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去れど少年少女は救いを乞う

#ダークセイヴァー

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#ダークセイヴァー


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●少年と少女の逃走劇
 暗い森の中を2人の人影が駆けていた。
 それは12~13歳程度の年端もいかぬ少年と少女。
 少年が少女の手を引く形で2人は月明かりを手掛かりに走っていた。
 少年はところどころ穴のあいた見すぼらしい服を着ているが少女は可愛らしいドレスに身を包み化粧を施されている。
 対照的な格好をした2人はお互いに声を掛け合っていた。
「頑張ってリナ!もうすぐ僕たちの秘密基地だ!」
「うん!ありがとうエド」
 少年-エドの気遣いにそう答える少女-リナだったがその顔色は悪い。
 疲労はもちろんのことだがそれ以上にリナの優しさが原因だった。
「大丈夫かな・・・今からでも戻ったほうがいいんじゃ・・・」
 リナはその不安を口にする。
 この逃走劇は村の人たちに多大な迷惑をかけることだということをリナは自覚していた。
 そしておそらく迷惑ではすまない事態になるだろうことも。
 この地を支配する領主の下へ花嫁いや贄として連れだされる直前、恐怖に押しつぶされそうになったリナの前に現れたエドは救いだった。
 その差し出された手を握ってここまできたが村の人たちへの罪悪感は拭えない。
「それでも・・・それでも僕はリナが行っちゃうのは嫌なんだ」
 エドもそれは十分に理解していたがそれ以上の想いを持っていた。
 それを聞いて、そして知ったリナはもう不安を口にはしなかった。

●グリモアベースにて
「集まれ皆の衆!ラブロマンスの波動ですよ!」
 アホ毛をぴょこぴょこさせたアリア・ヴェルフォード(謎の剣士X・f10811)は興奮気味に予知した光景を集まった猟兵たちに語った。
「これはダークセイヴァーの小さな村で起こっている事件です!13歳のリナという少女がこの地を支配する領主・・・まぁ十中八九オブリビオンなんですが、それに花嫁として捧げられようとしています!」
 ええ、少女を花嫁にするのか・・・と引き気味な猟兵たち。
「まぁ実際には花嫁という体の生贄なんですが・・・。で、ですね、そしたらなんと!そのリナと仲のいい12歳のエドという少年がリナを連れて村から逃げだしたんです!現状はまだ逃走劇を続けている最中みたいですね!」
 それを聞いた猟兵たちからおーやるなぁ少年という声があがる。
「まぁそれでもまだ彼らは子供ですから長くは続かないでしょう。子供の足で行ける範囲も限られていますからね。それに生贄がこないことを知ったオブリビオンが村に何か仕掛けてくるかもしれません」
 村では大人たちが捜索隊として2人、いやリナを血眼になって探しているようだ。
 2人が木が生い茂る山に入っていくのを見たということで盛大な山狩りが行われている。
 ただ大人たち全員が探しに出向いたというわけではなく、探しに行かずに村に残っている大人たちもいるらしいということをアリアは話す。
「なので最終的にはこのオブリビオンを倒すことになりますが、まずは村の大人たちより速くこのリナとエドを無事に保護してあげてください!」
 敵のオブリビオンに関しては予知で見えなかったようだが、この事態を落ち着かせることができれば何かしら聞ける可能性が高い。
「2人は秘密基地という場所に向かっているようでした!おそらく山の中にあると思います!秘密基地というからには隠されているとは思いますが・・・2人をよろしくお願いします!」
 アリアはそう言って一度頭を下げた後、猟兵たちをテレポートで送り出した。


小牧葵
 こんにちは小牧葵(こまき あおい)です。
 名前だけでも覚えていってください。

 今回の舞台はダークセイヴァーです。
 シナリオとしては少年と少女そして村を守り、オブリビオンの支配から救うことが本シナリオの大まかな流れです。
 第1章は秘密基地を見つけだして2人を保護することが目的になります。
 POW、SPD、WIZの内容に囚われなくていいので皆様の自由なプレイングをお待ちしています。
 ではよろしくお願いします。
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第1章 冒険 『消えた花嫁』

POW   :    捜索隊を押し留める。

SPD   :    手当たり次第にいろいろな場所に出向いてみる。

WIZ   :    手がかりを元に居場所を推理する。

👑11
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●前夜の騒乱
 村では領主様の花嫁になるはずだった少女のリナがいなくなったことを受けて大きな騒ぎが起こっていた。
「まだ見つからないのか!」
「家の中も全部くまなく探せ!どっかに隠れているかもしれない!」
「なんで前日の夜になって逃げ出すんだ!あの娘は村のためと納得していたはずだろ!」
 怒号をあげながら捜索しているのは夜間とあってか大半が男達だ。
「どうする、このまま見つからないと隣村みたいになるぞ!」
「俺の娘も村のために去年花嫁になったんだ!このままじゃあの娘が浮かばれないじゃないか!」
 村においては花嫁という言葉は忌々しい言葉として扱われている。
 そして花嫁が領主の元に行かなければ・・・この先は口にするのも恐ろしい。
「おい!エドがいないぞ!」
「くそっ、エドの仕業か!リナに説得されて大人しくしてたじゃないか!」
 村の中でもう1人いない人物が居る。
 それはリナと一番仲良くしていたエドという少年であり2人の仲は村中の人間が知っていた。
「ってことは山か!あの2人は何時も遊びに出かけるときは山だった!」
 そして知っているということは2人が普段何をしているのかも知っているということに他ならない。
「この時間から山狩りかよ!」
「急いで準備しろ!今晩中に見つけだすぞ!」
 村の男達は捜索隊を結成して山狩りへと向かうのだった。
彩花・涼
少女を助けようとする少年の勇気は是非守りたいな
必ず2人を助けてオブリビオンを倒すとしよう

少年たちを探すのは他の猟兵に任せ、私は捜索隊を足止めする役目を担う
捜索隊の進行方向で斬り倒せそうな木を斬って【地形の利用】で動きを止めさせ、話しかけ説得する
「悪いがココから先へは行かせない、少年の勇気に私達は彼らを守ると決めた」
「私と他の猟兵を信じてほしい」
必ず領主を倒し村を開放するので引き上げてほしいと説くが、それでも納得行かないようなら【殺気】で逃げ帰るよう威圧する……が、できれば納得して自分たちから戻ってもらいたいものだ



●足止めと説得
 村の男たちは山狩りの準備を済まし、山を捜索するために麓まで移動していた。
 そして麓に着きいよいよ登ろうとしたところで男たちは唯一の山道が何かに塞がれていることに気付く。
 それは根元から斬り落とされた木々。それがこの先には進ませないと言わんばかりに積まれていた。
「おい!何だこりゃ木が倒れてるぞ!」
「こっちもだ!誰の仕業だ!夕方までは無かったぞ!」
 その光景を見て男たちはざわめく。
 そんな彼らに上から声がかけられる。
「悪いがココから先へは行かせない、少年の勇気に私達は彼らを守ると決めた」
 男たちが見上げると積まれた木々の上に彩花・涼(黒蝶・f01922)が立っていた。
「お、お前は誰だ!」
「これをやったのはお前なのか!?」
 突然の見慣れぬ女性の登場に困惑しつつ尋ねてくる村人たちに彩花は簡潔に答える。
「そうだ、私がやった。私は彩花涼、猟兵だ。君たちの村を支配している領主を倒しに来た」
 いきなり現れた彩花がこの光景を作りあげた上にあまつさえ領主を倒しにきたと言う。
 この事態に村の男たちは完全に困惑していた。
「本当にお前がやったのか!?他に仲間が居るんだろう!」
「猟兵何て聞いたことも無いぞ!もしかして領主様の配下で面白半分に俺たちを騙そうとしてるんじゃないか!?」
 彩花はそんな男たちの様子にすんなりとはいかないか・・・と溢した後にその疑問に答えていく。
「さっきも言ったが私がやった。そしてここには居ないが仲間はいる。既に少年と少女の捜索のために山に入って行った。猟兵というのは簡単に言えばレジスタンスだ。要するにここを支配する領主を倒して村を解放しに来たということだな」
 改めて彩花の説明を聞いた男たちは半信半疑といった様子だった。
 できれば彼らもそういう存在が本当に居るのなら頼りたいが急にこんな虫のいい話があるのかといったところだろう。
「ほ、本当に領主様を…倒すことができるのか?」
「おい!お前はこいつの言うことを信じるのか!?」
 1人の男がすがるように声をあげ、それを隣の男に叱咤される。
「だ、だってこんなことができるならもしかしたら倒せるかもしれないじゃないか!そしたらエレナだって・・・」
「馬鹿野郎!あの化け物を倒せる保障は無いじゃないか!それにお前の娘だってもう・・・」
 声を上げたのは去年娘を花嫁として連れて行かれた男だった。
 それを叱咤する男も領主のことを化け物というあたり何か思うところはあるようだ。
「私たちの力を知らない君たちには信じてくれということしかできない。だがそれでも言おう。私と他の猟兵を信じてここは引き下がってほしい」
 彩花のその言葉を聞いたものの踏ん切りを付けられなかった男たちは帰っていくということは無かったものの無理に登っていこうとはしなかった。
 彩花は恐怖に縛られつつも自分たちを信じようとはしてくれている彼らの様子を見て、必ず村を支配しているオブリビオンを倒すことを胸に誓った。

成功 🔵​🔵​🔴​

有栖川・夏介
※アドリブ歓迎

エドという少年、少女を連れて逃げるとは、なかなか度胸がありますね……。
彼がみせたその勇気に応えるためにも、私もできる限りのことをしましょう。

早速山に…と行きたいところですが、情報も集めておきたいので、まずは山ではなく村のほうに行ってみます。
村に残っている方の中には、少年たちの味方もいるかもしれない。
……そういう方々から、『秘密基地』の情報を何か得られないものでしょうか?
さすがにはっきりとした場所を知っている人はいないでしょうけど、少年らが普段どこに行っていたのかわかれば、『秘密基地』のおおよその場所がわかりそうです。


ノルナイン・エストラーシャ
リナとエド、二人の少年少女。是非守りたいですね。
それにしても少女を花嫁(生贄)にするとは、何か奇妙な風習ですね……ただ少女趣味なだけなのか、特別な理由があるのか……少し気になりますね。
なので私は村を中心に調査をしてみます。少年少女を保護するのは他の猟兵さんがやるでしょう。そちらに行きたいのも山々なのですが……村人は何か知ってるかもしれません。

という事で、残った大人たちに話を聞いていきます。情報をひたすら集めて、世界知識や学習力を用いて推測をします。何か村人が隠しているようなら、選択したUCで忍び込んだり、話を盗み聞きしてみたり……分かった事があれば、他の猟兵さんに共有しますね。



●村の内部にて
 村の捜索隊が足止めされている頃、有栖川・夏介(寡黙な青年アリス・f06470)は現地捜索を他の猟兵たちに任せて村で何か情報が得られないかと考えて村での調査を行っていた。
「村の中には女性と老人、そして子供だけが残っているようですね」
 有栖川は村の内部を一通り回った後に虚空へと話しかける。
「そうですね、動ける男たちは全員山の方へ行ったのでしょう」
 するとそこから返事が返ってくる。
 そして虚空だった場所の空間が歪み、そこにノルナイン・エストラーシャ(可能性の旅行者・f11355)が現れた。
 ノルナインも有栖川と同様に村の内部での情報収集を選択していた。
 ただし直接村人に接触していた有栖川とは異なり、ノルナインは自身の姿を消すことで村人の話を盗み聞きすることで情報収集を行っていたのだ。
「やはり夜間での聞き取り調査は難しいですね。この状況だということもあって門前払いが多くて困りました」
「村人の立場からすると無理もないですね。ただ、盗み聞きした限りでは皆隣村のことを話題にしていましたね。それとリナとエドは孤児院の子供のようです」
 有栖川の愚痴に対してノルナインは賛同して自身が得た情報を共有する。
「こちらもそうです。詳しくは聞けませんでしたが話を聞けた数人からはこの村を早くでたほうがいいと言われました。そしてなるほど、どうりで2人の家が見つからないわけですね」
 有栖川は得た情報と照らし合わせながら情報収集の中でできていた疑問を解決する。
 そして孤児院は村の端にあるらしいということで有栖川とノルナインはそこに向かった。

 孤児院があると聞いた場所にやって来た有栖川とノルナインは小さな教会を発見する。
 どうやらこの村では教会が孤児院を経営しているようであり、訪ねてきた2人を出迎えたのはシスター服の老婆だった。
 老婆は2人を中に入れた上で自室へと案内する。
「私はエマと申します。それで聞きたいこととは何でしょうか?」
 老婆のシスターはエマと名乗り2人に来訪の用件を尋ねる。
 2人は同様にそれぞれ名前を名乗った後、有栖川が口を開いた。
「時間がありませんので単刀直入に、私たちはエドとリナの秘密基地の場所について知りたいのですが何かご存知ありませんか?」
 それを聞いたエマは少し驚いた表情を浮かべた後に、それを答える前に2、3点聞いてもいいかと逆に尋ねてくる。
 2人が了承の意を示すとエマは
「まずあなた方は何者なのでしょうか?村で見かけたことはありませんし、それに何処で秘密基地という言葉を?」
 そのエマの質問に2人は正直に自身が猟兵であること、予知によってこの村のことを知り領主を倒しに来たことを告げる。
 2人の話を黙って聞いていたエマは1つ息を吐くと
「到底信じられる話ではありませんが、あなた方が嘘をついていないということは分かりました。私が知っていることであればお話しましょう」
 そう言って協力を約束してくれた。
 そして有栖川は再度秘密基地について尋ねると
「秘密基地に関しては申し訳ありませんが詳しいことを私は存じ上げておりません。エドとリナから2人だけの秘密基地を山に作ったとは聞いていましたが」
 エマの話を聞く限りでは直接的に秘密基地の場所に繋がるような情報は無かった。
「では秘密基地を作る前と後でエドとリナに何か違和感というか違いは無かったでしょうか?」
 有栖川はどんな些細なことでも気付いた事は無いのかとたずねる。
 エマは少し考えた後に強いて言えば・・・とこう話しだした。
「そういえば決まって帰って来るとき服が土で汚れていました。昔からエドが汚れて帰ってくることは珍しくなかったですが、リナまで汚れるようになったのは秘密基地ができてからだと思います」
 有栖川とノルナインは秘密基地が少なくとも木の上などではなく地上に存在していることは確からしいということを知る。
 そしてこれ以上秘密基地について聞けるものは無いなと判断した有栖川は次の質問へと移る。
「村人たちの中で隣村という単語をよく聞いたのですが何があったのでしょうか?」
 それに対してエマは隣村で起きた災害について簡潔に説明する。
「まず5年前に急に今の領主が現れてこの地を支配する旨を発しました。そして領主は村ごとを回り年端も行かぬ可愛らしい少女を指名して要求したのです。当然反発は起こりましたが・・・それは一晩の間に収まりました。なぜならその反発の筆頭だった村のみを豪雨と落雷の嵐が襲い消滅させたのです」
「つまりそれが」
「はい、隣村です。見せしめだったのでしょう。それ以来私たちは領主に指名された少女を送り続けてきました。生きるために」
 オブリビオンによって支配された村ではこういうことはよくあることでありこの村も例外ではなかった。
 そして最後にノルナインは領主について尋ねる。
「少女を花嫁にするのは奇妙な風習だと思うのですが、領主は少女趣味の持ち主なのでしょうか?そもそも領主はどういう人物なのでしょう?」
 それに対してエマは
「花嫁というのはお分かりだとは思いますが皮肉です。領主の機嫌を損ねぬように送り出す少女をめかしこむ、その様子が花嫁のようだと。贄という単語を使いたくなかったのもあります。そして少女趣味・・・かは分かりませんが領主の外見は若い女性でした」
 そして送り出された少女は二度と戻ってこないことから食べられたか殺されたのだろうという見解が立っていることを述べる。
 有栖川とノルナインはそれを聞いた後にエマに礼を言い、エドとリナの私物をいくつか借りて教会を出た。
「とりあえずこの情報を他の皆さんに伝えましょう」
「はい、そして2人を保護したとなればおそらく次は災害に備える必要がありますね」
 2人は得た情報を整理しつつ猟兵への情報の共有を初めとして、次に待ち受けるであろう困難への対策を考えるのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

イサナ・ノーマンズランド
SPD

いなくなった子供の持ち物を借りて、匂いを嗅ぐ。
その匂いを元に【第六感】と【野生の勘】に従って【ダッシュ】で【追跡】する。

「なんでもいいから、ちょっとふたりのもちもの貸して」
「やせいみあふれるフローラルなにおい…… んー? わたしもしょうじきよくわかんない」
「でも、もうちょっとかがせて。なんだかくせになりそう」

「よし! だいたいわかった。 たぶん、おそらく」

アドリブ 共闘 改変 なんでも大歓迎です。


月代・十六夜
「ヒャッハー山狩りだー!(違います)」

何をするにしても救助対象の確保が先決だな。
【韋駄天足】と【スカイステッパー】で道の悪さとかガン無視の機動性の高さで山の中を駆け回るぜ。
本人たちを見つけられれば一番だが、隠れられそうな場所とか秘密基地を先に見つけたら【ジグザグフィールド】の要領で触ったら切れるようなワイヤーを仕掛けておけば、捜索の助けにもなるかな。見つけたら…説得が上手くいけば【鍵のかかった箱チェック】で安全な空間にでも一時的に入ってもらって他の面子と合流するかな。無理そうなら他の面子が来るまで秘密基地にワイヤー貼って防衛陣地築いて待機かな


モルツクルス・ゼーレヴェックス
開口一番、大声で!

「少年少女よ!安心するっす!なんだかよく分かんないと思うっすけど、このモルツクルスがやって来たからもう安心っす!」

自慢の翼でふよふよ飛び

【鷹の眼】で見つけ出す

この力になら森も透ける

「こう見えてもね、お兄ちゃん、魔法使いなんすよ!こう、ちちんぷいぷいっと!」

【高速詠唱】で【物質変換】
地面の形を変えて

「ね!このスッゴーくってカッコいーい魔法で……うわっとぉう!?」

変え過ぎた(ように見える)地面に躓いて、滑稽に転んで見せる【パフォーマンス】を披露

「ひどいっすよ!……でも、やっと笑ってくれたっすね!」

まだちっちゃいっすね

「もっと大きく!はーっはっは!!」

自分、明るいのが取り柄なんで!


有澤・頼
「大切な女の子の為に勇気を出して行動を起こしたのか。これは、全力で見つけて保護しないとね!」
【SPD】
子どもの足では2人はあまり遠くには行ってないはず。予兆では山の中に秘密基地があるみたいだから山に向かって手当たり次第探してみるか!

「あの子達には悲しい思いはさせたくないからね。」
準備運動もして、さて捜索を始めますか!


リーヴァルディ・カーライル
…ん。こんな世界で生きているんだもの。
逃げた所でどうしようもないのは、彼らだって理解しているはず…。

領主の不興を買えば彼女だけでなく、村人達まで危険に晒される事も…。
…それでも彼女を連れだした彼の意志を、私は尊重したい。

【限定解放・血の教義】を応用
自身の生命力を吸収させて精霊を誘惑して魔力を溜め、
少年少女の行き先を聞き、暗視と第六感を頼りに行動する

…風の精霊、地の精霊。そして森に住まう樹々の精霊。
教えて?人間の子供が二人、どこに行ったかを…。

彼らを見つけたら、警戒されないように接近
私達が“猟兵”という村々を護り怪物を狩る一派であり、
連れ戻しに来たのではなく、領主を討ちに来た事を告げる


ジゼル・フレーズ
秘密基地なら、当然人目に付きにくい場所に作っている可能性が高いかと
村の方々だってその辺りは分かっているでしょうから、何としてでも先に見つけなくては

痕跡や山の状況から判断、候補をなる場所を幾つか割り出していきましょう
通り道として整えられていたり、草が深く踏み分けられ日常的に使われている形跡がある場所
それらを起点として見たとき中が伺えないような死角となる場所が怪しいですね
まだ新しい人が踏み入れた形跡の先に、不自然にある土や草木があったらその近辺を重点的に捜索

終わりが見えない戦いだとしても、少年の様に行動を起こしてくれる存在がいるだけで…
エドくんに伝えたい
リナちゃんを護ってくれてありがとう、と


天星・暁音
村の人たちも好き好んでしてる訳ではないだろうし、子供たちの気持ちも分かるね
とにかく子供たちを保護して生贄を出させようとしている領主をどうにかしないとね

「2人とも大丈夫?お腹空いてるんじゃないかな?急がなくていいからゆっくり食べてね」
「君たちの事はちゃんと護るから俺たち言う事きいくれないかな?」

追跡者に探させながら第六感や世界知識、情報収集、追跡や森で動物と話すで手がかりを探して追いかけてみます
見つけたら優しさや鼓舞でキーブレスから予め用意したサンドウィッチ等の料理に飲み物等をあげて二人を元気づけて、2人が怪我してるならコード癒しの歌で癒します



●少年と少女を探せ
 時は少し遡り村の男たちが登山の準備をしている頃、7人の猟兵が山の麓に集まっていた。
 この内の1人は後にこの場で村の男たちを足止めする役目を請け負った彩花である。
 予知によって得られた情報によるとこの山のどこかにある秘密基地という場所をエドとリナが目指しているらしい。
 すでに秘密基地に着いているかどうかは分からないが、どちらにせよこの山を捜索する必要があった。
「少年少女よ!安心するっす!なんだかよく分からないと思うっすけど,このモルツクルスがやって来たからもう安心っす!」
 麓にやってきて開口一番そう叫んだのはモルツクルス・ゼーレヴェックス(自由を飛ぶ天使・f10673)だ。
 モルツクルスはやる気に満ち溢れており、それを示すかのように彼の羽がばさばさ動いていた。
「相変わらず元気だなモルツクルスは。しかし子供って凄いな、結構でかいぞこの山」
 そう口にしたのは月代・十六夜(韋駄天足・f10620)だ。
 彼はヒャッハー山狩りの時間だぁ!!という気分で来ていた(大嘘)が実際に問題の山を見ると山頂までの標高は1000メートル程度あるだろうと推測する。
「しかもこれ森というよりジャングルだよな。熱帯気候じゃないのによくもまぁこんな育ったもんだ」
 また猟兵たちのいる山の北側は緩やかな斜面となっており整えられた山道から少しでもでると木々と背の高い茂みで覆われていた。
 対する南側も草木は同様だったがこちらは急な斜面である。村がある方角は北側でありこちらからわざわざ登ることはしないだろう。
「大変だろうけど勇気ある行動には誠実にこたえたいから、全力で2人を見つけだして保護してあげないとね!」
「……ん。どうしようもないと分かっていても、それでも彼女を連れだした彼の意思を、私は尊重したい」
 月代の言葉にそう返答したのは有澤・頼(面影を探す者・f02198)とリーヴァルディ・カーライル(ダンピールの黒騎士)だった。
 2人はエドの行動に賞賛を送りつつなんとしてもエドとリナを救いだしてあげなくてはとその熱意を胸に抱いていた。
「私たち猟兵以外にもオブリビオンの支配に抵抗しようと行動を起こしてくれる、そういう存在がいるだけでも励みになります」
「村の人たちも好き好んでしてる訳ではないだろうし、領主をどうにかしないとね。そのためにまずは子供たちの保護だね」
 ジゼル・フレーズ(人間の人形遣い・f00044)と天星・暁音(貫く想い・f02508)もエドとリナを保護して村を救わんと意欲を示していた。
「だな。何をするにしてもまずは救助対象の保護が先決だ。ところで・・・イサナはどこに行ったんだ?あいつもこっち側だろ」
 そう、月代の言うとおり山の捜索組にはもう1人、イサナ・ノーマンズランド(海亡き世界の小さな鯨・f01589)がいたはずなのだ。
 月代はイサナの姿がこの場にないことからもう山に入ってったのかと考える。
 それに対して答えたのはモルツクルスだった。
「イサナ殿なら少年と少女の私物を借りてくるって言って村に行ったっすよ!」
 モルツクルスの話によるとイサナこの世界にテレポートしてきて初めは一緒に山に向かっていたが途中で思い出したかのように村に引き返していったという。
「あいつ自由だな。まぁ鼻は聞くから頼りになるけど。なら先に探し始めようぜ」
 月代の意見に彩花を除いた捜索組の5人は同意する。
 そして6人の猟兵たちはエドとリナを探すべく山へと入っていった。

 山に入った猟兵たちはある者は1人で、ある者はペアを組み、またある者は協力者を召還することで山の中を捜索していた。
 その中でも目立っていたのは山中の悪路をものともせず山頂に向かって先行していた月代だ。
 月代は自慢の脚力に任せてまるで忍者のように木々を足場に飛び続けることで茂みを無視してどんどん先へ先へと進んでいた。
「とにかく隠れられそうな場所や秘密基地を先に見つけちまいたいな」
 もちろん本人たちを見つけられれば一番いいのだがそう簡単にはいかないだろう。
 そう考えた月代は細かいところは後から登ってくる猟兵たちに任せて大雑把に隠れられそうな場所に触れたら切れるくらいの細さのワイヤーを仕掛けていく。
「それにしてもこの山結構ほら穴が多いんじゃないか?」
 月代は木々の上からであるが道中にいくつもの洞穴があるのを発見していた。
 このエドとリナがこの穴のどこかで一時的にでも休んでいたら追い抜いてしまう可能性があるだろう。
 だが1つ1つ確認するには時間がかかる。
「(とりえず今は一通り登りきっちまうのが先だな。ワイヤーのことはもう皆に伝えてあるからな。それで調査済みか判断が出来るだろう)」
 そう考えた月代は洞穴の入り口にワイヤーを仕掛けるにとどめてどんどん上へと進んでいった。
 
 月代とは別の場所でエドとリナを探すのはモルツクルスだ。
 彼はその翼をもってして空からこの山を捜索していた。
 そのため月代同様に茂みに邪魔されることなく自由に動くことが出来ている。
 本来であれば空から見る森は木々や茂みで遮られてその下を見ることはできないが、モルツクルスにはそれを可能にする手段があった。
「『てんち あまねく 孤独の鷹よ わがみに やどりて めをこらせ』!」
 モルツクルスがそう詠唱を唱えるとその眼球と脳に新たな力が加わる。
 さっきまで見えなかったが今のモルツクルスには木々はもちろん茂みの中に隠れている虫まで見ることができていた。
「エド殿!リナ殿!このモルツクルスが守ってみせるっす!だからでてくるっす!」
 その大きな声で呼びかけながらモルツクルスは些細な変化も見逃さないように眼をカッと見開きながらエドとリナの姿を探していく。
「よし、ここらへんにはいないっすね!次に行くっす!」
 見つからなくてもへこたれないモルツクルスは元気よく次の場所へと飛んでいった。

 猟兵たちが山中へと進んでいく中で有澤は麓に残っていた。
「いっちに、さん、し」
 そう口にしながら有澤はまず準備体操をしていた。
 これから山の登りをするのだ、体をちゃんと温めておかなくてはならない。
 準備体操をしながら思い浮かべるのは自身の過去。
「あの子達には悲しい思いはさせたくないからね」
 有澤はぽつりとそう呟く。
 自身と同じような思いをあの2人にさせる訳にはいかない――彼女は改めてそう決意した。
 しばらくして有澤は準備体操を終える。
「これでよしっと、おーいジゼルさーん何か見つかった?」
 準備体操を終えた有澤は同じく麓に付近に残って何かを探していたジゼルに声をかける。
 歳の近い2人は事前に話し合い協力して捜索することに決めていた。
「はい、こっちです。有澤さん」
 ジゼルは有澤を呼び寄せる。
 そこには小さい獣道とは言わないまでも、草が踏みつけられており何かがここを通って行ったような形跡があった。
 ジゼルは山の状況や痕跡から捜索ルートの候補を幾つか割り出そうとしていたのだ。
 彼女はこの森の中で変に道が整えられていたり草が踏まれていて日常的に使われていたりしそうな形跡を探しており、その結果見つけたのがこの場所だった。
「ジゼルさんよく見つけたね。これってエドくんとリナちゃんのものかな」
「同じようなのは幾つかあったのでそこまではわかりませんが、ここが一番良く使われているように思います」
 有澤の問いにジゼルはそう応える。
「きっとそうだよ!じゃあここを登っていこう」
「はい」
 そうして捜索ルートを決めた有澤とジゼルはその道を登っていく。
 有澤は登るルート内にある茂みや洞穴などの子供たちが隠れられそうな場所を1つ1つ丁寧に探し、ジゼルは踏まれている草木を見失わないようにしながらそのルート上から見て死角となるような場所を探していった。
 そしてジゼルはぱっと見ただけでは分からないが他とは違った生え方をしている茂みを見つける。
「これは意図的に作られたものですね」
 ジゼルの言うとおりその茂みは人為的に動かされた形跡があった。
「じゃあどかしてみよう」
 有澤がそれをどかすと中には隠されるように洞穴がある。
「これって秘密基地かな」
 そのまま有澤がそこに入っていくが中には何もない、だが以前は誰かがいたような形跡があった。
「もしかして他にもこういうの沢山作ってたりして」
「おそらくは何度か作り直しているのでしょう」
 有澤の懸念にジゼルは肯定の意を示す。
 残念ながらここは旧秘密基地だったようだ。
 だがこれがあるということはこの道をエドとリナが使っていたということである。
 有澤とジゼルは仕切りなおして再び山登りを開始するのであった。
 
 自分の力だけでは限界がある、ならばこの地に住まう精霊たちに教えてもらおう。
 そう考えたリーヴァルディは山中の少しばかり開けた場所でこの山の精霊を呼び寄せる為に詠唱を口にする。
「『……限定解放。テンカウント。吸血鬼のオドを捧げます。精霊のマナ。それを今、ここに……』」
 それは本来であれば自身の生命力と精霊のマナを重ねることで天災を起こす力。
 だが彼女は今それを応用して自身の生命力を分け与えることで精霊を誘惑し、魔力と情報を集めようとしていた。
「…風の精霊、地の精霊。そして森に住まう樹々の精霊たちよ。この山にいる2人の人間の子供がどこに行ったかを……私に教えて」
 そして集まってきた精霊たちがその問いに答え始める。
「えーとねーあっち行ったと思う!」
「えー?違うよこっちだよ!ぼく昨日見たもん!」
「ちっがうよー!2人の子供ならよく上のほうで見るもん!」
 精霊たちが口々に自分の所見を述べていく。
 リーヴァルディはじっとその声に集中し、自身が欲しい情報のみを聞き逃さないようにしていた。
「さっきその2人見た気がするー!」
 見つけた。
 リーヴァルディがその精霊に話を聞くとちょっと前にここから北西側で2人の子供を見たと言うのだ。
「わかった、ありがとう」
 精霊にお礼を言うとその方向へとリーヴァルディは進んでいくのだった。

 リーヴァルディと同様に天星も協力者となる黒い影を召還していた。
「2人の子供たちだよ。この山のどこかにいるはずだから探してきて」
 天星の合図に散っていく黒い影の追跡者、その影が見る視界や聞く音は天星も見ることができる。
 周囲の捜索を追跡者に任せながら、天星は新たな協力者を見つける。
 それはこの森に住まう動物たちだった。
 兎や狐といった小動物に天星は声をかけていく。
「人間の子供をどこかで見なかった?」
 それを聞いた兎がジーっと天星を見つめる。
 目の前に見つけた!と言わんばかりだ
「僕のことじゃなくて2人組みの男の子と女の子だよ」
 そう天星が訂正すると兎や狐は首をひねっていた。
「んー、君たちの他の仲間にも聞いてきてくれないかな」
 天星はそうお願いしながら事前に用意していたサンドウィッチの余りの切れ端を渡す。
 それを食べながら小動物たちは散っていく。
 そしてしばらくすると2匹の狐が近寄ってきてこっちで見たよと伝えてくる。
「ありがとう。案内してくれるかな?」
 天星はもう一度切れ端を渡すと、狐は喜びながらその場所へと誘導していくのだった。

 5人の猟兵が探索を始めて、しばらくしてイサナはようやく山へと訪れていた。
 その手にはエドとリナの私物。
 それは教会にて有栖川とノルナインがシスターのエマに貰ったものだ。
「なんでもいいから、ちょっとふたりのもちもの貸りてきて」
 教会に入って行こうとした2人にちょうど出会っていたイサナはそう言った。
 その後出てきた2人からその私物を渡され、同時に彼らからの伝言も受けた後にこの場に来たのだ。
 そしてイサナは2人の捜索を開始するために私物の匂いをかぎ始める。
「こっちはやせいみあふれててこっちはフローラルなにおい……いやしょうじきよくわかんない」
 本当に大丈夫なのだろうか…だがイサナはもう少しかげば何かがつかめそうな気がした。
「でももうちょっとかげば……んーなんだかくせになりそう」
 大丈夫かイサナ。
 それでも匂いを覚えたイサナはたぶんこっちだろうなーという直感から登山ルートを決める。
 くしくもそこは有澤とジゼルが登り始めた場所だった。
 イサナは勢いよく駆け上がる。

 しばらくすると先行していた有澤とジゼルが月代の張った目印のワイヤー周辺を捜索しているところに合流する。
「あ、イサナさん!やっときたんだね」
「何を持っているんですか?」
 有澤がイサナに声をかけジゼルがその持ち物を指摘する。
「これはふたりのもちもの、やせいみとフローラルがあふれてる。あと土がどうって言ってた。あとは……忘れた。たぶんだいじょうぶ」
 イサナの独特の感性にそれを聞いた2人は苦笑を浮かべる。
 そしてイサナが受けた伝言を踏まえて2人は洞穴が怪しいということをイサナと情報共有する。
 3人は再び登りだす。
 今度はイサナが匂いを嗅ぎつつその近場を有澤とジゼルが探していた。
「ここでにおいがきれてる」
 イサナはここで匂いが途切れていることを告げた。
 それは山の7合目辺りの
 そこへ次第にリーヴァルディと天星が合流する。
 そしてそれを見つけたモルツクルスがやってくる。
 空からは見つからなかったというモルツクルスを含めて情報共有する。
「なるほど、洞穴の中は盲点だったっす!」
 見ようと思えば見えていたのだろうが空から見ているが故に気づかなかったのなら仕方ない。
 そして周囲を見渡した有澤がワイヤーとその奥の茂みを見つける。
 有澤はワイヤーを切りつつそれに合図をする。
「見つかったのか?」
 それから数秒も経たずにその場に月代も合流した。
 有澤は茂みを指差す。
 その行動の意図を来たばかりの月代を含めて全員が理解した。
 そして茂みがどかされる。
 茂みの裏にあった洞穴の中には―――
 絶望の表情を浮かべるリナと、そんな彼女を背にして庇うように立つエドが目に涙をため震えながらこちらを睨み付けていた。

●少年少女は救いを乞う
 猟兵たちは無事にエドとリナを発見した。
 幸いにも2人に怪我のようなものは見らなれない。
 後は保護するだけだがまずはエドとリナに自分たちが君たちの味方であると伝えなくてはならない。
「えーと俺たちはだな」
 月代が口を開きそう言いかけた瞬間
「少年少女よ!!!安心するっす!!!なんだかよく分からないと思うっすけど!このモルツクルスがやって来たからもう安心っす!!!」
 唐突にモルツクルスが前に躍りでて麓で最初に放ったのと同じ台詞をさらに大きな声で叫んでいた。

 場に変な空気が流れた。

 これには警戒していたエドとリナもそれ以上にどういうことなのか分からずに戸惑っている様子だ。
「あれ?どうしたっすか?聞こえなかったっすか!?ならもう一度!」
「言わんでいい言わんで」
 モルツクルスが再び大きく息を吸ったところで月代がそれを静止する。
「お、お前たちは誰だ!」
 そのやり取りをみて正気を取り戻したのかエドが叫んだ。
 リナはこの2人のやり取りやら殺気だったものを感じないためであろう、絶望的だった表情が解けており今は不安そうな表情へと変わっていた。
 その横から有澤がしゃがんで目線を合わせつつ二人に声をかける。
「えーと私たちは猟兵って言うグループで君たちを助けに来たんだよエドくん、リナちゃん」
「……え?」
 その言葉に信じられないといった表情を浮かべるエドにリーヴァルディは普段より丁寧な口調を使い分かりやすく説明する。
「はい、有澤…いえ彼女の言うとおりあなたたちを助けに来ました。猟兵というのは村々を護り怪物を狩る人たちの集まりで……つまり悪い領主を倒しにきたのです」
 その言葉を聞いたリナはその場にへたり込む
「……本当に?本当にリナを攫いにきたとかじゃない……んですか?」
 エドが口調を改めながら訪ねてくる。
 そのエドに近づいたジゼルはそっと彼の目の前にしゃがみこんでその頭を撫でながら彼女が抱えていた想いから感謝の言葉を伝える。
「うん、本当。よく頑張ったねエドくん。リナちゃんを護ってくれてありがとう」
 それを聞きそして優しさに触れたエドの瞳からは涙が溢れた。
「よかった…よかったよぉ」
 エドにつられてリナもその安堵から泣いていた。
 2人は村から逃げ出した後ずっと不安と恐怖に囚われていたのだ。
 しばらく泣いた後にエドとリナは泣き腫らした目を擦りながら猟兵たちを見る。
 彼らはなんと言っていいのか分からない様子だった。
 そこに再び現れたのはモルツクルスと月代の漫才コンビ(違う)。
「こう見えてもね、お兄ちゃんは魔法使いなんすよ!こう、ちちんぷいぷいっと!」
 モルツクルスは唐突に地面の土を練り上げて月代の姿を作りだす。
「おい、なんで俺なんだ!?」
「え?わかりやすくないっすか?」
「もっとあるだろう色々と」
「えー?仕方ないっすねーもう、月代殿は。じゃあさらに大きい月代殿を作るっす!!」
「それ変わってねぇから!!」
 月代のツッコミむなしくモルツクルスは更に大きな月代人形を作ろうとするが、自分の足を土に取られてしまい躓いて盛大に転がりこんだ。
「いたいっす!何するっすか月代殿!」
「いや俺何もしてねぇから!!」
 そんな2人を見てリナはくすっと笑い、つられてエドにも笑顔が写る。
「あ、ひどいっすよ!……でも、やっと笑ってくれたっすね!」
 2人の笑顔をモルツクルスが見たかった。そのためには甘んじて彼は道化を演じていたのだ。
 月代は事前の打ち合わせもなくそれに巻き込まれた訳だが2人が笑ったのを見てまぁいいかと頭をかく。
 この子達の笑顔はまだ小さい、だがこれから自分たちの役目を果たせたならもっといい笑顔が見えるだろう。
 そして人間安堵し笑えばお腹が空くものである。
 くーという音がエドのお腹から響いた。
「2人とも大丈夫?安心したらお腹空いてるんじゃないかな」
 それを事前に予知していたのか、天星は手際よくキーブレスから用意していたサンドウィッチと飲み物を取り出しエドとリナに渡した。
 料理を食べる彼らは思わず美味しい……と口にする。
「うん、ありがとう。急がなくていいからゆっくり食べてね」
 それを聞いた天星は満足そうにゆっくり食べるように促した。

 そしてエドとリナそして猟兵たちが食事をするなどして時間が経つ。
 そろそろ行くかと立ち上がり彼らは下山の用意をする。
 洞穴から外に出たときその風を感じたイサナは唐突に残りの伝言を思い出した。
「わすれてた、ことがあった」
「どうしたんだイサナ」
「えーと……もうすぐあらしがくる」
 そう、忘れていたのだ!ご飯が美味しかったから!
「それ重要なことだろ!早く村に戻るぞ!」
 月代はエドとリナにここが安全だからと自身の異空間のボックスに入るように促す。
 彼らにも依存はなくその申し出を受け入れる。
 だが入る前にエドとリナは改めて猟兵たちに頭を下げてこう願った。
「「お願いします!村を助けてください!」」
 猟兵たちはこの願いに任せておいてと答えると救い与えるために村へと帰還していくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 冒険 『惨劇は豪雨と共に』

POW   :    身体を用いて惨劇に対応する

SPD   :    技術を用いて惨劇に対応する

WIZ   :    惨劇を予防する

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●協力と嵐の前触れ
 朝日と共に村へとたどり着いた猟兵たち、そしてエドとリナを迎えたのはこの村の住民たちだった。
 村の男たちや大人からはもう殺気はなかった。
 数名の猟兵が彼らをすでに説得していたためである。
 その中から村長を名乗る老人がでてきて深く頭を下げながらこう言った。
「私たちはあなた方猟兵に協力いたします。どうか…どうかこの村を…お救いください」
 そして村人たちは深々と頭を下げる。
 つられる様に慌ててエドとリナも頭を下げた。
 こうして老若男女合わせて500人あまりの村びとたちの協力を得るにいたる。

 だがその反逆の決意を打ち砕くかのように村には惨劇が訪れようとしていた。
 ある猟兵は空模様が怪しいことに気付く。
 あれがオブリビオンによって生み出された豪雨と落雷による嵐なのは自明の理。
 30分もあればあの嵐は村に到達し全てをなぎ払っていくだろう。
 残り少ない中で猟兵たちは決断し行動しなくてはならない。
 村の建物は嵐に耐えられるほど強くはないだろう。
 備蓄は建物の中だ此れを失ってはこれからの生活がままならない可能性がある。
 かといって囚われすぎれば命を失ってしまうだろうそれでは元も子もない。
 命か物品か、はたまた両方護りきって見せるのか。
 猟兵たちの選択が今試される。
モルツクルス・ゼーレヴェックス
エド殿ととリナ殿、責任感じてそうっすよね
「悪くない」
「君達が悪いなんて、そんなわけ無いっす」
そう言って、笑って嵐に向かう
「でっかいこと言っちまったっすからね」
モルツクルスが来たからには、安心っす……
自分でも大言壮語とは思うっすけど、不安そうな子供の前ではせめて自分くらいは笑ってないと
「あとは、でかい口を実現させるだけっすね」
嵐上等、こっちは太陽っす
「全ての始原、全ての終焉……其は炎、其は光……汝が力を此処に乞う!」
陽の無い世界を照らして見せる!
「アート・オブ・ザ・サン!」
【自在太陽】は太陽25個分の熱量の極大【属性攻撃】
例えUCの嵐相手でもこれを【範囲攻撃】でぶちかませば大きく減衰出来る信じる



 領主様が放った嵐が来る。
 村では大騒ぎで避難の準備が進んでいた。
 村の皆は誰一人として文句を言わずに猟兵の指示に従って行動しているがその顔には不安が浮かんでいる。
 そしてその緊張感が伝わったのか赤子や幼子の泣き声が聞こえてきていた。
 この光景を作り出したのは誰だろうか、あれは何故この村を襲うのだろうか。
「僕が悪いのかな」
 物資を運んでいたエドが足を止めて思わずそう呟いてしまうのも無理はないだろう。
 僕が我慢すればこんなことにはならなかったのかもしれないと考えてしまうのは。
「違うよエド。私が…」
 そんなエドの様子を見て、一緒に物資を運んでいたリナがそれを否定した。
 私がエドの手を掴まなければ、私があの時我慢していればこんなことにはならなかったと。
 村を救ってくれる―――そう猟兵の方たちは言っていた。
 あの言葉は自分たち村の救いだ。それは疑っていない。
 だがあの嵐を実際に見てしまったためだろうか、エドとリナには不安が胸いっぱいに広がっていた。
 だからだろうか。
 悪くないと、正しかったと、そう言ってくれる人がいることに泣きそうになってしまうのは。

「悪くない。君たちが悪いなんて、そんなわけ無いっす」
 モルツクルス・ゼーレヴェックス(自由を飛ぶ天使・f10673)はそう言いながらエドとリナの肩に手を置いて笑顔を見せた。
 モルツクルスは嵐を食い止めるために飛び立とうとしていた。
 そんなおりに見かけたエドとリナの顔から不安の色が感じ取れたため、こうして声を掛けに来たのだ。
「エド殿がリナ殿の手をとって領主の支配に抗ったからこそ自分たちが駆けつけて来ることができたっす!だからエド殿とリナ殿の選択は間違ってないっす!」
 エドとリナには既に言っていた。自分が、モルツクルスが来たからには安心っすと。
 それはきっと大言壮語だろう、モルツクルス自身でもそう思っている。
 だが不安そうな子供の前ではせめて自分くらいは笑ってないといけないのだ。
 だから顔中に満面の笑みを浮かべエドとリナに向けて言うのだ。
「安心するっす!自分たちが絶対何とかするっす!だから大丈夫っす!」
 そう言ってモルツクルスはその言葉を証明するために、嵐へと向かって翼を羽ばたかせた。

 そしてモルツクルスは大きな暗雲の前に来た。
 その暗雲は通常では考えられない密度の水分量を含んだ雲だということをモルツクルスは感じ取っていた。
 なぜならこの雲自体が凝縮された水の塊のようなものだったのだ。
 くわえてモルツクルスはこの水の塊から発せられる冷気に驚く、おそらく絶対零度とも呼べるそれは落ちれば最後、全てを凍てつかせるだろう。
 これで凍っていないところを見るに普通の水ではないのは明らかだ。
 それが空中どこまでも広がっており、その中を何本もの閃光が走っていた。
 確かにこれを叩きつけられれば一瞬で村は壊滅するだろう。

 だがその厄災の塊を見てもモルツクルスの心は折れない。
「でっかいこと言っちまったっすけど、絶対に嘘にはさせないっす!実現させるだけっすよ!」
 モルツクルスの心中には当然猟兵としての己のプライドがある。
 だがそれ以上にあったのはエドとリナ、そして村の人たちの笑顔が見たいと笑顔にしてみせるという彼の意地だ。
 モルツクルスは体中の魔力を集めてその言の葉を紡ぐ。
「『全ての始原、全ての終焉……其は炎、其は光……汝が力を此処に乞う!』」
 モルツクルスの周囲に膨大な熱量を持った25個の球体の炎が現れる。
 これは1つ1つが太陽に匹敵するであろう炎の塊。
「たとえ夜と闇に覆われた世界でも!笑顔という光りを照らしてみせるっす!アート・オブ・ザ・サン!!!!」
 咆哮と共に放たれた炎の塊は嵐である暗雲に衝突する。
 その1発1発は雲に大きな風穴を開けていくが、すぐに暗雲はそれを埋めていく。
 だがその分少しは進行を止められていた。
 それが確認できたからこそモルツクルスは諦めない。
 この嵐を止められなくてもいい、これを推しとどめて皆が逃げられるだけの時間を作れさえすれば村に残った仲間たちなら何とかしてくれる。
「どんどんいくっすよ!ここはしばらく通行止めっす!」
 そう言ってモルツクルスは再び周囲に太陽を作った。

成功 🔵​🔵​🔴​

エーカ・ライスフェルト
最優先なのは村から人と物を避難させる事

・行動
最も貴重なものは個々人で運んで貰う
「子供や妊婦や老人ね」

次に貴重な物は私が【宇宙バイク】で運ぶ
【フック付きワイヤー】でバイクに固定するわ。【騎乗】で頑張るけど這うような速度になるかも
「風雨をしのぐためのテントや燃料、飲料水や服ね。本当に申し訳ないけど晴れ着は家の中に置いたままにして」

最後は、私が【エレクトロレギオン】で呼び出した【機械兵器】に、荷物を縄で括り付けて貰う
「対象は貴方達や猟兵が運べないもの全てよ。種籾に大工道具に資材とか色々あるでしょ? この子達は脆いから括り付ける量はよく考えて」


兵器達を引き連れ安全そうな場所(秘密基地?)へしゅっぱーつ


リーヴァルディ・カーライル
…ん。リミットは30分か。
流石に家々は無理でも、人も物資も両方捨てる気は無い。
…私には、こういう状況でとても便利なUCがあるから…。
だから。この程度で、諦める理由なんて無い…。

私は村人の前で【常夜の鍵】の使い方を説明し、
【常夜の鍵】を刻んだ小石を量産していき村人に配っていく。
この中にある城に物資を収納させた後、村人達も異空間の中に避難してもらう。
他にも似たようなUCを持っている猟兵がいれば、協力して物資を運ぶ。

…後は私も城の中に避難して、他の猟兵に小石を運んでもらおう。
個々に使う量は微々たるものとはいえ、
流石にこの数の魔法陣を描くと血が足りなくなる…。

…やっぱり便利ね、常夜の鍵…。


彩花・涼
嵐か…災害は普通に攻めてくるより厄介だな…
村人を安全な場所に誘導するのが先決だが、彼らの食料も失えない
避難誘導する猟兵がいるなら、私は備蓄を持っていこう
建物はまた建てればいいが食料は生きるのに大事だからな
誘導がいなければ、少女達が利用していた洞窟に避難させる

【ダッシュ】で建物に向かい、なるべく日持ちする備蓄から可能な限り【怪力】で持てる量を持っていく
ロープがあればそれで縛って持ちやすいように一塊にして持つが、なければ持っている黒柵で代用する
備蓄を持ったら村人たちの避難場所に【追跡】で追いかける、【地形の利用】で進みやすい経路を通り時間のロスを減らす
共に運ぶ者が居れば、経路を誘導する


有澤・頼
領主、花嫁が手に入らないことに気づいて報復として嵐を起こしたのか…!

【POW】
物も人もどちらも大切。だけど、人の命に勝るものはないよ。
それならば私は村人たちの避難誘導をする。嵐が村までに到達するまでの30分間とにかく、水が来ない高い場所を目指していくよ。

「急いで!嵐が来る前に逃げるんだ!反撃に出る前に死んだら元も子もないからね!」
今できる最善の方法をやるしかない。とにかく、時間がない。急がないと…!


有栖川・夏介
※アドリブ歓迎

処刑人の私が言うのもおかしなことなのですが…、今何よりも優先すべきは人命でしょう。
とはいえ、備蓄がなければ今生き延びてもいずれ滅びる可能性は高い。
ならば、備蓄を可能な限り運び出しましょう。

力ないものには一刻も早く避難していただき、力あるものは備蓄の運び出しを手伝ってもらいます。
こうみえても、そこらの男性よりも力はあるほうだと自負していますので、
なるべく多く運びますね。【怪力】

嵐が迫ってきたら備蓄が残っていても深追いはしません。
村人たちの避難を優先。
村人たちに思わぬアクシデントが発生したら【かばう】ことにします。


ジゼル・フレーズ
優先順位を決めて行動
まずは、嵐を凌ぐ避難場所の確保

全ての建物の補強が間に合うかは分からない
教会の様な人が集まれる建物を幾つか決めて、そこに人や備蓄を集める
そこを村の男性の力を借りて重点的に補強
先に避難している人たちも、内側からお願いしますね

自宅まで手が回らなくて心を痛める方もいるでしょう
ですが、幾つも手を出し中途半端な補強ばかりになれば村が壊滅します
皆の心が折れれば、それこそ領主の思うつぼです

私としても本音は全てを護りたい、他の猟兵の方々次第では可能かもしれません
まずはこの嵐を乗り切りましょう
軽微な被害で済めば再建は出来ます。その時は私もお手伝いさせて下さい



 残された時間は30分程度、そう聞いて慌てだす村人たち。
「落ち着いて、慌てても何も変わらないのよ」
「エーカさんの言う通りです。最優先は人命ですがまずは必要な物資を運び出しましょう」
 慌てる村人たちにまず声をかけたのはエーカ・ライスフェルト(電脳ウィザード・f06511)、そして行動指針を示したのは有栖川・夏介(寡黙な青年アリス・f06470)だ。
 エーカと有栖川は猟兵たちがエドとリナの捜索を行っている間に村を回り猟兵たちの存在と目的を村人たちに伝えていた。
 そのため多くの村人たちはエーカと有栖川に特に信頼を寄せていた。
その2人の言葉に村人たちはざわめくのをやめて猟兵たちの指示を待つことにする。
「ええ、でも子供や妊婦、ご老人の方々は早く避難しないと間に合わないわ。だから最も貴重なものだけ持ってすぐに移動よ。大人の方たちは必要な物資を一緒に運んでもらうわ。後のことを考えてテントや燃料、飲料水や最低限の服とかを優先して」
 続けてそう指示を出したエーカに1人の猟兵が手をあげる。
「じゃあその避難誘導は私がするよ!反撃に出る前に死んだら元も子もないからね!」
 それは有澤・頼(面影を探す者・f02198)だ。
「逃げるのは探しに行ったあの山でいいかな?この周囲では一番高い場所みたいだから」
「ええ、お願い」
 有澤は逃げる場所の確認を行いエーカはそれで問題ないと判断する。
「ちょっと、待って。…私には、こういう力があるから、色々と使えると思う」
 そのやり取りを見て声をあげたのはリーヴァルディ・カーライル(ダンピールの黒騎士・f01841)。
 リーヴァルディは自身の指先を少し切り、拾った小石に魔法陣を書き記す。
「『……開け、常夜の門』」
 そしてそう唱えると魔法陣が輝きだした。
「これは、触れると、古城…えーと、違う場所に…移動できる」
「つまりこれを使えば物資と人員の移動が楽にできるということですね?」
「そう」
 小石を見せながら説明しようとするリーヴァルディを有栖川が補足しながら村人たちに分かるようにその効果を伝えた。
「その中に物を運び込んで終わるまでずっといたらダメなのか?」
 その効果を聞いた村人の1人からそういう問いが投げられる。
 そういう力があることを聞けばそう考えるのは当然であった。
 だが物事はそう簡単ではない。
 この能力を維持するのにもある程度の負担がかかるのだ。
 普段であれば村人の言う通り維持し続けることもできるが、今回は後に控えているであろう領主との戦いを考えるとここで下手に消耗するわけにはいかなかった。
 リーヴァルディはそれ伝え、問いを投げた村人はそれに納得する。
「でも山まではそれで運べるんだよね?なら私も物資を集めることに回るね」
 そう言う有澤に対して恐る恐る口を開けたのは村の老人たちだった。
「我がままになってしまうのは、百も承知ですが…私たちはこの村でここまで生まれ育ったのです。出て行くときは自分の足で行かせていただきませんか?」
 老人たちはずっとここで育ってきたのだ。当然村への思い入れは強い。村から去る時は自分の足で、そう考えるのは自然だった。
「じゃあやっぱり避難誘導するよ!エーカさんの指示通り貴重品だけ持って村の入り口に集まって!」
 こんな非常事態に何を言っているんだとその申し出を一蹴してもおかしくはない状況であったが、老人たちの意を無下にはできないしもともと誘導しようと思っていたため有澤はその申し出を受け入れた。
 しかし1つの要望が通れば他の要望が上がるものだ。
 今度は村の男が声をあげる。
「このまま物資だけ持って逃げだすなんて俺は嫌だ!何か一矢報いることはできないのか?」
 その声にそうだと村の男たちが同調しだす。
 先程まで不安たっぷりだったが、常夜の鍵という手段が出来たことで強気になっていたのだ。
「私たちもそんなに余裕があるわけではない。領主は私たちが必ず倒すから今は指示に従ってもらわないと困る」
 ここでそう口にしたのは捜索の際に麓で男たちを止めていた彩花・涼(黒蝶・f01922)だ。
 彩花と実際にやり取りを行っていた男たちは彩花に逆ってまで主張しようとは思わなかったようで不満げではあるが大人しくなっていった。
「なら建物を補強しませんか?それが嵐を耐え抜けば、私たちにも力があると示せると思いますが」
 その様子を見てこのまま人命と物資だけを守っても村人たちの間で遺恨が残るかもしれないと感じたジゼル・フレーズ(人間の人形遣い・f00044)は代案を提案する。
 また村人たちは全てが終わった後にこの村に戻ってくることになるのだ。
 いくつか建物が残っていればそれを基にして再建もできるだろうという考えだった。
 その提案に男たちは頷いて賛同する。
「とはいえ皆さんの個々で補強をしても中途半端になってしまいます。それでは嵐に飲まれて何も残らないでしょう。なので集中して数点を直しましょう」
 ジゼルはそう言葉を続ける。
 それを含み結果として全会一致で比較的村の中でも大きく立地の良い教会を補強することに決まった。
 そして猟兵たちと村人は各々すべき行動をとり始める。

 全ての行動の要になるのはやはりリーヴァルディの常夜の鍵だ。
 まずリーヴァルディは先程の常夜の鍵の魔法陣を刻んだ小石を、老人たちを待っていた有澤に渡した。
「これ…必要になったら」
「うん、任せて」
 有澤はその小石を受け取る。
 避難する先である山を登っていくのは老人たちには辛い行程だろう。
 そして時間制限もあるのだ。
 間に合わないと感じたら説得して使って欲しいとそういう意図を有澤は言われずとも理解していた。
 使わざるを得なくなる状況であれば老人たちは納得してくれるだろう。
「集まったみたいだね!重かったら私が持つから急いで行こう!」
 有澤はそう考えながら集まってきた老人たちを手伝いつつ先行して山へと向かって行った。
 そして村の男たちはジゼルの指示に従って教会を直しに向かう。
 短い時間ではあるが人手に任せて内外から補強しようという考えだ。
「皆さんの自宅までは手が回りません。心苦しいとは思いますがここを補強しつくして村の意志を示しましょう」
 ジゼルはそう鼓舞しながら時間が許す限り補強に努めていく。
 そして残った子供や妊婦、そして村の女たちはエーカや有栖川、彩花は物資を村の中央に集め始める。
 初めはリーヴァルディは何個も小石に常夜の鍵を刻み配ることを考えていたが
「それでは、君の負担や血の消費が大きくなるんじゃないのか?それよりは君は中央にいて魔法陣で物資を入れていってくれた方がいい。皆はここに物資を運び込もう」
 という彩花の提案によるものだった。
 また重い物資を運ぶのは猟兵たちの役目として、村人たちには必要な物の指示と積載、そして軽い物資を運んでもらうことに分かれた。
 これを可能にしたのはエーカのエレクトロギデオンによって生みだされた機械兵器だ。
「運ぶ対象は人の手じゃ重くて運べないもの全てよ。そういうの色々あるでしょ?とはいえこの子達は脆いから括り付ける量はよく考えて」
 機械兵器を召喚しつつそう忠告するエーカの指示に従い、村人は自分たちには重いものを機械兵器に乗せて紐で結び運び出させていく。
 エーカは持ってきた宇宙バイクを用いて荷運びを手伝い、彩花は日持ちする食糧の備蓄を優先しつつ鋼でできた糸である黒柵を使って一気に運び出していく。
 そして機械兵器には重いものは有栖川がその怪力をもって運んでいた。

 そうして20数分が経過しただろうか。
 皆それぞれが自分の役割を集中して行っていたが、現状の状況ではとてもではないが全ては間に合わない。
 老人たちを誘導して歩いていた有澤もそろそろ説得をしないといけないかと小石を手に考えていた時、一瞬熱を感じた。
 その熱の先を見ると嵐の暗雲の中にいくつかの炎が見えた。
 モルツクルスが嵐を食い止めようと1人踏ん張っていたのだ。
 これによって嵐が来るにはもう10分程度の余地があった。
「これなら間に合うね!急ごう!嵐が来る前に逃げるんだ!」
 有澤はエールを送り、小石をポケットにしまって道を急いだ。
 その10分は村で作業していた組にとっても大きかった。
「もう補強できそうな場所はありませんね?では物資を運ぶ組に合流しましょう」
 教会を補強していたジゼルと男たちがその作業を終えて物資を運ぶ組に混ざった。
 これによって最低限以上の物資を常夜の鍵の転移先である古城に運び込むことに成功したのだ。
 村人たちも常夜の鍵によって避難する。
「じゃあ…私も入るから、よろしく」
「私もそうするわ、後よろしくね」
「移動は私も遅いのでお任せします」
 そうして脱出用にもう2つ小石に魔法陣を刻んだリーヴァルディと、バイクを押し続けてちょっと疲れたエーカ、そして自身の足の速さを考慮したジゼルもそれに入っていく。
 残った彩花と有栖川がそれぞれ小石を持ってもう誰も残っていないことを確認した後に村を離脱し山を目指し、山を登っていた有澤たちに合流した。
 これにより猟兵たちは全ての村人の人命と、しばらく生きていくための物資を避難先である山に運び込むことに成功したのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​




第3章 ボス戦 『少女愛好家『リリアーナ・ヒル』』

POW   :    トドメを刺した子には私からの寵愛を授けるわ
【大勢の短剣を持つ主人に心酔する娘達の突撃】が命中した対象に対し、高威力高命中の【殺到する娘たちの追撃】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD   :    私を守護する忠実で有能なペット達よ
全身を【大盾を持った少女達に指示し護る為の陣形 】に変える。あらゆる攻撃に対しほぼ無敵になるが、自身は全く動けない。
WIZ   :    ギャラリーは多い方が良いでしょう?
戦闘力のない【身動きのできない、拘束されている少女達】を召喚する。自身が活躍や苦戦をする度、【少女達の悲観や絶望の感情】によって武器や防具がパワーアップする。
👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はキア・レイスです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●いざ決戦へ
 そして村を嵐が襲った。
 圧倒的な水量の濁流に村は飲み込まれその中を閃光のような雷が何本も走っている。
 その光景を猟兵と村人たちは山頂から見ていた。
 濁流は村の周囲にも流れていくが避難した場所までは到達しなかった。
 暫くして水が引いていき、村は更地となっていた。
 だがそこで上がったのは村の男たちの歓声だった。
 なぜなら更地の中でただ1つ、全壊に近いが教会だけはその型を保っていたのだ。

 そしてその村に何かが来たのを猟兵たちは感じる。
 このタイミングで村に来るものはただ1人、オブリビオンである領主だけだ。
 戦いに行こうとする猟兵たちにエドとリナが近づいてきて深く頭を下げる。
「「猟兵の皆さん、えーと、その・・・お願いします!」」
 色んなことを考えていたが言葉にならなかったようだ。
 少し微笑ましさを感じながら諸悪の根源であるオブリビオンを撃破すべく猟兵たちは下山した。

 村に到達した猟兵たちを出迎えたのは空ろな目をした見目麗しい何かしらの装備をした少女を多数従えた女性、少女愛好家『リリアーナ・ヒル』だった。
「なるほどね、私の邪魔をしていたのは貴方たち猟兵だったの。どおりで死体の一つも無いわけだわ」
 そう言ってリリアーナは避難所である山へと目を向ける。
「早くあそこの人間たちに天罰を下さないとね。あの嵐を起こすのに何人もの私の傀儡を生贄にしたんだもの。ただじゃ殺さないわ。もちろん貴方たちもね」
 リリアーナは両手を広げると、従えている少女たちが猟兵へと向かっていく。
 ここに猟兵たちの最後の戦いが始まりを告げた。 
天星・暁音
随分好き放題言っているけれど…村の人たちの住む場所を奪ったんだ。
これ以上、君の好きにはさせないし、村の人たちに手出しはさせないよ。
そして君に殺されてあげる気もない。
沢山気持ちをを踏みにじったその行為ら相応しい報いは受けてもらう。
君を永遠の闇へと放逐します。

仲間を鼓舞し勇気づけて祈り傷を癒して支援します。
第六感や見切りで防御し必要があればかばったり銀糸で敵を盾にしたりして仲間を守ります。
攻撃できそうであれば破魔の力の篭る聖なる銀の糸でもって拘束したり切り裂いての攻撃も行う感じで。



 猟兵へと短剣を握り締めて突撃していく少女たち。
 少女たちの目に感情はなく人形のようにリリアーナの指示に従っていた。
「さあ、行きなさい。忌々しい猟兵どもにその短剣を突き刺して殺してやるのよ」
 リリアーナの命令に従って突撃してくる少女たちを猟兵たちは迎え撃つ。
 相手はただの人間の少女。
 普通に戦えば一切負けることはない。
 だがその少女たちはリリアーナによって連れ去られた花嫁たちであり、彼女たちには一切の罪がないのだ。
 その事実が猟兵たちの心に圧し掛かり何時ものように全力で迎え撃つことができない状況になっていた。
 そして何時もとは勝手が違う戦いから傷を受けてしまう猟兵たちも少なくない。

 この乱戦の中で天星・暁音(貫く想い・f02508)は猟兵たちを鼓舞しつつ支援に回っていた。
「少女たちの攻撃は直線的だよ!攻撃を見てからでも十分対応できるから落ち着いて対処して!」
 天星は振り下ろされる短剣の軌道を読み冷静に回避し、銀の糸をその少女に絡ませ他の猟兵の背後を取っていた少女へとぶつける。
 なるべく少女たちを傷つけたくはないが、それを考慮しすぎて仲間である猟兵たちが傷ついてはリリアーナの思う坪だろう。
「『祈りを此処に、妙なる光よ。命の新星を持ちて、立ち向かう者達に闇祓う祝福の抱擁を…傷ついた翼に再び力を!』」
 続けて天星は『神聖なる祈りの抱擁』により傷を受けてしまった猟兵たちへ神聖なる光が飛びその傷を癒していく。
 これによって多少の負担が自身にかかるがそれ以上に天星の心中にはリリアーナへの怒りがあった。
 リリアーナは私利私欲のために村の人々を苦しめて少女を捧げさせてきた。
 そしてその少女たちを無理矢理洗脳して今戦わせているのだろう。
 天星は自らの経験から子供が犠牲になるのが何より嫌いだった。
 だからあのリリアーナには絶対に負けるわけには行かない。
 自分たちが倒れればあの山に居る村の人たちが犠牲となってしまう。
「沢山の気持ちを踏みにじったその行為に相応しい報いは絶対に受けてもらう」
 天星は油断しきっているリリアーナの隙を突いて防御に使っていた破魔の力が篭った聖なる銀の糸を飛ばす。
「なっ!!」
 それがリリアーナの腕を捕らえて斬り裂き、破魔の力がその傷口を焼く。
 リリアーナは傷ついた腕を押さえて天星を睨みつける。
「あの猟兵を殺しなさい!私に傷をつけるなんて万死に値するわ!」
 怒りに満ちてそう叫ぶリリアーナ。
 それに対して天星は冷静に少女たちを対処しつつリリアーナに告げる。
「これ以上村の人たちに手は出させないよ。君には永遠の闇へと落ちてもらう」
 そして天星は再びリリアーナへと銀の糸を放つのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

モルツクルス・ゼーレヴェックス
「良い趣味っすねえ……」
この手の敵で恐ろしいのは此方の士気を削ぐこと
その手の外法に精通してるとみたっす
そして【情報収集】【学習力】【戦闘知識】によると弱点は
「機動力不足っすねえ!」
少女達の速度は決して高くない
リリアーナもそれに依存してる
「魔なる力よ、安らぎよ、深く暗き眠りを与えよ」
【高速詠唱】で放つこの【範囲攻撃】は、たちどころに少女達を眠らせて戦力削ぐ
……深い眠りにつけば悲観や絶望から一時解放されるっす
「いいっすかみんな!無抵抗の少女は自分なんとかするっす!」
【コミュ力】を活かして【鼓舞】を試みる
こういう【パフォーマンス】は専門分野
「ここで!こいつを倒して!こんなことは終わりっす!」
声を張る



「良い趣味っすねぇ……」
 少女たちの攻撃を回避しつつそう呟くのはモルツクルス・ゼーレヴェックス(自由を飛ぶ天使・f10673)だ。
 モルツクルスの視界の先にはある少女たちの一団が居た。
 少女たちは両手を縛られた上に、隣同士で足を連結して縛られている。
 そして彼女たちの目はうつろではなくちゃんと生気があった。
 それはリリアーナの『ギャラリーは多い方が良いでしょう?』によって召喚された少女たちだ。
 リリアーナは少女たちの悲観や絶望の感情を糧にして少女たちの持つ短剣や大盾に魔力を付与し、その威力と防御力を上昇させていた。
 おそらくこの少女たちも連れ去られるか差し出された花嫁たちだろう。
 その少女たちはリリアーナの挙動にびくびくしながら戦況を見つめており、戦場には彼女たちのすすり泣く声が響いていた。

「よっぽどの外道っすね、あのオブリビオンは」
 それを見てモルツクルスはそう言い放つ。
 リリアーナのような戦い方をする手合いは特に外法に精通している。
少女たちを召喚した理由は自身の力を高めることに加えて此方の士気を削ぐ効果を狙ってのことだろう。
モルツクルスは時間をかけながらリリアーナと少女たちを分析していた。
「(リリアーナの攻撃手段は全て少女たち頼りになっているっすね・・・それに数は多いっすけど少女たち自身の速度も遅いっす)」
 つまりその弱点はただ1つ。
「機動力不足っすねえ!」
 モルツクルスは自身の翼を羽ばたかせて上空へと離脱する。
 殺到していた少女たちには翼はない。
 上空であればモルツクルスをさえぎる者はいない。
「来るわよ!私を守りなさい!」
 リリアーナがモルツクルスの様子を見て大盾を持った少女たちへと指示を出す。
 だがモルツクルスの狙いは違った。
 モルツクルスが翼を羽ばたかせて向かったのは拘束された少女たちの一団。
 そしてモルツクルスは手にもつ杖を構えて彼女たちのために詠唱する。
「『魔なる力よ、安らぎよ、深く暗き眠りを与えよ』、睡眠雲!!」
 その言葉と共に杖から放たれた雲が泣いている少女たちを包む。
 そしてその雲が晴れたときはその一帯の少女たちは眠りへとついていた。
 これによって泣いていた少女たちは一時的に負の感情から解放される。
「いいっすかみんな!無抵抗の少女は自分なんとかするっす!」
 モルツクルスは上空で目立つように声を張り上げながらその雲を短剣や盾を持った少女たちへと放つ。
 猟兵たちへ当たらないように細心の注意を払っているため少しずつではあるがリリアーナの戦力を徐々に削っていく。
 リリアーナはそれに対して当たらないよう少女たちに指示を出す。
 それによって陣形が徐々にほどけていくのを見ながらモルツクルスは大声で叫んだ。
「ここで!こいつを倒して!こんなことは終わりっす!」

成功 🔵​🔵​🔴​

有澤・頼
「何が天罰だ。神様を気取っているのか?」
彼女の周りにいるのが今まで贄として連れていかれた子たちか…少し厄介だな…

「忍び足」で近づきユーベルコード「咎力封じ」をリリアーナに向けて発動するよ。全て命中すれば彼女のユーベルコードを封じることができる。
ユーベルコードを封じることができた場合は彼女に「友斬」で刺すよ。刺した際に「呪詛」と「傷口をえぐる」のも忘れないよ。

「大人しく、あの子たちを解放しろ。従わなければ、首が飛ぶぞ。」
子どもを己の欲望の為に利用する奴は大嫌いだ。村の人たちの為にもこの女は必ず倒す…!


有栖川・夏介
※アドリブ歓迎

災厄を引き起こした諸悪の根源……。貴女はここで倒します。
「……サヨナラの時間です」
処刑人の剣を構えて戦闘態勢へ。

狙う処刑対象はリリアーナのみ。
少女たちの攻撃は【見切り】で躱して【カウンター】からの【気絶攻撃】で無力化します。

…リリアーナに技を使われると厄介ですね。
少女たちの攻撃に押されている…とみせかけて【フェイント】でリリアーナに手枷や拘束ロープなどを放ち、【咎力封じ】で一時的にでもユーベルコードを封じることができないか試します。

リリアーナには手加減する必要などないでしょうから、彼女が隙をみせたら全力で叩きます。



 モルツクルスによって崩れた陣形だが立て直されるのは時間の問題だろう。
 そのチャンスを逃がすまいとリリアーナに接近していたのは有澤・頼(面影を探す者・f02198)と有栖川・夏介(寡黙な青年アリス・f06470)だ。
「私が裏から回るから有栖川さんは前からお願い」
「了解しました。敵を挟み込みましょう」
 有澤はリリアーナの視界に入らぬように大きく回りつつ背後から近づいていき、有栖川は正面から少女たちの陣形の穴をついてリリアーナに迫っていく。

「ちっ…その男を私に近づけないで推しとどめなさい!」
 有栖川の接近に気付いたリリアーナは大盾を持った少女たちを自身の前に呼び寄せると共に近くに居た短剣を持った少女を掴み有栖川に投げつける。
 それを有栖川は短剣に気をつけながら受け止めつつ、即座にその首に手刀を落とし気絶させて地面に下ろした。
「随分と余裕がなくなってきましたね。そんなに思い通りに行かないことでもあったのですか?」
 明らかな挑発だが、図星を突かれたリリアーナのプライドがそれを許さず怒りがこみ上げていた。
「絶対にお前は殺す!」
 リリアーナはそう言い放つと短剣を持った少女たちに指示し有栖川を囲ませる。
 そして有栖川に対して少女たちは襲い掛かる。
 殺到してくる少女たちの攻撃を有栖川は冷静に回避あるいは受け流した後に、1体1体確実に鞘にはまった状態の処刑人の剣による打撃で気絶させていく。
 だがその数が多すぎるためか徐々に押されていた。
「まだ絶望が足りないわね・・・もう一度強化しなおさないと」
 リリアーナはその様子にひとまず安堵し、眠らされてしまった分を補充するために再度『ギャラリーは多い方が良いでしょう?』によって拘束されている少女たちを召喚しようとする。
 だがそこで動いたのは有澤だ。
 リリアーナは有栖川に集中するあまり後方への警戒を怠っていた。
 その隙に有澤は『咎力封じ』を発動すべく手枷と猿轡、そして捕縛ロープを放つ。
 それらはリリアーナに見事命中してその召喚を阻んだ。
 同時に有澤はその手に友斬を握り締めて硬直したリリアーナに接近する。
「何が天罰だ。何が殺すだ。神様を気取っているのか?お前は神様なんかじゃない!」
 そして正面からリリアーナを突き刺し呪詛を込めてそのまま抉るように剣を捻った。
 リリアーナの顔がその痛みによって醜く歪む。
 有澤は更に剣を深く押し込んだ後に剣を捻りつつ一気に引き抜き
「大人しく、あの子たちを解放しろ。従わなければ、首が飛ぶぞ」
 そう言い放ちながらリリアーナの首を撥ねんと剣を振るう。
 しかしリリアーナは大盾の少女を掴んで割り込ませてその剣を受け止めた。
 その間に拘束を無理矢理解いて後退し再び召喚を行おうとするリリアーヌ。
 それをまたもや封じたのは先ほどの拘束と同様に有栖川によって放たれた3つの捕縛道具。
 有栖川も有澤と同様に『咎力封じ』を用いてリリアーヌを封じ込めようとしていたのだ。
「なぜ…!?お前は囲まれて…!!」
「あれは有澤さんを接近させるための演技です。そして…サヨナラの時間です」
 驚くリリアーヌに冷静に答える有栖川。
 そのまま有栖川は鞘から剣を引き抜く。
「手加減する必要はありませんね。全力で行きます」
 そう告げると共にリリアーヌに斬りかかる。
 それに連携するようにリリアーヌの背後からは有澤が迫る。
「ここでお前は終わりだ!欲望のために子供たちを利用するな!」
 拘束されたリリアーヌは前後からの攻撃を対処することができない。
 有栖川と有澤は同時にリリアーヌを斬り裂いた。
 そのまま倒しきるつもりの2人だったが短剣を持った少女の横槍によってそれを阻まれる。

 すかさずリリアーヌはその翼により上空へと離脱し一度距離をとった後に陣形を立て直していた。
 だが負った傷は相当の深手だったのだろう。
 その身体からは大量の血が流れている。
「もう少しだね。村の人たちのためにこの女は逃がさずに絶対に倒すよ」
「そうですね。災厄を引き起こした諸悪の根源はここで討ち果たしましょう」
 再度その手に剣を握り締めた2人は次こそはリリアーヌにとどめをささんと陣形が再構築された少女たちの壁を突破すべく走るのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

リーヴァルディ・カーライル
…ん。なるほど。花嫁ね。
…生贄という言葉から、大凡予想はできるけど…。
洗脳されているだけなら、必ず助けてみせる。

防具を改造し第六感を強化する呪詛を付与。
【吸血鬼狩りの業】を駆使して大鎌を盾に武器で受け、
少女達がまだ生きているかどうか見切る。

…私の声が聞こえる?
吸血鬼の支配を受け入れないで…!

【限定解放・血の教義】を二重発動(2回攻撃)
吸血鬼化した自身の生命力を吸収して精霊を誘惑し、
“闇属性”の“過去を世界の外側に排出する力”を大鎌に溜めて維持。

怪力を瞬発力に変えて敵に接近して大鎌をなぎ払い、
過去の存在を傷口を抉るように消滅させる“闇の奔流”を開放する

…リリアーナ・ヒル。消えるのは、お前だけよ。



 リリアーナの命令により陣形を整えて猟兵たちを迎え撃つ少女たち。
 その少女たちを見るリーヴァルディ・カーライル(ダンピールの黒騎士・f01841)の心中は晴れなかった。
 リーヴァルディは呪詛を用いて自身の感覚を強化し、『吸血鬼狩りの業』により少女たちの攻撃を予想する。
 本来であればそれは吸血鬼もしくはそれに近しい者の攻撃を予想するものだ。
 だがこの少女たちは吸血鬼に近い様相のオブリビオンであるリリアーナによって洗脳されて操られている。
 そのために間接的ではあるがその効果を十分に発揮していた。
 そしてリーヴァルディは予想した攻撃に合わせるようにあえて自身の武器である大鎌で短剣を持った少女の攻撃受け、そしてその少女たちの目を見て呼びかける。
「…私の声が聞こえる?」
「吸血鬼の支配を受け入れないで…!」
「強く自分の意思を持って!」
 そう根気強く呼びかけるリーヴァルディだったがその返答はなく、少女は再度その短剣を振りおろすだけだった。
 呼吸をしていることから少女たちが生きているということは分かる。
 だがその精神はどうなっているかは分からない。
 仮にリリアーナを倒して洗脳が解けたとして、この少女たちの精神はすでに壊れきっていないだろうか。
 色々な懸念がリーヴァルディの脳裏に浮かんでいたが、彼女はそれを一旦心の奥へと押しとどめる。
 なぜならリリアーナを倒すという今自身がやるべきことは変わらないのだ。
 今、他の猟兵たちによって弱りつつあるリリアーナを倒さねば少女たちの洗脳は解けない。

 そしてリーヴァルディは自身の大鎌を握りなおして一度目の詠唱を行う。
「『……限定解放。テンカウント。吸血鬼のオドと精霊のマナ。それを今、一つに……!』」
 それは『限定解放・血の教義』による吸血鬼化した自身の生命力をもって精霊から魔力を集める技。
 リーヴァルディは精霊から集めた魔力を闇へと変換して大釜に込める。
 そしてリーヴァルディは走り出す。
 少女たちの壁がそれを阻もうとするが、リーヴァルディの瞬発力には加減した鎌の峰によるなぎ払いによってそれを打ち払いリリアーナへの道をあけ飛び込む。
「なっ・・・!」
 驚いた表情を見せるリリアーナにリーヴァルディは更に威力を乗せるために詠唱を行う。
 それは『限定解放・血の教義』の二重掛け。
 その2回によって得られた全ての闇が込められた大釜にはリーヴァルディ曰く過去を世界の外側に排出する力が宿る。
 実際には過去を変えることはできないがリリアーナが行ってきた所業という過去がリリアーナごと消え去れば少女たちの精神はきっと戻ってくれると、そう願いを込めた力だ。
「…リリアーナ・ヒル。消えるのは、お前だけよ」
 そう告げるとともに振るわれた大鎌の闇の奔流がリリアーナを斬り裂いた。

成功 🔵​🔵​🔴​

彩花・涼
元凶の登場だな
天罰か……神様気取りも今日限りだ、娘達も解放させてもらう

娘たちには傷つけたくないので、向かってくる攻撃を【見切り】黒爪と黒華・改で【武器受け】して捌き切る
娘たちが怯んだら黒柵で動きを封じ、リリアーナに【ダッシュ】で近づき【生命力吸収】と【2回攻撃】で斬りかかる
「貴様の悪趣味な遊びに長く付き合うつもりはない」

再び娘達が向かってくるなら、真の姿になりUCを使用
纏っている黒蝶で娘達の動きを阻害し、リリアーナ1人に攻撃を集中する
コチラから離れようとするなら、黒爪で急所を狙い【スナイパー】する
「逃がすつもりもない」


ジゼル・フレーズ
周りにいるのは間違いなく生贄で犠牲になった少女たち
彼女たちを攻撃するのは心が痛みますが、私たちが負ければ犠牲が増えるだけ
それは彼女たちも望んではいないでしょう

支援を目的とした攻撃が中心

ほぼ無敵でも全くダメージを受けなわけではないでしょう
動けないというのなら、こちらからは狙いやすいということ
陣形が解ける瞬間を狙い、からくり人形を使った【フェイント】を入れた攻撃で敵の隙を作り、他の猟兵への攻撃へと繋げる

敵の攻撃は【絶望の福音】で回避、他の人へ向かった攻撃は人形での妨害を試みる

戦闘後は少女たちを出来るだけ綺麗にして丁寧に弔いたい
もう大丈夫。貴方たちを苦しめた存在はいなくなった…だからゆっくり眠って



 血を吐きボロボロになりながらも立ち続けるリリアーナ。
 もはや立つだけで限界のそれは最後の手を切っていた。
「私を完全に囲みなさい。命を捨ててでも私を護りぬくのよ!」
 それは大盾を持つ少女たちを密集させ、自身を完全に覆うことであらゆる攻撃から少女の命を対価としてでも自身を護る『私を守護する忠実で有能なペット達よ』の陣形だった。
 そして同時にリリアーナが出したのは短剣を持った少女たちへの犠牲を省みぬ特攻。
 既に気絶させられた少女を踏み潰して進ませ、猟兵を害することができるなら猟兵を抑える仲間ごとその短剣を突き刺させた。

 その少女たちの攻撃を捌きながら彩花・涼(黒蝶・f01922)とジゼル・フレーズ(人間の人形遣い・f00044)は背中合わせに言葉を交わす。
「相手はなりふり構っていられないようだな」
「そうですね。自分の趣味より命が大事ということでしょう」
 彩花は襲い掛かってくる少女たちの攻撃を回避しつつ、背中のジゼルを狙う短剣をサブウェポンである銃の黒爪とショートソードの黒華・改で受け止める。
 ジゼルは戦闘用人形であるからくり人形を巧みに操作して防御に特化して努めることで少女たちの攻撃をいなしていた。
「彼女たちを傷つけたくはないのだが・・・」
「私も同感です。ですがこれでは彼女たちの被害も大きくなるでしょう」
 彩花の言葉にジゼルはそう返す。
 この少女たちは間違いなく花嫁として犠牲になった少女たちだ。
 ゆえに彼女たちを傷つけるのを猟兵の誰しもが避けてきた、だがこの特攻が続けば犠牲が増えるだけだ。
 それは猟兵たちも洗脳されて戦わされている少女たちにとっても本意ではないだろう。
 そのジゼルの言葉に彩花は頷く。
「早々に決着をつけよう」
 そして2人は覚悟を決めて走りだした。

 短剣を持つ少女たちを他の猟兵たちが抑える間に彩花とジゼルはリリアーナを囲う大盾の少女たちを目前とする。
 それに向かうのは先に覚悟を決めていたジゼルによるからくり人形。
 からくり人形は少女の構える大盾へ攻撃すると見せかけてその盾を掴んで引き倒す。
 陣形の中にあいた一つの穴を広げるべく、すかさず彩花は外から黒い鋼で出来た糸である黒柵によって倒れた少女を絡めとり動きを封じた。
 そしてからくり人形は内部から攻撃を仕掛ける。
大盾は外側を向いているために内部からの攻撃には弱いことが仇となった。
 陣形がからくり人形によって崩れたところに彩花が突撃。
 人形と共に彩花が進むことでジゼルは1人になり狙われるが、『絶望の福音』によって回避しつつからくり人形を操作し彩花を援護させ続けた。
「娘たちを解放させてもらうぞ」
 リリアーナへとたどり着いた彩花は斬りかかりその右腕を斬りとばす。
「この小娘が・・・!!!!」
 周りの少女たちを集めようとするリリアーナだがそれを防ぐために彩花は真の姿を開放する。
 彩花は漆黒の鎧を纏い、それと同時に真の姿を更に強化するために『黒蝶の鎮魂歌』を詠唱する。
「『安心しろ、しっかり黄泉の国に還してやる』」
 リリアーナに対して終わりを告げるかのように唱えられたそれによって彩花とリリアーナの周囲を漆黒の蝶の群れが囲った。
「貴様の悪趣味な遊びに長く付き合うつもりはない」
 蝶によって少女たちは遮られ、この場にいるのは真の姿を開放した彩花とリリアーナのみだ。
 もはやなす術のないリリアーナはその翼によって逃走を図ろうとするが既に負っていたダメージが大き過ぎるため、それは叶わない。
「逃がすつもりはない。これが貴様の天罰だ」
 黒爪から放たれた弾丸がその額を貫き―――村を苦しめたオブリビオン、リリアーナ・ヒルを永遠の闇へと落としたのだった。

●終幕
 猟兵たちの活躍によりこの一帯を支配していた領主であるリリアーナ・ヒルが討伐された。
 それによって洗脳から解かれた少女たちは元の場所へ戻っていったという。
 だが無事に日常生活に戻れたのは一握り。多くの少女はトラウマを抱え、あるいはその自我を取り戻せずにいるという。
 また戦闘によって死んでしまった少女たちもおり、彼女らは丁寧に弔われた。
「貴方たちを苦しめた存在はいなくなった…だからゆっくり眠って」
 もう苦しまなくていい、大丈夫だと。
 そう願いながらジゼルはその魂の冥福を祈った。
 だが犠牲ばかりではない。
 これ以上少女たちが花嫁として犠牲になることは防がれたのだ。
 エドとリナという2人の子供の勇気によって猟兵たちに明るみとなった事件。
それは2人の泣き顔に始まり―――ありがとう、という言葉と共に笑顔で終わる結末を迎えた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月22日


挿絵イラスト