7thKING WAR⑱〜黄金ヲ呑ム†漆黒†
「………………」
男は頭を抱えていた。
ずつうがいたい、とでも言いたげな困惑混じりの静かな苦悶の顔だった。
「……今時の十代と言うのは、皆こんな感じなのか……?」
何やら現代十代が熱い風評被害を受けている気がする。
――気を取り直して、猟兵たちは新入りらしいグリモア猟兵こと園守・風月(地に足を・f37224)の話を聞くことにした。
「『7thKING WAR』とやらの戦況は、刻一刻と変化している。この黄金大迷宮での戦いも佳境のようだな」
ここにいる猟兵たちには、その手助けに向かってほしいのだと言う。
「この総金の迷宮には、大量の罠とでぃー? でびる? が眠っているらしいな。そのでびるとやらを狙って、オブリビオンが攻め込んでくるゆえ、各々にはその対処を頼みたい。……の、だが」
どうにも、敵の様子がおかしいと言う。
「姿は少年のようだが……右眼に封じた黒き稲妻が疼く? だの、我が魂の慟哭が聴こえるか? だの、面妖な言動を繰り返していた」
……ああ……それは……。
心当たりのある者もいたが、何も言うまいと口を噤む。
「だが、実力は本物のようでな。配置された罠も、人心惑わす道筋も、今のところ難なく突破しているようだ」
このままでは、順調にDを持ち逃げされてしまうだろう。
何としてでも阻止しなければならない。
「折角の罠の宝庫だ、利用しない手はあるまい。だが、闇雲に誘導を試みても回避されてしまうだろう。しかしこちらも奴と同じような言動で相対することにより、警戒が薄れる可能性が極めて高いようだ」
要するに、猟兵たちも厨ニ的なムーヴをキメることにより、それに乗っかってくる。それにより、警戒心が疎かになり罠に嵌めやすくなるらしい、と言うことだ。
ここは地獄でしょうか。いいえ魔界です。
「丁度、奴に追いつく頃には近辺に拘束系の罠が多い区画に入るだろう。だが、奴は飛行能力を有しているようだからな。足元に依存しない罠や、いっそのこと、身動きの取りにくい区画にある宝の方に誘導するのがいいだろう」
落とし穴や転倒を狙ったワイヤートラップの効きは悪い模様。上から檻を降らせたりだとか、上半身の動きを封じるワイヤートラップ、後は目の前にちらつくお宝などは有効らしいので、そういった罠への誘導を狙うといいだろう。
上手く動きを制限できれば、後は自慢の武器やユーベルコードで制裁を加えるだけだ。
「俺には理解ができんが、若者には若者の世界があるのだろう。だが、若さゆえで許していいことではない。後のことはよろしく頼む」
相変わらず十代への風評被害が熱い。
しかし訂正する間もなく、風月の手に四輪の薔薇が咲く。グリモアの花だ。
花開くと同時に、猟兵たちは転移した。
……さあ、そろそろ覚悟を決めねばなるまい。色んな意味で。
絵琥れあ
お世話になっております、絵琥れあと申します。
まさか戦争に来てまで皆様の厨ニ力を試すことになるとはなあ。
余談ですが、タイトルの『漆黒』にはちゃんと作法としてルビを振りたかったのですが、入りませんでした。無念。
心の目で『シュヴァルツ』と読んでいただければ幸いです。
戦争シナリオのため、今回は1章構成です。
第1章:ボス戦『『漆黒の昏き堕天使』シュヴァルツ』
迷宮の地形や罠、お宝を利用して戦うことでプレイングボーナスがつきます。
皆様の中に眠る厨二力を、全力で解放してください。
断章なし、公開された時点で受付開始です。
それでは、よろしくお願いいたします!
第1章 ボス戦
『『漆黒の昏き堕天使』シュヴァルツ』
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POW : 黒き稲妻の落ちる地に生誕せし『漆黒の昏き堕天使』
【「赦されぬ罪」で染め上げられた堕天使の姿】に変身し、武器「【魂の罪科を刈り取る死神の大鎌】」の威力増強と、【黒き稲妻を放つ力場で構成された光翼と光輪】によるレベル×5km/hの飛翔能力を得る。
SPD : 貴様は我が魂を震わせる言霊を放つことが出来るか!
対象への質問と共に、【封印されし邪眼】から【黒き稲妻で構成された邪龍】を召喚する。満足な答えを得るまで、黒き稲妻で構成された邪龍は対象を【魂を焼き尽くす黒き炎雷】で攻撃する。
WIZ : 汝らの罪を数えよ、我が魂の慟哭を聞くがいい!
自身の【魂の罪科を刈り取る死神の大鎌】から、戦場の仲間が受けた【屈辱】に比例した威力と攻撃範囲の【罪深きものの魂を焼き尽くす黒き稲妻の嵐】を放つ。
👑11
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ヘスティア・イクテュス
…シュ…ツ…ます…
…ヴァル…聞こえ…か…
…シュヴァルツよ、聞こえますか?
光学『迷彩』で姿を消して微かに聞こえる声色で話しかける
わたしはこの迷宮に封印された女神
我が声の聞こえし選ばれし者シュヴァルツよ。我が封印されし場所に訪れなさい
さすれば汝に力を授けましょう
と少年心を擽る台詞を
そのまま誘導し、落とし穴まで
さぁ、シュヴァルツよ。この落とし穴は実は我が元まで通じる隠し通路なのです、恐れず飛び込みなさい
と飛べる相手だろうと無理やり飛び込ませる
そして逃げ場のない落とし穴の中に向かってUCを
シュヴァルツよ。女神から力…貴方の為になる知識を授けましょう
知らない人の甘言に乗ってはいけませんよ?
●†黄金鳥籠ニ眠リシ女神†
『……シュ……ツ……ます……』
「……何だ? 声が……」
『……ヴァル……聞こえ……か……』
「うっ……我の脳内から……声が
……!?」
『……シュヴァルツよ、聞こえますか? わたしはこの迷宮に封印された、女神――』
「……何……だと
……!?」
悪しき法典を在るべき姿へと還元すべく、遍く俗世に富の象徴として跋扈する黄金の硬貨を求めて迷宮を彷徨う漆黒の昏き堕天使は、己の内から湧き出る女神の声を、聞いた。
――まあ、実際のところは光学迷彩によって空間に溶け込んだヘスティア・イクテュス(SkyFish団船長・f04572)がそれっぽく語りかけているだけなんですけど。
だが、彼女の目論見通り、シュヴァルツはこの美味しいシチュエーションにがっつり食いついた。
『我が声の聞こえし選ばれし者シュヴァルツよ。我が封印されし場所に訪れなさい。さすれば汝に力を授けましょう』
「成程……聞いたことはある。黄金を求めながらも、真なる気高き志を持つ者にのみ開かれる女神の道があると」
よくわからん設定を生やすな。
若干盛った解釈をされつつも、まあその気になっているなら逆に好都合とヘスティアは誘導を開始。
厨ニ心、もとい少年心を擽る台詞で目的の場所へと導いていく。
――堂々と口を開いて待ち受ける落とし穴が、そこにあった。
「女神よ、この虚無への門は一体」
『さぁ、シュヴァルツよ。この落とし穴は実は我が元まで通じる隠し通路なのです、恐れず飛び込みなさい』
「そ、そうか……!」
グリモア猟兵は確かに言った。シュヴァルツは飛行能力を有しているため、地面に依存する罠は『効きが悪い』と。
――『効かない』とは言っていない!!
事実、上手いことストライクゾーンを突けたようで、疑うことなく滑り落ちていくシュヴァルツ。
「?」
何もない。
それはそうだ。ただの落とし穴なのだから。
「シュヴァルツよ。女神から力……貴方の為になる知識を授けましょう」
女神――ヘスティアが、落とし穴の底に向けて初めて姿を見せる。
――知らない人の甘言に乗ってはいけませんよ?
ミスティルテイン・改の銃口が、シュヴァルツを捉え。
女神の鉄槌、もといヘスティアのユーベルコードによるビーム砲が、闇に傾倒しすぎた少年堕天使に制裁を加えるのだった。
大成功
🔵🔵🔵
ラクリマ・イラツメ
ふうむふむ。わしとてフレッシュ14歳と宣言しているゆえ
見事対応できるじゃろう
自分を信じる心が大切じゃ
アリスランスを煌めく錫杖に変化させ宝の見える場所で待機しよう
シャランシャラン鳴らし我が姿を彼奴に見せるのじゃ
我が名はラクリマ。この宝を守る者。
そなたは何者じゃ?
そなたが宝に選ばれしものならば、蔓はそなたを避けるじゃろう
たがえば、蔓はそなたに絡みつき、神罰が下るじゃろう
体に絡みつくワイヤートラップへと自らかかるよう誘導じゃ
見事絡めば神罰として竜神飛翔による雷を
逃れても、そなたは嘘をついた
といちゃもんをつけ、やはり雷を落とすのじゃ
なんとなく、完全竜体を好んでくれる気もするからの、これはサービスじゃ!
●†光雷神槍ノ守護竜†
――シャラン、シャラン。
「この清廉なる……ウッ……遙か遠き過去に黒き稲妻より生まれ出でし我が身を苛む音は……?」
清浄なる調べが、漆黒の昏き堕天使の鼓膜を震わせる。
闇をその身に宿す呪われた身には毒だった。だが、常闇の民である運命から逃れられぬと知ってなお、堕ちた身体で進み続ける。
ただひとつ、己が使命――善悪の別なく、暗夜の時代をもたらすために。
「!?」
調べを辿り、到達した聖域には、戒めの鎖を封印した謀略の糸と、その先に追い求めた秘宝があった。
しかし、秘宝を守護する番人がその姿を顕現する。黄金竜の因子をその身に宿した、翠玉の双眸を有する乙女だった。
「我が名はラクリマ。この宝を守る者――」
――と、こんな感じで良いものだろうか。
錫杖の姿を取らせたアリスランスを掲げたラクリマ・イラツメ(竜神のヘリオン・f37128)は、それとなくシュヴァルツの反応を窺ってみた。
(「ふうむふむ」)
確かに見た目は14歳前後に見える。かく言うラクリマ自身も、己が何年生きているのか覚えてはいなかった。
だが、その容貌は同じく14歳前後であろうということもあり。
(「わしとてフレッシュ14歳と宣言しているゆえ、見事対応できるじゃろう。自分を信じる心が大切じゃ」)
何事もやってみるものである。ラクリマは続けた。
「そなたは何者じゃ?」
「くっ……我が名は『漆黒の昏き堕天使』シュヴァルツ。この狂った世界を革変すべく、迷宮の秘宝を求める者だ」
「この迷宮の宝は主を選ぶ。そなたが宝に選ばれしものならば、蔓はそなたを避けるじゃろう。たがえば、蔓はそなたに絡みつき、神罰が下るじゃろう」
さあ、進むが良い。と促すラクリマ。
トラップを敢えて踏め、と言うことだ。意図は伝わっただろう。
シュヴァルツは地に足を降ろし、一歩踏み抜いた。案の定、ぐるぐるぐるーと絡まるワイヤー。
「そなたの心は虚偽に塗れておる。そのようなものに宝を手にする資格はない!」
仰々しく宣言し、ラクリマはその姿を竜へと変じる――!
(「なんとなく、完全竜体を好んでくれる気もするからの、これはサービスじゃ!」)
同じく(推定)14歳のよしみで迷宮のボス感を出しつつ、神罰の如き雷を放つ!
シュヴァルツは、裁きを受けながらもその目を輝かせていたと言う。
大成功
🔵🔵🔵
百地・モユル(サポート)
熱血で好奇心旺盛
本が好きな小学生
正義感が強く困っている人は見過ごせない
UCは業火の一撃、灼熱の束縛に加えて
自分たちが押し切られそうになったらオーバーヒートバッシュ
🔴の数が多い場合はバーニングリベンジャーだ
攻撃には怪力、属性攻撃、2回攻撃、グラップルなどの技能をのせる
逆に敵の攻撃をからみんなをかばう、耐えるために
武器受け、挑発、おびき寄せ、時間稼ぎ、激痛耐性なども使用
敵に一撃入れられそうなら咄嗟の一撃や捨て身の一撃、カウンター
こいつがボスか…
みんな大丈夫?助けにきたよ!
そんなの許せない、ボクの炎で焼き払ってやる!
技能の勇気、覚悟、気合いは常に発動状態
アドリブ絡み歓迎
影朧などの場合は説得もしたい
●†競合セシ紅炎ノ勇者†
――未だ、秘宝は我が手中に在らず。
だが、道半ばで志を折るわけにはいかぬ――。
漆黒の昏き堕天使は、迷宮に囚われたまま。
闇に生きる者を異端とし、狩る者たちの妨碍を受け、傷つき彷徨うばかり。
然れども、強靭なる意志が彼を突き動かしていた。
我は屈せぬ――悲願を叶えるまでは。しかし、更なる試練が彼を襲うのだった。
「見つけたぞ! お前に迷宮の宝は渡さない。燃ゆる炎は勇気のしるし、ボクの炎で焼き払ってやる!」
びし、と剣を掲げるポーズまで華麗に決めて見せたのは、百地・モユル(ももも・f03218)だ。
厨ニ病なんて難しい言葉はモユルには解らない。だって彼はまだ9歳なのだ。寧ろ14歳になっても純粋さを忘れないでほしい。そのままの君でいて。
だから、これは特に意識しての振る舞いではないし、どちらかと言うと彼の言動は厨ニ病と言うよりその対極の存在であるヒーローのようであったが、シュヴァルツは逆にそれをヒーロー対ダークヒーローの構図と受け取ったらしい。どこか満足そうに不敵に微笑んでいる。
「ふっ……来ると思っていたぞ。我が宿敵、紅炎の勇者よ。今こそこの永きに渡る因縁に終止符を打とうではないか……!」
因縁なんてないんですけど。
だが、モユルもモユルで勇者と言う響きに不覚にもちょっとときめいてしまった。
我知らず、その澄んだ瞳が輝く。そしてしっかりと剣を構え直した。
「えっ。……あ、ああ! ここで決着をつけてやる!」
ノリノリだった。かわいい。
勿論、勝負も本気。シュヴァルツが言うところの死神の大鎌から何条もの黒い雷を放てば、モユルも負けじと炎の剣を複製し、その全てを一斉射出する。
シュヴァルツは後退しながらそれを躱す――が。
「あ」
ヒーローとの決戦に集中していたシュヴァルツは、うっかり壁に触り、鈍化の呪いが発動した。
モユルはそれに気づかず、しかし動きが鈍った敵を見て、好機とばかりに剣を振り上げる――!
「燃ゆる命の炎、見せてやるぜ!」
「アッちょっと待っ」
「喰らえ――!!」
ノリノリになりすぎた結果、静止の言葉は最早モユルに届かなかった。
紅蓮に輝いた灼熱の剣は、シュヴァルツを正面から一閃したのだった。
成功
🔵🔵🔴
納花・ピンチン(サポート)
ブギーモンスターの勇者×殺人鬼
布を被ってから7年が経ちましたわ
普段はお嬢様口調で、時々関西弁がちょこっと
……って、勉強中なんですわ!
あくまでお仕置きをしに来ているから
あまり殺伐とした戦い方はしませんわ
武器も直前で刃を返して叩いたり
その光景はギャグになることが多いですわ
商人街出身、お話しや交渉なんかも好きです
小さなスイーツや飴ちゃんを渡して一緒に食べると
色々話してくれるんですわ
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し
多少の怪我は厭わず積極的に行動します
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません
また例え依頼の成功の為でも
公序良俗に反する行動はしません
あとはおまかせ
ほないっちょ、よろしくおねがいします
アス・ブリューゲルト(サポート)
「手が足りないなら、力を貸すぞ……」
いつもクールに、事件に参加する流れになります。
戦いや判定では、POWメインで、状況に応じてSPD等クリアしやすい能力を使用します。
「隙を見せるとは……そこだ!」
UCも状況によって、使いやすいものを使います。
主に銃撃UCやヴァリアブル~をメインに使います。剣術は相手が幽霊っぽい相手に使います。
相手が巨大な敵またはキャバリアの場合は、こちらもキャバリアに騎乗して戦います。
戦いにも慣れてきて、同じ猟兵には親しみを覚え始めました。
息を合わせて攻撃したり、庇うようなこともします。
特に女性は家族の事もあり、守ろうとする意欲が高いです。
※アドリブ・絡み大歓迎、18禁NG。
●もうそろそろいいかな、茶番やめても。
既に漆黒の昏き堕天使――もといシュヴァルツは満身創痍だった。フィジカル的にもメンタル的にも。
だって全然カッコよく決められないんだもん。今のところ一勝もできてないんだもん。
なので納花・ピンチン(ブギーモンスターの勇者・f31878)の姿を見た時にはその胸中で安堵の溜息を吐いたとか。申し訳ないが、正直なところあまり強そうには見えない、と言うことで。
因みに、そんな彼女を守るように前に進み出たアス・ブリューゲルト(蒼銀の騎士・f13168)はキャバリア・アクアブループラチナⅡに騎乗しておりちょっとカッコいいな……みたいな視線を向けていた。本人もキャバリアも、見た目は氷属性っぽいし。エターナルなんちゃらブリザードは最早厨ニの代名詞。
だが、その慢心が命取りである。
「困ったちゃんの堕天使さんにはお仕置きですわよ〜」
普段ならもっと厨二らしく言って! 的なリテイクを要求するであろうシュヴァルツだが、既にそんなことを言っていられる余裕はない状況だった。これまでの雪辱を晴らすべく、二人へ無数の黒い雷を差し向けるが、ピンチンが懐に忍ばせたビリビリグッズなコインケースには電撃耐性があるのだ。
そうでなくても、まだ幼い少女に手出しはさせないと言わんばかりに前へと発進したアスによって阻まれる。
「くっ……代償なくして抜かせはしない! 『貴様は我が魂を震わせる言霊を放つことが出来るか!』」
「――答える義理はない」
一刀両断。
本来、シュヴァルツが納得しなければアスは『封印されし邪眼』から召喚された『黒き稲妻で構成された邪龍』とやらにより『魂を焼き尽くす黒き炎雷』なるものに身を焼かれるはずなのだが、どうも龍らしきそれから吐かれるブレス的なものの火力が弱い。
恐らくアスに厨二的カッコイイ=セリフを言わせたかったのであろうが、それはそれでカッコいいと思ってしまったシュヴァルツの敗北である。
思えば、この瞬間に勝負は決していたのかもしれない。
「いい声で鳴いてな~」
アスの背後から、ピンチンののんびりした声が。
入れ替わるようにぷすっとシュヴァルツに突き刺さる、花とリボンが可愛い勇者の剣!
何故かシュヴァルツの四肢と首の付け根を囲む、ミシン目のような点線!
仰け反った先に都合よく設置されていた拘束用のマジックハンド!
ユーベルコード効果でくすぐり攻撃のオマケ付き!
「ひゃあぁ
……!?」
思いの外悲鳴がかわいかった。
せめて厨ニ魂の最後の矜持として、ぷるぷるしながら笑い声を上げそうになるのを堪えるシュヴァルツの元に。
「少年であろうと、この世界を脅かす一助となるなら容赦はしない。……突っ込むぞ!!」
アスの掛け声と共に、ピンチンは緊急離脱。
拘束とくすぐり抵抗判定中で動けないシュヴァルツの元へ――アスのアクアブループラチナⅡが肉薄する!
「ぐわぁああ
……!!」
放たれた碧き光から生じた、重い重い衝撃によって、シュヴァルツはマジックハンドごと弾け飛んだ。
「み、見事だったぞ我が強敵たちよ……だがこの地に黒き稲妻が再び降り注ぐ刻、第二第三の我が……再び相見えよう、ぞ……!」
地味に嫌な最期の言葉を遺して、シュヴァルツは消滅した。
「何度現れても、いたずらするならお仕置きするだけですわっ」
ふんすとガッツポーズらしい動きをしているピンチン。任務は終わったとばかりに背を向けるアス。
二人に、そしてこの戦いに参加した猟兵たちに、心からこの言葉を贈りたい。
――本当に、本当にお疲れ様でしたッ!!
成功
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