殲神封神大戦④〜その敵を撃て!
「あけましておめでとう! 今年も宜しくな!」
グリモアベースの片隅で新年のあいさつをする海老名・轟(轟く流星・f13159)。
小ぶりの門松と鏡餅が愛車のタンクにちょこんと乗っており、気分はお正月といったところだが、そんな気分も周囲をみればほんの一角でしか過ぎない。
もちろん、轟もそれは重々承知。
「お年玉はないが、その代わりに封神武侠界まで行ってきてもらいたいんだがな」
その声に猟兵たちは身を引き締める。
「封神武侠界では、かつて黄巾党を率いて人界を混乱に陥れ、仙界の至宝『封神台』を破壊した張本人である大賢良師『張角』が、恐るべきユーベルコード『異門同胞』を携え、オブリビオン・フォーミュラとして蘇ったようだ」
『あらゆるオブリビオンを、自らの支配下に置くこと』を効果とした異門同胞を使って張角は己よりも遥かに強大なオブリビオン――伝説の武将や古代の神々を従え、封神武侠界にカタストロフを発生させようとしているのだ。
「せっかくの正月休みの最中だが、カタストロフを防ぎ、ついでに張角もぶっ潰す為に力を貸してくれ」
頷く猟兵達を目に、轟は資料をめくり説明を始めた。
場所は人界南部有数の大都市。南方の『香港租界』から、コンキスタドールの大群が押し寄せている。
「銃器や義手砲といったコンキスタドールの武装を身に着けた下級オブリビオンが、街中でそれらを撃ちまくって暴れているってハナシだ。面倒だがこっちも遠距離攻撃で対抗すればいいだけだしな」
要は撃ち合いを制すればいいというだけの事。
「どんな面倒な相手だろうと、お前達なら問題ないだろ?」
にっと笑う轟の背には、既に展開されたグリモアキューブによって大都市の風景が映し出されていた。
そんな風景を背に轟は猟兵達を送り出す。
「さあ新しい一年の幕開けだ、ドーンといってバーッと敵を蹴散らして来い。頼んだぞ!」
カンナミユ
あけましておめでとうございます、カンナミユです。
新年一発目は戦争シナリオになります。
寅年に虎。にゃーん。
このシナリオには支援とプレイングボーナスがあります。
プレイングボーナス……敵の射撃や砲撃に遠距離攻撃で対抗する。
それではよろしくお願いします。
第1章 集団戦
『虎』
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POW : 虎視眈眈
予め【敵を睨みつけて唸る】事で、その時間に応じて戦闘力を増強する。ただし動きが見破られやすくなる為当てにくい。
SPD : 猛虎幻翼
空中をレベル回まで蹴ってジャンプできる。
WIZ : 三回攻撃
【爪・爪・牙の連続攻撃】が命中した対象を捕縛し、ユーベルコードを封じる。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
👑11
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大豪傑・麗刃
やれやれ。
虎狩りといえば古来よりの武人の誉れ。しかしこうして飛び道具に頼る虎などエレガントのかけらもないのだ。わたしは動物メカのプラモは四足歩行より二足歩行派なのだ。
さて銃の弱点は、無差別に狙うとか近くの敵を撃つには便利だが、遠くの小さい的を正確に狙うにはかなりの熟練がいるというのがある。
なのでむちゃくちゃ遠くに隠れ、ゴーグルで視力を増やした上でスナイピングする。わたしは剣士だが一応種子島も使えるのだ。わたしの銃は当たり相手の銃は当たらない、たぶん。
ついでに隠れる事で相手の睨みつけも封じるので達人の智慧が発動する、はず。たぶん。
次は飛び道具に頼らず正々堂々その爪牙でがんばってほしいものなのだ。
楊・宵雪
「遠距離攻撃…ね。がんばってみるわ
戦場に障害物があるなら隠れて狙撃がいいだろうけれど
そういうものがない場合や敵に見つかった場合は[空中浮遊]でお空に逃げるわ
[レーザー射撃]で応戦
[オーラ防御]で耐えながら敵の射程や攻撃の軌道をよく見ておく
連続攻撃3段ヒットはどうしても避けたい
UCは狐火をドーム状に配置して内部に敵を閉じ込めるようにして確実に当てる
鳴上・冬季
「銃器、ですか。ならばまあ、射程は同じくらいでしょう。そこそこ良い勝負はできるかと思いますね」
嗤う
「出でよ、黄巾力士火行軍!敵を鏖殺せよ!」
召喚した116体を4隊に編成
隊内の内訳は
砲頭から制圧射撃する10体
砲頭から火炎弾で鎧無視・無差別攻撃する10体
上記をオーラ防御で守る9体
4隊の2隊を横から回り込ませ2隊は正面から敵と激突
自分は風火輪
普段から護衛に連れ歩いている黄巾力士は飛来椅で空中から戦局俯瞰
自分への攻撃は黄巾力士にオーラ防御で庇わせ、その間に竜脈使い全黄巾力士の継戦能力底上げ
戦況見ながらたまに雷公鞭振るい仙術で上空から敵に雷撃加えたりもする
「蹂躙推奨とは、久しぶりに良い依頼でした」
嗤う
御堂・絢瀬
お年玉は配る側だ……銃弾だがな。
ラピッドシューターを使い、オートマチックピストルとクロノストリガーから狙い澄ました弾丸をばら撒くように次々と吐き出す。
狙いも正確な上に的も多い。この上無く有用に働くだろうさ。
めでたい新年、景気良く吐き出そうじゃないか。私もその方が気持ちいいしな。
エドゥアルト・ルーデル
犬じゃないけど背中に砲でも背負ってるのこの虎共?
ああ虎戦車ってそういう…
撃ち合いすっか、唸ってる内に先制攻撃しようぜ!周りに精製した【!】を浮かべて…なに!って何かって?
!は!でござるよ、電脳魔術的なアレコレで作ったやつでござる
虎の群れ目掛けて電脳魔術的なアレでベクトルを加えた!を水平発射!うおすっげ…射線上の虎がエライことに
初速がやばいからネ、88mm砲よりずっとはやーい!
よし次は【・】の端を狙ってビリヤードのように隠れた敵も狙い撃ち…何?・はなんだって?ついてるでござろう!の下の方に!
分離して戦場に残留してるんでござるな、相手の砲撃に対して障害物になっていい感じですぞ!攻撃にも使えるしネ
グリモアキューブによって転送された大都市では、コンキスタドールの武装を身に着けた下級オブリビオン達が暴れまわっていた。
銃火器によって建物は崩落し、その音は猟兵達の耳に嫌というほど聞こえてくる。
――人々の悲鳴もまた、聞こえてくる。
「やれやれ」
大豪傑・麗刃(23歳児・f01156)は響く咆哮を耳にため息交じりに呟いた。
猟兵達の視界の先にあるのは――虎。
全てを切り裂く獰猛な爪に、あらゆるものをかみ砕く鋭利な牙。それらを備え持つというのに、虎の姿をした下級オブリビオンには飛び道具である重火器類が装備されている。
「虎狩りといえば古来よりの武人の誉れ。しかしこうして飛び道具に頼る虎などエレガントのかけらもないのだ。わたしは動物メカのプラモは四足歩行より二足歩行派なのだ」
肩を落とす麗刃だが、エレガントだろうとなかろうと、あれは倒すべきオブリビオン。
「銃器、ですか。ならばまあ、射程は同じくらいでしょう。そこそこ良い勝負はできるかと思いますね」
「遠距離攻撃……ね。がんばってみるわ」
鳴上・冬季(野狐上がりの妖仙・f32734)は嗤い、楊・宵雪(狐狸精(フーリーチン)・f05725)の尾は風に揺れる。
説明で聞いた話では、あのオブリビオン達は遠距離攻撃を行ってくるというが。
「犬じゃないけど背中に砲でも背負ってるのこの虎共? ああ虎戦車ってそういう……」
エドゥアルト・ルーデル(黒ヒゲ・f10354)一人納得したように頷いた。
目には目を、歯には歯を、遠距離攻撃には、遠距離攻撃で。
「お年玉は配る側だ……銃弾だがな」
御堂・絢瀬(ディレッタント・f15634)は眼鏡の奥の瞳で討つべき敵を鋭く睨み、新たな年の新たな戦いの中へと飛び込んでいく。
仲間達もそれに続き、銃弾と咆哮が飛び交う中へと向かっていった。
「グルル……ルル……」
「グルアアァァ!!」
唸る虎たちはエドゥアルトに攻撃する気満々だった。
「撃ち合いすっか、唸ってる内に先制攻撃しようぜ!」
そんなエドゥアルトの周りにはいつの間にかビックリマーク、そう『!』がいくつも転がっているではないか。
え。これなんですか?
「周りに精製した【!】を浮かべて……なに、【!】って何かって? 【!】は【!】でござるよ、電脳魔術的なアレコレで作ったやつでござる」
ぽぽぽんと浮かんだビックリマーク、正確には感嘆符なのだが、それについて説明してくれるエドゥアルトだが、やっぱり良くわからない。
説明された通り、電脳魔術的なアレコレなのだろう、多分。
「虎の群れ目掛けて電脳魔術的なアレでベクトルを加えた【!】を水平発射!」
ずどどーん! ギャアアアァァア!!!
「うおすっげ……射線上の虎がエライことに」
手をかざして遠くを見れば、こちらに攻撃しようとしていた虎達はエドゥアルトの言通り『エライこと』になっていた。
いや、あれ、ちょっと威力やばくないですか?
「初速がやばいからネ、88mm砲よりずっとはやーい!」
な、なるほどね?
「よし次は【・】の端を狙ってビリヤードのように隠れた敵も狙い撃ち……何? 【・】はなんだって? ついてるでござろう【!】の下の方に!」
新たなオブリビオンの攻撃を受けつつも拳を握るエドゥアルトは力説した。
「分離して戦場に残留してるんでござるな、相手の砲撃に対して障害物になっていい感じですぞ! 攻撃にも使えるしネ」
ビックリマーク有能すぎる。
そんなすさまじい攻撃の様子を麗刃は遠くから見ていた。
銃の弱点は、無差別に狙うとか近くの敵を撃つには便利だが、遠くの小さい的を正確に狙うにはかなりの熟練がいるというのがある。
放たれる銃弾の中、麗刃はむちゃくちゃ遠くに隠れていた。
めっちゃ距離を取れば、こちらを狙う事は難しいと考えたのだ。ついでに隠れてしまえば虎の睨みも届かない筈である。
物陰に隠れ、視力を増やした麗刃の手には種子島。剣士ではあるが、銃火器だってしっかり扱える。
ばがんっ!
おそらく大雑把に狙ったのだろう弾丸は届かず、麗刃のはるか上に命中した。
「――よし、弱点は照明できたのだ」
装備したゴーグルのずれを直し、麗刃は物陰から種子島を構え、狙う。
「グルオォオオッ!!」
視力を増やした上でのスナイプに虎は吼えるが、守護明神によって能力は封じられている。新たに装填した弾丸が放たると、遠方の虎はどしゃりと崩れ落ちるのが見えた。
先ずは一体。だが、敵の数はまだ多い。
「一度は弱点を証明できたのだから、次も証明できるのだ」
距離をおき、身を隠し、新たな敵の弱点を証明する。
「あとは撃つだけなのだ!」
「ギャアァアア!!」
「グアアアァッ!!」
引き金を引き、射撃音が響き、オブリビオンは倒れていく。
「次は飛び道具に頼らず正々堂々その爪牙でがんばってほしいものなのだ」
次の攻撃に備えて準備をしているとゴーグルから見えた敵の攻撃が仲間に向いているのが見えた。
「危ないのだ!」
その声に宵雪は慌てて空へと飛びあがった。
あぶり出す為だろうか遠くからの射撃が偶然、宵雪が隠れていた場所を狙ったのだ。
「グルアァァッ!!」
放たれる攻撃の軌道をしっかり見極め、攻撃の間を縫い躱していると女仙めがけて新たな攻撃が放たれた。
「グルォオォオオ!!」
「っ、!」
展開させたオーラで攻撃を耐え、レーザーで応戦するとその音に気付いたのか別のオブリビオン達も宵雪へ一斉に攻撃を放ちだした。
数多い攻撃に宵雪は身構え、更なるオーラを展開。
ドドドドド……!
もうもうと上がる黒煙は風に流れ、宵雪は晴れた視界の中で眉を寄せる。
よかった、なんとか防御で耐えきる事ができた。
「ガァア!!」
「オオオォォッ!!」
オブリビオン達は射撃を止めるつもりはないらしい。更なる攻撃を加えようと宵雪へと襲い掛かった。
「しつこいわね」
防御を展開しつつ敵の射程や攻撃の軌道をよく見て建物の陰に隠れ、
「いくよっ!」
放った狐火はドーム型に配置し、オブリビオン達を内部に敵を閉じ込めるようにして確実に当てるよう展開させる。
「さっきのお返しよ」
「ギャアアァア!!」
「グアアァ!!」
外す事のないよう考えられた宵雪の攻撃にオブリビオンはひとたまりもない。断末魔を上げ、焼き消えていく。
「まだよ」
新たな敵を狐火で包み込んでいく中、ふと見ると絢瀬の姿が目に留まった。
余裕さえうかがえる絢瀬の手には何も握られてはいない――。
「オオオォオオオオ!!」
「ガァアアア!!」
オブリビオン達はここぞとばかりに弾丸を放つ。だが、絢瀬の表情は変わらなかった。
だが。
「下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる……なら、下手で無ければ言わずもがなさ」
次の瞬間に放たれたそれは、目にも留まらぬ早業であった。
何もなかったはずの両手には精霊の拳銃にオートマチックピストル。二丁の銃から絶え間なく、正確無比な弾丸が一斉にばらまかれたのだ。
狙いも正確な上に的も多い。この上無く有用に働くだろう。
かんかんと薬きょうが絶え間なく硬い地に落ち音を奏で、
「ギャアアアァァア!!」
「グルォアアァァァア!!」
オブリビオンの絶命が響き渡る。
先ずは数体を倒したが、それに気づいた他のオブリビオンの銃弾がこちらへ迫って来る。だが、その攻撃を絢瀬はものともしない。
たんと地を蹴り、髪が揺れ、弾丸の雨を駆け抜け――、
「そこだ」
銃口から放たれた無慈悲なそれは、新たな悲鳴を響かせる。
「めでたい新年、景気良く吐き出そうじゃないか。私もその方が気持ちいいしな」
左右の銃から放たれる、景気の良い銃弾。
ちらと見れば、
「出でよ、黄巾力士火行軍! 敵を鏖殺せよ!」
冬季の令に応じるかの如く、彼の前には召喚された黄巾力士が軍隊のようにずらりと並んでいた。
その数、116体。
ただその数は召喚しただけではない。4隊に編成したそれらは冬季の命に従い、行動を開始する。
「グルル……オオオオオ!!」
「ガアァア!!」
「グオオオオォォォ!!」
召喚した黄巾力士の数にオブリビオン達は冬季たちを倒すべく、大群で襲い掛かった。
だが、すべては冬季の策の中。
4隊にそれぞれ割り振られた9体がオーラ防御で防ぎ、冬季もまた黄巾力士にオーラ防御で庇わせている。
豪雨のごとく降りかかる数多の攻撃をすべて防げば、今度はこちらが攻撃へと転ずる番である。
4隊の内の2隊が回り込み、残りの2隊が正面から敵と激突をする。
その攻撃も各隊に砲頭から制圧射撃する10体、砲頭から火炎弾で鎧無視・無差別攻撃する10体の攻撃にはオブリビオン達もひとたまりもないようだ。
さらに追い打ちをかけるように冬季が宝貝・風火輪をもって攻撃を叩き込み、雷公鞭振るっては仙術で上空から敵に雷撃加えたりもした。
迅雷公の名は伊達ではない。その雷に数多のオブリビオンは絶命していった。
数多――いや、蹂躙しきったといっても過言ではない。
「蹂躙推奨とは、久しぶりに良い依頼でした」
雷は消え、迅雷公は嗤う。
咆哮は消え、銃声も消え、猟兵達の活躍によってオブリビオンは全滅した。
猟兵達は次なる戦いを求め、グリモアベースへと戻っていくのだった。
大成功
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