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我が子の再誕

#UDCアース #クトゥルフ #プレイング受け付け中

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#クトゥルフ
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●狂う母
「あ、あぁ、これで、これで……私の子が――」
 もう一度、この身から産まれる。
 失い、何も入ってない腹部を女は撫でながら笑う。
「また、お母さんが産むからね」
 白衣を着て、女は『院長』と書かれたプレートが飾られている部屋から出た。
 そう、ここは普通の病院。
 ただし、職員は全員狂う寸前という事を除いて、は――
「院長、亡くなったのでお使いください」
「もう直ぐ、もう直ぐよ……」
 看護師が院長に駆け寄るって耳打ちをすると、手帳を開いて『適合一覧』に記入されている名前に〇を付けた。
「さぁ、もう直ぐ産めるわ」

 死んだ、と偽り。

 患者を生贄に、呼び出されたのは。

 邪神と融合した何かだった。

 ずるり、と院長や患者を母体として、遠い星から眷属が産まれる。
「可愛い、可愛い、私の子」
 既に狂っている院長は、死んだ自分の子ではないが自身の腹から産まれるのは全て子、もう既に見分けはつかなくなっていた。
 沢山の子供に囲まれて満足そうに母親の笑みを浮かべながら、彼女は最後に邪神を産むべくして眷属に生かされている。
 眷属は邪神を産む為の儀式の生贄を求めて、病室の方へと飛んで行った。

●グリモアベース
「皆、集まってもらい感謝する。さて、率直に言おう。UDCアースのとある病院に門(ゲート)が完成して眷属が現れた」
 読んでいた魔導書を閉じるとヒッツェシュライア・テスタメント(死を恐れぬ魔術師・f16146)は、目の前にいる猟兵に言った。
「状況はこうだ。病院自体は大きくはない、四階建てで全て個室に改築され、手厚い事でその町では良い意味で有名な病院だ。だが……面倒な事にそこの院長をそそのかしたのが、狂気に陥った天才だそうだ」
 ヒッツェシュライアは呆れた様子で説明をする。
「入院患者に紛れて接触し、『死んだ子供を生き返らせれる』と言われる儀式を教えた。そう、当時の院長は子を亡くして落ち込んでいたのだ。心が弱っている彼女を使い、よからぬ計画の結果がこうだ」
 画面に映し出されたのは、病院を覆う鼓動する何か、そして――宙を漂う邪神の眷属の姿だ。
「病院からまだ正常で生贄にされていない患者たちを救い出し、邪神が完全に顕現する前に倒して欲しい。狂気に吞み込まれぬ様に、な……良い報告を待っている」


龍真 神
 オープニングに目を通して頂きありがとうございます。
 龍真 神(タツマ シン)と申します。
 よろしくお願いします。

 ともて暗いシナリオとなっております。
 思いをぶつけるもの良し、ただ戦うだけでも大丈夫なシナリオとなっております。

 最低限の文字数でも、ステータスシートを見ながら書かせていただきますので、『まだよく分からないけど、シナリオ参加したい!』という方でも遠慮せずにご自身の文で書いて送って下さい。
 それでは、皆さんのプレイングをお待ちしております。
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第1章 冒険 『夜の病院に潜む闇』

POW   :    建物全体をしらみつぶしに探索する

SPD   :    フロア案内等の情報から対象を絞って探索する

WIZ   :    勘や気配などを頼りに探索する

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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ネリッサ・ハーディ
人の心の弱みに付け込む・・・結局やっている事は、詐欺師も悪魔も、そして邪神も同じ様ですね。

まずUCで夜鬼を召喚し、件の病院の建物の外周をくまなく探索させ、怪しそうな場所の当たりをつけます。飛行できる夜鬼が2階以上の窓から探索すれば、何か面白い物を発見するかもしれません。
後は病院に侵入し、当たりを付けた箇所を調べます。侵入時には夜鬼を先行させて、周囲の偵察と先導役になって貰いましょう。

アドリブ・他者との絡み歓迎



●産声
「人の心の弱みに付け込む……結局やっている事は、詐欺師も悪魔も、そして邪神も同じ様ですね」
 病院の敷地内を悠然と泳ぐソレらを見てネリッサ・ハーディ(クローク・アンド・ダガー・f03206)は、嘆息しながら呟いた。
「偉大なる深淵の主の下僕よ、我が召喚に答えよ」
 ユーベルコード『夜鬼の召喚(サモニング・オブ・ナイトゴーント)』を発動し、夜鬼が召喚されると悪魔に似た翼を広げて空へと舞い上がる。
 攻撃する素振りは見せない眷属たちは、ギョロリとした瞳で追いかける様子はあるが手は出さない様だ。
「そまで大きくはない。だが、手を加えた様子もないですね」
 病院の周囲をぐるり、と回るが、怪しい部分はない。
 ネリッサは眉をひそめる、はっきりとした輪郭ではなく湯気や雲の様にもやっとした感じが病院を覆っている感じがした。
「(門……いや、呪文やアルコール類の感じはしないですね)」
 もし、狂った人物が院長の事を含めて、計画をしていたのであれば病院の内部に何かしたのでは? とネリッサが考えていると、空から夜鬼が降りてきた。
 その両手に抱えられているのは患者、しかも20代の女性であった。
 屋上に命からがらで屋上まで逃げたのであろう、四肢に打撲や火傷がありこんな場所から早く逃げて欲しいのでUDC職員に渡した。
「屋上も問題ないのであれば、病院内部になにかがある、という事でしょう?」
 正面に戻ってくるとネリッサは、ガラスで出来たドアを静かに引いた。
 重たく、そしてむせかえるような血に似たニオイが充満した病院へと足を踏み入れた。
 脈打つ壁、完全ではないが所々侵食されている。
「(普通の人が入ったら正気ではいられないでしょうね)」
 待合室にあった病院案内を見つめながらネリッサは、夜鬼と五感を共有して得た病院の全体図を思い出す。
 同じ、この地図と同じだ。
 夜鬼が警戒してくれているが、病院内から外の音や光が凄く遠くに感じる。
「(やはり、簡単にはいかないでしょうね)」
 踵を返し、左右に伸びる通路を交互に見る。

 深い、深い、森の様に薄暗く、そして先が見えない。

 地図で先があるのを知っているのに……

 進むしかない、と呟くと歩き出した。

 先に歩く夜鬼の視界を通して、侵食が進む様子を横目で見ながら――

大成功 🔵​🔵​🔵​

灯璃・ファルシュピーゲル
たとえ本当に復活できたとしても
親のこんな姿は見たくないと思いますがね…

静穏重視で行動し周囲の気配や音に警戒し侵入
潜入中を考慮し極力音を絞ったモールスで
ネリッサ局長と無線通話し(情報収集)
探索箇所・現状を情報共有。

自身は人避け・隠蔽し易さ、遺体と偽り患者を搬入しやすい点を鑑み
霊安室辺りに儀式拠点を設けてると予想し、その近辺の部屋に
捕らえた患者を拘束してる可能性を考えて捜索に捜索へ。

道すがら侵入口までの脱出経路に使えそうなルートの要所々々に
指定UCで作成したモーションセンサー付き暗視カメラを隠して設置し
径路の安全を監視しつつ、音を立てないようルームクリアリングして
確実に捜索していきます

アドリブ歓迎



●鼓動
 五感を研ぎ澄ましたまま、ドクンドクンと心音の様に脈打つ院内へと足を踏み入れた。
 先に病院へ入ったネリッサと通信を取りつつ灯璃・ファルシュピーゲル(Jagd hund der bund・f02585)は、彼女とは反対の通路へと足を向ける。
「……ここには、霊安室がないですね」
 儀式の生贄を遺体と偽って安全に、疑われずに運べる場所だと思っていた灯璃だが、見取り図には書かれていない事に驚く。
「本当に、他の施設はないのでしょうか?」
 通信機でネリッサに問うが、返答は『残念ながら……』と一言だけかえってきた。
「だとしたら、どうやって儀式に持ち出したのでしょうか?」
『残念ながらそういうのは専門外だから分からないです』
 邪神や戦いに関しては専門家である二人にとって、病院という場所がどういう風に回っているのかは知らない。
「……――っ!」
 遠くから嗚咽に似た声がする。
 素早く顔を上げると灯璃は、声がしたであろう方向へ視線を向けた。
 どのくらいで広がるのだろうか?
 壁は徐々に厚くなっている気がし、鼓動する音が響く中で静かに歩む。
「(どこ?)」
 ガタン、とバケツか何か薄い鉄製の何かが倒れる音が響き、両手で息を殺しているのであろうか?
 荒々しい息遣いが微かに漏れ、カタカタと震える音がする。
「(ここは、お手洗い)」
 ドアが付いておらず、オープンな入口からは複数の洗面台と、個室のトイレがずらりと並んでいる。
 何かを踏んだのだろうか?
 廊下からトイレへ汚れたスリッパらしき足跡が点々と、一つの個室へと続いていた。
「誰か、患者がいるのですか?」
 個室の前へ行くと灯璃は、個室の中の人に聞こえるくらいの声量で言った。
「ひ、と……?」
「はい、調査と安全の確保としてまいりました」
 鍵が開く音がすると灯璃の前には、憔悴しきった妊婦がお腹を抱えながら床に座り込んだ。
「ごめんなさい、こんな時にだけども」
 そう言って灯璃は、この病院で起きた事を正気が保てるくらいの内容で話した。
「お産で死んだ、とか……安置してくれる……寺へ……直ぐに運んで……ごめんなさい。家族じゃないから」
「(共犯者がいるかもしれないですね。でも、本当にそこがあるのかが怪しいですが)」
 ぽつり、ぽつり、と妊婦が話してくれるが、震える体を抱きしめながら喉から声を絞り出している。
 これ以上は危険だと、判断した灯璃は、直ぐにUDC職員へ保護してもらった。
 ネリッサに呼ばれ、たどり着いた場所は使われていない手術室であった。
 ユーベルコード『Ouroboros Arsenal(ウロボロス・アーセナル)』で作ったモーションセンサー付き暗視カメラで覗いた。
「たとえ本当に復活できたとしても」
 手術室へ続く本来は開かないドアが少し開いており、妊婦を数名使って作られた魔法陣の中央で椅子に座った白衣の女性が見えた。
「親のこんな姿は見たくないと思いますがね……」
 両手に愛おしそうに抱いているのは、赤ん坊でもそれに近い何かではない。
 ギョロとした目で手足はほぼないだけの異形であった。
 退路は確保しつつ、モーションセンサー付き暗視カメラを設置したがまだ生きている人が残っている。
 灯璃はネリッサと別れると、生存者を探すために再び侵食が進む院内をある出した。

 また、生まれた。

 歪み、低い産声が響く。

 院内を侵食する何かの鼓動と共に――

大成功 🔵​🔵​🔵​

指導・操真
「潜入や隠密はお二人にお任せしよう。俺は俺の出来ることを」

「圧倒的な数でしらみつぶしだ!」

【死霊の連隊】で死霊兵を無数に呼び出す。この際この病院に充満する死者の残留思念を取り込むことで元の人物の意志、記憶を部分的にコピー。

「さぁ死霊兵達よ、自身の大切な人達と別れを告げて目を覚まさせろ。生命的にも精神的にも救いに行くぞ!」

それぞれの死霊兵が大切な人たちの所に向かい助け、最後の別れを告げていき障害があれば薙ぎ払っていく。操真もネリッサ局長、灯璃さんと無線で情報共有しつつ【集団戦術】で死霊兵達を統率し、効率の良い人海戦術を行いながら異能の【医術】を用いて助けた人達を治療していく。

※アドリブ、絡み歓迎


馬県・義透
四人で一人の複合型悪霊。生前は戦友

第一『疾き者』唯一忍者
一人称:私 のほほん

ふむ…病院とはとんと縁がないのですがー、まあなんとかなるでしょう(戦国時代末期生まれ)

学舎と同じく、病院も巨大な箱ですねー?区切りがあって、外から容易に伺えない。儀式にはうってつけというかー…。
地縛鎖を刺して情報収集。出来なくとも、生者の気配を探りましょう。
自らには念のため、防御用の結界を。

知らない世界というのは、一種の異界ですからね…。慎重に探しつつ、見つけたのならばすぐにUDC職員へ引き渡しましょう。
そう、こういうところは、長くいたら毒ですからねー。



●救出
「潜入や隠密はお二人にお任せしよう。俺は俺の出来ることを」
 指導・操真(人間のシャーマン・f19142)はユーベルコード『死霊の連隊(ネクロレギオン)』の詠唱を紡ぐ。
「我が覇道に連なる死霊達よ! 我が言霊に応え現出せよ!! 圧倒的な数でしらみつぶしだ!」
 操真の前方に86体の死霊兵が召喚されると、合図と共に散らばった。
「さぁ死霊兵達よ、自身の大切な人達と別れを告げて目を覚まさせろ。生命的にも精神的にも救いに行くぞ!」
「きゃー!!!」
 しかし――
 死霊兵を見た看護師は悲鳴を上げた。
 手を伸ばしても、恐怖のあまりに手を振り払い逃げようとする。
「大丈夫だ。その死霊兵は俺の配下だ! 安心してくれ!」
 死霊兵から報告を受けた操真は、二階にあった受付内のデスクに隠れていた看護師の元へ駆け寄った。
「ひ、ひぃ……」
 恐怖で歯をガタガタと鳴らしながら、喉から搾り出した声は言葉にならなかった。
「大丈夫、安全な場所に連れて行こう!」
 操真が手を指し伸ばすと、看護師は震える手で弱々しく掴んだ。
 しっかりと掴み、抱きかかえると操真はUDC職員が待つ場所まで駆け出した。
「大丈夫だ! こんな悪夢から助けてやるからな!」
 操真の言葉に対して、看護師は答える程の意識と正気が無い。
「(傷は手当でどうにかなったが……)」

 壊れた心は、どうにでも出来ない……

 唇を噛み締めながら操真は、駆ける。

 ふ、と感じた。

 無数の視線がコチラを見ている事、に――

●畏怖
「ふむ……病院とはとんと縁がないのですがー、まあなんとかなるでしょう」
 馬県・義透(死天山彷徨う四悪霊・f28057)の複数居る人格の一つ『疾き者』が、月に照らし出された病院を見据えた。
 戦国時代末期に生まれた忍者故に、現代であるUDCアースの建物にはなじみがない。
「学舎と同じく、病院も巨大な箱ですねー? 区切りがあって、外から容易に伺えない。儀式にはうってつけというかー……」
 白い壁、コンクリートと呼ばれる石で出来た建物は丸みは無く、この時代でよく見る学び舎と似た形であった。
 だが、そこよりも規模は小さい。
「知らない世界というのは、一種の異界ですからね……」
 籠手から“地縛鎖”を放ち、病院の壁に刺さる。
 歪む視界、頭の中へ手を突っ込まれてぐしゃり、と握り潰されてかき回すかの様な不可解な感触を感じる。
 不快、その一言でしか表せない感覚が襲う。
「(……流石に辛いですねー……)」
 かろうじて狂気耐性で耐えるが疾き者は、深く探る事を諦めてゆっくりろ息を吐く。
「……ここは悪霊のあるところ」
 ユーベルコード『四悪霊・『界』(シアクリョウ・サカイ)』を発動させると、結界術で身を守る障壁を張って再び意識を地縛鎖へと戻す。
「(あの者の死霊によって殆どが救出されてるようですねー)」
 先に病院を探索している猟兵たちの動きを見ながら疾き者は気付く、病院内部を覆う存在が大きくなっていくのが――

 産まれるのは、人の形をした何か?

 疾き者は思わず体を震わせた。

 ぼんやりとした存在は、小さな赤子から成人へと成長する。

「これで最後だ!」
 操真が叫んだ瞬間、産声が響く――
「……! 早くしないと危険ですねー」
 顔を上げた疾き者は、のんびりとした口調で言った。
 視線の先には、異形の何かが生み出された瞬間であった。

 低い産声が響く、精神を恐怖で侵食される程の声が――

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『棄テラレシ可能性』

POW   :    未来捕食
戦闘中に食べた【敵対者の血肉】の量と質に応じて【醜怪な姿へと成長を遂げ】、戦闘力が増加する。戦闘終了後解除される。
SPD   :    現在汚染
【周辺同位体の寿命】を代償に自身の装備武器の封印を解いて【恐怖と絶望に塗れた腐敗性瘴気】に変化させ、殺傷力を増す。
WIZ   :    過去顕現
【悍ましさや痛(悼)ましさ】の感情を与える事に成功した対象に、召喚した【対象の喪った存在の幻影】から、高命中力の【憎悪を感染させる精神波】を飛ばす。
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●こどもたち
「おぎゃ……お、ぎゃ……」
 儀式を行った主の影響だからだろうか?
 本来は言葉を発せるのに、口からは低く赤ん坊の様な言葉しか出ない。
「オ、ギャ……オ、オ、オ……オオオオ」
 言葉にしようとも発声出来ないが、主がこの世界に完全に呼び出されるまで待つだけならば、言葉は必要ない。
 ぐるり、と目を回しながら周囲を見渡す。
 月明かりが見たこともない世界を照らし、生物が生きているであろう建物へと視線を向けた。
『モット、モット……主ノ為ニ……』
 産まれたばかりの主は、呼び出した母体とつながっている。

 ならば、その前に――

 『棄テラレシ可能性』達は、人々を襲う為に向かおうと動き出した。
馬県・義透
引き続き『疾き者』にて
武器:漆黒風

…そう、早くしなければ。狂気に耐性あるとはいえ、理性失くすのはいけませんからねー。
理性ある悪霊ですから、『私たち』。

早業で指定UCつきで漆黒風を投擲。確実に敵を潰していきましょう。
この病院から出してはいけませんからね。

血肉を与える気もありませんよ。防御は内部三人が四天霊障を利用して、結界を張ってくれてますからねー。
まあ、私は普通の血肉ではありませんがね…?

望まれない誕生ですよ。だから、全て片付けていきましょう。
…ああ、私がこの言葉を言うなんて。なんと皮肉な。


生まれてすぐに死んでるはずだった『疾き者』
母の命と引き換えな加護(自害も無理)で生き延びた。



●似た
「……そう、早くしなければ」
 馬県・義透(死天山彷徨う四悪霊・f28057)の四つある人格の一人、疾き者は静かに顔を上げた。
 視界を覆う程の『棄テラレシ可能性』の群れが言葉にならない声を発している。
「狂気に耐性あるとはいえ、理性失くすのはいけませんからねー」
 早業で棒手裏剣“漆黒風”を慣れた手つきで投げ、棄テラレシ可能性達の体を貫く。
「理性ある悪霊ですから、『私たち』」
 ユーベルコード『四悪霊・風(シアクリョウガヒトリ・トノムラヨシツナ)』を発動し、手をぐっと握りしめると同時に棄テラレシ可能性達の体が爆ぜた。
「オオオオ、オ……スイ、タ!!」
 低く呻くような声で棄テラレシ可能性達はギョロとした目を疾き者へと向け、月がやけに明るい夜空を駆けた。
 眼前でベタッ、と見えない壁にぶつかり、水で濡らした粘土の様にドロリと地面に落ちる。
「食べさせるなんてしませんからねー」
 他の人格、つまり残った三人の人格で作られた“四天霊障”が疾き者の周りに展開されている。
「まあ、私は普通の血肉ではありませんがねー?」
 四つの悪霊が一人の肉体を得ただけの存在、もし喰われてもどうなるかは疾き者でさえも分からない。
 しかし、ふと考えると目の前にいる存在はこの世界――否、星の産まれではなく未知なる星から来た眷属だ。
 この様な肉体であっても喰らえば、吸収して身に付けられてしまっては危険だと他の人格が判断した。
「望まれない誕生ですよ。だから、全て片付けていきましょう」
 疾き者は棒手裏剣“漆黒風”を手にすると、眼前に未だに増え続ける棄テラレシ可能性の群れを見据えた。

 ……ああ、私がこの言葉を言うなんて。なんと皮肉な。

 生前の記憶が脳裏に浮かぶ。

 死ぬハズだったこの命を母親は、加護を与える為に命を引き換えにした。

 自害する事も出来ないこの加護、彼女の子供はこんな過ちをしてまで――

 この世に再び戻りたくないであろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​

灯璃・ファルシュピーゲル
【SIRD】一員で連携
本来は産声には祝福の鐘がつきものですが…貴方々には冥途の土産にコレ(銃弾)をどうぞ

まずは設備や瓦礫で遮蔽とりつつ
(先制攻撃・援護射撃)を仕掛け敵の頭を抑えつつ
注意を引いて、局長達が不意を突けるよう支援

仲間の攻撃で火が付いた個体が点在し始めたら
指定UCでナパームB(特殊焼夷弾用燃焼剤)満載の動力噴霧器を作成
まだ燃えていない敵を中心に敵集団にばら撒き引火を誘発し、
ダメージを増やしつつ、火で囲い封じ込む様に動きを鈍らせます

武器や自身を変化強化する個体は発見次第、味方に情報共有しつつ
目及び口内狙いで狙撃(スナイパー)し確実に仕留め、敵群の強化を防止する

精神攻撃には如何なる敵であろうと排除目標であれば
冷静に淡々と処理するのみという対邪教や軍務で身に染み付いた
経験と精神力で対抗する(狂気耐性・戦闘知識)

※アドリブ歓迎


指導・操真
ネリッサ局長達と合流後協力しつつ先に進むと敵に遭遇する。

「数が多いな、ハデスはスペースが足りないか」

操真に宿るアテナが語り掛ける

『ならば私が行きましょう』

「OK相棒。せめてあと腐れなくあの世に送ってやろう」

【女神降臨】でアテナを降臨させて【神罰、衝撃波、範囲攻撃、2回攻撃、念動力、貫通攻撃】で神槍、アイギスによる攻撃でネリッサ局長達と共に戦う。

敵も感情を与えて来ようとするが女神であるアテナに通じない。さらに盾であるアイギスで操真達を守護し、攻撃と感情が与えられるのを防ぐ。

『共に敵を討ちましょう。あなたは私が守ります』

「頼りにしてるぜ。ネリッサ局長達も先に進みましょう」

アドリブ&他者との絡み歓迎


ネリッサ・ハーディ
【SIRD】の面々と共に行動

言葉を発しましたか。儀式が進んだ証拠なのか、元々そういった種族だったのか。いずれにせよ、あまり時間的猶予はなさそうですね。

UCで炎の精を召喚、自身の周囲に展開させ、敵の迎撃を試みます。


※アドリブ・他者との絡み歓迎



●門よりいでし
「言葉を発しましたか」
 異変に気が付いたネリッサ・ハーディ(クローク・アンド・ダガー・f03206)は、眼前に広がる棄テラレシ可能性の群れが低く呻く様な感じに発する声を聞いて呟いた。
「儀式が進んだ証拠なのか、元々そういった種族だったのか」
 ユーベルコード『荒れ狂う火炎の王の使い(ファミリア・オブ・レイディング・フレイム・キング)』を発動させ、オレンジ色の燃え上がる炎の精が呼び出された。
「いずれにせよ、あまり時間的猶予はなさそうですね」
 ネリッサの周囲に呼び出された炎の精は、彼女が向けた視線の先へ顔を向けた。
 
「数が多いな、ハデスはスペースが足りないか」
 外にいる指導・操真(人間のシャーマン・f19142)は、門から呼び出されている棄テラレシ可能性を見上げながら低く呟いた。
『ならば私が行きましょう』
「OK相棒。せめてあと腐れなくあの世に送ってやろう」
 脳内に凛とした女性の声が響き、操真はこくりと頷くとユーベルコード『女神降臨(ヴィーナス・アドベント)』を発動させる。
「我が身に宿りし女神よ、我が求めに応じ姿を現せ!」
 操真の身に宿っているアイギスに身を包み、楯と神槍を手にした戦女神アテナの霊体ではあるが呼び出された。
 棄テラレシ可能性の群れがけたたましく産声を上げた。
 悍ましさや痛(悼)ましさが操真を侵食しようとするが、戦女神アテナはアイギスの楯を掲げた。
「……っ! 助かった」
『あの声は危険ですので、しばらくは耳も塞いだ方が良さそうです』
 感情から逃れられた瞬間に操真の体から滝の様に冷や汗があふれ出る。
 戦女神アテナの言葉にうなづきながら、胸を掴まれる様な感覚が苦しくてぜーぜーと呼吸しながら耳を塞いだ。

「本来は産声には祝福の鐘がつきものですが……貴方々には冥途の土産にコレをどうぞ」
 Hk477K-SOPMOD3"Schutzhund"を手にした灯璃・ファルシュピーゲル(Jagd hund der bund・f02585)が病院の影から狙う、新月ではないが月明かりによって棄テラレシ可能性の群れをとても撃ち抜きやすかった。
 サプレッサーが音を極限まで消し、弾丸は棄テラレシ可能性の目玉を貫いた。
 どろり、とよくわからない形をしていたソレは、スライム状になって地面へと落ちた。
「どうだ?」
『ファルシュピーゲル様が狙撃なさり、落ちた敵は消滅しました』
 と、話している間にゴウゴウと燃える音共に視界はオレンジ色に染まる。
「焼き尽くせなかったら、灯璃さんが処理をするでしょう。数を減らす事に集中……」
『ネリッサ局長!』
 通信機越しに操真の声が響いた。
 その身を燃やしながら棄テラレシ可能性の群れがネリッサの方へ移動する。
『っは!!』
 戦女神アテナが神槍を振るい、放たれた衝撃波で燃える棄テラレシ可能性の群れをなぎ払った。
「……無茶な事を」
 ネリッサは嘆息しつつも、戦女神アテナと彼女に担がれた操真へと視線を向けた。

「……Was nicht ist, kann noch werden.」
 ユーベルコード『Ouroboros Arsenal(ウロボロス・アーセナル)』を発動させ、灯璃の手の中に出来たのは動力噴霧器にはナパームB(特殊焼夷弾用燃焼剤)満載されていた。
 病院の影から飛び出し、広いとは言い難い病院の駐車場を駆け出す。
「(ネリッサ局長の炎の精、となればコレが最適でしょう)」
 灯璃は左右に移動しながら動力噴霧器を棄テラレシ可能性の群れへと噴射し、通信機に向かって状況を説明する。
「流石、灯璃さん」
 と、呟くとネリッサは炎の精を放つ。
 棄テラレシ可能性の群れが逃げ惑うが、少しでも炎の精に掠ればあっという間に全身が燃え上がった。
『共に敵を討ちましょう。あなたは私が守ります』
「頼りにしてるぜ。ネリッサ局長達も先に進みましょう」
 戦女神アテナが手を差し出すと、ネリッサは手を取った瞬間に燃え上がる眷属によって照らされて少し眩しい位だ。
「(減っていますね。眷属を倒しても邪神が……)」
 燃え終えて黒焦げになった棄テラレシ可能性の群れが、夜空で黒い塊が崩壊して消えてゆく。
「大丈夫ですか? 声に……」
 黙り込んだネリッサに灯璃は声を掛けると、彼女は静かに首を振った。
 戦女神アテナの力に守られていたので、低い産声の影響はなかった。
「相棒!」
『滅せよ!』
 操真が声を上げると、戦女神アテナは素早く駆け出して神槍を突き出す。
 門から来たばかりの個体だったのであろう、燃えておらず言葉を発する事も知らないまま貫かれた。
「まだ門から来たばかりの個体もいるかもしれません」
「ええ、しかし外に溢れていた群れは消えましたので、院長の元へ向かいましょう」
 灯璃の言葉にネリッサは頷きながら、静かになった空を見上げながら病院へと視線を向けた。

 肥大していく闇。

 それを早くどうにかせねば、この町が支配されるどころの話ではなくなる。

 【SIRD】の面々は、急いで院長がいる手術室へと向かった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『蒼の王』

POW   :    冥宮楽土
戦場全体に、【自身の複製体を無尽蔵に生み出す水晶】で出来た迷路を作り出す。迷路はかなりの硬度を持ち、出口はひとつしかない。
SPD   :    蒼籃氷晶
非戦闘行為に没頭している間、自身の【負傷を癒そうと活性化する寄生体】が【敵を分断する水晶の迷宮を構築。傷が治る迄】、外部からの攻撃を遮断し、生命維持も不要になる。
WIZ   :    晶瑩玲瓏
攻撃が命中した対象に【結晶化状態】を付与し、レベルm半径内に対象がいる間、【近づく程効果を増す結晶化の呪詛】による追加攻撃を与え続ける。
👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はナハト・ダァトです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●狂いだす時
「あ、あ……あぁぁ!!」
 違う、と院長が叫ぶ前に、彼女の首は体から失われて闇へと吸い込まれ様に消えた。
「汚らわしい。人間という生き物はこうも、醜い方法で産まれるとは……」
 赤子から成長した男――蒼の王は、力無く床に転がった元母の体を足蹴にする。
 だが、眷属も生み落とし、地球へと侵略出来る機会を与えてくれた事には雀の涙位に感謝しつつ歩き出す。
「まだ、か……」
 周囲に転がる生贄を見て、儀式が完成したモノではく未完成である事を知る。
「開け、早くオレの力を――」
 門がつながりやすい様に儀式を完全なモノにする為に眷属を捧げる。

 戦いを長引かせると邪神が完全に顕現する。

 その前に倒せ――
灯璃・ファルシュピーゲル
【SIRD】一員で連携

まあ、人間は不格好な生物とよく言われますけど…
外も中身も醜悪よりはいいと思いますよ?

二章に続き(戦闘知識・狂気耐性)で精神抵抗

先ずは相手の地の利を崩すのが先決ですね。
敵が結晶迷宮を展開し始めたら、仲間に合図し
(先制攻撃・破壊工作)で牽制も兼ねて指定UCで、
敵本体を目標に爆撃機よりバンカーバスターを投下。
迷宮化した建屋を複製体ごと削り障害を排除し、
局長や仲間の移動・攻撃をアシストする

先制後は複製体・結晶壁を適宜に精密誘導滑空爆弾を投下し排除を図りつつ、射線が通り次第、敵本体の頭部集中で狙撃(スナイパー・鎧砕き)を断続的に仕掛けダメージの蓄積と儀式妨害を狙います

※アドリブ歓迎


指導・操真
「ネリッサ局長、灯璃さん一緒に叩きましょう!」

『切り札ですね?無理はしないで下さい』

身に宿るアテナに忠告を受けつつ【闇に紛れる】で操真の影からハデスを出現させ乗り込む。
【冥界の門】も発動。

「そう長くは持ちません、最大火力を各自ぶつけて下さい!」

二人と協力して攻撃を開始。ハデスがバイデントを構える。【エネルギー充填】【呪詛】【念動力】で威力を高めた【呪殺弾】【神罰】【衝撃波】【範囲攻撃】【貫通攻撃】の特大砲撃が【2回攻撃】の二連で敵全てを薙ぎ払う。【捕食】により攻撃を受けた対象の生命力をハデスが吸収する。

「人の命を粗末にしやがって!冥界の神様が黙っている訳ないだろが!」

アドリブ・他者との絡み歓迎


ネリッサ・ハーディ
【SIRD】のメンバーと共に行動

醜い、ですか。ではあなたが生まれて来る光景は、さぞかし美しいのでしょうね。是非とも見たいものですが・・・残念ながら、これから私達が見る光景は、あなたの生ではなく、死ですから。せいぜい、美麗な死を演出して下さい。

ハンドガン(G19C)で牽制射撃を行いつつ、隙を伺う。
チャンスを見計らって、UCの黄衣の王を召喚し、触手で攻撃させつつ、絡めとって動きを封じる。

(黄衣の王の触手に捕まった蒼の王の姿を見て、軽く溜息つき)・・・美しさからかけ離れた姿ですね。このまま、無残に悲惨に無様に――死ね。


馬県・義透
【SIRD】にて連携を。
ああ、先にいたの、局長たちでしたかー。
となると、時間かけるわけにもいきませんし、連携したほうがよさそうですー。
それにしても…むごいことをする。

というわけで、早業の先制攻撃で指定UCつきの漆黒風や四天流星を投擲しましょう。不幸は連鎖し、全ては消えいくのですよー。

そして、相手の技も同系統とみましたのでー…当たらないことですねー。
第六感で見切り、間に合わない場合は四天霊障で弾いていってしまいましょう。結界ですねー。

さっき、四天流星視認しましたね?なので、あなたにとって位置がずれて見える…錯誤呪詛ですよ。
そう、あなただけが錯誤するように組みましたのでね。



●呪
 産声なんて可愛いモノではなく、大砲を楽器として扱う様にガラスが一斉に割れた。

 瞬間――

「っ!?」
 指導・操真(人間のシャーマン・f19142)の眼前に迫る青、驚きに瞳が見開かれるより先に体はコンクリートの壁にめり込んだ。
 パァン、まるで大きな花火が目の前で弾けたかの様な発破音と、粉々に砕けたコンクリートの粉塵が舞う。
「それにしても……むごいことをする」
 馬県・義透(死天山彷徨う四悪霊・f28057)の四つある人格の一人疾き者は、粉砕したコンクリートの下敷きになった操真を助け出しながら呟いた。
『この様な結果は、望んで人間である“母”がしたことだ』
「まあ、人間は不格好な生物とよく言われますけど……外も中身も醜悪よりはいいと思いますよ?」
 青き邪神の言葉を聞いて灯璃・ファルシュピーゲル(Jagd hund der bund・f02585)は、眉をひそめながら低く言った。
 肥大する闇、ゾワリ、と心臓を掴まれた様な感覚を振り払った。
「その母をも使うのは本当に邪神らしい」
 と、ネリッサ・ハーディ(クローク・アンド・ダガー・f03206)が吐き捨てる様に言う。
「ネリッサ局長、灯璃さん一緒に叩きましょう!」
『切り札ですね? 無理はしないで下さい』
 操真がグッと服の裾で口元を拭いながら声を上げると、アテナが不安そうに呟いた。
「そう長くは持ちません、最大火力を各自ぶつけて下さい!」
 操真は呼び出した『冥府機神ハデス』に乗り込むと、ユーベルコードを発動させるために言葉を紡いだ。
「冥界の主である神の名を冠せし機神が命ずる。開け冥界の門! その瘴気は我に敵対する存在にのみ与えられる絶望と知れ!!」
 広いとは言い難い場所に立つサイキックキャバリアから冥界の瘴気が放たれると、青い邪神は背中から伸びる触手で切り付けた。
「人の命を粗末にしやがって! 冥界の神様が黙っている訳ないだろが!」
『神だからこそ、であろう? 人が死なぬと、嘆いて神が神を殺していたではないか』
 喉から血の味を感じながらも操真が叫ぶと、青い邪神は顔色を変えずに言葉を返した。
 サイキックキャバリアの冥府機神ハデスの足が動かない、ディスプレイに結晶化した手足が映し出されていた。
「周りを見てくださいよー」
 駆動音を聞いた疾き者が冥府機神ハデスの眼前に立つと、町の方へ視線を映しながら言った。
「あ……」
『落ち着いて』
 操縦レバーから手を離した操真は、アテナの優しい声色を聞いて力なく操縦席に背を預ける。
「無理をさせてしまってごめんなさい」
 ネリッサが声を掛けると、G19C Gen.4を両手で握り締めながら駆け出した。
 銃口を青い邪神へ向け、発砲すると同時に疾き者が建物の影へと駆ける。
「CASorder……course Allgreen,――――― Bombs away.」
 水晶の迷宮が広がった瞬間に灯璃は、ユーベルコード『Zerstoeren Fluegel(ツェアシュティーレン・フリューゲル)』を発動させた。
 無人爆撃機が召喚され、青き邪神に向かってバンカーバスターが射出された。
「The Unspeakable One,him Who is not to be Named……さぁ、貪り尽しなさい」
 ネリッサがユーベルコードで召喚した黄衣を纏った不定形の魔王は、迷宮内へ触手を放ち青き邪神を手探りで探す。
「(届かない? 迷宮は出口を探さないと消えない……どうすれば)」
 迷宮内を蠢く触手を見据えながらメリッサは、周囲を見回しながら考える。

「(当たったはずですねー)」
 疾き者が投げたユーベルコード『連鎖する呪い』が付与した棒手裏剣が、迷宮が生成する前に投げて手ごたえがあったのを感じながら迷宮を歩く。
「あの人型機械で壊せると思いましたが、サイズに合わせてくるのは……」
 青き邪神の更に大きくなる闇を感じながら疾き者は、夜なのに薄っすらと光を帯びた水晶の迷宮を見上げた。
 この迷宮をどうにかしなければ、直接あの邪神を攻撃する手段はユーベルコードしかない。

 徐々に大きくなる闇をただ、迷宮の中で迷いながら感じるしかないのであった――

苦戦 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

七星・龍厳(サポート)
『俺に挑むには10年早いな。』
 羅刹の剣豪×マジックナイトの男です。
 普段の口調は「男性的(俺、呼び捨て、だ、だぜ、だな、だよな?)」、仲間には「フレンドリー(俺、呼び捨て、言い捨て)」

行動の基準は戦闘が楽しめるか、又は興味を持った事柄に積極的に関わる。
戦闘は戦場で敵の技術を盗み自身が扱えるものに昇華させるため戦場を探してる竜殺し。
戦場では弱肉強食、故に弱者に手を差し伸べる者への優しさと敬意は無くしていない。
猟兵の妻と娘がいる。
 ユーベルコードはどれでも使用、怪我は厭わず行動します。迷惑をかける行為はしません。
例え依頼の成功のためでも公序良俗に反する行動はしません。
 あとはおまかせ。よろしく!


曽我部・律(サポート)
『この力を得たことは後悔していない……』
『私以外の人間が不幸になるところを見過ごすことはできないんでね』
『こういうのには疎いんだが……ふむ、こんな感じか?』
とある事件で妻子を失い、その復讐の為にUDC研究を続けているUDCエージェントです。ですが、UDCを強引に肉体に融合させた副作用として徐々に生来の人格は失われつつあり、妻子の記憶も彼らの写真によって辛うじて繋ぎ止めています。
多重人格者としての別人格『絶』は凶悪なオブリビオンの存在を察知すると、律に代わって表に出てきて戦います。その際、口調は『おい律……うまそうな匂いがするじゃねぇか。代われよ』みたいな凶悪な感じになります。



●すべ
『あぁ、美味そうなニオイだ』
 曽我部・律(UDC喰いの多重人格者・f11298)の体に埋め込まれたUDCであり、もう一人の人格でもある絶が低く呟いた。
「……門から出てこようとしているオブリビオンの事か?」
『未熟ながらも非常に良いニオイだ』
 青い邪神へ視線を向けた律の視界を共有して絶も同じ光景を見ると、舌なめずりしながら喉を震わせながら笑う声を発した。
『何だ、珍しくあっさりと引き下がったな』
 律の意識は消え、絶が表に出ると口元を吊り上げた。
『いい子だ、行ってこい』
 ユーベルコード『暗渠を這うもの』を発動させ、召喚された軟泥状の感覚共有体は水晶の迷宮を駆け抜ける。
 青い邪神の元へたどり着いた瞬間に、視界が眩しい位に光が轟音と共に放たれた。

「降り注ぐ雷!」
 ユーベルコード『ジャッジメント・レイ』を青い邪神に向かって放つ。
「あそこが出口か」
 隆々とした筋肉を持つ男、七星・龍厳(紅蓮の竜殺し・f14830)は高い位置から絶の姿と青い邪神を見据えた。
 今の時刻は夜、龍厳は夜闇に身を隠して水晶の迷宮の出口へと駆け抜けた。
『その程度の呪詛、効かねぇよ』
 絶が手にしている艶めかしいオーブ“オーブ・オブ・ウーズ”が蠢くと、軟泥状の感覚共有体が青い邪神の鼻先を掠めた。
「邪魔をするな」
 青い邪神の背に蠢く触手が伸びる、が――
「邪魔をしなければ守れないんでな!」
 龍厳が素早く前に出ると盾“ドラゴンヘッドシールド”で、攻撃をオーラ防御で結晶化も避けつつ受け流した。
『俺はアレが喰えれば、良い』
「俺にはアンタを止める理由はない……って、その執着は俺も同じ、か」
 絶は礼も言わずに跳躍した。
 その姿を見て龍厳自身が禁書を求めたり、竜殺しの知識や技術を求めて戦う理由と似ていて思わず笑ってしまった。
「チッ! 貴様ッ!」
『お前が生贄を求める様に俺は、お前の肉を欲しているだけだ』
 青い邪神が再び触手を振るうが、絶は掴んで引き千切ると口に突っ込んだ。
 狂気的な味、ニオイ通りの美味に思わず口元が綻ぶ。
「喰いたければ喰えばいい!」
 解体用ナイフで触手を切り刻む龍厳は叫んだ。
『否、本体を食べてみたくなった』
 口元に付いた青い液体を裾で拭うと、絶は夜闇に浮かぶ青い邪神に向かって突っこんだ。
 触手を掴んで引き寄せ、青い邪神の肩へ歯を立てた。
 絶の視界が青く染まる、片腕を食い千切ると地面へ落ちる。
「無茶を」
『それくらいする甲斐があった』
 龍厳が落ちる絶の首根っこを掴み、宙に浮きながらも得た獲物を口にしながら答えた。
「だが、これであのオブリビオンにも痛手を負わせる事が出来たのか」
『残ったら貰えるだろうか?』
 青い邪神がフラつくのを見つめながら龍厳が言ううと、そんな事は興味なさそうに絶が呟いた。
「さぁ、な」
 ドサッ、と龍厳は絶を地面に下ろしながら答えた。

 青い血で地面を染め上げられた――

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

レパル・リオン(サポート)
こんにちは!あたしはレパル!またの名を『魔法猟兵イェーガー・レパル』よ!よろしくね!

お祭りとかイベントとか友達と遊んだりとか、とにかく楽しい事大好き!

あたしが戦うのは、怪人(オブリビオン)から人々と平和を守るため!そのためなら、ケガをしたってかまわないわ!
(強敵相手だと少し怯えるが、表には出さないように努める)

得意なのは肉弾戦!ダッシュで切り込んだり、ジャンプやオーラ防御でよけたり、激痛耐性でガマンしたり、怪力パンチ&キックでぶっ飛ばしたりするわ!
ユーベルコードに怪人の弱点属性を組み合わせてパワーアップさせたりもするわよ!

頭を使うのは苦手かな。でも、パワーとスピードでなんとかするわ!


カイム・クローバー(サポート)
『俺の手を貸りたい、だって?──言っとくが俺は高いぜ?』

アドリブ・連携歓迎

二丁銃と魔剣を使って戦う猟兵。
お喋りで軽口や皮肉な言い回しを好み、常に余裕を持って問題に当たる青年。UDCを主に活躍の拠点とし、『便利屋Black Jack』として何でも屋紛いの事をしている。
不要の人殺しは一切せず、オブリビオンであろうと女性や同情できる相手には甘い場合もあるなど、口は悪いが根は悪人ではない。

猟兵やUDCのフォロー、邪神の討伐、情報収集、必要に応じて動きますので、状況に応じてどうぞ。シリアス&ギャグのどちらも参加できますが、エッチ系な依頼はNGです。
基本的にはお任せで大丈夫です。宜しくお願いします。



●先
「酷いニオイね! でも」
 体中の毛が逆立ち、内心怯えつつもレパル・リオン(魔法猟兵イェーガー・レパル・f15574)は自身の勘を信じて駆け出す。
「(やれやれ、この迷宮から抜け出すのに少々骨が折れそうだ、ん?)」
 夜だといえ、ピンク色の体毛を持つレパルは非常に目立ってイヤでも目に付く。
「もしかして……」
 彼女の後を追いかければ出られる気がしたカイム・クローバー(UDCの便利屋・f08018)は、レパルの後を追跡する。
 夜空から青い邪神が落ちゆく姿を視線から外さない。
 もうどの辺を歩いたなんて分からない程の大きさである迷宮だが、近付く青い邪神を見てレパルの野生の勘が正しいと確信へと変わる。
「手伝おうか? 俺は高いぜ?」
「倒せるならね!」
 カイムの言葉にレパルは明るく答えると同時に、二人の前に青い邪神が地面に足を着けた。
 感情の無い青と金の瞳に映すと、レパルがユーベルコード『虎狼竜・神風脚(レパル・カミカゼキック)』を発動させた。
「これで終わりよ! カミカゼキック!」
 くるっとレパルの小さなが宙へ舞い上がる。
 強烈なキックが青い邪神の頬に当たり、青い血をまき散らしながら病院に向かって吹き飛んだ。
「さぁ、準備は良いかい? Heads or Tails?」
 ユーベルコード『表か裏か(オール・イン)』を発動させつつ、カイムは“幸運を呼ぶ金貨”を指で弾いてキィンと金属音が響いたかと思うと駆け出していた。
 ホルスターから引き抜いた二丁の銃“双魔銃 オルトロス”の銃口を青い邪神へ向け、硝煙と共に弾丸が射出されるとその体を躍らせながら貫かれた。
「もう少し、で……」
 失った腕の傷口を手で押さえ青い邪神は低く呻いた。
「きゃー!!」
 触手がレパルの腕に絡みつき、ブンと水晶で出来た迷宮の壁に叩き付ける。
「大丈夫か?」
「何とかね!」
 カイムは手を差し出すと、レパルは笑顔で頷きながら手を取って立ち上がった。
 ふらつく青い邪神へ視線を向けた。

 遠くから、ギギギと扉や門の様な重たいドアが開くような音が響いた――

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

城田・紗希(サポート)
基本的には考えるより行動するタイプ。
でもウィザードミサイルや斬撃の軌跡ぐらいは考える。…脳筋じゃナイデスヨ?
暗器は隠しすぎたので、UC発動時にどこから何が出てくるか、術者も把握していない。
逆恨みで怒ってる?…気のせいデスヨ。UCの逆恨みじゃアルマイシ。

戦闘は、範囲系ユーベルコードなら集中砲火、単体攻撃なら可能な限りの連続使用。
必要に応じて、カウンターでタイミングをずらしたり、鎧破壊で次の人を有利にしておく。

……防御?なんかこう、勘で!(第六感)
耐性……は、なんか色々!(覚えてない)



●感覚
「嫌な予感しかしないです!」
 ただ自身の第六感が警鐘を鳴らしていたので城田・紗希(人間の探索者・f01927)は、水晶で出来た迷宮内を駆けた。
 出口?
 そんなモノを探すんじゃなくて、何となくコッチだと思いながら進む。
 考えなくとも紗希は、先程から聞こえるドアが開く様な音と同時に、シャワーのように浴びている黒い感覚に少し顔を歪めた。
「(何か知らないけど、これは気持ち悪いですね!)」
 紗希の視界に映る青い邪神がどんどん近くなるほどに足が重たく感じた。
 考えるよりも体を動かす。
「変幻自在の不可避だよ!」
 手足が重りをくくり付けられたかの様に重いがユーベルコード『流水撃(ナガルルミズノゴトク)』を発動させ、紗希はいつもよりキレは劣るが腰に携えている“紅時雨”を抜刀すると振るった。
「……!」
 青い邪神がその姿を捉え、触手を伸ばすよりも早く紗希が放った斬撃が身体を切り裂いた。
 ぼたぼた、と白かった病院が青く染め上げられた。
「つまらぬものを……ぐっ」
 鞘に入れようとするが紗希の手から紅時雨が滑り落ち、ガクッと膝を折って地面に座り込んだ。

 重い、と言葉に出来ない程の重さに――

成功 🔵​🔵​🔴​

子犬丸・陽菜(サポート)
 ダンピールの咎人殺し×聖者、14歳の女です。
 普段の口調は「女性的(私、あなた、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」、リーダーには「無口(わたし、あなた、呼び捨て、ね、わ、~よ、~の?)」です。

 宝珠による臓物を掻き回しを多用し、知られざる枷を使います。怪我は厭わず積極的に行動、臓器の負傷でユーベルコードの威力が上がるので負傷は状況によりわざと受けたりもします。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
 潜在的なマゾヒストなのでユーベルコードの苦痛になにか感じる場面もあるかも?
 負傷重症描写歓迎、内臓が出るくらいやっていただいてください!
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



●共
「それだけで十二分なのかな?」
 幼さ残る少女、子犬丸・陽菜(倒錯の聖女・f24580)は謎の執念だけで水晶で出来た迷宮を抜け出し、青い血で濡れた青い邪神の顔を覗き込みながら言った。
「は?」
「だって、その程度は普通に見るのよね」
 恐怖、畏怖、倒したい等の気持ちだけて向かって来る他の猟兵達とは違い、陽菜は何故かダメ出しをする。
 ここは普通、攻撃するなりと多少なりとも先手を打つであろう。
「ふふ、あたしの、苦痛の一端……感じてみますか? ん、ぐ、んぐぅっ!!」
 ゴボリ、と陽菜の口から酸っぱくて喉を焼くような痛みと共に胃液を吐き出す。
 物理的は変化はない、依代の宝珠が彼女の腹部でハラワタをぐるぐるとゆっくりとかき回す。
「貴様、なに、を!?」
「あたしの痛みを共有しているだけよ」
 邪神にも中身はあるのだろうか? と、陽菜は痛みが快楽へ変わる感覚に酔いながら頭の隅で考えた。
 見た目は人そのものだが、でも苦痛に顔を歪めているならその触手で混ぜられたい、と考えるだけで時間は過ぎてゆく。

成功 🔵​🔵​🔴​

黒風・白雨
かつてわしらに滅ぼされた輩が性懲りもなく現れおったか
しかも、自らこの地に来ることもできぬオブリビオンに身をやつすとは随分と落ちぶれたものじゃな
貴様のような輩に好き勝手されてはゆっくり湯に浸かることもできぬ
疾く、骸の海に還してやろうぞ

まったく、次から次へとよく湧いてくるものじゃ
無限に湧くというなら、無限に砕いてやってもよいが――
飯の時間も迫っておるのでな、そろそろ終わりとしよう

水晶の迷宮を見通し、〈仙術〉の縮地をもって本体の場所へと転移
《力》任せに触手を引き裂き、身体を掴み取って壁や床に叩きつける

既に齧られおるようだが、残りはわしが味見をしてやろう
《竜神体》の姿を現し、頭から一飲みにする



●消えゆく私
「かつてわしらに滅ぼされた輩が性懲りもなく現れおったか」
 青い邪神を視界に捉えると黒風・白雨(竜神・f31313)は、小さく息を吐きながら呟いた。
「しかも、狂った者の手によって不本意に呼ばれ、しかも不完全とは随分と邪神とは落ちぶれたものじゃな。貴様のような輩に好き勝手されてはゆっくり湯に浸かることもできぬ」
 白雨は夜空に浮かぶ月を一瞥すると、他の猟兵が残したであろう戦いの跡を見据えながら肩を竦ませた。
「疾く、骸の海に還してやろうぞ」
 音も無く地に足を着けると、白雨は水晶で出来た迷宮内へ足を踏み入れた。
 見えぬ壁ではないが見回しても水晶の先に水晶、と鏡の中に鏡が見える状況である。
「まったく、次から次へとよく湧いてくるものじゃ」
 延々と続く水晶の迷宮に先が見えなさ過ぎて白雨は、胃の中の虫が悲鳴を上げる寸前である事に気付く。
「無限に湧くというなら、無限に砕いてやってもよいが――飯の時間も迫っておるのでな、そろそろ終わりとしよう」
 竜神である白雨にとって破壊するのも簡単ではあるが、そんな力を使ってしまう程の暇がない。
 そう、旅館で出される夕飯の時刻に間に合わないのだ。
「今宵は良き風呂に入れそうじゃな」
 得意とする仙術で跳躍し、軽々と水晶の迷宮の高い壁を飛び越えて青く染まった一つしかない出入口へと着地する。
 どぉん、地面が揺れて白雨は青い邪神の触手を掴み、ボロボロの病院へ叩きつけていたのだ。
「既に齧られおるようだが、残りはわしが味見をしてやろう」
 白雨の体は細長く伸びて“竜神体”へと姿を変えた。
 ポーン、と力無くうな垂れている青い邪神の体を宙へ抛り投げると、夜闇に白い髭と鬣が月の明かりで美しく輝いていた。
「……無駄な事を……俺は、関係ない――」
 唇を動かしているのは分かったが、白雨の耳には声が届いておらずそのままゴクリと丸呑みにした。

 町には平穏が訪れ、たかが町医者がした事はUDC職員によって元から何も無かったかの様に日常は続く――

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年11月19日


挿絵イラスト