アポカリプス・ランページ⑰〜カウンティング・スターズ(作者 唐揚げ
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「……正直ぞっとしたのよね。こっちに目線が向いた時」
 白鐘・耀はいつになく顔を顰め、落ち着かない様子で髪をかきあげた。

 彼女が指すのはフィールド・オブ・ナインのひとり、『プレジデント』のことだ。
 超大規模なソーシャル・ネットワークを有する、強大なオブリビオン。
 奴はそのネットワークの力で、猟兵たちに「呼びかけてきた」のである。
 グリモアの力で予知をする彼女にとって、それは思いがけない経験だったのだろう。
「向こうは律儀にも、たったひとりでこっちを待ち受けているみたいね。
 まあ、それでも勝てるっていう自負があるんでしょうけど。大したもんだわ」
 かつて大統領と呼ばれたがゆえにプライドなのか、単なる余裕なのか。
 復興された「ワシントン・モニュメント」に佇むプレジデントは、単独である。
「おまけに武器は拳ひとつ。ボクシングスタイルってやつよ」
 闘争心を煽るソーシャル・ネットワークの影響は、猟兵の有利に働く。
 窮地になくとも、「真の姿」に変身することが出来るからだ。
 向こうもそれは承知の上――つまり、それだけの強さを持つということなのだが。

「どう戦うかはあんたたち次第だけど、流儀に則れば対等ではあるでしょうね」
 馬鹿正直にボクシング勝負に付き合うか、それともあくまで得手にこだわるか。
 いずれにせよ、そうやすやすと勝てる相手ではないだろう。
「オーバーロードがどうとか気になること言ってたけど……ま、とにかく」
 耀は火打ち石を取り出し、猟兵たちを見渡した。
「あのエラそうな面、ぶっ飛ばして帰ってきなさい。戦いはまだまだこれからよ!」
 気っ風のいい言葉と火打ち石の打ち合う音が、転移の合図となった。


唐揚げ
●プレイングボーナス
 真の姿を晒し、ボクシングで戦う(🔴は不要)。

 プレーリーオイスターです。有力敵シナリオ第二弾です!
 先制攻撃こそないものの、プレジデントはとっても強いです。ご注意を。
 採用は無理なくやっていきますので、ご了承ください。
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第1章 ボス戦 『プレジデント・ザ・ショウダウン』

POW ●アイ・アム・プレジデント
自身の【大統領魂】の為に敢えて不利な行動をすると、身体能力が増大する。
SPD ●プレジデント・ナックル
【竜巻をも引き起こす鋼鉄の両拳】を巨大化し、自身からレベルm半径内の敵全員を攻撃する。敵味方の区別をしないなら3回攻撃できる。
WIZ ●アポカリプス・ヘブン
【対象を天高く吹き飛ばすアッパーカット】を放ち、レベルm半径内の指定した対象全てを「対象の棲家」に転移する。転移を拒否するとダメージ。
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


ルイス・グリッド
アドリブなど歓迎

メガリスのリミッターを外す、後悔するなよ
ボクシング勝負、それがお望みならやってやる

POWで判定
【覚悟】を決めてUCを発動し真の姿になる
(真の姿)
・真の姿は俺自身に大きな変わりはない
・銀腕が右腕から両腕になり巨大な手を形作る
・義眼が曝され光が漏れる
・メガリスが主体の姿になり、理性を失うので言葉を発せなくなる

基本的に巨大な手を使い【怪力】【鎧無視攻撃】【吹き飛ばし】などの技能を使った格闘戦を挑む
攻撃は【見切り】【戦闘知識】で回避できるならやってみる


●ベルセルク
「ボクシング勝負がお望みらしいな」
 無人のワシントンDCに降り立ったルイス・グリッドは、隻眼で敵を睨む。
「なら、やってやる。……後悔するなよ」
「大きく出たものじゃないか。期待に胸が高鳴るよ」
 プレジデントは巨人めいた両拳を打ち鳴らし、不敵に笑う。
 ルイスは瞼を閉じ、深呼吸した……これから彼は狂戦士へと変わる。
 理性を手放すことで得られるその強さは、ルイスにとっても危険なほどだ。
 ゆえに彼は覚悟を決め、メガリスのリミッターを――解除した!

「ほう」
 プレジデントは驚いた様子で目を見開く。同時に、顔面にめり込む拳!
 はちきれんばかりの筋骨たくましい肉体が、紙屑のごとく吹き飛ぶ。
 ごろごろ転がるプレジデントを追い、狂戦士と化したルイスは地を跳んだ。
 左眼の眼帯の下からは義眼の光が漏れ出て、今やその両腕が銀腕に変じている。
 加えて両手は、プレジデントと鏡合わせめいて巨大化しているというものだ。
「――!!」
 獣じみた獰猛さで襲いかかるルイス、しかし続く二撃目は拳が弾いた。
「"超克"はしていなくとも、これほどの力を発揮できるとは……面白い」
 プレジデント、健在。否、先の一撃はあえて受けたか?
「真正面から挑まれたのだ。大統領として避けるわけにはいかないだろう?」
 お返しだ――そんな言葉とともに、豪腕が繰り出される。
 ルイスの顔面に叩き込まれる鋼の拳。だが!
「ほう」
 今度こそプレジデントは驚愕した。ルイスは吹き飛ばない!
「……!!」
 狂戦士は蒸気めいた息を吐き、一瞬にして五発のブローをボディに叩き込む!
 プレジデントはそのすべてをまともに受け、血を吐いて蹈鞴を踏んだ。
「く、は……ははッ、いいじゃないか、そうこなくては……!」
 両者は色付きの風と化し、巨大な拳を幾度となくぶつけあった。
 大地を跨いで闘う神話の巨人の如き、破滅的な力の奔流が吹き荒れる!
成功 🔵🔵🔴

オリヴィア・ローゼンタール
フィールド・オブ・ナインたる貴様は、もはや人を統べる大統領とは呼べん
だが――ひとりの矜持ある闘士と認めよう

白いパイロットスーツに身を包み、拳闘の構えで応じる
その腕部でボクシング……こちらも手足の具足で伍するという事にしよう

拳打の応酬(グラップル)
オーバーロードという圧で逸る精神を【落ち着かせる】
手勢を率いず自身を晒すという行為
それ自体が不利益であるため、常に強化されている――冷静さを失って勝ちを拾える相手ではない

燻る紫煙、腕部の蒸気、スーツの繊維の微動さえ感じ取る、極限の【集中力】
ストレートの前兆を嗅ぎ分け――ダッキング!
懐に潜り込み、漲る【覇気】が稲妻と化した【雷迅拳】を叩き込む!
そこだッ!


●赫々たる熾火のその裡に
 手勢を率いず自身を晒す。プレジデントの行為は、ただの油断ではない。
 それ自体が奴を強化し、単独にして強大なるフォーミュラたらしめる。
 オリヴィア・ローゼンタールは冷静に、敵の強さと隙のなさを測っていた。

 そんな彼女の金色の瞳が、レンズの奥で鋭く細まる。
「フィールド・オブ・ナインたる貴様は、もはや人を統べる大統領とは呼べん」
「いかにも。私は「かつてそうだった」というだけのナイスガイさ」
 プレジデントは冗談めかし、あくまで不敵に笑う。闘志に満ちた瞳で。
「その物言いは気に入らないが……ひとりの矜持ある闘士としては認めよう」
 オリヴィアの姿が、真の姿のひとつ――白いパイロットスーツに変じた。
「それが君の真の姿かね。ふむ、やはり諸君は例外揃いだな」
 プレジデントがファイティングポーズを取れば、オリヴィアもそれに応じる。
 瞬間、両者を取り巻く空気がぴしりと張り詰めた。陽炎めいて大気が歪む。
(対峙してわかる、この威圧感……)
 オリヴィアは、プレジデントの体が倍近く膨れ上がったような錯覚に襲われた。
 つまりはそれほどのプレッシャー……人が単独で相手していいものではない。
 されどオリヴィアは己の五体と拳を以て、この巨悪に戦いを挑むのだ。

 先手を得たのは、当然の如くプレジデント。
 瞬時に間合いを詰め、開幕から一撃必殺級のボディブローを放つ!
「く……ッ!」
 間一髪、オリヴィアはこの破滅的な先制打を躱し、ショートフックを打った。
 プレジデントはさらに距離を詰めることで、拳打の勢いを殺す。大胆不敵!
「私の初撃を見切るとはね。ならば手堅く攻めていくとするか」
 続けざまのワンツー。当然ジャブの速度はボディブローの比較にならない。
 最速かつ危険な威力を秘めたコンビネーションを、オリヴィアはあえて受ける。
(勢いに呑まれるな。精神を落ち着け、兆しを読み取れ……!)
 オリヴィアは全神経を研ぎ澄まし、極限の集中力で敵の動きを感じ取る。
 視・聴の二大感覚はもちろんのこと、闘気を肌で感じ舌で食み危険を嗅ぐ。
 くすぶる紫煙、蒸気、果てはスーツの、いやさその下の筋肉の脈動をすら!
「一撃に賭けるか、それも面白い」
 プレジデントはオリヴィアの狙いを読んだ上で、勝負に挑んだ。
 パズルめいて構築されたコンビネーションからの、必殺のストレート!
「――そこだッ!」
 針の穴よりも細い間隙を、オリヴィアは読み勝った。
 ダッキングで致死的拳打を回避し、己の拳に稲妻を纏う。黄金一閃!
「ぐ、ゥッ!!」
 プレジデントは血を吐き、巨体をくの字に曲げて吹き飛んだ。
 丸太の如き両足で踏みしめられたアスファルトが焼け焦げて削り取られた。
 紛れもないクリーンヒット。オリヴィアは呼気を吐き残心する……!
成功 🔵🔵🔴

五百崎・零
※戦闘中はハイテンション

大統領もオレも闘いたい。じゃあやることは一つだろ
わざわざ戦いを申し込んできてるってのに、無碍にするのは失礼だもんなぁ?
真の姿を晒し、最初からとばしていく

■真の姿
通常の戦闘時よりさらにハイテンション
壊れるまで、否、壊れても戦いを続け愉しもうとする戦闘狂

…ふ、アハ、アハハハハ!!!
ああ、いい。最高にハイな気分だ。さあ、楽しくやろうぜ!!

技発動のため、相手の懐に飛び込む
敵の攻撃は基本的に危険を察知したら回避
致命傷に至らないと判断した攻撃は、避けずにそのまま突っ込む
ああ、痛い痛い
死ぬ…死にたくない!!
ひひ、ヒャハハハハハ!!

UC発動
オレの腕ごとあんたの腕も吹っ飛ばしてやるよォ!


●ハイ・ヴォルテージ
 脳髄が甘い甘いキャンディ溜まりに浸かったような、どろどろの高揚。
「アハ。アハハハハッ!!」
 五百崎・零は愉しんでいた。心の底から、魂のレベルで歓喜に震える。
 その姿は普段とさほど変わらない。ただ、その眼差しは。
「君の真の姿は精神面に作用するというわけか」
 プレジデントは涼しげな顔で言い、直後、その姿が霞めいて消えた。
 なんらかの迷彩? 否、至極単純なトリックだ――踏み込んだのである。
 プレジデントほどの筋力で地を蹴れば、それはもはや瞬間移動と同義だ。
 しかし零にはすべて視えていた。目を逸らせようはずがあろうか。
「ああ、いい。最高にハイな気分だ。イイよ、あんた!!」
 ゴォン!! と大気が悲鳴をあげた。拳と拳の激突による衝撃。
「ほう」
 プレジデントは感心と驚きまじりの声をあげ、目を細めた。
 蹈鞴を踏んだのは零のほうだ。殴りつけた片腕は無残に砕け折れていた。

 骨と肉がミックスされた拳を、握りしめる。
「ああ、痛ぇ」
 他人事めいて言い、零は右足で思い切り踏み込んだ。
 ぐっと屈んだ瞬間、頭部を消し飛ばすであろう鋼拳がすれすれと横切る。
 受けていれば死んだ。ゆえに避けた。今の零ならば、避けられるのだ。
 プレジデントは何かを言おうとしたが、それは叶わない――胴体への拳打。
「わざわざ壊れた方の拳で殴るのかね? マゾヒストか何かかな?」
 ダメージは微小。鋼鉄のような腹筋で止めている!
 べきりと嫌な音がして、零の腕だったものはさらにひどく折れた。
「痛い痛い、死ぬ……死ぬ? ハ、ハハ! 死にたくない! ひひひ!」
 プレジデントがフックを繰り出す。零は肩で受け止めた。破砕音。
「ヒャハハハハ!!」
 狂気である。零はどこまでも愉しんでいたがゆえになお狂っていた。
「この感じ、デッドマン――」
「せっかく戦いを申し込んできてくれたのに、返礼しないのは失礼だよなぁ?」
 零は鮫めいて笑った。プレジデントの背筋がぞくりと凍る。
 無事なほうの拳を握りしめる。バチバチとスパークが肉を内側から焦がした。
「オレの腕ごとあんたの腕も! ふっとばしてやるよォ!」
 温存はこのためか! 自己ダメージで片腕を吹き飛ばすほどのストレート!
 地獄の門じみた胸部に拳を叩き込まれ、プレジデントはズン!! と地を転がった。
「がは……ッ、は、はははッ」
 滝のような血を吐きつつ、ファイティングポーズで立ち上がる。
 互いの血で顔を朱に染めて闘う姿は、人と呼ぶにはあまりにも野蛮だった。
成功 🔵🔵🔴

エドゥアルト・ルーデル
いっちょ格闘にも優れる所を見せてやらねば

真の姿なんて必要ねぇ!ハジキも必要ねぇでござる!野郎ぶっ殺してやる!!!
決して真の姿が無いとかそういう訳では無いが…その分紳士的にならざるを得ない

流体金属君をグローブ代わりにして準備完了!
左を制するものは世界を制す!脱力した左手からフリッカージャブ連打でござる
ここはリングじゃないでござるからね!遠距離から顔めがけてジャブを放ちつつ機動戦でござるよ!
ま、あくまでこれはフィニッシュブローへの布石でござるがね

狙うのはカウンターですぞ!アッパーは下に潜ればいいでござる
じれて飛び込んで来た相手からのアッパーカットをしゃがみ回避!からの蛙飛びアッパー!顎狙え顎!


●イ ェ ー ガ ー(あのフォント)
「ぐえー!!」
 どこぞのボクシング漫画(もしくはイケメン男子がなんか鎧着て白馬幻想するやつ)みたいに天高く吹っ飛んだエドゥアルト・ルーデル、べちゃりと落下。
「おや、てっきり帰るかと思ったが……拒否したのかね? その有様で?」
 必殺のアッパーカットを生き延びたこと、そして棲家への転移を拒否したこと。
 それぞれに驚愕と感嘆を示すプレジデント。余裕綽々の顔だ。
「この私のソーシャルネットワークの精神波を浴びてなお、真の姿を晒さないとはね」
「真の姿なんて必要ねぇ……ハジキも必要ねぇでござる……!!」
 エドゥアルト、生まれたての子鹿みたいにガクガクしながら立ち上がる。
 顔面はあまりにひどいのでモザイクがかかっているが、驚くべきことにまだ生きていた。
 これもギャグキャラ補正だろうか? いやいや、やや難でそれはナイナイ!
「野郎ぶっ殺してや」
「ではもう一発おみまいするとしよう」
「ぐえーーーー!!」
 あっとエドゥアルト、ヒゲだから止められない! 垂直テイクオフ!

 ……と、散々に弄ばれているエドゥアルトだが。
「帰るわけがねえんだよなぁ」
 高高度にふっ飛ばされた状態で、べきりと折れた鼻を直して笑った。
「左を制するものは世界を制す! フリッカージャブ連打でござるよオラァ!!」
 エドゥアルト、まだやる気だ! 落下速度を逆に味方につけ反撃に出る!
「何?」
 プレジデントもこれには面食らった。だが当然ジャブのダメージは皆無!
 エドゥアルトは敵の追撃をジャブで潰し、虫めいて飛び跳ね距離を取る。
「まったくしぶといな。見るに堪えんよ、君」
「どこがでござるか? この紳士ぶりが見えんのでござるか? デュフフフ!」
 ニヤニヤ笑いながら分身すら起こす速度でフットワークをキメるのは変態としか言いようがない。
「……私としたことが遊びすぎたな」
 泰然自若としたプレジデントも、どうやら癪に障ることがあるらしい。
 3度目のアッパーカットで仕留めにかかる。そこでエドゥアルトの眼が鈍く光った!
「それ待ってたんでござるよぉ!」
「!!」
 地を這うほどの姿勢で懐に潜り込む。破滅的アッパーカットは空を切った!
「ハハ。これは」
「顎狙うぞオラァ!」
 SMASH!! 蛙跳びアッパー炸裂! 今度はプレジデントの両足が大地から離れる番だ!
 転んでもただでは起きない、だからこの男は厄介なのである……。
苦戦 🔵🔴🔴

アネット・レインフォール
▼静
…まさかボクシングとはな

だが、正面切って相対する点を鑑みると
ボクサーとしての血は濃いのかもしれない

ならば…胸を借りるつもりで挑むとしようか

――それが武器である以上、
拳だろうと大神だろうと使いこなして見せよう――

▼動
真の姿は白髪緋眼

敵を前に一振りで上着を全て脱捨て、
指差し『お前も男なら分かるだろう?』と挑発

細かく移動しつつ貫通攻撃や切断の闘気を込め
コークスクリューでボディやテンプルを狙い
稀にカウンターを狙う

―プレジデントォォォォ―ッ!!

ダウンは【肉体を凌駕する魂】で踏ん張る

手数で攻めつつ敵に合わせ更に踏込む。
クロスカウンターを狙うが、反撃も視野に入れて
力で押し切るかトリプロクロスも検討する


●最後に立つ者こそが
 アネット・レインフォールの髪と瞳が、常の黒から白と緋色へ染まる。
 瞬きをひとつしたアネットは、一振りで上着をすべて脱ぎ捨てた。
「お前も男なら、わかるだろう?」
 挑発的な言葉に、プレジデントはニッと爽やかに笑う。
「いいな。実にいい」
 プレジデントもまた、はちきれんばかりのスーツを脱ぎ捨てた。
 さらにネクタイを緩め、ゴキゴキと首を鳴らして頷く。
「胸を借りるつもりでやらせてもらう」
「私も同じ気持ちだよ。これだからボクシングというのは素晴らしい」
 相容れない天敵同士、されど両者の間には涼やかとすら言える空気があった。
 ……それも、ファイティングポーズを取った瞬間、木の葉めいて消し飛んだが。

 先手を得たのはアネットだ。
 シュッ、と鋭く呼気を吐き出し、小刻みなフットワークで牽制する。
 プレジデントは、飛礫めいてばらまかれたフェイントをことごとくスルー。
 その程度で動じるような手合ではない。アネットは内心で舌を巻く。
(それが無事である以上、拳だろうと大神だろうと使いこなしてみせよう……!)
 さらに一歩。プレジデントの眉根がぴくりと動いた。
「ふッ!」
 コークスクリュー! 狙いはボディ……しかしプレジデントはダッキング回避!
「いい狙いだ」
 返礼のようなブローがアネットを襲う。微妙な体捌きで威力を殺すアネット!
「ぐ……! プレジ、デント……!」
 衝撃が足元を伝い地面に逃げ、ズズン!! とクモの巣状にひび割れた。
 すぐさま両者は飛び離れ、ジャブやフックのような小技で出方を誘う。
 技量は敵が上。タフネスも同様――否、これは!
「ほう」
「……プレジデントォォォォーッ!!」
 クリーンヒットした一撃を、アネットはユーベルコードの力で耐えた。
 闘気が彼の身体を地面に縛り付け、倒れることを拒絶する。魂が肉体を凌駕した証!
「うおおおおッ!」
 趨勢が逆転。パワーで劣るアネットは手数を頼みに一気に攻め込む。
「こ、れ、は……!」
 プレジデントはガードを固める。しかし彼は即座にそれを後悔した。
 ガードが、こじ開けられる! ダメージを受ける度に攻撃が加速している!?
「ぬう……ッ!」
 引き出された。それをわかっていながらストレートを放つ屈辱。
「――!!」
 狙いすましたクロスカウンターが交錯。両者、顔面に拳をめり込ませ吹っ飛んだ!

 ――ズズン!!
 無人のビル壁に背中をぶつけ、しばしうなだれたままふたりは動かない……いや。
「これは……してやられたな」
 呻くプレジデントの霞む視界……映るのは、己より先に立っていた男の姿。
 アネットの眼差しは、気高く、力強く、プレジデントを見下ろしている。
成功 🔵🔵🔴

ヴィクティム・ウィンターミュート
──よう、そんなに俺と戦り合いたいか
大した自信だな…国を背負った酔狂野郎は違うってわけ?
だがよぉ、テメェは致命的に間違えた
どこの誰で、何をしてきたかは知らないが
オブリビオンなら、『骸の海』を相手にするのがどれだけ愚かか、分からねえか

Void Link Start
特別だ、殴り合いに付き合ってやる
ボクシングの技術は今、ニューロンにインストールした
──『Obsession』
俺の執着は、容易くねえぞ

アッパーカットは【見切り】と【早業】で回避
まずはボディーからだ…レバー、ストマック、水月
ガッツリ響くだろ?次、顔面だ
顎に目に人中…そら、急所を狙ってやる
何でテメェが負けるか教えてやろう

俺がイカれてるからだ


●オブセッション
「これは驚いたな」
 プレジデントはヴィクティム・ウィンターミュートの拳打を躱し、あるいは威力を発揮する前に同じ拳打で弾きながら、余裕綽々といった顔で言った。
「骸の海をそのような形で身に纏うとは、君は猟兵だろうに」
「……勝負の最中に、饒舌なことじゃあねえか」
 ヘドロめいて澱んだヴィクティムの眼が、プレジデントを睨む。
「ならわかってんだろう。"これ"を相手にするのがどれだけ愚かなのか」
「わかるとも。君がそうすることの愚かさもな」
 暴走機関車じみた勢いのストレートパンチ。ヴィクティムはダッキングで躱す。
 懐に潜り込んでの剃刀めいたレバーブローを、プレジデントは踏み込みで無力化した。
 空振りした拳圧といなされた衝撃が外に吹き抜け、周囲のビル街を吹っ飛ばす。

「俺の執着は」
 拮抗状態を破ったのはヴィクティムだ。両足で踏ん張り、体当たりの要領でプレジデントの巨体を吹き飛ばす!
「ぬうっ」
 ざりざりと両足で地面を踏みしめ、プレジデントは勢いを殺す。
 しかし体勢を整える前に、ヴィクティムが一瞬にして眼前に。
 プレジデントは間髪入れずアッパーを……躱された!?
「何?」
「国を背負った酔狂野郎、大した自信だよ」
 ドウ、ドウ、ドウ! 大砲を思わせるすさまじい轟音。ボディへの連撃。
 プレジデントが血の混じった唾を吐いた瞬間、その顎に拳が叩き込まれた。
「テメェにそのカリスマとやらがあるなら、俺にはこの執着がある」
 それだけがヴィクティムの武器であり、それだけで彼は闘う。
 ヴィクティムはイカれていた。命を、存在を差し出して顧みないほどに。
「狂人(ナッツ)、が……!」
「気づくのが遅いんだよ」
 ヘドロめいて澱んだ昏い瞳から、涙めいて血が溢れた。
成功 🔵🔵🔴

サクラ・メント
律儀なんだか傲慢なんだか、流石は大統領って奴ね
しかも真の姿を曝せですって――上等よ
眼帯とマスクを取って、全身の白い拘束具を解放し限界突破
紫電が迸る傷だらけの裸身を曝し
白光が全身を包み込む
この忌わしき雷女が私の真の姿
脱がせたんだから責任取りなさいよ、色男

コヴェナントを地に突き刺してリングイン
あなたの得意なボクシングで相手してあげるわ
相手の有利を強調し試合開始
ゴングと共に拳風の衝撃波で牽制しつつ距離を取る
狙いは奴が大きく踏み込んで来た所
そこで天候操作し大雨を降らせスリップを狙う
僅かでも体勢を崩せばチャンスよ
そこにギャラクティカ・デッドマンズ・スパーク――渾身の右腕
念動力で自身を押し出しブチ当てる!


●エクスプロッシブ
「わざわざ一対一でボクシングしたがるなんて、律儀なんだか傲慢なんだか」
 サクラ・メントは嘆息しつつも、眼帯とマスクに手をかけた。
 彼女の装具はただのファッションではない……強力な拘束具なのだ。
「――上等よ」
 意を決し、サクラは顔面を覆うそれを外した。直後、雷光が炸裂した。

「……これはこれは」
 露わになったサクラの真の姿を見、プレジデントは肩をすくめる。
「女性に肌を晒させてしまうとは、ナイスガイ失格だな」
「そうね。脱がせたんだから責任取りなさいよ、色男」
 全身の拘束具を解き放ったサクラの裸身は、しかしすさまじい有様だ。
 その肌は夥しい傷で覆われ、傷口からは蛇めいて紫電が迸る。
 次いで炸裂した雷光が収束し、かりそめのドレスとなって全身を包んだ。
 忌まわしきこの姿こそ、サクラの本質であり……全力全開を意味する。
「"あなたの得意な"ボクシングで相手してあげるんだから。感謝しなさい」
「私が圧倒的有利だと? それは己を卑下しすぎではないかね、レディ」
 プレジデントはサクラの狙いを読んだ上で、冗談めかす。
「君を相手に有利なつもりでいるほど、私は愚かではないよ」
「そう」
 サクラは愛剣コヴェナントを地面に突き刺し、身構えた。
 溢れる稲妻の力が、近くに聳えるビルのネオンに干渉し、爆ぜさせる。
 燃え上がった巨大看板がぐらりと落下。地面に衝突した轟音がゴング代わりだ。
「ゆえに、全力で相手をしよう。大統領だった者としてね!」
 プレジデントがファイティングポーズを取り、一気に間合いを詰める!

 一方、サクラは遠間でおもいきり拳を振るい、衝撃波めいた風を起こした。
 牽制の遠当てだ。彼女はそれを目眩ましに、逆にバックステップを踏む。
 それ自体が真空の刃めいた衝撃波を、プレジデントは純粋な筋力で防いだ。
 逃しはしない――不敵に微笑んだ顔にはっきりとそう書かれている!
「簡単には思い通りにさせてくれないのね。強引だこと」
 サクラはプレジデントの誘いに応じ、インファイトに及んだ。
 パパン! という破裂音。互いのジャブが音の壁を超えた証である。
 拳を打ち合い、あるいはダッキングで躱し、フェイントを織り交ぜる。
 あまりの速度ゆえに、常人ではふたりの拳の軌跡すらも見えないだろう。
 互いの攻防は散発的に見えて、その実両者ともに緻密な計算の上に行われている。
 まるで数千ピースのパズルを組み上げるような、いわば論理的打撃戦。
 あるラインを超えた戦士の戦いは、必然を積み重ね潮流を引き寄せるという、極めて高度な頭脳戦の様相を呈するのだ!
「やはり君は只者ではないな。部下を用意すべきだったかもしれない」
 ヒュパッ! と刃めいた鋭さの拳を躱し、プレジデントは爽やかに笑った。
 遅れて銅鑼めいた轟音。サクラの胴体にブローが叩き込まれた証!
「……ッ!」
 サクラは両足で地面を踏みしめ、勢いを殺しながらダメージに耐える。
 アイソメトリック緊張による防御は間に合った。だがすさまじい衝撃だ。
 されどその金瞳は、プレジデントを誘うように蠱惑的かつ挑戦的に細まった。
「長期戦は不利だな。決めさせてもらう――!」
 プレジデントが踏み込む。必殺のストレートパンチの構えだ。
 しかし、これこそがサクラの狙い。細めた目を大きく見開く!
「かかったわね」
「……!」
 突如として、まるで天の大釜をひっくり返したような土砂降り。
 プレジデントは即座に理解する。これは偽神細胞の力による天候操作だと。
 踏み込みの勢いが強すぎるゆえ、巨体のバランスがわずかに揺らいだ。好機!
「さっきのお礼よ――釣りはいらないから、取っておきなさい!」
 己自身を念動力で押し出し、サクラはすべての力を右腕に集束。
 傷だらけの腕が炸裂するのも厭わず、渾身のデッドマンズ・スパークをプレジデントの顔面に――叩き込んだ!!
大成功 🔵🔵🔵

兎乃・零時
【痛快無比】

成程…ボクシングスタイル!
したことはねぇけど…要は殴り合い!だろ!

だったらよ…俺様も、全力出して!
お前にぶつけてやるぜ、プレジデント!

バルタンはセコンドか!頼もしいぜ!


光術式の真なる力、真なる姿
纏いて成るは、極光の宝人!

光の破砕の術式を纏い、殴る
そう今回は直接、殴るのだ!
バルタンの声に合わせて動けばいいペースなはず!


今の俺様は光
速さは随一!

こんな美味しいポーション貰えりゃ、余計にやる気も出るってもんよ!

来いよ、プレジデント・ザ・ショウダウンッ!!!
今の俺様達は…竜巻だろうが引き裂きぶち壊すぜ!!!


フィニッシュブロー!

 リ・アクロフォス・シドリビィ
極式《極輝煌王・破砕》ッ!!!


バルタン・ノーヴェ
【痛快無比】アドリブ歓迎

オー! 白熱のタイマンデスネ!
OK、ワタシはセコンドとして、零時殿のサポートに入りマース!
真の姿(!?)、超級料理人として腕を振るいマース!
コック帽とコックコートに身を包み、コーナーで応援しマース!

広い視野からプレジデントの動きをよく観察して、声を張り上げて零時殿にお知らせしマース!
右はフェイント! 左がブロー! ガードデース!

そうしてラウンド終了時になればワタシの出番!
手持ちの材料から栄養抜群のヒーリングポーション(リンゴ味)を作り、零時殿に補給させることで負傷を回復させマスネー!
ディス、イズ、友情チームワーク!
プレジデント、アナタの敗因は一人で戦っていることデース!


●痛快無比!
「右はフェイント! 左がブロー! ガードデース!」
 無人のワシントンDCに、バルタン・ノーヴェの鋭い指示が飛ぶ。
 ちなみに、その格好はメイド服……ではなく、コック帽とコートだ。
 これが彼女の、真の姿のひとつらしい。ところではて、「指示」とは?
 プレジデントと戦っているのは彼女ではない。いわばリングに上がる選手は!
「くっ、ボクシングって、ようは殴り合いだと思ってたけど……!」
 プレジデントの鋼の拳が繰り出すコンビネーションを、なんとか凌ぐ少年。
 それは、光術式の真なる力を解放し、極光の宝人となった兎乃・零時だ。
 純粋な光に還元されたエネルギーを拳に纏い、打撃とともに叩きつける。
 極めてインファイトな、零時らしい独特な魔法スタイルでの参戦だ。
 しかしセコンド(!)であるバルタンのサポートをもってしても、敵は強い!

「光とは現世でもっとも疾いもの。それそのものを操るとは実に興味深いな」
 プレジデントは爽やかですらある表情で言い、左のブローを繰り出す。
 まともに喰らえば、零時とて上半身と下半身が別れかねない破滅的一撃だ。
 零時は硬いガード姿勢を取り、光を集中させることで威力を防いだ。
 ドウン!! と銅鑼を鳴らしたような轟音が響き、零時は大きく吹き飛ばされる。
「うおっ!!」
「……だが、私の拳は光すらも捉える。それが大統領というものでね。
 ただ疾いだけでは私は倒せないよ、少年。ボクシングは奥深い格闘技なんだ」
「上から目線でベラベラ言いやがって……!」
 全身の痺れを無理矢理に振り払い、零時はファイティングスタイルを取る。
「さすがはフィールド・オブ・ナイン、そして大統領……言うだけはありマース」
 後方からその戦いぶりを観察するバルタンは、ごくりと息を呑んだ。
 たしかに、プレジデントの格闘能力は零時の速度にすら追従、ともすれば凌駕しかねないほどのものがある。
 だが、そんなときのために、自分はセコンドとしてついてきたのだ。
「零時殿、こいつを食べるデース!」
 バルタンが投げ渡したのは、手持ちの材料から作り出したヒーリングポーションだ。ちなみに、零時でも食べやすいように甘めのリンゴ味である。
「そいつで栄養補給して、いっちょかましてやってくだサーイ!」
「サンキュー、バルタン! 頼もしいセコンドだぜ!」
 投げ渡されたポーションをキャッチし、さっそく飲もうとする零時。
 が、口までもってきたところでぴたりと動きが止まる。首をかしげるバルタン。
「? 零時殿、どうしマシター? まさかダメージが予想以上ニ!?」
「……なあバルタン」
「ワッツ?」
「これ、何味? 苦くないよな!?」
「…………オーウ」
 バルタンは肩をすくめた。
「ご安心くだサーイ、そう言うと思ってリンゴ味にしまシター!」
「やったぜ! いや苦くても大丈夫なんだけどな! ほんと大丈夫だけど!」
 とか言いつつ、零時はポーションをぐいっと呷った。
 嚥下した瞬間に、臓腑に満ちるエネルギー。疲労感とダメージが吹き飛ぶ!

 その活力のあまりに、零時の放つ光はさらに強烈なものとなった。
 プレジデントは愉快げに目を細め、ファイティングスタイルを取る。
「来いよ、プレジデント! 今の俺様たちは、竜巻だろうが引き裂くぜ!」
「ならばその言葉を試させてもらおうか……!」
 言うやいなやプレジデントの両腕が巨大化し、剛拳が放たれた。
 すべてを吹き飛ばす、オブリビオンストームにすら匹敵する大統領の拳!
「友情チームワークの力を見せてやるデース、零時殿!」
「ああ! その力、俺様のフィニッシュブローでぶち壊すッ!!」
 風に抗うは圧縮された光。極式《極輝煌王・破砕》が真正面から抗う!
 光の奔流と嵐がぶつかりあい、無人のワシントンDCに膨大なエネルギーの渦を生み出した。
「……ぬう……!!」
 プレジデントが瞠目する。竜巻が……真っ二つに引き裂かれる!
「うおおおおおおッ!!」
 流星めいて光の化身となった零時がまっすぐ突き進み、鋭拳炸裂!
 少年の拳が、プレジデントの顔面に叩きのめされ、その巨体をおもいきり吹き飛ばした――!
成功 🔵🔵🔵🔵🔴🔴

茜崎・トヲル
肉体を強化して、ボクシングで戦います。真の姿はないから、苦戦すると思う。
でもやりたいことってーか、大統領の人と話したくってさ。
死なないし、痛いもないし、すぐ再生するから、そのナイスな顔に一発くらい入れてやらー!の気持ち!

ねえ、あんたは大統領なんでしょう。大統領ってことはみんなに選ばれたんだよね?
あんたはいまもこの国が大好きなんだ。だってそんな名前名乗ってるもの。
あんたとマザーはソーシャルディーヴァだって聞いた。ねえ、何を知ってしまったの?なんでそんなに絶望しちゃったの!

がんばったんだろ!選ばれたんだろ!すごい仲間もいるだろ!
もっと誇れよ!自信持て!!全部なくして空っぽみてーな顔すんじゃねー!!


●カウンティング・スターズ
 ゴシャッ!! と、土石流を思わせるような派手な音が響いた。
 茜崎・トヲルの胸板から上が消し飛び、残骸はごろごろと無様に地面を転がる。
「……呆れた再生能力だな。しかもそれで真の姿、というわけではないらしい」
 鋼の拳についた血を払い、プレジデントは言う。
 一方、倒れた下半身が立ち上がり、一瞬でトヲルは再生した。
「ねえ、あんたは大統領なんでしょう」
 トヲルは痛みを感じたふうもなく、ファイティングポーズを取った。
「大統領ってことは、みんなに選ばれたんだよね?」
「そうとも。だがそれも昔の話だ。私を選んだ国民は私の手で殺したよ」
 プレジデントが仕掛ける。ワン・ツー。トヲルは腕を犠牲にこれを受ける。
「あんたはいまもこの国が大好きなんだ。だってそんな名前を名乗ってるもの」
「それがどうかしたかね?」
「――なのに」
 両腕を破壊しガードを物理的に崩すと、プレジデントはアッパーを放った。
 正中線で真っ二つにトヲルの身体が裂ける。再生したての腕が拳を掴んだ。
「ねえ、何を知ってしまったの」
「……?」
「なんでそんなに絶望しちゃったの! あんたは!!」
 縫合された白雉が叫ぶ。プレジデントは訝しげに首を傾げた。

「あんたもマザーも、生きてた頃は"こんなん"じゃなかったはずだ」
 トヲルが顔面狙いのストレートを放つ。プレジデントはダッキング。
 すくい取るような動きで懐に潜り込み、ボディブローを叩き込む。
 上半身と下半身が泣き別れした。トヲルは離れない。グラップルで凌ぐ。
「がんばったんだろ! 選ばれたんだろ! すごい仲間もいるだろ!」
「君は何を言っている?」
「もっと誇れよ! 自信持て! みんながあんたを選んだことを、隣の誰かを!」
「話にならんな」
 プレジデントは煩わしげに腕を破壊する。……煩わしい?
 何が煩わしい。この頭のおかしな白雉の言うことに腹を立てていると?
 名前も何もかもを失った己が、いまさら生前の話をされてなんだというのだ。
 オブリビオンにとって、絆だの友情だの、そんなものはくだらないものだ。
 世界を壊す。それこそがフィールド・オブ・ナインたる己の役割であり――。

「全部なくして! からっぽみてーな顔すんじゃねー!!」
 トヲルは再び顔面狙いのストレートを放つ。だが当たらない。
「君の言っていることは支離滅裂だ。何一つ正しくない」
「正しくないのは」
 再びの顔面狙い。当たらない。
「正しくないのは! あんただろ!!」
「君は――」
「おれは、怒ってるんだ」
 叩きつけるようなハンマーパンチ。……トヲルは両腕で受け止めた。
「あんたが、あんたのことを選んだみんなを殺したことにじゃない。
 あんたが、そんなになってまで世界を滅ぼそうとしてることじゃない」
 拮抗――否、トヲルが押し返す。……押し返す!
「あんたが! そんな顔をして、自分には何もないようなふりをして!」
「……」
「何もかもを本当になくそうとしてるのが、気に入らなくてむかつくんだよ!」
「……こいつ……」
「忘れたってんなら、思い出させてやるよ。そんで、今度こそ、眠っちまえ」
 トヲルは顔面狙いのストレートを放つ。プレジデントは避けようとした。
 だが両腕を払い除けての渾身の一撃は、恐るべき速度と勢いを持っていた。

 オブリビオンは残骸でしかなく、生前のその人本人を意味しない。
 だが、骸の海へ堕ちた時に喪ったものを、プレジデントは想い出した。
 己の名。人々の声援と期待に応えようと切磋琢磨し、希望を目指す己を。
 欲にまみれた愚か者たちの嘲笑と悪意を跳ね除けようとあがく自分を。
(私は――)
 間違ったことをすれば、それが正しいことのように思ってしまう。
 さりとて正しいことをしても、間違いのように錯覚してしまう。
 在りし日の人間社会の頂点は「そういう場所」だった。
 嘘をついてもよかった。けれど、"  "にはそれが出来なかった。
 だからこそ"  "は人々に選ばれ、プレジデントと呼ばれたのだ。

 この名は、誇りの証のはずだった。
「私は、とうに死んでいたのだな」
 届かぬ理想と希望に手を伸ばすのは、星を数えるのに似ている。
 壇上から見下ろす人々の眼差しも、輝く星空のようだった。
 そして今。終わりをもたらす流星のような拳が、眼前に迫っている。
「君の勝ちだな」
 プレジデントは笑った。顔面は跡形もなく吹っ飛んだ。
 拳圧は無人のワシントンDCをも貫く。誰もいない、がらんどうの街を。

「…………これが、忘却(オブリビオン)ってことなのかな」
 トヲルはひとりごちた。
「おれは、そんなふうにはなりたくない――ならないよ。絶対に」
 風が吹く。トヲルはしばし拳を見つめ、空を見上げた。
 黄昏のこの世界でも、夜空には相変わらず星が輝いていた。
大成功 🔵🔵🔵

最終結果:成功

完成日2021年09月17日
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