●すべてを覆う禁呪
「ふふふ……とうとう、とうとうこの魔術が我が手中に!」
魔女らしき白髪の女が笑う。自身の研究施設が帝国と呼ばれるようになったかも定かではないが、彼女に付き従う者達は、自身の研究と殺戮には都合が良かった。
そうしてとうとう、探し求めていた力が手に入った。
「さぁ、発動だ!」
莫大な魔力と共に、力が魔女を中心に広がってゆく。直後、その腕からぐじゃりと樹木の根が這い出て、皮を突き破る。
「うっ……ぐぅっ……!」
脚から、胴から、肉を食い破る樹木の勢いは留まるところを知らず、彼女の拠点とする大陸に、そして、配下達へと波及してゆく。
「ぁうっ……」
「うぅぅ……っ!!」
ところどころで呻き声が聞こえる。耐えがたい苦痛が全身に走り、身体を捩る。
だが、それ以上に不思議な高揚感があった。
「あはは、あははははははは
……!!」
今こそ、全てを雲海に帰する時。『五重奏の魔女』ソレスティ・マキアは、狂気に満ちた笑いを響かせるのであった。
●
世界樹嵐
「皆様! 今すぐブルーアルカディアに向かってくださいまし!!」
集まった猟兵達に向かって、エリル・メアリアル(
孤城の女王・f03064)が慌てた様子で叫んだ。
「
世界樹嵐……大陸を雲海に飲み込む伝説のユーベルコードの発動が予知されましたの!」
世界樹嵐。それは『雲海を生み出す』とされるユーベルコードである。
「この世界に伝わる伝説によると、遥か昔、この世界の人々は『天使戦争』の後、大地から放逐されたと言われていますわ。そして、その伝承の中に、世界樹嵐こそがその契機となった、とも」
エリルがこの世界の伝承を語り終えると、再び猟兵達へと目を向けた。
「その世界樹嵐が、屍人帝国によって復活を遂げようとしていますの!」
エリルは語る。もし世界樹嵐が発動すれば、大陸が雲海に沈み、雲海に沈んだ全ての者は消滅し、オブリビオン化してしまう、と。
「世界樹嵐は、その凄まじい能力があるだけに代償も大きいですわ。発動者の身体を食い破り、樹木の如き触手が苦痛を与え続けるのだとか」
だが、その苦痛が続く限り雲海は生まれ続ける。オブリビオンは苦痛をも厭わず、世界を破滅させる為に雲海を生み出し続けるだろう。
そう告げながら、エリルは状況を説明する。
「今回世界樹嵐を発動させようとしているのは女性だけで構成された屍人帝国。既にその拠点となる大陸は世界樹嵐の影響を受け、兵達や天使核さえも樹木触手によって侵食されているようですわ」
発動者は帝国の王。現在帝国は、発動者である王を守る為に厳重な防衛網を敷いているという。
「だからといって手をこまねいていては、世界樹嵐の影響が広がってしまう。その為にも中央突破をしてくださいまし!」
防衛網の主戦力は、ガレオノイド『ライン・テリブルズ』。
ガレオン船形態で隊列を作り、遠方より集中砲火。接近されれば人間形態となって対抗してくるだろう。遠近共に隙の無い布陣ではあるが、突破口は開ける筈だ。
「無事突破出来たならば、発動者のいる中枢を目指してくださいまし……けれど」
エリルが苦々しい顔をする。
「先程もお伝えしたように、既に島は樹木触手に侵食されている……おそらく島の防衛隊にも、その影響は起こっている筈……」
行く手を阻むのは通常のオブリビオンではない、ということだ。
エリルはそこまでで話を切り上げ、グリモアを掲げる。
「事は一刻を争いますわ。急ぎ、準備をしてくださいまし!」
こうして猟兵達の電撃戦が始まる。
――ブルーアルカディアの世界を護るために!
G.Y.
こんにちは。G.Y.です。
今回はブルーアルカディアを舞台にした戦いになります。
第1章は集団戦です。
屍人帝国(名前はありません)の拠点とする島に、厳重に警備が敷かれています。
ガレオン状態のオブリビオンと、そのガレオン船に乗る人間形態が警備にあたっています。
遠距離戦ではガレオン形態を多めに、接近戦では人型形態を多めに布陣するなど臨機応変に戦うことができ、戦闘が長期化しても交代で変身することで消耗を抑えています。
防御は厚いですが、強行突破、あるいは隙をついての潜入が必要になります。
第2章以降は章が変わったタイミングで状況をお伝えします。
それでは、皆さんのプレイングをお待ちしております!
第1章 集団戦
『ライン・テリブルズ』
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POW : 単縦陣戦列砲撃
自身の【120門カノン砲】から、戦場の仲間が受けた【損傷】に比例した威力と攻撃範囲の【反撃の一斉砲撃】を放つ。
SPD : 一斉砲蹂躙戦術
【両弦から砲撃】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
WIZ : 接舷切込突撃戦
戦闘力が増加する【戦列艦形態】、飛翔力が増加する【高速艦形態】、驚かせ力が増加する【ガレオノイド】のいずれかに変身する。
👑11
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ミニョン・エルシェ
ふむ、敵ながら均整の取れた、良い布陣です。
故に。一つの綻びが、瓦解に繋がる事もあるでしょう?
城対龍高速誘導弾、【一斉射撃】、開始。
ミサイルの一基に鉤縄を掛け【騎乗】【操縦】し、【捨身】の【空中戦】による突撃を行います。
いえ、無策で突っ込む様な真似はしませんとも。
祓威を発動、全敵の戦意を奪います。更に、敵の持ち味は変形と連携。
【UC封印】による砲撃封じと【判断ミス】により、勝手な動きをするなど…統制が乱れれば、布陣に隙も出来るでしょう。
誘導弾を着弾させ、布陣の穴から敵陣に突入します!
…私は『死』が興味の対象でしたが。
個人的にも禁忌には手を染めたくなる性質ですので。
敵の首魁に会うのが楽しみです。
ニクロム・チタノ
うーん雲海ってもしかして中に骸の海が詰まっていたりして?
どっちにしてもこのまま放っておくわけにはいかないね!
厄介な見張りがいるけど退くことはできない、強行突破させてもらうよ反抗の力を
重力を操作して無重力ジャンプで敵陣の真上に飛ぶよ
敵の一斉放火を蒼焔の盾で防いで攻撃が途切れたところに反撃の重力槍を撃ち込むよ!
重力槍をくらって混乱してるところ悪いけど重力操作でキミ達の周りの重力を倍加しておいたよ
キミ達にかまってる時間はないんだ、このまま突破させてもらう
一刻も早く儀式を止めさせないと!
シュタルク・ゴットフリート
この空を、世界を。過去の雲海になど沈めさせはせん。
――征くぞ!
シュトゥルム・ラケーテンの【推力移動】で飛翔、一直線に敵本拠を目指す。
敵はガレオノイドか、その火力は脅威となろうが――俺は、正面から押し通るのみだ。
UCを発動、敵船の装甲を目掛け突撃。その装甲を破砕し、一気に反対側へと突き抜けてみせよう。
敵の反撃は、ラケーテンの推力を更に上げて素早く距離を取ることで回避。必要以上に敵へ攻撃をしておらねば、火力強化は最低限になるだろうとは思うが、被弾は避けるに越したことはない。
これを繰り返し、敵本拠への道を切り開いてゆく。
四王天・燦
身を犠牲にして世界樹嵐を起こすなんて、何の為に過去から現世に蘇ったのか分かりゃしねーや
夢匣からフォックステイル号を発進させて空中戦を望むぜ
ガレオノイドへの敬意のつもり
船として戦い、船として散らせてやる
機銃の乱れ撃ちで弾幕張るよ
オーラ防御のバリアで敵砲撃を凌ぎ、時に船体を傾けて豪快に受け流すのだ
敵位置を割り出したら焼夷弾で爆撃だ
拡声器か無線なりで敵艦に戦う意味を問うておくよ
明確な己が意志で戦う猛者の天使核くらいはどうにか回収してやりたいが叶うかねえ
一斉砲撃の布陣に対し、真威解放でバリア障壁全開で受けて立つ!
『やったか』なんて言ってる敵艦はそのまま加速しての突撃でバリアをぶつけて大破させんぜ
敬礼!
アリス・フェアリィハート
アドリブ連携歓迎
世界樹嵐…
そんな恐ろしいUCが
あったなんて…!
『でも…まずはこの防衛網を突破しなきゃです…』
【WIZ】
味方とも連携
翼で飛翔
【空中機動】等
【空中戦】で
立体的に立回り
ヴォーパルソードを手に
近接では
【切断】【なぎ払い】等の
剣戟で対処し
【ハートのA(アリス)】も
展開
魔法【誘導弾】で
【一斉発射】や【範囲攻撃】に
UCも使い
味方強化しつつ
強行突破を試みます
(UC使用時の味方強化は、男性の方には騎士鎧、女性の方には戦乙女の様な外観の、氷晶の
魔法鎧や武装等を着装させ強化)
『皆さん、頑張ってここを突破しましょう…!』
敵の攻撃は
【第六感】【見切り】【残像】【勇気】【結界術】【オーラ防御】で
防御・回避
雲海より浮上した屍人帝国は、再び雲海に沈もうとしていた。
伝説の秘術、
世界樹嵐。無限に雲海を生み出すその力によって、ブルーアルカディアは今、未曽有の危機に陥っていた。
「世界樹嵐……そんな恐ろしいユーベルコードがあったなんて……」
アリス・フェアリィハート(不思議の国の天司姫アリス・f01939)は自身の翼で空を舞いながら、伝説の秘術の存在に身を震えさせた。
完全な発動を許してしまえば、世界は雲海に呑まれてしまう。それを防ぐ為にも、かの拠点に上陸せねばならない。
「でも……まずはこの防衛網を突破しなきゃです……」
屍人帝国の拠点となる島の周辺には大量のガレオン船が並び、監視の目を光らせていた。
敵は全てガレオノイド。乗船している者達は、状況に応じて形態を使い分ける目論見であろう。
世界樹嵐発動の為邪魔はさせまい。そんな強い意思を感じさせる布陣であった。
「ふむ。敵ながら均整の取れた、良い布陣です」
勇士の用意した飛空艇に乗ったミニョン・エルシェ(木菟の城普請・f03471)は陣容を見渡し、感心したように呟いた。
この世界の緊急事態に集結した猟兵達もそうそうたるメンバーではあるが、おそらく一筋縄ではいくまい。
だが、これから起こる戦いへの思いとは別に、ミニョンにはもう一つ、興味の対象があった。
(「……私は『死』が興味の対象でしたが」)
ガレオン船の布陣の奥にそびえる屍人帝国の浮島。そこからうっすらと漂う雲海を見据えて、目を細める。
(「個人的にも禁忌には手を染めて見たくなる性質ですので」)
興味の対象は違えど、同じような性質を持つであろう『皇帝』はどのような人物なのであろうか。
「敵の首魁に会うのが楽しみです」
「身を犠牲にして世界樹嵐を起こすなんて、何の為に過去から現世に蘇ったのかわかりゃしねーぜ」
ミニョンの乗る飛空艇と並走する飛空艇『フォックステイル号』に乗った四王天・燦(
月夜の翼・f04448)は息を吐いた。世界を破滅に陥れることがオブリビオンの目的だったとしても、やりきれないものがある。
「ともかく、まずはあいつらだ」
燦は敵の布陣に目をやって、気合を入れなおす。
「船として戦い、船として散らせてやる」
「うーん、雲海ってもしかして中に骸の海が詰まっていたりして?」
敵の拠点からにじみ出る雲海を見て、ニクロム・チタノ(隷属者・f32208)は首を傾げた。
全てを溶かし、オブリビオンに変えてしまうという雲海は、骸の海と関係があるかもしれない。
とはいえそれを今知る術はない。ニクロムは意識を集中しなおし、敵陣を睨む。
「どっちにしてもこのまま放っておくわけにはいかないね!」
空を蹴り、重力を操って飛ぶニクロム。その脇を、ごう、という轟音と共に巨体が横切った。
「この空を、世界を。過去の雲海などに沈めさせはせん」
背のロケットエンジン『シュトゥルム・ラケーテン』を噴かせて空を飛翔するシュタルク・ゴットフリート(不滅なる鋼鉄の咆哮・f33990)は、内側に秘めた堅き意志を鎧に宿し、叫ぶ。
「――征くぞ!」
その咆哮と共に、猟兵達はライン・テリブルズの軍勢へと突っ込んでゆくのであった。
「敵襲!」
「近付けるな、全砲門、開け!」
ライン・テリブルズは敵の接近を察知すると、ガレオン船形態の者達を増やし、その砲塔を猟兵達へと向ける。
射程圏内に入れば、即座に砲弾の嵐が猟兵達を襲うだろう。猟兵達はそれでも、構うことなく距離を詰めてゆく。
間もなく射程圏内に入ろうかというところで、燦のフォックステイル号から無線通信が送られた。
「敵軍に告ぐぜ。この戦いの意味は何だ?」
『…………』
敵は答えない。答えることに意味を感じないのか、あるいは問われた言葉の意味すら理解しないのか。
「まぁ、しゃーない」
燦は諦めたように無線を切り、敵陣を睨む。
(「明確な……己が意志で戦う猛者の天使核くらいはどうにか回収してやりたいが……」)
この状況で難しいことを感じながら、燦はもどかしそうに歯を噛みしめた。
「敵射程圏内に入るぞ!」
シュタルクが叫ぶ。同時に敵陣でいくつもの発光と、黒い煙が上がり始めた。
「敵はガレオノイドか。その火力は脅威となろうが――俺は、正面から押通るのみだ」
背のシュトゥルム・ラケーテンの出力を上げ、シュタルクがまっすぐに突っ込んでゆく。
それに続く形で、ミニョンの飛空艇が前進した。迫る砲弾を見据え、不敵に笑う。
「良い布陣であるが故に。一つの綻びが、瓦解に繋がる事もあるでしょう?」
キラリと眼鏡を輝かせ、ミニョンはミサイルランチャー『城対龍高速誘導弾システム』より、ミサイルを一斉に発射した。
「私が飛んだら飛空艇は下がってください!」
ミニョンが叫びながら甲板を駆ける。手にした鉤縄をぶんと投げつけ、ミニョンは自身の発射したミサイルに乗り移る。
背後で飛空艇が敵射程圏から離れたことを確認すると、ミニョンは鉤縄を操り、ミサイルを制御する。
「このまま突撃です!」
無数のミサイルが、敵の砲弾をかいくぐり敵陣へと向かってゆく。
「何も無策で突っ込むような真似はしませんとも」
ミニョンは手を掲げ、まるで戦場全体を『かるたの畳』に見立てて呟く。
「
戦場はこの掌中に。女王の払いは、凡ゆる札を逃しません」
ぞくり。ライン・テリブルズ達の背筋が不意に凍る。直後、全ての敵がミニョンの手によって『払われた』。
一首掃撃・祓威。彼女ら自身がまるでかるた札のように扱われる状況に、砲撃の手が止まり、隊列に若干の乱れが生まれる。
「敵の持ち味は変形と連携。その統制が乱れれば、布陣にも隙が出来るでしょう」
その効果は覿面であった。僅かながらに止まった砲撃はミニョンのミサイルを難なく着弾させたのだ。
爆音と共に燃え上がるガレオン船に、影が落ちる。甲板のライン・テリブルズが空を見上げれば、太陽を背に翼を広げる、アリスの姿があった。
そう、統制の乱れは猟兵達の肉薄も許してしまっていた。
「お願いします……!」
その呼びかけに応じて、『ハートの
A』が舞い飛ぶ。ジュエルのハート達がガレオン船へと突っ込んでゆくと、縦横無尽に飛び回り、ガレオン船の船底に穴をあけた。
アリスはその隙に一気に接近をし、手にした剣にてガレオン船を一刀両断に斬り伏せる。
「じ、陣形変更、ガレオノイド形態に……っ!」
この状況に、一部のガレオン船が姿を変えようとする。だが。
「うおおおおっ!!」
そこにまるで巨大な砲弾のような塊が突き抜けた。それは不器用なまでにまっすぐな男、シュタルクの突撃であった。
内部からの爆発と共に轟沈してゆくガレオン船を背に、シュタルクはラケーテンの推力を上げ、敵から離れるべく高く飛翔してゆく。
「狙え、狙えっ!!」
周囲のガレオン船の120門カノン砲がシュタルクを狙い空を向く。
今回の目的は敵の全滅ではなく、敵陣突破だ。敵の被害も最小限に抑える事さえ出来れば、自身の消耗も抑えることが出来る。
「とはいえ被弾は避けるに越したことはない」
そう思いながら、足元から放たれる砲弾をから離れるべく、シュタルクは加速してゆく。
その代わりに降ってきたのは、ニクロムであった。
「反抗の力を!」
ニクロムの周囲に八つの蒼焔の盾が現れる。盾はシュタルクを狙った砲弾を弾き、受け流してゆく。
「恩に着る」
砲弾から逃れたシュタルクは、再び旋回し敵陣へと向かう。それを追おうとカノン砲の弾幕が一瞬途切れた瞬間、ニクロムは叫んだ。
「今だ!」
ニクロムが重力槍をガレオン船へと投げつけた!
重力槍は敵船に深々と突き刺さる。しかし、致命傷とは言えそうにない。だが、それでいいのだ。
「キミ達にかまってる時間はないんだ」
次の瞬間、ぐしゃ、とガレオン船がひしゃげた。
「キミ達の周りの重力を倍加しておいたよ」
ガレオン船が重力に引っ張られて雲海へと墜落してゆく。
「このまま突破させてもらう!」
そうして空いた陣形の穴に向かってニクロムは駆ける。
だが敵軍はまだ数が多い。ミニョンの策によって混乱し、判断ミスが続いていても、空いた穴を再び埋める程度の動きには対応できているようである。
ならば、さらに畳みかける他に道はない。
「焼夷弾爆撃!」
フォックステイル号から、焼夷弾が落とされた。爆撃によってガレオン船は燃え上がり、黒煙を上げながら雲海へと墜落してゆく。
そして出来た穴をまた別のガレオン船が埋め、さらに空いた穴はガレオン船の乗員が変形することで対処する。
想像以上に敵は厚い布陣をしていたといえるのかもしれない。
――これでは埒が明かない。その時であった。
「皆さん、頑張ってここを突破しましょう……!」
アリスを中心に、突如として戦場中を冷たい風が渦巻き始めた。その風は寒波となり、吹雪となってゆく。
「これも……また、私の氷河期魔法です……!」
アリスの髪色が透き通った氷雪の色に変化し、頭にスノードロップの花が咲いた。
それと同時に、猟兵達にも変化が訪れる。
ミニョン、ニクロム、燦には戦乙女を思わせる鎧が、シュタルクには鎧の上にさらに騎士の鎧が現れたのだ。
これらは全てアリスの氷河期魔法による氷晶の強化である。
「こりゃいい!」
さらに、フォックステイル号にも氷晶の装甲が装着される。そうなれば、多少の無茶でも問題ない。
「いくぜ!!」
燦がまっすぐ、敵陣へと突っ込んでゆく。飛空艇ほどの巨体であれば、強引に割り込み、突破することも可能であろう。
それを察知したライン・テリブルズは焦ったように叫ぶ。
「止めなさい!」
周囲のガレオン船が砲門を一斉にフォックステイル号に向け、砲弾を放った。
「総員決戦配備に着け! 全天使核起動。フォックスエンジン臨界駆動
……!!」
燦の声が爆音にかき消される。黒煙と炎がフォックステイル号を覆い尽くし、吹雪を押し返すほどの熱がガレオン船まで伝わってくる。
「やったか!?」
「そういうのは、お約束っていうんだぜ!」
直後、燦の言葉と共に、黒煙の中からまったく無傷のフォックステイル号が飛び出してきた。
「バリア障壁は伊達じゃねーんだよ! 加速、突撃ー!!」
そのままの勢いで敵艦に突撃してゆくフォックステイル号。バリアごと敵艦に衝突すると、敵艦の船体が真っ二つに割れてゆく。
「今度こそ、布陣に穴が開きました!」
ミニョンが叫ぶ。フォックステイル号が突っ込んだおかげで、即座に穴をうめることが出来ない程、猟兵達は敵陣に食い込んだのだ。
「一刻も早く儀式を止めさせないと!」
ニクロムが敵の島を見据えて、空を蹴って跳躍した。
「あぁ、一気に突っ込むぞ」
シュタルクのラケーテンが唸りを上げ、一気に加速する。
「世界樹嵐を止めなくては……!」
アリスが翼を広げ、舞う。
突破してゆく猟兵達の後を追いながら、燦はフォックステイル号の中から轟沈してゆく敵艦を見つめ返した。
「……敬礼!」
びしっと手を額に当て、燦は敵の戦いぶりに敬意を表するのであった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
氷宮・咲夜
【チーム・サクリファ】
相棒のリーファ・イスメリア(f38131)と一緒
禁忌とは未知という事に他ならない――by氷宮咲夜
なんてね、その未知を解き明かす誰かこそ誰あろう魔術師のこの私
修得儀式というのも興味深いわ、見せてもらえないかしら
と、そういう依頼じゃなかったわね
リファに乗れば古代魔法王国が誇る魔導推進力で一っ飛び?
リファはそうでも私はあっちに到着するまでにGと風圧で後ろにお辞儀できる体になっているわ
そんな作法の文化圏に出くわすまで却下
※UCを使用
学習力と瞬間思考力と瞬間記憶でフェアリークロークの魔法式を読み解き、それを魔導書代わりに周囲を迷彩の魔法で覆う
後はウィザードブルームで慎重に中央突破よ
リーファ・イスメリア
【チーム・サクリファ】
相棒の氷宮・咲夜(f37939)と一緒
禁忌とは「してはいけないこと」だと思います
それにしても、いつも冷静な咲さまがいつになく饒舌です
しかもかなり興奮されているよう
ここは咲さまの分も、わたくしが頑張ります
『星穿つ魔導鎧装』で推力移動
そして『星穿つ魔導剣』で逆方向の推力も働かせて箒の速度に合わせる
なんと難儀な事でしょう
これも試練と努力いたしますが、もしも
上手くいかなかった場合の事も考えておく事に
危機を知らせる『悠久の祈り』が導けば、超硬神化!
敵の注意が咲さまに向かぬよう、わたくしが囮に
咲さまを守るわたくしの思いは、どんな集中砲火にも砕けません
――禁忌とは、未知という事に他ならない――。
「なんてね」
氷宮・咲夜(精晶石の魔術師・f37939)はそんな風に一人ごちる。
屍人帝国が居を構える城より発せられる
世界樹嵐の力を敏感に感じ取り、咲夜の好奇心は膨れ上がっていた。
「その未知を解き明かす誰かこそ、誰であろう魔術師のこの私」
どんと大きな胸を張り、咲夜は自信満々に笑う。
「……禁忌とは『してはいけないこと』だと思います」
そんな咲夜の後ろで、リーファ・イスメリア(悠久の超硬姫・f38131)がぽつりと、咲夜に聞こえないように呟いた。
「それにしても……いつも冷静な咲さまがいつになく饒舌です」
咲夜はリファの視線をよそに、熱気のこもった口調でぶつぶつと呟いている。
「習得儀式というのも興味深いわ、見せてもらえないかしら」
「しかもかなり興奮されているよう」
そんな咲夜を見て、リーファは強い意思を固める。
「ここは咲さまの分も、わたくしが頑張ります」
こうして【チーム・サクリファ】による、屍人帝国突入作戦が開始された!
「咲さま」
リーファが咲夜を呼ぶと、ごぅごぅと鎧の背に魔力を蓄えて、空へと浮かび上がる。
「……と、そういう依頼じゃなかったわね」
我に返った咲夜は、リーファへと向き直る。
「乗ってください。わたくしの『星穿つ魔導鎧装』であれば……」
「古代魔法王国が誇る魔導推進力でひとっ飛び?」
リーファの言葉を遮って、咲夜は首を振る。
「リファはそうでも、私はあっちに到着するまでにGと風圧で後ろにお辞儀出来る身体になっているわ」
手を広げ、やれやれといった仕草をしてみせる。
「そんな作法の文化圏に出くわすまで却下」
「では……」
リーファの疑問に、咲夜は自信ありげに笑う。
「これを使うわ」
取り出したのはフェアリークローク。それを手にして、咲夜が呪文を唱え始める。
「力ある言葉と正当な資格を以て氷宮の魔術師咲夜が命じる」
フェアリークロークが浮かび上がり、魔法式が溢れ出す。それを読み解き、咲夜は告げる。
「万物の根源よ、我が意に従いここにその力を示しなさい」
すると、フェアリークロークの力が広がり、咲夜とリファを迷彩の魔法で包んでゆく。
「あとはこれで慎重に中央突破よ」
咲夜がウィザードブルームに跨ると、空へと浮かび上がった。
そのまま咲夜は静かに敵陣へと向かい始める。
「……なんと難儀な事でしょう」
リーファが難しい顔をして、咲夜の後を追う。背の魔導鎧装の推進力と手にした星穿つ魔導剣から放たれる推力、二つの力を調整しつつ咲夜の箒の速度に合わせなくてはならない。
「これも試練と努力いたしましょう」
しかし、簡単なことではない。フェアリークロークのステルス機能は咲夜以上に慎重に進むリーファをも隠してくれていたが……。
「あっ」
ふとした拍子に、リーファがぴゃーっとすっ飛んで行ってしまった!
「ど、どこ行くのリファっ!?」
リーファがステルスの範囲から離れてしまう。そして姿を現した瞬間、敵陣のライン・テリブルズ達の注目が一斉にリーファに集まった。
直後、リーファに囁く女性の声で、敵が完全にリーファを認識したことを理解する。
「仕方ありません」
リーファは落ち着いた様子で魔力を増幅させてゆく。
「悠久の時の祈りに包まれて、この身はオリハルコンをも超えていく」
増幅された魔力が光となってリーファを包み、リーファは高く剣をかざして叫ぶ。
「超硬神化、神硬姫アルティメットリリー!」
光が収束し、そこに現れたのは、超硬不落のアルティメットリリーであった。
「咲さまに向かぬよう、わたくしが囮になりましょう」
そう言い敵陣へと加速してゆくアルティメットリリーに、ライン・テリブルズ達からの集中砲火が浴びせられる。砲弾はアルティメットリリーへと直撃コースをとるが、アルティメットリリーは避けるそぶりも見せずにまっすぐ突っ込んでゆく。
「咲さまを守るわたくしの思いは……」
その意志がアルティメットリリーに力を与えてくれる。砲弾に真正面からぶつかり、叫ぶ。
「どんな集中砲火にも砕けません!」
その言葉の通り、砕けたのは砲弾の方であった。続けざまに放たれる砲撃も、アルティメットリリーには傷一つつけられない。その間にも咲夜は敵陣をすり抜けてゆく。
「助かったわ、リファ!」
こうして、息の合った(?)連携によって、チーム・サクリファは見事防衛網を突破し、敵の拠点へと足を踏み入れるのであった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ベルト・ラムバルド
アドリブ上等
屍人帝国め…
雲海に沈むのは貴様等のほうだ!
そして…空の上で燦然と輝くのは星と月と太陽と
このベルト・ラムバルドの名声である事を知らしめてやる!
キャバリア操縦してUCで空を高速で駆け抜け
敵軍の攻撃を瞬間思考力で落ち着いて回避!
情報収集と索敵で敵の位置を探り攻撃開始
サークランサーから巨大荷電粒子砲を乱れ撃って威嚇射撃
その隙に…雲海のギリギリを飛びながら敵の真下から接近
二刀の剣を振るい鎧無視攻撃と鎧砕きの2回攻撃で
戦艦状態の敵を真っ二つ!
そして急上昇してからの急降下でサークランサーを振りかざし突進
別の戦艦を串刺し貫通攻撃で貫き撃沈だ!
しまった!全員倒したら私の名を轟かす事が出来ないな…
アリス・フォーサイス
世界樹嵐、なんとしてでも止めないと。ただ、向こうも精鋭、工夫が必要そうだね。
へーんしん!エンジェルモード。
向こうから見て、太陽に重なる位置から目立たないよえに飛行して接近するよ。
近づけたら攻撃の隙を与えないうちにガレオン船に乗り込むよ。
へーんしん!ヴァルキリーモード。
魔法の剣を出して、相手が驚いている隙に素早く奇襲を仕掛けるよ。
殲滅する必要はない。突破のための穴を作るよ。
太古の昔、人々と天使達がこのブルーアルカディアに放逐された時、あるユーベルコードが使われたという。その伝説のユーベルコードこそが、無限に雲海を生み出す秘術
世界樹嵐。
それが今屍人帝国の手によって復活を遂げ、世界を雲海に包もうとしていた。
「世界樹嵐、なんとしてでも止めないと」
アリス・フォーサイス(好奇心豊かな情報妖精・f01022)が、屍人帝国の拠点を守るために布陣したオブリビオンの群れを眺めて呟いた。
全員がガレオノイドで構成されたライン・テリブルズは、遠近共に対応が可能な柔軟性を持っている。
「向こうも精鋭、工夫が必要そうだね」
そう言うと、アリスはその身を天使の姿に変えてゆく。
「へーんしん! エンジェルモード!」
大きな翼を羽ばたかせ、アリスは天空へと舞い上がった。
「屍人帝国め……雲海に沈むのは貴様等のほうだ!」
ベルト・ラムバルド(自称、光明纏う暗黒騎士・f36452)は暗黒騎士の姿をしたキャバリア『パロメデス』を操縦し、敵陣へと突っ込んでゆく。
「そして……空の上で燦然と輝くのは星と月と太陽と……」
びしぃとパロメデスの腕を天に掲げ、叫ぶ。
「このベルト・ラムバルドの名声である事を知らしめてやる!」
「敵襲! これ以上敵を通すな!」
ベルトのパロメデスを発見したライン・テリブルズが次々と臨戦態勢を取り始める。
人間形態で仲間の上に乗っていた者達が次々と空へと飛び降りながらガレオン形態へと変身、両弦の砲塔をパロメデスへと向ける。
「むっ、来るか!!」
ベルトは砲撃を見極めながらバーニアを噴かす。すると砲弾がパロメデスの脇を掠め、雲海の彼方へと消えてゆく。
瞬間的な思考力のなせる技。パロメデスは勢いを殺さないまま、敵陣へと接近してゆく。
「ここだ!」
キャバリア用巨大槍『サークランサー』の穂先を向けて、狙いをつける。
「荷電粒子砲を使う!」
サークランサーが輝き、何本もの光の線が走る。巨大なビームは敵陣へと乱れ飛び、迫る砲弾を迎撃しながら、浮かぶガレオンの船首や船底を貫いてゆく。
「被害確認! ……空?」
サークランサーからの被害を確認していたライン・テリブルズがハッとして空を見上げた。
空には太陽があるばかり。だが、その輝く太陽の中に、異質なものを感じ取る。
「……しまった!」
気が付いた時にはもう遅かった。太陽を背にした何者かがガレオンに落下してきたのだ。
「隙だらけだったよ」
それはアリスであった。アリスは目立たないように上空を飛翔し、一気に近付いたのである。
「へーんしん! ヴァルキリーモード!」
アリスが光に包まれ、戦乙女へ姿を変える。手をかざして魔法の剣を取り出せば、それを振って甲板の敵へと斬りかかる。
「周辺のガレオンに要請、人間形態となって加勢を……おい!」
ライン・テリブルズの一人が何かに気付き、仲間に叫ぶ。
「……前方の敵はどうした!」
その言葉に周囲が凍り付く。気付けば荷電粒子砲の乱射も止まっている。
「ははははっ! 私はここだぁ!」
足元の雲海からベルトの声が響く。パロメデスは荷電粒子砲の光とアリスの降下に紛れ、雲海スレスレまで降下、急接近を果たしていたのだ。
「真っ二つだっ!」
パロメデスが二刀の剣を振り上げながら上昇、船底からガレオンを一刀両断に斬り裂いた。
「そのまま一気にィ……!」
爆発四散するガレオンを見下ろして、ベルトのパロメデスは再びサークランサーを構える。
「串刺しだっ!!」
叫びながら一気に急降下、次なるガレオンへと槍を突き立てた。
「た、退避! ガレオン形態となって再編を……!」
沈みゆく船から逃げ出そうとするライン・テリブルズ。しかし。
「逃がさないよ」
それをアリスは見逃さない。魔法の剣を横薙ぎに払って、敵を切り伏せてゆくと、同時にガレオンの爆発が巻き起こり、人間形態のライン・テリブルズ達が飲み込まれてゆく。
爆炎を上げて次々と墜落してゆくガレオン。それを見下ろしてベルトはハッとする。
「しまった! 全員倒したら私の名を轟かすことが出来ないな……」
不覚とばかりに悩むベルトに、アリスが突っ込みを入れる。
「殲滅する必要は無いよ」
そう言いながら、猟兵達の攻撃によって乱れた敵陣に指を向ける。
「ほら、突破の為の穴ができた。ここから突っ込むよ」
「おぉ、そうか! ならば残る者達よ、私の名を覚えておくが良い!」
ベルトはコックピットから後光を射させて笑い、敵の群れに背を向けながら叫ぶ。
「私はベルト・ラムバルド! さらばだー!!」
こうして、二人は見事、敵陣を突破するのであった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ミスト・ペルメオス
・SPD
やるぞ、ブラックバード……!
愛機たる機械鎧を駆って参戦。
装備を介して念動力を活用、機体をフルコントロール。
出力最大。大気も重力も振り切って、思うままに空を駆けてみせよう。
とはいえ、まずは敵の防衛線を突破する必要がある。
強行突破も出来なくは無いだろうが……使えるものは使うべきだ。
サイキック・ゲート、展開──【シュラウド・ジャンプドライブ】ッ!
遠く隔てられた2か所を繋ぐ“ゲート”を随時発生させ、最大限に活かす。
例えば、超遠距離からの砲撃や弾幕射撃を至近距離や死角から叩き込む。
例えば、擬似的な瞬間移動を行い回避や攻撃、或いは反撃に繋げる。
このブラックバードを、お前達が捉えられると思うな……!
ブルーアルカディアに巻き起ころうという
世界樹嵐。
無限に雲海を生み出すその危険な秘術を阻止するべき集結した猟兵達と、迎え撃つオブリビオン達との間で、激しい戦いが繰り広げられていた。
(「やるぞ、ブラックバード
……!」)
上空を黒い影が横切った。ミスト・ペルメオス(銀河渡りの黒い鳥・f05377)の駆る、巨大な機械鎧である。
(「出力最大、サイキック、フルコントロール!」)
ミストの念動力を一身に受けた機械鎧『ブラックバード改』が加速してゆく。
目指すはライン・テリブルズが防衛線を敷くその奥、屍人帝国の拠点となった浮島の中枢であった。
(「まずは敵の防衛線を突破しなくては」)
強行突破も不可能ではない。大量に布陣した敵軍を全て撃破できるほどの時間的余裕も存在しない。だが。
敵軍から放たれた砲撃を見て、ミストは考える。
(「使えるものは使うべきだ」)
そう考え、ミストは念動力を集中させてゆく。
(「アクセス……ッ」)
そうして繋がった空間とのリンクを巧みに操り、ミストは叫ぶ。
「シュラウド・ジャンプドライブ!」
戦場の2箇所に、空間を繋ぐサイキック・ゲートが現れた。
一つはミストの前に、そしてもう一つは、敵艦の船底に。
直後、どぉんと遠方のガレオンから爆発と炎が吹きあがった。
(「よし!」)
ミストは迫る砲弾を、繋げた二つのサイキック・ゲートによって敵船へと返したのだ。
死角からの被弾によって、敵ガレオンは浮足立つ。被弾した方角への警戒を強め、いもしない敵を探し、注意が散漫になる。
そうなれば、もはやミストの動きについてゆける者はない。
「前方敵影ロスト! ……上!?」
空から黒い影が落ちる。遥か遠方にいた筈のブラックバードが、なんと間近に迫っているではないか。
「このブラックバードを、お前達が捉えられると思うな
……!!」
手にしたビームアサルトライフルで甲板を蜂の巣にすると、ブラックバードは再び繋いだサイキック・ゲートへと入り込み、次なる標的へと瞬間移動する。
敵軍は神出鬼没な巨人になすすべなく、次々と撃沈させられてゆく。
(「今だ! 陣形に穴が開いた!」)
ミストはブラックバードを加速させ、敵の防衛網へと突っ込んでゆく。
それを止められるほどの戦力はもはやその空域には残っていない。
オブリビオン達はただ茫然と、敵が離れていくのを見送るしかなかった。
大成功
🔵🔵🔵
第2章 集団戦
『連斬エリート兵』
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POW : 連斬魔獣突撃
【近距離武器】が命中した対象に対し、高威力高命中の【召喚魔獣による突撃】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD : 連斬弾幕射撃
レベル×100km/hで飛翔しながら、自身の【遠距離武器】から【高密度の弾幕】を放つ。
WIZ : 連斬瞬速突撃
速度マッハ5.0以上の【超音速飛行による体当たり】で攻撃する。軌跡にはしばらく【衝撃波】が残り、追撃や足場代わりに利用できる。
👑11
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屍人帝国の中枢へと降り立った猟兵達は、周囲の異常な状況に息を飲んだ。
巨大な樹木の根が触手のようにうねり、建物、オブリビオン、そしてこの大陸を支える天使核さえもその触手に侵蝕されていたからだ。
これが世界樹嵐習得儀式による影響なのだろう。術者のみならず、周辺の環境までも犠牲にして、世界をすべて飲み込もうとしている。
「あぁっ……」
「うぅぅっ……くぅっ」
猟兵達に向かって、呻き声が近付いてくる。皇帝を守る兵士達が現れたのだろう。
しかし、そんな兵士達も全員が『樹木触手』に侵され、大きく露出した肌からぐねりと何本物樹木触手を生やしていた。
「まも……らなきゃ」
「世界樹嵐の使い手……皇帝を……」
もはや自我すらも樹木触手に侵蝕されたオブリビオン達は、樹木触手と共に猟兵達へと襲い掛かる。
世界樹嵐の使い手、『五重奏の魔女』ソレスティ・マキアの元へと辿り着くには、これらのオブリビオンを全て倒さねばならない。
しかし、オブリビオン、そして周辺環境に存在する樹木触手達は、それを阻むべく猟兵達へと攻撃を仕掛けてくるだろう。
通常のオブリビオンからの攻撃に加え、樹木触手からの攻撃――。
猟兵達には、二つの攻撃へ対処することが求められていた。
アリス・フェアリィハート
アドリブ連携歓迎
こんな…
大陸や周囲の環境のみならず
配下の兵士の方々まで
あんなに苦しめて…
『世界樹嵐…絶対に阻止しなきゃです…!』
【WIZ】
味方と連携
翼で飛翔し
【空中機動】【空中浮遊】【滑空】等の
【空中戦】で
敵に囲まれない様
立体的に立回り
ヴォーパルソードに
【破魔】を込めて
【切断】【なぎ払い】や
【ハートの
A】も
展開
剣同様に【破魔】を込めて
魔法【誘導弾】の【一斉発射】や【範囲攻撃】で
樹木触手に対処しつつ
UCで
敵の兵士達を攻撃
『貴女がたを…救って差し上げる事は…もう、できませんけれど…せめて…苦痛や外傷が無い様に…』
敵の攻撃は
【第六感】【見切り】【残像】
【結界術】【オーラ防御】で
防御・回避
ニクロム・チタノ
痛々しい姿だけど半分は自業自得だよ、でもできるだけ早く楽にしてあげるね
反抗の加護あり
敵を近付けるのは得策じゃないからね、まずは重力領域を展開して敵の動きを封じるよ
厄介な触手は蒼焔で燃やし尽くしてあげる
動けないところ悪いけどキミ達は反抗の雷装でトドメだよ!
世界樹嵐思っていた以上に恐ろしい能力だ・・・このままにしておけない早く止めなくちゃ!
四王天・燦
個性も尊厳も奪われた姿を見てて可哀想になる
アタシの正義の押し売りかもしれねえが、世界樹嵐から解放すべく押し通らせてもらうぜ
アークウィンドを振り回して風属性攻撃の衝撃波を乱れ撃つよ
樹木触手は切り払う
敵兵の超音速飛行の機動を制限し見切りやすくしておくぜ、ついでに暴風で飛び道具の照準を定まらないようにしときましょ
突撃してきたらカウンターでその豊満なお胸に浄化の稲荷符を貼り付けてやる
少しでも樹木触手から自我を取り戻せますように
一応敵なのでマヒ攻撃の符も使うよ
乱戦になってきたら敵の中を縫うように駆けながら符を貼るぜ
仕込みは上々、仕上げに八卦迷宮陣を発動させて帝国の繁栄の夢を見せながら逝かせてやるさ
南無三
シュタルク・ゴットフリート
なんたる悍ましい有り様か…!
何ゆえに大陸を、其処に生きる人々を滅ぼす為に其処までするというのだ、貴様らは…!
それ以上の苦悶は不要、全て焼き滅ぼしてくれよう!
(UC発動、砲撃形態へと変形)
リヒト・ランツェ、フォイヤ・ヴェスペ展開。炎属性のビームと焼夷弾頭のミサイルを斉射、樹木触手も召喚獣も諸共に【焼却】してくれよう。
周囲からの不意打ちを防ぐ為、視界内の敵を殲滅しながら一歩ずつ着実に前進。
もし横合いからの奇襲があれば、アイゼンファウストを射出して殴りつけ【吹き飛ばし】てやるとする。
この炎が、貴様らの野望を焼き尽くす炎と知るがいい…!
「こんな……」
迫り来るオブリビオンを前にして、アリスが痛ましそうに目を伏せた。
肉体を突き破り絡みつく樹木触手。オブリビオン達はその触手に突き動かされるように、猟兵達に立ちはだかっていたのだ。
「なんたる悍ましい有り様か……!」
シュタルクの拳が怒りに震え、ぐぅっと握られる。
「大陸や周囲の環境のみならず、配下の兵士の方々まであんなに苦しめて……」
アリスの言葉に続けて、シュタルクが僅かに声を荒げる。
「何ゆえに大陸を、其処に生きる人々を滅ぼす為に其処までするというのだ、貴様等は
……!!」
「う、う……ふふ、全ては、世界樹嵐の……ため……」
兵士は苦悶の表情を浮かべながらも、どこか恍惚とした声で呟く。まるで使い手を護る事こそが至上の喜びであるかのようであった。
「見てて可哀想になるぜ」
燦が溜息をつく。個性も、尊厳も、自由意志も奪われた兵士達の姿は、オブリビオンながらに哀れであった。
「痛々しい姿だけど、半分は自業自得だよ」
ニクロムはそう断じる。しかし続けて、兵士達に告げる。
「でも、できるだけ早く楽にしてあげるね」
その言葉を皮切りに、猟兵達は皆武器を構え始める。
「世界樹嵐を……そして皆さんの苦痛を止めてみせます……!」
アリスは伏せた目を開き、翼を大きく広げて高く舞い上がった。
「敵を近付けるのは得策じゃないね」
ニクロムは迫る兵達を待ち構え、力を籠める。
「反抗の加護あり」
その言葉と共にニクロムの足元が窪む。ニクロムから広がった重量領域が兵達の動きを鈍らせ、接近を阻む。
「う、あぁあっ……!」
兵達は半ば強引に近付こうとするが、重くなった身体は遂に限界を迎え、身動きを取れなくする。だが。
「まだ動くんだ」
ニクロムが意外そうに呟く。兵達は既にその場から一歩も動けなくなっていたにも関わらず、彼女らの肉体から生え出た触手達は重力に抗い、猟兵達を目指していたのだ。だが、ニクロムは慌てずに笑みを崩さない。
「焼き尽くしてあげる」
触手がニクロムへと迫った瞬間、その先端が蒼い炎で燃え上がった。反抗の加護によってニクロムを覆う、護りの蒼焔であった。
「動けないところ悪いけど、君達はこれでトドメだよ!」
ニクロムから雷が迸る。反抗の雷装、その力が燃えてゆく樹木触手を通して、兵達へと撃ち込まれた。
「うぁああっ
……!!」
内側から肉体をズタズタに切り裂かれ、兵達が倒れてゆく。だがそれを踏み越え、或いは重力遅滞を避け、新たな兵達が猟兵達へと迫る。
そんな兵達に向け、シュタルクはがっちりと足を大地に踏みしめて立ちはだかった。
身にまとった鎧の肩部装甲が巨大な砲門『リヒト・ランツェ』へと変わり、鎧の各部からは小型ミサイルランチャー『フォイヤ・ヴェスペ』が展開される。
「それ以上の苦悶は不要、全て焼き滅ぼしてくれよう!」
その宣言と共に、灼熱のビームと焼夷弾頭ミサイルが発射された。
ビームが戦場を一直線に貫いて、それに触れた者達を焼き尽くしてゆく。ミサイルは着弾地点を焼き払い、周囲は火の海へと変わっていった。
「樹木触手も召喚獣も諸共に焼却してくれよう!」
そう宣言するシュタルク。その眼に隙は無いが、樹木触手の生命力もまた高かった。
「……むっ!」
炎の海を割って、兵達が側面からシュタルクへと襲い掛かったのだ。
「させん!」
シュタルクは拳を突き出し、腕甲にのロケットエンジンを起動させる。
「アイゼンファウスト!」
射出されたロケットパンチが迫る兵達を吹き飛ばす。だが、後続より新たな兵達が押し寄せてくる。
「行って……ハートの
A……!」
空からジュエルのハート達が、兵を貫いた。空へと羽ばたき、上空より敵を攻撃していたアリスの援護であった。
「こいつも持ってきな!」
続けて燦が風を生み出す短刀『アークウィンド』を振り上げ、衝撃波を放つ。
衝撃波は暴風を生み出しながら樹木触手を切り裂いて、兵達を吹き飛ばしてゆく。
「助かった」
シュタルクは短く礼を言うと、借りは返すと言わんばかりにビームで周囲を薙ぎ払うのであった。
「上……かぁっ……」
「……っ!!」
炎に包まれた戦場で、兵がギロリと空のアリスを睨みつけた。ニクロムの重力場に、シュタルクによるビームとミサイル、さらに燦の暴風によって、地上に安全地帯は無い。
兵達は翼を広げると、アリスを標的と定めて空へと飛び上がった。
「囲まれないように……っ!」
アリスはヴォーパルソードを手に身構え、翼を羽ばたかせてさらに空へと舞い上がる。
「お願いっ……!」
続けてアリスはハートの
Aを放ち、兵達を迎撃する。破魔の力を籠めた魔法のジュエルで兵達に生えた樹木触手を切り裂き牽制していると、アリスはあることに気が付いた。
「……これは……」
「……そこ……だっ!」
兵が翼を一層強く羽ばたかせた。直後、超音速にまで達する程の突撃がアリスへと向けられる。だが。
「道筋が分かれば、怖くありません」
アリスはそれを難なく躱し、凛とした声で告げた。
「へへーん」
地上の燦がぐっと親指を立てる。アークウィンドから放たれた暴風は、知らず知らずのうちに兵達の行動範囲を狭め、超音速飛行の為の軌道を制限させていたのだ。
「くっ……おぉおっ……」
兵達の一部が標的を変え、燦へと突っ込んでゆく。だがこれも既に仕込み済み。軌道の制限された中での突撃など、見極めは容易。燦は悠然とした態度でそれを迎え撃つ。
「その豊満なお胸にっ!」
すれ違いざまにぺたん、と貼られたのは燦の稲荷符。身体を痺れさせ、浄化の力を身体に染み込ませてゆく。
「少しでも樹木触手から自我を取り戻せますように……っと」
離れてゆく兵を見送りながら、燦は同じ要領で兵達に符を張り付けてゆく。
「この炎が、貴様らの野望を焼き尽くす炎と知るがいい……!」
燃え上がる戦場を眺め、シュタルクが告げる。もはや戦況は完全に猟兵達優位となり、兵達の多くは炎や雷の中に消えていった。
それでもまだ生き残っている者がいる限り、世界樹嵐の使い手の元へ辿り着くことは出来ないだろう。何故ならば、彼女達はその身が朽ちるまで猟兵達に追いすがり、抵抗を続けるからだ。
「貴女がたを……救って差し上げることは……もう、できませんけれど……」
その痛ましい姿に、アリスが剣を掲げ、祈りを捧げる。
「せめて……苦痛や外傷が無いように……」
アリスの周囲に、何本ものヴォーパルソードが浮かび上がる。
「勇気と希望をもって……貴女がたの中の【虚ろの怪物】さんを斬り祓って差し上げます――」
生き残った者達に向けて、剣が一気に降り注ぎ、突き立てられた。
「……あっ……がっ……」
傷はない。だが、兵達は皆、静かに倒れてゆく。
「最期にいいもん見せてやるぜ」
そんな彼女達に、燦が静かに言う。
兵達の胸に貼り付けられた稲荷符から、八卦結界が放たれる。
「あぁ……見える……帝国の……」
繁栄。現実にはあってはいけない光景だ。それでも燦は敵に幸福な幻を贐としたいと思った。
「せめて夢の中だけでもな」
南無三、と呟き、燦は彼女達を送るのであった。
「世界樹嵐って、思っていた以上に恐ろしい能力だ……」
ニクロムの呟きに、シュタルクが頷いた。
「これほどの代償を払ってまで大陸を滅ぼしたいなどと……」
恐ろしいのは雲海を無限に生み出す力だけではないと実感した。発動までに失われるものだけでも、狂気としか言いようのないものであった。
「このままにしておけない。早く止めなくちゃ!」
ニクロムが拳を握る。その為にも、再び迫る敵を蹴散らさねば――!
そう心に誓う猟兵達は、再び戦いの中へと向かってゆくのであった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
氷宮・咲夜
【チーム・サクリファ】
相棒のリファ(f38131)と共に戦うわ
これが儀式が齎した影響なの……言葉を失うわね
その術者が後に控えているなら、大魔法は温存一択か
ウィザードブルームで包囲を避けて空中戦
いくらリファが硬くても触手で一網打尽にされたら終わり
UCを使うわ
何って、魔法で私達の戦いを秘匿したの
これで彼らと戦っても他の大勢は気にしない
って、リファ?何を怒っているの
駄目ね。これはいくら頭を下げてもきかないやつ
後ろにもお辞儀できる体になっておくべきだったかしら
割と真剣に宥め方を考察し始めた瞬間思考力のお陰で敵の突撃を見切り
後ろがお留守なリファの窮地も予測
魔導書:水で水流を高速詠唱で射出、援護射撃するわ
リーファ・イスメリア
【チーム・サクリファ】
相棒の咲夜さま(f37939)と共に戦います
星穿つ魔導鎧装と星穿つ魔導剣の推力移動による空中戦
更に『オリハルコンパワー』を発揮して推力と硬さを生かした戦いをします
制御を考えると速度は互角でしょうか
更に超硬神化すれば……できない?!
その理由は、古の家臣達の記憶が兵や樹木触手達と重なってしまうから
なのですが、咲さま何かされまして?
何てこと!
そんな忠義を踏みにじる行為、許せません
彼らに代わって後でお仕置きです
残る者には忠義を尽くさせてあげたい
迷いを振り切って、わたくしは超硬神化
騎士の一騎打ちに倣い、瞬速突撃に捨て身の突撃で応じて参ります
彼らに滅びを与える罪を痛みとして刻みながら
「これが儀式が齎した影響なの……言葉を失うわね」
咲夜は迫り来るオブリビオン達の痛ましい姿に、深い溜息をついた。
一時でも追い求めた未知の禁忌がこんなものであろうとは。失望にも似た思いを胸に、咲夜は中枢へと目を向ける。
「術者が後に控えているなら、大魔法は温存一択か」
ウィザードブルームに跨った咲夜は、空へと浮かび上がって敵群を観察する。
「随分と大人数。どれも樹木触手に侵蝕されているわね」
オブリビオン達は樹木触手を生やすことにより、手数を大幅に増やしている。それだけでもかなり厄介になっている筈だ。
そんなオブリビオン達が咲夜を見上げ、翼を広げた。
「……来るっ!」
身構える咲夜。だがそれよりも早くオブリビオン達は咲夜へと突進を仕掛けてくる。
「させません!!」
それを側面からリーファが突っ込み、食い止める。
星穿つ魔導鎧装、星穿つ魔導剣、二つの推力が重なったリーファの速度はオブリビオンにも並んでいた。
「制御を考えると速度は互角でしょうか」
しかし、リーファには魔法金属の『オリハルコンパワー』がある。硬度の面ではリーファに分がある。更に。
「超硬神化をすれば……!」
だが、リーファの視界が歪む。ぐらりと頭の中で暗い記憶が渦巻き、人と世界を護ろうという意思が失われてゆく。
「くっ……」
目の前に立つ兵士達の姿が、リーファの記憶の中に残る家臣達に重なってしまったのだ。
「超硬神化……出来ない!?」
その異変に、リーファは敵と対峙したまま視線だけを咲夜へ向け、尋ねる。
「咲さま……何かされまして?」
リーファの言葉に、咲夜がきょとんとした顔で首を捻る。
「何って……魔法で私達の戦いを秘匿したの」
咲夜の言葉にを受けてリーファが地上のオブリビオンを見下ろすと、彼女達は誰もリーファ達へ目をくれようともしていない。まるで当然のことであるかのように振る舞っている。
「これで、他の大勢は気にしない」
それは咲夜なりの、リーファへの援護であった。
大勢の敵が押し寄せ、触手との多重攻撃を受けてしまえば、いくら頑丈なリーファといえど、被害は免れないだろう。だからこそ、最初に咲夜達へ襲い掛かった一団に絞ることが有効であると考えたのだ。しかし。
「……何てこと!」
リーファは声を荒げる。
「って、リファ? 何を怒ってるの?」
「そんな忠義を踏みにじる行為、許せません!」
例え敵であろうと、やろうとしている行為が何であろうと、オブリビオン達は皇帝の為に戦っている。咲夜の魔法はその想いを奪ってしまったのだ。
「彼らに代わって後でお仕置きです」
「……後ろにもお辞儀できる身体になっておくべきだったかしら……」
咲夜が自嘲気味に笑った。こうなったリーファはもう、いくら頭を下げようと許してくれないからだ。
どのように窘めるか、そんなことを考えてしまうが、此処は戦場。
「……後ろ!!」
咄嗟に敵の襲撃を察知した咲夜が、魔導書から水流を放って敵を吹き飛ばした。背後が留守になりがちなリーファの背を護るように、咲夜は敵と対峙する。
対してリーファは、未だ迷いの中。剣を構え、じっと黙し、自らの想いを問い直す。
「残るものには忠義を尽くさせてあげたい……」
ならば。重なった家臣達の顔ごと迷いを振り払い、リーファは叫ぶ。
「超硬神化、神硬姫アルティメットリリー!」
リーファの姿が変化してゆく。人と世界を守る意思を滾らせ、再び超硬不落の騎士が誕生したのだ。
「……参ります!!」
切っ先を向けると同時に、オブリビオンが突進を仕掛けてくる。
振り上げた剣が震える。それをぐっと握りなおして力強く振り下ろす。
「はぁぁあああっ!!」
斬撃が、樹木触手とオブリビオンを切り裂いた。
「あぁあああぁぁあっ
……!!!」
断末魔の悲鳴と共に、オブリビオン達は消えてゆく。その姿を見る度に、リーファの心にずきりと刺さるものがあった。
「……」
滅びを与える事への罪の意識。それを刻みながらもリーファは剣を振う。
感傷に浸って手を止めれば、滅びるのは世界の方だ。だからこそ、痛みを胸に敵を蹴散らさねばならないのだ。
そして、チーム・サクリファを狙うオブリビオン達は皆、骸の海へと還っていった。しかし、それを知る仲間はここにはいない。
最後に放った咲夜の魔法。その水滴がぽたりとリーファの顔を打った。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ベルト・ラムバルド
アドリブ上等
破廉恥な!
…それに体に纏わりついてる樹木の触手が気持ち悪い!
それだけじゃない…周囲にまで触手が蠢いてる!
クソー!空の上で草刈りせねばならんとな!
キャバリア操縦し戦闘
情報収集と索敵で敵の攻撃を落ち着きながら瞬間思考力回避
二刀の剣を振り回し触手を鎧無視攻撃で切断
兵を範囲攻撃でなぎ払いたい…が…!
兵はなんとかなるがあの触手が無限に生えて本当に邪魔!
根本から焼かねば…な!?しまった!写真を落とした~!
あ、写真が…あ、アンナさんに!?
なんという奇跡!しかも炎を触手に放ってくれてる!
助かった!なんという救いの女神でしょう!
炎で触手がのたうち回ってる隙に兵共を
ばっさばっさと切り捨ててやるわ~!
「破廉恥な!」
ベルトはキャバリア『パロメデス』に搭乗しながら、オブリビオン達の姿を見て叫んだ。
屍人帝国中枢を守る兵士達は、ビキニアーマー姿の天使であった。しかしその肌を突き破ってうねる樹木触手に、顔をしかめる。
「それに樹木の触手が気持ち悪い!」
だがそれだけではない。世界樹嵐の影響で、周囲は樹木触手だらけ。そのどれもが禍々しく蠢き、浮島の異様さを際立たせていた。
「クソー! 空の上で草刈りせねばならんとな!」
そんな風にぼやきつつも、ベルトはビームセイバーとカリブルヌスソードの二刀を構え、触手へと斬撃を放つ。触手達は切り裂かれ、その余波でもて兵達をも巻き込んでゆく。
「よぉーし、このまま薙ぎ払ってやるぞぉ!」
意気揚々と再び剣を構えるが、なんと切り裂かれた触手の断面から、新たな触手が生え始める。
「だぁー! あの触手、無限に生えて本当に邪魔!」
このままでもオブリビオンを倒すことは可能だろうが、その為に無駄な労力がかかる。
「根元から焼かねば……」
そう思案するベルトは、樹木触手をもっと良く、肉眼で見てやろうとコックピットのハッチを開く。
その時であった。
「なっ!?」
ひらり、何かがベルトの懐から落ちた。
「しまった! 写真を落とした~!!」
それは彼の想い人をこっそり撮った写真であった。見つかればお縄も有り得るそれが蠢く触手の中へと落ちてゆき、証拠隠滅……というわけにもいかない!
ベルトは必死で手を伸ばすが、写真は空に舞って手から逃れる。あぁ、もはや離れ離れになってしまう運命なのか……。
「あ、写真が……」
その時、奇跡が起こった。写真が光り輝いて、大きく形を変えてゆくのである。
「あ、アンナさん
……!?」
その姿は紛れもなく、ベルトの想い人のものであった。しかも、そのアンナさんは触手へ炎を放ってくれている!
ベルトがまさにやりたいと思っていたことを、写真のあの娘はやってくれているのだ!
「助かった! なんという奇跡! なんという救いの女神でしょう!」
ベルトの背後に後光が射した。触手が炎で焼かれ、のたうち回っている姿を見て、彼は高らかに笑う。
「この隙に、ばっさばっさと切り捨ててやるわ~!!」
愛する人の炎に囲まれながら、ベルトの二つの刃が唸る。
オブリビオン達は瞬く間に切り裂かれ、炎の中へと消えてゆくのであった。
大成功
🔵🔵🔵
オメガ・カストゥール
遅れ遊ばせながら、我、参上。
ともかくとして、世界樹嵐を起こすもの、それは我々の領域を侵す敵。
オブリビオン、骸の海に落ちるがいい。
奴らが素早い動きを繰り出して攻撃か。
竜族を舐めるな。
火精顕現。防御力強化し、敵の攻撃を喰らうと同時に自らの右手を的に叩きつける。
「我の鱗は強固。貴様らに我を落とすことは出来ぬ」
遠距離の敵には火の【属性攻撃】【ブレス攻撃】【なぎ払い】【範囲攻撃】で次々と落としていく。
「待っていろ首謀者、世界樹嵐は絶対に使わせん」
アリス・フォーサイス
樹木触手達に精鋭兵か。厳しいね。でも、諦めないよ。そこからお話は生まれるんだから。
体当たり攻撃をオーラ防御で受ける。
捕まえた!
ゼロ距離ウィザードミサイルをお見舞いするよ。
動かなくなった兵を盾にまわりの兵にもウィザードミサイルをみだれ打つ。
後ろ!死角からの奇襲攻撃も見逃さずに避けるよ。
反撃だ。集中砲火!
ミスト・ペルメオス
・POW
これは……。いや、何であれ倒せば済むはずだ……!
敵中枢、その異様な光景に気圧されている場合ではない。
樹木に侵蝕されながらも迎撃してくる敵勢を撃破し、道を拓く!
敵中枢にあるものすべてが敵と見做せるだろう。ならば、出し惜しみは無しだ。
【ミューテーション・アンスピーカブル】……!
異次元世界から力を引き出し……自身と愛機を、サイキックエナジーとの融合体に変異させる。
そうして自在に飛び回りながら射撃主体の超高速戦闘を仕掛けつつ、念動力の嵐を発生させて戦域全体を包み込んでやる。
念動力の嵐は敵だけを侵蝕する。徐々に弱体化させ、弱いものなら無力化させる。
あとは殲滅するだけだ。こちらが消耗する前に……!
「これは……」
機械鎧『ブラックバード』の中からオブリビオンの姿を見たミストは絶句する。
オブリビオン達の肉体には、内側から食い破られるように生え出た樹木触手が蠢いており、彼女らはその痛みに苦悶の表情を浮かべながらも、猟兵達に全力で向かってきていた。
「樹木触手に精鋭兵か。厳しいね」
アリスも難しそうな顔をする。オブリビオン達は皆訓練された兵である上に、侵食された樹木触手の影響で、世界樹嵐の使用者を守る為だけに、限界を超えた力を発揮しようとしていたからだ。
「でも、諦めないよ」
アリスはにこりと笑う。
「そこからお話は生まれるんだから」
「何であれ、倒せば済むはずだ……!」
ミストもその光景に気圧されている場合ではないと顔をはたく。このような惨状を放置すれば、世界は雲海に沈んでしまうのだ。悩んでいる暇などはない。
「敵勢を撃破し、道を拓く!」
ミストは視界にあるものすべてを敵と見做し、ブラックバードに念動力を送り込む。
「出し惜しみは無しだ……」
ミストのサイキックエナジーが、異世界の扉を開く。扉より力が湧き出てミストとブラックバードを一つに融合させてゆく。
「シュラウド、――その力を、貸せ……!」
その呼びかけと共に、サイキックエナジーの融合体となったミストから念動力の嵐が吹き荒れる。
(「戦場全体を……包み込んでやる」)
上空を自在に飛び回り、嵐と共にアサルトライフルを放つ。
その一射一射が致命の一撃となり、オブリビオン達を撃ち落としてゆく。オブリビオン達はミストに近付くことすら出来ず、その念動力の嵐によって力を失うものまで現れた。
「……っ!!」
だが、それでも敵は起き上がってくる。オブリビオンの力が失われようが、侵蝕した樹木触手が肉体を強引に動かしているのだ。
樹木触手が嵐を切り裂き、ミストの腕へと絡みつく。そのまま肉薄し、ミストへと一撃を叩きつけようとした瞬間、触手が炎に包まれた。
「遅ればせながら、我、参上」
そこに現れたのはオメガ・カストゥール(火焔竜にして、竜神王・f34605)であった。
「世界樹嵐を起こすもの、それは我々の領域を侵す敵……」
オメガは大きく翼を広げ、敵を威嚇する。
「オブリビオン、骸の海に落ちるがいい」
99メートルもの巨体が空を駆ける。ミストの嵐に乗ってさらなる加速を得れば、迫るオブリビオン達を薙ぎ払ってゆく。
「が、あぁあ……」
ミストとオメガ、二人の爆発的な攻撃から逃れた者が、オメガの右腕に貼り付いた。オブリビオンはオメガの一枚の鱗へ斧を振り下ろす。
「竜族を舐めるな」
ぎぃんと固い音が響き、オブリビオンの斧が砕ける。それと同時に、オメガは右腕をオブリビオンごと大地へと叩きつけた。
「我の鱗は強固。貴様らに我を落とすことは出来ぬ」
オメガは傷一つない鱗を見せつけ、そう誇るのであった。
もはやオブリビオンには『敵に貼り付き、武器での攻撃をする』などという選択肢は残されていなかった。
ならばやることは、肉体すべてを使った特攻である。
「ぐぅ……ぅああっ!」
大きく翼を広げたオブリビオンが力強く羽ばたいた。爆発的な加速力によってオブリビオンの身体は音速を超え、猟兵達へと突撃する。
――だが。
「捕まえた!」
その音速の突撃をアリスは幾重にも張ったオーラの障壁で受け止めてしまた。
「ウィザードミサイルだよ」
アリスとオブリビオンの間で、炎の魔力が膨らんでゆく。それは無数のウィザードミサイル。それをアリスはゼロ距離でオブリビオンへとぶつけてゆく。
「……がっ……」
生え出た樹木触手は消し炭となり、オブリビオンもぐったりと項垂れる。もはや命は失われ、骸の海へと還るばかりとなったそれに組み付いたアリスは、続けて迫る気配を感じ取る。
敵にとって、仲間の命や骸……果ては自身の命でさえどうでも良いのだ。ただ侵入者を殺し、世界樹嵐が成就されればそれで良い。
幸いアリスはオブリビオンに組み付いたまま。同じ戦法は使えまい。だがそれはアリスも承知の上。
「みんなにもあげるよ」
骸の影から、無数のウィザードミサイルが飛び出した。アリスは骸を盾に、後続を迎え撃ってゆく。
「……後ろ!」
アリスが骸を投げ捨て、攻撃を咄嗟に躱す。
「死角だって見逃さないよ」
にこっと笑って反撃のウィザードミサイルを放つ。もはや猟兵達に隙は無かった。
「あとは殲滅するだけだ。こちらが消耗する前に……!」
ミストがアサルトライフルを乱射しながら、敵の残数をカウントしてゆく。これまでに多くの猟兵達がこの戦場で戦ってきた成果もあり、間もなく、しかしようやく全滅の兆しが表れ始めていた。
「グルォルルルルルギャオォオオオム!!」
オメガの炎が戦場全体を煌々と照らした。その勢いはオブリビオンのみならず、浮島に侵蝕した樹木触手をも焼き払う。
「ねえ、あれ」
燃えて崩れてゆく樹木触手の一部を、アリスが指さした。
そこには中枢の天使核へと至る道……即ち『五重奏の魔女』ソレスティ・マキアへと至る道が現れたのだ。
「あの奥に
……!!」
ミストは燃えカスを念動力で吹き飛ばし、巻き込まれたオブリビオン達を撃ち落とした。
「ちょうどこれで、全部みたいだね」
アリスが指折り数えて言う。周囲にオブリビオンの気配はなく、とうとうこの戦場の敵が一掃されたことを猟兵達は実感する。
「待っていろ首謀者、世界樹嵐は絶対に使わせん」
オメガは咆哮するように告げた。それは中枢で待つソレスティ・マキアにも、確かに響いたことであろう。
大成功
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第3章 ボス戦
『『五重奏の魔女』ソレスティ・マキア』
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POW : サクリファイス・サモニング
自身の【所有する大量の召喚石と天使核】を代償に、1〜12体の【さらに強力な召喚獣】を召喚する。戦闘力は高いが、召喚数に応じた量の代償が必要。
SPD : D.D『クインテット・クリスタル』
自身が装備する【D.D『クインテット・クリスタル』】から【荘厳な賛美歌と魔法剣】を放ち、レベルm半径内の敵全員にダメージと【強烈な超音波による目眩】の状態異常を与える。
WIZ : マジッククリスタル・オーバーロード
【戦場に散りばめた莫大な量の魔水晶】から、戦場全体に「敵味方を識別する【連鎖爆発】」を放ち、ダメージと【盲目】の状態異常を与える。
👑11
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「ぐぅっ、うぅぅ……」
浮島の中枢で、独りの魔女が呻く。
「ふふふ……ははは……素晴らしい」
苦痛に声を震わせながらも、歪んだ笑顔を見せる。
彼女は蘇らせた力に酔いしれていたのだ。
「あとは……ふふふ、発動さえすれば……」
もはや、狂気と言う他はなかった。
背や腕から生え出た樹木触手が、天使核へと伸び、一体化していた。
魔女は屍人帝国の天使核から発せられる膨大なエネルギーを利用して、世界樹嵐を発動しようとしていたのだ。
そんな魔女を中心に、白い靄のようなものが生まれ、周囲を包み込み始めた。
それは紛れもなく雲海であった。触れても直ちに消滅する程の濃度は無いが、肉体を蝕む力は確かにあり、少しずつ天使核周辺を満たしてゆく。
「間もなく、世界が雲海に覆われる……あはは、あはははははは」
『五重奏の魔女』ソレスティ・マキア。
世界樹嵐を復活させ、大陸を雲海に沈めようとする者。
もはや猶予はない。ここで決着を付けねばなるまい。
アリス・フェアリィハート
アドリブ連携歓迎
世界樹嵐に魅入られ
周りまで犠牲に…
『貴女も…世界樹嵐も…止めます』
【WIZ】
味方と連携
翼で飛翔
【空中機動】【空中浮遊】【滑空】等の
【空中戦】で
立体的に立回り
ヴォーパルソードの
【破魔】と『氷雪』の【属性攻撃】を込めた【切断】【なぎ払い】や
【ハートの
A】も展開
【破魔】と『氷雪』の【属性攻撃】を込めた
魔法【誘導弾】の【一斉発射】【範囲攻撃】と
UCで自身に氷晶のドレスを
着装
樹木触手と敵を攻撃
と共に
氷晶の実の冷気で回復
敵UCや
世界樹嵐発動に対処しつつ
戦闘
『連鎖爆発が途切れる様に魔水晶を凍結、破壊すれば…!』
攻撃は
【第六感】【見切り】【残像】【結界術】【オーラ防御】で
防御・回避
ベルト・ラムバルド
アドリブ上等
嵐を呼ぶ魔女め!
この世が雲海で満たされる前に貴様を倒し楽にしてやる!
暗黒騎士のベルト・ラムバルドが相手だ!行くぞ!
キャバリア操縦し覇気と負けん気を放って戦闘
敵が召喚する召喚獣を剣を振るい
鎧砕きと鎧無視攻撃の2回攻撃で切断
そしてサークランサーを振り回しなぎ払ったり串刺したりして
蹴散らしてやろう
召喚獣を倒したら触手も雲海も魔女も天使核も
一緒くたに吹き飛ばしてやる!
サークランサーを構えて漁夫王殺しで超巨大荷電粒子ビーム砲を
ぶっ放し、貫通攻撃で仕留めてやろう!
この世界を雲海に沈めるだと!
貴様の破滅願望とやらの巻き添えにされるのは御免だよ!
雲海に沈むのが御望みなら貴様とこの島だけで沈んでろ!
火土金水・明
魔法の箒に跨って【空中戦】の技能を使用します。
「そう簡単に、あなたの思い通りにはさせませんよ。」「私は攻撃をしつつ他の猟兵の方の回復も受け持ちます。」
【SPD】で攻撃です。
攻撃は【継続ダメージ】と【鎧無視攻撃】と【貫通攻撃】を付け【フェイント】を絡めた【巷に金色の雨の降るごとく】を【範囲攻撃】にして、『『五重奏の魔女』ソレスティ・マキア』と魔法剣達を纏めて【2回攻撃】します。相手の攻撃に関しては【残像】【オーラ防御】で、ダメージの軽減を試みます。
「(攻撃を回避したら)残念、それは残像です。」「私の役目は少しでもダメージを与えて次の方に繋げる事です。」
アドリブや他の方との絡み等は、お任せします。
帝国の中枢で、『五重奏の魔女』ソレスティ・マキアは
世界樹嵐により、苦痛と苦悶と、恍惚の中にいた。
「ぐ、ふ、ふふふ……もうすぐ、もうすぐ発動だ……」
使用者へ耐えがたい苦痛を与える代わりに、無限の雲海を生み出す力。ソレスティ・マキアが何故この力を得たのかはわからないが、彼女は今、痛みも顧みずに力を発動させることだけを求める狂気の中にいた。
「世界樹嵐に魅入られ、周りまでも犠牲に……」
アリスが痛々しい表情で呟く。ソレスティから伸びる樹木触手は、先程戦った配下だけでなく、この島の天使核さえも取り込んでいる。それほどまで多くのものを犠牲にして生み出す雲海は全てを消滅させてしまうのだから、何もかもが破滅へと向かっていると言えた。
「そう簡単に、あなたの思い通りにはさせませんよ」
火土金水・明(夜闇のウィザード・f01561)は魔法の箒に跨って告げる。
「貴女も……世界樹嵐も……止めます」
アリスが頷き、翼を大きく広げ空へと舞い上がった。
「嵐を呼ぶ魔女め! この世が雲海で満たされる前に貴様を倒して楽にしてやる!」
戦場に5メートルの巨体が現れた。黒い騎士のような出で立ちで、鎧はソレスティ・マキアへ向けて堂々と告げる。
「暗黒騎士のベルト・ラムバルドが相手だ!」
キャバリア『パロメデス』から響くはベルトの声。巨大槍『サークランサー』を構え、ソレスティ・マキア目掛けて穂先を向ける。
「行くぞ!」
その掛け声と共に、猟兵達は一斉に向かってゆくのであった。
「邪魔……しないで……っ!!」
ソレスティ・マキアの身体から生えた樹木触手に、いくつもの召喚石が絡みつく。それらが光を放つと、戦場に召喚獣が現れる。それらにも当然のように樹木触手が絡みつき、主を守るように立ちはだかる。
「足止めをするつもりかっ!」」
ベルトがサークランサーを振るい、召喚獣たちを薙ぎ払う。
「させません……!」
そうして開けたところに、アリスが突っ込んでゆく。
「アイスエイジ……ドレッサー……!」
ヴォーパルソードを構えたアリスの姿が白き氷晶のドレスに覆われてゆく。それに伴って髪色も白銀となって、スノードロップの花が咲いた。太古の氷魔力で創造した氷晶のドレスである。
翼を羽ばたかせるとその軌跡に冷気が帯び、その力がさらにアリスを加速させる。
「お願い……!」
ハートの
Aを展開して、ソレスティ・マキアへと向かってゆくアリス。剣に氷雪の力を籠めて剣を振り上げる。
「ふふ……」
「……はっ!」
アリスが急制動をかけた。ソレスティ・マキアの周囲に、莫大な数の魔水晶が散りばめられていたからである。
アリスは咄嗟に上昇した直後、魔水晶が眩い輝きと共に爆発した。その爆発は近くの魔水晶へと波及し、次々と連鎖爆発が巻き起こる。
これでは近付けない。爆風に巻き込まれて出来た傷を氷晶の実で癒しながら突入方法を伺っていたアリスであったが、不意にその眼を見開いた。
「……剣っ!」
爆発の中から突如、剣が飛んできたのだ。気付けばソレスティ・マキアを中心に荘厳な讃美歌が響き始めている。その歌は放たれた剣に反響て強烈な音波を放ち、アリスの足を止めてしまう。
(「避けられない
……!」)
その時であった。
「私の心にも雨が降る」
空から
金色の雨が降り注ぎ、同時に虹色の稲妻が、ソレスティ・マキアの投げた剣を撃ち貫いた。その雨を呼び寄せたのは明であった。
広い範囲に降る雨は、猟兵達に活力を与えてゆく。
「おぉっ、機体が軽いぞ!」
地上で召喚獣達と戦闘を続けていたベルトにもその影響はあったようで、槍を振う勢いが増すようであった。
「私が回復を受け持ちます。さぁ」
明の言葉に、アリスとベルトが頷いた。明の支援を受けて、今再びソレスティ・マキアへ立ち向かう。
「ぐぅ、ああぁっ
……!!」
金色の雨を鬱陶しく思ったか、ソレスティ・マキアがアキラの背後から魔法剣を放つ。
明は無防備。背中からぐさりと魔法剣が突き刺さる。が。
「残念、それは残像です」
ぶん、と明の姿が消えた。直後に雷が落ちて、魔法剣が撃ち落とされる。
「私の役目は少しでもダメージを与えて、皆さんに繋げる事です」
だからこそ、簡単にやられるわけにはいかない。虹色の稲妻が、戦場に降り注ぎ始めた。
アリスが再び、ソレスティ・マキアへと接近する。今だソレスティ・マキアの周囲には魔水晶が転がっており、近付けば再び爆発を始めるだろう。
だが、今度は大丈夫だ。天から落ちる稲妻とともに、アリスはハートの
Aを放つと、魔水晶へと向けて加速させてゆく。
「連鎖爆発が途切れるように魔水晶を凍結、破壊すれば……!」
ハートの
Aを魔水晶へと突き立てると、魔水晶がみるみる凍り、粉々に砕けてゆく。魔水晶が失われたことで連鎖爆発は収まり、その隙間をアリスが突っ込んでゆく。
「やぁあっ!!」
ヴォーパルソードの刃が樹木触手を切り裂き、ソレスティ・マキアへと突き立てられる。
「あぐぅぅっ
……!!」
「くっ……!」
苦痛に顔を歪めるソレスティ・マキアであるが、アリスにも焦りが見える。氷晶のドレスが裾から崩れてゆくからだ。周囲に満ちた雲海の力によるものだ。だが、長居する必要は無い。
ヴォーパルソードを抜いて、アリスが言う。
「今です……!」
「おぉっ!!」
それに応じたのはベルトであった。
「触手も雲海も魔女も天使核も……」
樹木触手が切り裂かれて露出したソレスティ・マキアに狙いを定め、サークランサーにエネルギーを集中させる。
「一緒くたに吹き飛ばしてやる!」
ベルトが叫ぶ。
「綺麗さっぱり吹き飛べーーーッ!!!」
直後、超巨大なビームの奔流が、ソレスティ・マキアを襲った。
「この世界を雲海に沈めるだと!」
ビームに飲み込まれたソレスティ・マキアにベルトが告げる。
「貴様の破滅願望とやらの巻き添えにされるのは御免だよ!」
まだ、ビームは止めない。全てのエネルギーが尽きるまで放ち続ける。
「雲海に沈むのが御望みなら、貴様とこの島だけで沈んでろ!!」
ビームの奔流が止む。サークランサーは赤熱し、しゅうしゅうと煙を放つ。
ソレスティ・マキアのいた場所には、大きな穴が開いていた。
しかし、その大穴の中に、天使核はまだ浮かんでいた。ぐずぐずと纏わりつく樹木触手の先には、ソレスティ・マキアの姿があった。大きな傷を負っているが、その傷を気にすることもなく世界樹嵐発動の為の力を放ち続けている。
「ふん、まだまだ痛いのがお望みなら、もう嫌だって言うまでやってやる!」
ベルトは剣を抜いて、ソレスティ・マキアへと向かってゆく。
それにアリス、明も続く。この世界の脅威を取り除くため、世界樹嵐を止める為に!
大成功
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氷宮・咲夜
【チーム・サクリファ】
ある意味では偉業かもしれない
でもそれを成就させる訳にはいかないのよ
ところでリファ、私の箒に何をするの……って捨てた?!
仕方ない
リファに乗って空中戦。落ちないよう結界術で双方を固定
瞬間思考して導いた回避行動を高速詠唱で指示
敵とは距離を取り、魔法剣の軌跡から回避方向を見切る
爆発を連鎖と見極め爆発場所は安全地帯として記憶、回避に生かす
リファが慣れたら任せて
魔力溜め全力魔法UCを魔女に撃ち込む
樹木触手ごと破壊して天使核との接続を断ってやるわ
分かってくれて何よりだけど
今は一緒にいたくない気分。潰れ肉塊になる前に箒を呼んで緊急離脱
張ってあった結界がリファを守ってくれるといいのだけれど
リーファ・イスメリア
【チーム・サクリファ】
咲さまの箒は兵士達の忠誠心を乗せて
旅立ちました
お仕置きの済んだわたくしは、残された咲さまを乗せて行動します
星穿つ魔導鎧装と星穿つ魔導剣の推力移動による空中戦
わたくしは咲さまの指示に基づいて、距離を取り回避行動を試みます
連鎖爆発による盲目は、隣に咲さまがいない自分を思い出させます
ですが今はそれだけにすぎません
UCの光がわたくし達の目眩や盲目を高速治癒いたします
幸い、Gとか何かの影響も高速治癒されているよう
ならば推力全開で戦います
やはりわたくしは咲さまと一緒がよいのです
世界を救うため、二人の絆と全推力を乗せた
オリハルコンパワーであの者を穿ちます
世界樹嵐は伝説の秘術である。
この世界に天使と同盟軍が閉じ込められたとされる伝承に残された一説では、超人皇帝達がこの力を使ったことが伝えられているが、その真偽を知る者はない。
「ある意味では偉業かもしれない……」
そんな力の復活に対して、咲夜はそう評した。
「でも、それを成就させるわけにはいかないのよ」
禁忌とされるには理由があるというわけだ。天使核をも取り込む世界樹嵐の力と、それに伴って出現した禍々しい樹木触手達の姿は、その理由を実感させるには十分すぎる程であろう。
「だからここで止めるわよ」
咲夜がそう意気込んだところで、ふと、リーファに目を向ける。
「……ところでリファ、私の箒に何をするの?」
見れば、咲夜の箒をリーファが持っている。
「咲さまの箒は兵士達の忠誠心を乗せて……」
ぽいっと。
「捨てた!?」
がびーんと驚愕する咲夜。これがリーファの『おしおき』なのだという。
とはいえ、これでどうやって戦うのか、といえば。
「さぁ、咲さま。お乗りください」
リーファが背中を促す。
「……仕方ない」
咲夜はリーファの背に乗ると結界術を張り巡らせる。
「では……行きます!」
リーファの『星穿つ魔導鎧装』から魔力が放出され、空へと飛び立った。
さらにリーファは『星穿つ魔導剣』の推力を用いて軌道を変えながらソレスティ・マキアへと向かってゆく。
「邪魔は……させないわっ
……!!」
ソレスティ・マキアの周囲から、讃美歌が流れ始める。同時に魔法剣が出現し、【チーム・サクリファ】の二人へと射出された。
「上っ!!」
咲夜の声に従って、リーファが軌道を変える。魔法剣は二人のスレスレを通り抜けてゆき、その回避が間一髪であったことを二人に知らせた。
「次は左、そのまま一気に急降下!」
「かしこまりました」
リーファが魔法剣をかわしながらソレスティ・マキアを見つめる。今は距離を取って回避に専念し、隙を伺うべき。
だが、ソレスティ・マキアの追撃も厳しくなる。
「咲さま、周囲に魔水晶が」
リーファが告げた直後に、そのうち一つが爆発した。
「うっ……!」
その光に、リーファの目が眩む。ホワイトアウトした視界が急に光を失い、真っ暗な闇の中に放り出されてしまった気分に陥る。
(「これは……隣に咲さまがいない自分を思い出させます……」)
胸の奥にじんわりと広がる寂しさ。しかし、それは背中からの声にかき消される。
「右よっ!」
「……!!」
咲夜の声に、リーファが軌道を変える。そう。リーファは今、独りではない。
(「今はそれだけにすぎません」)
リーファから放たれた光が瞳を癒し、しっかりと前を見据える。
「咲さま」
「ええ、任せて」
咲夜は精霊石を取り出すと、ぐっと握って魔力を溜め始める。
「天使核との切断を断ってやるわ!」
精霊石から得た莫大な魔力を腕に溜め、ソレスティ・マキアへ向けて全力の魔力を放つ。
――どぉん! と大きな音ともに、ソレスティ・マキアの周辺が爆発した。樹木触手は千切れ飛び、一時的に天使核との繋がりが途切れる。
「今よ……っ!」
叫んだ瞬間に身体に感じたGに、咲夜が小さく呻いた。
「咲さま、大丈夫ですか?」
「大丈夫、その光のお陰でなんとかなるみたい」
けほっと小さく咳をしてから咲夜は笑う。リーファの放つ生まれながらの光は、Gによる負荷も治癒してくれるようであった。
「ならば推力全開で戦います」
「……ん?」
リーファの言葉に、咲夜が聞き返す。
「やはりわたくしは咲さまと一緒が良いのです」
星穿つ鎧装に溜められた魔力が爆発的に膨らんでゆく。このまま一気に加速するつもりだ。
「世界を救う為、一緒にあの者を穿ちましょう!」
「……分かってくれて何よりだけど」
咲夜はたらりと冷や汗を垂らして、先程捨てられた箒をこっそりと呼び出す。リーファの全力の突撃は捨て身の一撃。その勢いに果たして咲夜は耐えられるのか?
(「潰れ肉塊にはなりたくないわ……」)
いくら治癒されるとしても、傷が癒える前に死んだら意味がない。というわけで、ここにきて二人の思いは若干のすれ違いを見せ始める。
「さぁ、行きます!! 二人の想いを一つに!!」
リーファが加速する。強いGに、咲夜の身体がぎゅっと潰れだす。
「はあああっ!!」
しかし構わずリーファは突撃! その瞬間、咲夜は呼び出した箒へと飛び乗ると、奇しくも咲夜がリーファを射出するような構図となった。
「……張ってあった結界がリファを守ってくれるといいのだけれど」
リーファを見送りながら、咲夜は呟いた。
一緒に行くという気持ちは違えたが、互いを思う気持ちに違いはなかった。
リーファに巡らされた結界は、確かにリーファの負担を軽減し、いつも以上の力を発揮させていた。そして……。
「あがっ
……!!」
オリハルコンのパワーを全開にしたリーファという巨大な弾丸が、ソレスティ・マキアを貫いた。
それは確かに、二人の絆の勝利であった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ニクロム・チタノ
もう雲海が生まれようとしている、早くコイツを倒さないと取り返しのつかないことになってしまう
反抗の力を
召喚獣を出して来たね、ならこっちも蒼焔の盾を召喚するよ
相手は樹木に巻かれて動けない、ならまずは召喚獣をなんとかしないと
蒼焔の盾で攻撃を防いでいるあいだに重力操作で召喚獣の動きを止めてそのまま召喚獣を踏み台にして敵の近くまでジャンプだ!
重力槍を展開して至近距離で叩き込むよ!
魔女め世界を雲海呑ませはしない雲海と一緒に骸の海に帰るんだ!
どうか反抗の竜チタノの加護と導きを
オメガ・カストゥール
貴様が世界樹嵐を引き起こすものか。
我々の領域を侵す者なり。ならば、滅するのみ。
身体から雲を発生させるか…
ならば、貴様は遠距離から焼くに限る。
そんなものは、蒸発させてやる。
ここでUC使い、命中率を強化。
【ブレス攻撃】火の【属性攻撃】で雲を消しながら奴を狙う。
ギャラガーとワイバーンにも、【ブレス攻撃】で攻撃をしてもらう。
竜王が貴様を終わらせに来た。落ちるがいい。
アドリブ歓迎
アリス・フォーサイス
さあ、クライマックスだ。 美味しいハッピーエンドが食べられたらいいな。
キミたち屍人帝国のことも教えてよ。どうしてここまでして世界を雲海に覆おうとしているのかな?
そうか。じゃあ、ぼくたちがその前に立ち塞がる障害になるよ。
どんな手段を使っても祈願を成就させようとする帝国。自分たちの世界を守ろうとする人類。どっちのお話もおいしそうだからね。
だからこそ、全力でいくよ。その方が盛り上がって美味しくなるからね。
へーんしん!ヴァルキリーモード!
魔法の剣を抜き(高速詠唱)、剣の攻撃を受け止めるよ。
超音波はオーラ防御でガードだ。
こっちからもいくよ!連撃だ。
四王天・燦
禁呪自体に
ソレスティの過去が贄にされてるように映るのだ
正気・意思を測るように話しかけながら戦うよ
稲荷符から炎属性攻撃で狐火を乱れ撃ちして応戦
樹木触手を焼き、魔水晶をはじめとするソレスティの宝石群を撃つ
直撃よりとにかく加熱し追撃の氷華艶舞による急速冷却で亀裂を入れて機能不全を狙う
勿論ソレスティも氷漬けにするし、天使核も凍結させて出力低下させるぜ
視覚を奪われたら第六感で補う
仲間に当たらなければ大丈夫って考えだ
視界が戻ったら間合いを詰め、お胸に慰めと破魔の符を貼り付けて世界樹嵐の浸蝕を和らげてあげるぜ
狂気から解放され、乙女の帝国と共に還れますように
可能なら天使核を浄化して頂戴するよ
ミスト・ペルメオス
・SPD
あれか。──標的確認。排除開始ッ……!
引き続き愛機たる機械鎧を駆って戦闘に臨む。
天使核と一体化した相手、生じつつある雲海……速やかに排除しなければ。
念動力、ジェネレータ出力、ともに最大……!
自身が発揮しうる最大限の戦闘力を、あの魔女に叩きつける!
限られた空間で荒れ狂う嵐のように。自在に飛び回り、また兵装を使い分けて全力の射撃を叩き込んでやろう。
音すら置き去りにする戦闘機動で魔法剣を、忌むべき歌を避けて、凌いで……避けられないものは盾で、あるいは念動力の防壁で防いでみせる。
壮絶な撃ち合い、削り合いの末に敢えて肉薄する。
──これで終わりだ。【“黒い鳥”】が、お前をあるべき場所に還してやる!
シュタルク・ゴットフリート
狂気のままに世界を滅びへ導かんとするか、そうはいかん!
その忌まわしき雲も其を生み出す樹も、そして貴様自身も、全て焼き払ってくれよう…!
突き進む焔発動。
シュトゥルム・ラケーテン点火、敵を目掛けて飛翔突撃。
フォイヤ・ヴェスペを撃ち放ち攻撃する。
この段階では大した傷にはならぬやも知れんが、周辺の召喚石を破壊してユーベルコードを阻害しつつ牽制するのが主目的だ。
本命はその背後、天使核及び其と繋がる樹木触手。これらをユーベルコードを介して放つ炎で以て焼き払い、奴へのエネルギー供給を停止せしめる。
後は奴を目掛けて全速力にて突撃、出力を全開として【怪力】を発揮する機腕甲で殴り倒してくれよう!
「貴様が世界樹嵐を引き起こすものか」
オメガが問う。
『五重奏の魔女』ソレスティ・マキアの姿は、
世界樹嵐の影響もあって、その身体の多くを樹木触手で埋め尽くしていた。
「もう雲海が生まれようとしている」
ソレスティ・マキアの周囲に漂う雲海を見て、ニクロムが猟兵達に告げた。濃度は薄いが、中に長く居過ぎれば肉体を蝕んでしまうだろう。
「早くコイツを倒さないと取り返しのつかないことになってしまう」
ニクロムの言葉に猟兵達は頷いた。もう発動までに猶予はない。
「我らの領域を侵す者なり。ならば、滅するのみ」
オメガが吼え、猟兵達が動き出す。
「さぁ、クライマックスだ。美味しいハッピーエンドが食べられたらいいな」
アリスはそう笑うのであった。
「うぅぅ……あと、あと少しで
……!!」
痛みに耐えながら、『五重奏の魔女』ソレスティ・マキアが魔術を溜め続ける。
世界樹嵐さえ発動すれば猟兵達も含めて、全てを消滅させることが出来る。
「禁呪自体に、
ソレスティの過去が贄にされてるように映るな……」
燦は稲荷符を抜き、触手樹木へと狐火を放ちながら、ソレスティ・マキアを思う。
今の彼女は正気なのか、はたまた――。
「邪魔は……させない
……!!」
ソレスティ・マキアが召喚石をバラ撒いた。彼女を守るように召喚獣が生まれ出るが、それらも既に樹木触手に侵されている。
その様子は、本当に
禁呪を求めていたとしても異様であり、狂気と言う他はなさそうだ。
「狂気のままに世界を滅びへ導かんとするか……」
シュタルクは鎧のロケットエンジンに点火しながら呟き、そして叫ぶ。
「そうはいかん!」
どう、と激しいロケットエンジンの駆動音と共にシュタルクが突っ込みながら、小型ミサイルランチャー『フォイヤ・ヴェスペ』を撃ち放つ。
「む、だ……っ!!」
ソレスティ・マキアが笑いながら召喚獣を操ると、召喚獣達はミサイルを避けて猟兵達へと迫る。
「無駄ではない。主目的は……」
ミサイルが向かう先は、周囲に残る、未だ召喚されていない召喚石の数々。
「……なっ
……!!」
召喚石が爆発に巻き込まれて砕け散る。
「これで、これ以上召喚獣は呼び出せまい」
シュタルクが告げる。だが、既に召喚されたもの達も戦場には残っている。
「それも問題ない」
「……反抗の力を!」
ニクロムのその言葉と共に、戦場に大きなクレーターが出来上がった。その中心には召喚獣達。強烈な超重力に押し潰され、身動きが取れない状態となっていた。
「たぁあっ!」
ニクロムは動けない召喚獣達を踏み台に、宙に跳び上がる。手に超重力槍を持ち、ソレスティ・マキアへと降下する。だが。
「うふふ……っ」
「……うぅっ!?」
周囲の雲海が、ニクロムの身体を蝕み始めた。術者であるソレスティ・マキアの周辺程濃くなっているのであろう。このまま近付けば、ニクロム自身も大きな傷を受けてしまう。
「そんなものは、蒸発させてやる」
そこに、オメガから吐き出された炎が放たれた。
「
グルォルルルルルギャオォオオオム!!」
魔力と火の精霊の力によってさらに燃え上がった灼熱のブレスは、召喚獣やソレスティ・マキアごと雲海を押し流し、一時的に彼女を丸裸にした。
「今なら!」
ニクロムが自身の重力を操作し、一気に加速する。
「魔女め、世界を雲海に呑ませはしない!」
超重力の槍がソレスティ・マキアへと突き刺さった。
「きゃああああっ!!」
「雲海と一緒に骸の海に帰るんだ!」
その叫びに、ソレスティ・マキアは忌々し気にニクロムを睨みつける。
「帰るのは……お前達っ
……!!」
樹木触手が伸び、ニクロムを絡め取る。ニクロムはそのまま放り投げられ、大地に叩きつけられてしまった。
「ふぅっ……危ない」
だが、ニクロムは難なく立ち上がる。蒼焔の盾が叩きつけのダメージを和らげてくれていたようだ。
「──標的確認。排除開始ッ……!」
激しい戦闘が繰り広げられる戦場を上空から眺め、ミストは念動力を最大に発動させる。
「念動力、ジェネレータ出力、ともに最大……!」
天使核とすら一体化したオブリビオンを、そして発動を目前に控えた世界樹嵐を速やかに排除する、というミストの強い意思を受けて、機械鎧『ブラックバード』がその力を最大限に解放する。
「いくぞっ……!」
空からブラックバードの銃撃がソレスティ・マキアを襲う。嵐のような弾丸に、ソレスティ・マキアは空を見上げ、にたりと笑った。
「……!?」
突如、スピーカー越しに荘厳な歌が響き始める。同時に、ソレスティ・マキアの周囲に魔法剣が生まれ始めた。
「……来たっ!!」
ミストがブラックバードを加速させる。だがソレスティ・マキアはそれを先読みし魔法剣を放っていた。
「凌いでみせる……っ!!」
念動力の防壁を張り、盾を構える。剣の多くは障壁に弾かれたが、一部が装甲へと突き刺さる。
「ふふふっ……!」
ソレスティ・マキアは自身の周囲に巻き起こる讃美歌に酔いしれながら、まるで指揮者のように魔法剣を放ってゆく。そんな時、魔法剣がミストへと至ることなく弾き返された。
「キミたち屍人帝国のことも教えてよ。どうしてここまで世界を雲海に覆おうとしているのかな?」
魔法剣を弾き返したのはアリスであった。
「……ふふ、探し求めていた魔法が、今我が手に入るのよ……。それを使うこと、それ以外何を……考える必要があるの?」
苦しそうにしながらも笑うソレスティ・マキア。答えにはなっていない。だが、つまり。
「魔法を使うことが目的で、あとはどうなってもいいってことかよ?」
燦が聞くと、ソレスティ・マキアは肯定も否定もせずに笑っていた。
「単なる好奇心ってことか……」
世界に恨みはない。しかし世界を滅亡へと導く本質を持つオブリビオンと、ソレスティ・マキアの興味が、ただ合致してしまっただけ。
「ふーん、そうか」
アリスは興味を失った様子でソレスティ・マキアを見る。だが不敵に笑い、言葉を続けた。
「じゃあ、ぼくたちがその前に立ち塞がる障害になるよ」
そう言うと、アリスの身体が光に覆われる。
「どんな手段を使っても祈願を成就させようとする帝国。自分たちの世界を守ろうとする人類。どっちの話もおいしそうだからね」
そう、理由よりも過程。アリスもまたそれに重きをおくことにしたのだ。
「へーんしん! ヴァルキリーモード!」
アリスの姿が戦乙女の姿へと変わってゆく。
「だからこそ、全力でいくよ。その方が盛り上がって美味しくなるからね」
アリスは魔法で生み出した剣を抜いて、ソレスティ・マキアへと立ち向かう。
「やぁっ!!」
アリスが剣を振り下ろす。ソレスティ・マキアはそれを魔法剣で受け止めると、アリスへ向かって射出する。
「おっとあぶない」
オーラ防御で受け止めたアリスは、反撃の為に剣を構えるが、その時、周囲に浮かんだ魔晶石の存在に気が付く。
「爆ぜるがいい……!」
魔晶石の一つが爆発し、次々と連鎖的に爆発してゆく。しかし。
「御狐・燦が命ず。符よ、氷河期魔法と合わさり、凍れる花となりて美しく舞え」
魔晶石に、次々と燦の稲荷符が張り付いてゆく。その稲荷符は、触れたものを凍らせる力を持ち、魔晶石すらも凍結させてしまった。
「これでもう爆発はさせねーぜ」
にやりと燦が笑うと、魔晶石が崩れて消えた。事前に狐火を放っていたことも影響したのであろう。こうして爆発を待たずに消えた魔晶石は、連鎖爆発をする相手を失い、失速してゆく。
続けて燦が符を投げつける。そのうち一枚がひらりとソレスティ・マキアへと貼りついて、彼女までもが凍り付いてしまう。
「けど、本命はあっちだ」
凍り付き、身動きが取れなくなったソレスティ・マキアの脇をふらりと符が通り過ぎる。
そうして貼り付けられたのは、この島の天使核。張り付いた符の力によって、天使核はみるみる凍り付いてゆく。
「今だ!」
そこに、シュタルクのロケットエンジンが唸りを上げ、一気に天使核へ向かって突進した。
「全て焼き払う!!」
ロケットエンジンの噴射炎が樹木触手を焼き払いながら、天使核を貫いた。
「……っ!! な、なんてことを……っ!!」
天使核からのエネルギー供給を失ったソレスティ・マキアが驚愕する。
いまだ世界樹嵐の発動は止まらないが、明らかにその勢いが低下していた。
「今だ! 雲海の力は弱まった!」
シュタルクの叫びに、猟兵達が一斉に攻撃を開始した。
「連撃だー!」
アリスの魔法剣が、何にも阻まれることなくソレスティ・マキアを切り裂いた。
「どうか、反抗の竜チタノの加護と導きを」
続けてニクロムの槍が、刺し貫く。
「――これで終わりだ」
上空から一気に急降下をしながら、ミストとブラックバードがビームブレードを抜く。
「【“黒い鳥”】が、お前をあるべき場所に還してやる!」
ビームの刃がソレスティ・マキアへと振り下ろされる。
「うおおおっ!!」
さらにシュタルクが突撃し、鋼の腕で殴りつける。
「あっ……ぐっ……」
猟兵達の猛攻に、ソレスティ・マキアの力が急速に失われてゆく。天使核のエネルギー供給を失った後に残ったのは、樹木触手の浸食によってボロボロになった身体だけだったのだ。
「竜王が貴様を終わらせに来た」
オメガの周囲に彼と行動を共にするギャラガー、ワイバーンが並び立ち、同時に口を開いた。
「落ちるがいい」
「……あああっ……」
3体の竜からなる灼熱の炎が、ソレスティ・マキアを命の火ごと焼いてゆく。ブレスの勢いが収まった時、もはやソレスティ・マキアは完全に力を失っていた。
「世界樹……嵐が……」
ぼろぼろと崩れてゆく身体で、ソレスティ・マキアが呟く。
「ほら」
その胸に、ぺたりと燦が札を張り付けた。
それは、破魔の札。世界樹嵐の浸食による苦痛を和らげ、狂気から解放されるようにと願った燦の想いであった。
「乙女の帝国と共に還れますように……」
そう祈りながら、燦はオブリビオンを見送るのであった。
「島が崩れる」
「急いでここから出よう!」
天使核が破壊され、屍人帝国の主を失った島は、今まさに崩壊しようとしていた。
外に残った者達も、帝国の崩壊と同時に骸の海へと還ってゆくだろう。
地響きと地割れによって砕け始めた大地から猟兵達は脱出すると、崩れてゆく帝国を見守っていた。
あの帝国の中で禁忌の世界樹嵐は再び過去の記憶に消えてゆく。
しかし、何故伝説上の存在でしかなかった力が今、復活されようとしていたのか?
謎は残るままであったが、ともかく猟兵達は突如訪れた世界の危機を一つ救うことに成功したのである。
それを今は、誇ろうではないか。
大成功
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