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天災科学者集団一触即発!?

#アポカリプスヘル #戦後 #北関東荒野 #熊谷拠点


 Anti-oblivion Research Community。略して「A.R.C.」、または「箱舟機関」。
 人類救済を掲げ、日夜荒れ果てた土地で生き残るために様々な研究をし続ける研究機関である。
 だがその実態は手段を選ばぬ、道徳も倫理観も欠如した狂科学者の集団であった。
 故にドクター・オロチと気が合ったのだろうか、彼らはあらゆる攻撃と状態異常に耐性を持つことが出来る「デミウルゴス・セル」をオロチから提供されていた。
 そんな彼らが元ヤクザ・暴走族・半グレ・外国マフィアといったアウトレイジ達が暴力で覇権を競い合う「この世の地獄」という異名もある「北関東荒野」の一拠点、かつては「熊谷」と呼ばれていた場所で衝突しようとしているという。
「今回の衝突はA.R.C.に属する2つの研究所が持っていた全ての研究データが外部に流出、という事件が起きたことが原因となっています」
 A.R.C.の中にも派閥はあり、その内容は機械化や遺伝子研究、薬物など多岐に渡る。自らと相反するテーマを掲げている者と仲が悪くなるのは当然の道理であろう。
「まあ、どれだけ崇高な理由があったとしても無関係の人間を拉致して実験動物にしてる時点でアウトなんですけどね?」
 今回の一件は自分のデータが流出したのはあそこのせいだ、と互いに言い張り、平行線の話し合いが続いた末に武力行使に至ってしまったのだという。
「防犯カメラで犯人の顔は割れているようなんですが、どちらの件もその人物が同時刻に犯行が不可能なほど遠い場所にいたことが第三者、しかも複数人によって証明されている……という訳が分からない状況なんですよね」
 ルウ・アイゼルネ(滑り込む仲介役・f11945)はそう言って首を傾げた。
「で、それが発覚してから1年以上揉めに揉めた結果、熊谷にある拠点を挟んでA.R.C.の……『ライトブレインラボ』と『レフトブレインラボ』の睨み合いが始まっています。正直、いつ戦いに突入してもおかしくない状況です」
 当然のことながら彼らの間に挟まれている拠点には大勢の人が住んでおり、A.R.C.は研究室の優劣をつけると同時に新しい実験台の確保や新作のサイボーグの戦闘データの収集も狙っているようだ。
「今回の目標はこの争いに介入し、拠点の人々を守りながらどちらの陣営もぶちのめすことです。敵の数はいつもより多いですが、敵対状態にある現状を利用して殺し合わせれば、楽に戦闘を進める事ができるでしょう」
 ただ猟兵の介入に気づかれれば、A.R.Cの研究者は「猟兵に誘い出された」「此度の流出は猟兵の仕業」と誤認して矛先をこちらに向けてくるだろう。
「A.R.Cの研究者は皆、自分の体に『デミウルゴス・セル』を投与しています。この細胞を得た者は元々の持ち主たるデミウルゴスと同じく、ストームブレイドなど偽神細胞をその身に宿している者でなければ致命傷を与えられません」
 そのため普通に戦うだけでは持久戦で押し負けてしまう。そこでルウはテーブルの上にアタッシュケースを一つ置いた。
「ソルトレークシティで相対した物のように自壊する不安定な物ではなく、デミウルゴスの時のように偽神細胞を得ている第三者は近くにいません。つまり、今回もこれを使うしかない……ということになります」
 中には一部の猟兵達には見覚えのあるラベルと注射器が収められていた。
 偽神細胞液の接種は激しい拒絶反応をもたらし、絶命の危機さえある危険な行為。一度目は大丈夫でも、二度目三度目も同じように上手くいく保証はない。
「今のところ死亡例が無いので解禁しておりますが……くれぐれも無茶はしないでください。命あってこその物種なんですから」
 そうしてルウに送り出された猟兵達が現地に辿り着くとほぼ同時に、熊谷を挟むように陣取っていたサイボーグ達は一斉に動き出した。


平岡祐樹
 ちなみに流出事件の犯人は風魔さんらしいです。上司が気に入っていた相手にまでちょっかいをかけていたとは流石忍者、忍者きたない。
 お疲れ様です、平岡祐樹です。

 「箱舟機関『ARC』」はOPの記載通り「デミウルゴス・セル」を所持・自らの身に投与しております。
 デミウルゴス・セルはあらゆる攻撃と状態異常に耐性を持ち、ジョブが「ストームブレイド」である猟兵や「偽神細胞液」を注射した猟兵の攻撃でのみダメージを負います。

 彼らに対抗するために偽神細胞液を使用する場合は「第1章」から激烈な拒絶反応による激痛や幻視に耐えながら戦うこととなりますので、それに対する反応(プレイング)をよろしくお願いします。
 記載が無かった場合は「投与していない」という前提で話が進みますので、ご注意ください。(第2章でA.R.C.を目の前にした状況で打っても構いませんが、拒絶反応で大変なことになります)

 第2章ではそれぞれの研究室の長を務めるオブリビオン2人との同時戦闘となります。片方に注力するか、一気に2人を蹴散らしにかかるかは参加される皆様にお任せいたします。
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第1章 集団戦 『試製サイボーグ・ジュリア』

POW   :    P00.バーサーカーモード
【狂化暴走形態】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。
SPD   :    P01.基本攻撃プログラム
【背部アームの武装とガトリングガン】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
WIZ   :    P02.マインスラッシュ
【炸薬入り蛇腹剣】が命中した箇所を破壊する。敵が体勢を崩していれば、より致命的な箇所に命中する。
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シルヴィ・フォーアンサー
……話を聞いてると1年も揉めるだけで済んでたのが不思議だね。
『科学者を名乗っているのだし即暴力とはならなかったのではないか』

偽神細胞液をスーツを介して注入。
『君はそういう事への思い切りは良いな……大丈夫か』
ドーピングは慣れてるし平気と思ったんだけど……凄く痛い。
身体がミチミチと裂ける音が聞こえてきそう、幻視とか言われてたけど見てる余裕ない。
痛すぎるので機体との神経接続度を高めて機体と深くシンクロして肉体から逃げる。
『これは別な意味で危険なのだが……早めに戻れ』

本調子じゃないし数も多いし同士討ちさせようとコードで向かってきた敵を洗脳。
相手同士をぶつけ合わせながら自分も攻撃して数を減らしていくね。



 キャバリア・ミドガルズのコクピットに肘をつけつつ、シルヴィ・フォーアンサー(自由を求めた脱走者・f41427)は首を傾げた。
「……話を聞いてると1年も揉めるだけで済んでたのが不思議だね」
『科学者を名乗っているのだし即暴力とはならなかったのではないか』
「そういうもの?」
『ああ。怒鳴り合いはあったが、席からお互い離れて掴み合い殴り合いというのはあまり見なかったな。組織での君の教育担当などとは違ってね』
「ふうん……」
 ミドガルズのAI、ヨルは今まで自分が盗み見てきた経験則からそう答えたが、シルヴィにはピンと来なかったようだ。
 そしてそれを理解しようとする素振りを見せないまま偽神細胞液をスーツを介して注入した。
『君はそういう事への思い切りは良いな……大丈夫か』
「ドーピングは慣れてるし平気と思ったんだけど……凄く痛い」
『だろうな』
 身体がミチミチと裂ける音が聞こえてきそうで、幻視とか言われてたけど見てる余裕もない。
 あまりの痛みからシルヴィは機体ミドガルズとの神経接続度を高めることで深くシンクロして肉体から逃げた。
『これは別な意味で危険なのだが……早めに戻れ』
『うるさい。『言うこと聞け。』』
 ヨルの忠告を一蹴しつつ、シルヴィは拠点近くに突然現れたキャバリアが互いに敵の秘密兵器だと誤認し、排除しようと動き出すサイボーグ達に洗脳電波を放つ。
 するとサイボーグ達はキャバリアへの興味を失って最初に出されていた指示通りに背部アームの武装とガトリングガンを使って敵軍を駆逐し始めた。
 その上からミドガルズはミサイルやビームを撃ち込むことで、撃ち合いの流れ弾が拠点に行く前にそれらを一掃してみせた。
『ねえ、ヨル。痛みが抜けるのにかかる時間とか聞いてないの?』
『……まさかそれまでいる気か』
『もちろん』
 電脳空間で踏ん反り返るシルヴィの精神体にヨルは頭を抱えるポーズを見せた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

関東・大砂漠(サポート)
 ラスボスのソーシャルディーヴァ×寵姫、女です。

口調:女性的(私、あなた、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)


身長2mあるので他の猟兵の方々の視界を遮らないように気をつけたいです。
戦闘時はあまり前に出ず、【スナイパー100】で照準を合わせて【レーザー射撃116】を敵に放ちます
巨体に反して淑女。ユーベルコードは指定した物を、多少の怪我は厭わず行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。例え依頼の成功のためでも、品を下げる真似や公序良俗に反する行動はしません。
 アドリブ歓迎。よろしくおねがいします!



「……ん」
 外から絶えず聞こえてくる爆発音に関東・大砂漠(砂漠の虜囚(りょしゅう)・f39303)は煩わしそうに身動ぎした。
 悲壮感を霧散させられる電子ドラッグと有料Wi-Fiを提供する代わりに、静かなこの場所を貸してもらったのに……と関東は眉間に皺を寄せながら殻の中で縮こまる。いくら五月蝿いからとここから這いずり出て、怒鳴り込んで殴りかかるほどのやる気はなかったのだ。
『ーーーザァァァ…』
 まるで欠伸のように電子的な砂飛沫がノイズと共に吐き出される。それは荒野に吹きつける風に乗って熊谷の拠点周りで争うサイボーグ達の元に届けられた。
 自分や同機も早く動く小さな砂にバーサーカーモードとなった認識が誤作動を起こし、サイボーグは争い合うのを止めてその場で蛇腹剣やドリルを振り回し始める。だがどれだけ武器を振り回してもその場の空気の流れが乱れるだけですぐに別の風に塗り替えられてしまう。
 さらに激しく動くことで接合部の僅かな隙間に砂が入り込む。そして入り込んだ砂と部品が擦れ合うことで生じたダメージを敵の攻撃だと誤認したサイボーグはさらに一人相撲を繰り広げ、自ら傷口になり得る部位を晒し続ける。
 それら混乱を引き起こした異形の大車螯は見にいく素振りもなく、未だに微睡みの中にいた。

成功 🔵​🔵​🔴​

ベティ・チェン(サポート)
第四層の隠れ里出身なのにフラスコから外を見た記憶がある人狼のストームブレイド×サイバーニンジャ。

系統だった教育を受けていないのにザナドゥで問題なく暮らせる知識があり、自分はオリジナルではなかろうと思っている。

戦闘では自分の身長ほどある大剣(偽神兵器)振り回し素早さでゴリ押しする。

ユーベルコードは素早さに偏重しがちだがどれでも使用する。

自分が短命であろうことは本能的に理解しており、多少の怪我は厭わず行動する。

シノビらしく単独行動が多いため(協調行動が出来ないわけではない)、結果的に他の猟兵に迷惑をかける行為をしない。

アポカリプスヘルの敵には共感しがち。

あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



 走り近づいてくるベティ・チェン(迷子の犬ッコロホームレスニンジャ・f36698)に向けてサイボーグは蛇腹剣を振るう。
 しかしそれは何物にも当たることなく、刃の間に仕込まれた炸薬が爆裂することも無かった。
『ドーモ、ジュリア=サン。ベティ、デス』
 振り切られた腕の下に潜り込んだベティはここまで引きずることなく横に構え続けていた、自分の身長と同じくらいの大剣を全身を使って振るう。
『ゴートゥ・アノヨ!イヤー!』
 豪快な横薙ぎによって華奢なサイボーグの体を腹から両断し、断面からは大量の液体と金属部品が散らばり落ちる。
 だが頭を潰されてない故にサイボーグは何事も起きてないかのように真顔で蛇腹剣を上段へ振り上げる。
 しかしその刃は空を切って地面を叩き、上半身も下半身も総じて爆発に巻き込まれた。
「まんま人だから、少し、抵抗あるけど……人格が無いのは、気が軽い、かな」
 見た目は人と同然で「ジュリア」というコードネームは付けられているようだが、A.R.C.はこのサイボーグを作るために連れ去った人やクローンを素材にはしていないらしい。試作機故にそのような「貴重な素材」は使えず、また演技するためのプログラムなども搭載されてないのだろう。
「データさえ、取れれば、あとは壊されるだけ……なのかな」
 いくらそのためだけに作られた物だと分かっていても、プログラム通りにしか動けないサイボーグにベティは憐憫の眼差しを送る。
 もしここでサイボーグが形だけでも悲壮感漂う表情を浮かべればベティの心により大きな影を落としたのだろうが、アップグレードを行う余裕はこの場にはもう残されていなかった。

成功 🔵​🔵​🔴​

アリシア・ウォレス
連携・アドリブ歓迎

ブットバースから増援に来たよ!
今回の敵を倒すには、これ(偽神細胞液)が必要なんだね♪
えいっ☆(躊躇わず注射器ぷしゅ)

(ばたり)

ナニコレ頭割れそう筋肉千切れそうに痛い視界もピカグル正直拒絶反応ナメてまs……なんて弱音吐いてられるかぁっ!

(リボルバー銃のグリップを強く握り直して)

燃え上がれ、ワタシの終焉を終焉させる意思ガッツ
レッツヒャッハー!
闘争心と脳内麻薬で痛覚をトバす闘争心・激痛耐性・ドーピング・限界突破

【エンドブレイカーズ・ソウル】で、敵の齎す悪しき未来エンディングを纏めて奪ってから攻撃。
不安定な視覚ではなく長年銃を撃ち続けてきた感覚を頼りに、敵の攻撃を軽やかに躱し敵を狙い撃つ。勝負勘・心眼・軽業・スナイパー
撃ち尽くした銃は耐熱ジェルを塗った火炎耐性胸の谷間に差し込み、賢者の石が創造し手元に現れる銃弾を迅速に込めつつ、反対側の手でもう一丁の銃を迅速に構えて撃つ錬金術・継戦能力・早業・クイックドロウことで、給弾しつつ戦い続ける。



「今回の敵を倒すには、これが必要なんだね♪ えいっ☆」
 戦場となっている地点からほど近い所にあった砂岩に座り込み、アリシア・ウォレス(イノセントのガンスリンガー・f41063)は掌の中で回していた一本の小さな注射器を何の躊躇もなく、自らの二の腕に刺して薬液を押し込んだ。
「さあていく……」
 空になった注射器をその場に捨てたアリシアは遠方に見えるサイボーグ達をさっさと一掃しようと意気揚々と立ち上がったが……一歩踏み出す前に立ち上がった勢いのまま前方に倒れ伏した。
 発汗悪寒動悸息切れ筋肉痛視界の明滅、様々な病気の欲張りセットにアリシアは目を白黒させる。
「ナニコレ頭割れそう筋肉千切れそうに痛い視界もピカグル正直拒絶反応ナメてまs……なんて弱音吐いてられるかぁっ!」
 一転して気炎を吐いたアリシアは歯を食いしばり、両手を地面につけて身体を起こす。
「燃え上がれ、ワタシの終焉を終焉させる意思ガッツ! レッツヒャッハー!」
 そして強引に湧き立てた闘争心と脳内麻薬で痛覚をトバし、たわわな胸の谷間から一丁の拳銃を取り出して突っ込んだ。
 不安定な視覚ではなく長年銃を撃ち続けてきた感覚を頼りに、サイボーグが振るう蛇腹剣の攻撃を軽やかに躱しつつカウンター気味に狙い撃つ。
『そんな未来、絶対にぶっ壊すよ!』
 エンドブレイカーの力で予知したA.R.C.が思い描く最高の「悪しき未来エンディング」への怒りをアリシアが解放したことで運気を奪われ、代わりに不運を授けられたサイボーグ達は悉く致命傷となる箇所を撃ち抜かれてその場に崩れ落ちた。
「おっと、もう切れちゃった?」
 アリシアは銃を持っていない方の手を胸の谷間に突っ込んで二丁目の銃を出すと、代わりに引き金を引いても何も出なくなった拳銃の銃身を差し込む。銃は撃ち終わったばかりで発熱していたが、事前に無色透明な耐熱ジェルを塗っていたことで火傷をすることは無い。
 普段からやっているのだろう、アリシアは慣れた手つきでシリンダーを弾き出し、賢者の石の力で手元に顕現される銃弾を込めつつ、反対側の手でもう一丁の銃を迅速に構えて撃つ。
 その銃が弾切れを起こしたタイミングで、蛇腹剣に仕込まれていた炸薬が爆発したことで生じた黒煙に紛れていた一体のサイボーグが強襲を図る。
 しかしその時にはもうすでに最初の銃の装填は終わっており、サイボーグの眉間を胸の谷間から抜かれたばかりの銃身から放たれた一発が貫いた。
「もう少し早ければワンチャンあったかも? 運が悪かったね!」
 ドリルもノコギリも蛇腹剣も、捉えようと伸ばした手すらもアリシアの褐色の肌に掠ることなく、サイボーグは真顔のままうつ伏せに倒れた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

伊吹・次郎
(メインがストーム・ブレイドなので、偽神細胞液は使用しません。)
「さてと困りました。集団の敵を相手にどこまで戦えるか。」「まあ、できる限り全力は尽くしましょう。」
行動は【POW】です。
戦闘は、相手の攻撃を【オーラ防御】と【残像】の技能でできる限りダメージを軽減します。その後、【カウンター】で【鎧無視攻撃】の【ダガー一閃】で、『試製サイボーグ・ジュリア』達を纏めて攻撃します。
「(相手の攻撃を受けて)そう簡単に倒れる訳にはいきません。」「(攻撃時)できる限り相手にダメージを与えましょう。」
アドリブや他の猟兵の方との連携等は、お任せします。



「さてと困りました。集団の敵を相手にどこまで戦えるか」
 心配そうな声色とは裏腹に黄金の仮面たる伊吹・次郎(黄金仮面・f12899)は声を発しても一切動かない笑みを湛え続けていた。
「まあ、できる限り全力は尽くしましょう」
 速く動く物を無差別に攻撃し続けるモードへ移行したサイボーグは同士討ちを繰り返しながらも抜きん出た個体が伊吹を掴もうと手を伸ばす。
『一閃!』
 しかし伊吹が振るったダガーが甲高い音と共にその手を払い除けた。
 鋭利な切先を浴びたサイボーグはバランスを崩して後ろによろめき、後に続いてやってきたサイボーグが振るうドリルやノコギリの餌食となる。
 だが一方で伊吹もダガーを持つ手首と腕に痺れを感じていた。
「これは、中々に硬いですね……骨が折れてしまいそうです」
 いくらオーラの膜を張っていても、全ての攻撃を吸収出来るわけではない。自らの攻撃の反動による衝撃となったら尚更である。
「ですが、できる限り相手にダメージを与えましょう。そうすれば勝手に自滅してくれるんですから」
 何もかも叩き潰す破壊力が無くともやりようはあるのだと、角度によっては澄ましたような表情にもみえる伊吹はスクラップと化した同型機を踏み潰しながら切り掛かってきたサイボーグの攻撃をいなした。
 そうして最初は1体だけ相手にしていたが、時間が経つにつれて別の方向からやってきたことで衝突を回避できた個体が攻勢に参加し出す。しかし伊吹は振りを大きくするだけでそれら全てに対応してみせた。
 諸刃のダガーがあちこち刃こぼれし、お互いに決定打が見出せない中、自分が抱えていたサイボーグを片付け終わった猟兵による横槍が入ってくる。
 伊吹よりも速く動く相手にサイボーグの関心は一瞬で移り、取り残される格好となった伊吹は耐え切ったことに対する安堵の息を吐き終えると高台からこの様子を眺めていたA.R.C.の陣地に視線を移した。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 ボス戦 『🌗箱舟機関『ARC』』

POW   :    敵性体研究部会/捕え、研究し、対抗する
無敵の【偽神兵器】を想像から創造し、戦闘に利用できる。強力だが、能力に疑念を感じると大幅に弱体化する。
SPD   :    人工兵研究部会/人類救済の為に手段は選ばず
召喚したレベル×1体の【人類救済用人工生命体】に【偽神兵器】を与え、【強力な再生能力】を生やす事で、あらゆる環境での飛翔能力と戦闘能力を与える。
WIZ   :    生体兵器化部会/我々は箱舟(Ark)足りえない
【生体兵器化の特殊薬】により【強化人間】に変身する。変身の度に自身の【装備する偽神兵器】の数と身長が2倍になり、負傷が回復する。
👑11
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「どういうことだ、次々にロストするだと?」
 何もない荒野に直置きされた機材からサイボーグから発せられる信号の情報が途絶えていくことにレフトブレインラボの面々は焦りの表情を浮かべていた。
 プログラミングは完璧で、同型機を前にしてもライトブレインラボ謹製の者にしか襲いかからないようにしたはずだと玉のような脂汗が担当者の額から浮かび上がる。
「ライトブレインラボから通信です!」
 そんな時、憎き相手から連絡が入った。レフトブレインラボの代表は忌々しさを一切隠そうとせずにそれに応じた。
「なんだ、勝利宣言でもするつもりか?」
『いや、緊急事態の共有だ』
 そう告げるライトブレインラボの代表の表情は画面越しでも分かるほど険しくなっていた。
『猟兵による横槍が入ってきた。我々のサイボーグもお前達のサイボーグも一まとめにやられている』
「何?」
 ライトブレインラボの陣地は熊谷拠点を見下ろせる場所に設置されたという情報は把握済みだ。
 だがここでそういう嘘をついて、我々を誘き寄せるつもりでは……と疑っているとその思惑を見透かしたように映像データが送られてきた。
 そこには2つのラボが出撃されたサイボーグ達が第三者———猟兵に成す術なく一掃される様子が録画されていた。
『奴らはサイボーグ達を一掃し終えたら我々を各個撃破しにくるだろう。……ここは一旦お互い引いて、目の前の猟兵達を排除するとしないか?』
「なるほど……」
 レフトブレインラボの代表の頭にある噂が浮かび上がってくる。
 猟兵の中には変身能力を持つ物がいると聞いたことがあった。……ひょっとしてあの映像に映っていたライトブレインラボの一員の正体は。そしてあちらが防犯カメラに映っていたと宣っていた「当ラボの職員」は。
 ……もしこの仮説が正しければ、今回の対立は全て猟兵の掌の上で転がされていたことになる。それは、非常に気に食わない。そして断じて許し難い。
 ならばこの申し出への返答は1つしかない。
「その話、乗らせてもらおう。お前と手を組むのは苦肉の策であるが、呉越同舟といこうではないか」
『わざわざ知識を見せびらかしてくんな、そういうところが嫌いなんだよ』
シルヴィ・フォーアンサー
……痛みとか引いてきたみたいだしもう大丈夫かな。
『効力を試す相手も出てきたようだぞ』

相手が数と再生力で押してくるならこっちはそれ以上の数で殲滅するよ。
パラライズ・ミサイルで近い連中を麻痺させてちょっとだけ時間を稼いでシルエット・ミラージュ。
続いてハンドレッド・イリュージョンで複製を分身と合わせて1168体のミドガルズを召喚。
瞬間思考力をドーピングで強化してヨルにも戦闘演算を肩代わりしてもらって並列操縦。
本機と複製で敵を纏めて包囲してミサイルとガトリング砲とハイペリオンランチャーの範囲攻撃を撃ち込みまくって
再生が追いつかない勢いで攻撃してふっとばすよ。



『……痛みとか引いてきたみたいだしもう大丈夫かな』
 シンクロ率を落とし、意識を肉体へ戻すとミチミチと裂ける音が聞こえてきそうな激痛はもう止んでいた。
「これでほんとにA.R.C.の連中に一泡吹かせられるようになったの?」
『らしいぞ』
 特に肌の色が変わったり力が湧き出したりしてこない自身の体を疑わしげにシルヴィは眺めた。
『ちょうど効力を試す相手も出てきたようだぞ』
 そんな時、偽神兵器を装備した人工生命体の一団が西と東、2つの方向からそれぞれ大挙して押し寄せてきた。
「じゃあ撃ってみよう」
 ミドガルズから放たれた【パラライズ・ミサイル】の着弾点から近いところにいた個体が麻痺している間にシルヴィは【シルエット・ミラージュ】を展開する。さらに【ハンドレッド・イリュージョン】も組み合わせた結果、複製と分身の違いはあれど計1168体のミドガルズが荒野に配備された。
「ヨル、動かすよ」
『分かった』
 短い言葉から何を求められているか推測したヨルは機内に収容していた注射器のロックを解く。
 操縦席の傍から空気音と共に飛び出てきたそれをシルヴィは引ったくるように取り、偽神細胞液と同じように自らの体に注入した。
 この薬液はデミウルゴス・セルにのみ反応する偽神細胞液とは違い、瞬間的な思考力を底上げする効能があった。
 ヨルに戦闘演算を肩代わりしてもらいつつ、シルヴィはシンクロ率を上げながら操縦席にあるレバーやボタンを次々に押し込んでいく。
 するとミドガルズ達は規律ある軍隊のように動き出し、痺れて身動きが取れない者達を中心としてなるべく多くの人工生命体を巻き込むように包囲する。そしてミサイルとガトリング砲、ハイペリオンランチャーの砲塔を目前の存在に向けた。
 轟音と共に放たれた金属の塊と光線が人工生命体を飲み込む。しかし偽神兵器による超回復が力の奔流に巻き込まれた体が完全に消滅することを拒否する。
 だが相手が数と再生力で押してくるならこっちはそれ以上の数で殲滅するのみ。複製体が役目を終えて消滅するそばからシルヴィは新たな複製を生成して攻撃の手を緩めない。
 光線に負けない強烈な光を放ちながら偽神兵器が崩壊していく。そして偽神兵器という支えを失った人工生命体もまるでその末路をなぞるように熱と光の中に溶けていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

シェリー・クサナギ(サポート)
「美しくない世界なんて、生きるに値しないわ」
◆口調
・一人称はワタシ、二人称はアナタ
・女性的な口調
◆性質・特技
・血液の形状を自在に操作する能力を保有する
・可愛いものには目がない
◆行動傾向
・暴力と砂嵐が支配する狂気の世界において、美しいものと可愛いものこそが人の心を救うと信じ、それらを護るために戦ってきた歴戦の奪還者です。社会通念や秩序に囚われることなく、独自の価値観を重んじます(混沌/中庸)
・彼にとって『美しさ』は外見だけでなく、義侠心や献身的な姿勢、逞しく生きようとする精神の高貴さも含まれます。これを持つものは敵であっても尊重します(が、世界を脅かす存在は『美しくない』ので結局戦います)



「嘘だ!? 我々の人工兵がっ!?」
 生命体の製造に関与した研究員が目を見開いて喚く。A.R.C.にとって偽神兵器の回復はあくまで補助や予防線扱いで、あらゆる攻撃と状態異常に耐性があるはずのデミウルゴス・セルがこんな簡単に崩壊してしまうのは計算外だったのだろう。
「いや、こんな簡単に壊されるわけがない! きっとどこかに転移されているだけだろう!」
「……美しくないわね」
 その様を崖下から眺めていたシェリー・クサナギ(荒野に咲く一輪の花・f35117)は眉間に皺を寄せた。
 自分の人生を賭けた研究が真っ向から粉砕された現実に目を背けたいのは分かるが、なんて自分に都合のいい解釈をしてるのだろうか。
 そんな独善的な考えの元に動いているから、協力を申し出る団体がオブリビオンぐらいになってしまったのだろう。
「後に控えている分を全部出せ、あの光が尽きるまでつぎ込むんだ!」
 追加された人工生命体の一部が崖下にいたシェリーの存在を感知し、急行する。そして偽神兵器を四方八方から突き出して、避けようと体を捻らせたシェリーの色黒の肌を逃さず抉り取った。
 だが噴き出した血液は地面に落ちることなく、渦巻きながら天へ昇り始める。
『はたらきなさい、ワタシの赤血球!』
 大怪我を負っても不敵な笑みを浮かべたシェリーに応えるように血液中に溶かされていた偽神兵器が起動し、周囲に集っていた人工生命体を飲み込む。
 オブリビオン・ストームを喰らい操るナノマシンは、オブリビオン由来であるデミウルゴス・セルも自らの糧とするべく分解して取り込んでいく。
 そうして武装ごと貪り食われた人工生命体は断末魔を上げることなく消化されていった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ベティ・チェン
「ドーモ、デザイナー=サン。ベティ、デス。ゴートゥ・アノヨ!イヤーッ!」
自分の身長ほどある大剣(偽神兵器)振り回し突貫
「キリステ・ゴーメン!」
「ゴートゥ・アノヨ!」
の掛け声と共に斬りかかり治る端から両断する
敵の攻撃は素の能力値で回避
周囲が切断した敵の破片塗れになろうが敵が滅するまで攻撃続行

「デザイナーは、みんな、嘘つきだ。キミ達が、ヒトを救った、ところ。ボクは。見たことが、ない」
「自分達の願いを、叶えるために。他の全てを、犠牲に、する。なのに。再生や救済を、謳うんだ」
「たくさん殺した、キミ達が。死ぬ番が、来た、だけ。サンズ・リバーの、渡し賃は。ボクが、恵んでやる。ベイビー・サブミッション」



「秘蔵の人工兵が成す術なくやられたか。哀れだな、ライトブレインラボよ」
 血管が切れそうなほど顔を真っ赤にしたライバルに、レフトブレインラボの研究員が呼びかける。
「言っただろう? 未来はプログラミングした機械任せではなく自らの手で掴みにいくべきだと」
 そう言って研究員は注射器の中の赤い液体を自らの動脈に差し込んだ。
「『我々は箱舟Ark足りえない』のだから」
 急激に血管が浮き上がった手で握り締める金属の棒からオブリビオン・ストームを燃料にした炎が湧き上がる。太陽の下でも辺りを強く照らす光源に研究員は恍惚の表情を浮かべた。
 その影で、琥珀色の瞳が輝いた。
『ドーモ、デザイナー=サン。ベティ、デス。ゴートゥ・アノヨ! イヤーッ!』
 自分の身長サイズの大剣型偽神兵器が研究員の視界の外から振るわれる。しかし引き上げられた反射神経がすんでのところで防いだ。
「デザイナーは、みんな、嘘つきだ。キミ達が、ヒトを救った、ところ。ボクは。見たことが、ない」
「それはそうだろう。まだ我々は確実にこの世界を、全ての人民を救う術を持っていない。だからこそ研究を続けているのだ」
 鍔迫り合いをしながら向かい合ったベティと研究員は互いの主張をぶつけ合う。
「自分達の願いを、叶えるために。他の全てを、犠牲に、する。なのに。再生や救済を、謳うんだ」
「我々の願いは全ての人民の願いだ。子の代、孫の代の平和のためならば老い先短い親は喜んでその身を投げ出すだろう? だがその死が無駄死にで終わっては意味がない。故に我々は用意しているのだ、最も未来に貢献できる死に場所を!」
 だがベティは知っていた。A.R.C.の犠牲になった人々全てが、彼らの理想に共感して自ら礎になろうとその身を捧げたわけではないことを。
 死人に口無しと一方的に理想を押し付けて、賛否問わずに実行に移して、目の前の命をサンプルデータとしてしか認識していないマッドサイエンティストの笑顔をベティは睨みつける。
「たくさん殺した、キミ達が。死ぬ番が、来た、だけ。サンズ・リバーの、渡し賃は。ボクが、恵んでやる。ベイビー・サブミッション」
 自らの主義主張を酔いしれたように謳い上げていた研究員は全体重をかけて小柄なベティを押し潰そうと迫る。
 その瞬間、研究員の偽神兵器が乾いた音を立てて真っ二つになった。
「キリステ・ゴーメン!」
 邪魔をしていた物体が壊れたことで自由となった刃が研究員の体を捉える。だが傷口から血の代わりに溢れ出た肉がそのまま筋肉へと変わり、研究員は自らの体躯を巨大化させながら2本に分かれた偽神兵器で応戦しようとする。
「ゴートゥ・アノヨ!」
 しかし昨日まで机仕事しかしてなかった者が薬の力を借りようと歴戦のニンジャと互角にやり合えるわけがなく、息つく間もなくどんどん両断されていく。
 ベティは自らの体が他人の血と肉に塗れても一切動じず、巨大化し続ける研究員を一心不乱に切り刻み続けた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

キャロル・キャロライン
Anti-oblivion、ね
なら、自分達の身体で好きなだけ人体実験をして、研究結果だけを残して骸の海に還ってくれない?
それが人類救済にとって最善の道よ

それとも――
自分達がオブリビオンだってことを忘れるほどに狂っているのかしら?

まだ残る拒絶反応を自身の再生能力と《ヒール》で緩和しながら行動開始
無敵の偽神兵器……でも、貴方達は戦闘のプロじゃない
当たらなければ、どうということはないわ

《ハイド》で姿を隠匿
《スーツ》で慣性制御を行い、無軌道に《ムーブ》で移動
UCを込めた《セイバー》で斬り捨てていく

これから毎回、細胞投与こんなことをするのはきついわね
オロチが接触した奴らの情報があるといいんだけど



「これから毎回、細胞投与こんなことをするのはきついわね……オロチが接触した奴らの情報があるといいんだけど」
 偽神細胞液の拒絶反応を自身の再生能力とヒールサーキットで強引に緩和しながらキャロル・キャロライン(処断者・f27877)はA.R.C.の構成員に語りかける。
「Anti-oblivion、ね……なら、自分達の身体で好きなだけ人体実験をして、研究結果だけを残して骸の海に還ってくれない? それが人類救済にとって最善の道よ」
 それとも———自分達がオブリビオンだということを忘れるほどに狂っているのか。
 研究員はキャロルの指摘に全く動揺せず、むしろ憐れむような視線を返してきた。
「おやおや、かわいそうに……。偽神細胞液のような不完全な物に頼るから目つきが悪くなってしまうほどの激痛に遭うのです。それに、人体実験ならとっくのとうにしておりますよ? このように」
 そう言って研究員が自らの上半身を露わにすると肌にこびりつくデミウルゴス・セルの姿があった。
「今は我々ぐらいにしか行き渡っておりませんが、この世界の人々全員が接種出来れば、オブリビオン・ストームき核汚染、食糧不足……あらゆる物事に恐怖する必要がなくなります! もし人の体でしか培養出来ないようであれば私は喜んでこの体を隅々まで提供いたしましょう! どうですあなたの望む人類救済をしっかりと満たしているでしょう!」
 酔いしれた様子で謳い上げる研究員をキャロルは緩和してもなお頭を揺るがす頭痛と吐き気に苛まれながら鼻で笑った。
「デミウルゴス・セルは立派なオブリビオン由来の物体よ? それをAnti-oblivionを謳う団体が熱心に布教しようなんて……聞いて呆れるわ」
「ふふふ、否定し続けて根絶するのも1つの策でしょう。ですが私のモットーは『捕え、研究し、対抗する』! それを失くさずに利用した方が人類の発展に役立つのであればそれもまた一興!」
 そうして研究員は足元に置いていた巨大なガトリング銃を両手で持ち上げる。
「その証明作品の1つ、無敵の偽神兵器の威力を受けてみなさい! 頭痛と一緒に凝り固まった考えを吹っ飛ばしてあげましょう!」
 キャロルがデッドマンであることを見抜いているのか、研究員は嬉々としてガトリング砲にオブリビオン・ストームを充電させていく。
「無敵の偽神兵器……でも、貴方達は戦闘のプロじゃない。当たらなければ、どうということはないわ」
 だがお望み通り当たってやるつもりなどない。ハイドサーキットを起動させて姿を隠匿するとスーツで慣性制御を行いつつ、無軌道に近づいていく。
 だが吹いている風に煽られた砂の流れが何もないはずの空間で変わったのを見逃さなかった研究員はにやけた笑みを浮かべながら引き金を引いた。
 一発でも食らったら致命傷を喰らいそうな弾幕の圧はオーラでコーティングされた刀で斬り払う度に霧散していく。
 しかし一回一回振る度に頭を無理矢理こじ開けられたかのような激痛が走る。常人であればショック死したかもしれないと錯覚するぐらいに。
 だが体を蝕む激痛程度で、再び叩き起こされた「魂の衝動」は掻き消されない。
「消し飛びなさい」
 ムーブサーキットを使って転移し、一気に距離を詰めたキャロルはオブリビオンもユーベルコードも抹消する力を込められた刃をデミウルゴス・セルへ叩きつけた。

成功 🔵​🔵​🔴​

関東・大砂漠(サポート)
 ラスボスのソーシャルディーヴァ×寵姫、女です。

口調:女性的(私、あなた、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)


身長2mあるので他の猟兵の方々の視界を遮らないように気をつけたいです。
戦闘時はあまり前に出ず、【スナイパー100】で照準を合わせて【レーザー射撃116】を敵に放ちます
巨体に反して淑女。ユーベルコードは指定した物を、多少の怪我は厭わず行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。例え依頼の成功のためでも、品を下げる真似や公序良俗に反する行動はしません。
 アドリブ歓迎。よろしくおねがいします!



『……さっきからどったんばったん五月蝿いわね』
 苛立ち混じりの声が、突然研究員達の頭に響く。
 目の前にいる敵達が発した物ではないそれに、研究員達は耳を塞ぐように手を添える。しかし声は音量を変えることなく鼓膜を揺さぶってきた。
『北関東荒野でもここは静かで過ごしやすいと思ってたのにあなた達のせいで台無しね……だから迷惑料を払ってもらうわ』
 そう宣告された瞬間、どこからともなく放たれたレーザー光線がわずかに残っていた人工生命体達を一掃した。
 関東の狙いは住居のメンテナンスや享楽的趣味を理由とした、過去から這い出たオブリビオンのデータ化だ。
 しかしただのオブリビオンならともかく、デミウルゴス・セルを取り込むことは現時点で出来ない。故にA.R.C.の研究員を0と1のデータに変換することも叶わない。
 だが、それを使われてないサイボーグや人工生命体相手なら。
『……あら、なかなかに優秀な素材を使ってるじゃない? これなら色んな所に応用が効きそうね?』
 手繰り寄せた人工生命体と偽神兵器「だったもの」のスペックに、関東は良い収穫になったとささやかな笑い声を浮かべる。
 ずっと一方的に話しかけられていた製造者は受話器を持っている感覚で声を荒げる。
「私の長年の研究の成果を横取り……返せ! それは私の最高傑作だぞ!」
 人類の生存のために様々な研究をしている者の物とは思えない言葉は、発信してるだけで受信はしていない関東の元には当然届かない。
 返ってきたのは興奮したことで筋肉の隆起が起き、先ほどの攻撃でデミウルゴス・セルについた傷が開いたことによって生まれた痛みだけだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

イングリット・イングラム
偽神細胞液を接種。
拒絶反応はUCにより緩和(毒耐性、激痛耐性)。

オブリビオンに対抗するためのものかと思えば、人がこの荒廃した世界に適応するための研究だったのですね。

ですが、貴方達は一つ大きなことを見逃しています。
研究の成果が実り、人々がデミウルゴス・セルを接種できるようになったとしましょう。
しかし、貴方達オブリビオンが存在する限り、この世界そのものがいずれ滅んでしまうのです。

人々の救済を掲げるなら、今すぐ骸の海に還りなさい、オブリビオン。

法力を解放して距離を詰め、剣で先制攻撃。
敵が飛び道具を用いるなら、その弾道を見切って法力で逸らし、カウンター。

死のルーンの力を解放し、剣で止めを与えます。



「オブリビオンに対抗するためのものかと思えば、人がこの荒廃した世界に適応するための研究だったのですね」
 イングリット・イングラム(剣士・f35779)の手中から空になった注射器が落ちる。
 直後、頭痛と吐き気が頭に襲いかかり平衡感覚が崩れ始めた。不死の加護により、毒や激痛への耐性を得ているイングリットは久しく受けてなかった感覚に顔を顰めつつ、A.R.C.の研究員に語りかける。
「ですが、貴方達は一つ大きなことを見逃しています。研究の成果が実り、人々がデミウルゴス・セルを接種できるようになったとしましょう。しかし、貴方達オブリビオンが存在する限り、この世界そのものがいずれ滅んでしまうのです」
 そして死のルーンの力を解放して抜いた剣の切先を研究員へ向けた。
「人々の救済を掲げるなら、今すぐ骸の海に還りなさい、オブリビオン」
「ふふふ。ですが、我々はまだこの世界に何も残せていない。研究員たる者、一度吐いた唾は飲み込まずに成果を残してから逝くべき! だからあなたのその論理は飲めませんねぇ!」
 自分の体よりも大きな偽神兵器を担ぎ出し、研究員はオブリビオン・ストームの砲弾を次々に放つ。
 イングリットは法力を解放して距離を詰めると弾道を見切って法力で逸らし、次弾を装填するために動けなくなっていた研究員の体に刃を当てると、そのまま一気に撫で切る。
 死のルーンの力によって断面の細胞は即座に壊死していき、筋骨が隆起することはない。
 くっつくことなく広がり続ける刀傷に研究員の余裕そうだった表情が驚愕で歪み、顔が蒼白になっていく。
 そして入りの対角点にまで刃が達するとそのまま振り切ることなく即座に構え直し、鼓動を打つ心臓を深々と貫いた。
 それが契機となり、白衣の内にあった肉が蒸発するように消失していく。後に残った偽神兵器が地面に落ちる音で、他の研究員達の顔色も変わった。
 どんな攻撃も毒も効かず、受けても更なる質量を産んで帰ってくるという「盟友」が語っていた証言がこの瞬間ひっくり返ったのだ。
 「デミウルゴス・セルは無敵ではない」
 この新たな前提条件が、A.R.C.の姿勢を正反対の方向へ転換させる。
「引くぞ、早急に!」
 先程まで強気に猟兵達とやり合おうとしていた研究員達が揃って背を向けて撤退を選択する。その丸出しになった背中に向けてイングリットは更なる追撃を仕掛けていく。
 しかし猟兵総出の追い込み漁でも全員を仕留めることは出来ず、法力の範囲から研究員の反応が無くなったところで限界を迎えたイングリットは片膝をついて呟く。
「……何人か、逃したな」
 最初観測した人数よりも少ない首級代わりの白衣が、その予感が正しいことを証明する結果となった。
 こうして無関係の熊谷を巻き込みかけたお家騒動は大きなインパクトを残す形で終幕した。

苦戦 🔵​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2023年11月26日


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#アポカリプスヘル
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#戦後
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はナターシャ・フォーサイスです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト