刺青とクローンのコラボレーション
「ほうほう……ふーむ、これはなかなか良い。発色が違いますな。」
「いや、君らの作る素体があってこそですよ。」
「はは、そう言ってもらえると助かりますな!」
あっはっはと笑う職員の前にあるのは、透明な液体の詰まった巨大なシリンダー。
その中に浮かぶのは、管で繋がれた一人の少女……その肌にはびっしりと、怒れる鬼の刺青が描かれていた。
「ふぅむ、後はこれを量産したいところですな。使い捨ての護衛、破壊工作……少女の外見というのは使いやすい。」
笑いながら話すのは、リアニメイト社の職員……クローン技術による、人体の作成を得意とする企業の者。
「……やはり、難しいのですか? うちの刺青に耐えられるような素体は。」
対し、静かに言葉を続けるスパイク・シアンの職員……生身へと染料を刻み込む、刺青を主に扱う企業の者。
問いかけに対し、変わらぬ笑みのまま見つめ返すリアニメイト社の社員はため息と共に、
「……刺青で使う染料の、詳細なデータを頂ければ良いのですが、なぁ?」
「残念だが……今まで通り、素体はこの子で頼みますよ。」
「うぬぅ……仕方ありませんな。」
そう言い合いながら、職員たちは研究室を出て行く。
研究室の壁には、大量のシリンダーが並んでおり……手や脚などの人のパーツや内臓が、培養液に浮かんでいた。
……所変わって、グリモアベース。
集まった猟兵たちへとそんな研究室の説明をしていた風間は、笑いながら言い放った。
「……っていうわけでね、君たちにはサイバーザナドゥのこの会社をぶっ潰してきてもらいたいと思ってるわけ!
さー行ってきてね!」
このまますぐにでもゲートを開いて行かせようとしそうな風間へと、説明はないのか? という猟兵たちの視線が突き刺さっていた。
「あっはっは、ごめんごめん。
えーとね、この会社は二つの企業群の作った会社なんだ。
スパイク・シアンとリアニメイト……刺青を入れる企業と、クローンを造る企業だね。
で、ここはそんな二つの企業が創った、強力な刺青を入れた人間の製造工場ってわけ。
っていっても、やっと完成したって感じで、量産はまだみたいだけどね?
だから、今ぶっ潰しちゃえば安心ってわけ。
あ、そうだ……もう一つ、ここを潰して欲しい理由があるんだよね。」
説明のあった会社の前へとゲートを開いた風間が、笑いながら言葉を続けていた。
「ここってさ、ダストエリアとかから色んな人を連れてきて雇っていってる、って話だったんだ。
求人も今も出てるし、新しい人手がいくらでも欲しいって感じで。
だけどさ……ほとんど全部の人は、クローンのための素材にされてるみたいなんだよね。
さすがにやりすぎだよねー?
だからよろしくね!」
ヨグ
ヨグです、サイバーザナドゥの物語をお送りします。
巨大企業群スパイク・シアンの設定を見た時から、私の考えていたリアニメイト社とのコラボをさせたかった。
第1章では、バラバラにされた人体の浮かぶシリンダーやプールのある部屋を探索してもらいます。
それらを一定数破壊、もしくは使用不能にすると、この会社の警備員たちが現われ、第2章へと移ります。
第1章 冒険
『理想郷』
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POW : 力任せに水槽を破壊する。
SPD : 素早く、効率的に水槽を破壊する。
WIZ : ハッキングなどを行い、水槽の中身を破壊する。
👑7
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アモン・スメラギ
ゼロ(f24669)と参加
メガコーポ同士の共同研究ってワケか…
まったく、カネのためなら倫理もドブに捨てちまうわけだ。
オトナの世界ってのは汚えな?
まあそれを言やあ、俺達の世界なんかじゃ金なんて
ケツ拭く紙ぐらいにしかならなかったけどな。
ああゼロ、ちょっといいか?ぶっ壊す前に、所内の様子を蝶のドローンで
《撮影》、データを保存しておくぜ。
このブラックな研究の証拠を抑えておきゃ、いつか企業の悪事を
明るみにするトキに使えるかもしれねえ
さて、用事は済んだしそろそろデストロイタイムだぜ
ソーシャルレーザーで、水槽めがけて《レーザー射撃》。
さらに殲術試薬の試験管を投げつけて爆発させてやる。
ゼロ・クロニクル
アモン(f24679)と参加
むう、ここは部品化された人体や臓器の保管所か。
カネに困った市民をダマして臓器を提供させ、
その遺伝子を使ってクローンを製造しているのか。
薬品の匂いがきつくてあまり鼻が効かんな。
室内の探索は、足音を立てぬよう《忍び足》を使う。
グランマグナスを振るって水槽を破壊し、
保管されていたサンプルは紅蓮オロチで《焼却》、抹消する。
ここまでの業(カルマ)を重ねれば、企業とは名ばかりよの。
フラスコチャイルドのお主なら、何か思うところがあるのではないか?
アモンよ。
「メガコーポ同士の共同研究ってワケか……。」
研究室と思しき部屋の扉を開く、アモン・スメラギ(フラスコチャイルドのソーシャルディーヴァ・f24679)の声が廊下に響く。
中を覗けば、ガラスのシリンダーが壁一面に並び……その中に浮かぶのは、切り分けられた人体の一部だった。
「……むう、ここは部品化された人体や臓器の保管所か。」
足音も無くアモンの足元を通り過ぎ、部屋の中を見渡し呟く黒い犬のゼロ・クロニクル(賢い動物のストームブレイド・f24669)。
部屋に漂う薬品の匂いに少し顔をしかめながら、
「カネに困った市民をダマして臓器を提供させ、その遺伝子を使ってクローンを製造しているのか。」
「まったく、カネのためなら倫理もドブに捨てちまうわけだ。オトナの世界ってのは汚えな?」
「……この世界は、特に顕著よの。」
アモンの問いかけに、ゼロはため息で返していた。
律儀に返すその様に、アモンの口元に笑みが浮かぶ。
「まぁそれを言やあ、俺達の世界なんかじゃ金なんて、ケツ拭く紙ぐらいにしかならなかったけどな。」
「その分、奪える物を奪いとる。どちらが良いとは言い難いがな。」
「まぁな。」
「……ああゼロ、ちょっといいか?」
「む?」
太刀の形をした偽神兵器、グランマグナスを抜き放ったゼロへと言葉を掛けるアモン。
「何かあったか?」
「あぁ、大したことじゃねえけどよ。」
ニヤリと笑いながらアモンがポーズを取ると、その背から蝶型のドローンが飛び立つ。
周囲のシリンダーを映像に収めていき、
「このブラックな研究の証拠を抑えておきゃ、いつか企業の悪事を明るみにするトキに使えるかもしれねえしな。」
「そうだな。……それにしても、」
シリンダーに浮かぶ身体の一部へと目をやり、ゼロは言葉を続ける。
「この世界の人々は、身体を機械に置き換えなければ生きていけぬと言う。……この人体は、その残る全てという事か。」
「はは、そういうことになるだろうな。」
「ここまでの業(カルマ)を重ねれば、企業とは名ばかりよの。」
改めてアモンへと向き、薄く笑みを浮かべる瞳を覗きながらゼロは問いかけた。
「フラスコチャイルドのお主なら、何か思うところがあるのではないか? アモンよ。」
「さて、ね。用事は済んだし、そろそろデストロイタイムだぜ。」
ゼロから目をそらし、携行型荷電粒子砲をシリンダーの群れへと撃ち放つアモン。
「……そうだな。」
それ以上問う事もなく、ゼロもグランマグナスを振るい、シリンダーを破壊していく。
そして、浸かっていた薬品と共に床へと転げ落ちた肉塊へとアモンの試験管が投げつけられ、ゼロの操る火炎放射器に焼かれて灰も残さず消えていった。
大成功
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新田・にこたま
会社の工場を迅速に叩き潰す依頼…つまり、面倒な潜入の必要もなく、フル装備で突撃できるということですね。
事件自体は非常に胸糞が悪いですが…全力で正義を執行できそうな予感にテンションが上がってきました…!
UCを発動したフル装備のミニパトで会社に突撃します。
入口をミサイルで爆撃し、壁もガトリングやランチャーで破壊していき研究室を力業で探索します。最悪この建物が潰れてもいいと言わんばかりにいきますよ。
部屋を見つけたら砲撃の一斉発射でシリンダーもプールも纏めて破壊します。情け容赦なく。
ゼロから造られたパーツなのか人間を利用したパーツなのかは分かりませんが…正義の炎に焼かれて天に召されることを祈ります。
朱鷺透・小枝子
高性能クローンの製造場。このような工場には覚えがあります。
懐かしいですが、ちょっと苦手かもしれません。
サイキックシールドの超能力【迷彩】で周囲に溶け込み工場に侵入。
まずは破壊目標の確認。地図とか壁に貼ってないでしょうか…。
職員等を不意打ち、電撃流して倒して持ち物検めて、ロッカーにでも詰めておきます。有益な何かになるかも。
水槽に浮かぶ人体を見やり、ふと昔の故国を思い出す。
(プラントがあったから、人々を使うような事はなかった。けれど、
この人工魔眼等の兵器を造るのに一体、どれほどの兄妹達が使われた…?)
……。
召喚術、ディスポーザブル02を呼び出し【弾幕制射】で全部破壊します。
考えても仕方のない事。
時間は少し巻き戻り……。
「会社の工場を迅速に叩き潰す依頼……つまり、面倒な潜入の必要もなく、フル装備で突撃できるということですね。」
件の会社の前に止まったミニパトの中で呟く、新田・にこたま(普通の武装警官・f36679)の姿があった。
ハンドルに付けられたボタンを押し込むとミニパトの外装が一部開き、ガトリングやミサイルなどの重火器が飛び出し、会社へと照準を合わせていた。
「事件自体は非常に胸糞が悪いですが……全力で正義を執行できそうな予感にテンションが上がってきました!」
一斉に撃ち放たれたミサイルに扉はあっさりと破られ、押し広げられた入り口へとミニパトのまま突っ込んでいく。
目に付いた扉をガトリングでぶち抜き、無理矢理ミニパトで入り込み、
「徹底的に、殲滅します!」
中に並ぶシリンダーやプールへと、ミニパトに登載された兵器をぶち込んで破壊していった。
「……なかなか無茶しますね。まぁでも、その方が自分としては動きやすいですが。」
下の階から聞こえる破壊音を尻目に、廊下を進む朱鷺透・小枝子(亡国の戦塵・f29924)。
自身の姿をサイキックシールドの超能力で周囲に溶け込ませ、廊下を進んでいた。
「それにしても、高性能クローンの製造場ですか。……懐かしいですが、ちょっと苦手かもしれません。」
曲がり角から先を覗くと、廊下を一人で歩く女性の姿があった。
頭にまるでネズミの耳のような特徴的な金属パーツを付けた女性に音も無く近づき、
「……今はそんなことを考えている必要はありませんね。」
「むぐ……ぐぎっ!?」
口を塞ぎ、電流を流し……気絶した女性を抱え、近くの部屋へと入り込む。
「地図でもあれば……ふむ、これは?」
簡単に持ち物を改めると、警備でまわる部屋のチェックリストと思しきものがあった。
そのまま女性を手近なロッカーに放り込み、
「部屋が明らかに少ない階がありますね……この上ですか。」
ふと見上げると、部屋にあるシリンダーの一つに目が留まった。
そこに浮いているのは、人の目玉が一つだけ……。
「……私が創られた所ではプラントがあったから、人々を使うような事はなかった。けれど、この人工魔眼等の兵器を造るのに一体、どれほどの兄妹達が使われた……?」
見上げる朱鷺透の瞳……人の手によって創られた魔眼が、一瞬だけ赤く輝く。
その時、開けてあった扉からミニパトが無理矢理突っ込んできた。
「うあああっと! すいません!」
「……いえ、大丈夫であります。」
朱鷺透の目の前で止まったミニパトから、慌てた新田の声が響く。
安心させるように頷いた朱鷺透が手を横に広げると、異形のキャバリアの腕が空間から現われた。
「考えても仕方のない事、だから。」
その腕に仕込まれたパルスマシンガンが火を噴き、周囲のシリンダーに呪詛の弾丸を撃ち込み、破壊していく。
一通り終わった後、新田の方へと視線を向けると、ミニパトの中で手を合わせていた。
「ゼロから造られたパーツなのか、人間を利用したパーツなのかは分かりませんが……正義の炎に焼かれて天に召されることを祈ります。」
「……そうですね。」
「さて、では次に!」
廊下に飛び出そうとした新田のミニパトを、朱鷺透が手を広げて制止する。
その廊下からは、ぞろぞろと大量の人の足音が響いていた。
大成功
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第2章 集団戦
『リアニメイト社・暗殺向け汎用クローンN』
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POW : 1人、だと思った?
自身が戦闘で瀕死になると【人混みや物陰から、自身と同じクローン】が召喚される。それは高い戦闘力を持ち、自身と同じ攻撃手段で戦う。
SPD : 貴方は、人に紛れて死ぬ
指定した対象を【人混みの中にいる暗殺対象】にする。対象が[人混みの中にいる暗殺対象]でないならば、死角から【一般人】を召喚して対象に粘着させる。
WIZ : ……たとえ、転んでも
【人混みや物陰からの、ナイフの一撃】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【に転び、蛍光色の培養液をばら撒き】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
👑11
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急に騒がしくなった廊下を覗くと、どこから現れたのか様々な人々が現れた。
だが、虚ろな目をしたままうめき声を上げてふらふら歩いてくる彼らに、意識が有るのか分からない。
「侵入者……。」
「侵入者がいる……。」
所々聞こえる呟きに目を向ければ、その中に大型のナイフを持った背の低い女性たちが混ざっている。
特徴的なネズミの耳のようなパーツを付けたその顔は、頬の蛍光色の刺青も含めて全部同じようだった。
「侵入者は……殺さなきゃ。」
「殺して、バラバラに……。」
口々に呟きながら、うめき声を上げて歩いてくる人々の中に混ざり込んでいく。
……突如、猟兵たちのすぐ横や後ろから、大型のナイフが突き出された。
朱鷺透・小枝子
っ…!
【大六感】で騎兵刀でナイフを【受け流し】
【クイックドロウ】雷降拳銃で反撃。射ち抜く。
『眼倍起動…!!』
人工魔眼の【超視力】で人混みに、物影に、どこかから発生してきた、
あちらこちらに居る敵の位置を把握。
【瞬間思考力】で敵の動きに反応し、【早業】で銃口を合せて引き金を引き、
突きだされたナイフを【見切り】
騎兵刀で【切断・投擲・追撃】等行い、後隙を補うように、人工魔眼を更に駆動
02、やれ…!
【迷彩・召喚術】不可視のディスポーザブル02、
その腕を虚空から飛び出させ【重量攻撃】重力の乗った拳で殴り飛ばす。
…クローンは、道具は…死ぬのも用途の内だ…!
再装填完了。次の標的へ銃口を向ける。躊躇はない。
新田・にこたま
先制攻撃でUCを発動。
強烈な光を戦場全体に放ち、光を浴びた人々と敵の動きを止めます。
まずは不意打ちを仕掛けようとした女性たちをサイバー軽機関銃で撃ち抜きます。
あとは人ごみに隠れた敵を見つけ出して倒す必要がありますが、そのために人々には廊下の壁に寄ってもらいます。そうすると止まったままの敵だけがその場に残るという寸法です。あとは撃ち放題ですね。
さて、この一連の流れを何秒でコンプリートできるか…。
自分が長生きできるとは思っていませんが、無駄に寿命というリソースを削りたくはないので迅速に行動します。
それにしても…なんなんでしょう、この運用方法…。
我々との戦闘でデータ集めでもしているんでしょうか…。
「っ……!」
背後から差し込まれた殺気に視線を向ける余裕も無く、朱鷺透は抜き放った騎兵刀を自身の背へと回す。
ギン! ……その刃に弾かれた大型ナイフが、天井へと突き刺さっていた。
「……外しみぎゃっ!?」
朱鷺透の向けた拳銃から放たれた雷に貫かれ、小柄な女性が痺れて倒れていく。
瞬きの間の攻防……ここでやっと背後を振り向き、これまで反射的に動いていた手に持つ騎兵刀で、女性の胸を貫いた。
「突然、でしたね。」
「フリーズ、ホールド・アップ!」
そこへ、サイバー軽機関銃を構えた新田の叫び声が響く……その声に有象無象の人々の視線が向いた瞬間、新田の背後から輝く眩い光が目に突き刺さった。
朱鷺透もその光を見てしまうが、埋め込まれた人工魔眼を咄嗟に起動して事なきを得ている。
「……そちらも。」
「失礼しました。ですが、これで彼らの動きは止められます。」
言葉と共に新田が顎で横にいけとジェスチャーをとると、光を浴びた人々はすぐに廊下の壁へと分かれて動いていった。
「……あ。」
「人に紛れるには便利でしょうが、その小柄な身体が徒になりましたね!」
その人々の動きに一瞬遅れ、その場に残ってしまった女性たち……そのネズミの耳のようなパーツが付いた頭を、新田が軽機関銃で正確に狙い撃つ音が軽快に響く。
素早く人の間に隠れた女性も魔眼からは逃れることが出来ずに、一気に駆け出した朱鷺透の振るう騎兵刀に斬り伏せられていった。
「これで、大体ですね。」
「ああ。」
自身から放つ光を消した新田がチラリと腕時計を見れば、持続時間は約10秒ほど。
対象の意識をハックする光は、長く使えば自身の寿命を削りかねない。
「長生きできるとは思っていませんが、自ら死に近づく必要もありませんからね。」
「……そうだな。」
新田が朱鷺透の声に視線を向けると、大きく拳を振り上げていた。
すぐにその腕は振り下ろされ……朱鷺透と全く同じ動きで振るわれたように、不可視の巨大な拳が廊下に佇む人々へと叩きつけられ、それらを肉塊へと変える。
「彼らは、殺さなくても良かったのでは……。」
「いいや、あの間に入られると厄介だ。それに……どうせ全部クローン、だろう。」
動く物の居ない廊下に響く、朱鷺透の感情を押し殺したような無機質な呟きに、新田はそれ以上言葉を続けられなかった。
せめて、安らかに……と手を合わせ、
「それにしても……なんなんでしょう、この運用方法……。」
「ん……?」
振り返った朱鷺透に対し、新田は視線を肉塊と化した死骸へと向け、言葉を続ける。
「周りの人たちはともかく、さっきの女性も……身を隠してナイフを振るう以外は、ほとんど素人の動きでした。」
「そうだな。」
「まるで、負けるのが解ってるみたいで……もしかして、我々との戦闘でデータ集めでもしているんでしょうか?」
「真意は分からない。だが……。」
新田の問いには曖昧に答えつつ背を向け、朱鷺透は廊下の先を見つめていた。
視線の先には、上り階段から降りてくる有象無象の人々。
「……クローンは、道具は……死ぬのも、用途の内だ……。」
「悲しい事を言わないでください。……来ますよ。」
二人は改めて武器を構えていた。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ドゥルール・ブラッドティアーズ
共闘×
グロ×
WIZ
ウジャウジャと不快な人間どもね
『クリスタライズ・ゴースト』で人混みをすり抜け
【第六感・索敵】で見つけたネズミちゃん達を【念動力】で
廊下の端まで引っ張って行き、私ごと【結界術】に閉じ込め
結界内に【誘惑・催眠術】の魔力を充満させるわ。
発情した彼女達が女同士で行為を始めたらUCを解いて実体化
ハーメルンの笛吹き男じゃないから安心して?
貴女達が溺れるのは快楽の海よ♥
【化術・肉体改造】で下腹部に生やした肉の縦笛を見せつけ
彼女達の"女同士では満たせなかった欲求"に火を点ける。
我先にと群がる彼女達を順番に【串刺し・慰め・乱れ撃ち】
【楽器演奏】の如く甘美な音色を奏でながら【生命力吸収・大食い】
廊下にぞろぞろと現われた有象無象の人々を、ドゥルール・ブラッドティアーズ(狂愛の吸血姫・f10671)はゴミを見るような目を向けていた。
「ウジャウジャと不快な人間どもね。でも、」
その時、物陰から漏れ出す殺気と共に、ドゥルールのすぐ横から大型のナイフが突き出される。
しかしナイフの先には誰もおらず……勢い余って女性は転びそうになるが、空中でその動きが止まった。
「くっ、外し……あ、れ?」
「ふふ……可愛い子もいるのね。」
見下ろしながら微笑みかけるドゥルールの姿が消えたと思えば、女性の身体は宙に浮いたまま廊下を進んでいく。
「え、うわわわっ!?」
霊体に変わったドゥルールの念動力で、人混みの中から同じ顔の女性だけが引きずり出されて近くの空き部屋へと放り込まれ……静かに扉が閉まった。
「う、ん……?」
「なん、で?」
訳も分からないまま部屋に連れ込まれた女性たち。
クローン技術で生み出された彼女らの頭には、簡単な命令しか刷り込まれておらず、状況がうまく呑み込めていなかった。
「えっと……。」
「どうした、ら……。」
ふと仲間へと目を向けると、急に心拍数が上がり、頬が熱を帯びるのを感じた。
見れば相手も同じようで……熱に浮かされたような顔をしてふらふらと近づいて、抱きついてきた。
「な、なに?」
「わかんない……でも、こうしたくて、ん……。」
話しかける口を、抱き留められた口が塞ぐ。
どこか懐かしい暖かな感触に、お互いが夢中になるのも時間の問題だった。
「……ふふ、楽しんでいるようね。」
部屋に響くクローンである女性たちとは明らかに異質の声に、一瞬で暗殺者の顔に戻る。
抱き合っていた彼女らが姿を現したドゥルールへと目を向けると、その動きが止まっていた。
「私はハーメルンの笛吹き男じゃないから、安心して?」
そこに居たのは、服を身につけていないドゥルール。
しかし、その下半身には本来女性には存在しないものがそそり立ち……それを見た瞬間、クローンの思考が一つに染まっていた。
あれが、欲しい。
「貴女達が溺れるのは快楽の海よ……さぁ、いらっしゃい?」
手招きに導かれるまま、欲望のまま群がる女性たち。
すぐにその部屋は、荒い息遣いに満たされていった。
大成功
🔵🔵🔵
ゼロ・クロニクル
アモン(f24679)と続けて参加。
むう、派手に暴れたので警備員にばれたようだな。素人のような
動きで偽装しているが、暗殺の訓練を受けているとみた。
面白い、忍者を相手に暗殺技で勝負か。乗ってやろう!
【立体忍者活劇】を用いて、《地形の利用》で室内での戦闘に
特化した戦法を仕掛けよう。アモンを庇い
暗殺の対象を引き受ける。アサシンクロークで
《闇に紛れる》《早業》で敵集団の中に気配を同化。
相手のユーベルコードを逆手に取り、《化け術》で
一般人に変化しよう。
《暗視》で敵の死角から忍び寄り、
手裏剣、闇狩を《投擲》しつつ、出現。
暗殺で拙者に勝てると思ったか?笑止!
《暗殺》を用いた攻撃で、敵はすべて斬り捨てる!
アモン・スメラギ
引き続き、ゼロ(f24669)と参加
…よし、これで研究の証拠はバッチリ掴んだな。
おや、なんか同じ顔した姉ちゃんが沢山来たぞ。
ナイフなんか持って…見られたからには
生かしておけないってか?上等だ、やってやろうぜ!
まずはソーシャルレーザーで寄ってくる敵を狙って
《クイックドロウ》《レーザー射撃》。物陰からの奇襲は
叡智の杖を使った《功夫》の棒術で対抗だ。甘く見んなよ、
これでも最近武術の稽古をしてるからな。
《高速詠唱》《全力魔法》で
【アイスエイジ】を詠唱。射程範囲内に入った
敵はまとめて凍らせてやるぜ。ぶちまけた培養液も
凍らせておくから、相手の強化も無効化できるだろ。
「……よし、研究の証拠もバッチリ掴んだし、後は完成品を退治するだけだな。」
「そうだな。……む?」
部屋を出たアモンとゼロが目にしたのは、近くの階段から降りてくる様々な姿の人々。
濁った瞳でこちらを見ながらゆっくり歩いてくる様は、まるでゾンビのよう。
「おや、なんか色々出てきたな。それに、」
その中に、明確に意思を持ってナイフを持った女性の姿がある。
特徴的なネズミの耳のようなパーツを頭に生やしたその顔は、明らかに同じ物だった。
「侵入者は……殺さなきゃ。」
「ナイフなんか持った、同じ顔した姉ちゃんが沢山来たぞ。」
「むう、派手に暴れたので警備員にばれたようだな。」
「ゼロ、どうする?」
軽薄な笑いと共に問いかけるアモンへ、ゼロはチラリと真剣な眼差しを返して呟く。
「決まっている。素人だろうが容赦はせん。」
「はは、俺たちを生かしておけないようだしな? 上等だ、やってやろうぜ!」
その答えに口の端を笑みの形に釣り上げ、アモンは引き抜いたソーシャルレーザーを近づいてくる人々へと撃ち放っていた。
「こいつらもクローンか?」
「わからん。だが、そうと考えるのが妥当か。」
数名が撃たれても気にせず、ふらふらと歩いてくる人々へとゼロは一気に駆け寄り、すり抜け様に斬りつけていく。
壁を蹴って次の獲物を狙った時、ふと気がつく。
「……あの女らはどこへ行った?」
「さぁ? 俺たちを殺すって言ってたが、」
その時、ゼロの視界に映ったのは……唐突に物陰から現われた女性が、突進しながらナイフをアモンへと突き出す姿。
「アモン!」
「……残念だったな。」
脇腹を狙って突き出された刃は、アモンの持つ叡智の杖で床に落とされる。
同時にゼロは駆け出し、その勢いを乗せて投げつけた手裏剣に貫かれ、事切れた女性が床に転がっていった。
「くっ……あ。」
女性の腰のポーチから転げ落ちた小瓶が割れ、蛍光色の薬液が床に広がる。
同時にアモンとゼロは、自身へ向けられる殺意が膨れ上がるのを感じ取った。
「素人っぽいのは、俺たちを騙すためだったようだな?」
「……ああ、そのようだ。」
「だったら、容赦は要らねえな!」
瞬きの間に唱え終えた高速詠唱と共に、アモンの杖から吹き付けられる氷河の記憶……足元の薬液が凍り付いた時、背後から近づいて居た女性たちも同様に凍っていた。
「そうだな。」
呟きだけを残し、ゼロの姿が消える。
「あ、れ……。」
「どこ、に……?」
標的を見失った女性が、人々の間で視線を巡らした瞬間……すぐ隣にいた意思のない人間が、被っていた笠に手をかける。
「……え? かはっ!」
投げつけられた笠に胴を断ちきられ、それに気がつき動揺した他の女性も、投げつけられた手裏剣に絶命させられていった。
「暗殺で拙者に勝てると思ったか? 笑止!」
「はは。相変わらずやるねぇ、ゼロ。さーて……、」
気がつけば動く物はすっかり居なくなり、2人へと向けられていた殺意は消えていた。
見上げた先にあるのは、蛍光灯に照らされた登り階段だけ。
「後は完成品だけ、だな?」
「ああ。行くとしよう。」
大成功
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第3章 ボス戦
『刺青スレイブ・プロトタイプ』
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POW : 強制発動:鬼神変
【自身肉体の一部が鬼のように巨大 】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。
SPD : 強制発動:闇堕ち
【自我を代償に、ダークネス『刺青羅刹』の魂】と合体し、攻撃力を増加する【鬼神変】と、レベルm以内の敵を自動追尾する【神薙刃】が使用可能になる。
WIZ : 強制発動:神薙刃
【真空の刃による遠距離攻撃 】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
👑11
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階段を上がった先にあったのは、一本の大きなシリンダー。
そこに浮かぶのは、一人の少女だった……こちらに向けられた背に彫られた赤い鬼の刺青が、猟兵たちを見下ろしている。
……唐突に電流を浴びたかのように身動ぎし、くるりと少女がこちらを向いた。
ぼうっとしたような表情が、みるみる怒りの顔に変わっていき……その身体が変化していく。
全身が膨れ上がるように筋肉に包まれていき、怒りのままにシリンダーを押し広げる様は、まさに鬼のようで。
ピシリ……シリンダーにヒビが走ると、中の液体が溢れ出す。
「う、うぅ……がああぁあ!」
クローン技術によって生み出され、刺青によって無理やり鬼と化させられた少女は、猟兵たちへと襲いかかってきた。
アモン・スメラギ
引き続き、ゼロ(f24669)と参加
ウエエ、女の子なのに厳つい刺青入れられてんな。あの刺青から、無理矢理力を
引き出されてるのか?マジでえげつないな。
…いくぜゼロ、全てを終わらせによ。
真空の飛び道具は厄介だな。
【クライシスゾーン】を発動し、
蝶のドローンを超次元の竜巻に変える。
これを防壁にして戦うぜ。
ソーシャルレーザーの《クイックドロウ》《レーザー射撃》と、《高速詠唱》による魔法攻撃でゼロを援護する。
メガコーポの奴らはいつか必ず潰してやる。約束するぜ
ゼロ・クロニクル
最後もアモン(f24679)と参加
あの娘が件の実験体か。暴走する力は
あやつ自身にも制御しきれんようだな、哀れな。
情け無用でよいのだな、アモンよ。
【降魔化身法】を使い、悪鬼と同化した
禍々しい忍者の姿に変身。
この姿を見るがいい…拙者も貴様と同じだ。
この身には鬼が宿っておる。
貴様の無念は拙者が晴らしてみせよう
敵の猛攻を《野生の勘》《ダッシュ》で
掻い潜り、夜叉と闇狩による《暗殺》を。
肉体を変異させても、急所というものは
守りきれんぞ。
「あの娘が件の実験体か。」
「だね……ウエエ、女の子なのに厳つい刺青入れられてんな。」
威圧的な刺青が憤怒に染まり、見る間に少女が鬼へと変わっていく。
ただの絵であるはずの刺青が人を易々と変えてしまう様に、アモンは一つ息を呑み、
「あの刺青から、無理矢理力を引き出されてるのか? マジでえげつないな。」
「暴走する力はあやつ自身にも制御しきれんようだな、哀れな。」
2人を視認した少女が、筋肉の塊と化した腕を振り上げる。
アモンを落ち着かせようと、ゼロは鋭く問いかけた。
「情け無用でよいのだな? アモンよ。」
「……ああ、」
答えたアモンの口元にいつもの軽い笑みが戻り、周囲に蝶のドローンが浮かぶ。
少女の腕が鋭く振り下ろされ、斬り裂かれた空間から生み出された真空の刃が飛来した時……同時にドローンが超次元の竜巻へと変わり、真空の刃を包み止める。
「いくぜゼロ、全てを終わらせによ。」
「承知した。」
頷くと同時に、ゼロは竜巻から飛び出る。
唸り声を上げる少女の前に立った途端、跳びかかった少女の腕がゼロへと振り下ろされた。
「……この姿を見るがいい」
「う、ぅ……?」
拳は床を叩きつけ、ひびが走るが……その先には別の鬼が居た。
それは跳び退ったゼロが空中で変じた、笠を被る黒い悪鬼。
「拙者も貴様と同じだ。この身には鬼が宿っておる。」
「あ、う……あぁっ……!」
冷徹に見つめるゼロの前で少女の目が動揺し、瞳に涙が浮かぶのが見て取れた。
だがそれも、ほんの少しの間だけ……涙の流れる顔を怒りへと変え、その腕を振り上げる。
「あああああああ!」
「貴様の無念は拙者が晴らしてみせよう。」
大振りの腕を跳び退って避けつつ、ゼロは腰の刀を抜く。
それを追いかけること無く少女は腕を振り上げ、真空の刃を生み出す構えをとった時……その腕を荷電粒子砲が貫いた。
「アンタを生み出したメガコーポの奴らは、いつか必ず潰してやる。約束するぜ。」
「うっ、あ……。」
跳ね上げられた少女の腕の内へと、笠の端を掴んだゼロが踏み込む。
笠から放たれた暗器が首元を斬りつけ……サクリと、刀が少女の胸を貫いていた。
「か、ひゅっ……。」
「人の急所は変わらぬ。せめて、安らかに逝くといい。」
血を噴き出す少女から素早く離れ、ゼロは引き抜いた刀を収める。
そのままアモンへと目をやると、その視線は少女へと注がれていた。
「……人なら良かったのにな。」
「む?」
その呟きにゼロが少女へと振り返ると、少女はいまだにその場に立っていた。
血を噴き出していた箇所は肉が盛り上がり、既にその傷は塞がっている。
「マジでえげつないな。」
「……ああ。」
大成功
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新田・にこたま
以前にも同じ刺青を見ましたね…あの時の相手は少年でしたが。
強いんですよね、あのタイプ…私も腹を括らねばなりません。
UCを発動し限界突破。速度も攻撃力も8倍に。手に持つ武装は軽機関銃とドス。
私のサイバーアイは視覚情報データを即座に解析し相手の動きを見切ります。その上で8倍の速度になれば理性なき攻撃なんて当たってあげません。速く動く物を優先して狙うという特徴も以前の交戦経験から分かっているのですから。
当たると死ぬから、そう信じて勇気を振り絞っているだけですが。
射撃で牽制しながら巨大化した体を切断していきます。
まったく、本当に悪趣味な…。
この二企業は必ず潰します。それがせめてもの弔いになると信じて。
「う、うぅ……。」
唸り声を上げながらこちらを見つめる少女の肌で、怒りに染まる赤い鬼の刺青。
それは少女の肌の上で、まるで生きているかのように新田を睨み付けている。
「以前にも同じ刺青を見ましたね……あの時は少年でしたが。」
呟きながら新田は軽機関銃とドスを引き抜き、少女と対峙していた。
クローン奴隷のマーケットに出品されていた、その少年は……。
「強制的に人間のリミッターを外し、限界以上の力を引き出す刺青。……本物の鬼の力を注入している、という噂よりは理解できますが、」
「あぁ、ぐっ……あああああああ!」
苦痛に身を捩る少女の肌に筋肉の筋が浮き出し、その身を倍にも膨れ上げていく。
変わり果て、異形と化した少女に見下ろされた時、新田の人工心臓が唸りを上げていた。
「ぐるぁああああ!」
「……どちらでも構いません。」
叫びながら突進してくる少女の脚を撃ち抜き、振り下ろされる丸太のような腕を避けて背後へと回る。
暴走する人工心臓によって引き出された新田の肉体には造作も無い動き。
「以前見た少年も、あなたのように動いていました。」
視界の中に動く物があれば、そちらへ視線を動かして跳びかかる……振り向きながら標的を見つけた少女の動きは全て、新田にとってはゆっくりと動いているように見えていた。
加速されたニューロンと、それに対応したサイバーアイによって。
「直線的な動きは見切りやすい……とはいえ、」
掴みかかろうとする腕をすり抜け、追ってくる脚を撃ち抜き、少女の懐へと新田は駆け出す。
殴り付けようと振り上げられた腕へと弾丸を撃ち込んで弾き飛ばし、
「私の身体は精密機器のようなもの。当たると死ぬから、そう信じて勇気を振り絞っているだけですが。」
「ぐっぁあああ!」
その勢いのままドスで少女の肩から袈裟懸けに斬りつけ、横を駆け抜ける。
叫びを上げる少女へと振り返ると、切り傷を抑えているようだが……刺青の顔がさらなる憎しみを募らせたように見えた。
「う、うぅうう……。」
「まったく、本当に悪趣味な……。」
新田へと向いた少女の傷は、既に塞がっている。
刺青の力か、その様に少女が造られたかは解らないが、
「スパイク・シアン、そしてリアニメイト……この二企業は必ず潰します。それがせめてもの弔いになると信じて。」
叫び声を上げて殴りかかってくる少女へと、新田は軽機関銃を向けていた。
大成功
🔵🔵🔵
朱鷺透・小枝子
先の戦闘で使った眼倍での周辺把握に、奪った部屋のチェックリスト。
…大凡、破壊しても良い所は理解しました。
【召喚術】ワームホールから亡国の主の腕を放ち遠隔操縦。
竜骨爪の装甲、主の怪力で【武器受け】鬼神変の腕を怪力で掴み取り、
【オーラ防御】サイキックシールドを纏わせた騎兵刀で神薙刃を受け流し
だからッ!全力で壊す!!
来い、主よ!!!
ユミルの子、即ち亡国の主の、虚空に開いた口に飛び込み融合『破壊翼』発動。
【呪詛】腕を通じて掴んでいた少女を崩壊霊物質で呪い、虚空から羽根を放ち【貫通攻撃】縫い止め壊す。
(味方を巻き込まないようにしつつ)
遺体の回収とかされない為に、超巨大翼を広げ可能な限り工場も破壊する。
ドゥルール・ブラッドティアーズ
SPD
グロ描写×
少女を救う意志がある者となら共闘可
クローンだからって酷い事をするわね……
私の力なら彼女に宿る悪鬼だけを排除できる。
猟兵と協力してでも彼女を救うわ
守護霊の【ドーピング】で戦闘力増強。
自動追尾する神薙刃は【オーラ防御・激痛耐性】で防ぎ
鬼神変での理性なき攻撃には、戦いで壊れた壁・床・シリンダー等の
破片を【念動力】で飛ばして注意を逸らす
呪印の力で槍状に圧縮した【呪詛・属性攻撃】の黒炎を【投擲】し
彼女の影を縫い付ける【マヒ攻撃】
すかさず『吸魂』と【呪詛耐性・狂気耐性・気合い】で
刺青羅刹の魂を取り込むわ
この世界では政府もアテにならないし
助けたクローン少女は
私の屋敷でメイドとして雇おうかしら
「これまでの戦い、そして例のチェックリスト……大凡、破壊して良い場所は理解しました。」
広げた朱鷺透の腕の先の空間にワームホールが開き、所有するキャバリア『亡国の主』の腕が伸び出した。
同時に向かいくる少女が振り上げた腕を素早く掴み取り、暴れる身体を吊り上げる。
「ぐっ、うぅう……。」
「だからッ! 全力で壊す!」
「……ちょっと待ちなさいよ。」
突如、少女との間に入り込んできたドゥルール。
そのまま腕を広げて制止する姿に、朱鷺透の冷たく問いかけていた。
「邪魔を、するか?」
「この子の中には鬼の魂が宿っているわ……それも特別悪いのが。それさえ排除できれば、この子は人として生きられるのよ。」
「ふむ。」
「死霊術士の私の力なら、彼女に宿る悪鬼だけを排除できる。」
冷たい殺気にも動じず、真剣に言葉を返すドゥルールに、朱鷺透は静かに問いかけた。
「……どうすれば良い?」
「悪鬼の魂は刺青によって、この子の魂の中に入り込もうとしているわ。今なら、刺青を引き剥がすか壊せば分離できる。」
「なるほどな。」
「そうすれば、後は私が悪鬼の魂を吸い出すわ。」
「ぐぅるる……があああぁああ!」
そう話すドゥルールの背後で、吊り下げられていた少女が激しく暴れ出す。
拘束を逃れた少女の身体が筋肉で膨れ上がり、唸り声と共に腕を振り上げていた。
「壊すのは、得意でしょ?」
「あぁ、その通りだ。」
問いかけに軽い笑みを返した朱鷺透へと、振り下ろされた少女の腕から放たれる真空の刃が迫る。
「じゃあ任せたわ。」
「ああ。ではいくぞ、主よ!」
間に飛び込んだドゥルールの身から放たれるオーラが刃を受け止め、消滅させていった。
その間に、広がるワームホールから姿を現す亡国の主……その開いた口に広がる虚空へと朱鷺透が飛び込む。
「ぐがあああ!」
「……お願いだから、大人しくして。」
さらに突進してくる少女に対し、ドゥルールは自身の手へと集めた呪詛を槍状にして投げつける。
黒炎揺らめくそれは少女の足元、伸びる影へと突き刺さり……少女はその場から動けなくなっていた。
「ぐっ、あぁあ!?」
「その身に宿る鬼よ、」
同時に少女は、伸ばされた亡国の主……いや、ユミルの子となったキャバリアの手に掴まれていた。
覗き込むように顔を向けるユミルの子の周囲に崩壊霊物質が浮かび、それらは徐々に少女へと集まっていく。
「壊れろ!」
「があああぁあああ!」
さらに凝縮した崩壊霊物質が刺青へと集まり、その鬼の面を崩れ、破壊していった。
鬼のように叫ぶ少女は徐々に元の少女の姿へと戻って行き、
「あああぁ……うぅ……。」
「これで、終わりよ。」
近づいたドゥルールがその顔を撫でると共に、少女は静かに寝息をたてて眠っていた。
「その子は、どうするんだ?」
「……このまま、この世界で生きていくのは難しいでしょうね。ここの政府もアテにならないし。」
「だろうな。」
「しばらく、私の所で匿うわ。生きていけるように色々教えてあげる。」
「そうか。」
眠る少女を抱えるドゥルールの後ろで、ユミルの子は背から巨大な光の翼を伸ばした。
それは施設の壁を貫き、置かれているシリンダーを薙ぎ払っていく。
「私はここを破壊していく。その子の痕跡も残さない程に。」
「わかった。」
「……その子が幸せに生きれるよう、祈っている。」
「任せて。」
抱えられた少女を見送り、朱鷺透は周囲へと崩壊霊物質をまき散らしていく。
跡に何も残らぬほど……二度と同じ過ちが繰り返されない事を祈りながら。
大成功
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