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殲神封神大戦②〜獣聚鳥散

#封神武侠界 #殲神封神大戦 #殲神封神大戦② #司馬炎


●開戦
 その軍に、規律など無かった。
 無秩序に群れ、無秩序に広がる。
 軍略も戦術も、戦に求められる何もかもがその軍には存在していなかった。

 ただ一つ。
「蠱雕(こちょう)だ、蠱雕が出たぞぉ!」
「なんだあの数……! あれをどう抑えきれば!?」
 暴力的なまでの数。
 単純にしてどうにもならない脅威が、その鳥の『群』には存在していた。

●グリモアベースにて
「あけましておめでとうございます。新年早々申し訳ないのですが……ええ、オブリビオン・フォーミュラが現れました」
 人狼のグリモア猟兵から語られるその言葉。
 世界の命運をかけた戦争が始まると知った猟兵たちの表情が一気に引き締まる。
「今回の戦争、殲神封神大戦の舞台となるのは封神武侠界。フォーミュラである大賢良師『張角』と彼すら上回るオブリビオン達を相手に、人界と仙界での戦いが行われるでしょう」
 とはいえ、当然ながら敵も無策ではないし、いきなり張角を討ち取ることはできないだろう。
 一歩一歩、足元を固めながら攻め進んでいく必要があるのだ。

「まず皆さんには、洛陽の都の西方にある樊城の戦いに合流して、皇帝『司馬炎』の軍勢を助けていただきたいのです」
 樊城では既に、皇帝軍と押し寄せるオブリビオンの大群による決戦が始まっている。
 オブリビオンに特筆して強力な個体はいないのだが、とにかく絶え間なく大量の敵が襲いかかってくるため、放っておけば皇帝軍とて長くは持たないだろう。
「勿論皆さんに求めるのは敵の打倒ですが、今回は数がとにかく多くて……此方が城を抑えている防衛戦ですし、兵士たちと協力してなるべく長時間敵を抑えてほしいのです」
 言い方を変えれば、勝つことよりも負けないことが重要となる戦場だ。
 単純に敵を減らすのは勿論、陣地の構築や戦力の強化・回復など、兵士たちをサポートする形でも貢献はできるだろう。
「とにもかくにも、いきなり躓くわけにはいきません。猟兵ならば後れを取る相手ではありませんが、決して油断はされぬよう……」
 そう、締めくくりの言葉を言ってから、グリモア猟兵の手からグリモアの光が溢れ出す。
 その光が導くのは、人と怪物の雄たけびがぶつかり合う決戦場。
 一つの、いや、人界と仙界という二つの世界の命運をかけた戦いが、今始まろうとしていた。


北辰
 猟兵がいなければ世界は滅びる。元旦でも猟兵に休みなどないのです。
 正直びっくりしました。北辰です。

 さて、殲神封神大戦の戦争シナリオをお届けします。
 このシナリオでの戦いは『樊城の戦い』。
 大量の兵士と大量のオブリビオンがぶつかり合う中、皆様のお力をお貸しいただきます。
 ちなみにここでの樊城とは、『樊城という地域にある、樊城という名前のお城』の事を指しているそうですよ。

 プレイングボーナスは下記の通りとなっています。
 =============================
 プレイングボーナス……司馬炎の兵士達と協力し、なるべく長時間敵と戦う。
 =============================
 とにかく大量のオブリビオンが絶え間なく攻め寄せる為、いかに長くその猛攻を捌けるかが重要です。
 とはいえこちらも多くの兵士が味方についておりますので、上手くその戦力を活かしてあげてください。

 それでは、大賢良師『張角』率いるオブリビオンとの戦争。
 その初戦を勝利で飾るための、皆様のプレイングをお待ちしております。
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第1章 集団戦 『蠱雕』

POW   :    人喰い
戦闘中に食べた【人肉】の量と質に応じて【さらに狂暴化し】、戦闘力が増加する。戦闘終了後解除される。
SPD   :    強襲
【角】か【牙】か【爪】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
WIZ   :    飢餓増大
【飢餓】の感情を爆発させる事により、感情の強さに比例して、自身の身体サイズと戦闘能力が増大する。
👑11
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劉・涼鈴
やらせるかあああ!!

兵士が食べられそうになってるところに、全力疾走(ダッシュ)で飛び込む!
覇王方天戟で蠱雕をぶん殴って救出だ!
援軍に来たよ!!

蠱雕を睨みながら、劉家の旗を立てる!
私は涼鈴! 劉・涼鈴! 劉家拳――【劉山泊之後継者】だ!
私のいる戦場に負けは無し!! 兵士ども!! 【気合い】を入れろッ!!

【大声】の【パフォーマンス】で兵士を【鼓舞】し、蠱雕への恐怖を克服させて、「この地を護る」という意思の統一で強化!

弓兵! 撃て撃て撃て撃てー!!
槍兵! 私に付いて来い!! 突撃ぃぃいいい!!

弓で落ちてきた蠱雕だけを狙い、滅多刺しにして撤退!
陣形を組みなおしてまた弓の斉射、を繰り返す!


トリテレイア・ゼロナイン
あの物量……皆様、樊城の兵の力も十全に活かさねば守り切るのは難しいでしょう
これをお渡しします

兵士達…主にそれを統率する部隊毎の指揮官達にUC通信機配布

これで皆様の直面する戦況を私が把握し、全体にとって最適な指示を伝令や狼煙より速く送る事が可能となります

攻撃する箇所や、矢の補充や休息が済んだ部隊との交代タイミング
劣勢の箇所に対する援護の指示を行い兵士達の消耗を抑えつつ、同時並行で自身も前線に繰り出し敵を迎撃

樊城の広い戦場を機械馬で駆け、馬上槍機関砲や格納銃器で敵軍●蹂躙
『最も使い勝手の良い強力な駒』として己を運用

皇帝自ら出陣なされた今、我らが続かずして何とする!
その威光示す為、各々方、奮起せよ!



●軍の戦い
「キエエエエェッ!!」
「う、うわぁ!? 離せぇ!!」
 蠱雕の恐れるべき点として、通常の鳥とは比べ物にならぬ体躯の大きさと、それに見合う膂力にあった。
 兵士として鍛えられ鎧を身に纏った皇帝軍は皆それなりの体重を持つのだが、このオブリビオンは大きな羽を羽ばたかせて、容易く空へと連れ去ってしまうのだ。
 こうなってしまうと、周りの兵士たちにはどうにも手が出ない。
 勿論、弓矢等の空中の敵を攻撃する武器も用意してはいるのだが、一歩間違えれば捕まった仲間を自分で射殺してしまう状況下で冷静に対処できる者などそうはいない。
 故に捕まった兵士を助ける手立てはなく、空中でそのまま喰われるか、地面に叩きつけられ身体が無残に弾け飛ぶのをただ見るばかり……。
「――やらせるかあああ!!」
 そんな絶望を切り裂くかのように、叫びと共に少女は跳んだ。
 超人的な身体能力で一息にオブリビオンへと肉薄した彼女は、手に持った方天戟を一閃し怪鳥の首を撥ね飛ばす。
 当然、脱力したオブリビオンの骸と共に放り出される兵士であるが、もう片方の腕でその身体を抱きかかえた少女によって、無傷で地上に生還するのだ。
 見事兵士を救出した少女の登場に、周囲の兵士にどよめきが広がる。
 牛の角を有する少女が掲げる旗はその身が修めた武の証明。
 無限とすら思えるオブリビオンを前にして皇帝軍が信じ戦った、猟兵の証だ。
「私は涼鈴! 劉・涼鈴(鉄拳公主・f08865)! 劉家拳――劉山泊之後継者だ!」
「私のいる戦場に負けは無し!! 兵士ども!! 気合いを入れろッ!!」
 その叫びこそ、兵士たちが何よりも待ち望んだもの。
 空を覆うオブリビオンに今こそ反撃の時と、兵士たちの雄たけびは地を揺るがすのであった。

『私のいる戦場に負けは無し!!』
「おお、これは……!」
「この通り、私以外にも多くの猟兵がこの戦場に来ています。鼓舞ではなく事実として、この戦いは勝てる戦です」
 他方、涼鈴が合流したとは反対側に位置する防衛隊にて。
 ユーベルコードによる通信機によって、友軍の反撃を報せるのはトリテレイア・ゼロナイン(「誰かの為」の機械騎士・f04141)だ。
 既に配り終えた通信機はトリテレイア自身が戦況を把握し、情報面での支援に利用するつもりだったが、他の猟兵の参戦によって、士気の面でも大きな効果を持つようになっていた。
「さあ、オブリビオンは暫く涼鈴様のいる部隊に注意を引かれるでしょう。今ならば我らも前進して、敵の側面を突くことができます」
「承知した! 者ども、我らはこれより西方、怪鳥の側面に向け前進する! 友軍に食いついてる連中の横っ腹に矢を突き立ててやれ! ……これはまた、なんとも便利な!」
 本来ならば狼煙か、意図まで伝えるとなれば伝令を馬に乗せて走らせなければならない軍単位の情報共有が、トリテレイアの支援により一瞬で完了してしまう。
 馬や矢に不足は無いか、補充にはどれ程の時間を要するか。
 そういった各部隊の状況もすぐにわかるので、迅速ながらも無理のない進軍が可能となり、その事実は兵士たちの心を明るくして前進する背を後押ししてくれるのだ。

「む、味方がこっちに来てるね! 今が反撃の時、この地を守るぞー!」
 トリテレイアの支援を受け布陣した味方部隊を見て、涼鈴も声を張り上げる。
 その叫びに共感し、鼓舞される兵士たちは勇ましく矢を放ち、複数の方面から十字砲火のように攻撃を受けた蠱雕たちは次々に地へと落ちていく。
「そろそろ涼鈴様たちが突撃しますね。矢は一度ストップして、弓兵は装備の点検と補充をお願いします」
「槍兵! 私に付いて来い!! 突撃ぃぃいいい!!」
 再びトリテレイアにより迅速な攻撃停止の令が伝われば、間髪入れずに涼鈴率いる槍兵が突撃を開始する。
 人外のオブリビオンといえども、地に落ち藻掻いているところを複数でめった刺しにされてはひとたまりもない。
 猟兵の力を借りた兵士はどんどんオブリビオンの数を減らしていく……が、一方で矢の雨をかいくぐった敵も一定数残っている。
 その蠱雕たちも人間の反撃に怒りを覚え、仲間に群がる兵士目掛けての急降下の強襲を試みる。
「う、数が多いね……!」
 勿論、涼鈴の近くにいる兵士は彼女の手によって守られるが、広い戦場の中では彼女の手が届かない味方も当然存在した。

「トリテレイアさん、そっちお願い!」
「お任せをっ!」
 だが、この場の猟兵は彼女一人ではない。
 それまで情報支援に徹していたトリテレイアが機械馬にまたがれば、鳥と人が跋扈する戦場を猛スピードで走っていく。
 勢いに任せて振り回される馬上槍や撃ちだされる銃弾の数々は、蠱雕に致命傷を負わせるものもあれば怯ませるに留まるものもあり、効果はそれなりだ。
「皇帝自ら出陣なされた今、我らが続かずして何とする! その威光示す為、各々方、奮起せよ!」
 だが、凄まじい速度で戦場を駆ける鋼鉄の騎士の存在は蠱雕たちにとっても警戒に値するものであり、兵士たちに襲いかかろうとした敵は空中に留まらざるを得なくなる。
 その援護と堂々とした叫びに鼓舞される兵士たちは更に勢いづき、次々にオブリビオンを討ち取っていく。

「よーし、撤退だぁー!」
「殿は我らで引き受けます!」
 かくして、一通りの攻撃を終え撤退していく皇帝軍に人的な損耗は殆ど無く。
 樊城防衛という長期戦において、格別の戦果を挙げて後退していくのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

源波・善老斎
封神台を破りし者どもが遂に動き出しおったか。
我が行善天拳の道が続く限り、奴らの好きにはさせんぞい!

敵は翼はあれど、飛び道具は持っておらぬようじゃ。
皆の者、長槍か弓を持てい!密集陣形じゃ!
槍兵が密集し針鼠の如く長槍を構えれば、奴らとて容易には近付けまい。
その陣の内からならば、弓兵は安全に矢を射掛けられるという算段じゃ。
我輩も槍を【足場】に跳躍し、【功夫】で敵を叩き落すぞい。

しかし長丁場になれば疲れも見えよう。
ならば、昂き声もて復び利しとなさん……行善天拳奥義が一、【復利昂声】!
「民なくして国なし……この戦争に勝ったとて、おぬしらが生き残らねば何とする!
 無事生き抜いた暁には、大宴会といこうぞ!」


ギージスレーヴ・メーベルナッハ
よもや新年を迎えて初日を拝むより先に戦の報せとはな。
まあ良い。
黄昏大隊、封神武侠界のカタストロフを阻止すべく出撃である。

此度の戦は防衛戦か。
なれば被害抑制と戦線維持が優先事項となろう。

黄昏大隊・歩兵部隊発動。
友軍たる司馬炎配下の軍勢と共に防衛線を形成する。
直接指揮するのは自ら呼んだ歩兵部隊のみ。友軍には、大物は此方で引き受ける旨だけ伝えておく。

余は戦況把握と歩兵部隊の指揮に努める。
現れた敵の挙動を見極め、仕掛けてくる敵を優先的に攻撃するよう指示。
その間も後続の敵の挙動に警戒、波状攻撃にも対処できるよう戦力を配分。
ユーベルコードで巨大化した敵へは最優先で対処する。
必要なら余も魔導小銃で攻撃参加。



●総力戦
 猟兵の参戦により、大いに勢いを増し蠱雕を圧倒する皇帝軍。
 だが戦いはまだ始まったばかり。倒しても倒しても、オブリビオンは次々に現れ襲いかかってくるのだ。
「クキキ……キエエエ!!」
「くそっ、コイツもデカくなりやがったぞ、下がれ下がれー!」
 特に厄介なのは、蠱雕の中でもとりわけ飢えた個体たちである。
 自身の飢餓の強さによって身体の大きさを増し、戦闘能力をも強化するユーベルコード。
 勿論、それで無敵になるという訳ではないし、勝ち目がなくなるという事は無いのだが、十の矢を突き立てれば落ちていた敵に二十、三十も必要となれば、それだけ皇帝軍の消耗速度は増していく。
 その巨大オブリビオンを中心に上空から強襲してくる蠱雕はやはり恐ろしく、折角得た皇帝軍の優位を再び覆さんというばかりであった。

「皆の者、長槍か弓を持てい! 密集陣形じゃ!」
 だが、これは戦争だ。
 敵が戦力を増やすというなら、世界を守る人類の側にも援軍が存在する。
 勇ましい檄を飛ばしながら現れたのは、豊かな髭を蓄えた源波・善老斎(皓老匠・f32800)。
 小柄なケットシーから発せられる功夫の重みを持った言葉は戦場に大きく響き、巨大怪鳥に動揺していた皇帝軍にもいくらかの冷静さが戻る。
「図体ばかり誇る獣に臆するな! 大物は此方で引き受ける!」
 そして、皇帝軍を襲うオブリビオンに浴びせられる鉛玉の嵐と共に、今度は女の叫びが聞こえてくる。
 顔の見えない亡霊兵士、百に迫ろうかという部隊と共に現れたギージスレーヴ・メーベルナッハ(AlleineBataillon・f21866)が皇帝軍の防衛戦に加わると、軍全体の士気はますます上がっていく。
 封神武侠界において分かりやすい武の極みである拳法の達人と、これまた視覚的に戦力がわかりやすい異郷の幽霊部隊。
 二つの心強い援軍を得た皇帝軍は、再び気勢をあげてオブリビオンを迎え撃つ。

 先に触れた、巨大化ユーベルコードを扱う蠱雕たち。
 その相手をするのは、宣言通りギージスレーヴ率いる歩兵部隊だ。
「よもや新年を迎えて、初日を拝むより先に戦の報せとはな」
 どこか呆れた調子でぼやく首領の眼前で、アサルトライフルによる圧倒的な弾幕に晒されたオブリビオンが次々と地に堕ちていく。
「半数はそのまま射撃を継続。残りは右舷方向に照準、巨大化の兆候を示している個体がいるぞ」
 その圧倒的戦果を支える要因の一つは、勿論ギージスレーヴ本人だ。
 一歩下がった位置取りで戦況の把握に専念する彼女の指示は実に迅速であり、時には巨大化を行おうとしている個体を事前に察知し、脅威となる前に銃撃で沈めてしまう。
 そして、もう一つ。この歩兵部隊がここまで怪鳥を屠ることができている理由。
「む、あの高高度は銃撃の効果も薄いな……そちらに二羽来るぞっ!」
「心得た!」
 手が出ない相手はさっさと見切りをつけ、歩兵部隊のさらに後方へと注意を飛ばす。
 槍を上方に構えハリネズミのようになった皇帝軍の中からそれに応えるのは、当然善老斎である。
「では、頭上改め槍上を失礼するぞ、各々方!」
 小柄な体躯を活かし、兵士たちの構える槍を足場に跳躍する善老斎がひらりとオブリビオンの眼前に現れる。
 無論、ここは蠱雕にとって有利な場。翼を持たぬケットシーが空中で身動きを取るのは容易ではないし、拳一つ振るうにしても大地という足場が無い空の中では威力も半減以下となるのだ。
 だがそれも、常人であればの話。
「お前の真下に居るのは吾輩たちの仲間でな……退いてもらおうか!」
 功夫を練り上げた掌底が、オブリビオンの巨体を穿つ。
 巨人の張り手でも受けたような勢いで吹き飛ぶ蠱雕は味方をも巻き込み、そのまま自分たちが来た群れの方角へと吹き飛ばされてしまう。

「良い動きだ。貴殿と私の分担で、もう暫くは押し返せそうだな」
「うむ、そちらの部隊もありがたい限りじゃ。じゃが、やはり長丁場になるのう……」
 そのまま軽やかに着地した善老斎にギージスレーヴがニヤリと笑みを向ける。
 それに頷きしばし考えた後、掌底の勢いで離れてしまった皇帝軍へと善老斎が声を張り上げる。
「民なくして国なし……この戦争に勝ったとて、おぬしらが生き残らねば何とする! 無事生き抜いた暁には、大宴会といこうぞ!」
 あるいは、その言葉こそ一番の援軍か。
 護国の兵士と言えども、戦いの後の褒美というのは甘美なもので、今日一番の雄たけびが皇帝軍から巻き起こる。
「なるほど、効果的だな……しかし良いのか? そのような約束をして」
「心配は無用じゃ、戦友に奢る程度の甲斐性はあるからのう!」
 もう一度、ギージスレーヴへと笑みを向けた後。
 善老斎は再び跳躍し、皇帝軍の側へと合流していくのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

神塚・深雪
シェルリード・カミツカ(f35465/呼称:シェル)と、一緒に
アドリブ、絡みは遠慮なく

新年に!戦争だなんて!!
無粋にもほどがありますっ

……でも、年始旅行と考えたら……それはそれで?
なんて、思ったらダメですか?

(※パートナーと一緒なのでやや浮かれて気味なところもありますが、ちゃんとしないといけないところは弁えてます)

UCで、攻撃もしつつ、兵士の皆さんの回復もします。
両用できるので!
とはいえ、なるべく倒したいところです。
討ち漏らしは、兵士の皆さんにも対応お願いします。
「さあ、どんどんいきますよー!」

私たちが頑張っていることで、
皆さんの戦意高揚になれるように立ち回りたいところですよね。


シェルリード・カミツカ
神塚・深雪(f35465/呼称:雪)と共に
他猟兵との絡み、アドリブ歓迎

……ったく。新年から別世界で戦争とは。
まあ、大分物騒な休暇旅行と割り切っていくか。

(パートナーに)「こら、顔がにやけてる」
ともすれば浮かれてそうなので、嗜める。
此処は戦場なんだぞ。戦争なんだ、戦争。

(※こんな扱いをしていますが、お互いにちゃんと弁えるところは弁えてます)

範囲への攻撃よりも単発攻撃で射落とすのを優先に。
止めを刺すのは、周囲の兵にも依頼する。
なるべく鼓舞出来るようには、心がけたい。
「射落として動きを制限すれば、
俺達の方が優位に立てる!」



●銀麟姫と金鳳
「新年に! 戦争だなんて!! 無粋にもほどがありますっ」
 神塚・深雪(光紡ぐ麟姫・f35268)は吠えていた。
 理由はたった今の叫び通り。まさか新年早々世界滅亡の危機なんてものが起きるとは思っていなかったのだ。
 だが同時にこうも考えられないだろうか?
 この封神武侠界というのは中々に美しい風景、興味深い文化を有しているようだ。
「……年始旅行と考えたら……それはそれで?」
「こら、顔がにやけてる」
 急に呑気なことを言い出した深雪を窘めるのは夫であるシェルリード・カミツカ(黄金の鳳皇・f35465)。
 彼とて妻同様、新年から世界を滅ぼさんとするオブリビオンには思う所もある。
 どうせ別世界に来るならそれこそ旅行でもしたかったのは同感だが、今は水入らずどころかオブリビオンが空から突っ込んでくるのであるから、無理な話。
 そうして、どこか呑気な会話を繰り広げながら現れた二人であるが……。
「そういうのは戦いが終わってからだ……いくぞ、雪」
「もう、一緒なのだから少しくらい浮かれてもいいじゃないですか……ええ、為すべきことを為してから、ですね」
 そのやり取りと共に、敵を見据えるその風格は。
 かつて一つの宇宙を守るべく戦った、銀と金の光そのものであった。

「光よ、敵対者に刃を。同胞に癒しを……!」
「な、なんだ、猟兵様が何故我らにまで攻撃を……いや、これは!?」
 深雪のユーベルコードは、この戦いにおいて最適解に近い性質を持っていた。
 基本的に地上から、即ち下方からの攻撃を警戒する蠱雕にとって、更に上空の天から戦場全体に降り注ぐ銀光を纏う羽根の回避は困難を極める。
 加えて、骸の海の住民であるオブリビオンを切り裂くその羽根は、今を生きる兵士たちにはまったく別の性質を発揮するのだ。
「き、傷が治っていく……!」
「よし、これならまだ戦えるぞ!」
「地に落ちた敵もまだ戦える者がいるでしょう。気を付けてトドメをお願いします!」
 味方には回復の術として効果を発揮する深雪のユーベルコードを受けた兵士たちが、再びオブリビオンへと果敢に挑む。
 これまでの猟兵の活躍で抑えられていたとはいえ損耗を少しずつ重ねていた彼らにとって、それを直接回復してしまう支援こそ、最も必要なものだったのだ。
 深雪の望み通りに蠱雕を囲み槍で討ち取っていく兵士の勢いはぐんぐんと増していく。

 一方で、銀のユーベルコードの雨を狡猾にかいくぐる敵もある程度存在した。
 人喰いを重ね、より凶暴に、より凶悪に育った蠱雕たちはとりわけタフで、戦場全体の制圧を重視した深雪の攻撃を受けてなお空中に君臨していたのだ。
 けれども、深雪の傍らにいる彼ならば。
「ううん……やはり強い個体もいるみたいですね。任せましたよ、シェルっ!」
「任された――貫け、金光……ッ!」
 天から雨のように降り注いだ銀とは対照的な金の光がシェルリードから放たれる。
 奇しくも敵と同じ鳥の形、しかしそれよりも遥かに神々しい形のユーベルコードは一瞬のうちに蠱雕たちを射抜いていく。
「キエエ……ギギッ!?」
 叩き落されたオブリビオンも立ち上がり奮戦の構えを見せるが、シェルリードの力の真価はここからだ。
 羽のような金の光がオブリビオンたちを包み込めば、それは彼らの身体に絶え間ない痛みを与えてくる。
 それにより思うように動けなくなった蠱雕が地に倒れてしまえば、間髪入れずに飛び出す皇帝軍によるトドメが刺されるのだ。

 二人の参戦により一気に戦況が皇帝軍の有利に傾き、兵士たちだけではどうにもできなかった強力な個体も討伐できたことで、軍の士気は大いに高まる。
「みんな、今の通りだ! 射落として動きを制限すれば、俺達の方が優位に立てる!」
「さあ、どんどんいきますよー!」
 その立役者となった二人の鼓舞により兵士たちの勢いはいよいよ頂点へと達し、こうなってしまえばオブリビオンはもう押される一方だ。
 樊城を舞台とした戦いの勝敗は、此処に決したと言ってよい。
 勝利への最後の一押しとなった深雪とシェルリードは、勇敢な皇帝軍と共に怪鳥を討伐していくのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2022年01月05日


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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト