【サポート優先】CALL MY NAME!
これはサポート参加者を優先的に採用するシナリオです(通常参加者を採用する場合もあります)。
●いつかおうじさまと
童話は好き。空想は好き。
どんなお話も、ハッピーエンドはとても素敵よね。
わたしもいつか、おうじさまにあいたいの。
―――■■■はいつも待っていた。
夢や空想のなかの、
お姫様になりたいと。
お姫様になるためには、『王子様』がくるはずだからと。
しかし待ち焦がれ、望み続けた『自分だけの王子様』が彼女を迎えに現れることはなかった。
白馬に乗った、あなたを夢に見て。
迎えに来てよ。ねえ、会いに来て。
見たことない、私だけの愛しい人。
はじめに泣きはらした顔を自分の否定して。
否定の願いは顔の上にあるべきものを涙に溶かして消し去った。
――こんな顔を、王子様には魅せられないもの。
いつか泣きに泣いて枯らした声を失って。
――こんな声を、王子様には聞かせられないもの。
いつか足を失って。
――失ったのはいつだったかしら。
でも大丈夫よ、今はなんだか体が軽いの。
だから――私から会いに行くわ、王子様。
●溶けた花の色は
「『アリス』は帰るべき自分の扉を探して危険な旅をする、だッたな?」
フィッダ・ヨクセム(停ノ幼獣・f18408)は確認の言葉を口にした。
それは、アリスラビリンスにおける迷い人の行く先だ。
オウガとのデスゲームを強制的に興じさせられる被害者たちの迷宮。
「俺様が予知したひとりの"アリス"の手助けをしてやッてくれねーかな。少し悲しい国に紛れ込んだようなんだ」
アリスが扉を目指して通り過ぎようとしている国の色はモノクローム。
白と黒しかその国にはない。
「国を支配するオウガの心象世界が反映された特殊な国でね、モノクロの花が咲いていて。モノクロの空が広がる……幻想的で、現実離れしているが、滞在すれば滞在するほど心に悲しい影を落とす特性がある」
オウガは悲しみを抱えて成ったものらしい。
自身が過去、どこかで叶えられなかった願いを訪れたものへ植え付ける。
「『待焦』。それは、国に染み入る残滓――、いつか自分だけの大事な人と出逢って"
お姫様"になりたかッた誰かの欠片」
モノクロの花畑は、悲しいという気持ちから生まれた花である。
悲しいの数だけ色を溶かして、白か黒、ただ二色だけの世界を彩った。
「国の話は一旦そこまで。『アリス』はな、童話が好きで多彩な色や夢物語を好む、絵を描くのが好きな男の子。年齢は、うーん……俺様よりは下だ。ただ内気で、明るい景色や楽しい色をこの世界に訪れたことで忘れてしまいそうときた」
『アリス』のお絵かき道具の一式は、アリスラビリンスに存在しない。
彼は家に帰るまで、心のキャンバスにその色と景色を留めておきたいと望んでいる。
「……"空想は力にできる"。悲しさで世界を塗り替えた"オウガ"がいるのなら、モノクロの国では空想は実態化させることができるんだ」
ただし、限度はあるだろうけれど。
「絵の具やペンキは、当然可能だろう。寂しい世界を彩ることで、悲しい感情の付与を妨害することだッて……きッと出来る」
他の方法も、試そうと思えば価値があるハズだ。悲しい気持ちを抱えながら元気が出る方法を模索したり、楽しかった頃を思い出そうと頑張ってみたり。
「お前が落ち込まないッてーんなら、せめてオウガの箱庭から"アリス"を連れ出してやッてくれよ。この国を、横切るまでな」
悲しみの国が閉じるまで、手を引いて。
希望を託して、背中を押して。
悲しい誰かの理想を否定しても、オウガの理想を叶えさせるわけには、いかないのだから。
タテガミ
こんにちは、タテガミです。
この依頼は二章編成のアリスラビリンス。
アリスが自分の扉を、探し歩く最中閉じ込めるオウガの手のひらで踊らされています。
●概要
モノクロの国。白い花が咲いて、白い空がある。
あるのは輪郭の黒い線。日陰の黒い色。
それ以外すべて、色という色が望まれるまで存在しません。
悲しみに飲まれていくと、貴方も全体的にモノクロ色に染まってしまう、かも。
アリスは、シナリオ開始時点でこの国に居ます。
なので、やや、色を忘れ始めています。
●『アリス』蒼空・夢兎(そら・ゆめと)
男の子。おおよそ15歳。
美術系に特化した家の子で、多彩な色、多彩な世界感を持つ童話が大好き。
内気で、涙もろい。
長い間、お絵描き出来てないことに疲れていて、でも自分の扉をくぐり帰れたなら、怖い体験こそしたけれどアリスラビリンスの旅の記録を絵に描きたいと希望を捨てていない子。
モノクロの国へ訪れたことで、コレまでの旅の色を忘れはじめてしまっている為、悲しくて余計に涙もろくなっています。この国を抜けたり、元凶のオウガを退ける事ができたら思い出せます。
●オウガ
声を悲しみ色に溶かして国に降り積もらせたので、喋ることがないオウガ。
王子様を待ち、王子様を探す
お姫様の欠片。
童話に夢を持ち、『いつか』の希望を持っていた誰かの成れの果て。
感嘆符ぐらいは反応しますが、彼女の悲しい気持ちや怒りの気持ちはモノクロの国自体の気配できっとわかることでしょう。
このシナリオは、速度を重視して運用を行います。
飛び入り参加はタイミングがあえば大丈夫。
タグでのお知らせを行いませんので、完全にタイミング次第です。
第1章 冒険
『モノクロームの思い出』
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POW : 悲しくなんてないから元気を出してと声を掛ける
SPD : 絵の具やペンキを使って彩ってみよう
WIZ : そのまま佇んでみてもいいのかもしれない
👑7
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●モノクロームの思い出
僕のお家は色鮮やかなペンキと絵の具が溢れてた。
お母さんは、花の絵を描くのが好きで。
お父さんは、作り上げた色で布を染めるのが好き。
僕のお家には色が溢れていた。
なのに――どうして?この
世界には、色がないの?
空はどうして、青くないの?
あれ、あれれ悲しくないのに涙が――涙の色って、何色だっけ。
此処までの旅は、本当に長かったよ。
まだお家に、帰れないのかな……僕の服や、靴。
どんな色、だったっけ……?
四条・眠斗(サポート)
ぅゅ……くぅ~……あらぁ?
いつの間にか始まってましたかぁ~?
さっさと事件を解決しないとぉ、安心してもうひと眠りできませんからねぇ~。
ユーベルコードは出し惜しみしても仕方ありませんからぁ、
一気に片づけるつもりでやっちゃいましょう~。
案ずるより産むがやすしともいいますしぃ、躊躇うよりはいいですよねぇ~?
こう見えてもぉ、腕には少し自信があるのですよぉ~。
それにぃ、様子を見てる間にまた眠くなっちゃっても困っちゃいますしぃ。
荒事じゃなくてぇ、楽しいことならめいっぱい楽しんじゃいましょう~。
のんびりできるところとかぁ、動物さんがたくさんいるところなんか素敵ですよねぇ~。
※アドリブ・絡み歓迎
藍原・蒼夜(サポート)
人間の學徒兵×力持ち、20歳の女です。
普段の口調は「おっとり系(私、あなた、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」
偉い人には「敬語(私、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」です。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。
のんびり、おっとりした性格で、多少天然ボケな面もあります。
武器は主に退魔刀を使用して戦います。
好きな物は、可愛いぬいぐるみ、綺麗な花、静かな場所。
趣味は小説等の読書。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
●力持ちはみんな優しいんだ
ふわああ、と風が吹く。
色を忘れた花が風の勢いで花弁を吹き飛ばされていく。
「ぅゅ……なんだか、涼やかな風さん、ですねぇ
…………」
くぅ、とうとうとしたがる目を擦り、なんとか起きようとする四条・眠斗(白雪の眠り姫・f37257)。
「この"悲しい"を、寒いとは思わないですけどぉ~」
これはあくまで他人の
寒さ。
風景を眠りのお供に出来ても、誰かの感情は眠斗の眠りを妨げるものにならない。
「そうねえ、……あなた、どれくらい旅をしてきたのかしら」
『アリス』の傍らに立って、ぱちんとウインクするのは藍原・蒼夜(蒼き宝刀・f23131)。
柔和な表情を浮かべて、視線をあわせる。
泣き濡らした顔を、すう、とアリスが上げるものだから軽く頭をなでて大丈夫、と態度で語る。
どちらも自信の力に理解がある者。
心弱き者に優しく接するさまは『アリス』の悲しい気持ちを和らげる事ができるだろう。
「……たくさん。景色が綺麗なところも、こわいところもたくさんだよ」
「色の無い国も、見てきたのですぅ~?」
ふわわ、と欠伸をしつつ眠斗も会話に乗っかる。
「雪しか無い国だとかぁ、黒一色で塗りつぶされた国だとかぁ~」
「……ううん、山ほどきのこが生えた国だとか、おかしな国を見たけれど此処まで色がない国は、初めて」
しくしくと、とめどなく流れる涙を拭う『アリス』蒼空・夢兎(そら・ゆめと)はどことなくまだまだ悲しい。
記憶が、色が、悲しい白と黒に書き換えられてしまう。
忘れてしまう。どうしても、なんだか悲しい気持ちが拭えない。
「じゃあ、このタイプの国は初めてなのね。あらあら、あの花の名前は……わからないけれど」
蒼夜はスッ、と自分の荷物から持ち物をひょこっと覗かせる。
自身が好きな花と、花に寄り添う可愛らしい動物のぬいぐるみの写真だ。
鮮やかな色合いと合わさって"華やかで"可愛い。
「わあ、……可愛いね。お姉さんは、こういうのが好きな人なんだ?」
「そう。あの真っ白のお花は可愛らしいから、なんだか無性に嬉しくなっちゃう」
静かな場所に咲く花も好きだから、蒼夜もまた悲しくなんてない。
好きなぬいぐるみに、あの白い花はとても似合いそうだと思うほどだ。
オウガの魅せる国の花を摘んで帰るなどはしないものの、あの色を失った花は、雪が華のように咲いているようで綺麗なのだ。
雪の花が咲く。例えて言うなら、その言葉がふさわしい。
「真っ白なお花はたくさんあるわね。でも、花粉が黄色かったりで純粋な純白は絵本とか誰かが描いた絵のなかでしか見られないもの」
コレって――素敵なことだと思わない?
おっとりとした蒼夜がのんびりとそういえば、眠斗も頷く。
「この光景が怖いなら、一緒に進むことくらいならできますよぉ~」
手を繋ぎます?なんて、手を差し出すようにみせかけて眠斗はぺちりと『アリス』の背中を叩いた。
なるべく軽く。励ますように、バシリと。
「こうみえても腕に少しは自信あるのですよぉ~。悲しくて足を止めていれば、いつか本当に消え去ってしまうかもですしぃ~。行きましょう、悲しくなくなるその場所までぇ~」
――此処には動物さんはいなさそうですぅ……いえ、居たとしても理不尽にパンダ色なんでしょうねぇ。
――それはそれで貴重ですがぁ~。
――オウガが好む動物さんに癒やしを求めてなかったらあり得ないんでしょうねぇ。
――うーん、イメージ上ならもふもふは期待できそうにないのが少し悲しい気持ちぃ……。
さあ『アリス』、今更立ち止まるなんて、ダメ。
躊躇うより、考えるより先に――心の中の
景色が消える前に、進め。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
コーデリア・リンネル(サポート)
アリス適合者の国民的スタア×アームドヒーローの女の子です。
普段の口調は「女性的(私、あなた、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」、機嫌が悪いと「無口(わたし、あなた、呼び捨て、ね、わ、~よ、~の?)」です。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
内気な性格のため、三点リーダーや読点多めの口調になります。
ですが人と話すのが嫌いでは無いため、
様々な登場人物とのアドリブ会話も歓迎です。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
アトシュ・スカーレット(サポート)
性格
悪ガキから少し成長したが、やっぱり戦うのは好き
大人になろうと背伸びしてる途中
目の前で助けられる人がいるなら積極的に救おうとする
口調は「〜だな。」など男性的
最近の悩みは性別を間違えられることと年相応に見えないこと
最悪【幻想憑依・無想式】を使って誤魔化す
戦闘
【呪詛(腐敗)】と「棘」を組み合わせ、万物を強引に腐敗させる方法をついに編み出した
前衛も後衛もやれる万能型だが、前衛の方が好き
複数の武器を同時に操ることも可能
高速戦闘も力任せの戦闘も状況に応じて使い分ける
(装備していれば)キャバリアにも対応可
非戦闘
聞き耳などを駆使した情報収集を中心とする
化術で動物に化けて偵察することも
●花の色を思い出して
コーデリア・リンネル(月光の騎士・f22496)が思い浮かべる花の色は黄色。
黄色の薔薇が咲き誇るのはとても綺麗であると、知っている。
想像で手元に浮かべるのなら、愛しい色の薔薇だが――この場合は色鮮やかなペンキのバケツ。
アリス適合者である事を自覚する騎士は、『アリス』の彼と同じく内気に加えて人付き合いが苦手だが、頑張って声に乗せる。
「この国の色に、
悲しみを感じるのなら……いっそのこと……色とりどりに、塗って、しまっては、どうでしょう……?」
「お!それいいな、ちょっとくらい楽しい色に染めちまおうぜ」
まるで女の子のようにきらきらと笑うアトシュ・スカーレット(神擬の人擬・f00811)も同意する。
それなら好きな色にしようぜ、と想像から生み出す色は青や
棘な色合いの紫。
バケツを手に持って、ニッと笑って花という花にペタペタと色を容赦なく付け始める。
草むらにぼたぼたと垂れるペンキに気を止めず。
追いかけるように一緒に染め始めるコーデリアにも遠慮がなかった。
この一帯を"好きな色"や"心に残る色"を染めていこう。
「『アリス』、お前もどうだ?お前の気に入った色は何色だ?白や黒じゃねえだろ?」
「え、っとぉ……」
内気なアリスは悩む仕草をして、ペンキで黄色に染まった"たんぽぽ"を見る。
黄色のチューリップが生まれ、紫や青の花がそこらじゅうで生まれ始める。
寂しい光景に色が灯る。鮮やかな色はどうしてか悲しい気持ちを和らぐ色を添えられた、
「赤、かな……夕方の色。優しい色だよね」
「……いいですね、丁度いいところに、ほら、白い無色の薔薇が、ありましたよ
…………。アリス、……これを思うように、塗ってみて下さい」
はい、とコーデリアがアリスに手渡すバケツの中の色は、黄色からいつの間にか変わっていた。
これはさっきまで黄色だったが、今はもうオレンジ混ざりの赤色に変わった。
想像力で修正されたのだ。此処では微妙な想像力の力を発揮することが可能である。
望めばわずかに叶えられる。だから、塗ってしまいましょう?
「うん……そうだね。塗って、みようかな。これは深い綺麗な赤だったら素敵だろうなあ」
「そうだな、真紅の薔薇ってあるもんな。立派な色に塗ってやろうぜ!」
とにかくやってみな、と笑うアトシュは二人から二、三歩分後退してすう、と静かに行動を起こす。
構えた武器は呪詛(腐敗)の属性を移すもの。
棘喰が扱う棘の力さえ組み込んで、万物強引に腐敗させようと考えたのだ。
きらり、とアトシュの右目が黄金に輝いた事を誰も知らない。
半神の権能を顕現させ、自身に降りかかる呪いを相殺するための輝きだ。
素早く事を成すために小声で詠唱をしていたから、誰が気づくこともない。
――『アリス』とコーデリアが色塗りに没頭していてくれて、助かった。
これなら誰も、――見るものはいない。
「悲しいを植え付けられてる――汚染を受けた"黒色"を削ぎ落とそうぜ」
浄化術・月光式(バプティスマ・フェガロフォト)――それは呪いの棘を這わせるように、『アリス』へ差し向ける。
ぞわぞわと走る棘は彼の体を傷つけずに、
異常を攻撃して溶かし尽くす。
――これまでの辛い記憶が汚濁して黒になってんだ。
――さぞや長い旅、してたんだろうなあ……。
「……?なにかした」
「んーや、なにも。よしよし上手く塗れたか?楽しく色染めて進んでこーぜ、オレも混ざるから!」
ガッ、とアトシュは自分用のバケツを手に掴み何事もなかったように色を添めながらモノクロの国を歩きだす。
なにをしたんだろう、と首を傾げるのは『アリス』ばかり。
心なしか"辛い悲しい"と思っていた感情が和らいで居た事を、彼が知るのはまだ少し先の話。
そんな中で無口なコーデリアが、黄色のペンキが入ったバケツを新たに想像してぺたりぺたりと色を染めて先を行く。微笑みを絶やさず、輝く黄色の
ダンデライオンで道を作り続けて、アリスの道を照らし出すのだ。
この道をまっすぐ進めば誰も迷わないことでしょう。
綺麗に染まった花のみちを、進んで、進んで進み続ければ、きっと国を、抜けるのです。
モノクロの国に、僅かな色が添えられる――ざわざわと、誰かの心を反映するように、国中の草花が風で一気に揺れるまで。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
第2章 ボス戦
『プリンセスの残滓『待焦』』
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POW : お転婆でも許してね
レベル×1tまでの対象の【髪、服、武器】を掴んで持ち上げる。振り回しや周囲の地面への叩きつけも可能。
SPD : 哀れみなんていらないのよ
【白いリボンかレース、フリルのどれか】が命中した対象を捕縛し、ユーベルコードを封じる。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
WIZ : お前なんて王子様じゃないわ!
【顔を隠していたフリル】を脱ぎ、【悍ましくも醜い顔をした姫君】に変身する。武器「【服から無限に涌き出る白い花弁】」と戦闘力増加を得るが、解除するまで毎秒理性を喪失する。
👑11
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●私の名前を呼んでよ王子様!
ぶわああ、と強い風が吹いたかと思えば。
ふわふわと国に訪れた誰かのもとへ『会いに行く
お姫様』が舞い降りてくる。
足がないのでフリルなドレスを広げて、風任せに急いで飛んできたのだ。
フリルの天使は――口元に笑みを称えている。
ぱくぱくと、口が動くが言葉はアリスや亮平のもとへは全く届かない。
声を亡くしたオウガの世界が、薄く桃色に染まる。
好意的な意思表示を魅せているのだろうか。
「……わからないよ。きみ、通せんぼしないで。僕は家に帰りたいんだ」
内気なアリスがおどおどと、猟兵たちに隠れながら言葉にすれば、世界は一気に色を削ぎ落とすだろう。
猟兵と共にペンキで染めた色だけをそのままに、真っ白の世界に点々と黒い深淵が生まれだす。
――王子様、酷いこと言わないで――。
――王子様、どうか私の名前を呼んで――。
――ねえ、ねえお願いよ――。
彼女の願いは、叶うことはない。アリスは王子様ではなく遭難者であるが故に。
彼女の言葉や考えを、彼女自身が言葉を口にできない故に理解する手段がない。
――傍まで行ってこの手で触ってみればわかるかしら――。
――いやよ、確認するまで逃さない――。
ねえ
王子様?
あなたは私の
アリスなのかしら?
ミーガン・クイン(サポート)
サキュバスの魔女、ミーガン・クインよ。
物を大きくしたり小さくしたりする魔法が得意だわ。
ー行動方針ー
汚れるの嫌だし、怪我もしたくないわ。
程々に行動するわね。
ー戦闘ー
拡大縮小魔法を使って戦うわ。
指定のUCを状況に応じて使うわね。
ー公序良俗ー
勿論守ってあげる。
でも、色目やちょっとしたイタズラぐらいはいいわよねぇ?
ー他ー
魔法を解決に活かせる事件ならどんなものでも伺うわ。
えっちなことは好きよ、サキュバスだものねぇ♡
絡み・連携・アドリブお好きなように。
それじゃあ、よろしくお願いするわぁ♪
神崎・伽耶(サポート)
『やってみなきゃわかんないしねぇ!』(明るくニヤリ)
アドリブ連携OK。
普段の口調は「庶民的(あたし、キミ、だ、だね、だろう、だよねぇ?)」です。
後先考えず、反射的に行動しますが、他の猟兵に迷惑をかける行為はあまりしません。
姉御肌で、一般人には優しく、時に厳しく接します。
行動原理は好奇心、攻撃よりは防御が得意で、遊撃的なポジションを好みます。
機動力、観察力を生かし、バフやデバフを多用し、トリッキーな攻めを得意とします。
思い付きで動く、常識のある奇人変人ムーヴで描いていただけると大変喜びます。
いっそNPCだと思っていただいてもヨシ!
よろしくお願いします。
マホルニア・ストブルフ(サポート)
口調:男性的
一人称:私
三人称:お前、呼び捨て
【だ、だな、だろう、なのか?】~か、〜するよ、構わん、等
協力者には丁寧に接するよ。
行動方針:問題の解決
一般人がいれば保護が優先。
多少の負傷は気にせず行動。
◇戦闘・技能
知覚端子を張り巡らせ、地形や敵の動向を情報収集しながらサポートしようか。
武器はレヴィアスクかアサルトライフル。もしくは拡張義体での接近戦。移動や捕縛でワイヤーを使うこともあるな。キャバリアについてはUDCの影響を受けたものを使うよ。
UCの範囲は遠近それぞれ、使えるものを使っていこうか。
UCはハッキングとUDC由来の呪詛を組み合わせて実現させている。後はよろしく頼む。
徳川・家光(サポート)
『将軍なんだから、戦わなきゃね』
『この家光、悪は決して許せぬ!』
『一か八か……嫌いな言葉じゃありません!』
サムライエンパイアの将軍ですが、普通の猟兵として描写戴けると嬉しいです。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使いますが、全般的に「悪事を許せない」直情的な傾向と、「負傷を厭わない」捨て身の戦法を得意とします。
嫁が何百人もいるので色仕掛けには反応しません。
よく使う武器は「大天狗正宗・千子村正権現・鎚曇斬剣」です。
普段の一人称は「僕」、真剣な時は「余」です。
あとはおまかせです!
●王子様
症候群
ふわふわと、浮かぶ
お姫様の残滓は、キョロキョロと近くにいる"誰か"を選り好む。
その目は見えているかもしれない。もしかしたら、気配しか察知できていないのかもしれない。
それもまた、王子様を探す夢見る女の子の姿に見えたことだろう。
「『アリス』さんは後ろに下がって!」
徳川・家光(江戸幕府将軍・f04430)の指示にコクリと頷いて、『アリス』蒼空・夢兎(そら・ゆめと)は後ろの方に身を隠す。
彼女の見た目や仕草が愛らしかろうとこの国を支配する"オウガ"である事は間違いようがない。
「あらあら~?さぁーっすが上様ねえ♪うふふ王子様力が高くていらっしゃる~♥」
「まあ、これでも嫁が何百人もいますからね。慣れてますし、みんなにとって格好いい僕で居ようとするとこうもなります!」
あんまり茶化さないでくださいね、とミーガン・クイン(規格外の魔女・f36759)へ目布施をひとつ。
ぺろり、と口元を舐めるミーガンはどこ吹く風。
とっても身近で面白いものを見たわ、と高揚感すら覚えたものだ。
「でもまあ!やってみないと何事も分かんないしうまくいかないからねぇ!」
ケタケタと軽く笑った神崎・伽耶(トラブルシーカー・ギリギリス・f12535)は、明るく挑戦的にニヤリ。
「誰を選ぼうとしてるかはさておき!誰から調べようと選びそこねてるなら好都合!」
伽耶の行動理念は好奇心で満たされた。
モノクロ世界を好意の色に染めた彼女の思惑は、計り知れない。
――ならばコチラから、仕掛けてみよう!
洞察力から、選びだした選択はとりあえず思いつきで動いちゃえ!
「耳はついてるんだよね?じゃあそうだなあ~、――あめちゃん、いかが?」
ばっ、と両手を広げ、宣言と共にSilver Candies(シルバー・キャンディーズ)世界を広げに掛かる。
戦場全体にあふれる香りは甘ったるい香りで包み込む飴色の靄が発生したのだ。
ねえコレってハッピーだと思わない?と発動した本人はニコニコ顔だ!
当然、
お姫様は逃げ惑う。
服がべたべたとするのか、動きづらそうに嫌そうな表情を浮かべ、世界が黒や灰色にずぶずぶと染まっていく。
「あ。もしかしてコレすんごく嫌だった?ハハハごめんごんめん!もしかして甘い夢をみる、辛党なの?ギャップ萌えっていいよね~!そういう話じゃない?これ?」
楽しそうにしている伽耶と、彼女との温度差は激しくなる一方だ。
「――とはいえ、動きを鈍らせるのは正解だったかもだな」
広げられた地形異常を気にする様子を見せないマホルニア・ストブルフ(欠けた年代記・f29723)は、冷静に状況を把握せんとする。これはアリスにとって良い方向へ、主導出来た筈。
狙いは全面的に我々――猟兵へ移った筈だ、と。
「近接を得意とする者がいるなら私がするのは、狙撃だろう」
靴音をカカッ、と慣らして魔法陣を発動設置に掛かる。
時間短縮、詠唱省略。ハッキングを利用した、最速の配置も可能だ。
個々が誰の手のひらの上だろうと"握りつぶされる前に"世界の有り様ごと叩き潰してやればいい。
「ふわふわ浮いていても無意味。質量は重さまでを不透過にしないんだ――つまり、お前が通り過ぎるだけで、この仕掛は発動する」
逃げ道を塞ぐように、マホルニアの
お姫様が移動しそうな所全てに配置された。
「コレほどまでに心象を描く世界で他者の干渉を受ける国など――ハッキングして欲しいと言ってるようなものだぞ」
――心を踊らせて待つ、その誰かに見て欲しい真実の心の内、とか?
それにしても少女の心は他者の干渉を簡単に受けすぎる気がする。
『――!』
逃げ場を閉ざされた
お姫様は、白いリボンを無限に伸ばす。
布はどこまでも伸びることが出来ると、想像しているのだろう。
――哀れみなんていらないのよ――。
彼女のフリルやレース、リボンは一つの帯となり猟兵たちへ差し向けられる。
誰かに当たればいい。当たった誰かを手繰り寄せて、王子様であったかを確かめたらいい。
そんな期待と、ランダム性を重視した彼女の白い攻撃は――マホルニアの魔弾の射手の術中に掛かり、
威力と速度を削がれ誰のもとへも届かない。
へにゃり、と突然軌道を変えて地面に堕ちるばかりだ。
彼女の攻撃はどこへも届かない。それはまるで絶望へのカウントダウンが聞こえるようだった。
『――っ』
伽耶のユーベルコードによって、体に不可視の動きを鈍らせる災難を被り、マホルニアのユーベルコードで攻撃速度を奪われた。
ならば、彼女が取れる行動は――なんとしてでもその手に捉えて、確かめる手段しか残らない。
当然、世界をじわじわと赤黒く染めて怒りをあらわにした。
一番手にかけたのは、自分の顔を隠したフリル――引っ剥がしたフリルの下から現れたのは悍ましくも醜い顔。
その顔に、頬がない。頬のえぐれた孔は恐怖を煽る異常の顔をしていた。
ドレスを揺らすと溢れ出す白い花弁。
彼女の心を表すような無垢で純粋色を誇る白い花弁を蝶のように飛ばし、真っ先にミーガンを狙った。
「あらあら~♪」
――いいわねえ、抱きしめてあげたくなっちゃう♪
「私を逃したくないのかしら?いいわよ、ほぉら、おいでなさーい♥」
「えっ、ちょっと!?」
「大丈夫よ心配ありがと上様♥これでいいのよ、あとは任せちゃうから」
「――分かりました。タイミングはこちらで合わせますね」
素肌を多く露出しているミーガン。
花びらの殺到と、一緒に突っ込んでくる
お姫様をぎゅう、と抱きとめる。
見かけの割に細身で、華奢な体をしていた。
「私の特別な能力、見せてあげる♥」
『――!?』
誘惑するようにミーガンは囁き、
お姫様の身体の大きさを何倍にも膨れ上がらせる。
どんどん巨大化する
お姫様は、当然なにかに怒り狂うようだった。
――なんてことをするのよお前なんて王子様じゃないわ――。
猟兵には伝わらないものの、怒っているのは間違い。
叫びも悲鳴も、声として響かない以上、表情以上には想像しようがないのだが。
「あとは任せたから♥」
超巨大化した
お姫様は動きづらさも、攻撃の速度を落とされるのも怒りに上書きされて混乱したように暴れ出す。
――哀れみなんていらない――。
――王子様、ねえどこなの――。
――会いたいの、迎えにきてよ――。
――ねえ、ねぇお願い――。
「……任されました!」
家光は息を吐く。敵対する意思も、それ以外の思惑もすべて頭の中から追い出しに掛かる。
この場において敵対意識を捨てたものは一番初めに餌食になるだろう――経験は、語る。
過去は、見透かされたり無視されるを嫌がる――。
白いリボンやレースを束ねた帯を、家光へ向けて誘われるように振り下ろす。
なにかしようとしているのなら、行動される前に叩き潰してしまえ!
自分だけの王子様じゃないのなら、ここには必要ないから消えてちょうだい!
そんな威力、そんな感情が乗った一撃だった。
「……身は空、心は虚にて、柳流鉄を穿つ」
ばしり。重く、痛そうな音が周囲に響く。
身体を束縛するよりも強い威力で叩かんとしたが、その攻撃は――うっすらと目を開いた、家光によって無力化されていた。
捕縛するついでの高威力攻撃は、不発した。捕縛することも叶わなかった。
「お返しします」
左手を翳し、受けた"攻撃の効果"自体を受け流す。 すごい威力で
お姫様の身体を揺らし、硬直した彼女のユーベルコードが彼女自身の力で無力化される。
「どうします?それを解除しないと一番つらいのは――貴方ですよ」
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
御形・菘(サポート)
※語尾に「のじゃ」は不使用
はっはっは、妾、推っ参!
敵は決してディスらんよ、バトルを彩るもう一人の主役なのでな!
強さも信念も、その悪っぷりも誉める! だが妾の方が、もっとスゴくて強い!
バトルや行動は常に生中継+後で編集しての動画配信(視聴者が直視しては危ない系は除く!)
いかにカッコ良く魅せるか、見映えの良いアクションが最優先よ
とはいえ自身の不利は全く気にせんが、共にバトる仲間にまで不利を及ぼす行動はNGだぞ?
戦法は基本的に、テンションをアゲてボコる! 左腕とか尾で!
敵の攻撃は回避せず、受けて耐える! その方がカッコ良いからのう!
はーっはっはっは! さあ全力で来るがよい、妾も全力で応えよう!
シフィル・エルドラド(サポート)
『皆に元気を分け与えにやって来たよ!』
ハイカラさんの勇者×国民的スタアの女の子。
普段の口調:明るい(私、あなた、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)
嬉しい時の口調:ハイテンション(あたし、あなた、~さん、ね、わ、~よ、~の?)
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。
元気一杯で天真爛漫な性格をしていて、ポジティブな思考の持ち主。
困っている人や危機に陥っている人は放ってはおけず
積極的に助ける主義です。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
●生配信しているが、そこを通してもらおう!
猟兵によって返されたユーベルコードを封じた力を解く。
力なく白いリボンは地面に落ちた。
既に剥ぎ取っている顔を隠していたフリルもまた、存在しない。
その顔にはただ悍ましくも醜い
貌で『お前も王子様じゃない』と軽蔑する顔だ。
哀れみもまたいらない。彼女は視線ではなく"気持ち"を世界に移して猟兵やアリスにみせつける。
モノクロの国に反映されたのは、王子様じゃないと軽蔑した赤とオレンジの入り交じる複雑な色。
それから、空に穴を穿つ悲しみの青。本物の空とも、夕方の色とも全く同一ではない。
似ているとすれば――単色で描いたファンタジーの光景だ。
今回訪れた
王子様は、まだ確認できていない。
攻撃してきた者、妨害してきたものはみんな――王子様じゃない――――。
絶望するのは、まだ早い。
そんな膝を折った
お姫様のもとに声を投げるモノがあった。
「さあ顔をあげるのだ、誰も彼もが名を知らぬドレスのお主よ!」
お姫様を見て即座に金の眼光を細める御形・菘(邪神様のお通りだ・f12350)は流れるように己の持ち味を活かす場を作り上げる。
『――!』
「はーっはっは!無口も個性というものよ。なあに身振り手振りで示せば良い!」
蛇神にして邪神たる彼女は、テンション高く動画撮影現場の
主として君臨する。
今この瞬間!モノクロの世界に色は添えれる!
ライブストリーミング・フィールド(バエルセカイ)によって、動画映えを意識した者のあり方を肯定するのだ。
「そうだよね!悲しい気持ちも楽しい気持ちもあなただけのものだもの!自信を持ちましょっ?」
一方は輝かしいキラキラした明るさを持ち味に、軽くウインクしながらシフィル・エルドラド(ハイカラさんの勇者・f32945)は可愛さをアピール!
フォロー体質もさることながら、彼女の個性は元気いっぱいで天真爛漫!
ポジティブなシフェルは生放送という舞台でも大いにノリよく応じることが出来る。
「皆に元気を分け与えにやって来たよ!もちろん、あなたにも!」
二人の国民的スタァは、
お姫様を否定したりしない。
「自信を持つのだ!必ず叶うと、大志を抱け!」
「おっと、私には手に取る様に分かっているのよ!」
勇者の勘(ユウシャノカン)、これまで培ってきた経験から、攻撃の動作をシフィルは見過ごさない。
ドレスを掴み、リボントレースに働きかける投擲のような動作。
念動力で補正した命中させるに特化させた攻撃を――恐るべき鋭い勘で交わす。
動画映えを意識して、躱す仕草からの上空ドローンに対して流し目からのほほえみのカメラ目線。
これが出来る勇者である。
「……だが不発を、ヨシと妾は思わん!この領域は!己を輝かせる最高の魅せ場となるのだ!」
シフィルが避けたユーベルコードを封じるリボンの投擲を、菘は当然のように尾を揺らし身を滑り込ませることで受ける!
動画映えを意識しない
お姫様の行動は弱体化し、菘の行動を阻害しきれない。
ただし、不発もしていないのでがんがんと自身の
命を燃やしまくる。
『――!』
理性を喪失するのも、構わないと重ね掛けるドレスから溢れ出す白い花弁の乱舞。
捉えた者に"悲しみ"か"王子様意識"を芽生えさせるこの攻撃が届くのなら――。
彼女の願いは、言葉にされない以上――憶測の粋を出ることはなかった。
だが、菘にも、シフィルにも譲れない強さ、儚く脆い命輝くものに見えた。
「見目麗しいプリンセス?一生懸命打ち込む様は、実に美しいのう!このキラキラ花弁も最高の映え具合だ!」
テンション高く笑う菘は、決して敵をディスらない。
オウガでありオブリビオンである以上、"いつかおうじさまが"訪れる事は限りなくゼロに近かろう。
ただし、"少女"のように笑う"理想"を動画映えする心地だと菘はとにかく笑うのだ。
「言葉交わせぬは少々、焦れったいがお主も、譲れないものはあるのだろうのう!」
ぐわん、と左腕で、ぶん殴る菘との温度差。
「"
待焦"あなたは、きっとそのままでいいのよ。でも……そう!この子はダメよ。私たちもダメだけど!」
モノクロの国のあり方も。
王子様を待ち続けることも。
通りすがりの
王子様を襲うことも。
「王子様には従者がいるものよ?従者にだって、"
お姫様"を見定める権利があるものよね?」
防がれたら諦めましょう。
「これは勇者としての勘だけど、あなたの
待ち焦がれる人はきっといつか自分の足で訪れるんだから」
「そうそう。だからこの場は譲ってもらおう!お主の心の色を映すこの国は大変面白いが!」
王子様にこそ魅せるが良い。
二人のスタァは説得と同時に、道を開けんとオウガと対峙する。
勇者と邪神VSオウガ、なんて構図にはならない――道を譲らぬなら、滅びるだけぞと言葉で大きく主張して、殴る。
『――……』
お姫様と、アリスの視線がぶつかった。
おずおずと、誰よりも後ろに居たアリスは声を密かに零す。
「……うん。僕は違う。僕じゃないよ
、…………此処は通りたいだけなんだ」
『……――』
気配は一気に沈静化する。
"あなたも王子様ではなかった"。
オウガは納得し、アリスを独占する気が失せたかのように残滓を溶かして蝋燭の火にようにフッ――と消え去る。
王子様に会いに来たのに。王子様はいなかった。
次に訪れる誰かこそが、王子様ならいいなと、
アリスとその従者に道を譲ってくれたのだ。
いつかおうじさまと。
わたしがあえるかもしれないと、希望を持たせてくれたあなたたちに。
モノクロの国の充満する悲しい想いを、"
ペンキ"を添えて書き換えてみせたあなたたちに。
出来ることなら、待ち続けている間に"私にも"出来るかもしれないね。
悲しみにさようなら。
ねえ、王子様。いつか会いに来て。
悲しい私が、潰えた時に。
喜びと歓喜で、抱きしめられる私が生まれた時に。
モノクロの国を通り抜け、アリスは自分の扉へ続く道を歩き続ける。
彼が自分の世界へ帰った時、思い出を描くことだろう。
真っ先に描かれるのは色鮮やかな花畑の中に降り立つ"可愛い笑顔の
お姫様"と、空想の王子様の姿。
まるで悪夢のような迷宮で。
まるで夢幻のような光景が、生まれていたらいいなと――空想の中に、思い描く。
お転婆な"名を知らない不思議な誰か"の事を、アリスはきっと、――忘れない。
成功
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