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【サポート優先】天地に仁あらず

#ブルーアルカディア #【Q】 #雲と土の迷宮


 これはサポート参加者を優先的に採用するシナリオです(通常参加者を採用する場合もあります)。


「エリック!」
 焦りを滲ませた青年の声に応えるように、白い霧の中から音が響く。
 ずしゃりと背中から倒れ込んだのは一人の少年。
 深々と貫かれた彼の腹部からは、助からない量の血が流れ出ていた。
『キィッ』
 虚ろな少年の瞳のすぐ前を駆け抜けたのは、黄色い兎のようなモンスター。
「――」
 青年が俊速で骨弓の弦を震わせれば、少年の血に染まったモンスターの体が、だんっ、と壁面に縫い付けられる。
 だが既に青年の後頭部には別の敵が迫っていた。
 けたたましい鳴き声と羽ばたき音。たちまち切り裂かれた青年の体が、少年の上に折り重なって倒れる。
 小型飛空艇『カティサーク』が、処女航海から戻る事は無かった。


「板子一枚下は地獄……なんて言うけど、あの世界はそれどころの話じゃないわよね」
 グリモアベースの片隅を訪れた猟兵達を前に、アメリア・バーナード(掴空・f14050)がそう呟く。
「あ、ごめんなさい。話を続けるわね」
 アメリアが話すのは、ブルーアルカディアの雲海と、そこに調査に向かった小型船に関する予知だ。
「雲海は落ちたが最後。人も物も全てが消滅して、やがて屍人帝国のオブリビオンとして蘇ることが知られているの。その内部について、王国が調査を始めたわ」
 これに同行して欲しいというのが、今回の依頼である。

 果たしてオブリビオンを生み出す性質はどこから来ているのか。
 有益な情報だが、それが未だ判明していないのは、雲海へ降りていく事自体が危険な探索行である事を、ブルーアルカディアの人々が熟知しているからに他ならない。
「でも勇士が二人、護衛を志願してくれたわ。王様が用立てた調査員と……あとは船の操舵師もいるわね」
 指折りを4つで止めたアメリアを前に、勘の良い猟兵が『ひょっとしてそれだけしか居ないのか』という眼差しを送れば、あっさりと肯定が返って来る。
「近くの島で大きな戦いがあってね。他の勇士達や王国騎士達は戦後処理に出てるの」
 小型飛空艇に積まれた天使核も、その戦いに参加した勇士二人の戦利品だ。支援砲撃に回せる天使核エネルギーのリソースは無いだろう。
 猟兵達は、ほぼ人力で船の護衛を行う事になる。

「まずは雲海に飛び込んですぐ、周囲の雲の中からたくさんのオブリビオンが現れるわ」
 魔獣化した野生動物『ツノウサギ』の群れ。
 アメリアの予知では、勇士達は押し寄せる彼等に対処し切れず、雲海内部に突っ込んで果てたという。
「でもツノウサギ達をなんとかすれば、そのまま調査に移れるわ。停泊してる場所の魔力分析とかは調査員がやってくれるから、みんなは探索をお願いね」

 もちろんその後は脱出しなければならない。
 勇士達の守る飛空艇に戻るためにも、迅速な行動が求められる。
「最初から最後まで危険な調査になるだろうけど……無事に戻って来て頂戴。それじゃ、よろしくね」


白妙
●サポート優先依頼
 これはサポート優先依頼です。
 マイペースにサポートプレイングを採用していく予定です。
 通常プレイングも受け付けています。その際は「プレイング受付中」タグでお知らせ致します。

●第1章【集団戦】
 雲海内部に突っ込むや現れる『ツノウサギ・飛行種』達との戦いです。
 飛空艇を足場に戦うにせよ、飛ぶにせよ、空中戦となるでしょう。
 勇士達は指示を出さなければ固まって防戦に徹します。

●第2章【冒険】
 雲海のおそらく浅層にある「何か」の調査を行います。
 勇士達は停泊した飛空挺の護衛に残る予定です。

●第3章【集団戦】
 ある程度調査を進めた所で、再び下級オブリビオン達が現れます。
 進路を塞ぐ敵は蹴散らし、追う敵を振り切り、危険な雲海を脱出しましょう。

●カティサーク
 新造の小型飛空艇。
 逃げ足は王国一ですが、火力は無きに等しいです。

●勇士
 現在2名が同伴しています。
 猟兵達と比べて実力は劣りますが、適切な連携や指示の下では役に立ちます。

 エリック:人間・13歳男・翔剣士。
 得物はスカイソード。近寄れば強い。

 リッソス・人間・27歳男・魔獣解体士。
 得物は獣骨弓と鉄の矢。離れれば強い。

●プレイング受付
 全章、断章投下後となります。
 何かあれば依頼タグやマスターページに随時記載致します。
 宜しくお願い致します。
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第1章 集団戦 『ツノウサギ・飛行種』

POW   :    兎角
予め【角に電気をチャージする】事で、その時間に応じて戦闘力を増強する。ただし動きが見破られやすくなる為当てにくい。
SPD   :    脱兎
空中をレベル回まで蹴ってジャンプできる。
WIZ   :    飛兎
【ふよふよと飛ぶ。何故飛べるのかという興味】の感情を与える事に成功した対象に、召喚した【、あるいは元々自身の付近にいた仲間の兎】から、高命中力の【電撃】を飛ばす。
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 燦燦と輝く朝日が、眼下に迫る雲の塊を琥珀色に輝かせている。
 王国から少し離れた地点の雲海を調査すべく、その高度を徐々に下げつつある小型飛空艇『カティーサーク』。
 その食堂で、剣を担いだ一人の少年が猟兵達に近づいて来る。
「君たちが同行してくれる勇士達? 僕が船長さ。よろしくね」
 少年と、その隣に立つ二人の男女と猟兵達は握手を交わす。
「リッソスだよ。狙撃が得意な弓使いで、僕の同僚さ」
「彼女はティエラ。雲海内部についたら、船の周囲で調査を担当してもらうね。ただし戦えないから、僕らもそこに残ることになるけど」
 屍人帝国からのカモフラージュ、脱出時の速力、勇士達の名声――様々な理由はあるだろう。
 だが剣士一名に射手が一人。それがこの小さな船の全戦力『であった』事は間違いない。
 激しい軋み音。そちらに一斉に顔を向ければ、窓の向こうは既に白い雲に包まれていた。
「船に搭載されてる天使核も少ないから、支援砲撃とかはほぼ出来ないと思って欲しい。天使核エネルギーを放つ大砲はあるけど――」

 ――そう少年が言いかけた時、船底を叩く音が響いた。
「魔獣だ!」
 勇士達と猟兵達が甲板に出れば、視界は一面の白い霧。
 船は既に雲海の内部。たちまち霧の中から、いくつか丸い何かが湧き出す。
『キュ』『キュキュ』
 それは愛らしい兎のような存在だった。
 だが額には、激しく火花を上げる緑の角が生えている。
 そして、ふわふわと宙に浮く体のバランスを取るように、長い両耳がゆっくりと揺れていた。
『ツノウサギ飛行種』――れっきとしたブルーアルカディアの魔物だ。

「来るぞ!」
 誰かの叫び声。飛び出す兎達。
 二つの流れが、雲の中で激突した。
シフィル・エルドラド(サポート)
『皆に元気を分け与えにやって来たよ!』 

ハイカラさんの勇者×国民的スタアの女の子。
 普段の口調:明るい(私、あなた、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)
 嬉しい時の口調:ハイテンション(あたし、あなた、~さん、ね、わ、~よ、~の?)

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。

元気一杯で天真爛漫な性格をしていて、ポジティブな思考の持ち主。
困っている人や危機に陥っている人は放ってはおけず
積極的に助ける主義です。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!


アス・ブリューゲルト(サポート)
「手が足りないなら、力を貸すぞ……」
いつもクールに、事件に参加する流れになります。
戦いや判定では、POWメインで、状況に応じてSPD等クリアしやすい能力を使用します。
「隙を見せるとは……そこだ!」
UCも状況によって、使いやすいものを使います。
主に銃撃UCやヴァリアブル~をメインに使います。剣術は相手が幽霊っぽい相手に使います。
相手が巨大な敵またはキャバリアの場合は、こちらもキャバリアに騎乗して戦います。
戦いにも慣れてきて、同じ猟兵には親しみを覚え始めました。
息を合わせて攻撃したり、庇うようなこともします。
特に女性は家族の事もあり、守ろうとする意欲が高いです。
※アドリブ・絡み大歓迎、18禁NG。



『キュキュ』『キュア』
 可愛らしい獣の鳴き声が、すぐに悲鳴へと様変わりする。
 雲海の只中を幾度も切り裂くのは捕捉すら許さぬ鋭い斬線、そしてそれに続くのは断末魔。
 目を奪う程に輝かしい戦闘着が凄まじい勢いで翻る度に、揺れる金色の髪に紫と水色の蝶が見え隠れする。
 後光が纏うオーラからたなびく光輝を照り返すのは、蒼海を思わせるエメラルドブルーの瞳。
 既に十を数える敵を前にして、シフィル・エルドラド(ハイカラさんの勇者・f32945)は大立周りを演じていた。
「勇士のみんな、助けに来たよ!」
「ここは俺達が食い止める。二人は船内廊下を守ってくれ」
『ギュ!?』
 シフィルの背後に回り込もうとした敵の一体を、アス・ブリューゲルト(蒼銀の騎士・f13168)の放つ熱線ビームが撃ち抜く。
「隙を見せるとは……そこだ!」
 後退を始める勇士達。それを追跡する敵群を察知し引き金を引けば、片手のブラスターが連続で砲声を上げる。
 迸る蒼いブラスター光に照らされるゴーグル。その奥では既にサイバーアイによる分析が始まっている。
 正確無比。戦場を乱れ飛ぶブラスターは、たちまちツノウサギの一群を全滅させた。
「さぁ、行くよ!」
 勇士達の離脱を確かめたシフィルが、前線での動きをさらに活発化させる。
 理想郷の名を冠する聖剣が振るわれれば、船上の風を斬り裂き宙に描かれるのは眩い極光。その度に兎の魔獣が両断される。
 だがそれでは終わらない。直撃の寸前、ぴょんと後退した小さな魔獣が、掠り傷を負いつつも戦場を離脱しようとした瞬間――その小さな体は別の剣に貫かれていた。
「私の剣からは、逃れられないよ!」
 いつの間にかシフィルの周囲に浮かんでいたのは、無数の剣。それはどうやら攻撃を当てた者を追尾するように動いているらしい。
 一匹、また一匹。刻印を刻まれたツノウサギの体が、退避する間もなく鉄の刃に貫かれ、消滅していく。
 優勢。だが剣を振り切った瞬間、シフィルの心にある問いが浮かぶ。
 目の前をふよふよと漂うツノウサギ。
 彼らはどのような仕組みで飛んでいるのだろう。
 そんなシフィルの心の呟きを読んだかのようなタイミングで――左死角から、殺気が奔った。
 角に電気を纏わせ、ぴょんっと迫る6体もの兎達。
 ツノウサギ達の連携攻撃だ。急いで盾を掲げて反応するシフィル。
 だが
「――貰った」
 直撃の寸前に割り込むように、甲板に置かれた樽の物陰から、蒼光が幾度も閃く。
『ギュ!』『キキィ!?』
 左右二発ずつ、合わせて四発。
 瞬時に空間を駆け抜けた無数の熱線は、なんとその全てがオブリビオンの心臓を射抜き、焼失させていた。
 残り2体の突進がシフィルの体を揺らす。だがしっかりと構えられた聖盾は雷角を弾き返し傷一つない。
「っ!」
 歯を食い縛り耐えるシフィルの目前を駆け抜けたのは蒼い二本の熱線。間延びした一瞬の中で、それらは二つとも正確に魔獣の小さな頭部に到達し、絶命させる。
 乾坤一擲の突撃を防がれたツノウサギの一群は、体勢を立て直す間もなく、二人の猟兵を前に殲滅されたのだ。
「ありがとう、アスさん!」
「……ああ」
 CODE:サジタリウス――アスに気付いていない者の、任意の身体部位をほぼ確実に攻撃できる、強力なユーベルコード。
 そしてあたかも物陰に潜み隠れるように動く後衛のアスを、戦場の誰一人認識していなかった。
『キュ』『チキッ』
 戦況の変化を察知してか、周囲の雲から、さらに敵の増援が生まれ出て来る。
 正眼に構えるシフィルと、側面を守るように二丁拳銃の砲口を向けるアス。
 動揺は無い。互いの実力を確認出来た事は勿論、敵の生まれ出る間隔にも限界がある事を2人は察知していた。
 であるならば、対処は十分に可能だ。
「もう一度やるぞ。シフィル、陽動を頼む」
「うん、わかった!」
 駆け出す勇者と、物陰に潜む射手。
 二つの影が、白雲の残滓を散らした

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

寺内・美月(サポート)
アドリブ・連携歓迎
※エロ・グロ・ナンセンスの依頼はご遠慮願います。
・依頼された地域に亡霊司令官(顔アイコンの人物)と隷下部隊を派遣。美月がグリモアベースから到着するまで(サポート参加では現地にいない状態)、現地での活動に必要な権限を付与
・基本は一個軍団(歩兵・戦車・砲兵・高射・航空・空挺のいずれか)に、出動しない軍団から一個師団程を増強し派遣
・戦力不足の恐れがある場合は、上記の兵科別軍団を二十~三十個軍団ほど増派し派遣軍を編成
・敵に対し砲兵・高射・航空部隊の火力、戦車・空挺部隊の機動力、歩兵部隊の柔軟性を生かした戦闘を行う
・他の猟兵の火力支援や治療等も積極的に行い、猟兵の活動を援護



 雲海の中から生まれ出るオブリビオンの群れ。その動きは読み難い。自身等もその中にいるのならば、なおさらだ。
 今やツノウサギ達の飛空艇を取り巻いており、その気配を至る所から察知できる。
 ましてや上――飛空艇のさらに上方の雲を割り、襲い来る十もの敵群に対しては、勇士の射手も反応するのがやっとであった。
『キュ』
「……!」
 急降下を始める魔獣の群れに勇士が矢を放ち2体を射抜く。だが圧倒的に手数が足りない。
 苦渋に表情を歪めたその瞬間――空中で巻き起こった大爆発が、敵塊を四散させた。
「!?」
 瞠目する勇士が、すぐさま背後の気配に気づき、振り向く。
 果たしてそこには、一人の人物が立っていた。
「……」
 性別は男だろうか。無言で甲板に佇むその存在は、一部の隙も無い軍服の下から、幽玄たる雰囲気を漂わせている。
 目深に被った軍帽は表情の大半を覆い隠しているものの、その下からは固く結ばれた口と土気色の肌が覗いている。
 だが異変はそれだけではない。甲板のあちこちで、いつの間にか無数の兵士達が立ち働いていたのだ。
「敵群生成確認、全砲門展開――」
「追加師団、増援要請――」
 高射軍団、一個軍団。
 大砲が、重機関銃が、大型ライフルが。
 あらゆる防空兵装が空を睨み、飛行艇の甲板をハリネズミのよう埋め尽くしていたのだ。
 そしてあたかもその動きに対抗するかのように――上空の雲海が揺れた。
 すぐさま出現したのは、先程の倍以上はあろうかという数のツノウサギ。
 偶然か、意図的か。このタイミングで生まれ出た魔獣の大群は、めいめいが額の角に電気を纏わせ、一斉に急降下を始めた。
「……っ」
 オブリビオン達を目にした勇士が思わず歯を食い縛る。
 ふわふわとした空中の彼等の動きは、見た者の思考を、その飛行の原理へと仕向けるものだった。
 だがそれこそが兎達の狙い。隙を見せた瞬間に電撃を飛ばしてくるだろう。可愛らしい見た目ではあるが、同時に獣らしい狡猾さを備えてもいる。
 だが不思議なことに、将校も、周囲の兵士達も、身動ぎ一つしないのだ。
 その時――ザザッ、と司令官の胸元でトランシーバーが鳴り、そこから声が響いて来る。
「全防空部隊に発令……『明烏』発動」
 女性の声だった。おそらくは軍属の、冷静で隙が無い声。
 だがその響きは同時に、生者の温かみをも備えていた。
「……征け」
「……」
 す、と司令官が片手を上げて指令を下す。
 その手もまた土気色。
 そう。
 彼も、麾下の兵士達も、全て亡霊。
 唯一の生者である寺内・美月(霊軍統べし黒衣の帥・f02790)を守護する、亡霊兵団達。
 死して尚戦う彼等に、余計な感情など生まれる筈も無い。
「目標補足、全砲門展開――」
「仰角固定、斉射開始――」
 あたかも時計の機構のように、一糸乱れぬ砲撃が空を埋める。
 爆ぜる砲弾、集中される火線。壊乱するツノウサギ達が一匹残らず殲滅されたのは、部隊到着からそう時間が経っての事では無い。

成功 🔵​🔵​🔴​

赤星・緋色(サポート)
なんやかんやで事件を解決に導こうとします
フリーダムかつアグレッシブなアドリブも可

合わせ等も自由にどうぞ



 船べりの向こう側を覆い尽くすのは、真珠色に輝く雲。
 雲海へと侵入した小型飛空艇は、そこから次々と現れる魔獣「ツノウサギ」の急襲を受けていた。
 だがそんな兎達の多くを引き付け、赤い影が船上を疾駆していた。
 赤星・緋色(サンプルキャラクター・f03675)。暗視機能を備えたゴーグルのおかげで、視界の悪さは全く苦にならない。
「こっちこっちー!」
 とん、と木の甲板を踏めば、深紅のインラインスケートが大気を圧縮し、雲を含んだ風が甲板に渦を描く。
『!!』
 そして時折振り返れば、脇に抱えた大きなガトリングの銃口を向け、反動を殺しつつバースト射撃。
 その度に数体のツノウサギが甲板に落ち、天使核の輝きを残して消滅していく。
 蒸気と魔力の残滓をその場に残し、再び駆け出す緋色。魔獣達も宙空を蹴って追おうとするが、加速力の差は歴然。ぐんぐん引き離される。
「……へへ」
 独走を保ちつつ、緋色は笑みを浮かべる。
 新造船の真新しい木の匂い。雲の匂い。そして何よりも、澄んだ上空の空気。
 これらを同時に味わう事の出来る機会は、ブルーアルカディアでは日常茶飯事。だが他の世界では滅多に無いだろう。
 空の世界の冒険の始まり――そんな言葉が緋色の脳裏にちらつく。
「……よし、そろそろ決めるよ!」
 沸き立つ心のままに、だん、と跳躍。
 みるみる迫る船の手摺に両足裏を吸い付け――次の瞬間に備えて、未だ横向きの体を、宙で思い切り縮めた。
「ひっさーつ!!」
『キュ!?』
 緋色が、消えた。
 否。
 豪速を纏い、魔獣達の頭上を駆け抜けた。
 突然の反転攻勢に浮足立つツノウサギ達。
 その頭上から、色とりどりの属性弾が降って来る。
『ギュ!』『キィ!』
 驟雨の如く降り注ぐ属性弾の雨を前に、あっという間にツノウサギの群れは壊乱状態に陥る。
 ある個体は撃たれた瞬間、その毛皮を炎で包まれ焼き焦がされる。
 またある個体は水圧で叩き潰され、声も上げられずに消滅した。
 そしてまた別の個体は風の力で船外まで跳ね飛ばされ、そのまま雲の壁の向こうへと消えた。
「まだまだ行くよー!」
 そこへ再度、ガトリングを咆哮させながら緋色が滑空してくる。
 轟音と共に投下される光の弾幕。響く断末魔。飛空艇の甲板は瞬く間に興奮の坩堝と化す。
 その上空で赤い風と化した緋色は、厚い雲を幾度も突っ切り、ツノウサギ達を蹂躙し続けたのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

高柳・源三郎(サポート)
旅芸人一座の座長、それが高柳源三郎じゃ!!(まだ零細なんじゃがな......)。
性格は酔いどれおやじじゃが旅芸人一座の座長なので本番(戦闘)では酔いが殆ど覚めて戦うことが出来るんじゃ。
武器である【不思議なたぬき人形「はな」】【暗殺用たぬき人形「たろう」】を使いまるで踊りや人形劇をするかのう様にユーベルコードを使い戦うのじゃ。時々【竜珠】に封じ込めてある骸魂・八岐大蛇に乗っ取られて暴れて回ってしまうんじゃ。
情報収集は芸をして道行く人の足を止めて人達の噂話を聞けば集められると考えてとるんじゃ。
宴会技能が高いので戦場で宴会をするんじゃ。
口調は(わし、~殿、じゃ、のう、じゃろう、じゃろうか?)です。



「しまった!」
『キュキュ』
 鳴き声と共にぴょんと一跳ね。数匹のツノウサギが勇士の足元を抜いていく。
 船の上を駆けまわるオブリビオンの数は多い。
 応戦する勇士達。だが全ての敵に対応することは敵わず、そのうちの3体が甲板を抜け、船の入口へと飛び込もうとしていた。
 だがそれを阻むように、雲霧の奥で、きらりと何かが瞬く。
『キュ!?』
 音も無く、兎の耳の付け根に暗器が突き立ち、先頭の体が甲板へと落ちる。
「騒がしいのう」
 そんな声に続いて、ぐらりと体を揺らし、高柳・源三郎(幕府公認?の飲んだくれ野郎な旅芸人で座長・f15710)が姿を現した。
「もっとも、こうも煙たいと宴日和とは言えんから、船室で飲んどったんじゃが」
 入り代わりで霧の奥へ消えようとする狸を、源三郎は押しとどめるかのような動きを見せる。
 その場の全員がすぐに理解した。源三郎は狸の人形を使い、宴会芸をやっているのだ。
「おうおう、たろう。よしよし」
 源三郎と狸の応酬に甲板が明るい雰囲気に包まれる。それに反応したのか、残る2体の兎は、芸を披露する源三郎に鋭い角の先端を向けると、そこに電流をチャージしていく。
『キィ!』
 そして畜力が完了した瞬間、2匹は一斉に駆け出した。
 仕掛けるのは大威力の突進。雷を纏った角の一撃は直撃すればタダでは済まない。
 だが兎達は見落としていた。源三郎の動きが酔漢らしからぬ確かさを備えている事を。
 直撃の寸前、ピキィ! と澄んだ音。
 オブリビオンの角が、不可視の障壁に跳ね返されたのだ。
 そのまま反対方向へと飛ばされ、鞠のようにバウンドする兎の体。そのうちの1体の脳天を「たろう」の放った暗器が貫き、絶命させる。
「芸をしとる間は手を触れてはいかんのじゃ」
 ぬおっ、と謎の擬音と共に、いつの間にか残る1体に肉薄していた源三郎。
 その側には、不思議な力で源三郎を守ったもう一体の人形、狸の「はな」がいた。
 巧みな攻防を、酒が入っているか否かにかかわらず続行できる源三郎の出現は、確かに戦況の逆転、すなわち勇士達の優勢を予感させるものだ。
 だが――そこに至るまでの一悶着が、今まさに源三郎の腹中から生じつつあった事を、この場の誰もが予想する術を持たなかった。
「……こ、このタイミングで……」
 源三郎の顔色が急速に青ざめていく。
 その異変を察し、勇士の青年が咄嗟に弓を引いた。
 源三郎――おそらく接近戦を仕掛けようとしたのだろう――のすぐ目の前では、最後のツノウサギが体勢を立て直しつつあったからだ。
 このままでは危ない――そんな勇士の判断は、幸か不幸か、杞憂に終わった。
「もう駄目じゃ、限界……」
 飛び掛かるツノウサギの角を、源三郎は最後の力を振り絞って後ろに倒れ込み回避。
 背中を甲板にぶつけた瞬間、その口から大量の物体が、勢い良く噴出した。
『!!!!???!!?!?』
「◎×△*#$%&~~~~」
 雲海を背景に、綺麗なアーチを描く液体とも固体ともつかぬ大量の物質。それをまともに受け、ツノウサギがその目を文字通り白黒させながら墜落する。
 そして兎は源三郎と同じ体勢でその体を痙攣させていたものの、やがて、天使核の輝きをその場に残して消滅した。
 アルコール臭漂い始める船上。そこには大の字で横たわる源三郎と、彼を介抱するかのように動く二体の狸の人形。そして呆気に取られた様子の勇士一人だけが残される。
 だがともかくも、源三郎が兎達が飛空艇内部へ侵入するのを阻み、船員達を見事守った。それだけは、紛れも無い事実であった――。

成功 🔵​🔵​🔴​

伊藤・毅(サポート)
『エネミータリホー、ドラゴン01、エンゲージ』
 普段の口調は「真面目(自分、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」、戦闘中は「無口(自分、呼び捨て、言い捨て)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、基本的に生身では戦闘を行いません。
空中戦をメインに戦い、航空爆撃や戦術偵察で地上の味方を助けます
依頼の達成を最優先とし、戦闘機パイロットとしての行動規範を根底に行動します
そのほか、キャラクターを壊しすぎない範囲でお願いします



 遥か上空を旋回する鉄の機体が、雲海の中にひとつの影を見つける。
「エネミータリホー、ドラゴン01、エンゲージ」
 それを視界の中央に捉え、伊藤・毅(Nemo・f06702)が操縦桿を前方に倒せば、機体の窓の外が白い霧に包まれる。
「雲海侵入、気圧低下、生命反応多数……」
 やがて毅の目の前に、一台の船が現れた。
 それは毅の駆るJSFライトニングとは源流を異にする、空飛ぶガレオン船と言うべきもの。
「救助目標確認、接近開始」
 雲海の調査に向かったブルーアルカディアの小型飛空艇。
 なおも毅が目を凝らせば、甲板を小さなウサギのオブリビオン達が絶えず跳ね回っていた。
 彼等が今回の標的で間違いないだろう。ならば武器を手に兎と交戦する人影はブルーアルカディアの勇士、今回の護衛対象だ。
「船の上に敵影、勇士二人が交戦中……」
 戦況を報告する毅の声がトランシーバーの残響と共に掻き消える。
 案の定、レーダー反応。ガレオンの船から少し離れた場所で、十体程のツノウサギ達が雲海から生まれつつあった。
 素早く毅は反応。そちらに機首を向けると、レーザー誘導のスマートボムを準備する。
「目標補足、侵入コース適正、誘導装置起動、自動投下用意」
 甲板に立つならともかく、上空から俯瞰しつつ行われる他船からの援護は、勇士達が何よりも切望するものに違いない。
 逆にツノウサギ達にとっては大きな脅威だ。通常であれば阻止しようとしてくるだろう。だが毅の機体はステルス機能を保っており、未だ彼に気付く個体はこの場に存在しない。
 恙無く整う発射の準備。これから始まる独壇場を前に、毅は淡々と宣言する。
「……爆弾投下」
 瞬間、爆撃機のポッドより、大量のミサイル群が放たれた。
 曲がりくねった飛行機雲を残し、数秒かけてゆっくりと飛翔したそれらは――急いで回避行動を取ろうとしたツノウサギの群れを直撃。
 閃光が周囲の雲海を琥珀色に照らし、それに次ぐ爆発音が僅かな振動となって大気を震わす。
 その後も毅はステルス状態から高精度のミサイルを放ち続け――無数の兎を雲海の塵と化したのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

大神・零児(サポート)
アドリブ共闘可
多対一又は多対多の場合
多数を一度に相手取るUCを

味方や護衛・救助対象への援護や支援が必要な場合
味方や護衛・救助対象へのサポートとなるようなUCを

各個撃破の場合
UCの選択はマスターに任せ

戦闘のみ
所持している武器・アイテムを効果的に使い戦局を有利にするよう行動

救出・護衛
対象者の命最優先で行動
敵の動きに注意し、牽制しながら戦う
仲間との連携・連絡はアイテムも駆使し密に

常時使用技能
戦闘知識
第六感
野生の勘
見切り
世界知識
地形の利用
咄嗟の一撃
学習力
情報収集
早業
敵を盾にする

護衛・救出対象等有
拠点防御
時間稼ぎ
鼓舞
失せ物探し
オーラ防御
覚悟
救助活動
かばう
聞き耳

C-BA使用
運転
操縦
運搬
騎乗


筒石・トオル(サポート)
「邪魔をしないでくれるかな」
「油断大敵ってね」
「ここは任せて」
正面切って戦うよりも、敵の動きを封じたり、属性防御を固めて盾や囮となったり、味方が倒し切れなかった敵にトドメを刺して確実に倒すなど、味方の安全性を高めるように動く。
ユーベルコード使用はお任せ。
使用しない場合は、熱線銃での援護射撃を主に行う。
人見知りではあるが人嫌いではないし、味方が傷付くのは凄く嫌。
戦うのも本当は好きではないが、誰かを守る為には戦う。
もふもふに弱い。敵がもふもふだと気が緩みがちになるが、仕事はきちんと行う……ホントだよ?


四条・眠斗(サポート)
ぅゅ……くぅ~……あらぁ?
いつの間にか始まってましたかぁ~?
さっさと事件を解決しないとぉ、安心してもうひと眠りできませんからねぇ~。
ユーベルコードは出し惜しみしても仕方ありませんからぁ、
一気に片づけるつもりでやっちゃいましょう~。
案ずるより産むがやすしともいいますしぃ、躊躇うよりはいいですよねぇ~?
こう見えてもぉ、腕には少し自信があるのですよぉ~。
それにぃ、様子を見てる間にまた眠くなっちゃっても困っちゃいますしぃ。
荒事じゃなくてぇ、楽しいことならめいっぱい楽しんじゃいましょう~。
のんびりできるところとかぁ、動物さんがたくさんいるところなんか素敵ですよねぇ~。
※アドリブ・絡み歓迎



 ブルーアルカディアの雲海から現れる者は全て、遠くない将来、世界を破壊する存在だ。
 たとえその見た目が、可愛らしい兎のモンスターであっても。
「……」
「どうした?」
 飛空艇の甲板に敷かれた猟兵達の戦列。その最前衛には剣士の少年も加わっている。
 彼と肩を並べる大神・零児(魂から別れたもう一人の令二・f01283)が、すぐ後ろに居る筒石・トオル(多重人格者のマジックナイト・f04677)に声を掛けた。
「うん、だいじょうぶ……少し気が緩んでただけ」
 気付いたように眼鏡の奥で黒い瞳を見開くトオル。瞳に映ったのは、ふわふわもこもこのぬいぐるみを思わせる、金色ウサギのオブリビオン達だ。
『キュ』『キュキュ』
 実の所、トオルはもふもふには目が無い。愛らしい存在がこの手に触れられる場所にあると思えば、つい気が緩みがちになってしまうのだ。
「心配しないで。仕事はきちんとするから……ホントだよ?」
 トオルがそう言って照準を合わせ、引き金を引く。
 連続で放たれるのは熱線。それを避けようとツノウサギ達は悲鳴を上げながら飛び退く。
 追い詰められた先に飛来したのは結晶輪。
 白煙を透かして描かれた輝く円弧が、纏めて兎達を両断した。
「でもぉ、これだけ可愛らしい兎さんだとぉ、倒すのが心苦しくなっちゃうのもわかりますねぇ~」
 ブーメランのように戻って来る結晶輪をキャッチしたのは、たった今目覚めたかのような声色でトオルに応じる四条・眠斗(白雪の眠り姫・f37257)だった。
 付近に居たトオルを中衛、眠斗を後衛にひとまず置き、零児は無言で妖刀「魂喰」を抜き放ち、肉薄。手近な敵を一体斬り伏せた。
 戦いに私情を交えてはいけない。トオルの言うとおりだ。
 だがそれを眠斗と零児は、トオルとはまた別の感情を通して、その正しさを実感していた。
「かわいいうさぎさんなのに、なかなか凶暴ですねぇ~」
「……」
 どのようにして飛んでいるのか知りたい――それが眠斗と零児の胸に去来する思いだった。
 電雷を散らす角、空気を含んだ毛皮、ゆっくりと空中で螺旋を描く長い耳。バランスを取るように動く尻尾。
 それら全てが、敵対者の認識を誘導するための、いわば道具であった。
 だがそうだと気付いてしまえば、対処は幾らでも効くのもまた事実。
「この船の上では勇士達も交戦している。早めに片づけた方が良いだろう」
 オブリビオンの血を刀身から払う零児は、隣で風の剣を構えた少年の体のあちこちに、中程度の傷が刻まれている事に気付いている。
 そう長くは支えられない。零児の意見に眠斗も同意する。
「案ずるより産むが易しともいいますしぃ、躊躇うよりはいいですよねぇ~?」
 前傾姿勢を取った零児の背中に、眠斗はヤドリギで編んだローブを被せる。
 掻き消える零児の体。一拍置いて、その姿がウサギたちの目の前に現れた。
『キュ!?』
「――尤も、これを使いたくはないが、な」
 零児の全身を、妖刀が溜め込んだ呪詛と魂が覆い尽くす。
 ざ、と兎達が後退するよりも一瞬早く、流れる一閃が逃げ遅れたオブリビオンの長耳を断ち割る。
 ――悪夢魂喰『呪詛侵食』。この場に傷ついた勇士が存在する以上、その効果は決して小さくは無い。
 戦闘力増強と、生命力吸収能力、そこに眠斗により装甲と隠密力を上乗せされた零児は、蹂躙の体勢に入る。
「少なくとも零児さんが傷つくことは無さそうだね……僕達も慎重に行こう」
「はぁ~い、動かないでくださいねぇ」
「!」
 勇士の少年にも眠斗がヤドリギのローブを被せれば、少年は零児に負けまいとその後を追う。
『キュキュキュ!』
 強化された二人が刀剣を舞わす度に光が煌き、敵群が激しく動く。
 その流れの中で、数体が前衛の二人を飛び越え、後衛へと迫る。
 角に溜められた電撃を眠斗に向けて解き放とうとした瞬間――ブラスターと、別方向から鞭状の電流が飛来した。
 甲板に撃ち落されるツノウサギから、たんっとバックステップで身を躱すと同時、眠斗は結晶輪を再度放り投げ、残りを撃墜する。
「ありがとうございますぅ」
「どういたしまして」
 果たして物影から電流を放ったのは、身を隠しながら動く、もう一人のトオルだった。
「油断大敵ってね」
「敵の発生はもうすぐ限界に達する。そこを狙うぞ」
 最前線で勇士と共に奮迅の活躍を見せる零児は、しきりに後続を気にするような敵の動きから、戦いの終わりが近い事を察知していた。
 彼の言葉に、もうひとりの自分のポイントマンを努めるべく、トオルが前に出る。その背中を見ながら、彼の分身が意味ありげに微笑んだのにトオルは気付いただろうか。
「さっさと事件を解決しないとぉ、安心してもうひと眠りできませんからねぇ~」
『キュウ!?』
 いつの間にか忍び寄っていたツノウサギを、眠斗が巨大な白い錘で甲板に叩き伏せる。か弱いようで、接近戦をやらせても結構強いのだ。
 一体、また一体。勇士と猟兵達は、発生するオブリビオン達を着実に駆逐していくのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​




第2章 冒険 『雲と土の迷宮』

POW   :    飛来する危険物から仲間を庇う

SPD   :    迷宮深部へ続くルートを見つけ出し、素早く探索する

WIZ   :    雲海の危険な影響を魔法等で緩和する

👑7
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 オブリビオンを退けた飛空艇はなおも雲海を進み、やがて止まった。
「何かあるぞ」
 猟兵の一人が何かを発見する。
 全員でそちらを見れば、眼下にひとつ、茶色の土の塊のようなものが浮かんでいた。
 ――否。ひとつではない。
 ふたつ、みっつ。
 雲の奥から、無数の土塊が現れる。
 それは巨大な一つの島を形作っていた。
 よく注意して見れば、土塊のあちこちから、建築物の遺構のようなものも突き出ている。
「『島』の残骸だ……』
 一人の勇士が息を呑む。
 雲海の底に存在するもの。
 それは砕けた浮遊大陸の残骸で形成された「雲と土の迷宮」であった。

 残骸のひとつに船が接岸し、そこから猟兵達と勇士が迷宮へと乗り込む。
 最後に船から降り立った調査員の手には、様々な実験器具が握られている。
「私はここで地質調査を行います」
 戦えない彼女がここに残り、勇士達がそれを護衛する。それが当初の方針だった。
 だが、一人が呟く。
 これだけの人数が居るのだから、先に進んでみるのも良いだろう――と。

 全員で迷宮の入口に向き直る。
 背丈より少し高いU字の土の入口の向こうには、曲がりくねった道が覗いている。どうやら構造は思った以上に複雑そうだ。
 天井はなく、上空では小さな『残骸』が雲の中を飛び交っているのが見える。もし頭にでも当たればタダでは済まないだろう。
 そして上空の激しい気流に吹きまくられ、迷宮全体が微かに揺れてもいる。
 残骸で構成されている以上、ある程度の危険は仕方ないのかも知れないが、最悪この場所が消滅してしまう可能性がある。
 どのような手段を取るにせよ、先に進むのならば、迅速かつ慎重な行動が求められるだろう。
魔女・ウィッチ(サポート)
魔女装束姿で黒猫と共に箒へ乗って現れ、果実を一齧り。
「くくっ…良いじゃろう。偉大なる魔女であるこの我が少しばかり遊んで…話を聞きなさいよ!」
『にゃー!』

 西洋妖怪「ウィッチ」の魔女×レトロウィザードよ。
「この偉大なる魔女の使い魔にしてやるわ。光栄に思いなさい!」
「おばあちゃんが言っていたわ!◯◯だって!」

 左手に魔女導書を開き、右手に魔女揮杖を構えるわ!

 オブリビオンとかを自分の使い魔にするのを目的に行動よ!成功なら指輪へ捕獲!ドジを踏んで意図せず他の猟兵に迷惑をかける事も有るかもしれないけどわざとじゃないのよ!?
 装備は好きに使いなさい!ただし、無駄にしたら許さないんだからねっ!(ツンデレ感


六島・風音(サポート)
ガレオノイドのスターライダーです。
スピードなら誰にも負けません。

基本的に人の話を聞かず、スピード勝負に持ち込みます。
そんなことより駆けっこです。
天使核ロケットエンジン搭載の宇宙バイクで駆けるか、ガレオン船形態で駆けるかは状況によります。

ユーベルコードは使えそうなものはどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。

あとはおまかせ。よろしくおねがいします!


ミーヤ・ロロルド(サポート)
『ご飯をくれる人には、悪い人はいないのにゃ!』
楽しいお祭りやイベント、面白そうな所に野生の勘発動させてくるのにゃ!
UCは、ショータイムの方が使うのが多いのにゃ。でもおやつのUCも使ってみたいのにゃ。
戦いの時は得意のSPDで、ジャンプや早業で、相手を翻弄させる戦い方が好きなのにゃよ。

口調だけど、基本は文末に「にゃ」が多いのにゃ。たまににゃよとか、にゃんねとかを使うのにゃ。

食べるの大好きにゃ! 食べるシナリオなら、大食い使って、沢山食べたいのにゃ♪ でも、極端に辛すぎたり、見るからに虫とかゲテモノは……泣いちゃうのにゃ。
皆と楽しく参加できると嬉しいのにゃ☆

※アドリブ、絡み大歓迎♪ エッチはNGで。


陽殿蘇・燐(サポート)
バーチャルキャラクターの寵姫×国民的スタア?いいえ、これでも(元)ラスボスな悪女NPCよ。
基本は高性能スマホを利用して、配信しつつの行動になるわね。

ユーベルコードは指定した物をどれでも使用するし、多少の怪我は厭わず積極的に行動するの。これでもバーチャルキャラクターだもの。
悪女たるもの、その行為は健全な世界あってこそなのよ。だから他の猟兵に迷惑をかける行為はないわ。
また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしない。配信垢BANされちゃう。
あとはおまかせ。よきに計らいなさい(思い出した悪女ムーブ)


キマフュ出身なので、トンチキでも適応していきます。


春霞・遙(サポート)
UDC組織に所属して、UDC関連の一般病院に勤務している小児科医です。
行動の基本方針は困っている人が居るなら助けたい、人に害をなす存在があるなら退けたい。
戦う力はあまりないですけど、自分が傷を負うとしてもみなさんのお手伝いができれば嬉しいです。

基本的に補助に徹します。
「医術」「援護射撃」「情報収集」から、【仕掛け折り紙】【葬送花】での目くらましや演出、【生まれながらの光】【悪霊祓いのまじない】で照明や目印を付けるなども行えるかと思います。
攻撃は拳銃による射撃か杖術が基本で、その他はUCを使用します。
【悔恨の射手】【未来へ捧ぐ無償の愛】は基本的に使用しません。

シリアス以外ならいたずら好きの面も。


島津・有紗(サポート)
絡み・アドリブ歓迎
「じゃあ、始めましょうか」
戦闘前にイグニッションカードから装備を展開して装着します。
味方と連携しつつ索敵しながら行動し、相手との距離に合わせてなぎなた、強弓、ガンナイフを使い分けて戦います。
味方と連係する場合は、攻撃より味方の支援を優先します。
UCは状況に合わせた物を選択して使用します。


響納・リズ(サポート)
「皆様のお役に立てるよう、頑張りますわね」

移動時には、急ぐ要素があれば、ライオンライドを使って移動します。
洞窟など罠が予想される場所では、慎重に進み、万が一、けが人が出た場合は、回復UCにてすぐに癒します。
調査の際は、タロットを使っての失せもの探しや、礼儀作法を使っての交渉。聞き耳等を駆使して、情報を得ようとします。
交渉時は相手の機嫌を損ねないよう気遣いながら、気持ちよく話してくれるように進めます。

共同で進む際は、足手まといにならないよう、相手を補佐する形で参加したいと思います。

アドリブ、絡みは大歓迎で、エッチなのはNGです。


天城・千歳(サポート)
本体で行動出来る場所なら本体で、本体の入れない場所の場合は戦闘用リモート義体で行動し本体は義体からの情報を元に【情報収取】【戦闘知識】【世界知識】【瞬間思考力】を使い状況分析及び支援行動を行う。
戦闘状態になったら【誘導弾】の【一斉発射】による【範囲攻撃】で【先制攻撃】を行い、その後は【スナイパー】【砲撃】【レーザー射撃】で攻撃する。
敵の攻撃は状況に応じて【盾受け】で防御するか【見切り】【ダッシュ】【推力移動】を使った回避で対応。
味方とのコミュニケーションはリモート義体が【コミュ力】【礼儀作法】場合により【言いくるめ】を使って対応する。
協力体制を構築した味方に対しては、通信による情報支援を行う。


轟木・黒夢(サポート)
『私の出番?それじゃ全力で行くわよ。』
 強化人間のヴィジランテ×バトルゲーマー、19歳の女です。
 普段の口調は「素っ気ない(私、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」、偉い人には「それなりに丁寧(私、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。
性格はクールで、あまり感情の起伏は無いです。
戦闘では、格闘技メインで戦い、籠手状の武器を使う事が多いです。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



 雲海の中に現れた、土と雲の迷宮。
 その一つ、土塊の島に飛空艇が接舷し、渡された木の板を踏んで、猟兵達が上陸を果たす。
「急いで。どうやらこの場所は不安定みたい」
「状況確認、敵影――無し」
 徒手空拳の身軽な轟木・黒夢(モノクローム・f18038)が最初に島に降り立ち、それに完全武装の天城・千歳(自立型コアユニット・f06941)が続く。
 戦闘態勢の二人がクリアリングを済ませれば、今度は二人の勇士と、陽殿蘇・燐(元悪女NPC・f33567)と響納・リズ(オルテンシアの貴婦人・f13175)が慎重に降りて来る。
「かなり視界が悪いわね……」
「さぁ、こちらですわ」
 燐とリズが伴っているのは飛空艇の調査員だ。彼女が健在な限り、最低限の目標を果たすことが出来る。
「とはいえ、あまり派手に動かない方が良いかも知れません。何者かの気配がします」
 千歳の声に調査員も頷く。
 この迷宮は前人未到の場所だ。またオブリビオンが湧いて来る可能性は十分にある。故に迅速な調査が必要だ。
「誰かが残りますか? 燐さん」
「最低でも勇士達は残った方が良いでしょうね。なるべく静かに調査を進めて貰いましょう」
 黒夢と燐が方針を決め始めれば、そこに新たに降り立った春霞・遙(子供のお医者さん・f09880)と島津・有紗(人間の戦巫女・f04210)が加わる。
「何か成果があり次第、急いでこの場所に帰って来る……という形になるでしょうか」
「私達の方が戦闘力が高いなら、こちらに敵を引き付けた方が、却って安全かも知れませんね」
 いかに戦力を分散させるかの判断は、未知の場所であるこの迷宮においては難しい。
 話は進み、この場の全猟兵で迷宮探索を行う事に決まった時、黒猫を伴った魔女・ウィッチ(偉大なる魔女のサーガ・f33446)が、箒に乗って船から降りて来た。
「くくっ……偉大なる魔女であるこの我が素晴らしい策を……って、もう相談終わり!?」
「方針、全員出陣。さ、準備開始よ」
『にゃー』
 淡々と準備を進め始める黒夢の背で、果実を齧って悔しがるウィッチを前に一同は苦笑する。
 だが、半ば手負いの勇士達を護衛に残していくというのは多少の不安が残る。
「……というわけで、よろしくお願いしますね」
「皆様に、戦神のご加護がありますように……」
 遙が勇士の少年に近寄り手を翳せば、そこには暖かな光の玉が生まれ、高速で先程の戦闘で出来た傷を治癒していく。
 その上を優しく包み込んだのは、リズが展開した光のオーラだ。
 二人の癒し手に礼を言う少年。だが再び頭を上げた時、彼が目の前には、巨大な兵器のようなものが16機聳え立っていた。
「わわっ」
「一応、A-1歩行戦車を残しておきます。皆で生きて帰る為にも、船の防護は整えておかなくては」
「紋黄揚羽で属性を強化してあげるわ。光栄に思いなさい」
 ワイワイと相談を行う猟兵達により、飛空艇の防護が急速に整えられていく。
 その様子を確かめると、有紗は、銀誓館学園生徒の証でもある、イグニッションカードを頭上に掲げた。
「じゃあ、始めましょうか――イグニッション」
 閃光、光が晴れた時、有紗は巫女服に薙刀、そしてガンナイフという出で立ちだ。
「くっ、こうなったら、出てくるオブリビオンを私の使い魔にしてやるわ!」
 有紗の横ではウィッチもまた準備を整え終えていた。左手に開いた魔女導書を、右手に魔女揮杖を持つその姿は、まさに魔女そのものだ。
 あとは他の猟兵の準備を待つばかり。だがその時、有紗とウィッチの目前を何者かが猛スピードで駆け抜け、そのまま迷宮へと突入した。
「風音、待つのにゃ! 一人で進むと危ないのにゃ!」
「ミーヤちゃんもかけっこしたいんですか? 負けませんよ!」
 その場に天使核エネルギーの輝きを残し、みるみるうちに霧の奥へと姿を消したのは、六島・風音(スピードなら誰にも負けません・f34152)の宇宙バイク。
 走りに没頭する彼女のスピードに追い付くことを諦め、ミーヤ・ロロルド(にゃんにゃん元気っ娘・f13185)は迷宮の入口で頭を掻いた。
「しょうがないにゃあ……」
 ミーヤの周囲には続々と侵入準備を整えた猟兵達が集まって来る。
「そのうち戻って来るんじゃないかしら。この足場だと走りは無理かも」
「そうだと良いのですが……」
 全員で入口に向き直る。既にエンジン音は遠くに掻き消え、迷宮は静寂を保っている。
 顔を見合わせた猟兵達は、意を決して、その方向へ前進を開始した。


 勇士達と千歳の歩行戦車に船の護衛を任せ、猟兵達は全員で歩みを進める。
 とはいえ8人。先行した風音も合わせれば9人の大所帯。調査となれば徹底した隠密が求められる。
 猟兵達の並び順はこうだ。身軽な黒夢とミーヤが最前線を歩き、その2人の視界を燐が芭蕉扇で風を起こして確保する。ここまでが前衛。
 中衛はまず回復を担うリズがそれに続き、彼女の両翼を千歳と遙が銃器を手に固める。
 そして後衛は砲撃役のウィッチ。さらに殿を遠近に対応できる有紗が続く。
 盤石の体制。だが脅威は敵だけではない。
「みんなストップ! なんか見えるにゃ!」
 先頭で望遠鏡を覗き込むミーヤ。その隣で黒夢が目を凝らせば、確かに道の前方に何かが見える。
「よく、わからないわね……迂闊に近づいても危険だわ」
 この迷宮は浮遊大陸の残骸で組み上げられた場所だ。
 ただでさえ起伏の激しい地形。気流の影響を受けて微かに揺れ動き続ける地面。
 そして何より、濃霧にも似た雲海が視界を阻んでいる。
 一寸先は闇。土と雲が生み出した、自然の要衝だった。
「亀裂……でしょうか」
 黒夢の呟きを受けて後方の遙が、より確かなものを求めるように、靴の裏で土の地面を、じゃり、と撫でながらそう言う。
 武器を構える者、目を凝らす者、様々な反応を見せる猟兵達の中、燐が進み出る。
 スマホ片手に、もう片方の手で構えた芭蕉の葉に似た美しい扇を、前方に向けて一煽ぎ。たちまち目前の雲海が吹き払われ、道の前方の視界が開ける。
「礼には及ばないわ」
「ありがとうございます、燐さん……亀裂、でしたね」
 遙が予想し、有紗が確認した通り、目の前の通路はやや上り坂になっており、そこから数メートルの亀裂が口を開けている。
「どうしますか? まだ道は向こう側に続いているみたいです」
「少し時間を頂ければ、工兵部隊で橋をかける事が出来ますが」
「それお願いするにゃ!」
 千歳の歩行戦車が出現し、白い霧の中に、建材を運搬する音が響き始める。
「……静かですね」
「ええ」
 工事を監督する千歳を守るように立つ黒夢は、隣の有紗と顔を見合わせる。
 先程のツノウサギ達は怒涛のように雲海から現れ、飛空艇を脅かした。
 にもかかわらず、今はオブリビオンの影はおろか、物音すら無い。
 探索には好都合ではあるが、あるいは何かの前触れの様でもある。護衛を続けていた2人は、そうした懸念を終始抱いていた。
「これ、風音のだにゃ!」
 その静けさを破り、ミーヤが大声を上げる。
 彼女の視線は、地面についたタイヤ跡に向けられていた。
「飛んだのね。向こうに着地した跡があるわ」
 燐の呟いた通り、タイヤの跡は亀裂を飛び越し、亀裂の向こう側でまた始まっている。
「無茶する奴だにゃ……」
「とりあえず無事みたいですね。良かったです」
 遙も胸を撫で下ろす。人々を守るUDC組織の一員で、そしてなにより一人の小児科医。単身突入した風音の身が気になってもいたのだった。
 工事現場から少し離れた場所では、ウィッチとリズが地べたに腰を下ろしていた。
「占ってみますわね。風音さんと……今回の探索の成否について」
 す、と無造作にリズが一枚のカードを引けば、ぱちくり、とウィッチが目を見開く。
「世界……の正位置、ね」
「はい。おそらくは『成功』……全タロット中、最も良い意味を示します」
「単純に『堂々巡り』かも知れないけど」
 ウィッチの言う通り、タロットは一つの絵柄が状況次第で様々な意味を持つ。だがリズのタロットカードにも失せ物探しに関する実績がある。おそらくはどちらかが、あるいは双方共に正しいのだろう。
 その時、工事の音が完全に停止した。
「架橋が完了しました」
 千歳の声と共に、猟兵達は探索を再開するのだった。


 迷宮を進むにつれ、探索がし辛くなってくる。
 浮遊大陸の残骸で組み上げられた地面は、気流を受けて揺れ動き、今にも崩れてしまいそうだ。
 それだけでなく、視界も悪くなりつつある。
 燐が芭蕉扇を使う機会も多くなった、全員がそう感じ始めた頃。
「……止まって」
 声色を変えた黒夢が、ざ、と隊列を止める。
 一斉に武器を構える猟兵達。だが、前方で望遠鏡を覗き込んでいたミーヤが声を上げた。
「風音だにゃ!」
「あれ? みなさん、遅かったですね」
 ミーヤの言う通り、霧の中から現れたのは、風音だった。
 乗っているバイクの後方には、戦利品と思しき古びた剣が括りつけられている。
「行き止まりに小さな祭壇があって、そこにあったんです。多分それ以外に何もないですよ?」
 ユーベルコードで非戦闘行為に没頭していたこともあったのか、風音はピンピンしている。オブリビオンに襲われたような傷も見当たらない。
「占い、当たりだったみたいですね、良かったです」
「じゃあ、一応診ますから……」
 だがそう言いかけた遙がはっとした様子で振り返り、同時に銃器を向ける。
 千歳が、有紗が、ミーヤが。
 いつの間にか空中に迫っていた大きな影に、4つの発砲音が同時に放たれた。
『――――』
 けたたましい叫びを中断させたのは燐の紅紋揚羽による殺到。地に落ちる影を一瞬で黒夢が地に叩き伏せ、その魂をウィッチが指環へと封じ込めた。
「捕獲したわ! ……って、鳥型魔獣!?」
「船に撤退しましょう! 戦果は十分です」
 リズの声を待たず、霧の奥からは幾つもの敵影が見え隠れし始める。
「先導します!」
 スピードを落とした風音のバイクを追い、一斉に駆け出す猟兵達。
 揺れを強める迷宮。おそらくは崩壊を始めたこの場所で、猟兵達は迅速な撤退戦を開始した。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

レイン・ファリエル(サポート)
『さぁ、貴方の本気を見せて下さい』
 人間のサイキッカー×ダークヒーローの女の子です。
 普段の口調は「クールで丁寧(私、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」、機嫌が悪いと「無口(私、アナタ、ね、よ、なの、かしら?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。

性格は落ち着いてクールな感じのミステリアスな少女です。
人と話すのも好きなので、様々なアドリブ会話描写も歓迎です。

 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



 空に浮かぶ島の残骸で組み上げられた足場は粗雑で、風一つで簡単に軋みを上げる。
 雲海の底に存在する地は、踏み入れた者の迅速さと慎重さを奪う代物だった。
「……」
 だがその中であればこそ、確実に歩を刻み得る存在は、猟兵の中でも熟練と呼び得る存在だろう。
 レイン・ファリエル(クールビューティー・f17014)もまたその一人。
 凡百の存在であれば踏破すら危ぶまれる迷宮構造を前にして、彼女は心の平静を失わず、静かな前進を続けていた。
「何も、ない……ですね」
 少女の口から紡がれたか細い言葉は、微かに地面を伝い――たちまち霧の奥へと掻き消える。
 見渡す限り、雲海の靄。
 そして荒れた地面と側面を覆う土の壁。それが今のレインを取り巻く全てだ。
「……ふふ」
 自らの思い浮かべた光景にレインの口角が上がる。
 去来するのは、既視感。
 そう、これは嘗ての自分が居た場所と同じだ。
 さる歴史を刻んだ街にある、上流階級のみが踏み入る事を許された、豪奢な屋敷の長い廊下。
 そこは静かで、窮屈で――生命の兆候すら見られない、殺風景な場所。
 レインの日常は旅立つことで一変した。一人旅の孤独と引き換えに様々なものを得た自覚は十二分にある。
 だが当時の記憶を消せる筈も無い。それは今もレインの胸に訪れ、時として彼女の心象に奇妙な対比を突き付けるのだ。
「おかしなものですね……」
 ざ、と立ち止まる。
 第六感。
 正確には、猟兵としての第六感。
 それが、ほんの数歩の間空想に旅立っていたレインの意識を現実へと引き戻した。
 このまま進めば内心肝を冷やすことになる。そんな警告とも呼べるような、眉間がひりつくような感覚だ。
「……」
 霧が僅かに晴れ、見えたのは――亀裂。
 それもかなり大きい。
 島の残骸同士が大きく切り離され、続いていた筈の道を五メートルほどに渡って分断している。
「――さて」
 ふわり。
 数歩の助走をつけたレインの体が、虚空に身を躍らた。
 時折地面を蹴るような素振りを見せれば、それに合わせて風に吹かれたラベンダーの花弁の如く、その体躯が空中で跳ね上がる。
 サイレント・ステップ――静かにして優雅な空中での跳躍を幾度か繰り返した末、レインは、向こう岸へと到達した。
 とん、と軽い音を立てて着地。いつも通りに背筋を伸ばせば、それに従い豊かな紫の髪が肩へと落ちる。
「何度感じても慣れないものですね……」
 徐々に引いていく危機感。この余韻をレインは幾度と無く味わって来た。
 だがそれは危機が去った証でもある。今や亀裂は背後にあり、レインの目の前には新たな道が開けている。
「……たとえ空中であろうとも、私の歩みは止められませんよ」
 おそらくこの迷宮にはこれ以上の障害は存在しないだろう。であれば、レインの独壇場だ。
 新たに漆黒の外套を纏い、先に進むレイン。濃霧の奥へと溶けていく彼女の胸元で、黒十字が、ちり、と揺れた。

成功 🔵​🔵​🔴​

ユーリィ・ミニットマン(サポート)
招集に応じ馳せ参じた。魔獣狩人のユーリィだ、宜しく頼む。
相手は魔獣か?それともそれ以外か?
いずれにせよ、全力を以てこの狩りに臨もう。

オレの主な武器は、鋸鉈に散弾銃──一般的な狩人の装備だな。何方も射程は短いが、補う為の狩道具もある。
例えば、この小型天使核を内蔵した変形式の罠は浮遊させることが出来る。飛ぶ相手に対しては空中機雷の形として運用することが多いな。

それに、攻撃が届かないなら近づけばいいだけの話さ。そうだろう、皆?
……紹介が遅れたが、この群狼たちはオレの仲間、家族とも呼べる存在だ。共に狩場を駆け、狩猟を行う。
つまり、オレは獣と共に魔獣を狩る狩人だということだ。覚えておいて貰えると助かる。



 散弾銃を手に、土と雲の迷宮を一人歩むユーリィ・ミニットマン(寄る辺無き民・f33966)。
 だがその目的は、未知の場所の探索という漠然としたものでは無かった。
 ――狩りだ。
「よし」
 自身を囲むようにして、淡い光を発する小さな気球のようなものが幾つか付いて来るのを見て、ユーリィはそう呟く。
 仕掛け罠。小型天使核を動力とし、空中機雷のような役割を果たしてくれる。
 そして手には鋸鉈と散弾銃。いつ雲海から魔獣が湧き出しても対応出来る体勢だ。
「しかし――」
 慣れないものだ。そう言いたげなユーリィの声が、霧の奥へと掻き消える。
 彼が土と雲の迷宮を訪れたのは初めてではないが、この不安定な足場は、自身の住んでいた浮遊大陸というものが、実に不安定なものであった事を再認識させられる。
 一歩間違えば雲海の底へと真っ逆さま。探索が第一目的である以上、当然他のメンバーはそちらに手一杯だろう。
 どう立ち回れば良いか――その一点において、ユーリィは他のメンバーと比べて一日の長がある。
 それは魔獣への警戒と言う形で行動の舵を切らせ――直ちに結実した。
「――行け」
 爆発音。
 仕掛け罠が爆ぜた方向へ狼の群れが駆ける。
 どさりと何かが地に落ちる音。狼の吼え声とけたたましい鳴き声の応酬。
 そちらへ向けてユーリィは駆けつつ、手に持つ散弾銃を構え直す。
 天井がU字型に開けたこの迷宮において、空中の敵の有利は明らか。ユーリィの罠は、まさにそれを潰すものであった。
 群狼達が取りつく地に落ちた影。その頭部へ向けて、急ぎ二発。
 翼を地面に広げた形で息絶えたのは、巨大な鳥型の魔獣であった。
「やはりな」
 羽根を咥えた狼を撫でてやりつつ、ユーリィは獲物を見つめる。
 大きい。やはり雲海の真っ只中からは、良い獲物が獲れるのだろうか。
 何にせよ、戦果としては十分だ。
「終わったら、急ぎ伝えなくてはな」
 そう言ってユーリィ鋸鉈を逆手に持つと、魔獣の解体を開始するのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​




第3章 集団戦 『ブレイドホーク』

POW   :    テイルブレイド
【尾の先端の刃】が命中した対象を切断する。
SPD   :    ホークフェザー
【羽ばたきと共に、刃の如く鋭い羽】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ   :    ホークウインド
【力強い羽ばたき】によって【強風】を発生させ、自身からレベルm半径内の味方全員の負傷を回復し、再行動させる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​


 ある者は地質を調べ、ある者は戦果を持ち帰り、またある者は危険を排除する。
 迅速かつ的確な猟兵達の探索に応えるかのように、遺跡もまた沈黙を保っていた。
 だがここは雲海。ブルーアルカディア屈指の危険地帯。
 秘められた危険は弓の如く限界まで引き絞られ、急激な変化となって顕在化するものだ。

 かなり時間が経った頃。
「……!」
 猟兵達の足元が、ぐらりと揺れた。
 この迷宮は長くはもたない――猟兵達が即座に悟るのに十分な一揺れだ。
 だが、それだけではない。
『キィッ!! キィキィッ!!』『クケェッ!!』
 霧の向こうのあちらこちらで、怪鳥の如き声が反響し始める。
 生み出されたオブリビオン達が活動を始めたのだ。

 猟兵達は手筈通り反転。飛空艇を目指す。
 なおも雲海から生み出される鳥の魔獣は大群。決して容易い相手ではない。
 だが進路を塞ぐ彼等を蹴散らし、追ってくる者を振り切らねば、帰還は叶わない。
 共に迷宮を抜け、危険な雲海を脱出しよう。
伊藤・毅(サポート)
『エネミータリホー、ドラゴン01、エンゲージ』
 普段の口調は「真面目(自分、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」、戦闘中は「無口(自分、呼び捨て、言い捨て)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、基本的に生身では戦闘を行いません。
空中戦をメインに戦い、航空爆撃や戦術偵察で地上の味方を助けます
依頼の達成を最優先とし、戦闘機パイロットとしての行動規範を根底に行動します
そのほか、キャラクターを壊しすぎない範囲でお願いします



 飄々と音を立てる風が、鉄の機体に冷たい空気と塵を叩き付ける。
 それに構わず搭乗者が操縦桿が倒せば、鋭角の機体は速度を上げたまま、急角度で雲海へと突っ込む。
 視界を完全に白い白煙が覆い尽くしたのは時間にして数秒。それは嘘のように晴れ――搭乗者である伊藤・毅(Nemo・f06702)の目の前には『土と雲の迷宮』が広がった。
 全容、ではない。濃い靄に包まれた広大な迷宮のごく一部だ。
 だがそれで充分。複合センサーシステムの捉えた生命反応目掛けて一直線に『JSFライトニング』は降下して来た。
 その正しさを証明するように、毅の視界には迷宮を逃げつつつ交戦する他の猟兵と、それを追いかけるブレイドホークの一団が映っていた。
 自動ロックオンの表示を待たず、トランシーバーを取る。
「レーダーコンタクト、マスターアーム点火、エネミータリホー、ドラゴン01、エンゲイジ」
『キィ!!』『ゲェアッ!!』
 超音速で迫る鉄機に空を仰いだブレイドホークが啼きかかる。
 元は畜獣の類であったのだろうか。魔獣ブレイドホークの尻尾の先端は鋭い刃になっている。これに切り刻まれれば、JSFライトニングとてただでは済まないだろう。
 だが。
「汎用短距離ミサイル、準備完了」
 敵が動き出す寸前、爆撃機の機首が『真上に』向いた。
 インメルマンターン。
 毅の強力な対G能力と心肺機能があって初めて可能な、芸術的なまでのマニューバ。
「――ファイア」
 そして置き土産とばかりに放たれたミサイルが、接近の予想を誤り硬直したブレイドホーク達へと直進する。
『ギィエェェッ!!!』
 着弾。
 駆け抜ける衝撃が機体の床を揺らし、焼け落ちる羽根の中で巨大な魔獣達が藻掻き、迷宮へと真っ逆さまに墜落していく。
 ツノウサギ達に対しても見せた、俯瞰からの支援爆撃。
 ブレイドホークの生命反応の消失を確かめ、以降も毅は雲上からの突入を狙い、それは悉く成功した。だがそれも無理はない。
 ブルーアルカディアはどこまでも続く空の世界。戦闘機パイロットである毅の独壇場なのだから。

成功 🔵​🔵​🔴​

キャロライン・メイ(サポート)
ダークセイヴァーの貧民街の生まれ。生きるため、悪事に手を染めてきた。ある日商人から一振りの剣を盗み出す。剣は呪われており、その邪悪な魔力によって、呪われし黒騎士へとその身を堕とす。その冷酷な様を人々はアイスドールと呼ぶ。

自身の半生に強いコンプレックスを持ち、心の中では常に自己を否定し続けている。死に場所を探しているかのような言動をとることがある。

ダーインスレイヴ~漆黒の魔剣による強力な一撃。
ライフドレイン~魔剣の血塗られた鉄鎖が無数の棘に変形し敵に突き刺さる。


※エロやグロNG
※5人以上まとめたリプレイNG



 かちゃり。
 鎧の擦れる音をひとつ立てるだけの僅かな動作。それだけで漆黒の大剣の重心が背中から両掌に移し替わる。
 雲が辺りを包み込む中、キャロライン・メイ(アイスドール・f23360)は迷宮の物陰に立っていた。
 オブリビオン達に対する猟兵側の奮戦は目を瞠るものがある。
 急襲を受けての撤退戦という不利な状況にもかかわらず、猟兵達は迅速かつ冷静に行動を開始し、今やキャロラインの待つこの場所に迫っている。
 だがそれで事態が打開できたとするのは適当ではない。
 なぜならここは雲海の真っ只中。
 無数のオブリビオン達が湧き出す源泉であり、ブルーアルカディア屈指の危険地帯であるからだ。
「――次から次へと、尽きないものだ」
 遥か遠くから響いて来るのは甲高い鳴き声。
 喧しい羽音。
 魔獣『ブレイドホーク』達の立てる音の大きさは、味方の猟兵の立ち回る気配を覆い隠してなお余りある。
 霧に阻まれ姿は見えない。だが巨大な翼が生み出す空気の揺れは隠しようも無い。
 それら無数の感覚からキャロラインは、オブリビオンの内の一体が群れから離れ、こちらに向かっているのを鋭敏に感じ取っていた。
「――誘き寄せるか」
 壁を背に、柄を持つ両手を顔の右に揃え、剣先を左に流すように。
 風にはためく銀の髪と白磁の如き肌が漆黒の刀身で覆われれば、途端にキャロラインの姿は迷宮の薄闇へと溶け込む。隠身だ。
 呼吸を殺し、背中に近づく羽音で敵との距離を読む。
 そして。
『ギギィッ!!』
「――!」
 ぼ、と。
 キャロラインの真上にブレイドホークが出現した。
 迷宮の壁を越えたまさにその瞬間、真下に居る獲物の姿にようやく気付いた。そういった様子だ。
 炯炯と燃える瞳は至近距離のキャロラインを見据えているにもかかわらず――否、であればこその、一瞬の硬直。
 キャロラインは、既に動いていた。
 巨大にして重量級の刀身を、右手の力で思い切り跳ね上げる。
「――ふッッ!!」
 鋭い呼気。肺を満たす空気が凄まじい重みを一瞬だけ忘れさせる。
 自身のちょうど真横の空間に向けてキャロラインは、体全体を使った縦一閃を叩き込んだ。
 そうして描かれた漆黒の円弧が、まさに頭上を通過しようとしたブレイドホークの胴を捉える。
『ガヒッ!?』
 オブリビオンは羽搏きながら壁へと衝突し、地面をのたうち回っていたが、やがて仰向けのまま動かなくなった。
 刀身を伝い、熱い液体がキャロラインの手へと滴り落ちる。
『ギィエッ!』『ギィギィ!!』
 霧の奥から響く、何かを言い交すような鳴き声。
 戦いの気配を感じ取ったのか、他のブレイドホーク達が騒ぎ始めていた。
「……」
 幾度も感じた焦燥感がキャロラインの動悸を高鳴らせる。
 これもまた剣の呪いなのだろうか。
 それとも、このような剣に手を伸ばさざるを得なかった、自分自身の逃れ得ぬ宿命なのだろうか。
 幾度問うても問うても答えは無かった。この場においてもそれは同じ。
 ただ一つ確かなのは、この状況を切り拓くことが出来るのは、ただ即座の反応のみであるということ。
 それが、かの少女に次ぐキャロラインの導き手であるのかも知れず――少なくとも倣いであった。
「――黒風、鎧装」
 そう呟いた瞬間、キャロラインの体が漆黒の旋風に包まれる。
 同時に放たれる凄まじい殺気。
 それはキャロラインを包囲したブレイドホーク達を狼狽に追い込むに十分だった。
 片足で壁を蹴り――その勢いを手に伝え、渾身の横薙ぎ。
 霞が切り裂かれ、代わりに黒い斬線が虚空に描かれる。
 その線上でギャアギャアと騒ぎ立てていた魔獣達は沈黙。一拍置いて、どさどさと鳥型魔獣の巨体が3体地に墜ちる。
「……」
 呼吸を整え、剣を下ろす。
 敵はまだまだ多い。
 他の猟兵達の脱出を支援するべく、キャロラインはその身を翻し、迷宮の入口へと向かうのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ロラン・ヒュッテンブレナー(サポート)
※絡みアドリブOK
※感情が尻尾や耳によく表れる
※人見知りだが【優しい】性格で育ちのいいお坊ちゃま
※戦闘時は魔術器官と電脳空間の演算力を用いて知略で戦う
※「ぼく」「~なの」「~さん

体のあちこちにつけた魔道具の回路を起動し(【高速詠唱】)、
狼の嗅覚聴覚視覚(【聞き耳】【暗視】)を駆使した【情報収集】と、電脳空間からの【ハッキング】で敵戦力を分析(【学習力】)

適切な魔術(UC)を組み合わせたり【乱れ撃ち】する
防御は【結界術】で作る【オーラ防御】壁や、
小柄な体系と狼の機動力(【ダッシュ】【残像】)を使う

仲間を守り、敵には【勇気】をもって容赦ない作戦・攻撃を行う(【全力魔法】)


コーデリア・リンネル(サポート)
 アリス適合者の国民的スタア×アームドヒーローの女の子です。
 普段の口調は「女性的(私、あなた、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」、機嫌が悪いと「無口(わたし、あなた、呼び捨て、ね、わ、~よ、~の?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。

内気な性格のため、三点リーダーや読点多めの口調になります。
ですが人と話すのが嫌いでは無いため、
様々な登場人物とのアドリブ会話も歓迎です。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!


中村・裕美(サポート)
副人格のシルヴァーナで行動します
『貴方はどんな血を流すのかしら』
多重人格者の殺人鬼× 竜騎士
外見 赤の瞳 白の髪
口調 (わたくし、~さん、ですわ、ますの、ですわね、ですの?)

裕美のもう一つの人格で近接戦闘特化。お嬢様口調だけどアグレッシブで享楽的
戦闘では【残像】が残るような優雅ステップで敵に近づき、惨殺ナイフによる【切断】
槍を使うことがあれば、相手を【串刺し】にします
その他使えそうな技能があれば適宜使用する感じで
【瞬きの殺人鬼】使用後の昏睡状態はもう一つの人格に切り替えカバー
電脳魔術が使えないので裕美の能力が必要な場合は【オルタナティブ・ダブル】で呼び出します

あと、虫が苦手


大豪傑・麗刃(サポート)
一人称は『わたし』『麗ちゃん』

装備(下記持ってない場合は適当にお願いします)
基本:右サムライブレイド左日本刀(試しで使ってみたがやはり刀はエンパイア産の方がすぐれているのだ)の二刀流
スーパー変態人(1or2):右サムライブレイド+フライングシャドウ、左日本刀+妖刀の四刀流
伝説のスーパー変態人:RXキャバリアソード
ひき逃げ:トラック

大軍に無策で突っ込むのは無謀といろいろ策を考えるが結論は「全員やっつければ(斬れば)いいのだ!」

ユーベルコードが
近接系:何も考えずに突っ込んでって無双狙い
集団系:なるべく多数引き付けて一網打尽狙い
ギャグ系:お手数かけますがなんとかお願いします!
それ以外:まー適当に。



『ギィッ!!』『ギィギィッ!!』
 視界を覆うのは、どこまでも続く土と雲で構成された迷宮。
 その最深部から入口に向けて、一貫して猟兵達の影を付け狙うのは、巨大な鳥型魔獣『ブレイドホーク』。
 天井がU字型に空いた迷宮において飛行というアドバンテージは極めて大きい。
 彼等は空中から猟兵達を発見し、その爪と尾で切り刻んでしまう……筈だった。
「ルート演算終了。こっちなの」
 だがそのような未来は、中村・裕美(捻じくれクラッカー・f01705)とロラン・ヒュッテンブレナー(人狼の電脳魔術士・f04258)によってひとまず回避される。
 先頭を走るロランは魔術師の家系。体のあちこちに身に付けた魔道具は、未到の迷宮構造を瞬くにマッピングし、仲間の迅速な撤退を可能としていた。
 狼の俊敏さを纏い、小柄な体躯を躍らせ迷宮の角を曲がるロラン。
 そしてそれに追随するのは裕美。黒槍「覇空竜スカイフォール」の尖端が、時にロランの頭上から襲いかかる爪を斬り払う。
 神速で放たれる突きが襲い来るブレイドホーク達を後退に追い込む。華麗にして苛烈なその戦いぶりは普段の穏やかな裕美ではなく、副人格『シルヴァーナ』の攻撃性によるものだ。
「さぁ、この迷宮を脱出いたしましょう!」
「ま、待って……!」
 最後尾からはコーデリア・リンネル(月光の騎士・f22496)が追いかけてくる。
 黒い蓮の花の意匠が凝らされた漆黒のマントは、コーデリアを闇に覆い隠し、ブレイドホークの目から幾度も欺いてきた。
 だがそれでも彼女の手に持つ槍の穂先は血に濡れている。後方から迫る魔獣との交戦が避けられなかった証だ。
 走り続け、曲がり角に差し掛かる3人。その後ろからはなおも猛禽達の鳴き声が聞こえて来る。
「しつこいですわね! 迎撃しますわ! コーデリアさん!」
「は、はいっ」
「ここを左に曲がれば後は直線通路なの」
 道を埋めつつ迫るブレイドホークの群れに対し、裕美とコーデリアは瞬時に槍の穂先を揃え、迎撃態勢へと移る。
 ロランもまた振り返り詠唱を開始した、その時。
「任せるのだー!!」
 だだだ、と三人の横を抜け、大豪傑・麗刃(24歳児・f01156)が飛び出した。
 その手に持ったサムライブレイドと日本刀を煌かせ、まっすぐブレイドホーク達へと向かっていく。
「麗刃さん! 私も……!」
「お待ちなさい」
 加勢に駆け付けようとするコーデリアを裕美が制した時、何かを察しロランは反応。
 殺到する怪鳥達の真っ只中で変化した麗刃の周囲を、瞬時に魔術障壁で覆い尽くした。
『キケェッ!?』
「仲間を守るために決死の突撃? ばかもん! わたしが死んだらどーする!」
 デフォルメの効いた造詣と、その輪郭を縁取る黒い線。今の麗刃はまるで、ギャグマンガ世界の住民のような姿と化していた。
 ブレイドホーク達は鋭い爪や尾の刃を使い攻撃を仕掛けるが、何度引き裂いても麗刃の体はユーモラスな動きで元通りになってしまう。
「改めて、支援します……!」
 身を挺してデコイとなった麗刃を取り巻くオブリビオン、そのうち数体に向けてコーデリアは、構えた銃から光子ビームを発射する。
 瞬時にじゃらんと音が響き渡り、たちまちコーデリアと数匹の魔獣が雷の鎖で繋がれた。
「大空を舞う鳥……華麗さのかけらもありませんわね。ここで果てなさいな」
『ゲェッ!?』
 動きを封じられたブレイドホークの喉元を接近した裕美が槍で突いていけば、すかさず追撃のドラゴンが召喚され、数体を骸の海へと還していく。
 巻き起こる砂塵。割れる敵戦列。その隙間から防戦に徹する麗刃の姿が露わになった時、ロランは詠唱を打ち切り、発射体勢に入る。
「――身に受けし傷、流れる滴に、乾く槍。我が敵を追い、悉くを、喰らい退けよ」
 麗刃を包んだ防壁は未だブレイドホークに叩かれ続けている。そのダメージは『殲滅結界【Lancia fa schifo】』へと転化され、ロランの術はチャージ時間以上の威力を実現していた。
「ふたりとも、避けてね。 ――ヒュッテンブレナー式殲滅結界、射出」
「了解ですわ!」
「は、はいっ……!」
 道の左右に飛び退くコーデリアと裕美の間を、破邪結界の槍が豪速を纏い駆ける。
 直線通路をまっすぐ切り裂き、目を丸くした無敵状態の麗刃を貫通し、同時に射線上にいた全てのブレイドホーク達を殲滅した。
「今なの」
「麗刃さん、肩を貸しますね」
「れ、麗ちゃんはこの程度では死なないのだ……!」
 ロランが先導するように駆け出せば、裕美とコーデリアが、無傷ではあるが動けない麗刃を肩車しつつそれを追う。
 少し走れば、果たして霧の中に、猟兵達を待つ飛空艇が姿を現す。
 四人は船内へと飛び込むと、急ぎ出航の準備にかかるのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

緋月・透乃(サポート)
『今日も元気に食べて楽しく戦おうね!』
 人間で22歳の女性です。
いつも元気で、強敵との戦闘、食べる、スリルを味わうことを好みます。

基本的に自分の楽しみのために行動し、敵味方問わず他人の心情等には配慮しません。
 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用します。
戦闘では真っ正面からの突撃を好み、負傷は気合いで耐えれば良いと考えています。
戦闘以外のことも大体気合いと力でなんとかしようとします。
脳筋です。

武器は主に『重戦斧【緋月】』を使用しますが、他の武器の方が有効そうならそちらを使用することもあります。

クロムキャバリアでも生身で戦います。

不明な点はおまかせします。よろしくお願いします。



「魔獣かぁ」
 こちらに迫るけたたましい鳴き声に対し、緋月・透乃(もぐもぐ好戦娘・f02760)は、思わずそう呟く。
 視界の中で雲が割れ、そこから姿を現したのは数体のブレイドホーク。
 どの個体も雲海から誕生したばかり。そのつややかな羽根の下では、羽搏きに合わせて逞しい筋肉が躍動しているのがよくわかる。
「相手してくれるの? 楽しませてくれそうだね!」
『ギャアッ!!』
 透乃の明るい声が辺りの靄に反響すれば、それをオブリビオンの吠え声が打ち消す。
「じゃあ、いっくよ~」
 透乃はブレイドホークと話が通じた訳ではない。
 全力で力比べを行い、その上で魔獣の鶏肉料理にありつければ重畳――そんな願望があるのみだ。
 だが現在、迷宮を脱出する猟兵達の行動は、撤退と戦闘を交互に繰り返す者がほとんどだ。そこへ透乃のような足止め役が一人入れば、ブレイドホーク達の追跡を大きく遅らせることが出来るだろう。
『キケェッ!』
 羽搏きと同時に発生した旋風が、魔獣の尾を大きく揺らす。
 その先端にあるのは――鉄の刃。
「!!」
 即座に大斧から手を離し、横薙ぎの一閃をかがんでやりすごす。
 そしてすぐさまポニーテールとリボンを翻し、透乃は一気に距離を詰める。
『ギェッ!?』
「鎖鎌と同じ! その尻尾の弱点は鎖そのものだよ!」
 瞬間、透乃の目の前で、ブレイドホークが消えた。
 否。
 その巨体が、思いきり地面に叩きつけられた。
「ひょい、っと」
 利き腕である左腕で翼を掴み、ブレイドホークの体を地面から浮かせると――今度は渾身の力で横にスイングする。
「君たちはほどほどかな? まぁいいや」
『グゲ!?』『ガッ……!!』
 他のオブリビオンを薙ぎ倒し、最後にもう一度透乃はブレイドホークを地に叩き付け、その意識を奪った。
 透乃はこの技に名前を付けなかった。名付ける程でもない――という訳だ。
 だがほとんどの猟兵は勿論、怯む他の巨鳥達を上回る透乃の腕力を、これほど誇示出来る技も無い。
「迷宮が崩壊する、ギリギリのタイミングまで暴れさせてもらうね!」
 声に微かな高揚感を滲ませ、透乃は重戦斧【緋月】を左腕一本で持ち上げるのだった――。

成功 🔵​🔵​🔴​


 ――。

 オブリビオンを振り切り、猟兵達が乗り込むや否や、飛空艇が出航を果たす。
 それと同時に、背後で大きな音が響いた。
 見れば、先程までいた迷宮が崩落していくのが見えた。
 雲海、そして土と雲の迷宮はまだまだ謎が多い。
 だが今回の調査は、その解明に先鞭をつけるに違いない。
 今や飛空艇は全速力を保ち、危険な雲海を抜けたのだった。

最終結果:成功

完成日:2022年07月13日


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#ブルーアルカディア
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#【Q】
🔒
#雲と土の迷宮


30




種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

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挿絵イラスト