狂気なる陰陽都市計画、東海にて再来する
「成程な、オブリビオンと異形……かの無血宰相が何故に生命を敵としたのか漠然とだが理解できた」
そう威厳のある深い声が、東海地方の一角にあるニュータウンのビルディング屋上に響く。
良く通る声である。そこには長い年月を積み重ねた重みもある。
なのに――どうしてこうも悍ましき狂気と執念があるのだろうか。
「今の我はジェネラル級オブリビオン。フォーミュラでこそないがあの銀誓館の軍勢を一手に引き受けても一蹴出来るだけの力はあるだろう」
故に、敵はオブリビオンを狩る者――六番目の猟兵のみだ。
「最も、銀誓館の能力者にも猟兵化した者も既に存在している。時間は取れん」
手をかざした除霊建築士のオブリビオン――劉・叔成はメガリス破壊効果再現ユーベルコードを展開。
瞬時にニュータウンの住民は突如降りかかった苦痛により悶絶して行動不能――しかし、意識を失う事は出来ない。
それは悪しきメガリス『殺生石』の効果をユーベルコードによって再現して生まれた効果だ。
「何度でも、繰り返そう……我が『陰陽都市計画』を」
邪悪なる除霊建築士は、淀んだ瞳で自らが為したニュータウンに起きた惨劇を睥睨するのみである――
「緊急事態です。シルバーレインの東海地方にてジェネラル級オブリビオンの活動がグリモアによって探知されました」
深刻そうな表情でフレスベルク・メリアグレース(メリアグレース第十六代教皇にして神子代理・f32263)は聖典型のグリモアのページを捲り、予知の内容を確認していく。
「……『陰陽都市計画』、『一つの街の住人を全て『苦しませて殺害』し、その結果生まれた大量の残留思念を鬼型地縛霊に作り替える』……禁忌の外法の考案者。其れが今回事を企てたジェネラル級オブリビオン『劉・叔成』が過去シルバーレインで企てた儀式です」
グリモアベースに集まった猟兵の中に当時の銀誓館学園に所属していた者がいれば、顔を顰めていただろう。
そうか、アイツもオブリビオンになったか――そんな声も聞こえる。
「当時は栃木県のとある街……そこに本拠を構えていた邪悪な除霊建築士の組織と銀誓館は戦争を開始。壊滅させる事に成功しています」
だが、オブリビオンの脅威はその邪悪な都市儀式をも蘇らせてしまう。
蘇った『劉・叔成』が目を付けたのは東海地方のとあるニュータウン。
そこでメガリス『殺生石』の効果を再現するユーベルコードを用いて陰陽都市計画を再び実行しようとしているとの事だ。
「このユーベルコードの効果によりニュータウンの住民は苦痛に苛まれていますが、意識を手放す事は出来ません……」
それは何という、悲劇。
元より現代で言う『犯罪能力者組織』に近い所業を繰り返していた『劉・叔成』の一派だったが、首魁の彼がジェネラル級オブリビオンとして蘇った以上は更に膨大な力を以て行動を起こし続ける事だろう。
「このオブリビオンは何としても骸の海に追儺しなければなりません。作戦の概要を告げさせて頂きます」
まず最初にニュータウンに転移した猟兵達はユーベルコードで再現されたメガリスの効果によって苦痛に喘ぐ町の住民達。
彼らから引きずり出された苦しみに満ちた思念によって具現化した『大量の鬼型オブリビオン』を掃討する事が最初の任務となる。
掃討と並行して人々を助けると共に、敵の本陣に繋がるルートを探す事も大事だ。
「次に敵の本拠地について説明します。かのジェネラル級オブリビオンが座す場所はユーベルコード化した「奇門遁甲陣」と呼ばれる結界に守護されており、これを破らない限りいかなる手段でも猟兵がその所在地に辿り着くことはできません」
故にその結界型ユーベルコードを発動させている儀式場を破壊しなければ、この騒動の首魁の下へは辿り着けない。
幸い儀式場の場所は予知によって特定されているためそこを制圧し、奇門遁甲陣を解除するのが依頼の第二段階となる。
「そして最後に『劉・叔成』と戦う事になります。除霊建築士としての力は本物であり、それがオブリビオン化してユーベルコードの域に昇華されたその戦闘能力は凄まじい者です」
風水を以て『気』を操る彼は環境戦に特化している。
その戦術を覆すような戦術を用意すれば有利に戦える事だろう。
「今回の復活した『銀誓館学園の敵』……彼らは「見えざる狂気」に侵されて狂気に走った能力者達がオブリビオン化した存在です」
だが、今回銀誓館は己だけの力で戦うのではない。
各異世界からやってきた猟兵と共にかつての敵を討ち滅ぼすのだ。
「それでは、転移の術式を起動させます。どうかご武運を」
そう言ってフレスベルクは戦いに向かう猟兵達に頭を下げた後、聖典型のグリモアのページを捲って転移の術式を起動させるのであった。
黒代朝希
陰陽都市計画、再始動。
それを阻止するべく銀誓館学園と猟兵は東海地方へと向かう――
シルバーレインの決戦シナリオです。
かつて銀誓館が凶行を阻止した狂気の能力者『劉・叔成』がジェネラル級オブリビオンとして蘇り、陰陽都市計画を再び成し遂げようとしています。
これを阻止して狂った除霊建築士を骸の海へと返して下さい。
第一章
大量の鬼型オブリビオンとの戦いとなります。
苦しむ住民を保護したり儀式の場所を探しながら戦うとボーナスが入ります。
プレイングボーナス『住民を保護or儀式の場所を探しながら戦う』
第二章
ボスの居場所を守護する結界型ユーベルコードを発生させている儀式を止める為の行動となります。
迅速に儀式を破壊できるように行動するとボーナスが入ります。
プレイングボーナス『儀式を迅速に破壊するよう工夫する』
第三章
この事態の元凶であるジェネラル級オブリビオン『劉・叔成』との戦いです。
除霊建築士として風水を以て『気』を操る戦術とユーベルコードを駆使します。
それに対抗する戦術にボーナスが入ります。
プレイングボーナス『敵の除霊建築士としての環境戦戦術を覆す戦法を用いて戦う』
それでは、皆様の素晴らしいプレイングをお待ちしております。
第1章 集団戦
『死兵』
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POW : ラスト・スタンド
【肉体のあらゆる損壊を無視した状態で攻撃】を放ち、命中した敵を【自身が死亡しても消えない呪詛】に包み継続ダメージを与える。自身が【致命傷を受けた状態で戦闘を継続】していると威力アップ。
SPD : ラスト・アタック
自身が戦闘不能となる事で、【直前に自身を攻撃した】敵1体に大ダメージを与える。【仲間】に【敵の情報】を語ると更にダメージ増。
WIZ : ラスト・コマンド
自身が戦闘で瀕死になると【体内】から【生者を呪い殺す怨念】が召喚される。それは高い戦闘力を持ち、自身と同じ攻撃手段で戦う。
👑11
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マオ・イェンフー
【魎夜/f35256】
【心情】
話には聞いてたが胸糞悪い話だ‥
我が祖国の者とはいえ狂気に冒された末の所業だ、捨て置けねーぜ
俺たち銀誓館と、新たな仲間の猟兵達で何度でもぶっ潰してやるぜ!
【戦闘】
敵地ゆえ慎重に行動
UC【シルフィード・クローク】で不可視になり少し先を偵察しつつ進む
救助を行いつつ[戦闘知識]で戦闘員をどこに配置しているか予想しつつ行動
魎夜と離れすぎないよう注意し細かく戻る
見逃しがないよう[落ち着き]をもって索敵
仲間に加勢されるのを防ぐよう魎夜と連携して奇襲していく
「魎夜待て。少し先を見てくる」
「加勢があれば牽制する!やれ魎夜!」
「あばよっ」
暗都・魎夜
【マオ/f36169】
【心情】
陰陽都市計画、俺が学園来る直前位の戦いだったらしいな
伝聞程度だが、碌でもねえやり口だったって話は聞いている
再現なんかさせてやるか
悪いが建築計画は中止にさせてもらうぜ
「サンキュ、そっちは任せた」
【戦闘】
話以上に悲惨だが
俺らのやり方じゃ、すまねえが住人の保護よりは儀式の場所を探す方が向いてるな
とっとと終わらせる
行くぜ、イグニッション!
「索敵」「失せもの探し」で儀式の場所を捜索
敵の多い場所から儀式の場所を推測
界的したら「斬撃波」「先制攻撃」「天候操作」で攻撃を仕掛け、ラスト・アタックはUCを用いた移動で回避
「連携が得意なようだが、こっちだって負けてねえ!」
「話には聞いてたが胸糞悪い話だ……」
「陰陽都市計画、俺が学園来る直前位の戦いだったらしいな」
グリモアベースからまず最初に東海地方のニュータウンに転移してきたのは銀誓館学園の卒業生二人組。
マオ・イェンフー(その漢トゥーハンド・f36169)と暗都・魎夜(全てを壊し全てを繋ぐ・f35256)の二人は『狂鬼戦争』と称された悪しき除霊建築士との戦争には直接参加していない。
その戦いが終わった後に銀誓館学園に入学したからだ。
「伝聞程度だが、碌でもねえやり口だったって話は聞いていたが……ここまでとはな」
見渡す限り、苦痛に喘ぐ罪無き市民がのたうつ光景。
これこそが『陰陽都市計画』の再現なのだ。
「我が祖国の者とはいえ狂気に冒された末の所業だ、捨て置けねーぜ!俺たち銀誓館と、新たな仲間の猟兵達で何度でもぶっ潰してやる!」
「ああ、再現なんかさせてやるか!悪いが建築計画は中止にさせてもらうぜ」
――イグニッション!
掲げたカードから詠唱兵器を取り出していくマオと魎夜。
このニュータウンは開発によって広い敷地を有している。
それ故に二人が取った行動は市民の保護ではなく儀式の場所を探す事の優先。
「俺らのやり方じゃ、すまねえが住人の保護よりは儀式の場所を探す方が向いてるからな……」
「一つ一つ市民を保護するのも大事だが、そうして時間をかけ過ぎれば儀式が完了しちまうぜ」
故に他の猟兵の市民の保護を頼み、自分達は儀式場の捜索に専念する事をグリモア猟兵に報告した二人。
そうして儀式場を探す手段として選んだのは『戦闘員の配置』について。
「敵の多い場所程重要な何かがある。当たり前だがだからこそ外せない戦術だな」
「ああ、その分敵の警戒網を潜り抜ける必要があるがな……」
猟兵となってユーベルコードの域へと昇華したアビリティを使い、二人の能力者は隠密状態へと入っていく。
マオはシルフィードとして全身を竜巻で覆う事で視聴嗅覚での感知を不可能とした状態となり、魎夜は異空間に繋がる水鏡を召喚する事で疑似的な空間転移を行いニュータウンを散策していく。
「あそこのゴーストの配置……どう見える?」
「俺には警備員、いや警備兵を重点的に配属させるべき場所だと思うね」
マオはそう言って傍らの相棒に尋ねる――彼は『ラストバトル』の後、世界中を旅してアビリティを悪用する犯罪能力者やその集団組織を壊滅させてきた銀誓館学園の卒業生の中でも未だに現役の能力者だ。
故に各国や各能力者組織からは『戦略級能力者』として注目や警戒の対象となっている。
「なら、手早く奇襲を仕掛けて壊滅させるか――一番槍は任せろ、魎夜!」
相棒の言葉を聞いたマオは手にした詠唱兵器たる二丁拳銃(トゥーハンド)を握る力を強めた後、即座にゴーストオブリビオンの下へと駆け出して弾丸を打ち込んでいく。
そこに魎夜は炎を模した姿の魔剣を振るって別方向から同じく奇襲を仕掛けていく。
オブリビオンは反撃を仕掛けようとしたが、この二人は死と隣り合わせの青春を駆け抜けたシルバーレインでも屈指の実力者。
相手が、悪すぎたというしかない。
「連携が得意なようだが、こっちだって負けてねえ」
「あばよ……」
即座に全滅させられたゴーストオブリビオンの消失を確認して尚、二人の能力者は詠唱兵器をしまわない。
いつでも臨戦可能な状態を維持する事、これは敵地に居る時は当たり前の鉄則故。
それを今でも遵守しているマオと魎夜は迅速にゴーストオブリビオンが守っていた地区の散策を始めていくのであった。
大成功
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御門・勇護
アドリブ・共闘大歓迎
『陰陽都市計画』……。懐かしく、そして二度と聞きたくなかった言葉ですね。住人の方々の為にもできるだけ早くこの計画を頓挫させねばなりません。
転移と同時に周囲を警戒。【指定UC】を使いまずは数を補いましょう。その後は召喚した天部たちと共に【儀式の場所を探しながら戦います】
不意打ちを受けないように【索敵】を忘れずに。
接敵後は距離を取りつつ【誘導弾】を【弾幕】の如く相手に叩きつけていきましょう。相手の攻撃は遮蔽物を使いながら【受け流し・オーラ防御・呪詛耐性】等で防御します。
「あいにくと私は今急いでいます。申し訳ありませんが、押し通らせていただきますよ?」
「『陰陽都市計画』……懐かしく、そして二度と聞きたくなかった言葉ですね」
苦々しい表情でニュータウンの街並みをかけるのは同じく銀誓館学園の能力者出身である猟兵、御門・勇護(求道者・f35310)。
彼は『二つの三日月』との最終決戦の果て、ディアボロスランサーと共に次なる宇宙に旅立つもオブリビオンの出現が確認された前後に銀誓館学園に帰還していた能力者であり、此度の狂気に陥った除霊建築士がオブリビオン化した事で起きた『陰陽都市計画』の再演については苦い思いを抱いていた。
「住人の方々の為にもできるだけ早くこの計画を頓挫させねばなりません……しかし便利ですね、グリモアの転移というのは」
未来を予測して敵が行動に移す前に作戦を立案する役目は銀誓館学園には運命予報士という役割が担っていた。
しかし、異世界を超えて転移を行うというのは流石に能力者の頂点に立つ者と言っても過言でない銀誓館学園の能力者を以てしても『埒外』というしかない。
「更に言えば、予知を担う側も別の余地を担当した者の依頼なら戦いに赴けるらしいですしね……」
スケールの規模の大小はあれど圧倒的な戦闘能力を持つ猟兵という存在だからこそ行える戦略に舌を巻きながらも、勇護はイグニッションカードを起動させて詠唱兵器を取り出していく。
「救いを求める衆生は此処に……天門よ開け、救済の先駆けよ疾く顕現せよ――『天部招来』」
ユーベルコードで召喚するは104の破邪の属性を持つ天部の軍勢。
即座に勇護は天部の軍勢に指示を出し、儀式の場所を探しながら戦っていく。
「あいにくと私は今急いでいます。申し訳ありませんが、押し通らせていただきますよ?」
接敵後はオブリビオンと距離を取りつつ、遮蔽物を使って相手のユーベルコードを交わしながら弾幕を天部の軍勢と共に撃ち放っていく。
先行した二人と同じく、迅速な儀式会場の特定によって素早い解決を目指したのだろう。
「それはそれとして、小隊規模の軍勢を召喚できるのですから出来る限り住民は救出しますね」
大成功
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嘉納・武道
『劉・叔成』……あれから14年、再度その名を聞く事になるとは。
当時は『見えざる狂気』に侵された故での凶行かと思いましたが、正気
を保っていたとしても、結果は変わらなかったという事ですか。
成らば、此度もその狂った救世の野望を打ち砕く!
儀式の場所は戦友達に任せ、自分は苦しむ住人の保護を目的に動きます。安全と思わ
れる場所を確保し、其処に住民達を両脇に抱え、肩に担いで運びます。(2~3人?
戦闘は[足払い][体勢を崩す][衝撃波]を駆使した【無双空気投げ】で対応。保護対象
がいる時は抱えて【空中三角飛び!】で離脱。
【医療法】で少しでも苦痛を和らげることが出来るだろうか?
上記を含め、他の行動・言動は委ねます。
日向・修一郎
土蜘蛛戦争の再来が起きた時点で嫌な予感はしてたが、やっぱりあのインチキ陰陽師のジジイも出てきやがったか!
しゃーねぇ、銀誓館学園の者としてもう一度ぶっ潰してやろーじゃねぇの。
俺の手持ちのユーベルコードじゃ大勢の救助は向かねぇが、昔取った杵柄だ。この鬼型なら戦い方はよく知ってる。
予知されてる儀式場の場所も以前のやり口からすりゃ辻褄が合う。なら、そこまでの道を全力で空けてくだけだ!
基本的に奇襲をかけて速攻で殲滅していく。敵の攻撃は全て【受け流し】しつつ、細雪からの【斬撃】によるUC虚空刃の【弾幕】で先陣を切ってくぜ。
途中で見かけた住民は安全なところへ避難させつつ移動してく。
「『劉・叔成』……あれから14年、再度その名を聞く事になるとは」
柔道服を着た男性――この世界の住人でスポーツに関心がある者ならば、彼が元五輪柔道金メダリストの嘉納・武道(柔道整復師にして青龍拳士・f36325)である事に気が付くだろう。
そして彼は銀誓館学園第一期卒業生の能力者。死と隣り合わせの青春を駆け抜けた学生の一人だ。
「当時は『見えざる狂気』に侵された故での凶行かと思いましたが、正気を保っていたとしても、結果は変わらなかったという事ですか」
正確にはかの存在は『見えざる狂気』による狂気がオブリビオン化する事で更に破滅的な方向に向かっているのだが、もしかすると武道の言う通りなのかもしれない。
いずれにせよ、かつて交戦した者として再び引導を渡さねばならない。
「土蜘蛛戦争の再来が起きた時点で嫌な予感はしてたが、やっぱりあのインチキ陰陽師のジジイも出てきやがったか!」
次に現れたのは日向・修一郎(復活した戦うパパ・f35504)。
第4期卒業生の能力者であり、結婚した妻と食堂「九条庵すすきの支店」を切り盛りしつつ子育てに奮闘していた所に猟兵化。
それによって前線に出て戦う事が再びできるようになった能力者だ。
「しゃーねぇ、銀誓館学園の者としてもう一度ぶっ潰してやろーじゃねぇの」
「ええ、此度もその狂った救世の野望を打ち砕く!」
そうして二人は役割分担――武道が市民を救出し、修一郎がオブリビオンゴーストを撃破するというルーティーンを用いて戦っていく。
「俺の手持ちのユーベルコードじゃ大勢の救助は向かねぇが、昔取った杵柄だ。この鬼型なら戦い方はよく知ってる」
「ええ、おかげで自分は救出に専念できます」
多くの霊力を乗せたかまいたちをオブリビオンゴーストに放ち、真空状態にして緩やかにダメージを与えて鎮圧していく修一郎。
彼が鬼型のオブリビオンゴーストの対応をしている間に武道は安全と思われる場所を確保。
其処に住民達を両脇に抱え、肩に担いで運んでいく。
「自分は柔道を習う間に整復師の技量も習っていますからね。医療法にはある程度は心当たりはあります」
神秘系統……猟兵間ではWIZと分類される異能系統のユーベルコードによる影響であるが、猟兵と化した者の技量ならば苦痛を和らげる事が出来るかもしれない。
「大丈夫ですか」
「……あ、柔道金メダルの……」
その行動は実を結びつつある。
「大丈夫そうだな。あくまで応急処置だろうが、気力を持たせる分には申し分ねぇ」
その様子を戦闘の片手間に見届けながら、修一郎は一通り周辺の鬼型オブリビオンゴーストを掃討した事を確認、合図を送り武道を呼び寄せる。
「さて、予知されてる儀式場の場所も以前のやり口からすりゃ辻褄が合う。なら、そこまでの道を全力で空けてくだけだ!」
「ええ、行きましょう」
奇襲をかけて速攻で殲滅し、途中で見かけた住民は安全なところへ避難させつつ移動していく修一郎と武道。
連撃に長けた青龍拳士と元サーヴァント使いの要領でロボットを扱う修一郎。
二人の連携は順調に市民の救出とオブリビオンゴーストの殲滅を両立して進めていく――
大成功
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熊猫丸・アカハナ
※アドリブ歓迎
なんか回りくどいけど、えらい事になりそうやな…。
ここはゴーストの攻撃を【逃げ足】で躱したり、蔦で攻撃や防御をして戦いつつ、【情報収集】で儀式の場所を探していくで!
「なんか回りくどいけど、えらい事になりそうやな……」
そんな率直な感想を、熊猫丸・アカハナ(花咲かコメディアン・f23154)は口から漏らす。
彼は笑いの力で人々の前向きな心を護るお笑い芸人の猟兵。
魔術や妖術などと言った専門知識等についてはその知識を保有する者に比べれば、理解が及ばないとも言えるだろう。
「けど、放っておいたらえらい事になるっていうのはわかるで、流石に」
ゴーストの攻撃を逃げながら躱しつつ、周囲の無機物をユーベルコード『巨大蔦地獄(アイビークライシス)』によって巨大な蔦に変換させて使役するアカハナ。
そうしたやり取りをオブリビオンゴーストと繰り広げながらニュータウンを進めていた時、ふとある事を思い出す。
「……アイビー言うたら、大祓骸魂の懐刀の項目を見ていた能力者さん、顔が引きつってたな。なんでやろ?」
そう首をかしげながらかの懐刀と同じアイビーの名を関するユーベルコードをアカハナは振るうのであった。
大成功
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ティエン・ファン
こっちが以前のように戦えないから試行錯誤してるっていうのに、なんで悪い除霊建築士のほうが先に出てきちゃうのさ!
……まあ、狂鬼戦争のときは事情も知らず、手伝うこともできなかったからね。
今度はきっちり、除霊建築士の悪事を(今は違うけど)除霊建築士が止めてみせるよ!
さてさて、苦しんでる人達を助けるのは当然として、苦しむ原因になってる儀式を止めなきゃだね。
邪悪とは言え除霊建築士のやる儀式だからね。
おそらく儀式では地脈も利用してると思うから、【竜脈使い】と【仙術】で地脈を探れば、儀式をやってる場所を見つけやすいと思うんだよ!
そうやって街を探索してれば当然オブリビオンにも会うと思うし、特に儀式をやってる場所なんて重要なところには多数がいる可能性が高いと思うんだよね。
そういうのを見つけたら、不浄縛鎖陣でダメージを与えながら拘束して、後は浄銭貫をばらして撃ち込むなり、剣状にして斬りつけるなりして【浄化】していこうと思うんだよ!
それらの過程で住民を見つけたら積極的に保護、安全確保にも務めるよ!
「こっちが以前のように戦えないから試行錯誤してるっていうのに、なんで悪い除霊建築士のほうが先に出てきちゃうのさ!」
地団太を踏みそうになりながらニュータウンを駆け抜けていくのはベトナム人の銀誓館学園所属能力者にして猟兵、ティエン・ファン(自称良い除霊建築士・f36098)。
彼女は除霊建築士の能力者であり、未だに除霊建築士の力が猟兵に覚醒しない事から試行錯誤を繰り返しながら戦っていた所にこの『狂鬼戦争』だ。
憤慨したくもなるだろう。
「……まあ、狂鬼戦争のときは事情も知らず、手伝うこともできなかったからね」
だからこそ、今度は除霊建築士の一員としてかのジェネラル級の凶行を阻止したいとティエンは願う。
「今度はきっちり、除霊建築士の悪事を除霊建築士が止めてみせるよ!……今は、違うけれど」
そう言いながら視界へメガリスの破壊効果で苦しむ人々を納める除霊建築士の少女。
「さてさて、苦しんでる人達を助けるのは当然として、苦しむ原因になってる儀式を止めなきゃだね」
地面に手を当て、何かを探る様に目を閉じるティエン。
「邪悪とは言え除霊建築士のやる儀式だからね。おそらく儀式では地脈も利用してると思うから……」
故にアプローチは竜脈使いと仙術による地脈への探り。
そこを辿れば儀式をやってる場所を見つけやすいと除霊建築士として間違いない判断を下す。
「けど、そうなって……相手が何もしない訳ないんだけどね」
手を地面から離し、眦を上げるティエン。
瞳に移すのは、鬼型ゴースト――が、骸の海から蘇った存在『オブリビオン』。
「正直、アビリティが強く効かない上に全く見た事の無い力を発現させるなんて、とは思っていたけど……」
世界の過去そのものが形をとって具現化しているならば、ある程度は納得だ。
「特に儀式をやってる場所なんて重要なところには多数がいる可能性が高いと思ってたけど、そっちから来るとはね」
だが、全く異なる力――ユーベルコードを操れるのはオブリビオン化したゴーストだけではない。
猟兵という『生命体の埒外』に至った能力者も振るえるのだ――無論の事、ティエンも例外ではない。
「――不浄なる気よ、鎖となりて我が敵を縛れ!『不浄縛鎖陣』!」
祝詞を唱え終えると同時、地面から地脈を乱す不浄の気で出来た鎖が具現化。
その鎖がオブリビオンを縛り付け、ダメージを与えながら拘束していく。
「さて、放っておくのも危険だからね。討たせてもらうよ」
振るわれる清められた古銭『浄銭貫』――それを剣状に変形させて切り付けていくティエン。
拘束して動けないオブリビオンを一体ずつ切り倒していき、骸の海へと返していく。
「さて、住民を助けながら地脈を探っていこう。さっきのである程度辺りはついたからね」
そう言いながらニュータウンを進んでいくティエン。
そうして儀式場の位置が完全に特定されると同時、大多数のニュータウンの市民の保護は完了していたのであった。
大成功
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第2章 冒険
『奇門遁甲陣を破れ』
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POW : 儀式場を守る敵を蹴散らす
SPD : 儀式の陣を形成している物品を破壊する
WIZ : 儀式の陣を守護する魔力や結界に干渉する
👑7
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御門・勇護
共闘アドリブ大歓迎
さて、結界を維持する儀式の中心点は此処で間違いないようですね……。
ため息交じりに口にしつつ素早く周囲を【索敵】し儀式の陣を形成している核となる物品を探し出します。
『儀式を迅速に破壊する』為に「トモヤ」を前面に出し【指定UC】を使用。
自身も【誘導弾・貫通攻撃】で儀式の核となるものを攻撃、破壊を試みましょう。
儀式が破壊され結界が解除されたら「トモヤ」に声をかけつつ気を引き締めなおして『劉・叔成』のもとへ向かいます。
「これで先に進めそうですね。さてトモヤ、油断せずに進みましょうか。」
※「トモヤ」は汎用人型兵器『フランケン』の名称になります。
「さて、結界を維持する儀式の中心点は此処で間違いないようですね……」
グリモア猟兵の通信を受け、御門・勇護(求道者・f35310)は儀式会場に突入する。
ため息交じりに素早く周囲を索敵し、儀式の陣を形成している核となる物品を散策する。
かの狂気の除霊建築士は中国、大陸系の能力者であったことから儀式会場内に鎮座されている物品には中国等を起源とする大陸由来の物品が多い。
「いえ、それだけではないですね。シルクロード……東欧系の魔術物品や日本古来の呪物等も僅かですが置かれていますね」
それは攪乱か、新たに改良を施してのものなのか。
いずれにせよ、やるべきことは変わらない。『奇門遁甲陣』を構成する儀式の核となる物品を探し出して破壊するまでだ。
「こうなると広域殲滅ですね……トモヤ、貴方の力を解放しましょう、どうか力を貸しておくれ。〖遍く雷霆を此処に、今こそ悪意は砕かれん。〗」
詠唱が勇護の口から浪々と紡ぎだされる。
それは「トモヤ」――汎用人型兵器『フランケン』の掌に刻まれた聖痕から強烈な電撃を放ち、ダメージと共に持続する感電及び麻痺の状態異常を与えるユーベルコード。
「――『聖痕起動、轟雷槌展開(スティグマキドウミョルニルテンカイ)』」
『儀式を迅速に破壊する』為に「トモヤ」を前面に出し、電撃を儀式会場全体に解き放っていく勇護。
自らも誘導弾によって儀式の核と成り得ると判断した物品を貫通攻撃して破壊。
虱潰しにだが確実に『奇門遁甲陣』を破壊する事に迫っていく。
「トモヤ、油断せずに進みましょう。『劉・叔成』のもとへ向かう為にも」
傍らの存在にそう語りかけながら、勇護はユーベルコードを練り上げていくのであった。
大成功
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嘉納・武道
自分は儀式の陣を形成する物品を破壊して回ります。兵馬俑・遁甲板等、中華要素がある物が候補です。確か……当時の兵馬俑は『金・大老』と言う名の老人が作成していたと、記録に残っていますが……さて。
「最低でも1000個(体)以上の物品が設置されていると覚悟しましょう。まあ、少ないに越した事はないですが」
物品の破壊方法は、[衝撃波]を伴った『殴る・蹴る・投げ落とす・鉄下駄(近接主体の武道が持つ、現状唯一の飛び道具)を[念動力]で操ってぶつける』です。
邪魔する敵はUC【大雪山雪崩落】で迎え撃ちます。連撃中の投技時に敵を物品に叩きつける様にすれば一石二鳥。
上記を含め、他の行動・言動は委ねます。
「確か……当時の兵馬俑は『金・大老』と言う名の老人が作成していたと、記録に残っていますが……さて」
そう言いながら嘉納・武道(柔道整復師にして青龍拳士・f36325)は儀式の陣を形成する物品を破壊して回り、兵馬俑・遁甲板等、中華要素がある物が候補として破壊を行っていた。
「最低でも1000個(体)以上の物品が設置されていると覚悟しましょう。まあ、少ないに越した事はないですが」
自立活動する兵馬俑……それは先の封神武侠界の大戦『殲神封神大戦』にて出現したジェネラル級オブリビオン『始皇帝』によるユーベルコードを思わせる。
武道はかの大戦には参加せず、グリモアベースに納められた報告書を読んでの知識であるが、彷彿させるものはある。
「やはり……この世界と別の世界には繋がりがあり、異世界から漂着してきた存在があの戦いの日々に影響を及ぼしていたのですね……」
メガリス然り来訪者然り『骸の海』という世界の真実に至った銀誓館学園の能力者達にとってそれは余りにも無視できない事実。
死と隣り合わせの青春、それは比喩でも何でもない。
大きな戦いでは必ず殉死した仲間が存在しており、彼らの分まで生命礼賛を謳い駆け抜けた日々。
何よりも輝いていると胸を張って言えるから、その新たな真実と戦いに挑まない理由はない。
「――『大雪山雪崩落』」
振るうはアビリティを超えた異能であるユーベルコード。
銀誓館学園OB出自の猟兵の特徴である『アビリティの延長線及び昇華したユーベルコード』を保有する武道は指先当・拳当・手刀当・肘当の「龍顎拳」、膝頭当・蹠頭当・踵当の「龍尾脚」たる当身技と背負投・肩車・裏投・巴投の投技を組み合わせた青龍拳士特有の連続攻撃のユーベルコードで兵馬俑の群れを薙ぎ払っていく。
「さて、その為にも……『陰陽都市計画』の再来など防がせていただきますよ。『劉・叔成』」
大成功
🔵🔵🔵
暗都・魎夜
【マオ/f36169】
【心情】
劉・叔成、少しだけ思ったんだけど、世界を守るために陰陽都市計画をやっているつもりだったのかもな
実際、あの当時はあっちこっちに強敵がいて、『強いゴースト』みたいな対抗策は必要だったんだろうし
まあ、当時ガキだったオレがその場にいても何が出来たかって話だし、感傷でしかないけどな
【行動】
儀式を行う敵を倒すことで儀式の破壊を狙う
「索敵」「偵察」で敵の配置を確認し、「魔力溜め」で溜めたエネルギーで敵全体を攻撃する
敵に見つからないよう、「天候操作」で雨を降らせて「闇に紛れる」
「任せな、マオ!」
「致命電光!」
「(劉・叔成に対して)通りすがりの能力者さ、覚えておきな!」
マオ・イェンフー
【魎夜/f35256】
【心情】
たらればの話になっちまうが最初は救いたい、守りたいって話だったのかもな。
だが狂気に陥り死んで、何の因果か出戻っちまった。
それこそ今更の話さ。“今を生きる”人にゃ迷惑でしかない。
【行動】
[集団戦術]で魎夜の動きに合わせて動き易いようにフォロー
敵の行動には[受け流し]でさばいたり、体の位置を入れ替えたりして避わしつつUCを詠唱
魎夜が天候操作し始めたら合わせてUC【ライトニングフォーミュラ】で敵陣営に風穴を開けて敵の目を引きつける
「魎夜!吹き飛ばすぞ!」
「いくぞ!雷蛇ー!」
ティエン・ファン
街の人達はだいたい助けられたみたいだし、劉の陰陽都市計画は一応破綻したのかな?
とはいえ、猟兵として元凶たるオブリビオンを放置する訳にはいかないからね!
骸の海に追い返すところまで、きっちりやらせてもらうよ!
さて、次は奇門遁甲陣の解除だね。
さっき儀式の場所を探したのと同じように、【竜脈使い】と【仙術】で結界に干渉、そのまま解除までいければベストだけど、まあなかなかそうはいかなさそうだよね。
なので、八卦浄銭弾を陣の主要な部分に楔の如く打ち込んで、陣の形成をより強く乱そうと思うんだよ。
【浄化】の力を込めて打ち込めば、結構効果があると思うんだよね。
いかに強力な儀式でも、ここまでやればぶっ壊せるでしょ!
熊猫丸・アカハナ
※アドリブ歓迎
儀式の場所はここやな。
まずは【情報収集】で使われている物品を調べる。
わかったらグラネジロッドで作った超次元トンネルを通りつつ、鳳仙花で破壊していくで!
よっしゃ!もう少しや!
日向・修一郎
さーて、お次は奇門遁甲陣か!
前回は敵を全員フルボッコにしたら奇門遁甲陣が解除されたが、今回も恐らくそんな感じだろうな。
つーことでこの儀式場にいるやつら全員はっ倒す!!
ここまでと同じく細雪による【斬撃波】によるUC虚空刃で【弾幕】を張ることで味方へ【援護射撃】をしていく。
標的は敵の中でも統率を取っているものから優先して狙って倒し、指揮系統の混乱を狙う。
近距離の敵は攻撃を【受け流し】しつつカウンターでゼロ距離虚空刃を叩き込む。
敵が集まってきたらスーパー(ポンコツ)ロボット「ダイヒューガー」で応戦だ!
アドリブ、他の人との絡みは歓迎。
「『劉・叔成』……少しだけ思ったんだけど、世界を守るために『陰陽都市計画』をやっているつもりだったのかもな」
「たらればの話になっちまうが最初は救いたい、守りたいって話だったのかもな」
そう言いながら『奇門遁甲陣』を構成する兵馬俑などの物品を破壊していくのはマオ・イェンフー(その漢トゥーハンド・f36169)と暗都・魎夜(全てを壊し全てを繋ぐ・f35256)の二名。
かのジェネラル級狂気能力者について、かの凶行を行った理由として『見えざる狂気』に陥っただけでなく……純粋に救世の理想が暴走したのではないかと二人は推測しながら戦っていく。
「実際、あの当時はあっちこっちに強敵がいて、『強いゴースト』みたいな対抗策は必要だったんだろうし」
「だが狂気に陥り死んで、何の因果か出戻っちまった」
それが『オブリビオン』……世界の真実たる『骸の海』から出現した『過去』がよみがえり、世界を滅ぼす現象。
だからこそ、当時の『死と隣り合わせの青春』を送った自分達もその『長い後日譚にして次の物語』に参戦すると決めていた。
「まあ、当時ガキだったオレがその場にいても何が出来たかって話だし、感傷でしかないけどな」
「それこそ今更の話さ。“今を生きる”人にゃ迷惑でしかない」
マオの言葉こそ真理だろう。
総ての世界の守護者たる『猟兵』としても、銀の雨の降る時代を完遂させた『銀誓館学園の能力者』としても、ジェネラル級狂気能力者として蘇った『劉・叔成』の凶行を見逃すわけにはいかない。
「――『ライトニングフォーミュラ』!!」
「『致命電光(クリティカルライトニング)』!!待たせたな、これでも喰らえ!」
生体電流のチャージによるホーミングレーザーと回転動力炉のチャージによる破壊をもたらす電光の二重放射にて兵馬俑や土偶などの『奇門遁甲陣』の核となる物品の候補をレーザーで貫き、破壊をもたらす電光で焼き焦がしていく魎夜とマオ。
無論の事ユーベルコード一辺倒という戦術ではない。
銀誓館学園の能力者は詠唱兵器をイグニッションカードに格納し、戦闘の時にカードを『起動(イグニッション)』させる事で詠唱兵器を取り出してゴーストや悪しき狂気に陥った能力者と戦っていた。
当時はアビリティと詠唱兵器を駆使して戦うしかなく、ユーベルコードという世界法則に反逆するような異能を振るえなかった。
「俺らから言わせれば、アビリティを昇華したユーベルコードも馬鹿げた力だがな
……!!」
マオはそう言いながら『ライトニング・フォーミュラ』を放ち、自立活動する土偶の動きを止めた後詠唱兵器で止めを刺す。
「後は任せな、マオ!」
そこにマオの相方が二刀流を振るい、土偶にとどめを刺していく――
「街の人達はだいたい助けられたみたいだし、劉の陰陽都市計画は一応破綻したのかな?」
除霊建築士としてティエン・ファン(自称良い除霊建築士・f36098)は『陰陽都市計画』の成功か否かの観点で物事を進めていく。
町の住民もほとんど保護する事に成功し、猟兵や銀誓館学園の能力者の侵入を阻止する『奇門遁甲陣』は核となる物品の破壊まで秒読みだ。
確かにかのジェネラル級狂気能力者の『陰陽都市計画』は破綻まですぐそこにある、と言ってもいいだろう。
「とはいえ、猟兵として元凶たるオブリビオンを放置する訳にはいかないからね!骸の海に追い返すところまで、きっちりやらせてもらうよ!」
良い笑顔でティエンはユーベルコード『八卦浄銭弾』を発動し、『奇門遁甲陣』の解除に移る。
得物である『清められた古銭』を発射し、先程『奇門遁甲陣』の儀式の場所を探したのと同じように『地』を読んでいくティエン。
発射された古銭が触媒となって竜脈に干渉。この東海地方のニュータウンの大地の状態を除霊建築士としての力で読み取っていく。
「このまま解除までいければベストだけど、まあなかなかそうはいかなさそうだよね」
幾ら『生命体の埒外』たる猟兵の力に至った銀誓館学園の能力者とはいえ、そこまで万能ではないだろう。
ましては相手はジェネラル級のオブリビオンだ。
「なので、八卦浄銭弾を陣の主要な部分に楔の如く打ち込んで、陣の形成をより強く乱そうと思うんだよ!!」
瞬間、地面に潜り込んでいく清められた古銭。
古銭に付与された浄化の力が『地』に注ぎ込まれ、ジェネラル級狂気能力者の防御結界を乱していく。
「いかに強力な儀式でも、ここまでやればぶっ壊せるでしょ!」
「おお?なんか便利な力があふれているな?」
まずは情報収集として儀式会場の物品を調べていた熊猫丸・アカハナ(花咲かコメディアン・f23154)は、三人の能力者が『奇門遁甲陣』に干渉していくその余波を肌で感じていた。
「どれがこの防御結界の核なのかわかったら、グラネジロッドで作った超次元トンネルを通りつつ、鳳仙花で破壊していくか他の猟兵に伝えるで!」
更にアカハナはユーベルコード『蠅獲草と鳳仙花(ディオネア・オア・バルサム)』を発動。
左手を『蠅獲草の葉と鳳仙花の実のいずれか』に変化させ、変化させた左手を以てリーディングの要領で鎮座されている物品の情報を読み取っていく。
「……見えたで!わしの近くにはないが、他の猟兵の近くにあるみたいや!」
掴んだ無線機を左手でつかみ、グリモア猟兵にその旨を知らせたアカハナ。
その後彼自身も『超次元トンネル』を使って『奇門遁甲陣』の核となる物品の元へと向かうのであった。
「さーて、お次は『奇門遁甲陣』か!前回は敵を全員フルボッコにしたら奇門遁甲陣が解除されたが、今回も恐らくそんな感じだろうな」
かつて『陰陽都市計画』に関連する事件を知っている身として、日向・修一郎(復活した戦うパパ・f35504)は至極シンプルな結論に至った。
「つーことでこの儀式場にいるやつら全員はっ倒す!!」
――ユーベルコード『虚空刃』、発動。
多くの霊力を乗せたかまいたちが真空状態を作り出し、修一郎自身も細雪を装備して斬撃波の技能を使用して『奇門遁甲陣』の核となる物品……
兵馬俑の群の中に座す一際巨大な兵馬俑を破壊するべく斬撃を繰り出していく。
「幾多の剣閃、躱してみろ!奥義が一、虚空刃!」
敵――自立活動する兵馬俑の中でも統率を取っているものから優先して狙って倒していく修一郎。
迅速に指揮官を切り倒し、兵馬俑の群れを烏合の衆と化して処理していくその姿は『死と隣り合わせの青春』……『銀の雨の降る時代(シルバーレイン)』を駆け抜けた英雄の姿に相応しい縦横無尽ぶりである。
「そして、オブリビオンと猟兵……また新たな戦いが起きている」
死と隣り合わせ……そんな青春では完遂の前に散っていった友も少なくない。
だからこそ――その散華を無駄にしない為に修一郎は再び戦いに赴くのである。
「――取ったぞ」
瞬間、儀式の核となっていた兵馬俑の首が跳ね飛ばされる。
同時に解除される『奇門遁甲陣』。
それはつまり、今回の事件を引き起こしたジェネラル級狂気能力者――『劉・叔成』との決戦が始まったことを意味していた。
大成功
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第3章 ボス戦
『劉・叔成』
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POW : 八卦風水呪
自身と装備を【風水の導き】で覆い、攻撃・防御をX倍、命中・回避・移動をX分の1にする。
SPD : 不浄奪命陣
戦場全体に【生命と地脈を侵す「不浄の気」】を発生させる。敵にはダメージを、味方には【武装化した「不浄の気」を纏うこと】による攻撃力と防御力の強化を与える。
WIZ : 石兵点穴波
自身が装備する【宝剣】から【「気」の力を強制的に断絶する波動】を放ち、レベルm半径内の敵全員にダメージと【石化】の状態異常を与える。
👑11
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日向・修一郎
へっ、やーっとお出ましか、このトンチキ爺が。
性懲りもなくオブビリオンになってまで復活するとはなぁ。
一度と言わず二度でも三度でも引導渡してやらぁ!!
奴が使うのは風水、力の流れだ。力の流れが崩れれば嫌でも弱体化する。まずは周りの地形、その後奴の装備の順で破壊だな。
ダイヒューガーから【誘導弾】の連射で敵の周りの地形をひたすら破壊する。
その後はダイヒューガーを降りて細雪から霊力の乗った【斬撃波】によるUC虚空刃で風水の導きで覆われてる装備を攻撃する。硬さは上がっても移動と回避も鈍ってるはずだ。
近距離戦に持ち込んで敵の攻撃を【受け流し】しつつでゼロ距離虚空刃を叩き込む!
アドリブ、他の人との絡みは歓迎。
「へっ、やーっとお出ましか、このトンチキ爺が」
「貴様は……そうか、猟兵化したか」
睨みあい。
それはジェネラル級狂気能力者『劉・叔成』と銀誓館学園OBの能力者たる猟兵、日向・修一郎(復活した戦うパパ・f35504)が対峙してのぶつかり合い。
「となればユーベルコードを得たか」
「お互い様だトンチキ爺。性懲りもなくオブビリオンになってまで復活するとはなぁ」
「その言葉、そっくり返そう……猟兵化してまで我の『陰陽都市計画』を阻むか」
「当たり前だろうが。何度でも、そう何度でも……」
仕込み杖型の長剣たる詠唱兵器『細雪』を構え、切っ先を『劉・叔成』に突き付ける修一郎。
やがて眼を見開き地を蹴ると同時、蘇りし過去の一つへ宣する。
「一度と言わず二度でも三度でも引導渡してやらぁ!!」
「ならば、我が風水のユーベルコードを受けるがいい――!!」
自身と構える黒き剣を『風水の導き』で覆い、機動性を代償とした代わりに攻撃力と防御力を高めていくジェネラル級オブリビオンの除霊建築士。
それは生前所持していた風水に纏わる除霊建築士としてのアビリティがユーベルコードに昇華された代物。
「なら、俺たちも『そう』しているんだよ!!」
振るわれる『細雪』――と同時、真空波による斬撃が『劉・叔成』へと襲い掛かる。
其れこそ修一郎のユーベルコード『虚空刃』。
「あの戦いで習得したアビリティをユーベルコードに昇華するは、貴様ら銀誓館も我らその敵対者も同じか」
「……となると……厄介な奴らもユーベルコード持ってることになるな」
顔を顰めながら『劉・叔成』の黒き剣と『細雪』を用いて鍔迫り合いを繰り広げる修一郎。
過去に銀誓館学園の能力者が下した敵は目の前の除霊建築士だけではない。
現に土蜘蛛の女王がオブリビオンと化して別方面で猛威を振るっているのを修一郎は確認している。
「だが……それでもこの世界と未来は、『俺たち』が紡いだものなんだよ」
決して過去によって浸食される為にあるのではないと知れ、と言わんばかりに真空波を解き放っていく。
それは――『死と隣り合わせの青春』で散った仲間達の思いを背負うユーベルコードでもあった。
大成功
🔵🔵🔵
御門・勇護
共闘・アドリブ大歓迎
『劉・叔成』……堕ちた除霊建築士、陰陽都市計画などという狂った計画は貴方の滅びをもって幕引きといたしましょう。
【高速詠唱・多重詠唱・結界術・龍脈使い】を使用して『劉・叔成』の行う環境戦戦術へ干渉しつつ『敵の除霊建築士としての環境戦戦術を覆す為』に指定UCを使用し戦場の環境を変じさせます。
緻密に計算された術式であるほど、小さな綻びには弱いのもの。であるならば、天を覆い地を抱く藤の巨木の与える影響は如何許りでしょうね?
相手の攻撃は【受け流し・オーラ防御・結界術】等で防御し【誘導弾・貫通攻撃・弾幕】で絶え間なく攻撃を続けます
貴方はすでに過去の存在、疾く消え失せるが良いでしょう。
嘉納・武道
間違いない。市庁舎の屋上から俺達を睥睨していた老人と寸分違わぬ姿。その眼に満ち、宿していた狂気。紛れもない『劉・叔成』だ。最も、更なる狂気で上書きされた為か、一周回って正気にも見えるがな。
「性は嘉納。名は武道。号は柔道番長……推して参る!」
俺達の間に問答は居るまい。奴さんの風水への対応は足指での【白虎絶命拳】で己の足場だけでも相殺を狙い、【空中三角飛び!】を駆使して接敵し近接戦闘に持ち込む。
[グラップル][足払い][体勢を崩す]からのUC【真・龍顎拳奥義】を打ち込む!覚えているか?貴様を最後に下したのは青龍拳士だったことをな!
上記を含め、他の行動・言動は委ねます。
「……間違いない」
オブリビオンとはその世界の過去から染み出した現象であり、故人そのもの。
「市庁舎の屋上から俺達を睥睨していた老人と寸分違わぬ姿。その眼に満ち、宿していた狂気……」
あの戦いでは諸事情により戦線で戦うのではなく、後方で支援体制を詰める事になったが……あの狂気を忘れるはずもなく、また今現在対峙している『それ』はあの日感じたものと全く同じで……
「紛れもない、『劉・叔成』だ」
嘉納・武道(柔道整復師にして青龍拳士・f36325)は断ずる。目の前の除霊建築士はあの狂気能力者なのだと。
「『劉・叔成』……堕ちた除霊建築士、陰陽都市計画などという狂った計画は貴方の滅びをもって幕引きといたしましょう」
そこに御門・勇護(求道者・f35310)も助太刀に入る。
二人の能力者と現在で言うジェネラル級……『死と隣り合わせの青春』では文字通り自殺行為の人数だが、こと猟兵に至った能力者であるなら話は別だ。
「数奇なものよな。たった二人で我と互角に渡り合える戦術を練れるとは」
「ええ、ディアボロスランサーと共に私は同胞と次なる宇宙に旅立ったはずなのですがね……」
「そういう貴様は更なる狂気で上書きされた為か、一周回って正気にも見えるがな」
「否、真理を見出しただけよ……貴様らこそ一周回って哀れよ」
黒き剣の柄を握りしめると同時、風水の導きでユーベルコードを駆動させていくジェネラル級狂気能力者。
風水の導きで強化されるのは「気」の力を強制的に断絶する波動。
「成程、それが貴方のユーベルコード」
「噂には聞いていたが、シルバーレインの猟兵とジェネラル級は過去に所持していたアビリティを昇華したユーベルコードを持っているのか……」
ならば、こちらも出し惜しみをする必要はない。
幾ら『生命体の埒外』に選出されたとはいえ、通常時のユーベルコードの出力やスペック自体はオブリビオンの方が上だからだ。
「最も、銀誓館学園の能力者に異能の出力やスペック差が決定打になりえないのは……同じだがな!」
仲間との思いを交わして受け継ぎ、生命の連鎖を絶やす事なく立ち上がり続けるのが『彼ら』の最大の強み。
それを何よりも理解しているからこそ、勇護と武道はユーベルコードをこの形としている。
「我が祈りは劔、我が願いは鎧。我が腕は天を覆い、我が脚は大地を抱く……。心象風景、励起。想いを結び形と成せ」
「性は嘉納。名は武道。号は柔道番長……推して参る!」
己が『死と隣り合わせの青春』で起動させたアビリティ。
それはユーベルコードに進化してオブリビオンを殲滅する――!!
「――『神気発露【神樹顕現
】』!!」
「――『真・龍顎拳奥義』!!」
放たれるは『一本の藤の巨木と舞い踊り続ける藤の花』による敵への攻撃と味方に付与される『神樹の加護』による強化と、身体に込めた青龍の気を一点に集めた直突きによる打撃。
それらは風水の導きを得た「気」の力を強制的に断絶する波動に対し、武道の打撃を『神樹の加護』で強化すると同時に藤の花による『劉・叔成』へのダメージを以て攻略していく。
「銀誓館学園……!!猟兵の力を得たら恐るべき事になるとは思っていたが……ここまでとは
……!!」
「貴方はすでに過去の存在、疾く消え失せるが良いでしょう」
「2012年7月22日に、生命は『二つの三日月』に勝ったんだ」
故に『死と隣り合わせの青春』はその運命を完遂させた。
決して過去が穢していいものではない。
「ここで――」
「決着をつけます!!」
藤の加護と青龍の気が、淀んだ風水の力を打ち破っていく――!!
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
木村・小夜
能力者としての、戦いは、終わったと、思っていました。
けれど、猟兵、そして、オブリビオン。
……また、戦わなければ、いけない、ですね。
かつて、栃木で、出会った時のように、強大な敵。
でしたら、私達の力を、集めないと、勝てませんよね。
敵の護りを、貫けるように、白燐奏甲を、周囲の方に、纏わせます。
私の力は、小さくとも、この白く輝く蟲達が、その援けとなるように。
今の私に、出来る事は、これくらい、ですから。
いつかの、陰陽都市計画……狂鬼戦争でも、たくさんの人が、亡くなりました。
今度こそ、一人でも多くの人を、救うために。
それが、昔と今の、銀誓館学園に、集まった人達、みんなの思い、です。
「能力者としての、戦いは、終わったと、思っていました……けれど、猟兵、そして、オブリビオン」
それらの新たなる敵と味方が現れたなら……『死と隣り合わせの青春』は完遂したが『銀の雨の降る時代(シルバーレイン)』はまだ続くという事になる。
木村・小夜(神様よりも大切なもの・f35367)は此度の『オブリビオンゴースト』との戦いをそう認識しているし、他にも銀誓館学園OBOGの能力者は今回の新たな戦いをそう定義している。
「……また、戦わなければ、いけない、ですね」
『イグニッション!!』
カードを掲げ、かつて栃木で出会った時……いや、ユーベルコードを得て『再構築蘇生(オブリビオン化)』した以上はその時よりもさらに強大になっているとみていい。
だか、ユーベルコードの獲得によって強化されたのは銀誓館学園の能力者も同じだ。
「それを踏まえて、あの時の様に、私達の力を、集めないと、勝てませんよね」
銀誓館学園の戦いは仲間との思いと連係を繋いで次の進めていく戦い。
その連鎖を踏まえ続けた結果、彼らはこの世界の創造主『二つの三日月』に勝利する事が出来たのだ。
「敵の護りを、貫けるように、白燐奏甲を、周囲の方に、纏わせます」
自分の力は小さくとも、この白く輝く蟲達がその援けとなるように。
今はこうして次の猟兵に繋げるのが小夜の戦いなのだ。
「いつかの、陰陽都市計画……狂鬼戦争でも、たくさんの人が、亡くなりました」
かつての戦いで舞台となった街、そこは既に多くの命が散らされた。
せめてそれ以上の無辜の魂を狩られない様銀誓館学園の学生達は力を合わせ、彼ら悪しき除霊建築士を討ち果たす事に成功した。
「今度こそ、一人でも多くの人を、救うために。それが、昔と今の、銀誓館学園に、集まった人達、みんなの思い、です」
彼女が唱えるその祈りこそが、猟兵という最強の来訪者の招来に繋がったのだろう――
大成功
🔵🔵🔵
ティエン・ファン
む、宝剣派か……。
私は個人的に、除霊建築士のメイン武器といえば詠唱定規だと思ってるんだよね。
別に銅鑼使おうが風水盤使おうが連珠使おうが、もちろん宝剣使おうが構わないんだけど、詠唱定規以外をメインに使ってる除霊建築士には対抗意識を抱いちゃうんだよ。
……こっちはまだ詠唱定規使いたくても使えないっていうのに……。
というわけで、また負けられない理由が増えたんで、全力で倒させてもらうよ!
風水を以て環境を操り利用するのは除霊建築士ならば当然。
……であれば、相手のそれに対抗する手段を考えておくのも当然でしょ!
というわけで、両儀清祓陣を発動!この場の邪気を祓い聖域と化すことで環境を一変させ、環境利用を防ぐよ!
そしてこの環境はこっちにとっては有利な環境!
後はその利を生かして浄銭貫で戦うなり、他の人達を支援するなりしていくよ!
「む、宝剣派か……私は個人的に、除霊建築士のメイン武器といえば詠唱定規だと思ってるんだよね」
「成程な、確かに我ら除霊建築士の本質はその名の通り『建築』。ならば材料の測定にも使えるその詠唱兵器を除霊建築士の武器として挙げるのもやむなるかな」
だが、自身はこの黒き宝剣を使うのだとティエン・ファン(自称良い除霊建築士・f36098)にその漆黒の切っ先を突きつけるジェネラル級狂気能力者。
その威容に鼻を鳴らして銀誓館学園のOGたる猟兵は清められた古銭を取り出していく。
「別に銅鑼使おうが風水盤使おうが連珠使おうが、もちろん宝剣使おうが構わないんだけど、詠唱定規以外をメインに使ってる除霊建築士には対抗意識を抱いちゃうんだよ」
「猟兵とオブリビオンとしての殺しあう宿命以上に、か?」
戯れ程度にそうティエンに尋ねる『劉・叔成』。
だが、その『戯れ』に対しての答えは深く響くような声で帰ってくる。
「……こっちはまだ詠唱定規使いたくても使えないっていうのに……」
「……ああ、確かに除霊建築士は『生命体の埒外』が扱う力にまだ規格化されていないのか」
ならばそのジョブに対応している詠唱兵器が猟兵の扱うアイテムには本質的に昇華してはいないのだろう。
「というわけで、また負けられない理由が増えたんで、全力で倒させてもらうよ!」
「いささか、逆恨みではないか……?」
宝剣から「気」の力を強制的に断絶する波動をティエンへと放つ狂気の除霊建築士。
その『風水を以て環境を操り利用する』という除霊建築士を代表する技をユーベルコードに昇華した力を前に、ティエンは良き除霊建築士として対抗意識をむき出しにしながら己もユーベルコードを紡ぐ。
「除霊建築士を相手にする……ってわかっていれば、相手のそれに対抗する手段を考えておくのも当然でしょ!」
自身も除霊建築士であるならば、戦場となる場所の風水を操る事で己にとって相性の良い環境を整えるユーベルコードを獲得する等……ティエンにとっては『当然』の『常識』である。
「陽光よ、降りてこの地を祓い清めよ!――『両儀清祓陣』!!」
降り注ぐは地相を変換する陽光。変換した地相は『邪気を祓う聖域』となる事で『オブリビオンのユーベルコード』という『邪気』を払って無効化していく。
「除霊建築士同士の戦いは、お互いが己にとって有利な環境を作り出し――」
「相手の環境利用を防ぐ!」
その『作り出した環境の利』をいかに活かし、奪われない様にするのかがその戦いの肝となる。
それは、戦いを挑んでいる除霊建築士がそれぞれ猟兵とオブリビオンであっても変わらない。
いや、寧ろ除霊建築士に由来するアビリティよりも多種多様な環境改竄を行えるのがユーベルコードである以上は……
「宝剣よ、断絶の波動を以て石化せよ!」
「陽光よ、降りてこの地を祓い清めよ!」
黒き宝剣から放たれる波動が「気」の力を断絶させていき、その波動を邪気を祓う聖域に変換した領域をぶつけてティエンは凌いでいく。
これこそが猟兵とオブリビオンの戦い。
――『罪深き刃(ユーベルコード)』を駆使する超常存在同士の戦いである。
大成功
🔵🔵🔵
熊猫丸・アカハナ
※アドリブ・共闘歓迎
見つけたで、『劉・叔成』!
蔦のドームに閉じ込めた上で、【呪詛】で周囲の地脈を掻き乱すで!
『劉・叔成』の攻撃を超次元トンネルを使って【逃げ足】で避けながら蔦で攻撃していくで!
攻撃を避けながら蔦を生やし、地脈をめちゃくちゃにして攻撃していくのの繰り返しや!
初めは回りくどいと思ったけど、全然ちゃう――。放っといたら一大事やんけ!
強力な鬼型地縛霊だらけになったら手に負えんくなるわ!
この『陰陽都市計画』ゆーのはなんとしてでも止めなあかん!
ニュータウンをゴーストの街には絶対にさせへん!
せやから、わしは、わしらは絶対に諦めへん
まだまだ!まだまだ!わしは、絶対に、絶対に、諦めへんでーー!!
オーバーロードや!
『イケメンモード』になって、引き続きこの戦法で戦っていくで!
この街はもう大丈夫やな!
「見つけたで、『劉・叔成』!」
「ム……?別世界からの猟兵か。それにしても来訪者と考えれば腑に落ちるが特異な姿だな」
熊猫丸・アカハナ(花咲かコメディアン・f23154)……テレビウムという種族の猟兵である彼の姿を見てジェネラル級の狂気に落ちた除霊建築士は興味深そうにアカハナの姿を見つめる。
しかし、アカハナにとって今はそれどころではなかった。
「初めは回りくどいと思ったけど、全然ちゃう――放っといたら一大事やんけ!」
それは『劉・叔成』の元へ向かう前に改めて『陰陽都市計画』についての資料を再確認し、彼のやろうとしている所業が非人道的というだけでなく、いかに世界にとって危険なのかを本質的に理解したから。
「強力な鬼型地縛霊だらけになったら手に負えんくなるわ!カタストロフに繋がりかねん!」
「いかにも……オブリビオンとなった以上、我は『陰陽都市計画』を進めていく……その最高の到達地点こそが『陰陽都市計画によるカタストロフ』と言えるだろう」
あわよくば『陰陽都市計画』を完遂させる事が出来れば……シルバーレインにおいて最有力オブリビオン・フォーミュラ候補たる異形にしてこの世界の創造主、『二つの三日月』に代わって『劉・叔成』がオブリビオン・フォーミュラとなる事も不可能ではない、とも言えなくもないのだ。
それはつまり、彼が逆説的にオブリビオン・フォーミュラに匹敵するユーベルコードを有せる事に繋がるのだ。
「この『陰陽都市計画』ゆーのはなんとしてでも止めなあかん!このニュータウンをゴーストの街には絶対にさせへん!」
「止めてみたければ止めて見せよ。出来るものなら、な」
「言われずともや!」
瞬間、周囲の無機物が巨大な蔦へと変換していく。
それはアカハナが起動させたユーベルコード『巨大蔦地獄(アイビークライシス)』によるもの。
巨大な蔦はその巨体に応じたサイズの植物ドームとなり、中にジェネラル級狂気能力者を閉じ込めていく。
「この程度で我を――」
「せやから、二段構えや!」
超次元トンネル、発動。
時空を歪め、蔦で攻撃していく。
だけでなく――
「植物を操作し、地脈に干渉して歪めていくか――!」
「まだまだ!まだまだ!わしは、絶対に、絶対に、諦めへんでーー!!」
叫ぶ気合、迸る気力。
それはアカハナを『究極の力』へと導いていき――『超克(オーバーロード)』を発動させていく。
「『イケメンモード』!この町を守らせてもらうで!」
「あの『プレジデント』が授けた、いや開眼させた力か……確かに、凄まじい」
ユーベルコードの出力が『真の姿』となる事で上昇し、植物の膂力も上がっていく。
その膂力を前に、遂に『劉・叔成』は右肩と左脇腹を抉られる――!!
大成功
🔵🔵🔵
暗都・魎夜
【マオ/f36169】
【心情】
陰陽都市計画もいよいよ大詰めだ
マオ、気合入れていこうぜ!
【劉・叔成に】
「爺さん、ちょっと聞かせてくれ
あんたは何のために陰陽都市計画を繰り返す?
俺にしてみると、あんたは昔の劉・叔成の真似事しているだけの存在には見えねえんだ」
【環境戦対策】
除霊建築の技と言えば魔を祓う技だが、逆利用してる印象だな
邪気を「除霊」で祓えば気も集めにくいだろ
後は「情報収集」で力を得るのに用いる儀式の道具に目星をつけて破壊
【戦闘】
「勝負だ、劉叔成!」
UCを発動して「斬撃波」と「フェイント」を織り交ぜて攻撃
「見切り」を用いて真っ向勝負
「師匠が言ってたぜ、能力者の戦いは凌駕してからが本番だ……ってな。サンキュー、マオ。まだまだ飛ばしていくぜ!」
知ってるかはしらねえが
俺らはとことんしぶといぜ
回復はマオに任せ、「激痛耐性」で耐える
一度倒れたら「リミッター解除」で戦闘継続
銀誓館の能力者に一度見せた技は通じねえ
あんた程の実力者が敵だってのは残念な話だが、その救世の願いだけは継いでやるさ
マオ・イェンフー
【魎夜/f35256】
【心情】
ああ、大勢の命が懸かってるからな
狂気の余人には退場してもらうとしよう
【劉・叔成に】
まさか舞い戻ってくるとはな‥
この時代にゃお前さんはお呼びじゃないぜ?
お帰りはあちらってな
【環境戦対策】
風水の知識的に力の溜まる場所を破壊していく
【戦闘】
戦場全体やら、半径やら敵UCが厄介なので、
今回は大技を使うため怪我が心配な魎夜をUC【浄化の風】でサポート
主に魎夜用だが同じ戦場で戦う仲間にも届けば使用する
副次的な狙いとして風で魔術を吹き飛ばす事が出来ないだろうか?
まぁ出来れば御の字くらいの勢いで
「蔵風得水‥澱んでやがる。お前等の気はいただけねェな!俺の風で吹き飛ばしてやるぜ!」
「魎夜ー!こいつで立て直せ!」
回復不要時は[環境耐性]でしぶとく立ちまわりながら白兵戦では拳法で[受け流し]二丁拳銃で[二回攻撃]を劉・叔成に与え続ける。
何か言われたら笑みを浮かべながら皮肉を返す。
「これが銀誓館のやり方だ。観念して念仏でも唱えるんだな劉叔成、あの世で泰山府君が待ってるぜ」
「陰陽都市計画もいよいよ大詰めだ!マオ、気合入れていこうぜ!」
「ああ、大勢の命が懸かってるからな……狂気の余人には退場してもらうとしよう」
「グ……まだだ……!」
肉体を抉られた痛みはジェネラル級のオブリビオンであっても苦であるらしい。
だが、暗都・魎夜(全てを壊し全てを繋ぐ・f35256)とマオ・イェンフー(その漢トゥーハンド・f36169)にとってそれは目の前のオブリビオン化して蘇った除霊建築士を追い詰めない理由とはならない。
「まさか舞い戻ってくるとはな……この時代にゃお前さんはお呼びじゃないぜ?お帰りはあちらってな」
「いや、『まだ早い』……我諸共この世界を過去に飲み込むまでは、骸の海には沈めんのだ」
「……トビアスかルルモートみたいな事を言いやがるな、オブリビオンってのは」
「もとより、オブリビオンというのはそういうものだ」
つまり、一部の例外を除いて猟兵は過去を葬り去らなければならない。
改めてその事を実感したマオは二丁拳銃の標準を除霊建築士のオブリビオンへと向ける。
彼の方も黒き切っ先を突きつけ、戦闘に入り込む――
――前に、魎夜は問いを投げかけた。
「爺さん、ちょっと聞かせてくれ」
「……何?」
まさか、オブリビオンを狩る者である『六番目の猟兵』がジェネラル級オブリビオンである自身の討伐を差し置いて何かを問いかける――
少なくとも『劉・叔成』にとっては意外な行動だったらしい。
「あんたは、何のために『陰陽都市計画』を繰り返す?俺にしてみると、あんたは昔の劉・叔成の真似事しているだけの存在には見えねえんだ」
「――そうか、貴様らはなぜ『六番目』と呼ばれているのかすらわからず戦っているのか」
その問いかけの内容自体も、ジェネラル級オブリビオンである彼にとっては驚くべき内容であったのか。
戦略級能力者の問いの言葉を反芻し、神妙な顔となって黒き宝剣を突きつける除霊建築士。
「やはり、哀れだ……封神武侠界での戦いは聞いている。かの混沌氏と交戦しただろう」
「ああ、それが?」
かの『骸の海そのもの』を自称する怪物。
それが口にした言葉――
「――『罪深き刃(ユーベルコード)』、なぜその文字に対してユーベルコードと読むのかを理解してからだ。話はそれからだ」
にべもなく切り捨てた後、風水の導きで覆い精密操作性を高めた『「気」の力を強制的に断絶する波動』を黒き宝剣から解き放つ。
――その行動に、マオは『憐憫』と『焦燥』が宿っている事に気が付いた。
「(……なぜ、憐れむ?そして焦っている?)」
「わからねぇな。答えを期待はしていなかったが……そこまで拒絶するのはなぜだ?」
「貴様らも理解はしているだろう。この世界でのオブリビオンの行動は『再演』だ」
かつての銀誓館学園の戦い……その敵対者はオブリビオンとなり、自らが散った『戦争』を再現する。
それが『オブリビオンゴースト』と『狂気能力者』、そして『異形』が目指すカタストロフへの道だ。
「強いていうならそれが答えで餞別だ。自らで考え、答えを導いて見せるがいい……出来るものなら、な」
「へっ……言われずともだ!」
「蔵風得水……澱んでやがる。お前等の気はいただけねェな!俺の風で吹き飛ばしてやるぜ!」
ならばこそ――二丁拳銃と二刀流の詠唱兵器よ、起動せよ。
過去より蘇りし『劉・叔成』を骸の海に叩き込むのだ。
「――『浄化の風』」
二丁拳銃の詠唱兵器を起動させる能力者は淀んだ気を浄化して吹き飛ばすべく『清らかな風』を戦場に立ち込めさせる。
「――『赤い太陽(プロミネンスドライブ
)』!!」
二刀流の詠唱兵器を起動させる能力者は『燃え盛る太陽の炎』を纏い、防御力を捨てて攻撃力を増強させる。
二人とも、過去に罪なき命を奪って『陰陽都市計画』を青樹させようとする除霊建築士を止めるべく――『罪深き刃(ユーベルコード)』を詠唱兵器と共に、起動させる。
「勝負だ、劉叔成!」
「今回は支援に回る!攻撃は任せたぞ!」
石化の呪詛が込められた『淀んだ気』をマオが清らかな風で祓う事で払い、その隙に太陽の炎を纏った魎夜はジェネラル級狂気能力者へと突撃していく。
「戯けが!直線的に過ぎる!」
即座に魎夜の胸へと気を付与した宝剣を突き刺す『劉・叔成』、即座に鮮血が溢れ出す――
「師匠が言ってたぜ、銀誓館学園の能力者の戦いは凌駕してからが本番だ……ってな」
「貴様も知っているはずだぞ」
「馬鹿な……生命賛歌!?」
メガリス無きこの世界では、その権能を銀誓館学園は使えない筈。
しかし、二人の猟兵――銀誓館学園OBは、複雑さと誇りを混ぜたような表情でカラクリを告げる。
「――『超克起動(オーバーロード・イグニッション)』ッ!!」
それこそ、猟兵へと至った能力者が手に入れた『生命体の埒外』としての『究極の力』。
任意で『真の姿』へと変貌し、それまで負っていた負傷全てを癒し超強化する究極の奥の手だ。
「最後の一つ言っておく……銀誓館の能力者に一度見せた技は通じねえ。あんた程の実力者が敵だってのは残念な話だが、その救世の願いだけは継いでやるさ」
「これが銀誓館のやり方だ。観念して念仏でも唱えるんだな劉叔成、あの世で泰山府君が待ってるぜ」
銀誓館学園の能力者たる猟兵が解放した『真の姿』は、運命を紡ぐ。
其れは『超克起動(オーバーロード・イグニッション)』によって起動した詠唱兵器を振るうだけ……それが、ユーベルコードに匹敵するようになる――
「「――超克起動せよ、詠唱兵器!!」」
放たれた超克の力を宿す二丁拳銃と二刀流の詠唱兵器は――ジェネラル級狂気能力者『劉・叔成』を骸の海へと叩き返したのであった。
大成功
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