【戦後】古代バーチャル遺跡をバグらせてみるテスト
●プロローグ
古代バーチャル遺跡とは、古代からあるバーチャルな遺跡である。
キマイラフューチャーの地下に眠っていたこの巨大な遺跡は猟書家のキング・ブレインによって発見され、『バーチャルキャラクター開放プログラム』が起動した遺跡でもある。
全くもって謎しかないこの場所だが、とりあえずキング・ブレインの配下に先んじてこの遺跡を掌握するべく、猟兵たちは今日も未知へと乗り出していくのだった。
●それはデバッグ作業の如く
グリモア猟兵の夕月・那由多(f21742)は、サイバーな感じの衝立を背景に生命を与えた人形たちで劇をして冒険活劇エピローグっぽい導入プロローグを語る。
「……と。こんな感じなんじゃがどうじゃろう」
那由多は人形をとりあえず横に片付けると、状況の説明を開始した。
「『バーチャルキャラクター開放プログラム』のことがまだ記憶に新しい者もおるじゃろう。今回、その際に見つかった古代バーチャル遺跡を探索する計画が立ち上がっておる」
そう言いながら用意をしたのは沢山の小さな人形たち。
ビルの模型も用意され、作られたのは遺跡の説明だというのに街中のジオラマだ。
「今回、調査をしてもらいたいのはバーチャル遺跡内のこのエリア……ここでは、ちょうすごいCGによって街が出来ており、空があり、キマイラや怪人たちのCGが疑似人格でわちゃわちゃしておる」
CGなのに触れて会話も出来る様だ……これはまさに、ちょうすごい技術としか言い様がない。
「さて、この遺跡はハッキング対策も厳重で現状ではハッキングはほぼ不可能じゃ。かといってこのプログラムで再現されたCGの街を闇雲に探すのも難儀な話。故に」
ニヤリ、と那由多が悪戯を企む悪い笑みを浮かべた。
「このCGの街で怪人たちより目立ちまくって街を再現しとるプログラムをバグらせてきてくれんか?」
――バグ。英語で虫の意であり、転じてコンピュータプログラムの誤りや欠陥を表す。
●とにかく目立てばよいらしい
要は、このエリアでは目立ちすぎる存在が現れると何かしらのパラメタが上限を超えて変な挙動をするらしい。
それによってバーチャル遺跡に刺激を与えてみようという話である。
ざっくりした説明を終えた那由多は、袖口から小さな鳥居を取り出した。
それは放るとみるみる大きくなり、猟兵を転移させるための門となっていく。
「さて、わらわは転移のため同行できぬ故ここでお主らの吉報を心待ちにしよう。準備が出来たなら飛び込むが良い」
那由多はそう言って微笑むと、猟兵たちを送り出した。
ウノ アキラ
はじめましての方は初めまして。そしてこんにちわ。
最近めっきり涼しいですね。ウノ アキラです。
このオープニングに興味を持っていただき、ありがとうございます。
●お得情報
こちらは、書けそうなタイミングで書くため、特に受付期間は設けません。
平日は二日ごとにひとり~ふたり。
休日は同時進行しているシナリオも考慮して三人~四人分くらいは書ける見込みです。
他にもマスター紹介のページは一読頂けると文字数を少し節約できるかもしれません。
●依頼について
キマイラフューチャーの依頼となります。
一章は冒険です。
何でも良いのでパフォーマンスで注目を集めてください。
二章は集団戦です。
遺跡の一室がバグって、ちょうすごいCGでポップした怪人が襲ってきます。
バグってますが、普通の集団戦の強さなので蹴散らしてください。
事前の情報は以上となります。
よろしくお願いいたします。
第1章 冒険
『怪人より注目を集めて企みを阻止する』
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POW : 派手なパフォーマンスで注目を集める!
SPD : 素早いパフォーマンスで注目を集める!
WIZ : 地味に訴えかけて注目を集める
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●それはそれは精密な
転移を経由しバーチャル遺跡の指定ポイントへ着いてみれば、そこにはまるで地上と変わらない様なキマイラフューチャーの街があった。
そこにはキマイラたちがいて、思い思いに他愛のない競い合いで遊んでいる。
強いて違いを挙げるなら、地上よりも怪人の数が多いくらいか。
そして驚くべきは、これらはすべてが、ちょうすごいプログラムによる動きなのだという。
そしてちょうすごいCGで描かれた立体映像であり、ちょうすごいので触れるという事だ。
そんな仮想のバーチャルな街にたどり着いた猟兵たちは、街を軽く見まわすと思い思いに行動を開始した――。
コトト・スターチス
&&
いせきに何があるのかわくわくです!
それにおもしろそうなので、バグらせるのをがんばりますね!
ぼくは、UDCアースでちらほらあったというゲリラライブというのをやってみます!
人目をあつめるなら、あつくもりあがる曲がいいですかね?
ちょうすごいCGの方々が多い場所で『ぶれいぶそんぐ』の配信をはじめますっ
「こんにちはっ! バーチャルネット辻ヒーラーのコトトです! みなさんに癒しをお届けにきましたっ」
ドローンから、音楽を流したり、カラフルな光を出して演出したり、ネット配信したりしながら、魂がふるえるような熱血ロボットアニメっぽいおうたをいっぱいうたいます!
聴いてくれる人も、いせきも、あつくさせたいです!
●こころをもやせ!
――いせきには何があるのかな?
そんなわくわくと共にやってきたコトト・スターチス(バーチャルネット辻ヒーラー・f04869)は、遺跡内部のCGの街へ到着するやその光景に目を輝かせた。
「これが、ちょうすごいCGの街なのですねっ!」
その街並みは地上とあまり変わりはなく、なのにこの見慣れた景色は再現されただけのプログラムとCGだというのだ。
それをバグらせるのが今回のクエストとなれば、遺跡への興味に加えてどんな挙動が現れるのだろうというわくわくも上乗せされる。
コトトはきょろきょろとあたりを軽く見て回ると、人の多い広場にちょうど良さそうな空きを見つけて背負ったリュックサックからごく普通のドローンをいくつか取り出した。
(UDCアースでちらほらあったというゲリラライブというのをやってみましょう!)
このドローンはそのために持ってきた舞台の演出用のもの。
たいていの機械にアクセスできる謎デバイス『めがりすどらいぶ』をドローンへ接続すると、コトトはライブの準備を進めるのだった。
広場の上空に飛んだドローンが空中に映像を映して音を発する。
短いイントロは勇ましくも重厚な、高音とテンポの早い低音が織りなすロボットアニメのような曲。
「ふぁいあーっ!」
コトトの声が響いた。
注目が集まる中でコトトは曲を背景にライブの開始を宣言。
「こんにちはっ! バーチャルネット辻ヒーラーのコトトです! みなさんに癒しをお届けにきましたっ」
最初の挨拶はかわいくキャッチ―に。
その後は曲に合わせてかっこよく。
ユーベルコード『ぶれいぶそんぐ』――心を燃やす熱血系ロボットアニメっぽい歌で視聴者に熱い魂を発生させ気力を上限突破させる効果と共にコトトは歌った。
「これから、あつくもりあがるおうたをいっぱいうたいます! さあ、あつくなりましょう!」
初手は魂が震えるような声量を張り上げる曲。
周囲のCGたちがコトトのライブに集まって合いの手が入り始めた。
そして二曲目の、ちょっとしっとりしてるけれど有名シーンで流れた熱い曲が始まったその時だ。
高まる熱量と共に周囲にノイズが入ったかと思えば、コトトの『めがりすどらいぶ』がCGの街のネット回線への接続に成功した。
するとCGの街の疑似ネットワーク内の疑似動画サイトへコトトのライブが流れ始める。
(聴いてくれる人も、いせきも、あつくさせたいです!)
かわいく凛々しく、そして勇ましく。
ドローンが映す動画にもコメント投降の合いの手が入り、時おり画面がコメントで埋まるほどの盛況へ!
CGの疑似人格に発生した魂が、コトトのうたで燃え始める。
大成功
🔵🔵🔵
笹乃葉・きなこ
遺跡って何あるんだろうなぁ!
あたらしい発見があったら私が見つけましたってドヤ顔かますんだべェ♪
え…バグらせる?エラーから何かの入り口でも探すんだべかぁ?
パラメタ上限超えな挙動だべかぁ…。
うんじゃー
オラならこれだべェ
ダンスと誘惑と浮遊を使って、なぎなたを地面に突き立てて即席ポールダンスだべぇ
ただ、クルクル回るだけじゃぁねーんだべぇ
スターフィッシュやバードオブパラダイス
肩・股関節・背中の柔軟性を見せて人間の体が此処まで動けることを証明と
おらのダンスで魅せてやるんだべぇCGも遺跡もなぁ♪
●神秘の踊り
地下の遺跡に存在するこの街は、遺跡が作り出した、ちょうすごいCGで描かれた立体映像だ。
そんな街中を笹乃葉・きなこ(キマイラの戦巫女・f03265)は元気にとことこ移動する。
「あたらしい発見があったら私が見つけましたってドヤ顔かますんだべェ♪」
きなこは下唇を親指でなぞりながら、何か発見でもねぇべかなぁと周辺をあちこち見て回っていた。
しかしやがて、きなこはそろそろ本命を試そうと考え始める。
(やっぱ、パラメタ上限超えな挙動だべかぁ……)
ちょうどそろそろ、探索中に行っていた下唇を親指でなぞる行為――ユーベルコード『悪巧みのお時間』の効果も出て来ることだろう。
その行為の時間に応じて次の本命の行動の成功率が上がっている筈だ。
(はじめは、え……バグらせる? エラーから何かの入り口でも探すんだべかぁ? って思ったべなぁ)
と最初の印象を思い返しながら、歩行者がたくさんいる通りできなこは『なぎなた』を地面へと突き刺した。
「うんじゃー、オラならこれだべぇ」
きなこは続けざまに突き立てた棒へ登る様に飛びかかると片足の甲を棒に引っかけてもう片方を支えに『横向きに立つ』。
そして、棒の横に立ったまま手を広げた。
――ポールダンスの上級者向けの技、スターフィッシュだ。
さらに、地面に降りずに両手で棒を掴むと、きなこはするりと逆さまになってくるりくるりとまわり出した。
ここまでのパフォーマンスで道行くCGたちには足を止める者が現れ始める……。
このCGの街は、キマイラも怪人もみんなCGで出来ているけれど、ちょうすごいプログラムは地上と変わらない再現を実現していて何かのパフォーマンスがあれば「なんだろう?」と立ち止まっていく。
初手の反応に手ごたえを感じたきなこ。彼女は、ここからさらにダンスの技を繰り出した。
(ただ、クルクル回るだけじゃぁねーんだべぇ)
棒に掴まった逆立ち状態で足を棒へと絡めれば、手を離してゆっくり回りながら背中も使った全身で棒に絡みついていく。
上下さかさまに豊満な胸を突き出した姿で背後の棒に肘を引っかけたなら、絡めた足を入れ替えて、体を支える点は太ももと、腰、そして肩の後ろと肘の四点のみ――肩関節と股関節の柔らかさが問われる、バードオブパラダイス!
沸き上がるどよめきと拍手。
それは人体の神秘であり、人体の美だった。
きなこが披露する柔らかく滑らかな動きは、なまめかしくも美しく、見る者の目を釘付けにする。
気がつけば周囲には人だかりが出来ていて、かたずを飲んで見守る観衆の傍では影響された街路樹がグニャっとねじれた姿に変わり始めていた。
(おらのダンスで魅せてやるんだべぇCGも遺跡もなぁ♪)
集まっていくギャラリーたちの真ん中で、きなこは肢体の柔らかさと神秘的な美を魅せてくるりくるりと踊っていく。
成功
🔵🔵🔴
エリー・マイヤー
&&&
古代バーチャル遺跡ですか。凄まじい技術力ですね。
コンコンコンで物資が出てきたりとか、
キマイラフューチャーは生きやすくも楽しそうで正直妬ましいです。
…ま、ボヤいても仕方ありません。真面目に仕事しましょう。
まずは【レプリカクラフト】で、う〇ちっぽい巨大なオブジェを作ります。
巻き〇ソです。とぐろを巻いたあれです。
そして【念動力】で浮かべて上空を高速で飛び回らせます。
何なら回します。振動させたりもします。
急に上空に向けて飛びあがらせたりもします。
そして虹色に発光…は流石に念動力じゃ無理ですね。
まぁ、アンディファインドフライング野グ〇です。
光らなくても恐らく目立つでしょう。
●路端のソレ
エリー・マイヤー(被造物・f29376)は新たに煙草へ火をつけた。
「古代バーチャル遺跡ですか。凄まじい技術力ですね」
そう呟くエリーの表情はいつもと変わらない。
CGの空へと細い煙が立ち昇り、息を吐けば、白に近い薄紫の煙がふわりと広がった。
アポカリプスヘルとキマイラフューチャー……超技術があるという点はどちらの世界も共通しているというのに。
(コンコンコンで物資が出てきたりとか、キマイラフューチャーは生きやすくも楽しそうで正直妬ましいです)
「……ま、ボヤいても仕方ありません。真面目に仕事しましょう」
この遺跡を掌握する取っ掛かりを得るために、エリーは行動を開始する。
エリーは、ひと通りの多い場所を適当に選ぶと準備を始めた。
ユーベルコード『レプリカクラフト』。実物を模した偽物を作る能力で作り出すのは――。
「まずはとぐろを巻いたあれ。巻き〇ソの巨大なオブジェを作りましょう」
例えば小学生の頃、通学路に転がるソレを見つけた時。ソレが乾燥してちょっと安全っぽい場合に棒で突いて動かす事へ禁忌に触れる様な興奮がいくばくかでも無かっただろうか。
においを伴わなければ、ソレは人目を集める要素としては強いと思われる。
「うん〇だ! ……うん〇だ!?」
そして狙い通り、CGのキマイラの子供たち(特に男子)がワラワラと集まり始めた。
身近でいながら社会的タブーであるソレに対する奇異への好奇。そしてそんなタブーに触れる蛮勇。
それは冒険に近い心理を呼び起こし、抵抗感の少ない子供の心に特に突き刺さる。
そんなソレを、エリーは念動力でふわりと浮かせ始めた。
(まぁ、アンディファインドフライング(U・F・O)野グ〇です)
今ここに、フライング・うん〇(偽物)が誕生する。
「「「うわああぁぁぁぁ!!! うん〇が飛んでるぅううううう!」」」
キマイラの子供たちは、いちど全力で逃げてから再び近寄り、ソレが振動したり回転したりする度に全力で逃げたりと忙しく動き回った。
タブーの未知な動きに心を奪われ完全に興奮状態である。
そしてこの騒ぎは、キマイラの大人たちの注目も大いに集めた。
キマイラの大人たちはソレのオブジェの行く末と、子供たちの挙動の両方を、固唾を飲んで見守る……。
……場の興奮度は瞬間的にクライマックス。
何かしらのパラメタを突破させるのであれば、ここでさらなる追撃をするのが望ましい。
エリーは、この実物を模した偽物の内部へ仕込んでいた回路のスイッチを念動力でONにした。
すると――。
「「「うわああぁぁぁぁ!? 光ったぁあああ
!!」」」
中に仕込まれた様々な色のLEDが順番に光ることで、ソレはクリスマスツリーの如く輝くイルミネーション・フライング・うん〇(偽物)へと進化する!
その進化は見守る大人たちを困惑へ叩き落し、子供たち(主に男子)を興奮の渦へ叩き込んだ。
成功
🔵🔵🔴
第2章 集団戦
『白ブーメランパンツ過激派怪人』
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POW : 至高の履物とは
【白のブーメランパンツ】が命中した対象にルールを宣告し、破ったらダメージを与える。簡単に守れるルールほど威力が高い。
SPD : 白ブーメランパンツとは強さの象徴なり
完全な脱力状態でユーベルコードを受けると、それを無効化して【白のブーメランパンツ】から排出する。失敗すると被害は2倍。
WIZ : 白ブーメランパンツの魅力を知れ!
戦場で死亡あるいは気絶中の対象を【同志】に変えて操る。戦闘力は落ちる。24時間後解除される。
👑11
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●システムの限界点
古代バーチャル遺跡にあった、地上を模したCGの街。
そこではとんでもない熱狂があちこちで生み出されいた。
その過剰な熱は、CGの街にノイズを生み出し徐々に崩壊させていく……。
ちょうすごいCGによる街の景色が剥がれ始めていた。
所々に見えるのは、遺跡の無機質な床や壁。
遺跡内の中の広大な一室が、システムダウンへ向かい始め元の姿を見せようとする。
そんな時、それは現れた。
「白ブーメランパンツこそ至高ぅぅぅぅぅ
!!!!」
二つ三つに増えたり一つに戻ったりと明らかに描画のされ方がおかしい
そんなちょうすごいCGが現れた。
それは、バグった『白ブーメランパンツ過激派怪人』。
叫びながら上空へ昇ったかと思えば地面から現れた怪人は、その場でガクガク震えるとシュポーンと斜めに飛んで消え、前触れもなく大通りに現れて立ち尽くした。
「さぁ……これを履けぇ!!!」
怪人は、増殖した。
頭には赤いエラー文字が出ており、三体に一体は躍動感のあるポーズで空中に固定されて明らかにバグっている。
これを叩き潰せば、この場はシステムダウンして掌握することが出来るだろう。
御倉・ウカノ(サポート)
基本的にはUC『狐薊』を使用します。
大太刀を振り回して豪快に吹っ飛ばす戦い方を好みますが、共闘する時は連携を強く意識して戦います。
戦いを始める際は囮もかねて見得をきってから切り込むことがあります。
遠距離で戦うのは苦手なので、とにかく距離を詰めることを意識します。多少無茶をしてでも相手を自分の得意な距離で戦わせようします。
●通りすがりの酔いどれ剣豪
「これが、これこそがぁ! 至高の履物っっっ!!」
増殖した『白ブーメランパンツ過激派怪人』がその勢いのままCGの街の中へと溢れ出そう……と、する前に。
ぶぅん、と唸りをあげて振われた金属の塊が白パンツ怪人たちを吹き飛ばす。
「そーぅれっと!」
「ぶほぉっ!?」
先頭の吹き飛ばされた怪人は後方を盛大に巻き込むとビルへピンと突き刺さった。
この攻撃の主は、サポートで手伝いに来ていた御倉・ウカノ(酔いどれ剣豪狐・f01251)。
「あちこち散られちゃ、あとで探すのが手間だ。ちと付き合ってもらうよ」
『大太刀「伊吹」』を肩に担ぎ、徳利を持ち上げて中身をぐいっと飲むウカノは白パンツ怪人へ近づいていく。
対する白パンツ怪人たちは一斉に戦闘体勢となって迎え撃たんと駆け寄った。
「こちらには数の利がある! うおおおぉ! 白ブーメランパンツの魅力を知れぇ!」
何体かバグで座標がおかしくなっており、地面から浮いた状態で走っているため動きが疑似的に立体的だ。
それに対し、ウカノは大太刀を担いだまま準備運動のように肩を軽く回してこう呟いた。
「そういや、全部CGか……ってことは、一般人を気にする必要もないってことかね」
そう呟くとウカノは空いている片手で二本の指を立て、空中を指で切るように印を結ぶ。
「臨兵闘者皆陣列在前……御倉流巫女神楽『狐薊』なり!」
ウカノが担ぐ大太刀がサラサラと細い花びらへ変化した……その淡い紫色の花弁は狐薊(キツネアザミ)。
花びらはウカノの周囲を螺旋状に広がりながら、迫る怪人たちを襲った。
攻撃を受けて膝をつく『白ブーメランパンツ過激派怪人』の群れ――その時、他の猟兵たちも白パンツ怪人が現れた場所へと到着する。
「おや、後続も到着したようだ。それじゃあ後は任せるさね」
他の猟兵たちが到着するのを見ると、ウカノは徳利の中の酒を飲みながら立ち去った。
成功
🔵🔵🔴
エリー・マイヤー
現れましたね。注目度うん〇未満の怪人が。
まぁ、オブリビオンなんて所詮は過去の残滓、世界の排泄物です。
虹色に輝く未来的排泄物に劣るのも、当然の帰結でしょうね。
と、煽ることで冷静さを失わせようと思ってたんですが…
煽るまでもなくバグってますね。
うん、搦め手は警戒しなくてよさそうです。
先程の輝くうん〇を【念動力】で浮かして盾にすれば、
投げてくるパンツは問題なく防げるでしょう。
そしてそのまま、うん〇の影から攻撃です。
そんなに白ブーが至高だというなら、
【念動ハンド】で剥ぎ取って更に挙動をバグらせてやります。
そして念動金的でお陀仏…いや、流石にアレは触りたくないですね。
普通に念動腹パンしときましょう。
コトト・スターチス
&&
あっ、なにかヘンなのがでてきました!
ちょっと近づくのがこわいのと、バグってて当たり判定がよくわからないので……ここはサイキックキャバリアの『リテラチャー』をゆびパッチンして呼び出します!
「来てください、リテラチャー!」
いそいそと乗ったら、リテラチャーのレーダーを【ハッキング】して、僕の【情報収集】能力とあわせて敵の位置を解析して、行動パターンを【見切り】ます
そして『すーぱーきゃばりあたいせん』を発動!
リテラチャーの両手に装備したレーザーマシンガンで弾幕をはり、近づかれる前にまとめてけちらしたいです!
「ぼくは、いろんなぱんつがあっていいと思います! どちらかというとかわいい方がいいですっ!」
笹乃葉・きなこ
ゲームのバグみてぇな登場演出だべなぁ…。
まぁ良いべ。みんなまとめてぶん投げてやるんだべぇ
来いヤァ
あ、どーでも良いかもしれないけど、おら、褌派な
という事で、白ブーメランパンツは駆逐するべぇ
とりあえず、一体目を掴んでぐーるぐーる武器の様に振り回してなぎ払いの要領で投げてやるんだべぇ。
リミッター解除と怪力も忘れずに
これで敵を多く倒せてこおりつ(効率)が良いんだべェ。
え…どこに逃げようとしてるんだべぇ?
おらにブーメランパンツを穿かせてぇんじゃねーの?
おらはこっちだべぇ♪
だから、全力で向かってきてくれなぁ
全力で投げまくってやるんだっべぇ
●遭遇! 白ブーメランパンツ集団
「ふははは、この程度で我らは挫けぬ!」
先に攻撃を受けた『白ブーメランパンツ過激派怪人』たちは、なおも立ち上がった。
数体に一体が上下逆さまに頭で倒立しているが些細なことだろう……。
『白ブーメランパンツ過激派怪人』たちは猟兵たち――コトト・スターチス(バーチャルネット辻ヒーラー・f04869)、エリー・マイヤー(被造物・f29376)、笹乃葉・きなこ(キマイラの戦巫女・f03265)の三名へ、尻を向けた後ろ向きのスライド移動で近づき誰も居ない奥(向きが正しければ猟兵たちを指していただろう)を指差した。
「貴様ら想定を超える熱狂を発生させるなぁ!! お前たちをバグの原因とみなして、排除する!」
古代バーチャル遺跡のシステムはだいぶお怒りらしい。
鍛えられた尻を向けて怒るブーメランパンツ集団……その登場にコトトは思わず後ずさった。
「あっ、なにかヘンなのがでてきました! ちょっと近づくのがこわいです……!」
「ヘンなのだとぅ!? この白ブーメランパンツの魅力が解らぬか!」
「ふえぇっ!?」
怪人に怯えてさらに後ずさるコトト。
対してきなこは前へと踏み出す。
「ゲームのバグみてぇな登場演出だべなぁ……」
腕をぶんぶんと振り回し、取っ組み合いをする気満々である。
「あ、どーでも良いかもしれないけど、おら、褌派な」
「ふんどし!? バカな……パンツですら……ないだと
……!?」
目を見開く怪人たちの視線がきなこへ注がれた。
最初のターゲットが決まった瞬間でもあった。
●パワーバトル
きなこはCGの怪人たちの注意を引きつけると「来いヤァ」と挑発していく。
そんな彼女へ白のブーメランパンツを履かせるべく、『白ブーメランパンツ過激派怪人』は一斉に跳んだ。
「ハァッ!」
「よっ」
後方へ飛び退くきなこ。
すると怪人たちは着地点でお互いにぶつかり絡まりながら転倒していく……。
……そんな、もみくちゃに絡まった団子の先端をきなこは掴んだ。
「群れの動きに慣れてねぇのはバグのせいだべか……?」
小さな疑問を漏らすと、絡まり合った怪人のカタマリをグルグル回して上空へ。
「まぁ良いべ。みんなまとめてぶん投げてやるんだべぇ!!」
「ぬおおー!?」
ユーベルコード『笹乃葉式我流投げ技地獄』――掴める部位をとにかく掴んで数トンもの重さだろうとぶん投げ、地面へと叩きつける技だ。
ズドン、と怪人のカタマリは地面に叩きつけられた。
もうもうと立ちのぼる土煙と白パンツ……。
「ならば個別に行くまで! ぬおおっ!」
土煙をかきわけ白パンツ怪人が二体飛び出す。
白ブーメランパンツの投擲を交えた時間差の攻撃――。
先行していた一体が、まずはその筋肉できなこの動きを抑え込む。
しかし――。
「これで全力かぁ?」
――リミッターを外したきなこの怪力はいとも容易く白パンツ怪人の肉体を浮かせて軽々と振り回した。
「とぉりゃーっ!」
白パンツ怪人を振り回して飛来する白ブーメランパンツを叩き落とすと、振り回した怪人をもう一体の怪人へと投げつける。
小柄な見た目から予想もできないそのパワーに、白パンツ怪人たちはたじろいだ。
「ひとりふたりじゃ足んねぇべぇ。だから、全力で向かってきてくれなぁ。全力で投げまくってやるんだっべぇ!」
●パワー(存在感)バトル
「うん、搦め手は警戒しなくてよさそうです」
序盤の様子を見ていたエリーは、煙草を一服吸いながら状況を整理する。
「敵はふんどし派に夢中……そして、まず煽るまでもなくバグってますね」
このバグとは見た目なのか白ブーメランパンツ過激主義の思考のことなのか。
(とはいえ、彼女ひとりに前衛を任せ続けるわけにもいきませんし)
きなこの奮戦で戦局は早くも有利を取れたが、敵もちょっとずつ動きに慣れてきている。
そして怪人たちの存在感に圧されて後ずさったコトトはキャバリアを召喚してなにやら大技を準備中。
(さて、どう立ち回りましょうか)
正面からの殴り合いが苦手なエリーは、思考を巡らせた。
「――よし、アレを使いましょう」
戦場に聞こえた言葉。
その侮蔑に『白ブーメランパンツ過激派怪人』たちは一斉に振り返る。
「まぁ、オブリビオンなんて所詮は過去の残滓、世界の排泄物です」
「「至高の履物、白ブーメランパンツを侮辱するのか
!!!!」」
「いやそこじゃなくて……まあいいです。注目度うん〇未満の白ブーメランパンツじゃあ虹色に輝く未来的排泄物に劣るのも、当然の帰結でしょうね」
「「ゆ゛る゛さ゛ん゛っっっ
!!!!」」
この煽りを受けて、怪人たちは集中攻撃の対象をきなこからエリーへ変更した。
迫りくる筋肉と白ブーメランパンツ。
その襲撃は、しかしてすぐ登場したオブジェによって止められた。
「――っ!? まて、皆止まれ!」
道の向こうから飛来したソレは、輝き、空を飛び、巨大だった。
その点を除けば、質感はリアルなソレ。
クリスマスツリーの如く煌びやかに輝いて堂々と空にそびえるのは、前章で作成された――イルミネーション・フライング・うん〇(偽物)!!
登場した未確認飛行野グ〇(U・F・N)は徐々に加速し、速度を増しながら白パンツ怪人たちへ向けて飛来していく。
「「あれは、あれは何だああ!?」」
本物かどうか確認する間もなく迫られては、万が一にも『本物』だった場合を思えば触れない。
そんな心理で怪人たちは逃げていく。
加えるなら、ある意味ソレはパンツの天敵でもあるだろう。
(前衛が一息いれる時間くらいは稼ぎますよ)
イルミネーションのように輝くソレを念動力で操作しながら、エリーは新たに煙草を取り出して火をつけた。
●臨時のパーティもばっちりです!
一方その頃。
後方へ下がったコトトはすぐさま後衛火力の準備を進めていく。
例えソロが多い辻ヒーラーだとしても、こういう即興の役割分担はMMORPGを長くしていれば無くはないこと。
前に出る人がいるならば、遠距離高火力を出せるひとはなるべくはやく準備をするのが良いのですっ!
「来てください、リテラチャー!」
コトトの呼びかけに、AI搭載遠距離支援型機のサイキックキャバリア『リテラチャー』が現れた。
キャバリアへいそいそと乗り込んだコトトは、自機のレーダーをハッキングすると画面に表示されない最適化前のデータを収集して敵の座標を取得していく。
(バグってて当たり判定がよくわからないので……)
びゅびゅんっ! と瞬間移動したり一秒前の座標に戻ったりと、描画がおかしくなる『白ブーメランパンツ過激派怪人』たちは一瞬を撃ち抜く銃撃とは少々相性が悪い様に思える。
そのためコトトはキャバリアの両手に装備されたレーザーマシンガンで敵を確実に仕留められるよう、行動パターンを解析して見切ろうとしていた。
(弾幕をはり、近づかれる前にまとめてけちらし……)
――その時、キャバリアのレーダーが新たな飛来物をキャッチする。
イルミネーションのように輝くソレは、エリーの念動力で飛び小さめのサイズへ分離したりしながら白パンツ怪人の集団を一か所へと追い立てる……。
ソレは、イルミネーション・フライング・うん〇(偽物)――。
その姿を見上げたコトトは、ほんの一瞬思考が止まった(宇宙猫)。
――分析完了。
「じゅ、じゅんびできました! 超弾幕でけちらします!」
コトトは味方へ攻撃に移れることを告げる。
……照準の先は仲間が集めた敵の群れ。
コトトはトリガーへと指を置いた。
●掌握、完了
「あっこれ偽物だ!? おのれ!!!」
やがて『白ブーメランパンツ過激派怪人』の一体が空飛ぶソレが偽物だと気づく。
きかっけは、苦し紛れに投げた白のブーメランパンツでフライング・ソレへ移動禁止ルールを宣告してダメージを与えた時の事。
砕けて見えた内部にLED電球があったのだ。
「猟兵ゆるさんっっっ
!!!!」
新たな怒りと共に、エリーへ襲い掛かろうとする白パンツ怪人たち。
しかしそれをきなこが妨害する。
「どこに逃げようとしてるんだべぇ? おらにブーメランパンツを穿かせてぇんじゃねーの? おらはこっちだべぇ♪」
「うおお! 白ブーメランパンツこそ嗜好ぅぅ!」
怒り心頭のあまり、前半で散々投げ飛ばされたことを忘れた怪人たちは一斉にきなこを取り押さえようとして……。
「そぉら!」
「ぐへぇ!?」
飛び掛かった一体が早速、きなこに腕を掴まれてそのまま武器の如く振り回された。
白パンツ怪人を振り回して、襲い来る他の白パンツ怪人を返り討つきなこ。
この反撃で吹き飛ばされた白パンツ怪人たちに、さらにエリーのユーベルコード『念動ハンド<<サイ・ハンド>>』が襲い掛かった。
「そんなに白ブーが至高だというなら、『念動ハンド』で剥ぎ取って更に挙動をバグらせてやります」
立ち上がる暇も与えず、九十を超える数の念動力の手が白パンツ怪人の白パンツをはぎ取っていく……そして。
「そのまま動かないでくださいね」
都合のいいバグ表示で一部にモザイクがかかる怪人へ、悶絶の一撃に最もふさわしい個所を攻撃しようとしたエリーは。
(……いや、流石にアレは触りたくないですね)
腹へのパンチで動きを止めた。
「今だべぇ! やっちまえー!」
二人が射線から離脱するとコトトは敵をまとめて蹴散らすべく照準を確認する。
――狙うのは全裸で腹を抱えて苦しむ怪人たち。
コトトは、いろいろいっぱいいっぱいなグルグル目でユーベルコード『すーぱーきゃばりあたいせん<<アオノマダン>>』を放った。
「ぼ、ぼくは、いろんなぱんつがあっていいと思います! どちらかというとかわいい方がいいですっ!」
ユーベルコードによる広範囲の超弾幕が怪人の群れを襲った。
ビームマシンガンの輝く銃弾が横殴りの嵐の様に空間をなめて破壊していく――。
その弾幕はこの場の『白ブーメランパンツ過激派怪人』を尽くハチの巣にして、ちょうすごいCGの怪人はひとり残らず消えていった。
システムが止まり無機質で広い空間が現れる。
隅の方で熱暴走の煙を噴いているのが、おそらくこの部屋を管理していたシステムだろう……。
遺跡の一部の掌握ヨシ!
こうして、遺跡の一部の掌握がいい感じに成功した。
大成功
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