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殲神封神大戦⑦〜想像上の天才軍師〜

#封神武侠界 #殲神封神大戦 #殲神封神大戦⑦


 諸葛果、という少女がいる。
 蜀の大軍師・諸葛亮と彼を影で支え続けた秀才・黄月英の間に生まれた娘は頭脳派の両親ゆずりの知恵を持ちながらも戦を避けるため、寺院で過ごし、修行をつんで仙人になったと記されている。
 しかし公式の記録では諸葛亮と黄月英の間には息子が1人しか産まれていない。
 孔明の血を継ぐ少女の存在が語られるようになった彼らが死んでから何百年も経った後の話であったのだ。
「所謂『創作上の人物』って奴ですね……今も昔も小説家がやることは変わらない、ということで」
 そう言ってルウ・アイゼルネ(滑り込む仲介役・f11945)は肩をすくめた。
 いにしえの仙界「紫霄宫」に至る門、南蛮門の前に陣取っている彼女は周辺に住んでいた瑞獣達を不思議な絡繰で捕らえ、その闘気や霊力を吸って自らの力に変換している。
 問題の絡繰というのは、火炎放射器を内蔵した虎の毛皮を被る自律駆動木工細工「虎戦車」。
 これに囲まれて進路も退路を絶たれた瑞獣達は彼女が組んだ術式の中で苦しみ続けているという。
「この虎戦車を破壊して瑞獣達を逃すことさえ出来れば、彼女は弱体化します」
 だが彼女も黙ってその行為を見逃すことはなく、饅頭の雨を降らせ、山のように積み重ねた石でその行く手を阻んでくるだろう。
 どれもこれも諸葛亮にまつわる攻撃方法である。しかし血がつながっている、という証明にはならない。
「もし彼女が本当に実在して、語られる通りの性格をしていたらこの戦争出てくるわけがないんですよね。ただその名を自ら名乗るということはそれなりの自信があるという証拠。油断は禁物ですよ」
 囚われの瑞獣を救うべく、張角の元に至るための要所を押さえるべく、猟兵達は南蛮門へとんだ。


平岡祐樹
 私は「いない」派です。
 お疲れ様です、平岡祐樹です。
 このシナリオは戦争シナリオとなります。1章構成の特殊なシナリオですので、参加される場合はご注意ください。

 今案件にはシナリオボーナス「絡繰を解き、瑞獣達を助ける」がございます。
 これに基づく対抗策が指定されていると有利になることがありますのでご一考くださいませ。
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第1章 ボス戦 『🌗忠武軍仙『諸葛果』』

POW   :    木獣の計
無敵の【木獣兵器】を想像から創造し、戦闘に利用できる。強力だが、能力に疑念を感じると大幅に弱体化する。
SPD   :    饅頭招来
戦場全体に【饅頭の雨】を発生させる。レベル分後まで、敵は【石より硬い饅頭】の攻撃を、味方は【美味しい饅頭】の回復を受け続ける。
WIZ   :    石兵八陣
戦場全体に、【石兵による陣】で出来た迷路を作り出す。迷路はかなりの硬度を持ち、出口はひとつしかない。
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リューイン・ランサード
げー、孔明!
とりあえず言ってみました(諸葛果さんに拱手して挨拶)。

まずは瑞獣さん達を助けましょう。
虎戦車破壊の人手が必要なので、シマドゥ島民さん(1人1人が刀の一振りでティラノサウルスの首を落とし、素手で身体を引き裂いてひえもん取りする、コンキスタドールより強い島民)数百人を創造。
虎戦車の首ドロップと瑞獣さん救出をお願いする。

諸葛果さんは…「女首は手柄にはならん」「ですよね~」とやり取りした後、自分で向かいます。

ビームシールド盾受けとオーラ防御で護りを固め、自分の翼で自在に空を飛び、空中戦・見切り・第六感で諸葛果さんの攻撃を躱して接近。
剣に光の属性攻撃を宿しての2回攻撃・怪力の二刀流で斬ります



「チェーーーーーストォーーーーーーーー!」
 筆書体の十のみが描かれた白地の旗がはためく中、木材がへし折られる音と勇ましい雄叫びが響き渡る。
 1人1人が刀の一振りでティラノサウルスの首を落とし、素手で身体を引き裂いてひえもん取りする、コンキスタドールよりもはるかに強い戦闘民族が戦場を我が物顔で蹂躙する様をリューイン・ランサード(乗り越える若龍・f13950)はのほほんと眺めていた。
「やっぱり強いですね……」
 放たれる火炎放射もお構いなく突撃し、虎戦車を圧倒する気迫から助けられたはずの瑞獣達も怯え逃げ出していく。
 その一方で厳しい表情を浮かべて戦局を眺めている諸葛果を討ち取ろうとするシマドゥ島の民はいなかった。
「あの、諸葛果さんは……」
「女首は手柄にはならん」
「ですよね~」
 苦笑いしつつ仕方なく諸葛果の前へ出たリューインは拱手しつつわざとらしく驚いてみせた。
「げー、孔明!」
「む? 私から偉大なる父の威厳を感じたか?」
「……とりあえず言ってみました」
 父の面影を感じられたと格好を崩した諸葛果はすぐに不機嫌に戻った。
「そうか……ならその身で思い知らせなばならんな!」
 空を跳び、回転して勢いをつけたかかと落としが地面を割る。しかしその頃にはリューインは自前の赤い翼で空を舞っていた。
 諸葛果はすぐ上を向くと地面を蹴り、リューインに拳を振るう。しかし滑空するビームシールドがそれを防ぐとその影から2本の剣を構えたリューインが歯を食いしばりながら飛び出してきた。
 光の魔力が込められた刀身が諸葛果の道服を十字に切り裂き、そして細腕からは想像出来ない馬鹿力が諸葛果の体を地面に叩きつける。
「孔明って力業ってより頭脳戦とか道具を使うのが得意なイメージしかないんですけど」
 リューインは息を吐いて汗を拭い、純粋な疑問をぶつける。すると跳ね起きた諸葛果は胸元に仕込まれていた鎧を見せつけながら首や肩を回した。
「……はっ、父と母の知力と、寺院での修行で得た拳法が合わさったことで私は父を超える最強となったのだ! お主らがいつまでそんな余裕な態度を取れるか……楽しみであるぞ!」
 この余裕が実力か瑞獣から奪った力の副産物か、今はまだ判断がつかなかった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

彼方霧・白蓮
黄月英も実名ではないというし、書かれたことが歴史なのか、あったことが歴史なのかは微妙なところだ。まあでも、ひとまず今回の「娘」の発明品は親譲りということで。

まずはエネルギー部分から。迷路が出てきても、エレクトロレギオンを網羅的に動かしてデータを集約、マッピングすれば大丈夫。
その間上にサーチドローンを飛ばして、別回路で虎戦車の内部スキャンデータを取得、分析。火炎放射器をつけているなら燃料タンクなどの弱点があるはずだ、迷路から出次第、ヘヴンリィシルバーストームを使って、エレクトロレギオンでタンクを露出させる。運が良ければ落雷で炎上してくれる。
あとは、本体を【一声】で叩くだけだ!



「黄月英も実名ではないというし、書かれたことが歴史なのか、あったことが歴史なのかは微妙なところだ。……まあでも、ひとまず今回の『娘』の発明品は親譲りということで」
 そう結論づけた彼方霧・白蓮(雷雨、台風、その他悪天候・f35350)は積み上がった石で作られた迷宮にエレクトロレギオンを突入させた。
 それらが網羅的に動き、データを集約しながらマッピングを行っていると迷い込んでいた瑞獣と出会す。瑞獣は見慣れぬ空飛ぶ物体を新たな敵襲と勘違いしたのか威嚇し出した。
「大丈夫、俺は君を助けにきたんだ。そいつについて行けば外に出れるから、怖がらないでくれ」
 内蔵されたマイクで呼びかける一方、白蓮の視線はサーチドローンがスキャンした虎戦車のデータに注がれている。
 木工細工である虎戦車に赤外線を遮断するような機構は無く、その内部はあっという間に丸裸になっていた。
「まずはエネルギー部分から……ふむ。火薬が等間隔で自動的に供給され、内部の火打ち石が擦られた度に火を吐くような仕掛けになっているのか……。この分なら予想より早く済みそうだな」
 白蓮がエンターキーを叩いた瞬間、瑞獣達を迷宮外に先導し終えたエレクトロレギオン達が虎戦車の毛皮を掴んで取り払う。すると突然空が曇りだし、銀色の雨と雷撃が降り注いだ。
 火薬が湿気ったことで機能不全を起こした虎戦車が雷に焼かれて自壊していく中、画面を閉じた白蓮の後頭部に柔らかい物が当たる。
「……饅頭? なんでこんなところに」
 銀色の雨に混ざって降ってきたのはまだ温かい饅頭。その直後、白蓮は息を飲んで回し蹴りを放つと、脚に直撃したのは手にある饅頭よりも遥かに硬く重い、まるで岩石のような感覚を思わせる饅頭の形をした何かだった。
 自分の資質に合い、かつて躍起になって覚えようとした白虎拳の上積みが無ければ、間違いなく頭部を砕かれていたところだろう。
「俺と一緒で天候を操れるのか。流石は仙人か」
 感心しつつも走り出す白蓮が向かう先には、戦場にも関わらず饅頭を美味しそうに頬張る少女の姿。
『これ、で、決める!』
 2人の姿が重なると同時に眩い雷撃が辺りを照らした。
「食事中に襲いかかるとは、礼儀知らずですね?」
「戦っている最中に呑気に食事をしている方がおかしいと思いますが?」
 雨が止み、日光が射し込む。銀色の水溜まりには白蓮の蹴りを羽扇で防ぐ諸葛果の姿が反射していた。

成功 🔵​🔵​🔴​

バルタン・ノーヴェ
POW
アドリブ連携歓迎

ふーむ。騙りか、《異門同胞》の影響にあるのか……。
わかりマセンガ、どちらにせよここで討ち果たすのがベストデスネ!
前者なら遠慮は不要、後者ならばその魂を解放するために。
参りマース!

これが噂の虎戦車でありますかな?
戦車内部に囚われていないなら、安心して破壊できマース!
諸葛果は後回しにして、瑞獣殿を救助しマショー。

滑走靴にて空中機動に入り、UC起動!
「六式武装展開、煙の番!」
煙幕を流しながら木獣兵器の頭上を乗り越えマース!
センサーの類が煙で誤魔化せられないとしても、距離が開いていれば受け流す猶予はありマース!
そのまま虎戦車の上に降り立ち、パイルバンカーでフィニッシュであります!



「ふーむ。騙りか、【異門同胞】の影響にあるのか……。わかりマセンガ、どちらにせよここで討ち果たすのがベストデスネ!」
 どれだけ敵対している者だろうが、忠誠心が湧き上がらせて自分の支配下に置く張角のユーベルコードに想いを馳せつつ、バルタン・ノーヴェ(雇われバトルサイボーグメイド・f30809)は自分の愛機の表面を布で拭い、決意を新たにする。
 前者なら遠慮は不要、後者ならばその魂を解放するために。
「参りマース!」
 滑走靴にて空中機動に入り、南蛮門へ全速力で向かっていると炎を吐きながら瑞獣を追いかける虎の毛皮を被った乗り物が奥に見えた。
「これが噂の虎戦車でありますかな? 戦車内部に囚われていないなら、安心して破壊できマース!」
 瑞獣の力を借りてない時の素の力がどれほどかは分からないが、瑞獣を解放しなければ勝負にならないのであれば諸葛果は後回しにしても良いだろう。
『六式武装展開、煙の番!』
 その手前にいる大量の石を背負った木獣兵器達を前にバルタンの右腕から大量の煙が噴き出す。
 センサーの類がないのか、そもそも投げる機構じゃなかったのか、濛々と立ち込める煙の中で木獣兵器は一切反応せず、バルタンの突破を許してしまった。
「受け流す覚悟も不要だったようデスね? それは僥倖!」
 悠々と虎戦車の上に飛び乗れたバルタンは外部に露出したパイルバンカーを振り上げた。
「フィニッシュであります!」
 腕の力と爆発による力が合わさりつつ放たれた鉄の杭が虎戦車の支柱をへし折る。
 毛皮越しに真っ二つになった虎戦車は火を吐く口を空に向ける形にひっくり返り、その機能を全て停止させた。
「ハーイ瑞獣殿、怖いトラさんは複雑骨折してお亡くなりになりマシタ! 早くここから逃げてくだサーイ!」
 その頃白蓮と激しく拳や脚をぶつけ合っていた諸葛果は自身の体の変調を鋭敏に感じ取っており、眉間に皺を寄せていた。
「むっ、力が落ちている……? まさか瑞獣どもの力の供給が滞り出したのか? いや、父と母が協力して作り上げた木獣兵器がそう簡単にやられるわけがない!」
 しかし両親に対する盲信が、そのまさかが起きてしまっていることに考えを至すことを妨げてしまった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ドゥルール・ブラッドティアーズ
共闘×
残虐描写×
SPD

守護霊を自身に憑依【ドーピング】して戦闘力を高め
『無情なる刻』で23.6秒の時止め。
虎戦車へと【ダッシュ】し【怪力】で持ち上げ
諸葛果の頭上に【投擲・乱れ撃ち】

そして時は動き出す

何が起こったのかも分からぬまま
降り注ぐ虎戦車の下敷きに……となる前に
無情なる刻の第2の能力・高速移動で諸葛果を救出

頭で考えるだけが全てじゃないのよ、可愛い子ちゃん。
心と体で感じて頂戴。私の愛を♥

虎戦車が無い事に気付いた瑞獣達が逃げて諸葛果は弱体化。
私もろとも【結界術・全力魔法】に閉じ込めて
逃走も饅頭の雨による抵抗も封じ【捕縛】の抱擁。
太ももから足の付け根まで愛撫しつつ
濃厚なキスで【慰め・生命力吸収】



『未来さえ、私には追いつけない』
 守護霊を自身に憑依することで戦闘力を高めたドゥルール・ブラッドティアーズ(狂愛の吸血姫・f10671)は【無情なる刻】で時間を止めると虎戦車の元へダッシュしては怪力で持ち上げ、諸葛果に向けてぶん投げ、また次の虎戦車へと走る。
 それを繰り返した結果、諸葛果の頭上へ大量の虎戦車が雪崩れ落ちようとしていた。
 太陽が遮られて出来た影に包まれた諸葛果はその存在に気づくと息を飲みながらも咄嗟に拳法の構えを取る。
 しかしその拳や蹴りが炸裂する前に諸葛果の体は横から突っ込んできた何かに攫われた。
「危ないところだったわね?」
 優しく抱き抱えながら告げたドゥルールには目もくれず、諸葛果は地面に叩きつけられて山となっていく虎戦車だった物の残骸を見つめていた。
 あれだけの虎戦車が無くなったら、足止めされていた瑞獣達は今頃何をしているか。
 そしてあれだけの虎戦車を一瞬で投げ飛ばせるだけの速さと力を持っているのは……!
「まさか、あなた!」
「頭で考えるだけが全てじゃないのよ、可愛い子ちゃん」
 その考えに至れた時、諸葛果はもうすでに取り返しのつかない状況に陥っていた。
 ドゥルールは自分もろとも諸葛果を結界の中に閉じ込めると、引き締まった太ももから足の付け根にかけて撫で始める。
「心と体で感じて頂戴。私の愛を♥」
 不意打ちで抱き抱えられた諸葛果に逃走する余地はなく、万が一腕から逃れられても饅頭の雨による横槍が入ってもどれもこれも結界が遮ってしまっている。
 目を見開き、なおも喚こうとする諸葛果の唇をドゥルールは濃厚な接吻で塞いだ。
 口が開いていたことを良いことにドゥルールは自分の舌を入れ、諸葛果の舌と絡めさせる。諸葛果は歯で強引に噛み切ることも出来たが、それをしたら間違いなく自分の舌も犠牲になってしまう故にくぐもった悲鳴をあげながら涙を浮かべて首を左右に振ることしか出来ない。
「嫌がらなくていいの。ただ溺れて、受け入れてくれれば……」
「ひっ……! い、いやだ、こんな、父や母に、顔向け出来ぬ……!」
 口を離し、恍惚の笑みを浮かべるドゥルールに本能的恐怖を覚えた諸葛果は全力で腕を伸ばしてその肩を押さえることでこれ以上の密着を避けようと足掻いた。

成功 🔵​🔵​🔴​

アメリア・ツァオ
石より硬い饅頭の雨か。それに虎戦車……。
できれば短期決戦で撃ち抜きたいところだが、その前に瑞獣たちを安全なところに逃がさねばならないな。安全そうな場所は戦いながら探すとしよう。
まずは、饅頭の雨の軌道を読みつつ、虎戦車の弱いところを【クイックドロウ】で撃ち抜いて無力化していこう。瑞獣たちが逃げられるようになったら【コミュ力】を以て安全な場所に逃げるよう促すよ。とりわけ、安全な場所を見つけたらそこに誘導していこう。
瑞獣たちが無事逃げたらこっちのものだ。【正確無比の一撃】で諸葛果を撃ち抜いてくれよう。動きを見切ったら、精一杯集中して引き金を引いてけりを付けるつもりだ。



 諸葛果の心の乱れを反映するかのように饅頭の形をした雨脚が強くなる。
「石より硬い饅頭の雨か。それに虎戦車……」
 地面にめり込むほどの威力を持つ饅頭の雨を物ともせず、瑞獣達を追い立てる虎戦車の姿にアメリア・ツァオ(心はいつも十七歳・f09854)は目を細めた。
 できれば短期決戦で撃ち抜きたいところだが、その前に瑞獣達を安全なところに逃がさねばならない。
「安全そうな場所は戦いながら探すとしよう」
 普通の雨宿りなら十分であったろう大木の枝が積もった饅頭の重さに堪え兼ねてへし折れる。それが真横に落ちたタイミングでアメリアは奇怪な雨天の元に飛び出した。
 質量がある故に風などに煽られ逸れることがめったにない饅頭の雨の軌道を読みつつ、アメリアは戦場を我が物顔で走る虎戦車の車軸を次々にクイックドロウで撃ち抜いていく。
 虎戦車は範囲内にいる瑞獣が外に出ないように動いているが他機が壊れた時にその穴を埋めようとしたり、音や声に反応して動きを変えたりするような柔軟な対応は出来ていない。
 車輪が音を立てて外れ、体勢を崩した虎戦車は頭から地面に突っ込んで止まった。銃口を地面につけてしまっては固定砲台の役目を果たすことすら出来ないだろう。
「瑞獣さん、こちらに来てください!」
 今までずっと走り続けていたのだろう、炎を纏った突撃から逃れたことに気づいて荒い息を吐きながら足を止めた瑞獣達へアメリアは大声で呼びかけた。
「……かたじけない!」
 さらに饅頭の雨は局地的な物、雲の範囲から出れさえすれば頭上を警戒する必要は無くなる。
 日光の元に飛び出した瑞獣達の後ろ姿を見送ったアメリアはドゥルールと揉み合っている諸葛果に視線と銃口を向ける。
 精一杯集中した末に引かれた正確無比の一撃は結界を貫き、諸葛果の脇腹に刺さる。諸葛果はその激痛に顔を歪めたが、結界の綻びとドゥルールの動揺を突いて逃げ出した。
 しかし先程の銃弾が致命的だったのか、諸葛果は呻き声を上げて足を止める。だがその目から光はまだ失われてない。
「ま、まだだ……。この程度で倒れたら、申し訳がたたぬ!」
 土に塗れた饅頭をおもむろに掴み取り一口で飲み込む。脇腹から流れ、道服を赤く染めていた血は止まっていた。

成功 🔵​🔵​🔴​

岩倉・鈴音
ンッフッフ♪伝説の軍師の娘だと。
まあよくわからんけどオヤジのようにワタシを走らせてみな!

木か。ならばUCは炎の魔王軍!
数と炎属性で木獣にそうこうげきを仕掛けていく。焼け〜焼き払ってやれ〜
魔王軍が引きつけてるそのスキに瑞獣の逃げ道確保だ。
瑞獣の解き放しには怪力によるマヒ攻撃の2回攻撃や吹き飛ばしで邪魔な虎戦車をつぎつぎ破壊していく。盾受けで身を守る。
炎耐性あれば虎戦車も猫車ヨオ!
瑞獣よ隙きあらば逃げろ〜

死んでも仲達走らせた諸葛亮の名に免じて走りながら倒してやる!
ダッシュしながら捨て身の貫通攻撃だ。



「ンッフッフ♪伝説の軍師の娘だと。まあよくわからんけどオヤジのようにワタシを走らせてみな!」
 岩倉・鈴音(【機械天使12番】JKハングマン・f09514)はそう叫ぶと天に向けて二本指を差す。すると後ろに控えていた、全身をメラメラと燃やす魔王軍が虎戦車を始めとする木獣兵器に総攻撃を仕掛けた。
 いくら口から炎を吐けどもその本体はあくまで木製。数、火力、共に優る魔王軍に勝てる道理は無い。火薬に火打ち石で発火させることで出来た火炎放射は、何倍も太い火柱に本体ごと飲まれた。
「焼け〜焼き払ってやれ〜。炎耐性あれば虎戦車も猫車ヨオ! 瑞獣よ隙あらば逃げろ〜」
 突っ込んできた虎戦車を膝蹴りで浮かせた鈴音はその懐に潜り込んで持ち上げると自分の背を逸らすことで豪快に地面に叩きつける。
 火薬を供給する機構か火打石が壊れたのか、ひっくり返った虎戦車は車輪を空回りさせるだけになった。
 跳ねるように起き上がった鈴音は諸葛果の姿を見つけると屈託のない笑みを浮かべる。
「死んでも仲達走らせた諸葛亮の名に免じて走りながら倒してやる!」
 孔明が陣中で死んだことで撤退し始めた蜀軍が、追い討ちを仕掛けようとしてきた仲達率いる魏軍に応戦しようと陣形を整えたところ、仲達が「孔明は釣り野伏せを狙っているのでは無いか」と深読みしてしまい、それ以上攻勢をかけることが出来なくなって撤退した……という故事を元にした言葉を叫びながら逃げる瑞獣の横をすり抜け、諸葛果の元へ突貫する。
 口の中に入った砂利を唾と一緒に吐いた諸葛果は逃げずに両脚を広げ、構えを取った。
「虎穴に入らずんば〜虎子を得ず〜!」
 走りながら振るわれた鈴音の拳は諸葛果の腕をへし折り、胸部に接触する。
 自分の力を過信し過ぎたのか、逃げ出した瑞獣の数が予想を超え過ぎていたのか、一瞬の間を置いた後、諸葛果の体は弾丸ライナーで打ち上げられた。
「た〜まや〜、ってか? 爆発はしないだろうけど!」
 諸葛果の姿は空に消えると、そのまま戻ってくることは無かった。放物線を描いて全く別の場所に落ちたのか、空中で骸の海に帰ったのか。
 そもそも彼女が本当に孔明の血を継いでいるかどうかも分からぬまま南蛮門と瑞獣を巡る一つの戦いは終わりを遂げたのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2022年01月11日


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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は向・存です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト