●ある人間の回想
その日は運悪く傘を持っていなかった。仕事終わりの帰り際、ふと外を見ればパラパラと屋根を打つ不規則な音と湿気が香る。嫌な予感を胸に最後まで希望を抱いて足掻くも、目に映ったのは滴る水滴と靴を濡らす雨だった。これはほとほとついていない。
仕事場の出入口で土薫るような匂いを吸い込みながらポケットに仕舞った携帯を取り出す。せめてこの悲しみと悔しさを共感してほしい、とSNSを開いた。短い文章を立て続けに打ち続けるのは中々気持ちの整理がつくものだ。後はどうやって帰ろうか。ふと、雨音しか拾っていなかった耳に足音が混じり始めた。一人、二人、やがて大勢のものは雑踏と化している。これだけの人が急に歩いているとなればもしかしたら晴れたのか?
これは希望がある、と歩き出しつつ携帯に向けていた目を上げれば。ただ自分に並行するように歩く『足』と、小さいながらに未だ降る雨粒が見えた。
●曖昧模糊は『人間』を救う
「世の中には『見ない方がいいもの』、『聞かない方がいいもの』、『言わない方がいいもの』なんてのはザラにあるもんさね」
特に猟兵をしているこっちからすればそんなものばかりである、と甘夏・寧子は笑った。集まった猟兵の中にも同意する者がちらほらといる。
「今回はそんな『見ない方がいいもの』が出たって話なんだけどね。どうやら街中をいつの間にか徘徊するちょいとばかし迷惑厄介な奴らしい。そいつは見つければすぐに分かるよ。なんてったって足だけの奇怪物だからね」
体の部位は足だけ、しかも複数人分の足が列を成し人を雪崩が如く巻き込んで消え失せる。UDCアースの街に現れては一般人を巻き込んで何処かへ消えていくというそれの目的は不明であり、突然出現し、突然消失するというのだから恐ろしい。
「考えなしな行動じゃないと思うから何かしらの動機があると思うんだけどね……そこまでは読めなかった。とにかく、こいつらを何とかしないと関係ない人間がどんどん消えてっちゃうから、よろしく頼むよ」
そう締めくくり、寧子は足の敵なんてどんな格好なんだ、と悩む猟兵達に向かってウインクを寄越した。
楪カジ光
大きくご無沙汰しております楪カジ光でございます。サイトのレイアウトが変わってから初の依頼は久々にUDCアースの怪異討伐などを。
今回は人々を攫う謎のオブリビオンと戦っていただきます。特に特別な能力を持ったオブリビオンではないので、人々の安全の為、バシバシ討伐していただければと思います。
それではご参加よろしくお願いします。
第1章 集団戦
『雑踏』
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POW : 雑踏
【四方八方から行き交う雑踏の踏み付け】が命中した対象に対し、高威力高命中の【無限に続く雑踏の踏み付け】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD : 行進
【物理法則を無視した隊列行進】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ : 環境統一
防具を0.05秒で着替える事ができる。また、着用中の防具の初期技能を「100レベル」で使用できる。
👑11
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臥龍岡・群青
なんじゃありゃ
本当に足ではないか
珍妙な怪物もいるものだなぁ……
だが邪神の類いなら見過ごしはしないぞ
一匹残らず狩り尽くしてくれよう!
あの数の足に踏みつけられれば一溜りもないが……
奴らは奴らで空を飛んだりする訳ではないだろう?
それなら足場から崩してやればいい
UCで大波を巻き起こし、一気に流してやろう!
倒しきれない分は『荒ぶる神の身体』で攻撃するぞ
まず踏みつけが当たらなければいいのだからな
わしは自分で起こした波の上を水泳していき、敵の攻撃を避けていこう
地上でしか生きられない怪物と海を操る神のわし
勝敗は言わずもがな、という訳だ!
しかし拐った人はどこに連れてっているのやら
倒していけば答えも分かるだろうか
雑踏が耳に響く。人の営み、人の生き様。幾重にも織りなされるそれは尊い音だ。音のはずだ。
「なんじゃありゃ。本当に『足』ではないか。珍妙な怪物もいるものだなぁ……」
臥龍岡・群青(狂瀾怒濤・f30803)の目の前に現れたのは『足』の化け物。足しかないそれから鳴る音は生きる者のそれを宿していない。
「見聞したことのない姿には惹かれるが、言うて邪神の類い。なら見過ごしはしない。一匹残らず狩り尽くしてくれよう!」
その啖呵に返事はない。が、群青の大きい気配を感じているのか『足』はただ流れるのを、止めた。一つ、二つ、三つ、沢山。『足』は群青に向けて動き出す。
「ほう。気付く頭はあるようだな。あの数の足に踏みつけられれば一溜りもないが……」
ひょい、と群青は水の気を操り【虚空から呼び出された大波】に乗った。足元を掬われた『足』は流れに逆らえず群青に近付くことすらままならない。
「海を操る神のわしに追いつこうなど出来まいて。さて、押し流してしまおうか!」
海神が波【奔濤(ホントウ)】は『足』を巻き込み力強く流れていく。無なるモノが生み出す音より遥かに気高い、命の流れそのもの。
「さて、奴らの目的は倒せば自ずと判ろうものだろうか。とにかく戦っていくしかないな」
残った『足』の多さに目を細めつつ、群青は戦いの始まりに好奇の光を灯していた。
成功
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ミヤビクロン・シフウミヤ
敵は脚だけの存在、ねぇ。
まぁ、脚だけということでどんな行動してくるかは想像つく。踏みつけるとか走ってくるとか行動はそのあたりだろうから単純だろうな。
とはいえ、近づくのは危険か。それに、脚の本数次第では機動力がありそうだし。
まずはダブル・フェイク・ファクト・ムーンを触りミヤビクロンである僕から雅に切り替える。
そして錬成・ミヤビシオンで愛刀である紫桜 夜雅の本物を99本複製して、敵を前横から囲うように配置して動きを鈍らせてから何度でも斬り刻む。そして、その間に本当の紫桜 夜雅を技能の居合で構えてから、斬撃波を居合抜きで飛ばして攻撃していく。雅は僕と違って好戦的だから、容赦はしない、笑顔で蹂躙する。
「敵は足だけの存在ね。行動は単純だろうけど用心に越したことはないか」
ミヤビクロン・シフウミヤ(多重人格者の陰陽剣士・f04458)は自分の考察結果を頭の片隅に置き、『ダブル・フェイク・ファクト・ムーン』に触れる。自身に在るもう一つの存在へ共有するように。
「そうね。徹底的にやっつけるのがいいわ」
表情の先に笑みを零して先程とは違う顔を作るミヤビクロン。その場に立つ彼女は雅という名のもう一人へと替わっていた。
「我が信ずる妖刀よ、その呪われし刀身を、水底のように深々と、鏡面に写るが如く増やして終えては、我が意に従い敵を切り裂け……」
愛刀『紫桜 夜雅』が言の葉と共に数を増やしていく。その本数は99。壁とも波とも思える多さの刃は全て足を踏み鳴らしている足の群れへと向いている。と、まるで木から舞う葉花の様に一つが揺れ、足に落ちる。また一つ、一つ、二つ、三つ、やがて流れる刃の河は足の川を飲み込んで削り取る。漏れ出たものは居合の構えをした雅が討ち取った。
「この調子で行くわよ」
好戦的な笑みを浮かべたままの彼女をどう見るか。目も脳もない足共には分からない。
成功
🔵🔵🔴
鳶沢・成美(サポート)
『え、これが魔導書? まあどうしよう?』
『まあどうでもいいや、オブリビオンなら倒すだけですよ』
故郷UDCアースの下町の古書店でたまたま見つけた魔導書を読んで覚醒した自称なんちゃって陰陽師
昨今でいう陽キャラ? みたいな行動は正直よくわからないのでマイペースに行動
でも集団での行動も嫌いじゃないですよ
元ボランティア同好会でつい気合い入れて掃除しちゃったりしなかったり
一応木工好きでゲートボール好きキャラのはず……たぶん
戦い方は直接殴るより術をとばす方が好みです
範囲攻撃とかロマンですよね
例え好みの容姿だろうと、事情があろうと敵ならスパッと倒すだけですよ
アドリブ・絡み・可
鳶沢・成美(三角定規の除霊建築士・f03142)は目の前を縦横無尽に動き回る怪異に苦笑と冷や汗を浮かべていた。
「うーん、どうにもこうにも弁明出来ないぐらいの気味悪さだね。まぁ、オブリビオンなら倒すだけなんだけど」
足はその配慮も分からない。脳も視界も聴力もないのだから。しかし、何故か彼奴等は成美を敵対生物と認めている行動を起こす。右、左、後ろ、前。各々靴を履いた両足の波が成美に向かって迷わず近付いてきた。
「……風の神様よろしくです」
しかし、その歩みは【風神旋風縛(フージーン)】にて止められる。強風日に止まる足並みとは違う、空気の圧が唯一の身体を掴んで離さない異様な感覚。それは感じているのか、足共の動きが少し乱れた。
「さて、僕の気力がなくならないうちにっと」
止まる足を追う必要はない。避けられることも考えなくていい。相手がどう足掻こうとも、成美の攻撃は敵を殲滅させるに至ることは決まったのだから。
今、鋭い一撃が怪異を穿った。
成功
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波狼・拓哉
足だけでも厄介だから上がいたらどうなるんですかね
...いや逆か?足だけだから特に厄介になってるのか?
...まあ、どうでもいいか、どうせUDCに変わりは無しと
いくらUDCで物理法則を無視とは言え足は足ですので...
戦闘知識、見切り、第六感で相手の行進を予測
地形の利用、足場習熟、逃げ足、フェイントで頑張って避けましょう
後は化け荒びなっと
二度目の行進は御遠慮させていただきますね
逆に風の足に巻き込まれてな
巻き込まれてる足をただ眺めとく訳にも行きませんから、自分も衝撃波込めた弾で撃っていっておきましょう
さてさて、背後に何がいるやら
アドリブ絡み歓迎)
「足だけでも厄介だから上がいたらどうなるんですかね。……いや逆か?」
波狼・拓哉(ミミクリーサモナー・f04253)はうねる足共を見つつ冷静に分析する。五体満足の化け物こそ脅威足り得、その一欠片が無理にでも人へ干渉しているのであれば成程、存在の説明はつくだろう。しかし、果たしてそうだろうか。ただ多いばかりの足。動きは人のそれそのものである。意識はあるが意志はない。この怪異は《足だけ》であることが文字通り正しい形であり、故に厄介な者なのではないか。
思考の波を立たせ続ける拓哉の五感は次第と曇りや霞を伴っていく。それは踏み込んではいけない魔の物を知覚していく様によく似ていた。それを経験上知っている拓哉はバサリ、と考えを切る。
「まあ、どうでもいいか。どうせUDCに変わりは無しと」
自身を感知し、寄り群がってくる足共を俯瞰する。踏みつけの動作は軽く避け、構えるのは自身が身に着け続ける箱の中身。
「さあ、化け荒びなミミック……!」
形のある足とは対照的な不定形の風が、周りを一斉に捕縛する。それは彼の【偽正・風人黄昏(ヒアデス・トワイライト)】。次に落ちるのは容赦ない風の【踏みつけ】だ。
「二度目はない、信じるのはいいけど本当にそうかな?」
成功
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アス・ブリューゲルト(サポート)
「手が足りないなら、力を貸すぞ……」
いつもクールに、事件に参加する流れになります。
戦いや判定では、POWメインで、状況に応じてSPD等クリアしやすい能力を使用します。
「隙を見せるとは……そこだ!」
UCも状況によって、使いやすいものを使います。
主に銃撃UCやヴァリアブル~をメインに使います。剣術は相手が幽霊っぽい相手に使います。
相手が巨大な敵またはキャバリアの場合は、こちらもキャバリアに騎乗して戦います。
戦いにも慣れてきて、同じ猟兵には親しみを覚え始めました。
息を合わせて攻撃したり、庇うようなこともします。
特に女性は家族の事もあり、守ろうとする意欲が高いです。
※アドリブ・絡み大歓迎、18禁NG。
アス・ブリューゲルト(蒼銀の騎士・f13168)は目の前を奇怪に蠢く足共に少しばかり辟易していた。もう、幾つ斬っただろうか。
「……隊列も変動する、本能だけで動く妖だな」
愛用の『ブルーブラスター』で腱を貫けば、何【人】か分の足が一瞬にして消える。そうなれば足共は今まで動いていた列を乱してアスへと歩み寄ってくる。まるで揺れる水面が元の凪を取り戻そうとするかのように。その光景を気味が悪いとするか、道理であると納得するか。アスの表情は変わらない故に読み取ることはできない。
「……撃ち貫け、イーグルショット!!」
愛銃が放つ【イーグルショット】がまた足の急所を抉る。叫び声こそないものの、足たちは揺らぎ、また群れ、痛みを群衆の中に紛れさせ見せない様にしているかのようだった。それがアスには戦いの喧噪にも思えたが、音にすることはない。彼の無慈悲な光弾道が群れた足で埋め尽くされた道路を照らす。やがて見える足場の灰色が、足共の数の総数が減りつつあることを示していた。
成功
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エリー・マイヤー(サポート)
ごきげんよう、グリモア猟兵さん。
掃除が必要と聞いて手伝いに来ましたエリーです。
【念動力】で掃除できる相手なら任せてください。
とりあえず、念動力で敵の攻撃を防ぎつつ反撃する感じですかね。
単純に念動力で押したり曲げたり捻ったり千切ったりとか、
集めて一塊にして纏めてぶん投げたりとか、
あるいは重い物を掴んで振り回すのもありでしょうか。
尖った力で貫いたり、鋭い力で切り裂いたりとかもできますよ。
重力を相殺して浮かべて動きを封じたりとか、
逆に地面に押し付けて潰したりもいいかもですね。
まぁ、状況次第でそれっぽく戦えますので、適当にこき使ってください。
精神攻撃なんかは対処が苦手ですが…
やれるだけやってみます。
数の減っていく足共を前に、エリー・マイヤー(被造物・f29376)の表情は変わらない。
「さて、お仕事お仕事」
五体の一部しかない相手でも掃除対象であれば粛々と任に赴くだけである。有象無象はエリーを認識しているのか、少ない足で一気に向かってきた。一ヶ所にまとまった相手程、排除のしやすさといったらない。対象物を視界に可能な限り収めることが楽だからだ。
「はいドカーン」
その台詞と共にエリーの【視界】に入った足共が爆散する。発動した【念動エクスプロージョン(サイ・エクスプロージョン)】は連鎖する小爆竹のような破裂を引き起こし、何度も何度も爆発音が響き渡る。それに合わせてエリーは更に足共を捕捉していった。繰り返す程数分、道はやがて灰色を取り戻した。
「考える葦、なんて。どなたのジョークでしょうね?」
そう言ってエリーは携帯していた『煙草』に火をつけた。燻る煙が何もなくなった道上に浮かんで消える。ここはやっと静かになったのだ。
成功
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第2章 冒険
『真実探し』
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POW : しらみつぶしに探す。
SPD : 技能を発揮して探す。
WIZ : 情報を集めて探す。
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●疑問はいつも見せ物失せ物探し物
やっと静かになった通路に猟兵達は佇む。怪異はなくなった。もう人がいなくなることはないだろう。しかし、仕事はまだ終わっていない。『Who done it?(誰が犯行に及んだのか?)』が解決しても『Why done it?(なぜ犯行に及んだのか?)』の謎が残っているのだ。もしかすれば、『誰が』すらまだ分かっていないのかもしれないが。
現場は消え去ることがない。考える時間は取れる。今一度、『何故』の疑問について考えてみる機会かもしれない。
臥龍岡・群青
難しいことを考えるのは苦手だな……
わしとしては「
邪神がいるから倒す」だけで十分なんだが
ま、人に寄り添うのだって神の役目だ
何か探してみようか
この世界で情報を探すにはこれが一番だろう
『最新式のスマートフォン』を取り出しUCを発動
スマホ!わしに必要な情報を集めてこい!
わし自身も気になるものを【情報収集】してみようか
例えば「足」の他の目撃談とか
それに関連しそうな書き込みとか
そういうのを調べてみるぞ
その傍らで現場も再確認しようか
例えば「足」の騒動があったのに逃げてないやつはいないか?
何かこう、まじない的な痕跡もあるかもしれないな
「犯人は現場に戻る」だったか
色々確認する価値はありそうだな
静まり返った通路にて、群青は辺りを見回し息をついた。
「一つを深く考えるのは苦手だが……しかし不可思議な相手だった。これは少しばかり人に寄り添い、理由を探してみるか」
そう言って群青の手が取り出したのは『最新式のスマートフォン』。自身の在り方とは違う次元にて誕生した叡智の結晶である。その中に渦巻く視えない電子の海は身で感じることは出来ないものの流石海神といったところか、しっかりと娯楽の波に乗っていた。
「情報統制がしっかりしているのか、目撃証言は出てこないな……噂やオカルト面での情報があればいいが……」
電子海の言葉には欲しい情報がないようで、群青は何度か言葉を変えて対話を試みる。その間、群青の足はぐるぐると道路を往来し続けていた。
「……ん? そういえば……」
群青の目はスマートフォンからコンクリートの道に映し変わる。あれほどあった足の群れ、それらは何も残さなかった。そう、残っていないのだ。存在する可能性があった《被害者の痕跡》も。
「今回たまたま被害がなかった……いや、被害者が存在しなかった……?」
違う、気がする。群青は感じた違和感を視線に宿す。その疑問に答える声はまだ、なかった。
大成功
🔵🔵🔵
政木・朱鞠(サポート)
とりあえず、感覚共有した『忍法・繰り飯綱』を放ち【追跡】や【情報収集】で周囲を探って敵の分布や地形の情報を把握しておきたいね。
邪魔をする敵が湧くのなら、武器は拷問具『荊野鎖』をチョイスして【鎧砕き】や【鎧無視攻撃】の技能を使い【傷口をえぐる】でダメージを与えたいね。
アドリブも連携もOK
政木・朱鞠(狐龍の姫忍・f00521)は戦場跡となった道路を今一度、面したビルの上から視認した。至って普通の静かな通路。人の気は全くない。
「少しでも残っているなら話は進んだかもしれないけれど、これは難しい問題よね」
遺物も、気配も、あの大量にあった足の跡もない。不思議で不可思議な集団。被害にあった人間が今回【偶々】いなかっただけ?
「まさか。あり得ないよね。むやみやたらと出現するなら【そういう】話になっていると思うし……」
朱鞠の頭は可能性を浮かべては消していく。現在の条件に当てはまる、最適解があるはずだ、と。
「何も残さないなら、そうする為に思考しなければいけないのよね。取りこぼしのないようにしないといけないから。とすれば、足がそう考えたのか、あるいは」
足を利用した【別の誰かがそうしたのか】。足に果たして思考する能力があったのかどうかを考えると答えはおのずと一つしかない様に思える。
「この可能性だとしたら、どうするのかしっかり準備しないとね」
成功
🔵🔵🔴
琳谷・花咲音(サポート)
自身とよく似た姿の影(背格好は同じ、性別とロングヘアが違う)悪魔【影(エイ)】を召喚するガジェッティア。
柔らかな口調と行動で男女どちらともとれないジェンダーレスな雰囲気。
女の子になりたい訳じゃない、男女の垣根はなく自分は自分。
友人(感情を結んでいる人)以外には『僕』。
友人には『私』。
戦闘時にはガジェットを臨機応変に変化させて戦う。
火力はないので手数で押す…又は牽制などサポートの立ち位置にいる事が多い。
【影】は本人と鏡合わせのような行動をとる事が多い。
生贄として、魔法媒体として様々な因子を詰め込まれた存在。
その影響で召喚したものを身に宿して戦う降霊術も得意とするが、その戦い方は好きではない。
ざわり、と空気が少し変わった感触を琳谷・花咲音(気ままな異邦人・f35905)は察知した。
「僕達に何か言いたい、みたいな感じなのかな?」
応えはない。だが、確実に花咲音は『done it?』の答えを掴みかけていた。何もない現場、戦った【足】、『Why』と『Who』の当てはまるモノ。
「元々別々だった。利用した、利用された。ただ、それだけだったんだよ」
【足】には『動機』も『正体』もなかった。ただ、その場に在る悪なる事象だった。言葉にして理由を述べることができない只のモノ。なら、この惨劇の主犯はどうなる?
「誰かいるはずだよね。『欲しがって何もないように見せた』、『別の誰か』が」
空気が揺れる。それは笑いか、怒りか、動揺か。正しい指摘への賞賛、発覚への憤然。そして、新しい獲物を発見した歓喜。
「影、お願い」
周りを警戒するように【影】を召喚し花咲音は息を整え身構えた。それは何もないこの場所に唯一在った静寂もなくなる合図となるのだ。
成功
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第3章 ボス戦
『チカラ』
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POW : ネガイ
自身の【大事なもの】を捨て【望みを叶えられる姿】に変身する。防御力10倍と欠損部位再生力を得るが、太陽光でダメージを受ける。
SPD : サダメ
あらゆる行動に成功する。ただし、自身の【負の感情(効率は悪いが他人のでも可)】を困難さに応じた量だけ代償にできなければ失敗する。
WIZ : クモツ
【耐え難い悪夢を喚起する精神波動】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全対象を眠らせる。また、睡眠中の対象は負傷が回復する。
👑11
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●願え。さすらば忘れられん
静寂の中を、輪郭の無いモノが闊歩する。表情こそないものの、その歩みは失われた音、温もり、思考、行動、最初に対峙した敵が持たなかった物を全て内包しているように思えた。これが原因だ、と猟兵達はすぐに思い至る。言葉を介する口が無い顔を猟兵に向けたモノは伸びた爪をこちらへ向けた。敵意を認識されている。そして、相手もまた敵意をこちらへ向けている。ならば、することは一つだけ。
猟兵達は得物を構えた。モノは反応し、鋭く尖る両爪に力を込めている。今、もう一度この場を戦場にしよう。そして、『本当』に戦いを終わらせるのだ。
臥龍岡・群青
ふむ?
互いに敵意があるというならやるべきことは一つだな
どちらかが果てるまで殺し合うのみだ
邪神相手に容赦はせんぞ
わしの殺意や敵意は敵の糧になってしまうだろうな
それでも効率は落ちるのだろう?
それなら――それを上回る勢いで殴るのみ!
荒ぶる神の身体を以て貴様を切り刻んでやろう!
【幸運】ならわしにもある
最初の攻撃は相手を追い詰めるのに使おう
多少の怪我は厭わない
むしろ肉薄してくれて助かるぞ!
切り裂いて切り裂いて、狙うは最後の一回
貴重な機会を仲間に割く訳にはいかないな
わし自身の負担は飲み込みひたすら追い詰めよう
【暴力】の嵐で貴様を飲み込んでやるぞ
口があったとしても貴様の言葉は聞かなかった
ただ死に絶えるがいい
それが何なのか、誰も分からない。それ自体も、名乗りすらしない。ただ、感じられることはこの場を制圧する為に必要な敵意だった。
「ふむ……。互いに敵意があるというならやるべきことは一つだな」
群青の透き通る水の瞳が鋭く光る。空気は何故か水の気を帯びたように冷え重くなっていった。
「どちらかが果てるまで殺し合うのみだ。邪神相手に容赦はせんぞ」
この言葉を受け取ったのか、揺らめく敵の輪郭がはっきりと爪を立て対峙する。と、次の瞬間にはスピードを上げて突進してきた。回避するには速すぎるそれに群青の身体は競合いの選択を取った為、強い力同士が勢いよくぶつかり合い周りに衝撃の波紋が広がる。打ち込まれた撃に守りの姿勢ではあったが、群青はそれを好機に変える確信があった。
「一切合切遠慮はなしだ。バラバラになれ!」
自身の身体を使って放たれる【千波万波(センパバンパ)】は近付いた相手の身にしっかりと打ち込まれる。負荷となる味方を傷付けない条件はこの際、我慢して呑み込もう。これは彼奴とは違って救う手の刃。無差別に寄せては攫う欲望の荒れ海ではないのだ。
「口があったとしても貴様の言葉は聞かなかった。ただ死に絶えるがいい!」
大成功
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ヴィルジニア・ルクスリア(サポート)
サキュバスの悪霊×魔女、12歳の女です。
普段の口調は「女性的(私、あなた、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」、真剣な時は「無口(わたし、あなた、呼び捨て、ね、わ、~よ、~の?)」です。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
ダウナーだが、猟兵として行動する時はアクティブに行動する。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
ヴィルジニア・ルクスリア(甘やかな毒《ダークメルヘン》・f36395)は目の前に現れたそれを心地よくないものとして静観する。
「形がないのね。なんだかとっても、変なモノ」
今持ちうる記憶の中に合致する感情はないが、心の奥底から湧き出る不快をヴィルジニアは感じている。これと自分は相容れない。存在を許すことに嫌悪を抱かざる負えないのだ。
「早くどこかに飛ばしてしまいましょ。後はどうにでもなればいいわ」
そう言った口は小さく閉じ、『魔法の鏡』を取り出した指はその淵をつい、となぞる。曇りのない鏡面は彼奴の輪郭をはっきりと映した。映されたことを認識したのか、その姿は不満げに揺れ、ヴィルジニアへと肉薄してくる。爪の様に鋭くなった部分がヴィルジニアを掴もうと伸びた。しかし、それは何故か動きが鈍ると共に弾かれてしまう。彼奴に表情があれば不可思議に歪んでいたことだろう。
「鏡よ鏡」
その呪いの言の葉は、異常も拘束も相手に返す。故に今のヴィルジニアは誰にも捕えられない。花園で舞う蝶のように躱す姿は大変に可憐だったが、それは同時に相手を確実に仕留める針を持った狩人の眼差しも放っていた。
成功
🔵🔵🔴
カツミ・イセ(サポート)
「僕の神様は言ったよ。郷に入りては郷に従えと」
「僕に出来ることだからね」
神様に作られたミレナリィドール、勝ち気で大人びた僕娘。イメージは水。
口癖が「僕の神様は言ったよ」
『偽装皮膚』の影響で、球体関節が普通の関節に見えるよ。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用。加護で治るから、大怪我しようと厭わず積極的に行動するよ。
遠距離は『水流燕刃刀』を伸ばすよ。
近接戦では『偽装皮膚』を水のような刃にして、咄嗟の一撃を放つことがあるよ。このときは球体関節が見えるんだ。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしないよ。
また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしないんだ。
あとはおまかせするから、よろしくね!
それは何の為に存在しているのだろう。対峙して感じる言いようのない敵意と共に感じる訴え。自分を欲せというかのような寛大で傲慢なそれ。まるで人々が信仰に見出す神の側面の様だ。誰かの願い、誰かの苦しみ、誰かの想い。感情という言の葉を与えられた人類がその口で生み出してしまった《ナニカ》にも思える。物言わない足が運んでいる意志を欲したのか、それとも、ただ生きる命が欲しかったのか。ともかく、雑踏は体のいい僕だったのかもしれない。何せ言葉はないが足を慮る感情が一切なかったのだから。
「それはそれで悲しいものだね」
カツミ・イセ(神の子機たる人形・f31368)は【創造主の力:水刃手裏剣無影術(スイジンシュリケンムエイジュツ)】で相手を牽制しながらそう感じていた。知恵も力も、感じる心さえなかったとしても。それは存在の為に動いていたのだから。勿論、相手の常識はこちらとは違うので比べても仕方ない事ではあるのだが。
「でも、だからこそ存在はそのままにしてはおけないよ」
いつか誰かが手を結ぶ前に。誰かが誰かを踏み躙る前に。カツミは今己が出来る救いの為、その刃を相手に振り下ろした。
成功
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日下・彼方(サポート)
人間のUDCエージェント × 月のエアライダーの女です
戦闘での役割はレガリアスシューズを使っての空中戦、
影の狼を使役して斥候・偵察ができます
武器は通常大型ナイフを使用しますが
強敵には太刀・槍を持ち出す事もあります
普段は(私、君、呼び捨て、だ、だな、だろう、なのか?)
機嫌が悪いと (私、~様、です、ます、でしょう、ですか?)
性格は受けた仕事はキッチリこなす仕事人のような感じです
仕事から抜けると一転惚けた風になります
ユーベルコードは必要に応じて、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
日下・彼方(舞う灰の追跡者・f14654)は未だに存在する謎の揺らめきに目を細めていた。
「早く終わらせた方がいいよな。訳の分からないものをこれ以上放置するのは良くないだろうから」
静かに、淡々と、装備するレガリアシューズ『試製翔靴《Managarmr》』の踵を二つ程鳴らす。それに反応したのかどうか。揺らめく何かが彼方を知覚し間合いを詰めてきた。拳の部位に似たものが瞬時に目の前に打ち出される。しかし、それが彼方の身を貫くことはなかった。代わりに空を蹴る音が間に木霊する。
「遅い」
刹那、背後に降りた空の戦士が短剣を串刺す。彼奴に両目があったとしても視認することは不可能な攻撃だ。貫き返された不定の身が、怒りか動揺かに震えている。それでも、完全な感情は読み取れない。
「さて、そろそろお終いだ」
読み取れなくとも構わない。彼方の役目は彼奴をこの場から抹消することだ。今ここに救いも理解も、求める必要がないのだから。
成功
🔵🔵🔴
フィルバー・セラ(サポート)
【アドリブ連携歓迎】
「さて、きたからにゃやることやるとするか」
○口調
一人称:俺(共通) 二人称:お前さん(敵にはてめえ)
粗野寄りの口調(だ、だぜ、だな、だよな?)
敬語は使わない。
○技能
攻撃面は【砲撃/呪殺弾/誘導弾/斬撃波/属性攻撃】
防御面は【見切り/結界術】
他に使うのは【呪詛/迷彩/多重詠唱】辺りぐらいかね。
○立ち回り
能力値は高いのはPOWとWIZだが、状況に合わせて使えそうなもんを使う。
魔弾を使っての遠距離戦からルーンソードでの近接戦闘でもどっちでも可能だぜ。
支援はどっちかっていうと移動面の支援の方が今のところ多めかね。
状況に応じて他猟兵のサポートにでも何にでも使ってくれや。
其は誰かのネガイだった。其は誰かのサダメだった。其は誰かのクモツだった。知恵を持ち、感情を持ち、意志を持つ者なら小さくとも持ちうる其は、いつの頃からか、己の器を見失った。だから求めた。器たる生きた人間を。自分を持つ、尊き命を。……なんて。
「妄想なら幾らでもできるわな」
実際、フィルバー・セラ(霧の標《ロードレスロード》・f35726)の目の前に存在する彼奴がどういった意図を持って立ち塞がっているのか分からない。そもそも語る口もない相手から聞くことは出来ないが。
「さて、来たからにゃ……やることやるとするか」
彼奴の身がフィルバーの敵意で揺れ動く。が、その力が解放される前に『無銘の刻印剣』が身の中心に刺さった。抜けない刃はそのまま横薙ぎにされ、身体の輪郭が崩れていく。
「俺の勝ちだ。さっさとおねんねしな」
声はなく、音もなく、敵だった何かは崩れていく。もう、雑踏も聞こえなくなるに違いない。また、この道に心地よい静かさが戻ってくるのだ。
成功
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