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お米センシング! 家電製品大戦争(家具もあるよ)

#キマイラフューチャー #お祭り2021 #クリスマス

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●かまど炊きって本当に炊飯器より美味しいの
 クリスマスを迎えたグリモアベースは、多種多様な関連の依頼を斡旋するグリモア猟兵と、その周りに集まる猟兵たちとで大賑わい。
 その一角で、ミネルバ・レストー(桜隠し・f23814)もまた雪花のグリモアを掲げながら必死に人波に飲まれぬようぴょんぴょん飛び跳ねながら声を上げていた。

「みんなー! 突然だけどサンタの仮装をした怪人がキマイラフューチャーの住宅地にお邪魔して、お家をメチャクチャにしたり住民をボコボコにして回る事件が視えたわー!」

 おお、何たる説明的な台詞! しかし分かりやすさでは負けてはいない!
 放ってはおけないとミネルバの周りにはみるみる心優しい猟兵たちが集まってきた。
 うんうんと頷きひとつ、ミネルバは中空にホロビジョンを一枚展開する。
 そこには、黒のイブニングドレスに身を包んだ美女――を思わせる、頭部が明らかに古き良き釜の形をした怪人が映し出されていた。
「これが今回のターゲット、『カマンドゥーラ・コゲット』。今みんなが見てるのが基本形ね、これが今回サンタの仮装をして突撃隣の晩ご飯をしてくるの」
 ぶん、と最初のビジョンにかぶさるようにもう一枚ビジョンが展開されると、そこには黒のドレスが真っ赤に変わり、金色のモールを身体中に巻き付けた、まあ確かにクリスマス仕様と言われればそうだよねという姿のカマンドゥーラがいた。
「カマンドゥーラはね、薪を用いた本格釜炊きこそ至高とする『炊飯貴族』」
「「「炊飯貴族」」」
「資料にそう書いてあるんだから仕方ないじゃない……で、優雅で気品あふれるが尊大で、電気やガスを用いた炊飯を見下してる、んですって」
 だから、人様のお家に乱入して中をメチャクチャにしたり住民をボコボコにするというのか。よりによってクリスマスに。どういうことなの。

「事件が起きる地域の住民には事前に話を通してあるわ、みんなノリノリでオッケーしてくれたから笑っちゃうわよね」
 半ば呆れ顔のミネルバは、いよいよ作戦の概要に触れる。
「乱入してくる怪人そのものを止めることはできないけど、迎撃はいくらでも可能だわ。家の内部にある家具や家電、おもちゃやクリスマス飾りとかをうまいこと利用して、トラップを仕掛けておいて欲しいの。これ絶対怪人引っ掛かってくれるわ」
 プレイングボーナスですね、わかります。
「敵は炊飯器に特に敵愾心を抱いているようだけど、それにこだわる必要はないわ。文明の利器すべてに敵意を持ってるから、キマイラさん家にあるもの総動員で頑張ってね」

 雪花のグリモアが、キマイラフューチャーへの扉を開く。
「戦う必要まではないからね、華麗なるトラップに引っ掛けてやれば勝手に退散するわ」
 悪戯を楽しむつもりで、頑張ってきてね。
 そう言ってミネルバは手を振った。


かやぬま
 これこないだ地上波でやった映画じゃん!
 おっと何でもありません、かやぬまです。
 ボス戦ですが戦闘はナシ、トラップに引っ掛けてざまぁしてやりましょう。

●プレイングボーナス
 ・家の中にあるものを利用してトラップを仕掛け、怪人を引っ掛ける。

●第1章
 ボス敵『カマンドゥーラ・コゲット』は赤いドレスに金モールを巻き付けた仮装で突撃隣の晩ご飯状態でキマイラさん家に突撃してきます。
 みなさんは狙われたお家に事前に潜入した上で、家具や家電、おもちゃ、クリスマス飾りなどを利用したトラップを仕掛けてそれを迎撃して下さい。
 クリスマスなのでお米を炊いているお宅はあんまりないとは思うんですが、炊き込みご飯とか手巻き寿司とか作ってるお宅もあるかも知れませんね。
 そういうお宅を敢えて指定して挑戦して頂いても構いません。
 どちらにせよ、カマンドゥーラはトラップに引っ掛かれば大人しく撤退するので、戦闘プレイングは不要です。仕掛けに全力を尽くして下さい。

●いたずらの程度
 元ネタと思しき映画のアレは割とマジで殺傷力が高いので、できればアレよりはマイルドな案件でお願い出来ますと幸いです(笑)。

●プレイング受付について
 断章はなし、公開され次第承ります。
 27日までに頂戴したプレイングで執筆させて頂こうと思いますので、それまでにプレイングを頂戴できれば可能な限り書かせて頂きたく思います。
(あんまりギリギリだとキャパオーバーなどの理由でお見送りする可能性があります)
 詳細はMSページとタグでお知らせします、よろしくお願い致します!
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第1章 ボス戦 『カマンドゥーラ・コゲット』

POW   :    汝、釜炊きを愛すべし
【杓文字扇】が命中した対象に対し、高威力高命中の【天から降ってくる羽釜による一撃】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD   :    我、釜炊きの化身なれば
全身を【本格釜炊きならではのオーラ】で覆い、自身の【本格釜炊きごはんの美味しさ】に比例した戦闘力増強と、最大でレベル×100km/hに達する飛翔能力を得る。
WIZ   :    汝も釜炊きにしてやろうか
【本格釜炊きを可能とする竈から召喚した炎】が命中した対象を燃やす。放たれた【本格釜炊きの】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。

イラスト:久佐葉

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠滝舘・穂刈です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●断章なしって言ったけど、やっぱあった方がいいかなって……。
 クリスマスでいっそう賑わうキマイラフューチャー、その街並みをやや離れたところから見下ろして、赤いドレスに金モールを巻き付けた釜頭の婦人は杓文字扇を握る。
『愚か、あまりにも愚か……! 人類の発展自体が愚かだというのに、そもそも何がめでたいのかも理解していないくせにお祭り騒ぎをするここの住人が愚か……!』
 カマンドゥーラ婦人には、お祭り騒ぎにはとりあえず全力で乗っかっていくスタイルは共感できないご様子。お堅い怪人なのだろうか。
『そもそもメインの食事もやれローストチキンだのポテトだのケーキだのと、お米が割り込む隙が微塵もない! 愚か! あまりにも愚か……!!』
 ついにはその場にしゃがみ込んでしまうカマンドゥーラ婦人。怒りのあまり頭部の釜が吹きこぼれそうになっている。

 ――だが、カマンドゥーラ婦人がなすべきことは、ここで憤りにかられて米を炊くことではない。
 クリスマスとやらで浮かれポンチなキマイラフューチャーの住人を、ファミリー層からディンクス、果てはお一人暮らしの方々まで等しく叩きのめし、その愚かさを矯正してやることだ。
 赤き釜頭婦人は、立ち上がる。
 怒濤の進撃が、今始まろうとしていた。

 ……既に、猟兵による迎撃準備が整えられているとも知らず!
御剣・誉
罪なき住民の皆さんに迷惑をかけるなんて許されるか!?否!
ま、ここは穏便にお帰りいただくかな

確かに便利家電はいっぱいあるけど
どうやって撃退するか…
ん?エリンギどうした?
は?寒い?
ちゃんと上着着て帽子被れって言ったのにー
え?赤いのは嫌だ?
今日はクリスマスなんだから空気読めよ
とりあえずコタツ入れば?
はー温かい
ここから出るなんて無理…あれ?なんか増えてね?
まぁいいや
そんなことより腹減ったなー
お、ホットプレートあんじゃん
じゃぁ肉焼くか~
おわっ!?そこめっちゃ熱いぞ!

肉食べてると白米も欲しくなるな
米、米…お。あった
…肉、一緒に食うか?今なら白米もつけるけど
はー幸せだな~
最高のクリスマスだぜっ



●序章~米と焼肉
「罪なき住民の皆さんに迷惑をかけるなんて許されるか? 否!」
 夕暮れ時を迎えたクリスマスイブのキマイラフューチャーに転移を受けて、真っ先にそう叫んだのは御剣・誉(焼肉王子・f11407)。見よ、この圧倒的勇者感!
 周りを見回せば、キマイラたちの住居と思しき建物が並ぶ住宅街のような場所らしい。
 ここを件のカマンドゥーラ・コゲットが襲撃してくるというのか。
「ま、ここは穏便にお帰りいただくかな」
 我に策ありといったていで、誉は手近な民家にノックした上でお邪魔していった。

 誉が選んだ家は、事前の協力に応じて家を空けておいてくれた世帯だったようだ。
 生活感はまったくそのままに、住人だけが留守にしているという状態だった。
 状況を把握すべく、誉が相棒の仔竜「エリンギ」と共に家捜し……じゃなかった、実地調査をしていると、このお宅は中々に便利家電をコンコンコンであれこれ揃えていることが分かってきた。
 ホットプレートは当然タコ焼きプレートもある三段仕様、朝ご飯のお供のホットサンドメーカーもある。カマンドゥーラが見たら卒倒しそうな高級炊飯器に、圧力調理鍋まで。
 調理家電だけでも軽くこれなのだから、家全体で見たら相当すごいことになりそうだ。
「確かに便利家電はいっぱいあるけど、どうやって撃退するか……」
 問題はそこだった。何をどう組み合わせてトラップを仕掛けるか、だ。
 誉がうんうん唸っていると、傍らのエリンギが可哀想にぷるぷる震えていた。
「ん? エリンギどうした?」
「……」
「は? 寒い?」
 確かに、エアコンこそ効いてはいるものの、仔竜にとっての適温とは限らない。
 しかも今のエリンギはいつもの愛らしい帽子と上着を身に纏っていない。何故だ!
「ちゃんと上着着て帽子被れって言ったのにー」
「……」
「え? 赤いのは嫌だ? 今日はクリスマスなんだから空気読めよ」
 エリンギは難しいお年頃なのだろうか、誉も大変そうである。
 だからといって寒がる仔竜を放置するのも忍びなく、そこでふと誉が目にしたものは――古き良き暖房器具、コタツであった。
「エリンギ、とりあえずコタツ入れば?」
「むっ」
 コタツ布団の端をめくってあげると、頭から突っ込んでいくエリンギ。
 自らも足を突っ込んで暖を取りながら、ひと息吐く誉。

「はー温かい、ここから出るなんて無理……」
『無理ですわね……』

 独り言のつもりだった台詞に、返事が返ってきた。ホラーかな?
 声の主同士が顔を見合わせる。
 どこに出しても歓声が上がるイケメンと、どこに出しても美味しいご飯が出てくるお釜の視線が交差した。
「……あれ? なんか増えてね?」
『私がこのコタツの先客でしてよ』
 エリンギはコタツの中でぬっくぬっくと暖を取っている。
 誉は状況を把握しようとして――秒であきらめた。
「まぁ、いいや」
 いいんだ!!?
「そんなことより腹減ったなー、おっホットプレートあんじゃん」
 先程部屋の下見をした時に、大きな高級ホットプレートを見かけたことを思い出す。
 一度コタツから出て、焼肉プレートをセットしてコタツの上にドン! と置いた。
「じゃぁ肉焼くか~~~~焼いちゃうか~~~~」
 これまたハイグレードクラスの観音開き式冷蔵庫のチルド室に、焼肉用のカルビ肉がこれでもかと入れられていたのを誉は見逃さなかった。流石は焼肉王子!
『……鉄板……』
 ホットプレートを初めて見るのか、興味深げに鉄板の上に手をかざそうとしたカマンドゥーラを、誉が慌てて制止する。
「おわっ!? そこめっちゃ熱いぞ!」
 まるで完全に家主のごとくに肉を手際良く焼きながら、誉はエリンギに食器を持ってきてもらうようお願いするのだった。

「肉食べてると、白米も欲しくなるな」
『……』
 誉とエリンギは、人様の家で仲良く焼肉パーティーをしていた。
 カマンドゥーラはギリギリの意地で、見ているだけに留まっていたが。
「米、米……お、あった」
『!!!』
 流れるようなイケメンムーブで、誉はカマンドゥーラの釜のフタを開けた!
 暴かれた釜の中身はツヤツヤの白米……香り高き肉のお供……。
「……肉、一緒に食うか? 今なら白米もつけるけど」
『……この白米は、私が炊いたものでしてよ……??』
 そう言いつつも、既にカマンドゥーラの頭は下げられ、中の白米はよそい放題。
「はー、幸せだな~。最高のクリスマスだぜっ」
 これもひとつの、罠のカタチ。
 完食した後、カマンドゥーラは満足げに一切暴れることなく去って行ったという。

成功 🔵​🔵​🔴​

荒谷・つかさ
悪戯……悪戯かぁ。
あんまり細々としたヤツよりは、豪快に正面から叩きのめす方がやりやすいんだけれど。
(相変わらずの脳筋感)

とりあえず玄関から入ってすぐのところに、赤と銀のモールを張って「立ち入り禁止」と札を下げておく
その向こう側にこれ見よがしに蒸気を吹いて炊飯中の炊飯器を置いておく
まあ間違いなく札を無視して入ってくるでしょうから

侵入に反応してつきたてアツアツ&冷えてカチコチのお餅が降ってくるように細工しておくわね(超熱い&超痛い

そう、ここはクリスマスケーキにお餅を使うという発想の御宅
お餅は「お米のケーキ」とも呼ばれてるそうだし、納得だわ
余った分は正月の鏡餅にするそうだし、無駄が無くて良いわね



●モチモチ大作戦
 カマンドゥーラに狙われた住宅街のとあるお宅で、荒谷・つかさ(逸鬼闘閃・f02032)は飾りつけに使う赤と銀のモールを手にしたまま、思案に耽っていた。
(「悪戯……悪戯かぁ」)
 手にしたモールの端っこをヒュンヒュン振り回してみせながら、つかさは思う。
(「あんまり細々としたヤツよりは、豪快に正面から叩きのめす方がやりやすいんだけれど」)
 ビシィッ! と振り回していたモールの先を思い切り叩きつける仕草をする。
 回りくどい仕掛けにハメるよりは、本体をつかさ自身が叩いた方がぶっちゃけ早い。
 相変わらずの脳筋感だなあ、なんて思うつかさだけれど、人には向き不向きがあるのだからそこはいい悪いの問題ではないので、安心して欲しいと思う。

「とりあえず、と……」
 手にした二色のモールは、玄関から入ってすぐのところに赤と銀が交差するように張り巡らせ、『立ち入り禁止』と書かれた軽い素材で出来た札をそこに下げておく。
 そして玄関側から見てその向こう側にこれ見よがしにセッティングするのは、今まさにお米を炊いてますと言わんばかりに蒸気を吹いている絶賛炊飯中の炊飯器だ。
「まあ、これだけやれば間違いなく札なんか無視して入ってくるでしょうから」
 あとはターゲットの襲撃を待つばかりと、つかさは廊下の曲がり角に身を潜めた。

『お米が炊ける香りがしたので!!!』
 バァーン! 赤いドレスに金モールの釜頭怪人がまんまと引っ掛かった!
 そして眼前に広がる光景に愕然とする!
『な、な、な、何ということでしょう……炊飯器などでお米を炊くだなんて……』
 これはお米に対する冒ッ涜! 今すぐ止めなければ!
 などと激昂して叫びながらずかずかとお宅に不法侵入してくるカマンドゥーラは、当然つかさが張った『立ち入り禁止』の札もカラフルなモールも全くお構いなし。
 警告を無視した者には得てして何らかの罰が与えられるものだが、さてはて。
『熱ッ!? あッ冷たッ!! どっちもよ!? どちらにしても痛いわ!?』
 モールが引きちぎられると同時に、怪人の侵入とみなしてつきたてアツアツ&冷えてカチコチのお餅が天井より降り注ぐようにつかさが細工をしておいたのだ。
 ついでにつかさ本人も曲がり角から半身だけ乗り出して直接お餅を投げつけている。
『ちょ、貴女、どういうことなの!』
「ここはクリスマスケーキにお餅を使うという発想のお宅……」
 つきたてモチモチのお餅をこっそりパクつきながら、つかさが問われるままに答える。
「お餅は『お米のケーキ』とも呼ばれてるそうだし、納得だわ」
『そんなことはどうでもよくってよ! 痛い、痛いわよぉ!』
「そんなに痛がってくれて光栄だわ、仕掛けを張った甲斐があるってものよ」
 言いつつつかさ自身がぶん投げる餅の破壊力が一番高いのはここだけの話で。
「余った分は正月の鏡餅にするそうだし、無駄が無くて良いわね、心配無用よ」
『そっちの心配なんかしてなくてよ! もう帰らせてもらうわ! ばーか!』
 見事なトラップに打ちのめされたカマンドゥーラは、子供のような捨て台詞を残してお餅大好き一家を飛び出していった。

成功 🔵​🔵​🔴​

御桜・八重

全自動マッサージチェア。
その魔力は一度座ったものを虜にして離さないという…
「って、お父さんが言ってたけど本当かなー ま、やってみよ!」

◆トラップ
全自動マッサージチェアを部屋に設置。
婦人が侵入してきたら録音しておいた音声を流す。
(協力:住民のお爺さん)
「おおぅ、これは効くのぅ~」
「人の手にも負けず劣らず… 是非お試しいただきたいのぅ~」
「……逃げるのかい、お前さん」

上手いことチェアに乗ってくれたらリモコンで最強段階スタート!
チェアの罠は、その心地よさもさながら、凶悪なまでの拘束力。
腕も脚もがっちり固定されたところで、
「せーの、ふーっ!」
わたしのミニ分身が一斉に襲い掛かり、コチョコチョコチョ!



●勝てるか、怪人
 ――全自動マッサージチェア。
 その魔力は、一度座ったものを虜にして離さないという……。
「って、お父さんが言ってたけど本当かなー」
 頬に指寄せ首傾げ、いぶかしむのは御桜・八重(桜巫女・f23090)。
 無理もない、八重はまだ花の乙女。マッサージチェアのお世話になるにはまだ早い。
 マッサージチェアの実力は、体感したものでなければ語れないのだから無理もない。
「ま、やってみよ! お願いしまーす!」
 という訳で八重は、屈強な住民キマイラさんたちの力を借りて、とあるご老人が住まう住居に作戦へのご協力の感謝の意も込めて、全自動マッサージチェアを設置したのだ。
 まずは試しに、ご老人に体験してもらい効果の程の肉声を録音することにした。理由は後述というヤツである。
 マッサージチェアというよりはキャバリアのコクピットめいた豪勢な外見のマシンに身体を沈め、アームで伸ばされたタッチパネル式のコントローラーをゆっくりと操作するお爺さん。
(「……(ごくり)」)
 ICレコーダーを握りしめる手に汗をかきつつ、八重はその様子を見守る。
 やがて、コクーン(繭)を思わせるマッサージチェアが本格的に起動する――!

 十数分後。
『メリーお釜マス!! 炊飯器は絶滅よ!!』
 バァーン! 予知された通りに赤いドレスに金モール姿のカマンドゥーラ・コゲットが八重の待機するお宅へ乱入してきた。
『炊飯器壊すべし……あら?』
 鼻息? 荒く土足で家に上がり込んできたカマンドゥーラの視界に飛び込んできたのは、巨大な全自動マッサージチェアの偉容であった。
 何しろ玄関入ってすぐのリビングど真ん中に搬入されているのだから、目に入らない方がおかしい。
『これは……マッサージチェア? しかも相当な高級品じゃないの……』
 品定めをするように、じろじろとマッサージチェアを眺めるカマンドゥーラ。
『でも、これも炊飯器と同じ『敵』! プロのマッサージ師を冒涜する禁忌の存在!』
 そう叫ぶと、カマンドゥーラは竈から炎を召喚しようとした。
 そこでリビングのソファーの陰に隠れていた八重が、すかさずICレコーダー内の音声を再生する!

 ――機械にマッサージされるなぞ、痛くないかのう……?
『なっ!? こ、この声はどこから!?』
 そう、これは八重が事前に録音しておいた、お爺さんのマッサージチェア体験レポボイスである!
 ――身長、体重、足のサイズまで入力するのかい? 丁寧に聞いてくるんだねぇ。
 ――お、おおお? 身体中をスキャンされているぞぃ!?
 臨場感あふれるお爺さんのマッサージチェア体験ボイスが響き渡る室内に、立ち尽くすカマンドゥーラ。
 今しがた破壊しようとした忌まわしきモノを、今は興味深げに眺めている。
 ――おおぅ、これは効くのぅ~。まるで人間の手で揉まれているようじゃ……!
『そ、そんなに!?』
 ――っはあぁ~~~、人の手にも負けず劣らず……これは是非お試しいただきたいのぅ~~~。
『……くっ……!』
 実際に気持ちよかったのもあったのだろうが、このお爺さん、なかなかの演技派だ。
 とどめは八重がリクエストした挑発ボイスで、カマンドゥーラを誘導する……!

 ――……逃げるのかい、お前さん。
『やってやろうじゃありませんことよ!!!』

 カマンドゥーラはヒールを脱ぎ捨て、どっかと全自動マッサージチェアに腰掛けた。
『リモコンは……これね! いいわ、最強段階でスタートなさい!』
(「あ、自分からフルパワーにした」)
 八重は少しだけ驚いたが、それはそれで結果オーライとほくそ笑む。
(「チェアの罠は、その心地よさもさることながら、凶悪なまでの拘束力」)
『ああ゛~~~腕も脚もエアーで程良く締め付けられる~~~』
 そう、腕も脚もほぼ完全に拘束されるのだ。八重の狙いは、まさにそこにあった。

「せーの、ふーっ!」
 八重がソファーの陰から掌に乗せた桜の花弁を吹き散らせば、花弁はたちまち小さな八重の分身となっていっせいに飛び出していく!
「きゃっきゃっ」
「コチョコチョしちゃうぞ♪」
『なっ、何よ貴女たち、人が気持ちよくなってるところに……ああっ止めなさい! アッくすぐったい! アアッ!!』
 ミニ八重の巧みなくすぐりからは逃れたいものの、マッサージチェアによる施術からは逃れたくない二律背反に、カマンドゥーラは盛大に身悶えるほかなかったという。

成功 🔵​🔵​🔴​

リュカ・エンキアンサス
ディフお兄さんf05200と
罠を作るのは得意なんだ。任せてほしい(無表情ながらに若干得意げ

家電製品…
てことは電気があって…
家具があるなら油も…
よし
……え?
何って、こんな感じで…(聞くも恐ろしい殺戮殺害計画を平然とした顔で語って聞かせたという

え、だめなの?
そ、そう。じゃあ、こんな感じでちょっとグレードを下げて…
え。まだだめ?
もう。じゃあお兄さんやってみてよ

…お兄さんって、何でも器用だね(敗北宣言
まあ、俺だって別にむやみな殺戮をしたいわけじゃないからお兄さんの助言に合わせていこう
コードで足を引っかけたり、通りがかったら突然ホラー映画が流れたりとささやかな感じ
ノリノリというか…まあ、楽しくやってます


ディフ・クライン
リュカ(f02586)と

今日はリュカの助手のつもりだったんだけど
リュカ、リュカ待って
何する気?
…リュカ、それはダメ
今回はトラップに引っ掛けて退散させるのが目的だから

もうちょっと殺傷力が下がらないだろうか
だってその案でも怪人爆散しちゃうよ
オレが?うーん、困ったな
じゃあこんな感じで

炊飯器を囮に
周囲の電気を消して
足元にピンと張ったツリーのモール
転ぶ先にビー玉
滑って炊飯器の台に激突するようにして
ぶつかったら頭に炊飯器が落ちて
炊飯器についた紐で一緒にツリーもどん

どうかな、これならまだ悪戯の範疇じゃない?
…でもリュカ、ノリノリで計画してたじゃないか

ともあれリュカの悪戯にアドバイスして
しっかり助手を務めるよ



●力加減の重要性
 リュカ・エンキアンサス(蒼炎の旅人・f02586)という猟兵は元々表情に乏しいながらも、若干得意げだったりする様子ならば見て取ることが出来る。
 そう、今がまさにその時であった。
「罠を作るのは得意なんだ、任せてほしい」
 本日の相棒ことディフ・クライン(雪月夜・f05200)に向けて、青い瞳を輝かせながらそう言うと、リュカは早速立ち入った住居にあるものをひとつひとつ確認していく。
「家電製品……てことは電気があって……」
 がさごそ、がさごそ。
「家具があるなら油も……」
「リュカ」
「よし」
「リュカ、待って」
 ヨシじゃない、と言わんばかりに、リュカの怪しさ満載の行動を常識人たるディフがたまらず制止した。
「何する気?」
「……え? 何って、こんな感じで……」

 ~しばらくお待ちください~

 ちょっと文章に書き起こすには憚られるレベルの、聞くも恐ろしい殺戮殺害計画を、平時と変わらぬ表情で語って聞かせたリュカに向けて、ディフは青ざめた顔で首を振った。
「……リュカ、それはダメ。今回はトラップに引っ掛けて退散させるのが目的だから」
「え、だめなの? そ、そう……」
 リュカとしては自信満々に提案したアイデアだったものだから、まさかダメ出しをされるとは正直思っても見なかったので、少々口ごもってしまう。
 けれどもここでへこたれるリュカではない、すぐに軌道修正をした案を弾き出す。
「じゃあ、こんな感じでちょっとグレードを下げて……」
 これならディフも納得してくれるはず、と信じて疑わずに語った案は――。
「もうちょっと、殺傷力が下がらないだろうか」
「え。まだだめ?」
「だってその案でも怪人爆散しちゃうよ」
 せっかくの案なのに申し訳ない、と言い添えつつも、ディフは現実的な指摘を欠かさない。そもそもの話、リュカの作戦は全体的に殺意が高すぎるのだ。
 だが、あれもダメこれもダメと言われ続けてはさすがのリュカも面白くない――とまでは言わないが、代案のひとつも出してもらわねば困ってしまうというもの。
「もう。じゃあお兄さんやってみてよ」
「オレが? う、うーん、困ったな」
 何しろ今日のディフはリュカの助手のつもりでやって来ていたものだから、率先して案を出せと言われると正直困ってしまう。
 ならば助手らしく、これまでリュカが出した案をディフらしく極力マイルドに落とし込んだ上で再構築するというのはどうだろうか。
 しばし思案し、ディフはリュカに「じゃあこんな感じで」と提案をした。

「まず、炊飯器を囮に。周囲の電気を消して、足元にピンと張ったツリーのモール」
「うんうん」
「足を引っ掛けて転ぶ先にはビー玉、滑って炊飯器の台に激突するようにして」
「いいねえ」
「ぶつかったら頭に炊飯器が落ちて、炊飯器についた紐で一緒にツリーもどん」
「ツリーもどん」

 どうかな、これならまだ悪戯の範疇じゃない?
 そう問いかける助手に向けて、リュカは軽く両手を挙げた。
「……お兄さんって、何でも器用だね」
 敗北宣言も同義の台詞に、ディフは苦笑いをしつつも返す。
「……でもリュカ、ノリノリで計画してたじゃないか」
 その言葉には返さず、早速トラップの起点となる炊飯器に視線を向けるリュカ。
(「まあ、俺だって別にむやみな殺戮をしたいわけじゃないから、お兄さんの助言に合わせていこう」)
「お兄さん」
 ディフに声をかけるリュカ。その手には電源コードがやや余りがちな電源タップ。
「コードでも足を引っ掛けてみない?」
「いいね、モールだと強度が足りないかも知れないしね」
 ディフがその提案に両手を合わせて賛成する。
 そして何気なく視線を向けた先には、都合良くプロジェクターが置いてあった。
「リュカ、これは何かに使えるかな?」
「使えるとも、怪人が通りかかったら突然ホラー映画が流れるとか良くない?」
 動画ファイルなら適当にコンコンコンすれば出てくる、なんて言いながら。
 ディフは、思わずリュカの横顔を眺めながらクスリと笑う。

「……やっぱり、ノリノリじゃないか」
「……まあ、楽しくやってますよーだ」

 ちなみに、このお宅に殴り込んだカマンドゥーラ婦人は、見事ディフとリュカが仕掛けたトラップに死なない程度に全部引っ掛かって、泣きながら逃げ帰ったそうな。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

鵜飼・章
◎ヴォルフガングさんf09192

僕そんなに悪役っぽいかな
猿の脳みそも食料になる訳だし
その説はあるかもしれない
とても気になる(物影から釜をみつめる僕

僕思うんだ
お米が割りこむ隙がないなら
割りこめばいいじゃないって…こんな風に
UCで召喚した海の幸を
クリスマス飾りにさりげなく紛れさせるよ
敵は炊飯器に気を取られて
エビやイカやアサリが居ても気づかない筈だ

お握りトラップ心も身体も痛そう
でも発動した隙に釜に飛び込め海の幸
僕も冷蔵庫にあった野菜や各種調味料を投擲して攻撃
ほら
きみもクリスマスにぴったりのパエリアになった

炊飯器ならパエリアも簡単に出来るのに…
炊飯器で炊いた天むすは美味しいなあ
一緒にクリパしよ?(挑発


ヴォルフガング・ディーツェ
章(f03255)と
温故知新の化身みたいな釜美女を見るからに悪役っぽい2人で虐げに来たよ!
…ところで釜が頭って事は、ご飯は脳なのかな。かな?

炊飯器を憎むなら、当然炊飯器トラップを仕掛けるヨネー
というわけで、良い香りのするお宅に凸って【指定UC】で炊飯器に細工をば

見た目は変哲のない炊き立てのご飯の香りが漂う電気炊飯器
た、だ、し!壊したらトラップ発動、握りに握りこみ岩のように固くなったお握りが飛び出す仕組みさ!
章と合わせてお祝いにエビを使ったてんむすです、さあ海老の固さを味わうが良い!

章の釜じゃ炊けない変わりご飯も心抉ってくね~、ねぇどんな気持ち嬢??(にこやか)
終わったらクリパしよっか、ご飯で!



●顔はいいんだけどなあ
「温故知新の化身みたいな釜美女を、見るからに悪役っぽい二人で虐げに来たよ!」
「僕そんなに悪役っぽいかな」
 クリスマスの夜空にとんでもねえ台詞が響き渡ったのは、ヴォルフガング・ディーツェ(花葬ラメント・f09192)と鵜飼・章(シュレディンガーの鵺・f03255)が転移を受けたのと同時。うーん、強いてカテゴライズするなら確かに悪役なんですよね……。
「……ところで釜が頭って事は、ご飯は脳なのかな。かな?」
 ヴォルフガングが竜宮構文で問えば、章も腕組みをして思案顔。
「猿の脳みそも食料になる訳だし、その節はあるかも知れない」
 思案顔で、そっと物陰に移動すれば――何とそこには次の襲撃先を探して徘徊するターゲットことカマンドゥーラ・コゲットの姿が!
「とても、気になる」
 今はまだ、その時ではない――章は物陰からそっと釜を見つめるにとどめておいた。

 イケメンだけど悪役っぽい二人は、連れ立ってお米が炊ける良い香りのするお宅にお邪魔すると、炊飯器を貸してもらうことに成功した。話が光よりも速い。
「炊飯器を憎むなら、当然炊飯器トラップを仕掛けるヨネー」
 軽妙な口調とは裏腹に、炊飯器に仕掛ける術式は実に真剣そのもの。ユーベルコード【調律・機神の偏祝(コード・デウスエクスマキナ)】によって、ただの炊飯器だったものはとんでもねえ細工を施されたのだった。その全貌は、後程明らかとなるだろう。
 ヴォルフガングが炊飯器そのものに手を加える一方で、章は独自の哲学を展開していた。
「僕思うんだ」
 どうした急に。
「お米が割りこむ隙がないなら、割りこめばいいじゃないって……こんな風に」
 手にした動物図鑑「自然数の集合」の開かれたページからは、何とびっくり海の幸が飛び出して、手近なクリスマス飾りにさりげなく(さりげなく?)紛れ込んだのだ。
「敵は炊飯器に気を取られて、エビやイカやアサリが居ても気づかない筈だ」
 エビが散って……エビチリ……。

 ねえ本当に迎撃準備これでいいんですかという感じですがいいんです!
 ヴォルフガングと章は、電気炊飯器を囮にカマンドゥーラを待ち受ける。
『まーーーたここでも炊飯器でお米炊いて!!! 死刑!!!』
 とても淑女とは思えぬ足捌きで玄関のドアを蹴破ると、カマンドゥーラはダイニングテーブルの上の炊飯器目がけてまっしぐらである。
(「見た目は何の変哲もない炊き立てのご飯の香りが漂う電気炊飯器」)
 背後に控えるヴォルフガングは動じることなく、その瞬間(とき)を待つ。
『このカマンドゥーラ自ら、極刑に処しますッ!!!』
 何と釜頭を大きく仰け反らせると、全力で炊飯器に叩きつけた!
 哀れ破砕される炊飯器、しかし――。
「た・だ・し! 壊したらトラップ発動!」
『何ですって!?』
 何事もなかったかのように釜頭を上げたカマンドゥーラとヴォルフガングの視線が交わる。釜に目があるのかどうかはとりあえず置いておこう。雰囲気で行こう。
 半壊した炊飯器のふたが開き、何と中には炊き立てつやもちのお米ではなく、握りに握りこみ岩のように固くなったお握りがいくつも入っているではないか。これが仕掛けか!「章と合わせてお祝いにエビを使ったてんむすです、さあ海老の固さを味わうが良い!」『イヤーーーーーッ!!? 痛い痛い!!! これ本当にてんむすなの!!?』
 ヴォルフガングの魔術刻印が施されたてんむすは、術者の意のままに宙を舞う。
 今や炊飯器の中から弾丸のように飛び出して、カマンドゥーラを打ち据える!
(「お握りトラップ、心も身体も痛そう」)
 しれっと海老を提供しておきながらこの他人事感、割とひとでなし感がすごい。
 しかしこの騒動は好機でもあった、今こそちょこっとズレた釜のフタの隙間から、クリスマス飾りに潜ませておいた海の幸を全て飛び込ませる時――!
「野菜室ちょっと開けますね」
 こちらのお宅では冷蔵庫中段に位置する野菜室をガッと引き開け、特に当たると痛そうな根菜類を優先して、手当たり次第に野菜を投擲してカマンドゥーラにダイレクトアタック! 何か凝った調味料がずらりと並んでるからそれもついでに全部かけちゃう!
『アアアアア、何か、何かが私の釜にイイイイイ!!?』
「ほら、きみもクリスマスにぴったりのパエリアになった」
『パエ……』
 100%善意で言った台詞が、カマンドゥーラの心を痛烈に抉った。
 穢された。
 神聖なる釜が――!
「章の釜じゃ炊けない変わりご飯も心抉ってくね~」
 こちらは自分たち用に普通の加減で作ったてんむすをもぐもぐしながら、ヴォルフガングがからから笑いながら膝を突くカマンドゥーラを見下ろす。
「ねぇどんな気持ち? 嬢??」
 それはもうにこやかに、いい笑顔で訊ねたという。
『うっ……くっ……ひとでなし……!』
「炊飯器ならパエリアも簡単に出来るのに……」
 章もヴォルフガングから美味しい方のてんむすを受け取って一口堪能する。
 そして二人で最後のとどめとばかりに、めちゃくちゃいい笑顔で、こう提案した。

「「一緒にクリパしよ? ご飯で!」」
『うわああああああああああああん!』

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

怨燃・羅鬼
【魚火】
哀獲らきちゃん☆性夜の夜に出現だネ!
くふふ☆哀獲の恋人は応援してくれるファンの皆だから夜もお仕事☆
というわけで凶の番組は凸撃お前が晩御飯!(指を凸)
ファンの家に逝ってブラックサンタだ~☆

というわけで戦入☆
留守の隙を狙って、大物タレントカマンドゥーラさんにドッキリだネ!
他人の不幸で飯が美味い!
因みにらきちゃん☆お米はらきちゃん☆式炊飯だよ!薪も要らずでクリーンだネ!一家に一台☆

というわけでドッキリ☆まずは入り口にふぁらりすくんを…
止められたのでアイドルらしく歌でドッキリだよ☆
ここにらきちゃん目覚まし(鳴るとらきちゃんの歌が流れて自壊する目覚まし)をセット☆
じゃあ愉しもうネ!


ヘスティア・イクテュス
【魚火】
薪?SSWでそれやるのちょっとコスト的に無駄が多いっていうかお金持ちの道楽よね~
そう時代は科学!科学的により美味しく効率的な炊き方を追求!
つまりタキオン粒子式相転移炊飯器こそが最新のトレンドよ!
あっ、らきは勝手に行かないでね(首根っこ掴み)

というわけで、まぁ普通に狙われた家に
一家に一台…世界が滅びそうね…
無いからね?家の中にあるものに普通ファラリスは無いからね?
…床を水浸しにしてツリー電撃はマイルドな悪戯かしら???

まぁ普通に引っかかるようコード、倒れるツリーの追撃
あとはブロック玩具まきびし?
ついでに倒れた眼の前にダンシングフラワーで煽りましょ…
あら?らきは?



●どうしてこんなことに
「薪? スペースシップワールドでそれやるの、ちょっとコスト的に無駄が多いっていうか、お金持ちの道楽よね~」
 かく言うヘスティア・イクテュス(SkyFish団船長・f04572)も、落ち着いて考えればイイトコのお嬢様なのでは? というのはさて置き。
「哀獲らきちゃん☆性夜の夜に出現だネ!」
 怨燃・羅鬼(怒りの心を火に焚べろ・f29417)さん、漢字! 漢字!!
「くふふ☆ 哀獲の恋人は応援してくれるファンの皆だから夜もお仕事☆」
 おお……プライベートな楽しみの時間が取れなくて大変だろうと思いきや、何たるプロ根性……! お見それ致しました!
「というわけで、凶の番組は『凸撃☆お前が晩御飯!』」
 カメラに向けてビシィッと立てられた中指あたりに、粗いモザイクがかかったのは言うまでもない。お前一歩間違えれば放送事故やぞマジで!
「そう時代は科学! 科学的により美味しく効率的な炊き方を追求!」
 ヘッスはヘッスで割と真面目に炊飯について本気出して考えていた。
「つまりタキオン粒子式相転移炊飯器こそが最新のトレンドよ!!」
「よ~し、ファンの家に逝ってブラックサンタだ~☆」
「あっ、らきは勝手に行かないでね」
 考えながらも、らきちゃん☆の首根っこをがっしと掴んで制御は忘れないヘスティア。
 二人は無難に狙われていると予知されたとあるお宅を訪問することにした。

 こちらのお宅は事前に避難をして家を空けておいた世帯のようで、人の気配はない。
「というわけで」
「戦入☆」
 ヘスティアとらきちゃん☆が小さな声でお邪魔しますと言いながら玄関に上がる。
「留守の隙を狙って、大物タレント・カマンドゥーラさんにドッキリだネ!」
「らきにしては珍しく、だいたいあってるわね……?」
 今回の仕事は、珍しく順調に上手く行くのでは? なんて期待を抱いてしまうまである。
 そんなヘスティアの思いは、すぐに打ち砕かれることとなるのだが……。
「他人の不幸で飯が美味い!」
(「あー……」)
 通常営業でした。
「因みにらきちゃん☆、お米はらきちゃん☆式炊飯だよ! 薪も要らずでクリーンだネ! 一家に一台☆」
 らきちゃん☆式炊飯、が何を言わんとしているのかを嫌でも理解してしまったヘスティアは、思わず眉間にしわを寄せる。
「一家に一台……世界が滅びそうね……」
 軽率にカタストロフが置きそうな絵面であった。想像するだけでおっかない。
「というわけでドッキリ☆ まずは入り口にふぁらりすくんを……」
「無いからね??? 家の中にあるものに普通ふぁらりすくんは無いからね???」
「そっかー☆」
 出鼻をくじかれたらきちゃん☆は、別の悪戯を考えるべくその場を離れる。
 放っておくのも不安ではあったが、仕掛けは進めなければならない。
 心を鬼にして、ヘスティアはトラップ作成の案を練る。
(「……床を水浸しにしてツリー電撃は、マイルドな悪戯かしら?」)
 人に聞かないと判断ができない場合は、避けておいた方が無難かと思いますよ!

 がったん、ごっとん。
 見えづらい足元に電源コードを張り巡らせ、転倒したところにクリスマスツリーが覆いかぶさってくる追撃。
 ほうほうのていで這い出してきたところには、ブロック玩具のまきびしという地獄が。
 心身共にズタボロになったターゲットの視線の先に来るように、ダンシングフラワーを設置して煽り倒す徹底ぶり。
 ヘスティアのトラップ設置テクニックもなかなかのものである。
「あら? らきは?」
 すっかり夢中になってらきちゃん☆の行方を完全に見失ってしまったが、見た感じ何もやらかしていないようなので大丈夫だろうと結論づけた。……今は。

「ふぁらりすくんは止められたので、哀獲らしく歌でドッキリだよ☆」
 ことり。
 クリスマスツリーのすぐそばに、よくある見た目の目覚まし時計が置かれた。
「ここに、鳴るとらきちゃん☆の歌が流れて自壊する目覚ましをセーット☆」
 もちろん、効果は無差別。
 そして、この目覚ましのことをヘスティアは微塵も知らない。
「じゃあ、愉しもうネ!」

 ――地獄の幕開けまで、もう間もなく。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

有栖川・夏介

手の込んだかまど炊きのほうが、炊飯器より美味しいという主張もわかる気がしますが、技術は進化するもの。炊飯器で炊かれたご飯も美味しいですよね。
俺としては、どちらも腹の中におさまれば一緒……と、これは敵に言わないほうがよさそうですね。

それはさておき、トラップか。
直接闇討ちするほうが、私得意なんですが……聖夜にそれはよくないですよね……。

対象が家に来たら、家の電気をオフに
暗闇の中クリスマスツリーの電飾で敵の気を引き、近づいてきたら足元に縄をはって転ばせる。
ベタかもしれませんが、浮かれた格好だから引っかかってくれる気がします。ベタな罠に引っかかってしまったら精神的にもきついはず。



●恥ずかしくないんですか?
 事前の協力に応じて、家を空けてくれたとあるお宅にお邪魔して、有栖川・夏介(白兎の夢はみない・f06470)はキッチンに置かれた炊飯器を眺めながらふと思う。
(「手の込んだかまど炊きのほうが、炊飯器より美味しいという主張もわかる気がしますが……」)
 皮肉にも『Wかまど炊き』などと銘打たれたその炊飯器は、きっとかまどで炊いたご飯の美味しさを可能な限り再現しようとかつての人類によって開発されたのだろう。
(「技術は進歩するもの、炊飯器で炊かれたご飯も美味しいですよね」)
 きっと、この炊飯器も、このお宅の住人たちに美味しいごはんを炊いているのだろう。
「俺としては、どちらも腹の中におさまれば一緒……と、これは敵に言わないほうがよさそうですね」
 確かに、下手に炊飯器の肩を持つより余程激昂されるかも知れない。

 このお宅のクリスマスツリーは電飾がぺかぺか立派で、見ていて飽きない。
 作戦のために、ポータブル電源からこのツリーの電飾だけ電源を取りつつ、夏介は呟く。
「それはさておき、トラップか」
 ぶっちゃけた話、少々、回りくどい気がしてならない。
「直接闇討ちするほうが、私得意なんですが……」
 けれど、ぺかぺかのクリスマスツリーを改めて見上げると、苦笑いをひとつ。
「聖夜にそれは、よくないですよね……」

『誰も彼もが炊飯器炊飯器って……! どうなってるんですの!?』
 肩を怒らせながら、カマンドゥーラ・コゲットが遂に乱入してきた!
 事前に家の分電盤前まで移動しておいた夏介は、メインブレーカーをばちんと落とす。
『!? 急に明かりが……』
(「さあ、暗闇の中、ポータブル電源から唯一電気を供給されているクリスマスツリーの電飾だけが貴女の頼りです」)
 わざわざポータブル電源を持ち込んだ理由は、これだったのだ。
『くっ……クリスマスだのと、皆して浮かれて……』
 そう言いながらも、電飾を頼りに移動する他ないカマンドゥーラ。
 一方、闇に紛れて巧みに移動する夏介は、絞られた移動ルートを読み切って、事前に端の片側をテーブルの脚に括っておいた縄を、ここぞのタイミングでピンと張った。

『きゃあ!!!』

 ずどーーーーーん!!!
 頭の釜からものすごい音を立てて、カマンドゥーラはつんのめってずっこけた。
(「ベタかもしれませんが、浮かれた格好だから引っかかってくれる気がしたんです」)
 夏介は、予想以上に綺麗にトラップがハマったことに少々驚きを感じていた。
 なので、ついこんな意地悪を言ってしまった。

「……こんなベタな罠に引っかかってしまって、精神的にきつくありませんか?」
『……死にたい』

 ちなみに、カマンドゥーラの釜の中身はぶちまけられていなかったそうな。鉄壁。

大成功 🔵​🔵​🔵​

木常野・都月


え。
米って炊飯器以外でも作れるのか?
しかもカマド?の方が美味いのか?

よし、それは美味しい米を食べに…じゃない、家を守らないと!
…人と世界を守るために、俺達が頑張らないと!いくぞ、チィ!
お米コメだ!

これがこの世界の炊飯器か。
ちょっと借りますね。(仕掛けして蓋を閉じる)

これで怪人を待てばいい。

怪人が来たら、怪人に相談しようと思う。
怪人の人、少し話を聞いてほしい。
実は、俺、炊飯器の米しか食べた事がない。
もし本当にカマドの米が美味いなら、食べさせて欲しい。
カマドの米が美味かったら、炊飯器に手を出してもいいから。

俺の茶碗とチィの餌皿を持ってきてる。
ここに!カマドの米を!入れて下さい!

話を聞いてくれそうなら、大人しく待とう(期待で尻尾が最高潮に揺れる)。

これが…カマドの米!
いただきます!
ん〜!美味い!

怪人が炊飯器に手を出そうとしたら、俺の合図で中にいる雷の精霊様がビョーンと飛び出してアッパーパンチするはずだ。

まぁ話を聞かずに炊飯器に手を出したらその時点でアッパーパンチが飛び出るかもしれないな。



●ジャンル:お米タル
 木常野・都月(妖狐の精霊術士・f21384)は、衝撃を受け立ち尽くしていた。
「え」
 こう、両手を上下させて器を形取るような動きを繰り返しながら。
「米って炊飯器以外でも作れるのか? しかもカマド? の方が美味いのか?」
 人はこうして知識をアップデートさせていき、世界の解像度を上げていく。
 都月にも、ある意味大きな転換点が到来したと言っても過言ではないのかも知れない。
「よし、それは美味しいお米を食べに……じゃない、家を守らないと!」
 ぐぐっと拳を握って、元気良くキマイラフューチャーの住宅街へと繰り出した。
「……人と世界を守るために、俺達が頑張らないと! いくぞ、チィ! お米コメだ!」
「チィ!」

 都月とチィがお邪魔したお宅は、老夫婦がつつましくささやかなクリスマスを迎えている最中であった。
 自分たちは二階で大人しくしているから、存分に暴れて良いとのことだった。
「あの、炊飯器を貸してもらってもいいですか? 必ず、元に戻して返します」
「構わないよ、どうせ古いものだし、壊れたらまたコンコンコンで新しいのを」
「いえ、ダメです! 大事なものです、大事に使わせて貰います」
「おやおや、頑固だけどいい子だねぇ。本当に好きにしていいからね」
 何やかやで年季の入った炊飯器を借り受けた都月は、ちょちょっと仕掛けを施してから蓋を閉じ、ダイニングテーブルの上に置いた。

 どんどんどん!
 どんどんどん!
『玄関開けたら水浸しなんてもう御免よ! ちゃんとノックして許可取ってから入るから悪戯だけは勘弁して頂戴!!』
 何かもうここに至るまで色んなことがありすぎたのだろう、泣き出しそうな声のカマンドゥーラがドアを叩くものだから、思わず都月は気の毒になって迎え入れてしまう。
「ちょうどよかった、怪人の人に少し話を聞いてもらいたかったんだ」
『……話?』
 唐突に話を振られていぶかしむカマンドゥーラに、都月は正直な思いを伝えた。
「実は、俺、炊飯器の米しか食べた事がない」
『な゛ん゛て゛す゛っ゛て゛!?』
「もし本当にカマドの米が美味いなら、食べさせて欲しい。カマドの米が美味かったら、炊飯器に手を出してもいいから」
『あったりまえでしょ!!! 何を言っているのこの子は!!! 食べなさい!!! 今すぐ食べなさい!!! お茶碗は!!?』
 すごい剣幕で釜の蓋を自ら開くカマンドゥーラに、都月とチィは並んで茶碗と餌皿を差し出した。
「ここに! カマドの米を! 入れて下さい!」
 期待で一人と一匹の尻尾が最高潮に揺れる。
 カマンドゥーラは器用にも自らの頭部からお米をよっそいよっそいしている。

『……たんと、召し上がれ……』
「いただきます!!!」「チィ!!!」
 内軟外硬、お釜で炊いたお米の極致が、ここにあった。
「これが……カマドの米! ん~~~! 美味い!!」
『そうでしょう、そうでしょう。ならもうここにある炊飯器なんかは――不要ね!』
 カマンドゥーラが傲慢にも古びた炊飯器をテーブルからはたき落とそうとした瞬間、米を頬張っていた都月が鋭く左指をパチンと鳴らし、合図をした。
『あうっっ!!?』
 突如炊飯器の蓋が開いて、中で待機していた雷の精霊様がビョーンと飛び出して、カマンドゥーラに痛烈なアッパーパンチを決めたのだ。
「カマドのお米が美味しいのは分かった、でも炊飯器には炊飯器の良さがある」
 口元にお弁当をくっつけながら、都月がお茶碗とお箸をテーブルに置いてそう告げる。
「あと、クリスマスの邪魔をするのもダメだ! 要するに、人に迷惑をかけたらダメだ!」
『う、ううっ……』
 ド直球の正論でねじ伏せられたカマンドゥーラは、もう何も言えなかった。
 自分の釜の飯は美味いと言ってもらえた、それで十分ではないか?
 そう思うと、これ以上暴れるのは無意味にしか思えなくなってしまった。

 よろよろと、立ち上がる。
『……私、帰ります』
「ああ、もう悪さするんじゃないぞ」
「チィ!」
 都月とチィが、それを見送る。
『たまには……釜でもお米を炊いてみて下さいませ』
「わかった、練習してみる! お米、ありがとうな」
 クリスマスの米騒動は、こうして決着を迎えたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2022年01月01日


挿絵イラスト