●ふたりの夜
しんしんと雪が降る――外ではにぎやかな声が響いていた。
けれど、この店の中は静かだ。
少し薄暗くしてあるのは、ふたりで静かに話ができるように。となりの席との間には仕切りがあって、話し声はもちろん聞こえない。
テーブルの上にキャンドルをともし、二人の間にはあつあつとろとろのチーズ。
パンにソーセージ、ベーコン、野菜――いろいろなものが並んでいる。
それを、チーズとともにいただく。
美味しいものを食べればふたりとも笑顔。
そして、ふたりが持ち寄ったものでもう一品が、提供される。
それはスープであったりグラタンであったり、はたまた別のものかもしれない。
果実ならばデザートになるだろう。
それはお楽しみでもある。
ここは、にぎやかな酒場が多い中で一軒、静かな時間を提供してくれる店。
ふたりだけの夜を、おくれるように。
●案内
「アックス&ウィザーズに、チーズフォンデュ食べさせてくれる店があるんじゃ!」
しかし、そこはおふたりさまのみ招く店。
というのも、と終夜・嵐吾(灰青・f05366)はその店について話始める。
「周囲の酒場はわりとにぎやかなんじゃよね」
じゃから嘗て、恋人とふたりきりの時間がよくてもにぎやかさに邪魔されてそうできんかった店主が、静かな時間をおくれるようにと計らってくれているのだと嵐吾は言う。
「といっても、別に恋人同士じゃなくてもええんじゃよ。友人とでもええし。これから仲良くなりたい相手とか……ま、とにかくふたりで静かな時間を過ごしたい、というのなら」
この店に行くと良いと嵐吾は言う。
どうしても、三人でとかもあればそれはお願いすれば応じてはくれるようじゃと言って。
「そうそうそれから、何かを持ち寄るのも忘れないようにの」
それを使ってもう一品。店主が作ってくれるのだという。
どんな料理になるかは、お楽しみといったところ。
「では、佳い夜を過ごしておくれ」
ふたりで静かに、仲良くおいしいものを食べる夜を。
志羽
お目通しありがとうございます、志羽です。
プレイング締め切り、受付方法などはお手数ですがマスターページの【簡易連絡】をご確認ください。
おふたり様向けです。三名まではお店がいいよ、としてくれます。
仲良くチーズフォンデュを食べよう。
そんな感じです。
また、何かを持ち寄ったよという内容があればもう一品料理が追加されます。
それがどんな料理になるかは、お楽しみです。
●お願い
複数人数でのご参加の場合は、ご一緒する方がわかるように互いに【ID】は【チームタグ】を記入していただけると助かります。また、失効日が同じになるように調整していただけると非常に助かります。
ご協力よろしくお願いします。
お声掛けあれば志羽のNPCもご一緒できます。
以上です。
ご参加お待ちしております。
第1章 日常
『酒場で持ち寄りパーティ』
|
POW : 肉やパンなど、ボリュームのある物を持っていく。
SPD : ジンジャークッキーやカナッペなど、つまみやすい物を持っていく。
WIZ : フルーツやケーキなど、甘いデザートを持っていく。
|
品奈・魅儡
【ディアヴラ・メアルタハ(f35521)】と(アドリブ、アレンジ可)
(相手の好物の貝をこっそり持ち込んで)
ど、どうしよう……クリスマスの過ごし方なんて分からないよぉ……。
こ、子どもらしく、ですか……?でもそろそろ私も大人にならなきゃ……(目ぐるぐる)……あ、はい。いただきます……。(素直に口を開き)……!おいしい、です……。(へにゃりと顔を綻ばせ)
……じゃあ、おねえさまも、どうぞ。(真似をして差し出し)
……ええと、ずっとおかあさまと二人きりでお家に居たから、こんな日ほんとうに初めてで……楽しい、です。おねえさま。えへへ。
……はい。ずっとずっと、おねえさまの側に。
ディアヴラ・メアルタハ
【品奈・魅儡(f34663)】と(アドリブ、アレンジ可)
(なんとなく相手が好きそうな芋を持ち込んで)
普通に子どもらしくしてたら良いのよ?魅儡ちゃん。私はそういうのが見たくて連れてきたんだから。……ほら、あーん。(チーズを絡めたベーコンを差し出し)
そうよ、そういうので良いの。(相手の様子を見て満足げに)ほら、こっちのも美味しそう。
……。(相手の境遇を思い、少し目を伏せて)……初めての事も、楽しい事も、これからまだまだあるわ。私が色んな所に連れ出して、たくさんの思い出をあげる。
だから……また来年も。その次も、ずっと。こうやって側に居てちょうだいね、魅儡ちゃん。
●また来年もと約束して
なんとなく――品奈・魅儡(巣立つ小鳥・f34663)が好きそうと思った芋をディアヴラ・メアルタハ(深海人の魔女・f35521)は店主へ預ける。
そして魅儡はディアヴラの好物である貝を託した。
それをまだ、お互いには内緒にしたまま。
「ど、どうしよう……クリスマスの過ごし方なんて分からないよぉ……」
席についてそわそわ。そんな魅儡へとディアヴラは笑いかける。
「普通に子どもらしくしてたら良いのよ? 魅儡ちゃん。私はそういうのが見たくて連れてきたんだから」
「こ、子どもらしく、ですか……? でもそろそろ私も大人にならなきゃ……」
と、思考はぐるぐる。目もぐるぐるまわる心地。
そんな魅儡の様子にディアヴラは笑って。
「……ほら、あーん」
チーズを絡めた厚切りベーコンを魅儡の口元へと運ぶ。
「……あ、はい。いただきます……」
それを素直に口を開いて、ぱくり。
「……! おいしい、です……」
あつあつに少しびっくりして。けれどへにゃりと顔を綻ばせる。
「……じゃあ、おねえさまも、どうぞ」
魅儡はディアヴラを真似して、ベーコンを美味しいと思ったのだからおねえさまにも、と同じようにして差し出す。
その様子にディアヴラは笑いかけて。
「そうよ、そういうので良いの」
差し出してくれたそれをぱくりと食べる。ディアヴラがどういうのか、魅儡がどきどきとしているような気がして、美味しいと笑いかける。
するとふわ、と小さく笑み零れていた。
「ほら、こっちのも美味しそう」
そんな彼女にディアヴラはこれも、と他のものも勧める。
と、ふたりの持ち込んだ食材は――グラタンになって戻って来た。
ミートソースと合わさってそちらもまたあつあつで美味しそう。
すごい、と魅儡が瞳瞬かせる様をディアヴラは静かに見つめて。
「……」
彼女の境遇を思い、少し目を伏せた。
「……初めての事も、楽しい事も、これからまだまだあるわ。私が色んな所に連れ出して、たくさんの思い出をあげる」
そう、ディアヴラは柔らかに告げる。魅儡はディアヴラを見上げ、ゆっくりと言葉紡いだ。
「……ええと、ずっとおかあさまと二人きりでお家に居たから、こんな日ほんとうに初めてで……楽しい、です。おねえさま。えへへ」
僅かに頬染めて、照れ笑いのように。
「……また来年も。その次も、ずっと。こうやって側に居てちょうだいね、魅儡ちゃん」
「……はい。ずっとずっと、おねえさまの側に」
柔らかに、互いに微笑む。その笑みはやわらかなランプの光に照らされていた。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
月舘・夜彦
【華禱】
私は海老にしました
大きめで弾力があるものにしましたよ
仕上がりが楽しみですね
今回ばかりは特別な日なので料理の他にお酒も頂きましょう
倫太郎も居ますし、度数の低いお酒もあると思いますので
仮に酔ってしまっても大丈夫かと……
具を一つずつ刺して、チーズにくぐらせて頂きます
この伸びたチーズを上手く切るには、くるくると回すのが良いのだとか
同じチーズに付けているのに具材で味わいが変わるのが楽しいですね
これがお酒に合うというのも、とても分かります
チーズでさえ合うのに野菜の甘さや肉と魚の塩味が足されるのですから
テレビ等で家で食べるチーズフォンデュの作り方を見ました
私達の家でもきっと作れるはずですよ、りんたろ
篝・倫太郎
【華禱】
俺は烏賊にした!肉厚で新鮮なやつ!
どんな料理がくるか楽しみだよな
案内された席でそんな事を言いながら
酒と料理を頼む
そそ、俺も居るし……
強くない、出来るだけ弱めのお酒にしとけば大丈夫デショ
寝ちゃったら連れて帰ってあげるからさ
野菜も肉も魚介もチーズにくぐらせて
はふはふあつあつ言いながら
やってきた料理を堪能し、美味さにゆるっと夜彦と笑いあう
野菜の甘さにチーズの塩気がいいよな
なんて笑えば酒も食事も進む
追加の一品も絶品で
これは家で再現できるかな?なんて思案すれば
俺のそんな様子にふにゃっと笑いながら
酔った夜彦が俺の名を呼ぶから
うん、家でパーティしたらみんな喜びそう
にしても、俺の旦那で嫁は可愛いなぁ
●ふたりきりのしあわせ
何を店主に渡したのか――それが料理が来るまでの二人の話題。
月舘・夜彦(宵待ノ簪・f01521)は、私は海老にしましたと紡ぐ。
「大きめで弾力があるものにしましたよ。仕上がりが楽しみですね」
「俺は烏賊にした! 肉厚で新鮮なやつ!」
どんな料理がくるか楽しみだよなと篝・倫太郎(災禍狩り・f07291)も満面の笑みだ。
けれどその料理がくるのはまだもう少し先のこと。
今回ばかりは特別な日。料理の他にお酒もと夜彦も飲んでいる。
度数の低いお酒を、とお願いすればそれならシャンパンを、フルーツを付けたシロップと炭酸で割るのを勧められた。
それで度数も抑えられ、とても飲み易くなる。
倫太郎もいるし、仮に酔ってしまっても大丈夫かと……とまだ少し、不安そうな夜彦に倫太郎は笑いかける。
「そそ、俺も居るし……強くない、出来るだけ弱めのお酒にしとけば大丈夫デショ」
寝ちゃったら連れて帰ってあげるからさという言葉に、夜彦もお願いしますねとひとくち。
そしてまずは、チーズフォンデュから。
とろとろのチーズににくぐらせるものは色々ある。野菜に、ベーコンやソーセージ。ホタテや魚。これは二人が持ってきたものではないけれどエビとイカもあった。
ひとつずつ刺してチーズにくぐらせて。チーズがとろりと伸びる様に夜彦は。
「この伸びたチーズを上手く切るには、くるくると回すのが良いのだとか」
そう言ってくるくると。
「野菜の甘さにチーズの塩気がいいよな」
酒も進むと倫太郎は言って、はふはふあつあつの一口を。
「同じチーズに付けているのに具材で味わいが変わるのが楽しいですね」
そして夜彦はため息のように零す。
「これがお酒に合うというのも、とても分かります」
チーズでさえ合うのに野菜の甘さや肉と魚の塩味が足されるのですからとひとくち。
そして――ふたりの素材で作られたのはアヒージョだった。
素材がいいからシンプルに。アンチョビきかせた一品。
追加のバゲットもあって、オイルに浸してくださいとのこと。
これは家で再現できるかな? と絶品と思いながら倫太郎は食べる。隠し味に何かはいってるな、と思っていると夜彦が笑って。
「テレビ等で家で食べるチーズフォンデュの作り方を見ました」
私達の家でもきっと作れるはずですよ、りんたろと笑いかける。
ふにゃっと笑って、そんな風に名前を呼ぶのだ。
「うん、家でパーティしたらみんな喜びそう」
にしても、俺の旦那で嫁は可愛いなぁと倫太郎もただただ、頬が緩むというもの。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ジノーヴィー・マルス
アイシャ(f19187)と。
んー、静かな所だな。ゆっくり楽しめそうじゃねえか。
だな、今年も一緒に過ごせてよかった。はは。じゃあ、来年もその台詞聞かねえとな。
持ち込みはパスタ麺にしといた。まぁ、フィーリングでぱっと思いついたもんだが。どう調理されるだろうね。
俺?そうだな、酒場だし…ビールかな。出来そうならお酌してもらいてえな。
……んー、美味い美味い。こういう、美味いもん食って酒飲むってなんとも幸せだよなぁ。アイシャと二人なら余計にさ。
来年はまた違う形で楽しみてえ。
アイシャ・ラブラドライト
f17484ジノと
口調→華やぐ風
ジノ以外には通常口調
UCで6倍の姿に
何だか大人な雰囲気…素敵なお店だね
今年も一緒にクリスマスを過ごせたことを、お祝いしたい
ジノ…私、去年よりももっとジノのことが大好き
モチモチでおいしいと噂のパスタ麺を
ジノの好きな麺類をと思って持ってきたけど
どう調理されて出てくるかな…楽しみだね
ジノ、飲み物は何を飲む?
えへへ…ジノの望みとあらば、張り切って注ぐよ
喜んでもらいたくて、泡の比率が上手い具合になってくれるように祈りながら
ゆっくりと丁寧に注ぐ
お料理もお酒も美味しくて幸せだけど
ジノの嬉しそうな顔を見るのが一番満たされる
来年のクリスマスも、こうして一緒に過ごしたいな
●また来年も
今日はその身を、六倍に――アイシャ・ラブラドライト(煌めく風・f19187)はジノーヴィー・マルス(ポケットの中は空虚と紙切れ・f17484)とともに、店に足を運んでいた。
「何だか大人な雰囲気……素敵なお店だね」
「んー、静かな所だな。ゆっくり楽しめそうじゃねえか」
今年も一緒にクリスマスを過ごせたことを、お祝いしたいとアイシャはふわりと微笑んだ。ジノーヴィーもそれに頷いて返して。
「だな、今年も一緒に過ごせてよかった」
「ジノ……私、去年よりももっとジノのことが大好き」
その言葉にジノーヴィーは瞬いて、けれど一層笑み深める。
「はは。じゃあ、来年もその台詞聞かねえとな」
そして注文を先に。
「ジノ、飲み物は何を飲む?」
「俺?そうだな、酒場だし……ビールかな。出来そうならお酌してもらいてえな」
そのお願いにもちろんとアイシャは頷く。
「えへへ……ジノの望みとあらば、張り切って注ぐよ」
瓶ビールもって、アイシャは任せてと笑む。喜んで貰いたくて、泡の比率がうまい具合になってくれるよう祈りながらゆっくりと丁寧に注いで。
しゅわしゅわと綺麗に泡立つそれを、美味いとジノーヴィーは一口。
それから、先にチーズフォンデュがやってくる。
あつあつとろとろのチーズと、バゲットやソーセージ、野菜を絡めて、食べて。
料理もお酒も美味しくて幸せ。けれど、アイシャの一番の幸せは――彼の、嬉しそうな顔が見られる事。それが一番、満たされる。
そして二人の持ってきたもので作られた料理。
モチモチでおいしいと噂のパスタ麺。ジノの好きな麺類をと思ってアイシャは持ってきたのだ。
そして、ジノーヴィーも同じパスタ麺を持ってきていたことを知ったのは料理になってでてきてから。
ジノーヴィーはフィーリングでぱっと思いついたもんだがと笑って。
折角なので二種にと店主は言う。トマトソースとクリームソース。けれどあわせた具材は同じものですと笑って。
同じものを持ってきていたと二人で笑い合う。考えることが一緒だったとくすぐったいような気持ちで。そのパスタも一緒に美味しく。
「……んー、美味い美味い。こういう、美味いもん食って酒飲むってなんとも幸せだよなぁ」
アイシャと二人なら余計にさとジノーヴィーは嬉しそうに、楽しそうに笑っているのがランプの灯りに照らされて。
その笑みに、アイシャもくすぐったそうに頬染めて微笑む。
「来年のクリスマスも、こうして一緒に過ごしたいな」
ふと、笑み浮かべジノーヴィーはそうだなと頷く。
来年はまた違う形で楽しみてえ、と零して――来年をどうしようかと考えるのは、また明日からの楽しみになる。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
風魔・昴
麻生竜星(f07360)と
彼のことは『竜』と呼んでいる
アドリブ歓迎
持ってきた食材:色々な形のマカロニ
「チーズフォンデュ、楽しみだね?」
毎年彼の実家の経営する孤児院で子供達とのクリスマス
今年はのんびりと二人で過ごすことに
「うん、たぶん初めてだよ
賑やかなのもいいけどこういうのもいいよね?」
幼馴染であっても、素敵な場所での食事は嬉しいものだ
「ありがとうね、竜」
暫くしてチーズのいい匂いと持ち寄りで作ってもらった料理が
(わぁ!美味しそう)
そう思ってみていたら顔に出たかな?
彼が笑うからちょっとむすっと
昔をってそんなに食いしん坊じゃなかった…はず、たぶん……
メリークリスマス
どの世界も幸せな日になりますように
麻生・竜星
風魔昴(f06477)と
彼女のことは『スー』と呼んでいる
アドリブ歓迎
持ってきた食材:ジャガイモ
今年は実家に戻らないクリスマス
楽しそうに料理を待つ彼女に頷いて
「そういえば、クリスマスを二人だけで祝うのは初めてだよな?」
クリスマスは実家が経営する孤児院で子供たちやOBと一緒に毎年賑やかなのだ
(たまには二人でのクリスマスっていうのもいいかもな)
そう思いながら微笑み返す
「どういたしまして」
しばらくして食事が出てくると瞳が輝いている彼女の顔にくすっと笑う
「ごめんごめん、なんだか昔を思い出してさ…」
そう言って、つい悪いなと思いつつもう一度笑ってしまった
優しい時間が過ぎていく
メリークリスマス、素敵な夜に乾杯
●初めての、ふたりきりのクリスマス
「チーズフォンデュ、楽しみだね?」
そう言って笑う風魔・昴(父の心と星の力を受け継いで・f06477)に麻生・竜星(銀月の力を受け継いで・f07360)も頷く。
今年は――竜星は実家に戻らないクリスマスだ。
そして、毎年竜星の実家が経営する孤児院で子供達とのクリスマスを過ごしていた。
昴も竜星も子供達と賑やかなクリスマスを過ごす。その記憶が色濃い。
けれど、今年はのんびりと二人で過ごすことに。けれど、そんな二人でという記憶は――なかった。
「そういえば、クリスマスを二人だけで祝うのは初めてだよな?」
「うん、たぶん初めてだよ。賑やかなのもいいけどこういうのもいいよね?」
毎年賑やかなクリスマスも、楽しいものではある。
けれど、たまには二人でのクリスマスっていうのもいいかもなと竜星は思いながら微笑んでいた。
幼馴染であっても、素敵な場所での食事は嬉しいもの。昴もまた、竜星へと笑いかけて。
一緒にここにいることが、今の時間が大切でかけがえのないものだ。
「ありがとうね、竜」
「どういたしまして」
他愛ない話を重ねていると、ふわりとチーズの良い香り。
テーブルの上にならぶチーズフォンデュセットだ。
それから、昴が持ってきた色々な形もマカロニと竜星の持ってきたジャガイモで作られたのはペペロンチーノ。そちらも良い匂いで食欲そそる。
わぁ! 美味しそう――と、昴はぱちりと瞬く。そして、顔に出てたかな? と竜星をちらりと見ればくすっと笑い零していた。
あ、これは顔に出ていたのを――と思うとむすっとしてしまう。
「ごめんごめん、なんだか昔を思い出してさ……」
「昔をってそんなに食いしん坊じゃなかった……はず、たぶん……」
その様子に、つい悪いなと思いつつももう一度くすりと竜星は笑い零していた。
でも美味しいものが目の前にあるのだから、いただかなければ。
どれから食べよう、どれも美味しいと二人で笑い合って、満たされて過ぎていくクリスマスの夜。
それは優しく素敵な時間だ。
いつもとは、違うクリスマスだけれど――楽しい事には変わりはない。
「メリークリスマス、素敵な夜に乾杯」
「メリークリスマス」
どの世界も幸せな日になりますようにと、共に過ごす日に願う。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
鬼灯原・孤檻
橘・尊(f13751)と一緒。
ちぃずほんでゅを食べさせてくれる店があると聞いて。
窓際の奥の席に案内してもらおう。
「持ち込みの品で一品作ってくれると聞いたが、こういうので良かったんだろうか?」
通りの市場で目を引いた赤い魚をドンと店主に渡す。
どんな料理に仕立ててくれるか楽しみにしつつ―――
チーズに厚いベーコンやバゲットを浸しては、伸びるチーズに手こずりながら舌鼓を打つ。
初めての味の美味さに目を輝かせる。
店主のサプライズ料理には、どんなものが出ても喜んでいただこう。
尊が美味そうに食べているなら、微笑ましく思い。
胸は味だけではないもので満たされた。
橘・尊
孤檻と(f18243)
周りに比べるととても静かで感じがいいな
ついキョロキョロしてしまう
お、孤檻と被らないで良かった。色々な果物が入った袋を店主に渡す。楽しみだっ
ちぃずふぉんでゅに二人で苦戦しつつ、美味しーと手が止まらないし楽しい
でも、とふと思う
勿論、料理が美味しいし楽しいのは確かだけど…
孤独がいてくれるから、だよなあ
目の前の彼に嬉しそうに微笑んだ
(アレンジ大歓迎です)
●美味しいから、だけではなく
近くの酒場はどこもかしこも賑わっていた。
けれど、この店はとても静か。窓際の、奥の席にふたりは案内される。
橘・尊(浮雲・f13751)は漢字がいいなとついキョロキョロしてしまう。
そして鬼灯原・孤檻(刀振るう神・f18243)は、とても楽しみにしていた。
ちぃずほんでゅを。
「持ち込みの品で一品作ってくれると聞いたが、こういうので良かったんだろうか?」
と、どんと孤檻が持ち出したのは通りの市場で目を引いた赤い魚だ。
店主は良い魚ですと笑って嬉しそう。
そして尊はそれを見て、自分もと差し出す。
「お、孤檻と被らないで良かった」
尊は色々な果物が入った袋を。どちらも美味しく料理させていただきますと店主は笑む。
一体どうなるのか、楽しみ――と思う。でもそのまえにチーズフォンデュだ。
バゲットに色々な野菜。ソーセージに厚切りベーコン。エビなんかの魚介類もそこにはある。
そしてあつあつとろとろのチーズ。
それを絡めて、はふはふと。
伸びるチーズがきれないと苦戦したり、思いのほかのあつあつにはふはふしながら食べていく。
初めて出会う美味しさに孤檻は目を輝かせ、もう一口とはふはふと。
尊も美味しーと、手が止まらないし楽しいと笑って。
でも、とふと思う。
勿論、料理が美味しいし楽しいのは確かなのだ。
でも、それだけではなくて――孤檻がいてくれるから、だよなあとしみじみと思う。
じっと彼を見ていると、その視線に気づいて孤檻は首傾げどうした? と尋ねる。
尊はなんでもないと嬉しそうに微笑んで、そしてきた! ともう一つの楽しみに視線向ける。
孤檻の持ってきた魚はソテーされていて。そして、尊の持ってきた果物でフルーツソースが作られていた。
「お魚は大きかったので、こちらはチーズにあわせてくださいな」
と、店主はもうひと皿。それはただソテーしただけの切り身だ。そして食後にフルーツもお持ちしましょうと微笑み、どうぞ良い時間をと離れていく。
孤檻はあの魚が……と瞬いて。尊も、ソースになっていると先にそれを少し掬ってぺろり。甘酸っぱさもある爽やかなソースだ。
それが魚によく合って美味しいと二人で笑いあう。
料理とは別に出してくれた切り身も、チーズに絡めるとまた違った味わいだ。
尊が美味しそうに食べていると孤檻も微笑ましく思う。
それは、美味しさで満たされるのとはまた違う感覚。胸は味だけではないもので満たされていた。
そして最後に――尊のフルーツはまぁるくくりぬかれて甘いシロップと共に二人の前に。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
満月・双葉
【虹星】
持ち寄るものと言えばこれだ、と大根を取り出す
おでんに大根ケーキ(大根の輪切り(生)にいちごのせただけのやつ)等あるけど、新しい料理との出会いはあるだろうか
クリスマスも仕事あったけど、シャオちゃんと出かけるのには間に合った
裏稼業だからか時と場合選んでくれなくてねー
食事するの忘れてたんだよーと半ば胃に詰め込みながら
あーんしてみたい
『美味しい?』
なんて聞いてみて
2人で笑いあってみたり
ぼくみたいなのでも、そんな当たり前をやってみてもいいかな
いつも仮面かぶって色々隠して…でも笑ってもいいのかなって
シャオちゃんは心の中で笑えてたら良いな
シャオちゃん、今年もありがとう
来年もその先もずっと一緒にいられたらいいなぁ…
僕のことを話したり、君の話を聞いたり、色々したいな
口悪く育ったから不快にしないといいけど…
シャオ・フィルナート
【虹星】
持ち寄るもの…もの……?
えっと……いちごでいい?
氷と迷ったけど、溶けちゃうし…食べるなら苺の方が好きだから…
仕事…大変そう、だね
えっと……お疲れ様?
(元々暗殺業主体でまともな仕事経験無し)
俺にあーんしようとする双葉さんに首を傾げ
疲れてるなら…こっちがあーんした方がいいんじゃないか、と思って
でも、差し出された一口は素直に食べ
……ん…美味しい…
俺は、双葉さんのように笑ったりはできない
笑い方……忘れちゃったから
でも、双葉さんの楽しそうなところ見るのは、好きだから
…俺からも、あげる
あーん?
こっちこそ…その、俺も…双葉さんとなら…じゃ、なくて
双葉さんと…色んな話、してみたい
その…口下手だけど…
●当たり前の事を
持ち寄るものと言えばこれだ、と満月・双葉(時に紡がれた人喰星・f01681)は大根を取り出した。
大根――おでんに大根の輪切り(生)にいちごを乗せただけの大根ケーキなんてものもあるけれど、新しい料理との出会いはあるだろうかと双葉は思っていた。
シャオ・フィルナート(悪魔に魅入られし者・f00507)は持ち寄るものと考えてもってきたのはいちごだ。
氷と迷ったけれど、溶けてしまう。それに食べるならいちごの方が好きだからだ。
ふたりとも、食材をわたして近況を。
「仕事……大変そう、だね。えっと……お疲れ様?」
シャオは双葉へと労いの言葉を。双葉はありがとうと笑う。
「クリスマスも仕事あったけど、シャオちゃんと出かけるのには間に合った」
裏稼業だからか時と場合選んでくれなくてねーと双葉は零す。シャオもそういうこと、あるよねと頷く。
シャオは元々暗殺業主体でまともな仕事経験無いが、それはちょっとわかる。
そして運ばれてくるチーズフォンデュ。
バゲットに、厚切りベーコンやソーセージ。野菜に魚介類も運ばれてくる。
それらをさっそくチーズに絡めて、双葉は口へと運んでいた。
食事するの忘れてたんだよーと半ば胃に詰め込みながら、ぱくぱくと食べていく。
と、食べながらふと――双葉は思ったのだ。
あーんしてみたい。
そう思ったらもう体は動いていた。双葉はソーセージにチーズ絡めてシャオの口元へ。
「あーん」
シャオは首傾げ――疲れてるなら……こっちがあーんした方がいいんじゃないか、と思う。
でも、差し出された一口は素直にぱくりとシャオは口にする。
「美味しい?」
「……ん…美味しい……」
そっか、と双葉は笑う。
2人で笑いあってみたり。ぼくみたいなのでも、そんな当たり前をやってみてもいいかなと思って。
いつも仮面かぶって色々隠して……でも笑ってもいいのかなって――そう、思えたから。
(「シャオちゃんは心の中で笑えてたら良いな」)
シャオは双葉のように笑ったりはできなかった。それは笑い方を、忘れてしまったから。
でも。
(「双葉さんの楽しそうなところ見るのは、好きだから」)
その手を伸ばして。
「……俺からも、あげる。あーん?」
チーズ絡めて口許へ。それを双葉は瞬いて、ぱくりと食べて美味しいと笑う。
そんな二人の前にでてきたのは――大根のフリッターだ。
揚げた大根は、衣はからっとしているけれど中はじゅわりとした心地。
それにいちごで作ったソースを合わせて。
美味しいものを食べて、満たされていく。
「シャオちゃん、今年もありがとう」
来年もその先もずっと一緒にいられたらいいなぁ……と、双葉は零す。
「こっちこそ……その、俺も……双葉さんとなら……じゃ、なくて」
ふと、息を吐いて。シャオは双葉を真っすぐ見詰めて。
「双葉さんと……色んな話、してみたい。その……口下手だけど……」
その言葉に双葉も頷く。
「僕のことを話したり、君の話を聞いたり、色々したいな」
口悪く育ったから不快にしないといいけど……とちょっと不安もにじませる。
シャオはううんと首を横に、きっとそんな事はないよと紡ぐ。
これからまた、いろいろな話を――しようと。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
パラス・アテナ
【BP】
チーズフォンデュにはこいつだろう
ドイツ産の白ワインを持ち込むよ
アンタは何を持ち込んだんだい?
考えることは同じだね
微苦笑をこぼして
メリークリスマス
乾杯して食事しながら静かに話そうか
今年はアンタとも色々な所に行ったっけ
色々みっもとない所も見られたが、まぁ水に流しとくれ
グリモア猟兵が巻き込まれるって分かってたのに油断したアタシが悪いのさ
…アタシはまた自分の部隊を全滅させるところだったんだ
胸に競り上がるどす黒いものを酒で飲み下して
あの時は助かったよロブロイ
本当に
食事を終えて外に出れば雪景色
冷たい手に吐く息も白く
ホワイトクリスマスだね
握られる手に安堵を載せて握り返して
しばらく雪見と洒落込もうかね
九十九・白斗
【BP】
チーズフォンデュには、日本酒も合うんだぜ
新潟の酒を取り出す
彼女は白ワイン
どちらも酒だ
ふふっ
っと笑みを浮かべて乾杯する
パラスの唇に酒が運ばれていく
あの唇も出会った頃はずっとへの字だったが、今は笑みが浮かんでいる
出会う度に彼女の笑みが育っていくようで、それが嬉しくてこちらも笑みが浮かぶ
みっともないって、あの時か?
良いじゃねえか、おかげで俺のかっこいいシーンになったぜ
ヒーローみたいだったろ
ロブロイ?
スコットランドの英雄か
わかりやすくスーパーマンとでも言ってくれよ
取り留めのない話をしながら、食事を済ます
外は雪景色だった
パラスが冷たいといった手を握る
ホワイトクリスマスか
ロマンティックなもんだな
●冷たい手にぬくもりを
チーズフォンデュにはこいつだろう、とパラス・アテナ(都市防衛の死神・f10709)が持ち込んだのは、此処とは違う世界の――ドイツ産の白ワインだ。
それを見せながら、パラスは九十九・白斗(傭兵・f02173)へと問い掛ける。
「アンタは何を持ち込んだんだい?」
「チーズフォンデュには、日本酒も合うんだぜ」
それは、新潟の酒だ。
どちらも、酒――考える事は同じだと白斗はふふっと笑い零して。パラスは微かに苦笑を零していた。
店主は、これはそのまま頂いた方がよろしそうでと二人の前にグラスを。
酒と共に目の前に並んでいくチーズフォンデュの品。
厚切りベーコンなんてそのまま酒の肴になりそうだが、チーズ絡めれば一層、美味しいだろう。
メリークリスマス、とグラス合わせて――その唇へと酒が運ばれていく。
その様を白斗は見詰めてふと笑い零した。
出会った頃は、ずっとへの字だった唇。けれど今は、笑みが浮かんでいる。
出会う度にパラスの笑みが育っていくようで、それが嬉しくて白斗自身も笑みを浮かべていた。
「今年はアンタとも色々な所に行ったっけ」
グラスをとんと、置いてパラスは静かに話し始める。その声に、白斗は耳を傾けて。
「色々みっもとない所も見られたが、まぁ水に流しとくれ」
「みっともないって、あの時か?」
思い当たる事が白斗にはある。パラスはそう、と頷いていた。
グリモア猟兵が狙われる――そんな事が、あった。
「グリモア猟兵が巻き込まれるって分かってたのに油断したアタシが悪いのさ」
パラスが零す。その声は冷えた響きを持っていた。それは胸に競り上がるどす黒いもののせいだろうか。
「……アタシはまた自分の部隊を全滅させるところだったんだ」
それを、酒で飲み下して。
しかし何とも言えぬ、その気持ちを払うように明るい声を白斗が響かせる。
「良いじゃねえか、おかげで俺のかっこいいシーンになったぜ」
ヒーローみたいだったろ、と片目瞑って、口端あげて笑って見せる。
「あの時は助かったよロブロイ。本当に」
「ロブロイ? スコットランドの英雄か」
もっとわかりやすく言ってくれよと白斗は笑って、酒を飲み干す。
そんな風に取り留めのない話をしながら食事を続ける。
持って来た酒が空になった頃――食事も終わる。
外に出れば、雪景色。ひゅうと冷たい風が吹いて指先を冷やしていく。
パラスは冷たいと、その手にはぁと息を吐く。
その白い吐息も、冷たい空気の中にとけていくだけ。
冷たいパラスのその手を、白斗は捕まえる。
「ホワイトクリスマスだね」
「ホワイトクリスマスか。ロマンティックなもんだな」
安堵を載せてパラスはその手を握り返して――しばらく雪見と洒落込もうかねと、ふたりで歩み始めた。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
都槻・綾
f09129/ユルグさん
偶には
穏やかに乾杯しましょうか
だっていつも
賭け事だったり
飲み明かしてしまったりで
遊んでしまうものだから
あなたとなら何でも楽しいけれど
秘めやかな時を過ごせる機会だもの
ね、と
笑みを刷いた唇に
飲み込まれていく酒精は
もはや幾杯目の
宴の席で雰囲気に親しめども
真に酔うことが無いのは
欠けた器の身の所為だろか
あなたの根源たる刃で
ひとを殺めた事がありますか
其れはあなたにとって
価値のある事でしたか
チーズに野菜を潜らせながら
極自然に気負いも無く問う
いいえ
物は物
応えは簡素
軈て運ばれて来た甘味は
持参した林檎が
新たな逸品に仕上がったもの
淡い笑みで
一欠片をあなたの口元へ
共犯者の罪の味わいになるかしら
ユルグ・オルド
綾/f01786と
でも乾杯はするんだ
常からそんなンだっけなァ
そら、じっとしてンのはネ
詰まんないでしょうなんて答えながら
それでも飽きず付き合う理由を考える
さァどうだかな
いらえたところで答えも知れない
空いた瓶もラベルもまァ選取見取
注いで足して零れんならば
浸したら潰れっかしらなンて
ベーコン一切チーズに浸して
刺したフォークの先見て笑う
使われることだけが、じゃアない
それとも取る手を選ぶ性質だったかい
尋ねて緑をも一個添えて
だろ、満足げに放り込んだ
給仕なら可愛い子が好いなんて
笑って齧るのは蜜の味
ああでもそう、瑕疵のない綺麗な男なら
砕く外は詰まらなかったかもしれねえわ
なンて、悪いのはどっち
●在り様
偶には、と男は――都槻・綾(絲遊・f01786)は紡ぐ。
「穏やかに乾杯しましょうか」
その言葉を笑みと共に受け取ったユルグ・オルド(シャシュカ・f09129)は、でも乾杯はするんだと笑って返して。
「常からそんなンだっけなァ」
だっていつも、賭け事だったり、飲み明かしてしまったり――遊んでしまうものだからと綾はグラスを手に。
「そら、じっとしてンのはネ。詰まんないでしょう」
そう返しながら、ユルグはそれでも飽きず付き合う理由を考えて。
でも、それはすぐに答えが出るものではないようだ。
あなたとなら何でも楽しいけれど、秘めやかな時を過ごせる機会だものと綾はエンデ。
「ね」
と、笑みを刷いた唇に飲み込まれていく酒精は――はや幾杯目か。
そしてユルグも、さァどうだかなと、いらえたところで答えも知れない。
空いた瓶もラベルも多種多様。選取見取とユルグは笑って。
笑み浮かべてふと、綾は思う。宴の席で雰囲気に親しめども――真に酔うことが無いのは、と。
己の身を思うのだ。欠けた器の身の所為だろかと。
その想いを綾は言葉として、零した。それは人の身があるからこそ、できること。
「注いで足して零れんならば、浸したら潰れっかしら」
なンて。試してみる? と笑うは刃たる男だ。
人の身をもったその刃に、人の身をもった瑕ありし香炉は問いかける。
「あなたの根源たる刃でひとを殺めた事がありますか」
其れはあなたにとって価値のある事でしたか――と。
チーズに野菜をくぐらせながら極自然に気負いも無く。
他愛ない、話のように。
「使われることだけが、じゃアない」
ベーコン一切れチーズに浸して、刺したフォークの先が溶け落ちるそれより見えて笑う。
「それとも取る手を選ぶ性質だったかい」
尋ねて、もひとつ緑を一個添える刃へと、いいえと否定がひとつ。
物は物、とただ簡素に。
けれどそれで十分。だろ、と満足げに口に放り込み笑う。
チーズにくぐらせ、口にして。酒を飲んで――飲んで。
そして最後には甘味だ。
それは持参した林檎が姿を変えた一品。
ワインで煮込まれた林檎はその色を赤くしたものとそのままのものと二種。
赤ワイン煮込みと白ワイン煮込み。それにアイスが添えてある。
どちらから食べましょうかと、新たな悩みを与えるそれ。
綾はそのひとかけを、ユルグの口元へと淡い笑みと共に運んでいく。
「給仕なら可愛い子が好い」
ユルグが笑って齧るそれは蜜の味か。
共犯者の罪の味わいになるかしらと綾も言う。
「ああでもそう」
と、ユルグは口端に笑みのせて。
「瑕疵のない綺麗な男なら、砕く外は詰まらなかったかもしれねえわ」
なンて、悪いのはどっちと問い掛けて。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
姫城・京杜
與儀と!
チーズフォンデュ、すげー楽しみだな、與儀!
與儀はやっぱ野菜かな
プチトマトやブロッコリーとか美味そうだぞ
バケットやソーセージも定番だよな!
帆立も絶対美味いやつ!
わくわく主の世話焼きまくる
飲み物は、與儀ちっさいからオレンジジュースな!乾杯!
俺?そういやまだ食ってないっけ…
世話に夢中で、言われて気付くけど
チーズ纏った具材差し出されきょとり
え、あ、食う!
見えない尻尾ぶんぶん振る勢いで、はむり
すげー美味い!(幸せ一杯なわんこ
あ、そうそう
仲良しな魚屋のおばちゃんに貰った、絶品の牡蠣持ってきたぞ
何作って貰えるかなー(わくそわ
俺が淹れたのじゃねぇけど
食後は珈琲でまったり、二人楽しく過ごす!(きゃっきゃ
●今宵も変わらず
「チーズフォンデュ、すげー楽しみだな、與儀!」
にこにこと楽しげな従者、姫城・京杜(守護の焔・f17071)の笑顔に與儀はいつものようにはしゃぎすぎだろと言うけれど、その表情は柔らかく。
與儀はやっぱ野菜かな、と京杜は思う。プチトマトやブロッコリーも美味そうだぞと言って。
バケットやソーセージも定番。帆立も美味しいやつ! と京杜はわくわくと楽しげに主の世話を焼くように注文重ねる。
「飲み物は、與儀ちっさいからオレンジジュースな!」
「このナリじゃ出してくれねェしな」
飲んでもいいんだぞと與儀は言うけれど、俺も飲まないと笑ってグラスを掲げる。
「乾杯!」
グラス合わせれば、京杜は主の為にといろいろ動く。
チーズからめて、皿にのせて。與儀は食べれば、次に欲しいものが皿の上にあって。
自分で食えるが、まァいいかと受け取って食べる。従者が嬉しそうにしているからだ。
でも、だ。
「お前食ってねェだろ」
「俺? そういやまだ食ってないっけ……」
世話に夢中で、言われて気づく。すると溜息混じりに、ほらと口元にチーズ絡めたプチトマト。
差し出されたことにきょとりとする京杜に、與儀は食えよと口元に迫る。
「え、あ、食う!」
見えない耳をぴんと立て、見えない尻尾をぶんぶんふる勢いで、はむり。
でもそれはあつあつのチーズで。
「あちちっ!」
「あ、悪ィ、熱いの忘れてたわ」
「でも、すげー美味い!」
嬉しそうに笑う京杜に與儀はよかったなと返して自分もまたひとつ食べる。
「あ、そうそう。仲良しな魚屋のおばちゃんに貰った、絶品の牡蠣持ってきたぞ」
何作って貰えるかなーとわくそわと京杜が厨房の方に視線向けると、どうやらできあがったようだ。
牡蠣の酒蒸しだ。酒は與儀がもらったものの飲めねェからと持って来たもの。
「ほら、食え」
俺がまた食べさせてやろうかと與儀は口端あげて笑って。
そして最後に、ふたりの手元には珈琲だ。
俺が淹れたのじゃねぇけど――と京杜は見詰める。
「美味いな。けど」
やっぱりお前が淹れたのが一番好みだなと與儀は零す。
じゃあ、帰ったら淹れると京杜は主に笑みと共に約束を。
大成功
🔵🔵🔵
周・星藍
【犀星】
わー雰囲気いい店!すげー楽しみ!
チーズフォンデュ、犀雹やったことある?
細かいことは気にしなくていーよ
だって、今は俺と犀雹のふたりだけなんだし
気にせず好きに食えばいいと思う!
こう、チーズをくるっと…
ん、うまい!
犀雹も食べてみてよ
俺が食べさせてやろーか?
犀雹って嫌いな食べ物ある?
好きな物は?
んじゃ、じゃがいもとかどう?
はい、あーん
おいしー?(にこにこ見守り
海老とか海鮮系もおすすめ!
ふふ、俺、猫だからなー
アボカドも絶対美味いやつ!
(微笑まし気に見つめつつ
犀雹って、何でも美味しそうに食うよなー
そういうとこも、俺すげー好き
あ、ほっぺについてる(拭き拭き
改めて、ふたりの夜に乾杯しよ!
メリクリ―!
文・犀雹
【犀星】
ちょっと緊張する雰囲気
チーズフォンデュは初めてだよ
でも気にしなくていいって言って貰うと安心する
二人だけ……ねえ星藍。お手本見せて?
そうやるのかぁ、って、えっ食べさせ……?
きっ嫌いなのは無いよ、今のとこ
好きなのは鶏とお芋
海鮮を? やっぱり星藍は猫っぽいなぁ
あーん
! おいし……これ美味しいよ星藍!
チーズがあるだけでこんなに違うんだね!
アボカドも持参したけど、どんな料理になるかな
どれも夢中で食べちゃうよ
(さらっと好きなとこを言われ照れる)
あ、りがとう(段々小声)
僕も星藍の……いっぱい食べさせてくれるとこ、好きだよ
ほっぺ? わっ(抵抗なく拭かれる)
ん。メリクリ
……いいのかなあ僕。こんなに幸せで
●きみといるよる
ちょっと緊張する雰囲気、とランプの灯りを文・犀雹(氐宿僵尸・f33444)は視線でなぞる。
その正面で、周・星藍(ねことらコックさん・f33350)はにこにこと嬉しそう。
「わー雰囲気いい店! すげー楽しみ!」
そう言ってくるりと見回して、星藍は犀雹へと笑いかけ。
「チーズフォンデュ、犀雹やったことある?」
「チーズフォンデュは初めてだよ」
星藍は、犀雹の緊張を感じ取って。細かいことは気にしなくていーよという。
「だって、今は俺と犀雹のふたりだけなんだし、気にせず好きに食えばいいと思う!」
その言葉に安心し犀雹はふふと笑み零す。
「二人だけ……ねえ星藍。お手本見せて?」
ふたりの前にならぶチーズフォンデュ。
星藍は、ソーセージをぷすっとさしてチーズの中へ。
「こう、チーズをくるっと……ん、うまい!」
はふはふしながら食べるそれは格別のもの。
星藍は犀雹も食べてみてよ、と具材をずずいと差し出した。
「そうやるのかぁ、」
「俺が食べさせてやろーか?」
「って、えっ食べさせ……?」
ぱちりと犀雹は瞬いて。もう星藍はどれにしようかと迷っている所。
「犀雹って嫌いな食べ物ある?」
「きっ嫌いなのは無いよ、今のとこ。好きなのは鶏とお芋」
「んじゃ、じゃがいもとかどう?」
じゃがいもをフォークにさして、チーズを絡めて星藍は犀雹の口元へと運んでいく。
「はい、あーん」
それをぱくり、と犀雹は口にする。
「おいしー?」
「! おいし……これ美味しいよ星藍!」
蕩けるチーズ。それがじゃがいもと合わさって程よくて。
チーズがあるだけでこんなに違うんだね! と犀雹は瞳輝かせて、美味しいと思っている事がわかる表情だ。
その様子をにこにこ見守りながら、星藍は次のお勧めを。
「海老とか海鮮系もおすすめ!」
「海鮮を? やっぱり星藍は猫っぽいなぁ」
「ふふ、俺、猫だからなー」
そう言って海老をぱくり。ぷりぷりの食感に尻尾も揺れる。
犀雹はアボカドもどんな料理になるか楽しみと零す。
「アボカドも絶対美味いやつ!」
星藍は、俺も楽しみと笑いながらまずはチーズフォンデュ食べよと犀雹に勧める。
犀雹も次はどれにしようと迷いながら、また美味しいと表情綻ばせる。
そしてアボカドはまぁるいコロッケに。それにもチーズを付けると美味しいですよと店主は言う。
口にすれば口の中でとろりと。美味しい、と犀雹はそれをもぐもぐと食べていた。
「犀雹って、何でも美味しそうに食うよなー」
ふふ、と微笑まし気に見詰めつつ。
「そういうとこも、俺すげー好き」
「あ、りがとう」
さらりと紡がれた言葉に段々と小さくなる声。犀雹は星藍のにこにこの笑顔に照れて。
「僕も星藍の……いっぱい食べさせてくれるとこ、好きだよ」
そして自分も、彼の好きなところを紡ぐ。
星藍はありがとーと笑って。
「あ、ほっぺについてる」
「ほっぺ? わっ」
ごく自然に手を伸ばして、星藍は犀雹の頬拭う。犀雹もそれを受け入れて、これで大丈夫とやがて離れていく。
そして、星藍はそうだとグラス掲げて。
「改めて、ふたりの夜に乾杯しよ!」
メリクリ―! と今日一番の笑み。
「ん。メリクリ」
其れに静かに、犀雹もグラスを合わせて。
そして――小さく、零れ落ちる。
「……いいのかなあ僕。こんなに幸せで」
何か言った? と瞬く星藍に笑いかけて。
二人で過ごす夜はまだ始まったばかり。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ブラッド・ブラック
【森】
「嗚呼、暖かくて助かる」
温かい飲物と店内に冷え切った躰が解けてゆくのを感じ――何故かサンが膨れている
瞳瞬かせ其の頬見詰め『(持込は)餅も良かったな』等と今更思う
火傷しない様に気を付けるんだぞ
美味しそうに食べるサンを微笑ましく眺めながら自身も料理を堪能
嗚呼、美味しいな
持ち寄った物はドラゴンの肉
グールである俺に自身の身を捧げてくれるサンに精が付くようにと
食事を楽しみ、静かに愛し子を見詰める
サンの18の誕生日、俺達は人生の伴侶となった
もう孤独に怯える夜は無い
一昨年のクリスマス、宿木の下でお前が言ってくれたな
『二人で幸せになろう』と
サン、俺はお前と居れて幸せだ
俺は、お前を幸せにできているだろうか
サン・ダイヤモンド
【森】
賑やかなクリスマスも良いけれど
僕の心はすぐにあなたに囚われてしまうから
「ありがたいね」
二人、静かに―んんん
そうじゃないとぷっぷく膨れて
運ばれてきたチーズに瞳輝かせ
凄い!チーズの海だ!
熱々チーズに苦戦しながら蕩ける笑顔
美味しいね、ブラッド
持込は大樹がくれた林檎だよ
とっても甘くて瑞々しい僕の大好物
どんな料理になるのか楽しみ
ドラゴ…っ!(口押
ドラゴンなんていつの間に?食べる食べる!
僕の体は彼の命を繋ぐもの
だから栄養は沢山欲しい
何より彼が僕を想って選んでくれた事が嬉しい
ええ、もちろん
あなたといるから毎日楽しくて
あたたかくて
あなたがいなければ感じられなかった想いもたくさん
愛しい人
僕はとっても幸せよ
●幸せ
冷たい空気。
でもふわりと暖かな空気が出迎えてくれる。
賑やかなクリスマスも良いけれどと思いながらサン・ダイヤモンド(黒陽・f01974)は、ブラッド・ブラック(LUKE・f01805)へと微笑む。
僕の心はすぐにあなたに囚われてしまうから――今も、そう。
席へ通され、まずは温かいものをどうぞともらう。
「ありがたいね」
「嗚呼、暖かくて助かる」
冷え切った躰が解けてゆくのを感じるブラッド。でも――なぜかサンが膨れている。
静かに――んんん、そうじゃないとぷっくぷくに頬膨らませて。
瞳瞬かせ、ブラッドはその頬を見つめる。
ぷくぷくに膨らんだ――餅も良かったな、とその頬を見て思うのだ。
けれど、そのぷくぷくな頬もチーズフォンデュが運ばれてくれば嬉しそうに笑みを象る。
「凄い! チーズの海だ!」
あつあつのとろとろ。サンは瞳輝かせ、早速何から食べようかなと至福の悩みを抱いていた。
「火傷しない様に気を付けるんだぞ」
とろりと、野菜にチーズ絡めて一口。あつあつはふはふと苦戦しながらもサンは蕩ける笑顔を浮かべて。
頬もその熱さに僅かに赤く染まっていた。
美味しそうに食べるサンを微笑ましく眺めながら、ブラッドもチーズフォンデュに手を伸ばす。
「美味しいね、ブラッド」
「嗚呼、美味しいな」
ふたりでどれが美味しいと勧めながら食べて行けば、あっという間にチーズは無くなる。
けれど、まだ料理はあるのだ。
何をここへ持ち込んだのか――サンが持ち込んだのは大樹がくれた林檎だ。
とっても甘くて瑞々しい僕の大好物がどんな料理になるのか楽しみと、サンは言う。
「ブラッドは、何を?」
「ドラゴンの肉だ」
「ドラゴ……っ!」
ぱっと口を押えて声を飲み込むサン。
ドラゴンの肉――グールであるブラッドに自身の身を捧げてくれるサン。
サンに精が付くようにと、ブラッドは持ち込んだのだ。
「ドラゴンなんていつの間に? 食べる食べる!」
サンは、己の身がブラッドの命を繋ぐものであるとわかっている。
だから栄養が沢山ほしい。何より、それを選んだのは――ブラッドが自分を想っているからだ。
自分を想って選んでくれた事が嬉しい。
そしてドラゴンの肉は、ローストされて塊で。
それをお好みの厚さに切って、こちらのソースで。
そのソースは――林檎だ。
とろりとその形に崩して甘酸っぱく。 二人が持って来たものが、同じ皿の上に。
それがなんだか嬉しくて、自然と笑みが零れてくる。
静かに愛し子を、サンを見詰めるブラッド。
サンが18の誕生日の時、人生の伴侶となった。
もう、孤独に怯える夜は無い。
「一昨年のクリスマス、宿木の下でお前が言ってくれたな」
『二人で幸せになろう』と――その言葉を、何度でも反芻する。
ブラッドは、サンへと柔らかに紡ぐ。
「サン、俺はお前と居れて幸せだ」
そして、問いかける。
「俺は、お前を幸せにできているだろうか」
「ええ、もちろん」
あなたといるから毎日楽しくて、あたたかくて――サンは静かに、ゆっくりと。
その日々で得たものを想う。
「あなたがいなければ感じられなかった想いもたくさん」
愛しい人、とサンの唇が紡いで。
「僕はとっても幸せよ」
今日一番の笑みを、ブラッドに向けて。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
フィーリス・ルシエ
【f22148】妹分のシュリと
自分の身体より大きなバケットを抱えて
これならチーズフォンデュに使っても美味しいわよね
ふふ、これくらいなんて事ないわよ
どんな料理になるか、楽しみね
プロの方だもの、きっと上手にお料理してくれるわ
チーズフォンデュ、初めてなのよね
んん、結構な滝よね…
下手に近付いたら、チーズまみれになりそうだわ
シュリ、一緒にしましょ
最初はお肉?
じゃあ、ベーコンなんてどう?
こら、お野菜も食べないとダメよ
チーズを付ければ一味違って美味しいから、ね?
同じものを、二人で分けっこ
ぽかぽかして、美味しい
思わずはしゃぎそうになって、慌てて口チャック
出来上がってきた料理に目はキラキラ
これは美味しそうね…!
シュリ・ミーティア
【f22268】姉貴分のフィーリスと
フィー、重くない?
心配するけどその姿が微笑ましい
ふふ、力持ちだね
シェフさん、私からはこれ
まるごとなパイナップル
大きいから余ったら皆にも分けてあげて欲しいな
どんな料理になるだろう
楽しみだね
チーズフォンデュって初めて
チーズが流れてる、すごい
妖精用のはあるかな…
ん、一緒の方が楽しいね
最初はお肉(きり
フィーはどれ食べる?
ベーコン、ソーセージ…
野菜はフィーにあげるね
だめ?うう…
ん、本当だ、チーズかけると美味しい(耳ピコ
あ、声大きいかな
しー、のポーズ
美味しいから仕方ないね
くすくす笑って
料理出来たかな
二人だけのご馳走
うん、美味しそう
顔見合わせ
内緒話するみたいに
いただきます
●一緒に分け合う美味しさ
「これならチーズフォンデュに使っても美味しいわよね」
自分の身体より大きなバケットを抱えて、フィーリス・ルシエ(フェアリーのシンフォニア・f22268)は飛ぶ。
「フィー、重くない?」
シュリ・ミーティア(銀色流星・f22148)は心配するけれど、その姿が微笑ましくもある。
「ふふ、これくらいなんて事ないわよ」
「ふふ、力持ちだね」
店主にバケット渡せば、ふうと一息。
「シェフさん、私からはこれ」
シュリが渡したのはまるごとなパイナップル。
「大きいから余ったら皆にも分けてあげて欲しいな」
そうさせていただきますね、ありがとうございますと店主は笑って受け取る。
「どんな料理になるのか、楽しみだね」
「プロの方だもの、きっと上手にお料理してくれるわ」
料理を待つのも、楽しい時間。
そしてチーズフォンデュが運ばれてくる。
野菜にソーセージに海鮮など、色々な具材がある。小さく切ってくれているものがあるのは、店主の心遣いだろう。
チーズフォンデュは二人とも初めて。
「チーズが流れてる、すごい」
「んん、結構な滝よね……」
シュリがチーズを少し掬って持ち上げればとろとろと落ちていく。
「下手に近付いたら、チーズまみれになりそうだわ」
妖精用のはあるかな……とシュリは思う。でも、それより早く。
「シュリ、一緒にしましょ」
「ん、一緒の方が楽しいね」
それじゃあ、何から食べよう――ということになればシュリはきりとした表情で。
「最初はお肉。フィーはどれ食べる?」
「最初はお肉?」
「ベーコン、ソーセージ……」
どちらも美味しそうで迷ってしまうというもの。
「じゃあ、ベーコンなんてどう?」
ベーコン、とシュリはふわっと尻尾を躍らせ、チーズにくぐらせてとろり。
フィーリスが一口。そして残りをシュリがぱくり。
チーズとベーコンの相性は抜群で美味しいと二人で笑いあう。
「野菜はフィーにあげるね」
「こら、お野菜も食べないとダメよ」
フィーリスの言葉にシュリの尻尾はしゅんと下がり、耳もぺたり。
「だめ? うう……」
「チーズを付ければ一味違って美味しいから、ね?」
本当? とブロッコリーにチーズをあわせどきどきしながらシュリはぱくり。
「ん、本当だ、チーズかけると美味しい」
耳がピコと立ち上がってこれなら食べれると笑む。じゃがいももニンジンも美味しく食べられた。
同じものを、二人で分けっこするとぽかぽかして美味しい。
美味しいと弾む声――思わず、はしゃぎそうになって、フィーリスは慌てて口チャック。
シュリも気づいて。
「あ、声大きいかな」
しー、と二人で唇の前に指一本たててくすくすと小さく笑い零す。
「美味しいから仕方ないね」
美味しいから、一緒に食べて美味しいから――はしゃいでしまう声がちょっとだけ大きくなるのは仕方ない。
そして、二人が持って来たものも運ばれてくる。
バゲットにはチーズが乗せられてとろとろだ。チーズフォンデュのチーズとは違うチーズで、絡めれば禁断のダブルチーズになってしまう。
沢山いただきましたので、とそれは店主のサービスだという。
本命は――最後に。
バゲットをフレンチトーストにして、アイスとパイナップルは十分甘いけれど今はシロップにつけて。それにチョコレートソースもたっぷり。
「これは美味しそうね……!」
「うん、美味しそう」
「こちらのデザートはお客様たちだけですよ」
こそりと告げられる言葉。
二人だけのご馳走と、シュリはフィーリスを顔見合わせる。
そして内緒話するように、今日何度目かのいただきますを二人で。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
雨絡・環
アルフィードさん(f00525)と
ちーずふぉんでゆ。はて?
ええ、初めてに御座います
成程。確かちーずとは蘇の様な食べものでしたね
斯様にまるで豆乳のように液状になるとは
西洋の食べ物は本当に奥が深うございますねえ
アルフィードさんは何をお持ちになりました?
わたくしは甘酒を
今宵のような雪の日には似合いかと思いまして
あらまあ、これは美味しそうな苺ですこと
召し上がるご様子をじい、と見つつ
ま。ちーずが伸びて
不思議です
それではわたくしも
ぱん、を長いフォークのようなものに刺して、
こうしてちーずを絡めて、食す?……あら。美味し
アルフィードさんの教会に身を寄せて
もう早一年以上になりますか
お陰で飽きのない日々を過ごしておりますの
まあ、それは嬉し
有難うございますねえ
さて、我々が持ち寄ったもので
どの様な一皿にして頂けるのでしょう
とても楽しみですわ
アルフィード・クローフィ
環ちゃんと(f28317)
チーズフォンデュだね!
あれ?環ちゃん初めてかぁー
食べ物を溶かしたチーズに絡めて食べる料理だよ!
豆乳?確かにそうだね!
環ちゃんは甘酒持ってきたんだね!甘酒美味しいよね!雪の日に乙だね!
俺は真っ赤な苺だよー
今朝取り立てです!
じゃ一つ、小さなジャガイモをホークで刺して、チーズの中にドボン、
見て見て!うにょーーんとチーズ伸びてる!パクリと食べて、うん。美味しい!
うん、環ちゃんも食べて!あっ、熱いから火傷に気をつけてね!
美味しい?良かった!
そうだね!環ちゃんが教会に来てびっくりしたよ!そのまま一緒に居てくれてありがとう!
俺や弟しか居なかったからとても楽しい日々を過ごしてるの俺達だよ!
こちらこそありがとう!これからもよろしくね?
わぁー!そうだね、どうなるかなぁ。きっと素敵な一皿だね
●一年、そしてこれから
「チーズフォンデュだね!」
白い息吐きながら、アルフィード・クローフィ(仮面神父・f00525)は店の扉を開ける。
その後に続く雨絡・環(からからからり・f28317)は、ぱちりと瞳瞬かせた。
「ちーずふぉんでゆ。はて?」
「あれ? 環ちゃん初めてかぁー」
「ええ、初めてに御座います」
そう答えながら店の中へ。中は温かく、心地よい空気だ。
「食べ物を溶かしたチーズに絡めて食べる料理だよ!」
「成程。確かちーずとは蘇の様な食べものでしたね」
環はちーずを思い浮かべる。環の記憶の中では、それは塊だ。
それがどうなるか――というと、こうなるのだと目の前に運ばれてきたもので改めて知ることになる。
「斯様にまるで豆乳のように液状になるとは」
「豆乳? 確かにそうだね!」
西洋の食べ物は本当に奥が深うございますねえとしみじみと環は零す。
そしてチーズフォンデュを食べ始める前に、環はそういえばと尋ねる。
「アルフィードさんは何をお持ちになりました?」
わたくしは甘酒を、と環はそれを見せる。今宵のような雪の日には似合いかと思いまして、と微笑んで。
「環ちゃんは甘酒持ってきたんだね! 甘酒美味しいよね! 雪の日に乙だね!」
その甘酒どんなふうになるか楽しみ! と言いながら俺はとアルフィードが取り出したのは。
「真っ赤な苺だよー。今朝取り立てです!」
「あらまあ、これは美味しそうな苺ですこと」
つやつやの綺麗な苺。
甘酒と苺を店主に託して、今からはチーズフォンデュの時間。
どんなふうに食べるのか、まずはお手本というようにアルフィードが先に手を伸ばす。
これにしよ、とアルフィードが選んだのは小さなジャガイモ。それをフォークで刺して、そのままチーズの中にドボン。
そしてそれを引き上げると。
「見て見て! うにょーーんとチーズ伸びてる!」
にょーんとチーズが伸びてついてくる。そしてぷつ、と切れたら伸びたのをくるくるっと巻き取って口へと運ぶだけ。
「うん。美味しい!」
あつあつのチーズ。じゃがいものほくほく感に塩気があう。
その様子をじい、と見詰めていた環。
「ま。ちーずが伸びて」
不思議です、と零しながら手を伸ばす。
「それではわたくしも」
と、バゲットをぷすっとさして。
「こうしてちーずを絡めて、食す?」
「うん、環ちゃんも食べて! あっ、熱いから火傷に気をつけてね!」
にこにことアルフィードはその様子を見守る。
環はチーズ絡めて、とろりと長く伸びるのを見る。湯気がたち、熱いのはよくわかる。
それをそうっと口に運んではふり。
「……あら。美味し」
「美味しい? 良かった!」
チーズの塩気。口の中で蕩けてひろがる味は環にとって初めてのもの。
美味しいという環に、アルフィードも笑って次は何食べる? と紡ぐ。
ソーセージに厚切りベーコン。ブロッコリーやニンジン、それに魚介類と色々ある。
チーズを絡めるのも楽しく、そして一緒に食べることで美味しさも増すのだ。
そして食事をしながら、話をする。
「アルフィードさんの教会に身を寄せて、もう早一年以上になりますか」
「そうだね! 環ちゃんが教会に来てびっくりしたよ! そのまま一緒に居てくれてありがとう!」
にこにこと笑むアルフィードへ、お陰で飽きのない日々を過ごしておりますのと環は紡ぐ。
それは俺も、とアルフィードは返す。
「俺や弟しか居なかったからとても楽しい日々を過ごしてるの俺達だよ!」
「まあ、それは嬉し。有難うございますねえ」
「こちらこそありがとう! これからもよろしくね?」
それは、これからも変わらぬ日々が――いや、起こる事は毎日続くのだろうが楽しい日々が続くということ。
そして最初の、楽しみはこの夜にある。
「さて、我々が持ち寄ったものでどの様な一皿にして頂けるのでしょう」
まだかしら、と環は厨房の方へと視線を向けて。
「わぁー! そうだね、どうなるかなぁ。きっと素敵な一皿だね」
「とても楽しみですわ」
俺も楽しみとアルフィードも笑み深くする。
そしてそれは、食事の終わりに。
ひんやりとした、苺と甘酒で作った二層のアイス。
一口分、キューブ状になっているそれは二層。甘酒の層と、苺の層と。
「デザートになった!」
「ま。これも美味しそ」
冷たいデザートは、口の中でほどけるように溶けていく。
あまやかに、あざやかに。
大成功
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壱織・彩灯
【黒緋】
賑やかしもよいが……
偶にゆるりと靜かに酔うのも好きだぞ
――噫、懐かしい
お前とは最初から飲む仲じゃったのう
ほう、理解っておるなレンよ
持ち込むならばやはり酒、良い子じゃ
酒一瓶に得意げなレンを褒めそやす
ちーずふぉんでゅにも洋酒を少々入れると旨いらしいぞ
白ワイン、というやつじゃな
まあ、今日の俺の持ち込みは捕ってきた魚なんだが……
種類はわからん、店主、何か作れそうか?
……欲張り、か
いいや、レン、其れはお前が求めて当然のものじゃ
俺で赦されるのならば、お安い御用よ
爺のさみしい、など戯言を覚えててくれた優しい仔
俺も親という生き物は希薄であるし
……己も成れなかったものだ
なれば、一応永く生きている身の先達として
俺を家族にしてお呉れ
ふふ、お兄ちゃんは擽ったいが
ちーずを伸ばして、具材を潜らせて
俺のお気に入りはベーコンかのう
ほれ、たんとお上がり
ってレンの皿へぽいぽい
笑わんよ、俺とて此の温もりは心地良いのだから
盃を交わし合い、ちーずを頬張り
緋色が偶に重なる
……楽しいなあ、レン
柔く咲い、噛み締めるは胸の裡
飛砂・煉月
【黒緋】
気持ちよく飲むのに清閑を選んだのは――
向き合う色はオレと同じ彩
思えば出会った時から飲む時はふたりだったよねって
という訳でフォンデュには入れられないけど
オレが持ってきたのは彩灯と飲みたい酒だよ~
え、白ワイン?じゃ入れるじゃんね
褒められ満足気の後は
少し声を顰め内緒話みたいに
オレって欲張りだからさ
夏に彩灯が爺ちゃんで、親で、兄で、友達って云ってくれたの夢に出来なかったんだ
だからキミが云ってくれた寂しいに甘えよっかなーて
ちらり観念した様にへらりとわらう
てな訳で今日だけまたオレの家族になって、彩灯
親…よりも爺ちゃんか兄ちゃんで!
あつあつ、とろとろ
わーいと更に乗るチーズ達に舌鼓
やっぱ識らないあったかさがあって
其れはキミとの時間だけって云ったら笑う?
盃合わせ、チーズごと酔い痴れたい
重なる緋色はそっくりで
なんだろ、話に聞いた家族の食卓みたいだ
知ってるはず無いのにどうして浮ぶのかな?
只の直感、辿ればキミに辿り着く様な感覚は有るけど
うん、すげー楽しいね彩灯!
今はどんな繋がりでも笑える此の距離で居たい
●静かな夜を
「賑やかしもよいが……」
ふ、と壱織・彩灯(無燭メランコリィ・f28003)は口端に笑み乗せる。
偶にゆるりと靜かに酔うのも好きだぞと。
その前に座るのは飛砂・煉月(渇望・f00719)だ。
気持ちよく飲むのに清閑を選んだのは――と、煉月は己と同じ彩の男を前にする。
「思えば出会った時から飲む時はふたりだったよね」
「――噫、懐かしい」
そう、と彩灯は瞳細める。お前とは最初から飲む仲じゃったのうとゆるりと紡いで。
「という訳でフォンデュには入れられないけど」
と、煉月が取り出したのは酒だ。
「オレが持ってきたのは彩灯と飲みたい酒だよ~」
「ほう、理解っておるなレンよ」
持ち込むならばやはり酒、良い子じゃとうんうんと彩灯は頷く。
でしょ、と酒瓶もって煉月は得意げだ。
「ちーずふぉんでゅにも洋酒を少々入れると旨いらしいぞ。白ワイン、というやつじゃな」
「え、白ワイン? じゃ入れるじゃんね」
そして煉月は、彩灯が何を持って来たのか尋ねる。
「まあ、今日の俺の持ち込みは捕ってきた魚なんだが……」
種類はわからん、と言って店主を呼びそれを渡す。
「店主、何か作れそうか?」
店主は立派な魚ですねと笑って、ええと頷く。
そして先に運ばれてくるのはチーズフォンデュだ。
チーズに、ソーセージや厚切りベーコン。バゲットや野菜や魚介と色々。
「オレって欲張りだからさ。夏に彩灯が爺ちゃんで、親で、兄で、友達って云ってくれたの夢に出来なかったんだ」
だから、と言葉続ける。
「だからキミが云ってくれた寂しいに甘えよっかなーて」
ちらり、と視線向けて。観念した様にへらりとわらっていた。
「……欲張り、か」
彩灯は、煉月の話を聞いていいやと首を振る。
「レン、其れはお前が求めて当然のものじゃ」
へらりと笑う彼へと彩灯も笑って。
「俺で赦されるのならば、お安い御用よ」
そして思うのだ。
爺のさみしい、など戯言を覚えててくれた優しい仔――と、彩灯は柔らかに向けられる。
その言葉を貰って、煉月は笑みを一層深めて。
「てな訳で今日だけまたオレの家族になって、彩灯」
でもそれは親というのはしっくりこない。
それは彩灯も同じだ。
親という生物は希薄であるし、何よりそれは。
(「……己も成れなかったものだ」)
なれば、と彩灯は少し考えて。
そして一番自分でしっくりくるところを探す。
「一応永く生きている身の先達として
俺を家族にしてお呉れ」
「親……よりも爺ちゃんか兄ちゃんで!」
「ふふ、お兄ちゃんは擽ったいが」
なんて笑って話しながら、チーズフォンデュに一緒に手を伸ばす。
家族の楽しい食事のように。
どれから食べよう、なんて悩みながら。
ちーずを伸ばして、くるくると巻き取って。
あつあつ、とろとろと煉月はふにゃりと笑み零す。
たっぷりチーズ絡めて口に運べば幸せの時間。
「俺のお気に入りはベーコンかのう」
塩気が良い塩梅と彩灯はチーズ伸ばして、煉月にほれ、たんとお上がりと皿に乗せる。
それは一つではなくて、次から次へと色々なものをのせていく。
「わーい」
その、乗せてもらったものに舌鼓。
ふんにゃりと笑みは深まっていくのは、ここにあるのがやっぱり識らないあったかさだから。
その事を告げて、煉月は彩灯に問いかけた。
「其れはキミとの時間だけって云ったら笑う?」
「笑わんよ、俺とて此の温もりは心地良いのだから」
ぱちりと瞬いて、彩灯の表情はふわりと緩む。
と、そこへ運ばれてきたのは彩灯の持って来た魚が形変えた料理。
それは一口サイズのフリッター。揚げたそれは身がふわふわだ。
店主はこちらにもチーズを絡めても美味しいですよと告げる。
「ではさっそく」
彩灯はチーズ絡め、煉月の皿へ。
それを食べればふわっとした食感にチーズのうまみ。
そして、煉月の持って来た酒を、杯を合わせて口にする。
チーズごと酔い痴れたい、なんて言って。
たまに重なる緋色――それは本当にそっくりで。
なんだろ、と煉月はふわふわした心地で思う。
これはまるで話に聞いた家族の食卓みたいで。それを知ってるはず無いのにどうして浮かぶのかな? と煉月は首傾げかけた。
そうならなかったのは、やわらかに響いた声があったからかもしれない。
「……楽しいなあ、レン」
彩灯は柔く咲い、噛み締めるは胸の裡。
「うん、すげー楽しいね彩灯!」
只の直感、辿ればキミに辿り着く様な感覚は有るけどと思いつつ、煉月も笑むのだ。
今はどんな繋がりでも笑える此の距離で居たい。
この夜の、この時間は――かけがえない、大切なものになるだろうから。
大成功
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