スペースシップワールドの外側に広がっていた無数の銀河に浮かぶ惑星に無数の宇宙人が住む世界、スペースオペラワールド。
その一角に「男ならば例え死ぬとしても、女子供には手をあげるべからず」という漫画やアニメの登場人物のような信念を掲げる星間国家があった。
「彼らは自らが住む星の名に則って『ハクリュウ』と名乗っております。我々の形式に当てはめると『ハクリュウ星人』になりますね」
ルウ・アイゼルネ(滑り込む仲介役・f11945)はそう言うとスライドショーを次のページに移し、この星の日常風景を映し出した。
「彼らの見た目はこんな感じの真っ白な鱗を持った人派ドラゴニアンとなっております。ひょっとしたらこの地に流れ着いたドラゴニアンの末裔さんかもしれませんね」
スペースシップワールドとは比べ物にならないほど広大なスペースオペラワールドでもハロウィンの風習が存在し、各星それぞれに趣向を凝らしたお祭りを開いているそうだ。
「ハクリュウ星の場合だと飴細工が有名で、雲のような綿飴や様々なスペースモンスターを模した芸術作品じみた品々があちこちで売り出されているそうです。……で、ここからが本題です」
そんな華やかなハロウィンイベントの会場に1人のオブリビオンが紛れているのだという。
「『メートル』と名乗っているこの宇宙人は異次元からの侵略者の指揮官を標榜しており、子供からお菓子を奪う程度の小事から、住人を皆殺しにしたり人身売買にしたりする大事まで悪事であるならば何でもこなす傭兵であります」
彼が請け負った依頼の詳細は不明だが、このお祭りをめちゃくちゃにしようと企んでいることだけは間違いない。
「もうすでに相手は会場にいて、いつ動き出すか予断を許さない状況です。これよりハクリュウ星に大急ぎで向かいます故、皆様よろしくお願いいたします!」
そうしてハクリュウ星に降り立った猟兵達に気付いたメートルはゆっくりと意味ありげに振り返って口角を上げてこう告げてきた。
「ん? お前達は……クックックッ、忘れたか? 俺だよ俺」
平岡祐樹
自分では力不足だと分かっていても、足掻きたくなる愚者の性。
平岡祐樹です。よろしくお願いします。
当案件は「ハロウィンシナリオ」でございます。
10/31の「朝」までに、全世界のハロウィンシナリオが「最低1本づつ成功」していれば、無事に「全世界を巡るハロウィンパーティ」が開催されます。
仮装については既存のSDイラストを参考にいたしますが、「それ以外の仮装をする」or「まだ無い」方はプレイング内にその内容の記述をお願いいたします。
第1章 ボス戦
『指揮官『メートル』』
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POW : 時空超越者《トラベラー》
単純で重い【空間を飛び越え0秒で放たれる星砕きの拳】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD : ワープポインズンエナジーガン
【手に持った銃型ワープ・デバイスにより 】【対象内部に直接発生するブラックホールから】【対象を破壊するのに最適な千種の毒エナジー】を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らす。全て命中するとユーベルコードを封じる。
WIZ : そうか、残念だ。キミも忘れてしまったか
【自身の存在や情報】に触れた対象の【記憶や認知、世界から自身の存在や情報】を奪ったり、逆に与えたりできる。
👑11
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夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎
■行動
大変な状況ですし、何とかやってみましょうかぁ。
衣装は解り易く『黒猫娘』で。
転移直後に『FIS』により『時空間干渉遮断』を展開しますぅ。
『空間転移』は紛れもなく『空間への干渉』ですから、これで封じられるでしょうし、展開が間に合わず一撃を受けそうなら『FES』の『破損によるダメージ無効化』で遮断しますねぇ。
そして【接穣】を発動、『祭器』全てに『即時修復』を付与すれば、『FIS』が破壊されることも無く、『FES』が破損していても修復可能ですぅ。
後は『FPS』の概念障壁で会場と戦域を切り離して保護、『FMS』のバリアで守りを固め、残る『F●S』全てによる攻撃を集中させますねぇ。
「大変な状況ですし、何とかやってみましょうかぁ」
黒い毛並みの猫娘をイメージした仮装に身を包んだ夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)はハクリュウ星に降り立つと同時にFISを展開する。
計16本の浮遊する水晶柱はお祭りの照明に反射して煌めくと同時に、時空間干渉遮断の結界が展開する。
万が一展開が間に合わず一撃を受けることになったとして、周囲にはためくFESの力によって破損によるダメージ無効化の予防線も張られている。
メートルがこの包囲網から逃れる手段は「そもそもるこるをこの場に立たせない」ことしかなかった。
しかしその事実に気づいていないメートルは依然不敵な笑みを浮かべていた。
「ん? お前達は……クックックッ、忘れたか? 俺だよ俺」
「……どちらかでお会いしましたか?」
純粋な疑問にるこるが首を捻る中、メートルは縮地でるこるの豊満な肉体を抉ろうと殴りかかる。しかし踏み出した一歩はただの一歩でしかなかった。
本来ならもうるこるの懐に入っていてあとは殴るだけになっていたはずの自分にメートルが怪訝な表情を浮かべる中、るこるは包囲網をさらに強固な物にしていく。
『大いなる豊饒の女神、豊かなる器を今一度、新しき力へとお導き下さい。』
豊乳女神によって祭器全てに即時修復の加護が付与されたことにより、FISが破壊されることもFESが破損することはほぼない。
さらにFPSの概念障壁で会場と戦域を切り離して保護した上に、FMSのバリアが守りを固めていく。これで戦闘の余波を受けて飴細工やそれを売る屋台に被害が出ることも無くなった。
だがこれだけやってもるこるの手元には出番を待つ祭器が多く残されている。
「どなたに依頼されてやってきたのかにも興味はありますが……まずは止めさせていただきますね」
体を震わせながら頷いたるこるの動きと連動して放たれた祭器による弾幕が、メートルの姿を物理的に覆い隠した。
「がっ……この程度でっ、俺が倒れ、思って、るのか!?」
上下左右に体を振られながらメートルは虚勢をはるが、その内心では突破口を見出せずに焦りの色を浮かべていた。
大成功
🔵🔵🔵
ソラウ・エクステリア
仮装はかぼちゃメインの服
エスパスの台詞は基本切れます
『いや、時空龍舐め過ぎだ指揮官のメートルさんよ』
ライズサンは衝撃波と電撃を相手に放つ
僕は情報収集と視力で状況を把握したので結界術を貼り、歌唱で仲間を鼓舞した
隙を見て範囲攻撃しながら音響弾と焼却を放つ
『動きを封じ込めましょう』
ハッキングとマヒ攻撃で封じ込めつつ、ジャミングで相手のUCを邪魔する
エスパスさん!力を貸して
「さあ、わた…」
ください!
「えっ…ま」
覚醒憑依!
剣と盾と鎧召喚!そして装備だ!
時空操作能力であなたの力は効かないよ!
「さあ…は」
僕は敵に時空剣で爆撃で切り裂きながら攻撃!
よし止めだ!音響弾で止めだ!
「ぐすん…」エスパスは拗ねていた…
「ハクリュウ星人の皆さん、結界は張られていても声は届く! 僕達にエールを!」
ステージ上に取り残されていたスタンドマイクを持ち、かぼちゃをイメージしたアイドル衣装に身を包んだソラウ・エクステリア(歌姫の時空騎士と時空龍の協奏曲・f38698)は高らかに呼びかける。
メートルの凶行を前に一度は逃げたが恐る恐る戻ってきたハクリュウ星人達が結界越しに応える中、メートルは錫に腹部を薙ぎ払われて地面を無様に転がっていた。
だがメートルは意図的に声を上げて笑いながらゆっくりと起き上がった。
「この程度では倒れないということも知らないのか。いや、忘れてしまっているのか。……ふふふ。『そうか、残念だ。キミも忘れてしまったか』」
メートルは自身の存在や情報に触れた対象の、自分に関する記憶や認知情報を弄る力を持っている。その力を利用して猟兵の戦意を喪失させることを試みたのだ。
「いや、時空龍舐め過ぎだ指揮官のメートルさんよ」
だが背後に着地したサイキックキャバリア・ライズサンが容赦なく衝撃波と電撃をその頭上に浴びせかけた。
いくら「自分は強い」という情報を与えたとしても、自分の力に絶対たる自信を持つ相手には意味がなかったのだ。
「おかしな情報を加えられる前に動きを封じ込めましょう」
一曲歌い終わったソラウはメートルが痺れているのを視認するとステージから飛び降り、走りながら天に呼びかけた。
「エスパスさん!力を貸して」
「さあ、わた……」
「ください!」
「えっ……ま」
呼ばれて意気揚々と顕現した神、ウール・エスパスの名乗り口上を完全無視し、ソラウはエスパスの加護が宿った剣と盾と鎧を召喚して衣装の上に着込む。
「覚醒憑依! エスパスさんの時空操作能力であなたの力はもう効かないよ!」
「さあ……は」
「どりゃああああ!」
メートルが不自由な体で苦し紛れに転がした閃光弾は剣で薙ぎ飛ばされ、空中で炸裂する。そしてソラウ自身は膝をメートルの腹部に食らわせてその体勢を崩させた。
「よし止めだ! 音響弾で止めだ!」
さらに追撃として放った砲弾の爆音と衝撃波と熱気がメートルを震わせながらその肉体を焼いていく。
「ぐすん……」
そのはるか後ろで、今回も最後まで話を聞いてくれなかったソラウからの扱いに拗ねたエスパスはしゃがみ込み地面にぐるぐる渦巻きを描いていた。
成功
🔵🔵🔴
エリカ・タイラー
(私が忘れることが避けられないのなら……)
サクラミラージュ女学生の仮装でお邪魔します。
指揮官『メートル』の「そうか、残念だ。キミも忘れてしまったか(WIZ)」に対し、ユーベルコード「サイキック・ドール・マスター」。
あなたは……どちら様でしょうか。失礼ですが、お会いしたことが?
あっ、何をするのですか!
命の危機などが迫っている場合に自動で「起動」するイグニッションカードの性質を使い、装いを戦闘用に強制変更。
私が何をすべきか思い出せなくても、現れたからくり人形・ビルトは私を操りメートルに対し抵抗させます。
奪われた記憶や認知が戻れば後はメートルに対し全力を尽くすだけです。
「あなたは……どちら様でしょうか。失礼ですが、お会いしたことが?」
ソラウが大暴れする一方で、サクラミラージュの女学生の制服に身を包んだエリカ・タイラー(騎士遣い・f25110)はメートルの洗脳を受けて彼がオブリビオンであることを忘れ、代わりに「よく分からないけど大切な人かもしれない」という記憶を植え付けられて警戒心なく駆け寄ってしまった。
爆音の中でも待望の獲物の声を聞き取ったメートルは体中の痛みを堪えながら満面の笑みを浮かべた顔を上げると、素早く自分の腕の中にエリカを抱き抱えた。その腕の強さにエリカは思わず悲鳴をあげる。
「あっ、何をするのですか!」
「さあさあ、俺を叩けば彼女も巻き添えになってしまうよ? ゆっくりと離れてこのお祭りに張った結界を解除するんだ」
流石に仲間だけを避けて攻撃する術は持っておらず、るこるもフラウも攻撃を止め、一転して優勢を勝ち取ったメートルは快心の笑みを浮かべ、エリカを抱えていない方の手を振って遠方に散るよう指図する。
しかし命の危機などが迫っている場合に自動で「起動」するイグニッションカードが、エリカの装いを戦闘用のボディスーツへ強制的に変更させた。
「む?」
ほぼ同時にメートル達の頭上に現れたからくり人形が十指に結びつけた糸を伸ばして、怯えているエリカの全身に張り巡らせる。その瞬間、エリカはピクリと一度体を震わせた後に俯き、体の力を抜いた。
そしてメートルの顔面に強烈な裏拳を一発叩き込んだ。
「うっ!?」
流石に鼻の骨や歯は折れなかったが、不意の一撃に怯んだメートルはエリカから思わず距離を取ってしまう。そして自分の身を守る人質を解放してしまったことに気づいて顔を歪ませるが、時すでに遅しだ。
エリカが何をすべきか思い出せなくても、事前に設定されていた機構やからくり人形・ビルトは書き換えられるまでは忘れない。
ビルトに意識を明け渡し、自らを操り人形としたエリカの虚ろな瞳で見つめられたメートルはすぐさま再開された猛攻に吹き飛ばされていった。
成功
🔵🔵🔴
明堂院・悠々子
アドリブ連携◎
【SPD】
あなたが何者でも関係ないわ。この星のハロウィンのため、私のやるべきことを成すのみよ!(魔女の格好をしながら)
大分厄介なUCを使うのね。
ひとまず向こうの攻撃は『結界術』と『オーラ防御』で耐えましょう。
そして攻撃の合間をぬって【指定UC】を発動し、恐慌状態の状態異常を与えるわ。
平常でない精神状態ならUCもそう簡単には使用出来ないでしょう。
ふふ、お菓子をくれなかったから悪戯したまでよ。悪く思わないでね。
「ふうん…… 大分厄介なユーベルコードを使うのね」
魔女の装束に身を包んだ明堂院・悠々子(人恋しお狐様・f38576)は鼻を鳴らし、屋台の骨組みを支えにして起き上がるメートルを指差した。
「あなたが何者でも関係ないわ。この星のハロウィンのため、私のやるべきことを成すのみよ!」
メートルはその宣戦布告を一笑に伏すると屋台の影に隠されていた何かを取り出した。
「残弾があるから出来るだけコイツは使いたくなかったが……仕方ない。キミ達の強さに敬意を表して使ってあげようじゃないか」
そう言って見せつけられたのはあちこちに試験管めいた部品があちこちに装着された銃。
「この銃型ワープ・デバイスにより対象内部に直接ブラックホールを発生させるだけでなく、対象を破壊するのに最適な千種の毒エナジーを発生させるんだ。いくら埒外のキミ達といえども無限に吸い込む天体の前ではひとたまりはないだろう?」
わざわざ長々と丁寧に説明したのはまだまだ自分が優先であるというポーズを取るためか、それともこれだけの兵器に対抗する術はお前達には無いだろうと牽制をするためか。
ともかく、その程度ならばこの包囲網を粉砕して「外」に被害を与えることは出来ないだろうと悠々子は判断した。
「キミ達には言うだけでは分からなかったか。ならばとりあえず、一発は見せてあげようではないか」
引こうとしない猟兵達の愚かさに嘆息し、メートルは銃を構える。悠々子はローブの下から魔女の持ち物としては馴染みのない霊符を9枚取り出して先んじて放った。
空中に舞った霊符は瞬く間に形を変え、九尾の狐と化す。突然現れた敵影に、メートルは落ち着き払ってスコープを覗き込み引き金を引いた。
しかし九尾の狐は実体のない幻影。弾丸は当たるわけがなくすり抜け、飛んだ先にあった祭器によって無力化させられた。
「な、なぜだ、なぜぐちゃぐちゃにならない! 昨日までは正常に動いていたはずなのに!?」
だが狐に当たったようにしか見えてなかったメートルは、四肢が胴体に吸い寄せられて球体になりながら消滅していくはずの狐が平然とい続ける現実に混乱し、恐慌状態に陥る。
「ふふ、お菓子をくれなかったから悪戯したまでよ。悪く思わないでね?」
ウインクした悠々子であったが、その可愛らしさに気づけるほどの余裕はもうメートルには残されていなかった。
大成功
🔵🔵🔵
カグラ・ルーラー
「おーおーやんなァ、エリカの奴。俺にゃ遠く及ばねェが」
封神武侠界のチャイナドレスで邪魔すンぜ。
指揮官『メートル』の「時空超越者《トラベラー》(POW)」に対し、ユーベルコード「アリス・ブラッド・フラッド・オウガ・ゴースト」。
一応、急所を外す程度の【見切り】は試みる。せっかくチャイナドレスなんだ。それくらい格好付けねェとな。
「……ッてェなコラァ!」
だが、ンなモン喰らったら、当然俺の身体からは血が噴き出る。
そりゃ返り血だって浴びるよな。
その血が全部燃えたらてめェもタダじゃ済まねェよなァ!
「おーおーやんなァ、エリカの奴。俺にゃ遠く及ばねェが」
チャイナドレスに身を包みながらカグラ・ルーラー(バーバリス・f21754)はケラケラと笑うが、ビルトに操られたままのエリカは苛立ちの視線を送ることなく、平然とメートルを見つめ続けていた。
満足するまで笑ったカグラは目尻を拭ってから、故障してない銃の故障を見出そうとしたが上手くいかず、癇癪を起こして投げ捨てたメートルに歩み寄る。
大して意識を弄っていなかったにも関わらず、素手で気軽に近づいてきたカグラに対してメートルは純粋に殺意を抱いた。
もし平静であればすぐにカグラの意識を改竄し、エリカのように盾にしていたことだろう。しかし九尾の狐によって恐慌状態にあったメートルの脳裏には一片たりともその案は思い浮かばなかった。
るこるの祭器によって空間を飛び越えることは出来ないが、その拳の威力は健在である。
徒手空拳で襲い掛かってきたカグラの拳を軽い身のこなしで避けたメートルはすかさず左手でカグラに殴りかかった。
せっかくのチャイナドレス、一応急所を外す程度の見切りは試みる。しかしあまりに近すぎた距離で避け切ることなど出来ず、初めから大きなスリットが入っていて露わになっていた横腹は深々と抉り取られた。
強烈な一撃を喰らったカグラの身体からは当然大量の血が噴き出る。真正面にいたメートルもそれを頭から盛大に被ることとなった。
重傷を受けてもなお立ち続けるカグラは傷口を押さえようとせず、狙いが上手くいったことによる笑みを浮かべる。その表情に完全に頭に血が昇っていてより神経を逆撫でされたメートルは右の拳も振り上げようとした。
「その血が全部燃えたらてめェもタダじゃ済まねェよなァ!」
しかしその前にカグラの全身に流れる血液に憑依するオウガが声に呼応して覚醒した。
『俺の血でヤキ入れだコラァ!』
今流れたばかりの血が全て炎へ変貌する。
出火元である左の手袋を慌てて脱ごうとして触れた右の手袋が燃え盛り、両腕が炎に包まれる。こうなったらトレンチコートを脱ぐことも叶わない。
体を焼き続ける火に悲鳴を上げようと開いた口にこぼれ落ちた血が燃え盛り、舌や喉を焼く。
「この銃で撃たれて、血液ごとどこかに吸い込また方がキツかッただろうなァ?」
カグラは豪快に笑いながら地面に転がった銃を拾い上げ、掌に塗りたくっていた自分の血の炎を引火させてからメートルの足元に向けて投げ捨てる。
すでに火だるまとなっていたメートルは崩れ落ちながらも銃に手を伸ばそうとしたが自身も銃も触れる前に燃え尽き、消えていった。
大成功
🔵🔵🔵
第2章 日常
『スペースオペラワールドのハロウィン』
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POW : 楽しむ
SPD : 楽しむ
WIZ : 楽しむ
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咄嗟に結界術を弄ったことで、ハクリュウ星人にメートルの辿った最期を見た者はいなかった。
猟兵達が何をしたかは分からないが、ともかく危機は去ったのだと屋台主達が礼を言いながら持ち場へ戻り、その後に続くように客達も入ってくる。
猟兵達は興味深げに遠巻きに眺めてくる星人達と交流を持つも、屋台に置いてある飴を食するも、それが出来上がる行程を見て楽しむも良いだろう。
今宵はハロウィンであるだけでなく、飴を楽しむお祭りでもあるのだから。
夢ヶ枝・るこる
■方針
・衣装:前章から継続
・アド/絡◎
■行動
無事に何とかなったみたいですねぇ。
お疲れ様でした、後は楽しみましょう。
飴細工の技術は気になりますねぇ。
飴を幾つか購入して頂きつつ、作っているところを一通り見てみましょう。
その後は御土産の品を探しつつ、色々と回ってみますねぇ。
購入したお土産は、『FTS』に入れておけば荷物の量も問題になりません。『
抜絲』や『胡桃の飴炊き』の様な、飴を使ったお菓子等も有るでしょうかぁ?
あれば其方を中心に購入、無いようでしたら『FTS』から材料を取り出し【豊饒佳饌】で[料理]と[グルメ知識]を強化、作り方を教えて差し上げたら喜ばれるかもしれませんねぇ。
「無事に何とかなったみたいですねぇ」
何事も無かったかのように賑わいを取り戻しつつある祭りの中で、るこるはある屋台を遠巻きに眺めていた。
火で炙られたことで柔らかくなった、棒の先についた無色の飴が手による伸ばしや鋏による切り込みが入れられ、僅か3、4分の間に兎や金魚など様々な動物に形を変えていく。
いくら溶けるとはいえ一度切断してしまえば、後でいくら炙り直しても歪な色や形になってしまうそれらを竜派ドラゴニアンによく似た見た目を持つハクリュウ星人の職人達は一切の手直しを加えることなく慣れた手つきでどんどん手前の台に挿し並べていった。あとは自然に身を任せて冷えるのを待ち、包装するのみだ。
「ドラゴンだから火に強い、ということでしょうか?」
慣れない者がやると火傷をしてしまう、という情報は何となく知っているるこるはすでに透明な袋に包まれて並べられた飴細工を手に取り、店主にこの世界で一番使われている硬貨だというガルベリオン硬貨よりも小さな硬貨を差し出した。
それからるこるはジグザグに歩きながら屋台を見て回っていくが、職人によって得意不得意があるのか、競合他者との潰し合いを避けているのか、作風の違いこそあれど全くラインナップが同じ……という屋台は全く無かった。
故に何も買わずに次に行く、ということが無く1屋台につき1本買い続けるだけでもガルベリオン硬貨1枚分ぐらいのお金が財布の中から飛んでいった。
当然使った分だけ飴細工の総数も増えていく。だがどれだけ多くなろうともFTSに入れておけば両手が塞がるような問題にはならなかった。
「でもこうも綺麗な物ばかりだと食べるのがもったいないねぇ」
時々綿飴売りの屋台を挟んでますが飴細工を扱うお店ばかりですねぇ……なんてことを思いながら兎の形の飴を舐めつつ突き当たりの丁字路を右に曲がると今度は一転して
抜絲や胡桃の飴炊きといった、飴を使ったお菓子と料理の中間辺りに位置する物を提供する露店ばかりになってきた。
「ああ、扱う商品によって区画を分けてらっしゃってたのですね」
もし無いなら自分でそれを出す屋台でも開こうかとも考えていたるこるはその場で中腰になり、子供が買うには少々お高い値段がつけられた袋を1つ手に取った。
大成功
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明堂院・悠々子
アドリブ連携◎
この星のハロウィンを守れて良かったわ。
それじゃあ、私もハロウィンを楽しむとしましょう!
飴細工って素敵よね〜。まるで芸術品のように繊細なものもあるし、しかも美味しいなんておトクよね。
どこかにリクエストを聞いてくれる屋台はないかしら?
あったらキツネの飴細工を作ってもらいたいのだけれど……もしキツネを知らないようなら私の使い魔を出してモデルになってもらおうかしら。
九尾の狐を霊符に戻した悠々子は体を大きく伸ばしてから、賑わいを取り戻しつつあるお祭りに視線を戻した。
「この星のハロウィンを守れて良かったわ。それじゃあ、私もハロウィンを楽しむとしましょう!」
他の猟兵達と共に丁寧に結界を張り巡らせた甲斐あって、屋台にもそこに並べられた飴細工にも傷や欠けは一切見られない。
「飴細工って素敵よね〜。まるで芸術品のように繊細なものもあるし、しかも美味しいなんておトクよね」
「お、ありがとうなお姉さん!」
自分達が守り切れた繊細な職人芸に感嘆していると屋台の店主から声をかけられた。それをチャンスと見た悠々子は小首を傾げながら問いかけた。
「ねぇ、お兄さん。どこかにリクエストを聞いてくれる屋台はないかしら?」
「ん? ここらの連中はお金さえ払ってくれれば突飛な奴でない限りは何でも作るぜ。ちなみに何を作ってほしいんだい?」
「キツネの飴細工を作ってもらいたいのだけれど……」
「キツネ」
悠々子が希望を告げると店主は復唱した後、眉間に皺を寄せた。
その反応に悠々子は「これは使い魔を出して見せる必要があるか?」と思案する。
「それはどっちの方だい。普通のキツネか、お姉さんがさっき出してた9本尻尾が生えてる方か」
しかし店主の口から続いたのは2択の問いであった。
「ああ、そういうこと。なら1本の方でお願いするわ」
「かしこまり」
そう言いつつ店主は飴に食紅を混ぜて黄色の飴と白色の飴をそれぞれ作っていく。
「ちなみに九尾のだとお値段は変わるのかしら?」
言外に九尾も作れるのか聞いてみると、店主は慣れた手つきで白色の飴を狐の胴体に整えながら大して悩む素振りも見せずに答えてきた。
「やっぱり尻尾の分使う飴の量が増えるんでね。1本のよりお値段は高くなるぜ」
さらに店主は出来上がった胴体の上半分を軽く炙ると黄色の飴を混ざらないように貼り付けて腹部と背中でそれぞれ色が違う狐の毛皮を再現する。
そしえ冷めて固まったところに鼻と目、前足の部分に黒い食紅による筆入れを終えれば、香箱座りをしているかのような可愛いらしい子狐の飴細工が完成した。
「はい、完成だ。お代はいらねぇぜ、このお祭りを守ってくれた礼だ!」
「あら、ありがとう」
それだったら九尾をリクエストした方が良かったかしらと内心思いつつも、それはそれで割引だけで終わってしまったかもとおくびには出さず悠々子は笑顔で差し出されたそれを受け取った。
大成功
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カグラ・ルーラー
エリカ(f25110/感情:一目置く)と合流する。
衣装は引き続き封神武侠界のチャイナドレスだ。
飴細工は確かに美味ェ。美味ェンだが、全ッ然腹に溜まンねェな。
傷口なんてもうとっくに塞がったが、使った分の補給にならねェ。
ま、これは別ンとこで飯を食うしかねェか。
しっかし、さっきのあんたの動き、良かったぜ……くくっ。
まぁ何だ。
ボコりてェ奴がいたら、暇なら手ェ貸してやる。
それにあんたも色々取り入れてるみてェだし、去年のハロウィンみたくどっかで手合わせするか。
エリカ・タイラー
カグラ(f21754/感情:嫌いではない)と合流します。
衣装はイグニッションを解除し、サクラミラージュの女学生の仮装に戻します。
カグラ。このハクリュウの星の人々と最初に交流を持つことになる猟兵が私達なのよ。
多くは期待しないから、もう少しだけ礼節を弁えて頂戴。
あなたもあなたで向こう見ずが過ぎるのではないかしら。
あなた自身の特徴を活かした立ち回りなのは評価するけど、そのうち一線を踏み越えてしまうわよ。
手が要る時はお願いするわ。あなた相手に借りっぱなしは癪だからすぐに返させなさい。
手合わせは……いずれね。
あなたに負け越しで終われないもの。
「飴細工は確かに美味ェ。美味ェンだが……全ッ然腹に溜まンねェな」
そんなことを呟きながら本日10本目となる、ヒメリンゴっぽい果実を飴の中に閉じ込めた一品をカグラは屈強な歯でバリバリと噛み砕いた。
「傷口なんてもうとっくに塞がったが、使った分の補給にならねェ。ま、これは別ンとこで飯を食うしかねェか」
「……カグラ」
風流も何もあったもんじゃない態度に、その対面に座っていたエリカは険しい表情を浮かべながら嘆息した。
「このハクリュウの星の人々と最初に交流を持つことになる猟兵が私達なのよ。多くは期待しないから、もう少しだけ礼節を弁えて頂戴」
「礼節ねェ? そんなもン他の奴らに任せときゃいいンだよ、全員が全員聖人君子だと思われちゃあこっちの息が詰まっちまう」
串の中腹に僅かにこびりついた飴まで噛み取ったカグラはわざとらしく肩をすくめた後、串の先端でエリカを指した。
「しっかし、さっきのあんたの動き、良かったぜ……くくっ」
最後に笑ったところを見るに、自分が記憶を改竄されてみすみすメートルの手中に陥った時のことを思い出しでもしたのだろうと、エリカは眉間に皺を寄せつつ睨みつけた。
「あなたもあなたで向こう見ずが過ぎるのではないかしら。あなた自身の特徴を活かした立ち回りなのは評価するけど、そのうち一線を踏み越えてしまうわよ」
「へいへい。まァ、コイツがみすみす俺を死なせちまうとは思わねェけど」
「だから、そう過信し過ぎるのが良くないと言っているのですよ」
カグラは周りの肌よりも白くなった脇腹を親指で指すが、エリカの機嫌はさらに悪くなっていく。だが周囲の目も気にしてか、自分の言った事に遵守するためか、声を荒げるような真似はしなかった。
キャバリアという巨大人形による重量に頼らず、人形に逆に操られることで敵の洗脳を無効化しつつ強烈な一撃をお見舞いした一連の流れを誉めたつもりだったカグラはどんどん不機嫌になっていくエリカから目を逸らし屋台の方を見た。
確かにエリカの言う通り、今の自分の戦い方は負傷上等の接近戦が基本、遠距離攻撃はゴリゴリ君の間合いが最長である。
オクトパスをけしかけるばかりでは確かに限界が来る日が近いのかもしれない。
「俺もあんたみてェに何か新しい手を考えるかね……」
「何か言いました?」
「別に」
七色に彩られた綿飴を頬張り出したエリカを横目で確認したカグラは再び正面に向き直る。そして組んだ腕を机の上に乗せながら話しかけた。
「……まぁ何だ。ボコりてェ奴がいたら、暇なら手ェ貸してやるよ」
「手が要る時はお願いするわ。あなた相手に借りっぱなしは癪だからすぐに返させなさい」
どうやら完全無視に至るまで怒ってはいないらしい。カグラはこれ幸いにエリカの戦闘スタイルを思い返した際に思いついたある提案を投げかけた。
「それにあんたも色々取り入れてるみてェだし、去年のハロウィンみたくどっかで手合わせするか」
「手合わせは……いずれね。あなたに負け越しで終われないもの」
口では先延ばしにしつつも去年受けた屈辱をひっくり返すためのビジョンを脳内で描きつつ、エリカは綿飴の最後の一欠片を口の中で溶かした。
大成功
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