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嗚呼、浪漫とは実に。

#サクラミラージュ

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#サクラミラージュ


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●それは鎮めるために
「あなた達は魂鎮メ歌劇ノ儀、って言葉を聞いた事があるかしら?」

 猟兵たちを集めたミリアムの最初の言葉はそれだった。
 頷くもの、首を横に振るもの。色んな反応を示す猟兵に一つ頷く。

「サクラミラージュで行われる儀式の一つでね。影朧の生まれる理由にちなんだ歌劇を演じながら戦う事で、普段よりも強く。影朧を慰めることができる、と言うものよ」

 影朧が求める物、生まれる要因になったもの。そういったものを猟兵たちが演じながら戦う儀式魔術。これで深く慰め、鎮める。そういった魔術なのだ、と。

「今回鎮める影朧は……小説家、ね。才覚に悩み、作品のために自身の手を血に染めてしまう。評価を求めてしまい、高い理想に苦しんだ。そんな小説家よ」
「正直、私も人形劇を嗜む身として周りが気にならないわけじゃないわ。けれど、それだけの対価を支払ってでも描きたいという理想に苦しんでしまうのも少しは理解できるの」

 どこか思う所があるようで、少し宙を見つめるものの。また猟兵に視線を戻すミリアム。

「と、話がそれたわね。つまるところ、今回やってほしいのはその小説家の追体験、といった題材でみんなには演じて貰いたいわ」

 また改めて説明するわね、とボードを取り出す。

「劇に必要な道具とかは全部、帝都桜學府が用意してくれるわ。この儀式のおおよその流れだけれど、まずは今回の小説家の追体験として誰かを演じながら、自身、あるいは小説家を模倣した存在と対峙し、戦ってもらうわ」

 この模倣する存在自体はほぼほぼ自分との闘いになることが多いから注意してね、と付け加え説明を続ける。

「その後、小説家の下まで辿り着いたら。その誰かを演じたまま、あるいは……あなた自身の言葉で、小説家に想いをぶつけてあげて。補足するけれど、この小説家は『自身の理想と現実に苦しみ、解消するために自身の手を血に染めてまで猟奇小説を書こうとした小説家』よ。そこを突き詰められるといいかもしれないわね」
「そして、もし無力化に成功したら。どうか、あの小説家に楽しいことを教えてあげてちょうだい。誰かと共にだからできる楽しみもある、ってね。カレエライスでも一緒に食べるとかでもいいだろうし」

 きっとそういう他者との劣等感ではなく、他者と楽しむこともあの子には足りなかったはずだから、と。

「準備ができたら移送するわね。それじゃあ……あの小説家を、救ってあげて」

 グリモアを手に、猟兵たちに一礼したミリアムだった。


陰坂 うじみん
 こんにちは、陰坂うじみんです。
 クリエイター、行き詰る事があっても悪いことはしてはいけないですよね。それほどまで追い込まれることもあるかもしれませんが。
 今回は歌劇を演じながら影朧を鎮めるシナリオです。

 第一章では、模倣する存在に対して誰かを演じながら戦い、影朧に接近していきます。
 第二章では、影朧である小説家との戦闘です。自身の想いを自分の言葉でもいいですし、演じながらの言葉でもいいので伝えながら戦い抜きましょう。
 第三章では、その影朧を鎮めるために楽しみながらご飯でも一緒に食べましょう。そういったシナリオです。

 情報内容の復習ですが、今回の小説家は『自身の理想と現実に苦しみ、解消するために自身の手を血に染めてまで猟奇小説を書こうとした小説家』です。
 この追体験といった形を誰かの形で演じながら戦うシナリオになります。

 皆様のプレイング、心よりお待ちしております。
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第1章 集団戦 『『夜香影』群青』

POW   :    真ニ非ズ
【対象の全身を完全模倣し、適応させた異能 】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【独自に再現した対象のユーベルコード】で攻撃する。
SPD   :    真ニ有ラズ
【UC『真ニ非ズ』 】で攻撃する。また、攻撃が命中した敵の【思考、記憶、経験、対象が対象である要素】を覚え、同じ敵に攻撃する際の命中力と威力を増強する。
WIZ   :    真ニ在ラズ
合計でレベル㎥までの、実物を模した偽物を作る。造りは荒いが【自らの体を作り替え、対象の完全再現模倣体】を作った場合のみ極めて精巧になる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 歩む、歩む、作家は歩む。少女は歩む。
 自身の作品は理解されず。自身の才能がないことも分かっている。けれども書かねばならぬ。それが自身の価値だと少女は悩む。
 その手を血に汚しても少女は歩む。筆をとる。今宵もまた、ネタを。書くための殺人を。歩む少女は夜の街。

 今宵はどんな人がネタになるのか。ただただ、軽く重い足取りで歩き続ける少女一人。
 この作家を救うは猟兵のみ。今宵の劇の開始である。
穂村・桜火
魂を悪魔に売ってでも、進み続けなくちゃいけなかったんだね。
そうしないと、自分の意味を思い出せなくなるから。戻り道なんて無い方が安心して前だけ見ていられたよね。

今夜も、犠牲になった人のために良い作品を仕上げなくちゃ。無駄じゃないよ、あなたの生も死も。

気は重たいけど足元を見てもいられない、前を見据えて。

こんばんは、良い夜ですね。
あたしは、作品作り。あなたにとっては最高の、そして最後の夜。きっと素敵な日に成るね。

竜騎士の槍で一突き。手に伝わる感触も忘れずに記憶しとくね。だって、全部に意味があるんだから。意味を持たせなくちゃいけないんだから。

きっと、みんな報われるよ。

無駄じゃない、無駄じゃない。



「魂を悪魔に売ってでも、進み続けなくちゃいけなかったんだね」
「そうしないと、自分の意味を思い出せなくなるから。戻り道なんて無い方が安心して前だけ見ていられたよね」
 ポツリ、ポツリと。言葉を繰り返す一人の天女。桜火。
 その言葉の向き先は、目の前で苦しみながら夜の町を歩み続ける少女作家に。
 今は天女・桜火ではなく、一人の存在。証明として。

「こんばんは、良い夜ですね」
「え、貴女は?何か御用かしら」
 少女作家の前に躍り出た桜火が挨拶をすると、狂いし少女作家の頭上にはてなマークが出る様な。そんな顔をしている。
 ああ、これほどに純粋そうな少女が、まさか。

「あたしは、作品作り。あなたにとっては最高の、そして最後の夜。きっと素敵な日に成るね」
 その宣言と同時に。取り出したるは一つの槍。竜騎士の槍たるそれは、ごく自然な流れで少女作家へと差し向けられる。
 胸を貫くその感触は。桜火は。全てを記憶しようと。目で、手で、感覚で。それを受け入れる。

「きっとみんな、報われるはずなんだから」
 その言葉は。少女本体には届かないが。目の前の少女を模していた存在には届いた。
 きっと認められたい、そんな想いがあったのは事実であるだろう。少しの柔らかい笑みを遺しながら、その影は役割を終えて。姿を消していった。

成功 🔵​🔵​🔴​


※トミーウォーカーからのお知らせ
 ここからはトミーウォーカーの「猫目みなも」が代筆します。完成までハイペースで執筆しますので、どうぞご参加をお願いします!
高階・茉莉(サポート)
『貴方も読書、いかがですか?』
 スペースノイドのウィザード×フォースナイトの女性です。
 普段の口調は「司書さん(私、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」、時々「眠い(私、キミ、ですぅ、ますぅ、でしょ~、でしょお?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。

読書と掃除が趣味で、おっとりとした性格の女性です。
戦闘では主に魔導書やロッドなど、魔法を使って戦う事が多いです。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!


エル・バード(サポート)
「どうぞ、よろしくお願いいたします」

あまり物事に動じない、のんびりした性格をしています。
お茶と読書好きです。
ここぞという場所、ではない時にも何故か眼鏡が光を反射し、
目が見えなくなります。が、特に何も企んではいません。

敵にもとりあえずお茶を勧めてみます。
積極的に戦うよりも、誰かのサポートを好むタイプですが、
必要な戦闘は行います。

「皆さま、お茶をどうぞ」
解決したら、ティータイムの時間です。

他、おまかせします。



 影朧が受けた悲劇の過去。それをなぞる物語を代わる代わる演じながら戦えと――そういう儀式なのだと聞いていた。だから目の前の真っ黒な影朧が次々に『顔のない人間』を象り始めた時、既に高階・茉莉(秘密の司書さん・f01985)はそれが語るであろう『台詞』に見当をつけていた。
 駄作凡作量産作、光る箇所なぞまるでなし。日記の如き迷子の筆致、描き出される事件は鍍金!
 金切り声で嘲り笑う彼らの役どころが何なのかを瞬時に把握し、ああ、とエル・バード(エンジェルのパーラーメイド・f36270)も目を伏せる。……ああ、なんて無責任で、醜悪な。眼鏡のレンズ越しにちらと横を見やれば、茉莉も同じような感想を抱いていたようだった。否、燃やしていたと言っても構わないだろう。奇しくも気質の似通った読書家同士がここに居合わせ、そして心無い『読者』が作家を嘲らんとするのを目にしたのなら――ふたりに演じられる役は、きっと一つだ。
「いけませんねぇ」
 あくまで穏やかに微笑んだまま、まずは茉莉が唇を開く。平素と変わらぬ柔らかな表情の奥には、けれど確かに火のような光が燻っていて。その光を引き取るように、エルもまた頷き、指を組む。
「読書を楽しむときは、どうぞ静かに」
 たとえその物語が退屈だろうと、己の心に刺さらずとも、それをあげつらって謗ってもよい理由にはならない。
 批評が作家を育てることもあろう。批判が作家を導くこともあろう。けれど唯々無責任に投げつけるだけの誹謗に、そのような価値はありはしない!
 ――などと正面切って戦ってくれる誰かの姿がもし見えたなら、或いは彼女も狂わずに済んだのだろうか。けれど現実、彼女は狂って、そして果てた。
(「……悲しい事ですけれど、でも」)
 だからこそ、これ以上の凶行を見過ごすわけには行かない。哀しき凡才の少女作家を、穏やかな未来へ送ってやりたい。その一心でエルは傘から風弾を放ち、襲い来る影たちの腕を己から、或いは味方から逸らしていく。大きく体勢を崩した敵が、そのまま見えざる力で地べたへねじ伏せられ、塵と崩れて消えていく。念力の主――茉莉が、やはり微笑みは消さないままで呟いた。
「思うように書けない。理想の筆致が捉えられない。……どれほど苦しいことでしょうか。それを、それを分かりもせずにただ嘲笑うなど」
「……ええ。物語への愛も、作者への敬意もない行為です。ですから、小説家さん。私達は、貴女と共に怒りましょう」
 無論、彼女の所業は許されない。けれど彼女の心は救いたい。だからこそ、今はまだ届かないと分かっていてなお、エルはこうも続けて言った。
「呪縛が解けたその時は、きっと一緒にお茶をしましょう」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

緋月・透乃(サポート)
『今日も元気に食べて楽しく戦おうね!』
 人間で22歳の女性です。
いつも元気で、強敵との戦闘、食べる、スリルを味わうことを好みます。

基本的に自分の楽しみのために行動し、敵味方問わず他人の心情等には配慮しません。
 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用します。
戦闘では真っ正面からの突撃を好み、負傷は気合いで耐えれば良いと考えています。
戦闘以外のことも大体気合いと力でなんとかしようとします。
脳筋です。

武器は主に『重戦斧【緋月】』を使用しますが、他の武器の方が有効そうならそちらを使用することもあります。

クロムキャバリアでも生身で戦います。

不明な点はおまかせします。よろしくお願いします。



「ねえ、あんたはどうして小説が書きたいの?」
 自慢のスタイルを大胆にアレンジした女学生の衣装で彩り、少女の学友の役を纏って、緋月・透乃(もぐもぐ好戦娘・f02760)は至極無邪気に問いかける。
 小細工なしのその問いを受けたのは、小説家の影朧本人ではなく、彼女の映し身となった配下の影たち。少女とよく似た形に変じた彼らは、それぞれ口々にてんでバラバラなことを言い出した。
 曰く、『お父様の名声をわたくしが更に大きくするのです』。
 曰く、『あっと驚くトリックを作らねばならぬのです』。
 曰く、『わたくしは物書きとして大成せねばならぬのです』。
 曰く、『此世に二つとなき不可思議を綴りたいのです』。
 曰く――。
 そのさざめきの全てを黙って聞き届け、透乃は重戦斧を肩に担いだまま、ひとつの『役』として問いかけた。
「ねえ。あんた、今、それ楽しい?」
『……』
 それは、透乃にとっての至上の命題。『己にとって楽しいか楽しくないか』――単純で、だからこそ時に重いその価値基準から問いかけられ、影の怪物たちは一様に激しくざわめき始めた。
『何を』『何を』『うるさい』『うるさい』『黙れ』『黙れ』『――お黙りなさい!』
 ――或いはそれを、己への呵責と受け取ったのかもしれない。全てを拒絶するように荒れ狂う下級影朧の群れを前に、透乃はひとつぽつりと歌う。
「曇りなき 刃の空に 緋い月」
 そして、舞台にひとつ、緋色の三日月が不気味に浮いた。殺到する影朧たちを一閃のもとに薙ぎ払って、透乃はひとつ息をつく。
(「……まだ、届かない」)
 影朧は今なお少女の身から溢れ続けている。今はまだ、この刃が敵の大将に届くことはない。そこへ至る道程を思えばこそのもどかしさと少しの歓喜を奥歯で噛み締めて、透乃は武器を握る手に力を込めた。

成功 🔵​🔵​🔴​

納花・ピンチン(サポート)
ブギーモンスターの勇者×殺人鬼
布を被ってから8年が経ちましたわ
普段はお嬢様口調で、時々関西弁がちょこっと
……って、勉強中なんですわ!

あくまでお仕置きをしに来ているから
あまり殺伐とした戦い方はしませんわ
武器も直前で刃を返して叩いたり
その光景はギャグになることが多いですわ

商人街出身、お話しや交渉なんかも好きです
小さなスイーツや飴ちゃんを渡して一緒に食べると
色々話してくれるんですわ

ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し
多少の怪我は厭わず積極的に行動します
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません
また例え依頼の成功の為でも
公序良俗に反する行動はしません

あとはおまかせ
ほないっちょ、よろしくおねがいします



「作家さんがネタの取材で実際に……なんて話はよくありますが、猟奇殺人でそれはダメですわ」
 舞台袖でしみじみ呟いたのは、納花・ピンチン(ブギーモンスターの勇者・f31878)。困ったちゃんの影朧をちょっとばかりお仕置きに現れた勇者なシーツお化けだ。ほないっちょやりましょか、と両手を叩き、そうして彼女は舞台上へと駆け出した。
「あらー、こんにちはお嬢さん! 今日もいいお天気で!」
 演じるところは、帝都の気さくなスヰーツ売り。籠一杯に持ち込んだ可愛らしいお菓子を掲げ持ってみせれば、少女の内面を象るようにして滲み出た新たな影朧が数体そちらに目を向けた。
「どうしましたの、こんないい日に悲しいお顔で! ささ、これサービスしますから、美味しく食べて笑顔を見せ……て!」
 スイーツを手に取ると見せかけて振り下ろされた影朧の腕は、或いは少女作家の猜疑心のあらわれか。その一撃を易々と武器で弾き返し、なおもピンチンは台詞を続ける。
「……そう言えば聞きました? 一丁目の邸宅で首のない死体が出たとか出てへんとか」
 それは彼女がこっそり引き起こし、小説に変えた事件のひとつ。あたかも恐ろしい噂話のようにして相手の反応を伺えば、敵は確かに黒々とした輪郭を不穏に揺らがせていた。
「あんなのはお話の中だけと思ってましたのにねぇ、物騒で怖いですわ」
 お話だったらスリリングだけど、現実そんなことが起きれば……ねぇ?
 そんな風に言って反応を伺えば、影の群れがたちまち波打ちながらピンチンを襲う。――それがどんな感情のあらわれなのか、伺い知ることはできない。けれどそこに、『ならどうすればよかったのです』とそんな声が聞こえた気がした。微かに知恵の布を揺らして、ピンチンはゆるりと首を横に振る。
「……多分ですけども。お嬢さん、ちょっと一人で考え込みすぎじゃありません? ちょっと笑ってみましょ、ね?」
 問いと共に振り抜いた刃が、影朧の首を落とすことはない。代わりにその軌跡に沿った点線が影朧の『急所』にくっきりと浮かび上がり――そうして、影の如き怪物たちはしばらくお菓子の群れのくすぐりに悶絶することになる。

成功 🔵​🔵​🔴​

星川・杏梨(サポート)
『この剣に、私の誓いを込めて』
 人間のスーパーヒーロー×剣豪、女の子です。
 普段の口調は「聖なる剣士(私、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」
 時々「落ち着いた感じ(私、~さん、ね、わ、~よ、~の?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。

性格はクールで凛とした雰囲気です。
常に冷静さを念頭に置く様に努めており、
取り乱さない様に気を付けています。
戦闘は、剣・銃・魔法と一通りこなせます。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



 静かに息を吸い、吐き出して、星川・杏梨(聖炎の剣士・f17737)は舞台へ踏み出していく。こうして大勢の前で高らかに何かを歌い上げるというのは、実のところあまり得意な性分ではない。けれど。
「『先生』、凄いわ。今度の新作、帝都中で評判ですって」
 放置すれば世界の崩壊すら容易に招きかねないというその強力な影朧を、おめおめ放置するわけにはいかない。知ってなお動かないというのは、己の矜持が許さない。だからこそ、彼女はひとりの『編集者』として少女の待つ舞台へ上がる決意をした。小道具として用意されていたファンレタアの束を数え上げ、次の作品の構想を問い、期待と賞賛の言葉を重ね――そしてふと、杏梨は声のボリュームを落として呟くように述べる。
「……大変よね。誰かに応え続けるのは」
 常に己を高め続けている杏梨だからこそ、その言葉には実感も込められていた。それが己で望み、選んだものであれ、『理想』を成し続けるというのは果てしなく難しく、そして時に苦しい。
「ねえ、『先生』。あなた――」
 覆面作家としての形で世に放った初めての作品。それが彼女の作家人生を変えた。
 変えてしまった。
 その先を続けようとした杏梨の前に、残る僅かな影朧たちがゆらりと立ち塞がる。杏梨自身の技を真似るようにして凶悪な形状の『凶器』を振り上げる影朧を前にしても、彼女が動じることはない。逆に舞うような剣捌きで彼らを一蹴して、杏梨は少女に問いかける。
「――これからも、書き続けるわよね?」
 それはかつて、本物の編集者が無邪気に未来を信じて投げかけた問い。けれど今は、編集者を演じるひとりのヒーローが少女の良心に投げかけた問い。
 文机に向かっていた少女小説家の影朧が振り向き、ひくりと口元を震わせる。――そうして、少女は静かに静かに答えを返した。
『……書かねばならないのです。わたくしは、次も大作を』

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 ボス戦 『七光ラズ・随遊院茫子』

POW   :    「…と、死体は何れかの部位が欠損していますのよ」
【猟奇殺人の小話 】を披露した指定の全対象に【自分も是非このように殺されたいという】感情を与える。対象の心を強く震わせる程、効果時間は伸びる。
SPD   :    「ふふふ、斬殺殴殺扼殺刺殺なんでもござれですわ」
【惨たらしい猟奇殺人を犯したわたくし 】の霊を召喚する。これは【華麗なる見立て殺人で使われた凶器】や【咄嗟の思いつきで凶器にしたその場にある物】で攻撃する能力を持つ。
WIZ   :    「わたくし以外が綴った小説なんぞ燃えておしまい」
【万年筆にて綴られる禍々しき文言 】が命中した対象を燃やす。放たれた【原稿用紙と彼岸の花を火種に燃え盛る怨恨の】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。
👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠稿・綴子です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 父は猟奇推理小説の大家。その物語に引き込まれた己もまた、父の才を継いだものと幼い頃は信じて疑わなかった。
 そんなものはなかった。
 あったのはただ凡庸な発想と、少しばかり突飛で非凡な行動力だけ。
 書きたかった。誰もを驚かす摩訶不思議な事件を。それを痛快に解き明かす探偵の勇姿を。事件を影より操る怪人を。
 そんなものは書けなかった。書けたのはただ、現実に起きた光景だけ。
 慟哭するように顔を歪めて、朗々と少女の影朧は歌うように叫ぶ。書きたかっただけだと。殺しを楽しんでいた筈がない。そうでもしなければ、彼女は『素材』を得られなかった。それこそが、才なき彼女の不幸だった。
 君はかつて彼女の周りにいた誰かを演じながら、この少女小説家と戦ってもいい。敢えて何者をも演じず、ここからは己の言葉で彼女の物語に何かを唱えてもいい。
 舞台を幕引きへ導くのは、猟兵の力に他ならないのだから。
バジル・サラザール(サポート)
『毒を盛って毒で制す、なんてね』
『大丈夫!?』
『あまり無理はしないでね』

年齢 32歳 女 7月25日生まれ
外見 167.6cm 青い瞳 緑髪 普通の肌
特徴 手足が長い 長髪 面倒見がいい 爬虫類が好き 胸が小さい
口調 女性的 私、相手の名前+ちゃん、ね、よ、なの、かしら?

下半身が蛇とのキマイラな闇医者×UDCエージェント
いわゆるラミア
バジリスク型UDCを宿しているらしい
表の顔は薬剤師、本人曰く薬剤師が本業
その割には大抵変な薬を作っている
毒の扱いに長け、毒を扱う戦闘を得意とする
医術の心得で簡単な治療も可能
マッドサイエンティストだが、怪我した人をほおっておけない一面も

アドリブ、連携歓迎



「そう、猟奇推理小説。それならもしかすると、あなたはこんな犯人も描いてきたのかしら」
 懊悩と葛藤に苦しみ、けれど衝動を抑えることもできない様子の影朧を前に、バジル・サラザール(猛毒系女史・f01544)は手にした試験管を軽く振ってみせる。厚いガラスの向こう側で、鮮やかな色合いの劇薬が誘うように小さく跳ねた。
「いいわ。毒を以て、というわけでもないけれど」
 取材と称して犯した罪を認め、乗り越えてもらう為であれば、今この時ばかりは彼女の生んだ『犯人』のひとりになろう。そう心に決め、バジルは物語から飛び出した稀代の悪女へと己を落とし込む。
 苦しんで苦しんで、衝動に負けてしまったのか。或いは長きに渡って胸の底に燻っていたものが、消し止めようのない炎に育ってしまったのか。桜學府の調査で分かっているのは、あくまでそこで起きた事実だけだ。――少女の心のうちばかりは、彼女にしか分からない。
 だからこそ、敢えてバジルは彼女の作品に描かれた毒殺犯の役を選んで舞台に上がった。己の為だけに数多の破滅を誘った美女の中にも、きっと少女の苦しみは託されている筈。苦しげに洋筆を振り上げた表情からも、そのことは明らかだ。ユーベルコードで召喚された霊体の少女が、美花より絞られた毒薬の瓶をバジルへと放つ。事前に読んだ物語を思い返し、それが花言葉になぞらえた殺人だったと確かめて、バジルは少女本体へと手を伸べた。
「……『それ』もまた、あなたの本心だったのかしら」
 悔しげに顔を歪めた少女の肩口を、獅子の頭に変じた掌が深々と抉る。そうして、舞台を照らす照明の色がちかりと切り替わった。

成功 🔵​🔵​🔴​

北条・優希斗(サポート)
『敵か』
『アンタの言う事は理解できる。だから俺は、殺してでも、アンタを止めるよ』
『遅いな』
左手に『蒼月』、右手に『月下美人』と言う二刀流を好んで戦う剣士です。
自らの過去を夢に見ることがあり、それを自身の罪の証と考えているため、過去に拘りと敬意を持っております。その為オブリビオンに思想や理想があればそれを聞き、自分なりの回答をしてから斬ります。
又、『夕顔』と呼ばれる糸で敵の同士討ちを誘ったり『月桂樹』による騙し討ちを行なったりと絡め手も使います。
一人称は『俺』、口調は年上には『敬語』、それ以外は『男性口調』です。
見切り、残像、ダッシュ等の機動性重視の回避型の戦い方をします。


筒石・トオル(サポート)
「邪魔をしないでくれるかな」
「油断大敵ってね」
「ここは任せて」
正面切って戦うよりも、敵の動きを封じたり、属性防御を固めて盾や囮となったり、味方が倒し切れなかった敵にトドメを刺して確実に倒すなど、味方の安全性を高めるように動く。
ユーベルコード使用はお任せ。
使用しない場合は、熱線銃での援護射撃を主に行う。
人見知りではあるが人嫌いではないし、味方が傷付くのは凄く嫌。
戦うのも本当は好きではないが、誰かを守る為には戦う。
もふもふに弱い。敵がもふもふだと気が緩みがちになるが、仕事はきちんと行う……ホントだよ?



「アンタも苦しかったんだな」
 悲憤とも悔悟ともつかない形で表情を歪め、返り血まみれの己の霊を再び描き出す少女に、北条・優希斗(人間の妖剣士・f02283)はまっすぐな目を向けてそう言った。
「……だけど、アンタのしたことは許されない」
「或いは、その自覚があったから影朧になってしまったのかな」
 筒石・トオル(多重人格者のマジックナイト・f04677)の言葉に、少女は答えずただ霊体の背に洋筆を向けた。獣の如き様相で一直線に向かってくる『凶悪犯』を前に、何か考えるより先に咄嗟にトオルは動いていた。
『!』
 抜き撃った熱線銃の一撃が霊の足を射抜き、毒に濡れた刃が優希斗の目の前ほんの三寸ほどの空気を切り裂いて止まる。そしてその時には優希斗もまた、既に剣士として反応を終えていた。
「――遅い」
 そうして、黒き剣士は舞台の上を文字通り縦横無尽に舞い踊る。宙を翔けながら放つ無数の斬撃は霊体の少女を逃すことなく捉え続け、切り裂き何某とかの小説家の作中で呼ばれた怪人もかくやの勢いと正確さをもって切り刻む。ひとつの霊体があっという間に掻き消されたことに少しの衝撃を受けた様子で少女小説家は再び洋筆を振るうが、不意にその手首を後ろから掴む手があった。
「させない」
 そう呟いたのは、どちらだったか――いつの間にか、ユーベルコードを通じて出現した『もう一人のトオル』とでも言うべき容姿の少年が、少女小説家に組みついてその筆を封じていた。
「……ずいぶんひどいことを言われただろうと思うし、そうでなくても辛かったと思うよ。だって」
 一番信じることができなかったのは、きっと自分自身でしょう?
 そうトオルが問えば、少女小説家の瞳孔が一瞬大きく開くのが見えた。見目に似合わぬ力で『もう一人』の腕を無理矢理振りほどき、彼女は嘆くような声音で笑う。
『……そう。そうよ。その通りだわ! いいえ、それとも逆かしら!』
 書いても書いても、己の想像は現実を超えることが決してない。父の如き想像の翼が己にはない。そのことだけが、己の書き物に対して『否応なく信じられてしまう』ことだっただなんて――嗚呼、なんてグロテスクなお話。
 狂ったように笑い続ける彼女の姿に微かに嘆息し、優希斗が双剣を握る手に力を籠める。そうして、彼はやはりまっすぐに言い放った。
「……俺たちはここでアンタを止める。ねじ伏せてでも救ってやる」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ティエル・ティエリエル(サポート)
◆キャラ特徴
ボクっ娘で天真爛漫、お転婆なフェアリーのお姫様です。
王家に伝わる細身のレイピアを使った空中からのヒット&アウェイで戦うのが得意な女の子です。
・冒険大好きお姫様
・珍しいものにも興味津々
・ノブレス・オブリージュの精神で弱者を放っておけないよ
・ドヤ顔がよく似合う
・困ったら動物さんに協力を!

◆戦闘方法
・背中の翅で羽ばたいて「空中戦」や「空中浮遊」で空から攻撃するよ
・レイピアに風を纏わせて「属性攻撃」でチクチクするよ
・対空攻撃が激しそうなら【ライオンライド】
・レイピアでの攻撃が効かない敵には【お姫様ビーム】でどかーんと攻撃



「影朧の過去を追体験するような歌劇、ね」
 任務の内容を今一度確かめて、けれど、とティエル・ティエリエル(おてんば妖精姫・f01244)は考える。――けれどこれはお芝居なのだ。彼女の知らないところで起こっていたかもしれない、彼女が報われるような一幕だって差し挟んであげても罰は当たらないのではないだろうか?
 ――そんな訳で、彼女は真っ黒な子狼を抱えて舞台の上をあちこち飛び回り、そして楽しげに喜ばしげに歌ってみせる。
「ねえ、ねえ、聞いて頂戴な! わたくし、とんでもなく素敵な方を見つけたのです!」
 良家の好奇心旺盛なご令嬢に扮して、同じくご令嬢の大切な友達に扮した子狼に、そうしてティエルは歌い聞かせ始めた。街の書店で何気なく手に取った、『随遊院茫子』という名の作家の作のこと。とても粗削りだけれど、何か不思議な熱のようなものが感じられる彼女の筆致のこと。同じ苗字の男性作家とは似ているようでまるで違う物語の運びのこと。今はまだ誰にも頷いてもらえていないけれど、この人はいつかきっと最高に自分の心にかなう物語を紡いでくれるだろうと確信していること。
 夢見るような旋律に乗せて歌い踊りながら、ティエルはちらりと影朧の少女を盗み見る。――彼女の眦が濡れていたのは、そうはならなかった悔しさからか、それとも。
(「……ボクはその小説を知らないけど。でも、きっとこの世のどこかには、そんな風に思ってくれた人もいたって信じたいんだよ」)
 そうであってほしい。たとえ影朧と化した彼女にとって、それが遅すぎる慰めだったとしても。そんな祈りをも乗せるようにして片目を瞑ってみせれば、少女小説家は痛みをこらえるように両腕で頭を抱え、ああ、と震える声を重ねた。
「……それならば、それならば! わたくし以外の綴った小説など、もはやあなたにはいらないですわね!」
「……それは違う!」
 綴られた文字から溢れ出す怨恨の炎をかわして、ティエルは叫ぶ。
「違うよ、それじゃ……それじゃ、キミだって救われないでしょ?」
 それは役の台詞ではなく、本来の妖精姫その人として放たれた言葉。短くまっすぐな問いかけに短く呻いた彼女の手首に、洋筆を奪い取るようにして子狼が喰らい付いた。

成功 🔵​🔵​🔴​

高柳・源三郎(サポート)
旅芸人一座の座長、それが高柳源三郎じゃ!!(まだ零細なんじゃがな......)。
性格は酔いどれおやじじゃが旅芸人一座の座長なので本番(戦闘)では酔いが殆ど覚めて戦うことが出来るんじゃ。
武器である【不思議なたぬき人形「はな」】【暗殺用たぬき人形「たろう」】を使いまるで踊りや人形劇をするかのう様にユーベルコードを使い戦うのじゃ。時々【竜珠】に封じ込めてある骸魂・八岐大蛇に乗っ取られて暴れて回ってしまうんじゃ。
情報収集は芸をして道行く人の足を止めて人達の噂話を聞けば集められると考えてとるんじゃ。
宴会技能が高いので戦場で宴会をするんじゃ。
口調は(わし、~殿、じゃ、のう、じゃろう、じゃろうか?)です。


クリスティナ・バイエンス(サポート)
火の神の名を持つキャバリアに選ばれたサイキックキャバリア乗り
水着みたいな格好なのは、コックピットが蒸し風呂みたいに熱いから仕方なくだからね

正直キャバリアを降りての戦闘はあまり得意じゃないのよ
でもキャバリアを使っての戦いは任せてね、みんな炎で薙ぎ払ってやるわ
とはいえ、必要ないところで炎を使うつもりはないの危ないもんね
使わなくても私の〔炎神機カグツチ〕は十分強いもの

よろしくね!



 空想を描き、幻想を紡ぎ、誰かの心を揺り動かす。旅芸人としてそれを生業にしているからこそ、高柳・源三郎
(幕府に目をつけられた|旅芸人《呑んだくれ野郎》・f15710)には少女の苦しみが焼け付くように悲しく感じられた。
「理想に叶う芸が出来ないのは悔しいことじゃな。しかし、その苦しみに呑まれたままでは苦しいじゃろ」
「いつまでも影朧として現世に縛られっぱなしっていうのも、キツいだろうね。……お芝居とかって自分でやるのはあんまり慣れてないの。何かわたしに手伝えること、ある?」
「勿論じゃ!」
 クリスティナ・バイエンス(炎のキャバリア乗り・f30044)の問いに、源三郎はにやりと片目を瞑って彼女に耳打ちする。――舞台の大一番には、巨大な仕掛けが不可欠なものだ、と。囁かれたその仕掛けになるほどねと笑って、彼女は片手を宙に掲げた。
「――カグツチ!」
 主のその声に応えた神秘の機体が、たちまち周囲の空間を歪めながら舞台上へと舞い降りる。炎を纏った鋼の騎士の顕現に、舞台の観客から喝采が沸いた。蒸し風呂のようなコックピットに躊躇なく乗り込んで、クリスティナは少女に向け、叫ぶ。
「さあ、遠慮はなしだよ――あなたの苦しみ、ここで全部焼き払ってみせるから!」
『……果たして本当ですかしら? わたくしの心を、本当に掬い上げられると?』
「それがわしらの仕事じゃからな」
 おどけたように言う源三郎の瞳に、普段の酔いの色はない。舞台の上こそ彼の本領、彼の聖域。であれば、無為に酔ってなどいられるわけもない。まるで愉快な歌舞でも披露するかのような足取りで器用に振り下ろされる凶器の数々をかわしながら、源三郎は影朧を舞台の或いは上手、或いは下手へと引き回し、流れる音楽の中に巻き込んでいく。
『……書けなかった。書けなかったのです。書いても書いても、到底! 事実に勝る小説など!』
「だから『事実』を作って、それを小説の上に写し取った。……それができたのなら、どうして、なんてさ。きっとあなたが一番思ってたよね」
 襲い来る炎は舞い飛ぶ原稿用紙を糧として更に勢いを増し、炎神の名を冠するキャバリアさえも焼き滅ぼさんと荒れ狂う。機体に一層濃密な炎の嵐を纏わせ、そのダメージを殺す度、クリスティナの全身を汗が伝う。それでも躊躇うことなく彼女は炎の機神を駆り、遂にその掌に少女の影朧を掬い上げた。
『ッ、何を――』
「大丈夫。次のあなたは、きっと書ける」
 コックピットの向こう側から掛けられた声に、少女の表情が大きく歪む。炎の揺らめきの中、震える声で彼女はちいさく呟いた。
『そう、信じてくれますの?』
「芸の道に終わりはないからのう」
 研鑽を重ね、新たな形を生み出し、また次の段へ。果てのない道なればこそ、続ければ続けるほどに上っていける場所もある筈。たとえ、その一歩一歩はいかに小さなものでもだ。
 そんな風に告げた源三郎の言葉に、キャバリアの掌の上で膝をついた姿勢のまま、少女は僅かに微笑んだ。
 ――そうして、ありがとう、と零れた言葉と共に、彼女を炎の嵐が抱いた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第3章 日常 『帝都カレイライス浪漫譚』

POW   :    たくさん食べる

SPD   :    香りと一緒に楽しむ

WIZ   :    よく味わって食通を気取る

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

アイクル・エフジェイコペン(サポート)
猫っぽい舌足らず口調にゃ。こんにゃ感じで、末尾だけじゃにゃくて途中にも入れてほしいにゃ。めんどいならなくてもいいけど。
ちなみに機嫌悪い時は「に゛ゃ」って濁点入る感じにゃ。

基本は底抜けに明るいというよりおばか入っている。
「……誰がおばかに゛ゃって!?」

基本はとにかく騒ぐ。そりゃもうハイテンションで。本人は『せーとーはなれでぃー』を気取っているので猫かぶろうとするが、すぐに地が出るらしいとか。たぶん自分ではツッコミと思っているボケ。
あと存外気が短いので割とキレやすいとか。
自分ではツッコミだと思っているボケ体質かもしれない。



 そうして、炎の華に彩られるままに歌劇は幕を下ろした。影朧としての衝動を完全に鎮められた少女小説家は、どこか憑き物の落ちたような顔で猟兵たちを見回し、深々と頭を下げる。
「……今生でわたくしのしでかしたことは、決して許されるべきではないでしょう。小説でもそう。悪党には相応の死が似合いですわ」
「ん゛ん」
 少女の口から放たれた言葉に短く唸って、アイクル・エフジェイコペン(クロスオーバー三代目・f36327)は細い肩をすくめてみせる。
「なんのかんの言ってるけど、難しいことはあたしにはよくわからんにゃ」
「へっ?」
「あれにゃ、あんたこれから転生する感じにゃ? ならその前に、景気付けにうまいもんでも食べに行くといいにゃあ。……桜學府の奢りで!」
 ……そんな訳でアイクルが半ば引きずるようにして影朧を連れてきたのは、グリモア猟兵に勧められた洋食店の前だった。絶品カレエライスを謳うのぼりを見つめて、ぐいとアイクルは腕を組む。
「甘口辛口選べます、とにゃ。あたしは勿論甘口にゃけど、あんたはどっちがいいにゃ?」
「……ふふ」
 或いはこんな風に、無理やりにでも手を引いてくれる方がいたなら。
 かつてのわたくしも、違う道を往けたのでしょうか――と。
 そんな少女の呟きは、ドアベルの鳴る大きな音に紛れて消えた。

成功 🔵​🔵​🔴​

サエ・キルフィバオム(サポート)
アドリブ歓迎

基本的には情報収集が得意かな
相手が何かの組織だったら、その組織の一員になり切って潜入して、内側から根こそぎ情報を頂いちゃうよ
そうじゃなければ、無害で魅力的な少女を演じて、上手く油断させて情報を引き出したいね
効きそうな相手なら煽てて誘惑するのも手段かな♪

戦いになったら、直接力比べの類は苦手だから、口先で丸め込んだりして相手を妨害したり、糸を利用した罠を張ったり、誘惑してだまし討ちしちゃうかな
上手く相手の技を逆に利用して、手痛いしっぺ返しが出来ると最高♪
敢えて相手の術中に陥ったふりをして、大逆転とかも良く狙うよ


レイン・ファリエル(サポート)
『さぁ、貴方の本気を見せて下さい』
 人間のサイキッカー×ダークヒーローの女の子です。
 普段の口調は「クールで丁寧(私、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」、機嫌が悪いと「無口(私、アナタ、ね、よ、なの、かしら?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。

性格は落ち着いてクールな感じのミステリアスな少女です。
人と話すのも好きなので、様々なアドリブ会話描写も歓迎です。

 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



「さて。貴女の話を聞かせてもらっても?」
 運ばれてきたカレエライスに手を付けるのもそこそこにレイン・ファリエル(クールビューティー・f17014)がそう問えば、影朧の少女はスプーンを手に取った姿勢のままで首を傾げた。
「わたくしの? ……旅立つ前に、懺悔でも語ればよろしいのかしら」
「あーいや、そういうのじゃなくてね? ほら、アレよ」
 笑って片手を振り、サエ・キルフィバオム(突撃!社会の裏事情特派員・f01091)がナプキンを胸元に付けながら言い添える。
「もうすぐ行くんでしょ、あなた。吐き出したいことがあるなら、もう今しかないじゃない。……勿論無理にとは言わない。言いたくないことなんて誰にでもあるしね」
 だけど、もしも語っておきたいことがあるのなら、どうかそれを聞かせてほしい。それが未練でも後悔でも、愚痴でも恨み言でも構わない。――そんな猟兵たちの言葉に、少女は一瞬泣きそうに顔を歪めた。
「……香りだけでもとても辛いですわね、このカレエ」
 ごまかすようにそう言った次の瞬間、ふと微笑んで小説家だった少女はスプーンを置く。
「……ありがとう、優しい方たち。でも、よろしくて? わたくしの『話』は少々長いのよ」
「貴女の時間が許す限りは聞きますよ。人と話すのは好きですので」
 口調こそ素っ気ないが、レインが少女を見つめる目の色は優しい。そしてその言葉に、嘘偽りはどこにもない。それなら遠慮なく、とどことなく悪戯っぽい笑みを見せて、そうして少女は話し始めた。
 家族のこと。父の書斎で読んだ物語のこと。初めて筆を執ったときのこと。破り捨ててきた幾多の原稿と、その後に残った凡作たちのこと。それは決して、楽しい話ではなかったかもしれない。それでも当時を言葉にするたび、どこか彼女の声音は軽くなっていくようにも聞こえた。
「……きっとこの後、桜に導かれて次の生を得たとしても。わたくし、物語に焦がれてしまうと思いますの」
 その時にはきっと、あなたたちのような方とも出会ってみせますわ、と。生きているうちに、道を外さぬうちに必ず、と。
 そう言って彼女は、美しく笑った。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2022年10月12日
宿敵 『七光ラズ・随遊院茫子』 を撃破!


挿絵イラスト