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アポカリプス・ランページ⑰〜己が肉体で超えて行け

#アポカリプスヘル #アポカリプス・ランページ #フィールド・オブ・ナイン #プレジデント #アポカリプス・ランページ⑰


●フィールド・オブ・ナイン第1席『プレジデント』
「ふむ、猟兵の諸君が来るのも時間の問題かねこれは」
『フィールド・オブ・ナイン』が1人、プレジデントが首に指先を当てて思考していた。
「エルドラドを占拠されたのは些か苦しいがまだ1000%の中の500%が削られただけだ」
 パーセントって何だっけ、ってツッコミが来るだろうが、それはそれとして。
「全ての世界の人類をオブリビオン化する私の計画を邪魔されるわけのは酷だな。だが」
 プレジデントの両腕には、赤と青の巨大な機械の腕があった。
「格闘――ボクシングに絞れば、諸君らとも渡り合えよう。正々堂々と、ね」

●肉体を以て超えて行け
「さて、戦いは中盤戦よ。覚悟はいい?」
 マリア・ルート(紅の姫・f15057)が猟兵たちに説明を始める。
「あんたらに行ってもらいたいのはプレジデントとか名乗る奴。
 言わずもがな、フィールド・オブ・ナイン、その一体よ」
 その全てがフォーミュラであるフィールド・オブ・ナイン。
 猟兵なら断固討滅しないといけない存在であろう。
「場所はワシントンD.C.。アメリカ横断もついに首都まで来たわ」
 といってもこの世界のそれに人はいなく、いるのは彼のみなわけだが。
「奴は精神波によってあんたらの闘争心のトリガーを刺激する。
 結果――あんたらは『真の姿』で戦うことができる」
 これだけなら今まででもたまにあったことだが――どうやら少し違うようだ。
「今回、奴はボクシングを望んでるのよね」
 まさかの相手の得意そうなものを要請するという事態。
 それは猟兵ならそれでも乗ってくるだろうというある種の信頼か、それとも。
「やんなくてもいいけど、乗ればもしかしたら有利になれるかもしれないわね。
 それもあってなのかわかんないけど――どうも奴、ショートレンジを好むみたい。
 いわゆる肉薄ってやつね」
 もしかしたら遠距離を重視するタイプには不利かもしれない。注意が必要だろう。
「こんなところかしら? じゃ、近くまで送るから、任せたわよ!」
 マリアは猟兵たちを元気よく送り出した。どこか歯噛みしてるようにも見えたが。


結衣謙太郎
 Presented by USAってやつかな?
 結衣(フォーミュラ決戦モード)です。
 プレジデントをボクシングで倒すってさ。
 以下詳細。

●メイン目標
 『プレジデント・ザ・ショウダウン』を討滅せよ!

●章構成
 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「アポカリプス・ランページ」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。

 今回の相手はプレジデント!
 ただし先制攻撃はありません。
 相手は皆さんに精神波を常時飛ばしつつボクシングを挑んできます。
 というかそのためにすっごい接近してきます。

 まず精神波。
 これは皆さんの闘争心のトリガーを刺激します。
 これによって皆さんは真の姿で戦えます。

 また、こいつはボクシングによる格闘を挑んできます。
 あ、世の中キックボクシングも存在するので別に蹴りをしても構いません。
 もしかしたらそういうの難しい方もいるかも……?

 ボクシングと真の姿。この2つ両方満たす事がプレイングボーナス条件となります。

●ロケーション
 復興されたワシントン・モニュメント前。
 障害物はありません。
 地面は荒野でしたが復興により平地と同じような感じになっています。

●備考
 プレイングはオープニング公開後から受け付け開始します。
 ただし全採用できない可能性がいつもより大きい点、ご了承ください。

 以上です。プレジデントで格闘希望ってことである番組思いだしたのは秘密。
 それではベストマッチな皆さんのプレイングをお待ちしています。
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第1章 ボス戦 『プレジデント・ザ・ショウダウン』

POW   :    アイ・アム・プレジデント
自身の【大統領魂】の為に敢えて不利な行動をすると、身体能力が増大する。
SPD   :    プレジデント・ナックル
【竜巻をも引き起こす鋼鉄の両拳】を巨大化し、自身からレベルm半径内の敵全員を攻撃する。敵味方の区別をしないなら3回攻撃できる。
WIZ   :    アポカリプス・ヘブン
【対象を天高く吹き飛ばすアッパーカット】を放ち、レベルm半径内の指定した対象全てを「対象の棲家」に転移する。転移を拒否するとダメージ。
👑11
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ユウキ・スズキ
「やぁ、John・Doe……なに、私は生憎とお前さんをプレジデントと呼びたくなくてな」
真の姿……ね。
(装備を全て脱いで)
「真の姿……私はただの人間だ。何も変わらない。だからこそ、名無しの男同士……本気でやろうぜ?」
竜巻を生み出す拳か。
だが、竜巻には弱点がある。
……起点さ。台風の目って言うだろ?
一気に敵の目の前まで斬り込んで、まず2発を避ける。
「ボクシングと言ったな? だが、腕だけデカくてもそんなパンチじゃ当たった所でどうってこと無さそうだ。ほら、殴ってみろよ?」
挑発。乗ってくれよ?
次が最後の一発、渾身の力で来るだろう……だからこそ
クロスカウンターを決めてやる
「こいつがパンチってやつだッ!!」



●John・Doe対不審者
「やぁ、John・Doe……」
 ユウキ・スズキ((自称)不審者さん【少尉】・f07020)がプレジデントにゆっくりと迫る。
『おやおや、いきなり私を『名無し』呼ばわりとはね』
「なに、私は生憎とお前さんをプレジデントと呼びたくなくてな」
『そうか。しかし気にする必要はない。私も色々無くしたものでね』
「それはなによりだ」
 それだけ言うとユウキは己の装備を全て脱ぎ捨てた。
「真の姿……とか言ってたな。だが、私はただの人間だ。何も変わらない」
『ふむ、まあそういう者もいるだろう。諸君はそれぞれが別種の存在だからな』
「ああ、だからこそ、名無しの男同士……本気でやろうぜ?」
『……なるほど。ならば私も本気で行かせてもらおう』
 プレジデントが構え、一気にユウキに接近すると右腕の機械が変形し巨大化する。
『プレージデーント・ナックゥル!』
「……喋るのかそれ」
『私の趣味だ。それよりもいいのかな? そんな声に気を取られて』
 そう、先ほどの技名の音声は両腕の機械から出たものだ。
 音声を出しながらも微小にビリリと音を出しながら電気が機械に走る、そして――
「っ!」
『はっはっは!』
 大地に一撃、二撃と両腕でパンチ! プレジデントを中心に勢いの竜巻が迸る!
 せっかく復興したワシントンが思いきり抉られた!

 ――だが、ユウキは無事だ! むしろ思いっきりプレジデントに肉薄している!
「お前さんの竜巻には弱点がある」
 一撃、二撃とボディブローを入れるユウキ、だがプレジデントも怯む気配はない。
「……起点さ。台風の目って言うだろ?」
『……なるほど? あの一瞬で踏み込んで肉薄したということか』
 そう、竜巻は肉薄しすぎると逆に当たらない。
 なのでプレジデントもややミッドよりのショートレンジを取ったのだが――
『いささか、見誤っていたようだね』
「いや、違う。お前さんが甘いだけだ、John・Doe」
『言ってくれるね』
 二発は避けられた。なら、もう一発来るはず。
 ここには味方は自分しかいない。故に巻き添えのリスクを考える必要はない。
「お前さん、ボクシングと言ったな?
 だが、腕だけデカくてもそんなパンチじゃ当たった所でどうってこと無さそうだ。
 ほら、殴ってみろよ?」
『見え見えの挑発だね、本来ならそれに乗る私じゃないのだが――』
 竜巻を起こすほどの拳を、今度はユウキに向ける!
『生憎、『あと1発』、残っていたのでね! これなら、避けられまい!』
「避ける必要なんかない。ボクシングのパンチを見せてやる」
 ユウキもまた構え、そしてやや顔をずらしながら右腕を伸ばす――!
「こいつがパンチってやつだッ!!」
 クロスカウンターだ――!!

「ぐあっあああ――!」
『ぐぅっ……は、ははは!』
 結果は、相討ち。クロスカウンターだからこそ起きうる事態が起きた。
 特にユウキの方は竜巻も相まりより遠くに吹き飛ばされている、が。
『いいね……君は本当にただの人間なのかな?』
 プレジデントもまた無傷ではない。両腕の機械を元に戻しながら彼を賞賛する。
「少なくとも、お前さんらオブリビオンよりはずっと人間のつもりだ」
『なるほど、やはり諸君らは面白い存在のようだ』
 プレジデントは余裕そうだが、共に消耗はそれなりにあるようだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

夜刀神・鏡介
先のスーパー戦車に引き続き今回はプレジデント……こっちも大分ぶっ飛んでるな
こちとら剣士であって拳士じゃないんだが……なんとか相手をしてみよう

神刀は収めたまま、真の姿に姿を変える。神刀はなくとも、限界を超えて自らの力を高めた状態で、格闘の構えで出る

敵が敢えて不利な行動を取るのであれば、その間に殴る――無の型【赤手】
技の射程は短いが、食らってくれるなら大威力の一撃を叩き込む。片腕に大ダメージを与えてやれれば上等

敵が本格的に動き出したなら回避優先。落ち着いて攻撃を見切り、先にダメージを与えた片腕を狙って少しずつ攻撃を蓄積させていく
最後に相打ち狙いでもう一度【赤手】。せめてその片腕は貰っていくぞ



●剣士は部位破壊を狙う
「先のスーパー戦車に引き続き今回はプレジデント……」
 銀髪となった夜刀神・鏡介(道を探す者・f28122)がため息一つ。
「こっちも大分ぶっ飛んでるな……
 それにこちとら剣士であって拳士じゃないんだが……」
『なるほど? しかしなおここに来たからというには私への勝算があると?』
「ああ、なんとか相手をしてみよう」

 ――今回、鏡介は己の武器の神刀を使えない。否、使わない。
 正直、相手の誘いに乗る必要はないのだ。不利になるだけだから。
 しかしそれでなお鏡介がこの舞台に出るということ、それはつまり――

「ふっ――!」
 鏡介が、『格闘もできる』ということに他ならない。
 例え神刀がなくとも、限界を超えて自らの力を高めた状態であれば十分。
 元来剣士というのは格闘もやろうと思えばやれるはずなのだ。
 ショートレンジの戦闘、見切り、手にかける握力――似ている部分は多い。
「無手相手だと侮るなよ」
『侮ってなんかいないとも。諸君は一人一人が強いからね』
「その割には――『左手で受けしか取っていないように見える』が?」
『相手に余裕を見せるため、己に縛りを設ける――これもまた『大統領魂』だよ』
「ああ、それがお前の大統領魂か。なら、遠慮なくいかせてもらおう!」

 ――無の型【赤手】。
 超ショートレンジでしか使えない、剣術の体捌きを応用した徒手空拳。
 技の射程は短いが、食らってくれるなら大威力の一撃だ。
「はああっ!」
 一撃――余裕ぶったプレジデントに左腕の機械にその拳が響く。
『それが君の魂か。言うなれば、猟兵魂――ってところかな?』
「ほざけ!」

 プレジデントが動きだした。
 これまでの防戦一方から反転攻勢、ショートレンジの殴り合いが続く。
 だが鏡介は圧されていた。相手の拳の威力が高い。
 UCによる強化もあり、プレジデントの威力は大したものだ。
 加えて鏡介も回避を優先していたこともあり、ジリ貧になっていく。
 ――それでもなお、鏡介は左腕を執拗に狙っていた。

 そう、最初から彼は部位破壊が狙いだったのだ。

「プレジデント、来い! せめてその片腕は貰っていく!」
『物騒なことを言うものだ。まあ、乗るのだがね』
 相討ち覚悟の二度目の【赤手】。プレジデントもクロスカウンターを目論む!

 ――だが、プレジデントの拳は届かなかった。
「ふっ!」
 素早く身をかがめた鏡介はプレジデントの出した右腕の下に潜り込む。
 そして左腕に向かい、アッパーカットを繰り出した!
『何――!』
 バランスを崩したプレジデント。横転するように転倒して尻餅をついた!
 が、そこはUCによる強化もあるのかすぐに立ちあがり追撃を防止する。
(ちっ、削り切れないか――!)
 ちらとプレジデントの左腕を見れば、損傷は割とあるものの壊すまで至ってない。
『少しは驚いたが――この機械はそう簡単には壊れないのでね』
 だがプレジデントも汗をかいているあたり、有効打ではありそうだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

シズホ・トヒソズマ
アドリブ連携歓迎

いくらナイスガイじみててもオブリビオン化なんてのはさせません
生憎、ろくなものでないとしか思ってないので

からくり人形ミコに自身を装着
真の姿として人形を体として使い戦います

UC発動
ミコを格闘戦闘形態(ICの姿)にチェンジし戦闘
流石に得手とするだけありやりますね!
しかし大統領魂を見せるならば
こちらの攻撃を受けてやり返すみたいなのはやってくれるんでしょうね、と軽く挑発
受けたら思い切り連撃します

成程
受けきるとは流石の大統領魂
ですがUCによる身体強化はさせません
この体の私の拳は強化や加護を破砕します
故にさっき受けた時にUC効果を破壊しました!
トドメに拳をボディに叩き込みます



●強化解除って色々と厄介
「あなたがプレジデントですね」
『ふむ、次が来たか』
 プレジデントに回復の時間も与えないまま現れたシズホ・トヒソズマ(因果応報マスクドM・f04564)。
「いくらナイスガイじみててもオブリビオン化なんてのはさせません」
『ナイスガイと認めてはくれるのだね。しかし、なぜだ?』
「生憎、ろくなものでないとしか思ってないので――ミコ」
 シズホの脇からもう一人出てくる。鬼のような角をしたアイドルの見た目だ。
 そしてシズホの本体が抜ければ、そのアイドル――ミコに装着される!
「そしてさらに、あなたの力、使わせてもらいます」
 ――プレジデントの精神波。真の姿を呼び起こすもの。
 それによりミコの服装も拳法家みたいなものに変わっていく!
「さあ、始めましょうか。しかし律儀に待ってくれるんですね」
『はっはっは、そういうチェンジの間攻撃しないのは一種のマナーだろう?』
 実は半分嘘だ。コードのトリガー、不利な行動の一つとして行ったのもある。
「では、もう一つ。刺青封印解除!
 鬼アイドルは仮の姿、その正体は竜紋刺青の力を宿した格闘羅刹人形!」
 ミコの刺繍が一瞬輝くと、ミコに竜の尻尾が生えてくる!
『おやおや、鬼ではなくてドラゴンだったか』
「ええ、プレジデント。
 私達はそれぞれが別個の存在、なら何もおかしくはないでしょう?」
『違いないな』
「ええ、では――行きますよ!」

 かくして、二人の戦いが始まった。
 ミコは本来運命操作能力を持つが、この状態の時にはそれを犠牲にしている。
 故にただただ、ボクシングで戦うのみ。普段M気質のシズホだが、今回は真剣だ。
 Sもやっていかないと、勝つことはできない。それはわかっている。
「流石に得手とするだけありやりますね!」
『猟兵に褒められるのはやぶさかではないね』
「ええ、しかし大統領魂を見せるならば!
 こちらの攻撃を受けてやり返すみたいなのはやってくれるんでしょうね」
『――ほう? なるほど』
 プレジデントが目を細めた。
 これまでは自分の土俵に相手を乗せてきた。
 ボクシングもそうだ、待ち構えもそうだ。
 もちろんそれは戦略の一つだ、が――もし大統領魂として余裕を見せるのならば。
『いいだろう、かかってきたまえ』
 両腕を開き、ボディを開けた。それは相手が乗ってくれた証――
「はあああっっ!!」
 ミコとなったシズホが思いっきり連撃を浴びせる。ボディにブロー、アッパー。
 おおよそ常人ならば耐えきるのが不可能なほどの連撃を、浴びせ続けた。
「これで――終わりです!」
 トドメに一発、正拳突き。プレジデントが大きくのけぞった。

『――はっはっは』
 ――プレジデントは、まだ、元気だった。
『いやお見事だ、普通のオブリビオンなら一たまりもなかっただろう』
 拍手までして余裕そうなプレジデント。一方のシズホはというと――
「成程――受けきるとは流石の大統領魂」
 息を整えながら感心していた。まさか押され気味か?
「――ですが、UCによる身体強化はさせません」
『ほう?』
 プレジデントが胡乱な目をする。到底信じられないように。
「――この体の私の拳は強化や加護を破砕します」
『何? ――まさか』
「故にさっき与えた時にUC効果を破壊しました!」
『――そんなことがあるわけが――』
 そこまで言うとプレジデントははっとしたように己の体を見た。
 ――自分の体の感覚というのは、自分が一番知っている。
 そう、先ほどまで大統領魂でより上がっていた能力――それが。
『ほ、本当に、壊したというのか――!』
 ――元に戻されていた。強化(エンチャント)を、破壊されていた。
「こうなってはもう、私の独壇場です」
 シズホが人形――ミコの指を鳴らしながらプレジデントに迫る。
『ま、待て、待つんだ』
「待ちません! 生憎私は、チェンジ中にも攻撃するたちです!」
 シズホの正拳が、思いっきりプレジデントのボディに入り、大きく吹き飛ばした。

大成功 🔵​🔵​🔵​

キング・ノーライフ
市長はプロレスラー、知事はボディビルダー、大統領はボクサーか。この国で偉くなるには鍛えないといけないらしい。まあ神には関係のない話だ。

【贄の名残】でアイコンの姿に変わる。
そこから真の姿の開放で金属の翼の出現と【王の小手】と両手の融合、「我は機械の神だ、両手を金属の拳にするなど動作もない」。

後は【ダンス】を踊るように【見切り】って急接近。食らっても【激痛耐性】で怯まず近づき「ハニートラップはお好き?」と体を密着させて【誘惑】。からかい終えると巨腕と巨体の隙間をUCの特性で縫うように動いて超インファイト。

トドメに強化された脚力を使って全力のアッパーを仕掛ける。
「古来より偉い男は強い女に弱いのよ」



●ハニートラップ(ボクシング)
「市長はプロレスラー、知事はボディビルダー、大統領はボクサーか。
 どうもこの国で偉くなるには鍛えないといけないらしい」
『それはこの黙示録の黄昏(アポカリプスヘル)だからこそ、ではないのかな?』
「かもしれないだろうが――まあ神には関係のない話だ」
 体勢を整えるプレジデントに口撃でとりあえず優位を取ろうとするキング・ノーライフ(不死なる物の神・f18503)。
「どれ、食らった物の力を使うか」
 キングが一瞬にして緑髪の女性の姿に変わる。
 ――エージェント・アマガエル。カエルの顔をしたUDC。
 その中にいた、雨の名を冠する女性。その魂を使い変身した姿だ。
『ほう、君の正体は女だったのか』
「ええ。さぁ、踊りましょ、プレジデント?」
 キングは踊るようにプレジデントの拳を見切り肉薄――どころじゃない。
 零距離、体を密着させる。拳が体に響くが怯む様子はない。
 そのままプレジデントを誘惑しにかかる――!
「プレジデント、ハニートラップはお好き?」
『はっはっは、ジャパンで言う英雄色を好むというものかな。だが』
 ――全く効いていない! プレジデントの拳がキングをやや吹き飛ばす!
『ハニートラップなんぞ、何度も受け続けたものでね』
 好みすぎて慣れちゃってたパターンだったー!
「へぇ、じゃあこれはどうかしら?」
 キングとしての力を使い、背に金属の翼、王の籠手を両手に装備する。
 ――否、篭手に至っては、もう『融合している』。
「我は機械の神だ、両手を金属の拳にするなど動作もない」
『それは興味があるね。先ほどの変身といい――面白い』
 言うや否や、キングとプレジデントは共に再び肉薄を図った。
 キングがその中巨腕と巨体の隙間を縫うように動き、インファイトを仕掛ける。
 ガチン、ガチンと響き合う音がすれば、両者譲れない戦いを繰り広げる。

 一度、攻撃の勢いで二人が離れた。
『いやはや、強い女というのも良いものだ。あれはいつだったか――』
「その思い出は、骸の海で思い出すことね!」
 キングが踏み出し、再びインファイト。だがプレジデントは先程より硬い。
 ――先の想起はコードのトリガー、不利となる行動。
 大統領魂として、惚れた女のことは忘れずに想起しようとするその思いだ。
 ――そんなものを大統領魂として良いのかというのはあるだろう。
 が、それこそ『英雄色を好む』ものだ。

 だがキングの方も負けてはいない。
 インファイトで一瞬プレジデントの体勢が崩れたのを見逃さない――
「古来より偉い男は強い女に弱いのよ」
『違いないな――!』
 強化された脚力を使って踏み込むキング。
 そしてそこからの全力のアッパーが、プレジデントの体を打ちあげた――!

『ぐっ、うう』
 墜落したプレジデント、だがまだ行けるという風に立ちあがる。
『――これはとんだハニートラップにあったものだ』
「あら、どうも」
 キングはUCを解き、元の姿に戻る。
「楽しんでいただけたなら、何よりだ」
 そしてプレジデントが立ち上がるのを、ただ見つめていた。

成功 🔵​🔵​🔴​

片桐・公明
【POW】
テーピングした両手を開閉して具合を確かめてからリングIN
真の姿を開放し黒コートを纏う
言葉を交わす代わりに殺気を向ける

基本的に相手に合わせてボクシングスタイルで戦う
UCによるステッピングの回避とジャブによる牽制で
防御主体の戦い方をする

相手の大技に合わせてUCを乗せた渾身の右ストレートを打ち込み
怯んだところを一気にラッシュで詰めていく

(絡み、アドリブ歓迎です。)



●プレジデントvs■■■
「……プレジデント」
『おや――っ』
 一瞬、プレジデントが怯んだ。
 目の前からやってくるその女性、それが纏うオーラに。
 黒コートを纏い、テーピングした両手を開閉して一つ頷き彼女――片桐・公明(Mathemの名を継ぐ者・f03969)はプレジデントの前に立つ。
『そんなに血走った眼をしなくてもいいじゃないか』
「――」
 言葉はない。代わりに殺気だけがプレジデントに向かう。
『……やれやれ、私は暗部の人間でも相手にしているのかね』
「――」
 やはり言葉はなく、殺気だけが走る。
『……会話はできない、か。全く、あの戦車を相手にしているみたいだよ』

 両者、同時に踏み出す。右の拳がぶつかり合う。
 プレジデントが左の拳を出せば公明はステップで回避しジャブで牽制する。
 相手に合わせたボクシングスタイル。しかし殺気と裏腹に公明は防御寄りだ。
 だが、実のところ――
(――あの殺気、ただものではない……防御して大統領魂を貯めた方がいいか)
 ――プレジデントも防御寄りの戦法だった。

 共に相殺や牽制を繰り返し、千日手の状況。そんな中――
「――は、」
『む?』
 ようやく出た、言葉らしい言葉にプレジデントは手を止めた。
「は、はははははhahahahahahaha――――」
 公明が突然出した笑い声。まるで気が狂ったかのようなその声――
『――NASA跡地から『宇宙の幼生』でも持ってきたのかな』
 プレジデントがどこか心配そうに公明に近寄り、手を差し伸べる。
 が、公明はその手を振り払った。
「――さわんじゃねえよ。その命の欠片もないような手で」
 ひときわ強い殺気が溢れた。思わずたじろぐプレジデント。
 そしてゆっくり、公明の首が、目がプレジデントを向く――
「せっかくあたしの出番なんだ――ゆっくりじっくり、■し合おうぜ……?」
『――これは、放置しておくとまずい類だな』
 プレジデントも恐怖を感じた。これは、早めに倒さないとまずい、と。なら――
『受けてみたまえ、これが君を■す拳だ――!』
 右腕の機械をブーストさせ、渾身の右ストレート――!

 ――だが、公明の方が上だった。
 武術と舞踊の組み合わさった動きでプレジデントに一瞬で肉薄する。
 そして、逆に――プレジデントに右ストレートを打ち込んだ。
『ぐっ、ぐぅぅ――』
 思わず怯むプレジデント。しかし公明はそこから止まらなかった。
 一気にラッシュをかけ、プレジデントを攻撃していく。
 頬を、頭を、目を、耳を、鼻を、胸を、腕を、足を。
 とにかくひたすらに攻撃するその姿はまさに殺人鬼――嗚呼、そうだ。
 今の彼女は――■■■■■に近き存在なのだ。
 手加減などしない。否――できるはずがない。
 これはまさしく、■し合いなのだから――

『ぐっ、うぅぅ……』
 数刻の後、プレジデントは後ずさりした。だが――
『ふんっ!』
 踏み出しから一気に左ストレートを浴びせ、公明を吹き飛ばす。
 近くの茂みに埋もれた公明が出てこないのを見ると、漸く息を整えるのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

五ヶ谷・グレン
ふと思い出す幼い日、俺がまだ商人の息子で、船のマストなんか折る少し前。
船乗りがしていた殴りあい

⬛真の姿
色味に黒が増し、黒衣の犬系獣人(垂れ耳)のような姿、輪郭が微かに揺らいでいる

⬛殴り愛
ブラッドルビーのお嬢さんもだか、
プレジデントも割合小柄だな?

なんかな、俺みたいのと殴り会いたいなら付き合おう。

肉体改造で同じ位のサイズになり。
結界術に属性攻撃で絶縁。
魔女の落涙でお互いの手を結び。

さて、やろうか。
たしか、こういうのこの国にもあったよな?
地元じゃさて貰えなかったからなぁ。

殴られたら全力で殴り返す。
4トンばかりの質量とちからもちの全力で。
逃げようとするならUCでソーシャルネットを掴んで引き寄せ、殴る



●追想
 ――ふと、幼い日を思い出した。
 あれは俺がまだ商人の息子で、船のマストなんか折る少し前。
 船乗りがしていた殴りあいがあった。

 お互いの手を結び、殴り合う。
 ぶっ飛ぶことはまずないし、単に殴り合いとしてなら――否。
 『殴り愛』としてなら――それはとても魅力的に見えた。

 殴られたら全力で殴り返す。
 その姿は、力持ちの巨人たる自分には、眩しすぎるものだった――

●模倣
 ――嗚呼、このような舞台が用意されたのは魔女のいたずらか。
 否、違う。彼こそが魔女だ。プレジデントの目の前に立つ、この巨人こそが。
 五ヶ谷・グレン(竈の魔女はだいたい筋力で解決する・f33563)、力持ちの魔女である。
 ――その姿は、輪郭が微かに揺らぎ不安定さを感じさせる。
 だが、色味に黒が増し、黒衣の犬系獣人のような姿となった彼は、ただ一人。
 プレジデントを見下ろすのみだった。

「ブラッドルビーのお嬢さんもだが、プレジデントも割合小柄だな?」
 グレンは語った。
『小柄でもマンモスを倒して見せるのが人間というものさ。
 もっとも、今は人間の形をしたオブリビオンだが』
 プレジデントは語った。
『――で、どうするのかな、やりたいなら一向にかまわないが』
「ああ――なんかな、俺みたいのと殴り会いたいなら付き合おう」
 グレンはプレジデントと身長を合わせると、結界術と属性攻撃を合わせる。
 次の瞬間、プレジデントの両腕の機械がいきなり停止した――絶縁だ。
「小細工なんかなく、正面から」
 魔女の落涙で結ばれたお互いの手。それはまさにあの日夢見た光景に似ていた。
「さて、やろうか。
 たしか、こういうのこの国にもあったよな?
 地元じゃさせて貰えなかったからなぁ」
『なるほど。それはかわいそうに。
 では、プレジデントの私が相手しよう。
 言っておくが、機械に頼らずとも私は強いぞ』
「ああ、加減はしない」

 二人は殴り合う。
 プレジデントが殴ればグレンも殴り。
 グレンが殴ればプレジデントも殴った。
 共に顔に痣ができるほどの殴りあい。
 それはそうだ、グレンは力持ちの全力――4tばかりの質量で殴っている。
 むしろ機械起動できないまま応戦できているプレジデントの方が凄いまである。
『くっ――』
 プレジデントがこのままじゃ危険だと一度逃げようとする、が。
「なぁ、ここまで来たんだ、もう少し付き合ってけよ」
『っ!? な、なんだ、この感触は――!』
 己のソーシャルネットを掴まれる感触。あるはずのない感覚が目覚める。
 そしてそれは確実に、グレンに引っ張られているのだ。
 ――これこそがグレンのUC。イマージナリー・びったんびったん。
 あるはずのないものを、掴み取る技である。
『ぐ、ぐぬぬぬ、引っ張られる――!』
「逃げようとするからだ。おとなしく引っ張られれば苦しまなくて済む」
『ぐおおおお――!!』
 プレジデントも必死の形相だが、そこは力持ち。
 ついにはグレンの目の前に引っ張られてしまった。そして――
「ふん!」
 正拳突き一発。思いきりプレジデントが壁にぶつかる。
 魔女の落涙は切れ、絶縁された機械も動きだす。が――
『は、はは、ただ力が強いというのは、厄介だね――』
 プレジデントは息も絶え絶えだった。

 ――グレンは思考していた。
 誰であったか、殴り合いを『殴り愛』と表現した者がいた。
 この戦いは、その『殴り愛』に果たしてなれていたか――

 ――嗚呼、でも哀しいかな。
 片や猟兵、片やオブリビオン・フォーミュラ。
 分かりあえることなど、あるのだろうか――

成功 🔵​🔵​🔴​

ナイ・デス
これが、オーバーロード、なのでしょうか
慣れたら、もっと動けそう(文字数増加的な意味)ですね

『リベレイション』

真の姿「光」となって
一番、殴る戦いに向いた姿へ
黒剣、彫像と融合して、竜のような体となる

お待たせしました、スポーツマンの大統領
……勝負です!

背から光を放ち【推力移動忍び足ダッシュ】のフットワークで迫って
【鎧無視重量攻撃】防がれても衝撃が突き抜けていくような重い拳を振るう
技量が違うと思うから、回避は考えない
【覚悟激痛耐性継戦能力】私にできる格上殺しは、倒れないこと
泥臭くとも、諦めないで、再生してより速く、より重くと動きが加速して

弱くとも、強くなる
成長するのが、私の、私達の力、です!



●余裕をなくせ
「力が、呼び覚まされる……これが、オーバーロード、なのでしょうか」
 精神波の影響を冷静に分析するナイ・デス(本体不明のヤドリガミ・f05727)。
「これに慣れたら、もっと動けそうですね」
『はっはっは、諸君がそれに慣れられるかどうかは、諸君次第だがね』
「ええ。ですから、言われずとも大統領で試させてもらいます。
 ――『リベレイション』」
 言うや否やナイの姿が一際眩しく輝く。瞬間、ナイは『光』となっていた。
 光となったナイに黒剣と彫像が集まり、融合し、竜のような体となる。
 そう、これこそがナイの『ダイウルゴス』としての力。
 その名も、ブレンホルズ・ジヴィライゼーションだ。
「一番、殴る戦いに向いた姿へ変身させていただきました。
 お待たせしました、スポーツマンの大統領……勝負です!」
『スポーツマン……か。いいとも、かかってきたまえ!』
 やっぱりチェンジ中はコードのトリガーにするのもあり攻撃しない大統領である。

 先手必勝、ナイは背から光を放ち、一気にプレジデントに肉薄する。
 ――次の瞬間には、重い拳が振るわれていた。
『――なん、だと!?』
 初撃からの強い攻撃に思わず後ずさるプレジデント。
 大統領魂の強化をもってしても見切れなかった。
 それは自身の消耗もあるが――ナイの速度によるものが大きい。
 何せ最大時速11300キロのスピードだ。これを見切れる方がむしろ恐ろしい。
『ぐっ、なんだ、この腹に穴を空けられたような感触は――!』
 ――実際はまだ空いていない。が、強い衝撃が突き抜けていく感触を与える。
 いつしかプレジデントの額には汗が浮かんでいた。
「これが私の力です。大統領さんもどうぞ?」
『くっ――だが、私は負けない!なぜなら私は大統領だからだ!』
 大統領魂全開、ナイに重い右ストレート。それをナイは――ただ受け止める。
 技量が違う。だから、回避なんか考えない。
 ただただ、相手の攻撃を受け止める。
「――私にできる格上殺しは、倒れないこと」
 己の体が、鎧が、壊れていく。しかしその刹那に再生する。
 そして、再生した分だけ、強くなる。

 ――光は、消えない。
 決して、消えることはない。

「泥臭くとも、諦めないで、再生してより速く、より重く」
 動きが加速していく。
 インファイトの応酬、共に強烈な一撃が叩きこまれ、共に大ダメージを負う。
 その中で、ナイはやられるたびに、『成長』していた。
 それは――まるで、どこかで雷を使うある親分のように。

「弱くとも、強くなる!
 成長するのが、私の、私達の力、です!」
『――っ!』
 『成長』を繰り返したナイの強烈な一撃が、プレジデントの胸に入った。
 ――モロに命中。プレジデントが思わずよろける。
「はああああっ!」
『なっ!』
 この隙をナイは見逃さなかった。
 ナイの渾身の一撃が、プレジデントを大きく吹き飛ばす!

『ぐっ、ぐああああっ――!』
 地面を転がるプレジデント。
 しばらく立ちあがらない様子を見て、終わったかと思った。

 が――
『まだだ……私も、大統領魂にかけて、終わるわけにはいかないのだよ』
 どこか余裕のなさそうな表情で立ちあがるその姿は、どことなく辛そうだった。
 まるでそう、意地だけで立っているかのような――

成功 🔵​🔵​🔴​

荒谷・つかさ
へえ、拳と拳によるぶつかり合いがお好み?
奇遇ね、私もそういうの……大好きよ。
生憎ボクシングのルールには明るくないから、見様見真似になるけれど。
それでもよければ一死合、お願いしてもよろしくて?

【超★筋肉黙示録】及び真の姿発動(外見はイラスト参照)
プレジデントを真似て構え、防御して様子見
拳の打ち方やフットワーク等を見て、まずはボクシングの作法を学ぶ
ある程度学んだら反撃開始、後は互いの魂のぶつかり合い

大統領魂、大したものだわ。
だけど必ず私が勝つ、何故ならば。

私の筋肉は最強無敵だからよ!!!(どんッ!!!)

さあ、もっと続けましょう?
こんなに楽しく正面から全力で殴り合える相手なんて、そうはいないもの!



●そして拳と拳のぶつかり合いは――
「へえ、拳と拳によるぶつかり合いがお好み?
 奇遇ね、私もそういうの……大好きよ。」
 最後に現れたのは、一人の女性。
 怪力女性――荒谷・つかさ(逸鬼闘閃・f02032)だ。
『おやおや、君みたいな可憐な女性が肉体言語を好むとは。
 なかなかどうして世の中は不思議なものだ』
「ええ、そうね。といっても生憎ボクシングのルールには明るくないのよ私。
 だから、見様見真似になるけれど。それでもよければ――」

 一死合、お願いしてもよろしくて?

『――はっはっは』
 プレジデントが一際大きく笑った。
「その『試合』は『試合』ではなく、『死合』――dead or aliveの方、だろう?」
「――ええ」
 つかさの髪が銀色に染まり、手足が赤く、異形の形を取る――!
「始めましょう? 『死合』を」
『ああ、始めようとも。『死合』を』

 ――No escape. Dead or alive.
 猟兵とオブリビオン・フォーミュラ。相手を見逃すなどありえない。
 ――これは、試合であっても、スポーツではない。
 例えるならそう、生死をかけた死合(せいぞんきょうそう)なのだ。

「――っ」
 プレジデントを真似て構え、防御して様子見するつかさ。
 まずは相手を、そしてボクシングを知ることからだ。
 注目するはプレジデントの拳の打ち方やフットワーク。
 自分に使えるものはないか、それとも――
『おやおや、見様見真似とは確かに言ってたが――守ってばかりではないか』
 プレジデントもつかさの戦いに疑問を感じたようだ。
『守りばかりではいずれは乱れる。それでは試合になどならない』
 つかさを軽く吹き飛ばしたプレジデントはボディを開けた。
『かかってきたまえ、君の力を見せてみるといい』
「――そうね、そろそろいいかしら。では」
 瞬間。
「遠慮なく」
『ふぐっ――!?』
 プレジデントのボディに、深く拳が刺さっていた。
 思わずのたうつプレジデント。予想以上に力強い――!
『こ、ここまでの怪力とは、想定外だよ』
「あら、どうも。生憎、スーパー戦車の弾を受け止めるくらいには強いからね」
『なっ――』
 プレジデントが動揺を見せた。
 スーパー戦車といえばあのフィールド・オブ・ナインか。
 あれの弾をあの素手で、受け止めた、と。となれば――
(まさか、精神波を出したのは悪効果だったか――!?)
 闘争心と真の姿。それを呼び起こす精神波は、自分を追い込んだかもしれない。

 ――だが。
『――はっはっは――』
 それがどうしたというのだ。
 もはや意地ともいえる大統領魂、それがあれば――きっと受け止められるはず。
「どうしたの、笑っちゃって。そんなにおかしい?」
『いやなに、びっくりした程度だよ。では、再開しようか』
「ええ」

 ――その後も互いの拳がぶつかり合った。
 まるで、互いの魂のぶつかり合いのように。
 つかさがやられれば超★筋肉黙示録で。プレジデントがやられれば大統領魂で。
 ただただ、技術とかを超えた、心のぶつかり合いがそこにはあった。
「大統領魂、大したものだわ」
『お褒めにいただき光栄だね』
「ええ、だけど、必ず、私が勝つ、何故ならば!」
 つかさの渾身の左ストレートが――
「私の筋肉は――最強無敵だからよ!!!」
 プレジデントの右腕の機械に突き刺さった!
 右腕の機械がバチバチと音を立てながら黒い煙を吐く!
『そうか、これも壊すか! さすがだ猟兵諸君、やはり面白い!』
「――さあ、もっと続けましょう?」
 つかさがニヤリと笑みを浮かべる。プレジデントも何故か笑みを浮かべていた。
「こんなに楽しく正面から全力で殴り合える相手なんて、そうはいないもの!」
『私もだ! 久しく感じたな――この心の高ぶりを!』

 ――戦いは、長きにわたり続いた。
 昼から夕方、夜になっても2人の戦いは続いていた。
 次で終わりだ、その言葉をお互い何度言っただろうか。
 その度に耐えられて、戦いは続いていた。

 ――それは意地のぶつかり合いだったが、思いのぶつかり合いでもあった。
 正面から全力で殴り合えるそんな相手――嗚呼、もし状況が違っていたならば。
 片や猟兵、片やオブリビオン・フォーミュラ。
 でも、状況が違っていたら――分かりあえる可能性もあったのではないか――
 だがそれは、if(もしも)の話に過ぎない。
 今はただ、敵同士。残酷なことに、ただそれだけなのである。

 つかさも全身痣だらけで、プレジデントも機械の腕はとうに機能停止していた。
 それでも、なお――
「次で――本当に終わりにしましょう」
 続けるのは――
『ああ、終わりにしようじゃないか』
 ――きっと――

 ――これが、互いの意地を張り通した、『殴り愛』だったからではないだろうか。

「はあああっ!」
『ふんっっ!』
 互いの、全力を乗せた右ストレートがぶつかり合う。
 拳と拳のぶつかり合い、幾度も見て、手で感じたそれ。

 ――だが。
『……はは』
 その拮抗に、綻びが生ずる。
「はぁ、はぁ……」
 二人の拳が離れる。荒い息を吐くつかさの前で、よろめくプレジデント。
『久しぶりに楽しかった――ああ、そうだ。
 確かにボクシングは確かに私のフィールドで戦ってほしかっただけだ――だが』
 そのまま――プレジデントは仰向けに倒れた。
『どこかで、私はこういうのを、望んでいたのかもしれないな……』

 ――君たちの勝ちだ、猟兵諸君。
 そして……ありがとう。

 それだけ言い残すと、プレジデントは爆発した。
 正確には両腕の機械が、だが。プレジデントも恐らく死んだだろう。
「……プレジデント。いい、戦いだったわ。ありがとう」
 つかさはそのプレジデントだったものを、暫く見つめていた……

成功 🔵​🔵​🔴​



最終結果:成功

完成日:2021年09月14日


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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト