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【サポート優先】桜の樹の下に埋まっているモノ

#サクラミラージュ #逢魔が辻


 これはサポート参加者を優先的に採用するシナリオです(通常参加者を採用する場合もあります)。

「影朧によって命を落とした者の中には身元が判明しない人も多い。引き取り手のいない彼らはまとめて無縁塚に埋葬されるが、訪れる者も少なく次第にその存在を忘れ去られていく」
 天導・鈴音(世話焼き狐巫女・f36489)は本の頁をめくると、そのまま続けた。
「横濱のある地域ではこのような無縁塚がたくさん造られ、そして人々の記憶から忘れられつつあった。いつしか墓地は荒れ果て、狐たちがうろつくようになった。
 このまま無縁塚は狐の棲み処になるかと思われた。そう、深夜になると桜の樹が現れて妖しく朧げに光り輝くという噂が流れるまでは」
 鈴音はくすりと笑うと本の写真を猟兵たちに掲げて見せた。それは墓地一帯を覆い尽くすかのように枝葉を広げ、舞い散る花びらが人魂のように淡い光を放っている。
「『幻朧桜じゃ、幻朧桜が生えてきた』
 無縁塚の近くに住む男が帝都桜學府に訴え出たが、學徒兵が駆け付けた時には桜の姿は煙のように消え失せていた。何かの見間違いであったのだろう、そう諭された男だが納得がいかない。彼は無縁塚を訪れると目を凝らして桜の樹を探し出した」
 頁をめくる音が静かなグリモアベースに響き渡る。
「しかし、いくら待っても桜の樹は現れない。彼はいつしか眠りについてしまったが、その顔を撫でるような感触にふと目を覚ます。顔をあげると、そこには手を伸ばす麗しい少女の姿があった。
『アラアラ、起こしてしまったカシラ。ゴメンナサイ、そんなツモリではナカッタの』
 少女はそう言うと、彼を包み込むように抱きしめた。抵抗しようとした男であったが、彼女から漂う桜の花びらの香りを吸った途端、全身の力が抜けてしまった。いや、正確には抜けてしまったのではない。吸われていったのだ。
 ――その夜、無縁塚にはいつもよりも艶やかな桜が姿を現した。その花びらはまるで血を吸ったかのように鮮やかであり、木の周囲を楽しそうに狐が跳ね回っていた。

 人々はこう言う。
『これは狐の仕業に違いない』」

 鈴音はぱたりと音を立てて本を閉じた。その表紙には「幻朧怪狐録」と書かれている。これは帝都で起こったとされる怪異をまとめた長大な怪談集だ。

「さて、この怪談だけど……もし作り話じゃなくて実話だったとしたら、どうする?」
 グリモアベースのビジョンに横濱の地図が映し出された。鈴音はその一角を指差す。
「男の消息が途絶えた後に帝都桜學府が調査したところによると、どうやら桜の樹は午前二時から二時半の間に本当に姿を現したみたい。その際に不用意に近づいた者の姿が突如として消えたことから、恐らくこの時間帯だけ無縁塚と逢魔が辻とが繋がっているのではないかと推測されるの」
 鈴音がビジョンを操作すると、大きく現在の時刻が表示された。
「こんな時間に集まって貰った理由、わかったかな?」
 鈴音が神楽を舞うと、猟兵たちの足元に転送陣が現れて輝き出す。

 消えゆく猟兵が見つめるビジョンには、「午前一時五十五分」と映し出されていた。


キラキラオモチ
 五本目のサポート優先シナリオ、キラキラオモチです。
 本シナリオは三章仕立てとなっておりますが、現時点では二章と三章の詳細は不明です。少女の正体は狐なのか? 消えた者たちはどうなってしまったのか? 謎は深まる一方です。皆様はそれを解き明かしても良いし、解き明かさなくても良いです。

『第一章・くろがらすさま』
 無縁塚には供養をする為の社が建立されていました。くろがらすさまはそこを訪れる人たちの供養の心を魂に伝えようと遣わされた存在でしたが、誰も訪れず打ち捨てられてしまった現状に憤慨しています。

 逢魔が辻には大きな桜の樹が一本と無数の無縁塚があります。一度足を踏み入れれば外の世界とは隔絶され逃げることは不可能になります。その構造上、エリア全体を大きく使う行動は難しいですが、それは影朧も同様です。そこをうまくついた戦い方をすると有利になるでしょう。

 くろがらすさまが猟兵に立ち向かうのは「怒り」故です。その怒りを鎮めることが出来れば、あるいは戦いを避けることもできるかもしれません。

『第二章・詳細不明』
 敵の詳細は不明ですが、彼らは猟兵とくろがらすさまの戦いをどこかで見ています。故に皆様が取った地形の使い方を把握しています。彼らはその裏をかく行動を取ってくるので、更にその上を行く戦いを見せれば有利に事が進むでしょう。

『第三章・詳細不明』
 敵の詳細及び地形共に不明です。

 本シナリオはサクラミラージュが舞台となるのでダイス判定は通常程度です。
 またサポート優先シナリオですので進行がゆっくりとなります、それでも良いという方は是非ご参加くださいませ。

 一章のプレイング受付はOP公開時点から、二章と三章は断章公開時点からとします。
 果たして桜の樹の下には何が埋まっているのでしょうか。
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第1章 集団戦 『くろがらすさま』

POW   :    雑霊召喚・陰
レベル×5体の、小型の戦闘用【雑霊】を召喚し戦わせる。程々の強さを持つが、一撃で消滅する。
SPD   :    おねむりなさい
【ふわふわの羽毛】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全対象を眠らせる。また、睡眠中の対象は負傷が回復する。
WIZ   :    みちしるべ
【勾玉】から【光】を放ち、【視界を奪うこと】により対象の動きを一時的に封じる。
👑11
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星川・杏梨(サポート)
『この剣に、私の誓いを込めて』
 人間のスーパーヒーロー×剣豪、女の子です。
 普段の口調は「聖なる剣士(私、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」
 時々「落ち着いた感じ(私、~さん、ね、わ、~よ、~の?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。

性格はクールで凛とした雰囲気です。
常に冷静さを念頭に置く様に努めており、
取り乱さない様に気を付けています。
戦闘は、剣・銃・魔法と一通りこなせます。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



「供養の心を忘れた愚かな人類に天罰を……天罰を……」
 無縁塚が立ち並ぶ中、一羽のくろがらすさまがうろんな目をしながら飛んでいた。本来は人々の供養の心を魂に伝える存在であったはずなのに誰も訪れず打ち捨てられてしまった現状に怒り、我を忘れてしまったのだ。
「天罰を……天罰を……」
 うわごとの様に繰り返すその様を、桜の樹の影から見つめる一人の猟兵がいた。星川・杏梨(聖炎の剣士・f17737)、彼女はあらゆる物を客観的に見て先入観に捕らわれないことで知られている。このような奇怪な現象を解決するにおいて、彼女ほど先鋒に向いている者もいないだろう。
「……倒すのは簡単でしょうけど、元々は無縁塚を放置した人々が悪いわね。消えてしまった方の消息がわからない今、迂闊に彼らを刺激しない方が得策だわ」
 ここで下手に手を出して更なる怒りを買ってしまった場合、消息を絶った人々が危機に晒される可能性がある。そう判断した杏梨はくろがらすさまの巡回ルートを把握した上で無縁塚の一つに素早く接近した。それは苔が生え、名が掠れ、全く手入れが為されていなかった。
「さて、と」
 無縁塚の前に座り込んだ杏梨。何かを始めた彼女の背後に、影が迫っていた。

「これで良いわね」
 作業を終えた杏梨の頭上から、黒い羽が舞い降りる。振り向くと、そこにはくろがらすさまが全身を震わせている姿があった。
「愚かな人類に天罰を! 永遠の眠りにつくが良い!」
「……そろそろ来る頃合いだと思っていたわ」
 杏梨は全く驚いた素振りを見せずに立ち上がる。怒りに打ち震えたくろがらすさまの羽毛が杏梨を包もうとしたその時、突如として彼女の姿は煌めく星となり消えた。
「ど、どこに消えた!? くぅっ!」
 焦るくろがらすさま目掛けて流星の如く風圧が襲い来る。自身が放った催眠効果のある羽毛が顔にぶつかり、強烈な眠気がくろがらすさまを襲った。
「こんなところで寝ては……愚かな人類に天罰が……うん……?」
 まぶたが閉じようとするその刹那、くろがらすさまの視界に一つの無縁塚が映った。それは綺麗に清められ、苔一つ無い状態になっていたのだ。
「ああ……この日を我は待っていた……ぐぅ」
 くろがらすさまは安らかな寝息をたてると眠りについた。

 きっと彼は忘れないだろう。
 杏梨という猟兵が礼を尽くして無縁塚を手入れしてくれたことを。

成功 🔵​🔵​🔴​

編堵・希亜(サポート)
「……なに?」
「そうなんだ。」
「私は、私だよ。」

囚人服のようなものを着て、いつも黒猫のぬいぐるみを抱えた女の子。口数は少なく、人見知りで猜疑心は強いものの、猟兵としての仕事をこなすためなら、それなりに人と付き合っていける。
甘い物が大好きで、食べればすぐに機嫌がよくなる。嫌いなモノは、かつて自分のいたアリスラビリンスの世界と、それを連想させるもの。

戦闘では、自分ではあまり戦わず、自身に宿るオウガの『カイ』を戦わせたり、ぬいぐるみをバロックレギオンとして相手を押しつぶしたりする。

『カイ』は上等なドレスを着たラミアで、少し高飛車な話し方。宿主の身は守り、敵には容赦がない。『さぁ、敵はどこかしら!?』



「暗い……見えない……」
 編堵・希亜(蛇に囚われた少女・f19313)が降り立った無縁塚は真っ暗闇に覆われ、一寸先も見えない状態であった。恐る恐る手を伸ばすと、ひやりとした墓石の感触が伝わる。希亜は反射的に手を引っ込め、黒猫のぬいぐるみを抱きしめた。
「影朧は……どこにいるの……」
 討伐対象のくろがらすさまは全身が漆黒の羽毛に包まれている。故に闇夜に完全に溶け込んでしまっているのだ。その状況を打破する術を持たない希亜は手探りで一歩一歩進むしかなかった。

 小一時間ほど経った頃、希亜の心がざわついてきた。
 もしかしたら、自分は同じところをぐるぐると回っているのではないだろうか?
 もしかしたら、自分は逢魔が辻では無いどこかに迷い込んだのではないだろうか?
 もしかしたら、ここは……。

 猜疑心と恐怖心が最高潮に高まったその時、手の平が何か温かいものに触れた。それは手を振り払うように震えると彼女に向き直り、口を大きく開けて威嚇する。
「無礼な人類に天罰を……天罰をぉおおおおお!」
「きゃっ!」
 突如彼が首から下げていた勾玉から眩い光が放たれた。思わず目を瞑った希亜に大きな隙が生まれる。勾玉の持ち主はその隙を逃さず嘴を彼女の頭上目掛けて振り下ろそうとした。
「嫌だ……来ないで……いなくなって!」
 頭を抱えて座り込んだ希亜が叫ぶと、彼女が抱いていた黒猫の人形が飛び出して勾玉の持ち主に飛び掛かった。不意を打たれた彼は為す術もなく地面に押し倒される。
「愚かな人類如きに我は負けぬ……!」
 起き上がろうとした勾玉の持ち主であったが、その身体に次々と継ぎ接ぎの黒猫人形がのしかかる。いつしか彼の声は遠くなり、聞こえなくなった。

「嫌……嫌……」
 座り込んで震えていた希亜の背中に何かが触れた。振り返ると、そこには彼女がいつも抱いている黒猫のぬいぐるみがもたれかかるように寄りかかっている。
「あれ……?」
 辺りを見回すが、先ほど自身を襲った何者かの姿は消え失せていた。希亜は黒猫のぬいぐるみを大事そうに手に取ると、再び抱きしめて歩き出した。

 黒猫のぬいぐるみの手の中にあった漆黒の羽毛は果たして何者の物だったのだろうか。

成功 🔵​🔵​🔴​

ニノン・トラゲット(サポート)
『容赦なんてしませんから!』
『アレ、試してみちゃいますね!』
未知とロマンとお祭りごとを愛してやまない、アルダワ魔法学園のいち学生です。
学生かつ魔法使いではありますが、どちらかと言えば猪突猛進でちょっと脳筋っぽいタイプ、「まとめてぶっ飛ばせばなんとかなります!」の心で広範囲への攻撃魔法を好んでぶっ放します。
一人称はひらがな表記の「わたし」、口調は誰に対しても「です、ます、ですよね?」といった感じのあまり堅苦しくない丁寧語です。
基本的にはいつも前向きで、ネガティブなことやセンチメンタルっぽいことはあまり口にしません。
その他の部分はマスターさんにお任せします!



 漆黒の帳が落ちた無縁塚をニノン・トラゲット(ケットシーの精霊術士・f02473)は只一人で歩いていた。普通であれば恐怖心の一つや二つ湧きそうな状況であるが、彼女は微塵もそんな様子を見せない。それどころか周囲に潜んでいるであろう影朧に対して声を掛けた。
「そこにいるのでしょう? 早く出てきてくれませんか?」
 応答は無い。しかし、確かに気配はする。どうやら影朧は彼女から漂う只者ではない空気に気圧され、様子を窺っているようだ。返事が返ってこないことを確認すると、ニノンは不意にエレメンタルロッドを掲げて魔法の詠唱を開始した。

「炎の精霊よ。わたしの呼び掛けに応え、破壊的な力を与えてください……!」
 エレメンタルロッドの先端に燃え盛る光球が出現し、凄まじい熱を放ち始めた。ニノンはロッドを強く握りしめると、更に詠唱を続ける。
「水の精霊よ。わたしの呼び掛けに応え、暴力的な力を与えてください……!」
 彼女の周囲に流れるような水の軌跡が現れ、空気を切り裂くようにうねり出す。ニノンはロッドを振り回すと、更に詠唱を続ける。
「風の精霊よ。わたしの呼び掛けに応え、圧倒的な力を与えてください……!」
 詠唱を終えると同時にニノンの身体が浮かび上がった。彼女は一度目を閉じると、ゆっくりと無縁塚の中央に立つ桜の大樹へと向き直る。

「出てこないのなら今回の異変の大元である大樹を焼き払うのみです! いきますよ!」
 目を開き、ロッドを振りかぶろうとしたその時であった。無縁塚の影に隠れていたくろがらすさまが小さな分体を伴って彼女の前に飛び出したのだ。
「なんたる所業! 愚かな人類に天罰を!」
 ニノンはそれを見るとニヤリと笑い、ロッドの先端をくろがらすさまへと向けた。破壊的で暴力的で圧倒的な魔力が先端へと集束していき、一気に前方へと放たれる。魔力の奔流はあっと言う間にくろがらすさまの分体へと辿り着くと全てを飲み込み、そして彼をも捉えた。
「お、愚かな人類めぇぇぇ!」
 遥か上空へと打ち上げられたくろがらすさまの声が次第に遠ざかっていく。ニノンはその様子を見届けると満足げに頷いて呟いた。
「ふぅ、思った通り出てきてくれましたね。一体だけだったのは残念ですが、今日のところはこの辺で帰るとしましょうか」
 その呟きが終わるや否や、葉が擦れるような音が辺りを包み込んだ。漆黒の闇に覆われて良く見えないが、複数のくろがらすさまが彼女を取り囲んでいるようだ。
「おや、これは予想外ですが――」
 ニノンは再びエレメンタルロッドを強く握りしめると、一気に彼らの方へと駆け出す。
「――実に楽しい夜が始まりそうですね!」

 桜の大樹がはっきりと浮かび上がるほどの凄まじい閃光が無縁塚に広がった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ハロ・シエラ(サポート)
私はハロ・シエラ。
戦う事以外は不得手です。
また、オブリビオンによる問題に対しては説得などより戦いで蹴りをつけるのを好みます。

口調は(私、あなた、~さん、です、ます、でしょう、でしょうか?)。
基本的には誰に対しても敬語です。
戦術としては【第六感】と【見切り】を駆使して勝機を見出し【カウンター】や【鎧無視攻撃】で敵を仕留めるスタイルです。
真面目に戦いますが、強敵が相手なら【毒使い】や【投擲】、【物を隠す】による【だまし討ち】も視野に入れましょう。

ユーベルコードは戦況に応じて何でも使用しますが、味方や一般人は巻き込まない様に努力します。

 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



 乱雑に作られた無縁塚が立ち並び、自分の足音しか聞こえない。深夜二時の墓地というのは実に不気味なものであったが、ハロ・シエラ(ソード&ダガー・f13966)はその闇に紛れるかのように歩いていた。
「くろがらさすさまとやらも闇に溶けこんでいるようですが……」
 呟いたその瞬間、彼女の頭に何か閃きのようなものが走った。ハロは即座に無縁塚の裏に回り込むと息を潜める。しばらくすると、首から光る勾玉をぶら下げたくろがらすさまが何やら言葉を発しながら現れた。
「供養の心を忘れた愚かな人類に天罰を……天罰を……」
 斬りかかろうとしたハロであったが、勾玉が発する光が余りに眩しく思わず目を逸らしてしまう。くろがらすさまはそんな彼女の存在には気づかず、無縁塚の前を素通りしていき再び闇夜に紛れていった。

「さて、どうしましょう……」
 墓石の裏に隠れながらハロは考えを巡らせていた。くろがらすさまはこの辺りを巡回しているようだから、このまま待っていれば再びここにやってくるだろう。しかし、あの強烈な光を受けてまともに戦える気はしなかった。
「明るくなるまで待ってから襲撃が正解でしょうか?」
 そこまで言ってからハロは頭を左右に振った。グリモア猟兵によればこの逢魔が辻は午前二時から二時半までの間だけ外の世界と繋がっているらしい。つまり明るくなるまで待つという戦法は使えない。

 そうこうしている内に再びくろがらすさまが姿を現した。勾玉から射す光がハロの目に強烈に飛び込む。
「くっ……ならば、これでどうです!」
 ハロは墓石の裏から飛び出してレイピアを鞘から抜き放つと、そのままくろがらすさまが放つ光目掛けて真正面から突き進む。
「その光、全て断ち斬ります!」
 白銀の刀身が勾玉から伸びる光を切り裂く。それはまるでハロを導くかのように漆黒の道を作り出すと、勾玉を捉えた。
「ちぇすと!」
 彼女の澄んだ声が響き、勾玉が音を立てて砕け散る。同時にくろがらすさまは浮遊する力を失い、地面へと倒れ伏した。ハロは慎重に彼に近づくと様子を窺う。
「生きてはいるようですが、襲ってくる様子はないですね。勾玉が何か悪さをしていたのでしょうか」
 ハロは再び墓石の裏に回ると、レイピアを鞘に納め目を閉じる。

 一仕事終えた彼女の安堵の吐息が静かな墓地に木霊したのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ハロ・シエラ(サポート)
私はハロ・シエラ。
戦う事以外は不得手です。
また、オブリビオンによる問題に対しては説得などより戦いで蹴りをつけるのを好みます。

口調は(私、あなた、~さん、です、ます、でしょう、でしょうか?)。
基本的には誰に対しても敬語です。
戦術としては【第六感】と【見切り】を駆使して勝機を見出し【カウンター】や【鎧無視攻撃】で敵を仕留めるスタイルです。
真面目に戦いますが、強敵が相手なら【毒使い】や【投擲】、【物を隠す】による【だまし討ち】も視野に入れましょう。

ユーベルコードは戦況に応じて何でも使用しますが、味方や一般人は巻き込まない様に努力します。

 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



「さて、では帰還しましょうか」
 くろがらすさまを撃退したハロ・シエラ(ソード&ダガー・f13966)が踵を返そうとしたその時、周囲から不穏な羽ばたきが聞こえてきた。前後から聞こえるそれは、ハロが完全に挟み撃ちにされてしまったことを表している。
「無縁塚を荒らす愚かな人類に天罰を……天罰を……」
 相変わらず虚ろな目をしているくろがらすさまの首元には、例の勾玉がぶら下がっていた。ハロの考えが正しければ、それを砕くことで彼らを妄執から解き放つことが出来るだろう。
「とは言え……この状況、ですか」
彼女程の歴戦の猟兵ならば本来それを行うのは容易いことだが、暗闇の中に溶け込むくろがらすさま二体相手となるとそうもいかない。レイピアを抜き放つと、まず相手の出方を窺うことにした。

「きぇえええええ!」
「くっ!」
 前後から続けざまに攻め立てるくろがらすさまの攻撃をハロは見事なレイピア捌きで受け流していた。しかし、見た目からは想像できない程に鋭いクチバシが刀身に当たる度に手首に衝撃が蓄積していく。
「長期戦は不利ですね……!」
 そう呟くとハロは軍服のボタンを外し、翻すように上衣を正面のくろがらすさまへと投げつけた。突如視界を奪われたくろがらすさまは何が起きたかわからず虚空へとクチバシを突き出す。その隙に彼女は背後へと向き直ると、蛇の血と毒で鍛えられたダガーを握りしめた。
「愚かな人類め!」
「愚かなのはどちらか……教えてあげます」
 一対一の状況に持ち込んだハロが遅れを取るはずもない。彼女は目の前のくろがらすさまのクチバシを華麗な体捌きで躱すと、勾玉に繋がっている首紐を瞬時に切断した。くろがらすさまは糸が切れたかのように動きを止めると、地面へと落ちる。

「やはりこれが原因のようですね」
 ハロは地面に転がった勾玉を手に取ったが、翡翠で出来たと思われるそれは思ったよりも邪悪なオーラを発していない。どういうことかと首を傾げたハロの背後に、上衣を振り払ったくろがらすさまが間近に迫っていた。
「愚かな人類よ、眠りにつくが良い!」
 ハロが彼に気づいたのはふわふわの羽毛が今にも降り注がんとした時であった。強烈な催眠効果のある羽毛が身体に触れれば如何に彼女と言えど抗うことはできないだろう。勝利を確信したくろがらすさまであったが、彼の自信と勾玉は次の瞬間粉々に打ち砕かれていた。
「い、今、何が……?」
 薄れ行く意識の中、彼の眼には軍服を拾い上げ袖を通すハロの姿が映っていた。

 ――そう、視えなかったのだ。
 身軽な状態になった彼女が繰り出した、蛇の噛み付きの如きダガーの一撃を。

成功 🔵​🔵​🔴​

徳川・家光(サポート)
『将軍なんだから、戦わなきゃね』
『この家光、悪は決して許せぬ!』
『一か八か……嫌いな言葉じゃありません!』
サムライエンパイアの将軍ですが、普通の猟兵として描写戴けると嬉しいです。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使いますが、全般的に「悪事を許せない」直情的な傾向と、「負傷を厭わない」捨て身の戦法を得意とします。
嫁が何百人もいるので色仕掛けには反応しません。
よく使う武器は「大天狗正宗・千子村正権現・鎚曇斬剣」です。
普段の一人称は「僕」、真剣な時は「余」です。
あとはおまかせです!



「無縁塚を訪れる人がいなくなったが故の事象ですか。これは人々の側に非があるかもしれませんね」
 そう呟きながら、徳川・家光(江戸幕府将軍・f04430)は真っ暗な逢魔が辻を歩いていた。あるいは、彼は民を率いる者として何か思うところがあったのかもしれない。
「さて、そうなると僕が取るべき行動は……」
 家光は腕を組み目を閉じると、しばし歩みを止めて何かを考え始めた。その姿を無縁塚の中央に鎮座する桜の樹が何も言わずに見ているように見えたのは、気のせいだろうか。

「愚かな人類に天罰を……天罰を……」
 一方、くろがらすさまはうわごとのようにそう繰り返しながら無縁塚を巡回していた。本来ならばこの地を訪れた人々の供養の心を魂に伝えるべく遣わされた存在であったが、今となってはこの有り様だ。
「愚かな人類……人類がいる……!?」
 くろがらすさまは家光を視界に捉えると身体中の羽毛を膨らませいきり立った。目を血走らせ、急降下しながら彼目掛けて飛び掛かる。しかし、家光は目を閉じたまま微動だにしない。
「永遠の眠りにつくが良い!!」
 家光の頭上で旋回すると、くろがらすさまは羽毛を巻き散らしはじめた。ただの羽毛ではない、それは触れた者を立ちどころに眠らせてしまうという、恐るべきユーベルコードだ。
「くけけけけ! 我の勝利ぞ!」
 羽毛が家光の身体に触れた瞬間、くろがらすさまは高らかに宣言した。後は眠りについた家光をその鋭いクチバシで攻撃するだけで良い。そう、思っていた。

 ――しかし、家光は眠らなかった。

 それどころか目を開けるとニッコリとくろがらすさまに笑みを向けたのだ。
「あなたのお陰で良い案が浮かびました。これはお礼です」
 彼が左手を掲げると同時に、その手から黒い羽毛が飛び出す。それはくろがらすさまをあっと言う間に飲み込むと、強烈な眠気を放った。
「こ、これは我の羽毛……?」
 家光は抗えぬ眠気に耐え切れず落下を始めたくろがらすさまを素早く受け止めると、無縁塚の前に優しく置いた。そしてそのまま目の前の墓を綺麗に清めると手を合わせる。
「……少なくとも僕はこの無縁塚のことを忘れませんよ」

 その言葉が聞こえたのだろうか。
 目を閉じたくろがらすさまが微笑んだような気がした。

成功 🔵​🔵​🔴​

数宮・多喜(サポート)
『アタシの力が入用かい?』
一人称:アタシ
三人称:通常は「○○さん」、素が出ると「○○(呼び捨て)」

基本は宇宙カブによる機動力を生かして行動します。
誰を同乗させても構いません。
なお、屋内などのカブが同行できない場所では機動力が落ちます。

探索ではテレパスを活用して周囲を探ります。

情報収集および戦闘ではたとえ敵が相手だとしても、
『コミュ力』を活用してコンタクトを取ろうとします。
そうして相手の行動原理を理解してから、
はじめて次の行動に入ります。
行動指針は、「事件を解決する」です。

戦闘では『グラップル』による接近戦も行いますが、
基本的には電撃の『マヒ攻撃』や『衝撃波』による
『援護射撃』を行います。



「やれやれ、これだけ暗い上に狭い道となるとカブは使えないねぇ」
 数多の猟兵の中でも有数の宇宙バイク乗りとして名を馳せる数宮・多喜(撃走サイキックライダー・f03004)は自慢のカブに取り付けたサイドバッグからサブマシンガンを取り出すと、マガジンを取り付けて無縁墓地へと足を踏み入れた。

 道の両脇に立ち並ぶ無縁塚を見ながら多喜は今回の任務のことを思い返していた。影朧によって命を落とした身元不明人。彼らをまとめて埋葬した無縁墓地。
「……そして、ここを訪れる人がいなくなっちまって、供養の心を伝えようとしていたくろがらすさまが憤慨してる、と……」
 考えれば考えるほど、多喜は悩んでしまう。彼女ほどの実力ならば、カブが使えないとは言えくろがらすさまを倒すのは容易だろう。しかし、それは本当に正しい行為なのだろうか。
「可能ならコンタクトを取ってみようかね」
 倒すのは対話不可能だと確定してからで良い。そう考えた多喜は右手に持ったサブマシンガンを出来れば使わずに済むようにと祈って歩き出した。

 彼女が歩きはじめてから十分くらい経った頃、向かい側からフラフラと飛ぶ黒くて丸いものがやってきた。目を凝らしてよく見ると、それは探し求めていたくろがらすさまだ。多喜は早速コンタクトを取ろうと試みた。
「よう、ちょっと聞きたいことが――」
「愚かな人類を発見……直ちに排除する……!」
 左手を上げた多喜の真横を無数の小さな黒い塊が高速で通り過ぎる。慌てた多喜はすぐさま近くの無縁塚の裏に隠れた。
「どこだ、愚かな人類! 愚かな人類ー!」
「こりゃ参ったね、話をするどころじゃ……うん?」
 激怒したくろがらすさまが放った黒い塊を拾い上げると、多喜は目の前の無縁塚に視線を移動する。
「ふふ、どうやらアタシに運が向いてきたようだねぇ」
 そして不敵に微笑むのであった。

「待ちな! くろがらすさま!」
 多喜は無縁塚の影から飛び出すと大声を上げた。無論、それに反応したくろがらすさまはすぐさま彼女に攻撃を加えようとする。しかし、多喜はそれよりも早く口を開いた。
「アンタは無縁塚を訪れた人々の供養の心を魂に伝える存在だったんだろう!? それななのに当の本人が墓をぶっ壊して良いと思ってんのかい? アタシがそれを許しても、お天道さんは許すかねぇ?」
 多喜の左手に握られているくろがらすさまの黒い雑霊、そしてその近くにある欠けた無縁塚。怒りの余りに暴れた彼の攻撃がうっかり墓に当たってしまっていたのだ。それを見たくろがらすさまは目を大きく見開くと身体を震わせ始めた。
「あ……あっ……」
 多喜はそんな彼の元にゆっくりと歩み寄るとその背中を軽く叩いて話す。
「アタシはここに供養をしに来たのさ。なあ、一緒に墓を直そうじゃないか」
 こくこくと頷いたくろがらすさまと一緒に多喜は墓の修繕を試みた。完全に元通りとはいかなかったが、綺麗に磨き上げられたそれはまるで今そこに建てられたばかりのようだ。
「あ……ありがとう……」
 手を合わせた多喜を見たくろがらすさまは礼を言うと、そのまま霧のように消え失せた。

 後に残された一枚の黒い羽根を、多喜はいつまでも眺めていた。

成功 🔵​🔵​🔴​

スピネル・クローバルド(サポート)
『お姉ちゃんに任せておいてね♪』
 妖狐のクレリック×アーチャーの女の子です。
 普段の口調は「女性的(私、あなた、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」、兄弟姉妹には「優しい(私、~君、ね、よ、なの、なの?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。

性格は温厚で人に対して友好的な態度をとります。
滅多に怒る事はなく、穏やかです。
怖そうな敵にも、勇気を持って果敢に挑む一面もあります。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



 闇に覆われた無縁塚の影で息を潜めるように姿を隠していた猟兵が一人いた。彼女の名はスピネル・クローバルド(家族想いな女の子・f07667)、手練れのアーチャーである。木製の弓に矢をつがえながら、彼女はただひたすらに待っていた。
「来ましたね……」
 小さく呟く彼女の視線の先にはくろがらすさまの姿があった。無縁塚の間をふらふらと不安定な様子で進む彼は実に狙い難い。スピネルは一度大きく息を吸って吐くと、再び狙いを付け直した。
「ここで!」
 矢を放とうとしたその時だった、くろがらすさまが首から下げている勾玉が凄まじい閃光を放つ。あまりの眩しさにスピネルは思わず目を逸らしてしまった。
「愚かな人類の気配!!」
 くろがらすさまが羽ばたきながら迫ってくるのが聞こえる。このままではあの凶悪なクチバシが彼女の柔肌を傷つけてしまうだろう。
「それなら……!」
 スピネルは羽音が聞こえる方向に指先を向けると強く祈った。すると、たちまち天から光が降り注ぎ、くろがらすさまの羽根を穿つ。光と光の対決はスピネルに軍配が上がったのだ。

 辺りが再び闇に覆われた頃、スピネルはゆっくりと目を開けた。そこには光によって悪しき心が浄化されたくろがらすさまの姿があったのだ。
「おぉ……人類がここに……」
 くろがらすさまはゆっくりと身体を起こすと目の前の無縁塚を羽根で愛おしそうに撫でながら続ける。
「もしや供養をしに来たのか……?」
 スピネルが来たのは供養をするためでは無い。しかし、ここで違うと答えたらくろがらすさまが悲しんでしまうだろう。心優しい彼女はにっこりと微笑むと頷いた。
「おぉ……人類よ、ありがとう……」

 一人と一羽は心より無縁塚に対して祈ったのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

高柳・源三郎(サポート)
旅芸人一座の座長、それが高柳源三郎じゃ!!(まだ零細なんじゃがな......)。
性格は酔いどれおやじじゃが旅芸人一座の座長なので本番(戦闘)では酔いが殆ど覚めて戦うことが出来るんじゃ。
武器である【不思議なたぬき人形「はな」】【暗殺用たぬき人形「たろう」】を使いまるで踊りや人形劇をするかのう様にユーベルコードを使い戦うのじゃ。時々【竜珠】に封じ込めてある骸魂・八岐大蛇に乗っ取られて暴れて回ってしまうんじゃ。
情報収集は芸をして道行く人の足を止めて人達の噂話を聞けば集められると考えてとるんじゃ。
宴会技能が高いので戦場で宴会をするんじゃ。
口調は(わし、~殿、じゃ、のう、じゃろう、じゃろうか?)です。



「どぉれ、ここが例の無縁墓地とやらかのう。わしが墓地でやることと言ったら一つしか無いじゃろうな」
 旅芸人一座の座長、高柳・源三郎(幕府に目をつけられた旅芸人・f15710)は任地に着くや否や懐から酒を取り出すと、中身を一升枡へとなみなみ注ぎだした。
「久しく誰も訪れておらんかったのじゃろう? わしと一杯やろうじゃないか」
 そう言うと源三郎は一升枡をぐいっと呷りながら右手に握った徳利の先を無縁塚の上へと傾ける。とくとくと流れる酒が墓石の上から下にと染み渡っていった。
「ほれ、皆も呑むが良い。それともわしの酒は飲めないと言うのか? はっはっは」
 次第に酔いが回ってきた源三郎は次々と隣りの墓石に回っては酒を浴びせていく。もうすぐで無縁墓地を一周せんかというその時、彼方から黒くて丸いものがやってきた。
「愚かな人類よ……ここで何をしている……」
 声の主はくろがらすさまだ。怒りに打ち震え、今にも首からぶら下げた勾玉を光らせようとした彼であったが、源三郎はすぐさまそのクチバシに酒を突っ込んだ。
「ぬぐぐ! な、何をするか、愚かな人類!」
「まあまあ、そう怒りなさんな。わしと一緒に宴会をしようじゃあないか。仏さんたちもそう言っておるじゃろう」
「何を愚かなこと……を……?」
 くろがらすさまは己の目を疑った。周囲を見渡すと無縁塚の前に埋葬された人たちの姿が浮かび上がっていたのだ。それが本当に彼らの姿であったのか、それとも酔いが回って見えた幻覚なのかはわからない。しかし、彼らが実に楽しそうに宴会に加わっていたということは確かであった。
「ああ、この日が来ることをどんなに待ち望んだことか……人類よ、一杯貰おうか」
「そう来なくてはのう、ほらほら、一杯と言わず何杯でも飲もうじゃないか」

 浴びるように酒を飲んだ一人と一羽は、墓地の真ん中にある大きな桜の樹を背にぐっすりと眠りについたのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 集団戦 『『幻朧怪狐録』黒天金星の九尾狐』

POW   :    千変万化・天
戦闘力が増加する【様々な武具を装備した『鬼神』の群れ】、飛翔力が増加する【翼を持った『応龍』の群れ 】、驚かせ力が増加する【闇に潜み多様な獣の能力を操る『鵺』の群れ】のいずれかに変身する。
SPD   :    千変万化・地
戦場の地形や壁、元から置かれた物品や建造物を利用して戦うと、【分身できる数と、回避率と、技能名「化術」】の威力と攻撃回数が3倍になる。
WIZ   :    千変万化・人
【レベル×1体に分身し】【相手を油断させる弱者、相手を威圧する強者】【相手を誘惑する美人のいずれかに変身する事】で自身を強化する。攻撃力、防御力、状態異常力のどれを重視するか選べる。
👑11
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「やれやれ、騒がしいのう」
 桜の樹の上で寝ていた声の主は気だるそうに呟くと、ゆっくりと目を開けた。すると、そこには暴走して倒されたくろがらすさまや綺麗に磨き上げられた無縁塚、はたまた埋葬された人たちの霊魂が賑やかに酒宴をしている姿が見えるではないか。彼は笑いをこらえるように身体を震わせると立ち上がった。
「これはこれは……面白い」
 口角を上げた彼はそのまま樹の枝から飛びあがると軽やかに着地した。暗闇に溶け込むような漆黒の毛並みが美しい黒天金星の九尾狐。そう、あの「幻朧怪狐録」に登場するとされている妖狐だ。
 彼が天を仰いで一鳴きするや否や、たちまち中央にそびえたつ桜の樹の枝葉から無数の妖狐が顔を出す。彼らは猟兵の姿を見ると新しい玩具を見つけたかのように目をらんらんと輝かせた。

「最近ここを訪れる者もめっきり減っておってな、我らを退屈させてくれるなよ」
 「やれやれ、騒がしいのう」
 桜の樹の上で寝ていた声の主は気だるそうに呟くと、ゆっくりと目を開けた。すると、そこには暴走して倒されたくろがらすさまや綺麗に磨き上げられた無縁塚、はたまた埋葬された人たちの霊魂が賑やかに酒宴をしている姿が見えるではないか。彼は笑いをこらえるように身体を震わせると立ち上がった。
「ほう、これはこれは……面白い」
 口角を上げた彼はそのまま樹の枝から飛びあがると軽やかに着地した。暗闇に溶け込むような漆黒の毛並みが美しい黒天金星の九尾狐。そう、あの「幻朧怪狐録」に登場するとされている妖狐だ。
 彼が天を仰いで一鳴きするや否や、たちまち中央にそびえたつ桜の樹の枝葉から無数の妖狐が顔を出す。彼らは猟兵の姿を見ると新しい玩具を見つけたかのように目をらんらんと輝かせた。

「最近ここを訪れる者もめっきり減っておってな、我らを退屈させてくれるなよ」
 黒天金星の九尾狐が地を蹴る音が無縁墓地に鳴り響いた。
桜井・乃愛(サポート)
 桜の精のパーラーメイド×咎人殺しの女の子です。
 普段の口調は「元気(私、~さん、だ、だね、だろう、だよね?)」、偉い人には「丁寧(私、あなた、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。

性格は明るく天真爛漫で、少し天然ボケな感じの少女。
一番好きな花は桜で、その他の植物も好き。
強敵にも怖気づく事は少なく、果敢に挑む。
人と話す事も好きなので、アドリブ歓迎。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



「転生? 我をか?」
 艶やかな毛並みを持つ黒天金星の九尾狐はやや自嘲を含んだように笑うと目の前の桜の精に向かって続けた。
「くくく、面白いことを言う……今更転生などしようとは思わぬ。我はあのお方に全てを捧げるまでよ」
「あのお方……?」
 その言葉の意味を測りかねた桜井・乃愛(桜花剣舞・f23024)であったが、今はそれについて深く考える時間はない。九尾狐がすぐさま動き出したからだ。
「さあ、汝も血肉を捧げよ!」
 鋭い爪が乃愛目掛けて振り下ろされるが、彼女はそれを避けると無縁塚の裏へと姿を隠した。このまま闇に紛れて不意を打ち――拒否はされてしまったが、可能ならば転生の儀を行いたい――そう、考えていた。

 しかし、その考えは容易く打ち砕かれたのだ。

「甘いわ、小童!」
 九尾狐の声が辺りに鳴り響いたかと思うと、その姿が九つの唐傘お化けと変化し乃愛を取り囲んだ。唐傘お化けは高く飛びあがると、回転しながら彼女目掛けて襲い来る。並の者であれば恐怖し動けなくなりそうな状況であるが、乃愛は素早くブルーミング・ファイアを右手に構えるとトリガーに力を込めた。
「花のように……咲き乱れて!」
 まるで桜の花びらかのような銃弾が無縁墓地に舞い踊る。いや、あるいは、それはその瞬間、本当に桜の花びらであったのかもしれない。気づけば後には唐傘お化けの残骸が残されていた。

 乃愛は桜のステッキを手に取ると、ゆっくりと唐傘お化けの元へと歩み寄る。唐傘お化けが次第にその姿を変え九尾狐に戻ったのを確認すると、彼女は彼が転生できるようにと強く願った。

 それが無駄であるとわかっていても、乃愛はそうしたのだ。
 何故なら、彼女は桜の精だから。

成功 🔵​🔵​🔴​

花牟礼・桜深(サポート)
桜の精の樹の下の屍体の花嫁×レトロウィザード、20歳の男です。
 普段の口調は、(僕、~さん、だね、だよ、だよね、なのかな? )です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



「おや、どうしたんだい。うんうん、そうなんだね」
 花牟礼・桜深(桜の樹の下・f35453)は足元で鳴く白猫のわらびを抱き上げると、その顎を撫でながら頷いた。そのまま視線を黒天金星の九尾狐に移すと、少し寂しそうな表情を見せて続ける。
「彼はもう転生できないところまで行ってしまっているんだね。それなら僕が出来ることは……おっと」
 桜深はわらびの頭に舞い落ちた桜の花びらを指でつまむと、そっと宙に放った。

 戦いは突如として始まった。桜深の姿を見つけた黒天金星の九尾狐が一気に距離を詰めてその鋭い爪で襲い掛かってきたのだ。しかし、桜深はそれをまるで舞い散る桜の花びらかのように軽やかに躱していく。次第に九尾狐の苛立ちが募っていった。
「この小童め! ならばこれならどうだ!」
 九尾狐は大きく咆哮すると同時に小さな影となって辺りに散る。暗がりの中に散ったそれは、たちまち猫の姿となった。
「おや、これはこれは」
「くくく、果たして汝は猫に攻撃できるかな?」
 周囲の猫たちは大きく跳躍すると桜深目掛けて飛び掛かる。その牙と爪があと少しで届かんとしたその時、辺りに瞬時に桜の花吹雪が舞い散った。
「こ、これは……く……」
 強烈な睡魔が猫たちを襲い、地面へと落下していく。最後の一匹が何とか抗おうとするが、先ほど桜深がわらびから放った花びらがその頭に乗ると、途端に眠りについた。
「うんうん、寝ている猫は良いよね。なんでもその名前の由来は眠るのを好むから来ているとか……」
 そこまで言うと桜深は抱き上げていたわらびが寝息を立てているのに気づいた。きっと抱えられていることで安心しきっていたのだろう。

 桜深は、いつまでもわらびを撫で続けるのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

虚偽・うつろぎ(サポート)
世界問わず大歓迎
世界を超えて自爆活動さ
アドリブ連携等ご自由に

登場即自爆
自爆できれば台詞も活躍もいらぬ!
速攻で自爆することが最優先
1歩も動かず即自爆
そう、自爆だ
僕に自爆をさせるんだ!
僕もろとも鏖殺だ
これぞ鏖殺領域なり

ただ自爆するためだけに現れる存在
何かいきなり自爆する怪奇現象
もはや災害である

技能:捨て身の一撃を用いての
メッサツモードによる高威力な広範囲無差別自爆

射程範囲内に敵が1体でもいれば速攻で自爆
自爆することが最重要
なので敵がいなくても自爆するよ
大事なのは自爆までのスピード
有無言わせぬスピードで自爆する
これ最重要だね

捨て身の一撃なので自爆は1回のみ
1回限りの大爆発
自爆後は爆発四散して戦闘不能



「うつろぎ式ぃぃぃいいい!」
 凄まじい叫び声と共に虚偽・うつろぎ(名状しやすきもの・f01139)が駆ける、駆ける。彼は転送されるや否や、何の迷いもなく黒天金星の九尾狐へと走り出したのだ。言うまでも無いが、その大音声に九尾狐は思わず振り向いた。
「切宮殺戮術!」
 うつろぎがそのタール状の身体を変形させながら迫って来る。ある時は上半身ムキムキの人型に、ある時はブロック状に、ある時は可愛い書体状に。それを見た九尾狐は瞬時に悟った。この猟兵は「危険」だ、と。
「――千変万化、木の葉の術」
 九尾狐の姿が一瞬で消え失せ、無数の葉っぱへと変化した。九尾狐は彼と直接戦うことを避け、回避することに専念しようとしたのだ。木の葉は攻撃しようとしてもヒラリヒラリとそのすべてを躱す、そう考えての変化であった。
「一爆鏖殺!」
 しかし、うつろぎは止まらない。無数の木の葉に変化した九尾狐の真っ只中へと駆けこむと途端に膨れ上がり始める。九尾狐の緊張が最高潮まで達したその時、それまで絶え間なく動き続けてきたうつろぎは制止すると爽やかに呟いた。
「これが僕の鏖殺領域さ」

 ――刹那。

 凄まじい爆風がうつろぎの中心から放たれた。如何に攻撃を躱す木の葉と言えど、全てを吹き飛ばす爆発に耐えられるはずも無い。後には塵一つ残らなかった。

 無論、自爆したうつろぎ自身も四散している。
 だが、それで良い。それこそ彼の矜持なのだ。

成功 🔵​🔵​🔴​

七詩野・兵衛(サポート)
『アルダワ魔法学園応援団『轟嵐会』団長 七詩野兵衛である!』
アドリブ他の猟兵との絡みカオス?も歓迎
見方によってはギャグキャラ化する

 怪我は厭わず積極的に行動する。むろん各種技能は使うが。
何らかの事情で必要がある場合以外は、
他の猟兵に迷惑をかける行為や公序良俗に反する行動はしない。

 我輩の応援は森羅万象の全てが鼓舞する対象だ!
それは巻き込まれた一般人から士気の足りぬ兵達。
たとえ枯れ果てた森だろうと、
無念にも死んだ者達の魂や死体であろうとも!
我輩の迸る『気合い』と滾る『情熱』で
ありとあらゆるものを鼓舞するのだッ!
(というある種の狂人?らしきもの)

だが、意外と常識的に考えて普通に戦闘をする事もある。



 時刻は丑三つ時、漆黒の帳に覆われた無縁墓地の中央に怪しく光る桜の大樹の前に一人の猟兵がいた。彼は背筋をピンと伸ばし、両手を背中で組むと、大きな声で名乗りを上げた。
「我輩の名は七詩野・兵衛(空を舞う熱血応援団長・f08445)! アルダワ魔法学園応援団『轟嵐会』団長である! いざ、尋常に勝負願いたい!」
 周囲の空気が震えるほどの気迫溢れる声が響き渡る。一瞬の静寂が訪れたと思うと、大樹から黒天金星の九尾狐が舞い降りて兵衛の前に立ち塞がった。
「くくく……応援団と言ったか、小童? 応援すべき相手もいない汝に何ができようか」
 九尾狐はからかうような口調で挑発するが、兵衛は全く意に介さず姿勢を崩さない。
「ふん、つまらん。一瞬だ、一瞬で終わらせてやろう」
 あまりにも兵衛が動じないことで興を削がれたのだろう。そう吐き捨てると九尾狐の尻尾が様々な武具を纏った鬼神へと変化していった。一体だけでも猟兵に立ち向かえる程の戦闘力を持つ鬼神が合計九体。普通に考えれば絶体絶命の状況であるが、兵衛は大きく息を吸うと誰もが想像しなかった応援を開始した。
「フレーッ! フレーッ! わ・が・は・い! フレッ! フレッ! 我輩! フレッ! フレッ! 我輩ー!」
 その瞬間、兵衛から凄まじい気合と情熱のオーラがほとばしる。そのあまりに強烈な熱気に、鬼神の一人が膝を突いた。
「押忍ッ! 七詩野兵衛、参るッ!!」
 気迫溢れる宣言に二人の鬼神が気を失う。あっと言う間に三人の鬼神を無力化した兵衛は地を蹴ると一瞬にして敵の群れへと飛び込んだ。
「この小童が!」
 全力で武器を振るおうとする鬼神たちであったが、兵衛が出す爆発的な熱気に押されて上手くいかない。それどころか、気づけば兵衛の攻撃を一方的に受けていた。
「これが我輩の応援道の極みじゃぁーーー!」
 気合と共に燃え盛る拳の一撃が鬼神たち目掛けて放たれる。漆黒の帳で覆われていた無縁墓地が一瞬、真昼間かのように明るく輝いた。

 再び辺りが静寂で静まり返ったその時、そこに立っていたのは兵衛ただ一人だけであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ラムダ・ツァオ(サポート)
ラムダよ、よろしく。
戦闘なら足と手数で勝負するけど、周りに合わせて臨機応変に動くわ。
見切ったり残像を残すように動いたりと、避けるのには多少の自信があるわよ。
集団戦なら死角を減らすために数を減らすのが先決、
あとは一緒に戦う人がいればその人次第かしら。

行動指針としては以下の3通りが主。
1.味方の死角にいる敵を優先して片付ける。
2.範囲攻撃を行なえる味方がいなければ範囲攻撃優先。
3.数を減らすため、止めをさせそうな相手を狙っていく。

台詞回しや立ち位置などは無理のない範囲でご随意に。
ユーベルコードは状況に応じて使い分けます。
アドリブ・連携歓迎



「あなたたちが立ちはだかるのは何故なの? ただ面白いと思ったから? それとも何かを守ろうとしているの?」
 身軽な黒い衣装に身を包みながら黒天金星の九尾狐に問いかけたのはエルフのラムダ・ツァオ(影・f00001)であった。これまでよく喋り、場合によっては対話することもあった九尾狐だが、何故か彼女のこの問いにはすぐさま応じずに押し黙る。
「あら、もしかして聞かれたくないことだった?」
「ふん……その良く回る口を黙らせてやろう」
 九尾狐は地面を蹴るとその鋭い爪を振り下ろした。ラムダは身体を回転させるようにそれを躱すと大きく跳躍し、あっと言う間に九尾狐の背後を取るとその耳に口を近づけて囁く。
「本当は『あのお方』に私たちを近づけたくない――そうでしょ?」
 その言葉を聞いた九尾狐は目を大きく見開くと振り返りざまに牙を剥いた。しかし、既にそこにラムダの姿は無い。九尾狐は苛立ちを隠そうともせずに吼えた。
「この小童が! どこでそれを……!」
「あなたのお仲間が他の猟兵と喋ってるのをちょっと聞いてたんだけど、図星だったみたいね」
「黙れ黙れ!」
 九尾狐は九体に分身すると、周囲の無縁塚や樹の裏へと身を隠した。誰か一体を狙ってラムダが姿を現せば、残りの八体が死角から襲うという算段だ。

 不気味なほどの静寂が無縁墓地を襲う。
 何も聞こえない、木の葉が擦れる音すらも。

 どれほど経っただろう。その静寂を先に破ったのはラムダであった。何と、彼女は不意に桜の樹の前に現れたのだ。
「くくく、ついに痺れを切らしたか! 所詮は小童よ!」
 ありとあらゆる場所から九尾狐が飛び出し、瞬時に彼女目掛けて跳躍する。ラムダが上を見ると、そこには月が見えなくなるほど九尾狐で埋まった空が見えた。
「――痺れを切らしたのは、あなたたちよ」
 彼女が左手を掲げると同時に、わずかな月明りがその手に握られた短剣の刀身を照らし出した。そこには今にも爪を振り下ろさんとする九尾狐の姿がはっきりと映っている。
 勝利を確信していた九尾狐が大きく飛び退いたのはその直後であった。彼は信じられないものを見るような表情でラムダの目の前に現れた者の顔を見ている。

 紅の着物に身を包んだ年若き少女の幻影。

 完全に委縮し、身動きが取れない九尾狐を見ながらラムダは考えていた。どこかで彼女を見たことある。
「まさか……」
 今回の任に就くにあたってラムダはこの無縁塚周辺で起きた様々な事件を調べていた。その中の一つに行方不明となった少女の事件があったのだが――彼女はその人相書きと瓜二つなのだ。
「どういうことなの……?」
 少女の幻影は考え込むラムダを見ると、微笑んだ後にその姿を消した。

 あるいは、それは幻影では無かったのかもしれない。

成功 🔵​🔵​🔴​

シャイニー・デュール(サポート)
『拙者は剣士でござります故!』
ウォーマシンの剣豪×クロムキャバリアです

真面目な性格ですが勘違いや空回りも多く、かつ自分がズレているという自覚もありません
正々堂々とした戦い方を好みますが、それに拘泥して戦況を悪化させたりはしません

ユーベルコードは所持する物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません
公序良俗に反する行為は(そういう依頼でない限り)しません

サムライというものに憧れていますが、正しい知識はありません
銃を使うことを嫌っているわけではなく、必要に応じて刀と内蔵兵器を使い分けます
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!


七星・桜華(サポート)
『天魔御剣流免許皆伝、だからこそ更なる高みへと。』
『一か八かの勝負?そんな事しなくても私達の勝ちだね!!』
『勝った後は派手に騒ぐんだ!誰一人として倒れないようにね!!』
敵の数が多い場合は敵の強さで一体づつ倒すか複数を纏めて狙うかを第六感や野生の勘と言われる直感で即決する、また見切りの速さも早い。
闘う姿は舞っているかの動きで敵を魅了する、上空の敵が相手でも空中戦もできる。
攻守において残像を使い殺気や覇気が残像にまで残る程の濃密加減。
頑丈な敵が相手でも鎧等を無視した内部破壊系攻撃を当たり前のように使いこなす。
長期戦になっても敵の消耗と自身の回復に生命力を吸収して凌ぐ。
戦闘では先の先、後の先問わず。



「刀を愛する者との共闘! 拙者、気分が高揚してきたでござります!」
 腰の刀に手を掛けながら楽しそうに話しているのは少女型機械人形のシャイニー・デュール(シャイニングサムライ・f00386)だ。サムライに憧れている彼女にとって、刀を扱う者と轡を並べて戦えるのは特別なことなのかもしれない。
「気分がアガるのは構わないけど、油断するんじゃないよ。既に囲まれてるみたいだからね」
 煙管を手にしながら応じたのは天魔流免許皆伝の七星・桜華(深紅の天魔流免許皆伝・f00653)だ。紫煙をくゆらせながらも、その目は鋭く前方の茂みを見据えている。
「くくく……姿を隠して挨拶しようとしたのは非礼であったな。詫びさせて頂こう」
 そう言いながら茂みから歩み出したのは大きな十文字槍を掲げた鬼神であった。さらに後方から刀を構えた鬼神、大太刀を携えた鬼神、そして大弓を構えた鬼神がゆらりと姿を現すのが見える。

「ふん、化け術かい」
 桜華は全く動じずに鬼神たちを一瞥すると、次の瞬間には駆け出していた。シャイニーも刀を抜き放つと瞬時にその後についていく。二人の判断の早さに、鬼神たちは明らかに動揺した様子であった。シャイニーはその隙を逃さず、最も前に出ていた十文字槍の鬼神目掛けて刀を振り下ろす。
「貰ったであります!」
「くっ! 小童が……!」
 間一髪のところで白刃を受け止めた鬼神に対してシャイニーは全身の力を込めた。しかし、さすがは鬼神と言ったところであろうか。思いのほか十文字槍を押し込むことは出来ず、それどころか徐々に押し返され始めた。
「歯ぁ食いしばって踏ん張りな!」
 叱咤とも激励とも取れる声が上空から降ってきたかと思うと、桜華が空から舞い降りてシャイニーの目の前の鬼神の頭を踏みつけ、更に跳躍した。彼女はそのまま最後方で大弓を構えていた鬼神を切り伏せると、流れるような動きで大太刀の鬼神へと打ちかかる。
「す、凄いであります……」
 思わず見とれてしまったシャイニーであったが、その隙を鬼神が逃すはずも無い。瞬時に込められた力に対応できずに転倒してしまった。
「くたばるがいい!」
 高く掲げられた十文字槍がシャイニー目掛けて突き進もうとするその瞬間、彼女の腕から複数の銃口が飛び出して一気に弾丸を射出する。不意を打たれた鬼神は舌打ちをすると、そのまま後方に飛び退いた。
「ちっ、面妖な武器を持っておる……」
「当たりませぬか……」
 シャイニーと鬼神は改めて武器を構えるとじりじりとその距離を詰め始める。一進一退の攻防が再び始まろうとしていた。

「捉えた!」
 桜華の覇気がこもった声が辺りに木霊する。彼女が刀を鞘に納めると同時に、鬼神は大太刀ごと真っ二つとなった。
「おのれっ……!」
 ほんのわずかな時間で二人が倒されたのを目の当たりにした刀遣いの鬼神は、踵を返すと一気に駆け出した。その向かい先はシャイニーと十文字槍の鬼神がいる方向――恐らく彼は勝ち目の無い一対一の状況より二対二の混戦を望んでいるのだろう。
 しかし、そんな彼の望みは果たされることは無かった。
「私に背を向けて生きてられると思ったかい!」
「ひぃ!」
 あっと言う間に追いつかれて慌てた鬼神は刀を大上段に構え、破れかぶれで振り下ろす。桜華は鋭く小さく息を吐くと、刀の柄を握る手に力を込めた。次の瞬間、白刃が鞘を擦る音だけが辺りを支配し、その場には両断された鬼神の姿だけが残されたのであった。

「さっきまでの威勢はどうした? 小童」
「くぅ……!」
 十文字槍がシャイニーの真横を唸るように通過する。何とか穂先を躱した彼女であったが、枝刃が光沢のある黒いスキンフィルムを切り裂き、その下にあるボディを露出させる。これでもう十二回目の被弾だ。
「くっくっく、頭を垂れれば許してやろう。我は寛大だからな」
 鬼神は槍を頭の上で回転させながら愉悦の表情でそう言った。しかし、シャイニーは相手の目を見据えると辺りの空気が震えるほどの大声を張り上げる。
「嫌であります! 拙者は絶対に諦めませぬ! 何故なら拙者は剣士でござります故!」
「ふん……後悔しても遅いぞ!」
 無情にも十文字槍が頭上目掛けて振り下ろされる。何とか受け止めなくては、でも腕が上がらない。シャイニーは思わず目を瞑った。

「……?」
 生きている。どういうことなのかとゆっくりと目を開けると、そこには十文字槍を刀で受け止めた桜華の背中が見えた。
「よく踏ん張った。あとは私に任せな!」
「桜華殿、待ってくださいであります!」
「うん?」
 予想外の制止に桜華の腕が止まる。しばらく刀と十文字槍が擦れる音だけが鳴り響いた後、シャイニーが口を開いた。
「桜華殿は三体もの鬼神を屠られた……残る一体も倒されてしまっては、剣士の恥でござります!」
「……なるほど」
 すべてを悟った桜華は力を込めて十文字槍を押し返すと、そのまま刀を鞘に納めてシャイニーの後ろへと控えた。シャイニーは彼女に一礼すると改めて無銘の刀を構えなおす。
「小童風情がいきがりおって! 地獄へ送ってやる!」
 仕留めそこなった怒りからだろうか。鬼神は怒号を巻き散らしながら十文字槍を腰だめに構えると、その巨躯ごと突撃を開始した。

 ぐんぐんと迫る槍の穂先、刀を握る手に力が入らない。
 迫りくる鬼神の足音、地面を支える足が震える。
 空気が揺れる感触、桜華が刀の柄に手を掛ける。

 正にその瞬間――シャイニーが吼えた。

「捉えたであります!」
 彼女の覇気がこもった声が辺りに木霊する。鋭く振るった無銘刀が槍の穂先を斜めに切り落とし、そのまま返す刀で鬼神の身体を鎧ごと両断した。鬼神は勝利を確信した顔つきのまま、恐らく自分が斬られたことにも気が付かず地に倒れ伏した。

「やるじゃないか!」
 刀の柄から手を離した桜華が拍手をしながらシャイニーへと駆け寄る。その姿を見たシャイニーは思わず仰向けに倒れ込んだ。露出した内部の機械が痛々しいが、彼女は間違いなく鬼神に勝ったのだ。
「まさか本体を一人で倒しちまうとはねぇ!」
「……え?」
 良くわからないといった表情のシャイニーを見ると、桜華は思わず笑ってしまった。
「あっはっは! 何も知らないで戦ってたのかい? あれを見てみな」
 桜華の指差した方を見ると、自分と対峙していた鬼神がいたところに黒天金星の九尾狐の身体が転がっている。桜華が倒した鬼神の場所にはその尻尾が残っていた。
「まったく大した奴……いや、大したサムライだよ、アンタは」

 大したサムライ。
 その言葉を聞いたシャイニーは満面の笑みを浮かべたのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第3章 ボス戦 『影朧桜『成体』』

POW   :    影朧桜『挿木』
命中した【枝 】の【先端】が【根を張り急速に成長するよう】に変形し、対象に突き刺さって抜けなくなる。
SPD   :    影朧桜『大樹』
全身を【殺傷性の高い葉や花びらをばらまく桜の大樹】に変える。あらゆる攻撃に対しほぼ無敵になるが、自身は全く動けない。
WIZ   :    影朧桜『満開』
戦場に、自分や仲間が取得した🔴と同数の【幼体(桜色のアメーバで群体) 】を召喚し、その【妖艶な美しさと物理的接触】によって敵全員の戦闘力を減らす。
👑11
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「アラアラ、私のカワイイ狐チャンに何の恨みがあるのカシラ」
 最後の黒天金星の九尾狐を倒し、全てが終わったと思った猟兵たちの背後から透き通るような少女の声が聞こえてきた。紅の着物に身を包んだ彼女は、桜の枝をまるで神主がお祓いをするかのように振った後に首を傾げると呟く。
「おかしいワネ。みんな『還って』こないワ。血が足りないノカ……もしくはアナタたちのせいカシラ?」
 少女は桜の枝を袂にいれると、猟兵たちに笑顔を向けて続ける。
「ゴメンナサイ、少し血を頂くワ」

 いつしか墓地の中央に高くそびえていた桜の大樹が無くなっていた。
パルピ・ペルポル(サポート)
名乗るときにはフルネーム。

ユーベルコードは指定した物をどれでも使用。
基本は隠密行動。
空中に雨紡ぎの風糸を張り巡らせて攻守両方に利用し、敵の行動を阻害したところに穢れを知らぬ薔薇の蕾を併用して行動を封じる、もしくはそのまま糸で切り裂くのが主な攻撃方法。
もしくは徳用折り紙で作成した折り鶴を筆頭に折り紙動物たちをけしかけてのかく乱兼攻撃を行う。
敵UCは古竜の骨のマン・ゴーシュで受け流す。

他の猟兵に迷惑をかける行為はしない。
好奇心旺盛ではあるが、行動は慎重。
お宝は勿論素材になりそうな物も出来る限り確保しエプロンのポケットに格納する。
もふもふは抵抗できないよう拘束してもふる。

アドリブはご自由に。


ノラ・ネコカブリ
突然湧いて出てきて
「ここは任せるのら!」と前に出て、何のダメージにもならなさそうな攻撃をします。
もしダメージが入ったら、自分も痛そうにして帰っていきます。
ダメージが入ってなかったら「強敵なのら、みんな気を付けるのら!」といって撤退します。
逃げれなかったら、誰かの後ろに隠れたり、器物の後ろに隠れたりします。

引き立て役や、ギャグ落ちや、成功度が足りなさそうなときにどうぞ。
周りの迷惑になる行為、良俗に違反するような行為はしません。
非戦闘員なりに頑張ってる風に描いていただけたら嬉しいです。



「お宝を頂くのは好きだけど、あげるのは別に好きじゃないのよねぇ……ましてや血なんてね!」
 小さく可愛らしいフェアリーのパルピ・ペルポル(見た目詐欺が否定できない・f06499)はそう言うと、自身の体躯ほどもあるマン・ゴーシュを構えて見せた。その行為を拒絶と感じたのだろうか、紅の着物を纏った少女は悲しそうな顔をすると手に持った桜の枝を地面に突き刺して俯いた。

「……動かないわね」
 予想外であった。小さな身体で真正面からマン・ゴーシュを構えて見せたのは敵の油断を誘う罠、少女が少しでも動けばパルピが仕掛けた雨紡ぎの風糸がその身体を拘束するはずだったのだ。
 だが、動かない。少女は身じろぎ一つしない。並の猟兵であれば焦れて攻撃を仕掛けてしまうところであるが、慎重派として知られているパルピは冷静に様子を窺っていた。
「ふふん、そちらがその気ならこちらにも考えがあるよ。嫌でも動かしてあげる」
 小さな手で器用に折り鶴を折りだしたその時、背後の茂みから突如影が飛び出した。それはパルピの頭上を飛び越えると、紅の着物の少女目掛けて一直線に駆け出す。
「ここは任せるのら!」
 声の正体はノラ・ネコカブリ(ダークエルフの眠りの歌い手・f35214)であった。彼はそのまま一気に距離を詰めると、少女目掛けて何度も握り拳を浴びせ続け始める。
「のらのらのらのらのらのらのらのらのらッ!」
 目にも止まらぬ連撃、わずかに揺れるだけの少女の着物、困惑の表情を浮かべるパルピ。
「のらァッ!!!」
 パンチが効かないと見たノラは身体を翻すと、跳躍しながら鋭い蹴りを放った。周囲の空気が震えるような凄まじい音が鳴り響き、樹々がざわめく。
「や、やったの!?」
 思わず身を乗り出すパルピであったが、舞い上がった土煙が収まったそこに見えたのは足を抱えてぴょんぴょんと飛び跳ねるノラと全く動かない少女の姿であった。
「今の音はなんだったのよ……」
「ま、まだなのら! 次こそが僕の本気の一撃なのらッ!」
 頭を振りかぶって頭突きを仕掛けようとしているノラを呆れ顔で見ていたパルピであったが、その顔つきがみるみる変わっていった。次の瞬間、彼女は手にしていた折り鶴を投げ捨てると弾けるように飛び出し、ノラの前に立ちはだかる。
「思い通りになんてさせないんだから!」
 彼女の掛け声と共に周囲に数多のマン・ゴーシュが現れる。それは突如降りかかってきた鋭い葉や花びらを払い落していった。その隙にパルピはノラを促して後退する。
「ど、ど、どういうことなのら!?」
「……見なさい。少女だった『物』を」
 ノラの視線の先には無縁墓地を覆い尽くすかのような桜の大樹が生えていた。その下は鋭く刺さった葉や花びらで埋め尽くされている、唯一パルピのマン・ゴーシュが受け流していた場所を除いて。
「な、なんて強敵なのら……気を付けるのら!」
「もう! わたしは最初から気を付けてるっての! 大体、アンタね……!」
 パルピが文句を言おうとしたその時、耳をつんざくような轟音が鳴り響いた。思わず振り向くと、先ほどまでパルピがいた場所から太い大樹の枝が飛び出している。その先端は彼女が投げ捨てた折り鶴を貫いていた。
「アラアラ、あともうちょっとで血を頂けマシタノニ」
 少女は動いていなかったのではない。地面に突き刺した桜の枝でパルピを狙っていたのだ。ノラにそのつもりがあったかどうかはともかく、結果として彼女は彼に救われた形になる。
「その……あ、ありがと」
「こちらこそありがとなのら! さあ、改めてやっつけてやるのら!」
「……って、なんでわたしの後ろに隠れてるのよ! フェアリーの後ろに隠れるなんて信じられない!」

 二人の様子を見ていた桜の大樹の花びらが少し揺れた。
 まるで紅の着物の少女がくすりと笑ったかのように。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

厳・範(サポート)
長年の修行で誘惑に強いお爺です。
食べ物に制限はありません。
話し方は古風です。

亡き親友との約束(世界を守る)で、封神武侠界のみで活動していましたが、『仁獣』性質と親友の幻影の後押しで決意し、他世界でも活動し始めました。
「放っておけぬのよ」

動きとしては、主にサポートに回ります。
【使令法:~】では、麻雀牌を利用して、対象生物を呼び出します。
【豹貓】は睡魔を呼ぶ、【胡蜂】は恨みの毒(理由は秘密の設定にて)という感じです。

また、半人半獣もしくは本性の麒麟形態だと、背に人を乗せることがあります。

なお、武侠の血が騒ぐと足技が出ます。

依頼達成のためとはいえ公序良俗に反する行為はしません。
あとはお任せします。


エジィルビーナ・ライアドノルト(サポート)
 私はエジィルビーナ、エジィでもルビーでも好きに呼んでくれていいよ。
困ってる人がいるなら助けたいし、倒さなくちゃならない強い敵がいるなら全力で立ち向かわなきゃ。全力で頑張るからね!
実は近接戦闘以外はあんまり得意じゃないんだけど……あっ、畑仕事ならチェリから教えてもらったから、少しはわかるよ!
力仕事はそんなに得意じゃないけど、足りない分は気合と根性でカバーするから任せといて!


ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!


四条・眠斗(サポート)
ぅゅ……くぅ~……あらぁ?
いつの間にか始まってましたかぁ~?
さっさと事件を解決しないとぉ、安心してもうひと眠りできませんからねぇ~。
ユーベルコードは出し惜しみしても仕方ありませんからぁ、
一気に片づけるつもりでやっちゃいましょう~。
案ずるより産むがやすしともいいますしぃ、躊躇うよりはいいですよねぇ~?
こう見えてもぉ、腕には少し自信があるのですよぉ~。
それにぃ、様子を見てる間にまた眠くなっちゃっても困っちゃいますしぃ。
荒事じゃなくてぇ、楽しいことならめいっぱい楽しんじゃいましょう~。
のんびりできるところとかぁ、動物さんがたくさんいるところなんか素敵ですよねぇ~。
※アドリブ・絡み歓迎



「貴方たちハどうして私ヲ拒絶するのカシラ」
 紅の着物を纏った少女が歩き出した。その表情は寂し気な、それでいて薄らと笑みを含んだものであった。
「血を分けて頂きたいだけナノニ」
 少女が歩く先には白く透き通るような肌の猟兵がいた。彼女の名は四条・眠斗(白雪の眠り姫・f37257)。可愛らしい見た目に反して怪力の持ち主の教師見習いであるが、授業中以外はほぼ寝ていることで有名である。
「ぅゅ……くぅ……」
 言うまでも無いことだが今は授業中ではない。茂みの中ですっかりうたた寝を始めてしまった眠斗のすぐ近くまで少女が迫る。
「貴方はハ私ヲ受け入れてくれるカシラ?」
 そう言うと少女は先端が鋭く尖った枝を逆手に持つと、勢いよく彼女の白い首筋目掛けて振り下ろした。

「そうはさせないっ!」

 枝が眠斗を貫かんとしたその瞬間、黒麒麟と化した厳・範(老當益壮・f32809)に乗ったエジィルビーナ・ライアドノルト(シールドスピアの天誓騎士・f39095)が颯爽と現れた。彼女はそのまま飛び上がると、勢いそのままに紅の着物の少女目掛けて体当たりをする。
「ウッ……」
 凄まじい衝撃と共に紅の着物の少女は地面に叩きつけられた。勢い余ったエジィルビーナも派手に地面を転がり、同時に何かが懐から零れ落ちる。しかし、彼女はそれに気づかなかった。

「ぅゅ……あらぁ?」
 眠斗がゆっくりと目を開く。彼女は大きく伸びをすると自分を守るように立ちはだかる厳範の背中に気づき、声を掛けた。
「おはようございますぅ~、もしかしてもう始まってましたかぁ~?」
「うむ、見ての通りだ」
 厳範の視線の先を覗くと、仰向けになった少女に馬乗りになっているエジィルビーナの姿が見えた。彼女の声がここからでもとてもよく聞こえる。
「キミの思い通りにはさせないよ! 皆、私が守ってみせるからっ!」
 このエジィルビーナの言葉を聞くや否や、それまで淡々と話していた少女が押し黙った。
「む……?」
 厳範が眉をひそめたその瞬間、少女が目を見開く。

「私ダッテ、守ってみせるカラッ!!!」

 それは無縁墓地全体を貫くような凄まじい声だった。周囲の空気がびりびりと震え、三人の身体を襲う。同時に少女の身体から複数の桜の樹の枝が生え、その鋭い先端が馬乗りになっているエジィルビーナの方を向いた。
「いかんっ!」
 厳範は再び己を黒麒麟へと転変させると地を蹴った。そのままエジィルビーナの上衣のフードを咥えて自身の背中へと放り投げると、一陣の風のように駆け抜ける。
「逃ガサナイッ!」
 少女が叫ぶと厳範の目の前の土から桜色のアメーバ状の幼体が二人姿を現した。それは紅の着物の少女を象り、駆ける厳範の脚に腕を絡め機動力を削ぐ。
「む、面妖な」
 振り払おうとするがアメーバ状の身体は纏わりついて離れない。そうこうしている内に背後から少女の枝がぐんぐんと迫って来る。
「いかん、このままでは……!」
「さぁ、みなさんいらっしゃぁ~い」
 厳範が枝に追いつかれんとしたその時、眠斗が両腕を大きく広げた。途端に猛烈な吹雪が吹き荒び、厳範の身体に厚い雪だるまのアーマーが形成される。見た目に反して硬質なそれは見事に枝を防いでみせた。
「見て! 幼体が凍っているよ!」
 背中のエジィルビーナに促されて足元を見ると、先ほどまでしつこく纏わりついていたアメーバが凍結していた。エジィルビーナがシールドスピアで幼体を貫くと、それは音も無く割れて消え失せる。
「オノレッ……!」
 万策尽きたと思われたが少女は諦めていなかった。枝の先端が突如向きを変えて鋭く伸びる。その先にいるのは眠斗だ。
「しまった、間に合わぬっ!」
 如何に黒麒麟であっても、もはや追い越せる距離ではない。それでもエジィルビーナが、厳範が、眠斗が、それぞれ諦めずに動き出したその時、奇跡が起きた。

「ウグッ!?」

 枝の先端が眠斗の額に触れ、そこで止まる。まるで何かに引っ張られ、縛り上げられているかのように。

「何ガ起きタ……!?」

 己の枝に視線を走らせる少女。するとそこには雪の中から飛び出した攻性植物の蔓状の腕ががんじがらめになっていたのだ。
「あれは……私の……」
 慌てて自身の懐を探るエジィルビーナ、するとそこには本来あるはずのスーパーライフベリーが無かった。先ほど少女に体当たりを敢行した時に零れ落ちたのは、正にそれだったのだ。
「厳範さん……このまま駆けてっ!」
「承知した!」

 厳範が駆ける、駆ける。雪上を黒麒麟が駆ける。
 それはさながら、雲の上を駆ける雷鳴のようであった。

「眠斗の力をぉ~お貸ししますねぇ~」

 エジィルビーナのシールドスピアに冷気が集まる。
 それはさながら、一本の鋭いツララのようであった。

「時に守って、時に守られて……それがボクたちの戦い方だぁー!」

 あっと言う間に迫ったエジィルビーナが得物を少女の胸に突き立てる。
 それはさながら、彼女が憧れたあの時の旅の騎士のようであった。

「クッ……こんな、はずデハッ……!」

 紅の着物の少女から血飛沫が上がり、雪上にと散る。
 それはさながら、散りゆく桜の花びらのようであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

ティエル・ティエリエル(サポート)
◆キャラ特徴
ボクっ娘で天真爛漫、お転婆なフェアリーのお姫様です。
王家に伝わる細身のレイピアを使った空中からのヒット&アウェイで戦うのが得意な女の子です。
・冒険大好きお姫様
・珍しいものにも興味津々
・ノブレス・オブリージュの精神で弱者を放っておけないよ
・ドヤ顔がよく似合う
・困ったら動物さんに協力を!

◆戦闘方法
・背中の翅で羽ばたいて「空中戦」や「空中浮遊」で空から攻撃するよ
・レイピアに風を纏わせて「属性攻撃」でチクチクするよ
・対空攻撃が激しそうなら【ライオンライド】
・レイピアでの攻撃が効かない敵には【お姫様ビーム】でどかーんと攻撃


筒石・トオル(サポート)
「邪魔をしないでくれるかな」
「油断大敵ってね」
「ここは任せて」
正面切って戦うよりも、敵の動きを封じたり、属性防御を固めて盾や囮となったり、味方が倒し切れなかった敵にトドメを刺して確実に倒すなど、味方の安全性を高めるように動く。
ユーベルコード使用はお任せ。
使用しない場合は、熱線銃での援護射撃を主に行う。
人見知りではあるが人嫌いではないし、味方が傷付くのは凄く嫌。
戦うのも本当は好きではないが、誰かを守る為には戦う。
もふもふに弱い。敵がもふもふだと気が緩みがちになるが、仕事はきちんと行う……ホントだよ?


ミーヤ・ロロルド(サポート)
『ご飯をくれる人には、悪い人はいないのにゃ!』
楽しいお祭りやイベント、面白そうな所に野生の勘発動させてくるのにゃ!
UCは、ショータイムの方が使うのが多いのにゃ。でもおやつのUCも使ってみたいのにゃ。
戦いの時は得意のSPDで、ジャンプや早業で、相手を翻弄させる戦い方が好きなのにゃよ。

口調だけど、基本は文末に「にゃ」が多いのにゃ。たまににゃよとか、にゃんねとかを使うのにゃ。

食べるの大好きにゃ! 食べるシナリオなら、大食い使って、沢山食べたいのにゃ♪ でも、極端に辛すぎたり、見るからに虫とかゲテモノは……泣いちゃうのにゃ。
皆と楽しく参加できると嬉しいのにゃ☆

※アドリブ、絡み大歓迎♪ エッチはNGで。



「コレ以上……血ヲ流すワケにはイカナイ……!」
 溢れ出る血を手で必死に押し留めながら少女が立ち上がる。
「血ヲ……血ヲ寄越セ……!」
 虚ろな目が左右に泳ぎ、何かを捉えた。そこにいたのは彼女に止めを刺すべく現れた三人の猟兵であったのだが――当然、少女はそう考えない。

「私ノ血……!」

 血塗れの手が桜の枝を掴む。途端に枝が大鎌と化し、少女が地を蹴った。それを見た筒石・トオル(多重人格者のマジックナイト・f04677)はルーンソードに炎を纏わせると一歩前へと出て静かに構える。
「私ノ血ィイイイイイ!」
「ここは任せて」
 叫び声と共に振り下ろされた大鎌を、トオルが冷静にルーンソードで受け止める。刀身の炎が桜の枝で出来た大鎌に燃え移る様子を、眼鏡の奥の黒い瞳がじっと見つめていた。
「このままいけば燃やし尽くせるはず」
 大鎌が燃え尽きれば少女を無力化できる、そう考えての策であった。しかし、少女の大鎌は激しく燃え盛りながらも焼け落ちる気配は無い。それどころか、その身体のどこにそんな力があるのかという勢いでルーンソードを押し返し始めた。
「……やってくれるね」
「どうやらボクの出番のようだね!」
 あわや押し負けるかという状況になるや否や、トオルの後ろから小さな可愛らしいフェアリーのティエル・ティエリエル(おてんば妖精姫・f01244)が飛び出した。その手には風鳴りのするレイピアが握られている。
「いっけー!」
 風を纏ったレイピアが大鎌を一突きすると、炎が更に大きく膨れ上がった。送りこまれた酸素が更なる燃焼の手助けとなったのだろう。流石の大鎌も徐々に炭化し、その形状が崩れ始める。
「ふふん、やっぱりボクって凄いね♪」
 思わずドヤ顔になるティエル。しかし、その瞬間に生じた隙を紅の着物の少女は見逃してくれなかった。彼女は鎌の切っ先をティエルに向けると、ルーンソードの上を滑らせるように振り切ったのだ。
「えっ?」
 ティエルがそれに気づいたのは、その熱気が首筋まで迫った時であった。

 紅の着物の少女の鎌が燃え尽き、灰となって地に落ちる。同時に何かが地面へと落ちる音がし、トオルがそちらを見た。
「なんとなーく……ティエルさんを狙ってる気がしたのにゃ、良かったにゃ!」
 そこにはティエルを抱えて倒れ込んだミーヤ・ロロルド(にゃんにゃん元気っ娘・f13185)の姿があった。もし彼女の野生の勘とジャンプ力が無ければ、結末は凄惨なものになっていただろう。
 二人の無事を確認したトオルは紅の着物の少女に視線を向けると、ルーンソードを構えて口を開いた。
「終わりにしよう」
 その言葉に対し少女は何も言わず、膝をつく。トオルは軽く一つ頷くと、大きく振りかぶった。

「終ワラナイ」

 ゆらりと少女が身体を起こす。

「終ワラナイ」

 彼女の身体から根と枝が生え、次第に大樹へと化していく。

「終ワラナイ」

 あっと言う間に枝いっぱいに桜の花びらが広がる。その花弁の色は桜というより、鮮血のようであった。

「いったい何が起こったにゃ……?」
 目の前で起きた現象に驚き、ミーヤは思わず桜の大樹へと歩み寄る。途端に桜の花びらが騒がしく揺れ、桜色のアメーバの群体が降り注いだ。
「にゃー!?」
「ミーヤ、俺の後ろに下がれ」
 まるで別人かのような口調でミーヤを下がらせると、トオルは人差し指を眼鏡のブリッジに掛ける。同時に彼の眼鏡の奥が金色に光り輝き、群体の動きを一瞬止めた。

 一瞬。

 そう、動きを止めたのはほんの一瞬だ。しかしミーヤはその間に素早く機関銃を搭載したドローン型の魔導蒸気機械を呼び出すと、それらを宙に放った。
「行っけにゃー!」
 再び動き出した群体たちがドローンの機銃掃射で倒れていく。ドローンはそのまま余勢を駆って桜の大樹へと弾丸の雨を撃ち込んだ。
「やったにゃ!?」
 銃撃後の煙がゆっくりと晴れていき、視界が露わになる。すると、そこには無残に倒れた群体たちの姿と、傷一つ負っていない桜の大樹の姿があった。

「そ、そんにゃ……」
「……どうしたものかな」
 もはや打つ手なしと二人が思ったその時、背後から大地を踏み締めるような金属音がした。思わず振り返ると、そこにはデパートの屋上にありそうなパンダの乗り物型スーパーロボットの姿がある。
「ふっふーん、ボクのこと忘れてるんじゃない? パンダくん、ドリルで貫いちゃえ☆」
 ティエルの掛け声と同時にパンダが腕にドリルを装着し大地を蹴る。それを見た桜の大樹は全身を震わせると刃のような花びらを巻き散らした。しかし、そんなものがグレートパンダラーZに効くはずも無い。パンダはぐんぐんと花びらの中を突き進むと、大樹の幹目掛けて一気にドリルを突き立てた。

「アアアアアアァァァァアア!」

 凄まじい断末魔をあげると、桜の大樹は煙のように消え失せる。
 トオル、ミーヤ、ティエルの三人は見事に紅の着物の少女――影朧桜を倒したのだ。

 あらゆるものを貫く矛とあらゆるものを防ぐ盾が激突した時にどうなるか。世間ではそのことを「矛盾」などといって故事成語としているが、少なくとも今この一瞬においては矛が上回ったのだ。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

数宮・多喜(サポート)
『アタシの力が入用かい?』
一人称:アタシ
三人称:通常は「○○さん」、素が出ると「○○(呼び捨て)」

基本は宇宙カブによる機動力を生かして行動します。
誰を同乗させても構いません。
なお、屋内などのカブが同行できない場所では機動力が落ちます。

探索ではテレパスを活用して周囲を探ります。

情報収集および戦闘ではたとえ敵が相手だとしても、
『コミュ力』を活用してコンタクトを取ろうとします。
そうして相手の行動原理を理解してから、
はじめて次の行動に入ります。
行動指針は、「事件を解決する」です。

戦闘では『グラップル』による接近戦も行いますが、
基本的には電撃の『マヒ攻撃』や『衝撃波』による
『援護射撃』を行います。



 つい先ほどまで猟兵と影朧が死闘を尽くしていたとは思えないほどの静寂が漂う無縁墓地を数宮・多喜(撃走サイキックライダー・f03004)はただ一人歩いていた。彼女は墓地の中央──桜の大樹があったところにたどり着くと、何かを探すように辺りを見回す。

「ここにいたのかい」
 多喜が声を掛けたのは紅の着物の少女、影朧桜であった。影朧桜は無縁塚の一つにもたれかかるように座り、目を閉じている。流れ出ている血が墓石を濡らし、誰の目にも戦える状態にはないことは明白であった。多喜は彼女の前に座り込むと、続けて語りかける。
「なあ、アンタはどうして血を求めていたのかい?」
 影朧桜はうっすらと目を開けると多喜の瞳を見て、頭を軽く横に振った。
「血があれば、みんなが還ってくると思ったカラ」
「みんな……ってのは?」
「私ヲ助けてくれた狐のミンナや……私ガ守りたかった誰かのコト。それが誰だったのかは、もう覚えていないケド」
 そう言うと影朧桜は少し悲しそうに笑った。とめどなく流れる血が、彼女はもう長くないことを物語っている。多喜は少し考えると、彼女の両肩に手を乗せた。
「アンタの過去、浚っても良いかい?」
「お好きに、ドウゾ」
 多喜の両腕から影朧桜の肩を通じて思念派が送りこまれる。それはまるで泥を浚うかのように、降り積もった彼女の記憶を掘り起こしていった。

 ──その昔、横濱に裕福な家庭があった。何不自由なく育てられた一人娘は両親を尊敬し、自分もそうなりたいと強く願っていた。
 しかし、ある時帝都桜學府の失策で取り逃がした影朧が彼女の両親を殺害した。己の失態で名家に被害が出たと知られたらまずい、そう考えた帝都桜學府の末端は彼らを「無縁仏」として処理しこの地に埋葬した。

 可哀想なのは二人の娘である少女だ。彼女は両親が埋められた場所も知らせて貰えず、突如独りとなってしまった。事情を知られたくない帝都桜學府の末端は少女が外出しないように監視していたが、ある時彼女は両親の墓所を探して屋敷を脱出してしまう。

 しかし、花よ蝶よと大事に育てられた少女に独りで生き抜く力は無かった。彼女は道中で出会った狐たちに見守られながらその短い生涯を終えた。やがて、傷ついた彼女の過去から影朧桜というオブリビオンが産まれた──。

「そうだったのかい」
 少女の肩から手をゆっくりとどけると、多喜は小さく呟く。恐らく彼女が言う「守りたかった誰か」とは両親のことなのだろう。
「何か、ワカッタ……?」
 息も絶え絶えな少女に対して、多喜は今見てきた彼女の記憶を話して聞かせた。すべてを聞いた彼女は目を閉じると、小さくため息をつく。
「ソウ……私はお父サマとお母サマを探して……見つけられなかったのネ」
 少女の頬を、一筋の涙が伝った。
「駄目ネ、私……」
「いや、そんなことないさ」
「エ……?」
 疑問の表情を浮かべる少女に対し、多喜は無縁墓地の中央の空き地を指差してみせた。
「あそこが……アンタが生前亡くなって、狐たちが埋めてくれた場所さ」
 猟兵たちが来るまで桜の大樹が生えていた場所、その下に彼女は埋められていたのだ。そして多喜は少女に向き直ると、彼女がもたれかかっていた墓石に手を掛けた。
「そして、ここがアンタの両親が眠っている場所だよ」
 少女は目を見開くと、微かに頭を横に向けた。その姿を見ながら多喜は続ける。
「アンタは両親ともう出会っていたんだ。そして、これからも一緒なんだ」
 少女は多喜の顔を見ると、静かに微笑み──泡のように消え去った。

「さて、そろそろ帰ろうかねぇ」
 地平線から太陽が覗き始めたのを見ると、多喜は伸びをしながら立ち上がった。何気なく辺りを見回すと、少女がいた場所に何かが落ちている。
「これは……」
 多喜はそれを拾い上げると、そっと目の前の墓石の上に載せた。そしてそのまま背を向けると、片手を挙げてゆっくりと歩き出す。

 墓石の上に載った桜の枝が、その背中をいつまでもいつまでも見守っていた。

成功 🔵​🔵​🔴​



最終結果:成功

完成日:2023年04月04日


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 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#サクラミラージュ
🔒
#逢魔が辻


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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はラモート・レーパーです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト