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真実は審らかに、エースの帰還

#クロムキャバリア #グリプ5 #ACE戦記 #シーヴァスリー


●帰還
「――幸せな夢を見ていたような気がします」
『ツヴァイ・ラーズグリーズ』は『フルーⅦ』と『グリプ5』と平和祈念式典の折にオブリビオンマシンによって思想を狂わされた母親『ヌル・ラーズグリーズ』の放ったような兇弾に倒れた。
 一命を取り留めたが、昏睡状態が続いていたのだ。
 その彼女が目覚めた。元首として小国家をまとめていた彼女の離脱は、小国家『グリプ5』にとって甚大な痛手であった。
 加えて地底帝国『バンブーク第二帝国』の侵攻により、市街地は蹂躙され、市民の多くが生命を落とした。
 彼女たち『ラーズグリーズ』の末弟である『アハト・ラーズグリーズ』も『有毒装甲』の放つ毒素によって死亡している。

「……アイン姉さん、貴方と遊ぶ夢でした。幼い頃したように、ただ無邪気に」
「そうかよ。いや、やめろ。思い出すな。アレは私にとっては、思い出したくな……」
「ふふ、姉さんはおままごと、好きでしたね」
「だーら! やめろつってんだろうが!」
 こんなやり取りも二人には懐かしい。
『アイン・ラーズグリーズ』は彼女と同じ様に祈念式典で片腕を失い、キャバリア乗りとしては一線を退かねばならなかった。
『ツヴァイ』の不在において『グリプ5』が国家としてまともに機能していたのは、彼女の功績が大きい。

「母さんは……」
「お前とは接触禁止にしている」
「いえ、そうではないのです。私にも、多分、姉さんにも……『フュンフ』にも覚えがあるはずなのです。あれは……――」

●憂国学徒兵
「……」
『ヌル・ラーズグリーズ』は一人、『グリプ5』の最深部に一人降りていた。
 そこは『グリプ5』の前身である『憂国学徒兵』の最初のメンバー(ハイランダー・ナイン)しか足を踏み入れることができない場所であった。
「『アハト・スカルモルド』……あなたとの約束は果たせなかった。けれど、あなたの力に今、縋るしか無い……愚かな私を許してください」
『ヌル・ラーズグリーズ』は懺悔した。
 此処にあるのは冷凍睡眠装置。
 その数は三つ。そのうちの二つは空である。彼女自身も、その一つに収まっていた。『フュンフ・エイル』が言うところの未来に起こる確定した厄災のために彼女は目覚めたのだ。
 彼女の本当の『息子』と共に。

 その最後の一つの冷凍睡眠装置が起動する。
「……おはようと言うべきかな。『ヌル・ラーズグリーズ』。君が謝ることはない。僕は僕の約束を果たそう。きっと君たちの悲しみを取り除こう。君たちが僕を生かしてくれたように」
「助けて、『アハト』。もう私ではどうすることもできない。あの人の、『フュンフ』の、言ったことが実現してしまう。私はそれを遠ざけようとしたけれど、ダメだった……!」
「構わないよ。僕の役割はきっとこのためにあったのだから」
 最後の『憂国学徒兵』が目覚める。
 本来ならば、祝福されるべき目覚めであった。けれど、それは確定した災厄を呼ぶ――。

●エースの帰還
「どういうことだ、これは……!」
『アイン・ラーズグリーズ』は驚愕していた。
『ツヴァイ』が目覚め、共に『グリプ5』の小国家元首としての権限を復活させるために中枢に戻ったまではいい。
 だが、すでにそこには見慣れぬ者がいた。
 いや、よく知っていた。知ってはいるが、彼女たちの知る『それ』ではなかった。

「やあ、君が『アイン』だね。そちらは『ツヴァイ』。はじめまして。僕は『アハト・スカルモルド』。『ヌル』が提唱した『ラーズグリーズ』計画の子供たちだね」
『アハト・スカルモルド』は微笑んでいた。
 まるで昔を懐かしむような表情であった。
「まるで『憂国学徒兵』の『ハイランダー・ナイン』、その人そのものな言いよう……」
「そうだよ、『ツヴァイ』。君も察しがいいね」
『ツヴァイ』の言葉に『アハト・スカルモルド』はまた微笑んだ。まるで自分の親類縁者に接するようでもあった。
「君たちは『憂国学徒兵』、最初の9人のクローン計画の一翼だ。けれど、君たちの中に一人だけ、そうではない者がいる。気がついているね」
「『フュンフ』……!」
「彼だけが『ラーズグリーズ』計画の子供ではない」
「『アハト』……それは……」
『ヌル・ラーズグリーズ』の瞳は揺れていた。動揺していた。いや、わかっていたことだ。今日という日が訪れることは。

「偽りだらけの人生であっただろう。辛かっただろう。どうして自分たちだけがこんな目に合うのだと思っただろう。戦い続けて、傷つき、打ちのめされただろう。けれど、それも今日で終わる。何故なら、僕が居る」
 彼の背後で一騎のキャバリア――否、オブリビオンマシンがアイセンサーを煌めかせ立ち上がる。
「『レーギャルン』!? 何故、その機体が此処にあるのです……!」
「簡易型じゃない……だと、てめえ、どういうつもりだ! これは……!」
『ツヴァイ』と『アイン』が驚愕する。

 それもそのはずであった。『アハト・スカルモルド』の背後にあったのは簡易型『レーギャルン』ではなく、オリジナル『レーギャルン』……でもない。
「『セラフィム・プロト』……!」
 オブリビオンマシンの形が変わっていく。簡易型『レーギャルン』――金属細胞うごめく機体が形を変えていく。
 青い機体。
 かつて最新鋭クロムキャバリアと呼ばれた機体そっくりであった。
「いいや、不正解だよ、『ヌル』。これは『セラフィム・エクシア』――」

●約束
 グリモアベースに集まってきた猟兵たちを迎えたのはナイアルテ・ブーゾヴァ(神月円明・f25860)だった。
「お集まり頂きありがとうございます。今回の事件はクロムキャバリア――『グリプ5』に突如として舞い戻った戦乱の英雄『憂国学徒兵』の『ハイランダー・ナイン』の一人、『アハト・スカルモルド』がオブリビオンマシンと共に戻ってきたことにより起こります」
 緊急を要するため、ナイアルテの言葉は要点だけを伝える。

「百年前に不治の病によって冷凍睡眠していた英雄が目覚め、『グリプ5』は以前の侵攻と相まって市民は喜びに湧いています。ですが、彼の目的は『グリプ5』を滅ぼすことです」
 帰還した英雄はすでにオブリビオンマシンによって歪められている。
 今すぐに転移すれば、被害は最小限に抑えられる。だが、タイミングの悪いことに『フルー7』から『フュンフ・ラーズグリーズ』たちが戻ってこようとしている。
 猟兵たちは、彼等の到来を予見していた『アハト』によって張り巡らされた警戒網を突破し、彼の叛乱を沈めなければならない。

「ですが、『アハト・スカルモルド』は『フュンフ・エイル』を超える技量を持っていたとされる『エース』です。さらにオブリビオンマシンとの間に絆のようなものが繋がれており、人機一体となって強力な攻撃を繰り出してきます」
 被害を最小限に抑えるためには、警戒網を抜け、生涯を排し、『エース』を打倒しなければならないということだ。
 これが如何に困難なことか猟兵たちは知っているだろう。

 だが、それでも『エース』を超えていかねば掴めぬ未来がある――。


海鶴
 マスターの海鶴です。どうぞよろしくお願いいたします。
 今回はクロムキャバリア、過去の英雄の帰還に湧く『グリプ5』を破滅させようとするオブリビオンマシンの胎動を予知した皆さんが、これを阻むシナリオになります。
 シリーズも残す所、本シナリオ含め2本となりました。

 キャバリアをジョブやアイテムで持っていないキャラクターでも、キャバリアを借りて乗ることができます。ユーベルコードはキャバリアの武器から放つこともできます。
 ただし、暴走衛星『殲禍炎剣』が存在しているため、空は自由に行き来できません。

●第一章
 冒険です。
 嘗て『フィアレーゲン』と『八咫神国』の難民たちで作り上げられた城塞地区が予知された突入ルートです。
 過去の英雄『アハト・スカルモルド』による叛乱は予知されましたが、皆さんの介入を予見していたのか『グリプ5』に突入するルートには、何故か小国家『シーヴァスリー』のキャバリアが警戒網を敷いています。
 オブリビオンマシンではなくキャバリアですので、彼等は思想を狂わされていませんが、『シーヴァスリー』という小国家の性質上、オブリビオンマシンが狂わせた思想に近しいものを彼等はもっているため、説得は不可能です。

 躱すも、やり過ごすも、キャバリアを破壊するも皆さんの選択です。

●第二章
 冒険です。
 前章でもそうでしたが、『アハト・スカルモルド』はすでに皆さんの到来を予見しており、前哨戦とでも言うのかのように自身のオブリビオンマシンから放たれる金属結晶で形作られたビットによる無限弾幕をルートに放って妨害してきます。
 すでに『グリプ5』の中枢は彼に寄って抑えられており、キャバリア倉庫などに被害がでているようです。

 突如として叛乱した『アハト・スカルモルド』によって小国家中枢は混乱に陥っています。無限弾幕を駆け抜け、オブリビオンマシンに迫りましょう。

●第三章
 ボス戦です。
 かつての英雄『ハイランダー・ナイン』、『アハト・スカルモルド』の駆る『セラフィム・エクシア』との対決です。
 金属細胞と融合した簡易型『レーギャルン』とオリジナル『レーギャルン』のデータを元に再構成された『セラフィム・エクシア』は深い絆と相まって人機一体となって強力な攻撃をしかけてきます。

 それでは戦乱続く世界、クロムキャバリアにおける皆さんの物語の一片となれますように、いっぱいがんばります!
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第1章 冒険 『警戒網突破』

POW   :    仲間を安全に行動させる為、敢えて自分が派手に動く

SPD   :    周囲の地形を把握し、死角を利用しながら行動する

WIZ   :    レーダー装置やカメラを破壊し、敵の索敵を妨害する

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「『アハト』、貴方は……!」
「そうだね。これが僕が狂っているという証拠になるのかもしれない。けれど、僕は本気だよ。本気でこの国を憂いている。君たちがこのまま『ラーズグリーズ』計画のことをひた隠しにしておくことは、良くない。必ず未来への禍根となる。膿を出すために傷をためらってはならないんだよ、『ヌル』」
『アハト・スカルモルド』は微笑んでいた。
 あくまで静かに微笑んでいた。
『ヌル・ラーズグリーズ』は訝しむ。違和感しか感じない。彼が、彼の思想が狂っているから、というわけではない。
 変わらなさすぎる。
『ラーズグリーズ』計画を知れば、彼は必ず激高するだろうと思っていたからだ。
 もともとは彼の不治の病を治すために始まったのが『ラーズグリーズ』計画だ。けれど、彼のクローンである『アハト・ラーズグリーズ』もまた同じ病に冒されていた。生命を弄ぶ行為だと怒り狂うだろうとさえ思っていた。
 自分のために生命を誰かが蔑ろにされることを彼はひどく嫌っていたからだ。

「その前にお客さんだよ。『シーヴァスリー』……『サスナー第一帝国』から連なる系譜の小国家か。思った以上に、僕らの業は深いようだね」
「『アハト・スカルモルド』。君が私に協力してくれるとは思わなかったよ」
 その言葉は甘やかな声であった。
 どこにもいないし、どこにでもいるような、そんな声。
『グリプ5』の周辺国家を巻き込む一連の事件の絵図を描いた存在。黒幕。
 未だ姿を見せぬ、声だけの存在。
 その声に『アハト・スカルモルド」は、微笑む。

「『ラーズグリーズ』の子供たちは、すべからく救われるべきだ。取りこぼしてしまった生命が在るのはわかっている。『ドライ』、『フィーア』、そして僕のクローン『アハト』。彼等の魂を安らかな眠りにつかせるためには」
「この混乱に乗じて『シーヴァスリー』を『グリプ5』に介入、傘下に置く、かい? だが、それは悪手だと思うよ? 首がすげ替えられるだけだ」
「でも、君が最も欲している『アレ』は手に入るだろう?『アレ』は本来、君じゃあなく『フュンフ』の機体だ」
「――……そうだね。僕が思い描いた絵図とは少し異なるが、結果は同じだ。なら、いいだろう。『シーヴァスリー』の彼等を使うといい」
 甘やかな声が遠ざかっていく。
 その気配を見送り、『アハト・スカルモルド』は『ヌル』、『アイン』、『ツヴァイ』たちに向き直る。

「そういうわけだから、全てが終わるまでおとなしくしてね。何、心配いらない。『全て善い未来に繋がる』よ。僕は『嘘は吐かない』。知っているだろう、『ヌル』」
『アハト・スカルモルド』は、拘束した三人を遠ざけ、モニターを見やる。
 そこにあるのは、『シーヴァスリー』のキャバリアによる『城塞地区』の警戒網であった。
 センサーやモニター、あらゆる妨害がなされている。猟兵たちの到来は、予見できた。簡単なことだ。自分が何かアクションを起こせば、リアクションが帰ってくるのが確定しているのだ。
 当然、来ると理解していれば、恐れることはない。

「さあ、猟兵。君たちはどれほどのものかな。お手並み拝見といこうか――」
月夜・玲
まーた厄介事かいな
忙しい国だ事で
内も外も敵だらけ
オマケに今度はこっちの事を見越してると…
…お祓いでもして貰った方が良いんじゃないの?
いやマジで
信仰しちゃう?
邪神だけど、人造のがあるよ…なんてね


EX:I.S.T[BK0001]に騎乗
先ずは突入ルートの確保か
ま、普通のキャバリアならどうとでもなるけど…
ああ、勿体ない勿体ない
後で廃品漁りに来よーっと

《RE》IncarnationとBlue Birdをバイクの前面にガッチャンコ…もとい、装着して準備完了
最短距離で突破しよう
【Code:A.M】起動
対機械用雷刃形成
城塞地区に配慮してキャバリアだけに当たるようにサイズを微調整しながら無力化しつつ突撃だー!



 小国家『グリプ5』を取り巻く状況は、一言で表せば災禍の中心であった。
 周辺国家は動乱の時代を迎え、新興国家、過去の帝国の侵攻。
 あらゆる災禍が『グリプ5』を襲う。渦をまくように取り巻き、あらゆるものを逃さぬとばかりに襲いかかる。
 あまりにも理不尽であると思えたかもしれない。
「まーた厄介事かいな。忙しい国だ事で」
 月夜・玲(頂の探究者・f01605)は今回の事件を理解する。
 内外共に敵ばかり。さらに今回の事件の中心にいる『アハト・スカルモルド』は、こちらの到来を予見しているかのように突入ルートに新興国家『シーヴァスリー』を招き入れ、警戒網を敷いている。

「……お祓いでもしてもらった方が良いんじゃないの? いや、まじで。信仰しちゃう? 邪神だけど、人造のがあるよ……なんてね」
 玲は模造神器を抜き払う。
 蒼い刀身。邪神の力を擬似的に再現した技術。
 彼女の言葉は、割と本気であったのかもしれない。特殊バイクを駆り、玲は突入ルートを見定める。
『フィアレーゲン』と『八咫神国』の難民たちで作られた城塞地区。
 ここが予知のルートである。ここを抜ければ、『アハト・スカルモルド』の叛乱が起こっている中枢へとたどり着くことができる。

 けれど、此処に配備されている『シーヴァスリー』のキャバリアたちは、オブリビオンマシンではない。
 しかし、これを駆るパイロットたちは『シーヴァスリー』の性質上、狂気の思想に染まっている。
 説得することは時間の無駄であろう。
 ならば、と彼女は特殊バイクの前面に二振りの模造神器を装着する。
 模造神器の運用を目的として作られた特殊バイクにはこういう使い方もあるのだ。
「蒼雷展開、これぞ機械を殺す蒼き一閃」
 ほとばしる稲妻のユーベルコード。

 対機械用雷刃が形成され、その一閃が警邏中の『シーヴァスリー』のキャバリアを一閃の元に切り裂く。
 だが、それはキャバリアのみを破壊し、パイロットを傷つけない。電子回路と制御プログラムを攻撃する雷刃は、それこそが彼女の生み出した限定的な邪神の力の発露であるといえるだろう。
「Code:A.M(コード・アンチマシーン)。キャバリアだけを破壊する雷刃ってね……ああ、もったいないもったいない」

 疾走する蒼い稲妻の如き玲。
 彼女の存在は『シーヴァスリー』のキャバリアパイロットたちに認知されている。即座に陣形を立て直し、進路を阻む。
「これが超常の人……」
「我等が盟主の邪魔立てをする存在……」
「これに鉄槌を……」
 キャバリアたちが陣形を組んで、玲の特殊バイクを取り囲む。生身の人間に対する対応ではない。
 完全に玲を規格外の存在として認知している動きであった。

「狙う撃ちするみたいな陣形だね……あっちも考えてるってことか。でもまだまだ甘ーい!」
 玲の特殊バイクの後輪が滑る。
 そして、後輪がロックされ、さらに前輪を振るうように回転した瞬間、形成された雷刃が自分を取り囲むキャバリアたちを一閃の元に薙ぎ払う。
 彼女の突入は止められない。
「後で廃品漁りに来るからね。機体は置いていきなよ」
 パイロットを傷つけず、機体だけを破壊する術を持つ玲は、特殊バイクで城塞地区をさっそうと駆け抜ける。

 だが、彼女は知るだろう。
 城塞地区に飛ぶ金属結晶。その無数に飛び立つビットが一斉に自分に襲いかかってくることを――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

メサイア・エルネイジェ
内乱はオブリビオンマシンが悪いとして、シーヴァスリーまでお越しになられておりますの?
きっとまたおセコい真似をされるに違いありませんわ
ヴリちゃん!ゲイルカイゼルで正面お突破致しますわよ〜!

邪魔邪魔!お邪魔ですわよ〜!
貴方達とお遊びしてる暇などありませんわ!
プリンセスプレッシャー!
お雑兵よりわたくしの方が偉いに決まっておりますわ〜
偉いという事は強いという事!わたくしは強い!
そんなおへっぴり腰の攻撃なんて当たりませんわ〜!
警戒網の厚さなんて存じませんわ!
全部スピードで振り切ってしまえばよろしいのですわ
轢き殺されたくなければお退きなさいな!
わたくしとヴリちゃんが進みたい道こそが進むべき道でしてよ〜!



 高機動仕様の黒き弾丸と化した暴竜『ヴリトラ』が『城塞地区』を疾駆する。
 凄まじい速度は、背に組み込まれた『ゲイルカイゼル』ユニットの賜物であった。大地を蹴るたびに加速していく『ヴリトラ』を止めることが出来る機体は、『シーヴァスリー』のキャバリアには存在していなかった。
「邪魔邪魔! お邪魔ですわよ~!」
 メサイア・エルネイジェ(放浪皇女・f34656)は、暴竜たる『ヴリトラ』の中に座し、吶喊していた。
 如何に警邏しているキャバリアがいるのだとしても、凄まじい速度で貫くように駆け抜けていく『ヴリトラ』を止められない。

 即ち、彼女の前にどれだけの障害が存在していようとも、彼女が押し通ると決めた以上、それは果たされるべきものなのである。
「貴方達とお遊びしている暇などありませんわ! そう、わたくしこそがエルネイジェ王国の皇女にして暴虐の機械竜ヴリちゃんのお友達、メサイアですわ! そこをおどきになって~!!」
 皇女の威厳(プリンセスプレッシャー)が振りまかれる。
 それはユーベルコードにまで昇華したメサイアの持つ社会的な威厳。
 皇女としての存在感。
 どれだけ放浪していても、どれだけ若干お言葉使いが怪しくても、彼女はメッキとしたエルネイジュ王国の皇女である。

 その事実だけで、メサイアは『シーヴァスリー』のキャバリアたちを相手に圧倒的上からの立場で押し通るのだ。
『グリプ5』の内乱はオブリビオンマシンによるもの。
 さらに外敵である『シーヴァスリー』のキャバリアが、こうして『グリプ5』の城塞地区』に配備されているという事実が、この絵図を描いた黒幕の策動を感じさせる。
「きっとまたおセコい真似をされるに違いありませんわ! わたくし、こういうのお得意ですのよ~! それに偉いということは強いということ! 私は強い!」
 溢れるプレッシャー。
 それに狂気に近いしい思想に染まっている『シーヴァスリー』のキャバリアパイロットたちは気圧されることだろう。

 理解も、理屈も何もない。
 あるのは圧倒的な理不尽。メサイアの駆る暴竜『ヴリトラ』の威容は、その重圧をもってメサイアの道を走り、その障害をぶち抜いていく。
「侵入する目標は破壊する……」
「この速度は……」
「止められないまでも、此処で消耗を……」
「ですから、そういうのが無駄ですのよ~! 警邏網の厚さなんて存じませんわ! パワーとスピード! これが全てでございますわ~!!」
『ヴリトラ』が答えるように、その機体の背部に設置されたイオンブースターを噴射させ、圧倒的な加速で持って『シーヴァスリー』のキャバリアが放つ弾丸を振り切ってしまう。

「轢き殺されたくなければお退きなさいな! わたくしとヴリちゃんが進みたい道こそが進むべき道でしてよ~!」
 メサイアは好き勝手に振る舞う。
 皇女だからではない。
 彼女の行動は、多くの警邏のキャバリアを惹きつけるだろう。そうすれば、他の猟兵たちの行動もやりやすくなるというものだ。
 伊達に放浪していたわけではない。
 このような駆け引きも出来てこその皇女。メサイアは、全てが計算……。

「さあ、このまま中枢まで一直線ですわ~! ふふ、わたくしが怖いでしょう? ならば、道をお退きになって! さあ、早く! お早く! わたくしの道を妨げるのではございませんわ~!」
 計算かどうかはわからない。
 けれど、一直線に駆け抜ける『ヴリトラ』は、暴虐の弾丸そのもの。
 進む先は中枢。
 この事件の発端である過去の英雄『アハト・スカルモルド』の座すオブリビオンマシンから放たれる金属結晶ビットが飛び立ち、無限の弾幕でもって彼女たちの道を阻む。

 これをかいくぐらねば、たどり着くことすらできない。圧倒的な物量を前に、メサイアは立ち止まるか、迂回するか。
 それとも――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ガイ・レックウ
【SPD】で判定
『どうにもげせねぇ…それに安らかな眠りを?今を生きてるあいつらを侮辱してんじゃねぇか…まあ、直接聞いてみるか』
ユーベルコード【竜闘技・天乃型『爆界天昇』】を発動、【オーラ防御】で防御力を上げつつ、【戦闘知識】で地形を見極めて、スラスター全開で【操縦】、最短ルートを駆け抜けるぜ。
当然、警戒網のシーヴァスリーのキャバリアがいるだろう。
そいつらを電磁機関砲の【制圧射撃】とブレードでの【なぎ払い】で蹴散らしつつ、ルートを臨機応変に構築して潜り抜ける!!



「どうにもげせねぇ……」
 ガイ・レックウ(明日切り開く流浪人・f01997)の中にあるのは疑問と疑念ばかりであった。
『グリプ5』という小国家に敵対する新興小国家である『シーヴァスリー』のキャバリアが入り込んでいるのも、そして彼等がオブリビオンマシンに思想を狂わされているわけでもなく、従っていることも。
 何もかもガイにとっては理解できないものであったのかもしれない。
 彼等には思想というものがない。
 いや、あるのだろうが、それは全てオブリビオンマシン寄りの思想だ。
 そう植え付けられたと言っても過言ではない。そんな彼等に説得に寄る言葉は届かないことを理解している。

「今を生きるあいつらを侮辱支店じゃねぇか……まあ、直接聞いてみるか」
 疑念は義憤に変わる。
 ガイは『コスモスター・インパルス』を真紅の雷を纏い、オーラの力を発露させて城塞地区を進む。
 地形を見極め、スラスター全開で最短ルートを突き進む。
 当然、警邏しているキャバリアがいることも織り込み済みだった。装備した電磁機関砲の一撃が『シーヴァスリー』のキャバリアの一騎を打ち倒す。
 ブレードの斬撃が機体の脚部を切り裂き、かく座させ武装を潰す。だが、ガイは己が失策したことを知るだろう。

 一騎が例え倒れたとしても、即座に『シーヴァスリー』のキャバリアたちは『コスモスター・インパルス』を取り囲む。
「敵性キャバリアの存在を確認……」
「味方を盾に使え。かく座した機体を巻き込むように……」
 彼等はガイの機体ではなく、かく座した味方の機体を狙う。猟兵がそれを捨て置けぬことを理解しているのだろう。
 彼等の思想は狂っている。
 自分たちの身を捧げることこそが、最も尊ばれるものであると教え込まれている。洗脳されていると言ってもいいだろう。
「味方ごと撃つのか……!」
 ガイは『コスモスター・インパルス』の機体を翻しながら、かく座した機体を障害物の向こうへと投げ放ち、迫る弾丸を躱す。

 オーラ防御に寄って弾丸は空中で静止し、纏う真紅の雷でもって破壊される。
 だが、それ以上に集まってくるキャバリアの厚さは凄まじいものであった。どこにこんな数がいたのだと思うほどの数。
「ちぃ……! 徹底していやがる!」
 ガイは最短ルートを棄てる。
 臨機応変にルートを構築し、くぐり抜けるしかないと理解し、逆に敵機を破壊することは、こちらの行動を阻害し、制限されると理解する。

 機体が跳ね、ガイは城塞地区のルート情報を瞬時に読み解く。集まってきている『シーヴァスリー』のキャバリアはどれもが強力な個体であるとは言えない。
 けれど、数とは暴力そのものだ。
 圧倒されれば、『コスモスター・インパルス』のオーラでも防ぎきれないだろう。進路を次々と潰されていく。
 ジリジリと追い込まれるようにしながら、ガイは城塞地区をひた走る。大幅なロスになってしまう。
 だが、ガイはその真紅の稲妻となった己の機体のアイセンサーをユーベルコードに輝かせながら、覚悟を決める。

「たぎれ竜の雷!天をも揺らし、明日を掴む力とならん!!」
 竜闘技・天乃型『爆界天昇』(ドラグアーツテンノカタ・バッカイテンショウ)は、キャバリアの武装から衝撃波と雷撃を放つ。
 手にしたブーレドを構え、障害となる建造物を切り裂き、破片とともに飛び出す。『コスモスター・インパルス』は衝撃波を解き放ち、その建造物の破片と共に駆け抜ける。
 放たれる弾丸は、飛び散る破片に激突し、塞がれ、ガイはそのさなかを突っ切るようにして走る。

 機体の装甲を跳ねる破片。
 目指す先にあるのは、これらよりも無数に飛ぶ無限の弾幕。中枢に迫るためには、さらなる脅威が待っている。
 それを実感しながらも、ガイはまっすぐに進むしかないのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

菫宮・理緒
突入コースに城塞地区!?
それって、そこが戦場になる可能性があるってことだよね。

だったらわたしのすることは決まってる。
城塞地区の人たちの安全を最優先にするよ。

【ネルトリンゲン】で出て、城塞地区の人たちに避難を促しつつ、
希望者がいるなら、艦に収容していこう。
ただ、この艦も戦闘に巻き込まれる可能性が高いことは伝えるよ。

それと『フュンフ』さんになんとか連絡を取って、今の状況を伝えよう。
できれば本格的な戦闘が始まる前に行動できると嬉しいな。

戦闘が始まったら【等価具現】を使って、相手の攻撃を打ち消していこう。
こちらに向かってくる『シーヴァスリー』のキャバリアがいたら、\【M.P.M.S】で迎撃するね。



 猟兵たちが小国家『グリプ5』の中枢に至るための突入コースに選ばれたのは、『フィアレーゲン』と『八咫神国』の難民たちの保護地区である城塞地区であった。
 郊外に付随する形で作り上げられた城塞地区は、オブリビオンマシン化したプラントなどによって脅威に晒されたこともある。
「また此処が戦場になる可能性があるってことだよ……なら、わたしのすることは決まってる」
 菫宮・理緒(バーチャルダイバー・f06437)の瞳に在ったのは決意であった。

 彼女はミネルヴァ級戦闘空母でもって城塞地区へと侵入する。
 当然、この世界において空を飛ぶということは、大きく高度と速度を制限される。言ってしまえば、飛行船程度の速度しか出せないのだ。
 となれば、彼女が艦橋に座す『ネルトリンゲン』は格好の的であったことだろう。
 対空装備など存在しないまでも『シーヴァスリー』のキャバリアたちの砲撃が『ネルトリンゲン』の艦底の装甲を削る。
 大きく揺れる空母。
 狙い撃ちにされていることは言うまでもない。

「城塞地区に人は……やっぱりいる……! 逃げ遅れているんだ!」
 理緒は己の『ネルトリンゲン』を盾にしながら、ミサイルランチャーでもって『シーヴァスリー』のキャバリアを寄せ付けない。
 等価具現(トウカグゲン)によって電脳世界の情報を元に具現化したキャバリアの砲撃の弾丸と同じものを解き放ち、相殺していく。
 空中で起こる爆発。
 空より落ちる破片の合間を逃げ惑う人々。
 彼等を『ネルトリンゲン』に収容しながら、理緒はなんとかして、こちらの向かっているであろう『フュンフ・ラーズグリーズ』と連絡が取れないかと試みている。

 だが、この状況を伝えようにも、クロムキャバリアには暴走衛生『殲禍炎剣』によって長距離の通信方法を断絶させられている。
「これが『殲禍炎剣』の弊害ってやつだねー……! でも、ああ、本当にこういう時に連絡手段がないのって困っちゃうねー!」
 理緒はそれでも諦めない。
『ネルトリンゲン』の望遠レンズに『フュンフ・ラーズグリーズ』たちの一団が見えないか探す。
 戦闘が始まっているのがわかれば、彼等も急ぐはずだ。

 それにこの状況は刻一刻と悪い方向に進んでいる。
 新興国家である『シーヴァスリー』が如何に『バンブーク第二帝国』の侵攻を受けて疲弊していたとしても、こうもたやすくキャバリアが城塞地区に入り込んでいる事実は、如何ともし難い。 
 さらに中枢にはオブリビオンマシンもいるのだ。
「状況がよくならないねー……敵の狙いって一体なんなのかな」
 理緒は訝しむ。
 それもそうだ。基本的に小国家間の戦争につきものなのは、プラントの奪い合いである。
 プラントは遺失技術によって生み出され、新たに生み出されることはない。
 だからこそ、生産施設であるプラントを確保した数こそが国力となる。

 だというのに『シーヴァスリー』はプラントを奪還するでもなく、ただ城塞地区に入り込んだだけだ。
「どういうことなんだろう」
 理緒は考える。だが、キャバリアの攻勢を阻み続けるのも限界がある。『フュンフ・ラーズグリーズ』たちの一団はまだ見えない。
 けれど、市民たちを収容することは譲れない。
 彼女が猟兵である以上、彼女自身が決めたことだ。戦えない人たちを救う。
 戦いにおいて真っ先に犠牲になるのが、戦えない者たちだ。ならばこそ、理緒は彼等を救う。

 もう二度と取りこぼすことのないようにと、艦を盾にしてでも救うと決めたのだ。
「わからないことばっかりだけれど。それでも喪わせちゃいけない日常があるし、生命だってある。例え、『フュンフ』さんたちが間に合わなかったとしても!」
 理緒は決意する。
『ネルトリンゲン』に収容した人々に告げる。
「まだ、中枢に残っている人たちがいるんです! 私達を逃がそうとして!」
「――! まだあっちにも人がいるって、こと!? ……っ!」
 どのみち、中枢に近づくには、この先の無限弾幕の最中へと飛び込まねばならない。
 理緒は覚悟を決めるしかないのだ――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

村崎・ゆかり
『ハイランダー・ナイン』、それが彼らのオリジナル。『サスナー第一帝国』を退けた伝説の学徒兵達。
それが何故オブリビオンマシンに乗って、自分達が興した国に牙を剥く?

生身には生身の動き方がある。
「式神使い」で黒鴉召喚。式達の目を通して警戒エリア全体を把握し、あたしが動くタイミングで発生する死角に方術『空遁の法』で転移。これを繰り返して、『グリプ5』の中枢へ向かう。

何度も来た事がある『グリプ5』は、あたし達にとってもホーム同然。
覚えのある場所はあちらこちらにあるわ。それは、転移の負担を楽にしてくれる。

理想は一発の銃弾も放たせず、この警戒区域を抜けること。
ちょっときついけど、連続転移いってみましょうか!



『憂国学徒兵』。
 それが小国家『グリプ5』の前身である。彼等は最初、たった9人のキャバリア乗りであったとされる。
『サスナー第一帝国』の猛威は、この周辺の小国家を脅かし、瞬く間に巨大になっていった。
 それを止めたのが彼等『ハイランダー・ナイン』である。
「それが彼等のオリジナル」
 村崎・ゆかり(《紫蘭(パープリッシュ・オーキッド)》/黒鴉遣い・f01658)は、今に生きる『グリプ5』の数字を名にする彼等のオリジナルがそう呼ばれていたことを知る。
 伝説とも言える兵士たち。
 その中でも異彩を放っていたのが『フュンフ・エイル』という存在だ。

 彼がいなければ、そもそも『エース』用のキャバリア『熾煌』は開発されず、続く高性能量産機『熾裂』は生み出されたなかった。
 全ては『熾盛』と呼ばれる一騎のキャバリアが始まりだ。
 蒼い機体。戦闘経験を共有し蓄積、成長するシステム『ファフニール』と膨大な出力を誇る炉『ヴァルキリー』。
 九つに分割されてもなお、『エース』ですら乗りこなせぬ『レーギャルン』。
 点在していた事実が、つながっていくのを彼女は感じたかも知れない。
「それが何故、オブリビオンマシンに乗って、自分たちが興した国に牙を剥く?」
 だからこそ理解できない。

 過去の英雄であるというのならば、今の現状を憂うのは理解できる。助けようともするだろう。
 ゆかりは黒鴉の式神から得られる情報を元に警戒エリアを把握する。
 すでに猟兵たちが行動している。それが撹乱となって、生身単身のゆかりを動きやすくさせていた。
「何度か来たことがある『グリプ5』は、あたしたちにとってもホーム同然」
 覚えがある場所も多い。
 ここ城塞地区だってそうだ。幾度か訪れたことがあるし、今は他の猟兵たちの行動に寄って入り込んだ『シーヴァスリー』のキャバリアたちの目をかいくぐることができる。

 彼女の理想は一発の銃弾も放たずに、この城塞地区を抜けることだ。
 目指す先には、オブリビオンマシンの放つ無限弾幕があることを考えれば、余力を残しておきたい。
 けれど、ゆかりは急がねばならない。
「ちょっときついけど――連続転移いってみましょうか!」
 頭に叩き込んだルート。
 転移の負担を楽にするため、要所を抑えたルートを前にゆかりの瞳がユーベルコードに輝く。

 方術『空遁の法』(ホウジュツ・クウトンノホウ)。
 それは自分を囲む空間を切り取り、転移する術式である。空間すら跳躍する術式は、彼女の肉体に対する負担もあるだろう。
「だからって、やらない理由にはなってないでしょ! 現世の裏に無我の境地あり。虚実一如。空の一心によりて、我が身あらゆる障害を越えるものなり。疾っ!」
 煌めくユーベルコードと共にゆかりの体がその場から消える。
 例え、『シーヴァスリー』のキャバリアたちが、ゆかりを特記すべき脅威として認識していたとしても、空間ごと切り取り転移する術式を前にして、彼女を捉えることなどできなかった。

 連続で空間を跳躍するゆかり。
 目の前に在るのは中枢。だが、その行く手を阻むものがある。『憂国学徒兵』、最後の一人。
『アハト・スカルモルド』。
 不治の病を得ていなければ、そのキャバリア操作技術は『フュンフ・エイル』をも超えていたであろうと言われる稀代の『エース』。
 その乗機たるオブリビオンマシンが放つ無限の弾幕が、ゆかりを今、待ち受けるのだ――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

朱鷺透・小枝子
シーヴァスリー……
あの時、遠巻きに見ていた奴らか。

『アルシェドール』を破壊しに行った時にそんなのが居た事を思い出しつつ、ディスポーザブル01を操縦。
(眼の前に居るのはオブリビオンマシンじゃない。
…だが、それに近しいという。つまりー)

邪魔なら壊す…!

ディスポーザブル01、侵撃開始。
『戦塵侵撃』【武器受け】01の装甲で攻撃弾きながら、
【怪力】パワークローで握り潰し、投げ倒す【念動力】フォースウィップで遠隔の敵機を捕えブラストナックルの【マヒ攻撃】など、持ちえる兵装を使いシーヴァスリーのキャバリア達をなぎ倒し、踏み潰し、乗り越え、壊し、
前へ、

ただ前に進む。
その先に、本当に壊すべき敵がいる…!



 新興国家『シーヴァスリー』の実態を猟兵たちは知らない。
 何故ならば、彼等はこれまで小国家同士の戦いを座してきた。漁夫の利を狙うように、疲弊した方を取り込み続け、二つの小国家を滅ぼした。
『フィアレーゲン』、『八咫神国』。
 そのどちらもオブリビオンマシンによる暗躍と暴走によって疲弊した瞬間、『シーヴァスリー』によって攻め込まれていた。
 それに倣うのならば、『グリプ5』もまた同様である。
 地底帝国『バンブーク第二帝国』による侵攻を受けた『グリプ5』は多くの市民が犠牲になった。その隙を縫うようにオブリビオンマシンによる過去の英雄が狂気に飲まれたのならば、必ずそこを突いてくる。

 城塞地区を警戒する『シーヴァスリー』のキャバリアたちが、その証左であろう。
「『シーヴァスリー』……あの時、遠巻きに見ていた奴らか」
 朱鷺透・小枝子(亡国の戦塵・f29924)は、『八咫神国』の残存軍の旗印であったキャバリア『アルシェドール』がオブリビオンマシンと化した事件を思い出す。
 あの時も、彼等は座して見ているだけであった。
 不気味でもあったが、それは小枝子にとって問題ではなかった。
『ディスポーザブル01』を駆り、一歩踏み出す。
 警邏している『シーヴァスリー』のキャバリアが『ディスポーザブル01』に気がつく。

「邪魔なら壊す……!」
 目の前のキャバリアがオブリビオンマシンではないことはわかっている。
 だが、それを駆る『シーヴァスリー』のパイロットたちの思想はオブリビオンマシンに狂わされている者たちに近しいものであった。
 彼等は思想を植え付けられている。
 洗脳と言っていいだろう。自分たちの身を犠牲にすることをいとわない。
 ただ、国のためだけに身を捧げる。
 その在り方を前に小枝子はなんと思っただろうか。

「敵性機体……」
「確認した。包囲し、足止めしろ……」
「邪魔を、するな!!」
 小枝子の瞳がユーベルコードに輝く。
 戦塵侵撃(アクティブ・キャバリア)は、小枝子の最も得意とするものであった。ただ壊すこと。それだけが彼女の本質であった。
 壊して、壊して、己自身も壊すほどの力でもって、障害を排除する。キャバリアの頭部をパワークローがつかみ、一瞬で握りつぶす。
 コクピットブロックを引き剥がしながら、アンダーフレームだけとなった機体を迫る『シーヴァスリー』のキャバリアへと投げつける。

「味方を考慮していないか! なら、壊れろ!!」
 小枝子はフォースウィップを展開し、散開するキャバリアを手繰り寄せ、ブラストナックルの一撃で機能を停止させる。
 放たれる弾丸は装甲で全て弾き飛ばす。
 数など『ディスポーザブル』にとっては無意味であった。
 持ち得る兵装の全てを使う。
 なぎ倒し、踏み潰し、乗り越え、壊していく。
 ただ、前に進む。
 愚直にも思える進撃。されど、それこそが彼女のユーベルコードである。

「止まらない……」
「囲め……」
 だが、それすらも小枝子は問題としない。歩みは遅々として。されど、彼女は目の前の障害をこそ乗り越えていく。
 ただ前に進むことをこそ、彼女は目指す。
 最短距離も、キャバリアを躱す必要もない。
 彼女の目に映るのは、ただ一つ。
 中枢に座すオブリビオンマシン。『セラフィム・エクシア』唯一。それこそが彼女の本当に壊す敵。

「進め」
 ただ一言命ずるのだ。
 自身の生命を賭すのが『シーヴァスリー』のキャバリアパイロットたちと同じであったのだとしても、小枝子は前に進むためだけに生命を使う。
 国のためではない。
 ただ、前に進み、オブリビオンマシンを破壊するためだけに、彼女は瞳をユーベルコードに輝かせながら進む――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

稷沈・リプス
自称:人間な男、やってきた。

内乱っすか。オブリビオンも嫌な手を使うっすよねー。
しかも、到来予知してるんすよね?じゃ、正面突破と行くっすよ!
さて、異境海蛇『ヤム』に乗って、UC使うっすね!移動力高めて、攻撃力下げれば…相手も怪我ないっすよね!
ちなみにこの時、蛇みたいな竜の形してるっすよ。うねうねしてるっす。

んー、でも妨害はしてくるっすからね。電磁パルス+ジャミングの範囲攻撃結界やっておくっすね。無力化狙いっす。
あくまでも、ここは通り抜けるだけっすからね。怪我させるのは望んじゃいないっす。まして、今を生きる人間なんすよね?



 戦乱の火種を巻くのがオブリビオンマシンである。
 人々はオブリビオンマシンを知覚できない。
 それだけオブリビオンマシンの策動は巧妙なのだ。気がついたときにはすでに彼等の術中の中。
 故にクロムキャバリアは百年以上続く戦乱に明け暮れている。
 戦いは終わらない。終わらせない。
 そういうかのようにオブリビオンマシンたちは乗り手の思想を歪めていく。『アハト・スカルモルド』もまたそうであるというかのように、『グリプ5』は内側から崩壊させられそうになっている。
「内乱っすか。オブリビオンマシンも嫌な手を使うっすよねー」

 稷沈・リプス(明を食らう者・f27495)は、それがオブリビオンマシンのやることの常であることを知っている。
 しかも、猟兵が介入してくることを見越したかのように他国のキャバリアを招き入れている。
 城塞地区は『シーヴァスリー』のキャバリアが無数存在していた。
「じゃ、正面突破と行くっすよ!」
 リプスは異境海蛇『ヤム』に乗り、その瞳をユーベルコードに輝かせる。遠き海の異境神は本気を出す(ヤムナハルノカムイ)。
 合体し、『ヤム・ナハル』へと姿を変えた機体と共に、城塞地区を一気に駆け抜ける。

 応戦などしない。
 海蛇の如き姿となった『ヤム・ナハル』は障害物である建造物の間を縫うようにして走り抜ける。
「うねうねしてるっすからね。とは言え、妨害はしてくるっすね!」
『シーヴァスリー』のキャバリアたちは動揺することなどなかった。
 例え、キャバリアの領分を越えたリプスの操る『ヤム・ナハル』の姿を見たとしても、己たちが為すべきことは変わらないとばかりにキャバリアライフルの弾丸を浴びせてくる。
 しかも、味方が射線にいようといまいと構わないかのような破滅的な行動。
「脅威を認識……」
「敵性存在を排除……」
 彼等はオブリビオンマシンによって思想を狂わされているのではない。

 ただ、そのように洗脳されていると言ってもいい程の思想に漬けこまれているのだ。自分の生命は国家に捧げられるものであるとばかりに教育されている。
 だから、簡単に味方を犠牲にすることができる。
「ケガさせるのは望んじゃいないっすよ。まして、今を生きる人間なんすよね? なのに、なんでそんなことができるっすか!」
 リプスは叫ぶ。
 自らの生命を生命と思わない。
 誰赤を守るでもなく、自らの意志でもなく、ただ、そうあるべきと植え付けられた思想に寄って生命を投げ出す浅慮。

 それを植え付けたのはオブリビオンマシンであるといい切れるだろう。
 だからこそ、リプスは激高するかもしれない。
「自らのためでもない、形のない自分の理解が及ばぬなにかのために生命を投げ出すというのなら、その考えを打ち消すっす!」
 放たれる電磁パルスとジャミングが『シーヴァスリー』のキャバリアたちをたちどころに無力化していく。
 異境海竜神が戦場を縫うようにして抜ける。

 目指す先は中枢。
 オブリビオンマシンが座し、無限の弾幕張り巡らせる戦場だ。
 リプスは、これがオブリビオンマシンの撒く火種であることを理解するだろう。人と人を争わせ続ける。
 そうすることで実現する炎の破滅。
 これこそが彼等の狙い。
「今を生きる人を邪魔立てするっていうのなら」
 例え『呪われた神』なのだとしても、救える者は救いたいと思う。その思いこそが、リプスを今走らせる――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ユーリー・ザルティア
どこもどいつも…
ほんと狂ってるね。この世界はッ

レスヴァントで出撃する。
最大最速で行く。地上スレスレを飛べば『殲禍炎剣』も反応しないはず。
こー言うときに飛空艇でぱっと行けないもどかしさ(焦)
いや、まずは落ち着こう。

うん、マッドオクテットクライシスで警戒網のキャバリアを感電もしくはパイロットを魅了して、無理やり無力化する。

魅了したパイロットには嘘の情報を流してもらって、敵の索敵網を混乱させてもらう。
ついでにレーダー装置やカメラに『ハッキング』して誤った情報を『プログラミング』
ここを通る味方の猟兵をサポートして、一気に抜ける。
急がば回れ。ボク一人抜けた処で…。みんなで行くよ。バカをしばく為に!



「どいつもこいつも……ほんと狂ってるね。この世界はッ」
 白いキャバリア『レスヴァント』が『グリプ5』の城塞地区を疾駆する。
 最大最速。
 それが、ユーリー・ザルティア(自称“撃墜女王”(エース)・f29915)の選択だった。
 地上スレスレを『レスヴァント』はスラスターの噴射でもって飛ぶ。
 それは疾走しているとも取れる動きであったことだろう。
 本来であれば飛空艇でたどり着くことができるだろう。けれど、此処はクロムキャバリアである。
 空に蓋をされた世界。
 衛星軌道上に存在する『殲禍炎剣』がある限り、クロムキャバリアの空は在ってないようなものだった。

 長距離の衛星通信すら行えない世界。
 だからこそ、人の間に不和が生まれる。不信が募り、疑心が生まれ、互いに争うようになる。
 地上は地獄そのものだ。
 苛立つようにユーリーは『レスヴァント』の操縦桿を握りしめる。
「いや、まずは落ち着こう」
 もどかしさの方が大きい。けれど、今はそれにかまけてはいけないと彼女は知っている。
「敵性存在を確認……」
『シーヴァスリー』のキャバリアが、その道を塞ぐ。

 この速度だ。激突すればただではすまない。けれど、『シーヴァスリー』のキャバリアパイロットたちは己の生命を顧みない。
 ただ命令されたことを実行するだけで、恐怖や自由意志など持ち得ぬかのような人形のような行動を実行に移す。
「――本当に! こんな洗脳みたいな、人を木偶人形みたいに扱って!」
 ユーリーの瞳がユーベルコードに輝き、『レスヴァント』の機体から特殊なジャミングウェーブが放出される。

 それは己に迫るキャバリアの電子機器に干渉し、無理やり無効化するのだ。
「魅了は……効果ありと見たね! なら、この情報を流してもらうし、『レスヴァント』!」
 ユーリーは機体を自動操縦に切り替え、レーダーやカメラにハッキングする。
 ジャミングウェーブは、周囲の機械をユーリーの支配下におく。この『グリプ5』の警戒網が全て『シーヴァスリー』によって掌握されているというのならば、偽の情報を流すことによって撹乱できるだろう。
「西方方面に敵性存在の出現を確認……」
「急行せよ。敵性存在の排除を実行する……」
『シーヴァスリー』のキャバリアたちが一斉に動き出す。
 これも一時しのぎにしかならないだろう。けれど、その隙に至ることができる道もあるはずだ。

 それにユーリーは自分にい言い聞かせる。
 例え、これが一時しのぎでしかないのだとしても、確かに道が開いた。
 ならば。
「急がば回れ。ボク一人抜けた処で……」
 あの中枢に座すオブリビオンマシンは止められない。人機一体の『エース』。正真正銘の『エース』との対決は、ただ一人で離し得ない。
「みんなで行くよ。バカをしばく為に!」
 ユーリーは『レスヴァント』と共に流した偽情報で『シーヴァスリー』を撹乱しながら、『中枢』へと迫る。

 彼女の瞳に映ったのは全天をおおうかのような金属結晶ビット。
 それが『セラフィム・エクシア』の制御するオールレンジ攻撃であると知るだろう。物量、正確さ、そのどれをとっても暴威。
 だが、その無限弾幕を抜けなければ、ユーリーの言葉通り、オブリビオンマシンに近づくことすらできない。
 オブリビオンマシンの策動が戦乱を呼び起こし、世界に炎の破滅を齎すというのなら。
「それを止めるのが『エース』ってものでしょう――!」

大成功 🔵​🔵​🔵​

ロラン・ヒュッテンブレナー
○アドリブ絡みOK

過去の英雄が帰還して、叛乱を起こす…
どうして、力で解決しようとするのかな
それに飲み込まれちゃうなんて、英雄なんていないのかも

狙いは『セラフィム・エクシア』だけ
最大速度で突破するの

アルターギアと魔力による接続完了
システムオールグリーン
メインブースター、チャージ
超高速強襲用試作キャバリアの出自、存分に発揮していいよ

UC発動
首と手足を格納した鳥の様な簡易飛行形態に変形
前面魔導レーダーと界面相殺結界展開
アルターギア、行くの

殲禍炎剣の射程外の低空をVOBの様に超高速飛行するよ
展開されたキャバリアを確認
爆裂型火炎魔術で牽制と煙での撹乱なの
あとは、結界強度と速度に任せて警戒網を突破なの



『過去の英雄』。
 それはクロムキャバリアにおいて、ひときわ大きな意味を持つだろう。
 戦乱ばかりが続く世界。
 平和の意味すら知らぬ者たちが、闘争に明け暮れる。
 それがオブリビオンマシンの描く地獄そのものであった。炎の破滅をもたらし、世界を破壊しようとする。
 そのために長らく戦争状態が維持されてきた。

 多くの涙があっただろう。
 多くの生命が散っただろう。
 戦場にあるのは嘆きと恨み。憎悪が膨れ上がり、理解を拒む。互いに不寛容になれば、争いは加熱していく。
「どうして力で解決しようとするのかな。それに飲まれちゃうなんて、英雄なんていないのかも」
 ロラン・ヒュッテンブレナー(人狼の電脳魔術士・f04258)は『アルターギア』のコクピットの中で魔力に寄る接続を完了させる。
「システムオールグリーン。メインブースター、チャージ」
 息を吐き出す。

 狙いは『セラフィム・エクシア』のみ。
 最大速度で突破する。幸いにして他の猟兵たちの撹乱と流された嘘の情報で持って城塞地区に存在する『シーヴァスリー』のキャバリアたちは混乱に陥っている。
「超高速強襲用キャバリアの出自、存分に発揮していいよ」
『アルターギア』のアイセンサーがユーベルコードに輝く。
 アルターギア・フルブースト。
 それは東武と腕部を格納し、空気抵抗などの抵抗を相殺する術式をまとって変形するユーベルコードである。

 異形の魔鳥の如き姿。
『アルターギア』の威容は、まさにそれと知るだろう。
 その機体を見た者は、己たちの判断が遅きに失するものであると理解する。
「前面魔導レーダー機動。界面殺結界展開――『アルターギア』、行くの」
 ロランの言葉と共に低空を疾駆する魔鳥の如きキャバリア。
 低空で飛ぶ『アルターギア』は、その機体から爆裂型火炎魔術で牽制しながら、煙幕でもって己の機体を隠す。
「敵性存在……」
「ロスト。追いきれない……」
 圧倒的な加速。
『アルターギア』が可能とするのは超高速飛翔と、魔術を同時に行使する力。

 ロランはそれを制御するコアのようなものだ。
 圧倒的な速度で城塞地区を駆け抜ける『アルターギア』とロラン。
『シーヴァスリー』のキャバリアがオブリビオンマシンではなく、オブリビオンマシンに歪められた思想によって洗脳されたものによる行動だと知るのならば、ロランは彼らを傷つけるという選択肢を保たない。
「同情するわけじゃないの。力で解決しても、本当の解決にはならない」
 今、『シーヴァスリー』のキャバアリアを破壊したとしても、それは本当の意味での平和につながらないとロランは知っている。

 猟兵がオブリビオンマシンを排除すれば、それが叶うわけではないということも理解している。
 いつだって世界の平穏を掴むのは、その世界の『今』を生きる人々の手だ。
 だからこそ、ロランは最大速度で城塞地区を突っ切る。
 彼の視界に映るのは、全天を覆うかのような膨大な数の金属結晶ビット。『セラフィム・エクシア』が齎す無限弾幕。
 それは檻のようでもあった。
 ロランは自分たちが、この無限弾幕の罠に嵌ったことを理解するだろう。城塞地区の警邏は布石。

 最大速度で駆け抜ければ、無限弾幕の餌食となる。
「でも、それも踏破していくの」
 そう、それしかないのだ。
 どれだけ危険な道筋も。そこに人々が願う平和があるのならば、ロランは手を伸ばさずにはいられないのだから――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

サージェ・ライト
お呼びとあらば参じましょう
私はクノイチ、胸が大きくてアッハイシリアスですねハイ(黙る

うーん、クノイチ的にはもっとこう、明るく行きたいのですが
人の想いはどうにも複雑に絡み合いやすいようで

とりあえずは
かもんっ! 『ファントムシリカ』!
というわけでシリカさんにおかれましては
爪を引っ込めていただきますよう
よろしくお願い申し上げます(平伏)

まぁノーマルなキャバリア相手なら
ファントムシリカの装甲に瑕がつくことも無いのですが
しっかりかわしていきましょうか
シリカ、ファントムクォーツユニット起動で
ミニシリカ、【百花繚乱】で敵をかく乱してください
作戦はよしなに!

ルベライトビットと幻影を囮に
さくっと突破しますねー



「お呼びとあらば参じましょう」
 その声は嫌にコミカルに響いたかもしれない。
 いつものことだと理解する者もいただろう。
 けれど、『グリプ5』の城塞地区に取り残されていた人々は顔を見上げる。
 そこにあったのは白と紫を基調とするキャバリア『ファントムシリカ』の姿があった。幾度となく『グリプ5』に駆けつけてきた機体。
 人々は、そのコミカルな……それこそシリアスさを敢えて空気読まぬ声に胸に希望を宿す。

「私はクノイチ、胸が大きくてアッハイシリアスですねハイ」
 黙るサージェ・ライト(バーチャルクノイチ・f24264)。
 彼女にしては空気を読んだつもりであった。クノイチ的にはもっと明るくいきたいと思っていた。
 けれど、人の想いはどうにも複雑に絡み合うものであると彼女は理解している。
 彼女がバーチャルキャラクターではなく、人であったのならば、また違った答が出たのかもしれない。
 それもまた答の一つだ。
 全てが過ちであるとは言えないように、全てが正解であるとも言えない。

 だから、サージェは虚空より呼び寄せた『ファントムシリカ』と共に城塞地区を駆け抜ける。
「というわけで『シリカ』さんにおかれましては爪を引っ込めていただけますよう、よろしくおねがい申し上げます」
 平伏する勢いであった。
 コクピットの中であったことが幸いであったかも知れないと『シリカ』はちょっと思った。
 お姉ちゃんはいつもこうであるが、流石にこんな姿を市民に見せるわけにはいかない。
 にゅっと伸びかけた爪を引っ込め、ため息をつく。
 ちらっとこちらを伺ってくるサージェにまたにゅっと爪を伸ばして釘をさす。

「大丈夫ですって! まあノーマルなキャバリア相手なら、装甲に傷がつくこともないのです。いえ、あっ、いえ、ちゃんと躱していきます。しっかり躱していきましょう!」
 サージェは慌てて言い直して、機体を城塞地区に走らせる。
 敵の数は多い。
 他の猟兵たちの撹乱によって警戒の層は薄くなっているとは言え、接触せずに駆け抜けられるほど甘いものでもない。
「シリカ、ファントムクォーツユニット起動です。ミニシリカ、あとはよしなあにっ!」
 それって丸投げってこと?
 とシリカがじとっとした目を向ける。
 だが仕方ない。こういう遠隔操作武装の扱いは、サージェにとっては苦手とするものであったのかもしれない。

「ルベライトビット! 囮にして、さくっと突破しましょう!」
 百花繚乱(アサルトアサシン)たる幻影。
 それは『ファントムシリカ』とファントムクォーツユニットによる演舞の如き美しさを醸し出すものであった。
 戦場に似つかわしい情景。
 花びらの世に舞い飛ぶユニット。それを『シーヴァスリー』のキャバリアたちは迎撃する。
 サージェの目的はキャバリアの破壊ではない。
 他の猟兵達と同じ様に撹乱することこそが目的である。

「警戒が薄くなったそこを突破しますよ! それでは、サージェ、吶喊……じゃあなくって、いっきまーす!」
 にゅっと煌めく爪にサージが忖度したってわけではない。
 これより先にあるのは『セラフィム・エクシア』の放つ無限弾幕。全天を覆うかのような金属結晶のビットは、たやすく躱せるようなものではないことは明白だった。
 それを操るのが正真正銘の『エース』であるのならば、なおさらである。
 サージェはそれを知るからこそ、気を引き締める。
「いえ、ちょっとやっぱり爪はそのー、集中を欠くので、収めて頂きましてー……あっ、はい、いますぐ行きますごめんなさい!」
 やっぱり爪には敵わない。
 サージェは前門の無限弾幕。後門の爪に怯えながら、機体を傷つけまいと城塞地区を突破するのであった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アルカ・スィエラ
……っ!
(オブリビオンマシンに影響された英雄、何者かに手引きされ国内に現れた外敵。
……細部は違う、けれど嫌でも過去を思い出す。
客観的には百年近い過去、主観的には数年しか経っていない、国を失い、逃げるしかできなかったあの日を)
アルカ・スィエラ、プロトミレス、出るッ!!

ここで時間を掛けるつもりはないわ、かといって無事で残しておくつもりもない……!!
推力移動で突っ込みつつUCを発動。自我無き敵の機械類、キャバリアも索敵機構も機能不全、機能停止へと追い込むわ。ドラグレクスにはこの後に備えて咆哮後すぐ再転移で下がってもらう

後は進路上の敵機をルーナグラディウスの近接攻撃で切り捨てつつ、まっすぐ突破を図るわ



 オブリビオンマシンが狂わせるは思想。
 パイロットがいなければ、オブリビオンマシンは動かない。だが、思想を狂わされた過去の英雄は、英雄であるがゆえに絶大な影響力を持つ。
『グリプ5』において、それは最も効果的だったと言えるだろう。
 小国家の興り、その前身である『憂国学徒兵』。その『ハイランダー・ナイン』。最後の一人である『アハト・スカルモルド』の帰還。
 地底帝国「バンブーク第二帝国』の侵攻。
 それらの要因によって『グリプ5』はひどく傷ついていた。そこに現れた英雄は、人々に希望をもたらしただろう。

 けれど、それは絶望の始まりに過ぎないことをアルカ・スィエラ(鋼竜の戦姫・f29964)は知っている。
 嫌でも過去を思い出してしまう。
「……っ!」
 客観的に見れば百年近い過去であっても、アルカの主観では数年しか経っていない。国を失い、逃げるしかできなかったあの日。
 今『グリプ5』に起こっていることは、あの日の再現だ。
 全てが同じであるとは言えない。
 けれど、このままにしておけば『グリプ5』がたどるの破滅だ。相談現できるのは、アルカが見てきたからだ。
 あの日を。
 何度も、何度も、何度も、何度も、悪夢のように見たあの日。

「アルカ・スィエラ、『プロトミレス』、出るッ!!」
 キャバリアと共にアルカは城塞地区を疾駆する。
 推力移動で警戒網に突っ込む。
 アイセンサーが揺らぐように煌めき、突如として眼前に転移してきた機竜『ドラグレクス』が衝撃波を伴う咆哮を轟かせる。
 それは『シーヴァスリー』のキャバリアたちの機能を狂わせる。
「『ドラグレクス』、下がりなさい。再転移……まだ貴方の仕事は後に残っている……!」
 アルカは『プロトミレス』の腰部に備えられた大型実体剣を二振り抜き払い、方向によって機能停止している『シーヴァスリー』のキャバリアのオーバーフレームとアンダーフレームを切り裂く。

 進路上のキャバリアを無力化したアルカは見ただろう。
『シーヴァスリー』のキャバリアたちが味方機がかく座していたとしてもお構いなしにライフルの弾丸を放つのを。
 彼等にとって、仲間の生命など頓着しないものなのだ。『シーヴァスリー』はオブリビオンマシンによって支配されていると言ってもいい。
 破滅的な思想によって洗脳されたかのように植え付けられた行動原理は、たやすく人の倫理を覆す。
「敵性存在の排除……」
「私達の邪魔を、しないで……ッ!!!!」
 アルカは激高するだろう。

 それはあの日に重なるからだ。
 逃げた日。
 どうしようもなかった現実。覆せなかった滅び。
 そのどれもがアルカの心を苛む。己の中にある金属細胞が告げる。敵は中枢にありと。
 同じ金属細胞に寄って構成されたオブリビオンマシン。
『セラフィム・エクシア』。
 彼女の眼前に迫るのは、無限弾幕。金属結晶ビットが全天に広がっている。アルカは、迫るキャバリアを斬撃で無力化しながら、見上げる。
「……あそこに居る……っ!」
 感じる。
 自分が討つべき敵。
 あの悲劇を起こした存在。これから悲劇を齎す存在。
 そして、今に悲劇を撒き散らし、戦乱の火種を撒く存在を認識する。

 全天覆う弾幕は容易からず。
 だが、それがためらう理由になどならないことをアルカは知っている。逃げたあの日はもう戻らない。
 だから、前に歩むしかないのだ――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ミレア・ソリティス
任務受領しました、ミレア・ソリティス、出撃します

三型隠密活動兵装で出撃、UCを使用しアクティブステルス展開
姿を隠しつつ敵警戒網への破壊工作と攪乱での味方支援を実行します

自律砲台ヴィントシュティレを遊撃させ、またランチャーでの砲撃や生身が相手であれば閃光弾を使用、これらの派手な攻撃で敵防衛網の気を引き、
加えてLレンジブラスターでの敵センサー狙撃とペインレス・セイバーによる破壊工作及び接触による情報解析を行いつつ、交戦状態にある敵機にはジャミングミサイルでの広域妨害からの狙撃、セイバーによる無力化を行いましょう

後は味方の突破が済むまで敵戦力漸減、攪乱を続け、その後私自身も突破を行いましょう



「アクティブステルス展開、コード・ディミオス、起動します」
 静かな声がミレア・ソリティス(軍団たる「私」・f26027)の口から紡がれる。
 自身を光学迷彩、認識阻害力場によって覆うユーベルコードの煌めき。
 視聴嗅覚での感知を不可能とする力は、彼女の隠密活動兵装によるものであった。
「任務受領しました、ミレア・ソリティす、出撃します」
 淡々とした言葉。
 彼女が今何をしなければならないのか。
 それは姿を隠しつつ、敵警戒網への破壊工作と撹乱である。

 此度の戦いは『グリプ5』という小国家に敵対する小国家『シーヴァスリー』のキャバリアがすでに入り込んでいるという壊滅的状況を覆すためにある。
 そもそも中枢で『過去の英雄』である『アハト・スカルモルド』が叛乱を起こしたことが契機となっているが、これは予め計画されていたことなのだろうとミレアは理解する。
 行動が迅速すぎるのだ。
 突如として起こった叛乱などありえない。
 全てが用意周到に計画されていたものでしかないのだとすれば、ミレアは己の使命を撹乱に置く。
「敵機体の無力化を実行」
 自律砲台である『ヴィントシュティレ』が遊撃に周り、ミレアの光学迷彩と認識阻害力場が広がっていく。

 ランチャーでの砲撃によって『シーヴァスリー』のキャバリアはメインカメラを破壊され、動きを止める。
 だが、それはわずかに動きを止めた事に過ぎない。
「メインカメラの断絶を確認。サブカメラに切り替える……」
「敵性存在を確認できず。ステルスモードを使用していると仮定……」
「周囲一体を焼き払うことを提言……」
『シーヴァスリー』のキャバリアに乗るパイロットたちは、皆破滅的な思想に囚われている。
 いや、植え付けられていると言ったほうがいい。
 洗脳ともいえるだろう。
 彼等は、オブリビオンマシンの狂気に侵されることなく、ただそれを当たり前のことと教育されているのだ。

「敵は自軍の損害を軽んじている。ジャミングミサイでの広域妨害を展開」
 ミレアは肩部に装備された大型火器から放たれる弾頭をジャミング用に切り替え、狙撃する。
 さらにミレアは味方である猟兵たちが、城塞地区を突破するまで『シーヴァスリー』のキャバリアたちを縫い止め続ける。
 数の不利は承知の上である。
 多くの味方が城塞地区を突破しなければ、中枢にはたどり着けない。
 たとえ、中枢にたどり着けたとしても、敵オブリビオンマシンの無限弾幕が待っている。
 ならばこそ、ミレアは己の特性によって多くの消耗を減ずることを選択する。

「敵の消耗を確認。突破します」
 ミレアは己自身も城塞地区を突破する。
 多くの猟兵がそうしたように撹乱し続けることに寄って人形のように行軍する『シーヴァスリー』のキャバリアたちの警戒網は薄くなり、突破を容易にする。 
 だが、ミレアは見ただろう。

 城塞地区を抜けた先にあるのは、金属結晶ビットによる無限弾幕。
 全天を覆うビットの数を数えるには、あまりにも膨大な量。そして、それらが精緻なる攻勢でもって猟兵たちの進撃を更に阻むだろう。
 これが正真正銘『エース』の力であることをミレアは過剰に評価することもなく、また同時に過小評価することもない。
 ただ、目の前の現実を見据え、どの様に突破するのかを考えるのであった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

カシム・ディーン
…つくづく彼奴らの人生は退屈しなさそうだな
まるで物語の主人公だ
「メルシー達は脇役なのかな?」
冗談じゃねー
とは言え…フュンフを超えるエース…人機一体か…厄介そうですね
「大丈夫だよご主人サマ☆メルシー達も同じだぞ☆」
そうかー?
「そこ否定しないでよー☆」
【戦闘知識・情報収集・視力】
城西地区の敵の警備体制と突入ルートの把握

UC発動
竜軍団
【集団戦術・捕食・切断・盗み攻撃・盗み】
複数でキャバリアに襲い掛かり手足を食いちぎり強奪
暴れ回るが不殺徹底
基本陽動

【属性攻撃・迷彩】
光水属性を機体に付与
光学迷彩と水の障壁で熱源隠蔽

【念動力・弾幕・スナイパー・空中戦】
突破ルートを突き進み邪魔なのは念動光弾で撃墜
不殺徹底



「……つくづく彼奴らの人生は退屈しなさそうだな。まるで物語の主人公だ」
 そうつぶやいたのは、カシム・ディーン(小さな竜眼・f12217)であった。
 彼にとって、『グリプ5』に生きる『エース』たちは、言葉通りの存在のように思えたことだろう。
 城塞地区は『シーヴァスリー』のキャバリアによって占拠され、中枢では過去の英雄が叛乱を起こす。
 まさに絶望的な状況だろう。
 地底帝国『バンブーク第二帝国』の侵攻によって被害を受けていたことも、さらに追い打ちを掛けている。

『メルシー達は脇役なのかな?』
「冗談じゃねー」
 カシムは『メルクリウス」のコクピットに座し、頭を振る。
 そうは言うももの、人機一体たる正真正銘の『エース』。厄介であると言う他無い。
 機体は金属細胞に寄って形を変え、武装は強力無比。
 そこに『エース』の技量が相まって、途方も無い敵となるだろう。
『大丈夫だよご主人サマ☆メルシーたちも同じだぞ☆』
 そんなふうにあっけらかんと言う『メルシー』の言葉にカシムは苦笑いするしかないだろう。
「そうかー?」
『そこ否定しないでよー☆』

 そんなやり取りがいつもどおりであることをカシムは喜ぶかもしれない。
 変わらないものだってある。変わっていくものばかりであったのだとしても、決して変わらぬものだって世界に在ることを示さねばならない。
「なら、さくっと行きますか!」
 帝竜眼「ダイウルゴス」(ブンメイヲシンリャクシユウゴウスルモノ)が煌めく。
 展開される小型ダイウルゴス達。
 それは一斉に『シーヴァスリー』のキャバリアたちに襲いかかる。キャバリアライフルでの応戦など物ともしない。

 数の暴力というのは、何も敵だけのものではない。
「『メルシー』、突入ルートの把握は!」
『全部万事オッケーだよ☆』
 その言葉にうなずき、神速の機神が、その真価を発揮する。キャバリアがだるまにされ、転がる最中を『メルクリウス』は疾駆する。
 立ち止まることは許されない。
 一刻も早く、この状況を打破しなければ、オブリビオンマシン、その黒幕の思うがままであることを知っているからだ。
 機体に光学迷彩を付与し、一気に走る。

「邪魔するっていうのなら、そのキャバリアはぶっ壊しますよ!」
 念動力で制御された光弾が乱舞し、キャバリアのオーバーフレームとアンダーフレームを討ち貫いていく。
「武器がないってんなら、逃げるしかないでしょ! 戦うことができないんならさ!」
 不殺を徹底する。
 彼等が如何にオブリビオンマシンによる洗脳が如き思想教育によって歪められているのだとしても、生命を奪うことはしない。
 戦乱を収めるのが力であるというのならば、戦乱の後に来る時代を切り拓くのは生命である。

 ならばこそ、カシムは『メルクリウス』と共に誰一人殺さず、傷つけず走る。
 それはこの戦場にある猟兵達全てに共通することであったかもしれない。戦争はいつだって人の生命を奪っていく。
 理不尽に。
 けれど、その理不尽に真っ向から相対するのが人の勇気である。故にカシムは不殺を己の胸に掲げる。
 たとえ、どれだけ不利となろうとも。
 目の前に迫る無限弾幕の全天を覆う檻が、彼等の足を止めるのだとしても――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

メンカル・プルモーサ
(試作型術式騎兵【ツィルニトラ】に騎乗)
……次から次にと問題が起こるね……
…そして今回はもう警戒されている…まあこれだけ色々介入すれば当然か…
…倒すべき敵が決まってる以上余計な戦闘は避けたい…

…【不思議な追跡者】により召喚した小動物(烏)を先行させて警戒網を担当するキャバリアの配置やセンサー・レーダーを確認…
…心理隠密術式【シュレディンガー】で心理迷彩を纏って発見されづらくして…
…操音作寂術式【メレテー】によりツィルニトラの駆動音を完全に消去…
…後は適宜レーダーやカメラをハッキングして『何も無かった』ように見せかけて突破するとしよう…騒ぎも起きてることだしこれに乗じれば警戒網を抜けられるかな…



 小国家『グリプ5』を取り巻く状況は、悪化するばかりであった。
 地底帝国『バンブーク第二帝国』の侵攻による市民への被害。
 周辺国家の軋轢と、その滅亡。
 そして、今まさに『グリプ5』に迫るのは新興国家『シーヴァスリー』によりもたらされる破滅。
 何より、その引き金を引いたのが『過去の英雄』たる『ハイランダー・ナイン』たる『アハト・スカルモルド』の叛乱であった。

「……次から次にと問題が起こるね……」
 メンカル・プルモーサ(トリニティ・ウィッチ・f08301)は試作型術式騎兵『ツィルニトラ』を駆り、城塞地区へと走る。
 オブリビオンマシンによる策動は必ず予知される。
 彼等が動くのならば猟兵もまた動く。
 逆説的に考えるのならば、オブリビオンマシンは必ず猟兵の到来を計算にいれなければならないということだ。

 暗躍すれど嗅ぎつけられるというのならば、『シーヴァスリー』のキャバリアが城塞地区に配備されていることこそが、猟兵の到来に対するカウンターであったのだろう。
「……まあこれだけ色々介入すれば当然か……」
 そして、メンカルは見据える。
 今回のオブリビオンマシンは唯一騎である。
 その一騎を打倒すると決めている以上、余計な戦闘を避けたいと思うのは当然のことであった。
 術式騎兵の名の通り『ツィルニトラ』はメンカルのユーベルコードを増幅させる。
「小さき者よ、追え、暴け。汝は狩人、汝は猟犬。魔女が望むは獲物逃さぬ鋭き眼」
 不思議な追跡者(リドル・チェイサー)をメンカルは召喚し、先行させる。
 鳥の形をした追跡者が城塞地区を飛び、警戒網やレーダー、センサーの配置を確認する。

 先行した猟兵達によって『シーヴァスリー』のキャバリアたちの多くが無力化されているが、まだセンサーやレーダーは有効であった。
 だからこそ、メンカルは心理隠密術式『シュレディンガー』で心理迷彩を纏い、『ツィルニトラ』と共に城塞地区を駆け抜ける。
 姿を隠せても、機体の駆動音は隠せない。
 いや、そんなことはメンカルにとっては、たやすくクリアされるべき条件であった。
 操音術式『メレテー』により、駆動音を完全に消し、さらにレーダーやセンサーをハッキングし、『何も無かった』かのように見せかけてゆうゆうと城塞地区を突破する。

『シーヴァスリー』のキャバリアたちは、先行した猟兵達への対処に追われ、警戒網が薄くなっていたことも要因の一つだろう。
「……ここまで用意周到にということは……すでに次なる一手も打っていると考えるのだ妥当……」
 メンカルは考える。
 この叛乱の首謀者はただ一人。
 百年前に冷凍睡眠によって眠っていた『憂国学徒兵』の『ハイランダー・ナイン』、最後の一人である『アハト・スカルモルド』である。

 だが、『グリプ5』を取り巻くオブリビオンマシンの策動を、この絵図を描いて居るものは別の存在している。
 その目的が見えない。
 ただ小国家を破滅に導くにしては手が込みすぎているような気がするのだ。
「……それ以外に目的がある……」
 そう考えるのが妥当だろう。だが、その答えはまだ出ない。メンカルは城塞地区を抜け、眼前に広がる光景に何を思うだろう。

 中枢にあるのは全天を覆うかのような膨大な数の金属結晶ビット。
 無限弾幕と呼ぶに相応しい膨大な物量が猟兵たちを襲う。
 何を持って破滅と言うのか。それは定義が人によって異なる。寄る辺となる小国家を失うことか。それとも己の生命が喪われることか。
 破滅。
 オブリビオンマシンが願うのは世界の破滅。炎の破滅による光景を見ることのみ。
 ならば、これを為さんとする『エース』、 『アハト・スカルモルド』の狂気は、思惑は、未だ弾幕の向こうに在りて、見えない――。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 冒険 『無限弾幕』

POW   :    守りを固めながら前進する

SPD   :    射撃が途切れた隙を狙い、一気に進む

WIZ   :    ジャミングやハッキングで射撃機構を無力化する

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 小国家『グリプ5』の中枢は、何も『アハト・スカルモルド』の叛乱によって瞬く間に制圧されたわけではない。
 今も尚、中枢にありてかのオブリビオンマシンに対抗する者たちがいた。
「諸君らは退けと言っている! 私が此処を抑える。その隙に!」
「キャバリアの、倉庫に行けって言うんでしょう! でも、あれは『フュンフ』兄と『クロア』の機体で!」
「それに貴方が!」
 亜麻色の髪が揺れ、黒い瞳が金属結晶のビットの乱舞を捉え、それを躱す。キャバアリアを操縦しているのは『ヒトエ』――かつて『八咫神国』において『帝』と呼ばれていた統治者であり、今は『グリプ5』に残存した者たちと共に身を寄せている。
 彼が『セラフィム・エクシア』のビットをひきつけている間に、『ゼクス・ラーズグリーズ』と『ズィーベン・ラーズグリーズ』がキャバリアの格納されている倉庫に向かうように説得しているのだ。
 だが、それは無謀であったと言えるだろう。
 無限の弾幕。
 そう表現するしか無いほどの凄まじいビットの乱舞だった。

「君たちは知らないだろうが、本来クリスタルビットはこう使う」
『アハト・スカルモルド』の声が響き、『ヒトエ』の駆るキャバリアへと金属結晶のビットが襲いかかる。
 縦横無尽にして、全天から襲いかかるビット。
 その攻撃は苛烈にして精緻。
「私は諸君らを守らねばならぬ。私の血統がそうであるからではない。私が、私自身がそう決めたのだ!!」
『ヒトエ』の声に『ゼクス』と『ズィーベン』が走る。
 ビットの乱舞にさらされたキャバリアの頭部が撃ち抜かれ、シールドが焼き切られる。
「頭部ユニットがやられた程度で!」
「さすがは『フュンフ・エイル』の血統だと言っておこうかな。でも、君は経験が決定的に足りないね? ほら、そこだ」
 ビットが『ヒトエ』の駆るキャバリアの四肢を分断し、コクピットブロックだけが大地に落ちる。

「どうやら、『アレ』は其処にあるようだね……――流石に速いな。もう此処まで来たのか」
『アハト・スカルモルド』が見やる先にあったのは、城塞地区を抜けて中枢に迫る猟兵達。
 彼等を出迎えるように空を飛ぶのは、空を埋め尽くすほどの無限弾幕。
 クリスタルビット。
 それは隙のない弾幕兵器としての扱うのが正しい使い方である。だが、制御が困難であり、まともに使えるのは『アハト・スカルモルド』だけであった。『エース』であってもオールレンジ攻撃程度にしか使えない。
 けれど、彼はそれを完璧に使いこなしている。
 どれだけ離れていたとしても、敵を――猟兵を知覚し、無数のビットでもって襲いかかる。片手間に、とも取れるだろう。
 それが彼の実力の証明である。

「『ゼクス』、『ズィーベン』。出ておいで。君たちは其処にいてはいけない。まだ子供じゃないか、君等は。戦場に出てきていい年頃じゃあない。さあ、おいで」
 微笑みすら感じる言葉。
 されど、それはオブリビオンマシンに乗っていなければの話だ。
『アハト・スカルモルド』はキャバリアが格納されている倉庫にオブリビオンマシンと共に押し入る――。
ロラン・ヒュッテンブレナー
○アドリブ絡みOK

罠を張ってたんだね
確かに、真っ直ぐ飛び出してくるぼくには有効かも
……遠隔兵器じゃなければ、ね?

照準正面
UCチャージ、モードラピッド
アルターギアの両翼に系4つの魔術陣を展開
進路を作る様に掃射するよ
『この魔砲は一味違うの!』

同時にビットの一つと電脳空間側から接続、感染性の高いウィルスを仕込んで放つよ
経路は2つ
一つは、セラフィム・エクシアへのプログラム破壊によるジャミング
そっちは囮で、ビット同士の接続からビットのみを敵として認識する誤情報を流すウィルスを感染さるの

物理、電子両方から攻撃すれば、多少は後続が動きやすいはずなの
ビット相手なら手加減も無し
仲間割れさせて、撃破もしていくの



 一直線に高速で疾駆する機体を捉えるのは容易であった。
 クリスタルビットは、本来弾幕兵器である。だが、その弾幕を形成する金属結晶ビットの制御が困難を極める。
 全天を覆うほどのビットを完全に制御できるのは『ハイランダー・ナイン』の中でも『アハト・スカルモルド』だけであった。
 それ以上に脅威であるのが、これほどの制御を片手間でやってのけるという事実である。

「罠を張ってたんだね」
 ロラン・ヒュッテンブレナー(人狼の電脳魔術士・f04258)は変形した『アルターギア』と共に中枢へと飛び込む。
 そこへ襲いかかる無数のクリスタルビット。
 全天を覆うということは、隙間なく攻め込まれるということ。
 前後左右どころか上下すら関係なく襲いかかるクリスタルビットは、まっすぐ飛び出したロランにとって脅威であった。

「……遠隔兵器じゃなければ、ね。照準正面。対消滅術式展開、平行展開……合成魔術式、ミキシングOK、レディ」
 煌めくロランの瞳。
 ユーベルコードの輝きに寄って展開されるのは両翼に魔術陣。
 放たれるは魔砲の一撃、災禍もたらす破滅の光条(エフェクティブロランバースト)。
 光線が魔術陣より放たれ、迫るクリスタルビットを薙ぎ払う。
 進路を確保するように放たれた魔砲の光条は、確かにクリスタルビットを破壊する。だが、金属結晶のクリスタルビットは、即座に結晶化し、再び形を為す。
 破壊しても、即座に再生する。

 もしも、この場に嘗て『H.O.P.E』と呼ばれたオブリビオンマシンを知る者がいたのならば、同様の能力を持っていたことに気がつくだろう。
「――再生した。でも」
 ロランは再生したクリスタルビットを前に、電脳空間から接続し、感染性の高いウィルスを仕込んでいた。
 放たれ、破壊されたビットが再生されると、仕込んだウィルスが経路をたどって走っていく。

 一つは『セラフィム・エクシア』というクリスタルビットの制御系に入り込み、そのプログラムを破壊すること。
 ジャミングと言ってもいいだろう。
 だが、それは完全にシャットダウンされている。
「電脳魔術。そういうものもあるんだね。仮想が現実に干渉する……なるほど。そういうことか」
『アハト・スカルモルド』のつぶやきが聞こえたかも知れない。
 彼にとって機体のプログラムを破壊するジャミングは意味をなさない。機体である『セラフィム・エクシア』が、それを完璧に遮断しているのだ。
 オブリビオンマシンの機能と言ってもいいかも知れない。

「でもそっちは囮」
 ロランの本命は、ビット同士の接続からビットのみを敵として認識させる誤情報を流すウィルスである。
 敵を誤認識させる。
 物理的、電子的、両方から攻撃すれば多少は後続の猟兵たちが動きやすいだろうと判断してのことであった。
 それにビットならば、加減する必要がない。
 クリスタルビットが一瞬、互いを同士討ちする。それは僅かな時間であったが、けれど、ロランにとっては十分な時間であったことだろう。

 全天を覆う無限弾幕の切れ間を強引に作り出し、『アルターギア』が飛ぶ。
 縫うように、ジグザグの凄まじい挙動をもって弾幕をくぐり抜け、中枢に迫る。目指す先は『セラフィム・エクシア』が押し入ったキャバリア格納庫。
 何をするつもりかはわからないが、人の生命がかかっているのならば、ロランはためらわないだろう。
 彼の道を阻むようにクリスタルビットが二つの攻勢を躱し、再びロランの道を塞ぐ。
『アルターギア』は、それらを躱し続け、さらに後続への道を切り拓くのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

メサイア・エルネイジェ
んぎゃー!なんですのこの数は!
お反則ですわ!
なんですヴリちゃん?UCを使えるわたくし達だって十分反則?
それはそれ!これはこれですわ〜!

多過ぎて避け方を考えている暇もありませんわ!
こんな時は…エルネイジェ流回避術!
考えるより動けですわ〜!
本能でお弾幕を掻い潜るのですわ
それにちょっとやそっと当たった所でヴリちゃんには黒竜装甲がございましてよ〜!
進む先のおビットだけはマシンガンでぶっ壊して強行突破ですわ
やはり邪魔者はこうするに限りますわね!
わたくしとヴリちゃんの道を塞ぐものは全部蜂の巣でしてよ〜!
撃ち漏らしは気にせず体当たりで跳ね飛ばすのですわ
ハイパーイオンブースター全開で突っ走りますのよ!



「んぎゃー! なんですこの数は! お反則ですわ!」
 全天を覆う弾幕。
 まさに無限弾幕と呼ぶに相応しい光景が其処には広がっていた。
 大地を凄まじい勢いで疾駆する黒き暴竜『ヴリトラ』に座すメサイア・エルネイジェ(放浪皇女・f34656)は思わずはしたない声を上げてしまっていた。
 彼女がそういうのも無理なからぬものである。
 これだけの数の金属結晶のビット、クリスタルビットを制御できるのは、おそらく『セラフィム・エクシア』に乗る『アハト・スカルモルド』だけであろう。

 猟兵が城塞地区を抜けてくることを予見していた彼が張り巡らせた罠。
 言葉にすれば、無限弾幕。
 だが、それを実現せしめる力量が在ることのほうがメサイアにとっては脅威であった。しかも、こちらを片手間に本命の目的を済ませようとさえしている。
「あの格納庫で何をしようとしていらっしゃるのかわかりませんが! なんですヴリちゃん? え、ユーベルコードを使えるわたくし達だって十分反則?」
 確かに『ヴリトラ』の言う通りであろう。
 最新鋭機であるクロムキャバリアですら、ユーベルコードの素養がなければ操縦することができないのだ。

 そんなユーベルコードを自在に操る猟兵の存在事態が生命の埒外と呼ばれるのもまた理解できることであった。
 だが、メサイアは胸を張って言うのだ。
「それはそれ! これはこれですわ~!」
 とは言え、迫る無限の弾幕。
 これを躱す方法を考えている暇など与えないとばかりに全天から襲いかかるクリスタルビットの群れ。
 前後左右どころか、上下すら多い尽くす正しくオールレンジ攻撃。
 それを前にしてメサイアは、考えるより本能で動く。
「よいですか、ヴリちゃん。我が王家に伝わりし秘伝の回避術! それは! 本能に任せてなんとなく避ける事ですわ〜!」
 くわっ! と見開かれた瞳に輝くのはユーベルコード。
 
 ――エルネイジェ流回避術(エルネイジェ・アヴォイダンス)。

 それは彼女の無意識によって突き動かされる生存への本能であったことだろう。
 だが、その本能を上回る物量で迫るのが『アハト・スカルモルド』の放つクリスタルビットであった。
「ちょっとやそっと当たったところでヴリちゃんには黒竜装甲がございましてよ~!」
 本能と装甲。
 それらを組み合わせ、進路上に阻むように現れるクリスタルビットをマシンガンで破壊し、メサイアは強行突破する。

「やはり数ですわ~! 暴力! 数の暴力こそが大正義ですわ~! ……あら、ということは、あちらのほうが正義ということ……? いえ、論ずるよりぶっぱですわ~!」
 マシンガンをぶっ放し続け、メサイアはさらに道をひた走る。
 背に追ったハイパーイオンブースターの噴射の煌めきが、『グリプ5』の中枢に走る。

 クリスタルビットを体当たりで蹴散らし、マシンガンの乱射によって寄せ付けない。
「計算とは思えないな……まるで獣……本能そのものでこちらに迫る。猟兵とはそういうものだったね。生命の埒外。なるほど」
『アハト・スカルモルド』は、メサイアの快進撃に舌を巻くだろう。
 だが、そこにある微笑みが崩れることはない。
 彼は背後より迫りくる暴竜の脅威を知っている。

 打ち漏らすことも関係なく。
 ただひたすらに直進し続ける『ヴリトラ』。かつて建国に関わった機体とも、国を焼く炎を齎す暴竜とも、機械神の一柱だとも言われる機体。
 その暴威は、メサイアという皇女を得てさらに昇華されることだろう。
「わたくしとヴリちゃんの道を塞ぐものは、全部蜂の巣でしてよ~!」
 黒竜装甲を打ち鳴らし、メサイアは無限弾幕を一直線に駆け抜ける。
 そこにあったのは計算でも技術でもない。
 ただ、そうあるべきと己の信じる道をひた走る、メサイアの皇女として本能が、『アハト・スカルモルド』を追い詰めるのであった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

月夜・玲
いやさー、ひどない?
外の奴らもそうだけどさーひどない?
こちとら生身のか弱い女子だよ?
恥を知りなさい!だよ!

誰かが言ってたんだけどさ、ビット兵器の弱点
そうそれは…多用すると絵面がつまんなくなるから、映像栄えしなくなるんだって
さておき
まあ真面目に考えたら、こーいう兵器は広い所じゃないと意味ないよね


引き続きバイクに乗って走行
マウントした両剣を手持に変更
【Code:L.M】起動
私の戦場を…上下左右共にバイクが通れるギリギリ程度の通路状の迷路に変更
出口は勿論中枢に!
最短経路をバイクにロード…オートで運転
さて、後は前後に『斬撃波』を放ちビットを撃ち落としていくだけ
ビットからの攻撃は『オーラ防御』で弾く!



 クロムキャバリアにおいて戦争の道具とは即ちキャバリアである。
 体高5mの戦術兵器は、戦場の花形。ともすれば、キャバリアの保有台数こそが小国家の戦力を現していると言っても過言ではないだろう。
 国力はプラントに依存し、戦力はキャバリアの機数で決まる。
 ならば、小国家『グリプ5』は奇異なる小国家であったことだろう。
 前身である『憂国学徒兵』たちがそうであったように、少数精鋭。たった数機のキャバリアで戦局を覆す。

 ならば、生身単身の超常の人として認知される月夜・玲(頂の探究者・f01605)は、どのような戦力として数えることができただろうか。
 城塞地区に存在していた『シーヴァスリー』のキャバリアたちは玲が生身単身であったとしても、キャバリアに相対するかのように巨大な武装を振るっていた。
「いやさー、ひどない? 外の奴らもそうだけどさーひどない?」
 こちとら生身のか弱い女子だよ、と玲は嘆いた。
 彼女の駆る特殊バイクは蒼い残光を残して『グリプ5』の中枢へと走っていた。

 全天に待ち構えているのは、無数の金属結晶のビット。
 クリスタルビットと呼ばれる『セラフィム』シリーズにおいては標準的に装備されている武装である。
 だが、その数は尋常ではなかった。
 空を埋め尽くし、前後左右だけではなく、上下すら網羅する包囲網は、生身である玲に対しても同様であった。
「恥を知りなさい! だよ! それはそうと!」
 玲は彼女のサブカルチャーに対する思い入れと共に叫ぶ。

「ビット兵器の弱点。そうそれは……多用すると絵面がつまんなくなるから、映えないんだよね。それはさておき!」
 二転三転する玲の主張。
 周囲を埋め尽くすビットの猛攻は言うまでもない。
 これを攻略しなければ、彼女は『セラフィム・エクシア』の元へとたどり着くことはできない。
 疾駆するバイクを見つけたクリスタルビットが殺到する。
「よっと……鋼の迷宮よ、世界を包め――Code:L.M(コード・ラビリンスメイカー)」
 玲の瞳がユーベルコードに輝き、彼女の周囲を鋼鉄で出来た迷宮へと変えていく。
 何をと思っただろう。

 本来ならば、そのユーベルコードは敵を封じ込めるためのユーベルコードであったことだろう。
 鋼鉄で出来た迷宮は、かなりの硬度を持っている。
 外から玲を狙って殺到するクリスタルビットでもたやすく破壊することはできない。そして、出口は一つしかない。
 そう、『グリプ5』の中枢が出口だ。
「――考えたね。封じ込めるための力を、自分を鎧うための力に変えたのか」
『アハト・スカルモルド』は玲を取り囲んでいる迷宮をクリスタルビットで破壊できないことを確認し、頭上よりクリスタルビットの砲撃することに切り替える。
「最短経路を突っ走る!」
 玲の特殊バイクがオートで設定した経路を走り抜ける間、彼女は手にもった模造神器を構え、迫る砲撃を切り裂く。

「冷静に考えたら普通に死んじゃうよね。でも、こっちを人間扱いしてないっていうのは、正直どうなのかと思うよ!」
 玲は模造神器を振るって、刀身から放たれる斬撃波でもって迫るクリスタルビットを撃ち落とす。
 さらに砲撃をオーラで防ぎながら出口である中枢へと駆け抜ける。
 敵の目的がなんであれ、あの中枢……『セラフィム・エクシア』が押し入ったキャバリア格納庫。
 そこにこの絵図を描いたであろう黒幕の目的があるのだとすれば。

 玲は急がねばならないと思っただろう。
 敵の目的が完遂する前に。
 矢のように駆け抜けた玲は、中枢で何を見ただろうか。
 物語は終わりを迎える。
 どんな物語もそうであるように――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ガイ・レックウ
【SPD】で判定
アドリブ、連携可
『なんつう数だ。ごちゃごちゃ考えても足が止まるだけ‥‥ここはぶっ飛ばしたあとに聞くだけだな!』
【オーラ防御】を何層にもはり、ブレードでの【なぎ払い】と【武器受け】、電磁機関砲での【制圧射撃】での迎撃をしながら足を止めずに進むぜ!
『しかし、数が多い!起きろ、天龍!出番だ!』
ユーベルコード【特式脳波コントロールシステム】を使い、機動戦艦『天龍』による、ミサイルと砲撃の弾幕を張ることでビットを迎撃。その砲撃とミサイル、ビットのなかを【戦闘知識】で見極め、着弾地点を【見切り】、突き抜けるぜ



 全天を覆うクリスタルビット。
 その数は数え切れないほどであった。空を埋め尽くすほどの物量。
 金属結晶のクリスタルビットは、その制御が難しい。俗に言う『セラフィム』系統のキャバリアに標準的に装備されている武装であるが、その殆どが牽制用のオールレンジ攻撃である。
 一撃に威力はなく、その殆どが敵の注意を引く、もしくは死角を撃ち、隙を引き出すための武装であった。
 けれど、『アハト・スカルモルド』は違う。
 彼の『セラフィム・エクシア』の放ったクリスタルビットは、無限弾幕の名の通り、物量で持って、正しい意味でのオールレンジ攻撃を実現していた。

「なんつう数だ。ごちゃごちゃ考えても足が止まるだけ……ここはぶっ飛ばした後に聞くだけだな!」
 ガイ・レックウ(明日切り開く流浪人・f01997)は己の機体『コスモスター・インパルス』にオーラを何層にも張り巡らせる。
 一瞬でも足を止めれば、幾重に張り巡らせたオーラとて、圧倒的な物量で引き剥がされてしまうだろう。
 手にしたブレードでクリスタルビットの砲撃を受け止め、切り払う。
 電磁機関砲の制圧射撃でもってしても、手数で圧倒されてしまうのだ。恐るべきは、このクリスタルビットの制御を『アハト・スカルモルド』は片手間に行っているということであろう。

 彼の目的がなんであれ、迫る猟兵たちをあしらいながら、これを為しているという事実が途方も無い実力差をガイに教える。
「しかし、数が多い! 起きろ、天龍! 出番だ!」
 特式脳波コントロールシステム(トクシキノウハコントロールシステム)はガイの脳はを受けて、キャバリア支援用戦艦『天龍』を操作するユーベル画コードである。
 離れた位置から支援戦艦『天龍』がミサイルと砲撃に寄る弾幕を展開し、ガイの駆る『コスモスター・インパルス』を援護する。
 だが、全天を覆うほどのクリスタルビットによるオールレンジ攻撃は、援護の砲撃すらもガイに届かせない。
 
 ガイはクリスタルビットを切り払う。
「粘るようだが、本来クリスタルビットは敵を飽和攻撃で持って押しつぶす武装だ。キャバリアが人の形をしている以上、必ず死角が生まれる。人は後ろに目は付いてはいないからね」
『アハト・スカルモルド』はキャバリア倉庫で何かをしながら、クリスタルビットを手繰る。
 ガイは、『天龍』による砲撃を敢行し続ける。
 切れ目のない砲撃は、クリスタルビットの飽和攻撃に穴を開ける。強引なやり方であったが、ガイに出来るのはこれしかない。

 ミサイルと砲撃の爆風が遊ぶ中、ガイは見据える。
 己が辿るべきルートを。
 きっと見極めたと思っただろう。どうすればすすめるのか。これだけの爆風の中、どこが安全であるのか。
 誰にも答えは出せない。
 如何に戦闘知識が豊富であったとしても、砲撃が降り注ぐ爆炎の中を走り抜けることなど到底現実的ではない。

「けどな、それをやらないから実現できないんだよ!」
 ガイはオーラを張り巡らせ爆風の中を『コスモスター・インパルス』と共に走り抜ける。
 オーラが引き剥がされていく。 
 爆風が、クリスタルビットの砲撃が、あらゆるものがガイの道を塞ぐだろう。

 どうしようもないことだと言うかのように。
 ガイはためらわない。
 突っ切ると決めたのならば、立ち止まらない。
「――そのとおりだ。やらなければ何も変わらない。行動しなければ、何一つ得られない。待ちわびているだけでは、ただ腐ってしまう」
『アハト・スカルモルド』は微笑んでいたことだろう。
 走り抜けるガイの機体を見ていたわけではない。
 ただ、その愚直なまでの直進を、前身をこそ好ましく思っただろう。

 クリスタルビットの乱舞の中、オーラは砕け、『コスモスター・インパルス』は消耗し続けながらも、圧倒的な物量によって迫るクリスタルビットを躱し、中枢へと足を踏み入れるのであった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

村崎・ゆかり
このクリスタルビットは、城壁の外にいた節穴とは違うみたいね。
ただの人間に正確に狙いを付けてる。

機甲式『GPD-331迦利』起動。「式神使い」で黒鴉達とリンクした制御系を構築。
弾幕には弾幕。『迦利』の前面に摩利支天九字護身法を展開。ビットの攻撃を撥ね除けつつ、「レーザー射撃」の「弾幕」で対抗する。
合わせて「ジャミング」「範囲攻撃」を展開。ビットの制御を広範囲にわたって不能にしてあげるわ。
新武装のお披露目は、今じゃない。
あたしは「オーラ防御」を張って、飛鉢法で『迦利』の下面を飛行する。なるべく敵の目に付かないように慎重に。

数を頼みのビットが相手なら、『迦利』だってまだまだやれる。
頑張って、中枢よ。



 空を覆うクリスタルビット。
 その数は全天を覆うほどであり、膨大。無限弾幕と呼ばれるのも理解できる物量であった。
 そして、狙いの正確さもこれまでの比ではない。
「さっきまでの節穴とは違うみたいね。ただの人間に精確に狙いをつけている」
 村崎・ゆかり(“紫蘭”/黒鴉遣い・f01658)は、『セラフィム・エクシア』から放たれるクリスタルビットの狙いの正確さを脅威に感じていたことだろう。
 5m級の戦術兵器であるキャバリアに狙いをつけるのならばいざしらず、生身の猟兵にすら狙いをつけてくる。

 そして、何より恐ろしいと感じたのは、それが片手間に行われているということだ。
『ハイランダー・ナイン』。
 最後の一人である『アハト・スカルモルド』。その技量が『フュンフ・エイル』を越えているかもしれないという言葉もうなずけるものであった。
「機甲式『GPD-331迦利』起動。弾幕には弾幕よ」
 ゆかりの背後から『迦利』が飛ぶ。
 同じ式神である黒鴉たちと連携した制御系を構築する。鋭角の正面に摩利支天九字護身法(マリシテンクジゴシンホウ)による強固な障壁を生み出す。
 攻撃をはねのけるつもりなのだ。

「躱せないのならば、貫く。そういう選択もあるだろうね」
 微笑むように『アハト・スカルモルド』はゆかりの選択に頷いていた。
 中枢に迫る猟兵達の行動を彼は全て把握している。情報を処理する能力に長けているのが彼の長所である。
 だからこそ、これだけの数のクリスタルビットを制御せしめている。
「けれど、それで抜けられるほどクリスタルビットは甘くはないよ」
 乱舞する金属結晶。
 それが上下左右、前後問わず『迦利』を襲う。
 前面に張り巡らされた障壁は確かに強固であったが、全ての面に渡って張り巡らされているわけではない。

 前面させ躱せば、残る面は防御できない。
 けれど、その問題をゆかりは同時に制御した黒鴉たちでもって補う。
「ジャミング!」
 ゆかりの言葉と共に放たれるレーザーの弾幕。
 そしてジャミングの範囲攻撃。クリスタルビットの制御を不能にしようとしているのだ。
 だが、『セラフィム・エクシア』の制御系はジャミングすら受け付けない。効果があったとしても、数秒に満たぬ硬直。
 その硬直の合間を縫って、『迦利』が飛ぶ。
 新武装はあれど、未だ見せるわけにはいかない。
 彼女が見据えているのは、『セラフィム・エクシア』本体だ。

「頑張って……あともう少しよ」
 クリスタルビットの乱舞に翻弄される機体をよそにゆかりは鉄鉢に乗って飛ぶ。
 敵の目に吐かぬように慎重に。『迦利』を囮にしているのだ。あくまで狙うは、オブリビオンマシンのみ。
 無用な戦いは避けたいと願うのが彼女の思いであった。
 だが、同時におかしいと思っただろう。ゆかりは確かに己の存在が露見しないように慎重を期していた。

「妙よね、やっぱり」
 ゆかりは己の存在が『アハト・スカルモルド』に見抜かれていないという事実に訝しむ。
 クリスタルビットは無数にして全天を覆う。
 そして、生身単身の猟兵すら見逃さない。ならば、己の存在はとっくに見つけられているはずだ。
『迦利』が囮になってくれているとはいえ、これはおかしい。
「見逃している……あえて? どうして?」
 疑問は疑念に変わっていく。本当に『アハト・スカルモルド』は小国家の破滅を望んでいるのか――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

稷沈・リプス
あー、罠はってたっすか。しかも、面倒くさい数っすね?まあ
到来予知してなんなら、これくらいはするっすよね…。
でも、これはつまり…敵を正しく認識してるってことっすよねぇ…。

今回も力を借りるっすよ、『ヤム・ナハル』。装甲上げて、攻撃力下げるっす。
そして…やるのは電磁パルス+ジャミングの衝撃波範囲攻撃っすよ。
近くのクリスタルビットはこれで行動不能に追い込むっすね!多少当たっても、今の装甲を貫くことはできねーっすよ!

いいんすよ、これで。今は進むことに注力した方がいいっすからね!
本命はこの先…このクリスタルビットを操ってるやつっすから!



『アハト・スカルモルド』は明らかに猟兵たちの到来を予見していた。
 だからこそ『シーヴァスリー』と呼ばれる敵対する小国家のキャバリアを招き入れていたし、こうして城塞地区を抜けた先に全天を覆うクリスタルビットを展開している。
 稷沈・リプス(明を食らう者・f27495)は己たちが罠に誘い込まれたことを理解していた。
「あー、罠はってたっすか。しかも、面倒臭い数っすね?」
 リプスは目の前に広がる光景にため息を衝くしかない。
 異境海竜神『ヤム・ナハル』を駆り、リプスは瞳をユーベルコードに輝かせる。

 機体の装甲が鱗を纏うように幾層にも重ねられていく。
 揺らめく機体は、あらゆる攻撃を跳ね返す装甲を得て、その機体から膨大な電磁パルスの放出を行う。
「こっちの到来を予知してんのなら、これくらいはするっすよね……」
 リプスは己に迫る『セラフィム・エクシア』のクリスタルビットを見やる。
 全天を覆い、生身単身の猟兵すら認識して襲いかかる遠隔操作兵器。
 ならば電磁パルスのジャミングによって、制御系を見出せると思ったのだ。

 だが、クリスタルビットは金属結晶の形を僅かに歪ませ、硬直しただけに過ぎなかった。
 数秒に満たぬ硬直。
 行動不能に追い込むつもりではなったクリスタルビットが即座に攻撃を開始する。
「無駄だよ。ジャミングは『セラフィム・エクシア』には通用しない。クリスタルビットに対する対処……それに対抗する術はすでに百年前に確立しているのだから」
『アハト・スカルモルド』は微笑んでいた。
 猟兵たちがクリスタルビットの制御系を乱そうとしてくることさえ、彼は見通していた。
 恐るべきことである。
 クリスタルビットの制御すら片手間。
 なのに、この精度である。

 全天より迫るクリスタルビットの砲撃を『ヤム・ナハル』は強固な装甲で防ぐことしかできない。
 進むことは遅々として。
 されど、リプスは笑う。
「いいんすよ、これで。今は進むことに注力したほうがいいっすからね!」
 敵は己たちを正しくに認識している。
 オブリビオンマシンに乗れば、人は思想を歪められる。
 けれど、『アハト・スカルモルド』は猟兵の到来を予見していた。自分とオブリビオンマシン『セラフィム・エクシア』が行動を起こせば、必ず介入してくると逆説的に知っている。

 ならば、これまでの彼の行動は本当に自身の小国家の破滅を願うものなのか。
 リプスは考えるのを一旦止める。
 どちらにせよ、本命たるこの先の『セラフィム・エクシア』と対峙すればわかることだ。
「いくっすよ、このクリスタルビットの大本! 操ってるやつ!」
 リプスは無限弾幕の中を縫うようにして進む。
 クリスタルビットの弾幕が空にきらめいている。
 空に蓋をされた世界。
 戦乱だけが満ちる世界。
 クロムキャバリアは、いつだって戦いの渦中にある。

 誰もが平和を知らず、平和を求める。
「なら、それを見せてやるっすよ」
 リプスは呪われし神なれど、神である。ならば、人の望むものを。人の未来を望む気持ちをこそ、汲み取り『今』を侵す『過去』を忌むのだ――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ユーリー・ザルティア
弾幕の嵐ッ
罠だというのか。
だがなッ、遠隔操作のビットで落とせるなんて、あ・ま・く見るな――――ッ

オーバーブースト・ラストスパート発動。
引き続き、レスヴァントを地上すれすれを高速飛行。

正面から弾幕を撃ち抜くッ

ビットの位置を『索敵』し『情報収集』
クリスタルビットの攻撃のタイミングを『見切り』
『瞬間思考力』で瞬時に判断し『操縦』テクニックで瞬間回避
即座にアストライアの『制圧射撃』で『カウンター』しビットを破壊し、弾幕に穴をあけ、そのまま突っ込んで強行突破する。

この程度の弾幕。今どきの止まる猟兵などいない!!


間に合え――――ッ。

…ってあれ?ドリルアームで穴掘って地下から行った方が安全だった?
気のせいだ



「弾幕の嵐ッ」
 ユーリー・ザルティア(自称“撃墜女王”(エース)・f29915)は白いキャバリア『レスヴァント』を駆り、全天を覆うクリスタルビットを前に機体の足を止める――ことはなかった。
 考えるよりも動いていた。
 本能的であったともいえるだろう。
 ここで全天を覆う物量にためらっていては、全てが手遅れになると理解していたからだ。

 これは罠だ。
 わかっている。けれど、彼女の口元は不敵につり上がっていた。
「遠隔操作のビットで落とせるなんて」
「もしも、撃墜されるなら、君たちは其処までということだ」
『アハト・スカルモルド』の声が聞こえるようであった。
 だが、ユーリーは瞳をユーベルコードに輝かせ、その言葉を振り払う。
「あ・ま・く見るな――ッ」
 白いキャバリア『レスヴァント』が特殊粒子を放ちながら飛ぶ。スラスターから噴射する粒子が尾を引いて戦場を駆け抜けていく。

 オーバーブースト・ラストスパート。
 目指す先は『セラフィム・エクシア』である。
 一直線に目指す。それは自殺行為であったといえるだろう。『セラフィム・エクシア』の無限弾幕は前後左右上下、全てを覆うオールレンジ攻撃である。
「アマテラス!」
 ユーリーはドローンから得られる情報を瞬時に把握し、クリスタルビットの砲撃を機体をねじるようにロールさせながら躱す。
 キャバリアは空を飛べない。
 跳躍すれど、空を飛ぶということはこのクロムキャバリアの世界にあっては考えられないことだ。

 上下の機動に制限が入る。
 だが、今の『レスヴァント』は違う。その特殊粒子は『殲禍炎剣』に短時間ながら感知されなくなる。
「考えたものだ。空に蓋をされているのならば、その閉ざされた世界を広げるように技術が革新するなんて」
『アハト・スカルモルド』は微笑んでいた。
 空を飛ぶキャバリア。
 それに襲いかかるクリスタルビット。それをアサルトライフルの弾幕で寄せ付けず、弾幕に穴を開ける。

「この程度の弾幕。今どき止まる猟兵などいない!!」
 ユーリーは『レスヴァント』の挙動を制御する。
 肉体にかかる負荷は凄まじいものであったことだろう。迫るクリスタルビットは金属結晶である。
 破壊したとして、即座に結晶化し再び復元されて、『レスヴァント』に追いすがる。
 機体の速度は限界を越えている。
 特殊粒子の残量も心もとない。
 けれど、ユーリーは止まらない。
 止まってはならない。ときは逆巻かない。停滞させてはならない。ならばこそ、ユーリーは飛ぶ。

「間に合え――ッ」
 無限弾幕を突き抜け、ユーリーは中枢に至る。
 機体から特殊粒子が失せ、『レスヴァント』は膝を付きながら着地し、そのアイアセンサーを煌めかせ、前を見据える。
 ユーリーはそこで傍と気がつく。
 ドリルアームで穴を掘って坑道を開けばよかったのではないかと。
 だが、ユーリーはそんな思考にかぶりを振る。
 見なかった聞かなかった思いつかなかったことにする。ともあれ、彼女は無限弾幕を抜けたのだから――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

朱鷺透・小枝子
これは、敵だ…!
これらはオブリビオンマシンの断片だ!!
ならば何も臆するものなどない!進め、ディスポーザブル!!

ディスポーザブル01【操縦続行】
オールレンジ攻撃をサイキックシールドで【オーラ防御】強引に前へ進む。
クリスタルビットの性質上、レーザー砲台は役に立たない。
パルスアトラクター【電磁衝撃波無差別攻撃】
ビットを吹き飛ばし、歩を進める。

焼け石に水、遠隔兵装は無効、無限弾幕で削り殺されるのが先か。

…どれだけ撃たれようが、構うモノか、『進めその先が無くとも』
前へ、進め、進め!進め!!壊す為にぃいいいい!!!

『禍戦・崩海霧』【継戦能力】防御力10倍機体欠損部位再生
【呪詛】戦塵霊物質を崩壊霊物質へ汚染、ふれうる物一切を破壊する黒霧を伴い、オブリビオンマシンの元へ進む。
この闘争心こころの矛先は、狂わない。

アアアアァァァァァァ!!!!

【念動力】黒霧を広げ、クリスタルビットを粉砕し、粒子の一片までもを呪い壊す。徹底的に、致命的に、壊して歩を進める。



 クリスタルビット。
 その金属結晶の特性は恐るべきものであった。破壊されても結晶化し、復元される
。どれだけ猟兵たちが攻勢によってこれを撃ち落とし、穴を開けたとしても、即座に復元されてしまう。
 穿つ穴は他の猟兵たちが続くにはあまりにもか細き道であった。
 だが、それで止まる猟兵など誰一人として居ない。
「これは、敵だ……!」
 朱鷺透・小枝子(亡国の戦塵・f29924)は、『ディスポーザブル01』の中で肺から声を搾り出すようにして言い放つ。

 そう、敵。
 即ちオブリビオンマシン。金属結晶はオブリビオンマシンの断片。
 全天を覆う圧倒的な物量。
 けれど、小枝子はためらわない。
「ならば何も臆するものなどない! 進め、『ディスポーザブル』!!」
 機体を襲うはオールレンジ攻撃。
 嵐のような弾幕。
 それらの全てが『ディスポーザブル01』の装甲を焼き尽くさんと迫る。砲撃、突撃。あらゆる術を持って『ディスポーザブル』を滅ぼさんとしている。

 オーラの防御は削れ、剥がされていく。
 クリスタルビットの砲撃は『ディスポーザブル01』の足を止めるには十分だった。
 前に進めない。その事実に小枝子は咆哮する。
「……どれだけ撃たれようが、構うモノか、『進めその先が無くとも』前へ、進め、進め! 進め!! 壊すためにぃいいい!!!!」
 絶叫そのものであった。
 小枝子が望むのはオブリビオンマシンの破壊である。
 パルスアトラクターより放たれる電磁衝撃波の無差別攻撃がクリスタルビットを吹き飛ばす。

 だが、それだけだった。
 クリスタルビットはジャミングなど制御系に対する防御を持ち合わせている。
 パルスアトラクターの一撃はクリスタルビットを吹き飛ばすだけにとどまる。破壊や制御系を乱すには至らないのだ。
 だが、小枝子の瞳が暗く沈む。
 闇色の瞳の奥に煌めくものがあった。
「禍戦・崩海霧(デッドオーバー・フォグジール)――この闘争心こころの矛先は、狂わない」
 そう。
 オブリビオンマシンを破壊する。
 己は破壊するものを違えない。
『今』を侵すモノ。

『ディスポーザブル01』の周囲に戦塵霊物質の黒霧が満ちていく。
 小枝子は己の正気をかなぐり捨てる。
 自覚なき狂える悪霊の姿がそこにはあった。機体の装甲が増していく。オーラを引き剥がされ、クリスタルビットの猛攻さえ寄せ付けぬ絶対装甲。
「――……君は僕と良くにているね。ただそれだけのために生きている。『今』に在る……悲しいとは言わないよ」
『アハト・スカルモルド』は、その気配に片手間とも取れる無限弾幕から意識をほとばしる小枝子の気配に、悪霊の気配に、視線を向けていた。
 そこにあったのは哀れみではなく、同じものを見る瞳であった。

 生きている。
 ならば、死んでいるようには生きていたくはない。
「アアアアアァァァァァァ!!!!」
 咆哮が轟く。
 狂える悪霊が念動力によって黒霧を広げ、クリスタルビットを包み込み、巨大な手のひらを握りしめるようにして粉砕する。
 呪い、壊す。
 ただそれだけのために小枝子の念動力が、戦塵霊物質をたぐり、破壊する。
 壊す。
 壊して、壊して壊し尽くす。ただそのためだけに己は在るのだというように、『ディスポーザブル01』は歩む。

 迫りくる無限弾幕の尽くを握りつぶし、前に悠然と進む。
「壊すっ、壊すっ、壊すっ!『過去』の亡霊、をっ、壊すっ!!!」
「そうさ。壊さなければならない。未来は過去の轍を残す。過去は、『今』の足を掴むのでなかう、背を押さねばならない。きっと君もわかっているはずだ。戦いの申し子よ」
 その言葉が小枝子に届くことはなかったかもしれない。
 例え、届いていたとしても、今の小枝子は構わなかっただろう。
 オブリビオンマシンを破壊する。
 ただその一つのためだけに彼女の瞳は暗く、昏く、底の見えぬ暗闇から溢れる戦塵霊物質と共にあったのだから――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アルカ・スィエラ
……!比べればずっと弱い、けど、さっきから感じているのと同じ感じ……?
ただのクリスタルビットじゃない……!?

ドラグレクスは待機続行、次に備え少しでも傷の修復をしていてもらうわ

周囲を取り囲んでいるというのなら、【Gプレッシャー】を!
敵以外に巻き込む相手が居なければ三度連続で叩き込むわ
攻撃と同時に超重力で地面へと叩き落とせば、例え修復できてもすぐさま陣形を戻す事はできない

すかさずルーナグラディウスで進行方向への地面をなぞる様にビーム砲撃、続けてステララディウスで再度動き出した端末から撃ち落とす事で一度に相手する数を減らしつつ、
推力全開で生じる残像も利用して攻撃を回避し突破を図るわ

……待っていなさい



 アルカ・スィエラ(鋼竜の戦姫・f29964)は直感的に理解していた。
 クリスタルビット。『セラフィム・エクシア』より放たれる金属結晶のビット。それが発する気配。
 自身と比べればずっと弱い。
 けれど、先程からずっと感じているのは、己と同じ感覚であった。
「ただのクリスタルビットじゃない……!?」
 先行した猟兵たちが破壊したクリスタルビットが即座に結晶化し復元していく。

 後方に待機している機竜『ドラグレクス』の咆哮が聞こえたような気がした。
 それは怒りの咆哮であったかもしれない。
 アルカにとっても、それは思いを同じくするものであったことだろう。
 彼女が以前借り受け、乗った簡易型『レーギャルン』。彼女の金属細胞と融合し、機体を強化した。
 その簡易型『レーギャルン』を元に『セラフィム・エクシア』はオブリビオンマシンとして生まれ変わっていた。
「このクリスタルビットから感じるは、やっぱり……!」

 自身の金属細胞を使っているのは間違いない。
 だが、そんなことなど些事であるというように『プロトミレス』を取り囲むクリスタルビット。
 その膨大な物量の前にアルカは前を向く。
 立ち止まっている時間はない。後悔も、悔恨も。何もかも置き去りにして前に進まねばならない。
 オブリビオンマシンとの戦いとはそういうことだ。
 わずかにでもためらえば、全てを失う。
 だからこそ、アルカの瞳はユーベルコードに輝く。
「Gプレッシャー(グラビティプレッシャー)――!!!」
 機体の周囲から放たれるのは、ユーベルコードに寄って構築されたフィールド。

 機体を取り囲むクリスタルビットが突如として、大地に堕ちる。
「――……重力制御……よくできたものだ」
『アハト・スカルモルド』は己の制御するクリスタルビットが突如として大地に落ちたことを理解していた。
 Gプレッシャーはフィールドを構築し、その中に存在するものに加わっている重力の大きさを膨れ上がらせ、自重で押しつぶすのだ。
 クリスタルビットが破壊されても結晶化して復元していく。
 けれど、加わる重力はアルカが居る限り変わらない。復元しても復元しても、即座に破壊していくのだ。

「……待っていなさい」
 アルカは『プロトミレス』が手にしていた二振りの実体剣を腰部にマウントし、変化させ、ビームの光条を放つ。
 復元するのにわずかでも時間を要するというのならば、粉々に破壊すれば、それだけ復元に時間がかかるということだ。
 アルカはビームの光条の痕を走る。
 脇目も振らない。強行突破と言ってもよかっただろう。推力を全開にする。立ち止まれない。

 金属細胞は己の体。
 ならば、『セラフィム・エクシア』は己の身から出た錆ともいえるだろう。
 利用されているという怒りが全身を支配していく。
 オブリビオンマシン。
 自身の故郷を。
 そして『今』を侵し続ける敵。
 アルカの放つユーベルコードの輝きが、遅くる無限弾幕の尽くを押しつぶし、一直線に中枢を目指すのであった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ミレア・ソリティス
敵防衛機構の大量展開を確認
ビットが「目」も兼ねるかは不明ですが、こちらを知覚する手段はある筈です

ヴィントシュティレを電脳化し回収、高機動ユニット・ヴィントシュトスを転送・装備します
その後ジャミングミサイル装填、UC【コード・ファントム】発動と同時にミサイルを斉射する事で強力なジャミング妨害を実行、その隙にアクティブステルスを起動しヴィントシュトスの推力での強行突破を図ります

可能であればビットの動きの癖の解析と、電脳魔術によるハッキング・データ攻撃を試みます
どちらにせよ、得た情報は可能な限り味方に共有を

面制圧攻撃を行う可能性もありますが、多少の被弾はバリアシステム(オーラ防御)で凌ぎましょう



 空を覆う膨大な数のクリスタルビットは健在であった。 
 先行した猟兵たちの残した轍すら残らぬ復元性。
 破壊されても即座に結晶化し、復元して、無限弾幕の名を知らしめるかのようにミレア・ソリティス(軍団たる「私」・f26027)の前に立ちふさがる。
「敵防衛機構の大量展開を確認」
 それでもミレアは冷静であった。
 彼女がウォーマシンであるから、という理由もあったのかもしれない。

 取り乱しても仕方のないことであり、また取り乱すことが彼女にはなかったのかもしれない。
 冷静に理解する。
 クリスタルビットは『目』も兼ねている。
 不明であったが、ミレアはこれまでの猟兵たちが無限弾幕の突破するのを見て、そう理解した。
「こちらを知覚している。そうでなければ、生身単身の猟兵を補足できない。そして、意図して、これを見逃している……いえ、突破させている」
 自身の武装を電脳化し回収し、新たな高機動ユニットをミレアは装備する。

 高機動ユニット『ヴィントシュトス』は空戦・宙間戦・機動戦用のユニットである。それに装填されたジャミングミサイルを放つ。
「現実改編コード起動、周辺への認識阻害及び隠蔽工作を開始します。コード・ファントム」
 一斉射されたジャミングミサイル。
 それは一斉に強力なジャミング妨害を実行する。だが、これまでの猟兵たちの戦いを見ていたミレアは、ジャミングが僅かな時間のラグしか生まないことを知っていた。

 クリスタルビットにジャミングは効果が薄い。
 すでに対策されているのだろう。そもそもクリスタルビットは最新鋭の装備ではない。すでに百年前に装備されていた武装であるというのならば、戦いの中で、ジャミングされることもあったはずだ。
「アップデートされているというわけですか。ですが」
 ミレアがそれでもジャミングを行ったのには理由がある。
 クリスタルビット事態が『目』であるというのならば、その知覚を妨げることができたのならば。

「やはり……」
「『目』であることを見抜く猟兵もいるのか。さすがは生命の埒外の集合体とでも言うべきかな。こちらの目を全て塗りつぶす。ジャミングが無理だと見抜けばこれか……戦いは楽しむものではないが」
『アハト・スカルモルド』は、ミレアのはなった現実改編コードによる目潰しがクリスタルビットの制御を奪うまでもいかずとも、こちらの認識を狂わせることに微笑んだ。
「ならば面で君等を圧するとしよう」
 クリスタルビットが乱舞する。
 放つ砲撃は、金属結晶であるがゆえに互いの砲撃を反射せ、面で塗りつぶす弾幕となってミレアを襲うだろう。

「バリアシステム展開」
 ミレアは情報を収集しながら、展開したバリアの強度を着弾と同時に出力をピンポイントで強化しながら、中枢へと突き進む。
 手癖のよなものがないかとミレアは情報を集めながら進んでいたが、反射による面砲撃に切り替えたということは、こちらの意図を見抜かれているということだ。
 ミレアは戦いにおいて情報の共有こそが猟兵の戦いを勝利に導くものだと信じていただろう。

 それは真実である。
 猟兵の個としての力よりオブリビオンの個としての力が勝るのは周知の事実である。
 ならばこそ、情報を共有するということは、猟兵全体の力の底上げになる。それをさせぬとばかりに『アハト・スカルモルド』は阻む。
「ですが、それが出来るということ事態が有力な事実。情報です」
 ミレアは、『セラフィム・エクシア』がどれだけ強大なオブリビオンマシンであったとしてもためらうことはないだろう。
 無限の弾幕さえも、今こうして突破できるのだから――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

メンカル・プルモーサ
(試作型術式騎兵【ツィルニトラ】に騎乗)
…クリスタルビットによる無限弾幕ね…時間をかければ幾らでも攻略方法はあるけど…その時間が惜しいな…突っ切るか…
重奏強化術式【エコー】で効果を高めた【夜空を別つ月閃の翼】を発動…
…四対の月光の翼を展開…そのまま弾幕へと突撃するよ…
…術式による障壁と翼で弾幕をガード…そして羽根を射出する事で進路上の邪魔なビットを破壊…
…なるべく速度を落とさずに、且つ弾幕の薄い部分を抜けて行くとしようか…
…当然それが罠の可能性もあるけど…そこは承知の上…追い込んでからの一斉射撃が来たら圧縮格納術式【アバドン】を機体全周に展開…
…弾幕を『格納』しながら超高速で突っ切るとしよう…



 無限弾幕の名に恥じぬほどの圧倒的物量で全天を覆い尽くすクリスタルビット。
 生身単身の猟兵すら見逃さぬクリスタルビットを制御する『アハト・スカルモルド』は、これを片手間に行っているという事実が『セラフィム・エクシア』を駆る彼のちからがどれほどのものであるかを物語っていたことだろう。
「……クリスタルビットによる無限弾幕ね……時間をかければ幾らでも攻略方法はあるけど……」
 メンカル・プルモーサ(トリニティ・ウィッチ・f08301)は、その時間が惜しいと試作型術式騎兵『ツィルニトラ』のコクピットで首をひねる。
 やはり、強行突破しかない。

 時間をかければかけるほどに『グリプ5』の状況は悪化していく。
 城塞地区に入り込んでいた『シーヴァスリー』のキャバリアの殆どは猟兵が破壊した。残った機体も『グリプ5』から撤退したようであることは理解できる。
 けれど、問題はこの戦いが終わった後だ。
『シーヴァスリー』のこれまでの動向を考えれば、『フィアレーゲン』や『八咫神国』と同じ様に侵攻され、滅ぼされる。
「満ち欠ける光よ、放て、羽ばたけ。汝は月晄、汝は照翼。魔女が望むは闇夜に輝く月灯り」
 その言葉が紡がれた瞬間、『ツィルニトラ』の背面装甲から翼状に形成された高密度の月の魔力が放出される。

 四対の光の翼が展開され、『ツィルニトラ』の機体が背中を押されるようにして弾幕へと突撃する。
 重奏強化術式『エコー』でもって効果を高められた夜空を別つ月閃の翼(アルテミス・ウイング)とは言え、それは自殺行為に思えたことだろう。
「推力をどれだけ高めたところで、オールレンジ攻撃を振り切ることはできないよ」
『アハト・スカルモルド』は四対の翼を羽ばたかえる『ツィルニトラ』を認識しながら、つぶやく。

 強行突破は確かに時間のなさを考えるのならば、有効だっただろう。
 けれど、それは『アハト・スカルモルド』が敵でなければの話だ。
 クリスタルビットの砲撃が全天より『ツィルニトラ』に迫る。それを術式に寄る障壁と翼でもってガードしながらメンカルは凌ぐ。
「――……!」
 メンカルは弾幕をガードしながら、弾幕の薄い部分を抜けようとしている。
 それが罠である可能性は高い。
 誘い込まれているとさえ思えただろう。
 けれど、メンカルは構わなかった。罠であろうが何であろうが、進路を妨げないのならば、利用し、罠すら食い破ろうとするのだ。

「自分を顧みない者は確かに強い。けれど……君の献身は、一体誰のためだい。その献身が本当に届くのか。君は、それを知っているか」
 その言葉が響く。
 けれど、メンカルは構わなかっただろう。
「『アバドン』!」
 全天より襲いくる砲撃。
 弾幕の薄い部分に誘い込んでいての、包囲。

 メンカルの瞳が煌めく。
 圧縮格納術式『アバドン』。それは本来、空間を歪め物体を収納する術式である。それを『ツィルニトラ』の周囲に展開する。
 開く術式が迫る弾幕の全てを『格納』するのだ。
「防御でもなく、迎撃でもなく、『格納』して機体に届かせないのか……!」
「……敢えて弾幕を薄くしていたのは、罠……そこは承知の上……だから」
 それを超えていく。
 時間がない。時間がすぎればすぎるほどに『グリプ5』に不利な条件が重なっていく。

 ならばこそ、メンカルは時間を惜しむ。
 同時に彼女は気がついただろう。『アハト・スカルモルド』もまたそうであると。時間を惜しんでいる。
 何を急ぐ必要がある?
 彼にとって、望むものが『グリプ5』の破滅なのならば、時間をかけなくてもいい。『シーヴァスリー』がこの隙を衝く時間を得れば、それだけで滅ぼせる。
 なのに、急ぐということは。
「……『グリプ5』の破滅を望んでいない――?」

大成功 🔵​🔵​🔵​

カシム・ディーン
「ご主人サマ!物凄いビットだよ!これはもうメルシーのビット幼女の出番だね☆」
うっがああ!!
アハトとか言ったな馬鹿野郎!?ふざけんなよお前!本当ふざけんなよ!(絶望

【情報収集・視力・戦闘知識】
ビットの陣形と動きと能力
そして突破口を冷徹に把握

【属性攻撃・迷彩】
光水属性を機体に付与
光学迷彩で存在を隠し熱源隠蔽

「それじゃ…弾幕ビットには弾幕幼女だぞ☆」
UC発動!
地獄の門が開く…!
「「ひゃっはー☆」」
幼女軍団
【念動力・空中戦・集団戦術・弾幕】
10師団
主の護衛
念動障壁展開
残り
飛び回りながら念動光弾により正面からビットと激突
物量に物量迎撃という暴挙
【捕食】
ビットを捕えアハトの情報解析開始



『ご主人サマ! ものすごいビットだよ! これはもうメルシーのビット幼女の出番だね☆』
 メルシーの言葉にカシム・ディーン(小さな竜眼・f12217)は呻くように叫ぶ。
「うっがああ!! 『アハト』とか言ったな馬鹿野郎!? ふざけんなよお前! 本当ふざけんなよ!」
 何をそんなに絶望することがあるというのだろうか。

 全天を覆うクリスタルビットの弾幕。
 無限弾幕と呼ぶに相応しい威容。その陣形と動き、そして能力をカシムは冷静に把握する。
 破壊しても結晶化し復元する。
 ジャミングは効かない。
 どちらも僅かな時間のラグしか生まない。言ってしまえば、それだけの隙しかないのだ。
 そして、敵はクリスタルビットを通してこちらの動きを把握している。真に恐ろしいのは、これを『アハト・スカルモルド』は片手間に行っているということだ。
「ったく、本当に面倒くせぇことをしてくれやがりますよ!」
『メルクリウス』に光学迷彩で存在を隠す。
 熱源による反応を隠蔽し、機体は周囲に同化していく。

 けれど、カシムは気がのらないのだ。
『それじゃ……弾幕ビットには弾幕幼女だぞ☆』
「対軍撃滅機構『戦争と死の神』(メルシーハルノヨウジョマツリ)って言えば聞こえがいいかもしれないがな! てめえは地獄の門を開いたぞ……!」
 カシムの瞳がユーベルコードに輝く。

 一瞬で戦場を埋め尽くす幼女軍団。
 小型化されたキャバリア武装を持つ『メルシー』の幼女たちが一斉に念動障壁を展開し、残った幼女たちが一斉に戦場を飛ぶ。
「やあ、可愛らしい子たちじゃあないか。撃ち落とすのは、少し気が引けるけれど……悪いね」
 クリスタルビットが乱舞し『アハト・スカルモルド』は無限弾幕の中を砲撃で埋め尽くす。
 確かに依り代として発現した幼女『メルシー』たちは強力であった。
 けれど、それを上回る程の物量で持って無限弾幕は展開される。念動光弾によるビットとの正面激突。

 けれど、クリスタルビットは破壊されても結晶化し復元する。
「だが、ラグはあんだろうが! いくぞ、『メルシー』! 機体の速さなら神速であることを見せろ!」
『はいはーい☆』
 一斉に激突するクリスタルビットと幼女たち。
 共に破壊され、砕けていく中、クリスタルビットだけが復元していく。その最中は弾幕が止むことをカシムは理解していた。
 ならばこそ、そのラグの一瞬を駆け抜けるのが神速を誇る『メルクリウス』という機神であった。

「っと! 逃がすかよ!」
 物量対物量という防御。破壊し、結晶化するクリスタルビットの一つを『メルクリウス』は取り込む。
『アハト・スカルモルド』の情報を解析していく。捕食することに寄って得られる情報は多くはない。
「――ッ!」
 カシムは気がつくだろう。
『アハト・スカルモルド』の目的は小国家『グリプ5』の破滅ではない。
 オブリビオンマシンによって思想を狂わされていながら、『セラフィム・エクシア』と絆のようなものを持っているのは何故か。

 機体の特性であるから、というだけでは説明がつかない。
 ある猟兵のユーベルコードと金属細胞に寄って強化された簡易型『レーギャルン』を基礎として変貌した『セラフィム・エクシア』。
 その目的は唯一。
「――……自分の破滅を望んでいる!」
 何故、それを望んでいるのか。過去の英雄であれば、そんなことを望むはずがない。なのに、思想を狂わされていながら、尚望むのは自らの破滅。
 オブリビオンマシン事態もそれを望んでいる節がある。

 カシムは混乱の中、凄まじい物量の激突の最中をかいくぐり、中枢へと至るのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

菫宮・理緒
『希』ちゃんと【ネルトリンゲン】は、このまま城塞地区の防衛をお願い。
わたしは【セレステ】で出るね!

残っている人って『ゼクス』さんと『ズィーベン』さん、かな?

『フュンフ』さんを超えるようなエース相手は、わたしだと厳しいけど、
逃げ遅れた2人の救出の時間くらいは稼げるはず!

無限弾幕だって、これなら!

デバイスを使って倉庫への最短ルートをはじき出したら、タイマーを125秒でセット。
【偽りの丘】を使って弾幕を無効化して、いっきに走り抜けるよ。

倉庫に着いたら、そのまま中に突っ込んで【M.P.M.S】で牽制。
『ゼクス』さんと『ズィーベン』さんが逃げる隙と時間を稼ごう。
セレステに乗ってもらえたらいいんだけどな!



 戦闘空母『ネルトリンゲン』が城塞地区の低空で停止する。
『シーヴァスリー』のキャバリアたちはほとんどが破壊され、残された機体も『グリプ5』から撤退したようである。
 けれど、警戒を怠らぬ方がよいと菫宮・理緒(バーチャルダイバー・f06437)は考えていた。
『シーヴァスリー』のこれまでの動向を考えるに、この隙に乗じて『グリプ5』を制圧しようとするのは考えられることであったからだ。
「『希』ちゃん、このまま防衛を尾根がい。わたしは『セレステ』で出るね!」
 理緒と共に『リオ・セレステ』が飛び出す。

 中枢、キャバリア格納庫に未だ人が残っているというのならば、それはおそらく『ゼクス・ラーズグリーズ』と『ズィーベン・ラーズグリーズ』ではないかと彼女は考えていた。
 それ以上に目の前に鎮座するのは、全天を覆うクリスタルビット。
 無限弾幕と称される程の物量を前にして理緒はためらうだろう。『フュンフ・エイル』を超えるキャバリア操縦技能を持っているとされる『アハト・スカルモルド』。
 彼が本当にそうなのであれば、理緒は自身では厳しいと思う。
「けど、逃げ遅れた二人の救出の時間くらいは稼げるはず!」
 決意と共に理緒は『リオ・セレステ』と共に戦場に飛ぶ。

 デバイスによって弾幕の隙間を縫う最短ルートをはじき出す。
 タイマーを125秒にセットし、己の潜在意識の中から、閉じた結界としての心象風景、偽りの丘(イツワリノオカ)を生み出す。
 戦場全てにあるクリスタルビットの砲撃。
 その『偽物』を作り出す。
「――同質存在を生み出して、それで相殺する。いや、違うな。無力化するのが、君の狙いか」
『アハト・スカルモルド』は微笑みながら、戦場に広がる異変に気がつく。
 心象風景を結界として放出する電脳魔術。
 そのユーベルコードの発露によって、全天を覆うクリスタルビットは無力化される。

 だが、その凄まじき力の発露は、ともすれば理緒の生命を追い込むものであった。
 一日に二分以上使用すれば、理緒は死ぬ。
 間違いなく死ぬ。
 その危険性と共に理緒は戦場を走るのだ。
「無限弾幕だって、これなら!」
 一気に走り抜ける『リオ・セレステ』。
 時間にして125秒。
 デバイスではじき出した最短ルートはこのためだ。だが、敵のクリスタルビットの攻勢が激しい。
 偽物を放出して相殺しているというのに、計算を覆すかのようにクリスタルビットが乱舞し、『リオ・セレステ』を追い詰めるのだ。

 中枢たるキャバリア格納庫が遠い。
「でも――!」
「駄目だね。それでは間に合わない。偽物が本物に劣るとは言わない。けれど……」
「それでも二人は守らないといけないって!」
 理緒は限界を超えて『リオ・セレステ』を走り抜けさせる。
 カウントは124秒で止まっていた。
 無限弾幕を抜けた。理緒は格納庫を見やる。そして、見ただろう。

 彼女の希望。
『グリプ5』の『エース』。
 無限弾幕の彼方から飛び込んで来る一騎のキャバリアの姿を――。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『セラフィム・リッパー』

POW   :    断罪の剣
【無敵斬艦刀】が命中した対象を切断する。
SPD   :    エンジェルビット
自身が装備する【BS-Fクリスタルビット】をレベル×1個複製し、念力で全てばらばらに操作する。
WIZ   :    フォールンウイング
【光の翼】を向けた対象に、【プラズマビーム】でダメージを与える。命中率が高い。
👑11
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 キャバリア格納庫には二機のキャバリアがあった。
 最新鋭機。
 青と赤。
 青い機体は、嘗て『熾盛』と呼ばれていた機体だ。現代の技術でもって大幅にアップデートされ、そのコクピットブロック以外は以前のオーバーフレームとアンダーフレームから大きく形を変えていた。
『アハト・スカルモルド』にとって、それは冷凍睡眠装置で眠っていた時間を実感させるものであったことだろう。

 そして、赤い機体。
 それは『熾盛』と並び立つ機体。
『クリノ・クロア』という少年の為の機体であった。類稀なるキャバリア操縦の技術は、まだ荒削りであったが、嘗ての自分を彷彿させると『アハト・スカルモルド』は思っただろう。
「その機体は破壊しないでもらおうかな。『アハト・スカルモルド』。君が今何を考えているのか、僕にはわからないが」
「そうかい? 君になら僕の考えがわかると思ったんだけれど」
 赤い機体は未だ未完成であった。
 頭部がまだ組み上がっていない。
『ゼクス・ラーズグリーズ』と『ズィーベン・ラーズグリーズ』が駆った二機の試作型『レーギャルン』からフィードバックされたオーバーフレームとアンダーフレーム。
 それを集約した機体であることがメカに詳しい者ならば理解できただろう。

「君が欲しいのは、こちらの赤い方だろう?『クリノ・クロア』を取り込もうとしたのも、そのためだ。あの原石のごとき『エース』を育てることこそが、『フィアレーゲン』を作り出した君の本当の目的だ」
「そのとおりだよ。あの小国家は本当に良い働きをしてくれた。あの傑物を、千年に一度生まれるか生まれないかの才能を生み出してくれた。『ツェーン』など、あれの試金石に過ぎないよ。けれど」
「誤算だったんだろう。『ツェーン』という少女が生きて、ましてやキャバリア乗りでなくなっていたのが。何より、その赤い機体の開発をしたことが。本当は『ヌル』にそれをやらせるつもりだったはずだ」
「何故、それを君が理解している――?」
『アハト・スカルモルド』は微笑んでいた。
 この絵図を描き、これまでずっと暗躍し続けていた黒幕。甘やかな声の主ですら戦慄するほどの洞察力。

 本当に百年眠っていたのかと疑いたくなる。まるで全て見てきたかのような物言いだった。
「そして、この『熾盛』は保険だったんだね。でも、もういいだろう? この『器』セラフィムも休ませて上げようじゃないか」
『セラフィム・エクシア』の手にした斬艦刀が青い機体……『熾盛』の四肢を分断するように切り裂く。

 猟兵たちは無限弾幕をかいくぐり、中枢であるキャバリア格納庫へと至る。
 だが、その瞬間、格納庫が爆発し、その中から一騎のオブリビオンマシンが現れる。そのマニュピレーターには二人の人間……『ゼクス』と『ズィーベン』の姿があり、『アハト・スカルモルド』が運び出すことで難を逃れたようであった。
「さ、お行き。此処は君等のような子供がいていい場所じゃあない。遠くへ。戦いの火が及ばぬところへ走れ」
 彼等を人質にするでもなく、『アハト・スカルモルド』は微笑み、開放する。
『セラフィム・エクシア』のアイセンサーが煌めき、猟兵たちの後に続くように飛び込んできた『フュンフ・ラーズグリーズ』のキャバリアの一撃に反応する。裂帛の気合と共に放たれた一撃が『セラフィム・エクシア』へと叩き込まれた。

 プラズマブレイドと斬艦刀が激突し、火花を散らす。
「やあ。『■■■』。大きくなったね。見違えたよ」
「――!? 何を……! 今なんと言った! 僕の名前は、『フュンフ』、『フュンフ・ラーズグリーズ』だ!」
「そうか。そういうふうに名乗らされているのか。なら、僕もそれに倣うとしよう。確かに見違えたと言った。けれど、まだ甘い」
 無敵斬艦刀の一撃が『フュンフ・ラーズグリーズ』の駆るキャバリアのオーバーフレーム、その頭部からプラズマブレイドを構える左腕を袈裟懸けに切り裂く。
 一瞬の出来事であった。
 だが、宙を舞うプラズマブレイドを残された『フュンフ・ラーズグリーズ』のキャバリアの左腕がつかみ、返す刃で『セラフィム・エクシア』の右腕と右足を切り裂く。

「――よくぞ、ここまで成長したね。偉いよ、『フュンフ』。褒めてあげよう。80点だ。けれど」
『セラフィム・エクシア』が『フュンフ・ラーズグリーズ』のキャバリアを蹴り飛ばし、瓦礫の向こう側へと吹き飛ばす。
 猟兵たちはその凄まじき操縦技術を目の当たりにすれど、しかし、その一撃で敵が消耗するのを知っただろう。

 だが。
 瞬時に機体が結晶化し、その結晶が弾け飛んだ後にあったのは、今しがた切断され破壊された右腕と右足であった。
 再生している。
 これを知る猟兵もいたかもしれない。それは『フュンフ・ラーズグリーズ』が二度目のオブリビオンマシン『H.O.P.E』に乗った際に発露させていた能力である。
 機体の欠損を補う力。
「僕は彼等と戦わなければならない。確かに僕はこの小国家に思い入れがある。けれど、君たちには思い入れはないんだ。むしろ、敵だとさえ思っている。猟兵。君たちの存在を僕は赦さない。君たちの存在は、僕の望みを阻むものだから。だから、加減はいらない」
 凄まじき圧力とともに『セラフィム・エクシア』が咆哮し、結晶舞い散る中、『ハイランダー・ナイン』最後の一人が迫る――。
村崎・ゆかり
『アハト・スカルモルド』! その機体から降りてもらう!
あなたには聞きたいことが山ほどある。
って、素直に話をするつもりは無いでしょうね。何か喋るとしたら時間稼ぎ。『リッパー』から引きずり下ろすまでは、話に耳を貸さない。

迦利カーリー』、そろそろ王手をかけましょう。
「オーラ防御」を先端にかけて、その上で新武装『RX-Bエッジラム』を展開。機動する破城槌よ。

『迦利』に気が向いた瞬間に、あたしが「高速詠唱」で不動金縛り法を放ち『リッパー』を拘束する。
さあ、準備は出来たわ。『迦利』、その牙で狂気の機体を貫いて!

再生する機体か。それなら、再生が追いつかないようにするだけよね。
零距離「レーザー射撃」!



『セラフィム・エクシア』の背面から光の翼が放出される。
 凄まじい出力。
 これまで見てきた『セラフィム・リッパー』とは比べ物にならないほどの圧倒的な力の発露であった。
 羽ばたく光の翼は、それだけで周囲にあるものを破壊する暴風そのもの。
 それ以上に恐ろしいと感じたのは、人機一体となる『アハト・スカルモルド』と『セラフィム・エクシア』の間にある絆のようなものであった。

 オブリビオンマシンでありながら、彼とかの機体には絆が紡がれている。
「『アハト・スカルモルド』! その機体から降りてもらう! あなたには聞きたいことが山ほどある!」
 村崎・ゆかり(“紫蘭”/黒鴉遣い・f01658)の言葉に『アハト・スカルモルド』は微笑むばかりであった。
「僕にはまるでないな。君たちのことを、僕はすでに嫌いなんだ。申し訳ないけれど」
 その言葉にまるで申し訳ないという気持ちがこもっていないことをゆかりは気がつくだろう。
 憎しみでもない。
 ただ嫌悪している。猟兵という存在を『アハト・スカルモルド』は単純に嫌っているのだ。

 ともすれば、それは子供じみた癇癪のようにもゆかりは感じただろう。
「――ッ!」
 違う。
 これはただの時間稼ぎだ。光の翼から発露する力は、チャージしているのだ。こちらの向けた咆哮。
 羽ばたく光の翼が示すのは、照準。
『迦利』カーリー、そろそろ王手をかけましょう」
 空より飛来するのは逆三角形の無人機キャバリア。
 直上より放たれる一撃は、オーラを先端に掛けた衝角。それは新たなる武装『エッジラム』。
 起動する破城槌の如き一撃が光の翼を砕きながら『セラフィム・エクシア』へと迫る。

「この程度で僕を捉えようなどと――」
 だが、機体が動かない。
 光の翼は砕かれている。だが、動かない。何故、と『アハト・スカルモルド』は気がつく。
 己の機体を縛り上げる白い霊符より放たれた羂索。
 それはゆかりの放ったユーベルコード、不動金縛り法(フドウカナシバリホウ)。
 機体の自由を奪う羂索が機体を雁字搦めに縛り上げ、回避を間に合わせない。光の翼を防御回していたが、しかしその先端から放たれるのは凄まじきビームスマッシャーの一撃。

『迦利』の一撃がビームの光条を砕きながら打ち下ろされる。
 オーラが砕け、『エッジラム』が砕けていく。
 だが、其れより早く『セラフィム・エクシア』の頭部を『迦利』の一撃が捉えていた。
「貫きなさい、その牙で! 狂気の機体を!」
 ゆかりが叫ぶ。
 その一撃は頭部を砕きながら、『セラフィム・エクシア』のコクピットハッチを削り取る。

 だが、次の瞬間、追わせた傷が結晶化し、砕けて散る。
 その後にあったのは、復元された『セラフィム・エクシア』であった。尋常ならざる復元能力。
「再生する機体か」
「そのとおりだよ。君はこう考えているね。再生が追いつかないようにするだけだと」
 放たれる零距離のレーザー射撃。
 その凄まじい光の中に『セラフィム・エクシア』が消える。

 だが、脅威なるは『アハト・スカルモルド』の操縦技術であったことだろう。ゼロ距離で放たれたレーザーの光条を躱している。
「言っただろう、わかっているのだと。君たちの狙いは、この機体。だが、勘違いしてほしくない。僕が君たちのことを嫌いだと言ったのは本心だ。歪められたものでもなければ、狂ったわけでもない!」
 ゆかりに狙いをつけたプラズマビームの一撃。

 それを『迦利』が横合いから機体をぶつけそらす。
 ビームの光条が大地を抉り、空へと放たれる。それは『アハト・スカルモルド』の猟兵に対する嫌悪そのものであったことだろう。
「例え、あなたがどう思うのだとしても、その機体から引きずり下ろす! その機体は乗ってはいけない機体なのよ!」
 ゆかりの叫びとともに再び『迦利』がひしゃげながら『セラフィム・エクシア』を大地に叩きつけ、これを打倒するのであった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

メサイア・エルネイジェ
いま再生されましたわよね?
ナノクラスタ装甲とは訳が違う気がしますわ!わたくしのカミソリより鋭い勘がそう告げておりますわ!
散々おビットをけしかけてきたのは貴方ですわね!お仕置きの時間ですわよ〜!

ちょっと仕様は違うようですけれど基本はセラフィム・リッパーと同じですわね
ヴリちゃん!ベルセルクシャウトですわ!
数など関係ございませんわ〜!
出てきたおビットを全部吹っ飛ばしてしまえばよろしいのですわ
おほほ!わたくしが怖いでしょう?
お念力にムラが出ておりますわよ?

機体を再生されてしまうのならパイロットを狙えばよろしいのですわ
衝撃波でコクピットをおシェイクして差し上げますわ!
早く降参しないとおミンチですわよ〜!



 破城槌の如きキャバリアの吶喊攻撃に寄って『セラフィム・エクシア』の機体は大地に倒れ伏す。
 砕け、フレームがひしゃげても尚、『セラフィム・エクシア』は立ち上がり、その機体を結晶化させる。
 砕けた結晶の先にあったのは完全に復元された『セラフィム・エクシア』であった。その姿、その能力。かつて猟兵たちが対峙したことがあるオブリビオンマシンと『フュンフ・ラーズグリーズ』の特性。
「いま再生されましたわよね?」
 メサイア・エルネイジェ(放浪皇女・f34656)は、オブリビオンマシンである『セラフィム・エクシア』が復元したのを見て、ナノクラスタ装甲とはわけが違うことを知る。

 いや、彼女の直感がそう告げているのだ。
 彼女の直感はカミソリよりも鋭い。
「散々おビットを仕掛けてきたのは貴方ですわね!」
「そのとおりだよ。けれど――」
『アハト・スカルモルド』は、息を切らしながら再びクリスタルビットを展開する。膨大な数は以前変わらず。
 無限弾幕とまで言わしめた圧倒的な物量で持ってメサイアの駆る『ヴリトラ』へと迫る。
「お仕置きの時間ですわよ~!」

 迫るクリスタルビットを前に放たれるは『ヴリトラ』の狂竜咆哮(ベルセルクシャウト)。
 それは物理的衝撃波を伴う恐ろしき咆哮であった。
 聞く者に必然的に恐怖を齎す咆哮。
 巨大な音というものは、生物である以上警戒を本能的に示すものである。人間が本能を理性で抑え込むのだとしても、生物としての根底が、それを拒ませないのだ。
「――……! クリスタルビットを吹き飛ばすか!」
「ちょっと仕様は違うようですけれど、基本はセラフィム・リッパーと同じですわね。数など関係ございませんわ~!」
 迫るクリスタルビットの尽くを咆哮による物理的衝撃波で吹き飛ばし続ける『ヴリトラ』。

 その根源的な恐怖に『アハト・スカルモルド』は晒される。
 けれど、彼は猟兵に対する嫌悪を顕にする。嫌悪は、如何なる本能すらも凌駕する。彼が何を持って猟兵を嫌うのかをメサイアは知らない。
「おほほ! わたくしが怖いでしょう? 理不尽に、そして理解不能なものを見るときの目をあなたはしておりますわ~!」
 メサイアは『ヴリトラ』と共に一歩を踏み出す。
 機体がどれだけ優れているのだとしても、どれだけ復元再生するのだとしても、、メサイアのやるべきことはただ一つである。

 どんな思想も、力の前には等しい。
「お念力にムラが出ておりますわよ?」
 メサイアは笑いながら告げる。己が与えた生物的な恐怖。
 それは生物である限り逃れ得ぬ宿命であったことだろう。クリスタルビットを制御するのが念動力であったというのならば、その出力は精神力に由来する。
 理不尽に吹き飛ばす力。
 圧倒的な暴力。
 その前に、『アハト・スカルモルド』は屈するしかないのだ。

「余計な――!」
「お世話を焼いてしまうのが猟兵というものですわ! 機体が再生されてしまうのなら! おパイロットを狙えばよろしいのですわ! ヴリちゃん!」
 その言葉と共に放たれる衝撃波がクリスタルビットのみならず『セラフィム・エクシア』を駆る『アハト・スカルモルド』の体すらも揺らす。
 まさに機体を上下にシェイクするかのような衝撃波。
 機体は壊せずとも、内部のパイロットにダメージを与える。

「早く降参しないとおミンチですわよ~!」
 メサイアは『ヴリトラ』と共にクリスタルビットを吹き飛ばしながら、『アハト・スカルモルド』を消耗させる。
 どれだけ優れた機体であったとしても、オブリビオンマシンはパイロットがいなければ動かない。
 そして、いくら復元するのだとしても、それはパイロットの生命を削るものならば。
「おミンチよりひどいことになる前に出ておいでなさい――!」

大成功 🔵​🔵​🔵​

月夜・玲
いやさー、ほんとさー…
誰も彼も、裏でコソコソしたり何か思わせぶりに振舞ったり
やるのは勝手だけど、人に迷惑かけるなってーの
いやホントマジで
この国に関わると報連相も出来なくなるんか?ん?
というかさー、ヌルさんもマジアレだよ?
何でそう、思い切りの良い行動しちゃうの?
良いけどさ
こっちはお仕事だしー
お仕事ついでに、したり顔に一杯食わせるのを楽しんでるだけだもんね!


んじゃまあ、とりあえずオーバーロードで
駆けつけ一杯的な
外装展開、模造神器全抜刀
『斬撃波』で頭部を周到に狙い撃ちしつつ、敵を揺らして振り回そう
斬艦刀を振るうをタイミングを見定めて放ち、少しでもバランスを崩させよう
キャバリア同士ならまだしも、人相手に剣を振るい当てるのはそれで大分やり辛くなるでしょ

そして【剣技・暴嵐剣】起動
自己修復するんなら…後は根競べ!
上昇…そして急降下からの勢いを乗せた『串刺し』
更に『なぎ払い』も加え4剣で連続攻撃
剣に纏わせた嵐で機体を揺さぶりながら何度も斬る!

キャバリアの扱いは上手でも…女性の扱いは習わなかったのかな!



「勝手なことを――!」
 無敵斬艦刀の一撃が『セラフィム・エクシア』の機体を揺らす衝撃波を斬り伏せ、ジェネレーターを咆哮させるように『アハト・スカルモルド』は叫ぶ。
 機体を復元させる力は、搭乗者の命を削る。
 これまで幾度かの打撃を受けて尚、『セラフィム・エクシア』は万全な状態へと復元していた。けれど、それは決して堂々巡りであることを示さない。
「いやさー、ほんとさー……誰も彼も、裏でコソコソしたりなにか思わせぶりに振る舞ったり、やるのは勝手だけど、人に迷惑掛けるなってーの」
 月夜・玲(頂の探究者・f01605)の瞳にあるのは超克の輝き。

 オーバーロードにより、玲の背後に展開されたのは外装副腕。
 四振りの模造神器が抜刀され、その蒼き刀身の輝きを解き放つ。玲自身は駆けつけ一杯的であると思っていたが、その力の発露は尋常ならざるものであることが知れるだろう。
 吹き荒れるは蒼き嵐。
「この国に関わると報連相も出来なくなるんか? ん?」
 玲にとって『グリプ5』は肩入れしすぎた小国家であったことだろう。
 だが、これまで介入しなければ、オブリビオンマシンによって『グリプ5』は壊滅的な打撃を受け続けていたはずだ。
 結果は変わらない。
 現状になるまで速いか遅いかだ。

 そのどれもがこの小国家にはびこる秘密体質のせいであると玲は理解していた。
 全てが開示されなければならないとは言わない。
 けれど、『ヌル・ラーズグリーズ』がそうであったように、何故誰かに相談しないのだと憤ったのかもしれない。
「思い切りの良い行動しちゃうんだろうね。母親としての自覚があるから? それとも、マジアレだと思うんだけど。ねえ、そういうのって私よくないと思うんだけど」「彼女ばかりを責め立てるのは筋違いというやつだよ、猟兵。冷凍睡眠から目覚めて、周囲に頼れる者がいない状況で、自分の子供を守らねばならない母親とうものは――!」
『セラフィム・エクシア』が玲へと迫る。
 5m級のキャバリアと生身の人間。
 どうあっても狙いがたきものである。キャバリアの武装を人に向ける。その忌避感はあるはずだ。

 けれど、『アハト・スカルモルド』は猟兵に嫌悪を示していた。
 その振るう無敵斬艦刀の一撃にためらいなどなかった。一閃は間違いなくキャバリアに振るうのと同じ様に容赦のない一撃であった。
「わーお、人にキャバリア武装ぶん回すとか!」
 先程もそうであったが、こっちはただのか弱い女の子なのだと玲はうそぶきながら、斬撃波を放ち、『セラフィム・エクシア』へと浴びせる。
 その衝撃でバランスを崩す……いや、崩さない。振るった太刀筋は歪むことも、ブレることもなく玲へと振り下ろされる。

 その一撃を副腕の模造神器で受け止め、玲は踏みしめた大地が砕けるのを見ただろう。重たい。振り下ろされた斬撃の衝撃波だけで肉体が軋む。
「マジで振るうとか……!」
「僕は君等のことが嫌いだ。おそすぎるからだ! 何もかも! この期に及んで! 何故、今着た……!」
 今の時代に猟兵たちが介入してきたことをこそ、彼は嫌悪している。何故百年前のあの時に介入がなかったのか。

 これだけの力を持つ猟兵が、百年前も介入してくれていたのならば。

「死ななくて良い生命もあったはずだ。なのに、何故『今』なんだ」
 玲は交差させた模造神器を振るい、無敵斬艦刀を弾き飛ばす。
「こっちはお仕事だしー。お仕事ついでに、したり顔に一杯食わせるのを楽しんでるだけだもんね!」
 猟兵にとって、介入しないのはオブリビオンマシンが絡まないからである。
 その時を生きる者たちの争いに猟兵は介入しない。
 世界が滅びる時にこそ、彼等は現れ、破滅を防ぐ。ただそれだけなのだ。だが、『アハト・スカルモルド』からすれば、『今』も百年前の『あの時』も同価値なのだ。
 己の手のひらから零れた生命を猟兵ならば救えたのかも知れない。

 だが、そうはならなかったのだ。誰も救われなかった。そう、『アハト・スカルモルド』にとって、猟兵の存在は全て『今更』なのだ。
 だから、嫌悪する。
 己たちを救わなかった者が、今になって現れたことにこそ、嫌悪感を持ち、オブリビオンマシンと人機一体となって襲いかかるのだ。
「そういうのが子供っぽいっていうんだよ。男ってやつはさ、いつまでたっても少年のままの部分があるから!」
 玲の瞳がユーベルコードに輝く。
 ときが逆巻くことはない。決して戻らない。だからこそ、過去に囚われ、過去の時間に生きようとする『アハト・スカルモルド』を否定知る。
「プログラムロード、剣技・暴嵐剣(プログラム・ランページソード)」

 荒れ狂う蒼嵐を纏い、玲が高く飛び上がる。
 5m級のキャバリアを遥かに超える高さまで飛び上がり、下段から上段に跳ね上げられる斬撃を蹴り、玲は急降下する。
 嵐に乗った玲は勢いを乗せた斬撃を放つ。
『セラフィム・エクシア』の肩部を貫く模造神器の刀身。
 だが、それだけでは止まらない。刀身にまとった蒼き嵐は、荒れ狂う様に斬撃と共に『セラフィム・エクシア』を揺さぶりながら切り裂く。
「自己修復するんなら……後は根比べ!」
「戦いに男と女を持ち出して! そういう貴方こそ!」
「キャバリアの扱いは上手でも……女性の扱いは習わなかったのかな! こういう時はさ、踊ればいいんだって!」

 剣戟の音が響き渡る。
 巨大な天使と超常たる女性。
 その二つが激突するたびに火花と閃光が戦場にほとばしる。在り得えぬ程の光景。されど、これが現実である。
 玲と『アハト・スカルモルド』は互いの技量を持って互角以上に打ち合い続ける。
 それはまるで破滅に至るワルツのように。
 淡々と時が進むように。
 荒れ狂う蒼嵐が尽きるその時まで、剣戟の音は鳴り止まぬ――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ガイ・レックウ
【POW】で判定
※アドリブ、連携可
『たしかに、あんたは強いし、その道に安らぎはあるのかもな…だが、なんか、てめえのやり方は嫌いでね!意地を通させてもらう!』
【オーラ防御】を最高出力でまとい、【戦闘知識】でめのまえのエースの動きを見極めるぜ
『あんたを超えて彼奴等が自分の手で未来を選ぶのを見届ける。それが俺の意地だ』
電磁機関砲での【制圧射撃】とブレードでの【鎧砕き】の【2回攻撃】を相手の動きを【見切り】ながら叩き込むぜ。
ユーベルコード【獄・紅蓮開放『ヴリトラ・ファンタズム』】を放ち、それが当たれば良し、当たらなくても追い込んでドラゴン・ストライクⅡと天龍の砲撃を叩き込んでやる



 荒れ狂う蒼き嵐が吹きすさび、剣戟の音が響き渡る。
 オブリビオンマシン『セラフィム・エクシア』が飛び出し、その機体の傷を結晶でもって覆い復元する。
 どれだけ手傷を負わせても復元する能力はパイロットの生命を削る。
「君たちが来たことで僕の目的の大半は達成したと言える。けれど!」
『アハト・スカルモルド』は吠える。
 穏やかな笑みは其処にはなかった。
 あるのは猟兵に対する嫌悪だけだった。オブリビオンマシンなければ猟兵はクロムキャバリアの戦いに介入しない。

 逆説的にオブリビオンマシンさえいれば、猟兵たちは介入していくる。
 違いはそこだけだ。
 故に『アハト・スカルモルド』は強大な力を持つ猟兵達に対して嫌悪する。その力があれば、喪わずに済んだ生命があったはずなのだと。
「確かに、あんたは強いし、その道にやすらぎはあるのかもな……だが、なんか、てめえのやり方が嫌いでね! 意地を通させてもらう!」
 ガイ・レックウ(明日切り開く流浪人・f01997)は己の乗機である『コスモススター・インパルス』にオーラの防御を最高出力でまとわせる。

『セラフィム・エクシア』の力は、『アハト・スカルモルド』の技量と相まって、人機一体の凄まじき圧力を放っている。
 これまでのオブリビオンマシンを駆るパイロットたちは皆、狂気に飲まれていた。けれど、彼は違うようにガイは感じただろう。
 彼と『セラフィム・エクシア』の間には絆すら感じさせるものがあった。
「そうかい。僕も君たちのことが嫌いだ。今更になって現れ、今更になって救っていく。救う人間を選びながら、それでもなお己の意地を通そうとする。そんな在り方が、僕はどうしても許せそうにない」
 漲る重圧。
 手にした無敵斬艦刀の刀身が煌めき、ガイは見ただろう。

 瞬時に反応し電磁機関砲の制圧射撃を行う。
 けれど、その弾丸が『セラフィム・エクシア』を捉えることはなかった。凄まじい加速。
 踏み込みとスラスターの噴射でもって奇妙な加速をしながら『コスモススター・インパルス』へと肉薄する機体。
 迫る無敵斬艦刀にブレードが叩きつけられ、さらに怒涛の二連撃を持って対処する。
 二連撃でもって無敵斬艦刀が砕ける。
「あんたを超えて、彼奴等が自分の手で未来を選ぶのを見届ける。それが俺の意地だ」

 だが、その砕けた無敵斬艦刀が結晶化し、弾けた瞬間に刀身が復元されている。
「何処までも俯瞰者を気取って!」
 返す刃が『コスモスター・インパルス』の装甲を切り裂く。
 オーラの防御など何の意味もなさないほどの斬撃にガイの瞳がユーベルコードに輝く。
「我が刀に封じられし、獄炎竜の魂よ!!荒ぶる紅蓮の炎となりて、すべてを灰燼と化せ!!」
 獄・紅蓮開放『ヴリトラ・ファンタズム』(ゴク・グレンカイホウ・ヴリトラ・ファンタズム)。
 それは九つの首を持つ竜を模した獄炎の発露。
「遅いっ!」
「躱すかよ、だがなぁ!」
 九つの首をもつ獄炎の竜が『セラフィム・エクシア』を追い込んでいく。

 そこへガイは『コスモスター・インパルス』の肩部に装備された新型ハイペリオンランチャーの砲身を向ける。
 それだけではない。
 低空を飛ぶ支援戦艦である『天龍』からのミサイル野飽和攻撃に寄って『セラフィム・エクシア』の回避ルートを絞り込む。
 これだけの砲撃である。逃れられる術はない。
「僕らは人機一体。なら――!」
 迫るミサイルを切り払い、ハイペリオンランチャーの砲身を敢えて接近することによって腕部でかち上げ、砲撃を上空へとそらす。

 なんたる技量。
 だが、ガイの瞳がユーベルコードに輝き続ける。
 意地を通せば道理が通らぬ。
 ならばこそ、ガイは己の意地を通す。無頼の者であるのならば、それは時として己の脛に傷を作ることもあるだろう。
 けれど、今を生きる者たちの未来を閉ざす者をガイは己のブレードの一撃でもって下す。
 一閃が『セラフィム・エクシア』の装甲を切り裂き、一文字を刻むのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

稷沈・リプス
さてと、機体の合成解いてっす。

何度でも再生し、かつジャミングとかに耐性あるってのは厄介っすよねー。なら、俺はRS異境海蛇『ナハル』でのロングレンジ狙撃っすよ。

あ、UCで作り出した大蛇(生命力強化)いるっすから、簡単にはこっち狙えないっすよ。
大蛇はお前さんを追い、巻き付き、締め付けるっすよ。生命力強いっすから、攻撃でほどくにしても、かなり時間かかるっすね。

お前さんの企みは、知ったこっちゃないっすよ。極論、俺は今を生きる人の味方っすからね!

で、そうやって集中してると…俺の狙撃がくるってやつっす。
遠間と近間。同時に相手取るのが難しいからこその作戦っす、これ。



 ブレードの一閃が『セラフィム・エクシア』の機体に一文字を刻む。
 けれど、その機体に刻まれた傷は即座に結晶化し、復元される。正直に言えば、規格外の機体であったことだろう。
 攻防一体のクリスタルビット。
 接近戦に無類に強さを持つ無敵斬艦刀。
 遠距離から狙撃するプラズマビーム。
 どれもが高いバランスでまとめられている。そこに傷を復元する能力まで備え、『エース』である『アハト・スカルモルド』と人機一体の力を見せる。

「しかも、ジャミングにまで耐性があるってのは厄介っすよねー」
 稷沈・リプス(明を食らう者・f27495)は異境海竜神『ヤム・ナハル』の合体を解き、黒いキャバリアとなった『ヤム』でもってロングレンジライフルを構える。
 敵の特性は簡潔に述べただけでも上記のように規格外である。
「さ、行ってもらうっすよ。大蛇、お前さんはアレを追うっす」
 ユーベルコードに輝くリプス。
 敵はこちらの動きを把握しているだろう。長距離射撃。その思惑をさせぬと、光の翼が羽ばたき『ヤム』へと向けられる。

「今更長距離射撃でこちらを射抜こうなどと!」
 放たれるプラズマビーム。
 光条は狙い過たず、リプスの駆る『ヤム』へと迫る。
 だが、その狙いが外れる。それはリプスの生み出したゴッドクリエイションによる大蛇が『セラフィム・エクシア』に絡みついているからだ。
 巨大な生物。
 尋常ならざる大蛇が地を這って『セラフィム・エクシア』の機体を傾けたのだ。
「――……大蛇……! キャバリアではない……!」
「その大蛇はお前さんを追って、巻き付き、締め付けるっすよ。振りほどけないでしょう。生命力を強化しているっすからね」
「振りほどけないのなら!」
 プラズマビームが煌めき、大蛇を焼き切り、『セラフィム・エクシア』が『ヤム』へと向き直る。

「お前さんの企みは、知ったこっちゃないっすよ」
 リプスは冷静につぶやく。
 オブリビオンマシンは『今』を破滅に導く存在だ。
 どんなにそれを駆るパイロットが『今』を憂い、何かをしようとしたとしても、必ず狂気に導く。
 そういう存在なのだ。
 制御出来ていると思えるのは、彼が『アハト・スカルモルド』が尋常ならざる『エース』だからであろう。

 けれど、確実にその時は来る。
「猟兵! 君たちは『今』しか見ていない! 過去を振り返らない。僕らが取りこぼしてきた生命の多くを! 何故、百年前のあの時に現れてくれなかったんだ! 僕たちだけでは取りこぼした生命も、君たちなら救えたのではないのか!」
 その叫びに、リプスは答える。
 それは確かに過去のことなのだろう。
 どうしようもなく変えようのない歴史のひとかけら。

 けれど、リプスは言うのだ。
「極論、俺は今を生きる人の味方っすからね!」
 プラズマビームの一撃が『ヤム』をかすめる。激高が力を増幅させるのならば、それを御する力は乱れるものである。
 狙いが甘い。
 逆にリプスは冷えるような心で見据え、ロングレンジライフルの引き金を引く。
「その嘆きも本来は未来のためにあるものだったはずっす。望んで滅びを得ようとしているのならば」
「――……ッ!」
「自分を楔と決め、それを完遂させようとする。なら、俺は『今』のために引き金を引くっす」
 その機体を破壊することが、滅びゆく『エース』の手向けとなるのならば。
 放たれた弾丸が『セラフィム・エクシア』の頭部を打ち抜いた――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

朱鷺透・小枝子
禍戦・恐喜歩デッドオーバー・アドバンス
最初の戦場から、ずっと絶やさず燃やし続けた闘争心怨念
その向先を、ようやく、見つけた!

鉄を裂き鋼を砕け壊せ、ディスポーザブル

ディスポーザブル01真の姿化:怨霊機體により形を人型高速戦闘に近付けた一つ眼EP人工魔眼の怨霊を、人工魔眼を通じて【操縦】
【霊障】異空間を念動力で捻じ曲げ砲撃を受け流し【推力移動】
【呪詛】で染められた光子を放ちながら、雷架を怪力で叩きつける!壊れろ

過去が過去と未来を、壊すな!!

【早業】防がれようと即座に高速連打を、
【第六感】避けるなら回避先に殴打を放つ!壊れろ
【呪詛】破壊の呪いでセラフィム・エクシアの再生力を阻害喰らわせない

壊れろ、オブリビオン!!!

【属性攻撃】BS-B断叫の灼熱光を放射し、プラズマビームとかち合い
【瞬間思考力】即座に跳び、崩壊霊物質で模った騎兵刀を振り降ろし【切断攻撃】

アハト・スカルモルド、貴殿は生きているか!?
今その命を、自分達は壊さずにいられるか!!?



 撃ち抜かれた『セラフィム・エクシア』の頭部。
 頭部のない機体が揺らめきながら光の翼を羽ばたかせる。充填していくエネルギーの奔流が開放され放たれるはプラズマビーム。
 高出力の光条は戦場を分断するように放たれ、朱鷺透・小枝子(亡国の戦塵・f29924)はしかして歩みを止めない。
 禍戦・恐喜歩(デッドオーバー・アドバンス)。
鉄を裂き鋼を砕け壊せディスポーザブル」
 彼女の中にあるのは敵を壊さんとする闘争心だけであった。

 それは最初の戦場から、ずっと絶やさず燃やし続けた闘争心怨念
 歓喜に小枝子の心は踊るようであった。
 紡がれ続けてきたそれをぶつけるに相応しい相手。どこか似通ったものを持ちながら、立場は対極。
 オーバーロードによって、プラズマビームの直撃を受けながら『ディスポーザブル01』は真の姿を晒す。 
 溶解し、砕けていく装甲。
 その火花散る最中に『ディスポーザブル01』の機体を包むのは、怨霊を形作る骸。
 人型に為していく一つ眼人工魔眼の怨霊。
 燃える人工魔眼は赤く滾っている。
 小枝子の激情が呪詛を掴み上げ、光子を放つ。

「念動力……! プラズマビームを捻じ曲げているのか!」
『アハト・スカルモルド』は、驚愕するだろう。
 極大なるビームの光条を捻じ曲げながら、『ディスポーザブル01』の巨躯が『セラフィム・エクシア』に迫っている。
 頭部が結晶化し、復元する。
 明らかに復元速度が遅くなっている。だが、小枝子にとって、それはどうでもいいことであった。
「過去が過去と未来を壊すな!!」
 振るい上げられた拳の一撃を『セラフィム・エクシア』は躱す。

 ぐるりと円を描くように素早く『ディスポーザブル01』の背後に回り込む。そこへ裏拳のように拳を振る。
 それをさらに曲芸じみた動きで『セラフィム・エクシア』は翻弄し続ける。
 だが、小枝子は構わなかった。
 その心にあるのは唯一つ。
「壊れろ!」
 鉄槌の如く放たれる『ディスポーザブル』の拳が『セラフィム・エクシア』を大地に叩きつける。

 衝撃波がほとばしり、その一撃がどれほどのものかを知らしめる。けれど、それでも『セラフィム・エクシア』は機体を結晶化させ、歪み果てた機体のフレームを復元……しようとして、動きが止まる。
「復元能力が阻害されている……君は……!」
「壊れろ、オブリビオン!!!」
 プラズマビームと灼熱光が空中で激突し、凄まじい熱量を周囲にまき散らす。爆風が立ち込め、『ディスポーザブル01』が飛ぶ。
 跳躍し、崩壊霊物質でかたどった騎兵刀と斬艦刀が切り結ぶ。

「『アハト・スカルモルド』、貴殿は生きているか!?」
「生きているとも。だから、僕は、あの日の約束を果たす。彼等の、彼等の生命を明日に絆ぐために!!」
 猟兵に対する嫌悪よりも先走るものがあった。
 打ち合う騎兵刀と斬艦刀。
 オブリビオンマシンと猟兵。
 言わずとわかる。滅ぼし、滅ぼされる。ただそれだけの関係。それ以上でも、それ以下でもない。

 血反吐を撒き散らしながら『アハト・スカルモルド』は微笑んでいた。
「僕は君たちには託さない」
 猟兵に自分の生命を、そして、彼が守りたいと願ったものを託さない。それは『グリプ5』に生きる者たちであったし、彼が過去に置き去りにしてきたものだ。
 目覚めて最初に思ったことは、ただ一つ。
 百年前のあの戦いの時に、どうして猟兵たちはいなかったのか。介入してこなかったのか。
 戦いを止める力を持ちながら、それをしない。
 だから、クロムキャバリアは戦乱に塗れた。オブリビオンマシンがいなければ、猟兵は介入しない。

 ならば。
「僕が、そうであればいい! 簡単な理屈と理由だ、破壊の申し子!」
 打ち合う斬艦刀を騎兵刀が切断しながら『セラフィム・エクシア』を両断する。
「今その生命を、自分たちは壊さずにいられるか!!?」
「いいや、壊してもらわなければ困る。僕の生きた理由を、ここに結実する……! 僕は平和の礎ではない。楔だ!」
 小枝子は見ただろう。
 破壊の先にこそ再生がある。
 そして、自分たちは猟兵である。オブリビオンマシンを破壊する。破壊し、オブリビオンマシンも猟兵も介在しない世界の明日を絆ぐことができる。

 故に。
「ならば、壊して絆ぐ!!」
 小枝子の咆哮が轟き、騎兵刀が『セラフィム・エクシア』を切り裂く――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

菫宮・理緒
『アハト』さん、あなたはわたしたちが嫌いみたいだけど、
『ゼクス』さんと『ズィーベン』さんを助けてくれたことには、お礼を言っておくよ。

だけどそれと、この状況を作り出したことは話が別。
なによりオブリビオンマシンが関わっているなら、放ってはおけないかな。

といっても、あのキャバリアのスペック、そして技量。
わたしと『希』ちゃんが限界突破しても、ちょっと及ばないかな。

でもそれなら、わたしはわたしの戦い方でやらせてもらうよ。
もともと援護と支援がわたしの戦い方だからね。

【白の天蓋】で戦場を覆ったら『フュンフ』さんの機体の時間を圧縮。
思考が追いつく最大まで高めて攻撃と防御をサポートするね。

なんとか押し切ってー!



『セラフィム・エクシア』は『アハト・スカルモルド』と人機一体となっている。
 これがキャバリアパイロットの『エース』としての極地。
 到達点の一つであることがわかるだろう。
 切り裂かれた機体を結晶が覆っていき、砕けて散る。そこにあったのは、傷一つない『セラフィム・エクシア』の姿であった。
「ぐっ、ふぅ……ふぅ……!」
『アハト・スカルモルド』のは口元の血を拭いながら、その瞳を石に輝かせる。
 そこに迷いはなかった。
 生命を使う者の意志がきらめいていた。狂気にも似た輝き。唯一を為すためにこそ、生命を使う。
 己の生命がもう長くはないことを彼は悟っている。

「『アハト』さん、あなたはわたしたちが嫌いみたいだけど、『ゼクス』さんと『ズィーベン』さんを助けてくれたことには、お礼を言っておくよ」
 菫宮・理緒(バーチャルダイバー・f06437)は『リオ・セレステ』の中で頭を下げる。
『アハト・スカルモルド』は猟兵に対して嫌悪感を隠そうとしていない。
 だが、オブリビオンマシンの狂気に晒されながら『ゼクス』と『ズィーベン』を格納庫の爆発から守っていた。
 世界の破滅を望むオブリビオンマシン。その思想に染まっているのならば、そんなことはしないはずである。
 だが、それを彼はした。

 どんな理由があるのかは理緒にはわからない。
 けれど、それとこれとは話が別だと理緒は切り離す。
「そのとおりであるし、君との問答に意味はない。猟兵、君たちは、僕のような存在がいなければ介入してこない。争いを止めるためではなく、『これ』を破壊するためだけに降り立つ……それがどうにも僕には許せない」
 オブリビオンマシンの齎す破滅も、人の齎す破滅も等しく命を奪う。
 何処に差異があるのかと、『アハト・スカルモルド』は叫び、無敵斬艦刀を振るう。

 凄まじい速度。
 理緒にはわかっていた。あの『セラフィム・エクシア』のスペック、そして『アハト・スカルモルド』のパイロットとしての技量。
 仮にサポートAIである『希』と自身が限界を超えたとしても、及ばないと理解する。
 だからこそ、理緒は己の戦い方をする。
「クロック、アジャスト」
 理緒の瞳がユーベルコードに輝き、電脳世界から召喚した純白の壁で覆う。電子解析が始まり、『フュンフ・ラーズグリーズ』の駆るキャバリアの『時の流れ』を加速させ、圧縮する。
「なんとか押し切ってー!」
「わかっています……! 加速していようが……!」
「――『フュンフ』。君にはわかっているはずだ。君たちの明日は、君たちが掴まなければならない。それを阻むものを君が認識できない以上、それは敵わないことだと」
『アハト・スカルモルド』は悠然と立つ。

『フュンフ・ラーズグリーズ』の機体は片腕片足を失い、装備はプラズマブレイドのみ。されど、臆することはない。
 彼には理緒のユーベルコードの援護がある。いや、それはさして重要なことではないだろう。彼には戦う理由がある。
「あなたが誰であろうと」
「そうだ。戦うんだ。そうしなければ得られない明日があると君は知っているはずだ!」
 理緒は見ただろう。
 加速した時間の中で『フュンフ・ラーズグリーズ』は『アハト・スカルモルド』を超えていく。

 無敵斬艦刀とプラズマブレイドが激突し、火花を散らす。
 押し切ることは難しいかもしれない。
「――……! あなた、もしかして……! 敵がわたしたちの介入をさせないようにしていることを……!」
 理緒は気がつくだろう。
 何故、『アハト・スカルモルド』がオブリビオンマシンに乗っているのか。
 どうして『グリプ5』を混乱に陥れたのか。
 全ては、オブリビオンマシンの存在を公にすることによって『グリプ5』に猟兵たちを介入させようと意図的に惹きつけるために行ったことなのだとしたら。

「……僕の敵は『君たち』だが、『君たち』の『敵』オブリビオンマシンは――」
『セラフィム・エクシア』が再び『フュンフ・ラーズグリーズ』の駆るキャバリアを吹き飛ばす。
 しかし、機体に刻まれた傷は浅からぬものばかりであった。
 機体のマニュピレーターが地面を指差す。
 この絵図を描いた黒幕。その存在があるのは、空ではなく地下であると示すのだ――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ミレア・ソリティス
目標確認AMアストラル‐マテリアルシフト起動、装備換装
戦闘開始します

まずはジャミングミサイルで牽制、続けてアクティブステルス起動
先程同様に面制圧を意識させ敵UCを誘い、合わせてUCを使用

限定的な戦場内電脳化、加えて電脳化対象への電脳魔術によるハッキング及び全敵の持つ「耐性情報」を改竄・弱体化させ、再度ジャミングミサイルでビット群を攻撃します

その後は姿を隠しつつ副碗での帯電クロー打撃とペインレス・セイバーでのナノマシン付与斬撃を実行、属性攻撃・状態異常耐性が減少した敵本体の弱化を狙っていきます

私を退けようとその機体に刻み込まれた「情報」は戻りません
私単機で為せぬのならば、後へ繋げるだけです



 機体を覆う金属結晶。
 それが砕け散った後にあるのは、完全に復元された『セラフィム・エクシア』であった。
 機体を復元させる能力。
 あらゆるものを切り裂く斬艦刀。
 全天を覆うクリスタルビット。
 膨大な出力をもって放つプラズマビーム。
 どれもが高水準で纏まった規格外なるオブリビオンマシン。それが『セラフィム・エクシア』であった。

 けれど、ミレア・ソリティス(軍団たる「私」・f26027)は理解しただろう。
 あの復元能力も無限ではない。パイロットの生命を削り、消耗させていく。その証左として、機体の動きが鈍っている。
 人機一体。
 それをなさしめるほどの絆を機体とパイロットが有していたとしても、やはり限界があるのだ。
「目標確認AMアストラルーマテリアルシフト機動、装備換装。戦闘を開始します」
 ジャミングミサイルが戦場を飛び、牽制する。
「ジャミングは効かないと……! 無駄だ!」
 放たれる全天を覆うクリスタルビットの乱舞。

 凄まじいまでの砲撃と物量がミレアを襲う。
 例え、アクティブステルスの機能を十全であっても、全天を覆う飽和攻撃のの前には無意味だ。
 けれど、ミレアはその瞳をユーベルコードに輝かせる。
「コード・モルフェウス限定発動…半電脳領域、時間限定構築:完了、セカンダリコード「ポベートール」、展開します」
 それは情報解析。
 戦場を電脳化し、電脳魔術によるハッキング。
 だが、それは『セラフィム・エクシア』には無意味だろう。ジャミングは効かない。
 それはわかっているはずだ。

 けれど、ミレアは『セラフィム・エクシア』の機体の情報を改ざんする。
 ジャミングできないのならば、根本的に書き換える。耐性情報を得るために戦場を電脳化し、現実に干渉する。
「ジャミング耐性を書き換えるか……!」
 再びジャミングミサイルが放たれ、クリスタルビットを砕いていく。
 だが、それは本命ではない。
 ミレアは己自身で『セラフィム・エクシア』を打倒しようとしていない。何故なら、彼女一人で戦っているわけではないからだ。

 この戦場にありて、最初から最後まで彼女は他の猟兵が戦いやすい状況を整えてきた。他の誰にもできることではない。
 彼女は、自身単騎を退けようとも、それが意味のないことを『セラフィム・エクシア』に、『アハト・スカルモルド』に示すのだ。
「私単騎で為せぬのならば、後につなげるだけです」
 放たれた帯電クローの打撃が耐性情報を書き換えられた『セラフィム・エクシア』のフレームから白煙を上げさせる。

 さらに実体刃の一撃が装甲を切り裂く。
 本来であれば、機体をジャックすられることもなかったはずだ。けれど、ミレアの電脳魔術、Sコード・ポベートール(セカンダリコード・ポベートール)によって情報を書き換えられ現実に干渉された『セラフィム・エクシア』は、その機体耐性を大幅に減ぜられている。
 そして、今放たれた実体刃は、ナノマシンを付与する。
 機体の攻撃能力と状態異常耐性を減少させ続ける。例え、ミレアを此処で退けたとしても、それは消えない。
「後に繋ぐ……! それだけのことができるというのに!」
「ええ、私が……いえ、私“達”はそうして戦い続けてきたのですから。独りで出来ることには限りがある」
 だからこそ、ミレアは後に繋ぐ。

 そうすることで繋ぐことのできる明日があることをもう知っているのだから――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ユーリー・ザルティア
機体が再生した?
ユーベルコード…いや、何かが違う
アレは確かに依然見た。でもッ…


レスヴァント
もう少し、もう少し頑張って…
さすがにさっきの弾幕を抜けるのに無茶させ過ぎた。それでもッ!!

ビットの動きは見切ったッ
さんざあれだけ見せられればなッ
ビットの動きを『見切り』『操縦』テクで回避
『瞬間思考力』でビットの隙を判断し、アストライアの『制圧射撃』で撃墜する
どんなに手数と増やそうと、操縦するのはただ一人

「この間合いは…ボクの間合いだッ。」
ビットの動きから『読心術』で二の手三の手を先読みし、高機動攻撃で間合いを詰めると、イニティウムで機体を『切断』し同時に電撃を流し『マヒ攻撃』で再生の阻害を試みる



「……彼等の攻撃を受けすぎたか……でもね、僕は此処で退くわけにはいかないんだ」
『アハト・スカルモルド』は機体の状況が悪くなっていることに微笑む。
 猟兵に対する嫌悪は消えない。
 けれど、彼の望む未来がもうすぐ其処にやってきていることを予感して微笑んだのだ。
 みんなが望む未来。
 多くがより良い方向に向かう未来。
 それを使うために己の生命を使う。機体の損傷箇所を結晶が覆い、砕けて散った後に残るのは復元された機体。
 だが、それはこれまでと違い十全でない。
 猟兵に寄る現実に干渉するユーベルコードに寄って、機体のジャミング耐性が大幅に減ぜられている。

「機体が再生した? ユーベルコード……いや、何かが違う。アレは確か以前見た。でもッ……」
 ユーリー・ザルティア(自称“撃墜女王”(エース)・f29915)は、それを知っている。
 希望の名を冠するオブリビオンマシン。
『フュンフ・ラーズグリーズ』が二度目のオブリビオンマシンに乗った時に起こっていた現象。
 生命を削る代償に機体を復元させる力。

「『レスヴァント』、もう少し、もう少し頑張って……」
 ユーリーは己の機体もまた無事ではないことを知っている。
 あの全天を覆うクリスタルビットの弾幕を抜けるのにむちゃをさせた。機体が保たないかもしれない。
 けれど。
「……機体の状況は五分と言ったところか……」
 それは『アハト・スカルモルド』も同様である。二人の『エース』が戦場で相まみえたのならば、それは必然である。

「それでもッ!!」
 互いの言葉が重なる。
 迫るクリスタルビットの挙動をユーリーは瞬間思考で読み解く。あのクリスタルビットは多面的に動いている。
 制御する側は念動力と脳の演算領域で持って、あれを把握し一つ一つをバラバラに動かす。尋常ならざる力だ。
 けれど、ユーリーは見きったのだ。
「散々あれだけ見せられればなッ!」
 クリスタルビットの動きをキャバリアを操縦する技術だけで躱す。アサルトライフルの弾丸がばらまかれ、面を面で撃ち落とす。
 金属結晶と激突した弾丸が跳弾するように次々とクリスタルビットを砕いていく。

「計算しているっていうのか……跳弾の軌道を……!」
「どんなに手数を増やそうと、操縦するのは独りでしょッ! それに……!」
 迫る『レスヴァント』に斬艦刀が振るわれる。
 一手。
 いや、二手先をユーリーは先読みする。
 だが、それは『アハト・スカルモルド』も同様であろう。

「この間合は……ボクの間合いだッ」
 アサルトライフルを切り裂く斬艦刀。
 ユーリーはあっさりとアサルトライフルを棄てる。頓着していない。。むしろ、無敵斬艦刀の一撃を誘うためにアサルトライフルの射撃を行っていたと言ってもいい。背後から迫るクリスタルビット。
 背面からの攻撃。
 躱せない。
 いや、躱す必要はない。ユーリーは踏み込む。加速し、スラスターのバックファイアでクリスタルビットを吹き飛ばしながら、放たれる粒子を足場にして更に加速する。そして、抜き払ったキャバリアソードを『セラフィム・エクシア』の肩部へと突き刺す。

「――ッ! 読み合いで、僕を超える……!」
「高機動攻撃(コンバットアサルト)……パターン! イニティウム!!」
 刀身から放たれる電撃が『セラフィム・エクシア』を内部より破壊していく。『エース』として、ユーリーは今『アハト・スカルモルド』を超えた。
 その瞬間であった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

カシム・ディーン
成程…これがエースって奴か
すげー奴だなおめー
あの祭りに動揺せずに捌き切ったのは一体だけだ

だが…それを超えてやるよ
「エクシア君かー、神機シリーズにも負けない機体だね☆」
何だ?勝てねーってか?
「まさか!」

アハトっつったか?おめーの思い通りには何一つさせねーよ
何より色々吐かせないといけねーからな
超克発動

【情報収集・視力・戦闘知識】
機体の能力
アハトの技能
機体構造と搭乗席位置
自爆機能の有無
周囲のビットの動き全てを分析把握
【属性攻撃・迷彩】
光水属性を機体に付与
光学迷彩と水の障壁で熱源隠蔽

UC発動
【念動力・空中戦・弾幕】
超高速で飛び回り念動光弾を乱射しての蹂躙
【二回攻撃・切断・盗み攻撃・盗み・武器受け】
鎌剣による連続斬撃で切り刻み武装強奪!
激しい接近戦による激突
敵の攻撃も鎌剣で迎撃!(ビットも

てめーの言ってる事は八つ当たりだ馬鹿野郎
猟兵を全能とでも思ってるのか阿呆!
それで自殺志望とか笑えねーよ!

【医術・救助活動】
エクシアが倒された瞬間
即座に搭乗席強奪
アハト救出!
おめーの思い通りにさせねー
何もかもな?



 カシム・ディーン(小さな竜眼・f12217)は驚愕していた。
『アハト・スカルモルド』の凄まじさを。
 これほどまでの猟兵たちの攻勢を前にして、まだ立っている。たった一騎で全ての猟兵を相手取り、また翻弄してきた。
 今回の事件は、彼の独壇場であったと言う他ない。
「すげー奴だなおめー。あのまつりに動揺せずに捌き切ったのは一体だけだ」
 カシムは、『メルシー』の分身たちを放つユーベルコードを『アハト・スカルモルド』が容赦なく砕き、そして今もなお機体を十全の状態に復元させている事実を踏まえて言葉を紡ぐ。

「だが……それを超えてやるよ」
『エクシア君かー、神機シリーズにも負けない機体だね☆』
『メルシー』の言葉にカシムは鼻で笑う。
「何だ? 勝てねーってか?」
『まさか!』
 そんな二人の様子に肩部に突き刺さったキャバリアソードを引き抜きながら結晶化した機体を動かす『アハト・スカルモルド』には嫌悪を隠そうともしていない。

「君たちは、僕の敵だ。超える超えないじゃない。そんなことに意味はない。僕の望みは、それではないのだから」
「『アハト』つったか? おめーの思い通りには何一つさせねーよ」
『メルクリウス』と『セラフィム・エクシア』が対峙する。
 問答は無意味である。
 けれど、カシムは違和感を感じ続ける。望み。『アハト・スカルモルド』の望み。

 それは本当に『グリプ5』の破滅であろうかと。
 この状況こそが『アハト・スカルモルド』の望むものであったのだとすれば、すでに望みは叶っているのではないか。
「いいさ、どうせ色々吐かせないといけねーからな」
 超克に瞳が煌めく。
『メルクリウス』のアイセンサーが煌めき、『セラフィム・エクシア』の状況をしる。
 自爆装置のたぐいはない。
 そして機体構造。これもキャバリアと相違はない。複雑な動きはしない。いや、人体に近しいがために人機一体となった『セラフィム・エクシア』は『アハト・スカルモルド』というパイロットを得て完成している。

 ならばこそ、迫るクリスタルビットの動きを全てカシムは把握する。
 脳が、その膨大な情報に耐えきれないかも知れない。
 けれど、それら全てを彼は超えると言ったのだ。ならば、やらねばならない。乱舞するクリスタルビットと光弾。
 乱射される光弾がクリスタルビットと激突して砕いていく。
「てめー、この状況で僕らを介入させること事態が……!」
「そのとおりだ。僕は君たちが嫌いだ。けれど、嫌いだということと、君たちの力を認めないということはイコールではない」
 鎌剣とクリスタルビットがぶつかり、砕けていく。

「君たちが介入する戦いと介入しない戦いがある……全てを救うことのできる力をもっていながら、それをしない。僕がいなければ、介入してこなかっただろう。だから、僕は呼び水だ。君たちという存在を……生命の埒外たる存在を!」
 振るわれるクリスタルビットの乱舞が『メルクリウス』を取り囲む。
 神速を誇る『メルクリウス』ですら、追い込む圧倒的な物量と速度。
 だが、『アハト・スカルモルド』は血反吐をまき散らす。もともと不治の病を得ているがために冷凍睡眠装置に入ったのだ。

 そして、その病は寛解していない。
 生命を賭しているのだ。
 猟兵たちを『グリプ5』の避けられぬ破滅に介入させるために。ただそれだけの為に望んでオブリビオンマシンに乗っている。
「てめーの言ってることは!」
 それはただの八つ当たりだ。自分にできないからと生命を投げ出している。
 そして、誤解している。
「何一つ間違っては居ないさ。これはただの僕の八つ当たりだ。君たちが嫌いだという僕のね!」
「猟兵を全能とでも思ってるのか阿呆!」
 カシムは叫ぶ。

 もしも、自分たちが全能であったのならば、即座に全てをすくい上げるだろう。
 けれど、それができないからこそ猟兵たちももがいている。それは生きていると言ってもいいだろう。
『アハト・スカルモルド』のやっていることは、カシムにとって自殺志望と変わらなかった。
「笑えねーよ!」
 鎌剣の一撃が『セラフィム・エクシア』の四肢を分断する。
「おめーの思い通りにさせねー何もかもな!」
 覚悟しておけと言うカシムに『アハト・スカルモルド』は微笑む。
「いいや、なってもらうよ。そのために僕は生命を掛けているのだから」
 神速戦闘機構『速足で駆ける者』(ブーツオブヘルメース)が煌めく。『セラフィム・エクシア』の機体が結晶に覆われ、復元される。
 
 圧倒的な超高速機動斬撃が復元していく端から放たれ、これを切り裂いていく。嵐のような激突が吹きすさぶ――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

サージェ・ライト
※ファントムシリカに乗ったまま参上

ふむ?
イケメン(?)は訳ありという定番ですね?
というか、もう少しはっきりお話してほしいんですけどー?
そもそもあなた、本当に『アハト・スカルモルド』さんですか?

ま、さておき敵と言われたら戦うしかありません
クノイチたるもの、挑まれた勝負からは逃げないのです
ええ、弾幕はシリカが怖かったから隠れていたとかそんなことはないのです

しかしセラフィムはそろそろ弾切れかと思いきや
ここにきてエクシアとか
まだ隠し玉あるなら教えて欲しいです!

さーて無限弾幕の間に新装備が届きましたからねー!
アレキサンドライトラック、ロックオープン!
オブシディアンシュリケン召喚!
念願の遠距離武器だー!
というわけでぶん回しからの砲丸投げ投擲いっきまーす!
シュリケンを囮にしつつファントムシリカで追走
無敵斬艦刀を振り回しているその隙に回避しつつ懐へ
はい、フローライトダガー召喚!
かーらーのー!
「手数こそ正義! 参ります!」
手数重視の【疾風怒濤】を叩き込みますよー!

あの、シリカさんにおかれましては爪を収め…



 尋常ならざる戦い。
 猟兵達と数々の戦いを繰り広げながら、未だ『セラフィム・エクシア』は機体の損傷具合だけ見れば十全であった。
 耐性能力は大きく減ぜられているが、それでも復元能力はまだ生きている。
 サージェ・ライト(バーチャルクノイチ・f24264)は、『アハト・スカルモルド』の言葉に首をかしげる。
 もっとわかりやすく言って欲しいと。
 こういうイケメンは訳ありという定番であると彼女はうなずく。なにせ、彼女はバーチャルキャラクターである。こういう設定には詳しいのである。

「そもそもあなた、本当に『アハト・スカルモルド』さんですか?」
 あまりにも人外じみた能力。
 不治の病を得てなお、この力。どうあっても猟兵を嫌悪するという感情を隠さぬもの。
「そうだよ。僕自身が『アハト・スカルモルド』だという証明を君たちにはできない。僕がそうであると定義する以上ね。だから――」
 無敵斬艦刀が振るわれる。
 その一閃は鋭く速い。
「ま、敵と言われたら戦うしかありません。クノイチたるもの、挑まれた勝負からは逃げないのです」
 弾幕は『シリカ』が怖がったから隠れてやり過ごしていたとかそんなことはないのである。
 斬撃の一撃を既の処で躱す。
 もしも、猟兵たちの攻勢によって消耗していなければ躱せなかっただろう。けれど、猟兵とは共に轡を並べる者たちである。

 強大な敵に独りで立ち向かうのではなく、繋いで戦う者たちである。
 ならばこそ、此処でサージェは繋ぐために戦う。
「しかし『セラフィム』はそろそろ弾切れかと思いきや、ここにきて『エクシア』とか。まだ隠し玉あるなら教えてほしいです!」
「それは――」
『セラフィム・エクシア』のマニュピレーターが地面を指す。
 その仕草にサージェは首をかしげる。どういうことだと思ったことだろう。

「君たちの『敵』は空からは来ない。そういうことだよ……!」
 口元の血を拭いながら『アハト・スカルモルド』は微笑む。彼の目的が己の存在を持って猟兵を『グリプ5』の戦いに介入させるものであったのだとすれば、それが何を示すのだろうか。
 そして、この状況を描いた『敵』――黒幕が望んでいないものはなにか。
 言うまでもなく猟兵の介入である。
 猟兵が介入しないということは即ち、オブリビオンマシンが存在しないということである。

 つまり。
「敵はオブリビオンマシンを遣わずして『グリプ5』を滅ぼすと?」
「だから、より良い未来を掴むために僕は君たちと戦う」
 ならば合点が行く。
 これまで新興国家『シーヴァスリー』が頑なにオブリビオンマシンではなく、キャバリアのみをもって傍観していた理由も。
『ファントムシリカ』が巨大な十字手裏剣を掴み上げ、放つ。
 その一撃を斬艦刀が切り払う。十字手裏剣が宙に弾き飛ばされる。けれど、それは突如として軌道を変え、再び『セラフィム・エクシア』に襲いかかる。

「――ッ! 念動兵器!」
「ええ、念願の遠距離武器ですー!」
 だが、十字手裏剣は囮だ。『ファントムシリカ』が踏み込む。懐へと飛び込むようにして白と紫の機体が滑り込む。
 十字手裏剣を切り払った無敵斬艦刀の一撃が振り下ろされる。
 すでに『ファントムシリカ』には武装はない。
 いや、違う。

「はい、フローライトダガー召喚! かーらーのー!」
 サージェの瞳がユーベルコードに輝く。
 疾風怒濤(クリティカルアサシン)たる手数。それこそが正義であるとサージェは叫ぶ。
 無敵斬艦刀が振り下ろされるのならば、それを手数で持って砕く。
 一閃の内に数十にも及ぶ斬撃を繰り出し、刀身自体を砕き斬って、『ファントムシリカ』は破片の中を飛ぶ。
「そにっくぶろー!」
 気合が違う。
 サージェは、爪におびえている。今も背に乗った白猫又が爪をにゅっとさせているのだ。

 いや、違うんです、と言い訳しても仕方ない。
 砕けた斬艦刀の刀身が機体に降り注ぐのはどうしようもない。機体が無事なだけ儲けものというものだ。
 けれど、そんなことは関係ないのである。
「あの、シリカさんにおかれましては爪を収め……」
 ることはないのである。 
 サージェの悲鳴が虚しく響き渡った。つまり、そういうことである――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アルカ・スィエラ
貴方に……いいえ、貴方達アハトとセラフィムにどのような思惑が、理由があるのかは知らない
けれど、その機体オブリビオンマシンは止めさせてもらう……!!

再転移したドラグレクスとアルカレクス・ドラグソリスへと融合合身、最初から出力は全開
……ドラグレクスの金属細胞が他の機体や操縦者にどう影響するのか判らない以上、時間を掛け過ぎる訳にはいかない

ビットにはスケイルを展開しレーザーを偏光・反射させての受け流し・反撃を
他の攻撃はドラグキャリバーで武器受けするかEフィールドで弾いていく
同時に敵機の金属細胞に干渉ができないか試すわ

敵UCにはキャリバーとフィールドをぶつけ威力を殺し、こちらもUC!!
敵機のコクピット部位をサーチ、捕捉してその周辺を防御フィールドで防護、同時に敵機そのものをフィールドで拘束、その後エネルギーを纏った右腕のドリルで突撃して装甲を貫き防護したコクピット部位を掴んで抉り出し、敵機自体を衝撃波で吹き飛ばす…!

……言ったはずよ、貴方の思惑なんか知らない、その機体は止める、と



 砕けた無敵斬艦刀の刀身が結晶に覆われて、砕けて散る。
 そこにあったのは未だ刃こぼれ一つしていない無敵斬艦刀の刀身であった。復元能力。それは嘗てオブリビオンマシンが『フュンフ・ラーズグリーズ』の生命を糧にして発露させていた能力である。
 不治の病を得ている『アハト・スカルモルド』にとって、それは自殺行為そのものであったことだろう。
 けれど、彼の望みはすでに叶っている。

 彼がオブリビオンマシンに乗っているのは、猟兵たちは『グリプ5』の戦いに介入させるためである。
 滅びは必定。
 されど、オブリビオンマシンが介在する破滅には、猟兵が介入する。この絵図を描いた黒幕は、あくまでオブリビオンマシンは外堀を埋めるためにしか利用していない。
 何故なら、黒幕が最も忌避すべきは猟兵の介入であったからだ。
 オブリビオンマシンを使えば必ず猟兵が介入してくる。だからこそ、黒幕たる存在は、『シーヴァスリー』をオブリビオンマシンによる狂気に落とさず、その思想だけでもってオブリビオンマシンに狂わされているかのような思想に漬け込んだ。
「だから、僕は呼び水になる」
『アハト・スカルモルド』がしようとしていることはそういう事だ。

「貴方に……いいえ、貴方達アハトとセラフィムにどのような思惑が、理由があるのかはしらない。けれど、その機体オブリビオンマシンは止めさせてもらう……!!」
 アルカ・スィエラ(鋼竜の戦姫・f29964)は己に起こった悲劇をこそ否定する。
 あの悲劇が自分以外の誰かに降り注いでいいものではないと理解しているからこそ、『プロトミレス』と機竜『ドラグレクス』とと融合し、出力を全開にして『セラフィム・エクシア』へと迫る。
「いいさ。それが僕の望みなのだから……!」
 口元の血を拭いながら『アハト・スカルモルド』は自分の時間がもう多くはないことを理解する。

 同時にアルカもまた時間を気にかけていた。
『セラフィム・エクシア』の元になっていた機体は、彼女が嘗て簡易型『レーギャルン』を金属細胞でもって強化したものだ。
『ドラグレクス』を大元とする金属細胞が他の機体や己以外の操縦者にどう影響するのかわからない以上、時間を掛けすぎる事は避けるべきであったからだ。

 迫るクリスタルビットを機体から剥離した金属結晶の鱗と化して展開し、レーザーの偏光、反射でもって砕く。
 金属結晶の破片が舞い散る中、『アルカレクス・ドラグソリス』が『セラフィム・エクシア』へと突進する。
「猪突猛進すぎる……! 直線的なだけでは!」
 振るわれる無敵斬艦刀の一閃がドラグキャリバーと打ち合い、火花を散らす。エネルギーフィールドは斬艦刀の前には意味をなさない。
 尽くを切り裂かれてしまうだろう。 
 それだけの力をもった機体であることをアルカは金属細胞の共鳴と共に知るだろう。

「そこに『居る』のね、『アハト・スカルモルド』!」
 アルカの瞳がユーベルコードに輝き、『アハト・スカルモルド』の所在を突き止める。コクピットブロック。
 オーバーフレームとアンダーフレームに挟まれた箇所。
 その部分を見据え、彼女は叫ぶ。
「『コア部位捕捉、コア防護及び敵機拘束フィールド、全開……!」
 防御フィールドを『セラフィム・エクシア』のコクピットへと張り巡らせる。彼女の力はオブリビオンマシンのみを破壊する力である。
 パイロットは傷つけない。
 フィールドは敵を拘束し、動きを封じる。けれど、『セラフィム・エクシア』の出力はそれを上回る。

 金属細胞で構成されているからか、それとも人機一体となったがためか。
 どちらにせよ、フィールドは振り切られてしまう。
 だが、超克するのだ。アルカは超えていく。敵が己を超えるのならば、それをさらに上回る力の発露でもって超える。
 そうすることでしか、悲劇を覆すことができないというのならば。
「“未来”を守護し、“過去”を滅ぼせ……!カエルム・インフェルヌス!!」
『アルカレクス・ドラグソリス』がキャリバーを投げ捨て、全てのエネルギーを右腕のドリルに集約する。
 オブリビオンマシンのみを破壊する力の発露。
 その一撃が『セラフィム・エクシア』の装甲を貫き、コクピットブロックを掴んでえぐり出す。

 衝撃波が荒び、『セラフィム・エクシア』のオーバーフレームとアンダーフレームを吹き飛ばす。
「……言ったはずよ、貴方の思惑なんか知らない。その機体は止める、と」
「だから、君たちのことが嫌いなんだ。君たちは違うというのかも知れないが、僕にとって、君たちの存在は気まぐれに現れて、現状を引っ掻き回す存在にしか思えない……!」
『アハト・スカルモルド』の瞳が輝く。
 コクピットブロックから展開する金属結晶。
 アルカは見ただろう。これが金属細胞の至る一つの答え。掴み取ったコクピットブロックが離れ、人型を為していく。

 全ての生命を使い果たして『セラフィム・エクシア』は真に人機一体と成り果てる。
「貴方……! そこまでして!」
 誰かのために生命を使うことは尊ばれることだ。
 けれど、生命を使うということは、己の死を持って誰かに何かを期待すること。いずれそれは、どれだけ綺麗な思いであったとしても、心を傷つける棘となる。
 今まさに、その棘が最後の戦いを呼び込む――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

メンカル・プルモーサ
(試作型術式騎兵【ツィルニトラ】に騎乗)
…オブリビオンマシンの影響はうけているのだろうけど…雰囲気が少し違うな…ふむ…何か独自の目的あり…か?
…まあ…止めなきゃならないのはどのみち…か…
…プラズマビームを術式組紐【アリアドネ】を布状に編んだ盾で防御…
…攻撃をどうにか凌ぎつつ【投じられしは空裂く巨岩】を発動…
…辺りに転がってる瓦礫や(あれば)切断されたセラフィム・エクシア』の右腕や右足を射出して気を逸らし…
…術式組紐【アリアドネ】の一本でリッパーに触れて地面へ射出させる事で転倒させよう…
…そして圧縮格納術式【アバトン】を展開…さっき『格納』した弾幕の弾をリッパーへ一斉射出…蜂の巣にするよ…



 オーバーフレームとアンダーフレームを失ったコクピットブロックだけの『セラフィム・エクシア』は、『アハト・スカルモルド』の思いを受けて金属結晶を人型に変え、その姿を晒す。
 金属結晶が砕け、飛び散った後にあったのは『セラフィム・エクシア』のオーバーフレームとアンダーフレーム。
 まだ、と猟兵たちは思っただろう。
 何故此処まで彼を駆り立てるのか。
「……オブリビオンマシンの影響は受けているのだろうけど……雰囲気が少し違うな……」
 メンカル・プルモーサ(トリニティ・ウィッチ・f08301)は試作型術式騎兵『ツィルニトラ』の中でつぶやく。

 確かにオブリビオンマシンによって思想は狂っている。
 けれど、猟兵に対する嫌悪はオブリビオンマシンによるものではない。
「……まあ……止めなきゃならないのはどのみち……か」
 メンカルは『アハト・スカルモルド』がオブリビオンマシンに乗ったのは、望んでのことであると理解しているだろう。
 ならば、何故オブリビオンマシンを使うのか。
『エース』であればオブリビオンマシンを使わずとも猟兵と渡り合うことはできる。彼にとってオブリビオンマシンに乗ることは手段ではない。
 目的なのだ。

 オブリビオンマシンが小国家に入り込めば、猟兵が介入する。
『アハト・スカルモルド』がオブリビオンマシンに乗ることが手段ではなく目的であったのだとすれば、それは猟兵が介入することを望んでいるということになる。
 だが、逆に『シーヴァスリー』はどうだろうか。
 彼等は猟兵たちの前に姿を表してからというものの、オブリビオンマシンを利用したことは一度たりとてない。
「……私達に示している。『敵』は、私達に介入されないようにことをなそうとしている……」
 つまり、『シーヴァスリー』がキャバリアだけを使い、オブリビオンマシンの齎す狂気の如き思想をもって人々を戦いに駆り立て、『グリプ5』を滅ぼそうとしている。

「……だから、僕がいる。僕に出来るのは、よりよい未来の可能性を掴むことだけだ」
『アハト・スカルモルド』は己の生命を使って示す。
 光の翼が羽ばたき、『セラフィム・エクシア』はプラズマビームを『ツィルニトラ』に放つ。
 悟られてはならない。
 黒幕に自分の思惑を。目的を。それは猟兵にも同じことだったのだろう。猟兵が下手に動けば、黒幕は必ず逃げる。
 姿を表さない。
 ならば、黒幕自身がそれと気が付かぬままに猟兵を介入させるしかない。

「……! だから全てを欺いた、と……?」
 術式組紐『アリアドネ』を布上に編み上げた盾でプラズマビームを防ぐ。だが、貫くプラズマビームの一撃が『ツィルニトラ』の左腕を撃ち抜く。
 人機一体。
 故に『セラフィム・エクシア』はもはや『アハト・スカルモルド』の生命が消えかかっていても、彼の意を組んで行動する。
 己が存在し、戦い続けることに寄って炎の破滅を引き起こそうとする黒幕の思惑を猟兵たちに晒す。

「見えざる腕よ、投げろ、放て。汝は剛力、汝は投擲。魔女が望むは大山投じる巨神の手」
 メンカルの瞳がユーベルコードに輝く。
 放たれるは、周辺に残された『セラフィム・エクシア』と猟兵との戦いによって残された残骸。
 しかし、それは囮でしかない。
 盾としていた『アリアドネ』が一本の術式となって『セラフィム・エクシア』の脚部を捉え、引き倒す。
「……君の目的は果たされた……」
「ああ、そのとおりだ。不本意だけれど……ああ、本当に。『後は任せたよ』」
 メンカルは術式を開放する。

 圧縮格納術式『アバドン』。
 堰を切ったように開放される圧縮術式。そこから放たれるは、無限弾幕の中を駆け抜けたメンカルが収容していたクリスタルビット。
 それが無数に開放され『セラフィム・エクシア』を貫いていく。
 蜂の巣の如く打ち込まれたクリスタルビットが『セラフィム・エクシア』を砕き、停止させる。
「……『後は任せたよ』……か」
 この絵図を描いていた黒幕は、キャバリアのみを持ってオブリビオンマシンの思想を浸透させた小国家を作り上げ、『グリプ5』を滅ぼそうとしている。
 世界の破滅は、こうして秘密裏に侵攻していくはずだった。

 けれど、『アハト・スカルモルド』は生命を使って、示した。
 本来ならば黒幕が持ち出した赤い最新鋭機は、オブリビオンマシンとなることはなく、黒幕の思い描いた器の中身となるパイロットを得て、世界を滅ぼすはずだった。
『アハト・スカルモルド』によって、それは阻まれた。
『グリプ5』より地中を介して、破滅の器たる機体は、地底帝国『バンブーク第二帝国』に運び込まれた。
 ……いや、すでにその地は『シーヴァスリー』によって制圧され、滅びている。

 新たなる地底の主となった『シーヴァスリー』に運び込まれた赤い最新鋭機は、必ずやオブリビオンマシンと化して猟兵の予知に引っかかることだろう。
「……『アハト・スカルモルド』……これが君の言うところの『全て良い未来に繋がる』ことなのならば」
 メンカルは、生命果てる『エース』を看取る。
『過去』が『今』を推し進める。
 轍となった者にできることは、より良き『未来』へと背を押すことだけ。故に、『アハト・スカルモルド』はそれを、約束を果たしたのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2022年07月22日


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#クロムキャバリア
#グリプ5
#ACE戦記
#シーヴァスリー


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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト