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ナナイロユメイロ★カキゴオリ

#アルダワ魔法学園 #お祭り2022 #夏休み


●魔法学園の夏休み
「ハァイ、今年も夏が来たわね! ところで、夏休みの思い出っていうとみんなは何が浮かぶかしら?」
 藤代・夏夜(Silver ray・f14088)は明るく笑いかけると、掛けていた星形パリピサングラスをスチャッ。頭の上まで動かし、猟兵達の水着姿に「今年も最高に素敵ね」とニコニコ笑う。

 海やプールといった水のレジャー。
 一層緑を濃くした大自然での山登りやキャンプ。
 長期休暇を利用した旅行は国内? それとも国外へ?
 夏限定のイベント――音楽フェスや、地元のお祭りも沢山ある。
 世界が違えば同じ“水のレジャー”でもかなりの違いが出る事は確かで、その違いは、様々な世界を行く猟兵だからこそ味わえるものだ。
「元学生や現学生には、『夏休みの宿題』も刺さるんじゃない? まあ私も元学生だから、この単語めちゃくちゃ刺さるんだけど」
 懐かしいわ~と笑った夏夜は、ここ、アルダワ魔法学園にも『夏休みの宿題』が存在すると告げた。
「しかも自由研究よ、“自由”だからこそ何したらいいか激しく迷う、あの!  迷わない人は迷わないのよね、コレ。ちょっと学園覗いたら何やろうか相談してる子いたわ。……あの子にいいネタが降ってくる事を祈るばかりね」
 しかも、学園側は転校生である猟兵の自由研究に期待している。
 それはもうハチャメチャに期待している。

 だって“転校生猟兵の自由研究”だもん。

「けど安心して! “自由”研究だからこそ自由なやつ見付けてきたわ!」

 こ!
 れ!

 夏夜がババーンと取り出したのはB5ほどの紙だった。
 中央に大きく描かれているものは、硝子の器に盛られた白く煌めく氷の山。
 赤や黄色、青などのカラフルな水がリボンのように紙を縁取り、様々なアイスやフルーツ、菓子が宝石の如く散りばめられている。――かき氷だ。
「自分オリジナルのかき氷を作って、それをレポートにしたり、絵にしたりするんですって。必要な物は全部用意してあって、器の形と大きさ、使う食材を好きに組み合わせられるのよ」
 作りたいかき氷と合うように、硝子器のデザインはシンプルなものから、美しい彫りが魅力的なものまで揃えられている。気に入った器は記念に買う事も出来るそうだ。
「こういう自由研究なら、ネタを考え始めた所から最後までずっと楽しめそうじゃない? 良かったら、冷たくて美味しい自由研究を楽しみましょ♪」

 ただし、食べる時はご注意を。
 あの“キーン”は、この世界を救った猟兵だって苦しめる恐ろしいものだから!


東間
 夏だ水着だかき氷だ!
 そんな夏休みをお届けに来ました、東間あずまです。
 ※導入場面はありません。

●受付期間
 タグや個人ページ、ツイッター(https://twitter.com/azu_ma_tw)でお知らせ。プレイング送信前にご確認下さい。オーバーロードは受付前に送って頂いて大丈夫です。

●プレイングボーナス:水着の着用
 何かいい感じにハッピーサマーになります。
 特に気にしないで大丈夫です。
 字数削減は 22★ でどうぞ!(2022年の水着、と判断&描写します)

●出来る事
 かき氷作りが楽しめます。
 器も氷の量も使う食材も、好きに楽しめます。やりたい放題です。
 貴方の考えたかき氷をどうぞ!

 プレイングは、色々細かく詰め込むよりも、かき氷の盛り付け作業・出来上がったものを食べる・食べながらメモを取りまくる等、どこかをメインとしたプレイングがおすすめです。

 プレイングでお声がけがあった場合、藤代・夏夜もお邪魔します。
 トップ画像みたいなかき氷作ってます。盛り盛り。

●グループ参加:二人まで
 プレイング冒頭に【グループ名】、【送信日の統一】をお願いします。
 送信タイミングは別々で大丈夫です(【】は不要)
 日付を跨ぎそうな場合は翌8:31以降だと失効日が延びてお得。

 グループ内でオーバーロード使用が揃っていない場合、届いたプレイング数によっては採用が難しくなる可能性があります。ご注意下さい。

 以上です。皆様のご参加、お待ちしております。
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第1章 日常 『手作りお菓子を君に』

POW   :    大きなお菓子作りに挑戦!

SPD   :    お菓子いっぱい作るよ!

WIZ   :    お菓子は見た目が命! 出来映えにも拘るよ!

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
枢囹院・帷
晴夜(f00145)と/水着(id=46217)

とにかく削る(ごりごり
とにかく砕く(ごりごり
私の愛するニッキーくんもお手伝いしてくれるかな
うん上手上手(超甘やかす

そうして作った大量の氷を器に盛ってまんまるに
三角のお耳をつけたら、ほら、えだまめ🐶
アイスノミーという丸い氷菓をお目々に
目元の隈取りは紅ショウガにしてみよう

立派な氷像が完成したら、絵に描いてみる
常闇出身の私は学園生活をした事がないから
夏休みとか自由研究という響きが妙に楽しい
――うん、へたくそだ

出来上がったえだまめ像はスタッフで美味しく食べる
最初の一口は、私がいっとう愛する晴夜に
君に喜んで貰いたくて作ったんだ

口を開けて御覧
紅しょうがだよ


夏目・晴夜
帷さん(f00445)と
お望み通り、戦闘特化カラクリ人形のニッキーくんも連れてきましたが…
まったく、帷さんはニッキーくんばかり甘やかして!

何を作っているのか分からないまま、氷を盛り付ける手伝いをして
なんと、えだまめを作っていたのですか!
完成したかき氷の横に白柴人形を座らせてみて
似てますね、かなりの出来栄えです!

帷さんが絵を描いている時は、その絵を後ろから見て
下手くそというか、味があるというやつですよ。多分
あ、私は描きません
描くより早くかき氷を食べたい気分ですので!

さあ、溶ける前にえだまめ氷を食べてしまいましょう
いいのですか?では遠慮なく!(言われるままに口を開けて)
…えっ何ですか、この味
悪夢?



 夏休み真っ只中でも、そこは自由研究に励む学生で賑わっていた。
 その中の一人である夏目・晴夜(不夜狼・f00145)は椅子に座り、彼らと同じく、自由研究に励む枢囹院・帷(麗し白薔薇・f00445)を見守るという作業の最中だ。
 この晴夜。今回は帷の自由研究のアシスタントなのである。
 ――しかし、スペシャルアシスタント晴夜の両手は空いていた。
「とにかく削る」
 ごりごり。
「とにかく砕く」
 ごりごり。
「うん上手上手。ニッキーくん、次はこの氷を削ってくれるかな」
「まったく、帷さんはニッキーくんばかり甘やかして!」
 紫黒に真紅。白い肌を彩るティアドロップと茨の飾り。そして普段の姿を思い出させる白薔薇で飾ったガウン。
 懐かしさも運んでくる水着を纏った帷は、晴夜に頼んで連れて来てもらった戦闘特化カラクリ人形のニッキーくんと一緒に、氷塊をふわふわ氷片に変えていた。
 ぷすっと飛び出した拗ねの気配に帷は「ふむ」と笑み、それではスペシャルアシスタントの力を借りようかと囁く。指し示したのは削りたて砕きたて氷の行き先である大きな器だ。
「まんまるに盛り付けたいんだ」
「まんまる? 何を作るんです? いえ、かき氷である事は無論わかってますよ」
 ミステリアスに笑む帷に、後でちゃんと教えて下さいねと念押しした晴夜は、帷のプランへ沿うべく、ふわふわきらきらと追加されたかき氷をすぐさま優しくとんとん、とん。
 程なく帷とニッキーくんの仲良し共同作業は終了し、まんまるに盛り付けられた氷は変化という名の進化を見せ始めた。
 ちょこんと挿した三角形は、ミルクチョコを加えた苺チョコをぺたりと塗ったホワイトチョコレート。そこへこの――ええと確か、そう、アイスノミーだ。帷は商品名を思い出しながら、チョコレート味の丸い氷菓を、まんまる氷の正面にはめ込んだ。
 そして最後。
 はめ込んだ氷菓の下へ紅色の彩りをそっと載せれば――。
「出来た。ほら、えだまめ」
「なんと、えだまめを作っていたのですか!」
 晴夜は声を弾ませると、かき氷の横へ白柴人形をササッとイン。
「似てますね、かなりの出来栄えです!」
「だろう? さて、完成したら絵に残さなくては」
 そう紡いだ声と手に取った絵筆の運びは軽やかだ。
 常闇出身の帷に学園生活の経験はない。夏休み。自由研究。学生を笑顔にし、時に悩ますその響きが妙に楽しかった。目に映したものを紙へと写す姿を晴夜はニッキー君と一緒に後ろから見守った。そして。
「――うん、へたくそだ」
「下手くそというか、味があるというやつですよ。多分」
「味」
「味です」
 じ、とこちらを見る帷の視線に晴夜はパッと両手を開いた。何も持っていない事をしっかり見せてからサッと取ったのは、艶々銀色のスプーン二つである。
「あ、私は描きません。描くより早くかき氷を食べたい気分ですので! さあ、溶ける前にえだまめ氷を食べてしまいましょう」
「そうだな。このえだまめ像は我々スタッフで美味しく食べるとしよう」
 帷は氷と三角チョコ耳を一緒に掬い――最初の一口を載せたスプーンに片手を添え、晴夜の前へと運んだ。ぱちりと瞬いた藤色へ静かな笑みを返す。
「口を開けて御覧」
「いいのですか?」
「ああ」
 このえだまめかき氷は、いっとう愛する君に喜んで貰いたくて作ったのだから。
 とろりと細められた紅の双眸に、晴夜の双眸に宿る藤色が嬉しげに煌めいた。
「では遠慮なく!」
 ぱくっ、と食べた瞬間氷がとけた。ひんやり心地よい冷たさが、何ともいえぬ味わいと共に広がっ――? 広がったこれは――これは、一体?
 それを噛むと、氷ではないぽきりとした歯応え。
 それにも晴夜は戸惑った。
「……えっ何ですか、この味」
「紅しょうがだよ」

 ――悪夢?
 ――いいや、現実だとも。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

未不二・蛟羽
【虹】
22★

夏といったらかき氷、かき氷も派手派手のきらきらにするっす!
自由ってすごいっすね!どこまでも羽搏いていくっすね…!(意味はよく分かってない)

できたデザインは憧れのっ…レインボー!
せっかくだからいっぱいっす、中の味も変えるっす!味付けも自由っす!
と提案に嬉々としてお互いに当たりがわからない様ロシアンかき氷🌈をつくりあげ…ついでに味付けのアレンジもしたりして

まぁ全部食べたらわかるっすよねー!と動画にしつつ食べ進めていき最後の一個
これが…きらきらでワクワクのあたり…!

と思ったら結構普通。あれー?

あ、そういえばさっき辛くて美味しいやつあったような…(味音痴)
えっ、あれが当たりだったっすか?


萬場・了
【虹】22★

虹、誰しもが一度は夢見るもんだ。
だが。それだけじゃあ終われねェ!
“自由”そういわれたからには求めなきゃならねえ次の高みをなァ!

蛟羽、せっかくだ。今回はゲーム性を追加してみようぜ。
見た目はレインボーフォトジェニック!
中はロシアンルーレットならぬロシアンかき氷だぜ……!

って、コトで互いに分からねェよう手分けして作ってみたはいいが。

最後の1つになるまで
大当たり(デビキン&キマフュ配信者共同開発獄辛DEATHシロップ入り)が出ねぇだと!?

願ったり叶ったりだが
さっきから明らかに辛さやキーンとは別のヤバい味はしてた上に、俺の腹にも限界が……

ふひひ……蛟羽、最後はせーの、だ……


……いや美味いな?



「虹、誰しもが一度は夢見るもんだ」
 萬場・了(トラッカーズハイ・f00664)は遠くを見るようにゴーグル下の目を細めた。
 時に青空。
 時に曇り空。
 雨が降り光が射し込んだそこに現れる奇跡めいた輝きは、太古より人々を魅了してきた。そして虹というものは今、技術の進歩にあわせ空以外の場所にも宿るようになっている。
「だが、それだけじゃあ終われねェ!」
 ぐわっと声を上げ胸を張ったのにつられ、蠢く手やら魂やらがプリントされたシャツがばさばさ躍る。
 未不二・蛟羽(花散らで・f04322)が着ているパイン舞うグレープフルーツ色のシャツも、それはもうばっさばさ。凄いっすまるで風が吹いてるみた――あっ扇風機! 後ろを確認した蛟羽は了の言葉に熱く深く頷いた。
「夏といったらかき氷、かき氷も派手派手のきらきらにするっす!」
「おうよ。“自由”、そういわれたからには求めなきゃならねえ次の高みをなァ!」
「自由ってすごいっすね! どこまでも羽搏いていくっすね……!」
「なんせ自由だからな……!」
 蛟羽のテンションは全身がレインボーに染まって輝きそうなほどに上昇中だ。ただし意味はよくわかっていない。ギザ歯を覗かせて笑う了も、感じるまま思うままに虹と自由を満喫するスタイルで、同じくレインボーに染まり輝く勢いだ。
 そして、“自由”研究へと走り出した二人は止まれない――!
「蛟羽、せっかくだ。今回はゲーム性を追加してみようぜ」
「お、いいっすねー! で、具体的には?」
「見た目はレインボーフォトジェニック! 中はロシアンルーレットならぬロシアンかき氷だぜ……!」
「おお……! あっ、じゃあデザインはこんなのどうっすか?」
 了。がばーっと取ってきたシロップ各種をテーブルにドンッ。
 蛟羽。紙にペンをざかざか走らせ色鉛筆でササーッ。
「せっかくだからいっぱいっす、中の味も変えるっす! 味付けも自由っす!」
「いいじゃねぇか! せっかくと言えば、ロシアンなんだから互いに分からねェよう手分けして作ろうぜ」
 プランが決まれば実行するのみ。
 かき氷機で氷をガリゴリ削り、キラキラとした透明感ある氷片の山を作ったなら、自分の体や借りてきたまな板などで当たりを隠しながらシロップやフルーツ、ホニャララなもので氷を彩り味付けをして――……。

 そうして出来上がったレインボーロシアンかき氷が生む虹色はそれはもう素晴らしく、相手が担当したかき氷の当たりがどれかという点も含め、二人は満足げに目を輝かせた。
「なかなかのビジュアルになったな。さて、食うか!」
「どこが当たりかわかんないっすけど、まぁ全部食べたらわかるっすよねー! そしてしっかりバッチリ動画に残すっすよ!」
 全体撮影用の固定カメラ。スプーンを持つ手とは逆の手にスマートフォン。蛟羽がレインボーロシアンかき氷を端から端までなめるように録画したなら、頂きますの声が弾むように重なった。
 一皿を食べては目を輝かせ、食べては目をギョッと丸くして。時に「美味い!」と歓声を上げ、またある時はキュッと顔を顰めて。
 声も表情も賑やかに食べ進めれば、かき氷は最後の一皿を残すのみ。
 しかし了は愕然としていた。


大   当   た   り   がデビキン&キマフュ配信者共同開発獄辛DEATHシロップ入り
 出  ね  ぇ  だ  と  !  ?


(「願ったり叶ったりだが……さっきから明らかに辛さやキーンとは別のヤバい味はしてた上に、俺の腹にも限界が……」)
 蛟羽はと視線をやれば、ウキウキワクワクで目を爛々とさせていた。
「これが……きらきらでワクワクのあたり……!」
 了はハッとした。ドン引きではない。ゴールまで駆け抜ける意思が虹色に輝いたのである。
「ふひひ……蛟羽、最後はせーの、だ……」
「っすね!」

 せーの!

 同じ皿へしゃくっと差し込まれるスプーン。掬われた一口は勢いのまま華麗に口へとぽいっ。そして二人は――首を傾げた。
「……いや美味いな?」
「結構普通っすね……?」

 あ。

「そういえばさっき辛くて美味しいやつあったような……」
「そういや別次元のヤバい味ずっと残ってんだよな……」

 ん?

 顔を見合わせた二人はまさかと目を丸くし、慌てて録画していたもので確認答え合わせするのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

灰神楽・綾
【不死蝶】黒のサーフパンツ&上着
夏休みの宿題かぁ
俺達の故郷では全然縁が無い言葉だよね

梓、なんだか目的が変わっているよ
梓の選んだ硝子器で作ることになったけど…とにかく大きい
これは超大作が作れそう

かき氷の半分を和エリア、もう半分を洋エリアにしよう
まずは容器いっぱいに雪のようなふわふわ氷を入れ
和エリアでは抹茶と桜のシロップ
洋エリアではレモンとブルーハワイのシロップをかける
ピンク、イエロー、グリーン、ブルーと色のバランスもいい感じ

更に色んな果物、アイス、クリームなどを乗せて彩ってく
和エリアには小豆やお団子もいいね
ほら、梓もどんどん飾って

最後にチョコシロップで大きく
(>ω<)って感じの顔を描いて完成だよ


乱獅子・梓
【不死蝶】黒のサーフパンツ&上着
まぁ、まともな学校すら無いようなところだからなぁ
夏休みの宿題で悩めるのも平和な証拠だよな

何気なく器やシロップを眺めていたら…こ、これは!!
精巧なドラゴンの模様が掘られたバカでかい硝子の器
なんて見事なクオリティなんだ…
よし、これにしよう!これ買おう!

普段ならこういうのを見ると料理男子の血が騒いで
あれこれと手を出したくなってくるが
今回は敢えて綾の指示に従う
気分は子供の自由研究に付き合うお父さんみたいな

乗せる食材は仔竜達に任せてみる
ミニ鯛焼きとかコーン付きアイスとか持ってきて
どんどんカオスなことになっていくがそれもまた一興

綾の描く顔文字…センスが完全に女子だな…



 かき氷機の取っ手をぐるんぐるん回す女子。
 複数のシロップを混ぜて新色と味作りに挑戦する男子。
 ここにいる誰もがオリジナルかき氷作りという自由研究に励む様を見た灰神楽・綾(廃戦場の揚羽・f02235)は、「へえ」と感心するように呟いた。
「夏休みの宿題かぁ。俺達の故郷では全然縁が無い言葉だよね」
「まぁ、まともな学校すら無いようなところだからなぁ。夏休みの宿題で悩めるのも平和な証拠だよな」
 こういう格好で宿題に取り組めるという点も、その証だろう。
 乱獅子・梓(白き焔は誰が為に・f25851)は自分と綾の格好――黒のサーフパンツに上着というシンプルな水着姿を眺めた後、「何はともあれその夏休みの宿題だな」と綾を連れ準備に取り掛かる。
「まずは器だな。さてどれに――ハッ!? こ、これは!!」
 急に止まった足と興奮を隠せない声。
 梓の後ろから覗き込んだ綾は、浮かべていたハテナマークを即、消した。
 成る程ねと笑って見る先にある硝子の器は、大きさ透明感共に素晴らしいものだった。だが、何より梓の心をときめかせたのは表面を彩る幻想種――精巧に掘られたドラゴン達だ。
(「そりゃ足も止まるよね」)
「なんて見事なクオリティなんだ……よし、これにしよう! これ買おう!」
「梓、なんだか目的が変わっているよ」
「大丈夫だ、自由研究の事は覚えてる!」
 梓は既に会計を済ませていた。早い。
 綾は数度ぱちぱち瞬きを繰り返した後、まあいいかと笑う。梓の選んだ器は想定していなかった大きだが、これは超大作が作れそうだ。
「それでどうするんだ」
 そう問いながら器を見る梓の目がドラゴンへ熱く注がれている事に笑みながら、そうだなぁと同じように器を見る。
「かき氷の半分を和エリア、もう半分を洋エリアにしよう」
「二種類を一皿に纏めるのか」
「そう。まずは氷だね」
 しゃりしゃり感のあるかき氷もいいが、綾が作りたいのは雪のようにふわふわとした氷の山だ。口当たりの良いそれが出来るかき氷機は、スタッフ担当の生徒に尋ねるとすぐに見つかった。
 白熊かき氷機を器の上にセットして削ってみると、その腕前は期待以上。柔らかに降る氷の欠片は正に雪のようで、削っていた梓は感心しながら氷の山を作り上げる。その視界へ、ふいに鮮やかな色が射し込んだ。
 渋い緑。淡い桃色。明るい黄色に、鮮やかな青。
 色を届けた主である綾は、梓の視線へと楽しげに笑い返した。
「これ抹茶と桜ね。和エリアはこの味にしようよ」
「わかった。洋エリアは残りの二色か? 何味なんだ?」
「レモンとブルーハワイ。乗せる果物とかも取ってくるねー」
「おう」
 梓は軽やかに遠ざかる後ろ姿を見送り、氷の山を眺める。
 ここまでで自分が担当したのは器選びと氷削りだけ。シロップと、盛り付けに使う具材の選択は綾だ。――普段なら、こういうものを見ると料理男子の血が騒いで、ここはこうした方がああした方がとあれこれ手を出したくなってくるのだが。
(「今回は敢えて綾の指示に従うって決めてるからな。……ん? 子供の自由研究に付き合うお父さんってこんな感じか?」)
 梓がハッとしている間に諸々を済ませてきた綾は、また何か発見した? と緩く笑いながら取ってきた物を順々に置いていくと、純白だった氷を和と洋に染めていく。ある程度染めた所で手を止めて全体を眺めれば、色もバランスも良い感じだ。
「ここに果物とアイス、クリームも外せないし……そうだ、和エリアに小豆やお団子もいいね! 取ってくる! ほら、梓もどんどん飾って」
「はいはい。……そうだ。焔、零。お前達も自由研究やるか?」
 喚ばれた仔竜達は勿論即答だ。
 綾が持ってきた物をガウガウキューキュー鳴きながら飾っていき、そこへ綾が新たな和要素、ミニ鯛焼きにコーン付きアイスも加わって――。
(「カオスなことになったな。それもまた一興ってやつか」)
 ん? こうして見守っているのもお父さんっぽいのでは?
 梓の思考は綾の「よし、完成!」に遮られる。ハッとしたその視界にはやはりカオスなかき氷があり――『(>ω<)』な表情もババーンと出来ていた。
「うんうん、可愛く描けた」
(「綾が描いたのか。……センスが完全に女子だな……」)
 お父さんの声は心の中にしまわれたまま。
 こうして夏休みの宿題は楽しく美味しくカオスに出来上がり、“頂きます”と“ご馳走様”で結ばれる。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ヴォルフガング・ディーツェ
【彩狼】 21★
うんうん、折角だからたっくさん食べたいけど冷えは大敵だね
寿は優しいな、もしもの時は甘えさせて貰うね?俺もルーンで白湯くらいなら出せそうな気がする

俺は向日葵の彫られた器にやっぱりもりもりマウンテン盛りにした氷をどん☆
トッピングは小豆、抹茶シロップ、黒あんみつと白玉団子を添えちゃおう
これだけだと平凡だな…あ!そうだ、SNSで見てやってみたかったんだ此れ(花火をざくっと刺す)
寿のは美味しそうだね、夏スイーツって感じで見た目も綺麗だ
確かに珍しい取り合わせだね、味が想像出来そうで出来ないな…
え、くれるのかい?やったー。俺のも代わりにあげちゃう。さあ遠慮せず!

頭痛も楽しい思い出、と微笑って


太宰・寿
【彩狼】 21★

スケッチブック達は傍に避けて
パレオはお腹に巻き巻き
準備万端です!(ぐっ
サマーショールを持って来ましたから、ヴォルフガングさんも冷えたら言ってくださいね
白湯もあったか貴重です!

朝顔が彫られた硝子の器にもりもりに盛った氷
マンゴーとマスカットと桃の果実とシロップ
トッピングはバニラソフトにカラフルなフルーツソース

わ!ヴォルフガングさんのは和風ですね、美味しそうです
綺麗、花火が映えですね
えへへ、食べたことない味のシロップにしてみました
ヴォルフガングさんにもあげますね
(混ざってカオスにならないよう小皿に盛って
やった、ありがとうございます

お約束のキーンに頭を押さえつつ、夏の味を楽しみます



 持ってきたスケッチブック達は傍に避ける。
 ミモザ揺れるパレオは腹部に巻き巻き。
「準備万端です!」
「うんうん、折角だからたっくさん食べたいけど冷えは大敵だね」
 ぐっと拳を握った太宰・寿(パステルペインター・f18704)に、ヴォルフガング・ディーツェ(花葬ラメント・f09192)は立派な狼尾をふぁさりと揺らし微笑んだ。
 そう、かき氷は美味しいけれど冷えてしまう。
 白と紫のペンちゃんパーカーはほんのり透けているけれど、冷えたりしない――? ヴォルフガングの水着姿を見た寿は、スケッチブックと一緒に避けたバッグをぽんぽんと叩いて朗らかに笑いかけた。
「サマーショールを持って来ましたから、ヴォルフガングさんも冷えたら言ってくださいね」
「寿は優しいな、もしもの時は甘えさせて貰うね? 俺もルーンで白湯くらいなら出せそうな気がするから、欲しくなったら言って?」
「わ、白湯もあったか貴重です!」

 ではでは――いざ、自由研究!

 ことり。ごとっ。
 掘られた向日葵が夏にぴったりな器が、かき氷機と一緒にヴォルフガングの前に置かれる。セットした氷塊はつるぴかだ。ヴォルフガングは楽しげに耳をぴんっと動かし――ゴリゴリゴリゴリゴリ! 音を響かせながら、向日葵の器に氷片を降らせもりもりマウンテンな山を作り始めた。
 トッピングの用意もバッチリだ。小豆、抹茶シロップ、黒あんみつに白玉団子。さり気なく全体のバランスも見ながら添えていけば、口に運んだ瞬間に和の味と彩りが広がる事間違いなしの一品が完成――には、まだ足りない。
(「これだけだと平凡だな……他に何かもう一つ……あ!」)
 視線と思考を巡らせた時、光の花がパチパチと弾けた。
(「そうだ、花火」)
 ヴォルフガングはスタッフ役の生徒を捕まえて――寿もまた、夏の花が掘られた硝子器へと氷片をもりもりに盛っていた。
 これくらいかなと止めた手元で、硝子彩る朝顔の表面を雫がひとつ、するりと通っていく。朝顔の向こうを満たす真っ白な氷片は、くるりと降ってきた鮮やかな黄色や澄んだ黄緑――盛り付けられた果実、マンゴーとマスカットの色へと染まっていった。
(「シロップもかけて……桃の果実とシロップも加えて、と……」)
 一つ加えては手を止めて全体を確認し、また加えては同じように。
 旬を迎えた果実達の共演は明るく、けれど不思議と柔らかにその色を溶け合わせていった。寿はふんわり笑って――がしり。手にしたガジェッドからにゅにゅにゅとバニラソフトのプチ山を絞り出し、色も香りも豊かなフルーツソースで彩っていく。
 そうして出来上がったかき氷を前に、寿は満足気な吐息をかすかに零し――ことり。隣に置かれたかき氷にぱあっと目を輝かせた。
「わ! ヴォルフガングさんのは和風ですね、美味しそうです。……綺麗、花火が映えですね」
「ありがとう。SNSで見てやってみたかったんだ此れ」
 目を細めた寿へ、ヴォルフガングはざくっと刺した時の手付きを再現してみせた。
 ふふっとこぼれた笑い声にヴォルフガングもつられるようにして笑い、寿が作ったかき氷に目を留めた。へえ、と一言紡いだその顔にも、寿と同様に楽しげな彩が宿っている。
「寿のは美味しそうだね、夏スイーツって感じで見た目も綺麗だ」
「えへへ、食べたことない味のシロップにしてみました。マンゴーとマスカットと、桃です」
 はにかむ寿。
 笑顔で頷くヴォルフガング。
 外見年齢は近いけれど、過ごした月日は桁違い。
 そんな二人の間に流れる空気は、お祖父ちゃんと孫娘といったほのぼの感が――もりもりマウンテンかき氷と共に在った。ヴォルフガングは、寿作のかき氷が纏う色を興味深いといった表情で眺めている。
「確かに珍しい取り合わせだね、味が想像出来そうで出来ないな……」
「ふふ。では食べてみて下さい。ヴォルフガングさんにもあげますね」
 果実達の色がとけあい混沌と化さないよう、丁寧に掬って小皿へと。
「え、くれるのかい? やったー。俺のも代わりにあげちゃう。さあ遠慮せず!」
「やった、ありがとうございます」
 それでは。
 二人は笑みを交わし、頂きますとぱくり。
 ひんやり甘く広がる味わいにスプーンは止まらず――ふいに訪れた“キーン”に揃って頭を押さえた。けれど、そんなお約束も楽しくて。微笑んだ二人はまた、夏の味を楽しんでいく。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

双代・雅一
雪音さんと

膝下丈のハーフパンツに青色のアロハ(白熊柄)
たまには夏らしい格好で行け、と紅紀に着せられたんだけど

器は少し大きめ、雪結晶の柄のもの
夏夜さんのアレに凄く心揺さぶられた俺だけど
流石にあの大きさは…
と言いつつ出来るのは中々大きい氷の山
それに虹色の七色になる様シロップかけ
各色味の果物も乗せてみよう
ただし緑は宇治金時
何処から食べても違う味と言うのも面白いかな、と

雪音さんのもなかなか美味しそうに出来たんじゃないか?
座ってふと、落ち着かぬ相手の様子に嗚呼と笑み
その…とても、似合ってる
申し訳無い、見ての通りお洒落には疎いもので巧い言葉は出ないんだけど

甘味好き発揮、幸せそうに食べ(氷頭痛知らず


御乃森・雪音
雅一(f19412)と
22★

色々あって迷うわね
夏夜みたいな大きいのは食べ切れないから、小さめにしなきゃ
手に取った皿は薄青の、花のような形
丁寧に氷を削って、選んだのはベリーのソース
具だくさんのソースの中に生の苺やブルーベリーを追加して見た目も味も美味しそう
勿論白玉と練乳も

雅一はどんなの作ったのかしら…席で見て色と大きさにびっくり
改めて座ったら何となくそわそわしてしまう
…水着で出かけるのは初めてだったわ
おかしくないかしら…気になって様子を窺ったりして
笑顔と言葉の破壊力に暫く固まってから我に返る
まあ、さっさと食べないと溶けちゃうわね
顔の熱を冷ます為に手は止めず、頭痛が出ない程度にスプーンを動かす



 足取りと共に、白熊がころころとちりばめられた青色アロハが揺れる。
 その下は膝下丈のハーフパンツ――と、紅紀に着せられたそれは普段と全く違う装いだ。双代・雅一(氷鏡・f19412)は今着ているものを改めて見ると、短く息を吐き、いつもの雰囲気を纏った。
「雪音さんはどの器に?」
「色々あって迷ってるわ。あら、雅一の器、雪の結晶が綺麗ね」
 並ぶ器達を前に、御乃森・雪音(La diva della rosa blu・f17695)が楽しげな笑みを浮かべる。少し体が動いたからか、纏う飾りがしゃらりと心地よい音を立てた。
「少し大きめの器にしたのね?」
「ああ。夏夜さんのアレに凄く心揺さぶられはしたんだけど……」
「そうなのよね。夏夜みたいな大きいのは食べ切れないから、小さめにしなきゃ」
(「流石にあの大きさは……」)
 ハァイと脳裏に甦ったかき氷は二人の脳裏に収まらなかった。
 スペースから大変はみ出したそれを雪音は頭の外へ追い出し、器を眺めて考える。少ししてその手が抱き上げたのは、透き通った薄青の花を思わす美しい器だった。
「その器もいいな」
「でしょう? じゃ、また後で」
「ああ。また後で」
 二人は暫し別れ――る前に、かき氷機の所へ。そういえば、本当の“また後で”はこの後だった。小さく笑った二人はそれぞれのかき氷機を選び、今度こそ「また後で」を交わし、別れる。

(「……うん。いい香り」)
 雪音の表情を綻ばせた赤色は深く、しかし透明感も湛えた甘酸っぱいベリーソースだ。
 丁寧に削った氷へとソースも丁寧にかけてゆけば、とろりとかかった甘い赤色が澄んだ白色を静かに静かに染め替えていく。
 具だくさんのソースだけでなく、生の苺にブルーベリーと追加していけば、見た目も美味しそうな気配も増すばかり。口に入れたなら、今広がっている香りはさぁっと溶けた氷と一緒に全身へと染み渡るだろう。
(「それから勿論……」)
 小さく笑って追加したのは、ぷるつやまん丸な白玉と、とろりと下の色を透かす練乳だ。
(「これは外せないわよね」)
 雪音がうんうんと頷いていた頃、雅一は数分前の自分に問いかけていた。
 言っていた事とやっている事が違わないか――と。
 雅一の目の前にあるのは、かき氷機でゴリゴリ削って出来た氷の山だ。それもなかなかの大きさだった。少し大きめの器にしていなかったら、と考えかけ、緩く首を振る。
(「氷だから口に入れれば溶けるしな。さてと……」)
 まずはシロップから。
 虹の七色になるよう、色と色の間に隙間が出来ないよう静かにかけていくと、上手い具合に色同士が重なった。次へ移る前に器をそっと回して確認すれば、重なった部分の色が溶け合い、次の色へと繋いでいる。
(「よし」)
 小さな頷きを挟んで手にしたのは、盛り付け用に借りてきたスプーンだ。
 赤色には苺、黄色にはパイナップル。かき氷と同じ色味をした果物を載せて彩っていく。――ただし緑は宇治金時の担当だ。色だけでなく味も変わるかき氷は、どこから食べても違った味が楽しめて面白いだろう。
 ――そして。

「……凄いかき氷ね」
「雪音さんのもなかなか美味しそうに出来たんじゃないか?」
「そう? ありがとう」
 席で見た雅一作のかき氷、その色と大きさにぽかんとしていた雪音はそろりそろりと席につく。そしてスプーンを持ち――何となくそわそわしてしまった。
(「……水着で出かけるのは初めてだったわ。おかしくないかしら……」)
 落ち着いた紫を基調とした今年の水着は、砂漠世界の踊り子を思わせるものだ。色も、デザインも気に入っている。――けれど、雅一にはどう見えているだろう。
 こちらをそっと窺っては落ち着かない様子、その理由に雅一は思い至り、嗚呼、と笑む。その、と言ってから間が空いてしまったのは――慣れていないせいだ。
「……とても、似合ってる。……申し訳無い、見ての通りお洒落には疎いもので巧い言葉は出ないんだけど」
 それでも消えない笑みに、雪音の中で先程の言葉が重なり続けた。
 雪音は暫く固まって――我に返るとかき氷にスプーンを刺す。ブルーベリーが一粒転がり、縁に引っかかった。
「まあ、さっさと食べないと溶けちゃうわね」
「そう、だな。……うん、美味い」
 片や顔の熱を冷ます為。
 片や甘味好きを発揮して。
 穏やかに動くスプーンは氷の山を崩し、痛みのない、甘やかなひとときを紡ぎ続ける。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

エスターテ・アレグレット
22★(ただし、露出控えめ)

あっつ……
少しでも涼しくなりたくて作りにきた。かき氷ってかグラニータのほうが得意なんすけど、材料あるかな?

シロップ作って、果汁とあわせてバットに入れたら凍らせる
何度かかき混ぜてシャーベット状に
…ね、簡単でしょう?
スイカ味といちご味とトマト味の3種を作る
器にそれぞれ取り分けて……と
…しまった。食材全部赤いのにしたせいで、どれがどれかわかんないぞ
食べてみても、僕には冷たいモノとしか感じないし……

そうだ。グリモア猟兵の夏夜くんに試食してもらおう
いえで待ってる甘党くん達に作ってあげようかなって思ってるんで、夏夜くんが一番気に入った味教えてくれないすか?



 ――夏。
 毎年の事とわかっていても、口にしてしまうものがある。
「あ~~~、外あっつ……」
 水着姿で自由研究かき氷作りしに来たエスターテ・アレグレット(巻き込まれる男・f26406)は、手扇でぱたぱたと顔を仰ぎながら息を吐いた。
 じりじりとした熱が幅を利かせる外では手扇なんて慰めにもならないが、かき氷作りの為に用意されたここは魔法で気温が一定に保たれており、ひんやりとした冷気が火照った肌から熱を奪ってくれる。
 気分がスッキリしたエスターテはまずライオン形のかき氷機を選び、次に器を選んでと取り掛かるのだけれど――。
(「かき氷ってかグラニータのほうが得意なんすけど、材料は……お、あったあった!」)
 必要な物を揃えたエスターテの手捌きは慣れたものだ。
 作ったシロップを果汁とあわせてバットに注ぎ、それを凍らせたらかき混ぜる。これを何度か繰り返せば、ほら、シャーベット状に。

 ……ね、簡単でしょう?

 ――なんて。カメラ目線で微笑むおじさんの幻が過ったり過ぎらなかったりする間も、エスターテはスイカ味いちご味トマト味の三種を作り上げ、それぞれの器へと綺麗に盛り付けた。が、その手がピタッと止まる。
(「……しまった。食材全部赤いのにしたせいで、どれがどれかわかんないぞ」)
 味覚がほぼ無い自分では、食べてみたところで違いがわからない。
 まいった、どうしよう。だってこれは――。
 エスターテは考えながら視線を巡らせ、ルンルン歩くグリモア猟兵に「そうだ!」と豆電球をぴかり光らせる。
「夏夜くん丁度いいところに!」
「なぁに、ナイスタイミングだった? あらっ、素敵なかき氷!」
「へへ、どうもっす。実は試食をお願いしたくって……いえで待ってる甘党くん達に作ってあげようかなって思ってるんで、夏夜くんが一番気に入った味教えてくれないすか?」
「甘党くん達に届ける最高の一品を選ぶってワケね、お安いご用よ!」
 ぐっと拳を握った機械の手がスプーンを取り、しっとりと濡れて輝く赤色をしゃくりと掬う。
 一口食べては飛び出す「美味しい」の声、すぐに続いた詳細な食レポ。それを三回終えた後、エスターテのメモ帳に、ぐるりと丸で囲われた“スイカ味”が記された。

大成功 🔵​🔵​🔵​

フリル・インレアン
ふええ、アヒルさん。
自由研究ですから素材や器に拘ったりするのは分かるのですが、なんでかき氷機に拘っているんですか?
どれでも同じじゃないですか?
ふえ、私のサブジョブが何か言ってみろってガジェッティアですけど、
そして、ここはってアルダワ魔法学園です……。
だったら、かき氷を作るガジェットに目がいかないのはおかしいって、私は正式なガジェッティアじゃなくて、ただアヒルさんを連れているだけのアリスなんですけど。
ふええ、それでどこがどう違うんですか。
たしか、氷をふんわり削れると良かったりするんでしたっけ?
ふえ?違うって何が違うんですか?
アヒル型のデザインが最高のかき氷機って、ガジェッティア関係ないですよね。



 テーブルの上にずらりと並ぶかき氷機のデザインは多彩だ。シンプルなもの、動物を模ったもの、誰がやったのか大粒ビーズなどでデコレーションされたものまである。
 性能が知りたい時はスタッフ役の生徒に尋ねれば色々と答えてくれる為、かき氷作りの前にそこで過ごす生徒も多い。
 夏休みの自由研究オリジナルかき氷作りをしに来たフリル・インレアン(大きな帽子の物語👒 🦆 はまだ終わらない・f19557)も、その中の一人だ。――ただ、他とは少し事情が違っている。
『グワ……グワワ……』
 むむう、これは。
 そんな声が聞こえてきそうなほど真剣にかき氷機を吟味するアヒルさんの後ろで、フリルはいつものようにおどおどしていた。ここへ来てからずっとかき氷機を見ている。
「あ、あのー、アヒルさん……まだですか……?」
『グワ!』
「ふええ……! 自由研究ですから素材や器に拘ったりするのは分かるのですが、なんでかき氷機に拘っているんですか? どれでも同じじゃないですか?」
『グワァ~ワ?』
「ふえ、私のサブジョブが何か言ってみろってガジェッティアですけど……そして、ここはってアルダワ魔法学園です……」
 フリルの返答にアヒルさんは満足そうに頷き、グワグワと抗議の声を上げた。
 曰く――だったら、かき氷を作るガジェットに目がいかないのはおかしい――と。
 アヒルさんの主張にフリルは困ってしまった。だって自分は正式なガジェッティアではなく、ただアヒルさんを連れているだけのアリス適合者だ。それを正直に伝えると、再びグワグワガァガァ怒られ飛び上がってしまう。
「ふええ、それでどこがどう違うんですか。たしか、氷をふんわり削れると良かったりするんでしたっけ?」
『グワ~ワ!』
「ふえ? 違うって何が違うんですか?」
 きょとりとしたフリルに、アヒルさんが熱く訴えた違い。それは――。
「アヒル形のデザインが最高のかき氷機って、それ、ガジェッティア関係ないですよね」

 しかしそれで納得するアヒルさんではない。
 アヒルさんのアヒル形限定の厳しいチェックはその後も続く事となり、フリルの自由研究は、どの生徒よりもずっと後になるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

朱赫七・カムイ
⛩神櫻
22★

かき氷の自由研究とはいいね
どんなかき氷を作ろうか

私のかき氷は我が社をモチーフにした神社かき氷にしよう
盃の器にカリカリの氷をもっていく
なかなか削るのが難しいな

サヨ、花弁のようにするなら桜色に彩った桜氷を使うのはどうだい?
鳥居を模したチョコレート菓子を飾り桜型の琥珀糖を散らす
淡いの空のような果実のシロップをかけて……ほら、だいぶらしくなってきた
サヨのかき氷は大きな桜の木のようだ
天に聳えるようだね……こんな高いかき氷は初めてみたよ

サヨ、私は仕上げにパンケーキを飾るよ
小さめに焼いたふわふわの冷やしパンケーキを!
桜蜜をかけ柘榴も飾り…出来た!
自慢のかき氷の前でご満悦

食べるのが勿体ないくらいだ


誘名・櫻宵
🌸神櫻
22★

カムイ!かき氷の自由研究をはじめるわよ!
器から拘りたいわ
私は桜の形のにしてみようかしら?
カムイは盃のようなのはどう
私の神様だもの!神社感を出すの

カムイの氷はカリカリなの?なら私はふあふあに削って花弁が積もるように重ねていく
いいわね!
桜シロップ入の桜色の氷にしましょ
桜の器にドンドコ高く高く氷を盛って…
途中真ん中に練乳や苺や桃ソースを挟みどんどん積み上げる
そして、花弁の如きチョコを散らすの
桜蜜、私もかけるわ
これが私の天にそびえる千年桜かき氷よ!

そこにパンケーキを?!
いい感じの神社かき氷に突如現れたパンケーキ
でもあなたらしいわ

満足そうに胸を張りスプーンを手にする
それじゃ早速頂きましょ!



「カムイ! かき氷の自由研究をはじめるわよ!」
 ご機嫌な声と共に、枝角に咲く桜の数がふわりと増える。
 神像のような出で立ちの誘名・櫻宵(咲樂咲麗・f02768)が振り返り見せた笑顔に、朱赫七・カムイ(禍福ノ禍津・f30062)もどこか無邪気な笑みを浮かべ隣に並び立った。黒の羽織袴をモチーフとした水着姿は、櫻宵とはまた違った神秘的な雰囲気を醸し出している。
「どんなかき氷を作ろうか。器が沢山あるけれど……」
「器に拘るのも大事よ、カムイ。私は桜の形のにしてみようかしら? あ、ほら見て! あったわ、桜の器!」
 櫻宵が手にした硝子の器はふっくらとした桜花の形をしていた。その色は雪解け水のように澄んでおり、丸みを帯びた輪郭が可愛らしい。
「サヨに似合っている。いい器だね」
「うふふ、ありがとう。カムイは盃のようなのはどう?」
「盃?」
「私の神様だもの! 神社感を出すの」
「それは良いね。では……サヨ、これなんてどうだろう?」
 カムイが目に止め、手に取った一つ。それは櫻宵が選んだものと同じく透き通っていたが、黄金色がささやかに縁を彩っており、盃に似た形もあって今日の装いとよく似合っていた。
 器が決まれば次はかき氷機の出番。カムイは早速借りたその下に器を据え、氷を削り始め――たのだけれど。
「なかなか削るのが難しいな……」
 時折、ごり、と引っかかるような手応えがある。しかし自身の社を元にした神社かき氷作りをと思うカムイは、諦める事なく試行錯誤しながらカリカリの氷を盛っていった。それを見た櫻宵が、あら、と目を瞬かせて咲う。
「なら私はふあふあに削って、花弁が積もるようにするわ」
「サヨ、花弁のようにするなら桜色に彩った桜氷を使うのはどうだい?」
「いいわね! 桜シロップ入の桜色の氷にしましょ」
 透き通った桜色の氷が狙い通りの欠片となって降れば、笑顔も空気も明るく咲いていく。
 カムイはその心地に目を細めながら氷の山に鳥居を模したチョコを飾り、続いて桜形の琥珀糖をそっと散らしていく。そして白く住んでいた氷に淡い空めいた果実のシロップをかければ――。
「……ほら、だいぶらしくなってきた」
「かき氷の神社完成までもう少しね」
「サヨは……おや?」
 愛しい巫女の手元を見て神は首を傾げた。
 桜の器に桜氷の山が聳えている。しかもその山は、練乳に苺に桃ソースといった甘い層をも成して聳え立っていた。神は知らない。巫女が鮮やかな手付きでドンドコ氷を盛っていた事を。
「天に聳えるようだね……こんな高いかき氷は初めてみたよ」
「これだけじゃないわ。見てて」
 手にしたチョコに包丁を当て、さらさらと軽やかに揮う。すると花弁の如く欠片が散り、とろりと桜蜜を巡らせれば――。
「これが私の天にそびえる千年桜かき氷よ!」
 透明感ある美しいかき氷にカムイの瞳は煌めいた。
 素晴らしい、流石だよサヨ――ふわふわと湧き上がる感動に櫻宵の誇らしげな笑顔が重なっていく。アイデアと技術を籠めた一品を見つめているうちに、カムイの中で決意が芽吹いた。
「サヨ、私は仕上げにパンケーキを飾るよ。小さめに焼いたふわふわの冷やしパンケーキを!」
「えっ? そこにパンケーキを?!」
 いい感じの神社に?
 きょとりとしてる間に、カムイは必要な材料をボウルに入れ、混ぜ、焼き始めていた。
 決めたら早いわ、流石私の神様ね――驚きながらも見守る事にした櫻宵の前で、カムイは真剣な表情で生地をひっくり返す。ぽん、と露わになった狐色の生地がもう片面にも生まれた後、神社かき氷に寄り添うパンケーキが出来上がった。最後に桜蜜と柘榴の彩が煌めきを生み――。
「出来た! ほら、サヨ。これが私の自由研究だよ」
 最初から最後まで自分だけで作ったかき氷はカムイの自慢だ。ご満悦な様子に櫻宵の瞳が優しく甘く和らいでいく。
「あなたらしい、素敵なかき氷だわ」
「ありがとう。……しかし、食べるのが勿体ないくらいだ」
「あら、ここからが自由研究最後の仕上げよ?」
 満足そうに言って胸を張った櫻宵の手で、銀のスプーンがキラリ。
 それを見たカムイはふんわりと咲い、同じようにスプーンを手に取った。
「それじゃ早速頂きましょ!」
「どのような味かな? 楽しみだよ」
 千年桜かき氷と、春に染まった神社かき氷。
 一口掬って食べたなら、氷と共に蕩けた幸いが隅々まで広がっていく。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

リヤン・サクリフィス
【榊羽】
22★

宿題って大変なんだね
でも、あたしやったことないから
楽しそう…!

かき氷、すきなのつくっていいんだよね
どうしよう、シロップもトッピングも迷っちゃう
ミツは何にする?
あたしはね、えっと、これくらいのね…(小どんぶり程度の硝子皿

おなか冷やしたら、あとで遊べなくなっちゃうし
でも氷をいつもより多めに
シロップはね、青いのと黄色いのがいいな
ソーダ味とレモン味
わたあめと、バニラアイスとフルーツと…(それなりにかわいい出来

ミツのかわいい!魔獣の熊よりずっとかわいい!!
ひとくち交換しよ
ふふ、あーん

えへへ、自由研究って楽しいんだね!
お皿も買っていきたいな
家でね、またかき氷が作れたらうれしいって思ったの


護刃・樒
【榊羽】
22★

学生なんて縁遠いもの、なったことがないですからねえ
リヤンが楽しそうで何よりですよ

好きな物で良いんですよ、きみが楽しそうだとおれが嬉しいので
おれは、これかな
どうせなら美しい器が良いなと(標準サイズの、彫りの美しい切子の器を探して)
氷はふんわりした雪のような氷を
シロップは……みぞれにしましょうか
バニラアイスと桃で鼻や耳を作って、チェリーも飾って、しろくまデザインにでもしたらリヤンが喜ぶんじゃないですかね
おれの愛しい彼女は美味しいものとかわいいものが大好きですから

はい、交換しましょう
あーん、ですよ、リヤン
良いですねえ、器を買って帰って家でもやりましょうかかき氷
夏は始まったばかりですから



 夏休み。
 休みがつくのに、宿題が在る。
 その事実を口にし理解した護刃・樒(花榊・f34873)は、澄んだ青が添う白色を静かに揺らして歩きながら、自由研究に励む学生達を眺めた。
「それが学生というものらしいですね」
「宿題って大変なんだね。でも、あたしやったことないから、楽しそう……!」
「学生なんて縁遠いもの、おれもなったことがないですからねえ。けど、リヤンが楽しそうで何よりですよ」
 柔らかな微笑に見下ろされ、リヤン・サクリフィス(戀慕・f34991)は被っていた麦藁帽子を頭の後ろにやりながらはにかんだ。
 ここにいる学生と同じく、隣を歩く樒は封神武侠界風の水着を、リヤンは儚げな白色レースと淡い菫色を組み合わせた可憐な水着を纏っている。
 こんな格好でやれる宿題がある――しかも、かき氷作りだなんて!
 琥珀瞳を輝かす様を樒が静かに見守り愛でる中、必要な器具や材料を前にしたリヤンの翼耳が小さく揺れた。
「かき氷、すきなのつくっていいんだよね。……どうしよう、シロップもトッピングも迷っちゃう」
「好きな物で良いんですよ、きみが楽しそうだとおれが嬉しいので」
 そうしていいと言われたのだから、大丈夫。
 そう伝える言葉にリヤンの表情はほわりと明るくなった。樒の揺らがない愛情は、リヤンの中にあったちょっとした不安も、一瞬で消してしまう。魔法みたいと頬を染めたリヤンが「それじゃあ」と視線を向けた先には数多の器が並んでいた。
「ミツは何にする?」
「おれは、これかな。どうせなら美しい器が良いなと。リヤンはどれがいいですか?」
「あたしはね、えっと、これくらいのね……あ。あれにしよう、かな」
 小丼ほどの硝子皿を手に、リヤンはちょっとだけ考え込む。
 樒が選んだものは、彫りで彩と柄を美しく魅せる切子の器だ。樒の手の中にあるそれがリヤンには宝物のようにキラキラして見えて――そっと自分の硝子皿と見比べる。これ小さすぎた? 足りないかな?
(「う、ううん、これでいいの。おなか冷やしたら、あとで遊べなくなっちゃうし」)
 そんな乙女心は胸の奥に封印して。
 けれど、削り始めた氷はいつもより多めを目安に。
 削りたての、透明感ある白色を湛えた氷の山を染めるシロップは、鮮やか青色ソーダと爽やか黄色のレモン味。しっとり染めていったなら、お次は心躍るトッピングの出番だ。
「わたあめと、バニラアイスとフルーツと……あ、これも載せようかな」
 楽しそうな気配に樒はそっと微笑み、自身のかき氷を作り上げていく。
 削った氷はふんわり雪のよう。なだらかで柔らかな純白を彩る味わいは――氷の山よりも透明なみぞれに。
 彩りは他のものでやりましょうかと、樒はバニラアイスを二つ、てっぺんのサイドへぽこり。続いて桃を手に取り、果物ナイフでしゅるりとカットしたそれをかき氷の正面――気持ち、中央よりも上に載せた。
(「それからチェリーも飾って……うん、しろくまになってますね」)
 美味しいものとかわいいものが大好きな愛しい彼女は、これを見たら喜ぶんじゃなかろうか。確信に近い予感を胸にできましたよと声をかければ、リヤンも完成したらしい。樒の前にあるかき氷を見たその顔に、ぱあっと輝く笑顔が咲いた。
「ミツのかわいい! 魔獣の熊よりずっとかわいい!!」
 予感の中よりもずっと眩く映る喜びに、樒はふんわりと愛おしげに微笑み返した。
 自分が作ったかき氷を間近で見るリヤンの姿を暫し見つめ――ぱっと向いた笑顔に、微笑んだままどうしましたと首を傾ぐ。
「ひとくち交換しよ」
「はい、交換しましょう。あーん、ですよ、リヤン」
「ふふ、あーん」
 スプーンに載せた一口分。樒からリヤンへ贈ったそれはスプーンから少しはみ出す量だったなんて、リヤンは気付かない。ぱくりと口内へ届いたしろくまかき氷は、優しい甘さと冷たさを一緒に広げて笑顔の源となった。
「えへへ、自由研究って楽しいんだね! お皿も買っていきたいな。家でね、またかき氷が作れたらうれしいって思ったの」
「良いですねえ。器を買って帰って、家でもやりましょうか、かき氷」
「いいの?」
「ええ。夏は始まったばかりですから」

 愛しいきみが夏を楽しみ、笑顔が咲く。
 そんな日々が続く夏の始まりに、我慢の二文字は似合わない。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

陽向・理玖
【月風】
22★

すっげぇ!
俺の考えた最強のかき氷が作れるんだな
元々最強か
さすが

あ、器は出来たら揃いとか対になるような…
柄合わせとかそういうだけでもしたいな
瑠碧を彷彿とさせるような青い硝子の器を手に取り
この辺かな

まず氷はどーんと
周りに色々果物ちりばめたい
折角だから星とか型抜きした奴
あとアイス乗せて動物っぽくデコろ
瑠碧何がいい?
やっぱ鳥?
アイスにチョコで目と嘴付けて鳥っぽく
あとは苺のシロップと練乳たっぷりかけて
よっし出来上がり

瑠碧のは?
瑠碧のもめっちゃいいじゃん
爽やかで美味そうだし
果物の使い方が可愛い
やっぱかき氷にアイスとか最強だよな
瑠碧のも味見したいな
嬉しげにぱくり
さっぱりしてて美味い
俺のも
差出し


泉宮・瑠碧
【月風】
22★

かき氷の最強、とは…
いえ、かき氷は元々最強ですが
…氷菓好きなので

シロップを眺めて迷い
では、器は私も青い硝子で
青は理玖の瞳もですから、お揃いです

シロップは…紅茶にします
器の底に少しシロップを入れてから氷を盛り
半ば程でもう一度シロップを掛けて
あとは山型に氷を盛り

…動物?
えと、鳥が良いです

仕上げに上からシロップを掛けて…
半分には練乳とバニラアイスを
もう半分にはレモンの砂糖漬けを添え
縁にはオレンジやサクランボを飾って…
完成です

わ、理玖のは鳥がいますね
果物も華やかです…そして美味しそう
はい、アイスもかき氷も最高です
理玖に、はい…あーん
紅茶ですが大丈夫そうで良かった
理玖のにもぱくっ
…おいひい



 とある自由研究の作業用に。用意されたそこを訪れた陽向・理玖(夏疾風・f22773)の瞳はキラキラと輝いた。被っていた深い海色をバサッと後ろに流せば、沢山のかき氷がより鮮やかに瞳へと飛び込むよう。
「すっげぇ! 俺の考えた最強のかき氷が作れるんだな」
「かき氷の最強、とは……いえ、かき氷は元々最強ですが」
 少し驚いた後、しっかりと添えた泉宮・瑠碧(月白・f04280)の足元で海色の裾がさざ波や尾鰭の如く揺らいだ。
「元々最強か。さすが」
「……氷菓好きなので」
 かき氷の凄さと瑠碧の氷菓に対する愛情を再確認した二人の足は、使える器や材料が並ぶスペースへと向かう。瑠碧の目はまずシロップ各種に注がれ、理玖の目は並ぶ器の数々へと。
「あ、器は出来たら揃いとか対になるような……柄合わせとかそういうだけでもしたいな」
 手に取ったのは清らかな青に染まった硝子の器だ。その色は隣りにいる瑠碧を彷彿とさせるもので、この辺かなとさり気なさを添えて目をやれば、嬉しそうに微笑む瑠碧がいた。
「では、私も青い硝子で。青は理玖の瞳もですから、お揃いです」
「ん、そうだな。お揃いだ。……っと、シロップは?」
「そうですね……紅茶にします」
「へえ、そういうのもあるんだな?」
 小さな驚きと発見も挟みながら二人は材料を選び、決まったそれらとかき氷機を抱え、テーブルへ。
 一般的にはまず氷を削る所から始まるが、瑠碧が最初にやった事は器の底に紅茶シロップを少量入れる事。それから削った氷を盛り、高さが予定の半ばまで来たらもう一度シロップをかけていく。
(「あとは山の形になるように氷を盛って……」)
 理玖はというと、ガリゴリと削った氷をどんどん器へと降らせていた。
(「やっぱ氷はどーんとやりたいよな。で、周りに色々果物ちりばめて……」)
 イメージ通り、どーん、の文字が似合う氷の山をこさえたなら選んだ果物を手に取り――待てよ、折角だからと取りに向かったのは型抜きだ。星や花形のそれで果物をくり抜き、氷の山も、アイスを載せ動物風にデコレーションしたい。
「かき氷動物っぽくしようと思ってさ。瑠碧何がいい? やっぱ鳥?」
「……動物? えと、鳥が良いです」
「よし鳥な!」
 きょとりとしていた瑠碧はすぐに微笑み、理玖のかき氷を楽しみにしながら仕上げへと取り掛かった。
 綺麗な山の形となったかき氷の上からシロップをくるりとかけていき、半分には練乳とバニラアイス、もう半分にはレモンの砂糖漬けでおめかしを。瑞々しいオレンジとさくらんぼで縁も飾って――。
「完成です」
「よっし出来上がり」
 重なった声に二人は顔を見合わせ、笑い合う。
 それと同時に目に入るのは、互いが作ったかき氷だ。
「わ、理玖のは鳥がいますね。果物も華やかです……そして美味しそう」
 目と嘴はチョコを付けたアイス製。
 鮮やかな羽毛の役目は、苺のシロップとたっぷりかけられた練乳だ。
「ありがとな。瑠碧のもめっちゃいいじゃん。爽やかで美味そうだし、果物の使い方が可愛い。やっぱかき氷にアイスとか最強だよな」
「はい、アイスもかき氷も最高です」
 お互いのかき氷と、かき氷とアイス。それぞれを笑顔で称え合ったその次は――そう、最後の仕上げ。艶々銀色のスプーンを手に、かき氷の前に着席しての“いただきます”。
 まずは自作のかき氷をぱくり。氷の優しい舌触りはすぐにとけ、広がった味わいに二人は嬉しそうに目を細めた。
「瑠碧のも味見したいな」
「ふふ。どうぞ。はい……あーん」
「うん、さっぱりしてて美味い」
 ぱくりと食んだ時。感想を伝えた時。どちらの理玖にも嬉しげな笑顔があり、シロップに紅茶を使っていた瑠碧は安堵と喜びの笑みを灯した。その目の前に、ほら、と一口分を載せたスプーンが差し出される。
「俺のも。はい、あーん」
「あーん。……おいひぃ」
 氷で出来た一口は何度食べてもすぐにとけて、消えていく。
 けれど交わす美味しさはどんどん積み重なり――かき氷の山も驚きの、幸せ色のキラキラに染まっていく。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

コノハ・ライゼ
たぬちゃん(f03797)と
22★

ま、アタシは何着ても似合うケド?
たぬちゃんも……は、ナンか違和感ないわねネ

さあて、自由研究ってからにはソレっぽくしないとネ
ふふ、フルーツも盛り盛りにしちゃいましょ

ブルーハワイシロップの象
レモンの虎
苺のペンギンにカラフルシロップなオウム
狸ならそうねぇ……抹茶に小豆かしら
と小さな器にかき氷の動物たちをせっせと作っていく

たぬちゃんは何作って……ああ、うん。(憐みの眼差し)(おまいう)
ハイハイ、リクエストね……って、随分ハードル上げたわね!?
ぇえ、嘴をバナナか何かで……どうにか……

ナンか真面目に課題させられてる気分だけど
ま、賑やかな動物園ができそうだからいっか


火狸・さつま
コノf03130と!
22★
コノ、水着似合てる!
嬉しさいっぱい!にっこにこ!

器も、食材も、色々!いっぱぁい!!
大好きなオレンジと、マンゴーと
あと桃も好きだし…色々食べたい…!!
わっくわく尻尾ふりふり!

オレンジの狐さん
マンゴーの狐さん
シロップとフルーツと駆使して
てきぱき狐さん作って、狐ですアピール!

わわ、コノ、さすが!すてきすてき!!!
ね、ね、あのね、俺ね、ハシビロコウさん、見たい!!作って!!
何でも作れると信じきって無茶振りおねだりしつつ
自分はシマエナガさんチャレンジ!
みぞれ味も美味しい、よね!
後はおみみがバニラアイスのシロクマさん!
ソフトクリームでふわふわ感出した羊さんも!
かき氷動物園、だね!



 ぱたぱた揺れるふっさり狐尾と一緒に、パーカーから伸びる狸尻尾もぱたぱたり。
 今日の火狸・さつま(タヌキツネ・f03797)は狐で狸。栗色に山吹色の裏地が眩しいたぬたぬパーカーの裾を藤花そよぐサーフパンツと一緒に翻し、コノハ・ライゼ(空々・f03130の周りを満面の笑みで歩き回っていた。
「わぁわぁっ、コノ、水着似合てる!」
「ま、アタシは何着ても似合うケド?」
 ――フ。
 クールに笑んだコノハの水着は純白と紅を合わせたものだ。裾に大輪の華を咲かせた水着はさつまと似た作りだが、微妙に違う。フードにある三角形や後ろ裾からひらりと揺れる白色は、普段晒す事のない狐の部分と通じるものがあった。
「たぬちゃんも……は、ナンか違和感ないわねネ」
「似合う? 似合う?」
「ハイハイ似合うわよ。さあて」

 自由研究ってからにはソレっぽくしないとネ?

 くすりと楽しげに笑ったその足取りが材料スペースへ向かえば、後ろからすぐに隣へと並んださつまが無邪気に笑ってついて行く。
「器も、食材も、色々! いっぱぁい!!」
「ふふ、フルーツも盛り盛りにしちゃいましょ」
 何せこれは自由研究――即ち、用意された材料は好きなだけ使っていいという事!
 楽しいプランに目を爛々とさせたコノハの隣で、フルーツと聞いたさつまの目もキラリッ。
「大好きなオレンジと、マンゴーと、あと桃も好きだし……色々食べたい……!!」
 狐姿だったなら間違いなく歓喜のきゅっきゅャーん! を響かせていただろう。
 さつまは食べたいと思ったフルーツをどんどん選び、頭の中に思い描くかき氷を完成させようと、ウキウキワクワクの手付きで作業を進めていく。
「オレンジの狐さん、マンゴーの狐さん……♪」
 カットして切れ込みを入れて。合体させて。
 シロップと他のフルーツも駆使し、てきぱきとフルーツ狐さんを作ったさつまは、出来上がりに大満足の息をふすんっ。
「コノ、コノ、狐さん、できた……!」
 狐さんだよとアピールも欠かさずコノハの方を見れば――目に映ったコノハ作のかき氷で、さつまの瞳に感動の煌めきがシャラララと流れていった。
 透き通った青色の象は爽やか甘いブルーハワイ。
 しっとりイエローの虎はレモンの香りと味わいに満ち、苺のペンギンがペペンと胸を張る傍にはカラフルシロップでゴージャスに染まったオウムがいた。そしてコノハの手は今、次の動物作成に取り掛かっている所で――。
(「狸ならそうねぇ……抹茶に小豆かしら」)
 せっせせっせ。
 小さな器にかき氷の動物達を生み出していく様は、さつまの全身を感動とトキメキで震わせるものだった。背景には「コノ、すごい!」の特大文字だってぺかぺか輝いている。
「わわ、コノ、さすが! すてきすてき!!!」
「アラたぬちゃん。ありがとね」
 堪らずしゅばっと傍に寄ったさつまに気付いたコノハは、材料選びの時点で大変テンションの高かったさつま作のかき氷が気になった。
「たぬちゃんは何作って……」
「へへ、へ!」
 どう? どう?
 ウキウキワクワク、ソーワソワ。
「……ああ。うん」
 ぺかーっと満面の笑みを浮かべたさつまの顔――と、その後ろにあるかき氷を見たコノハの表情が、何ともいえないもの憐れみを宿した。おまいう? フンだ、聞こえないわヨ。
「ね、ね、あのね、俺ね、ハシビロコウさん、見たい!! 作って!!」
「ハイハイ、リクエストね……って、随分ハードル上げたわね!?」
 ハシビロコウ。名前をなぞって思い浮かんだ厳つい鳥の特徴といえば、存在感だけでなく重量もありそうなあの嘴だけれど。
 さつまを見る。
 何でも作れると信じきっている顔をしていた。
「ぇえ、嘴をバナナか何かで……どうにか……」
「俺もね、鳥さん! シマエナガさん、チャレンジする! みぞれ味も美味しい、よね! 後はおみみがバニラアイスのシロクマさん! ソフトクリームでふわふわ感出した羊さんも!」
「何かどんどん増え……ま、賑やかな動物園ができそうだからいっか」
「ね、コノ!」
「んー?」
「かき氷動物園、だね!」
「……そーね」
 きゃっきゃとはしゃぐ笑顔に返った言葉は、ほんのり気怠げだ。
 けれどその顔に浮かんでいたのは少し呆れたような――それでいて、確かに笑顔と呼べるものだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

歌獣・苺
【紅苺】22★

うーん…私も学校行ったことないから
じゆーけんきゅーわかんない!
けど、要は
好きなかき氷作ればいいんだよね?
簡単簡単っ♪

うん!水着コンテストで
色んなところ回ってる時も
皆が色んな
かき氷ご馳走してくれたの!
えへへ、ありがとう!
素敵な水着だったから
張り切っちゃった♪

ふふ、
イチゴシロップは定番だよね!
なら、私の目を見ながら食べると
もっと美味しくなるね!
…なぁんて!
わわ、じ、冗談だよなゆ!
そんなに見つめられると
恥ずかしいよう!

七彩のかき氷……!
確かに綺麗で
沢山の味が楽しめていいね!
賛成っ♪
じゃあ周りには
お花と果物を飾って
オシャレな感じにしよう!
それから1番上にはさくらんぼ!
ふふ、まっかせて!

わぁ~!!
すごく綺麗で美味しそう!
私も『かめら』
持ってくればよかったよ~!
うんうん!大事な思い出
しっかり心に焼き付けて
忘れないようにしなきゃだね!

それじゃあ、いただきまーす!
はふぁ~…!冷たくってあまーい♪
うん!とっても美味しいね!なゆ!
もっといっぱい食べちゃお!

──ッ!!!(キーーーン)


蘭・七結
【紅苺】22★

真夏の自由研究、ですって
感想を文字として綴れば良いのかしら
学び舎に通ったことが無いから
とても新鮮で、楽しそうな予感がするわ

先ずは実際に仕立ててみましょう
まいは、かき氷を食べたことはある?
水着コンテスト、頑張っていたものね
とても耀いていたわ

甘いシロップに瑞々しい果実
好ましいひと品を作ることが出来るのだとか
此度は、如何なるものにしましょうか

わたしの好む色彩
鮮やかなあなたの眸の彩
――あかい彩は、外すことが出来ないわね
どれもこれもと手が伸びてしまいそうで
深く考え込んでしまう

いっそ、七彩のかき氷にしようかしら
色鮮やかで、数多の味が楽しめるの
ステキな響きだと思わないかしら?

あなたの提案に笑みが溢るる
賛成だわ、果物とお花を飾りましょうか
頂点のさくらんぼは、あなたに委ねるわ

携帯を持っていたのなら
この光景を、画面に納められるのだけれど
互いの眸と心に、焼き付けましょうか
ふふ――では、いただきます

冷ややかで、されど甘やかで
それぞれの味わいに舌鼓を打つ
おいしいわね、まい
無意識に頬が緩んでしまうわ



「まい。真夏の自由研究、ですって」
「じゆー、けんきゅー」
 少し不思議そうに周囲を見る蘭・七結(まなくれなゐ・f00421)と、まあるい目をキョロキョロさせる歌獣・苺(苺一会・f16654)。二人の唇から紡がれた音は、賑わいの中へととけていった。
「感想を文字として綴れば良いのかしら。学び舎に通ったことが無いから、とても新鮮で、楽しそうな予感がするわ」
「うーん……私も学校行ったことないから、じゆーけんきゅーわかんない!」
 ぱっと笑顔で返した苺は「けど」と声を弾ませ七結の手を取った。
 新しい事へのワクワクと楽しそうな予感は、自分の胸にも咲いている。
「要は好きなかき氷作ればいいんだよね? 簡単簡単っ♪ 行こ、なゆ!」
「ええ。行きましょう、まい」
 まずは実際に仕立ててみようと向かった先には様々なかき氷機が並んでいた。そのすぐ隣に並ぶテーブルには、色とりどりのシロップや果物、菓子がズラリ勢揃いしている。
「まいは、かき氷を食べたことはある?」
「うん! 水着コンテストで色んなところ回ってる時も、皆が色んなかき氷ご馳走してくれたの!」
「水着コンテスト、頑張っていたものね。とても耀いていたわ」
「えへへ、ありがとう! 素敵な水着だったから張り切っちゃった♪」
 苺がその場でくるっと回ってみせれば、真珠やシャボン玉のような彩を宿した白いワンピースも躍り、足首を飾る真珠のアンクレットが涼やかな音を立てた。その音色と装いに目を細めた七結は、苺が自分を見てニコニコしているのに気付き首を傾ぐ。
「まい?」
「今年の七結もね、すっごい輝いてるよ!」
「……まぁ。ふふ、ありがとう」
 牡丹一華の意匠と共に七結を彩る“海”が静かに揺れる。
 腕の動きに合わせひらめく藤と橙の鱗、髪に寄り添う艶やかな桃色珊瑚。豊かに重なり広がるパレオは、海中を舞いながら彩を射す熱帯魚のように華やかだ。
 二人の視線は、互いの水着姿から、かき氷作りに欠かせない材料へと。
 改めて見ると、用意されている材料の豊かさは水着コンテストの賑わいにも負けないものだと実感する。
「好ましいひと品を作ることが出来るのだとか。此度は、如何なるものにしましょうか」
「ふふ、イチゴシロップは定番だよね!」
 定番だからこそ甘く透き通った赤色が次々と人の手に渡るものの、在庫も潤沢のようで、目の前で赤色が旅立てばすぐに補充されていく。
「わたしの好む色彩……鮮やかなあなたの眸の彩とも同じね」
「なら、私の目を見ながら食べるともっと美味しくなるね! ……なぁんて!」
「――あかい彩は、外すことが出来ないわね」
「わわ、じ、冗談だよなゆ! そんなに見つめられると恥ずかしいよう!」
 す、と細められた眼差しから赤くなった顔を隠すように、黒兎の両手が勢いよく左右を行き来する。その様に七結は柔らかに微笑むと赤以外にも目を向けた。甘いシロップ、瑞々しい果実。並ぶ色彩の豊かさに心は惹かれ――。
「いっそ、七彩のかき氷にしようかしら」
「七彩のかき氷……!」
 こぼした呟きに苺が材料を見て、七結を見る。その目に浮かぶキラキラは七結の瞳にも静かに映り、白い指先が瓶詰めシロップを一本、そっと手に取った。
「色鮮やかで、数多の味が楽しめるの。ステキな響きだと思わないかしら?」
「確かに綺麗で、沢山の味が楽しめていいね! 賛成っ♪ じゃあ周りにはお花と果物を飾ってオシャレな感じにしよう! それから一番上にはさくらんぼ!」
「賛成だわ、果物とお花を飾りましょうか。頂点のさくらんぼは、あなたに委ねるわ」
「ふふ、まっかせて!」
 赤い苺味から始まった提案が、楽しい予感を芽吹かせながら七彩へと繋いで結んで、笑顔を溢れさせる。
 溢れた笑顔は氷塊をかき氷機にセットした後も薄れない。
 削れていく音、ごりごりと手に伝わる感覚。器に降る淡く冷たい欠片。赤を始まりに純白の氷に彩を注いで、シロップと合うようにバランスを見ながら花を飾って。そして最後は、頂点のさくらんぼ係となった苺が慎重に真っ赤な一粒を載せ――。
「完成ね、まい」
「わぁ~!! すごく綺麗で美味しそう! あれ、どうしたのなゆ? 何か忘れ物?」
 隣を見ればほんのりと憂い顔。心配そうに覗き込む苺に七結はゆるりと頷き、笑った。
「携帯を持っていたのなら、と思って。この光景を画面に納められたでしょう?」
「あっ! 私も『かめら』持ってくればよかったよ~!」
 どうしよう! 今から取りに戻る!?
 あわあわする苺だけれど、七結がふんわり笑って告げた言葉――互いの眸と心に、焼き付けましょうか――その音色に、魔法のように笑顔を取り戻した。そうだ、携帯もカメラもないけど、自分達にはもっと素敵に映せるものがある。
「うんうん! 大事な思い出、しっかり心に焼き付けて忘れないようにしなきゃだね!」
「ふふ――では、いただきます」
「いただきまーす!」
 スプーン片手に笑顔を咲かせて、七彩のかき氷から最初の一口を掬い取る。
 ぱくっと食んだなら――きゅっ。苺の両目がつむられ、笑顔がぱっと咲いた。
「はふぁ~……! 冷たくってあまーい♪」
 七結の口にも、冷ややかで、されど甘やかな、純白氷を染めた苺シロップと果実の味わいが広がった。隣の鮮やかな黄色は甘く華やぐマンゴーの領域だ。
 それぞれの味わいに二人は舌鼓を打ち――ふと視線を絡め、笑い合う。
「おいしいわね、まい。無意識に頬が緩んでしまうわ」
「うん! とっても美味しいね! なゆ! もっといっぱい食べちゃお!」
「あ、まい」
 そんな風に、どんどん口へ入れてしまったら。
 七結の心配は見事的中した。
「──ッ!!!」
 いつも垂れている兎耳がぴょんっと持ち上がるほど、例のアレキーーーンは辛いけれど、七結が差し出した暖かな飲み物と微笑みがあれば、長居なんて出来る筈もなく。
 二人一緒に作った自由研究七彩かき氷、冷たくて甘くて美味しいひとときは一匙ずつ互いの心に重なって――氷が溶けて消えた後も、ずっとずっと残り続ける宝物。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2022年08月04日


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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト