってな」
 どうやら変な夢を見ていたらしい。内容は思い出せなかったが。
 ユリとシズクは、屋敷で客人を迎え、お茶会を楽しんでいる最中であった。

「せっかくお客様が来ているのですから、しっかりしてください。ごめんなさいね、アリスさん」
 ユリはそう言ってテーブルの反対側に座っていたアリスに謝る。
「かまわないわ。楽しく過ごせてますから」
 客人として饗されているアリスが、お茶と菓子を味わいながら微笑む。
「しかし、ユリが『悪魔みたいなお客様が来る』って言うからどんな奴が来るのかと思ってたが、どこが悪魔なんだよ……」
 シズクはアリスを見て、腑に落ちないような顔をする。
「たぶん、妹様は『小悪魔的な客』と言いたかったのよ」
「ああ、そっか! ユリ、お前が頭悪いからまた勘違いしたじゃないか」

 シズクとユリが言い合いをしている中、アリスはそっと席を外す。
(この世界の二人は奇病もない。悪魔によって爆弾に改造されてもいない)
 ここはアリスがユーベルコードによって展開した『夜』の領域。
 現実とは違う時間が流れる世界。
 外の世界、正しい時間ではいずれ姉妹は滅びを迎えるのだろう。
 しかし、混沌魔術の世界観において「正しい時間」と「自分が望む世界」の価値は等しくなる。
『夜』の世界では姉妹は生き続けるし、オブリビオンにもならない。
 そうであるならば、二人とはもう戦う理由もない。

「では、ごきげんよう」
 アリスは二人に別れを告げ、この世界を後にする。
 こうして姉妹はいつまでも、仲良く暮らしましたとさ。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2023年01月30日


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#滅詩のユリと幽銃のシズク


30




種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はナハト・ダァトです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はノラ・ヘルブラウです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト