殲神封神大戦⑥〜地下宮殿の主『始皇帝』
「わああッ
……!!」
戦乱に巻き込まれ、逃げまどう人々の名を羌族という。遊牧民族である彼らを突如として襲い土地を奪ったのは始皇帝配下の兵馬俑軍団であった。
「フハハハハ!! 羌族も根性無しじゃのう、これほど簡単に彼奴等の土地を制圧できるとはな。このまま進め、進めい!!」
地下の始皇帝陵、その最奥に始皇帝の玉座があった。配下の兵馬俑軍団を遥か下に睥睨する、崖のように聳え立つ台座の頂点に彼は座している。
奇妙なのは、大笑するその目が焦点を結んでいないように見えること、そして兵馬俑軍団への命令がちぐはぐなことであった。
「よいか、そのうちに敵はここにも攻め入ってくるだろう。そうしたらわかっておるな? まとめて生き埋めだ!!」
そう言った次にはすぐさま前言を翻し、
「全て捕え、脳を繰り抜いてやるのだ。新たな兵馬俑の仲間入りにしてくれるわ、フハハハハ!!」
などと、支離滅裂な命令を繰り返す。
兵馬俑は困ったように顔を見合わせた。はたして、どちらの命令に従えばよいのだろうか。
「出たねぇ、『始皇帝』」
麒・嵐(東方妖怪の冒険商人・f29276)が示すのは地下、複雑に入り組んだ大迷宮と化した始皇帝陵の最奥である。
「始皇帝がいるのはこの十数メートルはあろうかという台座の真上。たどり着くまでには大量の辰砂兵馬俑が巡回していて、いちいち相手をしていたらきりがありゃしない」
しかも、迷宮の至る所には侵入者を生き埋めにするための仕掛けが施されている。
「発動の条件は簡単でね、うっかり罠のある場所を踏むと上から大量の赤い砂が流れてくるっていう原始的なやつ。よく見るとスイッチのある場所は他の床と見た目が少し違うのがわかると思うよ。だからまあ、罠を躱すだけならそれほど難しくはない。問題は敵の数だよ、こちらを捕まえて脳みそを繰り抜こうとしてくる大量の兵馬俑軍団をどうやって切り抜けるか、そこが課題だ」
嵐は腕を組み、考え込むような素振りを見せる。
「付け込む隙があるとすれば……言動があやふやな始皇帝に兵馬俑軍団も振り回されている、という点かな。脳みそがないとはいえ、命令に従う程度の知性はもっているんだ。彼らだって、何を言っているのかわからない始皇帝の言動には戸惑いを隠せない」
どうやら、始皇帝の使うユーベルコードの水銀が脳に悪さをしているらしい、と嵐は言った。
「果たしてそれが吉と出るか凶と出るか? 始皇帝と対決する際には心して向かってほしいね。冷静に対処することで、敵を出し抜く目もあるんじゃないかな」
ツヅキ
プレイング受付期間:OP公開時~完結orプレイングが締め切られるまで。
連携無し、順次リプレイをお返ししていきます。フォームからプレイングが送れる間は受付中ですが、執筆のタイミングによっては早めに完結する場合があります。
●第1章
巨大地下迷宮と化した始皇帝陵を舞台に、辰砂兵馬俑軍団の猛攻を交わしつつ、始皇帝を討ち取ってください。
迷宮を利用して辰砂兵馬俑を躱したり、ユーベルコードによる水銀の影響で判断力を失っている始皇帝の愚かさを利用する工夫があるとプレイングボーナスです。
第1章 ボス戦
『『始皇帝』』
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POW : 変幻自在水銀剣
【自在に変形する水銀の剣】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD : 辰砂兵馬俑親衛隊
自身の【操る水銀】を代償に、1〜12体の【自在に変形する液体金属の兵馬俑】を召喚する。戦闘力は高いが、召喚数に応じた量の代償が必要。
WIZ : 万里水銀陣
戦場全体に【水銀の大渦】を発生させる。敵にはダメージを、味方には【覇者の気を帯びた水銀】による攻撃力と防御力の強化を与える。
👑11
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アイン・セラフィナイト
うーん、なんか自らの立場に胡座をかいちゃってる為政者の成れの果て、みたいな……全盛期の始皇帝はどうだったのかな。かつての始皇帝に会ってみたかったなぁ。
迷宮攻略からだね。罠の位置を把握して、追いかけてくる兵馬俑から逃げ惑う子供を演じるよ。
「た、助けて……!」
わざと罠を起動、赤い砂の生き埋めに……なると見せかけてUC発動だ!
周囲は無機物の塊、砂に埋もれたと確信してこちらに近寄ってきた兵馬俑を纏めて砂の大津波で『全力魔法・範囲攻撃』、迷宮を津波に乗って突き進もう!
その玉座は今の貴方には相応しくないよ。水銀の大渦を球状に展開した砂の塊で『オーラ防御』、始皇帝を砂の怒涛で玉座から引きずり下ろしてみよう!
アイン・セラフィナイト(全智の蒐集者・f15171)は腕を組み、納得したような顔で頷いた。
「罠はあそこか……あとはタイミング次第かな、よし。やってみよう」
ここ、地下大迷宮には大量の兵馬俑が解き放たれて始皇帝への道を阻んでいるのだとか聞いている。話に違わず奴らは右往左往と歩き回っているようだ。獲物を探すような素振りできょろきょろと周りを眺める姿はなんとなくユーモラス。
「あ」
アインはわざと目を合わせて、敵にこちらの存在に気付かせた。
「追え!」
「わー!」
まったく、逃げ惑う子どもの振りも大変だ。アインは甲高い悲鳴を上げ、一目散に走る。駆ける。
「た、助けて……!」
ちゃんと相手が追ってきているのを肩越しに確かめてから、アインはできるだけさりげなく罠を踏んだ。わざとだなんて思えないくらいの自然な動作でスイッチと思しき床の部分に足を置いた途端――カチッ、という音が足元で鳴る。地下全体が鳴動した刹那、頭上から降り注ぐ大量の赤砂がアインをあっという間に呑み込んでしまった。
「どこだ、どこだ?」
砂をかき分け、兵馬俑軍団がアインを掘り出すための捜索をはじめる。彼らは確かに砂の中へ埋もれるところを見ていたのだから、生き埋めになっていると考えるのは当然であった。
「……と、見せかけて。砂よ大津波となって敵を押し流せ!」
眩い光がアインを中心に解き放ち、みるみるうちに赤い砂の色がアインの操る砂の色へと変ってゆく。それらは自在に操られる砂の波となって兵馬俑軍団を丸呑み、そのまま地下の最奥部へ向かって突き進んだ。
「でた……!」
流れる砂に乗って、アインは聳え立つ始皇帝の玉座まで到達する。ふらふらと上体を揺らしてこちらを見下ろす虚ろな姿には正直なところ、残念な気持ちを抱かざるを得なかった。
「来たか、遊牧民めが!!」
「違うと言っても理解してもらえそうにないなぁ……」
アインはため息をつき、杖を構える。
「自らの立場に胡坐をかいた為政者の成れの果て、か……どうせなら全盛期に会ってみたかったよ。だって、今の貴方にその玉座は相応しくないから」
「消えよ!!」
渦巻く水銀はしかし、アインの杖先に集められた砂の球体によって阻まれた。オーラ防御を敷いて盾と変えた砂の塊は増殖しながら玉座を目指して崖を駆け上り、ついに始皇帝の元まで達する。
「ぬう
……!?」
「えい!」
アインは一気に砂を波打たせ、始皇帝を玉座から押し退けた。無様に地面へ擲たれたことが信じられず、溺れるようにもがいている。
「朕の! 朕の玉座が!!」
大成功
🔵🔵🔵
ゼロ・クロニクル
ふむ、あの男が、かの始皇帝その人か。大帝国を打ち立てた覇王と聞いたが、だいぶ頭が水銀に毒されておるようだな。
地下迷宮に潜入したら、《闇に紛れる》《忍び足》を用いて攻略開始。兵馬俑をやり過ごしつつ奥を目指し、狙うは始皇帝の暗殺よ!
「お命頂戴!」
台座の間に辿り着いたら、【立体忍者活劇】を発動。乱戦状態の中、《地形の利用》をして攻撃をかいくぐり、兵馬俑を斬りまくる。そして砂トラップ発動のドサクサに紛れて《化術》を使い、手下の兵馬俑の一体にすり替わる。周辺を警戒するふりをして接近し、始皇帝に暗器による《騙し討ち》を食らわせてくれる!
これが、わが変化術の真髄よ!
闇に溶け込むような漆黒の毛並みの犬――ゼロ・クロニクル(賢い動物のストームブレイド・f24669)は音もなく迷宮の細道を駆ける。壁の影からそっと兵馬俑軍団の様子を窺い、別の方向に気を取られている間に足元をすり抜けた。
狙うは始皇帝その人。
惜しむらくは、かつて大帝国を打ち立てた覇王と言われる男がいまや水銀に毒されて正気を逸していることであろうか。
「朕の! 朕の玉座が!」
喚く声のする方へゼロは急ぎ、そして辿り着いた玉座の間へと飛び込んだ。あらゆる地形、戦場そのものを駆使する戦闘術の使い手であるゼロにとって、罠も仕掛けも利用すべき武器そのものだ。
「当たるものかよ!」
壁を走り、自在に形を変える水銀製の兵馬俑たちの追跡を振り切って返り討ちにしてやる。こちらが追う側だと思っていた兵馬俑は突然の切り返しに対応できず、ゼロが咥えた忍者刀に断ち斬られ、元の水銀へと還っていった。
「ええい、なにをしておる! さっさと捕まえんか!」
「そうはいかぬ!」
ゼロがスイッチの上に着地した途端、大量の砂が戦場を分断してしまった。混乱の中、兵馬俑のうちの一体とすり替わって始皇帝に忍び寄る。
傍から見れば敵を探して辺りを警戒する兵馬俑のうちの一体。だがその正体は――始皇帝の命を狙う、猟兵のゼロ。
「お命頂戴!」
「ぐあッ」
十分な距離まで近づき、隠し持っていた暗器を一斉に解き放つ。全身を針や手裏剣で射抜かれた始皇帝は情けない悲鳴を上げた。
「見たか、これがわが変化術の真髄よ!」
大成功
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フィッダ・ヨクセム
罠に対しては野生の勘オンリーで器用に避けておくとしよう
なあ……水銀、ッて金属か?
始皇帝に尋ねてみよう
とても賢い王者なら下々の問いかけに答えてくれる事を願ッて
金属ならUCが使える
金属じャねえならUCは不発する、それだけ
配置する魔法陣は当然、炎
蒼天牙撃で地面に傷をつけて炎を走らせる形でも良い
「あのなあ、俺様金属アレルギーでね、特に水銀は息が詰まるんだわ!」
息苦しいとか当然嘘だ
俺様の本体はそもそも詠唱銀性。不思議魔法金属だぞ!
差し向けて貰うべく勇敢に挑発だ
UCで水銀の制御を魔法に全部置き換えて
根こそぎ奪ッて根こそぎ返却してやるぞ
敵の地の利を奪ッて、浴びせて流すぜ!
水銀で水浴びしたいと仰せだッただろ?
ひょいひょいとフィッダ・ヨクセム(停ノ幼獣・f18408)は苦も無く罠の床を飛び越えて迷宮を進んだ。野生の勘とは便利なもので、意識せずとも無意識のうちに“あそこはヤバい”と体の方を勝手に動かしてくれる。
だから、フィッダは考える方に集中できた。始皇帝に会ったらまず何と言って声をかけようか?
「よォ、ひとつ聞きたいことがあるんだがいいか?」
なんて気さくに話しかけたところ、判断力が鈍っていると噂の皇帝サマは鷹揚に頷いてくださった。首が痛くなりそうだなとうなじを擦りつつ、フィッダが知りたかったのはひとつだけ。
「水銀……、ッて金属か?」
「うむ。常温でも固まらぬ唯一の金属であるぞ」
「ふーん……」
フィッダは柄の長い青龍刀を逆手に持ち替え、地面を彫るように刃を走らせた。紡がれる魔法陣から揺らめく陽炎が迸り、完成に近づくにつれて始皇帝の周囲に浮かぶ水銀の制御権に影響を及ぼし始める。
「む……?」
何かおかしいと始皇帝は思えど、違和感の正体は掴めない。フィッダの挑発に注意が逸れ、異変はすぐに忘れ去られてしまう。
「あのなあ、俺様金属アレルギーでね、特に水銀は息が詰まるんだわ!」
魔法陣の完成が逆転の始まりであった。息苦しいなんて当然嘘に過ぎなくて、啖呵を切るための方便だ。
なぜならば、フィッダの本体はそもそも詠唱銀から発生した存在だから。
「こちとら不思議魔法金属、そっちは水銀だかなんだか知らねェが、とっととしまっちゃくれねェか!?」
「馬鹿め、敵の苦手と知って収める阿呆がどこにいる!!」
玉座の間すべてが水銀の大渦に囲まれる、フィッダはその瞬間を待っていた。刃が地面から離れ、完成する魔法陣。
「そいつはもう、てめぇのもんじゃねェ」
フィッダに襲いかかろうとした水銀がその眼前でぴたり留まり、逆に始皇帝目がけて反転。壁に沿って弧を描きながら玉座を目指した。
「は――?」
「水銀で水浴びしたいと仰せだッただろ? 大盤振る舞いで叶えてやるから喜べ、礼はいらん!」
制御権を奪われた水銀は主であるはずの始皇帝を真っ向から呑み込み、そのまま玉座のある台座から崖下まで一挙に押し流してしまったのであった。
大成功
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愛・哀
「そいじゃあ地下迷宮へ突入ネ〰️変身🐍」
秘技 蛇化転身を発動し蛇となって地下迷宮に潜入。地下迷宮の隙間に入りながら兵馬桶を欺き、トンネル掘りをしながら罠回避し、蛇の索敵能力で始皇帝を見つけ蛇の隠密能力で十数メートルある台座の後ろから忍びより始皇帝の耳元で囁く。
「ブラックマンバは即効性の毒を持っているからアブナイヨ❗シャアー」
首を噛んで毒注入。
「荊軻の代わりに毒で暗殺成功ネ❗それじゃサイナラ〰️」
また隙間に入っていく哀であった。
「そいじゃあ地下迷宮へ突入ネ〰️変身🐍」
愛・哀(僵尸の泥酔蛇拳伝承者・f33044)はとろんと酒に酔った目を細め、しなやかに両腕を絡め合わせる。指先から徐々に姿を変えゆく蛇化転身――こうなってしまえば、兵馬俑軍団の目を欺くことなどわけもない。
ちょうどよい隙間発見、蛇になった哀は身をくねらせて壁の繋ぎ目に入っていった。すぐ前を数体の兵馬俑たちが通りかかるが、全く気が付かなかったようだ。
哀はそのまま壁を掘り進め、次第に核心部へと近づいてゆく。とんとん、と頭で壁を軽く突き、その向こうの気配を敏感に察知する様子はまさしく蛇ならではの索敵能力といえるだろう。
「この先に始皇帝いるネ~」
そもそも床に触れてもいないのだから、罠にかかることもない。蛇に変身できる哀にとって迷宮の仕掛けは何の妨げにもならなかった。
「ぐう……ッ」
己の水銀に台座の下まで押し流された始皇帝はようやく崖をよじのぼり、玉座の縁にしがみついたところであった。こっそりと背後に忍び寄った哀は耳元でこう囁く。
「ブラックマンバは即効性の毒を持っているからアブナイヨ❗ シャアー」
「ぎゃッ」
短い悲鳴を上げた始皇帝の顔色が見る間にどす黒く変わった。首筋には蛇の牙がつけた小さな二つの穴のような傷跡。
「うぐ、ああッ……」
たっぷりと毒を注入してやった哀は来た時と同じように隙間へ潜り込んだ。満足そうに尾をふりふりしつつ、やがて穴の向こう側へ姿を消し去る。
「荊軻の代わりに毒で暗殺成功ネ❗ それじゃサイナラ〰️」
大成功
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黒木・摩那
ずいぶんと雑な造りの迷宮ですね。
罠が丸見えでまるで役目を果たしていません。
これも水銀の影響でしょうか。
罠はスマートグラスと【第六感】もあるので大丈夫として。
問題は兵馬俑です。頑丈だし、数がたくさんいますからね。
ここは大迷宮を一点突破して、始皇帝のところに素早く向かいましょう。
始皇帝のいると思われる方向に向けて、UC【墨花破蕾】で迷宮の壁を黒蟻に変換し、道を作ります。
そして、完成した道をマジカルボード『アキレウス』に乗って【ダッシュ】。
通過後に元に戻して兵馬俑を置き去りにします。
皇帝のもとにたどり着いたら、勢いのままにボードを始皇帝に叩きつけます【重量攻撃】。
いざ水銀サーフィンを喰らえー
「これはこれは」
迷宮の入り口に佇んだ黒木・摩那(冥界の迷い子・f06233)は少々呆れぎみに呟いた。スマートグラス越しに視透かすのはあからさまに色の違う床に、大量の砂を乗せた仕掛け天井。
「雑な造り過ぎて、どこまで本気なのか疑いたくなりますが。水銀の影響も馬鹿にできませんね」
手を伸ばし、迷宮の壁を軽く撫でる。
「奥、ということですから大まかな方向は合っているはず。それほど時間もありませんし、一点突破で攻略しましょうか!」
まさしく蕾が綻んで花開くが如く、壁の土くれが摩那の手のひらから放射線状に黒蟻の群れに変わることで見事な空洞を作り出してしまった。摩那は『アキレウス』に飛び乗り、一路始皇帝の元へ。
サーフィンのように空中を滑走できるそれは摩那を乗せ、気持ち良く空洞を飛び抜けた。
「なんだこれは!」
「追え、追えー!」
やっと侵入に気づいた兵馬俑が騒ぎ始めるが一足遅い。摩那は肩越しに振り返り、くすりと笑って告げた。
「残念、もう出口はそこです。お先に失礼」
空洞から飛び出すと同時に術を解除。再び元の壁に戻った土くれに兵馬俑たちが圧し潰されるのを後目に、始皇帝の元へと迫った。
「ぐ……」
毒のせいでどす黒く変色した始皇帝の顔は苦悶に歪んでいる。摩那は対峙する暇すら与えず、勢いに乗ったまま突撃敢行を試みた。
「おのれぇ!!」
苦し紛れの反撃を摩那のアキレウスは強引に乗りこなす。反発力の強い水銀の表面を抑えつけ、踏み台代わりに跳び上がった。
「覚悟ー!」
「ごふッ」
堂々と始皇帝の顔面を踏みつけた摩那はようやくその先でターン、アキレウスを停止する。
「なぜ……なぜ……朕が、朕の……帝国…………――――」
「あっけないですね」
道を踏み外した者の末路はいつだって悲惨なものだ。始皇帝はそれを体現しながら滅んでいったのである。
大成功
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