【猟書家】マダムと引き篭もった自称超魔王
●ダンジョンメーカー
アルダワ魔王戦争の舞台、ファーストダンジョン。かつて大魔王がいた「9-A」にて……。
「ふむふむ、この蝋燭台を引っ張るとぉ〜」
少女は、汚れた紙を見ながら蝋燭台を手前に引く。すると、「ガコン!」と硬い音が響いた。
「ふっふっふ〜。あと一歩で夢が叶うのね」
彼女の名は【ヴァルサリッサ・アフトクラトラス】。
ミスター・グースの目論む「魔導蒸気文明の災魔化」を実現すべく、『災魔の卵』の依代を求めて迷宮探索に乗り出していた。
「観光するにも良いところだったわ」
満足そうに笑うヴァルサリッサの足元に、隠し階段が姿を現した。
人差し指に炎を灯し、トントントン……と軽快な足音を響かせ、どんどん降りていく。
やがて、一つの部屋にたどり着いた。
その場所こそ、遥か昔にダンジョンを構築した「ダンジョンメーカー」が安置(放置?)された隠し部屋だった。
「さささ、私に相応しい災魔と迷宮とは、どんなものかしら〜?」
ウキウキした様子で災魔の卵をダンジョンメーカーに埋め込む。突如、空間が歪み、一体の災魔が召喚された。
「こんにちは、可愛らしいお嬢さん。私はマダム・プティングですわ」
「……」
「あら、どうしたのぉ? あ、お腹空いているのかしら。それならお茶にしましょうか」
マダムが持っていたピンクの傘を広げ、クルクルと回し始める。傘から甘い香りと花びらが噴き出すと、マダムを中心に迷宮が形成されていく。
ポップなマシュマロのお城、魅惑的にぷるぷる揺れるプリンとゼリーの迷路の庭。空には杏仁豆腐の雲。ふわふわパンケーキのレンガ。
どれもこれも、ふわふわでぷるぷる……。
「……なんなの? これって、私への当て付け?」
ぷるぷる、ぷるぷると揺れる迷宮とマダムの胸元を見て、ヴァルサリッサは悲しそうに呟くのだった。
●グリモアベースにて
「皆様、お疲れ様です」
ナノ・ナノン(ケットシーの聖者・f18907)は、猟兵たちに深々とお辞儀した。
「さて、今回はアルダワ魔法学園からの救援要請です」
そう言うと、猟兵たちの目の前に小柄な少女の映像が映し出された。
「こちら、自称【超魔王】ヴァルサリッサ・アフトクラトラスさんです。この度、ファーストダンジョンの隠しフロアに侵入し、ダンジョンメーカーを使って新たな迷宮を作り始めています」
映像が切り替わる。
「そして、こちらが今回召喚された【災魔】マダム・プティングさんです。はい、まんまプリンさんですね」
再び、ヴァルサリッサに映像が戻る。
「彼女は、魔導蒸気文明の災魔化を目論んで、災魔の卵をダンジョン内に持ち込みました。結果、更なる迷宮が構築され、彼女は超魔王になろうとしています」
ところが、である。どうも、召喚されたマダムを一方的に嫌い、早々に迷宮内の城に閉じ篭もってしまった模様……。
「アルダワの学生達も支援してくださると言うことですので、この引き篭もり自称超魔王の退治をお願いします」
しかし、何が彼女を引き篭もりにさせたのか……。
「それは行けば分かると思います。……多分」
ナノンはグリモアを宿した杖を取り出すと、猟兵たちをファーストダンジョンへと転送した。
柚子胡椒
初めまして、こんにちは。柚子胡椒です。
こちらは、猟書家のシナリオとなります。
隠しフロアは、マダムによってふわふわ、ぷるぷるなお菓子の迷宮に造り替えられています。
迷宮の仕掛けを利用して戦うことになりますが、アルダワの学生達も支援してくれますので、その辺をプレイングに盛り込んでください。(尚、迷宮は食べることが可能)
プレイングボーナス、全章共通。
学生達と協力する。
以下補足説明です。
第1章、ボス戦/マダム・プティング。
突然、超魔王に拒絶され困っている様子。引き篭もる娘(超魔王)を心配して、あれやこれやと奮闘中。何かアドバイスをしてあげる/迷宮にあるお菓子を破壊すると、隙が生じます。
第2章、ボス戦/超魔王ヴァルサリッサ・アフトクラトラス。
胸の辺りをやたら気にして、迷宮にあるマシュマロの城に引き篭もっています。
外のふわふわ、ぷるぷるの光景を見る/取り敢えず励ますと、隙が生じます。
よろしくお願いします。
第1章 ボス戦
『マダム・プディング』
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POW : ア・ラ・モード!
【焼きプリンの魅力】【生クリームの魅力】【新鮮フルーツの魅力】で自身を強化する。攻撃力、防御力、状態異常力のどれを重視するか選べる。
SPD : おやつの時間よ!
【巨大なフルーツやプリンの塊】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ : ほぅら、いい香りね?
【勢いよく開いた日傘】から【抗えぬバニラの芳香】を放ち、【香りに陶酔させること】により対象の動きを一時的に封じる。
👑11
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紫洲川・珠璃(サポート)
キャラの雰囲気は落ち着いたお姉さんの感じです
口数はどちらかというと少なく物静か
戦闘は果敢に攻め入り、
足は止めず常に動き回り、奇策より正攻法を好みます
武器は主に一振りの刀(虚鐵)を両手持ちで使い、たまに脇差として所持している二本目を抜きます
ボスのような大物相手ではまず相手の機動力を削いでから有効打を狙いにかかるので特に序盤は機動部位(主に足)を手数を多くして攻撃し、
中~終盤は基幹部位(頭や胴体など)を高威力の一撃で狙います
ユーベルコードは以下の順で制御しやすい(と彼女が思っている)ので利用しますが、
状況に応じて適切なものを利用します
【使いやすい】⇔【使いづらい】
炎狐=妖剣解放<黒狐召喚<神狐召喚
グリュック・ケー(サポート)
「なんかよく分かんないけど、よろしくなっ」
ノリのいい兄ちゃん。旅が好きでふらふら出歩いている割には呼べば現れる。ひとりも好きだが大勢も好き。楽しそうなことには顔を突っ込みたがる。汚れ役も引き受けられる基本的にいい人。
プリンと睡眠が大好きで常にプリンを持ち歩き、少しでも時間が空けば夢の中へ。寝起きはいいほうだが寝つきがかなり良い。
普段から顔を隠しているが、「見せて」と言われれば普通に見せる。
好戦的というわけではないが、必要であれば躊躇わない。
ユーベルコードも普通に使う。正面から戦うよりかは罠をかけるほうが好き。
春霞・遙(サポート)
UDC組織に所属して、UDC関連の一般病院に勤務している小児科医です。
行動の基本方針は困っている人が居るなら助けたい、人に害をなす存在があるなら退けたい。
戦う力はあまりないですけど、自分が傷を負うとしてもみなさんのお手伝いができれば嬉しいです。
基本的に補助に徹します。
「医術」「援護射撃」「情報収集」から、【仕掛け折り紙】【葬送花】での目くらましや演出、【生まれながらの光】【悪霊祓いのまじない】で照明や目印を付けるなども行えるかと思います。
攻撃は拳銃による射撃か杖術が基本で、その他はUCを使用します。
【悔恨の射手】【未来へ捧ぐ無償の愛】は基本的に使用しません。
シリアス以外ならいたずら好きの面も。
●
「わぁ、子供たちが喜びそうな空間ですね」
春霞・遙(子供のお医者さん・f09880)は、目の前の光景に素直に驚く。
「あー。おれ、プリン食べたいなー」
グリュック・ケー(なんか黒い・f32968)は白いクリームがたっぷり乗った、巨大なプリン群を見て呟く。
「マダムは、どこにいるのかしら?」
紫洲川・珠璃(夜を追う者・f00262)が手を翳してキョロキョロと周囲を見渡す。
しかし、自称【超魔王】に召喚されながらも、今は相手にしてもらえない悲しき災魔の姿はない。
「大丈夫でしょう。まずは、大食い同好会の学生の皆さんに食べまくってもらいましょう」
そう言う春霞の後ろには、自称大食い四天王を名乗る学生たちの姿が。
「あ、おれも一緒に食べて回る方に徹しようかなぁ」
グリュックは、手を消毒用シートで拭きながら早速物色し始める。
「それなら、私がマダムの相手をするわね」
紫洲川は【影刃「虚鐵」】を手に、お菓子の迷宮へと乗り出した。
●大食い同好会の学生たちと
「うわぁ、こりゃあ……。どれから食べるか迷うなぁ」
カスタードプリン、牛乳プリン、ストロベリープリン、抹茶プリン……。
色とりどりのプリンが虹のように敷き詰められている。
「ここは素直に、片っ端から行くのが良いか」
グリュックはその辺に刺さっていた巨大なスプーンを引き抜くと、ガフガフと食べ始めた。
近くで学生の1人がマシュマロを口いっぱいに頬張っている。
その隣では、別の学生たちがジュースの噴水に腰掛けて、幸せそうにケーキを摘んでいるし、チョコレートの木に齧り付いている学生もいる。
なんと平和で幸せな光景だろうか。
「しかし、これ全部って言ったら、結構な食糧難とか解決できそうだよな」
「そんな事になったら糖尿病やら肥満症やら、高コレステロール血症とやらで、みんな病院送りになると思いますけど……」
迷宮を一通り見て回って来た春霞が、何やら薬を差し出す。
「必要なら使ってください。胃薬です。もし、血糖値が上昇し過ぎる事になれば、インスリンの準備もありますから」
「おぉー。医者が一緒ってのは、こういう時本当に心強い」
ケタケタと笑うグリュック。
春霞は学生たちにも同じ物を配って回ると、柴洲川が戻ってくる。
「学生たちを急ぎ避難させて。マダムがこっちに向かって来るわ!」
すると、遠くから「ズドドドド……」と物凄い音が響き、ゼリーで出来た道が上下に揺れる。
「な、なぁに、これ! どういう事?」
食べ荒らされた迷宮に驚きの声を上げるマダム。
「おぉう。顔もプリンで表情が読めねぇ……」
「だよね」
グリュックは手を大袈裟に振って驚きを表現し、柴洲川は静かに頷いた。
「あ、あらあら。お客様が来てたのねぇ。あなたたちが食べてくれたの?」
マダムは、くねっと頭のプリンを傾ける。
「あ、はい。美味しかったです。ってか、もっと食べても平気そうだぜ」
「いや、あれ以上食べたら病気になりますって……」
グリュックの言葉に、春霞が呆れた様子で突っ込んだ。
「それは良かった! そしたら、これはどうかしら」
『おやつの時間よ!』
マダムの声に呼応して、空から巨大なフルーツやプリンの塊が食べ荒らした場所を中心に降り注ぎ、みるみるうちに迷宮が修復されていく。
「そうわさせないわ。【妖剣解放】!」
「援護は任せてください。【バレットレイン(ゴーストジェノサイダー)】!」
『死者を穿つ礫は天地に広く降り注げ』
春霞は拳銃を構えると弾丸の雨を降らし、空から降って来るフルーツやプリンを打ち抜いた。
穴だらけになっていくお菓子に、マダムが悲鳴をあげた。
「きゃーーーー! 食べるならまだしも、食べ物を無駄にしちゃダメよ〜!!」
そう言って、迷宮の修復に勤しみ始めるマダム。
その隙に柴洲川は妖刀の怨念をまとうと、影刃「虚鐵」で高速の斬撃を繰り出し、マダムを彩るフルーツやクリームを削げ落としていく。
マダムは急ぎ手に持っていたピンクの勢いよく開くと、日傘をクルクル回してみせた。
すると、周囲に豊潤なバニラの香りが広がり始める。
『ほぅら、いい香りね?』
バニラの香りは、周囲のお菓子から発せられる甘い香りと相まって、嗅ぐ者全てを魅了し始める。
「おっとっと。そうはいかないぜ!」
グリュックは急ぎ【ガラスのラビリンス】を展開する。
「迷宮内部にガラスの迷宮を生み出すってのは、どれぐらい効果があるか分かんないけどな」
すると面白い反応が起きる。
まるで、ガラスのショーケースに収まるケーキやお菓子のような光景が広がったのだ。
マダムはというと、「あらぁ〜、これはこれで素敵ねぇ」と喜んでいる様子である。
「でも、これではちょっと、お菓子を取り出すのに不便だわね」
そう言うとマダムは、開いた傘を空に掲げフワフワと飛んで行ってしまったのだった。
成功
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御狐・稲見之守(サポート)
100歳超(実年齢秘密) 妖狐の仙人✕陰陽師
口調「ワシ、~殿、ゾ、じゃ、じゃナ、かナ?」
荒ぶる力を揮うカミにして、人喰い魂呑みの外道、そして幻を繰る妖狐、御狐稲見之守である。
助けを求め願う声を聞き届けるが我が務め。ヒトの道理で叶わぬならば、カミの道理を通してみせよう…なんてナ。
天変地異を起こす[荒魂顕現]や、幻覚を見せて動きを封じる[眩惑の術]、生命力を喰らう[狐摘み]を使ったりするゾ。無論、[狐火]は妖狐の嗜みじゃナ。
ふふ、そして『魂喰卿』の肩書き通り、我が領域[魂喰らいの森]を顕現させることも出来るんじゃ。
さァて、遊ぼうじゃァないか。
紬雁・紅葉(サポート)
『業邪…御鎮めします』
基本戦闘場面に参加
破魔、属性攻撃、衝撃波、薙ぎ払い等とUCを適宜組み合わせて攻撃
見切り、残像、オーラ防御、武器受け等とUCで防御や回避
窮地の仲間は積極的にかばい援護射撃
範囲攻撃と2回攻撃での雑魚払いが得意だが
ボスとの戦闘も遜色なく行えるし行う
羅刹紋を顕わに戦笑み
傷負っても笑みを崩さず
何処までも羅刹の血と"剣神"の導きに従い
災魔業邪を打ち倒す
敵の最期に
去り罷りませい!
の言葉を
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
フィリリアンナ・フェアリーガーデン(サポート)
『ボクに不可能なんて字はないのですよっ!』
僕の天才的な頭脳があれば大体のことはちゃちゃっと解決できるのですよ!
便利な魔法の数々をご覧あれです!
戦闘では味方を巻き込まないように注意しつつ強力な魔法で殲滅です!
基本的に詠唱は必要なので気を付けて下さいね。
まぁ足を引っ張るような真似はしないので平気でしょう!
あ、それとA&Wワールド以外はあんまり行ったことないので、ちょっと興味深々になるくらいですかね?
やはり見たことのない景色や知らない知識というのは尊いものですからね。
他の方との絡みとか、連携などはお任せします。よろしくお願いするのですよ!
●
「ほぅほぅ、これはまた見事ナ」
御狐・稲見之守(モノノ怪神・f00307)は綿飴の一つを手に取ると、はむはむと食べてみる。
柔らかい甘味と口どけの良さに、思わずもう1つと手が伸びた。
「さっき、迷宮の入り口のいくつかに、『準備中』らしき立て看板を見かけたような気がするのよね?」
一体どう言う事かと首を傾げながら、紬雁・紅葉(剣樹の貴女・f03588)が合流する。
「もしかして、自称超魔王とマダムがうまくいっていないおかげで、迷宮の構築が止まっているのでしょうか?」
フィリリアンナ・フェアリーガーデン(超ド級天才魔導妖精・f00685)も、壁に突き刺さっていたカラフルなキャンディを1つ取ると頬張った。
「それであるなら、思いっきり破壊行為をしてやれば、マダムの力も同時に削ぐ事ができるやもしれんのう」
ということで、アルダワの中で破壊工作が得意そうな学生に声をかけ、協力を仰ぐ事にした。
●破壊工作部隊の学生たち
「準備できたようですよ!」
フィリリアンナは、御狐と紬雁に手を振って合図する。
「では……」
彼女たちは一斉の耳を塞ぐ。
すると、あちこちで爆発音やシャベルカー、ブルドーザーなどの重機の音が響き、迷宮は工事現場並みの騒音で溢れた。
「それにしても、よくあんな重機、この迷宮に持ち込むことができのう」
御狐が感心していると、フィリリアンナが胸を張る。
「ボクに不可能なんて字はないのですよっ!」
「これだけ煩ければ、マダムがやって来るのも時間の問題だよね」
紬雁と御狐はそれぞれ薙刀を携えると、周囲を警戒した。
やがて、ピンクの傘をさしたマダムが、杏仁豆腐の雲の合間から降りて来る。
その光景は、かの有名な魔法使いが降りて来るシーンを彷彿とさせた。
「ご機嫌よう、猟兵の皆さん。せっかくの美味しい迷宮を食べもせず破壊するなんて。どうかしてるわよ」
ちょっと怒った口調のマダムは、それでも迷宮の再構築を優先しようと動き出す。
『おやつの時間よ!』
マダムの声に呼応して、空から巨大なフルーツやプリンがボトボトと降ってくる。
その愉快な光景に、御狐とフィリリアンナのテンションが上がる。
「成る程ナ。ならばワシも『いぇーい!!!』なのじゃ!」
御狐はそう言うと、ユーベルコード【御狐さんは止まらない(ラン・ドントストップ)】を発動した。直後、御狐は激しく光る後光を発しながら、落ちて来る巨大プリンを受け止めようと試みる。
しかし、御狐は巨大なプリンにそのまま飲み込まれてしまう。
「だ、だいじょうぶですか!」
フィリリアンナは慌ててプリンに駆け寄る。
御狐は顔だけ「にゅぷん!」と出すと、「大丈夫じゃ。しばらく、このプリンを堪能してるでナ」と言い残し、再び「にゅぷん!」と顔を引っ込めてしまったのだった。
一方、紬雁はマダムと熱いバトルを繰り広げていた。
『ア・ラ・モード!』
【焼きプリンの魅力】【生クリームの魅力】【新鮮フルーツの魅力】により、自身を強化したマダムは日傘を剣のように扱い、紬雁を攻撃する。
紬雁は、巧みに薙刀【巴】で攻撃を防ぎながら、払いや突きで確実に反撃していく。
「こうなったら、焼きプリンを通り越してお焦げプリンにしてあげるわよ!『炎の星! 出でませ!』」
【招来:かがひこ(ショウライ・カガヒコ)】で火精霊黒猫を召喚する紬雁。
火精霊黒猫は「な゛ぉー!」と鳴くと、マダムに向けて尻尾から次々と火球を放った。
火球は「ボン、ボン!」と小さな爆発音を立てながら、周囲のお菓子ごとマダムを燃やす。
しかしマダムも、黙ってやられているわけではない。
開いた日傘で火球の一部を跳ね返しながら、【ほぅら、いい香りね?】で動きを封じようとしてくる。
そこにフィリリアンナが駆けつけ、精霊杖を振った。
「う〜ん、いい香りだけど、ボクには効きませんよ! 『光精よ、暗きを退け悪しきを滅する輝きを我が手に』」
【ウィル・オー・ウィスプ(ウィル・オー・ウィスプ)】を発動し、天高く掲げた精霊杖の先からいくつもの光球の精霊を呼び出す。
光球は、フィリリアンナの周りをギュンギュンと飛び回った後マダムに体当たりし、次々と爆発していく。
紬雁とフィリリアンナの炎攻撃で一帯は炎上。それに伴い、大量の煙が迷宮を覆っていく。
「そろそろ、どうか」と、紬雁とフィリリアンナが鎮火すると、そこにマダムの姿はなかったのだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
リステル・クローズエデン(サポート)
基本
援護主体
潜
迷彩+目立たない+闇に紛れる
避
視力+第六感+見切り
ダッシュ、ジャンプ、空中浮遊など
防
オーラ防御、各種耐性
武器受け
攻撃共通
視力、学習力で見切り。
鎧砕き、目潰し、
武器落とし、部位破壊で
行動阻害や戦力低下を目的とする。
POW攻
呪剣・黒と
ユーベルコードを用いた接近戦。
SPD攻
クナイの投擲による援護射撃。
乱れ撃ちからのスナイパー。
ユーベルコードも有効なら使用。
WIZ攻
ユーベルコードに
破魔、呪詛、恐怖を与える等を組み合わせる。
(コメディタッチシナリオでも、空気を読まず
基本的にはまともに行動します
ただ、ちょっとズレタことになるかも。)
口調 (僕、あなた、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)
片桐・公明(サポート)
快活な女性ですが知的な一面もあり、依頼に参加する際事件の背景について思考を巡らせ考察します。感情的な行動は滅多にしません。
主に二挺拳銃『Mathem842』『臥龍炎』を使用した遠近問わない戦闘を行います。時折、または接近戦を重視する場合は妖刀『血吸』を使用します。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、積極的に行動します。ただし敵の攻撃に対しては回避を主体にして、なるべく負傷しないように立ち回ります。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
月影・左京(サポート)
アドリブ・連携・苦戦描写・UC詠唱改変・その他OK!
「はわっ!?……大丈夫。私も手伝うから♪」
一人称:私
口調:女性的でラフ(〜よね、なの?、あら〜等)
口癖:はわっ!?
性格:おっとりのんびり。「わぁ!頼りにな……る、の?(笑)」な印象
基本戦法:【忍び足】で敵の死角に入りメイスによる【気絶攻撃】を【2回攻撃】。【鎧砕き】も狙う。
敵の攻撃は【聞き耳】を立てて【第六感】も使い、【見切り】ます。
※不意打ちを受けた時など、「はわーっ!?」と叫ぶ傾向あり。
指定したUCを何でも使用。
但し負傷した猟兵がいれば戦況次第で攻撃より【祈り】の力と【医術】及び【救助活動】で治療。
後はお任せします。よろしくお願いします。
●迷宮探索の達人の学生たち
度重なる戦闘で焦げたマダムは猟兵たちの目を逃れ、マシュマロ城入り口まで撤退していた。
それに気付いたリステル・クローズエデン(なんか青いの・f06520)、片桐・公明(Mathemの名を継ぐ者・f03969)、月影・左京(夫婦ゲーマーのはわっ担当・f06388)は、迷宮探索の達人を名乗る学生たちと共に、マシュマロ城を目指すのだった。
●いざ、マシュマロ城へ!
「あのマシュマロの城、迷宮のどこからでも見えるんですね」
リステル・クローズエデン(なんか青いの・f06520)は、不安定なゼリーの道を器用に歩いていく。
「なんだけど。アレを目指して歩いているはずなのに、ちっとも近づけないってのは、何か仕掛けがあるのよね?」
月影・左京(夫婦ゲーマーのはわっ担当・f06388)は、「はわ〜」とため息混じりに言う。
「でも、私たちには、迷宮探索を得意とする学生たちが協力してくれてるのだから、大丈夫ヨ!」
片桐・公明(Mathemの名を継ぐ者・f03969)は、あくまで前向きだ。
マダム・プティングが撤退した今、迷宮を徘徊している敵は特に存在せず。
ただただ、甘い香りが充満しているだけなので、学生たちも安心して行動できているようだ。
時々、学生たちが飛ばして来る紙飛行機をキャッチし、中に書かれている事を確認しながら進む事1時間弱……。
ようやく、マシュマロ城の正門へと辿り着いた3人は、改めてマシュマロ城を見上げた。
「成る程。光の屈折を使ったトリックだったと言うわけですか」
「はわぁ〜。どうりで、真っ直ぐ向かっているのに辿り着かないわけね……」
「学生さんたちが、あちこちに隠されてた魔道具に気が付いて破壊してくれたお陰アルネ」
3人は、ここまで導いてくれた学生たちに礼を述べる。
ここから先は災魔との戦闘が予測されるため、学生たちとは一旦お別れである。
「気を付けて」と手を振る学生たちを残し、3人は正門を潜る。そして、真っ直ぐ伸びる階段をひたすら登っていった。
ちなみに、階段もまた、美味しそうなお菓子でできていた。
床はホワイトチョコレートでコーティングされ、手すりは美しい氷菓子、等間隔に見事な飴細工のライトまで付いている。
「この光景は、今しか見られないのね〜」
月影は、「少し残念ねぇ」と呟いた。
3人がようやく玄関に辿り着くと、自己修復中のマダムの姿があった。
「あら、もうここまで来たのね」と、3人に気が付いたマダムは両手をあげて降参のポーズをとる。
当然罠かと疑うが、マダムは1本の鍵をこちらに投げてよこした。
「これは?」
リステルが上手いことキャッチすると、マダムに問う。
「お城の鍵よ。それでこの大きな扉の横にある、守衛用の扉から中に入れるわ」
マダムはそう言いながら、ドレスに生クリームを器用にくっつけていく。
「何故アルカ?」
自分たちを通したとなれば、この災魔だって無事では済まない筈だ。
「超魔王が私を避けている時点で私は用無し。その内、新しい災魔が召喚されて、私は消滅するでしょうね」
そう言うマダムは、淡々としていた。
「ただ、まぁ……。なぜ私を避けたのか、って言う理由ぐらいは知りたいの。嫌われたまま消えるのは、ちょっと悲しいでしょう?」
頭がプリンのため、マダムがどんな表情で言っているのかはわからない。ただなんとなく、寂しそうだと感じた3人は、マダムの言葉を信じることにした。
リステルが鍵を扉にそっと差し込み、扉を開く。
「マダムはどうするの?」
月影が、チラとマダムの方を見る。襲ってくる気配は今のところない。
「災魔の卵を破壊すれば、どちらせよ消滅するでしょう」
リステルも警戒していたが、中の気配の方がヤバそうだとすぐ察知する。
「心配なら、アタシがここに残って見張るネ。後から来る猟兵たちのこともあるしネ!」
片桐が、バチっと2人にウィンクした。
リステルと月影は大きく頷くと、マシュマロ城内部へと侵攻するのだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
第2章 ボス戦
『ヴァルサリッサ・アフトクラトラス』
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POW : 不滅進化~超魔王には同じ手は通じない~
【受けた攻撃の属性に耐性を持つドレス姿】に変身する。変身の度に自身の【攻撃に付与される属性】の数と身長が2倍になり、負傷が回復する。
SPD : 運命逆転~弱者は超魔王に抗う事すらできない~
【運命操作の魔力】を解放し、戦場の敵全員の【プレイングボーナス】を奪って不幸を与え、自身に「奪った総量に応じた幸運」を付与する。
WIZ : 創世魔術~超魔王の意に従い世界は作り変えられる~
【ダンジョンメーカーの光】を降らせる事で、戦場全体が【敵の最も苦手な物で埋め尽くされた戦場】と同じ環境に変化する。[敵の最も苦手な物で埋め尽くされた戦場]に適応した者の行動成功率が上昇する。
👑11
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轟木・黒夢(サポート)
『私の出番?それじゃ全力で行くわよ。』
強化人間のヴィジランテ×バトルゲーマー、19歳の女です。
普段の口調は「素っ気ない(私、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」、偉い人には「それなりに丁寧(私、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」です。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。
性格はクールで、あまり感情の起伏は無いです。
戦闘では、格闘技メインで戦い、籠手状の武器を使う事が多いです。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
ルイズ・ペレンナ(サポート)
『お代は結構ですわよ。けれど懐には注意なさいませね?』
ブラックタールのシーフ × スターライダー
特徴 金目の物が好き 錠前マニア グルメ 快楽主義者 実は恋をしていた
口調 貴婦人(わたくし、あなた、~さん、ですわ、ますの、ですわね、ですの?)
敵には 高慢(わたくし、あなた、呼び捨て、ですわ、ますの、ですわね、ですの?)
・金目の物をお宝と認識し獲得するのが行動理念
直接の機会でなくても獲得出来るかも知れないと思えば動きます
・愛情や人助けのような金銭にならない価値は興味ないですが
それを大事にする人を貶めもしません。趣味の相違
・利害が一致すれば他人との共闘やサポートはむしろ積極的です
ロラン・ヒュッテンブレナー(サポート)
※絡みアドリブOK
※感情が尻尾や耳によく表れる
※人見知りだが【優しい】性格で育ちのいいお坊ちゃま
※戦闘時は魔術器官と電脳空間の演算力を用いて知略で戦う
※「ぼく」「~なの」「~さん
体のあちこちにつけた魔道具の回路を起動し(【高速詠唱】)、
狼の嗅覚聴覚視覚(【聞き耳】【暗視】)を駆使した【情報収集】と、電脳空間からの【ハッキング】で敵戦力を分析(【学習力】)
適切な魔術(UC)を組み合わせたり【乱れ撃ち】する
防御は【結界術】で作る【オーラ防御】壁や、
小柄な体系と狼の機動力(【ダッシュ】【残像】)を使う
仲間を守り、敵には【勇気】をもって容赦ない作戦・攻撃を行う(【全力魔法】)
●引き篭もった超魔王
「うーん、ぼくには今回の事がちょっと良く分かんないんだけど……」
と、ちょっと戸惑い気味のロラン・ヒュッテンブレナー(人狼の電脳魔術士・f04258)。
「大丈夫ですわ。これはお年頃の乙女が抱える問題の1つですわ」
優雅な動作とともに、ルイズ・ペレンナ(怪盗淑女・f06141)が答える。
「私からはノーコメントね……」
そう素っ気なく答えるのは、轟木・黒夢(モノクローム・f18038)だった。
マシュマロ城の中に入ると、壁中扉だらけだった。
その内の1つのノブに轟木が手をかけ、回す。
「鍵はかかっていないようだぞ」
しかし、これ全てを調べている暇はない。どこに繋がっているのかは分からないが、ここは運に任せ、開けてみる他なさそうだ。
3人はそれぞれ扉を選ぶと、互いの健闘を祈ってノブを握ったのだった。
●睡眠は大事です!
ドアを開けると、そこは怪しげな部屋だった。
どうやら3人とも、運よく同じ部屋を引き当てたようだ。
ロラン、ルイズ、轟木は互いの姿を見て安堵する。
カーテンは閉め切られ、隙間という隙間が塞がれている。
あちこちにランプや蝋燭が飾られ、古い書物が積み上げられていた。
中央に、ダンジョンメーカーを眺めるヴァルサリッサ・アフトクラトラスの姿を確認する。
「やっぱ、新しい災魔を呼ぶのが手っ取り早いわよね……。んっ?」
ヴァルサリッサは猟兵たちの気配に気が付き、こちらを見て一瞬固まった。
「な、な、なんで猟兵たちがいるわけ??」
軽く咳払いしながらルイズが、頭を抱えるヴァルサリッサの前に出る。
「あなた、マダムさんを一方的に嫌ったていたそうですけど。まず、夜ちゃんと寝ていますの? きちんと睡眠を取らなくては成長ホルモンも分泌されず、未熟なままですわよ」
ルイズがそうアドバイスすると、ヴァルサリッサの目がマジになる。
「成る程、そっか。私、勉強ばっかして寝てなかったから小さいままなのね……」
項垂れるヴァルサリッサは、最早隙だらけである。
この好機を逃すわけにはいかないと、3人は攻撃を仕掛けた。
「しまった!」
ヴァルサリッサが慌てた様子で、【運命逆転〜弱者は超魔王に抗うことすらできない〜】を発動させた。
運命操作の魔力を応用させ、運命を逆転させる。有利と思われた猟兵たちの運命が逆転し、逆に不利になる。
やや戦意を喪失したように見えたヴァルサリッサは自信を取り戻し、高度な魔法陣をいくつも展開して闇の雷を放った。
ルイズは、【典雅なる淑女の騎乗術(ゴッドグレイスライド)】で愛用の宇宙バイクを器用に乗りこなし、雷を避けて行く。
「ちょこまかと、うっとしいわね!」
ヴァルサリッサは手を天井に掲げ、濃縮した魔力を頭上に展開し始める。
轟木は「私の出番? それじゃ全力で行くわよ。【クロックアップ・スピード】」と、パチンと指を鳴らし、高速戦闘モードで走り出した。
特大の雷魔法が発動する前に、轟木は目にも止まらぬ速さでヴァルサリッサの傍に滑り込むと、何発も拳を叩き込んだ。
「ぐはっ!?」
なんとか、ヴァルサリッサは詠唱を中断させることに成功した轟木は、そのまま動きを封じにかかる。
「甘い! 超天才の私に同じ攻撃は通じないわ!【不滅進化〜超魔王には同じ手は通じない〜】」
幾重にも生み出された魔法の文字がヴァルサリッサの体を覆う。
まるで、魔法少女の変身シーンのような展開に、猟兵たちは動きを止めた。
やがてドレス姿に変身したヴァルサリッサ。自己修復も完了し、轟木から受けたダメージまで回復させてしまっていた。
「うわ、これは面倒だな……」
轟木が舌打ちする。
「魔力を封じた方が良さそう……」
ルイズは変身後で隙があるうちにと、【音狼繋ぐ勇姿の鉄鎖(ヴォルフリードオブマナチェーン)】を発動させた。
『月夜の魔狼、銘し縛り留めるマナの鎖、音狼吠えたるに、喰らいつく。るぅぉおおお!』
「うわっ! 何!?」
ヴァルサリッサは咄嗟に両耳を塞ぐ。しかし、遠吠えを通して流れ込んだロランの魔力は、ヴァルサリッサの魔術回路を駆け巡り、至る所でショートする。
上手く魔力が練れないことに気がついたヴァルサリッサは、「くぅ、ここまでね。撤退するわ。あ、あと、寝るっていうのは参考になったわ!」と、ダンジョンメーカーを持ってその場から逃走してしまうのだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
兎乃・零時(サポート)
アドリブ歓迎
夢は、何れ全世界に置いて最強最高の魔術師になる事
例え夢が奪われかけたとしても、消されかけたとしても
彼は血反吐を吐いて立ち上がり、何が何でも事を為す
兎乃零時とは常に諦めず夢へ向けて突き進む存在である
得意魔術は光、水系統の魔術
それ以外の魔術に関しても鋭意特訓中
たとえどれだけの無茶に成ったとしても!
俺様が諦める事は、絶対にないっ!
蔵場・瞳子(サポート)
基本的には人間の各種身体機能を強化して戦います。
不老不死の魔女である事を自覚しているので、誰かのために傷つくことを厭いません。
単純な正義感、それに従って正義として振る舞うことは「趣味」であって、そんな遊んでいる自分より、日々を真面目に生きる普通の人達は偉いと思ってます。
得意分野は耐えれば解決すること、第六感に委ねれば解ること、殴ったら死ぬ敵等ですが、難しいと思ったら万能技の「マジカル★人助け」を使って過去と現在の自分を抹消しようとします。(死ねるわけではありません)
別に誰かに覚えていてほしいわけではないし、助かった人は幸せに暮らしててくれと淡く祈って満足しています。
七星・彩華(サポート)
羅刹の妖剣士×宿星武侠の女です。
『呪詛で溢れた戦場は私の舞台さ!』
普段の口調は「我が道を行く姐さん(私、お前、呼び捨て、言い捨て)」「仲間にはフレンドリーな姐さん(私、お前、呼び捨て、言い捨て)」
自身が支配する呪詛も武器として扱う戦闘狂、頭脳派で行動に穴があるようで抜け目が無い。
闘う事を至高と考える一方で守る者や仲間との共闘も戦闘の重要な要因と考えている。
行動は天上天下唯我独尊を貫く。
猟兵の夫と娘がいる。
ユーベルコードは指定した物を使用、怪我は厭わず行動します。
迷惑をかける行為はしません。
例え依頼の成功のためでも公序良俗に反する行動はしません。
あとはお任せ。よろしくお願いします!
●
「このお城も、ちょっとした迷宮になってんだな〜」
マシュマロ城内を兎乃・零時(其は断崖を駆けあがるもの・f00283)が興味深そうに見渡す。
作りは簡素で、外の迷宮ほど凝った作りではないのだが、扉がいくつもある。
「ヴァルサリッサは、これのどれかに居るって事か」
壁を埋め尽くしすほど大量にある扉を見つめ、七星・彩華(鮮血狂い咲く呪詛の華・f32940)がため息を吐く。
これをしらみつぶしにやって行くしか手段がないと思うと、途方に暮れそうになってしまう。
「あ、だったら、ここは私に任せろ」
蔵場・瞳子(歩きはじめた正義の味方・f32844)が、「はいはーい!」と片手を上げた。そして、【マジカル★人助け(ヤリタイカラヤル)】を発動し、自身に【あらゆる行動に成功する】という特異な能力を発動させると、3つの扉を自動的に選び出した。
「これが【アタリ】だと思うぜ?」
蔵場が自信満々に言う。
2人は、蔵場の言葉を信じドアノブを握った。
「じゃあ、行くよ……」
3人は同時に扉を開けて中に入って行った。
●イソフラボンを摂れ!
中に入ると、そこは大きな食堂だった。
中央には長い長いテーブルが置かれ、左右にバイキング形式に置かれた大量の料理が準備されていた。
兎乃が料理の1つを皿にとり、まじまじと見る。
「これ、一見お肉に見えるけど、大豆ミートだ」
兎乃の言葉に驚き、七星と蔵場が他の食材を皿に取り、口に放り込んでみる。
すると、微かに豆特有の香りが鼻腔に広がる。
「確かに。これ全部豆から作られた、健康志向の料理だな」
七星が皿を置く。
「文献によると、豆類に含まれるイソフラボンは、女性ホルモンと類似した働きがあるとか読んだことあるぜ」
もしかしなくても、そう意味での食事だろうと、蔵場は言う。
やがて、暖炉の火が大きく燃え上がり、中からヴァルサリッサが姿を現した。
「ここにも猟兵が!? いったい、何人忍びこんでるっていうのよ!!」
その言葉から、既に他の猟兵と接触済みだと察する。
ヴァルサリッサはたちまち魔法陣を展開すると、雷と炎を発動させた。
「魔法使い同士の戦いか。これは面白そうだ!」
兎乃が藍玉の杖・改を構える一方、蔵場は魔女であるのに拳を構える。
「あ、私魔女だけど、肉弾戦の方がどっちかというと好みなんだぜ」
そう言って蔵場が身体能力を爆発的に上げると、テーブルを掴み持ち上げた。そして、ビュンとテーブルを投げ飛ばし、ヴァルサリッサの魔法を防ぐ。
兎乃も水と光魔法を連続で撃ち、ヴァルサリッサの魔法を相殺していった。
「おやおや、これは負けてらんないねぇ。それじゃあ私も、戦場に呪詛の華を咲かせようか!」
七星がそう言うと、呪詛刀・常闇を構えて突っ込む。
かくして、激しい魔法合戦と肉弾戦が繰り広げられる。
ヴァルサリッサが炎で竜巻を作ると、兎乃が大きな水柱をぶつけた。
2つの魔法がぶつかった拍子に、水蒸気爆発が起こる。
側面にあった大きな窓は割れ、壁も一部吹っ飛び、外の景色が丸見えになる。
するとヴァルサリッサが、「うあっ! ふわふわでぷるぷるの世界が目に刺さるーー!」と両目を覆って悶絶し始めた。
「おそらく刺さっているのは目にだけでなく、心の方にもだろうな」と、七星が首を横に振った。
「くぅ〜。こうなったら、【創世魔術〜超魔王の意に従い世界は作り変えられる〜】だ!」
ヴァルサリッサは手にしていたダンジョンメーカーを掲げると、ダンジョンメーカーから光が溢れ出した。
すると、ふわふわぷるぷるのお菓子の迷宮を闇が覆い始める。
「迷宮を上書きするつもりか!」
兎乃が阻止しようと魔法を放つが、それよりも早く七星が動いていた。
「呪詛形成!」
七星から物凄い殺気と呪詛が放たれる。
「うぐぅ!」
その殺気に恐怖を感じたヴァルサリッサは、一瞬動きが止まる。
「今だぜ!」
蔵場がヴァルサリッサからダンジョンメーカーを奪い取ると、そのまま窓から放り投げた。
「外で待機している学生が拾ってくれるだろ」
「なんですって? そうはいかないわ!」
ヴァルサリッサは蔵場を睨むと、窓から飛び降りたのだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
禍沼・黒絵(サポート)
『クロエと遊んでくれる?』
人間の人形遣い×ビーストマスター、13歳の女の子です。
普段の口調は「無感情(自分の愛称、アナタ、ね、よ、なの、かしら?)」、独り言は「ちょっと病んでる(自分の愛称、アナタ、ね、わ、~よ、~の?)」です。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。
一人称はクロエ、人からクロエと呼ばれると喜ぶ。
ちょっと暗い感じの無表情なキャラ
武器は装備している物を自由に使って構いません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
佐那・千之助(サポート)
「手が要るか?」
入り用ならば、なんなりと。
ダークセイヴァー出身のダンピール
困った人を放っておけない
いつも人への敬意と好意を以て接する
よく言えばお人好し。たまに騙されていることは秘密。
可愛い動物や甘いものに懐柔されやすい
戦闘は前衛、盾役向き。治療も可能。
焔(他の属性は使えない)を黒剣に宿し斬り込んだり、遠くの敵でも焔を飛ばして燃やしたり。
負傷は吸血や生命力吸収で持ち堪える
平和主義なので戦わずに済む敵なら平和的解決
かわいい敵は抱いてもふりたい
想い人がいるので色仕掛けは効かない
物語に合わせて諸々お気軽に、どうぞご自由に。
よき手助けができれば嬉しいです。
リカルド・マスケラス(サポート)
『正義のヒーローの登場っすよ~』
装着者の外見 オレンジの瞳 藍色の髪
基本は宇宙バイクに乗ったお面だが、現地のNPCから身体を借りることもある
得意なのはサポートで、NPCに憑依(ダメージはリカルドが請け負う)して戦わせたりも可能
接近戦で戦う場合は鎖鎌の【薙ぎ払い】と鎖分銅の【ロープワーク】による【2回攻撃】がメイン。
遠距離戦では宇宙バイク内臓のビーム砲で【薙ぎ払い】
その他状況によって【属性攻撃】や【破魔】等使用。
猟兵や戦闘力のあるNPCには【跳梁白狐】で無敵状態を付与できる。
●マダムとの仲良く骸の海へ
マシュマロ城の外で、アルダワ学園の学生たちと待機していた猟兵たちがいた。
ヴァルサリッサが万が一にも、城の外に出てきた時のためである。
しばらくして、城の一部で大爆発がおきる。
何事かとしばらくその場を見ていると、ヒュンと小さな物が飛び出した。
それを佐那・千之助(火輪・f00454)がキャッチする。
「これは、ダンジョンメーカーじゃ!」
驚いた佐那は、取り扱いを熟知している学生にダンジョンメーカーを預ける。
「災魔の卵が埋め込まれておるからのぅ。十分気をつけるのじゃよ」
学生たちは佐那の言葉に大きく頷く。
やがて窓からもう一つ影が飛び出してきた。ヴァルサリッサである。
「君たち、危ないから、ここから離れるっす!」
鎖鎌を構えたリカルド・マスケラス(ちょこっとチャラいお助けヒーロー・f12160)が、直ちに学生たちを避難させた。
その間、ヴァルサリッサを引き留めたのは禍沼・黒絵(災禍の輩・f19241)だった。
「ねぇ、クロエと遊んでくれる?」
そう言ってエクリプスでヴァルサリッサを攻撃するクロエ。
「あーもう! 本当にイライラするわね、この空間も、あなた達も!!」
そう叫ぶと、ヴァルサリッサは【運命逆転〜弱者は超魔王に争う事すらできない〜】を発動し、自分の運命を再び逆転させようとした。
しかし、クロエは【絶望の福音】で10秒先の未来を見ていたため、詠唱中のヴァルサリッサの首を狙ってエクリプスを振るう。紙一重でクロエの攻撃を避けられるも、ヴァルサリッサの首筋から一筋の血が流れた。
当然、詠唱も中断する。
「よ、よくも!!」
激怒したヴァルサリッサは、【不滅進化〜超魔王には同じ手は通じない〜】を発動させ、クロエの攻撃を無効化にし、再び運命を逆転させようと試みる。
「させぬっ!」
「そうはさせないっす!」
佐那は【黒風鎧装】で漆黒の旋風を、リカルドは【牽牛星覚醒(アルタイル・オーバーロード)】で強化した宇宙バイク【アルタイル】からとっておきのビーム砲を放った。
2つの力は混ざり合い、ヴァルサリッサの腹部を見事撃ち抜く。
風穴を開けられたヴァルサリッサは、口から血を吐き、その場に崩れ落ちてゆく。
「ふふ……。今回は、あなた達の勝ちね。でも無駄よ。今のあなた達の力じゃ、せいぜい私を骸の海に還すことしかできない。それじゃあ、また会いましょ……」
地に伏せ、身動き一つ出来ずにいるヴァルサリッサが、最後にくぐもった声で猟兵たちにこう告げると、不敵な笑みを残し塵となって消えていったのだった。
●
「なるほどねぇ。そういうことだったの」
年頃のお嬢さんならではの悩みであったと猟兵たちからの話を聞き、マダムは納得した様子で頷いていた。
そして、優雅な動作でお辞儀をすると、やがてマダムは空間に溶け込むように静かに消滅する。
一方で、ヴァルサリッサから回収した【ダンジョンメーカー】を受け取ったアルダワの学生たちは、災魔の卵を取り出して破壊することに成功していた。
汚染されたダンジョンメーカーは元の機能を取り戻し、マダム消滅とともに迷宮も消滅する。
「とりあえず、なんとかなって良かった」と喜ぶ学生たち。
猟兵たちも喜んではいたのだが、ヴァルサリッサの最後の言葉が気になった。
「せいぜい私を骸の海に還すことしかできない。それじゃあ、また会いましょ……」
その言葉に僅かな不安が残る。しかし、立ち止まることは許されない。
猟兵たちは気持ちを切り替えると、残りの猟書家を討伐しに向かうのだった。
成功
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