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アポカリプス・ランページ⑱〜世界を救う邪悪ナる者

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●超巨大オブリビオンストーム内部・ポーシュボスの虚(うろ)
「嗚呼、嗚呼、俺ノ姿はスっカり変ワっテしマっタ。記憶モ、正気モ、最早定かデはナい……」
 大地全てを覆う生物の群れ。それが蠢きあらゆるもの呑み込んでいく。
「ポーシュボス現象フェノメノン。人ガ怪物にナる現象ヲ、私は研究シてイまシた。ソれデも、気付ケなカっタ。そレを認識シた時、私ハ既にポーシュボスだッた」
 悲痛な叫びが次々と起きる。しかしそれは全て蠢きの中に囚われ外に漏れない。
「ポーシュボスは『善』ヲ喰らッて成長スる。邪悪ナる者ナらバ、ポーシュボスを殺セる」
「俺ハ凶悪犯罪者だッた。楽シみノ為に、何百人モ慰み者ニしテきタ。……そレでモ駄目だッた! コの俺ニすラ、ほンの僅カな良心、善ノ心が何処カにアっタのダ!」
 理性的な声にすぐ反論するように暴力的な怒声が響く。誰の声かはわからない声が次々と上げられていく。その全ては絶望に染まっていた。
「『世界を救う』為に戦う『邪悪ナる者』。不可能ダ、あリえナい。ポーシュボスを倒スこトはデきナい……」
 諦めと失望に覆われ、全ての善を喰らう怪物は大地に広がっていった。

●グリモアベース
「とんでもないフィールド・オブ・ナインが見つかったよ! 名前は『ポーシュボス・フェノメノン』!」
 慌てたラフィロワ・ベルシルト(幸せ運ぶ星のうた・f04751)が猟兵達に戦うべき敵の名を告げる。
「ポーシュボスは生き物の『善の心』に寄生して、少しでも善の心を持ってる生物を新たな『ポーシュボス』に変えちゃうんだ!」
 そうしてどんどん増殖し全てを呑み込もうとしている。
「ポーシュボスの群れに寄生されずに倒せるのは『純粋な悪の存在』だけなんだって。ポーシュボスに寄生されても、正気を保って戦うことができればいいんだけど……」
 善を持たずに戦うか、寄生されても正気を保ち戦うしか倒す方法はない。

「本当にとんでもない敵だけど、倒さないとどんどん被害が広がっちゃう! みんなしかこの現象を止めることはできないんだ! だからお願い!」
 ラフィロワが世界を繋ぐ道を作り出す。その先には悪しか倒せぬ難敵が待ち構えている。それでも猟兵は勇気を胸に足を踏み出す。
「みんなならどんな強敵だってやっつけられる。ボクはそう信じてるよ!」
 恐るべき敵であろうとも笑顔で猟兵達が戻って来ると信じて、ラフィロワはその勇敢な背中を見送った。


天木一
 こんにちは天木一です。
 恐るべき現象ポーシュボス・フェノメノンを倒しましょう!

 このシナリオは、1章だけで完結する戦争シナリオとなります。
 強敵であるやや難易度の高いシナリオとなっております。

 『邪悪ナる者』になるorポーシュボス化してでも戦うとプレイングボーナスが得られます。

 複数人で参加する方は最初にグループ名などをご記入ください。
 プレイングの締め切り日などは決まり次第マスターページかタグにて。
 善を喰らう恐るべき現象を打ち破り、世界の平和を守ってください!
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第1章 集団戦 『ポーシュボス・フェノメノン』

POW   :    ポーシュボス・インクリーズ・フェノメノン
【ポーシュボスによる突撃】が命中した対象に対し、高威力高命中の【新たなポーシュボス】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD   :    ポーシュボス・ナインアイズ・フェノメノン
自身の【全身の瞳】が輝く間、【戦場全てのポーシュボス・フェノメノン】の攻撃回数が9倍になる。ただし、味方を1回も攻撃しないと寿命が減る。
WIZ   :    ポーシュボス・デスストーム・フェノメノン
【オブリビオン・ストームの回転】によって【新たなポーシュボス】を発生させ、自身からレベルm半径内の味方全員の負傷を回復し、再行動させる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

レイ・アイオライト
ただでさえオブリビオン・ストームで騒がしいのにそれに加えて無数の慟哭の声とか騒音被害凄まじいんだけど。
喧しいのよ、他人の耳元で自分の不幸を叫ぶなっての。

とはいえ、このままこちらも呑まれる訳にはいかないわね。

邪悪なる者、ならあたしの内に存在してる。
UC発動。クラミツハ、出てきなさい。
待ちに待った殺戮の時間よ。

『とうとう殺せるのか!!クハハハハ!!善いぞ!我が力を以て蹂躙しよう!!嵐が鮮血に染まるまで、永久に!永遠に!!』

クラミツハに体を預けて、影を自在に操る力でポーシュボスたちを『暗殺・範囲攻撃・蹂躙』していくわ。

さっさと骸の海に還りなさい。



●殺戮の嵐
「痛イ……苦シい……助ケて……」
「ひィ! 化物ダ! みんナ殺さレる! 嗚呼!!」
「ただでさえオブリビオン・ストームで騒がしいのに、それに加えて無数の慟哭の声とか騒音被害凄まじいんだけど」
 嵐に交じって吹き荒れる嘆きの声に、レイ・アイオライト(潜影の暗殺者・f12771)は顔をしかめる。
「喧しいのよ、他人の耳元で自分の不幸を叫ぶなっての」
 引きずり込むような言葉の波を振り払う。
「とはいえ、このままこちらも呑まれる訳にはいかないわね」
 このままでは自分もこの怨嗟の一つになってしまうと己が内の力を目覚めさせる。
「邪悪なる者、ならあたしの内に存在してる」
 ユーベルコード『影憑・闇御津羽神』を発動し、影憑きに潜む闇黒の操者『クラミツハ』を呼び出す。
「クラミツハ、出てきなさい。待ちに待った殺戮の時間よ」
 するとずきりと背中の傷痕に痛みが走る。

『とうとう殺せるのか!! クハハハハ!! 善いぞ! 我が力を以て蹂躙しよう!! 嵐が鮮血に染まるまで、永久に! 永遠に!!』
 クラミツハが肉体の主導権を握り、ポーシュボスの群れに向けて影を放つ。影は刃となり、牙となり、爪となり、変幻自在にポーシュボスを殺していく。だが殺しても殺してもポーシュボスは次々と集まって全身の瞳を輝かせた。すると一斉に速度を上げ四方から襲い掛かる。
『クハハ!! 善いぞ善いぞ! もっとだ、もっと我を楽しませろ!!』
 それをクラミツハは跳躍して避け、地上に影が広がり巨大な口となってポーシュボスの群れを呑み込んだ。ぐちゃりぐちゃりと影の中で肉体が押し潰される。
(さっさと骸の海に還りなさい)
『クク……主殿よ。此奴等はまだまだ満足しておらぬよ、ほれ』
 レイの思念に応えてクラミツハが視線を向ける。すると波のようにポーシュボスが押し寄せ、貪欲に善を喰らい尽くそうと蠢く。
『今日は満足行くまで殺戮を堪能できそうだ!!』
 その恐るべき群れを見て、クラミツハは楽しそうに飛び込んで殺して殺して殺しまくり、殺戮の嵐が吹き荒れた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

夜刀神・鏡介
こんな生物が自然発生したとは思いたくないが、ポーシュボスってのは何処から現れたものなんだろうな
宇宙の幼生とかって話もあるし、やはり宇宙からか?
まあ、今考えても仕方ないんだが……

まずはポーシュボス化を受け入れる
その後、神刀を抜いて浄化と破魔の神気を解放し、侵蝕を抑え込んでいく
それでも足りなければ銀の羽根を取り出して自らに突き刺す。その痛みで、思考を無理矢理研ぎ澄ます

きちんと動けるようになったら、神刀を持ち直してポーシュボスに接近
突撃してきたポーシュボスに対してカウンターの要領で壱の型【飛燕】で攻撃
切り捨てたなら即座に構え直して次の攻撃を警戒。同じ要領で次々と切り払って倒していく



●魔を断つ刃
「こんな生物が自然発生したとは思いたくないが、ポーシュボスってのは何処から現れたものなんだろうな」
 蠢く形容しがたい生物の群れを見て、夜刀神・鏡介(道を探す者・f28122)はどこでどうして生まれたのかと思案する。
「宇宙の幼生とかって話もあるし、やはり宇宙からか?」
 その地上では見かけない歪な形態から、違う星の生物なのではとちらりと空を見上げた。
「まあ、今考えても仕方ないんだが……」
 ここで考えていても結論は出ない。まずはこの恐るべき生き物を何とかしなくては全ての善が喰い尽くされてしまう。
「嗚呼、もッともッと仲間ヲ!」
「生きル者全テを仲間ニ!!」
 ポーシュボスと化してしまったモノたちが、仲間を増やそうと鏡介に襲い掛かり、その体を呑み込んだ。善の心を喰らい、鏡介を同じポーシュボスへしようと浸蝕する。
「これが喰われる感覚か……自分が自分でなくなるような……だが喰い尽くされるつもりはない……!」
 ポーシュボス化を受け入れた鏡介が神刀【無仭】を抜き、あらゆる邪を浄化する破魔の神気を解放し、その身を喰らい尽くさんとす侵蝕を抑え込む。
「……まだ、止まらないか」
 それでも浸蝕は続き、ならばと銀の羽根を取り出して自らの脇腹に突き刺す。鋭い痛みによって失われそうだった意識を戻し、思考を無理矢理研ぎ澄ました。

「ここからが勝負だ」
 神刀を振るって覆いかぶさるポーシュボスを斬り払う。そして踏み込んで周囲を囲むポーシュボスも斬り捨てていった。
「苦シい……助ケて……」
「どウして……こノ手をとッて」
 幾つもの苦悶の声が響き、ポーシュボスが鏡介に助けを求めるように腕のように触手を伸ばす。それは次々と数を増やし、鏡介を取り込もうとしていた。
「憐れな。せめてここで楽にしてやろう……」
 鏡介がユーベルコード『壱の型【飛燕】』を発動し、下段に構えた刀を斬り上げてポーシュボスを真っ二つに両断した。そこから踏み込んで振り下ろし、留まることなく刃を振るってポーシュボスを断ち切っていく。
「嗚呼、消エる……」
 取り込まれていた人々は苦悶から解き放たれて浄化される。
「斬られたいものから掛かってくるといい」
 その全てを解放せんと、鏡介は踏み込み神刀を振るい続けた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

唐桃・リコ
アドリブ・マスタリングは大歓迎

気合いで正気保つしかねえよな
寄生されたとしても、速攻でやるしかねえ
群れの中に飛び込んで【Howling】!
まだだ!倒しきれてねえなら繰り返し【Howling】!!
頭ん中うるせえ、どいつもこいつも解放されたいなら黙ってろ!
ナイフを自分に突き立てても、対して正気は保てないかもしれない
それでも、こいつらを倒すと決めた!!
倒して、倒して、お前らの力をオレのものにする!

そもそもオレだって「人」でいらなくなってきてる
「人」じゃねえなら、寄生されても大丈夫だろ
倒し終わった後のことは、そんとき考える

ぐちゃぐちゃする死体の群れ
オレ今何してたっけ?
……「オレ」の帰り道…どっちだっけ



●咆哮
「嗚呼、気持チ悪い……」
「嗚呼、気持チ良い……」
 ポーシュボスはさまざまな思考を浮かべ、ただただ善を喰らおうと大地を覆い尽くす。
「気合いで正気保つしかねえよな。寄生されたとしても、速攻でやるしかねえ」
 唐桃・リコ(Code:Apricot・f29570)は覚悟を決めて群れの中に飛び込み、ユーベルコード『Howling』を発動する。人でいられる時間を代償に、人狼の咆哮を放つ。大地を揺らすような声に衝撃波が起こってポーシュボスを薙ぎ払った。しかし蹴散らされてもすぐにポーシュボスは穴を埋めるように集まって来る。
「まだだ!」
 倒し切るまで続けてやると、リコは繰り返し咆哮を放って近づくポーシュボスの群れを吹き飛ばす。
「無駄だ……無駄無駄……決シて善デは勝てナい……」
「諦メろ。我々と同ジにナるしかナいのだ……」
 何度吹き飛ばされようとポーシュボスが迫り、とうとうリコの足に絡み付き寄生を始める。
「頭ん中うるせえ……どいつもこいつも解放されたいなら黙ってろ!」
 善を喰らおうとするポーシュボスにリコは怒鳴りつけ、ナイフを自らの太腿に突き立てた。
「こんなもんじゃ正気は保てないかもしれない。それでも、こいつらを倒すと決めた!!」
 思考にかかる靄を痛みで晴らし、己が意志を強く保って咆哮を上げる。
「倒して、倒して、お前らの力をオレのものにする!」
 リコは無我夢中で戦い続け、無限に続くかと思われるポーシュボスの攻勢を撥ね除けた。
(そもそもオレだって『人』でいらなくなってきてる。『人』じゃねえなら、寄生されても大丈夫だろ)
 限界を超えて力を使う度にどんどんと己の存在が希薄になっているのを感じる。だが倒し終わった後のことはそんとき考えると開き直って唯々獣のように雄叫びを響かせた……。

 長かったのか短かったのか、それすらも分からない。
 ポーシュボスの津波が途切れ、無数の肉塊の中心にリコが立って空を見上げていた。
「ぐちゃぐちゃする死体の群れ……オレ今何してたっけ?
 周囲を見渡したリコはまるで迷子になった子供のような顔になる。
「……『オレ』の帰り道……どっちだっけ」
 よろよろと歩き出そうとしたリコは、そこで体力を使い放たして倒れ込んだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

七瀬・麗治
※ポーシュボスの邪悪な思念に共鳴し、闇人格のロードが
出現する。

まだまだ遊び足りんな!
ポーシュボスとやら、貴様はなかなか面白そうだ。
だが貴様の期待には応えられんな。善性などというモノは
持ち合わせておらんのだ。そっちは片割れの役目だからな。

悪しき人格にチェンジしたことにより、ポーシュボスの寄生に
《呪詛耐性》《狂気耐性》で抗うことが可能。
【地獄への扉】を発動し、悪魔の翼を生やして空へ。
UDC寄生体で体表を覆い、黒剣でポーシュボスの肉体を切り裂きながら
深部へと入り込んでいく。「私こそが《悪のカリスマ》よ!
空席となったフィールド・オブ・ナインの座を頂いてもよいのだぞ?」
最後は脳髄にロケランを発射して離脱



●闇のロード
「死ヌ死ね死ンだ……お前モ死死死死死死」
「もウダメだ……もウ無理だ……諦メろ……」
 ポーシュボスの怨念のような声が響き渡る。それはかつて人であった者達の思念。それが善を喰らい仲間を増やそうと七瀬・麗治(ロード・ベルセルク・f12192)に迫る。だがその邪悪な思念に共鳴し、闇人格のロードが表に出てくる。
「これはこれは、私の善を喰らおうというのか」
 面白そうに麗治が笑い、貪欲で醜悪な怪物の群れを見る。
「ポーシュボスとやら、貴様はなかなか面白そうだ」
 そこには会話に応じるようなまともな思考はない。ただただ怪物にされた悲嘆と苦しみ怨嗟が満ち満ちている。
「だが貴様の期待には応えられんな。善性などというモノは持ち合わせておらんのだ。そっちは片割れの役目だからな」
 そう言い捨てて呪詛や狂気に対する耐性で抗い、元より善性を捨てている闇人格ロードがユーベルコード『地獄への扉』を発動し、悪魔の翼を背中から生やして空に飛び上がる。

「待ッて! 一緒にナりマしょう!」
「そウだ! みンなみンなでぐちャぐちャにナるンだ!!」
 ポーシュボスが集まるとそれを追って積み重なり山のようになっていく。そして手のような触手を無数に伸ばした。
「人類全てを呑み込もうというのか? どこまでも貪欲な存在だな。だからこそ私の相手に相応しい!」
 ロードが口の端を吊り上げ邪悪な笑みを浮かべ、UDC寄生体で体表を覆うと黒剣を手に斬り掛かり、ポーシュボスを次々と切り裂いていく。だがすぐにポーシュボスは補充されて執拗に喰らおうとする。
「まだまだ遊び足りんな!」
 嬉々としてロードが飛び回り、近づくものを肉片へと変えていった。反撃に取りつくポーシュボスをUDC寄生体で遮り、群れの深部へと斬り込んでいく。
「私こそが《悪のカリスマ》よ! 空席となったフィールド・オブ・ナインの座を頂いてもよいのだぞ?」
 ロードはポーシュボスの群れの中心まで突っ込むと、ロケットランチャーをぶっ放して吹き飛ばしその場を離脱した。
「これでも倒し切れないとは、本当に面白い!」
 暴れ回っても尽きぬポーシュボスを見下ろし、ロードは楽しそうに笑って再度攻撃を開始した。

大成功 🔵​🔵​🔵​

仇死原・アンナ
砂塵の世界救う為に…
そして…九神が一つ…善食らいし現象を討ち倒そうぞ…!
我は処刑人也…いざ行かん…!

邪悪なる者…か……
ならば…来い!死神よ!貴様の力を寄越せッ!

オブリビオンマシンであるイシュ・タブを召喚し、合体
雄叫びをあげながら【冥府の巨神】の[封印を解こう]

[呪詛纏いバーサーク]状態となり
戦場を[ダッシュとジャンプ]で駆け巡ろう
マカフトゥを振り回し[範囲攻撃となぎ払い]で敵群を攻撃
拳を振るい[怪力]で叩き潰し、足で[踏みつけ]で踏みつぶそう
さらに敵を掴み喰らいつき貪り[捕食]し敵群を[蹂躙]し
現象共を殲滅してやろうぞ…!

ワタシは…処刑人…そして…死神だッ!
貴様らを喰らい、滅ぼしてやるッ!!!



●冥府の巨神
「砂塵の世界救う為に……そして……九神が一つ……善食らいし現象を討ち倒そうぞ……!」
 仇死原・アンナ(炎獄の執行人あるいは焔の魔女・f09978)は大地を覆い全ての人間に寄生しようとするポーシュボスを恐れず踏み出す。
「我は処刑人也……いざ行かん……!」
 そんなアンナを呑み込むようにポーシュボスが波のように押し寄せる。
「善デは駄目だ……! 善デは決シて勝てナい!」
「邪悪ナる者でナければ……ポーシュボスは倒せナい……!」
 ポーシュボスとなった者達の苦悶に上げる悲鳴のような声が響き渡る。
「邪悪なる者……か………ならば……来い! 死神よ! 貴様の力を寄越せッ!」
 アンナはユーベルコード『冥府の巨神』を発動し、オブリビオンマシンであるイシュ・タブを召喚して合体する。すると冥府の巨神となったアンナが雄叫びを上げて大地に立った。

「ゥオオオオオオオオオオ!!!!!」
 大気が震え大地が揺れる。アンナは呪詛を纏ってバーサーク状態となり、善の心を封じてポーシュボスの寄生を防ぐ。そして駆け出すとポーシュボスを蹴散らし、ノコギリのような大剣【マカフトゥ】を振るって群れを薙ぎ払う。
「何故……喰えナい……」
「我々と同ジ……怪物……ナのか……」
 巨神と化したアンナの暴虐を目にしてポーシュボスとなった人々に畏怖の感情が芽生える。
「ワタシは……処刑人……そして……死神だッ!」
 アンナが大剣を振り下ろして惨殺し、踏みつけて轢殺しながら叫ぶ。
「貴様らを喰らい、滅ぼしてやるッ!!!」
 それはまさに死神の如く、近づくものを容赦なく屠っていく。
「恐ろシい……死神は我々を殺す……」
「頼もシい……死神は我々を殺しテくレる……」
 ポーシュボスの群れは、まるで殺してくれと乞うように集まって来る。
「一匹残さず現象共を殲滅してやろうぞ……!」
 拳がポーシュボスを叩き潰し、さらには掴み上げて喰らい貪り、巨神はポーシュボスの天敵となって蹂躙する。肉片を撒き散らしてアンナは現象を殺すほどの死を振り撒いた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

リーヴァルディ・カーライル
…人は同じ人間や動物を傷付けると罪悪感に襲われる
だけど石ころを蹴飛ばしたり水切り遊びをして、
「何て痛ましいんだろう」なんて感じると思う?

…中には石ころを宝石のように磨き上げ、丁重に扱い、愛でる者もいるでしょう

…だけどその宝石の輝きが鈍れば、あっさり手放し見向きもせず次の宝石に夢中になる

…それが吸血鬼から見た貴方達人間よ

私が手を下すまでもないわね。全員、喰らいあい殺し合いなさい?
そうして私を興じさせる事ぐらいしか、貴方達に存在する価値なんて無いもの

事前にUCを発動して戦闘終了まで自身を「純粋悪の吸血鬼」であると洗脳し、
「影精霊装」の闇に紛れる力で陽光を遮断しつつUCを発動し敵軍を同士討ちさせるわ



●吸血鬼
「うァ嗚呼……」
「嗚呼ァ、嗚呼ァァあああああ……!」
 苦しそうな呻き声を発するポーシュボスが大地を覆い、全てを喰らい尽くし増殖していく。
「……人は同じ人間や動物を傷付けると罪悪感に襲われる」
 リーヴァルディ・カーライル(ダンピールの黒騎士・f01841)は冷たい視線でそんな苦悶の声を聞き流し、まるで言葉の通じぬ物を相手にするように淡々と語る。
「だけど石ころを蹴飛ばしたり水切り遊びをして、「何て痛ましいんだろう」なんて感じると思う?」
 路傍の石ころのように、かつては人であった生物を見下ろす。
「……中には石ころを宝石のように磨き上げ、丁重に扱い、愛でる者もいるでしょう。……だけどその宝石の輝きが鈍れば、あっさり手放し見向きもせず次の宝石に夢中になる」
 宝石に価値を見出しても、それは結局物に対する愛着でしかない。興味が失われれば捨て去られるだけだ。
「……それが吸血鬼から見た貴方達人間よ」
 リーヴァルディはユーベルコード『限定解放・血の薫香』によって自身を『純粋悪の吸血鬼』であると洗脳し、邪悪な吸血鬼の目線からポーシュボスを見ていた。

「嗚呼、人間……」
「そうダ、俺達は人間ダった……だったハずナのにィィィ」
 ポーシュボスの群れが全身の瞳を輝かせ、リーヴァルディに寄生し善の心を喰らい仲間にしようとする。だが善の心は奥底に封じられ、吸血鬼の全ての生物を玩具程度にしか思っていない邪悪が心を満たしている。それによってポーシュボスの寄生を阻止していた。
「私が手を下すまでもないわね。全員、喰らいあい殺し合いなさい?」
 数だけは多い醜い生き物に対し、【影精霊装】で闇に紛れ陽光を遮断したリーヴァルディは興味なさげに吸血鬼の魔性の香気を放ち、洗脳して同士討ちを始めさせた。
「殺シたい殺しタい……痛いノはイヤだ」
「殺す殺ス殺す………!」
 ポーシュボスが同じ姿をした仲間を喰らい、喰らわれるものも相手を喰らう。共食いの地獄絵図が広がっていく。
「そうして私を興じさせる事ぐらいしか、貴方達に存在する価値なんて無いもの」
 そんなおぞましい光景を前にしても大した感慨はなく、リーヴァルディは退屈そうに目を細めた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

鷲生・嵯泉
如何な状況に陥ろうとも、為すべき事が在るなら成す迄の事
逃す訳にはいかん――此れも餌と成ろうが承知の上だ

身を蝕む感覚の悍ましさに抗う手段は唯1つ
決して忘れては成らぬ約束を想起する
何物であろうとも侵す事なぞ赦しはしない
触れるものへの怒りで以って、此の意志を保ちきって見せよう
――必ず、待つ者の元へ帰り着く為に

五感で得うる情報の全てを戦闘知識にて計り
攻撃の方向、起点を見極め見切り、武器受けにて斬り払う
些少の傷なぞ覚悟で捻じ伏せ
なぎ払いを重ねる事で道を斬り拓くと同時に全力の踏み込みで接敵
――斯刃潰滅
此処に在るは護る為の刃
善成るも悪至るも無い……只、未来に仇為すものを斬る
――疾く潰えろ、過去の残滓



●決して穢せぬ約束
「苦シい……助けてクれ……誰か!」
「嗚呼、もウ人間には戻れナい。私達は怪物とシて生きるシかナい……」
 苦悶、絶望、さまざまな負の感情を撒き散らすポーシュボスの群れが大地を覆う。
「如何な状況に陥ろうとも、為すべき事が在るなら成す迄の事」
 どれほど恐ろしい敵であろうとも退くことはないと、鷲生・嵯泉(烈志・f05845)が対峙する。
「逃す訳にはいかん――此れも餌と成ろうが承知の上だ」
 ポーシュボスの群れが怒涛の勢いで押し寄せ、嵯泉を呑み込む。そして善を喰らい仲間にしようと寄生を始めた。
(身を蝕む感覚の悍ましさに抗う手段は唯1つ――)
 嵯泉は決して忘れては成らぬ約束を想起して、寄生して己の精神を歪めようとするポーシュボスを阻む。
「何物であろうとも侵す事なぞ赦しはしない」
 大切な約束に触れるものへの猛き怒りで以って、此の意志を保ち続ける。約束はまだ果たされていない。それを穢すものは決して許せないと支配に抗い体を動かす。抜き放った【秋水】が群がる敵を吹き飛ばした。

 ――必ず、待つ者の元へ帰り着く為に。

「? 食ベれナい……もウ一度……」
 ポーシュボスが再度襲い掛かると、嵯泉は五感で得うる情報の全て使い、敵の動き見切って横に跳ぶ。すると突撃するポーシュボスが通り過ぎた。だが次々とポーシュボスが突撃を繰り返す。
「捻じ伏せる」
 近づく群れを刀で斬り払う。幾重にも薙ぎ払い刃が煌く度に肉片が撒き散らされる。ポーシュボスもまた怯む事無く攻撃を続けるが、嵯泉は些細な傷を追うだけの最低限の動きで躱して前進し、斬撃を重ねて道を斬り拓く。
「腹が減ッた……食ワせろ……喰わセろ……」
「善ヲ喰らウ! もっともっと!!!」
 狂った人々の叫びが木霊し、全ての善を喰らい尽くすまでポーシュボスは止まらない。
「――斯刃潰滅」
 そんな怨嗟を断ち切るように嵯泉がユーベルコード『斯刃潰滅』を使い、練った内氣を獄炎に変て刃に纏わせた。
「此処に在るは護る為の刃。善成るも悪至るも無い……只、未来に仇為すものを斬る」
 横一閃。振り抜かれた刃はポーシュボスの群れを両断しその体を燃え上がらせた。
「焼ケる燃えル熱イ痛い苦シい……」
「死ぬ嗚呼死ンでしまウ死んデいル」
 炎の中で触手が救いを求める手のように蠢く。
「――疾く潰えろ、過去の残滓」
 嵯泉は返した刀を振り抜き、もう一度断ち切って過去より蘇りし怪物を炎の海に沈めた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

音取・金枝
アドリブ歓迎

純粋な悪の存在かポーシュボス化しなければ斃せないとはっ
変身ヒーローのナイアルティンに変身して戦うが、当然の如くまるで通用しない
そうして戦っているとポーシュボスに寄生されてしまい、寄生された場所が心臓近くだった所為で無限神臓(シャイング・ハート)に異常が出て、変身が解けかけ正気を失いそうになった時、内側から声が聞こえた
いや、これは声なのだろうか?人知を超えた、人が知ってはいけないナニカのようにも思える
だが理解できない、理解してはいけない声に導かれるように「いあ! にゃるらとてっぷ!」と叫んだのを最後に私の記憶は途絶えている

【邪神覚醒(ケシンノメザメ)】
おや、まさかこの貌が■■■■■■に繋がるとは
この貌は無自覚のままその生を終えると思っていたのですが
あぁ、ポーシュボス・フェノメノン、キミのおかげですか
ですが、人の貌を盗ろうなど不作法が過ぎますよ
第一、キミはこの■■■■■■と微妙にキャラ被りしていて不敬ですよ
この貌との繋がりはすぐに切れるでしょうが、その前にキミを滅してあげます



●邪神
「純粋な悪の存在かポーシュボス化しなければ斃せないとはっ」
 変身ヒーローのナイアルティンに変身した音取・金枝(若奥様は秘密の変身ヒーロー・f25315)は恐るべきポーシュボスの特性に驚愕する。
「だがヒーローが背を向ける訳にはいかないっ!」
 どれほど恐ろしい敵であろうとも負けられないと、金枝は全方位から襲い来るポーシュボスを【双閃剣ナイ&ニル】で薙ぎ払う。だが少しばかりやられたところで無数のポーシュボスは勢いを止めず、押し寄せる津波のように金枝を呑み込んでしまう。そして体に巻き付き寄生する。
「ぐっ……む、胸が苦しい……!」
 ポーシュボスが金枝の胸から侵食し、【無限神臓(シャイング・ハート)】がドクンと大きく脈打つ。鼓動が激しく高鳴り、変身が解けて穏やかな女性の姿が露わとなって次々とポーシュボスが喰らいて善を食い散らかす。
「無理ナんだ……人がポーシュボスにかテる訳がナい」
「痛イ痛い。でモ嗚呼、気持ちイい……一緒にナろうよ」
(い……意識が………)
 ポーシュボスが全方向から次々と誘うように語り掛け、金枝は正気を失いそうになる。だがそこで己の内側から声が聞こえた。
「■■■■■■■■■■■■■■■■■■」
 それは声なのだろうか? 人のものではない。脳がその声を認識することを拒否している。人知を超えた、人が知ってはいけないナニカ。その領域に足を踏み入れたならば人としての命運が終わる。そんな予感がしながらも、理解できない、理解してはいけない声に導かれるように金枝は口を動かす。
「いあ! にゃるらとてっぷ!」
 その言葉を口にした瞬間、ぷつりと金枝の記憶は途絶えた。

「喰ラえ……仲間を増やソう」
「一緒にナろう一緒にナろう一緒にナろう」
 ポーシュボスが次々と金枝の全身に喰らいつく。だがその体にあったはずの善が見つからない。それどころか金枝の傷が癒え、身体が巨大化し這い寄る混沌の化身へと変化した。
「おや、まさかこの貌が■■■■■■に繋がるとは。この貌は無自覚のままその生を終えると思っていたのですが」
 金枝だったものが別の声で話し始め、状況を確認するように辺りを見回した。
「あぁ、ポーシュボス・フェノメノン、キミのおかげですか。ですが、人の貌を盗ろうなど不作法が過ぎますよ」
 その原因であるポーシュボスが執拗に己が身を喰らおうとするのを見て、這い寄る混沌は軽く注意するようにあしらう。
「第一、キミはこの■■■■■■と微妙にキャラ被りしていて不敬ですよ。この貌との繋がりはすぐに切れるでしょうが、その前にキミを滅してあげます」
 そう告げた瞬間。辺りが血に染まり殺戮が始まった――。
「うぎギギぎっ」
「苦しイ苦シい助けテ助ケて」
 何が起きたのかもわからずにポーシュボスの群れが蹴散らされ、惨殺され、轢殺される。唯々そこには圧倒的な滅びが存在する。怯えたようにポーシュボスが邪神の周りにぽっかりと空間が出来上がった。
「どうしました。そんなに離れていてはこの貌を食べられませんよ」
 優しく呼びかけるとポーシュボスが一斉に突撃を開始する。だがそれは自殺行為だった。その身が破裂し一体も辿り着くことができない。そうして後には邪神と肉塊だけが残された……。

大成功 🔵​🔵​🔵​

キリカ・リクサール
アドリブ連携歓迎

UCを発動
善なる心か…
そうだな、例えどれだけ悪辣な振る舞いを他者に行っても、心の奥にある僅かな良心は消えない
だが、その悪辣な振る舞いで理不尽に蹂躙された者達は?
子を殺された親、生贄にされた子供、人ではなく家畜として屠殺され、死後も弄ばれた者…そんな者達の心に良心が一片でも残ると思うか?
そう…邪悪なる者は人から生まれてくるのではない、人が作り出すのだ
「心」を「絶望」で殺される事によってな
私の身を包む力は善なるものではない…お前達の絶望であり、残滓であり、この世界を永遠に憎悪し続ける、真に邪悪なる力だ
そして…私の大切な者達を殺したモノの力だ
『永遠の物のほか物として我よりさきに造られし絶望はなし、しかして我が絶望は永遠に立つ、汝等我が前に立ち塞ぐもの一切の望みを棄てよ』
善き行いには善き行いを
邪悪なる行いには邪悪なる行いを
巨大な鉤爪で周囲のポーシュボスを切り裂き、さらにその残滓を纏っていく

私はただの復讐者だ、善なる者とは程遠い
あぁ…その瞳から光が消える度に、私は満たされていくよ



●邪悪には邪悪を
「善デは勝てナい……」
「諦メろ……誰も勝テはシないのだ……」
 尽きぬことのないポーシュボスの大群が殺到し大地に広がる。
「善なる心か……そうだな、例えどれだけ悪辣な振る舞いを他者に行っても、心の奥にある僅かな良心は消えない」
 ユーベルコード『呪詛の獣』を発動し、デゼス・ポアが喰らったオブリビオンの残滓を身に纏ったキリカ・リクサール(人間の戦場傭兵・f03333)は、蠢く怪物となった者たちの言葉を肯定する。
「だが、その悪辣な振る舞いで理不尽に蹂躙された者達は?」
 悪によって殺された者に善が残るのだろうかと問いかける。
「子を殺された親、生贄にされた子供、人ではなく家畜として屠殺され、死後も弄ばれた者…そんな者達の心に良心が一片でも残ると思うか?」
 血の涙を流し慟哭した者が、果たして善をその心に残しているのかと……。
「そう……邪悪なる者は人から生まれてくるのではない、人が作り出すのだ。「心」を「絶望」で殺される事によってな」
 邪悪なる者は悪に触れ善を失うことで生まれるのだと答えを告げた。
「私の身を包む力は善なるものではない……お前達の絶望であり、残滓であり、この世界を永遠に憎悪し続ける、真に邪悪なる力だ」
 キリカは己の善が憎悪で染まった日の事を思い出す。
「そして……私の大切な者達を殺したモノの力だ」
 それだけで憎しみと怒りで心が燃え上がり、善を喰らおうとするポーシュボスの精神侵食を阻む。
『永遠の物のほか物として我よりさきに造られし絶望はなし、しかして我が絶望は永遠に立つ、汝等我が前に立ち塞ぐもの一切の望みを棄てよ』

 善き行いには善き行いを――邪悪なる行いには邪悪なる行いを――。

 キリカは己が身に宿す強力な呪詛によって寄生を防ぐ。そして腕を振るって巨大な鉤爪で周囲のポーシュボスを切り裂き、その残滓を纏うことでさらに己の能力を強化していく。
「何故拒メる……ポーシュボスを倒せルものナど、存在しナいハず……」
「お前モ仲間ニなれ……!」
 拒むキリカに寄生しようと、大量のポーシュボスが集まり全身の瞳を輝かせ、一斉に襲い掛かる。高速化された無数の触手が叩きつけられる。
「私はただの復讐者だ、善なる者とは程遠い」
 その触手を爪で切り飛ばし、キリカは逆にポーシュボスの体をズダズダに切り裂いた。邪悪を殺せば殺すほど、熱く胸の内が燃え上がる。邪悪には邪悪を、決して許しはしないと猛る爪がポーシュボスの体を切り刻む。
「あぁ……その瞳から光が消える度に、私は満たされていくよ」
 幾つもある目が光を失い消えていくのを、キリカは嬉しそうに眺めさらに猛々しく爪を振るった。
「嗚呼、消エる……私が消滅スる……」
「眠イ……こノまま眠レば………」
 引き裂かれたポーシュボスが幾つもある目を閉ざし、ただの肉塊となって停止していく。その上を踏みつけてキリカは大地に道を作るように無数のポーシュボスを引き千切っていく。
 誰にも止められぬ死の現象のようにキリカが進み、その跡は血と肉片によって塗装された道ができていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

霧島・絶奈
◆心情
愉しみましょう、此の『逢瀬』を

◆行動
「正義」も「悪」も、見る者の立場が違えば変わるモノ
故に、ソンナモノに何の意味があると言うのでしょうか?
誰かにとっては「世界を救う」行為でも、他者から見れば「邪悪其の物」である事も稀としないでしょう
ポーシュボス・フェノメノン、貴殿方は私達猟兵を何方と認識するのでしょうか?
其れを知るだけでも貴重な経験と言えるでしょう

『【1/0】』を使用
【集団戦術】を駆使した【範囲攻撃】にて敵集団を殲滅

…尤も、私は何方でも構いません
仮にポーシュボス化しようとも、私のする事は変わらないのですから…

<真の姿を開放>

善意も悪意も関係なく、私は私以外のポーシュボスを鏖殺するのみです

【罠使い】として持ち込んだ、複数の「魔法で敵を識別するサーモバリック爆薬」を【衝撃波】にて周囲一帯に散布
さて、善意も悪意も無い存在はどうなのでしょうか?
貴方に変わるのか、それとも…

私も【範囲攻撃】する【マヒ攻撃】の【衝撃波】で【二回攻撃】

負傷は【各種耐性】と【オーラ防御】で軽減し【生命力吸収】で回復



●善と悪の境界
「「正義」も「悪」も、見る者の立場が違えば変わるモノ。故に、ソンナモノに何の意味があると言うのでしょうか?」
 霧島・絶奈(暗き獣・f20096)は善悪など主観によって変わる曖昧な基準であると言い捨てる。
「誰かにとっては「世界を救う」行為でも、他者から見れば「邪悪其の物」である事も稀としないでしょう」
 敵対する相手からすれば、自分勝手な理想を掲げた己への攻撃でしかない。殺し殺される戦いにおいてどこに善と悪の境界があるというのか。
「ポーシュボス・フェノメノン、貴殿方は私達猟兵を何方と認識するのでしょうか? 其れを知るだけでも貴重な経験と言えるでしょう」
 ポーシュボスという善を喰らう存在がどういう反応をするのかと、絶奈は愉しみにして微笑む。
「愉しみましょう、此の『逢瀬』を」
 ユーベルコード『【1/0】』を発動し、量産型キャバリア【Evolution】を増殖させて部隊を並べた。
「……尤も、私は何方でも構いません。仮にポーシュボス化しようとも、私のする事は変わらないのですから……」
 準備は整ったと、絶奈は真の姿を開放し神々の姿となる。それだけで周囲の空気が変わり、荒々しい音が消え静寂に包まれた。
「善を……善を喰ラえ……」
「みんナいッしょになろう……あナたはわたシわタしはあナた」
 そんな静寂を破るようにポーシュボスの呪詛のような声が響き、一斉に肉塊の波が押し寄せる。
 それに対してAI操縦のキャバリアの部隊が一斉に銃撃を開始し、肉塊を吹き飛ばしていく。
「善意も悪意も関係なく、私は私以外のポーシュボスを鏖殺するのみです」
 さらに宙に浮かんだ絶奈がサーモバリック爆薬を衝撃波に乗せてばら撒き、爆炎によってポーシュボスの群れを呑み込む。だがそれだけの打撃を受けても、次々とポーシュボスが穴を埋めるように群がり、キャバリアに襲い掛かる。金属に喰らいつき装甲が剥げていく。
「さて、善意も悪意も無い存在はどうなのでしょうか? 貴方に変わるのか、それとも……」
 絶奈は敵がキャバリアを喰らう様子を見下ろす。
「嗚呼、善がナい……こレにはなニもナい……」
「こレは仲間にナらないィ……仲間を増やサなくテは、善はドこだ……」
 ポーシュボスはキャバリアから興味を失くし、空を飛ぶ絶奈に向かって積み上がるように迫り、絶奈の善を喰らう。だが絶奈は微笑むまま、ポーシュボス化が始まろうとも戦い続ける。
「お口に合わなかったようですね。ならば私は貴方に対抗する手段を持っているということです」
 キャバリアの部隊が変化せずに機械的に戦い続け、ポーシュボスを破壊していく。
「私もまた、善であろうと悪であろうと、貴方を倒す目的に変わりはありません」
 そこへ絶奈が上から衝撃波を浴びせ、ポーシュボスの群れを広範囲に押し潰す。
「善も悪も、目的の為の手段に過ぎません。そして貴方が現象であるように、我々猟兵もまた現象であると云えるでしょう」
 絶奈は破壊を司るように、ただただ無数の敵を粉砕し血と肉片を撒き散らした。

大成功 🔵​🔵​🔵​

リーンハルト・ハイデルバッハ
【ドヴェルグ】

なるほど、これはまさしく阿鼻叫喚の地獄絵図
この只中におりましては、たちどころに食らい尽くされヒトの形を保てなくなりましょう
……なれば、これより私は「私」に非ず。「黒鬼」リーンハルト、いざや参る

同行の面々は利害の一致で行動するのみ、気にしない
私はただ一介の悪、遠慮も躊躇もなく一切を破壊する鬼である

迫りくる狂気は【狂気耐性】で抑え込み、【操縦】に専念
『救済』にて、ポーシュボスの集団を飛行しながら【レーザー射撃】【暗殺】も駆使し殲滅する
「これだけ数が多いなら、狙いをつけるのは面倒だ。一切合切を破壊する、それこそが手前等への『救済』なれば」
ああ、久方ぶりの躊躇なき破壊だ

アドリブ歓迎


リリウス・テイケー
【ドヴェルグ】
くぅっ……私が悪いスライムだったら余計な手間をかけずに戦えたのになぁ
ポーシュボス化は『狂気耐性』『呪詛耐性』で抑えつつ仲間と連携して動く
アドリブOK

せっかくなので久しぶりにそういう戦い方もいいか
諸君、SAN値の余裕は大丈夫かい?
スライム状態で『目立たない』『フェイント』『忍び足』を活かして動き回り、
『催眠術』を用いた囁きで”疑問”を撒き散らそう
「ところで君たちはポーシュボスでいいのかい?」
「元の名前は?」
「それは本当に君の記憶かな?」
「コーヒー美味しいよね」
「っていうかそもそも『善』とは何だ?」
「何を正しいと思っているんだ?」
「逆に『悪』とは?」
「ところで元に戻れたら何したい?」


日野・尚人
【ドヴェルグ】

げ・・・
こうなったらもう助けてやれない、んだよな・・・ごめん。

俺は<呪詛耐性><狂気耐性><オーラ防御>でポーシュボス化を抑え込む。
戦い易いよう<防具改造>でその力を纏う感じに・・・
何かファンキーっていうか厨二病(邪神)臭がしそうなパーカーになってないか;
ま、まあ良いや・・・この現象を止めるぜっ!

<ダッシュ>で撹乱しつつ、リリウスと大暴れだ!
斬撃と銃弾にUCを乗せて<2回攻撃><零距離射撃><乱れ撃ち>。
クリストフは相変わらずの一家に1台っぷりだよなぁ?
っと!シェイには指1本触れさせな・・・ゆ・・・び・・・
とにかくシェイを<かばう>と同時に<武器受け><受け流し><カウンター>!


クリストフ・フロイデンベルク
【ドヴェルグ】
くくく、まさに地獄絵図といった様相だな。
しかし邪悪なる者ならば殺せる、か。
であれば私手ずから葬ってやろう……と言いたいところだが、ここは貴様等に任せてやる。
(ふ、む、私の性質は悪だ……が、ユスミと関わって以来どうにも調子が狂う)

何はともあれ怪物の仲間入りは御免なのでな?
精神からの侵食であろうと異物の寄生には変わりない。
UC【アムリタの雫】の再生力で(自身と仲間の)治癒とポーシュボス化の調整をさせてもらうぞ。

しかし(ユスミ&リーンハルトの暴れっぷりは)凄まじいな……
小僧(尚人)、余所見などしていて良いのか?
貴様の妹(シェイミー)……婚約者だったか?
何やら派手な魔術を行使する様だぞ?


シェイミー・ソルラフィス
【ドヴェルグ】
……何とかしたいの?うん、いいよクォタトゥクル。あの人達を食べても美味しくなさそうだし、にーちゃ(f01298)や皆があんなのになったら大変だし

ユーベルコードを使って私を、クォタトゥクルにあげる。
「……お前達の、世界をという願いを受けて、かつて人の繁栄が為に託された神託の剣が此処に」
道具に善悪無し。持ちうる人に善悪有り。お前達が邪悪を望むならば、願いを受けた私は私を邪悪と定義する
「託されし英知に葬送の秘術あり。来たれ。天より慈悲の雷よ」
痛みは与えん。疾く滅べ。人の栄華たれ、と願われた剣の機能は失せたが、せめてこの世界に繁栄が戻る事を祈ろう


ユスミ・アルカネン
【ドヴェルグ】アドリブ歓迎
悪と対峙した時、ユスミの体は力が抜けてカクンと膝をつく。
顔は蒼白になり、ガチガチと歯を鳴らす。
足元に巨大な魔法陣が浮かび上がり、中から深い蒼色のシャチの形をした巨大な氷塊が現れてその身をバクンと呑み込む。
「我が名は序列30番、地獄の大侯爵フォルネウスなり。
…またの名を悲哀と慈愛を湛えた隣人愛を語る北欧の魔女。
此度はフローズヴィトニルを連れてきた」
シャチの口から、ユスミとは違う、成長したゆすみが身を乗り出す。
「…貴方達が今のボクのお友達? ボクは柚澄。
真の邪悪が、一個人に対する邪悪でも何も問題ないでしょう?」
色々失ったユスミとは違い、家族を失う事なく、充実した時代を過ごし、力を克服し、最愛の人と出会い、幸せな家庭を築く。
今のユスミを作り上げるに至った諸悪の根源。
言葉巧みに人を操る魔女。その甘言は味方をも愚弄する。
「此処は暗く昏い冬の夜。誰彼も生きる事叶わず」
柚澄は手を高く振り上げ、昏い雪と氷を降らせた。
堆く積もる雪は動く事を鈍らせ、鋭く重い氷は身を易々と引き裂く。



●世界を救う者たち
 旅団『蒸気飛行船 -空中工房ドヴェルグ-』の面々が無数の敵が大地を覆う戦場に姿をみせる。
「げ……」
 日野・尚人(あーちゃんの早朝襲撃に断固抵抗する会終身(?)会長・f01298)はポーシュボスという怪物と化してしまった人々を見て言葉を失う。
「こうなったらもう助けてやれない、んだよな……ごめん」
 こうなればもう人に戻すことは出来ない。それならばここで倒して救ってやろうと、謝りながらコンバットナイフとハンドガンを両手に構えた。そして呪詛と狂気耐性をオーラに込めてマウンテンパーカーに纏わせる。
「何かファンキーっていうか厨二病(邪神)臭がしそうなパーカーになってないか」
 その自分の姿を見下ろした尚人が、たらりと汗を流す。
「ま、まあ良いや……この現象を止めるぜっ!」
 ともかくこれ以上被害は広げさせないと、気を取り直して尚人は敵の群れに駆け出した。

「くぅっ……私が悪いスライムだったら余計な手間をかけずに戦えたのになぁ」
 自称良い?スライムであるリリウス・テイケー(自称悪くないスライム・f03261)が悔しそうに呻く。
「嗚呼、苦シい、食べラれる……」
「誰か、誰かイないノか……暗い、狭イ……」
 苦悶の声を上げながらポーシュボスの群れが蠢き、猟兵達を呑み込み善を喰らおうと迫る。
「せっかくなので久しぶりにそういう戦い方もいいか」
 それを見たリリウスは普段の派手な物理戦とは違う戦い方をすることに決めた。
「諸君、SAN値の余裕は大丈夫かい?」
 スライム形態で素早く動き回りながら、ユーベルコード『謎を喰らう触手の群れ』を発動して語り掛ける。
「ところで君たちはポーシュボスでいいのかい?」
「元の名前は?」
「それは本当に君の記憶かな?」
 あちらこちらで矢継ぎ早に囁いてポーシュボス達を催眠に掛け、疑問を撒き散らす。
「俺はポーシュボスだ!」
「いいや、俺はケビンだ! ……だった?」
「ポーシュボス……俺は、私ハ……いっタい誰?」
 その囁きに惑わされたポーシュボス達の動きに迷いが混じり、反応が鈍くなっていく。
「リリウスに惑わされてる今がチャンス!」
 そこへダッシュで突っ込んだ尚人がユーベルコード『永続する凍結』を乗せ、冷気を纏わせた銃弾を浴びせ、近くの敵をナイフで切りつける。するとポーシュボスが傷口から凍って動きを止めた。
「この調子で片っ端から倒してやるぜっ!」
 敵に捕まらなように留まることなく尚人は駆けながら攻撃を続け、近づくポーシュボスを撃退していった。

「喰ラう喰らウ……善ヲ喰らうゥ……」
 ポーシュボスがリリウスに寄生し始める。だがそれを狂気や呪詛の耐性で心まで変化せぬように耐え、言葉による攻撃を続ける
「コーヒー美味しいよね」
「っていうかそもそも『善』とは何だ?」
「何を正しいと思っているんだ?」
「逆に『悪』とは?」
「ところで元に戻れたら何したい?」
 リリウスは全く関係ない言葉や問答によって惑わし、その謎に囚われたポーシュボスは、召喚された紫の触手のかたまりによって反対に喰らわれた。
「うわっ! これが善を喰らうってやつか!」
 近くにいた尚人もまたポーシュボスから精神への寄生攻撃を受け始め、気持ち悪さに思わず攻撃の手が止まる。

「くくく、まさに地獄絵図といった様相だな」
 おぞましい光景を見たクリストフ・フロイデンベルク(堕ちた聖職者・f16927)が、その景色に相応しい邪悪そうな笑みを浮かべる。
「しかし邪悪なる者ならば殺せる、か。であれば私手ずから葬ってやろう……と言いたいところだが、ここは貴様等に任せてやる」
 何やらやる気に満ちた仲間達を見て、そちらにやらせてやろうと思い留まる。
(ふ、む、私の性質は悪だ……が、ユスミと関わって以来どうにも調子が狂う)
 本来であれば迷いもなく抹殺するはずが、今こうして仲間達を意識してしまっている。そして無意識に普段とは様子の違うユスミへと僅かに心配の混じった視線が向けられていた。
「何はともあれ怪物の仲間入りは御免なのでな?」
 頭を振って余計な思考を追い払い、今は倒すべき敵へと視線を向ける。
「嗚呼、どウかコの手を取って……」
「助けテくれ……死んでシまう……いヤ、死んでイる?」
 善を喰らおうとポーシュボスが狂気を伝播する。
「精神からの侵食であろうと異物の寄生には変わりない。アムリタの雫の再生力で治癒とポーシュボス化の調整をさせてもらうぞ」
 クリストフはユーベルコード『アムリタの雫』を使い、己が血の雫をばら撒き自身と仲間に再生力と治癒の効果を与え寄生への抵抗力を高めた。
「クリストフは相変わらずの一家に1台っぷりだよなぁ?」
 寄生の効果が弱まった尚人はその万能な能力に称賛を送りつつ、攻撃を再開してポーシュボスに銃弾を浴びせ凍結させた。

「ほラ、こッちだヨ……」
「ミんなでイっしょならコわくないよ……」
 ポーシュボスが招くように声をかけ、猟兵達を誘うように迫る。
「あ……」
 ポーシュボスと対峙したユスミ・アルカネン(Trollkvinna av Suomi・f19249)は、体の力が抜けてカクンと膝をついてしまう。
「うぅ……」
 顔は蒼白になり、ガチガチと歯を鳴らして体を抱え込む。すると足元に巨大な魔法陣が浮かび上がり、中から深い蒼色のシャチの形をした巨大な氷塊が現れ、その身をバクンと呑み込んでしまった。
「我が名は序列30番、地獄の大侯爵フォルネウスなり。……またの名を悲哀と慈愛を湛えた隣人愛を語る北欧の魔女」
 シャチの口から現れたのは、ユスミとは違う姿。女性らしく成長した柚澄だった。
「……貴方達が今のボクのお友達? ボクは柚澄。真の邪悪が、一個人に対する邪悪でも何も問題ないでしょう?」
 ゆすみは慈愛に満ちた穏やかな笑みを浮かべる。だがその下には甘言によって人を惑わし破滅に追いやる邪悪な意志が潜んでいる。
「此処は暗く昏い冬の夜。誰彼も生きる事叶わず」
 柚澄は手を高く振り上げユーベルコード『風の冬、剣の冬、狼の冬』を発動する。太陽と月と星を封じ、凍てつく昏い雪と氷が空から降りそそぐ。
「寒イ……冷タい……嗚呼、凍エる……」
「帰りタい……暗イよォ……お家はドこ……」
 堆く積もる雪はポーシュボス達の動きを鈍らせ、鋭く重い氷が体に触れると易々と引き裂いた。雪を鮮血が染め上げていく。

「なるほど、これはまさしく阿鼻叫喚の地獄絵図」
 大地を覆うはポーシュボスの群れ。その全てが人の成れの果てだと思えば、これは地獄の光景だと黒いキャバリア【ガイストリヒェ Sn-V】に搭乗したリーンハルト・ハイデルバッハ(黒翼のガイストリヒェ・f29919)は、そのコックピット内にまで響くおぞましい人々の怨嗟の声を耳にする。
「この只中におりましては、たちどころに食らい尽くされヒトの形を保てなくなりましょう……なれば、これより私は「私」に非ず。「黒鬼」リーンハルト、いざや参る」
 善も私も捨て去り、仲間のことすら思考から追いやり、ただ敵を殺す悪鬼となって襲い掛かる。機体を飛翔させ頭上からユーベルコード『制圧用魔導兵器『救済』』を使い、キャバリアの黒翼から無数のレーザーを雨のように降らせた。
「善を喰ラう……」
「私たチの仲間にいレてあゲる……」
 ポーシュボスの群れが吹き飛びながらもリーンハルトを仲間にしようとその善の心に喰らいつく。
「言ったはず、この身は既に鬼であると」
 己の心を蝕む狂気に耐えながらリーンハルトはレーザーによる攻撃を続け、ポーシュボスを吹き飛ばしていった。
「減ッてイく……俺達が消エていく……」
「消エるのハいやだ、死ぬノはいヤだ、喰わレるのはイやだ……」
 ポーシュボスが次々と重なり、大波のようい空に昇ると飛翔するガイストリヒェに侵食し、その内部のリーンハルトの元にまで姿を見せた。だがそんな状況でも顔色一つ変えずに操縦を続け、レーザーによって纏わりつく敵を薙ぎ払い、機体の手でへばりつくポーシュボスを引き剥がした。
「これだけ数が多いなら、狙いをつけるのは面倒だ。一切合切を破壊する、それこそが手前等への『救済』なれば」
 ただただレーザーを豪雨のように降らし続け、見える範囲全てを焼き尽くさんとする。
「ああ、久方ぶりの躊躇なき破壊だ」
 リーンハルトは戦場の事を思い出し、今はただ殺戮の鬼として躊躇わずに戦いに没頭する。

「しかし凄まじいな……」
「ほんとになぁ……」
 ユスミとリーンハルトの暴れっぷりを見たクリストフは呆れた声を漏らし、尚人も思わずその光景に視線を留めた。
「小僧、余所見などしていて良いのか?」
 尚人に呼びかけながらクリストフが視線を動かすと、莫大な魔力がシェイミーに集まっていた。
「貴様の妹……婚約者だったか? 何やら派手な魔術を行使する様だぞ?」
「っと! シェイには指1本触れさせな……ゆ……び……」
 そう言われて振り返り反射的に守りに行こうとした尚人が、眩い雷光を見て言葉を失う。

「……何とかしたいの? うん、いいよクォタトゥクル。あの人達を食べても美味しくなさそうだし、にーちゃや皆があんなのになったら大変だし」
 シェイミー・ソルラフィス(シェイ・ヘフェア・クォタトゥクル・f00895)が敵に興味の無さそうな視線を向けるが、尚人とみんなを守るために頑張ろうとユーベルコード『真なる神託をもたらす剣』を発動する。呪いを解除し自我を委ね、魔剣クォタトゥクルに肉体の主導権をあげた。
「……お前達の、世界をという願いを受けて、かつて人の繁栄が為に託された神託の剣が此処に」
 クォタトゥクルとなったシェイミーは剣を掲げ神代の魔術を成す。
「お腹ガへっタ……食ベタい食べたイ善ヲ食ベたイ……」
「もッともっトもッと、増ヤそう増やソう世界を満たスまで……」
 ポーシュボスが仲間を増やそうと狂気に染まった声を広げ浸蝕してくる。
「道具に善悪無し。持ちうる人に善悪有り。お前達が邪悪を望むならば、願いを受けた私は私を邪悪と定義する」
 剣であるクォタトゥクルは己を邪悪であると定義し、ポーシュボスの善を喰らう寄生から免れる。
「託されし英知に葬送の秘術あり。来たれ。天より慈悲の雷よ」
 暗い空に轟雷が鳴り響き、無数の光が迸る。
「痛みは与えん。疾く滅べ。人の栄華たれ、と願われた剣の機能は失せたが、せめてこの世界に繁栄が戻る事を祈ろう」
 放たれる閃光が地上を打ち鳴らし、一斉に落ちた落雷が近づくポーシュボスの群れを神の裁きのように薙ぎ払った。
「ま、まあとにかく、俺たちは誰もポーシュボスにはならない!」
 その光景に呆気に取られながらも、尚人は直撃は免れたが雷撃によって弱った敵の触手をナイフで切り飛ばし、銃弾を撃ち込んで仕留めた。

「嗚呼、お腹ガ空いタよう……食べタい食べたイ食ベタい……」
「ボクを食べたいの? でもダーメ。何故って食べるのはボクの方だから」
 微笑みながら柚澄は鋭い刃のような氷を放ち、ズダズダにポーシュボスを切り裂き命を奪っていく。
「雪だったらたっぷりお腹が破裂するまで食べさせてあげる」
 行く手を塞ぐように雪で塞ぎ、ポーシュボスの体を覆って動けなくしていった。
「お腹が減って寒くて寂しい。貴方達はそんな絶望の中で死んでいくの」
 ポーシュボスの無様な姿を嗤い、魔女は楽しそうに現象すらも殺す氷雪を舞い上がらせた。


「むむ? もうそろそろ終わりかな?」
 リリウスが緩んだ攻撃を避けてぽよんと高々とバウンドしながら辺りを見回すと、大地を埋めていたはずのポーシュボスの姿が殆ど消え、草も生えぬ荒野が覗いていた。
「ならこれで終わらせてやるぜ!」
 尚人が弾丸を撃ち込みながら突撃し、ナイフを一閃して凍結したポーシュボスを粉砕する。他の残った敵も仲間達が片付け、ポーシュボスの死骸が消え去り見渡す限りの何もない荒野が広がる。
「くくく、現象などと大層な存在であったが無様な最期だな。……おっと、無理をし過ぎだ」
 馬鹿にしたように嗤っていたクリストフは、元の姿に戻り意識を失ってふらりと倒れそうになるユスミを支える。
「いやはや、久方ぶりに全力で戦った気がしますな」
 機体を降りたリーンハルトは、紳士然としていながらもまだ鬼気迫る殺気が燻っているのか、いつもより精悍に見えた。
「にーちゃ、お腹空いた」
「そうだな。じゃあ帰ってメシにするか!」
 シェイミーが尚人の服の裾を引っ張ると、尚人が笑顔で頷き帰ろうと手を繋ぐ。

 猟兵達は世界を喰らう現象にも打ち克ち、あと少しと残りの戦いに思い馳せながら帰途についた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年09月23日


挿絵イラスト