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殲神封神大戦⑲〜太平道の決戦

#封神武侠界 #殲神封神大戦 #殲神封神大戦⑲ #大賢良師『張角』


「殲神封神大戦への参戦に感謝します。リムは戦況を報告します」
 グリモアベースに招かれた猟兵達の前で、リミティア・スカイクラッド(勿忘草の魔女・f08099)は淡々と、封神武侠界の人界と仙界の地図を広げながら語りはじめた。
「『異門同胞』に支配されていた有力な敵は全て倒され、大賢良師『張角』を守っていた結界が消滅しました。この戦争もいよいよ最後の決戦となります」
 かつて黄巾党を率いて人界を混乱に陥れ、仙界の至宝「封神台」を破壊しオブリビオンを復活させた、全ての元凶と呼ぶべき存在――フォーミュラとして復活した彼の野望は、世界の全てを骸の海に導き、『異門同胞』の力で全てを統治する事だ。

「張角はそれを最善最良の安寧に至る王道であり、平和に至る唯一の道だと宣っていますが……今を生きる者としては、到底認められるものではありません」
 カタストロフの到来まで残された時間は少ない。一刻も早く張角を撃破し、その野望を阻止しなければならない。だが相手は腐ってもオブリビオン・フォーミュラ、これまでに戦ってきた伝説の偉人や神仙に比べれば劣るものの、一筋縄でいく相手ではないようだ。
「張角は仙界にある『太平道(たいへいどう)』という広大な草原に陣を敷き、配下の『黄巾オブリビオン』の軍勢と共にこちらを待ち受けています」
 生前の張角が率いた『黄巾党』を思わせる黄色い布を身につけた、張角に忠誠を誓ったオブリビオンの大軍団が、彼を守護する最後の壁となる。個々の兵士に特筆すべき能力は無いが、厄介となるのはその数である。

「黄巾オブリビオンの総数は数十万に達すると見られます。広い草原での戦闘となりますので数の優位も活かしやすく、敵にとって有利な環境と言えるでしょう」
 異門同胞に支配されたオブリビオン達は張角の命令に決して逆らわず、生命を惜しむ事なく戦う。それが数十万人ともなれば大きな脅威になるだろう。末期の漢王朝が滅亡する最初の原動力となった黄巾党の乱、まさにその再来の如き様相である。
「ですが、ここで手をこまねいている時間はありません。策を用いるなり、正面から突破するなり、何としてでもこの大軍勢を蹴散らし、張角を討ち取って下さい」
 軍勢や強敵との戦いは、既にこの戦争に参加した猟兵なら何度も経験しているだろう。
 不動の忠誠と数の暴力というシンプルな強みを有する黄巾オブリビオンだが、搦め手や特殊能力は持っていない。ならばこちらも知恵と武勇の全てを尽くして打ち破るのみだ。

「張角自身は軍勢の中央に位置取り、配下の指揮を執っている様子。猟兵に接近されれば宝貝や腹心の配下を呼び寄せて応戦してくるようです」
 言い換えればあちらから先制攻撃を仕掛けてくる事はない。張角からすればここを凌ぎ切り、カタストロフを起こすまでの時間を稼げれば勝利なのだ。故にこそ大軍を盾にしての防戦の構えだが、それが付け入る隙になるかもしれない。
「並みのオブリビオンとは比較にならないとはいえ、張角の戦闘力はこれまでの有力な敵よりも明らかに劣ります。黄巾軍さえ突破できれば勝機は十分にあるでしょう」
 良くも悪くも張角の厄介さは『異門同胞』という、全てのオブリビオンを従える規格外のユーベルコードの力にある。直接戦闘に持ち込みさえできれば、その支配力が及ばない猟兵は彼にとっての天敵になるはずだ。

「残された時間はあと数日。封神武侠界の平和のため、皆様の力をお貸し下さい」
 説明を終えたリミティアは手のひらにグリモアを浮かべ、仙界・太平道への道を開く。
 この世界に乱を巻き起こした全ての元凶との、最後の戦いの幕が開けようとしていた。
「転送準備完了です。リムは武運を祈っています」



 こんにちは、戌です。
 いよいよ今回はオブリビオン・フォーミュラ、大賢良師『張角』との決戦になります。

 このシナリオでは下記のプレイングボーナスに基づいた行動を取ると判定が有利になります。

 プレイングボーナス……黄巾オブリビオンの大軍勢を蹴散らし、張角と戦う(先制攻撃はありません)。

 舞台は草原、敵は大軍。それ以外に特殊なギミックはありません。
 すごい知略とかヤバい武勇とかで万の軍勢を圧倒し敵将を討ち取るという、中国の古典小説あるいは無双ゲームのような大立ち回りをするシナリオになっています。
 もちろん軍勢の目をすり抜けて張角を奇襲するようなプレイングでも構いません。この戦争の最後のボスということで、好きなように暴れて貰えれば幸いです。

 それでは、皆様のプレイングをお待ちしております。
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第1章 ボス戦 『大賢良師『張角』』

POW   :    戦術宝貝「黄巾力士」
無機物と合体し、自身の身長の2倍のロボに変形する。特に【巨人兵士型宝貝「黄巾力士」】と合体した時に最大の効果を発揮する。
SPD   :    黄巾三巨頭
戦闘用の、自身と同じ強さの【妖術を操る地公将軍『張宝』】と【武芸に長けた人公将軍『張梁』】を召喚する。ただし自身は戦えず、自身が傷を受けると解除。
WIZ   :    黄巾之檄
【「蒼天已死 黄天當立」の檄文】を聞いて共感した対象全ての戦闘力を増強する。
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ギージスレーヴ・メーベルナッハ
ハハハハハ!
この数、この狂躁!
まさにこれこそ戦場よ!
我ら黄昏大隊の総力を以て敵するに相応しい!

黄昏大隊・蹂躙巨艦発動。
艦よりの【砲撃】と、余のヤークト・ドラッヘの火器による【制圧射撃】で敵前衛を薙ぎ払い、そこに兵を降下。
楔型陣を組み、以て敵本陣への突撃を敢行する。
余が先頭に立ち、火器で前方を切り開く。兵達は側面からの敵を食い止めつつ前進、敵陣に穿った穴を押し広げてゆく。
艦からの砲撃は敵密度の高い処、及び遠距離攻撃手段を有する敵が最優先目標。
これら【集団戦術】を以て張角へと肉薄。
捕捉次第、持てる総火力を叩き込み殲滅してくれよう。

身勝手なる救済などこの世界に不要。
黙して黄昏に沈むが良い!



「ハハハハハ! この数、この狂躁!」
 視界を埋め尽くす数十万の大軍を前にして、ギージスレーヴ・メーベルナッハ(AlleineBataillon・f21866)は哄笑する。戦争も最終盤にしてこれまでに無かった大規模な戦闘に、血の昂ぶりを抑えられないといった様子だ。
「まさにこれこそ戦場よ! 我ら黄昏大隊の総力を以て敵するに相応しい!」
 その喜悦に満ちた表情はまさに戦争狂。重機甲戦闘車「ヤークト・ドラッヘ」に乗り込み、彼女は太平道の大草原を進撃する。自らが率いる傭兵組織『黄昏大隊』の最大戦力、【黄昏大隊・蹂躙巨艦】を呼び寄せて。

「ゴットリヒター出撃! 領域内の敵勢力を徹底的に蹂躙し殲滅せよ!」
 蒼天を引き裂いて姿を現したのは、鋼鉄の装甲と大口径の火砲を備えた武装飛行戦艦。
 神を裁く者(GottRichter)の名を冠する巨艦はその火砲の照準を地上にいる敵軍に向け、首領からの命令を直ちに遂行した。
「な、なんだあの空飛ぶ船は……?!」「ぎゃぁぁぁぁッ!!!」
 砲音が轟き、大地が爆ぜ、悲鳴と共に兵士達が吹き飛ぶ。さらにギージスレーヴ本人も乗騎に搭載された火器やミサイルによる制圧射撃を仕掛け、敵の前衛を薙ぎ払っていく。

「降下兵団、総員降下開始!」
 火力の集中により前線に穴が空いた所で、ギージスレーヴは麾下の戦力を降下させる。
 飛行戦艦より降り立った幽霊の兵士達は、一糸乱れぬ統率で楔型陣を組み、以て敵本陣への突撃を敢行する。
「余が先頭に立ち、前方を切り開く。兵達は側面からの敵を食い止めつつ前進せよ!」
 誰よりも危険な場所に率先して立ち、「ヤークト・ドラッヘ」の火器を敵軍に放ちながら爆走する。放たれた矢の如く止まらない首領に遅れを取るなと、兵士達もアサルトライフルやロケットランチャーを撃ちまくり、彼女が敵陣に穿った穴を押し広げてゆく。

「止めろ、奴らを止めろ……!」「ぐわあぁぁぁっ!!?」
 張角に忠誠を誓った「黄巾オブリビオン」の軍勢は必死に相手を抑え込もうとするが、武装の火力と兵士としての練度が違う。肉迫しようとした部隊はことごとく押し返され、軍の象徴である黄色い布が爆風に散る。
「怯むな! 蒼天已死 黄天當立……!」
 それを率いる張角も【黄巾之檄】を飛ばして兵士達を激励するも、黄昏大隊の勢いは止まらない。上空からは飛行戦艦による砲撃が継続され、敵密度の高い処、及び弓や妖術等の遠距離攻撃手段を有する敵を優先して撃ち抜き、ギージスレーヴの進撃を支援する。

「ハハハ! そんな大言壮語で我らを止められると思うな!」
 全戦力一丸となっての集団戦術を以て、遂にギージスレーヴは敵将・大賢良師『張角』に肉薄する。計画の成就を目前にしてやって来た最大の脅威を前に、その男は苦々しげに狼狽した表情を見せた。
「おのれ猟兵……どうあっても邪魔をすると言うのか……ッ!!!!」
「身勝手なる救済などこの世界に不要。黙して黄昏に沈むが良い!」
 目標を補足次第、持てる総火力を叩き込むギージスレーヴ。乗騎に積んだ連装電磁砲、速射機銃、誘導ミサイル、そして手にした魔導小銃「トーテンクロイツ」が火を噴くと、張角の身体から血飛沫が上がった。

「ぐおぉっ……! へ、兵達よ、私を守るのだ!」「張角様!」
 負傷した体を引きずるように張角が後退すると、駆けつけたオブリビオン達がその間に割って入る。だが黄昏大隊の前進は止まることを知らず、さらなる追撃を浴びせかける。
 銀髪の女首領に率いられたその行進は、敵を殲滅する瞬間まで、終わる事はない――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

リオ・ウィンディア
だだっ広いというのは反響音がなくてやりづらい反面
そういう悪環境もなかなか役者魂をくすぐるわ

UC発動
声の届く範囲で溢れんばかりの【歌唱】とギターの【楽器演奏】
まずは自分の周囲に呪詛、恐怖をばら撒くわ
それらは悲鳴となって多くの次の被害者を求めるでしょう
【範囲攻撃、呪詛、精神攻撃、恐怖を与える】
さぁ、喝采を
さぁ、恐怖の雄叫びを!
響き渡れこの大地に
痩せこけたこの大地の呪詛を汲み取り、聞き取り、そして届けてあげる
さぁ、広がれ、呪いの連鎖
呪詛は呪詛を呼ぶ闇の世界を披露してあげる

そうして、張角の道をこじ開けて
ダガーによる【2回攻撃、斬撃波、早業】でシンプルに仕留めにかかるよ
あんた自身は、大したことがない…!



「だだっ広いというのは反響音がなくてやりづらい反面。そういう悪環境もなかなか役者魂をくすぐるわ」
 地平線まで続く草原(ステージ)と、立ちはだかる数十万の敵兵(オーディエンス)を見渡して、リオ・ウィンディア(黄泉の国民的スタア・f24250)は自信ありといった顔を浮かべる。この戦争もいよいよ最終盤、クライマックスとしては相応しい舞台だ。
「「蒼! 天! 已! 死! 黄! 天! 當! 立!」」
 大賢良師『張角』が掲げたスローガンを口々に唱え、黄色い布を巻いたオブリビオンの軍勢が向かってくる。リオはすぐさまクラシックギター式魔楽器・アーケオプテリクスを構えると【memoria oscuridad】の演奏を始めた。

「¿Un mal día? 私が届けてあげるわ」
 しなやかな指使いで爪弾かれるギターの音色に合わせて、澄んだ歌声が太平道に響く。
 美しくも哀しげな旋律を含んだその音楽は、リオの周囲に溢れんばかりの呪詛と恐怖をばら撒き、大地に染み付いた残留思念を呼び覚ます。
『ギィィィヤァァァァ……!!』
「な、なんだ……?」
 それらは悲鳴の合奏となって、多くの次の被害者を求めて鳴り響く。歌声の届く範囲に沸き起こる不気味な雰囲気に、黄巾軍は思わず足を止め、怯えた表情で辺りを見回した。

「さぁ、喝采を。さぁ、恐怖の雄叫びを!」
『オォォォォォォォ―――!!!!』
 リオの号令の号令に呼応して大地が震え、沸き立つ呪詛が何倍にも濃度を増していく。
 それと相乗効果を起こして魔楽器の音色も鮮やかさと深みを強め、呪いをより遠くまで響かせる。この草原にいる全ての敵に届けとばかりに。
「痩せこけたこの大地の呪詛を汲み取り、聞き取り、そして届けてあげる」
 黄泉の国のスタアであるリオが最も得意とするのは呪歌による闇の体現。踏み躙られた大地の呪いは黄巾オブリビオンの兵士に向けられ、恐怖と不幸、そして死をもたらした。

「う、げぁっ……!?」「ぐ、苦じい……!!」
 響き渡る呪歌の領域の中で、恐怖に顔を歪めながら次々に倒れていくオブリビオン達。
 もし天から俯瞰する目を持つ者がいれば、リオを中心としてその被害範囲が徐々に拡大しているのが分かるだろう。まるで生が死に塗り替えられていくように。
「さぁ、広がれ、呪いの連鎖。呪詛は呪詛を呼ぶ闇の世界を披露してあげる」
 愛らしくも妖艶な笑みを浮かべ、音楽と呪詛を引き連れて草原を進むリオ。彼女が歩いた後には闇と屍が列をなし、歩みを阻まんとした者もすぐに列に加わる。そうやって道をこじ開けて、彼女は張角の元までたどり着いた。

「お、おのれ……ッ!!」
 たった1人で軍団を呪いに侵した闇の奏者に、張角は忌々しげな視線を向ける。彼自身は仮にもオブリビオン・フォーミュラ、雑兵らのように呪詛で倒れはしなかったものの、この状況では側近の『張宝』『張梁』を召喚する事も叶うまい。
「あんた自身は、大したことがない……!」
 リオは楽器の底からダガーを抜き放ち、シンプルに直接攻撃で敵将を仕留めにかかる。
 精霊の加護を宿した刃を素早く振るうと、水と風の斬撃波が放たれ、敵を切り裂いた。

「ぐぁッ!!?」
 これまで数々の神仙や将と戦ってきたリオから見ても、彼の力は明らかに劣っていた。
 魔刃に切り裂かれた悲鳴を上げ、呪詛の響く領域から逃れるように後ずさるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

張・西嘉
黄巾の乱再びと言ったところだな。
まぁ、皆で他の難局は越えたんだあとは張角討つべしだ。

先制攻撃がないのならいつも通り戦うだけだ。
青龍偃月刀を【怪力】で【なぎ払い】敵兵を纏めて攻撃しつつ張角の元へ向かう。
【武器受け】から【カウンター】を狙い攻撃。
…その檄文を聞いて共感するのは敵兵のみだろうが…それが厄介か。
UC【蒼氷の加護】を使い薙ぎ払った兵や張角を凍らせさらに一閃。

主の為にもこの世界は守らねばな。



「黄巾の乱再びと言ったところだな」
 草原に布陣したオブリビオンの大軍。その全てが黄色い布を身に着けているのを見て、張・西嘉(人間の宿星武侠・f32676)は独り言ちた。かつてその色の布をまとった軍勢が引き起こした乱はひとつの王朝に終焉をもたらし、仙界の至宝を破壊したのだ。
「まぁ、皆で他の難局は越えたんだ。あとは張角討つべしだ」
 事ここに至れば他に考える必要はあるまいと、彼は相棒たる青龍偃月刀を担いで前線に出る。確かに敵は大軍だが防戦の構えを取っており、向こうから積極的に攻めてくる様子はない。将である張角の身を守る事を第一としているようだ。

「先制攻撃がないのならいつも通り戦うだけだ」
 偉丈夫の佇まいでのしのしと戦場を征く西嘉。その間合いに敵が踏み込んできた瞬間、彼は青龍偃月刀を振るう。膂力に物を言わせた豪快な斬撃が、一陣の旋風を巻き起こす。
「ぐわぁぁっ!?」「ぎゃぁっ!!」
 敵を1人と侮った黄巾オブリビオンは木っ端の如く纏めて薙ぎ払われ、骸の海に還る。
 有象無象の雑兵如きに宿星武侠が止められるものか。彼の歩みは敵軍の厚みがもっとも深い中央、敵将張角がいるであろう方に向いていた。

「怯むでないぞ! 蒼天すでに死す、黄天まさに立つべし!」
 猟兵の強大さに動揺する自軍を鼓舞するように、張角が大声で【黄巾之檄】を発する。
 "蒼天已死 黄天當立"の八文字に象徴される黄巾党のスローガン。それは異門同胞の力で集められたオブリビオンの心を一つにし、闘志を奮い立たせる。
「……その檄文を聞いて共感するのは敵兵のみだろうが……それが厄介か」
 敵軍の動きが明らかに変わったのを見て、西嘉は眉をひそめる。単純に強化されただけでなく、これまで以上に兵士達が捨て身で襲ってくるようになった。主の願いにして理想を成就させる為ならば己の死すらも厭わぬという事か。

「だが、負けられぬ理由は俺にもあるのでな」
 西嘉は掛かってきた敵兵の攻撃を偃月刀で受けてから、即座にカウンターで切り返す。
 気迫だけでは埋まらぬ武勇の差がそこにはある。そして多勢に囲まれながらも彼に余裕があるのは【氷蒼の加護】がついているからだ。
「主の加護ありがたく使わせてもらおう」
 このユーベルコードは彼の攻撃が命中した対象に、傷を蝕む溶けない氷を付与する。
 一度でも刃が掠めれば、敵は延々と氷の侵食を受け、やがて凍りついた骸と化すのだ。

「か、体が……!」「動けぬ……ッ?!」
 傷口から広がる蒼氷に蝕まれ、戦場に倒れ伏す黄巾の兵士達。何十人、何百人掛かりで攻め寄せても、それは草原に並ぶ氷像の数を増やすだけに終わる。鍛え抜かれた武侠の技と主に託された異能の加護、この二つが備われば正に万夫不当なり。
「どうした――……ッ!!?」
 自軍の崩壊が止まらず狼狽する張角。西嘉の振るった偃月刀は遂に彼の元にも届いた。
 蒼く煌めいた刃が道袍を切り裂き、血飛沫が上がる間もなく傷口を蒼氷が塞ぐ。それはまたたく間に彼の全身を侵食していった。

「主の為にもこの世界は守らねばな」
 必ず生きて戻れと西嘉は主から命じられ、西嘉は主の元に戻るまでは絶対に死なないと誓った。ならば何十万の敵が相手だろうと此処で敗けるわけにはいかぬ。主の待つ場所、己の戻る場所を守るために。
「ま、待てっ……ぐあぁッ!!!?」
 決意を込めて放たれた青龍偃月刀の一閃が、凍傷を負った張角と兵を纏めて薙ぎ払う。
 凍りついた脚では身を躱すこともままならぬ。直撃を食らった張角は悲鳴を上げて吹き飛ばされ、太平道の草原を己の血で染めた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

夜刀神・鏡介
多くの戦場、多くの強敵を乗り越えてようやく此処まで来た
奴には奴の理があるのだろうが、過去の存在であるお前が世界の未来を決める事を見過ごす道理はない

神刀の封印を解き、神気によって身体能力を強化
個々の戦力はさておき、数は圧倒的に不利な状況なので、限界を越えて力を引き出した所で、漆の秘剣【蒼鷹閃】の先制攻撃
蒼色の斬撃を張角めがけて一直線に放って軍勢をなぎ払い、ダッシュで接近。他に近付いてくる奴がいればそれらも同様になぎ払い

張角はロボに変形したようだが、大きさで言えば哪吒の方が上。今更その程度で怯むと思うなよ
そのくらいの攻撃なら正面からの受け流しも容易い。受け流し、体勢を崩した所で切り込んでいこう



「多くの戦場、多くの強敵を乗り越えてようやく此処まで来た」
 人界から仙界を転戦し、辿り着いた太平道で、夜刀神・鏡介(道を探す者・f28122)は呟く。立ちはだかるは黄巾オブリビオンの大軍勢、その先で待つは大賢良師『張角』。簡単にはいかぬ相手だが、これが最後だ。
「奴には奴の理があるのだろうが、過去の存在であるお前が世界の未来を決める事を見過ごす道理はない」
 世界の未来は現在を生きる者の手によって紡がれる。それを妨げてよい道理はないと、彼は神刀【無仭】を抜いた。森羅万象の悉くを斬ると謳われたその力、解き放つは今だ。

「神刀解放。刃は流れるが如く――漆の秘剣【蒼鷹閃】」
 神刀の封印を解き、神気によって自らの身体能力を強化。淀みない所作で構えを取った鏡介は、蒼色に輝く斬撃波を放つ。個々の戦力はさておき、数は圧倒的に不利な状況――故に限界を越えて引き出されたその力は、戦場を切り裂く巨大な刃となる。
「なっ、何だと……?!」「ぐわあぁぁぁぁぁっ!!!」
 対軍規模の先制攻撃により敵軍は一直線になぎ払われ、軍勢の中に一本の道ができる。
 その道が続く先にはこの黄巾軍を率いる将――張角がいる。目標を見据えて鏡介は神刀を握ったまま一目散に駆けだした。

「ッ……! 彼奴を止めよ!」
 向けられた殺意に慌てて号令を発する張角。それに応えて付近にいる黄巾オブリビオンが鏡介を足止めしようと押し寄せてくる。しかし一度陣容の崩れた軍は彼から見れば烏合の衆に等しく、十分な連携なければ脅威にもならない。
「お前達の相手をしている暇はない」
「ぎゃぁッ!?」
 初撃と比べれば幾分か規模の小さくなった【蒼鷹閃】で、近寄る敵を動揺になぎ払う。
 その間、左右から来る雑兵の姿など見もしない。視線は敵将を逃さぬよう、張角を常にロックオンしている。

「お、おのれ……どうあっても我が天命を妨げるのか!」
 追い詰められた張角は【戦術宝貝「黄巾力士」】を発動し、巨人兵型宝貝と合体する。
 これが彼の切り札なのだろうか、身長3メートルをゆうに超えるロボに変形した彼は、苛立ちも露わに怒鳴りつけるが――対する鏡介は小揺るぎもしない。
「ロボに変形したようだが、大きさで言えば哪吒の方が上。今更その程度で怯むと思うなよ」
 単独で「炎の破滅(カタストロフ)」をもたらさんとしていた、あの謎のオブリビオンマシンも然り。これまで戦ってきた輩はどれも黄巾軍より遥かに手強かった。それを切り抜けて此処まで辿り着いた以上、張角の命運はもはや決まったも同然だ。

「クッ……敗ける訳には、いかぬのだぁッ!」
 破れかぶれに攻撃を繰り出す張角。黄巾力士と一体となった鉄拳が叩きつけられるが、そのくらいの攻撃、鏡介の技量であれば正面からの受け流しも容易い。神刀にて拳の軌道を逸らし、敵の体勢を崩した所に返す刀で切り込む。
「お前の理はここで終わりだ」
「ぐあッ!!?」
 一閃。蒼く輝く斬撃が黄巾力士ごと張角を切り裂き、装甲の隙間から血飛沫が上がる。
 虎の子の宝貝をもってしても、もはや止められぬ。流れは完全に猟兵達の側にあった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ヘルガ・リープフラウ
「蒼天已死 黄天當立」……
いいえ、黄巾党は既に亡くとも、天は変わらず青き光を照らしだす
数多の死によって導かれる楽園など認めない
この世界は、空と大地は
未来を生きる者の手にあることを証明して見せる

平和への祈り込め歌う【涙の日】
天に輝く眩き光は、敵群には神罰の矢となって降り注ぎ
連戦で消耗する味方には優しき癒しを

張角への道を切り開いたら
勇気と覚悟を振り絞り
破魔の魔力込めて「浄罪の懐剣」を突き立てる

妲己と約束したの
いつの日か彼女が望み果たせなかった「憂いなき世」を築くと
その彼女の安らかな眠りと平和への願いを踏み躙ったばかりか
この上更なる犠牲を生み出そうとする貴方を
わたくしは決して許さない



「『蒼天已死 黄天當立』……いいえ、黄巾党は既に亡くとも、天は変わらず青き光を照らしだす」
 張角が掲げた大義名分に、真っ向から異を唱えたのはヘルガ・リープフラウ(雪割草の聖歌姫・f03378)。人界における全ては移り変わってゆくが、あの空は――世界は変わらずここにある。そして、その天下には数多の命が今も生き続けているのだ。
「数多の死によって導かれる楽園など認めない。この世界は、空と大地は、未来を生きる者の手にあることを証明して見せる」
 眼前より押し寄せるは数十万の大軍。『異門同胞』に操られた勇猛な黄巾オブリビオンと比べれば、彼女はいかにも儚げに見える。だが、その楚々とした佇まいの中には誰にも負けない強い意志と決意が宿っていた。

「主よ。御身が流せし清き憐れみの涙が、この地上より諸々の罪穢れを濯ぎ、善き人々に恵みの慈雨をもたらさんことを……」
 平和への祈りを込めて紡ぐは静謐なる聖歌。天に捧げられし聖者のメロディは、大地に【涙の日】をもたらす。黄巾軍がはっと蒼天を見上げれば、眩く輝く無数の光が神罰の矢となって彼らに降り注いだ。
「「ぐわあぁぁぁぁぁっ!!!?!」」
 それは邪気を打ち払う裁きの光。世界を骸の海に導かんとする悪しき企てに加担する者には覿面に効果を発揮しよう。ヘルガの元に迫った黄巾オブリビオンは悉く打ち払われ、塵すら残さず消滅した。

「くっ、なんだこの光は……!」
 光の矢に射られた兵が消えていくのみならず、各方面からの攻勢が強まったのを見て、張角が慌てだす。ヘルガが【涙の日】により招いた光は敵には裁きの力となるが、味方に対しては優しき癒しとなって、連戦による消耗を回復させていた。
「主の怒りと慈愛を見なさい」
 味方の治癒と敵への攻撃を同時に行う事で、ヘルガは戦況を一気に猟兵優勢に傾けた。
 その聖なる輝きが照らすところに敵はなく、分厚い軍勢の壁が割れて張角への道が切り開かれていく。彼女はそれを一歩一歩、踏みしめるように進んだ。

「妲己と約束したの。いつの日か彼女が望み果たせなかった『憂いなき世』を築くと」
 張角に迫るヘルガの胸にはひとつの想いがあった。それはかつて自らを犠牲に封神台を築き上げ、オブリビオンの脅威を封じた仙女より受け継いだ願い。罪と穢れに塗れてでも幸福な世界を築こうとした妲己に、彼女は心からの敬意を表する。
「その彼女の安らかな眠りと平和への願いを踏み躙ったばかりか、この上更なる犠牲を生み出そうとする貴方を、わたくしは決して許さない」
 そう語った彼女の眼差しは鋭く、これまで幾多の英傑や神仙を従えてきた張角でさえ、思わずたじろぐほどの圧があった。もう誰も涙を流すことのない世界を築きたいと願う、心優しくも強い信念を持った歌姫の怒りに、彼は触れたのだ。

「く、来るなッ! 誰か、この者を止めよ!」
 何度張角が【黄巾之檄】を発しても、裁きの光が降り注ぐ中に近寄れる兵士はいない。
 無様な醜態を見せる諸悪の根源に、ヘルガは勇気と覚悟を振り絞り、「浄罪の懐剣」を握りしめて突き掛かった。
「思い知りなさい……!」
「がはぁッ!!?!」
 破魔の魔力を込めた水晶の刀身は、張角に深々と突き立てられ、その罪と咎を貫いた。
 浄罪の痛みに彼はたまらず悲鳴を上げ、その身からあふれ出した鮮血が草原を真っ赤に染めていく――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

神臣・薙人
張角を討てば、この戦いも終わり
気を引き締めて行きましょう

それにしても、もの凄い数ですね…
怖い、ですがリアライズ・バロックで攻撃を
数十万の相手に百では焼け石に水でしょうが
可能な限り一点に攻撃を集中
突破口が開ければ張角にも手が届く筈
少しでもそのお手伝いをしましょう

なるべく囲まれないよう留意しますが
リアライズ・バロックでの攻撃を優先
背後を取られれば恐怖も増すでしょうから
私にとっては好都合です
バロックレギオンでの攻撃が途切れないよう
多少の負傷は気にせず
リアライズ・バロックを使い続けます
合間に蟲笛を使い、白燐蟲でも攻撃を
その際もなるべく一点に攻撃が集まるようにします
うまく穴の片鱗でも穿てれば良いのですが



「張角を討てば、この戦いも終わり。気を引き締めて行きましょう」
 年明けから始まった戦争もようやく決着の時だと、意気込みを見せる神臣・薙人(落花幻夢・f35429)。これまで人界と仙界をまたいで多くの強敵と戦ってきたのも、全ては大賢良師『張角』を討つ為。それを最後の最後で仕損じるわけにはいかない。
「それにしても、もの凄い数ですね……」
 張角を守護せんと太平道に立ちはだかるは、何十万にも及ぶ黄巾オブリビオンの大軍。
 これほどの兵力を相手にせねばならないとなれば、流石に怖い。だがバロックメイカーである彼はその恐怖も利用して【リアライズ・バロック】を発動する。

「数十万の相手に百では焼け石に水でしょうが」
 薙人は召喚されたバロックレギオンに、可能な限り一点に集中して攻撃を行わせる。
 あの大軍をまともに相手にすれば先にこちらの体力が尽きる。必要最小限の敵を倒し、敵将までの道を切り開くのが目的だ。
「突破口が開ければ張角にも手が届く筈。少しでもそのお手伝いをしましょう」
 彼の恐怖に導かれたレギオンは、眼前の黄巾オブリビオンを次々に蹴散らし、一点突破で戦場を突き進んでいく。数では劣っても個々の兵の強さではこちらに分がある。それが黄巾軍に対する彼ら猟兵の勝算であった。

「恐れるな! そのような怪物に我らの大願を阻めるものか!」
 対する張角は【黄巾之檄】を発し、自軍の士気と戦闘力を鼓舞する。カタストロフにて新たな太平の世を築くという意志を表明した「蒼天已死 黄天當立」の檄文は、異門同胞に支配されたオブリビオンの共感を強く集めるものであった。
「「ウオオォォォォォッ!!!」」
 黄巾軍は鬨の声を上げてバロックレギオンを押し返さんとし、さらに地の利を活かして鏡介達の背後へ回り込む。ここは草原、大軍の動きを制限するものは何もなく、数的優位をもって小勢を包囲殲滅するつもりだ。

「やはりこうなりますよね」
 薙人も囲まれないよう留意してはいたものの、ユーベルコードでの攻撃を優先したため回り込む敵を止められなかった。前方だけでなく左右と後方からも敵軍の圧が掛かるようになるが、しかし彼はそれも想定内だという顔をしていた。
(背後を取られれば恐怖も増すでしょうから、私にとっては好都合です)
 敵に包囲されているという恐怖心は、バロックレギオンを活性化させる。立ち止まればこのまま押しつぶされると分かっている彼はリアライズ・バロックを使い続けて怪物達に進撃を指示する。目的は何も変わらない、このまま張角の元まで突き進むだけだ。

「くっ……なぜ止まらぬ?!」
 まるで一本の矛槍のように軍勢の中を突き進んでくる薙人のバロックレギオンを見て、張角も次第に焦りを感じ始める。四方八方から黄巾オブリビオンに攻め寄せられ、薙人も少なからず傷を負っているのに、彼は気にせず攻撃が途切れないよう全力を尽くす。
「うまく穴の片鱗でも穿てれば良いのですが」
 張角まであと少しの距離まで迫ると、薙人は「初心者用蟲笛」を取り出し、レギオンの合間に白燐蟲でも集中攻撃を仕掛ける。笛の音に呼び寄せられた蟲の群れは白いうねりとなって兵の合間をすり抜け――その先にいた将に牙を剥いた。

「ぐぁッ?! は、離れよっ!」「張角様?! ぐわぁぁッ!!」
 輝く白燐蟲に食らいつかれた張角は悲鳴を上げて衣を振り乱し、地面をのたうち回る。
 将が襲われれば兵にも動揺が走り、それを見逃す薙人ではない。勢いを増したバロックレギオンの攻勢は、敵軍をさらに深く鋭く穿っていく――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

鷲生・嵯泉
所詮相容れぬものと初めから解ってはいるが
意思を捻じ曲げ従わされる世界なぞ地獄と変わらん
そんな未来になぞさせるものか

数の多さは確かに些か厄介ではあるが、一々相手にするのも面倒だ
――破群領域、纏めて相手をして遣ろう
周囲を刃の結界と化し、敵の悉く、足を斬り払い、胴を穿ち
残らず叩き潰して近付かせぬ様に図り
其のまま張角との距離を詰めてくれる

図体ばかりを大きくした処で無意味と知れ
人型であるなら狙う点は絞られる
脚部と腕部の関節へと束ねた乱撃を叩き込み
動きが止まったならば――全身を木端微塵に砕いてくれよう
疾く潰えろ……過去の残滓の支配なぞ、未来には必要無い

此の刃は護る為に
何度蘇ろうが其の度毎に阻むものと心得ろ



「所詮相容れぬものと初めから解ってはいるが、意思を捻じ曲げ従わされる世界なぞ地獄と変わらん」
 張角の掲げた「平和に至る唯一の道」とやらを、鷲生・嵯泉(烈志・f05845)は真っ向から否定する。この世の全てを過去に沈め、異門同胞で全てを支配する。そんなものの何が王道か。何が安寧か。
「そんな未来になぞさせるものか」
 その胸中に彼が宿した決意は、あるいは手にした刃よりも鋭い。数十万の大軍を前にしても一向に怯まず、烈士は敢然と戦場に立つ。その右眼の眼光は鋭く、彼方にある敵将を見据えて。

「数の多さは確かに些か厄介ではあるが、一々相手にするのも面倒だ――纏めて相手をして遣ろう」
 嵯泉は愛刀「秋水」の刃を鞭状に形態移行させ、自身の周囲を取り巻くように振るう。
 これぞ刃の結界【破群領域】。無謀にも踏み込んだ黄巾軍の兵は悉く足を斬り払われ、胴を穿たれ、跡形も残らず叩き潰される。
「ぐわッ!?」「ぎゃぁぁッ!!!」
 これでは敵兵は近付くことすらできまい。ひゅうと風を切って渦巻く刃と、その軌跡に沿って舞う血飛沫を連れて、嵯泉は悠々と歩みを進める。向かう先など言うまでもない。

(其のまま張角との距離を詰めてくれる)
 同形態の技である【破群猟域】と比べると、この刃の結界は範囲は狭まるがより高威力となっている。四方八方どこから敵が攻めて来ようが瞬時に切り刻み、遠隔から放たれた矢や妖術すらも叩き落とす。
「ぐ、ぬぅ……! 来い、黄巾力士!」
 雑兵を幾ら当てても役に立たぬと悟った張角は【戦術宝貝「黄巾力士」】を起動する。
 彼とて仮にもオブリビオン・フォーミュラ、自ら戦う力が無いわけではない。宝貝との合体により巨人兵士型ロボに変身したその姿は、なかなかの威容を備えてはいた。

「図体ばかりを大きくした処で無意味と知れ」
 だが今回の戦争だけでも幾人もの強者と戦ってきた嵯泉に、今更この程度では虚仮威しにもならない。黄巾オブリビオンの軍勢を突破して張角と対峙した彼は、しなる鞭状の刃を今度は守りでなく攻める為に振るう。
「人型であるなら狙う点は絞られる」
「ぐおッ?!」
 脚部と腕部の関節――装甲で守る事のできない弱点へと束ねた乱撃が叩き込まれると、黄巾力士の巨体にピシリと亀裂が走る。四肢を損傷すれば当然人型のバランスは崩れ――中に入った張角は慌てて体勢を立て直そうとするが、その隙を見逃されるわけがない。

「疾く潰えろ……過去の残滓の支配なぞ、未来には必要無い」
 敵の動きが止まった刹那、嵯泉は渾身の力で刃を振るう。鞭のしなりも活かした斬撃の速度は音速を突破し、虚空に無数の残光を描き――黄巾力士の全身を木端微塵に砕いた。
「ばッ、馬鹿なぁ―――ッ!!!?!」
 バラバラになったロボの残骸から吹き飛ばされる張角。宝貝ごと切り刻まれたその身は鮮血に染まり、驚愕の形相を浮かべている。直接戦闘に備えて用意しておいた切り札が、猟兵相手にまるで歯が立たないのは予想外だったのだろう。

「此の刃は護る為に。何度蘇ろうが其の度毎に阻むものと心得ろ」
 嵯泉は地に倒れ伏した張角に刀を突きつけると、鋭い眼光で睨み付けながら宣言する。
 この世に我らがいる限り、過去が未来を奪う事はない。それは張角の掲げた思想よりも遥かに強い、彼の魂に刻み込まれた誓いであり、其の身の芯まで巡らせた信念であった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

リーヴァルディ・カーライル
…どれだけ数を揃えようが、今さら有象無象が幾ら集まった処で無意味よ

…それを今から教えてあげるわ。さあ、その両の眼を見開いてとくと見るが良い

…此処とは異なる地にて錬磨された吸血鬼狩りの奥義。瞬きしていると見逃すわよ?

積み重ねてきた戦闘知識を基に敵軍勢の集団戦術を見切り、
「雷の精霊結晶」を砕き雷と合体して肉体改造を行いUCを発動

…我が身に宿れ、雷の理。我に背く諸悪の悉くを裁く稲妻となれ

自身を雷のオーラで防御し雷速の早業で敵陣に切り込む雷速突撃を乱れ撃ち、
主将の索敵を行いながら稲妻のようにジグザグに敵陣を切断して中心部に向かい、
張角に向け限界を突破して雷の魔力を溜めた雷槍を投擲する雷属性攻撃を放つ



「……どれだけ数を揃えようが、今さら有象無象が幾ら集まった処で無意味よ」
 太平道に布陣した数十万の大軍を見て、リーヴァルディ・カーライル(ダンピールの黒騎士・f01841)は断言する。数の暴力はシンプルな強さだが、ただの雑兵如きに恐れをなす気はないし、遅れをとるつもりもない。
「……それを今から教えてあげるわ。さあ、その両の眼を見開いてとくと見るが良い」
 押し寄せる軍勢の前で彼女は自然現象の力を凝縮した「精霊結晶」をひとつ取り出す。
 その結晶に封じられた力は「雷」。それを示すかのように結晶の中では稲光がパチパチと輝いていた。

「……此処とは異なる地にて錬磨された吸血鬼狩りの奥義。瞬きしていると見逃すわよ?」
 大軍との戦いは初めてではない。積み重ねてきた戦闘知識を基に敵軍勢の動きを推察しつつ、リーヴァルディは雷の精霊結晶を砕き【吸血鬼狩りの業・雷槍の型】を発動する。
「……我が身に宿れ、雷の理。我に背く諸悪の悉くを裁く稲妻となれ」
 これは雷と合体して肉体改造を行うユーベルコード。彼女の体は稲光に包まれて輝き、手元には雷の魔槍が出現する。まさに稲妻の化身とでも言うべき姿となった彼女は、紫電の眼差しで敵軍を見据えると、それを突破すべく駆け出した。

「止めろ―――……ッ!!?」
 疾い。雷のオーラを纏ったリーヴァルディの速度を、敵は見切ることができなかった。
 雷速の突撃で敵軍に切り込んだ彼女は、陣形を切断するようにジグザグな機動で駆け、主将の索敵を行いながら中心部に向かっていく。
(……守るべき相手は一番守りが厚い場所にいる。分かりやすいわね)
 この黄巾軍の戦術はもう見切った。武器を使うにせよ妖術使いにせよ、雷槍の型に対応できる者はいない。天を翔ける稲妻を掴まえることができないように、何十万の雑兵がいようと今のリーヴァルディを止めることは不可能だ。

「……雷の舞、見切れると思うな」
「ッ……何をしておるか!!」
 唯一リーヴァルディの雷速に反応できるのは、将にしてフォーミュラである張角のみ。
 彼は【黄巾之檄】を飛ばして自軍を導こうとするが、悲しいかな彼の手足となる兵には実力が足りていない。何度囲もうとしても雷はすり抜けていくばかりだ。
「……そんなに大声を出したら、居場所が丸分かりよ」
 逆に指揮の出どころを辿って張角を発見したリーヴァルディは、雷の魔槍を大きく振りかぶる。ここまでの戦闘中もずっと魔力を溜め続けてきたその槍には、限界を超えて溢れんばかりの電力が集束されていた。

「……雷の魔槍、その身で味わいなさい」
 全力で投擲された魔槍は閃光となって戦場を翔け、避ける間もなく標的に突き刺さる。
 全身の感覚が吹き飛ぶような凄まじい衝撃に貫かれ、張角は絶叫しながら草原の彼方に吹き飛ばされた。
「ッ――……がはぁッ!!!?」
 異門同胞にてこの世を統べんとした野望も、異界の力と天の怒りの前では無力だった。
 全身に残った雷の余波は肉体を痺れさせ、暫くは立ち上がる事さえままなるまい。過去にリーヴァルディが戦った強敵たちと比べれば、その姿は実に弱々しかった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

四王天・燦
小物だ…
バカに何とやら、だ

夢匣からフォックステイル号発進!
上空のアウトレンジから機銃掃射、爆撃、喰らえトドメの主砲発射
このまま蹂躙しても良いのだが妲己の分まで殴りたいのでパラシュートで降ります

逃げるなこらあ!
漆式で呼んだ紅狐様に乗って追撃
こんだけ雑魚が多けりゃ張梁と戦うわけねーじゃん、雑魚を盾にしながら脇を抜けていくよ
張宝さんそこ退いて、張角殺せない!ってわけで紅狐様に踏み潰してもらいます

妲己の献身を弄んだ怒り!
妹分が渾沌に乗っ取られてえらい目にあった怨み!
フォーミュラーの品格を貶める理念の無さ!
憤怒を込めて張角を殴りまくるぜ

妲己よー
本当の敵は鴻鈞道人と思うんだわ
もうちょい付き合ってもらうぜ



「小物だ……」
 それが張角の野望と人となりを見聞きした四王天・燦(月夜の翼・f04448)の率直な感想だった。大賢良師という御大層なあだ名があっても、何十万という兵士の陰に隠れて時を稼ごうと必死になる姿は、掲げた理想に見合うような人物にはとても見えない。
「バカに何とやら、だ」
 そう呟きながら彼女は魔法の夢匣「パンプキンの箱庭世界」を取り出し、内部の異空間から飛空艇「フォックステイル号」を出現させる。あちらが軍勢を率いるのなら、こっちは軍艦で相手をしてやろう。

「フォックステイル号発進!」
 燦を乗せて飛び立った飛空艇は、船体に描かれた稲荷神の紋章を敵軍に見せつけながら進撃を開始する。動力となる天使核をはじめ、異界のテクノロジーで建造されたそれは、この世界の住人を驚愕させるに十分な兵器だった。
「なんだあの空飛ぶ船は、宝貝なのか?」「っ、何か来る……ぐわぁッ!!」
 上空のアウトレンジから放たれる機銃掃射と爆撃の雨。黄巾オブリビオンの中には弓矢や妖術を操る者もいたが、雲の上を航行する飛空艇にまでは届かない。一方的に攻撃され慌てふためく様子が、甲板にいる燦からはよく見えた。

「喰らえトドメの主砲発射」
 ズドンと砲声を轟かせて、天使核のエネルギーを用いた砲弾が敵陣のど真ん中に着弾。
 バラバラになって吹っ飛ばされる敵兵を見下ろしつつ、燦はパラシュートを担いで降下の準備をする。
「このまま蹂躙しても良いけど、妲己の分まで殴りたいしな」
 上空から戦場を眺めていれば、ボスがどこに居るのかも丸分かりだ。敵軍が混乱の最中にある隙をついて、彼女はひょいと飛空艇から飛び降り、迎撃を受けずに着陸を果たす。

「くっ、不味い……」
 落下傘を開いて降下してくる燦の姿を見た張角は、負傷した体を引きずって後退する。
 ここでの彼の目的は猟兵に勝つことではない。カタストロフの到来まで生き延びるためなら、配下を盾にしてでも時間を稼ぐつもりだ。
「逃げるなこらあ!」
 将としての恥も外聞もない無様な背中に、燦は怒鳴り声を浴びせて追いかける。地上に降りた彼女の足は【フォックスファイア・漆式】で召喚した紅狐様。荒ぶる紅蓮の妖狐が草原に劫火を撒き散らしながら疾走する。

「張宝、張梁、奴を討ち取れ!」
 対する張角が迎撃を命じたのは腹心たる二将。地公将軍『張宝』と人公将軍『張梁』、これに張角を加えた【黄巾三巨頭】こそ、かつての黄巾の乱の中心となった三名である。
『この先は通さぬぞ!』
 武芸に長けた張宝が燦の前に立ちはだかり、張角に近付けさせまいと道を阻む。しかし彼女を乗せた紅狐はその威勢を煙に巻くように、近くに居た雑兵の群れに紛れ込んだ。

「こんだけ雑魚が多けりゃ張梁と戦うわけねーじゃん」
『なッ……?!』
 こちらの狙いは最初から張角だけ。邪魔をする張梁の脇をするりと抜けて、燦と紅狐はその先へ。もう一人の将たる張宝も妖術の構えを取りつつ立ちはだかろうとするが――。
「張宝さんそこ退いて、張角殺せない!」
『ぐふッ!!?』
 術に長けるぶん肉弾戦では張梁よりも劣る点を突かれ、あえなく紅狐に踏み潰される。
 結局彼らにできたのはほんの僅かな足止めだけで、それもすぐに無に帰す。人の足でどんなに必死に逃げたところで、狐の足からは逃れられまい。

「覚悟しやがれ!」
「ごふッ?!」
 ついに標的に追いつくと、燦は紅狐の背から飛び降りて怒りの拳を張角に叩きつける。
 後頭部をしたたかに殴りつけられた張角は悲鳴を上げて、地面につんのめって倒れた。
「妲己の献身を弄んだ怒り! 妹分が渾沌に乗っ取られてえらい目にあった怨み! フォーミュラーの品格を貶める理念の無さ!」
「ぐあッ、げふっ、がはっ、ごはぁッ!!?」
 この戦争であった様々な出来事への憤怒を拳に込めて、殴って、殴って、殴りまくる。
 最後に渾身のストレートをどてっ腹へとぶち込むと、張角は血反吐を撒き散らしながら吹っ飛んでいった。

「妲己よー。本当の敵は鴻鈞道人と思うんだわ」
 殴りすぎて痛くなった拳を振りつつ、燦は梁山泊で出会い、その魂の一部を取り込んだ封神仙女に向けて呟く。たった今ぶっ飛んでいった張角に封神台を破壊するように唆し、全てを裏で糸を引いていたのは、やはりあの謎めいた混沌氏のようだ。
「もうちょい付き合ってもらうぜ」
 鴻鈞道人はすでに倒されたが、あくまで一時的に撃退したに過ぎない。猟兵として戦いを続けていれば、自らを『骸の海』と称するあの敵はいずれまた姿を現すだろう。その時こそ決着をつけてやると、燦は自分の中にある仙女の魂に誓うのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

メンカル・プルモーサ
…これだけの数が居るのはいっそ壮観だね……
…まともに相手するのも面倒くさいからスルーする方向で行こうそうしよう…
…まずは現影投射術式【ファンタズマゴリア】で濃霧を作り出して戦場全体に広げるよ…
…心理隠密術式【シュレディンガー】で身を隠して大軍をスルー…飛行式箒【リントブルム】に乗って素早く張角へと移動して奇襲を仕掛けよう…

…張角の元に辿り着いたら再び【ファンタズマゴリア】を起動…幻影の闇で張角の周囲を暗闇に閉ざして【闇に潜りし貪食の群狼】を発動するよ…
…張梁や張宝を含んだ護衛を影狼に喰い尽かせて動きを止めて…残りの影狼で張角を襲わせよう…傷がつけば二人は消えるしそうなったら張角を集中攻撃だね…



「……これだけの数が居るのはいっそ壮観だね……」
 広大な草原を埋め尽くさんばかりに集められた黄巾オブリビオンの大軍勢を見渡して、メンカル・プルモーサ(トリニティ・ウィッチ・f08301)はぽつりと呟く。数を頼みに防戦するフォーミュラというのも珍しいが、それを可能にするのもフォーミュラの力か。
「……まともに相手するのも面倒くさいからスルーする方向で行こうそうしよう……」
 配下が何十万人いようが、張角ただ一人を倒せばこの戦争は終わるのだ。それなら奇襲こそが最も効率のいい手段――そう判断した彼女は、敵軍の目をあざむく術策を講じる。

「なんだ?」「急に霧が……」
 黄巾軍がまず最初に気付いた異変は、晴天の草原に突如として発生した深い霧だった。
 これはメンカルが現影投射術式【ファンタズマゴリア】で作り出したもの。戦場全体に広げた濃霧は敵兵の視界を白く閉ざし、発見されるリスクを大幅に減少させる。
「……ちょっとそこ通してもらうよ……」
 その隙にメンカルは飛行式箒【リントブルム】に乗って、素早く張角の元へと向かう。
 心理隠密術式【シュレディンガー】を起動すれば、彼女の存在は「いる」と確信を持たれない限り認識されなくなる。たとえ霧の中ですれ違ったとしても気が付かないのだ。

「警戒せよ、これは敵の幻術だ!」
 張角はこの濃霧が何者かの策であると気付き、【黄巾三巨頭】の張宝、張梁を召喚して注意を促すが、どれだけ警戒しても一般兵に現影を見破る力まではない。厳戒態勢の中をするりと飛び抜けて、メンカルはもう張角の元に辿り着いていた。
「……霧の次は闇にしようか……」
 彼女は再び【ファンタズマゴリア】を起動し、幻影の闇で張角の周囲を暗闇に閉ざす。
 ふいに目の前が真っ暗になった張角と取り巻き達は「なんだッ!?」と叫ぶが、その時には襲撃者の牙はもう間近に迫っていた。

「貪りの顎よ、襲え、奪え。汝は陰影、汝は餓狼、魔女が望むは動流喰らう闇の牙」
 発動するのは【闇に潜りし貪食の群狼】。幻影の闇から染み出した影狼の群れが、魔女の呼びかけに応えて獲物に飛びかかる。その最初の犠牲者となったのは、張角を護衛する将軍や兵士だった。
「ぐわッ!?」「なん……だ……!?」
 影狼の牙は動的エネルギーを奪う。喰い付かれた敵兵はだんだんと動きが緩慢になり、最終的には完全に静止する。それは張梁や張宝といった名のある将軍でさえ同じだった。

「……これで肉の盾は全滅だね……」
「くっ、おのれ……!!」
 護衛の動きを止めると、メンカルは残りの群れで張角を襲わせる。暗闇の中でこそ最大の威力を発揮する影狼の牙は、狼狽するオブリビオン・フォーミュラを深々と抉った。
「……永遠にそこで立ち止まっていればいいよ……」
「ぐわあぁぁぁぁぁぁッ!!!?」
 術者に傷がつけば地公・人公の両将軍は消えて、そうなれば全ての影狼が張角を襲う。
 群狼の集中攻撃に晒された男の悲鳴が、濃霧と暗闇の奥から太平道に響き渡った――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

春乃・結希
【はるさご】
ソウテンスデニシス…なに…?
…ふーん…。ん?春乃ちゃんにもわかる様にって、どういうこと…!

ふん、withと私の前では、数なんて意味無いんです
私に任せて左護さん。すぐに張角まで道を開くから…って、あれ~…?
悠々と歩いていく左護さんの後ろを、すごく戸惑った様子でついて行きます
ね、ねぇ。急に襲ってきたりせんっ?大丈夫…っ?
運んで…あ、ありがとうございます…?

着いちゃった…はっ、あなたが張角っ?
くっ、格好よく戦うつもりやったのに…この気持ち、ぶつけさせてください!
たくさん暴れるつもりが出来なかった、八つ当たりの想いも込めた翼を羽ばたかせ
張宝、張梁も『だれっ?どいて!』と無視して張角に一撃を


左護・結姫
【はるさご】
蒼天已死 黄天當立
解釈は色々あるけど、春乃ちゃんでもわかる様に言うと…
あいつらの時代は終わった。これからは俺達の時代だー、って感じかなぁ?
ふふ。それよりほら、たくさん敵が来たよ?

UC発動
ごめんね、ちょっと通るね~
ん?怪我?大丈夫だよ。後で治して貰うから。心配してくれてありがと~
UCの効果で良い子になった兵士達に道を開けて貰いのんびり歩いて進みます

ふぅ…でも、戦い続きでちょっと疲れたなぁ…え、いいの?春乃ちゃん、運んでくれるんだって。楽々だね~
騎馬戦の馬みたいになって貰って、えっほえっほと張角まで運んで貰います

到着~。ここまでありがとう
じゃあ、春乃ちゃん。あとはお願いね~(手を振って



「ソウテンスデニシス……なに……?」
「蒼天已死 黄天當立。解釈は色々あるけど、春乃ちゃんでもわかる様に言うと……あいつらの時代は終わった。これからは俺達の時代だー、って感じかなぁ?」
 張角がたびたび口にする言葉の意味を、左護・結姫(は幸せです。・f35408)が分かりやすく解説する。首を傾げていた春乃・結希(withと歩む旅人・f24164)は、それを聞いて何となくわかったらしい声を出す。
「……ふーん……。ん? 春乃ちゃんにもわかる様にって、どういうこと……!」
 ちょっと遠回しにからかわれた気がする。確かに自分はお勉強より剣を振り回すほうが得意なタイプだけど。不満げに頬をふくらませる結希に、結姫はそしらぬ顔で微笑んだ。

「ふふ。それよりほら、たくさん敵が来たよ?」
 追求を逸らすように結姫が指差した先には、黄色い布を巻いたオブリビオンの大軍勢。
 異門同胞により忠誠を誓った彼らは、張角を守護する為に命がけで猟兵と戦う構えだ。
「ふん、withと私の前では、数なんて意味無いんです」
 それを見た結希は気を取り直して、最愛の恋人である漆黒の大剣『with』を構える。
 何人がかりで来ようとも恐れはしない。withと共に在る自分は何よりも強いのだから。いつもと変わらないずっしりとした剣の重さが、彼女に安心と自信を与えてくれる。

「私に任せて左護さん。すぐに張角まで道を開くから……って、あれ~……?」
 が。そんな結希の意気込みをスルーして、結姫はすたすたと先に歩いていってしまう。
 目の前には殺気立った兵が大勢いるというのに、腰の日本刀も抜かずに自然体のまま。
「ごめんね、ちょっと通るね~」
 彼女はそう言って【燃ゆる掌】を発動し、色鮮やかな紅葉を広い草原に舞い散らせる。
 季節外れの秋の訪れを感じさせるこの紅葉には、触れた対象を幻惑し、生命も無機物も問わず友好的にする効果があった。

「はっ、どうぞお通り下さい!」「お怪我はされていませんか?」
「ん? 怪我? 大丈夫だよ。後で治して貰うから。心配してくれてありがと~」
 紅葉の効果で毒気を抜かれた兵士は、すぐに武器を下ろして結姫のために道を開ける。
 すっかり良い子になった彼らに温和な微笑みを返して、結姫はのんびりと歩いて進む。
「ね、ねぇ。急に襲ってきたりせんっ? 大丈夫……っ?」
 そうして悠々と歩いていく彼女の後ろを、すごく戸惑った様子でついて行くのは結希。
 もしここでユーベルコードの効果が切れたら、二人は敵のど真ん中で集中攻撃を受けるハメになるだろう。しかし結姫のほうは「大丈夫、大丈夫~」とのんきに安請け合いだ。

「ふぅ……でも、戦い続きでちょっと疲れたなぁ……え、いいの?」
 とんとんと肩を叩きながら結姫が草原を歩いていると、兵士達が何人か近寄ってくる。
 別に正気に戻ったわけではないようで、攻撃してくる様子はない。くるりと背中を向けて膝をつき、まるで乗れと言わんばかりの態度だ。
「春乃ちゃん、運んでくれるんだって。楽々だね~」
「運んで……あ、ありがとうございます……?」
 騎馬戦の馬みたいになった兵士達に乗せてもらって、えっほえっほと張角の元まで運ばれていく結姫と結希。戦争中とは思えないくらい平和な雰囲気を、ひらひらと舞う紅葉がのどかに彩っていた――。

「到着~。ここまでありがとう」
「着いちゃった……はっ、あなたが張角っ?」
 こうして一度も刃を交えることなく、無傷で敵軍の突破に成功した結姫と結希。二人を置いて去っていく兵士達を見て、当たり前だが大賢良師『張角』はいたくご立腹である。
「おのれ裏切りおって、役に立たぬ奴らめ……!!」
 よもや猟兵のユーベルコードが『異門同胞』の力を上回るのは予想外だったのだろう。
 こうなれば雑兵は当てにならない。自身と腹心の力だけでもこの状況を乗り切ってみせると身構える張角であったが――。

「じゃあ、春乃ちゃん。あとはお願いね~」
「くっ、格好よく戦うつもりやったのに……この気持ち、ぶつけさせてください!」
 見せ場を持っていかれて不完全燃焼だった結希の、八つ当たりのターゲットに選ばれてしまったのが張角の不運である。ゆらゆらと手をふる結姫に見守られつつ、結希はwithを構えて【緋色の導】を発動する。
「せめて最後くらいは格好良く……!」
 全身を緋色の翼で覆い、焔の羽根を舞い散らせながら標的に突っ込む。たくさん暴れるつもりが出来なかったぶん、結果的に体力も気力も温存できていた彼女のエネルギーは、天をも焦がさんばかりに燃え上がっていた。

「行け、張宝、張梁!」
 猛然と向かってくる結希に対して、張角は【黄巾三巨頭】の腹心、張宝と張角を呼ぶ。
 妖術を操る地公将軍と、武芸に長けた人公将軍。生前から黄巾党を支えた名将にして、張角の兄弟でもある腹心の部下だが――。
「だれっ? どいて!」
「「んなッ!?」」
 結希にとってはそいつらも他大勢の雑兵と変わりはない。八つ当たりの想いも込めた翼を羽ばたかせれば、その身は一瞬で将軍達の横をすり抜け、張角の元へと一目散に迫る。

「いろいろ悪巧みしてたみたいやけど、それも終わりです!」
 有り余った力をありったけ込めて、愛剣を振り下ろす結希。焔の羽根をまとった超重量の一撃を叩きつけられた張角は、「ぐはぁッ!!?」と悲鳴を上げて地面にめり込んだ。
 その直撃地点は大きく陥没し、放射状の地割れが辺りに広がるほど。数なんて意味無いと豪語したのも納得できる、凄まじい破壊力であった。
「お~。さすが春乃ちゃん」
 それを見てぱちぱちと拍手を送る結姫。会心の一撃を決められて少しは溜飲が下がったのか、結希も満足そうに笑顔を見せる。マイペースなのに不思議と噛み合う【はるさご】コンビの見事な連携プレーであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

カビパン・カピパン
【風に抗いし姉妹、太平道を砕きて蒼天へ還る】

ノリで太平道に入信した馬鹿姉妹。(片方は教皇の癖に)
特に姉の方はもはや狂信者と化して奶油泡夫将軍となり、幹部として張角の側近補佐していた。
「蒼!天!已!死…じゃなくて姉さん、流石にそろそろヤバいって!」
「あぁ…ベルったらもう飽きたのね。そろそろ潮時かしら」

「みなさーん、ここにスパイが紛れ込んでいます!全部アイツの責任です!!」

ベルリーナを指差して言うカビパン。

「ね、姉さん突然なにを?」
「私は猟兵よ。ヘアッ!とか言って暴れまわってたじゃない」
ザワザワ
「ち…ちが…」
ベルリーナは逃げ出しそれを追う配下達。今だけは中央の張角周囲がガラ空きとなっていた。


ベルリーナ・シリアス
【風に抗いし姉妹、太平道を砕きて蒼天へ還るⅡ】

素晴らしい機転と奇策より道は解放された。カビパンは膝をついて包拳礼を示す。
「大賢良師様。私は心酔しておりましたが、妹が飽きたようなので死んで」
その瞬間。
「アリサてめぇコラ覚悟しろよ!」
姉に復讐を果たすためにベルリーナが現れたのである。

宝具を使う張角。
(この攻撃を避けてしまったらベルに当たってしまう!彼女はただの一般人…)

(ま、いっか)
「ゲフッ!」(直撃)
「よくも可愛い妹を!」
張角が何か言っていたがもう関係ない、ギャグ補正で無事だったベルリーナとカビパンはこの時ばかりは息が合う。

「「うるせぇ後にしろ!!」」

すごいギャグとかヤバいツッコミが張角を襲う。



「蒼!天!已!死!」
「黄!天!當!立!」
 猟兵達が黄巾軍との激戦を繰り広げる一方で、まったく別の行動をとる者たちもいた。
 カビパン・カピパン(女教皇 ただし貧乏性・f24111)とベルリーナ・シリアス(はただのツッコミ一般人・f35149)。この馬鹿姉妹は張角の創始した宗派である「太平道」にノリで入信し、黄巾オブリビオンの軍勢にまんまと紛れ込んでいた。
「張角様の素晴らしい教えを世に広めるため、粉骨砕身で働かせていただきます!」
 特に姉のカビパンのほうは別の教団の教皇も務めているくせに、もはや狂信者と化しており、奶油泡夫将軍の号を与えられた幹部として張角の側近補佐にまで上り詰めていた。

「蒼!天!已!死……じゃなくて姉さん、流石にそろそろヤバいって!」
 しかし姉ほどぶっ飛んだ言動をしていないベルリーナの方は、ノリで巻き込まれたものの今では危機感を覚え始めていた。なにせ周りにいるのは全部オブリビオンなのだ、もし潜入がバレてしまったら袋叩きにあうだろう。
「あぁ……ベルったらもう飽きたのね。そろそろ潮時かしら」
 ノリの悪い妹にカビパンはやれやれと肩をすくめつつ、作戦を次に進めることにする。
 彼女はびしりとベルリーナに指を突きつけると、張角や周りにいる兵士達みんなに聞こえるよう大声で叫ぶ。

「みなさーん、ここにスパイが紛れ込んでいます! 全部アイツの責任です!!」
「なんだと?!」「それは真か、奶油泡夫将軍!」
 たちまち周囲には動揺が巻き起こり、黄巾オブリビオンの視線は指差されたベルリーナに集中する。もちろん何も聞かされていなかった妹は、姉の突然の行動に目を丸くする。
「ね、姉さん突然なにを?」
「私は猟兵よ。ヘアッ! とか言って暴れまわってたじゃない」
 ありもしない奇行を捏造して、実の妹の疑惑を深めるカビパン。ただの妄言で済まされないのは、彼女が持つ謎のカリスマ性とギャグ補正の力によるものだろう。兵士達の疑念は深まり、ザワザワと騒ぎたてながらベルリーナを取り囲もうとする。

「ち……ちが……」
「「待てッ!!」」
 このままだとヤバいと逃げだすベルリーナに、それを追う配下の黄巾オブリビオン達。
 その結果、軍団中央にいた張角の周囲は今だけガラ空きとなる。カビパンが狙っていたのはまさにこのシチュエーションである。
「ふう、まさかこんな所まで間者が潜り込んでおったとはな。褒めてつかわすぞ」
 妹を囮にして護衛を釣り出すという、素晴らしい機転と奇策によって道は解放された。
 カビパンは張角の前で膝をついて包拳礼を示す。その態度こそ恭しいものではあるが、もはや彼女の心に忠義はカケラもない。

「大賢良師様。私は心酔しておりましたが、妹が飽きたようなので死んで」
「なッ……まさか貴様も裏切り者だったのか!?」
 むしろ何故信用していたのかと思うくらい、当然のカミングアウトがされたその瞬間。
 兵士たちの追跡をなんとか撒いて、姉に復讐を果たすためにベルリーナが戻ってきた。
「アリサてめぇコラ覚悟しろよ!」
 彼女からすれば飽きたと言っただけで突然切り捨てられたのだから当然の恨みである。
 カビパン(本名アリサ)、張角、ベルリーナ。三つ巴になった戦場はさらなるカオスと化していく。

「ええい、貴様らの仲間割れなぞ知らぬ! 纏めて滅してくれるわ!」
 張角は【戦術宝貝「黄巾力士」】を起動し、カビパンとベルリーナに攻撃を仕掛ける。
 黄色く塗られた巨人の拳が迫る瞬間、カビパンは(この攻撃を避けてしまったらベルに当たってしまう! 彼女はただの一般人……)と考えたが。
(ま、いっか)
「ゲフッ!」
 姉がさっと避けた結果、宝貝は妹に直撃。ギャグ漫画みたいな勢いで吹き飛ばされる。
 仮にもオブリビオン・フォーミュラの攻撃を食らって「ゲフッ」で済む者は間違いなく一般人ではないが、それはさておき可愛い妹をやられたカビパンは張角に怒りを向ける。

「よくも可愛い妹を!」
「貴様が避けたせいだろうが!?」
 なんか理不尽な怒りをぶつけられている気がする張角。しかしカビパンはもう彼が何を言おうが関係ない様子だ。そしてギャグ補正のおかげで無事だったベルリーナも、すぐに戦線に復帰してくる。
「よくもやってくれたわね!」
「げっベル、無事だったのね」
「げって何よコラ!」
 まだ敵将は目の前にいると言うのに、姉妹喧嘩を始めるふたり。こいつらの優先事項はどうなっているのだろう。コロコロと態度を変える彼女らに張角は翻弄され通しである。

「き、貴様ら、いい加減に……」
「「うるせぇ後にしろ!!」」
 煩さに耐えかねて割って入ろうとした張角に、【ハリセンで叩かずにはいられない女】のハリセンと【ツッコミせざるを得ない哀しき女】のツッコミが同時に炸裂する。普段はまるで正反対のデコボコ姉妹も、この時ばかりは息が合う。
「ごふぁッ!!!?」
 姉妹のギャグ世界の洗礼に吹っ飛ばされる張角。その光景を例えると交通事故に近い。
 邪魔者を倒したシリアス家の二人は、本来の目的も忘れて姉妹喧嘩を続けるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

トリテレイア・ゼロナイン
…『破滅の未来』の私を彷彿とさせますね

悪人は私心を満たすのみ、世を憂うモノは全土を巻き込む乱に至る
地獄を招くか安寧を齎すか、様々な結末を歴史は語りますが…

用途申請、フォーミュラ撃破

UC使用

大地を一瞥
兵士達を構成する素粒子に干渉し変換
無機物を花弁と種に、有機物を肥し代わりの灰に

EPDユニットの変換砲撃も合わせ軍を蹂躙し突破

此度の乱が目指す安寧は、今を生きる人々の望みではありません

流石はフォーミュラ、干渉を弾きますか

己に素粒子干渉し力士と同サイズに巨体を縮小
能力を凝縮、機能向上に充てる事で自己強化

此度の乱に終わり齎す為…騎士として討ち取らせて頂きます!

最大の得手の剣と盾用いた近接白兵戦で勝負を決し



「……『破滅の未来』の私を彷彿とさせますね」
 全てを骸の海に導き、全てを支配する。張角の思想はトリテレイア・ゼロナイン(「誰かの為」の機械騎士・f04141)が伏羲の塒で見た、己の未来の言動と既視感があった。
「悪人は私心を満たすのみ、世を憂うモノは全土を巻き込む乱に至る。地獄を招くか安寧を齎すか、様々な結末を歴史は語りますが……」
 少なくとも、あの者が向かう結末の先には「歴史」も「未来」もない。善悪を問える者すら、そこには居なくなるだろう。見方によっては『破滅の未来』よりも破滅的な終焉。ならばこそ断固として防がなければならない。

「用途申請、フォーミュラ撃破」
 トリテレイアの入力に応じて「電脳禁忌剣アレクシア」の封印が限定解除される。その刀身を自らの体に突き刺す事で、彼は【銀河帝国未配備A式形相干渉大型戦機・騎械竜】の封印を解く。
「用途倫理判定……例外承認。申請者処刑機構……解除確認。不肖の騎士たる我が責において、貴女が厭うた邪竜を此処に」
 騎士の姿を捨て、真の姿である機械竜に変身を遂げるトリテレイア。空を飛翔するその巨体が、太平道の草原に布陣した黄巾オブリビオンに影を落とす。無機質にして剣呑なる威容は、彼らの前に具現化された破壊と破滅そのものであった。

「此度の乱が目指す安寧は、今を生きる人々の望みではありません」
 トリテレイアがそう言って大地を一瞥すると、視界に入った兵士達が忽然と消滅する。
 肉体を構成する素粒子に干渉され、存在自体を変換されたのだ。無機物は花弁と種に、有機物は肥し代わりの灰に。
「な……?」「何が、起こった……?」
 一体どんな攻撃を受けたのか兵士達にはまるで理解できない。そしてその必要もない。
 機械竜は背部に装備した「EPDユニット」の浮遊砲門を開き、同様の素粒子変換砲撃を放って敵軍を蹂躙していく。

「「―――……!!!!」」
 花と種に変えられた者達に断末魔の悲鳴はない。ざわめきを除けば不自然なほど静かな圧倒劇を繰り広げながら、トリテレイアは敵陣を突破し張角の元へと向かう。ただ"視る"だけで兵を消滅させる機械仕掛けの竜に、その男は憎々しげな視線を向けていた。
「流石はフォーミュラ、干渉を弾きますか」
「おのれ……よくもやってくれたな!」
 攻撃に抵抗されても余裕のあるトリテレイア。対照的に苛立ちを隠せずにいる張角は、【戦術宝貝「黄巾力士」】と合体し、巨大ロボに変形する。それでも現在の機械竜と比較すれば小型だが、仮にもフォーミュラの戦闘力を甘く見ることはできまい。

「此方も相応の力でお相手いたしましょう」
 トリテレイアは己自身に素粒子干渉を行い、黄巾力士と同じサイズに巨体を縮小する。
 力を落としたのではない。能力を凝縮、機能向上に充てる事で自己強化を図ったのだ。
「此度の乱に終わり齎す為……騎士として討ち取らせて頂きます!」
「猟兵め……私は負けぬ、負けるわけにはいかぬのだッ!」
 唸りを上げる巨兵の拳。対する機械竜は右手に長剣を、左手に大盾を構えて迎え撃つ。
 最大の得手である剣と盾を用いた近接白兵戦で、勝負を決するつもりだ。それは合理的な判断であると同時に、騎士としての矜持と信念を示すためでもあった。

「何故分からぬのだ……乱れたこの世を正すには、誰かが為さねばならぬ事を……!」
 蒼天すでに死す、黄天まさに立つべし。張角が掲げた理想は私心なきものではあろう。
 されど、譲れぬ無私の信念を抱くのはトリテレイアも同じだった。黄巾の拳を盾が受け止め、返す刃が巨兵の鎧を断つ。
「他者への優しさを持たず、今を生きる者を顧みぬ安寧を、認める訳にはいきません」
「ッ―――!!!!」
 一閃。凝縮された膂力と速度を込めて振るわれた剣が、その理想ごと大賢良師を斬る。
 砕け散った宝貝の中から崩れ落ちた張角は、夥しい量の鮮血と共に草原に膝を屈した。

大成功 🔵​🔵​🔵​

大町・詩乃
【旅神】

張角を倒して戦争を終わらせますよ!
大軍対策ですがUC:産巣で地面から『この世界の中華風の龍』『A&W世界のドラゴン』『デビキンワールドの各種悪魔さん』『(移動用に)この世界の汗血馬』等を次々と呼び出し、ブレスや魔術や近接戦闘で軍勢を撃破しつつ突破します。

嵐さんの援護もあるのでこちらの方が強い筈。
嵐さんと二人、汗血馬に乗って張角の元まで移動。
(神社近くの健康教室で学んだ)太極拳で戦います。

嵐さんの援護の元、張角の攻撃を第六感で読み、見切り・功夫で躱したり、化勁(功夫)で受け流したりして対応しつつ接近(オーラ防御も纏います)、功夫・光の属性攻撃・神罰・衝撃波・貫通攻撃で発勁を放ちます!


鏡島・嵐
【旅神】
ようやっと今回の黒幕のお出ましってか。どんだけの力を集めてるんか、想像するだけで怖ぇ。
とは言え、この戦争も大詰め。頑張らねーとな。

雑魚の大群は詩乃の呼んだ奴らに任せて、移動用の馬上から〈援護射撃〉を撃って支援をする。
ある程度数が掃けたら〈逃げ足〉を活かして追いかけてくる奴を振り切る。

張角は詩乃が前に出てくれるから、引き続き〈援護射撃〉や〈目潰し〉〈マヒ攻撃〉で詩乃への支援と張角への妨害を主軸に。
相手が自己強化を施したり配下を呼んだりするようなら、様子見ながら《逆転結界・魔鏡幻像》で打ち消して対抗。
火力が必要なら、〈限界突破〉でちょっと本気出して〈スナイパー〉ばりの〈鎧無視攻撃〉を撃つ。



「ようやっと今回の黒幕のお出ましってか。どんだけの力を集めてるんか、想像するだけで怖ぇ」
 逃げも隠れもできない大草原に立ち、鏡島・嵐(星読みの渡り鳥・f03812)はぶるりと肩を震わせる。他の敵に比べれば弱いだの無能だのという噂も聞いたが、腐っても相手はオブリビオン・フォーミュラ。十分に恐るべき力を有しているのは間違いない。
「とは言え、この戦争も大詰め。頑張らねーとな」
「張角を倒して戦争を終わらせますよ!」
 勇気をもって恐怖を払い、気合を入れる彼を励ますように、大町・詩乃(阿斯訶備媛・f17458)が大きな声で宣言する。『異門同胞』を持つフォーミュラを失えば、かき集められたオブリビオンの軍勢も瓦解する。勝利の瞬間はもう目前まで迫っていた。

「蒼天已死 黄天當立! 我らの理想、安寧の世に至るために戦うのだ!」
「「オオオォォォォォォォォッ!!!!!」」
 配下の軍勢に【黄巾之檄】を飛ばし、士気を鼓舞する張角。その思想に染め上げられた黄巾オブリビオンの兵士達は、彼の身を守るために死力を尽くして戦う。鋼鉄の城よりも強固な数十万の壁が、そこにはあった。
「大軍対策はお任せ下さい。神の理により、此処に生命を創造いたします」
 しかし二人も無策でここに来たわけではない。詩乃が【産巣】を発動すると、地面から竜や悪魔といったモンスターの群れが次々に出現する。この世界でも見られる中華風の龍もいれば、西洋風の異世界のドラゴンもいる。その光景はさながら百鬼夜行の如しだ。

「お行きなさい」
 創造神たる詩乃の命に応じて、魔物や幻獣の群れは攻撃を行う。火炎のブレスや黒魔術などの多彩な術技が黄巾軍に襲い掛かり、戦場はたちまち悲鳴と断末魔の坩堝と化した。
「ぐわぁぁッ?!」「な、なんだコイツらっ!」
 聞いたこともないモノも含めた魔物の大群には、黄巾オブリビオンも動揺を隠せない。
 その隙に一部の幻獣が肉迫すると、近接戦闘で軍勢を撃破しつつ突破口を開いていく。

「嵐さん、こちらに」
「ああ、行くか」
 詩乃はさらに「汗血馬」と呼ばれるこの世界の名馬を【産巣】で創造し、嵐と二人乗りで戦場を駆けだした。嵐は馬上から器用にバランスを取りながらお手製スリングショットを構え、前線で戦う味方に援護射撃を行う。
「ぐおっ?!」「うわぁッ!!」
 雨あられと撃ちつけられる礫の弾丸に敵が気をそらせば、そこに竜の牙が食らいつく。
 彼の支援のおかげもあって、詩乃の呼んだ幻獣の軍勢は数で勝る敵軍を圧倒していた。

「雑魚の大群は詩乃の呼んだ奴らに任せるか」
 ある程度敵の数が掃けると、嵐は汗血馬に鞭をひと当てして前線を突破する。敵兵の中には「ま、待てッ!」と追いかけてくる輩もいるが、日に千里を駆けるとも謳われた駿馬の逃げ足には敵わない。
「ぐ、ぬぬぬ……」
 追っ手を振り切って向かった先には、苦虫を噛み潰したような顔をしている道袍の男。
 いよいよ張角との対峙を果たした嵐と詩乃は、さっと馬から降りて戦闘態勢を取った。

「もう逃げられませんよ」
 優美なチャイナドレスを着て、太極拳の構えを取る詩乃。神社近くの健康教室で学んだものだが、流石は神と言うべきか、素人とは思えない功夫が身に満ちているのが分かる。
「おのれ、どこまでも邪魔をしおって!」
 追い詰められた張角は手に持った杖から妖術を放つが、詩乃は第六感で攻撃の起こりを見切り、軽やかな身のこなしで躱していく。そのままじりじりと距離を詰めてくる彼女を見ると、敵の表情はますます険しくなった。

「そ、蒼天すでに――」
「悪いが、そのセリフはもう聞き飽きた」
 焦った張角は【黄巾之檄】で自分の戦闘力を強化しようとするが、様子を見ていた嵐が【逆転結界・魔鏡幻像】を発動。張角の全身を映せるサイズの鏡を召喚し、彼のユーベルコードを打ち消しにかかる。
「鏡の彼方の庭園、白と赤の王国、映る容はもう一つの世界。彼方と此方は触れ合うこと能わず。……幻遊びはお終いだ」
 鏡の中に浮かび上がったのは「黄天已死 蒼天當立」の文字。正反対の意味を持った言霊が黄巾之檄を相殺し、強化は不発に終わる。目論見を崩された張角が「なッ?!」と動揺する隙を狙って、彼は再びスリングショットの弦を引き絞った。

「トドメはよろしくな、詩乃」
「ぐわッ!?」
 嵐の役割は先程と変わらず、前に出てくれる味方を支援し、敵を妨害することにある。
 狙い澄ました援護射撃が片目に当たり、悲鳴を上げて張角の動きが止まる。その好機を逃さずに、詩乃が拳打の間合いまで踏み込む。
「ッ、来るな……!」
 目潰しを食らった張角は破れかぶれで杖を振り回すが、詩乃は身に纏ったオーラと化勁の身法によってダメージを受け流した。硬そうな木杖で打ち据えられても、彼女の肌には痣すらできていない。

「おれもちょっと本気出すか」
 駄目押しとばかりに嵐が放った追撃は、それまでとは威力も精度も大きく増していた。
 己の限界を超えた会心の狙撃。それは吸い込まれるように張角の胸を撃ち、道袍に施されていた防護も打ち破った。
「がは……ッ!!」
 衝撃で張角が大きく体勢を崩した直後。すっと懐に踏み込んできた詩乃が、練り上げた気功を拳から解き放つ。太極拳の技に神の光を乗せた、彼女のオリジナルの神罰発勁だ。

「これが天罰です!」
「ごふぁぁッ!!!?」
 あらゆる防護を貫通し、体の内部で炸裂する衝撃。最小限の動作から発せられる最大の勁力は、張角の体を藁袋のようにふっ飛ばした。撒き散らされる血反吐が草原を濡らす。
 詩乃と嵐、二人の連携の前では黄巾軍も大賢良師も形無し。戦いの流れは猟兵達の側に傾いたまま、なおも勢いを増していく――。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

シノギ・リンダリンダリンダ
あぁ、素晴らしいですね
これだけ有象無象が敷き詰められているんです
さぞかし立派な、黄金像の群生地になるでしょう

【怠惰の遊戯】を使用
煙管で一服しながら、その虹色の紫煙を戦場いっぱいに広げる
敵味方の識別があるので、仲間の猟兵達には被害はありません
ただただ、じっくりと、ゆっくりと、黄金になっていく恐怖を、精神攻撃を、蹂躙を、じわじわとした痛みを与え続けます
苦痛に歪む顔で黄金像になるのは、さぞ見応えありますね?
もちろんザコだけじゃない、張角。お前もその対象です

骸の海も、大海賊として気になる海ではありますが……お前の言う平和なんて、必要ありません
我が黄金の強欲の前には、お前程度の黄色は無意味だと知りなさい



「あぁ、素晴らしいですね」
 目前に立ちはだかるオブリビオンの大軍勢。それを見たシノギ・リンダリンダリンダ(強欲の溟海・f03214)は鮫のように歯を見せて笑った。命知らずの海賊団を率いる船長にとっては、数十万の兵士も略奪と蹂躙の対象でしかない。
「これだけ有象無象が敷き詰められているんです。さぞかし立派な、黄金像の群生地になるでしょう」
 彼女はそう言って草原の上にあぐらをかいて座り込み、しゃれこうべが飾られた煙管で一服を始めた。完全に相手を舐め腐ってるとしか思えない振る舞いに、敵はいきり立って襲い掛かるが――。

「【怠惰の遊戯が開始されます。海賊が満足するまで、存分にお楽しみください】」
 煙管からふうと吐き出された虹色の紫煙が、ゆらゆらと戦場いっぱいに広がっていく。
 それは敵軍の周りを包むと、黄金の星が蠢く宇宙のような漆黒の呪詛の霧へと変わり、ダメージと苦痛をもたらした。
「げほッ、ごほっ」「何だこの煙は……」
「狼狽えるな! 前進せよ!」
 戦場全体に効果を及ぼす広範囲攻撃のユーベルコード。だが即死するほどの威力はないとみた張角は【黄巾之檄】を飛ばして配下を進軍させる。どんな毒霧かは分からないが、毒が回りきる前に術者を倒せばいい。そう考えたのだろうが――。

「ッ、足が……?」「俺の腕が?!」
 異変は徐々に、しかし顕著に現れた。霧に包まれながら前進するオブリビオンの体が、ギラギラと輝く黄金を化していく。まずは手足が、次に胴が、最後は頭まで黄金になり、物言わぬ像として草原に立ちつくす。
「効いてきたようですね」
「ひ……なんだこれはッ!?」
 財宝に執心するシノギが撒いた呪詛には、遅効性の黄金化を引き起こす効果があった。
 即座に生命を奪うのではなく、時間をかけて苦痛を与えながら黄金に変えられる恐怖を味わわせる。それがこのユーベルコードの持つ意味だった。

「苦痛に歪む顔で黄金像になるのは、さぞ見応えありますね?」
 シノギは最初に座った場所から一歩も動いてない。ただただじっくりと、ゆっくりと、黄金になっていく恐怖を、蹂躙を、痛みを与え続けて、敵が苦しむ様を見ているだけだ。
 彼女は面倒くさいのが嫌いだ。だからこうして煙草を吹かしているだけで苦痛と恐怖を鑑賞できる技を編み出した。これぞまさに【怠惰の遊戯】、怖気をふるう海賊の所業だ。
「ひ、ひぃッ」「やめろ、やめてくれ……!」
 異門同胞による鋼鉄の忠誠心を誇る黄巾オブリビオンも、これには耐えられなかった。
 ある者は黄金化の苦痛に屈し、ある者はそれ以前に精神が限界を迎える。一度瓦解が始まれば、万を超える大軍とて蟻の群れのように脆いものだった。

「もちろんザコだけじゃない、張角。お前もその対象です」
「なッ……そんな?!」
 自軍の崩壊を苦々しい顔で見ていた張角は、シノギの指摘にはっと自分の体を検める。
 雑兵と比べればさらにゆっくりとだが、彼の肉体も徐々に黄金化が始まっていた。この戦場にいる限り、呪詛の霧から逃れる術は無い。
(敵味方の識別があるので、仲間の猟兵達には被害はありませんが)
 シノギも流石に味方まで誰彼構わず黄金にしてしまうほど鬼畜では(たぶん)ないし、何より今回はそんな事をしなくても獲物は幾らでもいる。大草原にずらりと並ぶ黄金像、その中央にあのヒゲオヤジの像を立たせれば、そこそこの見栄えになるだろう。

「骸の海も、大海賊として気になる海ではありますが……お前の言う平和なんて、必要ありません」
 安寧や平和など海賊には縁遠い言葉。航海がしたければ自分の船で行く。大義の御旗ではなく黄金のジョリー・ロジャーを背負い、シノギは張角の理想を真っ向から否定する。
「我が黄金の強欲の前には、お前程度の黄色は無意味だと知りなさい」
「お、おのれ猟兵が……いや、海賊風情があぁぁぁぁッ!!!」
 黄巾を黄金に染め上げられながら、張角が絶叫する。その姿は何とも無様で、滑稽で。
 大賢良師と呼ばれた男が一人の海賊の欲望に敗れる様は、シノギにとって中々悪くない余興となった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

オリヴィア・ローゼンタール
鴻鈞道人に唆されたものであろうと、その所業! 度し難し!!

白き中華服を身に纏い、全身に【覇気】を漲らせ吶喊
踏み込みと共に迸る稲妻と衝撃波が周囲の敵を吹き飛ばす
並み居る軍勢を稲妻を纏った四肢(電撃・属性攻撃)で殴り、蹴り、投げ、鎧袖一触、道を切り拓く

妖術師と武将、そして貴様の三位一体が本領か
天地人を騙る者、世界を過去で満たさんとする者よ
我が雷霆に、神の御稜威を識るがいい

【全力魔法】【限界突破】【天叢雲剣】
理不尽への怒りを燃料に、形成される身の丈に匹敵する稲妻の大剣
渾身の薙ぎ払いが万の敵と両将軍を打ち砕き、煌めく雷霆の振り下ろしが太平道ごと張角を両断せしめんとする



「鴻鈞道人に唆されたものであろうと、その所業! 度し難し!!」
 軍勢の壁の先にいる大賢良師『張角』に向けて、オリヴィア・ローゼンタール(聖槍のクルースニク・f04296)は一喝する。封神台を破壊し、この世界を骸の海に沈めようとするのは紛れもなく彼奴の意志――断じて許す訳にはいかない。
「行くぞ!」
 白き中華服を身に纏い、全身に覇気を漲らせて吶喊。彼女が一歩踏み込むと共に稲妻と衝撃波が迸り、周囲の敵を吹き飛ばす。その姿はさながら雷霆と嵐の化身のようである。

「とっ、止め……ぎゃぁぁッ!!!」
 オリヴィアの前に立ちはだかった黄巾オブリビオンの兵は、須く無惨な末路を迎える。
 吹き荒れる雷と衝撃により大半は近付くことすらできず。なんとかそれを突破しても、嵐の中心にはオリヴィア本人が待ち構えている。
「邪魔をするな!」
 稲妻を纏った四肢で殴り、蹴り、投げ、並み居る軍勢を蹴散らしながら道を切り拓く。
 まさに鎧袖一触。雷光の軌跡が駆け抜けていった後には、その威光に痺れた敵の骸だけが残された。

「くっ……来い、張宝、張梁!」
 自軍を切り裂いて近付いてくるオリヴィアに対し、張角は【黄巾三巨頭】で迎え撃たんとする。妖術を操る地公将軍『張宝』、武芸に長けた人公将軍『張梁』、この二人は生前の旗揚げ当時からの張角腹心の将である。
「妖術師と武将、そして貴様の三位一体が本領か」
 賊将にしては大層な称号をつけたものだと、オリヴィアは鋭い眼で三名を睨みつける。
 仮にもフォーミュラとその腹心、力を侮りはしない――だが恐れてもいない。この世を滅ぼさんとする邪悪は、全力をもって討ち果たすまでだ。

「天地人を騙る者、世界を過去で満たさんとする者よ。我が雷霆に、神の御稜威を識るがいい」
 理不尽への怒りを燃料に、オリヴィアが形成するのは身の丈にも匹敵する稲妻の大剣、【天叢雲剣】。超高密度に圧縮された魔力の塊でもあるそれは、紫電と烈風を纏って燦然たる天の威光を知らしめる。
「「―――ッ!!!!?」」
 オリヴィアがそれを渾身の力で一振りすると、戦場全体に激しい稲妻と嵐が吹き荒び、万の軍勢をなぎ払う。咄嗟に張角を守ろうとした両将軍も打ち砕かれ、骸の海へと還る。
その光景は人の心に天への畏怖を――痺れるような恐怖をもたらすのに十分だった。

「焼き尽くされよ!」
 己を守る全ての盾を剥ぎ取られ、恐怖に竦む張角に、オリヴィアは止めの一撃を放つ。
 煌めく雷霆の大剣が、太平道ごと張角を両断せしめんと唸りを上げて振り下ろされた。
「ぎ、ぐがあぁぁぁぁぁ―――ッ!!!!?!」
 絶大なる稲妻の力に斬り伏せられた張角は、耳をつんざくような絶叫を上げて倒れた。
 天の理を識ったような賢しらな振る舞いも、真の天威の前では無力――大地を縦断する巨大な斬撃の痕跡が、それを物語っていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ルナ・ステラ
カタストロフを起こさないために最後の踏ん張りどころですね!

大軍をどうにかして張角さんに攻撃を当てないとですね…
傷を負わすことができれば、召喚も解除されるようですね。

大軍をどうにかするために星霊さんの力を借りましょう。
『伝説の星霊さんたち力をかしてください!』
―あなたは?オリオン座の星霊さん?
大軍をお願いしますね!

星霊さんは地上で大軍を相手にしてもらって、そちらに目がいっている隙にわたしは目立たないように箒で上空から奇襲しましょうか。
上空から星屑の魔法をお見舞いします!

奇襲が上手くいったらさらに【全力魔法】で攻撃です!
もし、相手の攻撃がきたらコメットブースターで【吹き飛ばす】か緊急回避します。



「カタストロフを起こさないために最後の踏ん張りどころですね!」
 ここを勝てばいよいよ戦いも終わりだと、気合いを入れるルナ・ステラ(星と月の魔女っ子・f05304)。殲神封神大戦を引き起こした元凶、大賢良師『張角』は、目の前に立ちはだかる大軍勢の中心にいる。
「大軍をどうにかして張角さんに攻撃を当てないとですね……」
 同士の証である黄色い布を身に着けた、数え切れないほどの黄巾オブリビオンの兵士。
 彼らはそう簡単に道を開けてはくれないだろう。しかしルナにも張角の兵に負けない、頼れる味方がついている。

「伝説の星霊さんたち力をかしてください!」
 天に向かって【夜空の仲間たちの力添え(星霊召喚)】を願うと、煌めく星の光がルナの元に舞い降りる。それは星座として人々に語り継がれてきた神話上の英雄を具現化し、逞しい偉丈夫の姿をとった。
「――あなたは? オリオン座の星霊さん?」
 神話の時代において無双の狩人と謳われた英雄の星霊は、弓矢と棍棒をかついで力強い笑みを浮かべた。狩猟の女神さえ魅了したというその腕前があれば、数十万の大軍だってどうにかできるだろう。

「大軍をお願いしますね!」
 ルナの頼みにオリオン座の聖霊は「任せておけ」とでも言うように、弓に矢をつがえて放った。すると矢は流星群のように幾状もの光の軌跡を描いて、敵の軍勢へと降り注ぐ。
「ぐわぁッ?!」「つ、強いぞ、あの男!」
 百発百中の精度で敵兵を射抜き、近付く者は棍棒でなぎ倒す。名だたる武侠にも劣らぬ勇猛な戦いぶりに、黄巾オブリビオンの間には戦慄が走る。あの男を止めなければ張角様に危険が及ぶ――なんとしても止めねばならないと、軍勢は聖霊の元に殺到した。

(今がチャンスです)
 聖霊が地上で大軍の目を引いている隙に、ルナは魔法の箒「ファイアボルト」に乗って上空から目立たないように移動する。激しい戦闘の頭上を飛び越えて中心へと向かえば、腹心である『張宝』『張梁』の両将軍に護衛された張角の姿を見つけた。
(傷を負わすことができれば、召喚も解除されるようですね)
 狙うは【黄巾三巨頭】の筆頭かつ召喚主である張角のみ。彼女は息をひそめたまま魔力を練り、上空から星屑の魔法をお見舞いする。聖霊や他の猟兵の戦いに気を取られ、指揮に徹していた張角にとって、それは死角からの奇襲となった。

「ぐわッ!」「張角様?!」
 きらきら輝く流れ星を浴びせられ、思わずよろめく張角。彼が傷を受けたことで召喚は解除され、張宝と張梁は役目を果たせぬまま消える。これで敵は完全に無防備となった。
「上手くいきました!」
「くッ、やってくれたな!」
 見事に奇襲を成功させて喜ぶルナとは対照的に、怒った張角は空に向けて妖術を放つ。
 苦し紛れにしか見えない攻撃に対し、魔女っ子は箒に搭載した「コメットブースター」を起動させて、術を吹き飛ばしながら緊急回避を行った。

「この世界を支配なんてさせません!」
 ブースターの出力で彗星のごとく空を飛翔しながら、ルナはもう一度星の魔法を放つ。
 今度は思いっきり魔力を込めた全力の魔法。太陽の光にも負けない星と月の煌めきが、一条の矢となって敵を捉える。
「ぐはぁッ……!!!!」
 射抜かれた張角は胸から血を噴き出し、苦悶の呻きと血反吐を吐きながら崩れ落ちた。
 杖を支えにして膝を折ることは耐えるものの、深手を負っているのが明らかに分かる。この太平道における決戦も、終わりの時が徐々に見えはじめていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

佐伯・晶
それじゃあ、最後に一暴れといこうかな

敵とはいえこの数は壮観だね
でも後ろを見せるつもりもないよ

という訳でシンプルにガトリングガンで範囲攻撃といこうか
どっちを向いても敵だらけ
目をつぶって撃っても当たりそうだよ

相手の遠距離攻撃は神気で防ぎつつ
戦場を駆け抜けながら射撃し続けるよ
弾切れも銃身の過熱も気にしなくて良いから
遠慮なく撃とうか

張角が黄巾力士で出てきたら
地形を利用してワイヤーガンで回避したり
相手の機体にワイヤーを括りつけて行動の邪魔したりしつつ
削り落とすつもりで撃ちまくろう

オブビリオンになった時点で
思考が歪んでしまってるだろうから
問答してもしょうがないしね

過去になってしまった以上は退場して貰おうか



「それじゃあ、最後に一暴れといこうかな」
 殲神封神大戦も大詰めという段階になり、最後の戦場に姿を現したのは佐伯・晶(邪神(仮)・f19507)。広大な草原に布陣した数十万の軍勢を眺めて、へえと感心したような声を上げる。
「敵とはいえこの数は壮観だね。でも後ろを見せるつもりもないよ」
 彼女の攻略法はシンプルな範囲攻撃による一掃。「携行型ガトリングガン」のトリガーを引くと、束ねられた銃身が唸りを上げて回転し、毎秒数十発もの弾丸がばらまかれる。この世界ではまだ開発されていない兵器の力、黄巾軍にとっては未知のものだろう。

「どっちを向いても敵だらけ。目をつぶって撃っても当たりそうだよ」
 晶は大型のガトリングガンを構えたまま戦場を駆ける。この武器は彼女と融合した邪神の物質創造力を利用して部品や弾丸を生成しており、本人が力尽きない限り弾切れという概念がない。敵が何十万人いようとも弾が足りなくなる心配は皆無だ。
「ぎゃぁッ?!」「ぐわぁッ!!」
 ばら撒かれた超音速の弾丸に撃ち抜かれ、断末魔を上げて倒れる黄巾オブリビオン達。
 草原はたちまち彼らの流した血で真っ赤に染まり、折り重なった屍の山を踏み越えて、晶はさらに先へと進んでいく。

「おのれッ!」「あの娘を射よ!」
 黄巾軍は遠距離攻撃で晶の足を止めようとするが、射掛けられた矢や妖術は全て彼女の纏う邪神のオーラに防がれる。万物に静謐をもたらすその神気の前では、無機物すら動きを止め、ひれ伏すように地に墜ちた。
「弾切れも銃身の過熱も気にしなくて良いから、遠慮なく撃とうか」
 晶は赤熱したパーツを邪神の力で適時補修しつつ、反撃も意に介さず弾を撃ち続ける。
 装備の差も実力の差もここまで歴然であれば、いくら数で上回っていても意味はない。張角の元まで彼女を阻める者は、もはや何もいなかった。

「猟兵め……私は敗けるわけにはいかぬのだ、太平の世を築くために……!」
 部下には任せておけぬと察したか、ついに張角自らが【戦術宝貝「黄巾力士」】と合体して戦場に出てくる。巨人兵士型宝貝と一体になったその姿からは不退転の決意と共に、ここで退けば後はないという焦燥も感じられる。
「潰れよ!」
「おっと」
 巨兵の拳が繰り出されると、晶は片手でワイヤーガンを抜いて近くの地面にフック付きワイヤーを撃ち込み、巻き取る力を利用して回避を行う。どうやら相手は問答無用のようだし、こちらもフォーミュラ相手に対話を試みるつもりはない。

「オブビリオンになった時点で思考が歪んでしまってるだろうから、問答してもしょうがないしね」
 晶はワイヤーガンを今度は黄巾力士に向けて撃ち、手足の関節などを狙ってワイヤーを括りつける。見た目は細くともかなりの強度を持つ糸だ、多少は行動の邪魔になるはず。
「アスタ・ラ・ビスタ、ベイビー、ってね」
「ぐ、おぉぉぉッ!!?」
 拘束され動きの鈍った張角を襲うのは、【回転式多銃身機関銃全力稼働】による掃射。
 先ほど黄巾軍をなぎ払ったガトリングガンの猛威が、今度はただ一人に浴びせられる。宝貝の装甲の上から削り落とすつもりだ。

「過去になってしまった以上は退場して貰おうか」
 過ぎ去りし過去はあるべき場所へ。容赦のない晶の銃撃が大賢良師を追い詰めていく。
 損壊した黄巾力士の中から転がり出てきた彼は、幾つもの銃創で血塗れになっていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

キリカ・リクサール
アドリブ連携歓迎

漸く、首魁のお出ましか…
手早く奴を討たねばな、この世界が骸の海に呑まれる前に

UCを発動
ヴェートマ・ノクテルトのリミッターを解除
小細工は無し、出し惜しみも無しだ
念動力を前方に照射して、邪魔をする敵を片っ端からなぎ払い
張角を目指してダッシュで突っ込んでいく

フッ、大ボス前の前哨戦か
派手にやらせてもらおうか…On y va!(さぁ、行くぞ!)

道を塞ぐオブリビオンの軍団に攻撃
念動力で敵を数体掴んで振り回し、ハンマーのように周囲の敵に叩きつけて一気に数を減らしていく
さらにデゼス・ポアも宙に浮かせ、進路を塞ぐ敵を片っ端から切り裂き蹂躙していく
その間も歩みは止めず、張角を目指して一直線に進んで行く

張角が召喚した張宝の妖術には念動力、張梁の武技には高速移動とナガクニでの斬撃波でそれぞれ応戦
二人の動きを止めている隙に張角の背後からデゼス・ポアで急襲
斬撃を叩き込み、召喚された二人が消えたら即座に移動し
張角に全念動力を乗せた一撃を叩き込む

黄天も既に昏し
お前の掲げた理想と共に、骸の海へと沈んでゆけ



「漸く、首魁のお出ましか……」
 年明けと共に始まった封神武侠界での戦争。その元凶のいる戦場に辿り着いたキリカ・リクサール(人間の戦場傭兵・f03333)は、立ちはだかる黄巾の大軍勢を睨みつける。
「手早く奴を討たねばな、この世界が骸の海に呑まれる前に」
 カタストロフの到来まであと僅か。今こそ全力を出し尽くす時だろうと、彼女は装着中のバトルスーツ「ヴェートマ・ノクテルト」のリミッターを外し、ユーベルコードを起動する。

「コード【épique:La Chanson de Roland】承認。リミッター全解除……起動しろ! 【デュランダル】!」
 音声コマンドを入力した直後、バトスルーツのプロテクターが激しい駆動音を立てる。
 本来はあくまで装着者――キリカの戦闘をアシストするのが目的であるこのスーツは、しかし制限を外すことで運動・思考能力を引き上げる強化服へと変わる。
「小細工は無し、出し惜しみも無しだ」
 キリカが目の前の敵軍に視線を向けると、見えざる念動力の波動が草原に吹き荒れる。
 その威力・規模ともに普段の彼女が使える念力のレベルをはるかに超えている。まるで透明な巨人の腕に扇がれたように、草葉は地面にひれ伏し、兵士達は空に舞い上がった。

「「うわああぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!?」」
 兵士達の悲鳴は蒼天に消え、真っ二つに割られた軍勢に道ができる。キリカはその先に敵将・張角がいるのを確認すると、クールな笑みを浮かべながらダッシュで突っ込んだ。
「フッ、大ボス前の前哨戦か。派手にやらせてもらおうか……On y va!(さぁ、行くぞ!)」
 前方に照射された念動力が、邪魔をする敵を片っ端からなぎ払う。スーツのセンサーが小脳の受容体を刺激することで、彼女の超能力を増幅しているのだ。同様に肉体の運動もアシストプロテクターが人工筋肉の役割を果たすことで、生物の限界を超えた超高速移動を可能にしている。その烈風のごとき疾走を止められる者は、誰もいない。

「お前も好きに暴れるといい、デゼス・ポア」
「ヒヒヒヒヒャハハハハハハ!」
 さらにキリカの傍らに浮かぶのは、錆びた刃を生やした呪いの人形「デゼス・ポア」。
 オペラマスクを被った顔から不気味な笑い声を上げ、ダンスのように宙を舞い、進路を塞ぐ敵を片っ端から切り裂き、蹂躙していく。
「ひ、怯むな! 奴を止め……うわっ?!」「は、放せ……ぐぎゃぁッ!!!」
 それでも黄巾オブリビオン達は主君を守るために立ち向かうのだが、キリカはそのうちの数体を念動力で掴んで振り回し、ハンマーのように周囲の敵に叩き付ける。一際大きな悲鳴のコーラスが沸き起こり、道を塞ぐ壁は取り払われた。

「くっ、おのれ、おのれぇ……ッ! 行け、張宝、張梁!」
 一直線にこちらへ向かってくる傭兵と人形に対し、張角は腹心の部下二名を召喚する。
 かつては黄巾党の躍進を支えた【黄巾三巨頭】の双翼たる地公将軍、人公将軍。しかし彼らでさえ今のキリカの敵たりえる役者ではなかった。
「フン、大袈裟に三巨頭と言ってもこの程度か」
「馬鹿な……」「この我らが圧されるだと!?」
 妖術を操る張宝には念動力で、武芸に長けた張梁には短刀「ナガクニ」から放つ斬撃波と高速移動で応戦。二対一にも関わらず優位な立ち回りで両名を圧倒していく。自分たちの想定を遥かに超える猟兵の力に、三巨頭それぞれの顔には焦りが浮かび――。

「ぐわッ?!」
「兄上!」「しまった!」
 護衛二人の動きをキリカが止めている隙に、意識の死角からデゼス・ポアが急襲する。
 焦燥により視野が狭まっていた張角は、背後から迫る刃に気付くことができず、背中をばっさり切り裂かれる。そして術者が傷を負った事で、張宝と張梁の召喚も解除された。
「これでもう、お前を守るものは何も無くなったな」
 腹心の配下が消え去った瞬間、キリカは即座に張角の元まで移動する。口元には笑みを浮かべているが、彼女もそろそろ限界が近いはずだ――心身の限界を超える能力をスーツで引き出した代償は、寿命が縮むほどの苦痛をもたらすのだ。

「黄天も既に昏し。お前の掲げた理想と共に、骸の海へと沈んでゆけ」
 それでもなお前に進めるのは、ひとえにこの世界を守らんとする強き信念の為せる業。
 キリカは我が身も顧みず【デュランダル】を最大稼働させ、全ての念動力を乗せた一撃を黄巾の長に叩き込んだ。
「ぐ、がはァ……ッ!!!?!」
 空間ごと捩じ切らんばかりに一極集中された破壊力が、張角の肉体を圧砕し切断する。
 その片腕と片足は千切れ飛び、断面から勢いよく血飛沫が噴き出す。人界と仙界に大乱を巻き起こした大賢良師にも、いよいよ最期の時が迫りつつあった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

月白・雪音
…かの者の掲げる理想は、過去の残滓と化した今もって尚確かに泰平の世であるのでしょう。
されど今の世は、未来を紡ぐ今を生きる命が統べるべきもの。
世を骸の海に沈め己が意のみによって支配する世界、かように寂しく歪な泰平をどうして望む事が出来ましょうか。


UC発動、落ち着き技能の限界突破、無想の至りを以て己の気配、音、存在そのものを全て遮断し
数多の兵との戦の内、眼前にあったとて完全に『姿を消す』
体に触れてさえその姿に気付かれる事無く野生の勘、見切りで兵の動きを掴み
残像の速度にて悪路走破、忍び足を交え軍勢の真正面を悟られず走り抜け張角の陣に向かい、怪力、グラップル、殺人鬼としての技巧を以て
大草原、大軍勢の只中にあって張角、三巨頭の雄を無手にて『暗殺』する


唯一人の意思を以て世の戦を止める、それは確かに一つの泰平の形なのでしょう。
されど、異形の業を以て治めたそこには泰平を望んだ『民の意思』がありません。

王の為政とは民が為に在るべきもの。
…或いは渾沌に魅せられる前の貴方ならば、存じていたのやもしれませんね。



「……かの者の掲げる理想は、過去の残滓と化した今もって尚確かに泰平の世であるのでしょう」
 大賢良師『張角』の目指す未来を想像し、月白・雪音(月輪氷華・f29413)は語る。
 全てが骸の海に導かれ、『異門同胞』の力で統治されれば、少なくとも争いなど生まれない、平穏で変化のない世界が訪れるだろう。確かにそれは泰平と呼べなくもない。
「されど今の世は、未来を紡ぐ今を生きる命が統べるべきもの。世を骸の海に沈め己が意のみによって支配する世界、かように寂しく歪な泰平をどうして望む事が出来ましょうか」
 己もまた今と未来に生きる者の一人として、彼女は張角の理想をきっぱりと拒否する。
 感情が乏しいかに見えたその相貌には、静かに燃える意志の灯火が確かに宿っていた。

「……弱きヒトが至りし闘争の極地こそ、我が戦の粋なれば」
 【拳武】を極めしキマイラの拳士は、戦場に立ちながらも落ち着いて精神統一を行う。
 飛び交う喧騒や怒号にも惑わされず、雑念・雑音の一切を切り捨てて、無双の至りへ。
 その境地に達した雪音は己の気配、音、存在そのものを遮断し、戦場から"消える"。
「っ! 消えただと!?」「どこへ隠れた!」
 数多の兵士との戦の最中、眼前にあったとて完全に"姿を消す"、驚くべき隠形の技。
 実際には透明になったり見えなくなった訳ではないのだが、たとえ視界に入れられても誰も気に留めることが無いのであれば、それは不可知と同じことだ。

(仕留めるは唯一人、張角のみ)
 雪音は無想の境地を保ったまま音もなく走りだす。一切の無駄なく洗練された歩法は、草原を踏みしめてなお足音ひとつ立てない。数十万に達する大軍勢の真正面を、このまま悟られずに走り抜けるつもりだ。
「どこだ……??」
 残像の生じるほどの速度ですぐ傍を通られても、敵兵は体に触れた白き衣の感触にさえ気付かない。雪原に紛れた白虎の如く、無数の目を欺いてその中に身を潜めながら、彼女はじっと野生の勘を研ぎ澄ませ、動きまわる兵士の中から進路を見切っていた。

(……見つけました)
 一度も拳を振るうことなく兵士の森を通り抜けて、雪音が辿り着いたのは敵将の本陣。
 そこには深手を負った張角と、彼の護衛として召喚された腹心――張宝と張梁がいた。
「ごほっ……私はまだ、斃れる訳にはいかぬ……」
 戦況はすでに敗色濃厚ながらも、張角の目はまだ死んでいない。カタストロフによって太平の世を成就させるという彼の意志は固く、その志が彼を支えていると言ってもいい。並々ならぬ信念滾るその姿に、雪音はすうと目を細めた。

(唯一人の意思を以て世の戦を止める、それは確かに一つの泰平の形なのでしょう)
 無音のまま三巨頭のいる本陣に足を進める雪音。敵の主張に一定の理を認めながらも、その歩みと握った拳に迷いはない。漢王朝の末期に生まれたかの者は、腐敗した支配者の悪政、乱れきった世の有様をつぶさに見て、正しき統治を求めたのであろう。だが――。
「されど、異形の業を以て治めたそこには泰平を望んだ『民の意思』がありません」
「―――ッ!!?」
 白虎の娘が口を開いた時、その姿は標的の背後にあった。はっと気がついた張角が後ろを振り返るよりも速く、至近より拳を繰り出す――娘子の体に見合わぬ膂力、磨き上げたヒトの技、そして魂に宿した殺人鬼の殺戮衝動さえも力に変えて。

「がはぁッ……!!!!」
 背面より心臓を打ち抜く衝撃。よろめいた張角の口から、夥しい量の血があふれ出す。
 護衛の二将も「兄上……!」と言い残して姿を消す。大草原、大軍勢の只中にあって、三巨頭の雄を無手にて暗殺するという偉業を成し遂げた娘は、どこまでも冷静に告げた。
「王の為政とは民が為に在るべきもの。……或いは渾沌に魅せられる前の貴方ならば、存じていたのやもしれませんね」
 ここ太平道にて渾沌に出会った時、彼の志と天運は決定的に歪んでしまったのだろう。
 世を憂える賢人から、狂える理想家に成り果てた男は、雪音が拳を引き戻すとゆっくりと崩れ落ちた。

「蒼天、すでに死す……黄天、立たずして没するか……」

 その言葉を最期に、大賢良師『張角』は頭上に広がる蒼天を仰ぎ見、静かに息絶える。
 恐るべき『異門同胞』の力にて人界と仙界を混乱に陥れた元凶は、ここに倒れたのだ。



 ――かくして殲神封神大戦は終結し、カタストロフの危機は猟兵達の手で阻止された。
 仙界、人界の両世界に響き渡る万雷の喝采。それは世界の危機を救った当代の英傑達を称える、今を生きる者達からの賛辞であった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2022年02月05日


タグの編集

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🔒
#封神武侠界
🔒
#殲神封神大戦
🔒
#殲神封神大戦⑲
🔒
#大賢良師『張角』


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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト