7thKING WAR⑬〜帝竜再殺
「やぁ、頑張っているね!このまま順調に『ガチデビル』の元へと赴こう!」
そう緑のかかった藍色のポニーテールを揺らし、グリモア猟兵リオン・ゲーベンアイン(四大副王北方担当『神弓侯』・f23867)はグリモアベースに集う猟兵達にブリーフィングを開始していく。
「今回のデビルキングワールドの戦争『7thKING WAR』については顛末を聞いているね?デビルキングワールドを統べる『デビルキング』の空位を埋める戦いが本来行われるはずだったんだけど……そこにオブリビオン・フォーミュラが参戦したというのが今回の戦争だね」
その目的はデビルキングワールドのカタストロフ……ではなく――
「……侵略蔵書『悪魔契約書』と『7thKING』の座。其れを用いてオブリビオン・フォーミュラ『1stKINGガチデビル』は『他世界への悪魔輸出』を試みている。其れだけは何としても阻止しなければならない」
そう久しぶりに『透明』が顔を出して説明を続ける。
「かの世界の住民である悪魔は誠実であるが、とても強力なユーベルコード使い。それらが『心に隙間を抱えた人』の願いによって各世界に召喚された場合、各世界でカタストロフに直結する事件が頻発するのは想像に難くない」
故に猟兵は『ガチデビル』の即位を阻止しなければならないのだ……
――が。
「因縁というべきか『アレ』が断片的とはいえ、復活するとは……」
そう言ってホログラフを空中に浮かべるリオンの『透明』。
そこに映っているのは――だいぶ輪郭が朧気だが、あの戦いに参戦した猟兵ならば知っている姿だ。
――八つ首の属性魔術の頂点に立つ帝竜の王。
A&Wのオブリビオン・フォーミュラ『ヴァルギリオス』である。
「戦場の影響によって『憑装』現象が起きているみたいだけど……これによって非常に断片的であるけど、あの『ヴァルギリオス』が再現されたみたいだ」
無論の事完全な再現ではない。
精々『全属性の魔力の使役』という限定的な力に留まっている……
「けれど、それだけでも非常に強力なオブリビオンとなっている」
疑似的なオブリビオン・フォーミュラとの戦いが今回の依頼となる。
「けれど、かつて猟兵が打倒した相手……あの時から、更に猟兵は強化されている」
ならば、勝ち目はある。
「また、戦場の影響によって『かつての強敵に対する恐怖心や敗北感を描写し、乗り越える』という戦法が有効だとグリモアに映った。其れを意識して戦ってみて」
最後に、かの帝竜の王を憑装した影響で今回戦うオブリビオンはヴァルギリオスに精神を完全に乗っ取られているようだ。
「つまりは、精神上はヴァルギリオスと対峙すると同じ」
そう告げたリオンの『透明』は弓の弦を引き、グリモアの転移を起動させていくのであった。
黒代朝希
一度やってみたかった。
疑似的な『帝竜ヴァルギリオス』との戦いです。
非常に限定的な力ですが、それでも強力なオブリビオンとの戦いとなります。
プレイングボーナス……かつての強敵に対する恐怖心や敗北感を描写し、乗り越える。
に加えて、
プレイングボーナス……『全属性の魔力の使役』に対策を立てる。
が存在します。
それでは、皆様の素晴らしいプレイングをお待ちしています。
第1章 ボス戦
『『隠し子』フィーリア』
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POW : やっぱり私のパパ/ママはあなたでした
指定した対象を【自身の親】にする。対象が[自身の親]でないならば、死角から【偽造された血縁証明書】を召喚して対象に粘着させる。
SPD : これが私に送られた遺書よ
【自身に宛てられた遺書の朗読】を披露した指定の全対象に【生き別れていた親子の再会に感動する】感情を与える。対象の心を強く震わせる程、効果時間は伸びる。
WIZ : 弁護悪魔を用意したわ
【デビルキング法律事務所】から、【D(デビル)相続弁論】の術を操る悪魔「【百枚舌のラニウス】」を召喚する。ただし命令に従わせるには、強さに応じた交渉が必要。
👑11
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ソニア・シルヴァーヌ
帝竜ヴァルギリオス、かつての彼と戦ったことはありませんが…こうして断片と対峙するだけでも、威圧感というか恐怖感は感じられますね。
しかし、私もラスボスの端くれ。強大なラスボスと言うべき彼自身ならばいざ知らず、その片鱗を相手として負けてなどはいられません。
光と闇の希望を発動、闇の雲を纏うのに加え【オーラ防御】と【属性攻撃】を組み合わせた対属性防御膜を纏い八属性攻撃に対策。
飛行しつつ、暗黒縛鎖・改を射出して牽制したり、L.C.Slayerから閃光を放ち【目潰し】を試みたりします。
その間に【エネルギー充填】を行い、隙が生じたところに溜めたエネルギーを注いだ波動砲を撃ち込んでいきましょう。
「帝竜ヴァルギリオス、かつての彼と戦ったことはありませんが…こうして断片と対峙するだけでも、威圧感というか恐怖感は感じられますね」
朧げな輪郭ながら八つ首の巨体を誇るA&Wのオブリビオン・フォーミュラと対峙するソニア・シルヴァーヌ(玻璃の白百合ラスボス仕立て・f31357)は眦を上げ、落ちてくる星に挑むかのように魔力を練り上げていく。
「しかし、私もラスボスの端くれ。強大なラスボスと言うべき彼自身ならばいざ知らず、その片鱗を相手として負けてなどはいられません」
その言葉と同時、口ずさむのはユーベルコードの詠唱。
その異能の名は『光と闇の希望(ダークネス・クラウド)』
「――未来を、無と還させるわけにはいきませんから」
下半身を漆黒の雲と化して全身を包んだ姿に変身し、ヴァルギリオスの得意とした属性魔術に対抗して構築した『対属性防御膜』を自身の身に纏って八属性攻撃に対策するソニア。
瞬間、ヴァルギリオスの幻影の口からブレスが解き放たれる。
「――ッ!!これがあの世界のオブリビオン・フォーミュラの力ですか!」
飛行しつつ『暗黒縛鎖・改』を射出して牽制すると同時に『L.C.Slayer』から閃光を放って目潰しの反撃をソニアは仕掛ける。
そこにエネルギー充填が完了した波動砲が下半身の漆黒の雲から具現化。
「では、行きますよ!」
再び放たれるヴァルギリオスの全属性ブレスに対抗するべく、漆黒の雲は波動砲の砲塔を物質化。
砲塔から放たれた波動は『対属性防御膜』を付与される事で全属性の魔力への抵抗力を獲得。
そのままブレスを押しのけてヴァルギリオスの口内に波動を叩き込んでいく――!!
「これがこの世界の『ラスボス』の力です!!」
デビルキングワールドにおける代表的な種族として、胸を張ってソニアはヴァルギリオス――その幻影に眦を上げたまま宣するのであった。
大成功
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プリ・ミョート
かーっ、これがかの有名な帝竜け! これを打ち倒した暁にはおらこそビッグなワル、魔王に名乗りを挙げられちゃうってわけだべ。今のうちに二つ名を考えちまうか。竜殺しとか、ええべ!
恐怖心な。田舎の閉塞感、優しいけどどこか頭打ちな感じ。今のおらには無限の可能性がある。例えば帝竜をぶっ飛ばしたり、とかな!
ぐえー!? 流石に全魔力攻撃は無理だべー!!
と無残に爆発するべ。まあ脱ぎ捨てた布だけどな。真の姿に変身して、そのまま肉弾戦で屈服させてやるべ。ははははは! 竜殺しの悪魔、ここに推参だべ!
「かーっ、これがかの有名な帝竜け! これを打ち倒した暁にはおらこそビッグなワル、魔王に名乗りを挙げられちゃうってわけだべ」
方言的な口調が特徴のブギーモンスターであるプリ・ミョート(怪物着取り・f31555)は瘴気や毒液を弾丸にして放つ、魔界のガトリング銃を構えてヴァルギリオスの幻影に立ち向かっていく。
瘴気と毒液を弾丸化する能力を持つガトリング銃は砲身を回転させ、弾丸が着弾した敵の肉体を溶かし蝕むに十分な威力を有している。
「幻影相手とはいえ、毒液ならともかく瘴気の弾丸は有効だべ!」
今のうちに二つ名を考えちまうか、等と呑気な考えを持っていたプリであったが……
オブリビオン・フォーミュラたる存在は、幻影相手でも甘くはない。
「……うぉッ!?」
即座に地面に伏したかのような重圧――それは幻影のはずである目の前の帝竜の主から放たれた『覇気』である。
「これが、幻影か……少し甘く見てたべ」
だが、プリもそんな『忘却の方程式(オブリビオン・フォーミュラ)』を狩る者たる猟兵。
与えられる恐怖心を戦場効果により『田舎の閉塞感』に置き換えていく。
「優しいけどどこか頭打ちな感じ……けど、今のおらには無限の可能性がある!!」
ユーベルコードを発動させて『蟲の外骨格をも覆い隠す、純白の屍乙女の皮』で全身を覆うと同時に『真の姿』を発動。
目の前の帝竜の主を叩きのめす事によって得られる栄光を思いながらガトリングガンを取り廻していき……
「ぐえー!? 流石に全魔力攻撃は無理だべー!!」
――全属性ブレスを食らい、爆散する。
無論の事、猟兵が無敵たる由縁の『真の姿』を発動していた事によって致命傷は愚か傷一つつかない……正確には『傷ついた肉体を『脱ぎ捨て』た』のだが。
「ははははは! 竜殺しの悪魔、ここに推参だべ!」
そのまま『真の姿』によって上昇した膂力を用い、プリはヴァルギリオス相手に肉弾戦を持ち掛けていく――
大成功
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エメラ・アーヴェスピア
また随分と懐かしい相手が見えるわね
その限定的な能力でも十分強力、それでも挑むわよ
幸いな事に、当時本物相手に【情報収集】しつつ戦っていたから情報はある
その情報を元に、あの時より増えた兵器を選定し、効率的に戦うのが本来私の戦い方なのだけれど…
あの時より強くなったと証明する為に…移動手段は違うとしても、あえて同じ兵器(UC)を使わせてもらいましょう
「騎乗鎧」に【騎乗】し、ローラー【ダッシュ】で相手の攻撃をデータを参考に回避しながら接近
出現させた超大型の杭打機を全力駆動、以前あったバリアが無いというのなら、あの時より強力な一撃を…!
撃ち貫きなさい、『貫くは…我が撃杭』ッ!
※アドリブ・絡み歓迎
「また随分と懐かしい相手が見えるわね」
エメラ・アーヴェスピア(歩く魔導蒸気兵器庫・f03904)はそう言って上空にを見上げる程に巨大な八つ首の竜――帝竜の王『ヴァルギリオス』の姿を瞳に映す。
「その限定的な能力でも十分強力、それでも挑むわよ」
かつての『帝竜戦役』にてエメラはヴァルギリオス戦において十分な情報収集を行って戦っている。
つまりは情報データの蓄積が存在し、ノウハウがあるという事だ。
「その情報を元に、あの時より増えた兵器を選定し、効率的に戦うのが本来私の戦い方なのだけれど……」
だが――エメラはあえて、あの最終決戦にて使用した兵器『貫くは我が撃杭(パイルバンカー)』を用いてかの王の幻影に挑む事を決めていた。
超大型の杭打機の魔導蒸気機関を暴走レベルで回し、無理やりその肉体へと押し込む――その戦法で彼女は帝竜の頂点に打ち勝った。
「だからこそ、あの時より強くなったと証明する為に……移動手段は違うとしても、あえて同じ兵器のユーベルコードを使いましょう」
――『騎乗鎧』、高速戦闘を想定され、様々な兵器に対応している二足走行型の騎乗用魔導蒸気兵器に乗り込んでヴァルギリオスの幻影に挑むエメラ。
相手の『全属性の魔力』によって強化された攻撃をデータを参考に回避しながらローラーダッシュを仕掛け、接近していく。
そうして、出現させた超大型の杭打機を全力駆動。
以前と違うのは、かつてヴァルギリオスを守っていた攻防一対の属性バリアの有無――
「以前あったバリアが無いというのなら、あの時より強力な一撃を――!」
召喚した浮遊型魔導蒸気射突杭打機が、超出力の一撃を見舞うために駆動していき、
「撃ち貫きなさい、『貫くは…我が撃杭』ッ!」
八つ首の竜の首、その内一つを粉砕するのであった。
大成功
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レクス・マグヌス
【心情】
帝竜ヴァルギリオス、過去に勝ちを拾うことはできたが、十分すぎる強敵だった
その憑装とは言え、現れた以上は全力で排除しなくては、デビルキングワールドの存続にかかわる
【戦闘】
あの時、奴の攻撃を防ぐ一分一秒が、何万倍もの時間に感じられた
またやれと言われても、可能なら避けたい位だ
だが、一度できたことが二度できない道理はない
奴が現れるのなら、僕は何度だって戦うだけだ
「聞け! 我が名はレクス・マグヌス! 滅びし都の最後の王!」
「毒耐性」「オーラ防御」で攻撃を防ぎつつ、
「力溜め」「高速詠唱」「属性攻撃」による攻撃をUCで召喚した下僕に行わせる
お前をよみがえらせることは僕が認めない
永遠に骸の海に眠れ
「帝竜ヴァルギリオス、過去に勝ちを拾うことはできたが、十分すぎる強敵だった」
その憑装とは言え――現れた以上は全力で排除しなくては、とA&Wを故郷とするレクス・マグヌス(嵐をもたらすもの・f07818)は、帝竜の王の姿を取る幻影を見上げていく。
彼の瞳には、オブリビオンの浸食により国を喪った王族であり……国に封じられていた妖剣の封印を解き、猟兵として覚醒した少年の激情が宿っていた。
「デビルキングワールドの存続にかかわる。全力で行かせてもらうぞ」
ユーベルコード『剣の軍勢(インベル・アウクシリア)』を発動させて『嵐の騎士』と『妖剣の下僕』を召喚していくレクス。
かつてあの時、A&Wのオブリビオン・フォーミュラたる『奴』の攻撃を防ぐ一分一秒が、レクスにとっては何万倍もの時間に感じられた。
「(またやれと言われても、可能なら避けたい位だ……だが)」
――一度できたことが二度できない道理はない。
もしも本当に、本質的な意味で帝竜『ヴァルギリオス』が蘇ったとしても――
「奴が現れるのなら、僕は何度だって戦うだけだ――災厄を呼べ! その名は争い!」
詠唱を唱えると同時、レクスは王族の生き残りとして宣する!
「聞け! 我が名はレクス・マグヌス! 滅びし都の最後の王!」
毒属性のブレスをオーラを展開する防御でその侵食と腐食を防いでいき、下僕達に高速詠唱と属性攻撃を同時に展開させていくレクス。
其れはかつて存続していた都の王族の生き残りとしての矜持であり、意地である。
「お前をよみがえらせることは僕が認めない――永遠に骸の海に眠れ」
冷酷に告げ、ヴァルギリオスの幻影に嵐の騎士をレクスは嗾けていく――
大成功
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カシム・ディーン
機神搭乗
ああ……そうか…
帝竜…ヴァルギリオスですか
「ご主人サマ…?」
…メルシー…力を貸せ
お前の権能も使えば…このUCは完成する
「!ご主人サマがメルシーを頼った…!ラジャったよ☆」
UC発動
恐怖…敗北?
ああ…帝竜の王…最強の存在…そいつに僕は恐れながらも憧れた
無力だった僕は…誰からも必要とされなかったしクソみたいな人生の中で僕は竜という天災に等しい存在の力に憧れた
だからこそ…叩き潰してやる(対峙する帝竜と帝竜
【情報収集・視力・戦闘知識】
敵帝竜の動きと攻撃の癖
纏った魔力を分析
そしてどの首からどの属性が放たれるかも確実に把握
よぅヴァルギリオス…最高のシチュエーションじゃねぇか
今だけこう名乗ってやる
この帝竜「カシム・ディーン」がお前を超える!
【属性攻撃・弾幕・スナイパー】
炎に水
水に土
土に木(雷)
雷に氷(金)
と此方に有利な属性のブレスをぶつける!
【二回攻撃・切断・捕食・空中戦・念動力】
念動力でその動きを制限
そのまま飛びながら体当たりで襲い掛かり
その首に食らい付き牙を突き立て切断しその霊体を貪る!!
「ああ……そうか……帝竜……ヴァルギリオスですか」
「ご主人サマ……?」
そう静かに、A&Wを出身とする魔術盗賊の猟兵であるカシム・ディーン(小さな竜眼・f12217)は八つ首をしならせながら全属性の魔力を迸らせる帝竜の王、ヴァルギリオスの幻影を静謐に見つめていく。
「……メルシー……力を貸せ」
「!ご主人サマがメルシーを頼った……!」
其れはメルシーにとって非常に意外な顛末。
彼女が『帝竜戦役』には参戦していない事に、この状況が出来上がった意味はあるのであろうか。
「お前の権能も使えば……このユーベルコードは完成する」
「――ラジャったよ☆」
そうして、メルシーと親和性を相乗させてカシムはそのユーベルコードを起動させていく――
「恐怖……敗北?」
その声は、どこから響くのだろうか。
「ああ……帝竜の王……最強の存在……そいつに僕は恐れながらも憧れた」
――なぜなら、今カシムは『その存在』となっているからだ。
つまりは、かのオブリビオン・フォーミュラ『帝竜ヴァルギリオス』そのものへと。
「無力だった僕は……誰からも必要とされなかったし、クソみたいな人生の中で、僕は竜という天災に等しい存在の力に憧れた……」
だからこそ、このようなユーベルコードをカシムは獲得した。
――『帝竜「カシム・ディーン」(テイリュウヲクライテイリュウヘトイタルトウゾク)』
――『カシム・ディーン』は『ヴァルギリオス』と同等の存在であると『自証』するユーベルコード。
「万物の根源よ……帝竜眼よ……今こそ……帝竜の王の力を我が身に宿せ……!!わが身今こそ帝竜へと至らん
……!!」
――だからこそ、叩き潰してやる。
そう八つ首の帝竜となったカシムは、かつてA&Wで猛威を振るった同じ姿のオブリビオン・フォーミュラと対決する!
「よぅヴァルギリオス……最高のシチュエーションじゃねぇか」
「――図らずも、こういった状況は余も嫌いではない」
幻影が、そう呟く。
互いに敵たる『帝竜』の動きと攻撃の癖を把握し、纏った魔力を分析するのは『カシム・ディーン』も『ヴァルギリオス』も得意とする所。
「――互いに、汝も余もどの首からどの属性が放たれるか……確実に把握しているな」
「だな……今だけこう名乗ってやる」
「余も、名乗ろうか」
八つ首の竜は、互いに自身と同じ姿をした『敵』に向かって宣する。
「余の名は帝竜ヴァルギリオス!世界を滅ぼし、帝竜を『界渡る者』とするオブリビオン・フォーミュラ!」
「――帝竜「カシム・ディーン」!僕が、お前を超える!」
瞬間、最後の戦いが始まった。
――炎に水。
――水に土。
――土に木。
――雷に氷。
――互いに此方に有利な属性のブレスをぶつけていく『カシム・ディーン』と『ヴァルギリオス』。
そのまま飛びながら体当たりで襲い掛かり、互いの首に食らい付き牙を突き立てていく――!
「僕の、勝ちだ……」
「――見事だ、『六番目の猟兵』の一人よ。この力、持って行くが良い」
やがて――『カシム・ディーン』が『ヴァルギリオス』の首を牙で切断し、その霊体を貪る!!
……やがて、戦場に立つのはボロボロになった人間体のカシムと――
そのボロボロの体を支えた、一人の銀髪の少女が安らかに回復魔術を主たる魔術盗賊に施すのであった。
大成功
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