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殲神封神大戦⑬~薫風桃花

#封神武侠界 #殲神封神大戦 #殲神封神大戦⑬


●桃花舞う
 いにしえの仙界『紫霄宫(しあいきゅう)』。
 その入口にある桃源郷は仙界随一と言われる程に美しい桃源郷で、いつまでも枯れることのない桃花で千年万年と彩られている。
 この桃の花は美しいだけではない。
 破魔の力――危険な魔力を祓う力を宿した桃の花であった。
 この力持つ桃花で『破魔の宝具』を作り出せば、封神仙女『妲己』のあらゆる生物・無機物・自然現象をも虜にする凶悪な魅了能力への耐性を得ることが叶うことだろう。逆に破魔の宝具無くしては、猟兵と言えども近づくだけで彼女の魅了に当てられ正気を保つことができない。
 今後の作戦のためにも破魔の宝具を作成し入手すること。それが今の猟兵たちには必要なことである。

●星の導き
「もものおはなですか! わたくし、だいすきです!」
 ぐっと丸団扇を握って背の羽をパタパタさせたエステレラ・ピスカピスカ(ぜったいくんしゅ・f31386)が3cmほど浮かんだ。
 魔王らしからぬはしゃぎかただったことに気が付いたのだろう。彼女はすぐに顔をハッとさせると寸差だが地面に降り、魔王らしく丁寧に挨拶をする。
「ごきげんよう、みなさん。まおうのなかのまおうのエステレラ・ピスカピスカです」
 今回はですねとエステレラが説明するのは、紫霄宫の入り口の桃源郷の話。
「たくさんのおはなをあつめて、『ぱおぺえ』をつくるとよいそうです」
 集める桃花は、多ければ多いほうが良い。その分霊力が高まるのだとエステレラは口にした。
 そして。
「そのばしょにはこわいひとはいません。なので、きゅうけいもできるのです。わたくしだったらおべんとうをもって、のんびりしたいばしょですね」
 美しい桃の花を見上げながらお弁当を食べれば、きっと戦い疲れも吹き飛ぶことだろう。
「きゅうそくもたいせつなこと。そしておやすみするのはワルです!」
 折角きれいな場所なのだから、存分に楽しんできちゃえばいいと思います!
 エステレラはキリリと眉を上げ、猟兵たちを桃源郷へと送るのであった。


壱花
 封神武侠界で戦争、ですね。
 桃の花をたくさん集めたり、のんびり過ごしてください。。

 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。1フラグメントで終了します。

●受付期間
 公開時から受け付けております。
 物理的にフォームが閉じるまで受け付けています。
 確実に【10日(月)23:59】までは開いています。
 採用は失効までに書ける分、となります。

●シナリオについて
 グループでのご参加は【2名まで】。

●プレイングボーナス
 『霊力に満ちた桃の花を集め、宝貝を創造する』ことです。

●桃の花
 木に被害を与えること無く、舞う花弁を沢山集めてください。
 戦争をずっと続けていると疲れてしまうので、お弁当を持ってきてお花見、少しの間のお昼寝、等の小休憩をしても良いかと思います。

●破魔の宝具
 宝貝は仙術兵器です。見た目等、記載してください。
 作成した宝具のアイテムの発行はありませんが、今後のためにアイテムを作成して妲己に挑むのは格好良さそうですね。
 アイテム作成はこちらから:https://tw6.jp/html/world/441_world16.htm

●迷子防止とお一人様希望の方
 同行者が居る場合は冒頭に、魔法の言葉【団体名】or【名前(ID)】の記載をお願いします。
 お一人での描写を希望される場合は【同行NG】等の記載をお願いします。
 また、文字数軽減用のマークをMSページに用意してありますので、そちらを参照ください。

 それでは、皆様の素敵なプレイングをお待ちしております。
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第1章 冒険 『破魔の宝貝』

POW   :    大量の花を集め、多くの霊力を得る。

SPD   :    仙界の他の素材と組み合わせ、更なる力を引き出す。

WIZ   :    魔術的な加工を施し、宝貝の性能を高める。

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
征・瞬
西嘉(f32676)と
桃の花で宝貝か…君にぴったりだな
君が強くなる事は私にとっても利のある事だからな、作成を手伝おう
……妲己は、おそらく私は倒しに行かないだろうしな

『仙術』で小さな風を起こして花びらを集めよう
どれだけ必要だろうか?このくらいあれば足りるだろうか

西嘉、宝貝の形等は決まっているのか?
扇……、にするのか
確かに払うならぴったりかもしれないな

お揃い……いや、嬉しくはあるが
戦いにそういうのは関係ないだろう
ともかく2人で作ったのだから妲己の色香に惑わぬように
負けたら許さんからな


張・西嘉
瞬(f32673)と
宝貝を作ることになるとは思わなかったな。
しかしこれからの戦場であれば便利だろうし…桃の花は俺にとっては思い入れのある花だ。
それを用いて作れると言うのは少し嬉しいものだな。

作り方などは仙人でもある主。瞬に聞けば良いだろうか?
瞬の宝貝は扇だったな。
新しい宝貝も扇にしてみようか…。
妲己の色香を払うと言うならピッタリかもしれん。
瞬は作らないのか?俺の分に力を込める?
まぁ、それはありがたいが。

(出来た宝貝を見て嬉しそうに)
何というか…お揃いだな。
あぁ、妲己の色香などには負けんさ。
何より美しい人を知っているしな

名は『桃風扇』と言ったところか?
大事に使わせてもらう。




 桃の花は、張・西嘉(人間の宿星武侠・f32676)にとって縁深い花である。思い入れがあると言っても良い。
 それを用いて宝具を作れるというのは少し嬉しいと主たる征・瞬(氷麗の断罪者・f32673)へと告げれば、彼は白皙に宿る双眸を僅かに細めた。それが無表情の彼の笑みだと西嘉は知っている。
「君にぴったりだな」
 告げる言葉も起伏が見られぬ静かなものだが、そこにもまた西嘉は暖かな思いを感じ取っていた。西嘉の主は氷のようだと誤解されやすいが、西嘉にとってはそうではない。
「……どれだけ必要だろうか?」
 ふわりと穏やかな風が吹き、ひらりふわりと舞う桃花をくるくると旋風がさらうように集めていく。瞬の仙術だ。
「多ければ多いほど良いとは聞いたが……」
「このくらいあれば足りるだろうか」
 無理のない範囲でくるくると風を操り花弁集め、こんもりとした山を作った瞬は西嘉へと問いかける。
「西嘉、宝貝の形等は決まっているのか?」
「形状、か……」
 ふむと考え、西嘉は顎を撫でる。別段宝具の形への拘りはないが、しかし作るのならば――。
「瞬の宝具と同じ、扇にしてみようか……」
「扇……、にするのか」
 ぽろりと零れた半分独り言を拾い、瞬は瞳をぱちりと瞬かせた。武人である彼のことだから勇ましそうな宝具だろうと思っていが、まさかそこで己の宝具と同じ形を彼が望むとは思わなかった。
「うむ、扇にしよう。妲己の色香を払うと言うならピッタリかもしれん」
「確かに払うならぴったりかもしれないな」
「瞬は作らないのか?」
「私は……おそらく妲己を倒しには行かぬだろうから良い。君の新たな宝具の作成を手伝おう」
 集めた桃の花弁に更に瞬の仙力を注ぎ、加護を与える。
(色香に惑わされたら許さんぞ……)
 確りと打ち払えるように。
 そう願いながらふたりで形を思い浮かべること暫し。ふわりと温かな光を宿した桃の花は扇の形となった。
「何というか……お揃いだな」
「お揃い……」
 西嘉の声と表情に嬉しさが溢れている。思わず彼の言葉を鸚鵡返しにしてしまった瞬は再度長いまつ毛をパチリと動かして、彼を見た。
 戦いにそういうものは関係ない。武器は武器である。
 しかし、嬉しいと思ってしまう瞬がいた。
「ともかく、妲己の色香に惑わぬように。負けたら許さんからな」
「あぁ、妲己の色香などには負けんさ。何より美しい人を知っているしな」
 主の心、従知らず。屈託なく笑う西嘉は使う時が楽しみだと口にした。

 ふたりで作った扇状の宝具の名は『桃風扇』。
 主と桃花の力の籠もるそれは馥郁たる風を呼び、きっと妲己の魅了を打ち払ってくれることだろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

モモ・モラ
わぁ~~!モモの大好きな桃の花がいっぱいです!素敵です~!!!

……はっ!いけません!
ぱぉぺぇ……?というのを作るのでした!ふふ!楽しみなのです!何せモモの大好きな桃の花をたっくさん集めて良いとの事です!張り切って集めますよーっ!

というわけで
どっちゃり集めましたー!
さぁさぁたくさん分霊力とやらをたくわえるのですよーっ!
……おお!できましたー!(手に持ちじゃじゃーん!と掲げる)

澄んだ半透明で桃色の宝貝を
頭に乗せればルンルンでモーラットピュア特有の羽を広げて飛び回る

そうだ!この日のためにおにぎりをこしらえたのでした!
いただきまーす!

──けぷ。おなかいっぱいです~
おや…段々眠たく……すぴぴ……




 視界に映る全てが薄紅色に色づいている。
 右も、左も、空も、桃色。
 モモ・モラ(桃源郷モーラット・f35540)の大好きな桃の花がでいっぱいだ。
「わぁ~! 素敵です~!!」
 小さな手を合わせ、羽をパタパタ。桃の木に近寄って匂いを嗅いでみたり、舞う花弁といっしょにクルクル飛んでみれば、嬉しさと楽しさで胸がいっぱいだ。
 いつまでも遊んでいられそう……なんて思いかけたところで、モモはハッとする。今日はここへ遊びに来たわけではなく、宝具というのを作るために来たのだ。
 お仕事お仕事ときりりと眉を上げてみるものの、ふにゃっとすぐに笑ってしまう。
 だってそのお仕事は、桃の花をたくさん集めることなのだ。好きなことしていいよと言われたようなものである。
「これくらいあればいいでしょうか!」
 張り切って集めた桃の花の前でフイーっと汗を拭うポーズをしたモモは、早速宝具作りに挑んでみる。小さな手を伸ばし、こうかな? と念じれば――。
「……おお! できましたー!」
 じゃじゃーん!
 手に持ち掲げるのは、澄んだ半透明で桃色の宝貝。
 テンションの上がったモモは宝具を頭の上に乗せ、暫くルンルンと飛び回った。
(一発でできちゃったし、モモってば天才かもしれませんっ!)
 たくさん飛んで満足したら、持ってきたおにぎりで小休憩。
「いただきまーす!」
 大好きな桃の木の枝に座って桃の花を近くに感じながらのおにぎりは、いつもよりも美味しく感じた。
「――けぷ。おなかいっぱいです~」
 ごちそうさまでしたと手を合わせれば、ふああと欠伸が零れてしまう。
 大好きな桃の花の香りに包まれて、モモは睡魔に身を委ねるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

仇死原・アンナ
♢♡

桃源世界を救う為に…
悪しき者を討ち倒す為に…
その為に桃花を集めようね…
さぁ行くぞ…我が名はアンナ…処刑人が娘也…!

…とはいえ…綺麗な場所だなぁ…
出来れば座ってじっとしたいけど…花を集めないと…
だったら…

【恐怖与える殺意の瞳】で木々を睨み[恐怖を与えて]
舞い散る花弁を自身の周囲に集めよう
花弁をイグニッションカードで[詰め込み]集めていこう…

集めた花弁に我が血と地獄の炎を注いで…
…槍の形の宝貝だね……地獄の炎を放つ槍か…
…佳人薄命…この世界にはそういう言葉があると聞く…
ならば…『火人剥命』と呼ぼう…
火を操る人…命を剥とる者…我が分身よ…宜しく頼むぞ…
私は処刑人だ…!




 仇死原・アンナ(処刑人 魔女 或いは焔の花嫁・f09978)は処刑人である。
 東に悪しき者が居れば討ち倒し、西に悪しき者が居れば討ち倒す。桃源世界に悪しき者が現れたのならば、討ち倒さぬ道理はない。
「我が名はアンナ……処刑人が娘也……! 処刑のため、桃花を集めてみせよう……」
 なんて、ニヤリと仄暗い笑みを浮かべながら乗り込んでみたものの。
「……綺麗な場所だなぁ……」
 あまりにも桃源郷が美しくて、座ってじっと見つめていたくなってしまう。
 しかしアンナは処刑人! 花を集め、処刑道具(宝具)を作らねばならない。

 《恐怖与える殺意の瞳(イービル・アイ)》、発動――!

 木々が恐怖を覚えたかは解らないが、桃の木からたくさん花弁が落ちた。
「よし、あとはイグニッションカードに詰め込んで……」
 腰へと手を伸ばすアンナ。しかしそこに、求めた物がない。どうやら置いてきてしまったようだ。
 仕方ないので手で集め――手で落ちた花弁を集めていると次第に少し楽しくなってきたが処刑人らしくないので内緒だ――集めた花弁に血と地獄の炎を注ぎ込む。
「形は……槍の形にしようか……地獄の炎を放つ槍だ……」
 桃花はふわりと光りながら思い描いた形へと変わっていく。
 あとは名前が必要だ。かっこいい宝具にはかっこいい名前。
(……佳人薄命)
 ふと思い浮かんだのは、そんな言葉。この世界にある言葉だ。
「ならば……『火人剥命』と呼ぼう……お前は火人剥命だ……! 火を操る人……命を剥とる者……我が分身よ……宜しく頼むぞ……」
 新たな相棒となる処刑道具(宝具)を撫でれば、応えるように火人剥命が光を放つのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ヘルガ・リープフラウ
甘い桃の香りに癒されながら暫しの休息を
永久に枯れぬ桃の花……何と見事で美しいのでしょう
長きに渡り、人々を見守り続けてきたのですね
その命の息吹を、わたくしたち猟兵にも分けてくださいまし

宝貝は……郷愁を誘う香りを薫らせる匂い袋はいかがでしょう
今目の前にあるこの楽園を
この世界の安寧を願う人々の想いを忘れないように
そして、決して妲己の誘惑に屈しないように、と願って
彼女の魅了は、恐らくそれまでの生きてきた道程を、積み重ねた記憶を、
そして家族や友人、恋人等の愛する人との絆を引き裂くことでしょう
この桃花に満ちる命の力は、まやかしなどには決して屈しない
人の想いと絆は何者にも勝るものなのだと信じています




 そっと桃の木の下に腰を下ろせば、まるで全身を包み込むように甘やかに桃花が香る。
 見上げれば、幾重にも重なるヴェールのような薄紅色の桃の花。
(なんと見事で美しいのでしょう)
 永久に枯れぬ桃の花の美しさに、ヘルガ・リープフラウ(雪割草の聖歌姫・f03378)は瞳を細めた。この花々は人々を、そして紫霄宫の入り口たるこの桃源郷を見守り続けてきたのだろう。そこで休んでいるだけで慈愛が如く優しい霊力を感ぜられ、ヘルガはほうと息を吐いた。
「その命の息吹を、わたくしたち猟兵にも分けてくださいまし」
 桃の花を集めたヘルガは少しだけ宝具の形に悩む。
 せっかくの美しい桃の花。少しでも損なわぬものが良い。
「……郷愁を誘う香りを薫らせる匂い袋はいかがでしょう」
 まるで桃の花に提案するように口にして、淡く笑みながら手をかざす。
 この世界の安寧を願う人々の想いを忘れないように。そして、決して妲己の誘惑に屈しないように、と願って。
 美しい仙女妲己。抗えないほどに凶悪だとさえ言われている彼女の魅了は、全ての絆を引き裂くものだ。その人がどんな人生を辿ってこようとも、積み重ねた記憶があろうとも、そして家族や友人、恋人等の愛する人がいようとも、妲己の色香に老若男女問わず傾いてしまうのだ。
(けれど、この桃花ならば――)
 匂い袋の形となった桃の花は手の内に。
 この優しい香りは、きっとまやかしや色香など寄せ付けない。
(わたくしたちの想いと絆を引き裂くことなどできぬこと、存分に教えて差し上げましょう)
 ヘルガは優しいかんばせに、強かに瞳を宿らせた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ルル・ミール
わぁ、ここが噂の…そして憧れの仙界!

漫画やラノベでしか知らなかった世界は
どこを見ても素敵で綺麗

記念にスマホでいちま…うっ、一枚じゃ足りません(パシャ
も、もうちょっと(パシャシャ

何枚か撮ったら桃の花集め開始
出来るだけ綺麗なまま集めたい
となると…あなたの出番ですね!と
頭に止まってた真ん丸碧の小鳥へ

硝子ペンに変化してもらって
そして風の魔法を優しく綴っていけば
舞う花びらだけを集められるワケです!
それにしても本当に素敵な…あっ
桃源郷へのトキメキでちょっと勢いが(あわわ

集めた花びらは木の籠へ
でもどんな宝具にしましょう
憧れるのは扇ですけど布槍も…
ワクワク迷い悩みつつ
桃の花びら集め、頑張ります!




 視界いっぱいに広がる薄紅色に、ルル・ミール(賢者の卵・f06050)は思わずわあと感嘆の声を上げた。
「ここが噂の……そして憧れの仙界!」
 仙界は、漫画やラノベでよく取り扱われる。挿絵を元に想像したりすることはできるものの、ルルの知らない世界。本当にそんなところがあるのかな、あったら素敵だな、いつうか行ってみたいな、と憧れていた場所だ。
「記念にいちま……うっ、一枚じゃ足りません」
 右も左も、頭上を見上げたって、美しい。スマートフォンを構えてパシャッと一枚撮ったルルだったが、一枚撮ればもっとたくさんの写真が欲しくなってしまった。
「も、もうちょっと」
 色んな角度、距離を取って、接近して……とたくさんの写真を撮ってしまい、カメラロールは桃色一色となった。
 これは後から選別するとして――ふうと満足を覚えてから、桃の花集めを開始。
 けれど、折角だから綺麗なまま集めたい。
「それなら、あなたの出番ですね!」
『チュピ!』
 頭上の碧の小鳥が元気に鳴いて、硝子ペンに変じてルルの手に収まった。
 手にした碧のペンで綴るのは、柔らかで優しい風彩。花弁を優しく舞い上げる春めいた風を意識して、此処に此処にと桃花を呼んだ。桃色の花は風とひとつになったかのようにくるくる舞って、それが本当に綺麗で素敵で――。
「……あっ」
 溢れるトキメキで勢いが増してしまった!
 威力を調整しながら木の籠へ運ぶようにと風に命じて集めていくが、ルルはそこでハッと気が付く。
「あ。形を考えていませんでした……」
 憧れるのは扇。房がついてたりなんてすると振るう度にとても可愛い。けれども布槍も捨てがたい。普段はリボンやスカーフのように身に着けて、有事にはシュルリと解いて使うのだ。
「うーん、悩んでしまいますね!」
 集め終えるまでに決めましょう!
 ルルは楽しく桃の花びらを集めていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

朱赫七・カムイ
⛩神櫻


一面が桃色で、甘やかな良い香りがするね
桃花の中に咲き誇る櫻の愛らしいこと
きみの破魔の力をきっと高めてくれるだろう
…私は禍津
本来なら破魔で祓われるもの
だがサヨがそう約してくれるならそれでいい

触れるだけで感じる破魔の力
サヨ
花弁にふれてきみの力を重ねてご覧
きっとこれはサヨの為になるもの

捕縛の神力を巡らせ桃花の花弁を集める
私が少しばかり幸運であるだけ
張り合ってくるサヨは実に可愛い
沢山集めよう
何をつくるの?

なるほど、護符か
それはいい
邪なものを祓い封じるようにもできるだろう
桜の花弁型の美しいものがいい

…私はとうにきみに惑わされているというのに
喰い殺す?
ふふ、光栄だと思ってしまうのはどうしてだろうね


誘名・櫻宵
🌸神櫻


いい香り!
朽ちない桜を咲かせる私、この朽ちない桃花に親近感よ!
桃には厄祓いや破魔の力があったわね
ふふふ、カムイは禍津神だけど…私の僥倖の神だからいいの

本当だわ
この花ひとつひとつにあたたかな霊力を感じるわ…
たくさんたくさん、ひいらり舞う花弁を掴まえましょう!
カムイ、地味に花弁を集めるのが上手いわね…
私も負けてられないわ!

ふふ、創りたいのは護符
──桜護龍符
桜に桃の破魔の力を重ねるのよ
カムイの神の力もあればきっと素敵な宝具ができるわ!
カムイと手を重ねて、気を力を巡らせて─できた!
かぁいらしいでしょう?

……私のかぁいい神様が…変な女に惑わされないようにね
そんな事になったら喰い殺しちゃうから!



【カムイ・櫻宵】

 ふわり、甘やかに風が香る。
 香る風がふたりに縁深い桜に似た花弁を乗せて頬を撫でた。
 良い香りだねと朱赫七・カムイ(厄する約倖・f30062)が穏やかに告げれば、誘名・櫻宵(爛漫咲櫻・f02768)は「ええ!」と満面の笑み。朽ちない桜を頭上に頂く櫻宵には、この桃源郷の朽ちない桃花に親近感を覚えていた。
 ふたりきりの時に見せる櫻宵の笑みは、他者が居る時よりも幼くて愛らしい。――とカムイが思うのは、惚れた欲目だろうか。桃の木々の中に咲くひとつきりの桜を愛でる瞳は今日も今日とて甘く、優しい。
 桃は仙界では、病魔や厄災をよせつけない不老長寿の仙木だ。ふたりが馴染み深い世界でもそれは同じである。節分の折は桃の木の弓で鬼を払う。
「……私は禍津。本来なら破魔で祓われるもの」
「ふふふ、カムイは禍津神だけど……私の僥倖の神だからいいの」
 けれどもカムイの巫女はそう約してくれる。此処に居ていいと言ってくれる。
「本当に花弁に破魔の力が宿っているね」
 ひいらり飛んできた桃の花を手に乗せてカムイが口にすれば、同じように手を上向けた櫻宵が本当だわと感心したように口を開いた。舞う花弁ひとつひとつに霊力を感じる。その霊力は暖かく優しいものであり、この桃源郷を外敵から守っているのだと感ぜられた。
「さあ、カムイ。たくさんたくさん掴まえましょう!」
「ああ、サヨ。任せておくれ」
 きっとこの花弁の力は可愛い巫女の力になってくれる。
 櫻宵の喜ぶ顔を見るため。そして彼の今後の戦いを助くるため、カムイは捕縛の神力を巡らせた。
「カムイ、地味に花弁を集めるのが上手いわね……」
「私が少しばかり幸運であるだけだよ」
「私も負けてられないわ!」
 張り合ってくる巫女が可愛い。密かに言祝を使って幸運を傾けているのだが、ずるいと言われるかも知れないので神は黙っておく。
「結構いい感じに集まったかしら?」
「そうだね。これだけあれば良いだろう」
 戯れるように花弁を集めること暫し。ふたりの前にはこんもりと桃花が集まっていた。
「何を創るの?」
 カムイの問いに、櫻宵は創るものはもう決めてあるのだと小さく笑う。
「護符よ。――『桜護龍符』」
「なるほど、護符か」
 きっとそれは、櫻宵を守ってくれることだろう。
「カムイ、手を貸して」
「うん」
 ふたりの手を合わせ、ふたりの力、そして桃花の力を合わせる。
 作りたい形は、桜の花弁型。桃なのに桜花弁は駄目かしら? なんて考えも浮かぶけれど、桃も桜も花の形はよく似ているからきっと桃には大目に見てもらえるだろう。
「できたわ! ふふ、かぁいらしいでしょう?」
 可愛らしい護符をピッと構えてみせる巫女の方が可愛いのだが、巫女は今護符について口にしている。だからカムイは「君に似合いだね」と微笑んだ。
「よし……これで私のかぁいい神様が……変な女に惑わされないようにできるわ」
 ふふっとうっそりと櫻宵が笑う。
 どんな経験や絆で結ばれていようと、妲己の前では児戯に等しい。もしカムイが妲己になびいたら……と思うと、櫻宵は気が気ではなかった。
「そんな事になったら喰い殺しちゃうから!」
 見てなさいよ、妲己! と息巻く櫻宵を見て、カムイは淡く笑む。
 君に喰い殺されるのなんて、光栄なことなのに。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

城野・いばら
♢♡
わぁ、満開の桃さんがたくさん
桃色の雲さんみたいで可愛い

皆から少しずつ花弁を分けてもらおうかな
白薔薇の日傘を差して空中浮遊
籠の様に成長させた不思議な薔薇の挿し木に集めるわ

触れる時は
枝や蕾を傷付けないよう上からそうっと
密集している所からお花を頂くの
窮屈そうな枝もあれば採って整えてあげて
お日さまが皆に届くように
他に痒い所はありませんか~?なんて
お花を頂く分、何かしてあげられたら良いな

集め終わったら
皆と一緒にひなたぼっこしようかな
ふふ、これでいばらもワルの仲間入り?

宝貝はうつくしい皆をそのままに、と
咲き誇る様子を確りココロに刻み
桃の枝を創造
どうか力を貸してね
いばらも、いばらの出来るコトで頑張るから




 桃の木の下に立って見上げれば、桃色のカーテン。
 遠くの桃の木へと視線を向ければ、緑と空色の堺のそれは桃色の雲。
 わあと笑顔を咲かせた城野・いばら(白夜の揺籃・f20406)は暫し景色を楽しんでから、白薔薇の日傘をさした。いつまでも見惚れていちゃ駄目、お仕事しなくちゃね、と。
「少しずつわけてもらうね」
 ふんわり浮かんだ日傘はたくさんの花をつけている枝の高さにまで浮かび、いばらはそっと桃の木へと手を伸ばす。枝にも蕾にも傷つけないように気をつけて、密集していて窮屈そうな花だったり、今にも風に誘われて飛びだってしまいそうな花を選んで、籠の様に成長させた『不思議な薔薇の挿し木』に集めていく。
「此処は少し窮屈? うんうん、そうよね」
 他の枝にぶつかりそうだもの。
「こうすれば皆お日さまが届くわ」
 他に痒い所はありませんか~? なんて、くすくす笑いながら整えてあげるいばらは、ちょっぴり樹木医さん気分。健やかに育て蓄えた霊力を花に移し力を貸してくれる桃の木に、少しでも何か出来るのがいばらは嬉しい。
「これくらいあればいいかしら?」
 ありがとうと指先で艷やかな花弁をひと撫でしてから地に降り立ち、日傘を畳む。遮られていた暖かな陽がいばらにも降り注ぎ、いばらはまぶしげに目を細めた。
(皆と一緒にひなたぼっこしようかな)
 それはきっと、とても気持ちの良い誘惑。
(駄目駄目、先に宝具を作りましょう)
 ぷるっと頭を一振り。
 だっていばらはしっかり者のおねえさんなのだから!
 創る宝具は、美しい桃の花の姿をそのままに。咲き誇る様子を確りと思い浮かべながら翳した手の下で、桃の花弁たちは花咲かす枝となる。
「できたわ。ふふ、きれいね」
 どうか力を貸してねと願えば、応えるように枝に咲いた花が優しく灯りを灯した。
「さて、と。心置きなくワルの仲間入りをしようかな」
 ふあ、と溢れる欠伸を手で押さえてから伸びをして。
 いばらは枝とともに、仲良しの姉妹みたいに横になるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

吉備・狐珀
ずっと張り詰めたままでは疲弊して戦うこともままなりませんし休憩は大切ですよね。
それにただ休むわけではありませんし(自分に言い聞かせながらいそいそと持参したお弁当を広げてお花見準備)

美しい桃の花を眺めていると確かに疲れはどこかに行ってしまうほどに癒されて。何よりこの桃源郷を失うなどあってはならない、絶対勝利せねばと改めて思わされるというもの。

さて、その勝利を手にするためにもそろそろ桃の花を集めましょうか。
月代、ウケ、ウカ、みけさん、お手伝いをお願いしますね。
沢山集めるほど強い宝貝だ創造できるそうですから、しっかり集めましょう!

造りたい宝貝は双剣。
この花弁ならきっと美しい剣ができると思うのです。
剣舞に合わせて桃の花弁や蝶が舞うような、そんな双剣ができたら―。
妲己の魅了に太刀打ちするどころか反対に魅了出来てしまうかもしれません、なんて。そこまでは都合よすぎるでしょうが。
でも、どんな仙術にも屈しない、そんな剣になることだけは間違いないです。




 花弁を巻き上げて甘く薫る風が頬を撫でる。
 ひいらりと運ばれてきた花弁が広げたお弁当に落ちたことに気付いた吉備・狐珀(狐像のヤドリガミ・f17210)は指先でそっと摘み上げ、柔らかに瞳を細めた。大きな戦いの最中であることが信じられない程に穏やかで優しい景色。此処には穏やかな『春』があるようだった。
 疲れて戦えなくなってしまわないように、猟兵たちにも休息は必要だ。自己管理も戦いの内――。
(なんて、言い訳でしょうか)
 桜型に切られた人参を口に運び、口元を軽く押さえた狐珀は小さく笑む。
 けれど『やるべきこと』をしにきて、それを確り行ったとしても時間が余るのならば、その時間をどう使うかはいつだって猟兵たちの自由であるはずだ。
(本当に綺麗な場所ですね)
 朽ちない桃の花が桃色に染める桃源郷。こんなに美しい場所が、仙界には何箇所もあるらしい。ひとつひとつ巡ってみるのも楽しいかも知れないと出汁巻きを食めば、じわりと溢れる優しい出汁の味。
(けれど……)
 狐珀の心に影がよぎる。
 けれど仙界は今、渦中にあった。
(この美しい場所を失うなど、あってはならないことです)
 そのために猟兵たちが行うことはひとつ。
 戦って、勝つことだ。
「さて、その勝利を手にするためにもそろそろ桃の花を集めましょうか」
 ごちそうさまでしたと確りと手を合わせて弁当箱を閉まった狐珀は立ち上がった。
「月代、ウケ、ウカ、みけさん、お手伝いをお願いしますね」
 狐珀の声に狐や仔竜たちが姿を現し、桃の花集めを手伝ってくれる。
 ひとりで行うより、その効率は量という形で目に見える。
「これくらいあれば……」
 集めた花弁の小山に、そっと手を翳す。
 思い浮かべるのは、双剣の姿。
 その手を手にした自分も想像する。剣舞に合わせて桃の花弁や蝶が舞うような、優美な双剣。狐珀の手に良く馴染み、それを想像した狐珀は満足気な笑みを浮かべた。
「出来ました!」
 思った通りの姿が、手の内にあった。
「妲己の魅了に太刀打ちするどころか反対に魅了出来たら良いのですが……」
 なんて。そこまで望むのは高望みだと解っている。
 宝具を持ってしても、妲己の魅了に完璧に抵抗出来るわけではないのだから。
 けれどこの双剣には確かに桃の花の優しい霊力が宿っている。強く正しい心を持って正しく扱えば、必ず悪しき仙術を切り裂く剣となることだろう。
「必ず、勝利を」
 狐珀は胸に双剣を懐き、強い視線で桃源郷の遥か彼方を見据えるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2022年01月12日


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#封神武侠界
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#殲神封神大戦⑬


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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト