けれども、顔の見えない多数の意思によって運営されるこの社会において、その正義と利益に反するものは排斥され、それを掬い上げようと伸ばされる手はあまりにも少なかった。
時には貧困に喘ぐ人々を、時には地球から消えようとする命たちを守ってきた女とその賛同者の戦いに終わりはなく、熱意を燃やし続けることができなかった仲間が疲れた顔で去っていく後姿を見送ったのは両の手の指の数をとっくに越えた。
「ですから、必要なのは儀式を完遂させないこと。その為に必要なのは、生贄とするために近隣の町村から攫われた一般人の救出と、邪神の声によって動かされる儀式の術者の確保です」
「……『門(ゲート)』のすぐ傍にいるであろう、首謀者はこの限りではありませんけどね。既に邪神本体の“声”に曝されている以上、その精神は治療不可となる段階まで破壊されている可能性が高いです」
北辰
初めてのサポート優先シナリオでございます。
北辰です。
UDCアースにおける邪神降臨の儀。
サポート前提ですので目の前の困難を越えていく分かりやすい構造のシナリオとなっております。
サポートでない通常のプレイングも受け付けておりますが、執筆時間との兼ね合いからプレイングに問題がなくとも流してしまう場合があります。
●1章
視覚から精神を貪ろうと迫る『虫』が潜む山中を進んでいきます。
近隣から生贄用に攫われた人々は既に発狂した状態で山々の各所に散らばってしまっているようです。
猟兵は、『虫』の寄生を避けながら一般人の救出と『門(ゲート)』捜索を行っていきます。
●2章
『門(ゲート)』とそれを開く首謀者を守る『星界の邪神の眷属の群れ』との戦闘です。
眷属の群れは地球上のUDCを乗っ取る形で出現しますが、その能力には特別な差異はありません。
一般人と異なり、首謀者の精神は不可逆の破壊により救出不可能です。
●3章
猟兵の行動が成功すれば『門(ゲート)』は破壊されます。
それにより不完全な顕現となった星界の邪神は眷属と同様に地球上のUDCの肉体を使い出現します。
既存のUDCとは異なる『邪神能力』(断章で説明します)を有しておりますが、完全顕現時と比べれば十分に撃破可能な相手です。
それでは、宙から現れる邪神を迎え撃つため。
皆様のプレイングをお待ちしております。
第1章 冒険
『ミテはイケナイ』
|
|
POW | 気合で見ない様にする |
SPD | 素早く動いて見てしまう事を無くす |
WIZ | 道具や地形を使って賢く見ずに済ませる |
👑7 |
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴 |
種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
ティー・セツナ(サポート)
「あ˝あ˝?悪ぃな、ちょっと…暴れさせてくれよ」
凶悪な顔の新米執事
顔と口調の割には戦いは好きではない
好きではないが、得意ではある
何より執事の仕事を全うするためにも、定期的に戦ってスッキリする必要がある
そのため戦いの場では率先して前に出る
誰かを庇っているとなおさら戦いやすい気がする
どちらにせよ、ただひたすら殴り、暴れるのみ
一通り暴れたら、無表情で感謝を
「すっきりした、ありがとう」
戦い以外の依頼では、執事として皆のサポートを。
色々な人に仕えるのも、よい経験になると手は抜かない。でも顔はチンピラ
響納・リズ(サポート)
「皆様のお役に立てるよう、頑張りますわね」
移動時には、急ぐ要素があれば、ライオンライドを使って移動します。
洞窟など罠が予想される場所では、慎重に進み、万が一、けが人が出た場合は、回復UCにてすぐに癒します。
調査の際は、タロットを使っての失せもの探しや、礼儀作法を使っての交渉。聞き耳等を駆使して、情報を得ようとします。
交渉時は相手の機嫌を損ねないよう気遣いながら、気持ちよく話してくれるように進めます。
共同で進む際は、足手まといにならないよう、相手を補佐する形で参加したいと思います。
アドリブ、絡みは大歓迎で、エッチなのはNGです。
●黒き従者、白き主
木々の葉が風に擦れる音。
鳥と獣の鳴き声と、どこからか水が流れる音色。
普段はそれだけが満たす山々の中に、場違いな人の声がする。
明瞭な言葉ではない、獣じみたとも言えぬ無為な狂気の唸り声が、あちらこちらから聞こえてくるのだ。
「なるほど、確かにこの声の方角に行きゃあ、攫われた民間人はすぐに見つかるだろうな」
そのような不気味な山中で、ガシガシと頭をかきながら呟くのはティー・セツナ(オウガブラッドの闇執事・f36272)。
凶悪な、荒っぽい雰囲気を漂わせるこの青年ではあるが、普段はさる人物に執事として使える身であり、このような人々を助ける役目というのもその本業の助けになるだろうと姿を現したのだった。
「とはいえ、長々と時間をかけるわけにもいかねぇな……」
そうぼやくティーの思考をざわめかせるのは、病にも似た闘争欲求だけではない。
それとは別の、頭蓋骨の内側に異物が入り込んでしまったかのような、なんとも不愉快な感覚が彼を襲い始めていたのだ。
視覚から入り込むという狂気をもたらす『虫』。
ティーとて考えなしに周囲を見渡すことなどしないが、邪神を呼び込む門を探す為には目を閉じ続けるわけにもいかない。
少しずつ、木々の隙間、岩の割れ目から迫りくる狂気の気配を感じながら山々を歩む闇執事。
なるべく視覚に頼らず耳を澄ませて進んでいたティーであったが、その時ふと気づいた違和感に彼の脚は止まるのだ。
それは枝を踏み割る、重い獣の足音。
猪や鹿ではなく、もっと大きな生き物だ。たとえ熊でも猟兵の相手にはならないが、発狂し逃げることもままならない民間人が襲われる危険を考えれば、少しの間眠っていてもらう必要があるかもしれない。
そう、ティーが気配の方角へと拳を握り、警戒を強めたその数瞬の後のこと。
「あら、そのお姿は……お仲間でしょうか?」
木々の中から姿を現すのは、雄々しい獅子に乗った白き翼と金糸の乙女。
響納・リズ(オルテンシアの貴婦人・f13175)その人であった。
リズの能力は、ある意味でこの場で最も求められる力である。
すなわち、タロットを用いた占いにより、狂気の虫が潜む森を見渡さずとも門と要救助者の位置を特定する力だ。
「ですから、目指すべき場所の検討はついているのです。問題は……」
「道中。そこに至る為に山を動くにも、まったくの目隠しじゃあ難しいってことか」
見た目だけなら粗暴なチンピラにでも見えてしまうティーにも臆さない、天然とも大物然としているともいえるリズであるが、その顔色は常よりも些か青白いものであった。
ユーベルコードにより呼び出したライオンの協力によって肉体的な疲労こそ避けているものの、ある程度見てしまう虫がもたらす精神の疲弊は、リズにとってもその気力を削るに値するものであった。
事態の解決には山中を進まねばならないが、消耗しすぎても異星の邪神との戦いに影響が出てしまう。
そんな問題を抱えた中出会ったティーは、しかしその言葉にニヤリと凄味のある笑みを浮かべるのだ。
「なんだ、だったら命じてくれよ。“目を使わずに先導せよ”ってな」
「なるほど、貴方は闇執事の……ええ、それならば命じましょう。救うべき人々、打ち払うべき脅威の下へ、狂気に囚われることなく私を導いてくださいな」
命じられてこそ力を発揮する従者へ、生まれながらの上位階級の言葉が凛と響く。
それを聞いた瞬間、ティーのすべての感覚が研ぎ澄まされ、大いなる全能感が彼を満たす。
目を閉じ、迷うことなく森の中を歩きだしたティーに微笑むリズは、自分を乗せるライオンに命を下して目を閉じる。
獅子はその指令通りに、ただ一つ、オウガブラットの迷いなき背中だけを見つめて、暗い森を歩みだすのであった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
子犬丸・陽菜(サポート)
ダンピールの咎人殺し×聖者、15歳の女です。
「いっしょに苦しんであげるよ」
「臓物がはみ出したくらいで動けなくなると思った?」
「はらわたを搔き回される苦しみはどう?」
宝珠による臓物を掻き回しを多用し、知られざる枷を使います。怪我は厭わず積極的に行動、臓器の負傷でユーベルコードの威力が上がるので負傷は状況によりわざと受けたりもします。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
潜在的なマゾヒストなのでユーベルコードの苦痛になにか感じる場面もあるかも?
負傷重症描写歓迎むしろ希望、内臓が出るくらいやっていただいて全く構いません!
よろしくおねがいします!
●あるいは始めからの狂気
山々の木々に潜む『虫』は、静かにしかし確実に猟兵へと這いよる。
『虫』と呼ばれるその実態は邪神の狂気を運ぶ端末に近しい存在であり、人域を越えた力を有する猟兵であっても、その影響から完全に逃れることは難しい。
だが、ここに一つの解が存在した。
重要なのは、視線を介して侵入してくる以上『虫』は必ず視線を通るという事。
つまり、視線上に発生するユーベルコードであれば、どれほど微小で静かに近づいてくる相手だとしても、その術中に捕らえられるという事だ。
「んぐ、はぁぁ……虫そのものは弱いのかな。ユーベルコードを使いっぱなしにすれば、憑りつかれる事はなさそう」
腹からこみ上げてくる鉄臭い液体を飲み干して、頬を紅潮させながら呟く子犬丸・陽菜(倒錯の聖女・f24580)は、まさしくその対策に辿り着いた猟兵であった。
自身の内臓をかき回される激痛を放つ特異なユーベルコードを用いる彼女の視線上に、使い魔とも呼べない矮小な虫が存在できる筈もない。
自身の力による苦痛を抱えながらも、狂気をもたらす虫を完全に対策する陽菜は、山中に散らばる発狂状態の生贄たちをスムーズに保護し、儀式場を捜索していたのであった。
「とはいえ……まったく影響を受けないと、相手の力も分からない……よね?」
しかし、そんな彼女の足は道中でふと止まる。
(自分自身による自傷を除いて)まったく損傷を受けずに本命の下へ向かうというのもそれはそれで一つの成果だろうが、その先で戦う相手がどういう性質かを探る上では、あえて虫を排除せずに受け入れるという方法もある。
そう考えれば、ユーベルコードを少しだけ停止して、少量の虫をこの身体に入れてしまうというのも、決して猟兵としての役目を放棄している事にはならないだろう。
なにより。
「どんな感覚なんだろう……」
あるいは、既に正気を削られたのだろうか。
陽菜に芽生えたその好奇心は、どんどんと膨れ上がりもはや抑えきれない程に。
だからこそ聖女は、己が操る痛みの奇跡を少しだけ休め。
黒い瞳の奥、か細い視神経に押し入る“虫”の圧倒的な異物感、不快感を甘受するのであった。
成功
🔵🔵🔴
久遠寺・遥翔(サポート)
頭を使うのはちょっと苦手だ
必要なら頭も使うが基本は他人任せだ
それよりも脚を使う探索や力仕事を進んで引き受けるぜ
状況次第で自分の足を使うか相棒のバイク型AFフェンリル、或いはそれをオーバーフレームにしたキャバリアのイグニシオンに【騎乗】して探索するか選ぶ
優先度的にはフェンリル>イグニシオン>生身だな
相棒にはワイヤーアンカーも搭載しているから狭くなきゃ大抵の悪路は走破できる
【地形の利用】【空中戦】や飛行系UCなどを駆使して探索するぜ
情報が必要なら【ハッキング】【情報収集】でかき集める
機械操作が必要な状況なら【メカニック】も駆使するぜ
●突破
久遠寺・遥翔(焔黒転身フレアライザー/『黒鋼』の騎士・f01190)にとって、今回の舞台はどうにも動きにくいものであった。
木々の生い茂る山中であっても、彼の誇る相棒であるバイク型AFフェンリルなら十分に走り抜けることができるだろう。
しかし、視線を媒介にして精神を蝕んでくるという虫は些か以上に厄介だ。
遥翔の操縦テクニックと、各種機材による情報収集とその処理を合わせれば、目を閉じたまま山を走行する程度の事は出来る。
だが、あくまでUDCがはびこるこの地でそのような真似をするのはリスクを高めるし、なによりも山中に散らばる正気を失った生贄たちの保護を考えれば、強引に走り抜けるその先に彼らが迷い出てしまう可能性も考えねばならなかった。
「最後の一人……確かに預けたぜ」
もっとも、それは過去形の話だ。
遥翔と他の猟兵たちがこぞって救助活動を行えば、一つの山に散らばった一般人を集めきるのに多くの時間は要さない。
UDコープの職員に、生贄にされそうになった人々を預けた遥翔は、その過程で影響を受けた邪神の狂気による頭痛に顔をしかめながらも、その口元を弓なりに歪めてみせる。
これから、儀式場に向かい、本命である星界の邪神の顕現を阻止しなくてはいけない。
・・・・・・・・・・・・・・
――場所などとっくに見つけてある。
バイクのエンジンをふかせ、人の手の入らぬ道なき山を自由に走行する遥翔の動きに迷いはない。
荒れた道を繊細なハンドリングで潜り抜け、巨岩を飛び越え、木々に打ち込んだワイヤーアンカーを巻き上げその身を宙へと躍らせる。
邪神の狂気を避ける為ろくに周りも見渡せない中、そのようなハンデなどなんら問題ないのだと叫ぶかのように、遥翔はまっすぐに儀式場へと進んでいく。
あるいは、それこそが人域を越えた猟兵という肩書のなによりの証明か。
そうして、救助活動で使った時間を取り戻すかのような驚異的なスピードで山を突破した遥翔を筆頭に、猟兵たちは邪神が降臨する儀式場へと進んでいくのであった。
成功
🔵🔵🔴
第2章 集団戦
『くちなぜつづち』
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POW |
●秘神御業肉食回向
自身と自身の装備、【自身が捕食している】対象1体が透明になる。ただし解除するまで毎秒疲労する。物音や体温は消せない。
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SPD |
●風蛞蝓
空中をレベル回まで蹴ってジャンプできる。
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WIZ |
●悉皆人間如是功徳
自身の身体部位ひとつを【これまでに捕食した犠牲者】の頭部に変形し、噛みつき攻撃で対象の生命力を奪い、自身を治療する。
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👑11 |
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴 |
種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●盲目の儀式
山々を越え、邪神の狂気を振り払いながら儀式場へと踏み込む猟兵たち。
そこにあったのは、木々を切り倒して作られた広場で怪しげな紋様を地面に刻み、跪く狂信者たちの姿であった。
「ひ、なっ何の音です!? あのお方を呼ぶ神聖な場に、一体誰が……!」
いや、意思を持って跪いていたのはこの集団のリーダーであろう一人の女だけだ。
他の者は、狼狽える主導者の声にもまったく動じず、迎えようとする邪神を崇める姿勢のまま……既に絶命している。
猟兵の登場に喚き散らす女の声に引かれたのか、儀式場を囲む森の内、猟兵たちがいる側とは反対方向から、奇怪な怪物が現れる。
足元だけ見れば地を走る鳥のような、しかし割れた卵のような眼も口もない身体から、ただ巨大な舌だけがでろりと伸びるその姿は、見ただけで常人の正気を削るだろう恐ろしいもの。
「嗚呼、眷属様! どうか、不埒な乱入者に神罰を!」
だが、女は平然とそれらの方へと向き直り、親しい同胞を迎えるような笑顔を浮かべ助けを求める。
その頬には、死した信者たちと同じように。
潰れた両目から流れる、赤い涙が滴っていたのであった。
チル・スケイル(サポート)
「皆さん、よろしくお願いします(お辞儀)」
「…(仕事の時間)」
「では、吉報をお待ちください」
竜派ドラゴニアンのクールな女性です。普段の口調は『私、あなた、~さん、です、ます、でしょう、ですか?』誰にでも礼儀正しく接します
戦闘中は 『私、あなた、~さん、言い捨て』不要な発言はしません
戦闘スタイルは魔法による射撃が主体。氷の魔法を操ります。それ以外の属性は使いません
侮辱や暴言、報酬の踏み倒しなど、敬意に欠ける行為を嫌います
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません
スシが大好きです
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
ジン・マキハラ(サポート)
サイボーグのゴッドハンド×ブレイズキャリバー
胸に永久機関を持つ
口調は「俺、呼び捨て、だ、だな」
標的に事情があるなら同情する事もあるが手加減はしない(できる限り殺さない様にする)ただの悪人とオブリビオンには一切容赦しない
戦闘スタイルは前衛型
一撃重視か広範囲の殲滅に長けている
武器は両手剣クロックヘイズとアサルトライフルのレイジングストームと蒼炎覇気を纏った格闘術
探索時には自身の視覚同調型演算機器による解析やハッキングツールによる情報収集を行う他使える物は全て使う
ユーベルコードは指定した物を使用する
公序良俗に反する行動はせず猟兵達との連携を重視する
アドリブOK
複数リプレイOK
●極寒と灼熱
異星の神を呼ぶための儀式。
多くの狂信者の血で描かれた方陣に、絶命した信徒たちが並ぶ異様な空間が広がる中、しかしそれに臆するような者はこの場には存在しない。
強さ故、使命故、あるいは狂気の深さ故に。
狂気の徒とそれを守護する怪物に対峙する猟兵たちもまた、そのいずれかの内の一人であった。
「やはり、主犯格の彼女は正気を失ってしまっているようですね……」
「猟兵すら苛むオブリビオンの狂気に晒され続けていたんだ。予想通りではある」
じくじくと目の奥に響き続ける鈍痛、UDCから発せられる狂気に顔をしかめながらも、チル・スケイル(氷鱗・f27327)とジン・マキハラ(ブレイズ・オブ・マキナ・f36251)は、オブリビオンに庇われながら狂笑を浮かべる女の様子を窺っていた。
多くのオブリビオンと戦ってきた猟兵として、この惨状を作り上げた女の精神がとうに手遅れである事は容易に察しが付く。
だからこそ、今考えるべきはこの場のオブリビオン、その背後に潜む邪神をいかに討伐するかだけであり。
その使命をしかと見据えた二人は、青い髪を、青い炎を靡かせて怪奇なる鳥との戦いを始めていくのだ。
「とはいえ、この数は少々骨が折れる……な!」
「ギギ、ギィ!」
大きく跳び上がり、全体重をかけて猟兵を押しつぶさんとする怪鳥の脚を、ジンの構える蒼黒い両手剣が受け止める。
胸の永久機関から供給される蒼炎のオーラを剣に纏わせるジンがその膂力をもって一気に剣を振り上げれば、予想外の力で宙に放り投げられる形となったオブリビオンは、ひっくり返った姿勢のまま空中で悲鳴を上げる。
「……!」
そこに合わせるように放たれるのは、チルの操る氷の弾丸。
静かに獲物を見据え、寸分たがわず目標へと向かう彼女の魔術を受けたくちなぜつづちは、そのまま氷に閉ざされ、永久に沈黙することとなる。
鮮やかに一体のオブリビオンを無力化する二人であるが、その表情に達成感の類は一切ない。
ジンの言葉通り、今対峙している敵の強みは『数』だ。
冷静に立ち回れば大して苦戦をする相手ではない筈だが、邪神降誕の儀式を止めるという自分たちの目的を考えれば、このくちなぜつづち達さえ倒せればよいというわけにもいかない。
時間、消耗、脅威……いくつもの要素を脳内で組み立てる二人の結論は同じものだった。
「……追い込みと掃討、どちらかを任せたい」
「なら掃討だ。そちらの方が性に合っている」
問いかけに短く答えるジンの言葉に、チルは頷きのみを返して周囲に浮かべていた拳銃型の杖をしまう。
同時に導かれた結論、ユーベルコードによる一斉掃討に向け、二人の猟兵は行動を開始する。
くちなぜつづちはそこまで知能の高いオブリビオンではない。
際立って愚か、というほどでも無いのだが良くも悪くも獣じみた性質を持った種族であり、行動もそれに基づくものとなる。
「ギギ、ギギギ……」
そんなつづち達であるから、仲間の内の一体があっさりと返り討ちにされたのを見て、彼らはいったん脅威から離れるべく、その群れを散開させようとしていた。
しかし。
「ギィッ!?」
その行く手を阻む純白の壁が、突如として彼らの行く手を塞ぐのだ。
冷気を纏う氷の壁、前触れもなく現れたそれはオブリビオンの頭上をも塞ぎ、彼らの強靭な脚力による離脱を封じてくる。
そればかりか、壁は少しずつ動き、まさしく籠の中の鳥と化した彼らを追い立てるように迫ってくるのだ。
外側からその籠を見る者がいるのなら、まさしく“かまくら”と形容したであろう氷のドーム。
変幻自在に姿を変える氷、それを操るチルのユーベルコードで作られたドームは、少しずつその範囲を狭めてつづち達を追い詰めていく。
触れるだけで死を思わせるほどの圧倒的冷気から逃れようと走るつづち達が行きつく先は、このかまくらに唯一設けられた出口であり……。
「いい仕事だ。それじゃあ美味しい所は貰うぜ」
そこでオブリビオンを出迎えるのは、ジンが放った灼熱の蒼炎を纏う銃弾の嵐であった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
天王寺・あいる(サポート)
ご機嫌よう、我輩はサクラミラージュの敏腕探偵天王寺あいるであります
事件を察知してどのような現場にも勇んで参ります
インドア派と侮るなかれ自宅警備で鍛え上げた白虎拳でどのような相手にも柔軟に対応可能であります
規律を守り猟兵の職務を全うして参りますのでどうぞ宜しくお願い致します
ロートフラメ・クリーガー(サポート)
「ヌハハハ!諸君、我輩はロートフラメ・クリーガーである!」
細かいことは気にせず、とにかく元気に勢いよく行動します。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。どんな目に遭っても大丈夫です。よろしくおねがいします!
●パンチ&パンチ
「視覚から入り込む邪神の狂気……大変結構! 限られた情報を元に事件を解決する事こそ、探偵の本領であります!」
キャスケットを目深に被り、己が視界を制限した女が不敵に笑う。
彼女こそは自称サクラミラージュの敏腕探偵、天王寺・あいる(脳筋探偵・f36076)。
醜悪なオブリビオンたちに囲まれ、しかしそれを見る事すら制限される厳しい状況下ではあるが、彼女の表情にそれに対する焦りはみじんも無かった。
「ふっふっふ……ただ数で囲めばこの天王寺あいるを倒せると思うのならお門違い! 自宅警備で鍛え上げた白虎拳、獣ごときに捉えられるものではありません!!」
瞬間、押しつぶされていたバネが解放されるように、あいるの身体が跳躍する。
彼女が直前までいたその場所で、勇み足で女猟兵に襲い掛かっていたくちなぜつづちの内、数体が舌の刺突を空振りたたらを踏んだ。
「――さあ今です! やっておしまい、であります!」
「ヌハハハ! 委細承知ィ!!」
その隙に突っ込んでくるのは、赤い色が印象的な巨大な影。
血に濡れたオブリビオンたちとは異なり、どこまでも戦列に燃えるその色の主はロートフラメ・クリーガー(さすらいのストライカー・f36816)。
ウォーマシンの強靭な鋼の体がオブリビオンを弾き飛ばし、開けた空間にあいるはひらりと着地する。
「さてロートフラメさん、さっき話した作戦は覚えてますね?」
「無論! 探偵殿の神算鬼謀、この電子の脳髄にしかとメモリー済みよ!!」
華奢な女と無骨な戦争機械。
対照的な両者であるが、この戦場に来た瞬間に悟った共通点が二人の歩調をぴたりと合わせる。
すなわち……。
「とにかく目の前の敵を!!」
「片っ端からぶん殴るぞ! ヌハハハハ!」
脳 筋 で あ る。
「ギャッギャッギャ!!」
「ぬるいぬるい! そのような軟弱な蹴りが吾輩に通ずるものか!!」
真っ向から進軍していくロートフラメが、その巨大な腕を振り回しオブリビオンを叩き潰す。
過酷な宇宙環境にも耐えうる超重量の装甲に、何故か機械なのに出たオーラによる霊的防御。
フィジカル、とりわけタフネスという点では猟兵の中でも更に高水準のロートフラメを前に、くちなぜつづちは防戦一方だ。
周囲を見渡せば邪神の狂気が侵食してくる環境なのだから、適当に近くの敵をぶん殴り進むだけなのだが、獣同然のオブリビオンにはそれがどうしようもない。
戦車のようにロートフラメが進軍していけば、当然それを橋頭保として他の攻撃も苛烈になっていく。
「はあっ! ロートフラメさんの方からどんどん拳の音が……負けてられないであります!」
あいるにウォーマシンのような頑強な肉体は当然ないが、鍛え上げた白虎拳はそれを補って余りある。
纏うオーラで飛翔する彼女の肉体は、拳の一つでオブリビオンを叩き潰し、しなやかな蹴撃は巨大な刃物のように敵の身体を引き裂いていく。
恐るべきはその認知能力。
武人として、周囲の気配を鋭敏に察し寸分たがわず己が肉体を叩き込むその姿は、まさしく一騎当千。
こうして猟兵たちはオブリビオンを蹴散らしていく。
……ただ一つ。
ただ一つの問題を除けば、彼らは完璧に使命を果たしていると言っていいだろう。
「やるではないか! これが……探偵……!」
「そう、私こそが探偵です!!!」
ただ一つ。
ロートフラメの中で、“探偵”が無双の力を持つ戦巧者として認識されつつある点を除けば、である。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
神崎・伽耶(サポート)
『やってみなきゃわかんないしねぇ!』(明るくニヤリ)
アドリブ連携OK。
普段の口調は「庶民的(あたし、キミ、だ、だね、だろう、だよねぇ?)」です。
後先考えず、反射的に行動しますが、他の猟兵に迷惑をかける行為はあまりしません。
姉御肌で、一般人には優しく、時に厳しく接します。
行動原理は好奇心、攻撃よりは防御が得意で、遊撃的なポジションを好みます。
機動力、観察力を生かし、バフやデバフを多用し、トリッキーな攻めを得意とします。
思い付きで動く、常識のある奇人変人ムーヴで描いていただけると大変喜びます。
いっそNPCだと思っていただいてもヨシ!
よろしくお願いします。
蒼月・暦(サポート)
デッドマンの闇医者×グールドライバー、女の子です。
普段の口調は「無邪気(私、アナタ、なの、よ、なのね、なのよね?)」
嘘をつく時は「分かりやすい(ワタシ、アナタ、です、ます、でしょう、でしょうか?)」です。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。
無邪気で明るい性格をしていて、一般人や他猟兵に対しても友好的。
可愛い動物とか、珍しい植物が好き。
戦闘では、改造ナノブレード(医療ノコギリ)を使う事が多い。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
●回転鋸と賭け狂い
この地で暴れるオブリビオンたち、くちなぜつづちは決して強力な存在ではない。
一般的な水準の力量を持つ猟兵であれば、安定して打倒できる程度の相手だ。
しかし、ここで問題となるのが、儀式の陣を通じて漏れ出る邪神の狂気。
視線から猟兵をも蝕む悪意が潜むこの山中においては、ただそこに立つだけでもリスクを生んでしまうのだ。
「だが、それは同時にこうとも考えられる……見なきゃ問題なしってね!」
「だからって目を閉じたまま戦うなんてはじめて……私、ドキドキしてきたわ!」
そんな不利を背負わされた戦場で、なお堂々と、なお楽し気に。
神崎・伽耶(トラブルシーカー・ギリギリス・f12535)と蒼月・暦(デッドマンの闇医者・f27221)の二人は、どちらもその大きな瞳を閉じたまま。
ぎゃあぎゃあと悪魔のような声を上げて威嚇するオブリビオン達へ、不敵に愛らしく、笑いかけるのであった。
「さて、暦ちゃん。我々のこのクレバーな戦術には、実はある欠点がある。なにか分かるかな?」
「はいっ! 目を閉じたままじゃあ、私たちの攻撃は当たらないし、敵の攻撃も躱せないのよ!」
学校の教師でも気取るような格好つけた口調の伽耶に合わせるように、暦が元気よく答える。
そんな調子で話すことではない大問題であるのだが、目を閉じたままの暦の顔は不思議と明るい。
元々、この目を閉じたまま戦う作戦を言い出したのは伽耶であったので、きっと妙案があるのだろうと少女は大いに期待していたのだ。
「そう、そこでだね……ごにょごにょ」
「ええ? それで本当に上手く行くかな……?」
「ふふ、そこはアタシにお任せさ!」
そうして耳打ちされた作戦に、暦は少し首を傾げるものの、あくまで自信満々といった物腰の伽耶を信じ、オブリビオンへと対峙する。
暦の幸福は、伽耶という猟兵の行動指針の大部分が何かを知らない事。
隣に立つ彼女の言葉の大半が“思いつき”だと知っていれば、もう少し違う反応を示したことだろう。
「それじゃあしっかり構えて……このノコギリでバラバラにしてあげるよ!」
「……ぎぎ」
暦の持つ改造ナノブレード、オブリビオンの肉体すら容易に引き裂くそれを構えた彼女が、独楽のように回転しフラフラと移動し始める。
敵の方向、攻撃してくる方向が分からぬのなら全方位に刃を向ければよい。
伽耶発案ノコギリコマと化した暦に対して、肉弾戦しか手札の無いくちなぜつづちでは確かに手出しは難しいだろう。
とはいえ、流石に獣じみたオブリビオンと言えども、あからさまに鋭く煌めく刃を振り回す敵に近づかぬ程度の知恵はある。
――これで本当にいいのだろうか? やっぱり自分が目を回して倒れるのが先ではないだろうか?
そんなふうに、暦がすこーしだけ伽耶を疑い始めたその矢先。
「ギギャ、ギギイッギギ~!?」
「えっ、この手ごたえ……!?」
一瞬刃が重くなり、何かを引き裂き軽くなる。
明らかにオブリビオンの一体が刃に当たり犠牲になった手ごたえに戸惑う暦だが、しっかりとノコギリを持つ彼女は、あくまで回転を続けていた。
・・・・
「おや? 運の無い子がいたようだね!」
そんな物音を聞いて、もう一人の猟兵が目を閉じたままにやりと笑う。
自分からノコギリに当たるわけもなし、“偶々”よろけて暦の方へと転んでしまったのだろう。
「ギギッギギィ!!」
「また手ごたえ! 凄いわ伽耶さん!」
更に一体仕留めたらしい暦に礼を言われるが、伽耶は苦笑を浮かべてそれを受け流す。
彼女は伽耶が敵を誘導していると思っているのだろうが、伽耶はただ、ふらふらと歩き回っているだけ。
周りは敵だらけ、唯一の味方もやみくもに刃物を振り回しているこの状況において自殺行為とすら呼べる行動であるが、何故か彼女の身体には傷一つついていないのだ。
それなのに偶々敵の攻撃は外れているようだし、空振りした敵は偶々暦へと突っ込んでいるらしい。
命すら賭ける狂気の博徒に運気を奪われたオブリビオンたちが、面白いように自滅していく。
敵にとってはもはや地獄絵図という光景の中、暦は一生懸命にノコギリを振り回し、伽耶は悠々と散歩を楽しむのであった。
成功
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クリスティナ・バイエンス(サポート)
火の神の名を持つキャバリアに選ばれたサイキックキャバリア乗り
水着みたいな格好なのは、コックピットが蒸し風呂みたいに熱いから仕方なくだからね
正直キャバリアを降りての戦闘はあまり得意じゃないのよ
でもキャバリアを使っての戦いは任せてね、みんな炎で薙ぎ払ってやるわ
とはいえ、必要ないところで炎を使うつもりはないの危ないもんね
使わなくても私の〔炎神機カグツチ〕は十分強いもの
よろしくね!
●神と神
「ギィ……!」
猟兵たちの活躍により、その数を大きく減らしたくちなぜつづち。
だが、獣同然の知能でもわかる圧倒的苦境においてなお、彼らは逃げ出すそぶりを見せなかった。
それも当然。此処には彼らの生命よりもはるかに尊い主を迎えるための、儀式の陣があるのだ。
オブリビオンたちの生き残りは密集して防御の構えを取り、あくまでこの場を堅守する姿勢を見せるのだった。
「つまり、最後は思いっきりなぎ払う必要があるわけよね!」
そのオブリビオンの最後の抵抗を“見下ろしながら”語る少女こそ、クリスティナ・バイエンス(炎のキャバリア乗り・f30044)。
神の名を冠したキャバリア、カグツチを駆って現れた彼女は、高温になるコクピットの中で汗をぬぐいながら、操縦桿を握りしめた。
「ギギギ、ギイイァ!!!」
「窮鼠猫をなんとやら……だね。カグツチの炎で焼き払えば確実ではあるけれど……」
巨大なキャバリアを前にして、なおも臆さぬオブリビオンの群れがその爪を振り上げる。
本来であればカグツチの扱う灼熱の炎で一掃できる相手ではあるが、ロケーションの問題がある。
周囲を囲む山の木々の中には、乾燥しきった枯れた樹も混じっている事だろう。
炎の出力を押さえた所で、そういった燃えやすい樹に引火してしまえばたちまち大規模な山火事だ。
多くの者にとって幸運にも、クリスティアは良識を備えた猟兵であったので、オブリビオンを倒す為なら何を犠牲にしても良い、などという考えには至らない。
――より、正確な表現をするのであれば。
「これくらいなら……炎を使うまでもないわ!」
キャバリアから放たれる、常とは異なる念動力による衝撃波。
熱を持たぬ、純粋な力によるユーベルコードの攻撃が、カグツチに群がっていたオブリビオンを的確に吹き飛ばしていく。
もはや悲鳴すらあげることなく一方的に蹴散らされるオブリビオンの身体が宙を舞い、地に叩きつけられる頃になれば、もはや満足に戦えるものは残っていなかった。
「さて……それじゃあやってくる神様をお迎えしましょうか、カグツチ!」
そうして、猟兵たちは儀式の陣の中心を睨む。
まさに今、そこに降臨せんとする異星の邪神との戦いに、彼らは気を引き締め直すのであった。
成功
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