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7thKING WAR⑬〜金の裏に潜む残滓〜

#デビルキングワールド #7thKING_WAR


 スーパーカオスドラゴンが丁寧な立ち退き交渉を終えた後に暴れまわった事で生まれた、崩壊を続けるカオスの混沌領域。
 現地にはスーパーカオスドラゴン配下の悪魔達が送り込まれ続けており、猟兵達に対する必死の抵抗が繰り広げられていた。
「この地に充満している混沌は皆さんの脳に干渉して『内心の脅威』———かつての強敵の姿を見出し、その場にいる悪魔やオブリビオンにその姿をオーラとして纏わせます」
 ルウ・アイゼルネ(滑り込む仲介役・f11945)はホワイトボードの前でうろつきながら猟兵達に語りかける。
「ただどこぞの魔軍転生とは違い、その能力や意思まで再現しているわけではなく、戦い方自体は悪魔本人本来のものです。その不整合を突くと、敵の纏う強敵のオーラはひとりでに崩壊します」
 例えば、相手が騎士のオーラを纏っていたとする。だが相手が剣ではなく徒手空拳で戦っていたら、そこは大きな矛盾点である。
 それを口で指摘したり、攻撃を通すことで証明したりすればオーラは失われる。後に残るのは強大な力を失った悪魔1人だけだ。
「まあ、悪魔も悪魔で十分強い相手なんですけどね」
 今回標的としているのはセント硬貨を模した仮面をした戦闘員達である。
 かなりの守銭奴で「Dで雇われるオレカッコイイ」という理由だけで集まっているためスーパーカオスドラゴンに対する忠誠心はないものの用心棒として呼ばれるだけの力量はあり、スーパーカオスドラゴン派閥の攻略に邪魔な存在となっている。
「ここを落とすことでスーパーカオスドラゴンへの援助をさらに封じることが出来ます。皆様のお力を、どうかお貸しください」


平岡祐樹
 案件数はギリギリ足りているようですが、後顧の憂いは断っておきましょう。お疲れ様です、平岡祐樹です。

 このシナリオは戦争シナリオとなります。1章構成の特殊なシナリオですので、参加される場合はご注意ください。

 今案件にはシナリオボーナス「敵の姿と戦い方の矛盾に気付く」がございます。
 これに基づく対抗策が指定されていると有利になることがありますのでご一考くださいませ。

 オーラとなる「強敵」については、プレイングでの指定が無ければ今までのシナリオで手を焼いた相手が登場してきます。
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第1章 集団戦 『セントウイン』

POW   :    ㉕セントウイン
【自身の筋肉】を巨大化し、自身からレベルm半径内の敵全員を攻撃する。敵味方の区別をしないなら3回攻撃できる。
SPD   :    ①セントウイン
レベル×1体の、【仮面】に1と刻印された戦闘用【①セントウイン】を召喚する。合体させると数字が合計され強くなる。
WIZ   :    ⑩セントウイン
レベル×100km/hで飛翔しながら、自身の【厨二オーラ】から【暗黒破壊滅殺光線】を放つ。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​
ダーティ・ゲイズコレクター
私はダーティ!ダーティ・ゲイズコレクター!
凶悪で極悪で劣悪で最悪な魔王ダーティとは私のことです!

私の強敵となるとアイスエイジクイーンさんですね!
氷河期魔法はとても恐ろしい技でした!
それを今から再現するということですね!?
({ダーティアイ}で魔力の流れを『情報収集』するが見つからない)
…皆さんもしかして魔法が使えないんですか?

わかりました!魔法ではありませんがオーラを使った技を皆さんにお教えします!
まずは威力を体験しましょう!
(『衝撃波』を起こしながら{ダーティウイング}で『空中浮遊』し赤紫色に輝きながら叫ぶ)
恐れ慄け!泣き叫べ!終焉告げる花よ咲け!
【酷悪!濁穢花蕾狂咲】



「来たぞ、猟兵だ!」
「スーパーカオスドラゴン様の7thKINGへの道は邪魔させんぞ、猟兵め!」
 口々に罵倒するスーパーカオスドラゴン派閥の悪魔達に向け、ダーティ・ゲイズコレクター(Look at me・f31927)は舌打ちに合わせて指を振る。
「猟兵という名前ではありません。私はダーティ! ダーティ・ゲイズコレクター! 凶悪で極悪で劣悪で最悪な魔王ダーティとは私のことです!」
 そして高らかな名乗り声に悪魔達は眉を顰めた。彼らにとって「最悪の魔王」はスーパーカオスドラゴンなのだからそれを超えると自称する相手に好印象を抱くわけがない。
 しかし自分達の腕っ節では敵いそうにないという自己分析の目はあったのか、自ら殴りにはいかず、後ろにいた別の悪魔達へ声をかけた。
「セントウインさん、お願いします!」
「うーい。あとで追加の報酬はもらいまっせー」
「お、来ますか憑依! 楽しみにしてたんですよ! 私の強敵となるとアイスエイジクイーンさんですね! あの『氷河期魔法』はとても恐ろしい技でした! まさか、本当に!?」
「……よりによってあの高飛車女が最強だったと? 許せん! やっちまえセントウイン!」
「承りー」
 目を輝かせながら手を合わせたダーティは狙ってか偶然かは定かでないが、悪魔達の地雷を的確に踏み抜く。すると1セントの仮面をつけた悪魔達がまるで絶滅悪魔と同じように大挙して押し寄せてきた。
 だがその姿を見たダーティは幾度か瞬きした後に首を傾げた。
「……あの、皆さんもしかして魔法が使えないんですか?」
 自慢のオッドアイは自身に向けられる視線だけでなく魔力の流れも見逃さない。しかし今までの一連の動作に、魔力を一切感知出来なかったのだ。
 アイスエイジクイーンの絶滅悪魔軍団を再現したかに見えた動きの間違いを見破られたことにより、セントウイン全員に宿っていたオーラが消し飛ぶ。
 だがダーティは気にせず、大きく頷いた。
「わかりました!魔法ではありませんがオーラを使った技を皆さんにお教えします! まずは威力を体験しましょう!」
 そう言ってダーティは背中の赤い翼を広げると、周囲を薙ぎ払う衝撃波を放ちながら空へ飛び立つ。
 ただこれも魔力を一切使っていない、ただの前座だ。
「『恐れ慄け!泣き叫べ!終焉告げる花よ咲け!』【酷悪!濁穢花蕾狂咲】!」
 自身に向いたあらゆる視線をオーラに変換し、赤紫色に輝いたダーティは矢印の形に練り込んで悪魔達へと降り注ぐ。
 地面を抉る本命の一撃に、悪魔達は何の抵抗も出来ず悲鳴と共に宙へ飛んだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

レオナール・ゴート
ふむ……我が戦ったことのある「強敵」か。それならば、やはり……(被っている山羊の頭骨を撫で)我が親友の「魔術士」だな。彼の者の様々な魔法は、模擬戦とはいえ辛酸を舐めたものよ。

して、そこの悪魔よ。我が親友のオーラを纏っているようだが、なにゆえ筋肉を肥大化させ、肉弾戦を挑もうとしているのだ? 彼の者は魔術師。それなりのフィジカルは備えていたが、そのような力任せはせぬ男であったぞ。
やはり「オーラを借りている」だけの痴れ者か……疾く去れ。
去らなくても我が剣と拳で仕置きしてくれよう。

力任せの攻撃であれば「オーラ防御」「盾受け」「怪力」で受け止め、即座にUCを打ち込んで対処ができよう。さあ、覚悟するがよい



「ぬうん!」
 25セントの仮面をつけたセントウインが威勢の良い声と同時にバルクアップする。
 その勇ましい様をレオナール・ゴート(守護魔獣(元)・f37185)は眼窩の奥にある金色の目を細めた。
「ふむ……我が戦ったことのある『強敵』か。それならば、やはり……我が親友の魔術士だな。彼の者の様々な魔法は、模擬戦とはいえ辛酸を舐めたものよ」
 そう呟き、レオナールは被っている牡山羊の頭骨を優しく撫でながら呟く。
「して、そこの悪魔よ。我が親友のオーラを纏っているようだが、なにゆえ筋肉を肥大化させ、肉弾戦を挑もうとしているのだ? 彼の者は魔術師。それなりのフィジカルは備えていたが、そのような力任せはせぬ男であったぞ」
 その指摘にセントウインは何も返さないが、筋肉から発せられていた覚えのある威圧感はみるみる薄れていった。
 所詮は人の頭を覗き、記憶に残っている者の力を模写するこの地の力にただ乗っかっているだけなのだろう。あまりにもお粗末な姿に、レオナールが目を細めている理由は郷愁から侮蔑へと移り変わる。
「やはり『オーラを借りている』だけの痴れ者か……疾く去れ。去らなくても我が剣と拳で仕置きしてくれよう」
 ゆっくりと見せつけるように剣を抜いたレオナールに向け、セントウインは臆することなく殴りかかった。
「我が彼を苦手としていたのは戦いの形が真逆だったからだ。お主のように一気に近づき、力任せに押し潰すやり口は……青かった頃の我と同じだ」
 年老いた者の戯言だと思い込み、若い力で押し通そうとでもしたのだろうか。しかしその強烈な一撃をレオナールは盾を突き出し、正面から受け止めた。
「それでは彼奴には勝てぬよ」
 重い質量を押し付けられたにも関わらず微動だにしなかったレオナールは即座に衝撃波を放ち、立派な体格を持つセントウインをいとも容易く弾き飛ばす。
 セントウインは空中で体勢を立て直し足から着地する機敏さを見せたがその時にはもう、遠く離れたはずのレオナールの姿は間近に迫っていた。
 地面を滑るよりも素早い動きで放たれた斬撃が仮面を切り飛ばす。素顔が露わになったセントウインは自分の目を射抜く視線に自分の認識が誤っていたことに遅ればせながら気づき、小さな悲鳴を上げた。
「さあ、覚悟するがよい」
 驕れる者久しからず、ただ春の夜の夢の如し。

大成功 🔵​🔵​🔵​

カグラ・ルーラー
強敵は『オウガ・オリジン』。
で、「㉕セントウイン(POW)」に対し、筋肉を褒めちぎってやる。

「いやー凄ェ筋肉だ。鍛えに鍛えたまさに男の証だな」
「けどな、オウガ・オリジンは中身はさて置きガワは女だったぜ?」
「細ェ腕のアマだったぜ。この俺の腕と大して変わらねェ細腕。細腕の……」

ユーベルコード「『細腕の』レクリス・ビート」!
自慢の筋肉に拳を叩き込んでぶっ飛ばしてやる!

「腕の太さと拳の強さはイコールじゃねェ。本気でボコる信念を込めた拳は何でもボコれるのさ」
「次は超回復した腕で来いよ。ただしその頃には『7thKING WAR』が終わってるけどな」



「いやー凄ェ筋肉だ。鍛えに鍛えたまさに男の証だな」
 同じ頃、これまたバルクアップをした自らの肉体美をアピールするセントウインに向け、カグラ・ルーラー(バーバリス・f21754)は愛想笑いを浮かべながら、手を叩いて褒めたたえていた。
 その行為にセントウインはいたく上機嫌になったが、ふと手を叩く音が止む。
「けどな、オウガ・オリジンは中身はさて置きガワは女だったぜ?」
 そう言ってじっと自分の手を見つめたカグラの声が段々と小さくなっていく。
「細ェ腕のアマだったぜ。この俺の腕と大して変わらねェ細腕。細腕の……」
 脳裏を過るのは呼び出した物を踊らせ続けてその死の瞬間を眺めて悦に浸る暴君の姿と、自分と同じ存在の弱い所を見つけてそれを責め立て自分1人生き残ろうとする醜悪な姿。そして自ら始めた悪夢に苦しみ後悔しながら手首の傷から赤い獣を放ち続ける死にたがりの姿。
 セントウインのように筋骨隆々とまではいかなかったが、彼女は見るたびにやることなすこと姿形まで、まるで万華鏡のように変わる存在であった。
 この区域から力は借りれても記憶の内容までは分からないセントウインは俯いてしまったカグラを心配したのか、ポーズを解いて恐る恐る近づいてくる。
 そして目の前に来たは良いが、何と声をかければ分からずに戸惑っているところでブツブツと何かを呟き続けていたカグラの声はまるでボリュームのつまみを回したかのように一気に大きくなった。
『細腕! 細腕の! レクリス・ビートォォォォォォ!』
 そして握りしめた拳で豪快にセントウインの胸筋を殴りつける。
 完全に油断しきっていたセントウインは真横に吹っ飛ばされ、スーパーカオスドラゴンによって壊されたまま放置されていた瓦礫に激突してめり込んだ。
「腕の太さと拳の強さはイコールじゃねェ。本気でボコる信念を込めた拳は何でもボコれるのさ」
 殴った拳を開け閉めしたカグラは大きく息を吐き、瓦礫から外れて倒れ伏したセントウインに呼びかける。
「次は超回復した腕で来いよ。ただしその頃には『7thKING WAR』が終わってるけどな」
 リベンジを受け止める気概はあった。しかし届いたかどうか確かめる気ははなから無く、返答を聞く前にカグラは背を向けて歩き出してしまった。

成功 🔵​🔵​🔴​

馬県・義透
四人で一人の複合型悪霊。生前は戦友

第二『静かなる者』霊力使いの武士
一人称:私 冷静沈着
武器:白雪林

あの時(日がな一日花を見て)、確かに我らは苦戦しましたね。
ですが…違いますね。あの方は私と同じく射手。つまり、弓を使う相手であり、女性でした。
そのような筋肉がつき、拳で戦う者ではなかった。

というわけで、陰海月に乗りながらUC。陰海月を見ているということは、光も当たりますからね。そのまま、霹靂も突撃を。
私自身は、白雪林から氷雪属性霊力矢を撃ち、少しでも凍らせていきましょう。

攻撃は、上へ上へと避けましょう。今の陰海月ならば、できますから。


陰海月と霹靂も同じのを見るが。同じく気づいた。ぷーきゅ!クエ!



「あの時、確かに我らは苦戦しましたね」
 目の前に仁王立つセントウインを馬県・義透(死天山彷徨う四悪霊・f28057)は淡々と見つめる。筋骨隆々とした体の後ろには、ひたすらに角を持つ者を忌み嫌い続けた少女の幻影が見えた気がした。
 一体で行かせるには不安だったのか、ついて来た陰海月と霹靂も口々に鳴き声を上げる。おそらく彼らも同じ物を見たのだろう。
「ですが……違いますね。あの方は私と同じく射手。つまり、弓を使う相手であり、女性でした。そのような筋肉がつき、拳で戦う者ではなかった」
 幻影を突き破るように右肩を前に出し、まっすぐ突っ込んでくるセントウインを避けようと義透は陰海月の傘に飛び乗る。
 その重みを受け止め、陰海月はただひたすらに勢いよく空へ浮かび上がっていく。あの時と違って傘の上で自由に動ける面積は減ってしまったが体は軽くなり、動きは俊敏さを少しは取り戻している。
 本物と違い、桃の弓も棘の矢も持たず、かといって黒揚羽の群れとなって追いかけることも出来ないセントウインはただ口惜しげに空を見上げるのみ。雪辱に燃えていた陰海月はまるで勝ち誇るように、いつもより派手に光り輝いた。
「……嬉しいのは分かりますが、上に乗っている人のことを忘れないでくださいね。乗せてもらってる立場ですから強くは言えませんが」
 ちょっとした苦言により光量が減るが、伸びた義透達の影はセントウインの体を十二分に覆い隠している。
 そして影の中に潜んでいた霹靂は背後を取り、鬼が宿っているであろう背中を鋭利な爪で抉り取った。
 突然の衝撃と激痛に仮面の下からくぐもった声が上がるが、振り返ろうと動かした足は地面に突き刺さった矢を起点として広がった氷に包まれて拘束されていた。
「陰海月を見ているということは、光も当たりますからね」
 独り言を呟きながら新たな矢を番え、ゆっくりと力強く弦を伸ばし、狙いをつけて放つ。
 霹靂にセントを模したマスクを剥ぎ取られたセントウインは全身氷漬けとなってその場に佇むオブジェと化した。
「これだけ暑いのですからしばらくすれば勝手に溶けるでしょう。……次はあなた方の番です」
 笑っているようで笑っていない、肝を冷やす視線を向けられたスーパーカオスドラゴン陣営の悪魔達が思い思いの方向へ逃げ出していく。陰海月は誰か1人だけでも追うべきかと触腕を伸ばすが、義透はうってかわって優しい笑みを浮かべて首を横に振った。
 混沌領域のあちこちで、他の猟兵達の手によって雌雄がつく様はこの高い視点からはよく見える。この分だと近いうちにここからスーパーカオスドラゴンへの援助を行うことは出来なくなるだろう。
「本命を放って、あくまで善良である者達を追い回すのは肌に合いませんから」
 そう言って義透は腰を下ろし、透明に戻った陰海月の体を撫でた。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2022年05月11日


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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト