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ベミドバルに咲くは如何なるか

#クロムキャバリア #グリモアエフェクト #ACE戦記外典 #フォン・リィゥ共和国


●耐え難きと変え難きを
 半壊した闘技場の中に四人のアンサーヒューマンがいる。
 彼らは天を覆っていた闘技場という名の鳥籠から、蒼空を見上げていた。どこまでも続く空の蒼は彼らを不安にさせたかもしれない。
「これからどうするのか『好きに生きていい』とあの人達は言った」
「踏み出してしまえばわかるかもしれない……」
「恐れがないとは言えませんが」
「ああ! 恐れは消えない。心の闇は消えはしない。だが、俺達の中には、何か他のものがあるのではないかと思っている」
 数字で呼ばれたアンサーヒューマンたちは半壊した闘技場の外に踏み出す。

 小国家『フォル・リィゥ共和国』は、周辺小国家から孤立していた。
 それは、これまで戦乱が渦巻くクロムキャバリアという世界にあって、己達だけの安寧を求めていたからだ。
 彼らは手を差し伸べなかった。争いに巻き込まれるのを厭うから。
 彼らは手を差し伸べられなかった。何もしなかったからだ。
「失って……失って、失い続けろというのか! 我等に! ふざけるな……!!」
 その言葉を四人のアンサーヒューマンが聞いたかどうかはわからない。
 けれど、彼らは背後から響く凄まじい轟音に振り返った。

 彼らが見たのは、巨大な『陸上戦艦』。
 あまりにも巨大な六角形。その頂点に座すのは、かつてキャバリア大型要塞化構想で計画されていた機動殲龍『空虚』。
 通常のキャバリアよりもさらに巨大な要塞じみた巨体を接続した『地上戦艦』は『フォル・リィゥ共和国』のあらゆるものを瓦解させながら巨大な脚部を展開し、踏み出す。
 停止した生産工場群の廃墟を踏み潰し、『陸上戦艦』は前進する。
「我等は今まであらゆるものを得てきたのだ。これからもそれは変わらぬはずだ。我等は奪う側。断じて奪われる側ではないのだ!」
『フォル・リィゥ共和国』の国家元首の老人が口角泡を飛ばすかのように『空虚』の中で声を発する。
 目は血走っていた。
 怒りに満ちていた。
 欲望に支配されていた。
 何もかも手に入れなければならないという狂った思想。そう、周辺小国家の全てが己たちを見ないのながら、己達が全てを滅ぼすのだ。

「『グリプ5』も『フルーⅦ』も、『シーヴァスリー』も! 何もかも我等が滅ぼす! 彼奴らの持つモノ全てを我等が手にせんがために――!」

●荒れ野に
 かつて『憂国学徒兵』と呼ばれた者達もそうであった。
 彼らは『ハイランダー・ナイン』と呼ばれていた。圧倒的な技量を持つキャバリアパイロットの『エース』。
 だが、最初からそうであったわけではない。
『閃光』と呼ばれた『アイン』も『迅雷』と呼ばれた『ツヴァイ』も、『轟響』と呼ばれた『ドライ』も。
 最初から超越者の如き力を持っていたわけではない。
「持たざるものだけが、持つことが出来る。ワイルドカードでもなければ、特別な力でもない。あるのは言葉だけだ……『戦いに際しては心に平和を』……いつだって僕……俺たちは忘れてはならない」
 心のなかにどれだけの闇が宿ろうとも、それを恐れてはならないのだ。
 力は、言葉でしかない。
 だからこそ、感じ取る事ができたのならば。

「征こう。誰かが助けを呼んでいるのなら」
 それが感じる力のままに生きるということ。
『フュンフ・エイル』は思う。
 己は多くを託されて生きてきた。それは願いであったり、祈りであったりしたのかもしれない。どれもが大切な想いであった。
 生きたい。
 より良い明日を願いたい。
 未だ見果てぬ平和を求めたい。

 その願いにこそ手を伸ばすことをやめては、己の中にある熾火はきっと潰えてしまう。己という存在が居なくなったとしても、祝福の如き輝きはきっと人を伝って紡がれていくと知っているのだから――。

●陸上戦艦
 グリモアベースに集まってきた猟兵たちを迎えたのはナイアルテ・ブーゾヴァ(神月円明・f25860)だった。
「お集まり頂きありがとうございます。間を置くことなく申し訳ありません。再びクロムキャバリアにおいて小国家『フォン・リィゥ共和国』の元首がオブリビオンマシンによって歪められ、巨大な『陸上戦艦』でもって他国へと侵攻を開始しようとしているのです」
 先立って『アンサーヒューマン部隊』の暴走を止めた猟兵達であったが、『フォン・リィゥ共和国』が他国へと侵攻を開始することによる危機は明白であると理解出来ただろう。

 この『陸上戦艦』を放置すれば周辺小国家は戦乱にさいなまれる。
 だが同時にこの『陸上戦艦』を持ち出した『フォン・リィゥ共和国』もまた遠からず危機に陥るだろう。
 国家の元首の暴走。
 それによってクロムキャバリアは戦乱に満ちていく。
 平和が遠のいていく。
「それをどうしても止めていただきたいのです。『陸上戦艦』は巨大な六角形のような形をしており、遥かに巨大です。まるでひとつの都市が移動しているかのような巨大さで、多くの脚部で荒野を移動しようとしています」
 この進撃を阻止せねばならない。

 だが、『陸上戦艦』は多くのオブリビオンマシンを擁している。
 接近しようとすれば、このオブリビオンマシン部隊が飛び出してくる上に、『陸上戦艦』からは遠距離砲撃が絶えず猟兵たちを狙ってくる。
「この遠距離砲撃への対策を講じなければなりませんし、また『陸上戦艦』は巨大な要塞型オブリビオンマシン、機動殲龍『空虚』によって制御されています。これを打倒しなければ、要塞の進撃は止まらないでしょう」
 ナイアルテは巨大な六角形の怪物の如き『陸上戦艦』を示す。

 多くの砲門を有しており、まるでその姿は巨大なヤマアラシか食虫植物かのようであった。
「さらに悪いことに『陸上戦艦』の中には多くのオブリビオンマシンが存在しています。前哨戦として出てきたオブリビオンマシンと違い、こちらは無人機ですが……数が膨大です。これらを掃討するまで戦いは終わらないと思って頂いて良いでしょう」
『陸上戦艦』からの遠距離砲撃に加え、オブリビオンマシンを駆る部隊。
『陸上戦艦』と接続して猛威を振るう指揮官機である要塞の如き『空虚』。
 さらには『陸上戦艦』に満載された無人機オブリビオンマシン。
 苛烈な戦いになることは予想できただろう。

「これはグリモアエフェクトによる輝きによって予知できた幸いです。『大いなる危機』、その前段階で予知できたのです。これ以上の被害が広がらぬことは、きっとクロムキャバリアの世界にとっても幸いのはず」
 だから、とナイアルテは頭を下げる。
 激化する戦い。
 終わりのみえない戦い。
 その飽くなき闘争の先にこそ、皆が求めるものがあるはずなのだと信じて、彼女は猟兵たちを送り出すのであった――。


海鶴
 マスターの海鶴です。どうぞよろしくお願いいたします。
 今回はクロムキャバリア、『フォン・リィゥ共和国』が『陸上戦艦』によって他国に侵攻しようとしています。
『陸上戦艦』にはオブリビオンマシンが満載されており、この存在を放置しておくことは周辺小国家にも、勿論『フォン・リィゥ共和国』にとっても『大いなる危機』をもたらすことでしょう。
 これを止めるシナリオとなっております。

 キャバリアをジョブやアイテムで持っていないキャラクターでも、キャバリアを借りて乗ることができます。ユーベルコードはキャバリアの武器から放つこともできます。
 ただし、暴走衛星『殲禍炎剣』が存在しているため、空は自由に行き来できません。

●第一章
 集団戦です。
『陸上戦艦』から出撃してくるオブリビオンマシンを駆る部隊との戦いとなります。
 戦場は荒野です。
 皆さんはオブリビオンマシンだけではなく『陸上戦艦』の巨砲に狙われ続けています。
 これへの対処を講じておかなければ危険です。

●第二章
 ボス戦です。
『陸上戦艦』と融合する様に座す、要塞の如きオブリビオンマシン、機動殲龍『空虚』との戦いとなります。
 このオブリビオンマシンには『フォン・リィゥ共和国』の国家元首が乗っています。
 クロムキャバリアという世界を考えれば、彼もまた嘗ての闘技場で名を馳せたパイロットであったのかもしれません。
 一線を退いたとは言え、その心はオブリビオンマシンによって狂気に満ちています。
 おそらくどんな破滅的な作戦でも躊躇わず実行に移すことでしょう。

●第三章
 集団戦です。
『陸上戦艦』をたぐるオブリビオンマシンを倒しても戦いは終わりません。
 艦内から次々と無人機オブリビオンマシンが飛び出してきます。数は膨大です。これを捨て置けば、周辺小国家に被害をもたらすことは想像に難くありません。
 これらを掃討するまで戦いは終わりません。

 それでは外典は連なり、新たなる火種を消すことができるのか。その選択を戦い抜く皆さんの物語の一片となれますよう、いっぱいがんばります!
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第1章 集団戦 『ガガンボ』

POW   :    バルディッシュ並列化偽演粒子コーティングソード
【ユーベルコードで強化した装甲斬撃剣】が命中した対象を切断する。
SPD   :    D2エンジン起動
【補助動力炉D2エンジンを起動する】事で【通常時とは比較にならない高機動戦闘モード】に変身し、スピードと反応速度が爆発的に増大する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    マイナーチェンジ
自身の【各部、兵装】を【対空迎撃用又は対地砲撃用キャノンパック】に変形する。攻撃力・攻撃回数・射程・装甲・移動力のうち、ひとつを5倍、ひとつを半分にする。
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「抵抗するものは全て踏み潰せ! 我等はこのまま全てを滅ぼすのだ!『ガガンボ』部隊、全機発進せよ!」
『陸上戦艦』から号令を発する国家元首の言葉に応えるように艦内から次々と細身のシルエットをしたオブリビオンマシンが飛び出していく。
 その機体は低空とは言え、飛行能力を有していた。
 正式には『CT043-cloud』と呼ばれたキャバリアであったが、パイロットたちからは『ガガンボ』の愛称で呼ばれていた。特筆すべきは、その集団戦闘能力である。
 貧弱な機体にしかみえぬ体躯ではあるが、それは高速機動戦闘を可能にし、機体のオプションを即座に変えることのできる汎用性も兼ね備えていた。
「行くぞ、お前ら! 邪魔するものは皆殺しにしていいってことだ!」
「漸くだよなぁ! どれだけこの時を待ったことか……生ぬるい闘技場での戦いなんてもう飽き飽きしてたんだよ!」
「血だ、血を!」
 オブリビオンマシンに乗ることによって心を狂わされた闘技場でこれまで戦っていたキャバリアパイロットたちは、血に飢えたかのように高揚していた。

 もう止まらない。
 破滅の道はすでに敷かれている。
 彼らは望むと望まざると、そのレールの如き道の上にたっている。
 オブリビオンマシンが導く炎の破滅。
 須らく滅びることを宿命付けられた小国家。それに伴するのはいつだって狂気なのだ。
「砲撃を開始せよ! 我等の前に立つ者は全て敵だ!」
『陸上戦艦』の砲門が動き始める。
 それは転移してきた猟兵たちを、敵対するもの全てを滅ぼすべく火を噴く――。
村崎・ゆかり
本当、馬鹿げた機体。元首自らとは、この国よっぽど人材不足なのかしら。
とにかく、進発したオブリビオンマシンから叩く。

「全力魔法」で衝撃の「属性攻撃」「衝撃波」「範囲攻撃」で風吼陣。
その機体は、暴風の中を飛べる設計になっているのかしら?
竜巻に乗って舞う刀剣は、キャバリアの装甲にだって突き刺さる。関節を砕くことだって出来るわよ。
ただのオブリビオンマシンなら、この絶陣に入ったらお仕舞い。
パイロットの生命の保証は出来かねる。まあ、地面を這って逃げれば大丈夫でしょ。
『迦利』顕現。全方位に「レーザー射撃」の「弾幕」を。終わりを早める。

『エース』は、果たしてこの中に居るのかしら?
その時は本気にならなきゃね。



 体躯は巨大な食虫植物のようであり、備えられた砲身はヤマアラシの様相を見せていた。
 小国家『フォン・リィゥ共和国』の『陸上戦艦』は、都市一つあろうかと言うほどの巨大さ。
 巨大な要塞じみた船体を支えるように無数の鋼鉄の脚部が蠢く。
 前進するたびに停止した生産工場群が踏み潰されていく。
 その粉塵をみやり、村崎・ゆかり(“紫蘭”/黒鴉遣い・f01658)は思わずうめいていた。
「本当、馬鹿げた機体」
 彼女が言うところの馬鹿げた機体とは、『陸上戦艦』の中心に座すように融合しているオブリビオンマシンのことを指すのだろう。
 巨大な要塞じみた大型オブリビオンマシンの中に『フォン・リィゥ共和国』の国家元首自ら乗り込んでいるのだという。

 それはともすれば不退転の決意を示すものであったのかもしれないが、ゆかりにはそうは思えなかった。
「この国よっぽど人材不足なのかしら」
 それはないはずだ。
 なぜなら、この小国家には闘技場がある。金で雇えばいくらでも傭兵くずれが参戦してくるであろうし、この『陸上戦艦』の巨大さ、その威容を見れば首を縦に振らざるを得なかっただろう。

 そして、彼らが乗り込むのはオブリビオンマシン。
 乗り手の心を歪め、破滅に突き進めさせるのだ。彼らは飢えていたのだ。多くは金であったり、満たせぬ欲望のためであったりしたのかもしれない。
 闘技場でうだつの上がらない日々に飽き飽きしていたのかもしれない。
「けど、それで他者の平穏を侵していい理由にはなってないでしょ!」
 ゆかりは迫る『ガガンボ』たちの機体を見やる。
 敵の機体は確かに機動力に優れているが、発進直後を狙うのならば、今しかない。

「飛行能力を持っているようだけど、その機体は暴風の中飛べる設計になっているのかしら?」
 ゆかりの瞳がユーベルコードに輝く。
 風吼陣(フウコウジン)は刀剣をはらむ暴風圏を生み出す。
 竜巻に乗って飛ぶ刀剣はキャバリアの装甲にだって突き立てられるし、関節部に当たれば切り裂くこともできるだろう。

 それが圧倒的な数でもって『ガガンボ』たちに迫るのだ。
「なんだ!? 敵の攻撃?!」
「礫……いや、なんだこれは! 剣?」
『ガガンボ』のパイロットたちは困惑しただろう。なぜなら、この暴風の中を自在に飛び、さらには己たちの機体の関節を狙ってくる剣があるのだから。
 非現実的だと彼らは思っただろう。
「ただのオブリビオンマシンなら、この絶陣に入ったらお仕舞い。パイロットの命の保証は出来かねる」
 ゆかりの告げる言葉は『ガガンボ』のパイロットたちにとっては絶望そのものであったことだろう。

 さらに暴風の中を飛ぶ無人機キャバリアのレーザー射撃が刀剣にぶつかって機体のバランスを崩した敵を打ち崩していく。
「どうやら『エース』はこの中にはいないようね」
 拍子抜けもいいところだとゆかりは肩をすくめる。
 どれだけ数を揃えようとも、敵のパイロットたちが心を歪められた者であるのならば、烏合の衆であることに違いはない。
 機体の性能を活かすことなく、ゆかりの暴風と共に飛ぶ剣に切り刻まれるしかない。

「機体の特性ゆえってことろかしらね。あたしを本気にさせるほどの技量持つパイロットを連れてきてなさい。そうでないなら、この馬鹿げた凶行を終わらせてあげるわ。すぐにでもね」
 そういって、ゆかりは大地に叩きつけられてかく座した『ガガンボ』から這い出すパイロットを見下ろすのであった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

播州・クロリア
({舞狂人形}のコクピットで話しかけるように呟く)
感じますか?舞狂人形
あの巨大な艦は線香花火です
焦燥感で燃え上がり
空に浮かんだ機体は火花のようです
(舞狂人形が、すっと手を真横にピンと伸ばすと{絢爛の旋律}で『ダンス』を始めるとUC【蠱の隠匿】を発動する)
焦りは視野が狭くなる
私達が透明になったことで
戦艦の砲門も撃ち先が分からず右往左往することでしょう
(舞狂人形が【蠱の隠匿】のオーラの鎖を空中の敵に巻きつけ透明のチェーンハンマーに変えると『怪力』で振り回す)
落ち着いて観察すれば私達を見つけることも可能ですが…
そんな余裕はないでしょうね



 暴風吹き荒れる戦場にあってなお、『陸上戦艦』の巨大さは群を抜いていたように思えるだろう。
 巨大な六角形。
 中心に接続された要塞の如きオブリビオンマシン。
 食虫植物のごとき体躯からは次々とオブリビオンマシン部隊『ガガンボ』が飛び出している。
 彼らは狂気に染まっていた。
 元からあった欲望や渇望、そうしたものをオブリビオンマシンによって歪められ、増幅させられていたのだ。
「ないのなら壊して奪えばいい。ないものねだりなんてのはなぁ!あるところから持ってくればいいだけの話だろうが!」

 彼らの言葉は身勝手極まりないものであった。
 他者から奪うのが人間だというのならば、それは悪辣を極めたかのようでもあった。戦乱が終わらぬのは、その悪性があるからこそと言っても過言ではないのかも知れない。
「感じますか?『舞狂人形』」
 己のキャバリアに播州・クロリア(踊る蟲・f23522)は静かに語りかける。
 目の前の暴風を巨大な体躯、その鋼鉄の脚部が踏み鳴らす様に進む。『陸上戦艦』はまさに他国を脅かす脅威であったし、小国家『フォン・リィゥ共和国』自身をも蝕む腫瘍のような存在であった。

 その『陸上戦艦』の中心にいるであろう者たちはそれにすら気が付かない。
 己達を覆う鎧の如き城壁の中に閉じこもり、他者から奪うことを肯定する。
「あの巨大な艦は線香花火です」
 クロリアには見えるようであった。
 その言葉に応えるように『舞狂人形』の腕部が真横に伸ばされる。ピンと伸ばすように広がる両手は、予兆めいていたことだろう。
「焦燥感で燃え上がり、空に浮かんだ機体は火花のようです」
『ガガンボ』が対地砲撃ユニットに換装し、己たちに迫っている。

 だが、クロリアは動揺することも焦燥に駆られることもなかった。
 煌めくはユーベルコード。
 彼女のオーラの鎖はコクピットから『舞狂人形』に触れ、その機体そのものを無色透明に変えていく。
「蠱の隠匿(コノイントク)……焦りは視野が狭くなる」
 クロリアのユーベルコードによって機体は周囲の風景に溶け込んでいく。

 先程までみえていた存在がみえなく成れば『ガガンボ』のパイロットたちは砲撃を行えない。
 弾薬だって無限ではない。
 更に言えば『フォン・リィゥ共和国』は周辺国家から孤立している。物資もずっと流れ込むわけではないのだ。
 だからこそ、彼らは砲撃を容易には行えない。
「何故砲撃しない! そこにいるとわかっているのならば、飽和砲撃を行えばいいはずではないか!!」
 国家元首が口角泡を飛ばすように号令を発する。

 それが簡単ではないことをクロリアは理解している。
「いかに火力を有する砲門があろうとも、狙う場所がわからなければ右往左往するしかない」
「熱感知センサーに切り替えろ! 何処かに必ず居るはずだ!」
『ガガンボ』のパイロットたちも心を歪められていたとしても、闘技場で連日戦う熟練のパイロットたちだ。
 すぐにクロリアと『舞狂人形』の姿が見えなくなったことを察知し、熱源を辿ろうとする。
 だが、それは一手遅い。

 透明の鎖が『ガガンボ』の一騎に触れて接続された瞬間、クロリアは『ガガンボ』をチェーンハンマーのように振り回す。
「う、おおおお!?」
「お静かにお願いします」
 機体を質量兵器そのものと変えられた『ガガンボ』が僚機と激突し、ひしゃげる。なまじ飛行能力を持たせるために機体のフレームの削った細身の躯体は、ぶつかるたびに手足がもげるようにして破片を撒き散らす。

「落ち着いて観察する余裕も与えはしませよ」
 クロリアは敵の同様とは裏腹に落ち着いた声色で呟く。
 視野狭窄。
 見えるはずのものすら見えなくなった敵を打ち倒すのは容易い。彼女は、ゆっくりと歩みすすめる『陸上戦艦』を止めるべく、『舞狂人形』と共に荒野を征く――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

メサイア・エルネイジェ
地上戦艦!
でっけぇですわね〜
大きい事はいい事ですわ
でもわたくしの敵なので悪い事ですわ〜!

陸上戦艦の大砲が狙っておりますのね
当たったらおミンチよりひでぇですわね
つまり!当たらなければどうという事はございませんわ
ここはゲイルカイゼルのお出番でしてよ〜!

ヴリちゃん!ハイパーブーストですわ!
超スピードで動き回って回避ですわ
右左右右みたいな感じに動きますわ
目が回りますわ〜!おろろ!
ガガンボのお剣だってそもそも近付かせなければよろしいのですわ
いつもならヴリちゃんタックルをぶちかまして差し上げるところですけれど…
たぶん装甲は紙みたいにペラペラでしょうし、衝突するまでもなくマシンガンで蜂の巣に出来そうですわ



「ええい! 何をもたついておるか! 高々数機のキャバリアごときに!」
『フォン・リィゥ共和国』の国家元首は巨大な『陸上戦艦』と接続された要塞の如きオブリビオンマシンの中で呻く。
 砲撃の照準が定まらない。
 嵐も、姿を消すキャバリアも。
 何もかもが彼らの道行きを阻む障害であった。だからこそ、踏み潰す。
 この『陸上戦艦』は都市の如き大きさを誇っている。鋼鉄の足はゆっくりとだが、確実にあらゆるものを押しつぶす。

 現に『フォン・リィゥ共和国』の停止した生産工場群など障害にならぬとばかりに踏み散らかしているのだ。
「でっけぇですわね~」
 大きいことはいいことだとメサイア・エルネイジェ(放浪皇女・f34656)はうなずく。
 しかし、目の前に迫るのは『陸上戦艦』。
 自分たちの敵である。
 したがってそれは!
「わたくしの敵なので悪いことですわ~! ってぇ!? 」
 メサイアの駆る暴竜型キャバリア『ヴリトラ』を狙う『陸上戦艦』の砲撃。その弾道は恐ろしく鋭い。

「当たればおミンチよりひでぇことになりそうですわね!」
 砲撃の衝撃で機体が揺れる。
 だがメサイアの瞳はユーベルコードに輝く。どれだけ砲撃に晒されようとも当たらなければ意味がないのだ。
 そして、『ヴリトラ』の高機動仕様たる証であるハイパーイオンブースターが凄まじい推力を生み出す。
 それはまさに無理矢理に空を飛ばすかのような勢い出会った。
 大腿部に備えられたイオンブースターが加速する機体を制御し、『陸上戦艦』から飛び出したオブリビオンマシン『ガガンボ』と交錯する。

「なんだぁ!? あの動き……! めちゃくちゃな動きをしやがって!」
「どんな加速性能だよ……パイロットが無事じゃねぇだろ!」
『ガガンボ』のパイロットたちの言葉も最もである。
 背面に備えられたハイパーイオンブースターでの加速に加え、さらには大腿部のイオンブースターによって左右の動きを加えるのだ。
 以下に凄まじい速度を得られたのだとしても、それを操縦するパイロットは加速度Gでもって肉体に大きな負荷を与えられている。

 だというのに『ヴリトラ』はまったく動じた様子もなく『陸上戦艦』からの砲撃を躱しながら、一気に『ガガンボ』たちにマシンガンの弾丸を叩き込む。
「おほほほ! 当たって砕くのですわ~! その機体……装甲は軽量化のためにペラッペラなのでしょう? それなら衝突するまでもありませんわ!」
 その言葉どおり『ガガンボ』の装甲に叩き込まれる弾丸は、それだけで『ガガンボ』に致命的な損傷を与えていく。
 暴竜猛襲(ハイパーブースト)たる『ヴリトラ』の加速は、暴風のように戦場を駆け抜けながら『ガガンボ』たちを撃破していく。

「くそっ! 速すぎるだろ! 接近戦をしかけようにも……!」
「ええ、マシンガン程度で蜂の巣にしてさしあげますわ~! うっぷ」
 意気揚々としていたのは最初だけだった。
 メサイアは敵の砲撃を躱すたびに左右に振られる。さらには『ガガンボ』との位置取りを競うことによって、さらに内臓が揺れる。
 揺れに揺れまくる。
 どれだけメサイアの三半規管が優れたものであったとのだとしても、流石にこの揺れはあまりにも目が回る。

 こみ上げてくるものがあった。
 別に万感の思いとか、そんなんじゃない。比喩じゃないし、暗喩でもない。もっとフィジカルな意味でこみ上げてきていたのだ。
「……目がまわり、ますわ~……」
 その言葉を最後に音声が途切れる。
 此処からはキラキラした時間である。別に、リバースしているとかそんなことない。王国の姫がそんなことになるわけがないのである。
 いや、本当である。
 これ以上近づくでない!

「……おろろ!」
 あ――。 

大成功 🔵​🔵​🔵​

フェイルシア・インパーサ
孤立がいつの間にか孤独に変質していたのでしょうか?
自分達だけが時代に置いていかれて、気づけば奪われる側になるのが恐ろしかった
もしそうであるならば私達が救わなければなりませんよ、ガミザーヌ

超遠距離から狙撃するならこちらを覗いているということ
ならば姿を見せなければ良いのです
トリニティ・エンハンスで炎と水を掛け合わせ水蒸気を散布し風の魔力で上空に拡散させます
これで視認は困難、赤外線もある程度は弾くので熱源感知もされません
後は熱気を纏いながら戦闘を続行
【属性攻撃】で強化しつつ【残像】【見切り】【フェイント】で撹乱しながら
確実に敵機を弱らせていきますわ



 クロムキャバリアとは戦乱続く世界である。
 百年続く戦争は終わりを見せない。平和という言葉の意味すらも遠く、見果てぬものとなったのならば、人は何を求めるだろうか。
 一つは差し迫る脅威を振り払うことだろう。
 奪われることも奪うことも厭うというのならば、待つのは死でしかない。
 ならば生きるということは奪うことと同義であったのかもしれない。

 だからこそ、小国家『フォン・リィゥ共和国』は奪うことを選択する。
 周囲から孤立した小国家に未来はない。それを知りながら彼らは安穏を貪った。闘技場という娯楽を持って物資と人を誘引し、それが途切れそうに成ったのならば、侵略という形で国家を存続させようとしたのだ。
「孤立がいつの間にか孤独に変質していたのでしょうか?」
 フェイルシア・インパーサ(騎士姫の造花・f04276)は『偽神ガミザーヌ』のコクピットにありて、巨大な都市そのものかのごとき『陸上戦艦』を見やる。
 ヤマアラシの如き姿は他者を寄せ付けず、食虫植物の様相は己以外の全てを捕食しようとさえしているように思えただろう。

 その『陸上戦艦』から『ガガンボ』と呼ばれるオブリビオンマシンが飛ぶ。
「自分たちだけが時代に置いていかれて、気がつけば奪われる側になるのが恐ろしかった」
 そうフェイルシアは理解する。
 いや、そうであるのだろうと思ったのだろう。それは事実正しいのだろう。彼女の言葉は、いつかの誰かの慟哭であったのかもしれない。
 滅びに際して発した声であったのかもしれない。
 けれど、そう。
「もし、そうであるならば、私達が救わねばなりませんよ、『ガザミーヌ』」
 砲撃の音が響く。

『陸上戦艦』の遠距離砲撃は此方に狙いを付けている。
 敵は此方を視認しているということだ。『ガガンボ』たちもまたフェイルシアと『ガザミーヌ』を見つけ、殺到している。
「奪え! 奪われたくなければ、失いたくなくば!」
「もとよりそういう生き方しかしてこなかったんだ! 今更だ!」
 彼らは闘技場で日夜戦い続けてきた。
 キャバリアという鋼鉄の武装を持って、己の存在を賭ける。幾ばくかの日銭でもって明日をも知れぬ身を繋いでいく。

 そんな彼らがオブリビオンマシンによって歪められたのならば、どうなるかなど明白であった。
「敵はこちらを見ている。ならば、姿を見せなければ良いだけのこと」」
 フェイルシアの瞳がユーベルコードに輝く。
 敵がいるから奪おうとする。
 他者がいるから奪いたくなる。
 トリニティ・エンハンスは、炎と水、風の魔力を合わせる。己の機体に賭けられた強化。
 それは機体から熱を発し、その熱を冷まそうとする水によって蒸気が生まれる。温められた空気は上昇していく。風の力によって水蒸気を機体に纏わりつかせるようにしながら、己の姿を覆い隠していく。

「水蒸気……!? 熱源センサーを眩ませるかよ!」
「ええ、みえなければあなた方は攻撃できない。機械の目も同様でしょう」
 フェイルシアは『ガザミーヌ』と共に水蒸気の中にアイセンサーの残光を刻む。
 疾走するような戦術機動。
 靄の如き水蒸気満ちる戦場にあって彼女たちの姿を『ガガンボ』を駆るパイロットも『陸上戦艦』の砲手たちも見つけることはできなかった。

 切り裂くように『ガザミーヌ』の機体が『ガガンボ』にキャバリアソードの一閃を見舞う。
 その剣は無念を晴らすための刃。
 そして、彼女が駆る『ガザミーヌ』は願いのために走る。
「なんなんだ、お前は!!」
『ガガンボ』のパイロットの咆哮が響く。
 それを受けて、フェイルシアは静かに名乗るのだ。

「私はフェイルシア、由緒正しきインパーサの跡取ですわ」
 その言葉が『ガガンボ』のパイロットが意識を手放す前に聞いた最後の声であった。
 オブリビオンマシンを無力化し、残されたコクピットブロックの無事を確認しフェイルシアは満ちる水蒸気と共に戦場を走る。
 救わねばならぬという願いを受けて、『ガザミーヌ』のアイセンサーが煌めく――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ユーリー・ザルティア
今度は陸上戦艦か…。
まったく、こんな兵器作る機材があるならもっと国民のために使えと言いたくなる。
それにしても…最近のオブビリオンマシン。
なんか巨大なのが増えてきたんだけど…気のせいかしら?

レスヴァントで出撃する。
パールバーティにはAIの≪ARICA≫を搭載。
無人運用で後方から援護射撃してもらう。

さて、攻め手はいつも通り…ではあるが。
アマテラスを使い、陸上戦艦の砲塔の位置や射角を『索敵』し『情報収集』
陸上戦艦の砲塔に注意しつつ、オーバーブースト・ラストスパードで加速、常に動いて砲塔に捕まらないように飛行しつつ、アストライアの『制圧射撃』でオブビリオンマシンを撃墜する。

このイカトンボがッ



 鋼鉄の巨大な足が停止した生産工場群を踏み潰していく。
 まるで意に介していないかのように巨大な『陸上戦艦』は小国家『フォン・リィゥ共和国』から他国に侵攻を開始しようとしていた。
 彼らは周辺小国家から孤立していた。
 それは彼らが安寧の中に沈んでいたからだ。他者を省みることなく、ただ己たちのためだけに安寧を食いつぶしたのだ。
 闘技場にしたってそうだ。
 確かに闘技場は物資や人材の流入を呼び込むものとなっただろう。

 だが、そのままだったのだ。
 それ以上のことをしなかった。他国が戦乱に巻き込まれていたときも我関せずだったのだ。
「その上でこれだから……」
 ユーリー・ザルティア(自称“撃墜女王”(エース)・f29915)は思わずつぶやいていた。
 巨大なヤマアラシの如き砲門を携える『陸上戦艦』。
 その中央に要塞のごときオブリビオンマシンが接続されているのが見える。
「まったく、こんな兵器作る機材があるならもっと国民のために使えと言いたくなる。それにしても……」
 最近のオブリビオンマシンは巨大なものが増えてきたように思えてしまう。

 キャバリアの恐竜的進化の末路であるとでもいうのだろうか。
 要塞としての機能を持たす。
 それは国家元首や重要な者たちを守るための城壁であると同時に、侵略に対する切り札であったのかもしれない。
 けれど、彼らはそれを他国に攻め入るために使おうとしているのだ。
「なら、遠慮なく行くよ、『レスヴァント』!」
 ユーリーは白いキャバリア『レスヴァント』と随伴するAIで制御された無人機『パールバーティ』と共に荒野に飛び出していく。

 遠距離砲撃は厄介そのものだ。
 さらに『陸上戦艦』から飛び出したオブリビオンマシン『ガガンボ』部隊は、若干であったが飛行能力も有している。
 巨大な『陸上戦艦』から飛翔して迫るのは、確かに地上戦を想定したキャバリアにとって天敵であった。
 さらには遠距離砲撃は此方を狙っている。ヤマアラシの如き砲門の数はそれだけで全方位からの攻撃に対応しているとも言える。
「確かに脅威かもだけど……『アマテラス』!」
 ドローンによってコクピットのモニターに映し出される情報の羅列。
 放たれる砲弾を躱しながら『ガガンボ』を相手取る。

「たかがキャバリア一騎に!」
「象に挑む蟻のようなもんだよなぁ!」
『ガガンボ』パイロットたちの嘲りもわかる。それほどまでの戦力差。けれど、ユーリーの瞳がユーベルコードに輝く。
 ドローンから伝えられた情報。
 それは『陸上戦艦』の砲塔の位置、そして己に打ち込む砲撃の射角。集められた情報をユーリーは精査し、それによって瞬時に道筋を見据える。

 どれだけ敵がいるのだとしても、針の糸を通さぬほどの道がないわけではない。
 ならばこそ、彼女は類稀なる操縦技術で持って、そしてAI操作による無人機の砲撃支援を受けて『レスヴァント』と共に飛ぶのだ。
「オーバーブースト・ラストスパート……! ボクと一緒に……『レスヴァント』、飛べ!」
 漲る力を発露するように『レスヴァント』のアイセンサーが煌めく。
 砲撃など意味をなさなかった。
 白い閃光のように『レスヴァント』が砲撃の雨をかいくぐる。その動きは、そこに弾道があるとわかっているかのように優雅であった。
 機体を回転させながら振り向きざまに放たれるアサルトライフルの弾丸が迫る『ガガンボ』を次々と撃ち落としていく。

「このイカトンボがッ! ボクたちの道を邪魔するんじゃあないよ!」
 飛翔する。
 それは『ガガンボ』よりも高い。
「馬鹿な、あの高度じゃあ暴走衛生に狙い撃ちされるのに……なんで?!」
「そこを、退け――ッ!!」
 それは『レスヴァント』から放出される特殊粒子。僅かな時間であっても『殲禍炎剣』に感知されなくなる特殊性。
 その力によって『レスヴァント』は今、大空を掛ける一条の白き矢となって『陸上戦艦』へと迫るのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

朱鷺透・小枝子
ディスポーザブル01操縦。

殺意、渇望、熱意、戦争の空気だ。
此処だ、此処が、自分の、自分達の────!!

『禍葬鋼鱗』砲撃を機体で【武器受け】爆炎に隠れる。
戦場の空気、敵オブリビオンの存在、砲撃!
全てが兵士サエコの【闘争心ココロ】を煽りたてる。

奪え!!ディスポーザブル!!!!

パルスアトラクター【範囲攻撃】全周囲へ増強された電磁音波を発振
飛翔能力を奪い、キャバリアを壊しにかかる!

敵だ!敵だ!!敵だ!!!
さぁ壊し尽くせ! 砕き、奪い、進み、死ね!!死ねば名誉だ!
死なぬならまだ戦える!!さぁ戦えぇぇぇぇええええ!!!

【継戦能力】破壊したガガンボからエネルギーを充填し、
戦塵の悪霊は戦い続ける。



 戦場に満ちるのはどうしようもないほどの殺意であった。
 オブリビオンマシンが次々と都市ほどの大きさもあろうかという『陸上戦艦』から飛び出していく。
『ガガンボ』と愛称で呼ばれるオブリビオンマシンは小国家『フォン・リィゥ共和国』のパイロットたちにとって扱いやすい機体であった。
 さらに対空、対地砲撃用のオプションも換装することができる。
「殺せ! 奪い尽くせ! 俺達が奪われぬために!」
 彼らの心はオブリビオンマシンによって歪められている。
 闘技場で日銭を稼ぐ日々は、彼らの心を荒んだものにしただろう。勝者には全てが与えられる。けれど、敗者には何も与えられない。奪われるばかりである。

 だから、彼らは奪う。
 他国を侵略しようとする。自分たちのいる場所に、最早得られるものがないのならば、奪おうというのだ。
 それが周辺国家が戦乱に巻き込まれても静観し続けていた『フォン・リィゥ共和国』の出した答えであった。
「殺意、渇望、熱意、戦争の空気だ」
 朱鷺透・小枝子(亡国の戦塵・f29924)は『ディスポーザブル01』と共に荒野に飛び出していた。
「此処だ、此処が、自分の、自分たちの――!!」
 彼女は見ただろう。
『陸上戦艦』から放たれる砲撃。ヤマアラシの如き砲身の数。食虫植物の如き体躯に、鋼鉄の脚部が蠢くようにして進路上に在るもの全てを踏み砕こうとしている。

 それが彼らの歪んだ心の結果であるというのならば、その砲火は彼女の身を焼く。
 砲弾の一撃が『ディスポーザブル01』の躯体へと打ち込まれ、爆炎が荒ぶ。炎の中に消える『ディスポーザブル01』に『陸上戦艦』の国家元首を始めとする『フォン・リィゥ共和国』に与する者たちは喝采をあげる。
 しかし、彼らは見ただろう。
 爆炎の向こう側で輝くモノアイを。
「奪え!!『ディスポーザブル』!!!!」
 その言葉と共に彼女の機体が飛び出す。装甲はまるで鱗のように装甲が覆い、長距離砲撃の一撃すら物ともせず爆炎を切り裂いて飛び出すのだ。

 戦場の空気、オブリビオンマシン、砲撃。
 全てが兵士サエコ闘争心ココロを煽り立てる。
 それは、心を覆うのと同じであったかもしれない。
 禍葬鋼鱗(スティルスケイル)は『ディスポーザブル01』の機体を覆い尽くす。真っ直ぐに『陸上戦艦』に迫る『ディスポーザブル01』に『ガガンボ』が空より対地砲撃オプションによって装備された砲身を向ける。
「畳みかけろ! どんなに頑丈に見えても単騎だ! 数で押し潰せ!」
 だが、砲撃は『ディスポーザブル01』に傷一つつけることはできなかった。

「敵だ! 敵だ!! 敵だ!!!」
 胸部が展開し、立方体の音響兵器が唸りを上げる。それは小枝子の咆哮を受けて増幅する一撃。
 パルスリアクターの全方位攻撃が、増強された電磁音波を解き放つ。
「音……!? 電磁波……! 機体の制御が……!」
「さぁ、壊し尽くせ! 砕き、奪い、進み、死ね!!」
 小枝子の言葉とともに『ディスポーザブル01』が電磁音波の一撃を受けて失墜した『ガガンボ』を叩き潰す。
 頭部を叩き潰され、大地にかく座する『ガガンボ』を放り投げ、小枝子はまた吼える。

「死ねば名誉だ! 死なぬならまだ戦える!!」
「な、なんだんだよ、あいつ……!」
『ガガンボ』のパイロットたちは一様に恐怖しただろう。怪物だった。目の前に迫るのは、キャバリアというガワをかぶった怪物だった。
 悍ましいほどの戦意。
 それを真正面からぶつけられ『ガガンボ』のパイロットたちは動揺した。その動揺は戦場に置いて、生死を分かつ。

「さぁ戦えぇぇぇぇえええええ!!!!」
 悪鬼羅刹の如きキャバリアはモノアイを輝かせながら戦場を疾駆する。拳で叩き壊し、『ガガンボ』の翼をへし折り、手足をもぎ取る。
 機体のエネルギーを啜るように『ディスポーザブル01』戦塵の悪霊は単眼の怪物の如き様相を見せ、戦い続けるのであった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アルカ・スィエラ
……(溜息)これじゃ、国家元首というより賊の頭目ね
けれど、あなた達の思い通りには「ならない」わよ
アルカ・スィエラ、プロトミレス……出る!

メガスラスター“コルヴィルクス”を装備、強化した推力で生じる残像を目くらましに、
敵機にはライフルからの実弾ばら撒き、すれ違い時のルーナグラディウスの斬撃を仕掛け、
砲撃にはランチャーの砲撃で迎撃を。
攻めより回避を優先し、敵を誘導していくわ

確かに反応速度は速いけど……それだけね
覚悟も意地も何もかもが足りない
それで、私達を止められると思わないで

ある程度敵機が集まってきたところに【Gプレッシャー】を!
周囲の機体に加わる重力を一気に増大化させ、全機地面へと叩き落とす!!



 息を大きく吐き出す。
 呆れ果てた、とはこのことであったのかもしれない。
 他者を慮らぬ者に道理を説くことほど無意味なことはなかったのかもしれない。他者から奪うことしか考えぬものに、与えられるものなどないように。アルカ・スィエラ(鋼竜の戦姫・f29964)は嘆息するしかなかった。
「これじゃ、国家元首というより賊の頭目ね」
 小国家『フォン・リィゥ共和国』は他の周辺小国家に侵略を開始する。
 巨大な都市そのものかのごとき『陸上戦艦』と要塞のようなオブリビオンマシンが接合している。
 国家元首は、おそらくオブリビオンマシンによって心を狂わされているのだろう。

「けれど、あなた達の思い通りには『ならない』わよ。アルカ・スィエラ、『プロトミレス』……出る!」
 メガスラスターから解き放たれる推力が漆黒の翼を広げるようにキャバリア『プロトミレス』を飛翔させる。
 それは残像を生み出すかのような速度であった。
 事実、『陸上戦艦』から飛び出してくるオブリビオンマシン『ガガンボ』の多くは『プロトミレス』の速度に付いてこれなかった。

「なんて速度だよ! こっちだってD2エンジンを始動させてんだぞ!」
 補助動力炉を使っての加速。
『ガガンボ』が有する機能の一つだ。限定的ながらも圧倒的な高速機動戦闘を行えるはずなのだ。だが、それすらも『プロトミレス』は振り切る。
 ライフルの銃口が向けられ、己の機体がロックされた警告音に『ガガンボ』のパイロットは舌打ちする。
「クソッ! 振り切られるだけじゃなくて、頭も抑えられる……ッ!」
「確かに反応速度は速いけど……それだけね」
 アルカは息を吐き出すように引き金を引く。放たれた弾丸は『ガガンボ』の頭部と翼を撃ち抜いて、もがれるようにして機体を落とす。

「覚悟も意地も何もかも足りない」
「バカにしやがって!」
 さらなる『ガガンボ』が迫る。それをすれ違いざまに腰部から抜き払った実体剣の一閃が切り捨てる。
 爆風が吹き荒れる。
 さらに『陸上戦艦』から砲撃が放たれる。
「それで、私達を止められると思わないで」
 実体験を腰部に収めるとビームランチャーへと機能を変更して解き放つ。ビームの光条が『陸上戦艦』の砲塔を打ち抜き破壊する。

「覚悟? そんなもんはとっくに捨てちまってんだよ! 今更ぁ!」
 そう、彼らは、『ガガンボ』のパイロットたちは『フォン・リィゥ共和国』の闘技場で戦う者たちだ。
 キャバリアでの戦闘に明け暮れ、明日の日銭を稼ぐために生命を掛ける。
 そこに覚悟というものは決まるものではなく、投げ捨てるものであった。覚悟何ていう言葉を彼らは持たない。持つ意味がないのだ。
 だから、彼らは『プロトミレス』に迫る。
「いくら早かろうが、取り囲んでしまえば!」

「対象設定、フィールド構築、重力制御開始……!押しつぶしなさい」
 アルカの瞳と共に『プロトミレス』のアイセンサーがユーベルコードに輝く。
 周囲に集まった『ガガンボ』たちはあえてアルカによって引き寄せた機体であった。彼女はただ無作為に飛び回るのではなく、多くの『ガガンボ』たちを己に惹きつけた。
 確かにこれだけの数を相手にするのは骨が折れるだろう。
 けれど、『プロトミレス』より放たれるのはGプレッシャー(グラビティプレッシャー)。
 空中に飛んでいた『ガガンボ』たちが一斉に加わった増大した重力に空から大地に失墜する。
 全ての『ガガンボ』が地面に叩きつけられ、そのか細い手足がひしゃげ、大地に付すしかなかった。

「言ったでしょう。止められると思わないでと。覚悟を持たず、捨てるだけの者には意地は張れない。意地なきものは生きる意味も見失う。だから」
 アルカはひしゃげ砕けた『ガガンボ』を見下ろす。
 そして、迫る『陸上戦艦』――そこに接合した要塞の如きオブリビオンマシンをねめつけるのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ワルルーナ・ティアーメル
くんくん……前来た時のように強き願いの持ち主はいるかな?
でもとにかく一旦黙らせないと危なくてしょうがないな!

城内各員に告ぐ、総員戦闘準備!ワルルンガーΣ、出陣である!
我は【魔将顕現:怠惰るウェーブ】で飛び、波を敵にも砲弾にも浴びせてゆくぞ

貴様らが本当にその欲望に全てを賭けるならばこの波も超えられよう、
だが単にすべき事を怠り、あるべき姿へ向かう努力を放棄し、楽で楽しい方へ流れるだけならば、好きなだけ怠惰に浸っていくとよい…うちのワルニクス(※魔将の仕事しないで自分の趣味の事しかしない)のようにな!

後は堕ちた奴は機体の手足を壊して動けなくし、
もし骨のあるやつが居たらワルルンガーΣで応戦するとしよう



 他者の欲望を満たす事。
 それがワルルーナ・ティアーメル(百胎堕天竜魔王(自称)・f31435)にとって最も強い欲望であった。
「くんくん……」
 彼女は鼻を鳴らす。
 以前クロムキャバリアの世界に訪れた際には強い願いを持つ者がいた。
 誰かのためにと願う想いに彼女は惹かれるのかもしれない。
 だがこの戦場には、荒野には自らの欲望を満たすことだけしか知らぬ者ばかりであった。たしかに欲望であったし、そこそこに強い願いであったのかもしれない。
 けれど、彼女の眼鏡に叶うのは……

「大きすぎる……それに数も」
「あの人達だけでは到底無理ですよ!」
「助けたいが! 機体がなければ我等は」
 巨大な都市そのもののような『陸上戦艦』。その進路から逃れるようにして荒野に佇む四人のアンサーヒューマンたちがいる。
 彼らは数字で呼ばれた少年少女たち。『エルフ』、『ツヴェルフ』、『ドライツェーン』、『フィーアツェン』。
 彼らのことをワルルーナは認識した。
 強い願い。だが、ワルルーナは迫るオブリビオンマシン部隊をも認識する。どちらにしたって、ここは危険地帯である。

「とにかく一旦黙らせる! こうもバンバン打ち合いしていたのでは危なくてしようがないな!」
 立ち上がるように機動要塞魔王城『ワルルンガーΣ』が変形していく。
 要塞と要塞が相まみえる。
 それは驚天動地の光景であったことだろう。誰もが目を丸くした。城塞が変形して人型に成っていくのだから。
「城内各員に告ぐ、総員戦闘準備!『ワルルンガーΣ』、出陣である!」
 魔王城が変形した趣味丸出しの巨人は『陸上戦艦』の砲撃を受け止める。

「な、なにをしている! 敵の巨大兵器を打ち倒さんか!」
『陸上戦艦』に接合した要塞のようなオブリビオンマシンの中で『フォン・リィゥ共和国』の国家元首が号令を発する。
 それに呼応するように『ガガンボ』部隊が殺到する。
 砲撃オプションを装備した機体が次々に『ワルルンガーΣ』に弾丸を打ち込む。だが、頑強な要塞そのものたる巨体に5m級の戦術兵器が装備する砲弾は豆鉄砲もいいところであった。
「無茶だろ、こんなの……!」
『ガガンボ』のパイロットたちはオブリビオンマシンに心を歪められながらも、圧倒的な戦闘能力の差に顔面を蒼白にすることしかできなかった。
 だが、やらなければならないのだ。絶望的な大きさを持つ相手であっても。

 そんな彼らにワルルーナは空に浮かび、告げるのだ。
「貴様らが本当にその欲望に全てを掛けるならばこの波も超えられよう」
 放つは、魔将顕現:怠惰るウェーブ(ワルニクスウェーブ)。
 背に生やした、微妙な色でも得る不死鳥の翼がなんともしまらない雰囲気であるが、その翼が放つ波動は、なすべきことをする意欲を喪う怠惰の波動。
『ガガンボ』のパイロットたちは、その怠惰の波動を前に次々と戦意を失っていく。
 それもそのはずである。
「であろうな! 単にすべきことを怠り、あるべき姿へ向かう努力を放棄し、楽で楽しい方へ流れるだけならば、そこで好きなだけ怠惰に浸っていくとよい」
 うちのワルニクスのようにな! とワルルーナは告げる。

 空を舞うように戦意を喪失した『ガガンボ』にワルルーナは迫ると、その脆弱な手足をもぎ取っていく。
「鋼鉄の巨人とは言え、脆いものは脆いのだな。骨のあるやつがいると思っていたが、どうやらそうでもないらしいな!」
 ぽい、ともぎ取った『ガガンボ』の手足を投げ捨てワルルーナは再び『ワルルンガーΣ』の肩に飛び乗る。
 怠惰とは確かに人の肉体と心を如何ともし難い脆弱なものへと変えていくだろう。

 けれど、人の心はそれを踏み越えることができる。
 その強さにワルルーナは惹かれる。
「うちのワルニクスもそうなのだ。仕事より趣味優先……! それほどの強き願いがあるのならば、最早仕方ない。だが!」
 ワルルーナは『陸上戦艦』を見やる。
 彼らにそれがあるとは思えない。
 ただ楽な方に。ただ奪うためだけの願いなど、ワルルーナは是としないだろう。迫る砲撃すら物ともせず、また一歩『ワルルンガーΣ』は進む――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ステラ・タタリクス
【ルクス様と】
エイル様主人様の!香りがします!!
というかエイル様因子くださいもらいますその子たちを私の子にします
誰がやべーメイドですか
健全なメイドです

ともあれ
この戦いは未来のために
アンサーヒューマンの子たちのために
勝たなければなりません
だからこそ『戦いに際しては心に平和を』
ルクス様、蚊トンボ落としますよ!

フォル!いらっしゃい(鳥型キャバリアを呼び寄せる)
ルクス様も乗って
常に飛翔し続けて一箇所に留まらないように
高度は低くて問題ありません
攻撃は【ファム・ファタール】で
ルクス様も演奏で支援してください
私は対ルクス(以下略)で防御…なん、だと……
ルクス様がまともな演奏を仕掛けてきた!?


ルクス・アルブス
【ステラさんと】

ステラさん、すとーっぷ!?

いくら世界が認めるやべーメイドでも、
これ以上はコンプライアンスがあぶないです!?

……アンサーヒューマンの子の未来って、
ステラさんの子になるとかじゃないですよね?

ま、まぁ、そこは後で考えるとしまして、
今はあれをなんとかしないとですね。

わかりました。それではわたしも【協奏曲第1番】を、
【リミッター解除】して【限界突破】でいかせてもらいます!

【Canon】でなくこちらを選んだは、
今日こそステラさんの鼓膜を震わせる、魅惑の演奏をさせていただくからです!

なぜならCanonは攻撃のみですが、こちらは回復効果もあります。
回復は防御できませんから、撃ち抜けますよ!



 相変わらずと言えば相変わらずであったのかもしれない。
『陸上戦艦』は都市のごとく巨大で、ヤマアラシのように備えられた砲身は相対する猟兵達を狙い続けている。そして、飛び出すオブリビオンマシン部隊『ガガンボ』は、絶えることがなというように戦場たる荒野を舞う。
 圧倒的な質量と物量。
「どれだけ敵が我等の前に立ちふさがるのだとしてもな! この『陸上戦艦』があれば、全て押し潰して破壊できる! 我等は依然、奪う側だ! 奪われる側になってたまるのものか!」
『フォン・リィゥ共和国』の国家元首の声が響く。

 だが、その声を上回る声量が荒野に響き渡る。
『エイル』様主人様の! 香りがします!!」
 ぐわっ! と響くそれは咆哮というかいつものやつであった。香りは気の所為かもしれないが、『エイル因子』を持つアンサーヒューマンたちが荒野にいるのならば、香ったのかもしれない。やだこわい。
「というか、『エイル様因子』くださいもらいますその子達を私の子にします」
「ステラさん、すとーっぷ!?」
 ステラ・タタリクス(紫苑・f33899)のいつものやつに、ルクス・アルブス(『魔女』に憧れる『出禁勇者(光属性)』・f32689)はいつものようにツッコんだ。
 もう恒例行事なのかなと思わんでもない。
「いくら世界が認めるやべーメイドでもこれ以上はコンプライアンスが危ないです!?」
「誰がやべーメイドですか。健全なメイドです」

 ルビで犬とか打ってる時点で健全さはない。

「……アンサーヒューマンの子の未来って、ステラさんの子になるとかじゃないですよね?」
 そうでしょ、とルクスは差し迫った危機よりもコンプラを優先する。
 出来た勇者である。
「この戦いは未来のために。アンサーヒューマンの子たちのために勝たなければなりません」
 噛み合ってない。
 残念ながらルクスがどれだけツッコんでも噛み合わないのである。
 しかし、そんなルクスの懊悩を知ってか知らずかステラはマイペースであった。
「だからこそ『戦いに際しては心に平和を』。ルクス様、蚊トンボ落としますよ! フォル!」
 その言葉とともに現れるキャバリア『フォルティス・フォルトゥーナ』。
「ま、まぁそこは後で考えるとして……今はアレをなんとかしないとっていうのには同意しますよ!」
 ルクスはステラに手を引かれて鳥型のキャバリアに乗り込む。
 複座式のコクピットに収まれば、彼女はユーフォニアムを構える。

「……私は対ルクス様(以下略)で防御しますので」
 迫る『ガガンボ』部隊。
 羽撃くキャバリア『フォルティス・フォルトゥーナ』がソニックブームを放出しながら低空を飛ぶ。
 この空に蓋をされた世界にあっては、空は自由の象徴ではない。
 閉塞感の象徴だ。
 蒼空はあれど、そこを自由に飛ぶことはできない。暴走衛生の存在がそれを許さないのだ。だが、それでも焦がれるような願いがある。

 空に響き渡るのは、柔らかく包み込むような戦慄。
 協奏曲第1番(キョウソウキョクイチバン)。それはユーフォニアムによって奏でられる見事な演奏であった。
「なん、だと……?」
 ステラは思わず後ろを振り返っていた。そこにはいつもの自信満々な表情で演奏するルクスの姿があった。
 マジで? とステラは耳栓を引っこ抜いた。
 あのルクスが?
 え、あ、ん? これってもしかして新たな幻覚とか敵の攻撃とかそういう? と訝しんだ。流石にそれはひどいと思ったが、今までの実績からしてそう思うのも無理なからぬことである。

「むぅむむむむ、むむむむー!」
 ルクスが抗議しているようである。
 そう、ルクスは選んだのだ。いつもの破壊音響兵器……ではなくて、このような柔らかな戦慄を奏でることを。できるならいつもやればいいのにとかおもわなくもない。
 だが、これでもルクスは己の能力のあらゆるリミッターを解除して限界を超えているのである。限界を超えてこれっていうもなんか、その、となるが、それでもルクスはよかったのである。
 そう、戦うとか戦わないとか以前の問題なのである。

「今日こそステラさんの鼓膜を震わせる、魅惑の演奏をさせていただくと決めていました!」
「ルクス様がまともな演奏を仕掛けてきた!?」
 コクピットの中でそんなやり取りがあるとは『ガガンボ』のパイロットたちは梅雨とも知らず。
『フォルティス・フォルトゥーナ』は空気読んだように戦慄と共にソニックブームでもって『ガガンボ』たちを落ちし続ける。
「なんで、そんな意外そうな顔をしてるんですかー!?」
 ルクスの抗議にステラは本当にこれルクス様なのでしょうかと、頬をつねったりあれこれして確かめるのであった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

菫宮・理緒
【シャナミアさんと】

相手が陸上戦艦なら、わたしは空母でいっちゃおう。

『希』ちゃん、【ネルトリンゲン】を前に。盾になるよ。

ガガンボが上がってきたら、
ネルトリンゲンの装備と【M.P.M.S】も対空モードにして迎撃。

戦艦が主砲を撃ってきたら【等価具現】で無効化、もしくは弱体化。
多少のダメージは装甲で受けつつ、戦線を押し上げていこう。

「『希』ちゃん、わたしは迎撃メインでいくから、
シャナミアさんのフォローをお願い!」
『了解。【D.U.S.S】で敵の行動を攪乱します』

飛んでる相手に衝撃波を叩きつけてバランスを崩していこう。

あ、シャナミアさん。
他にも使えることあったら、『希』ちゃんこき使っていいから、ねー。


シャナミア・サニー
【理緒さんと】
よーっし!
理緒さんいくよ
というかネルトリンゲンをすっごく頼りにしてる!

レッド・ドラグナーでるよ!
ネルトリンゲンの甲板から仕掛ける!
【メインウェポン・チェンジ】で
ファンシェイプ・マルチプルビームキャノン換装
攻撃回数↑・装甲↓
あ、そういうことなら『希』ちゃん
敵の位置のマッピングよろしくー
さーてまとめて叩き落す!
いくら高速機動してたって
このビームライフルの範囲攻撃なめてたら痛い目見るよ!

敵艦の主砲にはもう一度【メインウェポン・チェンジ】で対抗
エレクトロマグネティック・カウンターシールドに換装で装甲↑・攻撃力↓
理緒さんの策で弱体化した砲撃なら十分しのげる!
レッド・ドラグナーなめんなー!



『陸上戦艦』のヤマアラシの如き様相と都市そのものかの如き巨体が荒野を征く。
 あらゆるものを踏み潰す鋼鉄の足は、『フォン・リィゥ共和国』の安寧を守っていた生産工場群の跡地すら踏み砕いていく。
 もはや、彼らにとてそれは必要のないものであったからだ。
 うちに籠もるのはやめる。
 他を侵略することに酔って望むものを得る。
 オブリビオンマシンによって心を歪められた『フォン・リィゥ共和国』の国家元首や人々は、そのためだけに進む。
「この『陸上戦艦』をもってすれば! どのような小国家が相手だろうともなぁ!」
 その言葉は正しいのかもしれない。

 このまま進めば破滅の道だ。
 周辺小国家は戦乱で疲弊している。『フォン・リィゥ共和国』が勝つこともあながち間違いではない。けれど、それ以上に『フォン・リィゥ共和国』もこの『陸上戦艦』を動かすということは、血を流しながら戦うのと同じであった。
「『ネルトリンゲン』を前に」
 菫宮・理緒(バーチャルダイバー・f06437)は巨大な『陸上戦艦』を前に低空を飛ぶミネルヴァ級空母『ネルトリンゲン』で相対する。
『希』と呼ばれたAIによってサポートされた空母は、その甲板に一騎のキャバリアを擁していた。

「よーっし! 理緒さんいくよ。というか『ネルトリンゲン』をすっごく頼りにしてる!」
「うん、任せておいて。敵、上がってきたよ!」
 甲板のキャバリアは、赤き竜騎兵。
 シャナミア・サニー(キャバリア工房の跡取り娘・f05676)の駆る『レッド・ドラグナー』が飛び出す。
「飛行船もどきがよ!」
「撃ち落としてやる! 味方の砲撃にやられんなよ!」
『ガガンボ』たちが一斉に『ネルトリンゲン』に迫る。低空で速度を出せないこのクロムキャバリアの空において『ネルトリンゲン』は確かに飛行船もどきであったのかもしれない。

 けれど、それでも理緒の瞳はユーベルコードに輝く。
 もとより、この『ネルトリンゲン』を盾にするつもりだったのだ。今更だ。だから、彼女は等価具現(トウカグゲン)によって、電脳世界に干渉し、放たれた砲撃の等価存在を生み出してぶつけ、相殺する。
 空中で爆風が吹き荒れる。
「――ッ、砲撃を空中で相殺させた!? どういう神業だよ!」
「おい、来るぞ! 敵キャバリ――」
『ガガンボ』の一騎をシャナミアの駆る『レッド・ドラグナー』が踏み台にして空を舞うように、それこそ蒼空に浮かぶ太陽を背に飛ぶ。

「『希』ちゃん、シャナミアさんのフォローをお願い!」
『ネルトリンゲン』の艦橋で理緒は一斉に迫る『ガガンボ』部隊の一条をまとめる。砲撃は苛烈さを増している。
 けれど、彼女のユーベルコードは全てを電脳世界から干渉し、相殺し続ける。
 いつまでも出来ることではない。
 やはり、決定打はシャナミアのキャバリアになることを理緒は確信する。彼女ならばやれるはずだ。やってくれるはずだと理緒は信じる。

『了解。敵行動を撹乱します』
『ネルトリンゲン』の艦首が展開し、音響兵器が顔を覗かせる。放たれる音響兵器の衝撃波は、『ガガンボ』たちの脆弱のフレームでは受け止めきれないだろう。
 空を飛ぶのであればなおさらバランスを崩してしまう。
 ならば、あとはシャナミアに任せられる。
「おっけー、ありがとう『希』ちゃん。マッピング情報も……さーて、まとめて叩き落とす!」
 高速機動が出来る『ガガンボ』と言えど、衝撃波によって体勢を崩されているのならば、そこが付け入る隙である。

 シャナミアの駆る赤いキャバリアならばできる。
「メインウェポン・チェンジ!」
 瞬時にシャナミアは『レッド・ドラグナー』にマウントされていた扇形のビームキャノンを構える。
 奇妙な形だった。
 扇形をした砲身。いや、砲列とも言うべき形。
「ファンシェイプ・マルチプルビームキャノンだよ! このビームライフルの範囲攻撃をなめてたら痛い目見るよ!」
『レッド・ドラグナー』のアイセンサーが煌めき、『希』から送られてきた敵位置情報でもって瞬時にロックオンする。

「これから逃れると思わないでよね!」
 放たれる放射状のビームが『ガガンボ』たちを一気に撃ち落としていく。
 だが、それだけでは戦況は変わらない。
「シャナミアさん、敵『陸上戦艦』の砲塔の位置!」
「いける、十分凌げる!」
『レッド・ドラグナー』のウェポンコンテナから展開されるシールドが両手にマウントされる。
 それはただの盾ではない。
『陸上戦艦』から放たれる砲撃を受けた瞬間、装甲に電流を流し威力を相殺するのだ。だがそれだけではない。

「シャナミアさん、いっけー!」
 理緒の言葉に応えるように赤き竜騎兵が一気に『陸上戦艦』の砲撃続ける砲塔へと飛び込む。
 手にした大盾を叩きつけ、砲塔をひしゃげさせる。
 爆炎が立ち上り、黒煙の中立ち上がる。
「『レッド・ドラグナー』なめんなー!」
 勝鬨を上げるようにシャナミアは叫ぶ。それが戦場にあった猟兵たちを鼓舞し、続く戦いの趨勢を猟兵たちに傾けるのであった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

カシム・ディーン
やれやれ…戦艦とか格好いいじゃねーか
「地上戦艦とかやっぱり浪漫かな?」
かっこいい事は認めるけどやってる事はイラつくな?

【情報収集・視力・戦闘知識】
戦艦の探知能力と敵陣の陣形と攻撃パターンを把握
対砲撃
【属性攻撃・迷彩】
ようは補足されないことだな?
UC発動
召喚した竜と己に光水属性付与
光学迷彩と共に水の障壁で熱源隠蔽
【弾幕・念動力・二回攻撃・切断・盗み攻撃・盗み・捕食】
後は念動光弾を乱射して動きを止め
竜達が襲い掛かり四肢に食いついて切断して資源になりそうなものは根こそぎ強奪!
金目になるものは頂いて後で売り払うとしましょう!

ああ、とりあえず目標よりもやりてーと思う事をするんだな?
僕はエロい事がしたい!



 巨大な都市そのもののような『陸上戦艦』。
 その雄々しき姿は、見る者にとっては心踊らせるものであったのかもしれない。
 少なくとも、カシム・ディーン(小さな竜眼・f12217)にとってはそうであったのだ。
「やれやれ……戦艦とか格好いいじゃねーか」
『『陸上戦艦』とかやっぱり浪漫かな?』
 鋼鉄の足が無数に蠢くようにして巨大なヤマアラシの如き砲塔を備えた『陸上戦艦』を前に、前に推し進める。
 道行きに障害があれば、鋼鉄の足が全てを踏み抜いて砕いていく。
 土埃が荒野に広がり、その巨大さ、その威容を知らしめるようでもあった。
「かっこいいことは認めるけど、やってることはイラつくな?」

 己のキャバリア『メルクリウス』の中でカシムは首を鳴らす。
 眼前に在る『陸上戦艦』は『フォン・リィゥ共和国』の総力と言ってもいい。オブリビオンマシンが中心に座すように接合して、制御しているのだろう。
 そのオブリビオンマシン自体も要塞じみている。
 だが、問題はそこではない。
「なんもかんも奪おうっていうのがな。目標とかそんなんじゃなく、やりてーと思うことをするのが人間ってもんだろうが」
『ご主人サマはえっちなことがしたいだけだよね☆』
「たりめーだろうが!」

 カシムは『メルクリウス』と共に戦場に飛び込む。
『陸上戦艦』からオブリビオンマシン『ガガンボ』がひっきりなしに飛び立ち、猟兵たちと戦っている。
 確かに数は多い。 
 それだけで他を圧倒することもできるだろう。だが、それは此方を認識していれば、ということに尽きる。
「どれだけ数がいようとも、どれだけ無数の砲身で砲撃を行ってくるのだとしても……ようは補足されないことが一番ってわけだよ」
 カシムの帝竜眼「ダイウルゴス」(ブンメイヲシンリャクシユウゴウスルモノ)が輝く。

「万物の根源よ…帝竜眼よ…文明を構成せしめし竜の力を示せ…!」
 百を超える『小型ダイウルゴス』が召喚され、さらに光と水の力によって光学迷彩を施す。熱源を置い隠すことに寄って飛び立つ『小型ダイウルゴス』を視認できる者はいなくなった。
「ん? なんだ……センサーには何も反応していないが……」
 砂塵が揺らめく光景に『ガガンボ』のパイロットたちは訝しむ。
 だが、センサーや計器には何も反応がない。
 その事実に彼らは反応が一瞬遅れた。その隙をカシムが逃すわけがない。

 瞬時に放たれる念動光弾。
 乱射されるそれは、『ガガンボ』の脆弱な手足を即座に打ち抜き、もぎ取る。
「なんだぁ!? どこから……!」
「ヒッ、どうなってんだよ! 何も見えねぇぞ!」
 混乱に落ちいいる『ガガンボ』部隊。だが、その混乱をよそにカシムは笑う。

「資源になりそうなものは根こそぎ強奪! 金目に成るものは全部頂いて、後で売り払うとしましょう!」
 圧倒的な物量はそのまま、こちらの財布を潤すことになる。
 カシムにとって、戦いよりもそのことの方が重要であったのかもしれない。目標を見つけ出すのも良いことだろう。
 けれど、やりたいことを見つけるよりも早く腹が空くのが人間というものだ。
 ならばこそ、今は目先のことからしっかりと片付けていくのもまた正しいのだ。

 それを証明するように『メルクリウス』は砲撃の雨をかいくぐり、次々と『小型ダイウルゴス』と共に『ガガンボ』をかく座さ、『陸上戦艦』へと迫る。
「あれだけのデカブツだ。浪漫の塊だ。なら、たんまりと溜め込んでいるでしょう! それをまるっと全部頂きましょう」
 それが盗賊たる自身の生き方だと示すように、都市の如き巨体に『メルクリウス』が飛ぶのであった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

月夜・玲
でかーい!
陸上戦艦!浪漫の塊じゃんか!
これをオカズにご飯食べられそう
えー、良いもん持ってんじゃん良い物
折角だし記念撮影しとこ


【Code:U.G】起動
飛翔し、上からも記念撮影
よーし、撮った撮った満足!

《RE》IncarnationとBlue Birdを抜刀して戦闘態勢
戦場全体に自重で潰れるくらいの重力発生
動きが鈍ったガガンボを狙って最大加速で接近
勢いそのまま、剣で『なぎ払い』
切り捨て御免…ってね
敵の斬撃は手持ちの剣を『オーラ防御』で強化し、『武器受け』して鍔迫り合い!
そのまま重力を強めて地面に落ちて貰おう

結構戦力残してんじゃん
やっぱり上がまともだったら天下取れてたよ天下!
ま、もう無理だけどさ



 砲撃の雨が降り注ぐ。
 戦場となった荒野を土煙を上げながら蠢く無数の鋼鉄の足が踏み鳴らす。
 小国家『フォン・リィゥ共和国』の『陸上戦艦』はあまりにも巨大だった。まるで都市一つがまるごと移動しているかのような様相。
 その中心に座して接合している要塞の如きオブリビオンマシンによって国家元首は心を狂わされていた。
「行け! 邪魔立てするものは全て破壊しろ! 砲撃の手を緩めるな! 我等に歯向かうものは全て皆殺しだ!!」
 その叫びは、多くの戦乱を再び生み出すものであった。

 だが、その巨大なる『陸上戦艦』を前にして感嘆の声を上げる者があった。
「でかーい!『陸上戦艦』! 浪漫の塊じゃんか! これをオカズにご飯食べられそう」
 月夜・玲(頂の探究者・f01605)は思わず言葉にしてしまっていた。
 口をついて出た、とも言う。
 浪漫でお腹は膨れないが、おかずにはなるのである。
 確かに小国家『フォン・リィゥ共和国』は恵まれた環境にあったのだろう。立地、資源、どれもがこのクロムキャバリアという戦乱続く世界を生き抜くのにイージーであったのだ。

「えー、良いもん持ってんじゃん良い物。せっかくだし記念撮影しとこ」
 いえーい。
 パシャっとスマホと自撮り棒で玲さんは『陸上戦艦』の巨体と自分を撮影してご満悦である。
 とは言え、やるべきことをやらねばならない。
 これまたお仕事なのである。浪漫でお腹が膨れないから、お仕事をして腹を満たすのである。
「重力制御開始。地の理は今此処に……と、上から俯瞰した画角もね! 抑えないとね!」
 ユーベルコード、Code:U.G(コード・アンロック・グラビティ)によって重力制御形態に移行した玲は低空とは言え空より『陸上戦艦』の威容を捉える。
 改めて見ても巨大な『陸上戦艦』である。
 六角形の巨体に無数の砲身。
 まるでヤマアラシか食虫植物であった。

 だが、今の玲には関係ない。
「よーし、撮った撮った満足!」
 二振りの模造神器が抜刀され、その蒼き刀身が煌めく。
 その輝きに吸い寄せられるようにオブリビオンマシン『ガガンボ』の部隊が殺到する。
「人……? おいおいマジかよ。人が飛んでやがるぞ!」
「生身でなんて冗談じゃ……まさか!」
『ガガンボ』のパイロットたちは理解した。
 玲が何者であるのかを。
「こ、コイツ見たことがあるぞ! 闘技場でダンボール一つでキャバリアを……!」
「切り捨て御免……ってね」

『ガガンボ』のパイロットが最後まで言葉を紡ぐことはできなかった。
 玲の周囲には常に重力が発生しているのだ。それも自重で潰れるほどの重力が。そして、『ガガンボ』の空を飛ぶために軽量化した脆弱なフレームでは、それに耐えることはできない。
 よしんば重力に抗うことができたとしても、その隙を見逃す玲ではない。
 走る蒼き斬撃が『ガガンボ』の手足を切り裂き、失墜させるのだ。
「そっかー……あの時の闘技場のパイロットもいるってことか」
 人材も○、と玲は頭の中のメモ帳に刻む。
「やっぱりイージーモードじゃん、この小国家!」

 人材も流れてくる。物資も、金も。何もかも流動的。
 不足するものはなく、強いて言うのならばプラントの数が少ないということだろう。けれど、それは闘技場に流入してくるもので補うことができる。
「結構戦力残してんじゃん」
 放たれる砲弾を重力制御で飛ぶ玲はこともなげに躱す。
 砲撃されたと判断してからでも躱せる。砲弾も安いものではないだろうに、これだけバカスカ打ち込むことができるのは、十分に余力が在ると言ってもいい。

 だからこそ、なおさらに玲は惜しいと思うのだ。
「やっぱり上がまともだったら天下取れてたよ天下!」
『ガガンボ』が迫る。
 生身単身だからとか、そんなことなどもう言ってはいられない。彼らの目の前にいるのは超常たる存在。
 一切の油断もないキャバリアソードが振り下ろされる。
 しかし、それを玲は模造神器の蒼き刀身で受け止める。火花散る空に玲は諦めたように呟く。
「ま、もう無理だけどさ」

 血を垂れ流しながら破滅の道を歩むしかない小国家。
『フォン・リィゥ共和国』。
 その終わりを玲はもう幻視している。ならばこそ、傷の浅いうちに終わらせることこそが、今を生きる彼らのためであるというように鍔迫り合いする『ガガンボ』を吹き飛ばし、『陸上戦艦』へと迫るのであった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『機動殲龍『空虚』』

POW   :    黒洞防御機構『黒天』
全身を【覆う装甲を接近物を吸うブラックホール装甲】に変える。あらゆる攻撃に対しほぼ無敵になるが、自身は全く動けない。
SPD   :    敵性圧縮機構『払暁』
【体を覆う砲】から【敵を圧縮消滅させる超重力弾】を放ち、【外れても超重力】により対象の動きを一時的に封じる。
WIZ   :    操天災禍機構『空虚』
「属性」と「自然現象」を合成した現象を発動する。氷の津波、炎の竜巻など。制御が難しく暴走しやすい。
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「ええい!『ガガンボ』部隊は何をしている! 取り付かれては意味がないではないか! 役に立たない者どもが! 何のために高い金を払ったと!」
 小国家『フォン・リィゥ共和国』の国家元首は苛立つ。
『ガガンボ』部隊であっても猟兵たちを止めることはできなかった。
『陸上戦艦』に取り付かれては、この巨体を活かすことができない。巨大であるがゆえに自分自身を撃つことができないのだ。

 いや、できる。
 損害など考えなければいいのだ。打ち込めばいい。敵が取り付いたのならば、絶対にしないと思われる自損覚悟の攻撃が最も不意をつくはずだ。
 その思考自体が狂気。
 もはや戦術の意味すら介さぬ国家元首は嗤う。
「簡単なことだ! 機動殲龍『空虚』を切り離せ! このまま空より『陸上戦艦』に取り付いた者どもを殲滅する!」
 遠隔操作で指揮される『陸上戦艦』の砲塔が自身に取り付いた猟兵たちを狙う。
 さらには空より巨大な要塞の如きオブリビオンマシン『空虚』が破滅的な戦いに全てを巻き込まんと、その猛威を振るおうとしていた――。
村崎・ゆかり
狂気とか心の歪みって本当に怖いわね。目先のことに狂った対応しか出来ない。

『迦利』、「レーザー射撃」の「弾幕」で気を引いておいて。その間に術式を仕上げる。
「結界術」「全力魔法」酸の「属性攻撃」「範囲攻撃」「呪詛」「仙術」「道術」で紅水陣。
一気に『空虚』の装甲を溶かす。
天災を操ってきたって紅水陣の結界は消せないわよ。その機体、破壊させてもらうわ。

引き起こされる天災には「環境耐性」で耐えながら、紅水陣を維持。
そろそろ装甲が劣化し始めたんじゃない?

この陸上戦艦が自分の国を蹂躙した後は、どうするつもりなのかしら、国家元首!
『黒幕』に唆されるまでもなく滅びそうね。というか、彼にも相手にされてなかった気が。



『フォン・リィゥ共和国』の国家元首の言葉は、あまりにも浅慮であった。
 同時に狂気に侵されているとも思えただろう。
 破滅的な戦いに赴かせるのはいつだって狂気だ。
 自らの体躯である『陸上戦艦』を切り離す。頭だけが生き残ったとしても、その小国家としての生命はすぐに尽きる。
 体があってこその血。
 そして頭である。だが、国家元首である彼は体を切り捨てた。

「私だけがいればいいのだ! それだけで『フォン・リィゥ共和国』は存続する!」
 要塞の如きオブリビオンマシン、機動殲龍『空虚』が浮かぶ。
 その折りたたまれた翼のような機構が広がっていくと同時に周囲に満ちるのは、炎の嵐。『陸上戦艦』という足場を使う猟兵たちを睥睨し、炎によって滅ぼそうとしている。
 だが、それもまた破滅的な行動であっただろう。
『陸上戦艦』には多くの砲弾や火薬が存在している。巨大な船体を動かすためのエネルギーインゴットだってあるのだ。
 それに引火したのならばと考えることはない。
「狂気とか心の歪みって本当に怖いわね。目先のことに狂った対応しか出来ない」
 猟兵を滅ぼす。
 ただそのためだけに『陸上戦艦』もろともに吹き飛ばそうとする国家元首の言葉は、もはや狂気意外の何物でもないと村崎・ゆかり(“紫蘭”/黒鴉遣い・f01658)は息を吐き出す。

「『迦利』!」
 ゆかりの式神たる無人機キャバリアが空を舞う。
 放つレーザーの弾幕が『空虚』の機体装甲を焼く。だが、それだけでは止まらない。要塞のごとき機体は弾幕程度では落ちはしないのだ。
「馬鹿め! その程度の攻勢でこの『空虚』が! キャバリア要塞化構想によって生まれた機体が落ちるものか!」
「そうね。確かに落ちはしないのでしょう」
 ゆかりは落ち着いていた。
 どれだけ巨大な、要塞のごときオブリビオンマシンであったとしても、所詮はキャバリアである。
 壊せぬ道理などない。

 ならばこそ、彼女の瞳がユーベルコードに輝く。
「古の絶陣の一を、我ここに呼び覚まさん。魂魄までも溶かし尽くす赤き世界よ、我が呼びかけに応え、世界を真紅に塗り替えよ。疾っ!」
 真っ赤な血のような、全てを蝕む強酸性の雨が降る。
 紅水陣(コウスイジン)は、この戦場にあるものすべての装甲を腐食させていく。赤い靄がその尖兵。
 この腐食に対する耐性を持たぬのならば、須らく溶けていくのみ。
「この『陸上戦艦』が自分の国を、他の国を蹂躙した後は、どうするつもりなのかしら、国家元首!」
 無意味な戦いだ。
 ゆっくりとした破滅への道が、凄まじい速度で終わりを迎えさせようとしている。

 彼らは何事もなく、これまでと同様に徒に時間を費やしていたらよかったのだ。 
 それは確かに滅びへの道だったが、穏やかなものであったはずだ。
 変わらぬ日々。
 今日と明日の違いさえわからぬ日々。
 それがどんなに得難いものであるのかを彼らは知らないのだ。だからこそ、ゆかりは言う。
「このままだと……そうね。そそのかされるまでもなく滅びそうね。というか、『彼』にも相手にされていなかったのね」
 ただ隠れ蓑にしただけ。
 ただちょっと寄っただけ。
 ただそれだけであったのだ。
「ふざけるなッ! 我等を! そのような! 物言いで!」
「そろそろ装甲が劣化してきたでしょ」
 強酸性の雨は如何なる頑強な装甲であろうと腐食させる。ゆかりの言葉に国家元首は気がつくこともできなかった。
 時間が経てば立つほどに彼女のユーベルコードは、『空虚』の装甲を削っていく。

 そう、彼が先程『迦利』のレーザーの一撃をあざ笑ったが、今の装甲の状態であれば……。
 打ち込まれたレーザーの一撃が『空虚』の装甲を引き剥がすように焼き切る。腐食した装甲はレーザーを弾くだけの力を持たない。 
 瓦解するように要塞の如き装甲の一部が剥離して大地に落ちていく。
「ば、馬鹿な……! この『空虚』の装甲が剥がされるなど……!」
「まだ何も見えていないのね。状況も、何もかも……だから、あなたたちの平穏は此処で終わり」
 ゆかりは『迦利』に命ずる。
 その光線の一撃が、さらに『空虚』を穿ち、内部機構に損傷を齎すのであった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

メサイア・エルネイジェ
でっけぇのが増えましたわ…
味方ごとお撃ちになられるつもりですの?
キチゲェですわね!

とりあえずおマッハでぶん殴りに…なんですヴリちゃん?
同じ高さでおマッハしたら殲禍炎剣にめっ!される?
そうですわねぇ
ではクイックドレスチェーンジ!
攻撃力重視のガンフューラーでビームキャノンをおシュートですわ〜!
ビームは物体ではありませんので殲禍炎剣にめっ!されませんわ〜!たぶん!
装甲にダイソンされるなら装甲の無いエンジン等を狙えばよろしいのですわ
目標がでけぇし動かないので狙い放題ですわ
陸上戦艦の砲門にはミサイルぶっぱですわ
火薬マシマシのでけぇ砲弾をお持ちなら、ちょっと小突けば誘爆で汚ねぇ花火になりますわ〜!



「でっけぇのが増えましたわ……」
『陸上戦艦』に接合していたオブリビオンマシン、機動殲龍『空虚』が切り離され空に浮かぶ。
 暴走衛生『殲禍炎剣』に感知される高度よりは下ではあるが、要塞がそのまま空に浮かぶかの威容は、『陸上戦艦』に取り付いた猟兵たちにとっては脅威であったかもしれない。
 メサイア・エルネイジェ(放浪皇女・f34656)は、その威容をみやり思わず喉を鳴らす。だが、自分たちが取り付いている『陸上戦艦』は味方のはずだ。
 撃てば、それだけ自分たちへの損害となる。
 だが、それさえも『空虚』を駆る国家元首には関係がないのかもしれない。
 
 彼にとって己が存在していれば『フォン・リィゥ共和国』は潰えないと思っているのだ。頭である自分さえいれば、いくらでも立て直しができると思っている。
 けれど、それは過ちである。
 頭と胴を切り離して生きることのできる生命がないように。国家もまた同様である。頭無き胴は瓦解するのみ。また胴なき頭も同様である。
 どちらかだけがあればいいという問題ではないのだ。
「だというのに、味方ごとお撃ちになられるつもりですの? キチゲェですわね!」
 メサイアは王国の姫である。
 さっきまでキラキラっとしていたが、姫である。そんな彼女であるからこそ、わかるのだ。国とは人の集合体。
 上に立つ者がいたとしても、それだけでは成り立たないのである。

 だからこそ、メサイアは『空虚』をねめつけ、『ヴリトラ』と共に『空虚』を打倒さんとする。
「とりあえず、おマッハでぶん殴りに……なんですヴリちゃん?」
『ヴリトラ』の声が響く。
 それは彼女にしか聞こえない声であっただろう。助言、と言ってもいい。『ヴリトラ の危惧も尤もである。
 あの『空虚』は暴走衛生『殲禍炎剣』に感知されないギリギリに停滞している。ならば、自分たちがあの『空虚』の上を取ったのならば、即座に『殲禍炎剣』が砲撃を開始するだろう。

 そうなっては、キャバリア程度の装甲は即座に撃ち抜かれて終いである。
「そうですわねぇ……では、エルネイジェ流瞬間お着替え術(クイックドレスチェンジ)ですわ!」
 くわ、と目を見開いてユーベルコードに輝くメサイアと『ヴリトラ』。
 それは瞬時に装備を召喚し、即時換装するユーベルコード。高速機動戦闘仕様の『ヴリトラ』のイオンブースターが配され、背に負うのは二連装ロングレンジビームキャノン。
 即ち、『ヴリトラ・ガンフューラー』である。
 さらに腕部にビームガン、大腿部にミサイルランチャー。
 どれもが火力重視の装備構成。本来ならば換装に時間を要するが、メサイアのユーベルコードに寄って瞬時に換装を終え、『陸上戦艦』の上に降り立つ。

 装甲をひしゃげながら、ロングレンジビームキャノンの砲口が空に浮かぶ『空虚』に向けられ解き放つ。
「無駄だ! この『空虚』の 黒洞防御機構はあらゆる攻撃を吸い込む! 装甲がどれだけ引き剥がされようが!」
「むむ、それは面妖な! ですが、おマヌケは見つかりましたわ~! 装甲がなければ、その機構は働かない。そして、先程の猟兵さんのユーベルコードで引っ剥がされておりますでしょ~!」
 それに、とメサイアはエクスクラメーションマークを頭上に輝かせる。無論、イメージである。

「目標がでけぇし動かないわで狙い放題の今、その諸々見える装甲のないエンジン部分、そんでもって空に浮かばせるためのスラスターなどなど! 狙いは枚挙に暇がありませんわ~!」
 というわけで、と『ヴリトラ』の砲口と共にロングレンジビームキャノンが放たれ、装甲のない部分を徹底的に撃ち抜く。
 さらに大腿部のミサイルコンテナから放たれた弾道が『陸上戦艦』の砲塔に打ち込まれ、さらにはビームガンで足場と成った『陸上戦艦』の上を打ち抜きまくる。

「馬鹿な! 装甲……クソッ! あのときか!」
「おほほのほ! この『陸上戦艦』も火薬マシマシのでけぇ砲弾をお持ちでしたわねぇ……」
 にこやかにメサイアは笑む。
 ちょっと姫がしてはいけない感じの笑みであったが、この際置いておくとしよう。
 彼女は躊躇う事無く引き金を引く。
「ちょっと小突けば誘爆で汚ねぇ花火になりますわ~!」
 その言葉とともに『陸上戦艦』が爆発を繰り返し、盛大な火柱を立ち上らせ続ける。そのさなかをメサイアは『ヴリトラ』と共に高笑いしながら駆け下りていくのであった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ユーリー・ザルティア
ホント。一対何考えてこんなの作ったのかしら?
馬鹿かしら。馬鹿よね。阿呆が鋏手に入れて馬鹿の王様になったのね。

引き続きレスヴァントとパールバーティで行く。
このまま押し切る!!

ちッこの不自然な自然現象は…めんどくさい。
『索敵』で『情報収集』して襲い掛かる自然現象を『瞬間思考力』と『見切り』回避。
ボクの『操縦』テクニックを甘く見るなー。

ねえ。この世界でなんでキャバリアの適正サイズが5mで…施設の最大高さが15mなのか…忘れていない。
ボクが思い出させてあげるよ。
ゲンドゥルを陸上戦艦と敵キャバリアに照射する。

さて、巻き添え喰らう前に撤収!!
特殊粒子も残ってないしね…。



 巨大な『陸上戦艦』は猟兵が駆るキャバリアの構成によってヤマアラシの如き威容を誇った砲塔を失いつつあった。
 膨大に溜め込まれた砲弾が仇となったのだ。
 誘爆した内部は『陸上戦艦』から炎を立ち上らせる。
 オブリビオンマシン機動殲龍『空虚』を駆る『フォン・リィゥ共和国』の国家元首はわなわなと震えていた。
「我が『陸上戦艦』を此処まで……! 許せぬ! この『陸上戦艦』はそのまま我等が居城となるべきものであったはずだというのに!」
 接合されていなかったからこそ『空虚』は誘爆の難を逃れていたが、猟兵の攻勢は『空虚』の装甲を腐食させ、その内部に砲撃を受けて黒煙を立ち上らせる。

 しかし、未だ空に健在であるのならば、これを打ち倒さなければならない。
「馬鹿かしら。馬鹿よね。阿呆が鋏手に入れて馬鹿の王様になったのね。なら、仕方ないわ」
 ユーリー・ザルティア(自称“撃墜女王”(エース)・f29915)は白きキャバリアを駆りながら『フォン・リィゥ共和国』の国家元首の言葉に嘆息する。
 同しようもないとさえ思っただろう。
 一体何を考えて『陸上戦艦』を作っていたのだろうかと思っていたが、思っていた以上にしようもない理由だと彼女は断じる。
「愚弄するか!」
 吹き荒れる炎の嵐。
 羽撃く『空虚』の翼の如きパーツが、それを引き起こしているのだ。

 要塞の如き巨体は伊達ではない。
「チッ、この不自然な自然現象は……めんどくさい」
 炎が吹き荒れ、『レスヴァント』と『パールバーティ』に迫る。炎は実態がないからこそ、オブリビオンマシン以上に対処が難しい。
 迫る炎の隙間を縫うようにして『レスヴァント』が爆煙を上げる『陸上戦艦』の甲板の上を走り抜ける。
『パールバーティ』の砲撃が『陸上戦艦』に叩き込まれ、砲撃を阻止する。

「フハハハハ! 馬鹿め! 炎の嵐から逃れる術などあるものか!『陸上戦艦』は貴様らの墓標にくれてやる! 私だけが残ればいいのだ! 私だけが存在すれば『フォン・リィゥ共和国』はいくらでも元にもどるのだ!」
「そんな妄執に付き合ってなんからんないでしょ! ボクの操縦テクニックを――ッ!!」
 舐めるなと咆哮するユーリー。
 その方向に応えるように『レスヴァント』が甲板の上を走り抜ける。炎をかすめながら、『レスヴァント』のアイセンサーが煌めく。

「そんなものなど我が『空虚』を前にして如何ほどに役に立つものか!」
 炎の嵐はやまず。
 けれど、ユーリーは『レスヴァント』と共に走る。彼女たちが目指していたのはあるポイントだった。
 そう、オブリビオンマシン『空虚』と『陸上戦艦』が縦一直線に並ぶ箇所。その位置にまで走るのだ。
「ねえ。この世界がなんでキャバリアの適正サイズが5mで……施設の最大高さが15mなのか……忘れていない?」
 ユーリーが静かに呟く。
 彼女の『レスヴァント』のアイセンサーが煌めき、手にしたキャバリアライフルのレーザーサイトが『空虚』と捉える。

 何を、と要塞のごときオブリビオンマシンの中にあった国家元首は訝しんだだろう。
 そう、彼はユーリーが何を言っているのかわからなかった。
 彼は理解してなかった。いや、理解していたはずだ。しかし、彼は『空虚』というオブリビオンマシンを手に入れたことで忘れてしまっていたのだ。
 そう、空にあるのは何か。
 どうして小国家同士の国交が断絶しているのか。

 空にあるのは暴走衛星。
 名を『殲禍炎剣』。
「ボクが思い出させてあげるよ。利用するようで悪いけれどね!」
 ユーリーの言葉と共に『レスヴァント』から放射されたレーザーサイトに導かれるように蒼空より飛来するものが在る。

 それは『殲禍炎剣』の砲撃。
 天より地に炎の破滅を齎す一撃。
 彼女のユーベルコードは『殲禍炎剣』に標的をご認識させる力。
 放たれた砲撃は天と地に一閃を刻む。
「巻き添えくらわないうちに撤収!!」
 ユーリーの判断は早かった。『空虚』と『陸上戦艦』を繋ぐ一点を選び取ったユーリーは、即座に『レスヴァント』と『パールバーティ』と共に『陸上戦艦』の甲板の上から飛び出す。

 打ち込まれた砲撃の一撃は凄まじい衝撃波を伴って吹き荒れ、『陸上戦艦』に致命的な一撃を打ち込む。
「本当、無茶はできないね……特殊粒子も残ってない……けど!」
 ユーリーは見ただろう。
 天と地を引き裂くかの如き炎の砲撃。
 その一閃が刻む滅びの軌跡を――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ワルルーナ・ティアーメル
意志はあるがその為の力が足りぬ、といったところか
とりあえず4人組を結界も張って防御態勢を取らせたワルルンガーΣの城内に引っ張り込んで安全確保(なんとなく負傷させたりすると何か恐ろしい事が起きる気がするからな……)し、UCの使用を打診するぞ
もちろん、
本当に叶うかどうかは当人の力の使い方次第という事、
このアイテムで変身すると老若男女問わず「魔法少女になる」という事は伝えるぞ。
それでも構わんというのなら……受け取るがいい

後は空の敵に幻覚性ブレスと目からビームで攻撃、奴の欲望や自尊心を煽ったり隠してる願望を読み取り暴露したりで冷静さを奪いUCを暴走させてやろう
戦艦?あー、踏んだり蹴ったりさせとくぞ



 ワルルーナ・ティアーメル(百胎堕天竜魔王(自称)・f31435)は、強き願いを求めていた。
 彼女の最たる欲望『他者の欲望を満たす事』を実現するためにだ。
 全ては己のため。
 他者のためではない。やっていることは他者の願いを叶えることであったが、彼女は構いやしなかったのである。
 自身の欲望はそれによって満たされるのだから。
 そして彼女は見ただろう。
 荒野に佇む四人のアンサーヒューマンたち。彼らの心に強い願いを感じ取ったワルルーナは機動魔王城『ワルルンガーΣ』の肩部から彼らを見下ろす。
「ふむ、意志はあるがその為の力が足りぬ、といったところか」

 ワルルーナは彼らを結界を張り巡らせ防御態勢を取った『ワルルンガーΣ』の腕の中に囲い込む。
 未だ『陸上戦艦』の脅威は拭い去れていないし、接合をきった要塞のごときオブリビオンマシン、機動殲龍『空虚』は未だに空にある。
「なんとなく負傷させたりすると何か恐ろしいことが起きる気がするからな……ってぇ――!?」
 彼らを保護した瞬間、防御態勢を取った『ワルルンガーΣ』の背後にあった『陸上戦艦』とオブリビオンマシン『空虚』が空より飛来した砲撃の一撃に貫かれる。
 その一撃は凄まじい衝撃波を伴って吹き荒れる。
 もしも、ワルルーナが四人のアンサーヒューマンたちを庇わなかったのならば、それだけで彼らの生命はなかったかもしれない。

 それほどまでの一撃。
「な、なんだあれはー!? 猟兵!? 味方の攻撃か!?」
『陸上戦艦』が撃ち抜かれ、都市の如き巨躯を傾がせている。あまりのことにワルルーナも目が点になりそうになっている。
「ま、守ってくれたの……?」
「ああ、安全は確保されたぞ。さて……」
 ワルルーナは『ワルルンガーΣ』の中で彼らに向かい合う。

 彼らの瞳を見れば解る。
 瞳に宿るのは願いだ。四人とも同じことを願っていたのかも知れない。彼らが願うのは力だ。
 だが、その力はきっと誰かを守るためのものであったことだろう。
 この戦乱の世界クロムキャバリアにおいて力とは即ち機動兵器であるキャバリアである。アンサーヒューマンである彼らは、キャバリアを駆る為だけに生み出された存在。
 ならばこそ、その力を求めるのは当然であったのかもしれない。
「願いの代価(コントラクト)はあるか。その願いが叶うのならば、どんな代償も怖くないと思えるか」

 ワルルーナの瞳がユーベルコードに輝く。
 彼らの願いは唯一つ。
「力……キャバリアが欲しい。僕らの力を十全に発揮できるだけのキャバリアが。僕ら自身を守るためじゃあない」
「ええ、私達が誰かを守れるだけの力がほしいのです」
「それがお前たちの強き願いであるというのならば、代償を恐れぬというのなら……受け取るがいい。まあ、老若男女問わず『魔法少女』になるのだが」
 ワルルーナが手渡すのはステッキ。魔法のステッキだった。
 四人のアンサーヒューマンたちは、そのステッキを躊躇うことなく受け取る。ちょっと聞き慣れない言葉もあったけど。

「くそっ……立て直すのに時間がかかったが!」
 吼える『フォン・リィゥ共和国』の国家元首がオブリビオンマシン『空虚』の中から砲撃の一撃から立ち直る。
 彼にとって、砲撃の一撃は要塞の如きオブリビオンマシンの機能を失墜させるのに十分であった。
 だが、破滅的な思考に心歪められている彼にとって、それは大した理由にならなかった。戦いという破滅への道を歩むことに躊躇いなどなかったのだ。

「全て滅ぼせばいいのだ! 私こそが! ただ一人この世界で頂点に立てば! 孤立も関係なくなる!」
 吹き荒れる炎の嵐。
 しかし、『ワルルンガーΣ』の瞳から放たれるビームが『空虚』の腐食した装甲をt噴きと明日。
 さらにワルルーナは煙たがるように『ワルルンガーΣ』でもって『陸上戦艦』を蹴手繰りながら言うのだ。
「貴様の言うところの孤立とは結局の所、貴様自身がもたらしたものだ。誰にも手を差し伸べぬものが誰かに手を差し伸べてもらおうなど! 誰かが言っておったようだが、裸の王様とは貴様のことだ!」
 吹き荒れる炎の嵐が崩れていく。

 どれだけ強力な力であっても制御するものの心が弱ければ、即座に歪む。
 ワルルーナはそれをよく知っている。強大な力は常に強き心で律しなければならない。故に『フォン・リィゥ共和国』の国家元首は、決して心強き者ではなかった。
 彼の心の動揺は隠せない。
「貴様自身がもたらしたものを受け止めきれぬ心の弱さこそ、貴様は鎧わねばならなかったのだ!」
 その言葉と共に歪み果てた心は散り散りになるだろう。
 歪みながら、それでもなおワルルーナの言葉を否定するように『空虚』に座す国家元首はブルブルと怒りに震えるしかなかったのであった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

フェイルシア・インパーサ
捕らわれている―――
強靭な要塞は貴方を閉じ込めている檻
ならばその檻を破壊するまで

自然災害すら物ともしますか
ですが貴方は神ではない、ならばそれを制御することなんてできません
でしたら空を駆ける隼よりも速く駆け上がりましょう
[空中戦]に[残像]を重ねこれを捉える稲妻、そう光を纏った雷の暴風を放ちたくなるはず
耐えなさい、ガミザーヌ ここからは小細工なんて通じませんわよ!
[電撃耐性][盾受け]で受け止めて地面に突き刺したテッポウユリの蔦に電気を受け流します

このユーベルコードは貴方自身にも制御不能
ならば私の魔力を重ねて返します
[属性攻撃][高速詠唱]……[祈り]

人の心を捉える悪機よ、堕ちなさい!



 孤立とは他者が存在するがゆえに感じるものであったのならば、他者が存在しなければ孤立など存在せず。
 それを孤高と呼ぶにはあまりにも傲慢であったことだろう。
 だからこそ、捕らわれている――。
 そうフェイルシア・インパーサ(騎士姫の造花・f04276)は感じた。
 空に浮かぶ機動殲龍『空虚』は確かに要塞のごとき威容を誇っていた。
 けれど、フェイルシアは恐怖を感じることはなかった。見上げることはあれど、その姿に畏怖はなかった。
 吹き荒れる炎の嵐。

「黙れ! 黙れ! 黙れ!! 私こそが、私だけが! この世界の頂点だ!」
 狂うように叫ぶ『フォン・リィゥ共和国』の国家元首。
 彼にとって他者とは己にすり寄ってくるものであった。だから、彼は我慢がならないのだろう。孤立し、見捨てられることが。
「強靭な要塞は貴方を閉じ込めている檻」
「知ったふうな口を!」
「いいえ。貴方は狂わされている。増大した傲慢たる思いを歪められ、そして暴走している。その要塞は檻」
 フェイルシアの瞳と『偽神ガミザーヌ』のアイセンサーが同時に煌めく。

「ならば、その檻を破壊するまで」
 炎の嵐を切り裂くようにして『ガミザーヌ』が飛ぶ。
 それは残像を重ねるようにして『空虚』に迫る。だが、その機体に走るは稲妻。暴風たる稲妻は『ガミザーヌ』の機体を強く打ち据えるだろう。
 けれど、耐える。
 機体が軋む。衝撃にコクピットにいるフェイルシアの体すら貫くようであった。
 けれど、彼女は前を向く。
 瞳に輝くのはユーベルコード。
「耐えなさい、『ガミザーヌ』。ここからは――」

 そう、彼女のユーベルコードは防御したユーベルコードを借用する悪戯好きな百合の華(エスピエーグル・リ・ルージュ)。
 煌めくユーベルコードとともに『ガミザーヌ』の腕部が天より地に叩き込まれる。地面より這い上がるようにして現れるのはテッポウユリの蔦。
 それが急成長するように膨れ上がり、空に浮かぶ『空虚』の機体に絡みつく。
「蔦……!? なんだ、どういうことだ、これは……!」
「このユーベルコードは貴方自身にも制御不能。ならば、私の魔力を重ねて返します」
 自然現象と事象をたぐるユーベルコード。
 強力であるが、制御に困難を伴う。そこにフェイルシアの魔力を重ねて膨れ上がらせる。
 制御などとっくにフェイルシアの手から離れている。

 だが、フェイルシアは『ガミザーヌ』の中で祈る。
 何を。
 膨れ上がったエゴを歪めるオブリビオンマシンの破壊を。
「人の心を捉える悪機よ、堕ちなさい!」
 祈りは願いに昇華する。
 されど、フェイルシアは見るだろう。空に浮かぶ要塞の如きオブリビオンマシンに伸びた蔦から稲妻が走り、その腐食した装甲、砲撃に寄って穿たれた大穴から巻き起こる爆炎を。

『フォン・リィゥ共和国』の国家元首が捕らわれていたのは、孤独。
 他者を信じられないのも無理なからぬことであった。
 ここは戦乱の世界。
 裏切りも、争いも常の世界。
 だからこそ、孤立を恐れる。だが、裏切りも拒む。痛みに敏感であるからこそ、彼らは手をのばすことを躊躇う。
「けれど、それでも」
 願わずには居られないのだ。彼女の駆る『ガミザーヌ』がそうであったように。
 たとえ、囚われているのだとしても。
 その願いの大元は、正しいものであったのだと信じたい。
 フェイルシアの想いを受けるように放たれた稲妻は『空虚』の巨大な機体を撃つのであった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

朱鷺透・小枝子
げろ!戦場は此処だ!
げろ!!戦いを選んだなら!!

ディスポーザブル01操縦
『禍葬天間接』RSXハルバードを投げつけ【空間属性攻撃】
超重力弾を空間切断しながら、空虚へ叩きつける!

何処にいようとも!何をしようとも!

【念動力】ハルバードを介して空虚を怨念結界に引きづり込み、
ディスポーザブル01の正面にまで、間の空間を圧縮し、引寄せる!
空にいるのならそこから引きづり落す。
離れているなら、離れようとしても、こちらにつれてくる!
戦いは──

壊れるまで!終わらない!!

怨念《闘争心》のおもねるままに、BS-B断叫の電磁音波を解き放つ!
怨念結界からは逃がさない!焼きつくさんばかりに!!迸れ!!!



 砲撃に穿たれた大穴から爆炎が上がる。
 けれど、それでも要塞の如き巨躯を持った機動殲龍『空虚』は健在であった。
 未だ沈まず。
 空に在りて、『フォン・リィゥ共和国』の国家元首の狂気を破壊に変えるようにして機体に備えられた砲口から超重力弾を解き放つ。
「黙れ! 我等の孤立など! 他の全てを破壊し尽くせば、我等こそが唯一にして無二になるのだ! 孤立を感じないためには!」
 放たれる超重力弾は、周囲に超重力を生み出す。

 空に在りて、己以外に存在を認めぬがゆえの砲撃。
 近づくこともできない。
 けれど、それを前にしても頭を垂れることのない存在があることを国家元首は見る。
げろ! 戦場は此処だ!」
 怖気が走るほどの咆哮だったt。
げろ! 戦いを選んだなら!!」
 鋼鉄のキャバリア、その単眼が煌めく。その輝きを『空虚』は睥睨する。あれなるは猟兵。破壊の化身。
 ならばこそ、放たれる超重力弾が単眼のキャバリア『ディスポーザブル01』を捉える。

 だが、その弾丸を空間すら歪める怨念結果をまとったハルバードの投げ放たれた一撃で切断される。
「何処にいようとも! 何をしようとも!」
 その叫びを聞く。
 破壊の化身は其処まで迫っている。
「い、いや……まだ、やつは地上だ! 空に在る我等には届かぬ! 撃て! 撃ってやつを近づかせるな!」
『空虚』から次々と超重力弾が放たれ続ける。
 雨のように放たれる弾丸は、そこかしこに超重力を発生させる。
 だが、朱鷺透・小枝子(亡国の戦塵・f29924)は躊躇わなかった。

「何処にいようとも! 何をしようとも!」
 煌めくユーベルコードの瞳。
 禍葬天間接(ディスアーク)はあらゆる空間を切り裂く。
 空間を切り裂いて圧縮する。彼我の距離を切り詰めるかのように、引き寄せるのだ。
「空にいるのなら、そこから引き摺り落とす」
「推力を上げろ! 何故、引き寄せられている! 我等は空にあるのだぞ!」
 ありえない、と目の前で起こっている空間圧縮に国家元首は震える。
 その光景は恐ろしきものであった。
 空間すら破壊してみせる『破壊の申し子』。

 小枝子はハルバードを振るう。
 そのたびに距離が詰められていくのだ。いや、詰めさせられていると言ったほうが正しい。
「離れているなら、離れようとしても、こちらに連れてくる!」
 そう、戦いは。
 小枝子にとっての戦いとは。
「壊れるまで! 終わらない!!」
「吹きとばせ! やつを! 存在させてはならない!」
 放たれる超重力弾を切り裂き、ハルバードが地面に突き立てられる。空間さえ破壊して引き摺り寄せた『空虚』は確かに巨大であった。

 要塞そのものが目の前に迫っている。
 だが、小枝子の闘争心は、その要塞のごときオブリビオンマシンの巨躯よりも大きい。ただ迸るままに彼女の内側からあふれる心の叫び、断叫のごとき電磁音波が解き放たれる。
 それは『ディスポーザブル01』の胸部装甲が弾け飛び、中に存在した発行体より放たれていた。
 怨念を糧に出力を増す音響兵器の一撃は空より引き摺り落とされた『空虚』をさらに、空へと吹き飛ばす。
 吹き荒れる衝撃波は、彼女の闘争心そのもの。
「叫べ! 戦いに赴いたのならば! 全てを焼き尽くさんばかりに!! 迸れ!!!」
 小枝子の咆哮だけが戦場に轟く――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ルクス・アルブス
【ステラさんと】

……もうお嫁に行けません(ほっぺ真っ赤に腫らして涙目)

このままだとわたしがステラさんの子とかになってしまいかねないので、
危険をリセットするためにも真面目にいきますよ!

なんかよりすごい危険になってないですか!?
あ、でもステラさんの子になるよりはいいのかな……?

え? わたしですか!? わ、わかりました。
ひ、ひかりのゆーしゃとして、い、いってきます!(膝震え)

フォルのコクピットから、ピアノを振りかぶって『空虚』へダイブ。
落下の重力も乗せた【カンパネラ】で叩き落とします!

ピアノは叩きつけますけど、
ステラさん、わたしは絶対拾ってくださいよー!

わたし、ご飯になるか地面とキスかの二択です!?


ステラ・タタリクス
【ルクス様と】
そんなに拗ねないでくださいよルクス様
あと、勇者な子はいりません

んールクス様
これ、上(機動殲龍)無視して陸上戦艦を……は危険ですか
フォルが痛い思いをするのは可哀想ですし
ちゃんと迎撃しますか

【アン・ナンジュ・パス】で仕掛けましょう
空に向けて突撃は自殺行為なので
フォル!ダブルオウルクロー発射です!
上昇できないなら相手を引きずり降ろします!
間近まで引き寄せつつ、そこへ突撃です!
引き寄せる間にクリスタル・スパロウビットで包囲攻撃
ついでにパルス・フェザーマシンガンも叩き込みつつ
ルクス様、トドメを!
カンパネラで地面まで叩き落してください!

仕方ありませんねえ
フォルのご飯と引き換えに回収しましょう



 ルクス・アルブス(『魔女』に憧れる『出禁勇者(光属性)』・f32689)のメソメソしたすすり声が聞こえる。
「……もうお嫁にいけません」
 問題発言であった。
 ここは『フォルティス・フォルトゥーナ』のコクピット。複座式コクピットとは言え、二人も入れば狭いと言えるかもしれない。そんな中で何が行われたというのだろう。
 これは問題ですよ。ええ。本当に。
 間に挟まろうものなら、処されるあれであると思わざるを得ない。

「そんなに拗ねないでくださいよルクス様」
 ステラ・タタリクス(紫苑・f33899)はルクスの頬に触れる。
 お、ピローな会話的なあれか、と思ったがそうではなかった。ルクスのほっぺは真っ赤に腫れていた。
 何故かというとルクスがとても見事な演奏をしたからである。
 本物か? とステラがルクスの頬を引っ張ったりあれしたりしたから、真っ赤になっているのである。
 それでお嫁に行けない発言もどうかと思うのだが、まあ、それはいい。
「このままだとわたしがステラさんの子とかになってしまいかねないです」
「勇者な子いりません」

 きっぱりである。
 ルクスは涙目になりながらも周囲の状況を確認する。
 いや、するまでもない猟兵たちの攻勢によって機動殲龍『空虚』の装甲は引き剥がされ、砲撃に寄って穿たれている。
 爆炎が上がっているのが良い証拠だ。
 空にある要塞のごときオブリビオンマシンは未だ健在。けれど、切り離した『陸上戦艦』は砲撃に寄って移動することができないようであった。
「このまま終わらせてたまるものか!」
 超重力弾と装甲を覆うブラックホール。あらゆるものを吸い込む装甲と周囲に撒き散らされる超重力の力場が接近を拒むようであった。

「んールクス様。これ上を無視して『陸上戦艦』を……は危険ですか」
「さっきよりなんかすごい危険になってないですか?」
「ええ、『フォル』が痛い思いをするのは可哀想ですし、ちゃんと迎撃しましょう」
 ちゃんとやる気になってくれているのはありがたちことであるが、ルクスは思った。このままステラさんの子になるよりはいいのかなと。
 それ以上の危険もないかも、と思った。
 というか、自分の子にするとか、ちょっと怖いな、とは口が裂けてもいえない。

「空に向かうのは自殺行為……幸いに敵の行動は下がっています。ならば!」
 その言葉と共に『フォルティス・フォルトゥーナ』が大地を舐めるように飛ぶ。低空飛行から『空虚』に飛び込み、脚部のアンカークローを打ち込む。
 未だ空に在る『空虚』を引きずり落とすのだ。
「上昇できないなら相手を引きずり落とすまで!」
 アンカーワイヤーによってつながった『空虚』と『フォルティス・フォルトゥーナ』との綱引きが始まる。
 高速機動マニューバによって空中に弧を描くようにして水平に飛ぶ『フォルティス・フォルトゥーナ』が遠心力を利用するように『空虚』を大地に叩きつける。

「パワー負けしているだと!? 高々キャバリアの一騎に!?」
「フォルのパワーを舐めないで頂きたいですね!」
 アイセンサーがユーベルコードに輝く。
 高速機動マニューバによって旋回した『フォルティス・フォルトゥーナ』が『空虚』の頭上を取る。
 放たれる雀型の遊撃ユニットと翼の形をした弾丸が『空虚』の装甲に叩き込まれる。
 だが、それはブラックホールとかした装甲に吸い込まれていく。
 はずだった。

 だが、引きずり落とされた『空虚』はブラックホール装甲を解き、上昇しようとしていたのだ。空こそが『空虚』の主戦場。
 ならばこそ、空に戻らねばならなかったからだ。
「解除した一瞬を狙われたか……だが、空に飛べば!」
 しかし『フォン・リィゥ共和国』の国家元首は見ただろう。
 空より飛来する者を。

 それは光の勇者。
 蒼空に昇る太陽、その陽光を背にルクスが飛び込んで来る。
『空虚』の頭上を取った『フォルティス・フォルトゥーナ』のコクピットから彼女は飛び出していた。
 膝は震えていた。
 いくら光の勇者とは言え、高所は怖い。紐なしバンジーそのものであったからだ。だが、彼女は勇者である。
 彼女は光の勇者である。大事なので二回言わせていただこう。
「重さは威力です! そこに落下の速度が加われば!」
 上昇しようとしていた要塞の如きオブリビオンマシンに叩き込まれるグランドピアノの一撃。

 落下の速度と放たれるLa Campanella(ラ・カンパネラ)の一撃の衝撃が相殺されて、衝撃波が周囲に荒ぶ。
 ルクスの一撃は『空虚』の装甲を叩き壊し、爆炎をさらに吹き上げさせる。
 その上昇気流に吹き飛ばされるようにしてルクスの体は空に舞い上げられる。
「ステラさん、絶対に拾ってくださいよー! ぜったい! ぜったい! ぜったいに!!」
 その言葉に呼応するように『フォルティス・フォルトゥーナ』が彼女の体を引っ掛けるようにしてくちばしの部分で加える。
 紐なしバンジー大成功である。
「フォルのご飯と引き換えでしたね」
「わたし、ご飯になるか地面とのキスかの二択だったんです!?」
 ルクスは思わず目をむく。

 このメイド、『主人様』が絡まないと本当にえげつないな、とルクスは思うのであった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

菫宮・理緒
【シャナミアさんと】

クロムここで『飛ぶ』っていうのは、かなりギャンブルだよ?

シャナミアさん、一時的に船内に退避して衝撃防御を!
『希』ちゃん、陸上戦艦と『空虚』の間に割り込むよ。

【Internal Rush】を発動して【ネルトリンゲン】を強引に割り込ませたら、
シャナミアさんにも出撃おっけーの連絡をしよう。

進路グリーン。発進いけるよー!

シャナミアさんが出たら、わたしは艦を上昇させて、
『空虚』を『殲禍炎剣』の探知範囲まで押しだそうと試みよう。

『希』ちゃん、【M.P.M.S】とレーダーは引き続きシャナミアさんをフォロー。
シャナミアさんは、一緒に押し出されないように気をつけて、ねー!


シャナミア・サニー
【理緒さんと】
マジか!
というかバカか!?
いや、でも理緒さんのその策乗った!

ネルトリンゲンが割り込むまでは待機
合図があったら甲板に出て戦闘準備

上に押し出すならこれっきゃないね!
【メインウェポン・チェンジ】
ロングバレル・レールライフルに換装で射程↑・移動力↓
身動き取れなくなるけど
どんだけ遠くても当てて見せる!
ダメージ通らなくても電磁加速された弾丸の衝撃までは殺せないでしょ
ネルトリンゲンの上昇速度も利用して
私の射撃で上に押し出してあげるよ!

『希』ちゃんは下からの砲撃防御よろしく
身動き取れないのと次弾装填のクールタイムだけが
このレールガンの弱点なんだよねえ
ま、危険域になったら艦内に退避するよ



 叩き落されたオブリビオンマシン、機動殲龍『空虚』が再び空に浮かぶ。
 爆炎を挙げながら、穿たれた装甲をかばうようにブラックホールを生み出していく。『空虚』の性能の凄まじいところは、要塞のごとき巨躯でもなければ、空を飛ぶことでもなかった。
 超重力を制御するその機構であった。
 移動することができなくなる代わりにブラックホール装甲であらゆる攻撃を吸い込む。
 さらに放たれる砲撃は超重力の弾丸。
 攻防共に優れた性能であるからこその要塞構想。
「此処まで虚仮にされて終われるものか!」
『フォン・リィゥ共和国』の国家元首が爆炎を上げる『空虚』の中で叫ぶ。

 終わることなどできない。
 もはや退くことなど考えられないのだ。破滅的な行動であっても、彼は止まらない。オブリビオンマシンによって、その心を歪められ、他者への憎悪だけが募っているからである。
クロムキャバリアここで『飛ぶ』ってのは、かなりギャンブルだよ?」
 菫宮・理緒(バーチャルダイバー・f06437)はミネルヴァ級空母『ネルトリンゲン』の艦橋で同じく空に浮かぶ『空虚』を見やる。
『陸上戦艦』は猟兵の攻勢によって沈黙している。
 ならば、と彼女は『陸上戦艦』の脅威という可能性を切り捨て、赤いキャバリアを駆るシャナミア・サニー(キャバリア工房の跡取り娘・f05676)に呼びかける。
「シャナミアさん、一時的に船内に退避して!」
「え、なんで?」
「敵要塞を『殲禍炎剣』の探知範囲まで押し出すよー」

 その言葉にシャナミアは思わずマジか! と叫んでいた。いや、むしろ馬鹿なのか!? と口に出していた。
 ちょっと口に出してはいけない感じだったが、その提案にシャナミアは笑う。そんな馬鹿な策を本気で実行しようとしているのだ。
 ならば、そんな馬鹿な策に全力で乗るのが自分であるとシャナミアは理解していた。
「いや、でも理緒さんの、その策乗った!」
 赤いキャバリア『レッド・ドラグナー』が『ネルトリンゲン』に収容されると、一気に理緒は『ネルトリンゲン』を『空虚』と『陸上戦艦』の間に割り込ませる。

「何をしようというのだ! 真下を取ったからと言って! 砲撃しろ! 撃ち落せ!」
 放たれる超重力弾。
 それをInternal Rush(インターナルラッシュ)によって生み出された次元断層シールドで持って防ぎながら『ネルトリンゲン』が『空虚』を下から押し上げるのだ。
 超重力弾の衝撃が『ネルトリンゲン』の船体を揺らす。
 装甲が軋むほどに押し込まれる次元断層シールド。けれど、それでも止まらない。上昇するのだ。
 推力の全てを上昇することに注いだ『ネルトリンゲン』は、要塞たるオブリビオンマシン『空虚』すらも空に押し上げていく。

「進路グリーン。発進行けるよー!」
「りょーかい! 上に押し出すなら!」
 シャナミアと『レッド・ドラグナー』が『ネルトリンゲン』から飛び出す。次元断層シールドと『ネルトリンゲン』の間に空いたスペースに『レッド・ドラグナー』が降り立ち、その手にしたロングバレル・レールライフルを構える。
「ダメージが通らなくても……電磁加速された弾丸の衝撃までは殺せないでしょ!」
『ネルトリンゲン』の甲板上で姿勢を変える上に向かって打ち出す以上、その姿勢はキャバリアの機体フレームに負荷を掛ける。

 要塞のごとき『空虚』を上に押し出すほどの威力とあれば尚のことであった。
 ひきがねをひいいた瞬間、放たれるは電磁加速された弾丸。凄まじい衝撃が吹きすさび、『空虚』の巨体を叩き上げる。
「――っ!? 何だ、この揺れは! 砲撃……!? 下からか!」
「どんどん打ち込むよ!『希』ちゃんは砲撃防御よろしく!」
 クールタイムが長いのが、ロングバレル・レールライフルの欠点らしい欠点であった。シャナミアは次弾を装填し、さらに引き金を引く。
 砲身が赤く熱せられ、その限界を知らせる。
 衝撃が撃ち込まれるたびに『ネルトリンゲン』と『空虚』の間が開いていく。

「ミサイルランチャー発射ー! ダメ押ししちゃえ!」
「理緒さん、もうそろそろじゃない?!」
「ん、限界高度……!」
 理緒とシャナミアは『空虚』を空へと押し出す。確かに『空虚』は空中要塞として優れているのだろう。
 破壊されぬブラックホール装甲に超重力の砲撃。
 そして炎の嵐すら操ってみせる機構。
 どれもが規格外だ。

 だが、規格外には例外が存在する。
 そう、この世界には空に蓋をする存在があるのだ。それは暴走衛星『殲禍炎剣』。
 その感知高度まで『空虚』を『ネルトリンゲン』は押し出す。まさに無茶無謀なる行動であったことだろう。
「けど、やってみるだけのことはあるよね! シャナミアさん!」
「ん! 艦内に退避ね!」
 シャナミアが『ネルトリンゲン』に退避し、『空虚』から離れる。その瞬間、空より撃ち込まれるのは炎の破滅を齎すかの如き砲撃の一撃。

 天と地を一閃する砲撃に一撃は『空虚』のブラックホール装甲すら打ち抜き、大穴を穿つ。
「また、か……! あの忌まわしき『殲禍炎剣』が我等の道を阻む……!」
「うわー……最初聞いたときは本当に大丈夫かなって思ったけど……」
「上手く行ってよかったねー!」
 理緒のほんわかした声が響く。まるで自分の実行した作戦に危機感を抱いていないかのような声色だった。
 色んな意味で敵に回してはならないなとシャナミアは実感し、空より撃ち込まれた砲撃に傾ぐ『空虚』を見やるのであった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

月夜・玲
うーんやけっぱち…
自分のお家ごと攻撃するのはちょっとひくわー…
ええー…流石に…ええー…
色々と勿体ないなあ
折角上を取れる機体なのにね
まあオブリビオンマシンだからそもそも駄目だけど
陸上戦艦もさ、粗末に扱うならこっちに頂戴よ
整備して、有効利用してくれそうな所探して売りに出すからさ!


超克…オーバーロード
外装展開、模造神器全抜刀
弾幕回避しながら、上にも注意…と
飛ぶのはあんまり良く無さそうだし、地上で対応しようかな
戦艦からの攻撃は、迎撃できる範囲で『斬撃波』で迎撃して直撃を回避
【Unite Dual Core】を起動
射程圏内まで近付いて副腕の2剣から蒼炎を放射し、陸上戦艦の砲塔を狙い自動追尾で無力化していこう
敵の生み出す自然現象は…蒼炎をぶつけて可能な限り減衰させて後は『オーラ防御』で防御して我慢!
後は私自身が持つ剣で地上から雷刃を伸ばし、空虚を『なぎ払い』斬り裂く!
さあさあ、神妙にお縄に付け!
下から狙い撃ち…もとい狙い斬りだよー
あんまり逃げると…別の物にも狙われちゃうよ!



 オブリビオンマシン機動殲龍『空虚』が大きく傾ぐ。
 それは天より放たれた砲撃の一撃によるものであった。機体は未だ無事であったが、装甲のあちこちがひしゃげ、引き剥がされている。
 それほどまでに猟兵たちの攻勢は苛烈極まりないものであった。
「『陸上戦艦』も沈黙しているだと!? 役に立たん者共が!」
『フォン・リィゥ共和国』の国家元首は思わずオブリビオンマシンの中でコンソールを叩き割っていた。
 苛立ちが募る。
 己の道の尽くが邪魔立てする者達に寄って塗りつぶされているようにさえ思えたことだろう。

 それほどまでに彼の心は歪み果てていた。
 孤立が苛立ちを強めるのではない。己の思い通りにことが運ばぬことに苛立っているのだ。
「もう何もかも構うものか! 我等の前に立ちふさがる者全てを破壊して、破壊しつくすのみ!」
「うーんやけっぱち……自分のお家ごと攻撃するのはちょっとひくわー……」
 ええー……と月夜・玲(頂の探究者・f01605)は思わずうめいていた。
 流石に、引く。
 国家元首ともあろうものが、オブリビオンマシンに心を歪められたとは言え、そこまで分別がつかなくなるのかと。
 如何に破滅的な行動を取るのだとしても、そこまで堕してしまったのならば、もはや再起は敵わないだろう。

 色々ともったいないとさえ思える。
 折角天下を狙えるだけの立地や条件が揃っていて尚、この体たらく。
「まあオブリビオンマシンだから、そもそも駄目だけど」
 玲の背後に現れるのは外装副腕。
 四振りの模造神器が抜刀され、その蒼き刀身が煌めく。
「『陸上戦艦』もさ、粗末に扱うならこっちに頂戴よ」
「ほざけ! これは我等がものだ! 他の誰にも所有する権利など与えはせん! 我等のものであるからこそ、どう扱おうが外野がとやかく言える義理などないのだ!」
 吹き荒れるようにして『空虚』から放たれる炎の嵐。
 それを玲は生身単身で駆け抜ける。

「整備して、有効利用してくれそうな所探して売りに出すからさ!『陸上戦艦』売るよ! ってマーケットならいくらであるでしょ!」
 そんでもってがっぽりである。
 玲の言葉とともに放たれる斬撃波が炎の嵐を切り裂く。
 何たる力。
 超常の存在。そして、超克せし猟兵の力は、炎の嵐すら切り裂くのだ。
「飛ぶのは……まあ、上に厄介なのがいるしね。もうおわかりなんだろうけどさ」
 きらめくユーベルコード。
 瞳にあるのは、Unite Dual Core(ユナイトデュアルコア)。雷と焔の疑似邪神が見せる輝きが、玲と融合を果たし、その二振りの模造神器が副腕に寄って振るわれる。
 それは蒼炎。
 浄化の蒼き炎は、刃から放出されて空に在る要塞の如き『空虚』へと叩き込まれる。

 さらに交差させた副腕が蒼炎を『陸上戦艦』の砲塔に撃ち込まれ、無力する。地上と空からの二重の波状攻撃はこれで潰える。
「どこまでも……!」
「弐神合一プログラムのちからだよ、これは!」
「だが! 空には届くまい! 貴様が如何に超常の存在であろうとも!」
 そう、模造神器のリーチでは届かない。
 如何に空に蓋をされた世界であったとしても、玲は生身単身なのだ。手にした模造神器もまた人間サイズの兵器でしかない。

 ならばこそ、『空虚』を駆る国家元首は未だ平静を取り戻すことができた。
 だが、それは仮初の平静であったことを彼は知るだろう。
「――!? な、なんだ、それは……」
「下から狙い撃ち……もとい狙い斬りだよー」
「答えになっていない!」
 そう、『空虚』の眼前に迫っていたのは、雷刃。
 極大にまで伸びた雷刃は玲の手にした模造神器より発せられていた。あまりにも長大なる刀身。
 満ちる力の奔流は、ただその一撃で嵐すら斬り裂く。

「あんまり逃げると……別のもの殲禍炎剣にも狙われちゃうよ!」
 その恐ろしさはクロムキャバリアに生きる者ならば理解するところであっただろう。
 空には蓋がされている。
 暴走衛星は何処にでも砲撃を打ち込む。
 炎の破滅を齎す一撃は、すでに二度己の頑強なる要塞の如き己の機体を貫いている。故にためらったのだ。
 これ以上の打撃は如何なる要塞でも耐えることができないと。

 その躊躇いが命取りであった。
「さあさあ、神妙にお縄に付け! そんでもって『陸上戦艦』まるっと頂戴よ!」
 振るう雷刃が『空虚』を打ち据えるように叩きつけられ、その翼の如き装甲を一刀のもとに両断し、さらには大地すらも斬り裂かんばかりの勢いで稲妻を迸らせるのであった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

カシム・ディーン
いや彼奴頭おかしいんじゃないのか!?
「正気じゃなくなってるけど極まっちゃってるねー☆」
しかし重力とか太刀悪いな
「ヘカテちゃんを思い出しちゃうぞ☆」

【情報収集・視力・戦闘知識】
要塞の動きと攻撃パターンと超重力弾の性質と効果範囲を正確に把握

【属性攻撃・迷彩】
光水属性を機体に付与
光学迷彩で存在を隠し水の障壁で熱源隠蔽
UC発動
【弾幕・念動力・空中戦・スナイパー】
超高速で低空を飛び回りながら念動光弾を乱射
蹂躙の限りを尽くし

立体映像を展開して戦艦の射線に敵機を巻き込むよう攻撃を誘導させる
普通は引っ掛からないんだが…
【二回攻撃・切断・盗み攻撃・盗み】
接近して鎌剣で切り刻み…資源を根こそぎ強奪!!



「いや彼奴頭おかしいんじゃないのか!?」
 カシム・ディーン(小さな竜眼・f12217)はオブリビオンマシン、起動殲龍『空虚』の戦い方があまりに破滅的なものであることに声を上げていた。
『陸上戦艦』は彼らにとって虎の子であったはずだ。
 切り札でもあったはずなのだ。
 他国を侵略し、圧倒せしめるだけの戦力。
 だが、今『空虚』を駆る『フォン・リィゥ共和国』の国家元首は、己を存続させるためだけに『陸上戦艦』を捨て駒にしようとしている。

 いくらなんでも先が見通せなさすぎなのだ。
『正気じゃなく成ってるけど極まっちゃってるねー☆』
『メルシー』の言葉はどこか他人事であったが、しかし、未だ空に健在であるオブリビオンマシンの超重力弾による砲撃は凄まじい。
 まるで近づくなと威嚇するかのようでもあった。
「しかし重力とか質悪いな」
『ヘカテちゃんを思い出しちゃうぞ☆』
 確かにその場に残る超重力はキャバリアの機動性を損なわせるだろう。攻撃と防御が一体になっている時点でも相当な性能を有していることがわかる。

 だが、それでもあのオブリビオンマシンは排除せねばならない。
「砲撃はまるで素人だな。曲がりなりにキャバリア闘技場で成り立たせていた国家元首のやることかよ!」
 カシムは光学迷彩を施した『メルクリウス』と共にかく座した『陸上戦艦』の甲板上を駆け抜ける。
 存在を隠匿し、その瞳をユーベルコードに輝かせる。
「加速装置起動…メルクリウス…お前の力を見せてみろ…!」
『あいさー☆』
 神速戦闘機構『速足で駆ける者』(ブーツオブヘルメース)は一気に機体を加速させる。
 もとより速度に優れたる機体。
 その性能をさらなる高みに昇らせるユーベルコードは、一瞬で低空を飛びながら念動光弾の乱舞でもって『空虚』を襲う。
「ぐおっ……なんだ!? 何処から撃っている!?」
 敵は此方の姿を認識できていない。
『ガガンボ』のパイロットたちは熱源センサーや動態検知など様々な手段でもってこちらの動きを探る余裕があった。

 けれど、国家元首にそれがない。
 余裕がないということは、即ち焦りに繋がる。『メルクリウス』の立体映像が展開され、『陸上戦艦』の直上に走る。
 その姿を認め、国家元首は喚くようにして引き金を引くのだ。
「あそこだ! 撃て! 打ち込め!!」
 放たれる超重力弾。
 本来なら、引っかかるようなものではない。けれど、今の『空虚』を駆る国家元首は冷静さを失っている。
 目の前に敵が現れれば、ヒステリックにそれを追い立てるのだ。
 無理もないとカシムは思ったかもしれない。だが、それは意味のないことだ。

 オブリビオンマシンによって心を歪められ、ただ己の欲望のままに破滅的な行動すらじさぬ者には、己の齎す安易な誘いにすら乗ってしまうのだ。
「まったく……どうしようもねーですね」
 撃ち込まれる超重力弾によって『陸上戦艦』は装甲を穿たれ、爆炎を上げる。
 その爆発の最中をかいくぐるようにして『メルクリウス』が鎌剣を構え、『空虚』に切り込む。
「直下……馬鹿な、何故接近を許した……!?」
「足元もおろそかになってるからですよ。その資源、根こそぎ強奪さえていただきますね」
 振るう斬撃が『空虚』の装甲を切り裂き、片翼をもがれた機体をさらに傾がせる。
 それは『フォン・リィゥ共和国』の黄昏とも言うべき象徴たる一撃であったことだろう――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アルカ・スィエラ
……っ、本当に、どうしようもないわね……!!

ドラグレクスが転移し、アルカレクスへと融合合身、
戦艦上に陣取って艦の支援砲撃にはドラグカプトのブレス攻撃とEフィールドの防御で対抗する

それで、あの馬鹿だけど……私が機体と「融合している」以上、理屈の上では可能なはず
コマンド・オン、HXAヘキサアームズ-1ヒュプノキャノン……!!

右腕を変形させ漆黒の大型砲へ換装、装填した閃光弾を放ち、
その光を視認した「操縦者」と「機体」の「意識」そのものを刈り取るわ

その装甲が周囲より届く光さえ吸い込むならあなた自身も何も見えない
違うのなら……「光」はあなたまで届くのよ

殴るのは後よ、今は黙って寝てなさい!!



「う、おおおお――!! 機体が! 高度が保てぬ……!」
『フォン・リィゥ共和国』の国家元首はオブリビオンマシン、機動殲龍『空虚』のコクピットの中で動転していた。
 元はパイロットであったはずだ。
 けれど、長きにわたる国家元首という名の安寧の中で緩みきった体には、猟兵たちの攻勢を凌ぐだけの技量はもう残されていなかった。
 この戦いをけしかけた時点で彼らの滅びは必定であったのかもしれない。

 安寧を安寧のままに享受すること。
 戦乱が満ちる世界。クロムキャバリアにおいて、その緩みは致命的であったとも言える。
「くそっ!『陸上戦艦』は最早動けぬ……! ならば我等だけでも!」
「……っ、本当に、どうしようもないわね……!!」
 その言葉と共に『空虚』の眼下、『陸上戦艦』の甲板の上に転移してきたのは機竜『ドラグレクス』であった。
 アルカ・スィエラ(鋼竜の戦姫・f29964)の駆る『プロトミレス』と融合し、『アルカレクス・ドラグソリス』へと変貌を遂げる。
『陸上戦艦』の砲撃は猟兵たちの攻勢によって、ほとんどが無力化されている。
 だが、それ以上に自軍の損害を省みない『空虚』によってもまた砲撃され、破壊されていた。

 それはまさに破滅へと至る道筋であったことだろう。
 自らがオブリビオンマシンによって踊らされていることも理解できず、ただ徒に国力を擦り減らしていく。
「馬鹿は言っても聞かないっていうのなら! コマンド・オン、HXAヘキサアーム-1ヒュプノキャノン……!!」
『アルカレクス・ドラグソリス』の右腕を変形させる。
 それは漆黒の大型砲であった。内部に装填されるのは閃光弾。そう、今ならばできるとアルカは理解する。
 敵は国家元首。
 すでに多くの損害をもたらし、自国を破滅に導こうとしている。オブリビオンマシンに心を歪められたものに言葉は届かないのならば、実力行使も厭わない。

「殴るのは後よ、今は黙って寝てなさい!!」
「今更砲撃など! この『空虚』のブラックホール装甲ならば! 如何なる砲撃も無意味と知れ!」
 放たれる右腕の大型砲から放たれる閃光弾。
 それは視認することによって意識レベルを低下させる光。

 肉体を傷つけず、その意識のみを塗りつぶす光は、如何にブラックホール装甲に『空虚』が覆われていたのだとしても、その光はモニターを介して国家元首に届くだろう。
「そう、その走行が周囲より届く光さえ吸い込むならあなた自身も何も見えない。けれどそうじゃない。モニターで何も見えないということは砲撃もできないということ……」
 ならば、確実に機体の何処かに周囲の状況を知らせるためのカメラアイがあり、またセンサーも有している。
 アルカの放った光は確実に届くはずなのだ。

「この、光……なんの……」
「あなたの意志が歪められているのなら、それを無力化する。後で必ず一発叩き込んでやるから!」
 パイロットである国家元首を無力化された『空虚』の高度が下がっていく。
 オブリビオンマシンは唸りを上げる。
 猟兵が破滅的な行為を阻むのならばこそ、オブリビオンマシンは己の大質量でもって戦場にある全ての猟兵たちを押しつぶさんと、最後の決死たる破滅を持って迫るのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

播州・クロリア
({舞狂人形}のコクピットで少し驚いたように空虚を見上げる)
おぉ…虫でもこんなことしませんよ…
(舞狂人形が肩幅ほどに足を開き、両手で太ももをなぞりながらゆっくりと上体を起こした後{紅焔の旋律}で『ダンス』を始めるとUC【蠱の星】を発動する)
本能のままに動く舞狂人形の方が賢く思えます
(舞狂人形の足元から立ち昇る{蜂蜜色の陽炎}が空中でミラーボールのように輝くオーラの塊になり空虚と陸上戦艦を攻撃し始める)
さぁもっと輝け!私たちの星!蒼空を遮る無粋な連中を燃やし尽してください!



 迫るオブリビオンマシン、機動殲龍『空虚』。
 その巨大な要塞じみた機体は、猟兵の活躍に寄って内部にある『フォン・リィゥ共和国』の国家元首というパイロットを無力化された。
 だが、最後の足掻きとでもいうかのように要塞の如き巨体でもって『陸上戦艦』に落下しようとしている。
『陸上戦艦』は戦いによって打ちのめされている。
 だが、これさえも失ってしまえば『フォン・リィゥ共和国』は滅びの一途を早足でたどることになるだろう。

 荒野にありて人が生きる術は多くはない。
 如何に戦いのための道具であり、戦いに敗れ瓦解していくのだとしても、人の安らぎを守る傘となるのならば、破壊された『陸上戦艦』も捨て置くことはできはしない。
「おぉ……虫でもこんなことしませんよ……」
 特攻じみた落下。
 それを見上げるのは、播州・クロリア(踊る蟲・f23522)であった。
 彼女はキャバリア『舞狂人形』のコクピットの中で迫る『空虚』を見やる。周囲に渦巻く炎の嵐は、まさに炎の破滅を暗示させるものであったことだろう。

 自殺行為。
 いや、その自殺行為が単一のものであったのならば無意味そのものであったことだろう。
 けれど、オブリビオンマシン『空虚』が齎すのは『フォン・リィゥ共和国』という人の集合を霧散させるかの如き愚行であった。
 だからこそ、クロリアは驚いたのだ。
 全てを道連れにして滅ぼそうとする意志。
 そこまでしてオブリビオンマシンは人々に争いの種を撒き散らし、滅ぼそうとしているのかと。
「ならば、そんなことをさせはしませんよ……」
 キャバリア『舞狂人形』が肩ほどに足を開く。
 腕部が大腿部をなぞるようにしてゆっくりと上体を起こす。
 滅びが迫っている。
 どうしようもない滅びが、空より落ちてくる。

 だからこそ、響く旋律は紅焔。
 天を衝かんと燃え上がり、静まることなく燃え広がる情熱と欲簿のリズム。
「本能のままに動く『舞狂人形』の方が賢く思えます」
 立ち上るは陽炎の如きオーラ。
 空中でミラーボールのように輝く塊となった光は、蠱の星(コノホシ)。

 もっと、とクロリアは思った。
 己の駆るキャバリア『舞狂人形』もまた同様であったことだろう。踊る。踊ることしか考えていない。
 滅びであるとか、存亡であるとか、そんなことはどうでもよかった。
「もっと! さぁもっと輝け! 私たちの星!」
 空を遮るは『空虚』の巨大な船体の如き機体。だが、クロリアは己の瞳の中に星を宿す。
 ユーベルコードの輝き。
 集まるオーラはミラーボール戸なって、輝き解き放ち矢と変じる。

 どれだけ『空虚』が地に影を落とすのだとしても。
 この地に足を根ざし、踊ることによって輝く星があるのならば、何も見失うことなどないというようにクロリアは叫ぶのだ。
「蒼空を遮る無粋な連中を燃やし尽くしてください!」
 矢は次々と『空虚』の装甲に突き刺さり、その装甲を引き剥がす。それだけでは足りない。
 走る矢がフレームを、翼を、あらゆる機構を破壊しながら破滅への妄執故に降り注ぐ悪意をこそ射抜く。

「空に星があるように。地に満ちるのは私達の星。ならば、それは不滅であると!」
 声高々にクロリアは宣言する。
 人の数だけ星が在る。
 天を見上げるのではなく、地に満ちる輝きをこそクロリアは知る。生きて、生きて、輝き続ける旋律を知るからこそ、彼女は『舞狂人形』が指し示すミラーボールこそが影を切り裂く輝きであると知らしめる。

 瓦解していく『空虚』は、その名の通り何一つ残すこと無く『陸上戦艦』から逸れるよに大地に失墜するのであった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 集団戦 『バーンナウトD』

POW   :    バーンナウト・ロケットスタート
【タイヤを空転させ加熱させてからのスタート】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【燃え盛りながらの激突】で攻撃する。
SPD   :    バーンナウト・ヘビークラッシュ
【内燃機関とソーラーエネルギーの併用】によりレベル×100km/hで飛翔し、【熱量】×【スピード】に比例した激突ダメージを与える。
WIZ   :    バーンナウト・クレイジードリフト
全身を【炎】で覆い、自身の【現在速度】と【ドリフト回数】に比例した戦闘力増強と、最大でレベル×100km/hに達する飛翔能力を得る。
👑11
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 オブリビオンマシン機動殲龍『空虚』が失墜する。
『陸上戦艦』の上に落ちなかったのは幸いであった。もしも、この後『フォン・リィゥ共和国』の人々が荒野に生きていくのならば、最早移動能力も侵攻能力も失った『陸上戦艦』は巨大な屋根のある住処となるだろう。
 小国家という体裁は保てなくなるかもしれない。
 けれど、人は何処に安息を見出すかはそれぞれだ。
 野晒で心落ち着くものもいれば、屋根があればいいと思う者もいる。また壁で囲われていることにこそ心の安らぎを見る者もいるだろう。

 故に『陸上戦艦』は、戦いの後人々の寄る辺となるのだ。
 だからこそ、『空虚』の失墜によってこれ以上破壊されることがなかったのは幸いだったのだ。

 だが、その『陸上戦艦』より次々と這い出す影を猟兵たちは見ただろう。
 それは黒い影。
 ニ脚の獣脚を持つ異形なる機体。口腔の如き頭部からは燃え盛るように炎が立ち上り、脚部に備えられた車輪が空転し加熱していく。
 それは『陸上戦艦』に満載されていた無人のオブリビオンマシン『バーンナウトD』。
 他の小国家に移動した後、制圧するための無人機。

 それが『空虚】のコントロールを離れ、一斉に『陸上戦艦』から飛び出していく。
 無秩序に飛び出す『バーンナウトD』を放置すれば、必ず禍根となるだろう。
 だが、数は膨大だ。
 あふれるように、それこそ蜘蛛の子を散らすように一斉に飛び出す『バーンナウトD』を完全に排除するのは骨が折れるだろう。

 だが、それでもやらなければならないのだ。
 周囲には『フォン・リィゥ共和国』の『陸上戦艦』を動かしていた人員や撃墜された『ガガンボ』のパイロットたちが未だ残されている。
 確かに敵対していたが、それはオブリビオンマシンのせいでもある。
 小国家としての体裁はクロムキャバリアの人々が決めればいい。けれど、今ある生命を捨て置くことなど猟兵たちにはきっとできないであろう――。
メサイア・エルネイジェ
今度はちっせぇのが出てきましたわ…
多いですわね!
戦いは数ですものねぇ
なので!目には目を!数には数ですわ〜!

素早い相手にはやはりミサイルですわ
ヴリちゃん!ミサイルカーニバル開幕ですわ!
突っ込んでくるバーンおナウトをマルチロックしてシュートシュートシュート!
どんなに数が多くともヴリちゃんのミサイルは時間切れまでインフィニティですわ
動き回る必要はございませんので足を止めて撃ちまくるのでしてよ
そして!武器はミサイルだけではございませんわ〜!
ビームガンも二連装砲もドキャドキャ撃ちまくりますわよ〜!
世紀末みたいにして差し上げますわ〜!
粉砕!玉砕!大喝采!
破壊だけが、わたくしを満たしてくれる…!



 燃える。燃える。燃え盛る。
 無人機オブリビオンマシン『バーンナウトD』の機体はソーラーエネルギーと内燃機関によって燃え盛るようなエネルギーが充填されている。 
 赤熱する体躯。
 背部に伸びるエキゾーストパイプすら赤熱するほどの熱量を排出しながら、『バーンナウトD』は『陸上戦艦』から大地を飛ぶように疾走し、猟兵たちに迫る。

「今度はちっせぇのがでてきましたわ……多いですわね!」
 メサイア・エルネイジェ(放浪皇女・f34656)はオブリビオンマシンのあまりの多さに思わず叫んでいた。
 いやまあ、戦いは数である。
 数とは即ち暴力である。
 数の多いほうが大抵の場合勝つのである。如何に個としての力が優れていたのだとしても、その数は個の力を容易く踏み潰すのだ。

「本当にそうですわ~! 戦いは数ですものねぇ。なので!」
 くわ、とメサイアの瞳がキラリと輝く。
 そう、『バーンナウトD』の特徴は内燃機関とソーラーエネルギーをあわせたことによる過剰なスピードになる。
 ならば、闇雲にこちらから突っ込んでいったとしても、それは翻弄されるだけであろう。
「ヴリちゃん! 誘導弾大感謝祭(ミサイルカーニバル)、開幕ですわ~!」
『ヴリトラ』の大腿部に備えられた四連装ミサイルランチャーが火を噴くようにミサイルを乱れ撃つ。
 弾切れの心配はごむようである。
 
 そう、これはカーニバル。大感謝祭。ミサイルのお代金はエネルネイジュ王国によろしくどうぞ。
「マルチロック、トリガー! シュートシュートおシュート!」
 引き金を引きまくるメサイア姫。
 トリガーハッピーとはこのことである。引き金を引くたびに放たれるミサイルは、大地を疾駆する『バーンナウトD』を追尾し、撃破していく。
 動く必要はない。
 ただ『ヴリトラ』は足を止め、四連装ミサイルランチャーをブッパするだけの簡単なお仕事なのである。

 なお、足を止めることに寄って大地をグリップするためほぼ無反動である。
 そのため連射速度は脅威の三倍。
 国庫がすり減るのも三倍。
 だが出奔した姫であるためにメサイア姫のお財布は傷まぬ両親設計。
「ミサイルは時間切れまでインフィニティですわ! そして! 武器はミサイルだけではございませんわ~!」
 腕部に装備されたビームガンもびっくりするくらい乱射している。
 カーニバル此処に極まれりというやつである。

 それはもう爆発と閃光のオンパレード。
 鳴り止まぬ轟音は爆発。即ち芸術にも似たものであったことだろう。
「みんなみんな世紀末みたいにして差し上げますわ~!」
 笑う姫は楽しそうである。
 ミサイルの代金なんて知ったことではない。ブッパしただけオブリビオンマシンが撃破できるのだから、世界の平和と天秤に掛けたのならば、どちらを取るかなどいうまでもないのである。

「粉砕! 玉砕! 大喝采!」
 爆風で遊ぶ中、メサイアは天を仰ぎ見る。
 その視線の向こうにあるのは蒼空。
 どこまでも透き通って何もかも吸い込みそうなほどの蒼がそこにある。その蒼はあらゆる爆発の音も、オブリビオンマシン『バーンナウトD』が残骸となっていく音も、何もかも吸い込んでいく。
 ほう、とメサイアは息を吐き出した。
 引き金を引きまくっていた指がちょっとお疲れになりましたの。
 そして、ゆっくりと破壊の痕に『ヴリトラ』と共に佇み、コクピットの中で良い笑顔を浮かべ……。

「破壊だけが、わたくしを満たしてくれる……!」
 ちょっと怖いこと言ってた――!

大成功 🔵​🔵​🔵​

村崎・ゆかり
国家元首はプラントで意図的にオブリビオンマシンを生産していたのかしら。資源の無駄遣い。
戦場にはもう戦えない人も多いし、十絶陣使うのはまずいわね。

とにかく討滅を始めましょう。飛鉢法で移動しながら、出てきたオブリビオンマシンに「全力魔法」雷の「属性攻撃」の九天応元雷声普化天尊玉秘宝経。生身の人を巻き込まないように、精密にオブリビオンマシンに雷を落とす。
反撃は、「見切」ってかわす。飛鉢法は小回りが利くのよ。後は一定の高度の維持ね。

『迦利』には、生身の人に向かおうとしてる敵機を「レーザー射撃」で引きつけてこちらに視線が向くように動いてもらう。

さて、戦闘は終われども、人は生きていかなきゃいかないのよね。



 かく座した『陸上戦艦』から飛び出し、疾駆する無人機オブリビオンマシン『バーンナウトD』。
 その数は尋常ではなかった。
 まるで蜘蛛の子を散らすかのような勢いで飛び出すオブリビオンマシンは放置すれば、それだけで周囲にある人間を襲うだろう。
 空転するほどの回転数。
『バーンナウトD』は、その機体の中に内蔵された内燃機関とソーラーエネルギーによって圧倒的な速度を生み出す。
「国家元首はプラントで意図的にオブリビオンマシンを生産していたのかしら」
 まったくもって資源の無駄遣いであると村崎・ゆかり(“紫蘭”/黒鴉遣い・f01658)は断じて、一気に殲滅しようとする。

 だが、周囲にあるのは自分たちとオブリビオンマシンだけではない。
『陸上戦艦』を動かしていた人員たちやオブリビオンマシン『ガガンボ』に乗っていたパイロットたちだって存在している。
 故に広域に影響を及ぼす絶陣の力は使えない。
「……十絶陣を使うのはまずいはね。戦えない人ばかりじゃない」
 オブリビオンマシン『バーンナウトD』の数は膨大だ。
 それこそ『陸上戦艦』の内部にどれだけ存在しているのかもわかったものではない。

 一気にケリを付けたいところであるが足枷をされているのでは思うように動けない。
「とにかく討滅を始めましょう」
 ゆかりは空を鉄鉢と共に飛ぶ。
『陸上戦艦』のあちこちからあふれるように飛び出す『バーンナウトD』は車輪を空転させるようにしながら圧倒的な速度で走り続ける。
 これを捌くのは難しい。
「なら、でてきたところを徹底的に潰し続けましょう」
 ゆかりの瞳がユーベルコードに輝く。

 空を穿つように落ちるは、周囲の視界を阻害するほどの激烈なる落雷の一撃。
 直撃した周囲の地形が変わるほどの一撃は『バーンナウトD』たちに耐えることのできるものではなかった。
「生身の人を巻き込まないように……って、それはそうよね、無差別に襲うわよね!」
 ゆかりの背後で『ガガンボ』のパイロットであった者が『バーンナウトD』の標的に成る。
 考えて見れば至極当然であった。
 オブリビオンマシンが齎すの破滅。
 小国家の霧散というのが破滅であるというのならば、その小国家を構成する人間は須らく殺されてしまうだろう。

「『迦利』、ひきつけなさい!」
 空を舞う逆三角形の無人機キャバリアがレーザーを放ち、『バーンナウトD』たちを惹きつけながら飛ぶ。
 空を飛ぶからと言って、このクロムキャバリアの世界においては優位性はそこまで高くない。
 どのみち低空でしか飛べぬのだから。
 けれど、『迦利』は多くの『バーンナウトD』を惹きつけながら、ゆかりの元に飛ぶ。
「よくやってくれたわ。さあ、ひとまとめに吹き飛ばして上げましょ、九天応元雷声普化天尊! 疾っ!」
 放つ雷撃が迫る『バーンナウトD』の集団をまとめて消し飛ばす。
 雷撃が塗りつぶす視界。

 それでも空には蒼が広がっている。
 何処までも広がっているような蒼空。けれど、それが蓋をされた空であることをゆかりも、この世界に生きる者たちも知っている。
 けれど、だからといって悲観するばかりではいられないのだ。
「戦いは終われども、人は生きていかなきゃいけないのよね」
 明日は続く。
 生きている限り続いていくのだ。
 時にそれは残酷なことであったのかも知れない。

 けれど、それでも生命続く限り生きることを諦めないことが大切なことなのだ。
 ゆかりは雷撃に白く染まった空が本来の色を取り戻した時、痛烈なる一撃によって破壊されたオブリビオンマシンの残骸を見る。
 何処までも破滅に人を導かんとするように心を歪めるオブリビオンマシン。
 その悪意の如き一端をゆかりはまた見たのであった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

朱鷺透・小枝子
敵だ!撃て!ディスポーザブル!!
まだ敵がいる!まだ戦える!!
まだ壊れていない!!!

ディスポーザブル01を引き続き操縦。
陸上戦艦から降り立ちながら、『禍葬砲撃』発動。
虚空より無数のキャノン砲を呼び出し、【弾幕】を張って敵のみを攻撃!
敵でない者が多い。空からの砲撃雨はできない。だがそれでもやるのみだ!!

撃て、撃て!撃てぇええええ!!!

ホーミングレーザー砲台展開、【レーザー射撃】動きの鈍った敵機を穿ち、
【瞬間思考力】電磁音波を前方へ放射し、吹き飛ばし攻撃!レーザーで壊す
突撃してくる敵機へRXSハルバードの先端を突き付け、突き刺さった瞬間に【怪力】で強引になぎ払い、粉砕する!

壊し尽くせ!!



 破壊され大地に折れるようにして動きを止めた『陸上戦艦』であったが、その内部から蜘蛛の子を散らす様に飛び出したのは無人機オブリビオンマシン『バーンナウトD』であった。
 赤熱するエキゾーストパイプは、その出力の全てを速度に割り振っていることが伺えるだろう。
 内燃機関とソーラーエネルギー。
 その二つが『バーンナウトD』を支えるものであった。機体の内側からあふれる熱は、白煙を上げながら荒野を疾走させるには十分すぎた。
 そして、荒野には今『陸上戦艦』から逃げ出した『フォン・リィゥ共和国』の人間や、オブリビオンマシン『ガガンボ』のコクピットから這い出したパイロットたちがいる。

 破滅を齎すのがオブリビオンマシンであるというのならば、無人機オブリビオンマシン『バーンナウトD』が荒野にある人間たちを標的にするのは当然の帰結であったのかもしれない。
 だが、そんな人間たちのことを朱鷺透・小枝子(亡国の戦塵・f29924)は見ていなかった。
 彼らを見るよりも敵を見据えた方が速いと気がついていたのかも知れない。
「敵だ! 撃て!『ディスポーザブル』! まだ敵がいる! まだ戦える! まだ壊れていない!!!」
 叫ぶ小枝子の瞳が燃えるように光を解き放つ。
 猟兵たちの攻勢によってオブリビオンマシン『空虚』と『陸上戦艦』は破壊された。巨大な『陸上戦艦』は確かに動きを止め、再び動き出すことはないだろう。
 けれど、この『陸上戦艦』は小国家として瓦解した『フォン・リィゥ共和国』を再び、人の住まう小国家に産み直すためには必要なものであった。
 徒に全て破壊していいわけではない。

 だからこそ、小枝子は『陸上戦艦』から飛び降り、大地を疾駆する『バーンナウトD』へと迫る。
「『ディスポーザブル』!!」
 虚空より出現した無数の大型キャノン砲が砲撃を開始する。
 それは無作為に放つ砲撃のように見えて、精密であった。小枝子にとって『陸上戦艦』の人員や『ガガンボ』のパイロットたちは一戦を交えた敵である。いや、であった、というのが正しいだろう。
 戦う力を失い、オブリビオンマシンに歪められた心を取り戻した彼らのことを小枝子は敵だとは思えなかった。

「敵の数は多い! そして守らねばならぬ敵ではない者も! 空からの砲撃雨はできない。だがそれでもやるのみだ!!」
 ユーベルコードに輝く小枝子の瞳と『ディスポーザブル』の単眼。
 大型キャノン砲から放たれる砲撃の雨は、恐るべき精度でもって彼女の敵味方の識別にしたがって砲弾を打ち込むのだ。
「な、なんだってんだ、これは……」
「俺達は何を……見せられているんだ……?」
 それはまさに奇跡と呼ぶにふさわしい光景であった。

 空を舞う砲撃の雨。
 それらは光条のようになって降り注ぐ。だが、己たちを撃たない。間違えることなく砲撃の雨を降り注ぎ続け、『バーンナウトD』だけを内縫い地得るのだ。
「撃て、撃て! 撃てぇええええ!!!」
『フォン・リィゥ共和国』のパイロットや『陸上戦艦』の人員たちは空を見上げるしかなかった。
 ただ、立ち尽くす。
 小枝子が『ディスポーザブル01』で戦場を疾駆し、ホーミングレーザー砲台を展開し、砲撃で動きを鈍らせた『バーンナウトD』を駆逐していく。

 さらに敵の速度を物ともしない電磁音波の広域攻撃が戦えぬ者たちに迫らんとする機体を吹き飛ばす。
「壊し尽くせ!!」
 走る。
 小枝子はただひた走るのだ。
 敵も味方も自分は正しく認識できている。討たねばならぬ敵。それはオブリビオンマシンのみ。
 幸いであったのは、敵のオブリビオンマシンが無人機であったこと。

 なおも迫る数。
 それが『バーンナウトD』たちにとっての優位。
 けれど、小枝子はハルバードを構え『ディスポーザブル』の出力に任せて『バーンナウトD』を突き刺し、そのまま鉄鎚のように振り抜いて敵機同士を激突させ薙ぎ払い、粉砕する。
「まだだ、まだ止まるな! 自分はまだ戦える! 来るのならば来い! 全て破壊し! 破壊しつくしてやる!!!」
 猛る思いと共に小枝子は戦場を疾駆する。
 彼女にとっての敵とはオブリビオンマシンのみ。
 搭乗者を敵とはみなさない。『破壊の申し子』と呼ばれた小枝子は、ただ徒に破壊を齎すものではない。

 壊すべき相手を見定める、その魔眼がオブリビオンマシンに対してのみゆらめき、その赤き色を鮮烈なる軌跡として戦場に刻むのであった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アルジェン・カーム
……凄い世界ですね
メイガス…ではなく…キャバリア…うん…とても格好いいですね(ほんわか

そして…この世界でも悲劇の終焉エンディングが起きようとしているんですね…

早速キャバリアをお借りします!(MSお任せ

…うん…凄い…!とはいえ感動している場合ではありませんね…!(動かし方をしっかり確認!)


UC発動
此方や仲間に来る攻撃は可能な限り減速させて


未だ我が力は未熟だとしても
何もできないわけではないことを示させていただきます!

囲まれない立ち位置を心掛け敵機を減速させて己は加速させての猛攻!
借りたキャバリアグレイブで突き刺し破壊!

一体ずつ撃破したり風の減速で足止めといった妨害を行います!



 戦乱が続く世界。
 それがクロムキャバリアである。平和という言葉の意味すら遠く薄れ消えた世界。そんな世界が本当に存在しているのかと思うほどに戦乱に満ちている。
 百年続く戦乱。
 それは小国家に分かたれた人々の間で次々に蒔かれた火種が萌芽するかのように巻き起こってきた。
 小国家『フォン・リィゥ共和国』もまた同様である。
 他よりも恵まれた立地、闘技場という物資や外貨、人材の流入を呼び込めるだけの娯楽。それらが揃っていたからこそ戦乱から最も遠かった。
 けれど、それは孤立を深めるだけであった。

 それもそのはずだ。
 他者に手を差し伸べぬ者に差し伸べられる手など存在しない。
「……すごい世界ですね。メイガス……ではなく……キャバリア……うん……とても過去いいですね」
 アルジェン・カーム(銀牙狼・f38896)は『フォン・リィゥ共和国』の破壊された生産工場群の痕でキャバリアを一騎見つけ触れる。
 馴染みのないものであった。
 彼の世界とは違う世界。
 そこにあったメイガスと呼ばれるものと少し似ているように思えたかも知れない。
 厳密な違いはあるのだろうが、初めて見るが故に類似性に目を奪われてしまう。コクピットブロックを挟み込むフレームに装甲。エネルギー源はエネルギーインゴットと呼ばれるもの。
 ついつい研究熱心さが顔を出してしまう。

 けれど、今はその時ではない。
「そして……此の世界でも悲劇の終焉エンディングが起きようとしているんですね……」
 ならば、と彼は遺棄されていたであろうキャバリアのコクピットハッチを開く。
 戦わなければならないというのならば、今はこのキャバリアの力を借りようと思ったのだ。
 スイッチらしきものに触れれば、エネルギーインゴットからエネルギーが流入し、炉に火を灯す。
「……うん……凄い……! とは言え感動している場合ではありませんね……!」
 猟兵に成ったからであろうか、キャバリアの操作技術は一通りわかる。
 上半身と下半身。
 それぞれオーバーフレームとアンダーフレームに分かたれた鋼鉄の体躯。
 5m級の戦術兵器たる所以を知りながら、アルジェンは生産工場群の痕から飛び出す。目の前に迫るのはオブリビオンマシン『バーンナウトD』。
 赤熱するエキゾーストパイプから白煙を巻き上げながら、凄まじい速度で突進してくる。

「未だ我が力は未熟だとしても、何もできないわけではないことを示させていただきます!」
 煌めく瞳。
 ユーベルコードの輝きは、彼が駆るキャバリアのアイセンサーと共に光り輝く。
 吹きすさぶ風が機体から噴出し、迫る『バーンナウトD』の機体を逆風で持って押し止めるのだ。
 空転するほどの車輪の回転を起こしているというのに『バーンナウトD』は何故か自身の機体が前に進めぬことを理解できなかっただろう。
 黄龍の風。
 それがアルジェンのユーベルコードであった。

「動きを止めたのなら!」
 持ち出したキャバリアグレイブの一撃が『バーンナウトD』の頭部を貫き、その躯体を大地に沈める。
 だが、それを皮切りにアルジェンの駆るキャバリアに迫る『バーンナウトD』の数はますます持って増えていく。
「戦いの音に惹かれて来ましたか……ですが、僕も猟兵となった者。敵がオブリビオンマシンだというのなら!」
 キャバリアグレイブを振りかざし、アルジェンは宣言する。
 どれだけ自分の力の未熟さを痛感させられるのだとしても、決して諦めるkとおはしないと。
 できることを為す。
 ただそれだけで救われる者があると信じるように赤熱する『バーンナウトD』と相対し、アルジェンはキャバリアと共に戦場を切り抜けるのであった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

フェイルシア・インパーサ
○連携・アドリブ可
国が墜ちても民はいる
ならばその先に新しい国ができる
私達は彼らの障害を取り除きましょう
争いを生み出すだけのマシンであるならば最早遠慮は要りません!

AIの動きには癖があるはず
[学習力]で彼らの動きを観察しつつ[見切り][残像]で撹乱しながら
[なぎ払い]で近づいてきた敵機をいなします
ロケットスタートで飛び掛かってくるならば[フェイント]で隙を見せ狙いを固定して
[カウンター]で脇腹を貫きましょうか

出来る限り魔力を溜め私の持つ最大限の力をぶつけますわ
[高速詠唱][属性攻撃]を重ねて群れなす敵機に放射
ガミザーヌ、私の魔力を持っていきなさい!
この一撃がフォン・リィゥの道標へとならんことを…



 オブリビオンマシン『バーンナウトD』がかく座した『陸上戦艦』から飛び出し続けている。
 一体どれだけの戦力を有していたのか途方も無い。
 小国家一つが侵略全てに力を注いだ結果であったのかもしれない。
 もしも、これがオブリビオンマシンではなく、ただの無人機キャバリアであったのならば、猟兵の介入する余地はなかった。
 けれど、オブリビオンマシンは何処からか紛れ込みすり替わる。
 未だ原理も如何なる理由かも判明していない。
「ただ破滅を齎す者たち……それがオブリビオンマシン」
 フェイルシア・インパーサ(騎士姫の造花・f04276)は己のキャバリアである『偽神ガミザーヌ』のコクピットの中で、赤熱するエキゾーストパイプから立ち上る白煙と共に疾駆する『バーンナウトD』を見据える。

 周囲には多くの『フォン・リィゥ共和国』の『陸上戦艦』を動かしていた人員や、『ガガンボ』のパイロットたちが立ち尽くしていた。
 荒野にあって人の存在はあまりにも弱い。
 特にキャバリアという人型兵器が戦場の花形でるクロムキャバリアにおいてはそうであったことだろう。
「国が墜ちても民はいる。ならば、その先に新しい国ができる」
 フェイルシアは己が為すべきことを理解する。
 オブリビオンマシンを打倒すること。
 そして、国を失った者たちの未来を思うこと。そのためには障害を取り除かなければならない。

 無論、オブリビオンマシンだ。
「争いを生み出すだけのマシンであるならば、最早遠慮は要りません!」
『ガミザーヌ』と共にフェイルシアは戦場に飛び込む。
『バーンナウトD』の速度は凄まじいものであった。地上戦に置いて、これほどの速度をはじき出す機体もそう多くはなかった。
 戦場に飛び込んだフェイルシアを待ち構えていたのは『バーンナウトD』たちの包囲網だった。
 即座に機体を取り囲まれる。
 彼女は冷静であった。無人機である以上、制御はAI。ならば、彼らの動きには一定の規則性があるはずだった。

 突進してくる速度は凄まじい。
 だが、躱せないほどはない。数の多さと速度が彼らの武器であったのならば、いずれ捕まるかもしれない。
「ただ見極めるだけにあらず……フェイントにかかるのなら!」
『ガミザーヌ』が残像を見せながら戦場に舞う。
 すれ違いざまに放つ一撃が『バーンナウトD』を両断する。だが、即座に次が迫る。包囲を埋めるように次々と囲いを厚くしてくるのだ。

「なるほど……数の利を活かしますか。いえ、むしろ好都合であると言うべきでしょう!」
 満ちる魔力。
 溜め込まれた魔力はフェイルシアの最大限の力。群れ為すように己を囲うのは下策。
「最果てより想う…かつて栄えた理想郷、朽ちて変わらぬ我が忠誠!受け継がれし騎士の奥義、今こそその身に焼き付けなさい!!」
 放たれるは、桜色のオーラを纏った無数の花嵐。
 彼女たちを取り囲んでいた『バーンナウトD』たちはまんまと彼女と『ガミザーヌ』によって惹きつけられていた。

『ガミザーヌ』を中心とするように膨れ上がっていく花嵐は『バーンナウトD』の機体を打ち据える。
「『ガミザーヌ』、私の魔力をもっていきなさい!」
 吸い上げられる魔力。
 溜め込んだ魔力はこのためにある。膨れ上がっていく嵐。
 それは彼女に負担を強いるものであったかもしれない。けれど、いいのだ。フェイルシアも『ガミザーヌ』も『願い』のためにこそ戦う者である。

 今、彼女たちが願うのは一つ。
「この一撃が『フォン・リィゥ』の道標とならんことを……」
 そう人は生きている。
 国を失っても生きているのだ。ならばこそ、新たなる道筋も見つけられるはずなのだ。見つけられないことなんてあっていいはずがない。

 いつだってそうだ。
 人の生きる道は、暗闇に満ちている。
 けれど、生きているという生命の煌めきが在る限り、その道は白く照らされている。何も記されていない白紙のように――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ワルルーナ・ティアーメル
むむむ、「あれ」からは何も感じぬ……つまらん奴め

それより非戦闘員を何とかせねばな!
少し手荒だが……UCゆくぞ!
戦場に我が配下の魔王軍第7冠の者達のお店が連なる歓楽街を招来、
戦闘力のない者たちを店の中に引っ張り込み避難させるぞ!この歓楽街は「かなりの硬度」で出口は一か所だからな!

…言っとくがメイドカフェや普通のマッサージ店とかライトなお店もある全年齢対応だといっておったぞ?第7の魔将ワルリリスの奴が。あと支払いは金銭以外に魔力とか精神力とか現物も可だぞ

後は小回りの利かぬ迷路内で追い詰め各個撃破するだけだな!飛んだり、迷路から逃げようとする輩は出口に待ち構えたワルルンガーがパンチで粉砕するぞ!



 オブリビオンマシン『バーンナウトD』の機体が炎を纏っていく。
 空転する車輪が土煙を上げながら荒野を疾駆する。彼らは無人機オブリビオンマシンである。
『陸上戦艦』から飛び出した『バーンナウトD』の数は膨大そのもの。
 彼らの狙いは人であった。
 そう、国とは人そのもの。人無くば国はなく。そして、人を失えば国という概念は喪われる。それが破滅を齎すオブリビオンマシンの意図であったのだとしたのなら、ワルルーナ・ティアーメル(百胎堕天竜魔王(自称)・f31435)はそれをつまらぬと一蹴するだろう。
「『あれ』からは何も感じぬ」
 無人機であるがゆえに、人の欲望を感じないのだ。

 彼女自身が誰かの欲望を叶えたいという欲望を持つがゆえ、無人機にはさしたる興味を示せないのかもしれない。
 けれど、ワルルーナは立ち去ろうとしない。
 ラスボスであるが、彼女は基本的に良い子なのである。そう、戦場に残された戦えぬ者たちを見捨てていけるほど彼女は薄情ではなかったのだ。
「いささか手荒だが……今ゆくぞ!」
 ワルルーナの瞳がユーベルコードに輝く。

 それは、わるるん領紀行7:色の歓楽街(セブンスナイトシティ)。

「今より此処を我が第7の軍勢の支配地とする!出でよ!“色の歓楽街”!」
 なんて?
 ワルルーナのユーベルコードの輝きが荒野に満ちる。
 それは戦場を、彼女の配下……魔王軍第7冠の者達のお店が連なる歓楽街を招来する力。
 何を言っているのかわからないと思うが、彼女は歓楽街ごとクロムキャバリアの『フォン・リィゥ共和国』近隣の荒野に呼び寄せたのだ。
 これには『陸上戦艦』の要員や『ガガンボ』のパイロットたちも目を白黒させるしかなかった。
 それも当然であろう。
 なにせ、いきなり街一つが目の前に現れたのだから。

 しかも歓楽街である。
「……言っとくが全年齢対応歓楽街である! そう言っておったぞ! 第7の魔将ワルリリスが言っておったのだ! あと、支払いは金銭意外に魔力とか精神力とか現物も可である!」
 くわっ! とワルルーナの目が見開かれる。
 全部配下任せではあるのだが、それはいいんですかね、と誰も突っ込まない。この状況に順応するしかないのだ。
 いや、というかこれはもうどういうあれなのか。
 パイロットたちもわけがわからないままに歓楽街に引っ張り込まれていく。それはキャッチではなく、迫る『バーンナウトD』の危険から彼らを退避させるための方策であった。

 この歓楽街はかなりの高度を持つ迷路。
 出口は一つしかなく、そして引っ張り込まれたパイロットや要員たちは店内で色々楽しめる。だが、『バーンナウトD』はお断りなのである。
「フハハハ! 小回り聞かぬ迷路内で右往左往するがいい! そんでもってその巨体故に全店から入店を断られて途方に暮れるといい! そんな貴様らを!」
 迷路から覗き込むように『ワルルンガーΣ』が覗き込む。
 機動魔王城が人型に変形した『ワルルンガーΣ』は速度も活かせず、さりとて突破も出来ぬ迷路にて立ちすくむしかなかった『バーンナウトD』に巨拳を叩き込み、粉砕するのだ。

 あまりにもあんまりな光景。
 けれど、ワルルーナは笑うのだ。これってかなりのワルっぽいあれではないのかと!
「なんかこういうラスボスなシーンあったような! だが、何も感じぬ貴様らには遠慮など不要! プチプチっと全て潰してくれようぞ! 強き願いを抱いてから出直してくるのだな!」
 ワルルーナの高笑いが響き渡り、歓楽街のあちこちからは全年齢対応の楽しげな声が聞こえてくる。
 多分きっと王様ゲームとかポッキーゲームとか、そういう健全なやつのお楽しみであっただろう――!

大成功 🔵​🔵​🔵​

播州・クロリア
せっかくいい感じに終わったのに…
でもちゃんと最後までキッチリ終わらせませんとね
今ここで破滅の残滓が自分から出てきてくれたのは僥倖です
({舞狂人形}が肩幅ほどに足を開き、深く息を吐くような仕草で全身の力を抜いた後{霹靂の旋律}で『ダンス』を始めるとUC【蠱の宴】を発動し敵の動きを制限する)
散開される前に素早く倒してしまいましょう
早く倒せば倒すほど巻き込まれた方々の今後の生活を考える余裕が生まれますからね
(ダンスをしながら霹靂の旋律で生まれた稲妻を纏わせた『属性攻撃』と『衝撃波』を付与した蹴りを敵に叩き込む)



「せっかくいい感じに終わったのに……」
『陸上戦艦』から蜘蛛の子を散らす様に飛び出し、荒野を疾駆する無人機オブリビオンマシン『バーンナウトD』を前にして播州・クロリア(踊る蟲・f23522)は思わずつぶやいていた。
 キャバリア『舞狂人形』もまた同感であるようであった。
 空に浮かぶミラーボールはすでに役目を終えている。
 大地に失墜したオブリビオンマシン『空虚』は最早、空に飛び上がることはない。

 それは言ってしまえば、『フォン・リィゥ共和国』の滅亡を意味する。
 最早小国家としての体裁を整えることもできなければ、形骸化することすらできない。国土は自らの『陸上戦艦』とオブリビオンマシンによって蹂躙された。
 だが、人は残っている。
 国は失えど、人が生きているのならば国は再び別の形を取り始めるだろう。外側を取り払ったのならば、次は内側から外側を変えていけばいいのだ。

「最後まできっちり終わらせませんとね」
 そう、クロリアはうなずく。
 オブリビオンマシン『バーンナウトD』が自らでてきたのならば、それは僥倖であった。
「破滅の残滓は今此処で全て打倒しましょう」
 その言葉に応えるように『舞狂人形』が再び肩幅に脚部を開く。それはダンスの前の予備動作であった。
 深く息を吐くような仕草。
 それは人のような動きをするキャバリアであったことだろう。
 鋼鉄の戦術兵器であるというのに、まるで息をするかのように脱力する。腕部がだらりと落ちる。

 瞬間、響くのは旋律。
 刹那の音。畏怖の音。爪弾くのは心ひるませる轟音。
 それをクロリアは『霹靂の旋律』と呼ぶ。
 足を踏み鳴らし『舞狂人形』が戦場に踏み込む。『バーンナウトD』の本領は速度である。
 エキゾーストパイプが赤熱するほどの熱量で持って疾駆する機体。
 それこそが『バーンナウトD』の特性にして最大の武器。故にその突進の威力はおしなべて強力であった。
「楽しんでいますか? 私は楽しいです」
 だが、此処はすでに戦場ではない。
 ミラーボールはすでに喪われているが、『舞狂人形』とクロリアにとってはダンスホールそのもの。
 そう、此処は蠱の宴(コノウタゲ)。

 ダンスで生み出した旋律が響く限り、『舞狂人形』とクロリア以外のオブリビオンマシンは速度を減ぜられる。
 無人機オブリビオンマシンには楽しむ心などありはしない。
 そして、『舞狂人形』は踊りながら脚部を振るう。稲妻を纏わせた衝撃波の一撃は速度を奪われた『バーンナウトD』を次々と撃破していく。
「早く倒せば倒すほど巻き込まれた方々の今後の生活を考える余裕が生まれます」
 国は滅び、何をするのも上手くはいかないだろう。
 これからどんな道行きを彼等がたどるのかをクロリアは知る由もない。幸いが多い道のりではないだろう。

 それだけは確かなことだった。
 自らの国土は自らの行いで破壊されたのだ。
 そして、小国家としては滅びたが故に人は新たなる国を求めるかもしれない。もしかしたのならば、他国に移り住もうと考えるかもしれない。
「でも、それを決めるのは今を生きる人々です。私達ができることは――」
 そう、戦うことだけだ。
 否、自分たちに限って言えば違うのかもしれない。
『舞狂人形』がうなずくような仕草を見せ、踊る。踊り、狂うように襲撃を迫る『バーンナウトD』に叩き込む。

 蹴って、飛んで、響き渡るのは空を震わせる稲妻。
 刹那と畏怖のリズムは、これから先の未来を暗示するだろう。
 安易な道など選びようもなく。
 けれど、クロリアは知っているだろう。いつだって正しいのは厳しくも困難な道であることを。
 正しさを愛するのならばこそ、その道を選ぶべきだと。
 そして、彼等の道行きは唯一。
「なら、心配することなんてないのかもしれませんね――」

大成功 🔵​🔵​🔵​

アルカ・スィエラ
往生際が悪い……!!

引き続きアルカレクス形態、即座にUCを使用、一応戦艦上からは移動して……ドラグキャリバーを抜き、地面へと突き立てて【陽皇剣エクス・ドラグキャリバー】を!

範囲内の敵を超重力で縫い留める事で強制減速させ戦闘力増強を防ぎ、動きの鈍ったところを紅炎で仕留めるわ
それと、一応味方への負傷と精神への不調は癒せるから、非戦闘員には自力で逃げてくれるのを祈るしかないわね

……あと、効果中はこの体勢を維持しなきゃいけないんだけれど、
そっちはドラグカプトを起動させ、範囲を逃れた敵へのブレス攻撃や迎撃を行うわ

できれば内部に残存戦力がいないかも確かめたいところだけど……
まずはこっちを片付けてからよね



 戦乱の世界クロムキャバリアにおいて絶望とは何か。
 生産施設であるプラントを奪われることか。国土を追われることか。キャバリアと対峙することか。
 いずれも正しい。
 絶望とは人の心を覆う暗夜のようなものであったことだろう。

 小国家『フォン・リィゥ共和国』は最早形骸すら留めることができぬほどにオブリビオンマシンによって破壊された。
 蹂躙されたと言ってもいい。
 オブリビオンマシンが齎すのはいつだって破滅だ。
 人の心を歪め、もとより持っていたものが悪しきものであったとしても、そうでなかったとしても、破滅の道に引きずり込む。
『陸上戦艦』から蜘蛛の子を散らすように飛び出した無人機オブリビオンマシン『バーンナウトD』もまたその一つであった。
 内部にあったプラントから生産された無人機オブリビオンマシンは本来であれば他国への侵略の際に使われるもの。
 しかし、今は違う。

 猟兵との戦いに破れた『フォン・リィゥ共和国』の人員や『ガガンボ』のパイロットを殺し絶望を広げようとしているのだ。
「往生際が悪い……!!」
 アルカ・スィエラ(鋼竜の戦姫・f29964)は、『アルカレクス・ドラグソリス』を駆り『陸上戦艦』から飛び降り荒野に立つ。
 手にしたドラグキャリバーを大地に突き立てる。
「ドラグキャリバー、あなたがただ敵を斬るだけの剣でなく、絶望と闇夜を断つ剣である事を……今、此処に示せ!!」
 陽皇剣エクス・ドラグキャリバー(エクス・ドラグキャリバー)は、ユーベルコードの輝きを受けて、重力を解き放つ。

『バーンナウトD』は無人機であり、また機体に収められた内燃機関によって尋常ならざる速度を生み出す。
 その疾駆は炎をまとい、逃げ惑う人々を焼き殺さんとしている。
 だが、その疾駆は『アルカレクス・ドラグソリス』……その突き立てた剣より放たれた超重力によって阻害される。
「人の心にはいつだって闇が落ちる。影が広がる。それは人の心に光があるから。オブリビオンマシンは、その闇を膨れ上がらせる。光だって歪める。なら!」
 暗夜を切り裂く。
 絶望を砕く。
 それこそが己のやるべきことだとアルカの瞳がユーベルコードに輝いた瞬間、竜の如き紅炎が戦場を埋め尽くす。

 それはドラグキャリバーと同時に放たれた竜の首を模した四つ首の兵装。
 放たれる炎が『バーンナウトD』をオーバーヒートに追い込む。
「できれば内部に残存戦力がいないかも確かめたいところだけど……まずはこっちを片付けてからよね」
 漲る力がある。
 彼女の心にはいつだって光がある。
 誰かを信じたい願いであるのかもしれない。己の故郷もまた滅びた。
 人の心には必ず光と闇がある。どんなに信じた人にも、必ずあるのだ。それが歪めば誰かを裏切ることになる。

 そうやってクロムキャバリアの戦乱は続いている。
 見果てぬ夢。
 平和という言葉の意味すら遠き虚ろとなってしまった世界。けれど、アルカは戦い続けると決めたのだ。
 もがくように全てが上手くいくことなどないだろう。
 けれど、彼女の手にしたドラグキャリバーはその『陽皇剣』の名が示すように絶望に染まり、暗夜を往く人々の心に勇気を齎す光を放つ。

「誰だって辛く厳しい道を往くのは辛いもの。だから、あなたは示さなければならない。倒すだけでは終わらず。平和を求める心があるのならば、自らの中の心の光でもって絶望と暗夜を切り裂かなければならないのだと」
 アルカの光は『フォン・リィゥ共和国』の人々の心を照らす。
 道行きすら定かではない明日を。
 その道なき道を進むための勇気を、彼女は示したのだ――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

カシム・ディーン
機神搭乗
「ご主人サマ☆陸上戦艦をお掃除しなきゃいけないみたいだよ☆それならリフォームも出来てお掃除もできるあれの出番だね☆」
うっがぁぁぁぁぁ!!!(絶叫

そして戦艦対抗で竜眼号招来
戦艦内に退避

…あれは僕がダメージを受けると解除からな

【情報収集・視力・戦闘知識】
敵陣と地上戦艦の状況を細かく把握
特に戦艦の構造と拠点として扱うにはどう扱うかも分析

UC発動!
地獄の門が今開く!!

「「ひゃっはー☆」」
10師団
竜眼号の護衛

【集団戦術・念動力・弾幕・属性攻撃】
いいか!戦艦は今後の為にも壊すんじゃねーぞ!無力化に止めておけよ!
但し!キャバリアは資源として完全分解だ!
「「ラジャったよー☆」」

残り
蹂躙開始!
念動障壁展開
超高熱熱線で機体を粉砕
【二回攻撃・切断・盗み攻撃・盗み】
敵機に群がり鎌剣で切り刻み分解して須らく資源として強奪!

そして陸上戦艦にも群がって構造確認
中に突入して無人機を須らく粉砕しつつ

「「リフォームタイムだぞ☆」」
戦艦を可能な限り傷つけず一時的な無力化と内装リフォームまで行い始めやがる幼女軍団!!



 カシム・ディーン(小さな竜眼・f12217)は正直に行って気が進まなかった。
 敵の数は膨大。
『バーンナウトD』は『陸上戦艦』から溢れるように飛び出している。
 無人機オブリビオンマシンであることが幸いであったが、一騎も残してはおけない。オブリビオンマシンは人の心を歪める。
 歪め、破滅的な行動に走らせる。
 オブリビオンマシン『空虚』に乗っていた国家元首だってそうであったように。
 だから、全て破壊する。
 そのための力を己は持っている。

『ご主人サマ☆『陸上戦艦』をお掃除しなきゃいけないみたいだよ☆それならリフォームも出来てお掃除もできるあれの出番だね☆』
『メルシー』の言葉が『メルクリウス』のコクピットにあるカシムの耳を打つ。
 正直に行って気が進まない。
 二度目であるが、本当に気がすすまないのだろう。
「うっがぁぁぁぁぁ!!!」
 絶叫していた。
 そんなに、となるほどの絶叫。

 だが、考えても仕方ない。
 どう考えても状況を高いするためには、それが最も効率がよいのだから。招来した『竜眼号』にカシムは退避する。
 もう知らん、と腹をくくったのかも知れない。
「地獄の門が今開く!!」
 電磁バリアを展開した『竜眼号』から飛び出すのは、幼女『メルシー』。
 無数の師団の塊となって飛び出す幼女たち。悪夢のような光景であった。夢であったのならばよかったのにとカシムは思ったかもしれない。

 それは見上げる『フォン・リィゥ共和国』の人員たちも同様であった。
 どう見たって幼女だった。
 しかもみんな同じ顔をしている。そして手にした武装を持って『バーンナウトD』に向かっていくのだ。
「いいか! 戦艦は今後のためにも壊すんじゃねーぞ! 無力化にとどめておけよ! 但し! キャバリアは資源として完全分解だ!」
「ラジャったよー☆」
 本当にわかってるんだろうな、と対軍撃滅機構『戦争と死の神』(メルシーハルノヨウジョマツリ)の、その数としての力をカシムは信用するしかなかった。

『陸上戦艦』は荒野にありて最早機能しないだろう。
 だが、人がやすらぎを得るために必要なのは屋根である。もしかしたら洞穴のような場所であったのかもしれない。
 囲い、風雪を防ぐことができることができればいいと思うかも知れない。
 どちらにしたって、これからなのだ。
『フォン・リィゥ共和国』はすでに国として喪われた。
「けど、続くものがあるかもしれないっていうのなら、僕には関係ないかもしれないが……少しの手助けしてやったって問題ねーでしょう」
 カシムの号令と共に幼女『メルシー』たちが飛ぶ。

「蹂躙開始!」
「ひゃっはー☆」
 空を飛ぶ幼女が念動の障壁を展開し『バーンナウトD』を押し止める。
「な、な、幼女……!?」
「いえす☆」
 念動障壁で『バーンナウトD』の突進から人々を守りながら、超光熱熱線で敵を粉砕する。
 だが、それだけでは止まらない。
 幼女『メルシー』たちは鎌剣を手にして『バーンナウトD』の機体を分解していく。
 エキゾーストパイプも、内燃機関も、ソーラーエネルギーを利用するためのパネルも、車輪も、何もかもである。
 オブリビオンマシンがオブリビオンマシンであるために必要であるものがなんであるかわからない。
 けれど、破壊し、分解したのならば、それはもうマシンとは言えないだろう。

 内燃機関はこれから訪れる冬を越すために必要なものとなるであろう。またソーラパネルも必要な電力を確保するために必要なものだ。
 車輪だって滑車にもなれば、物を運ぶ台車にも使えるだろう。
「捨てる所なしってやつだ!」
「いえーす☆」
 幼女『メルシー』たちが飛ぶ。
 まさに乱舞と言えるほどの蹂躙劇を『バーンナウトD』たちは甘んじて受け入れるしかなかった。
 それほどまでに数が違いすぎたのだ。

 そして幼女『メルシー』たちは『陸上戦艦』に群がっていく。
 構造を確認する。
「なるほどな。アレだけ無茶な数を用意できたのはプラント事態を持ち込んでいやがったか……」
 あれだけの猟兵の攻勢を前にプラントが無事であったのは幸いだった。だからこそ、オブリビオンマシンが溢れたとも言える。
「リフォームタイムだぞ☆」
「ああ、まずはプラントからオブリビオンマシンの供給を止める」
 カシムの号令で幼女『メルシー』たちがプラントを停止させる。復旧させるのに時間はかかるが、オブリビオンマシンを作り続けていたプラントを止めることのほうが先であった。
「資源は豊富にある。あれらを上手く活用できたのなら、冬を越すことだってできるだろう」

 後は彼等に任せれば……と思っていたところでカシムは目を剥く。
「ってまてまて! 無力化だけでいいんだってば! 内装リフォームまでやるな! ちゃんと言うこと聞け! 幼女軍団!!」
 カシムの声が『竜眼号』に響き渡る。
 幼女たちはそんな静止の言葉すら届かぬというように、『陸上戦艦』の内部の不審物を一気に外に運び出し荒野に投げ捨て、使えぬものであるとばかりに徹底的にぶち壊す。

「……怪しいのだったらいいか……」
 カシムはもう考えるのをやめた。
 あれこれ自分が心配しても仕方ない。人は生きていく。ならば、後は荒野を往くが如く、だ――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

菫宮・理緒
【シャナミアさんと】

最後の最後で無人兵器とか……。

【ネルトリンゲン】急速降下。
着地してガガンボのパイロットさん達を収容するよ。

わたしは【lanius】で外に出るから、
『希』ちゃんは艦の防衛とシャナミアさんの援護よろしくね。

UCと【mist sprayer】で目くらましや相手の攻撃、熱への対処をしつつ、
パイロットさん達を艦に誘導しよう。

機体に閉じ込められてる人とかいたら、
【Hydraulic Winch】とか使って救出するよ。

シャナミアさんも、申し訳ないけど頼めるかな?
相手が近寄ってくる前に潰してくれると助かります!

『希』ちゃんと艦の火力は好きに使っちゃっていいから、
なんとかお願いしまーす!


シャナミア・サニー
【理緒さんと】
ホント何考えてたんだこの元首
ため息しかでないけどそんな暇もなさそうだ
ここは標準兵装で行った方が良さそうかな
避難経路っていうか退路の確保やるよ
理緒さん支援する!
遠慮なく突っ込んで!

ツインバレルライフルで制圧射撃を仕掛けつつ
近づいて来た敵機はビームブレイドで串刺し

いやしかし多いな!?
一回敵機集団切り崩すしかないか
『希』ちゃんしばらくこの辺よろしく

【コンバットパターン【A】】いくよ!
ドラグナー・ウイング、ブースト!
ツインバレルライフル斉射しながら突っ込み&
敵集団の先頭にシールドバッシュ!
そのまま押し込んでー!
ビームブレイド一閃!
蹴り飛ばして距離取ったら
またシールドバッシュからつなげる!



「最後の最後で無人兵器とか……」
 菫宮・理緒(バーチャルダイバー・f06437)はミネルヴァ級空母『ネルトリンゲン』の艦橋から荒野の状況を見やる。
『陸上戦艦』から飛び出した無数のオブリビオンマシン。
 それは無人機であり、凄まじい加速で持って荒野に点在していた『ガガンボ』のパイロットたちや、破壊された『陸上戦艦』の人員たちを襲わんとしていた。
 彼等が齎すのは絶望。
 小国家としての体裁はすでに崩れた。
 最早『フォン・リィゥ共和国』は歴史の表舞台に出てくることはない。

 だが、人は殺す。
 絶望に染め上げる。そうすることによって人々の心には戦乱の恐怖がこびりつく。恐怖がこびりついた人間は他者と争う。
 少ない物資を分け与えることなく奪い合う。
 オブリビオンマシンが猟兵に全て破壊されても、その恐慌は残る。
 だからこそ、間引くように『バーンナウトD』は人々を狙う。
「ため息しかでないけど、そんな暇もなさそうだ。理緒さん支援する! 遠慮なく突っ込んで!」
 シャナミア・サニー(キャバリア工房の跡取り娘・f05676)は『レッド・ドラグナー』を駆り、『ネルトリンゲン』の急速降下を支援するように『バーンナウトD』の群れに突っ込む。

 ツインバレルライフルでもって人々に襲いかからんとしている機体の間に割り込み、ビームブレイドの一撃で切り裂く。
「あ、あ……」
「今は難しい事考えなくていいから! あの空母に走って!」 
 シャナミアが間一髪救った人々に降下した『ネルトリンゲン』を指し示す。
 理緒は人々を空母に収容しようとするだろう。その間、どうしたって『ネルトリンゲン』は無防備になる。
 けれど、人々を救おうとするのならば、そうするしかない。

「『希』ちゃん、わたしは出るからね! コントールと防衛、おまかせした、よー!」
 理緒のキャバリアが『ネルトリンゲン』の解放された艦首から飛び出す。
 採算度外視の設計。その試作機を駆る理緒は、『バーンナウトD』を相手取って電脳術式を展開し、突撃を受け止める。
「空母はまだ乗れるから走って! 走れる人は、走れない人を助けてあげて!」
 理緒は戦いながら人々を空母に誘導する。
 だが、それは無理があった。
 人々を助けること。オブリビオンマシンを倒すこと。
 その全てを一人でこなすことはできない。

 けれど、それは一人では、だ。

「コンバットパターン【A】(コンバットパターンアサルト)、いくよ!」
 理緒に迫る『バーンナウトD』。
 しかし、横合いから強襲するのは赤いキャバリア『レッド・ドラグナー』。
「遅いよ! でもありがとう!」
「此処は任せておいてよ! あっちにまだ機体に残されている人がいるから!」
「うん!」
「さあ、超練習して体に覚え込ませた強襲用連続攻撃! 止められるものなら!」
 止めてみせろと、赤いキャバリアのアイセンサーが煌めく。
 展開されるドラグナー・ウィング。凄まじい推力と共に機体が大地を舐めるように疾駆する。

 だが、『バーンナウトD』の速度もまた優れたるものであった。
 内燃機関とソーラーエネルギーをあわせて出力される速度は、その赤熱した機体とエキゾーストパイプに寄って証明されるように戦場を駆け抜ける。
「でも『レッド・ドラグナー』なら!」
 ツインバレルライフルから放たれる斉射。全てが当たるわけではない。たとえ、当たったとしても敵は無人機。
 恐れなど白糠のように『レッド・ドラグナー』に突っ込んでくる。
 其処に手にしたシールドをシャナミアはぶつけるように叩きつける。
「そのまま押し込んでー!」
 体が覚えている。もはや見なくてもコクピットの中の操縦桿は手に馴染んでいる。コンバットパターンは、そのためにこそある。

 戦いにおいて、臨機応変は求められる。 
 だが、それ以上に普遍性もまた求められるのだ。普段と変わらぬ行動を如何に精度を落とさず出来るか。
 それを証明するように『レッド・ドラグナー』はビームブレイドの一閃でもって『バーンナウトD』を吹き飛ばし、さらにシールドバッシュで後続の機体を弾き飛ばして撃破していくのだ。

 そんなシャナミアの活躍を受けて理緒は荒野に点在する人々を残らず救う。
「こっちだ! こっちにも脱出できないやつが居るんだ! 助けてくれ!」
「大丈夫。安心して。『希』ちゃん、艦の火力は好きに使っちゃっていから、なんとかお願いしまーす!」
 理緒は機体に備えられた油圧式ウィンチでもってうつ伏せに倒れ込んだ『ガガンボ』の機体をひっくり返し、ひしゃげたコクピットハッチを引き剥がす。
 そこにはパイロットの姿があった。
 戦いで負傷したのだろ。気を失っているのを確認すると、パイロットを預けさらい戦場を奔走する。

「誰一人だって喪わせないよー!」
 なぜなら、生命を喪わせることもまたオブリビオンマシンの策動。
 人の心を歪めるのはマシンだけではない。
 だからこそ、理緒は残らず全てに手を差し伸べる。ついさっきまで戦っていたとか、そんなことは関係ないのだ、彼女には。
 誰かを救いたいという思いは、悪意よりも伝わることが少ないだろうし、遅い。
 けれど、確実に人の心に根ざすものだ。
 いつだってそうだ。

 人は良心を必ず持っている。
 理解することも。拒絶することも表裏一体。
 ならばこそ、理緒は己が示す。どれだけ裏切られても、どれだけ悲しみにくれても、必ず光は差し込むのだということを、今まさに絶望の淵にある人々に――。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ルクス・アルブス
【ステラさんと】

こ、怖かったですよ!マジ怖かったですよ!
もう二度とやらないですからね!

これで食べられたら絶対化けてでますよ!?

って、なんか出てきましたけど……え?犬?
ステラさんの同類さんですか?

人の狂気……最後の敵やべーメイド?(ステラさんチラ見)

あ、はい。ではでは。

ぶら下がっているくちばしからぴょんと飛び降り、ステラさんに乗り直して。

それでは今度こそ【Canon】を……って、痛ぁ!?

じょ、冗談ですよ。
さすがにパイロットさんたち巻き込んじゃいますからね。
相手は火属性っぽいですし【Tanz des Hagel】で狙い撃ちです!

……パイロットさん達にも聴いてもらいたかったのですが(ぼそっ)


ステラ・タタリクス
【ルクス様と】
大丈夫ですルクス様食べませんから

それにしても…
災厄しか積んでないのですかあの戦艦は
やはり最後に敵となるのは人の狂気
何故私を見ましたかルクス様?
誰がやべーメイドですか
メイドの格の違いを見せてさしあげますよ!
ともあれ人々の避難も必要となると細かい動きがいります
フォルから乗りましょう

【ガレオンチェンジ】で飛空艇形態へ
こちらのほうがコントロールが効きますし
周囲への影響も少ない
低空でホバリングしつつここから狙います!
ルクス様合わせてください!

【エールプティオー・プルウィア】発射!
バーンナウトDのみを狙い撃ちます
なお、爆風は関与しないものとします

いつも魔法使った方が勇者っぽいのでは?



「うわーん! こ、怖かったですよ! マジ怖かったですよ! もう二度とやらないですからね!」
 ルクス・アルブス(『魔女』に憧れる『出禁勇者(光属性)』・f32689)は鳥型キャバリアのくちばしにひっかかりながら叫んでいた。
 心からの叫びであった。
 怖かったのである。敵が空にあるからといって、その上から飛び込んで一撃を見舞おうとするのは生命の埒外である猟兵であっても、勇者であっても、やっぱり怖かったのである。
 当たり前である。
 想像しただけで、ひゅん! ってなる。

 しかし、そんなルクスの頑張りにステラ・タタリクス(紫苑・f33899)は、まあまあご冗談を、みたいな感じであった。
「これで食べられたら絶対化けてでますよ!?」
「大丈夫ですルクス様食べませんから」
 そもそも『フォルティス・フォルトゥーナ』はキャバリアである。人間は食べない。
 だから大丈夫、と。
 だが、ステラにはそれ以上に気になっていることがあった。
「それにしても……災厄しか積んでないのですかあの戦艦は」
 彼女が見やるのは荒野に散らばるようにして飛び出す無人機オブリビオンマシン『バーンナウトD』。
 その疾駆でもって荒野に点在する人々を鏖殺しようとしているのだ。

 オブリビオンマシン『空虚』を駆っていた国家元首の狂気。
 自ら滅びることさえもいとわず、他者を滅ぼそうとする心の歪み。
「やはり最後の敵となるのは人の狂気……」
「なんか出てきましたけど……え? 犬?」
 ルクスは『バーンナウトD』の容貌を見て思わずステラを見ていた。犬と言えばメイド。メイドと言えば犬。
 ルクスの中でステラの位置づけがわかる一瞬であった。

「ステラさんの同類さんですか? 人の狂気……最後の敵やべーメイド?」
「チラチラ見ているのわかってますから。誰がやべーメイドですか。メイドの各の違いを見せて差し上げますよ!」
 いやまあ、そういうこと言う時点で相当じゃないかなとルクスは思わないでもなかったが口にしなかった。
 いつものことだったし、いつものやりとりであった。
「あ、はい」
 そう返事をするのが精一杯であった。それで多分正解である。

『フォルティス・フォルトゥーナ』の嘴から反動をつけてルクスが飛び降り、同時に降りていたルクスが変身した飛空艇の甲板の上に降り立つ。
 床があるって素晴らしい。
 地面ってなんて良いものなんだろうとルクスは思ったかも知れない。紐なしバンジーを経験したから、余計にそう思った。
「こちらのほうがコントロール効きますし。周囲への影響も少ない。ルクス様、低空ホバリングしつつここから狙います!」
 いいですね、と安定している床に感動しきりのルクスに告げるステラ。

「ではでは! 今度こそ演奏を……って、痛ぁ!?」
 ごん! とステラの変じた飛空艇が揺れてルクスは柱に頭をぶつける。
「ルクス様、真面目に」
 え、真面目なんですけど……と思った。
 演奏自体は真面目にやってんですよ。それであんな不協和音なんですよ! 必死にやってんですよ! 勇者らしくがんばってるのだ。だけど、何故か不協和音をかき鳴らしてしまうのだ。
 リサイタル開くガキ大将もびっくりな不協和音。

 だが、ルクスは良い方向に解釈した。
 確かに演奏の力は『バーンナウトD』の群れ為す者達には有効だろう。けれど、範囲攻撃は荒野に点在する人々も巻き込むかもしれない。
 それはルクスにとっても本意ではない。それをステラは指摘したのだろう。
「じょ、冗談ですよ。流石にパイロットさんたちも巻き込んじゃいますからね。相手はほら、火属性みたいですし! これで狙い撃ちですよ!」
 旋律に乗せるようにルクスの歌声が響き、Tanz des Hagel(タンツデスヘイル)がユーベルコードとなって流れる。
 それは氷の礫を生み出し、人々に襲いかからんとした『バーンナウトD』の機体を撃ち抜く。

「最初からそうして頂けませんか? というかいつも魔法を使ったほうが勇者っぽのでは?」
 飛空艇に変じたステラから放たれた天使核より生成したミサイルがサーカスの如き尾を引きながら『バーンナウトD』を狙い撃つ。
 なお、爆風のことは関与しないものとする。
 流石にそこまで気が回らない。というか、そうならぬようにルクスの氷の礫と自身の天使核ミサイルを使い分けているのだ。

「いえいえ! 確かにそうかもしれませんけど! でもでもやっぱり勇者らしく演奏聞いて欲しいじゃないですか」
 パイロットさんたちにも聞いてもらいたかったのだとルクスの屈託のない笑顔が広がる。う、守りたいこの笑顔。
 だがしかし、ステラは知っている。
 きっと此の後リサイタルが『フォン・リィゥ共和国』のパイロットたちを集めて開かれることを。

 その後の阿鼻叫喚の絵図をステラは思う。
 耳栓ではどうにもならないレベルにまで成長したルクスの演奏に巻き込まれる。その光景をステラは幻視し、どうにかして逃れられないかと思索を巡らせるのであった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

月夜・玲
うわー、めっちゃ面倒なやつ…
せめて最後は潔く…とはいかないかあ
とはいえ放置は出来ないし最後まできっちり片付けとかないとね
最後の一仕事と行こうか

【断章・不死鳥召喚〈超越進化〉】起動
不死鳥131匹召喚
素早く動くなら、数で囲んで処理する!
131匹の内、100匹を攻撃に使用
20体くらいで固めてチームで運用
敵を全方位から囲むように展開して追い込み、すれ違いざまに翼で斬り裂く!
素早く動くなら、追い込んで囲んで倒すだけ
これで各個撃破して数を減らしていこう

こちらを狙ってきたら、残しておいた不死鳥で迎撃しよう
突っ込んで来たなら不死鳥を突っ込ませて『吹き飛ばし』て距離を取り
他の不死鳥で斬り裂いていこう



 荒野を疾走する無人機オブリビオンマシン『バーンナウトD』の姿と数に月夜・玲(頂の探究者・f01605)は思わず天を仰ぎ見るようであった。
「うわー、めっちゃ面倒なやつ……」
『陸上戦艦』から飛び出すようにして現れた無人機オブリビオンマシンの数は膨大そのものであった。
 あまりにも数が多く、対処が難しい。
 そして、『バーンナウトD』の最大の特徴は内燃機械とソーラーエネルギーによる過剰なまでの速度を叩き出す特性にあった。
 赤熱する機体やエキゾーストパイプがその証拠であるとでも言うかのように白煙を立ち上らせながら、荒野に残された『ガガンボ』のパイロットや『陸上戦艦』を動かしていた人員たちを襲わんとしている。

「せめて最後は潔く……とはいかないかあ。とはいえ、放置は出来ないし最後まできっちり片付けないとね」
 これが最後の一仕事だと玲は、その瞳をユーベルコードに輝かせる。
「偽書・焔神起動。断章・不死鳥召喚の章、深層領域閲覧。システム起動――断章・不死鳥召喚〈超越進化〉(フラグメント・フェニックスドライブ・エクステンド)!」
 蒼炎で構成された不死鳥が空へと舞い上がる。
 百を超える無数の蒼炎の不死鳥が、全てを切り裂く翼を羽撃かせ、一斉に『バーンナウトD』へと迫る。

「素早く動くなら、追い込んで囲んで倒すだけの簡単なお仕事だよね!」
 敵機の動きを捉えるのならば囲い込めばいい話だ。
『バーンナウトD』は組織だって動くものではなかった。ただ荒野に残された人々を鏖殺せんがためだけに疾走している。
 ならば、其処に割り込み、足を止める。
 足を止めたのならば、単体を数で攻め落とす。まずは脚部。そして腕部、残された胴体をさらに細切れにするように蒼炎の翼が羽ばたけば、『バーンナウトD』は最早為す術なく破壊されるしかないのだ。

「とは言え……あっちから見たら私も人間かー」
 生身単身の猟兵。
 キャバリアに乗らぬ者は、無力であるのがクロムキャバリアである。戦場の花形たる戦術兵器に生身単身で立ち向かうのは自殺行為そのもの。
 だが、オブリビオンマシンもまた玲のことをただの非力な人間とは思っていない。
 だからこそ、全力で潰しにかかるのだ。

 一斉に迫る『バーンナウトD』の群れ。
 だが、玲の背後から飛び立つ残しておいた戦力をもってこれを迎撃する。
「狙いはいいんだけどさ、真正面から突っ込んでくるってどうなの? こっちの迎撃が間に合わないとでも思った?」
 飛ぶ蒼炎の不死鳥。
 その羽撃きが一瞬にして『バーンナウトD』の躯体を焼き切るようにして切り裂き、吹き飛ばす。
 吹き飛ばされた躯体は、さらに迫る蒼炎の不死鳥に寄って斬り裂かれ、玲に爆風の一つすらも届かせることなく爆散する。

「うーん、単純。ちょこっと隙見せたら喜んで突っ込んでくるんだもん」
 玲は軽く伸びをして戦場と成った荒野を見やる。
 小国家として『フォン・リィゥ共和国』は最早滅びたも同然であろう。
 だが、まだ荒野に人は残っている。生きている。
 ならば、形を変えて再び国が興ることもあるだろう。もしかしたのならば、このまま潰えることもあるかもしれない。

 けれど、玲は大丈夫でしょ、と笑う。
 楽観的かも知れない。
 無謀なことだと言われるかも知れない。
「恵まれた立地はまだ残っているんだし。頭さえ変えれば……」
 なんとかなるかもしれない。なんともならないかもしれないけど、と玲は笑って蒼炎の羽撃きを背に一仕事終えたと、息を吐き出すのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ユーリー・ザルティア
ホント…何考えてこんなにもキャバリアを…
資源は考えて使えー

この戦場には『フォン・リィゥ共和国』のパイロット達が残されている…か
見捨てるのは後味悪すぎ…
彼等を守りつつ、敵機を迎撃する

引き続きボクはレスヴァント
ARICAを搭載したパールバーティはボク達の『援護射撃』

さて、…切り札を切る
≪レムナント・オーヴァー≫を発動。
過去のエース達の魂が伝える『戦闘知識』から敵の行動を『見切り』攻撃を回避しつつ迎撃

パイロット達を巻き込まないよう戦場を『瞬間思考力』で素早く判断し、機体『操縦』する
―くッ
『肉体改造』したこの身が軋む反応速度で対応
アストライアの『制圧射撃』で敵キャバリアを破壊する

…がはッ(吐血)



「ホント……何考えてこんなにもキャバリアを……」
 資源は考えて使って欲しいものだとユーリー・ザルティア(自称“撃墜女王”(エース)・f29915)は息を吐き出す。
 ため息にも似ていたし、戦いがまだ終わらぬことに対する諦観めいたものであったのかもしれない。
 クロムキャバリアにおいて戦乱とは常なるもの。
 一つの戦いが終結下としても、また新たな戦いが訪れる。

 目の前の荒野がまさにその縮図でもあった。
 オブリビオンマシン『空虚』は空より大地に失墜し、『陸上戦艦』は擱座して最早動くことは敵わない。
 だが、その『陸上戦艦』の中に備えられたプラントより生み出された無人機オブリビオンマシン『バーンナウトD』が蜘蛛の子を散らすように躯体を赤熱させながら荒野に飛び出す。
 彼等が狙うのは荒野に残された人々だ。
「見捨てるのは後味悪すぎ……」
 悪態をつきたくもなろうと言うものだ。そもそも彼等とは敵対していたのだ。
 ついさっきまで一戦交えていたのだ。
 けれど、それでもユーリーはキャバリア『レスヴァント』と共に戦場に翻る。

 見捨ててはおけない。
 見捨ててしまえば、ユーリーは自分の中の何か大切なものを失いかねなかったからだ。
 追従するように無人機の『パールバーティ』が走り、戦場を疾駆する。
「敵の数も多ければ、速度も大したもの……なら、切り札を切る」
 白きキャバリア『レスヴァント』のアイセンサーがユーベルコードに輝く。
 レムナント・オーヴァー。
 それは戦場で散った『エース』パイロットたちの魂が伝える戦いの経験。
 戦場にあってユーリーは、彼等の魂をもって戦う。機体の反応速度が上がる。目がくらむほどの速度。
 目の前で流れていく風景が情報として脳に処理されていくが、それさえも上回っていく速度で状況が流れ込んでくる。

 脳にのみならず、彼女の肉体にもまた負荷がかかる。
 内臓を圧迫する加速度G。
『レスヴァント』の機体性能の限界を要求するかのような圧倒的な反応速度が、機体そのもにも負荷を掛けるようでもった。
「――くっ」
 息が吐き出すことさえ許されない。
 肉体改造を施されたユーリーですら、この有様である。

『バーンナウトD』の速度は、これに付いてこれない。
 圧倒的であった。
 荒野にある人々を救うために切った切り札は、ユーリーにとって当然のことだった。敵であったものでさえ救う。
 それが『エース』と呼ばれる者たちの宿命であったのならば、ユーリーは今まさにその宿命を背負って戦場を駆け抜けている。
 体が軋む。
 痛みが走る。
 だが、それは今感じうることではにないとユーリーは引き金を引く。

 限界を超えた瞬間『レスヴァント』の機体が膝をつく。
 周囲に在るのは『バーンナウトD』の残骸。
 彼女の戦いぶりは鬼神そのものであった。圧倒的な反応速度であらゆる方向から迫る『バーンナウトD』を尽く撃破せしめた『エース』の技量は、荒野にあった人々の瞳に鮮烈なる輝きと成って刻まれたことだろう。

 だが、その代償は軽くはない。
「……がはッ」
 思わず抑えた手のひらをユーリーは見やる。血の赤が視界に飛び込む。
 わかっていたことだ。
 我が身を犠牲にしてでも救うと決めたことだ。
 ならば、ユーリーは内臓をえぐるような痛みを覚えながらも、それでもなお後悔などしない。
 モニターの向こう側では、彼女の求めた光景がある。

 誰一人命を奪われぬ荒野。
 これからどのようにして生きていくのかもわからぬ明日を、されどユーリーは確実に守り抜いたのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

朱鷺透・小枝子
壊せ、壊せ、壊せ、壊せ、壊せ!!
敵を、もっと、多く、早く、迅く──!!!

ディスポーザブル01操縦『恐喜歩』発動
メガスラスター【推力移動】
怨念闘争心で纏う結界内時間を歪ませ、
接近し結界内に取り込んだ敵機の時間を遅く、
01の動きはより速く。
光子迸るブラストナックルを突き入れ【電撃属性攻撃】

【瞬間思考力】他敵機群行動認識、空間圧縮で距離を詰め、
【怪力】で拳を叩きつけ回路を焼き焦がし、【早業】即座に次の敵機へと移り、最短最速で殴り、壊す。それを繰り返す。何度も何度も何度も

【継戦能力】UCで疲労等の影響は無い
最効率で脳を回し、最速で、最小限の動きで、敵機を沈めて行く。
繰り返す。繰り返す。繰り返す!



 時間と空間を歪めた怨念結界が荒野に広がる。
 それは恐喜歩(アドバンス)。
 ユーベルコードの輝きを解き放った『ディスポーザブル01』の真の姿であった。
 それを怨念と呼ぶにはあまりにも闘争心に満ちていた。
「壊せ、壊せ、壊せ、壊せ、壊せ!!」
 まるで呪詛。
 否、呪詛そのものであった。

 目の前にあるのは荒野。
 そして、未だはびこる無人機オブリビオンマシンが存在している。
 ならば朱鷺透・小枝子(亡国の戦塵・f29924)に立ち止まる理由などな一つなかった。
 メガスラスターが噴射し、推力を生み出して一気に駆け抜ける。
 怨念闘争心が覆う戦場は既に結界の中。
 戦場にあるオブリビオンマシン全てを破壊するまで小枝子の戦いは終わらぬと言うかのように彼女は『ディスポーザブル01』と共に踏み込む。

 どれだけ『バーンナウトD』が速度に優れたるオブリビオンマシンであったとしても関係ない。
 結界の中に取り込んだのならば、空間さえ歪める怨念の塊たるキャバリア『ディスポーザブル01』を止める手立てはない。
 より早く踏み込んだ『ディスポーザブル01』の光子迸るブラストナックルの一撃が雷撃を打ち鳴らすかのように『バーンナウトD』の躯体を打ち抜き、爆散させる。
 なんたる一撃であったことだろうか。
 怨念は闘争心そのもの。
 時間と空間を歪める中にあって、己の時間は早く。敵対する者の歩みは遅く。
 その相対的な速度の噛み合わぬ戦いは、一方的な蹂躙劇にも思えたことだろう。

「敵を、もっと、多く、早く、迅く――!!!」
 壊す。
 ただそれだけのために『ディスポーザブル01』は拳を叩きつける。
 ひしゃげた『バーンナウトD』の躯体を掴み上げ、出力を底上げする炉が唸りを上げるようにして持ち上げる。
 敵の動きがどれだけ早かろうが、数が多かろうが小枝子にはどうでもよかった。
 持ち上げた躯体を両腕で圧縮するようにひしゃげさせながら、迫る躯体に叩きつけさらなる残骸を生み出していく。

 爆散する光の中に消える『ディスポーザブル01』。
 だが、光が収まった時、其処にかの機体は存在しなかった。一瞬で、最速にして最短の距離を詰める『ディスポーザブル01』はその拳をオブリビオンマシンに叩きつけ、破壊し続ける。
 一騎たりとて逃してはならず。
 破壊を齎すためだけに拳を振るい続ける。
 疲れなど知らず。
 最効率で脳を回し続ける。
 繰り返す。
「繰り返す」
 ただそれだけのことだ。目の前に敵がいると言う事実が小枝子の足を止めさせない最大の理由。

 最後の一騎をひしゃげさせた小枝子は漸くにして止まる。
 脳への負荷は最高率を求めたが故に甚大なものであったことだろう。目の前が真っ暗に成るような感覚を覚えながら、小枝子は『ディスポーザブル01』のコクピットハッチを開けて外に顔を出す。
 荒野の乾いた風が彼女の熱した頭を少しだけ冷ますことだろう。

 戦いが終わった後はいつだって何をしていいわからない。
「自分は兵士でありますから」
 だから戦いの場に身を置くことこそが最も正しいのである。
 日常というものがあったとして、そこに平穏というものがあるのだとしても。
 それでも自分の居場所は炎荒ぶ破滅の一歩手前。
 だが、小枝子は見ただろう。

 国が滅び、荒野に投げ出されても生きることをやめない者たちの姿を。
 明日という不安が満ちる未来しか残されていないのだとしても、歩むことをやめない者達の姿を。
 その姿を視ることが出来たのならば、小枝子は十分だと息を吐きだし『ディスポーザブル01』のコクピットのシートに体を沈める。

 心地よい、とは言い切れない。
 けれど、破壊が齎した未だ見通せぬ明日を守ることができたのならば、未だ壊れぬ己の体にも確りとした意味があるのだと、小枝子は実感しただろうか。
 いつだってそうだ。

 荒野に咲くは如何なるかという問いかけに対して放たれる答えは――。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2022年11月06日


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#クロムキャバリア
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#グリモアエフェクト
#ACE戦記外典
#フォン・リィゥ共和国


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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はビードット・ワイワイです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト