アルカディア争奪戦⑬~奇襲! トライアングラーバトル!
●魔獣狩り
ブルーアルカディアに浮く巨大な島『リディア』。ここは魔獣の楽園であった。あまりにも凶暴な魔獣たちが闊歩するために、現地住民は屈強な魔獣ハンターで無ければ住めないし、島を訪れる『生きている者』だって魔獣ハンターくらいのものだ。
ここに今、『過去から滲み出した者』たちが押し寄せていた。言わずと知れたオブリビオン、所属を言えば屍人帝国『オーデュボン』の軍であった。
彼女たち『魔獣狩り』は凶暴な魔獣たちを捕獲し、オーデュボンに持ち帰り、自身の軍の戦力増強とする作戦行動中だった。
しかしいかにオブリビオンといえど、この島の凶暴な魔獣たち相手では簡単にはいかない。無傷ともいかないし、順調ともいかないのだ。
「ちっ……これ以上は不利か!」
「一度立て直す! 撤退だ! 魔獣たちが嫌う谷間まで退くぞ!」
「その間に武装と傷の手当、戦力の確認を行え」
「魔獣を捕獲するまで我らの任は終わらないからな」
そう言って、『空賊エルフ』たちは鮮やかな撤退を決めて退く。もちろん戦略的撤退であり、長引けば『こちらに有利』だ。何故ならこちらはオブリビオン。誰かが残っていれば骸の海から『同存在』を呼び出すことは容易い。せん滅されなければ負けないのだ。
とはいえ、魔獣の力は強い。油断すれば完全にせん滅されることだってあり得る。
だからこその戦略的撤退。
「第三勢力にでも襲われない限り、我らの勝利は揺るがん」
落ち着いた場所で傷を癒しながらそう呟く魔獣狩り部隊の隊長。
フラグ立てましたね?
●魔獣狩りを狩れ!
「皆様、お集まりいただいてありがとうございます」
ステラ・タタリクス(紫苑・f33899)が
挨拶をしながら猟兵たちにお礼を告げる。
「『アルカディア争奪戦』は、皆様の活躍で次々と新しい空の道が見つかっております」
アルカディアの王座までの道筋が見つかるのもそう遠くの話ではない……が、至るに6つの強大な屍人帝国を無視できない。
「皆様に行っていただきたいのは、とある巨大な浮遊島。ここは今、屍人帝国『オーデュボン』の脅威に晒されています」
浮遊島の名前は『リディア』。この空域に昔から存在するリディアは自然豊か……というか、とても自然みの溢れる島となっている。
「簡単に言うと、凶暴な魔獣たちが闊歩する無法地帯と化していまして」
そのため、この島に足を踏み入れるのは住民含めてわずかな魔獣ハンターたちのみ。そんなリディアにオーデュボンがどんなちょっかいを出しているかというと、だ。
「この凶暴な魔獣たちをオーデュボンは自軍に取り込もうとしているのです」
そのため、魔獣の相手に長けた『魔獣狩り』部隊を派遣している……のだが、さすがの魔獣狩りたちも魔獣の捕獲となればかなりてこずっているようだ。
そもそも凶暴な魔獣たちを生け捕りにしようというのだ。一撃で仕留めるよりも難しい。近づけば攻撃されるし、弱らせるために攻撃を重ねていけばその痛みで魔獣たちの気も立ってくる。苛烈な反撃によって派遣されている魔獣狩りたちも無傷ではない。
だが、だからこそチャンスだ。
「魔獣狩りと魔獣の群れとの戦いに
飛空艇艦隊ともども乱入します」
そして魔獣と
オーデュボン軍のオブリビオンを一掃するのだ!
「魔獣の群れを勇士の皆様が足止めしている間に、魔獣狩りを猟兵の皆様がせん滅してください」
魔獣たちは凶暴とはいえ、元よりこの島にいる存在だ。勇士たちで対処可能だ。凶暴であるが手負いなので相手も慎重に行動するが、時間はこちらに味方する。なんなら魔獣狩りを倒した後に助勢すれば何の問題も無い。
そのためにも魔獣狩りのせん滅にまずは注力してもらいたい。
「魔獣狩りたちは『空賊エルフ』で構成されています」
二挺の銃で遠距離攻撃を仕掛けてくるエルフたち。その昔雲海に沈んで、オブリビオンとして復活したエルフの一族。エルフ……と聞いて思い浮かぶイメージをぶっ飛ばす勢いで軍隊行動をしている。
「皆様の力があれば真正面からの撃破も可能かと。しかし、魔獣を担当しない勇士の皆様が支援をしてくれます」
例えば飛空艇からの援護射撃。あるいは飛空艇や二人乗りセイルフローターの操縦。風の加護や魔法を使った援護をしてくれるかもしれない。
「彼らの力を使えばより効率的に魔獣狩りを倒せるはずです」
そして一人残さず、雲海の下へ叩き返すのが今回の作戦となる。
「まだまだ先が見えない戦争。無理をする必要はありません。ですが……我らが故郷のため、どうか力をお貸しください」
そういってステラは猟兵たちに頭を下げる。
そして同意を得た猟兵たちを、リディアへと送り出すのであった。
るちる
まいどです。いつもありがとうございます、るちるです。
やっと『アルカディア争奪戦』にMSとして参加です。ステラが張り切って参りまーす。
●全体
1章構成の戦争シナリオです。
魔獣の群れとの戦いで一時撤退したオーデュボン軍に攻撃を仕掛けます。挟撃されないように魔獣たちは勇士の皆さんが足止めしてくれるので、皆さんはオーデュボン軍に集中してください。
禁止事項:勇士を巻き込む攻撃、島の天使核まで破壊する広域破壊攻撃、他の猟兵の邪魔をすること。
指定されたプレイングボーナスがこちらになります。
(=============================)
プレイングボーナス……
飛空艇艦隊の勇士達と協力して戦う。
(=============================)
協力に関しては、共闘、支援をお願いする、回復をお願いする等々。
以下の種族とジョブの勇士がいます。
ガレオノイド(ガレオン・チェンジ)
エンジェル(エンジェリック・コール)
翔剣士(薔薇の剣戟)
飛空艇パイロット(ブルズアイ・マニューバー)
ディバインウィザード(ディバイン・サンダー)
全員天使核動力の武器持ち(風の盾は標準装備)です。
●1章
集団戦『空賊エルフ』との戦闘です。
ひとりで10人くらい倒してもらえたら余裕の展開です。もっと倒してもらっても問題なし。多少の地形破壊は問題ありません。どうせ魔獣に壊されるし。
空賊エルフは目立った特徴はありませんが、集団行動に長けています。連携を切り崩すといい感じに有利になると思います。
●
オープニング公開後、プレ受付開始です。状況等の説明は無い、と思います。
戦争シナリオのため、プレは全採用というよりは程よくチョイスしていく感じになると思います。タグでの案内はないかもですが、空いている間は受付中と思ってください(流れる可能性はあります)
それでは皆さんの参加をお待ちしていまーす!
第1章 集団戦
『空賊エルフ』
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POW : ペネトレイトショット
詠唱時間に応じて無限に威力が上昇する【貫通】属性の【魔術装填弾】を、レベル×5mの直線上に放つ。
SPD : アサシネイトバレット
【敵の視覚を惑わす魔法の木の葉纏った歩法】で敵の間合いに踏み込み、【呪・影・闇・魔の弾丸】を放ちながら4回攻撃する。全て命中すると敵は死ぬ。
WIZ : ダブルトリガー
【天使核マスケットと天使核リボルバー】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴
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●
猟兵たちが
飛空艇艦隊の勇士たちとともに浮遊島『リディア』の上に到着したのは抜群のタイミングであった。
望遠鏡を使って眼下を確認すれば、魔獣の群れと相対しているオーデュボン軍『空賊エルフ』の部隊が激闘を繰り広げている。
だが魔獣たちの攻撃が激しいためか、上空にいる
飛空艇艦隊にはまだ気づいていない。
ならば……仕掛けるのは奇襲。
どうやら空賊エルフたちは今、魔獣たちと戦っている平原から後退して、近くの谷間まで撤退するようだ。そこで態勢を立て直すのだろう。
勇士たちと作戦の最終確認をする。
小型の飛空艇、あるいはガレオノイドの力を借りて猟兵たちは別行動――空賊エルフを追う。
飛空艇艦隊の本隊は魔獣の相手だ。地形の効果なのか魔獣たちは空賊エルフを追いかけない。このまま散開してしまえば後始末に困る。
仕掛けるなら今しかない!
猟兵と勇士たちは顔を見合わせて頷きをかわしあう。
そして各々の戦場へ。倒すはオーデュボン軍と魔獣の両方!
※シナリオ補足※
戦場について記載を忘れておりました。
基本的に指定が無ければ、崖に囲まれた谷間(普通に商隊が通れるくらいの幅はあるが、魔獣は何故か入ってこない)での戦闘になります。地形破壊でがけ崩れとかを狙っても良いです。
もしくは谷間に入る前の平原でも仕掛けることが出来ます。
谷間の中でも平原でも勇士たちの支援を受けることに制限はありません。
また魔獣のことは勇士たちに任せてオッケーです。
鵜飼・章
◎
第三勢力だけど呼んだ?
魔獣無法地帯と聞いたけど
無法を働いているのは密猟者だな
早く帰ってもらおう
勇士さんの協力は頼もしいな
ガレオンチェンジを使った敵の陽動を頼むよ
艦載砲は威嚇射撃程度で大丈夫だ
巨体で敵の注目を惹きつつ
速度を活かして射撃から逃げ続けて
その間に僕が手早く敵を処分する
自然が豊かな島のようだから
サバイバル知識と勝負勘を活かし
敵の注意が向かない岩陰や叢に紛れよう
勇士さんに注意が向いている間に
毒使いで即死級の猛毒を塗った標本針をUCで投擲
派手に急所を狙うより
足元や髪の中等へ密かに刺し
僕の存在が露見しない事を重視
混乱させ連携を崩そう
勇士さんに何かあると大変だ
10体前後を素早く片付け撤退するね
●
オーデュボン軍と魔獣の群れの戦い、そこへ猟兵&勇士たちの
飛空艇艦隊が乱入する
トライアングラーバトル。
猟兵たちのアドバンテージは『奇襲できる』という点。
ゆえに鵜飼・章(シュレディンガーの鵺・f03255)はその利点を最大限に活かす。
「頼むね」
「わかりました。ご武運を」
『空賊エルフ』が逃げ込んだ谷間の近くに降り立った章とガレオノイドの女性は作戦を詰めた後、言葉を交わして別行動に移る。
【ガレオンチェンジ】――全長25mの飛空艇に変身した勇士はそのまま谷間の上を飛翔する。まずは速度を上げて谷間の上を通り過ぎ、そして反転してきた後に谷間に向けて艦載砲を叩き込む。
(勇士さんの協力は頼もしいな)
飛空艇から放たれる砲撃を横目で確認しながら、章は素早く谷間へと降りていく。飛空艇の巨体と威嚇射撃は空賊エルフを引き付けるには十分だ。空賊エルフたちがいる場所から充分に距離を取れば気付かれるはずもない。
(この陽動の間に僕が手早く敵を処分する)
幸いにしてこの島は隠れるに十分な障害物が多い。自然豊かといえばいいのだろうか。
空賊エルフの注意が全て上に行っている今、闇に紛れるように岩陰に隠れて気配を押し殺せば気付かることもない。
――仕掛ける一手は【万有引力】
気付かれていないなら、この一手を防ぐ手段は存在しない。即死級の毒を塗布した標本針を数本、指の間に挟み込んでから素早く投擲すれば視界に収めていた空賊エルフたちが倒れ伏す。
(勇士さんに何かあると大変だ。素早く片付けるとしよう)
空賊エルフたちの混乱がさらに深まる中、素早く位置を変えて、そして再び【万有引力】。目の前で反撃すらできずに倒れていく空賊エルフの数が増え、そして章の視界にいた10人ほどの班が全滅する。
「終わったね」
ふぅ、とひと息をはいて、再び崖の上まで移動する章。そこから手を振れば飛空艇がゆっくりと降りてくる。
まずはひとつ。オーデュボン軍を切り崩すことが出来た。
成功
🔵🔵🔴
オメガ・カストゥール
ほぉ、魔獣を狩って戦力とな?
それは我々がさせん。
なれば、魔獣の比にならぬ我々が貴様ら「拒絶の雲海」を引き起こす帝国を葬り去るのみだからだ。
さて、我と属性の違う四竜を呼び起こすとしよう。
そうして、空から帝国のオブリビオンに向かって我と呼び出した四竜で【空中戦】【空中機動】で襲撃して【ブレス攻撃】【属性攻撃】で遠距離から攻撃し、さらには接近してきたものには【怪力】【切断】で爪や牙をお見舞いする。
アドリブ歓迎
●
昔から凶暴な魔獣の島として恐れられていた『リディア』。しかし、そんな凶暴な魔獣でもコントロールする術があれば。それを今、この地で実現しようとしているのが屍人帝国『オーデュボン』だ。
魔獣狩りとして派遣された『空賊エルフ』たちが魔獣に攻撃を仕掛けては退き、また仕掛けという流れを繰り返し、徐々に魔獣の体力を削っていく。
その流れの一部、空賊エルフが一時撤退したそのタイミングで。
空に竜が顕れる。4つの竜を従えた、中心に在るのはオメガ・カストゥール(火焔竜にして、竜神王・f34605)。
「ほぉ、魔獣を狩って戦力とな?」
眼下の様子を見ながら、確認するようにオメガが呟く。その言葉に合わせて後ろに控えていた四竜が翼を動かし、空を支配せんと動く。
「それは我々がさせん。なれば、魔獣の比にならぬ我々が貴様ら『
拒絶の雲海』を引き起こす帝国を葬り去るのみだからだ」
オメガの四方を飛ぶ四竜は彼が【四竜招集】で呼び出したカルテット。水竜・風竜・雷竜・地竜……オメガとは属性の異なる竜たちが口を開く。
「消えよ」
空から5つの色が、異なる属性のドラゴンブレスが放たれる。いかに空賊エルフの数が多かろうが空から竜たちが囲めば逃げ場など無い。
竜の奔流が平原をなめるように全てを飲み込んでいく。その後、訪れた静寂の中で残っている者はいない。
またひとつ。ひとつ。オーデュボン軍を切り崩すことが出来たのである。
成功
🔵🔵🔴
ヴォルフスブルク・ヴェストファーレン
うわぁ蛮族のエルフ…
でも私の知り合いのエルフの方もちょっとアレですし…イメージよりも荒い方の多い種族なんでしょうか…
えっと…そうですね…じゃあ同じガレオノイドの勇士の方に同行してもらいましょうっ!
同じ飛空艇であれば足並みも揃えやすいと思いますので!更にもう一隻呼びましょうか…ぇぃぃやっと飛空艇を召喚ですっ
エルフ達が谷の入り口に入るのを見計らって出撃です!先陣に飛空艇に変身した私と呼び出した同型艦と単縦陣で谷の奥から平原に向けて進行、谷を爆雷で絨毯爆撃してエルフ達をまた平原に追い込みましょう!爆撃されるか魔獣にやられるかですね
勇士の方には爆撃から逃れて谷に進もうとするエルフを砲撃して貰いますっ!
●
屍人帝国『オーデュボン』の尖兵である『空賊エルフ』たちが巨大な浮遊島『リディア』に住む凶暴な魔獣たちに攻撃を仕掛けていく。彼女らの目的は魔獣の捕獲であって討伐ではない。ゆえに作戦としては押しては引き、引いては押しという波状攻撃。激闘が繰り広げられている……といった様子ではないのだが、それでもエルフが巨大な魔獣と戦っているのである。
空から魔獣と戦う空賊エルフの様子を見ながらヴォルフスブルク・ヴェストファーレン(鉄の狼・f34026)はなんともいえない表情で呟いた。
「うわぁ蛮族のエルフ……」
いや、まぁ蛮族っていうか、森の少女的なイメージがないのはわかるけども。こう、隊列組んで包囲して順番に銃撃している様はどっちかっていうと軍隊ですけども!
「でも私の知り合いのエルフの方もちょっとアレですし……イメージよりも荒い方の多い種族なんでしょうか……」
ヴォルフスブルクさんの周りが特殊な環境ってことはありませんかね??
ごった煮になってない?? でも先入観はよくないよね、森の少女だからって大人しいとは限らない。
「ははは……」
ヴォルフスブルクの言葉に周囲にいた勇士たちも微苦笑するしかない。
「えっと……そうですね……」
そんな様子に気付いたヴォルフスブルクが攻撃のための布陣を考える。勇士たちは好意的な微笑を浮かべてヴォルフスブルクを見つめている。大丈夫だ。
「じゃあ同じガレオノイドの勇士の方に同行してもらいましょうっ!」
理由は簡単。
「同じ飛空艇であれば足並みも揃えやすいと思いますので!」
「『了解っ』」
同じ飛空艇に乗っていた3人ほどが声をあげて賛同する。
「更にもう一隻呼びましょうか……ぇぃぃやっとっ!」
気合(?)とともに召喚されるヴォルフスブルクと同型の飛空艇。彼女のユーベルコード【Wolfpack】で呼び出されたヴェストファーレン級装甲飛空艇の一隻である。なお、同型は100隻ほどいるらしくて、どの子だろう? っていうのはなんとなくでクリアしている。大丈夫問題ない。
「出撃ですっ!」
折よく空賊エルフたちが谷の入り口に差し掛かったのを見てヴォルフスブルクが号令をかける。【ガレオンチェンジ】で一斉に飛空艇に変身したガレオノイド・ガールズ。陣形は単縦陣。ヴォルフスブルクを先頭にして、【Wolfpack】の同型艦、そして勇士たちが続く。
「て、敵襲っ!」
「反転だ! 早く!」
空賊エルフたちが自身らの前方から突っ込んできたヴォルフスブルクたちに気付いて慌てて応戦態勢を取る。態勢を整えるために逃げてきた谷で強襲されれば浮足立つのは当然。さらに言えば、『空賊エルフたちの進軍方向から突っ込んできた』ので回避のしようがない。ヴォルフスブルクたちの進入方向は谷の出口から平原に向けてであったのだ。
「攻撃開始っ!」
ヴォルフスブルクの声が響き渡る。と同時に投擲されていく爆雷。谷間を程よく破壊しつつ、空賊エルフを爆発に巻き込んで吹っ飛ばしていく。それが単縦陣で順番に続くのだから、谷間の中に逃げ場はない。
(爆撃されるか魔獣にやられるかですね)
ヴォルフスブルクの思惑通り、空賊エルフたちが反転して平原へと逃げていく。
時折、反撃に活路を見出してアサシネイトバレットを放つ空賊エルフもいるが、空と地面の距離、そして爆撃の厚さで届くはずもなく。空賊エルフの放った弾丸は爆発に巻き込まれていくのみ。
そしてガレオノイド・ガールズの進行に合わせて、空賊エルフたちが谷から追い立てられていく。
「勇士の方は逃げようとするエルフ達をお願いしますっ」
「『りょ!!』」
だいぶ気安くなってきたなー。
ヴォルフスブルクの号令に合わせて単縦陣解除。少し散開するような形で5隻の飛空艇が空に舞う。そのまま空賊エルフたちを攻撃し続ける者、脇に逸れていく空賊エルフを追いかける者、そして谷間に反転していく空賊エルフを逃さず、砲撃していく者と役割を分けて、一気に殲滅する流れに持ち込む飛空艇部隊。
そして。
爆撃を終えて、空から巡回して。敵がいなくなった事を確認したガレオノイド・ガールズは【ガレオンチェンジ】を解除して、安全となった谷に降り立つ。
「勝利ですねっ」
ヴォルフスブルクが嬉しそうに叫べば、ガレオノイドの勇士たちから笑顔が返ってくる。そしてハイタッチ。
こうしてまたひとつ。オーデュボン軍を切り崩すことに成功したのである。
大成功
🔵🔵🔵
ルクス・アルブス
『ご主人さまをみつけるためです』
ってステラさん、予知ですよね? あと圧強いですよ!?
わかりました、いきますから顔、顔!
お茶の間に見せちゃいけない感じになってますから!
と、とりあえず……。
飛空挺艦隊さんにはガレオン・チェンジしてもらって、
それに乗って突撃していきましょう!
【ベッソン】で敵への攻撃と、味方の回復をしながらいきますよ!
エルフさん、耳は良いでしょうから効きそうですよね。
って、なんで味方の艦までふらふらしてるんですか!?
ヒールかけっぱなし状態のはずなんですけど!
え? 精神的にキツイ? そ、それはここが戦場だからです!
帰ったら演奏会開きますから、そこで改めて……。
って、落ちる落ちる-!?
●それは知己であるがゆえに
『我らが故郷のため、どうか力をお貸しください』というグリモア猟兵の言葉を聞いて。
グリモアベースから転送される前にルクス・アルブス(『魔女』に憧れる『出禁勇者(光属性)』・f32689)はくるりと振り向いた。
「ご主人さまをみつけるためです?」
すぱぁぁぁぁんっ!
「痛ったぁぁぁ?!」
次の瞬間響き渡ったのはスリッパの快音とルクスの悲鳴である。
「ってステラさん、予知ですよね?」
「予知ですが?」
間合いを取ってじりじりとせめぎ合う二人。いや、マジで『エ』の文字も出てないと思うのだが?
まぁでもそんな時間も惜しい。
「いってらっしゃいませ」
「わかりました、いきますから顔、顔! お茶の間に見せちゃいけない感じになってますから!」
失礼な。どこからどう見ても、どこにでもいる後方待機メイドのとても良いにこやか笑顔じゃないですか。
「笑顔の圧が強い!?」
グリモア猟兵の特別なお見送り(意味深)。そんな感じでルクスは涙目でブルーアルカディアへと転送されたのである。
●勇者がんばる
「と、とりあえず……」
色んな圧(?)から解放された勇者ルクスは気を取り直して
飛空艇艦隊の飛空艇の上で深呼吸する。ルクスは奏でることを得意とする勇者なのだ、呼吸大事。
「では、勇士の皆さんには【ガレオンチェンジ】してもらって、それに乗って突撃していきましょう!」
相変わらず突撃が基本スタイルの勇者パーティーですね。嫌いじゃないわ!
そんなわけで同い年くらいのガレオノイドに協力してもらい、
飛空艇艦隊から飛び出すルクス。
同時に飛空艇を包み込むように、ユーフォニアムの音が響き渡る。『ユーフォニアム“ベッソン”』――ルクスの愛器である。魔力が込められた音は味方を包み込む。それは
飛空艇艦隊の勇士たちを回復しながら鼓舞するような柔らかく包み込むような旋律。
「むぅむむむむむ、むむむむむー!」
あ、音ズレた。
いや、違う。これは攻撃に変調したのだ。【協奏曲第1番】は治癒とダメージの間を変調する曲。
(エルフさん、耳は良いでしょうから効きそうですよね)
と眼下にいる『空賊エルフ』たちを見据えてルクスは音を振りまく。それは精神を引っ掻くような不協和音ながら素晴らしく音楽である。ルクスが『音を楽しんでいる』という意味では。
「って、なんで味方の艦までふらふらしてるんですか!? ヒールかけっぱなし状態のはずなんですけど!」
そして同時に音階がひどかった。いや、これは『音壊』かもしれない。音が壊れているんじゃない。音で壊すんだこの勇者。
「え、あの、その……精神的にキツイです」
一応、ガレオノイド仲間のグリモア猟兵から耳栓のことは聞いていたんですけどねえ。してるんですけどねえ。ふらっふらである。とうとう耳栓を越えてくるようになったよこの音壊。
「そ、それはここが戦場だからです! 帰ったら演奏会開きますから、そこで改めて……」
「もう……ダメ……」
「って、落ちる落ちるー!?」
それは世間一般では『トドメ』っていいます。
ひゅーん、って音を立てながら谷間に墜落していく飛空艇とルクス。そして空賊エルフたちの真上にどーんって感じで落ちた。
「な、なんで……」
飛空艇から人型に戻ったガレオノイドの女の子と一緒にぱたっと倒れるルクス。
一応、その場にいた空賊エルフは一掃できましたのでミッションコンプリートである。演奏会は、あの、その……個別に交渉してください。
大成功
🔵🔵🔵
上野・修介
※連携アドリブ歓迎
「推して参る」
調息、脱力、戦場を観据えつつ、真正面から敵陣中央に向かって突貫。
UC発動し自身を加速させ行動力を上昇。
UC範囲内の敵の『氣』の流れを阻害し行動を鈍化させると同時に、自身の周囲に速い『流れ』の層を形成(オーラ防御+竜脈使い)し弾丸を反らす。
得物:徒手格闘
立ち回りは基本ヒット&ウェイ
合間にアサルトペンの投擲と牽制を入れつつ、懐から懐を移動するように常に動き回って敵を盾にして同士討ちを狙いつつヘイトを自分に向けさせる。
勇士たちには予め敵陣の意識が完全に自分の方向いたら上から奇襲を掛けて貰うように依頼しておく。
「俺ごとで構いません。一網打尽にしてください」
●
屍人帝国『オーデュボン』の尖兵『空賊エルフ』たちの目的は、巨大な浮遊島『リディア』を徘徊する凶暴な魔獣たちを捕獲すること。大きさが強さではないが、強い魔獣は大きい事が多い。浮遊島が巨大であるがゆえに、この島に生息する魔獣たちもまた巨大なのだ。
そんな魔獣の群れを相手にして空賊エルフたちもまた攻撃一辺倒ではない。撤退や罠などを組み合わせ、時には数で押す作戦であるがために、『戦略的撤退』というフェーズが存在する。
魔獣たちが近寄ってこない谷間へと空賊エルフたちが撤退した……その先に。
上野・修介(吾が拳に名は要らず・f13887)は直立していた。閉じていた瞳を開く。修介が視界に捉えるのは修介の存在に少なからず動揺している空賊エルフたちであった。
――既に息は調えてある。
吸い込んだ息と気が体を巡り、そして吐き出すことでひとつの循環を作る。それの繰り返し、小さな小さな繰り返しがひとつの大きな流れを作る。その力に逆らわないように力を抜き、息を馴染ませる。
開いた瞳は戦場を観据えている。圏内。それを悟った修介は『氣』を放つ。
(――氣を満たし――氣を呑む)
【周天、或いは圏境】――それは武における『制空権』とでも言えばいいだろうか。修介を中心に特定の範囲を把握、あるいは掌握する。この範囲にいる者ならば、その動きは修介の意のままだ。
「推して参る」
静かに告げた後、修介が真正面から敵陣中央に向かって突貫する。
自身の『氣』の流れを活性化させて加速。『氣』の活性化は走る速度だけではなく、動きの精密さやキレをもあげる。同時に視界内にいる空賊エルフたちの『氣』の流れを澱ませる。『氣』は川のようなものだ。流れれば綺麗だし、澱めば濁る。綺麗や濁りはそのまま体の動きへと影響する。
「くっ……!」
それでもただやられるようなオブリビオンたちではない。空賊エルフたちの得物は銃。動きが鈍くなっても、仮に相手より弱くても『当たれば』勝てる。
魔術装填弾ペネトレイトショットを一斉に放つ空賊エルフたち。弾はひとり一発でも集団で放てば弾幕のように修介に押し寄せる。
「……!」
その動きを『捉えて』いた修介は放ってきた『氣』を操り、自身の周囲に流れを作る。自然な風の流れよりもさらに速い『氣』の流れ。それは空気を断つ層となって修介の盾となり、飛翔してきた弾丸を逸らしていく。
――踏み込む。
空賊エルフの懐、間合いに入り込んだ修介が拳を握る。腹に一撃、強烈な拳を叩き込めばその一撃で空賊エルフが落ちる。
「おのれっ」
味方を巻き込むことも厭わない銃撃の構え。
「……っ」
それに対して修介は小さな吐息と共に、慌てず焦らずアサルトペンを投擲。当たらなくてもいい、投擲によって空賊エルフたちの動きが止まれば……その隙に踏み込める。
(その動き、利用させてもらう)
空賊エルフたちが味方を巻き込もうとするならそれは修介にとっても利点だ。
懐から懐を移動するように常に動き回れば、【周天、或いは圏境】もあって空賊エルフたちが修介を捉えることはできない。ゆえに修介は空賊エルフを盾にして同士討ちを狙いつつ、さらに注目を、ヘイトを自分に向けさせることができる。
空賊エルフたちの利点は数だ。そして修介ひとりでは絶対に覆せない力の差でもある。
「この数をひとりで倒せると思っているのか!」
「……まさか」
懐に踏み込んできた修介に対して奇声をあげる空賊エルフに、修介は冷静に言葉を返す。
彼とて『ひとりで』事を成せるとは思っていない。
直後。
谷間の上から降り注ぐ砲弾の雨。
「なっ
……!?」
空賊エルフの注意が上を向く。そしてその隙に修介が拳で吹き飛ばす。同時に谷間が砲弾の爆発と炎に包まれる。
(さすがですね)
『事前に相談した通りの作戦』と寸分違わぬ奇襲。修介が砲撃に巻き込まれながら空を見上げるとそこにいたのは
飛空艇艦隊の勇士たちであった。
――「俺ごとで構いません。一網打尽にしてください」
それが修介の依頼した奇襲の内容だ。空賊エルフたちの意識が完全に修介に向いたタイミングで空から一気にせん滅する。
完全に作戦通り。それが為されれば空賊エルフたちに逃げる場所など無い。
「……ふぅ」
一方、修介は『氣』の流れ、というかそれがもたらす空気の流れというか。それを捉えた上でそれに従って戦場を離脱する。
巻き込まれることは想定内だが、さすがに味方の砲撃で倒れるわけにはいかない。そんなことになれば、味方に対して心理的なダメージを与えてしまうからだ。無傷とはいかないが、五体満足で離脱した修介は離れた位置から空に向かって手を振って無事を伝える。
こうしてさらにひとつ。猟兵と
飛空艇艦隊はオーデュボン軍を切り崩すことに成功したのである。
大成功
🔵🔵🔵
リアラ・アリルアンナ
◎
協力者の市民には、あらかじめなるべく狭い一本道になっているような地点を囲むように、避雷針を設置しておいてもらいます
反逆者達が谷間に侵入したのを確認したら背後より奇襲をかけ、
同時に反逆者への通告を行います
世界は変われど密猟はれっきとした反逆行為!
いかなる理由があれど処罰の対象です!
よって抹殺します!
なお抵抗は反逆的意図を持った行為と認定しますので、大人しく受け入れてください!
市民!リアラはZAPガンを撃ちながら反逆者を追い立てますので、奴らが先述の避雷針地帯に足を踏み入れたらディバイン・サンダーを発動してください!
裁きの雷で一網打尽といきましょう!
●
戦況は数時間前とは一転していた。
巨大な浮遊島『リディア』に生息する凶暴な魔獣たちを捕獲しようと攻撃を仕掛けていた屍人帝国『オーデュボン』の軍、『空賊エルフ』たち。見た目の攻勢をみれば魔獣の群れが優位だろう。しかし、押しては引き、引いては押し。数と作戦によって空賊エルフたちは徐々に魔獣たちの体力を削り、彼女らの目的を果たさんとしていた。
そこに乱入したのがが猟兵と
飛空艇艦隊である!
そんなわけで三つ巴の戦いとなったリディアの戦場は混乱とともに、徐々に猟兵と
飛空艇艦隊の優勢へと傾いていったのだ。
そしてその一角。
「協力者の市民。それでは伝えた作戦の通りに」
リアラ・アリルアンナ(リアライズユアハピネス・f36743)の前には翔剣士やエンジェルといった小回りの利く勇士たち。依頼したのはもちろん空賊エルフたちをせん滅するための協力だ。戦いの場は既に選定してある。そしてそこに空賊エルフたちが移動する流れもある。その前に仕込むのは攻撃のための避雷針。
「あらかじめなるべく狭い一本道になっているような地点を囲むように」
そう告げてリアラは戦場へ赴く。
仕掛けるタイミングは空賊エルフたちが谷間に侵入したその瞬間だ。
「反逆者・空賊エルフ!」
リアラの声に空賊エルフたちが振り向く。谷間へ完全に退避して油断したその瞬間である。思わずリアラの方を見てしまった空賊エルフたちの視界に飛び込んできたのは『幸福指導員手帳』――『幸福』の刻印がされた物々しい電子手帳である。
「世界は変われど密猟はれっきとした反逆行為! いかなる理由があれど処罰の対象です! よって抹殺します!」
ここまでワンブレスである。用意していた言葉ではない。リアラの成り立ち、生まれからこの言葉は自然と紡ぎ出されるものだからして、詰まるなどあり得ないのである。
「なお抵抗は反逆的意図を持った行為と認定しますので、大人しく受け入れてください!」
それは最後通牒だ。
【反逆者への通告】はリアラに、否、エージェント・リアラに与えられた権限をはっきりと告げるもの。『幸福維持法』第二条によって、リアラは相手を反逆者と認定した場合、自らの判断でこれを処罰することが出来るのだ!
ゆえに奇襲への反応であっても反抗の意志を見せたならば、そのルールから逃れることはできない。同時にルールが空賊エルフたちに覆いかぶさる。それは恐怖か『市民』の習性か。行動速度とか行動成功率とかががくんと落ちる空賊エルフたち。
奇襲は完全に成功だ。
「市民! リアラはZAPガンを撃ちながら反逆者を追い立てます!」
リアラが声を張り上げながら『ZAPガン』を構えて駆け出す。それによって空賊エルフたちが態勢を立て直そうと撤退するが、『それ』はリアラたちの作戦通りだ。
――奴らが先述の避雷針地帯に足を踏み入れたら【ディバイン・サンダー】を発動してください!
これが事前に伝えてある作戦の全容。
作り上げた
ルールに沿うようにしてリアラがZAPガンを乱射していく。ディスク交換式の破壊光線照射銃を乱射すれば広範囲に着弾して、空賊エルフたちを奥へ奥へと追い立てていく。
――そしてその瞬間が訪れる。
空賊エルフたちが『対象地点』へと踏み込んだ。
「裁きの雷で一網打尽といきましょう!」
それは合図にして号令、否、命令か。リアラの声に対して、協力者たちのディバインウィザードが一斉に【ディバイン・サンダー】を発動する。幾重にも降る極大の捌きの雷が範囲内にいる空賊エルフたちを黒焦げを通り越して滅する勢いで打ち据え、その身を焼いていく。
「反逆者の抹殺完了です。よくやりました市民」
戦況を確認してリアラが勇士たちに告げるのは勝利宣言だ。
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こうして猟兵と
飛空艇艦隊の乱入は完全なる成功を収める。
屍人帝国『オーデュボン』の目論見を見事砕くことに成功したのである。
大成功
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