アポカリプス・ランページ⑮〜それは暗い鬼火と共にやって
●メンフィス灼熱草原
かつてミシシッピ河に面した大都市があったと言われるこの場所にかつての面影など何も残っていない。
それはいつごろからなのかもう誰にもわからない、この地域そのもの全域を黒い炎が覆いつくしてから全ては変わり尽くしてしまったのだ。
それは地上だけでなく地下にさえ燃え盛るという逃げ場のない炎、上空にはそれによって生じた熱気と黒煙で視界も歪み掠れそしてそもそもどれほど遠くまで見えるのかなどわからない程度しか遠くを見渡せないというのが現状だ。
この死の草原にはすでにまともな者は存在していない、ここに存在するのはこの黒い炎に紛れて迷い込んだ者を襲う恐ろしきオブリビオンだけなのだ。
轟轟と燃えさかる炎の熱気や煙であまりにも視界も何もかもが最悪のコンディション、そこへと下手に迷い込んだものは化物達の魔の手により帰らぬ人となってしまう。
すでに幾人もの犠牲を出したこの地にいよいよ猟兵達は足を踏み入れようとしていた。
●グリモアベース
「今日はこの燃えさかる草原で化物退治に行ってもらいたいと思います」
一同を出迎えたグリモア猟兵のユウラ・キッペンベルグは開口一番やるべきことを手短に猟兵達に伝える。
どうやら戦いの場は謎の力で燃え盛る大草原であるらしいのは確定のようだ。
「ここはミシシッピ河沿岸の大都市があった場所なのですが今ではすっかり自然に帰り草原に……と言いたいところですが完全に火の海ですねこれ」
もはや世紀末をこえて終末ではなかろうかという光景をユウラはやれやれと首を振り説明を続けた。
神の審判が下りるにはまだあまりにも先のことだろうと言いたいらしい。
それはともかくこの黒く燃える炎は消すこともできず、また地下だろうと燃えているために視界はどこにいようと悪くなるのでそれは覚悟せねばならないらし。
「その黒い炎に混切れて化物共が人々を襲おうとしています、なのでそれに先んじて殲滅してほしいのですが……とにかく今回は“視界が悪い”ということに注意してください」
手の届く距離まで気付かないということもありえるので用心はいくらしてもし足りないといったところか。
敵自身はフランチャイルド計画の失敗作である者達が流出してしまったモノ達、狂気に満ちた目と声と行動で襲いかかってくる数任せの相手のようなのでよほど油断しない限りは問題ないはずだ。
「戦いも中盤に差し掛かろうとしています、無理をなさらず確実に倒してまいりましょう」
ユウラはそう言うと転送の準備を始めた、燃え盛るあのミシシッピの草原へと。
轟天
これはアポカリプス・ランページの1章完結戦争シナリオです。
クリアに必須である適度な人数で締め切る場合もありますのでご注意ください。
周囲に避難させる人々もいませんし、壊して心配する施設などもありません。
思う存分火力を発揮してもらえればなと思います。
●プレイングボーナス
……黒い炎に紛れた敵を素早く発見する。
第1章 集団戦
『ND-DUST』
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POW : 群れの大海
【全個体の一斉攻撃】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
SPD : バンシィ・スクリーム
【叫び声】を聞いて共感した対象全ての戦闘力を増強する。
WIZ : コラテラルダメージ
あらゆる行動に成功する。ただし、自身の【個体数】を困難さに応じた量だけ代償にできなければ失敗する。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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ラブリー・ラビットクロー
ついたぞマザー
メンフィスだって
【メンフィスは黒人の街として有名で、ブルースのホームタウン、ロックンロール誕生の地でもあります】
ここもホントはヒトのユメで溢れてたんだな
こんな炎
らぶ達が吹き消してやるんだ!
周りが視えない?でもらぶには音が視えてるぞ
そんなに叫び声を上げたらどこに居るのかまるわかりなんな!
敵に向かってアウトローサインのペンキをぶちまけちゃえ!
黒い色も好きだけど
らぶはカラフルなのがもっと好き!
目立つよーになったららぶでも視えちゃうぞ
マザー!ロックンロールってなんなん?
【ストレージより音楽を再生します。ノリ過ぎに注意しましょう】
いー感じ!
ロックとバットがあればお前達も月まで飛ばせるのん!
●おれちゃこの街にイカれてるっ!
「ついたぞマザー」
「いいですか? らぶ……」
かつて奴隷市が開かれていたというアメリカ合衆国テネシー州の西端にあるミシシッピ河に面した州都ナッシュビルに次ぐ同州第2の都市メンフィス。
その名の由来はエジプトの古代都市にして都の一つでもあるメンフィスに因むそうだ。
マザーが基本知識を語ってくれるのをふーんと感動したながら聞くラブリー・ラビットクロー(とオフライン非通信端末【ビッグマザー】・f26591)。
マザーによればメンフィス・ソウル、メンフィス・ブルース、ゴスペル、ロックンロール、クランク、カントリー・ミュージックなどアメリカの様々な音楽ジャンルの発祥地および発展地手とりわけロック発祥の地というのは何ともヒトのユメに溢れていたとラブリーのテンションはさらに上がっていく。
燃え上がる炎は確かに鬱陶しいぐらいに黒く燃えている、だがいまのラブリーのハートはもっともっと燃えている。
「こんな炎、らぶ達が消してやるんだ!」
「いきましょうらぶ!」
「キヤァァァァ!」
「キェェェェェェ!」
「ウホオオオオオオオ!」
黒炎に紛れ聞こえてくる化物達の叫び声、それは彼らのバンシィ・スクリームと呼ばれる自己強化の呪法。
だがそんなにも声をあげたらさすがにらぶにも方向ぐらいは一発で見当がつく。
ならばやる事はシンプル、こうして手持ちのアウトローサインのペンキを容赦なくぶちまけてやったのである。
すると次第に炎に紛れてペンキ塗れの者達が蠢いているのが見え狙いを定めるには十分だ。
「黒い色も好きだけど、らぶはカラフルなのがもっと好き!」
釘バット担いでご機嫌ならぶは先ほどのウンチクで一つだけ気になっていることがあった。
「そういえばロック発祥の地って言ってたけどロックンロールってなんなん?」
『ストレージより音楽を再生します、ノリ過ぎに注意しましょう』
“fool for the city!(おれたちゃこの街にイカれてるっ!)”
「ん-、いい感じ♪」
ノリノリのBGMを聞きながら黒い炎へと平然と近づいていくラブリー、そして迷わず振りかぶって釘バットを炎の中にたまに見える極彩色の人型へとフルスイング」
「ぎぎゃお!?」
クリーンヒット! いやこれはホームラン級だったかもしれない、見えざる敵もこうして見えるようにすればノリノリのラブリーの敵ではない。
首が飛んでどこかできっと燃えているに違いないがそんなものはどうでもいい、目の前には打ってくれと言わんばかりにモゾモゾと蠢く者達がいるからだ。
(ロックとバットがあればお前達も月まで飛ばせるのん!)
マスクで口元が見えてはいないものの最っ高のお笑顔を見せながらラブリー渾身のフルスイングで今日はどうやらホームランの大安売りが始まるぞっ☆
大成功
🔵🔵🔵
マリア・ルート
視界がとにかく悪いわね
避難させるべき存在がいないのがまだ幸いかしら。
(【指定UC】で真の姿に)
MAP攻撃で一気に殲滅できるしな。
奴のこの技への反応は精々叫び声くらいだろう。
ならば【指定UC】で殲滅してくれる。視界が悪いなら戦場全体を巻き込めばいい。そう、『範囲攻撃』だ。
問題は肉薄だな。視界が悪いからされる恐れがある。相手の声をよく聞いて声の大きな方向からは距離を取るようにする。近いってことだろうしな。
さらに『野生の勘』で察知して、『オーラ防御』を展開すればある程度は防げよう。肉薄の感覚を感じたら『なぎ払い』『吹き飛ばし』で距離を取らせる。
この炎熱地獄で裁きを下してやる。貴様らは有罪だ、と!
●
そこはあまりにも焼け焦げた大地、消えることない黒い炎がどこもかしこも焼き続ける異様なる場所だ。
こんな場所にいるのはまともな住民ではなく化物達、それも作るだけ作られて廃棄された悲しい者達。
だがそれでも倒してやることが供養とばありにここに挑む者達は考えるかもしれない。
「URYYYYYYYY!」
「そこかっ!」
マリア・ルート(紅の姫・f15057)は必殺の気合と共に見えにくい視界の中を淡々と戦い続けていた。
確かに見えはしない、だがそれ以上に敵は“煩すぎる”のだ、黙っていて襲いかかってくるならともかくとにかく叫んでくれるので狙いも定めやすいという皮肉。
だが数が多いだけに近づかれてしまえばいつかはジリ貧になるのは目に見えていた。
ならばとばかりにマリアは決断した、ここならば被害は他に出ないであろうということを。
ならばと問う、知恵無き者達に。
「私を倒すことはほぼ不可能だ。何故かわかるか?」
互いに見えていないのだから、などという言い訳は通じない……視界内から少しずつではあるが爆発が巻き起こり始めそれが次第に範囲を広げていくのだ。
爆発により消し飛んだ地面の炎で視界が広がればそれを目標に流し目で次々と起爆していく光景はまさに痛快。
バサリと真紅のドレスを翻し手を翳すとそこにいた者どもも纏めて爆発で吹き飛ばし叫び声をあげながら彼らは燃え消滅していってしまう。
「手加減しなければこのようなものだ、わかるか? やろうとお思えば貴様ら全て……消し炭だ!」
指をパチンと鳴らす、それと同時に新たな爆発が起こりさらに飛び散るにくへんなどがまさにこの無差別爆破の恐ろしさを物語っていた。
黒い炎が再点火する前にマリアは一気に事を進めなばならない、なぜならば長引けばこれら“紅の姫戦場に出れば世界は屍に埋まる”を引き起こす魔力が枯渇してしまう可能性もあるのだから。
「貴様、意外としぶといな?」
爆風で吹き飛んだ足元からマリアの足を掴もうと伸びてきた腕を逆に踏みつけそして見下ろし下げずん視線でお前にはここで朽ちるのがお似合いだと教えているようだ。
だが踏みつけると同時に睨み内側から爆発したバケモノにかける慈悲などはない。
「この炎熱地獄で裁きを下してやる。貴様らは有罪だ!」
高笑いが止まらない、残酷なる破壊と殺しを短時間で味わい目を見開き狂気に堕ちていく姿は噂通りの紅の姫。
無人の荒野をただただ蹂躙しつくす姿はただただ……美しかった。
大成功
🔵🔵🔵
馬県・義透
四人で一人の複合型悪霊。生前は戦友
第一『疾き者』唯一忍者
一人称:私 のほほん
武器:漆黒風
はてさてー、どうしましょうかねー。
まずは、四天霊障による四重結界を張っての防御固め。
次いで【四悪霊・『廻』】による、オブリビオンのみを攻撃するんですものでー。
叫び声が聞こえたのならば、その方向へ向かって漆黒風を投擲しましょう。
場所を知らせているようなものですよー?
しかも、私のUCの影響で、集団行動が難しくなってますねー。
痛覚麻痺してますから、痛覚が訴える限界すらもわからなくなってますよね。
オブリビオン相手に情けをかけることなんて、よっぽどの事情がないとしませんよー。
●
煙渦巻、炎が揺れる……黒い炎に包まれた草原は視界は不良で焦げ臭くて仕方がない。
だがそれでもこの地にいるオブリビオンを倒すのが馬県・義透(死天山彷徨う四悪霊・f28057)の使命。
時折炎の中から飛び出てきた腕に捕まれそうになるも寸での所で貼っておいた結界によりそれを退け事なきを得る。
「はてはてー、どうしましょうかねー」
のほほんとそんな危機一髪の状況さえも愉しんでいるかのような仕草を見せ軽く一人をあしらうと次へと自然体で対応しているらしい。
その戦いぶりに無理なくまるで風のように全てを受け流しているかのようにも思えるぐらいだ。
「キャァァァ!」
「キエエエエエエ!」
次々に叫び声をあげ続ける者達はさすがに見えずとも居場所がわかる、だからこそこれだけの長時間見えないままに撃退を続けれてきたのだがやはりそれにも限界が来る。
いつまでもそのままというわけにいかず義透もそろそろ奥の手の使い時かと決意を固めた。
「さぁさぁ、おいでなさい……」
あえて己を追い込むように叫び声が近づいてくるまで我慢する、だがそれも限界……敵はもう目の前まで来ているようだと肌にピリピリと伝わってくる殺気。
「廻れ廻れ。この霧よ、我らが敵に!」
詠唱と同時にぐわんと空間が歪み現れた謎の黒い球体、これこそが四悪霊・『廻』……とっておきの切り札だ。
邪悪な呪詛の霧がそこから広がり炎の奥に潜む敵に容赦なく注がれていく、これにて認識阻害などの影響が今頃は出ているはず。
叫び声の感覚が斑になり攻めるにしても手薄な部分からいけると炎へと飛び込んでいく。
(やはり団体行動はもうとれなくなってますねぇ)
呪詛の力は彼らの視界をもさらに奪いもはや個々にうろつくだけの雑魚にすぎないと判断するにはあまりに余裕だった。
「そぉれ!」
棒手裏剣が額に突き刺さりまた一人を鎮めると先を急ぐ、おそらくだが効果が切れるまでん数をできるだけ減らすならこのチャンスは逃せない。
(情けなどかけている余裕などないですからね)
義透は片目を開き狙うべき敵への同情などはそこに捨て置くことにした、ここで勝利を掴まねば大きな戦いに勝つことはできない。
また一人にトドメを刺すとさらなる得物を求めて先を急ぐのであった。
大成功
🔵🔵🔵
マヒロ・ゾスティック
ふーん、弄くられたりして勝手に捨てられた子たちかあ
あは、ボクみたいだねえ♪
さて、どうしてあげようかなあ
まずは淫薬『嬉媚団子』の犬種団子を食べて嗅覚強化
するねえ、するする
酷い匂い、嘆きの匂い、いやんになっちゃうね、と
臭いで位置を把握
攻撃を回避して
自由自在ベルトで◆捕縛したり
電磁忍者刀『痺切』の◆マヒ攻撃電撃で動けなくしてく
これで全部かな
じゃあここからだね
UC発動
魔物っ子化部位を生やして元々の異形の部位を人間に戻す
快楽を楽しむ心を与えて
絶望や嘆きの心を押さえ込む
ごめんね
君達を少し弄くるよ
でももういいんだ
嘆かなくて
ボクとか知り合いとかと仲良くエロエロ間違えた色々しよ?
もう捨てられたりなんてしないから
●
「ふーん、ボクみたいに弄られて勝手に捨てられた子かぁ♪」
敵がいかにして生み出されたかを耳にしてマヒロ・ゾスティック(堕ちし快楽の淫魔忍・f31759)はクスクスとおかしな笑いをやめるつもりもない。
その顔に浮かぶのは愉悦、そしてちゅるんと舌で唇を舐めると何か思いついたようにくねくねと身体をくねらせる。
「あは♪ ボクみたいだしどうしてあげようかなぁ❤」
「さぁ、いただきますっと」
嬉媚団子から犬種を選んでパクリと飲み込むといきなり周囲の景色が変わってしまったかのようだ、先ほどまでは黒い炎で何も見えなかったというのに今では嗅覚が鋭くなりまるで視覚のように何もかもが見えるような気がする。
(するねぇ、するする……酷い匂い、嘆きの臭い、いやんなっちゃうね)
クンクンと鼻を鳴らすまでもなくすべてがまるで見えているかのよう、マヒロはするりとベルトを一本用意するとその見えないはずの炎の中へとベルトを叩きつけそして何かに絡ませると手前へと引き付けた。
「うあああああっ!」
唸りを上げながら手元へと引き寄せるND-DUSTと呼ばれる出来損ない達、そしてその無防備な腹へと電磁忍者刀を容赦なく叩き込みビクリと痙攣したのか動かなくなるの確認してからベルトで縛り上げた。
「これで最後かな……?」
何人もそうやって捕まえたマヒロはさっそく抵抗できない彼らに恐るべき部位を移植するのを思いついたようだ。
愉悦に満ちた顔で彼らに植え付けたモノとは……?
「うああああ……」
「ふっふっふっふっ!」
よりにもよってマヒロサイズのモノを植え付けられてしまい精神抵抗などが出来ない者達はきっとすぐにその影響下に堕ちるだろう。
これを受ければきっと彼らも他人と身体を重ねる悦びを覚えて役にたつはず。
「君をもっと弄るよ……気持ちよく一緒になろうよ❤」
すでに膨張し限界そうなモノをぺろりと舐めてやれば次々と我慢できない者達がマヒロに身を預けて終わりまでシテほしいと無言で催促するようになったらしい。
「いいんだよ、もう嘆かなくて」
優しい声をかけるもそれは彼らに嗜虐心が増大しこうなってしまったのか?
まひろはただ愉悦のために自らのズボンをずらして尻を向けると彼らに思い切りするようにと甘い声で誘惑を始めてしまったようだ……。
大成功
🔵🔵🔵
夢ヶ枝・るこる
×~◎/任意
■方針
・アド/絡◎
■行動
また厄介な環境ですねぇ。
とは言え、何とか頑張ってみますぅ。
まずは『FAS』により地上から僅かに浮遊、見辛い足場の悪影響を防いだ上で『FMS』のバリアで全方位を覆い、不意打ち等に備えますねぇ。
そして【征境】を発動、『領域』を形成し半径Lvm内に居る存在全てを知覚出来る状態にしますぅ。
これで、余程の事が無い限り此方が相手を先に発見出来るでしょうし、間に障害物等が有ればそれも把握出来ますから、先んじて『FRS』『FSS』の[砲撃]と『FDS』の[爆撃]による[範囲攻撃]を行い仕留めましょう。
『爆音』に気づいて集まってきた相手も同様に対処、纏めて一網打尽にしますぅ。
●
「大いなる豊饒の女神、あなたの使徒に『聖王の加護』をお与え下さいませ」
燃え上がる草原を眼下に収め夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)は全ての浮遊兵器のセーフティを解除するとさっそく女神様への祈りを始める。
その祈りが届いたのかるこるを中心として領域が形成されそれはこの戦場へと広がりを見せていく。
炎と煙で悪かった視界が嘘のように見えるように感じられ蠢く廃棄物達の存在すらがばっちりと把握できるのはこの際は非情に大きいといえるだろう。
「敵の配置はまあ……まばらというっところでしょうか」
固まってくれていれば一網打尽なのだが恐らくは誰かが発見すると同時に群がっていき数で押すつもりなのだろうと推測できる。
(バリアまで張っていますしよほどの不意打ちさえなければ……)
その懸念もどうやら問題なく完全にるこるの全兵装にロックオンされた感じ取れる全ての敵への攻撃準備は整った。
ここは草原で障害物もない、この爆撃系の弾薬だどで後は副次効果を気にせずやれるはずだと最終確認。
「撃てえ!」
ドドドドドドン、ドドドドン
ありったけの弾薬をこれでもかと撃ち込み始める、砲弾が飛び爆撃が地をさらに吹き飛ばし残った兵器も突撃を敢行して足元はまさにスプラッタ状態だ。
「アアアアアアアア!!」
「ウァァァァァ!」
吹き飛ばされながらも上空ということでどうやらるこるは草原全体の敵から発見されたらしい、全ての廃棄物たちの唸り声がシンクロし一斉に上空へと“力”が叩きつけられる。
それは彼らの実験の過程で身に着けた念動力のようなものだろうか、だがそれらはるこるの多重に用意したバリアによって受けれるだけ受け回避運動に入るとようやく微小な反撃以外はこなくなってきた。
「どんどん、いきますよぅ!」
るこるは装填の終わった砲台からさらに雨のように地面へと撃ち込む弾薬で地面ごと吹き飛ばしようやく敵の反撃はもう巻き返す事はないだろうとぐらいまで弱弱しくすることに成功した。
「爆音に群がって集まってくれたのは好都合なんですよぅ!」
残った残弾を整理し最後の一斉射に供える、これで最後……るこるは慎重に狙いを定め、そして地面では噴火のように爆炎が巻き上がったのだった。
大成功
🔵🔵🔵
菫宮・理緒
どうにもゾンビっぽいのが多いね……。
そんなにわたしにお肉を食べさせたくないのかな……苦手になりそうだよ。
炎に耐えるのは、メイド服の【火炎耐性】を使うとして、問題は発見方法か。
【E.C.O.M.S】でユニットに5機×110で編隊を組ませて、周囲に索敵と攻撃の網を張ろう。
半数を索敵隊で周囲に飛ばして、残りの半分を攻撃隊として待機させておくよ。
敵を見つけたら、攻撃隊を向かわせて突撃させちゃおう。
相手を多数発見したときは、わたしも【M.P.M.S】で援護射撃。
今回は相手が人型っぽいから、ガトリングモードかな。
火力だってそれなりにはあるんだーってところ、たまには見せないとね!
「蹴散らしていく、よー!」
●
「うぅ……なんで今回ゾンビみたいなの多いんだろぅ」
かなりキテます、げんなりしてます、大丈夫……そのうち慣れるって誰かが言ってたよ。
今月に入ってからというもの血しぶきと肉塊やら破片やらが目の前を飛び散って軽くトラウマ状態の菫宮・理緒(バーチャルダイバー・f06437)ちゃん。
もう何ていいますか……しばらくは食事に誘う時もメニューに気をつけましょうね。
とはいえ今回の戦いへの意気込みは決して嘘ではない、理緒は可憐なメイド服へと颯爽と着替え新たなる戦場へと向かう。
そこは燃える草原、そして視界無き戦場はこれまでと違いスプラッタを見る必要がない戦場なのだ!
「うーん、やっぱこれかな? 作戦行動、開始……よろしくね♪」
炎で悪い視界を確保するべく理緒は550個にも及ぶ八角錐を召喚しそして戦場のあちらこちらへと飛び立たせて見送る。
5つの編隊に編成し直しそして半分を索敵に残りを護衛につけてのまさに鉄壁の布陣、こうして理緒の孤独な戦いは幕を開けたのである。
「あああああ」
「いだいいだいいだいいだい」
炎の向こう側で何やら声がする、廃棄物たちの呻き声が聞こえてくるからには相手はそこにいるのだろう。
さっそく一分隊を突撃させ炎の向こう側では八角錐が実験体たちに突き刺さり貫通するという容赦のない戦いが繰り広げられているだろうがこちらには関係ない。
理緒にとってはこの炎もメイド服の防火機能で相殺しそよ風のよう、そしてグロテスクかもしれない戦闘は見えないだけにストレスとは無縁の戦い。
(うんうん、やっぱり私はこうでなくちゃね!)
基本的に後衛の理緒が矢面に立つなど本当はないほうがいい、けれど今回はそうも言っていられない、数が揃うとそれを犠牲にして理緒にあんな事やこんな事をしてしまう展開になる前に倒したほうがいい。
「てぇーい! 今日のわたしは怒ってるんだぞー!」
ガトリングモードに変形させたM.PM.Sを担いで豪快にぶっぱなすメイドさん、なんともエモい姿が黒炎をバックに銃火を光らせ爆音が響き渡っていく。
グチャグチャに何かが飛び散る音がする気がするけど聞いてはいけないし止めてもいけない。
八角錐が雨霰と降り注ぐ中で廃棄物たちは近寄ることもできずに炎の海に焼かれ次々と消滅の時を迎えていた。
「ふっふっふー♪ 蹴散らしていくぞ、おー♪」
とても上機嫌の理緒ちゃん、さぁ……後は万が一の失敗が起こる前にこの場面を終えてしまう事がきっと一番だ。
回り込んできている廃棄物たちとの第二ラウンドはもうすぐ始まるだろうから。
大成功
🔵🔵🔵
リーヴァルディ・カーライル
…猛火に覆われたエルドラドよりマシだけど、何の対策も無しに来たくは無い熱気ね
…まあ、私の場合は何処であれあまり変わりはしないけど
…来たれ、風の精霊。その風の衣にて、悪しき炎から我が身を護りたまえ
風の精霊を降霊して自身を熱気や煙を遮断する風のオーラにより防御してUCを発動
大鎌の刃に時属性攻撃の魔力を溜めて自身の周囲を時間停滞の魔力で覆い、
敵の行動速度を5分の1に低下させて殺気や存在感を第六感を頼りに捉え索敵を行い、
積み上げた戦闘知識と経験を頼りに敵の攻撃を見切り大鎌で受け流し、
怪力任せに大鎌をなぎ払い切断する早業のカウンターで迎撃する
…どれだけ巧妙に隠れた処で、こうも殺気を放っていたら台無しね
●
メラメラと燃え続ける草原、そしてそこに大量に沸いて出るというオブリビオン達、それらを片付けるにしてもあまりにも熱い場所だここは。
「とはいえ猛火に覆われたエルドラドよりマシ……とはいえ何の対策も無に行きたくないわよね」
胸元をパタパタと扇ぎ少しでも涼しくなろうと試みるリーヴァルディ・カーライル(ダンピールの黒騎士・f01841)。
いくらダンピールであろうとも能力を使わなければこの程度のことで玉の汗が滲み出てしまうだろう。
だがそれは力を使っていなければ、という話だ。
「…来たれ、風の精霊。その風の衣にて、悪しき炎から我が身を護りたまえ」
リーヴァルディの身体を包み込む優しき風、それは風の精霊による涼しき加護でありこれが効果を発揮しているうちは熱気をあまり気にしなくてもいいはずだ。
準備は整った、後は目の前の敵を探し出して……そして全て切り裂くのみだ!
「少しは楽しませて……よね?」
グリムリーパー、過去を刻むものと呼ばれる大鎌を仰々しく構えそして高まった魔力を刃へと流し込んでいく。
それは吸血鬼狩りを行う少女にとっての恐ろしき狩猟タイムの始まりを告げる仕草、普段の優し気な少女が今まさに狂気の吸血鬼狩りの愉悦へと浸っていくその瞬間なのだ。
「……吸血鬼狩りの業を馳走してあげる」
魔力で満ちた周囲では時間の流れが遅くなってしまった、リーヴァルディ以外の者がここでは通常の1/5のスピードでしか動けず次々と刃にかかり首を跳ねられ朽ちていく。
回避しようにもこの速度差は何ともしがたいもので一振りでいくつもの首が飛ぶこともあった。
「あぁぁ……あああああああああああ!」
絶叫と共にスピードが上がった者も出始めた、それでもリーヴァルディにとってはそれは楽しい楽しい吸血鬼狩りにスパイスが入り余計に悦びが湧くという歪な結果を生む。
力任せの大鎌を止めれる廃棄物はここにはおらずにスピードが上がろうともその足を切り裂き続いて胴を真っ二つにすれば誰も彼もがただの死体に成り果てるからだ。
炎で視界が悪くともなぜここまで一方的に屠れるのか?
それは炎越しに間合いの長い大鎌を振るだけで近くにいる者は射程に入り一撃で散るというただそれだけのシンプルな理由。
それにリーヴァルディに言わせれば、あれだけ叫べばどれだけ巧妙に隠れようとも大内……というわけだ。
「あはは❤ あはは……なになに、もっと抵抗して見せて、ねぇ? お前、お前達の事よっ!」
愉悦に歪んだ口元を隠すことなく吸血鬼狩りは恐るべきハントを続ける、見た者はすべからく死んでしまうのだから。
大成功
🔵🔵🔵
アイ・リスパー
「視界が悪いならば……これですっ!」
耐火性能が上がった機動戦車オベイロンⅡに乗って火の海に来たところで【千里眼】によって無数の偵察用ドローン群を召喚します。
この数なら、視界ゼロでも敵の位置を割り出せます!
「そこですねっ!
オベイロンⅡ、ミサイルと主砲発射です!」
荷電粒子砲とミサイルの雨で攻撃しましょう。
『アイ、エンジン停止です。どうやらまだ慣らし運転が足りていないところに、暑いところで戦闘機動した影響かと』
「えーっ、クーラーも切れちゃったんですかー?
こんなことならオプションでオール電化にしておくんでしたねー」
上着を脱ぎながら額の汗を拭う私は、これが敵のUCの効果であると気づいていなかったのです。
●
キュラキュラキュラ、燃える草原に響く機動戦車の駆動音、それこそがオベイロンⅡと呼ばれるたった一つの機体を捨てて生まれ変わった鋼の身体、鉄の悪魔を叩いて砕くアイ・リスパー(電脳の天使・f07909)がやらねば誰がやるっ!
などとワイトもそう思うと言っている気がするしアイはそれはもう絶好調にアクセルを踏み込んだ。
耐火性能が上がり初代とは比べれない強さになったオベイロンⅡ、火の海だろうとお手の物、この車体冷却機構は万全だし見えない敵への対策もばっちり。
さっそく偵察用ドローンを打ち出して周囲の探索に向かわせるなど何と手際がいいことか。
「ふっふっふ、視界が悪いならば……これにかぎりますっ!」
なんだろう、以前のヘタレっぷりを完全に払拭したかのようなアイの凛々しさと頼もしさは。
動画視聴者からはこれヤラセじゃね? アイちゃんあんなにかっこよくないぞとか色々コメントがついたり“いいね”が届いているようなので反応はまずまずのようだ。
オベイロンの死がアイを覚醒させた、そうだそうに違いないと騒ぎ出すものもいる、だがそんなコメントに気を取られずアイはコマンドを正確に命じて敵の殲滅にかかった。
「そこですねっ! オベイロンⅡ ミサイルと主砲を自由発射……薙ぎ払えーっ!」
アイに叫びはそのまま外では弾丸の雨霰となって火の海にさらなる地獄を引き起こす、廃棄物たちが次々とミンチになり消し飛ぶ光景は炎の海の向こう側で良かった。
あれが放映されると視聴率にも影響が出ただろうしなかなかタダでは済まない。
すでにトラウマが出ている友人がいない気がしないでもないが、まぁ……きっと大丈夫、あちらはあちらで上手くやっているはずだ。
そんな完璧(ぱーふぇくと)な戦闘を続けていたアイにパネルのいくつか赤くなってしまっているのに気付いてAIに尋ねることにした。
『アイ、エンジン停止です。どうやらまだ慣らし運転が足りていないところに、暑いところで戦闘機動した影響かと』
「えーっ、クーラーも切れちゃったんですかー? こんなことならオプションでオール電化にしておくんでしたねー」
汗をかきながら上着を脱ぎ捨てたアイ、あまりの高熱に汗が止まらない、さらに一枚脱ぎながら操縦に専念する。
ちなみに“いいね”はものすごいスピードで増えていく、それもそのはずこのコクピット内のアイの脱衣動画は全世界に流れてるのだから。
(え? 聞いてませんけど!?)
大成功
🔵🔵🔵
アイビィ・エヌディーイレブン
うわぁ、見たくないデス、見たくなかったデス…
(姉妹に“なれなかった”モノを見て沈痛な面持ち)
でも倒さないといけないデスよね、行くデスよ、『アンシュリオン』…!
【アルジャーノンエフェクト】を発動
こめかみに指を押し当て思考を研ぎ澄まし――
目を凝らして、耳を澄まして
炎の揺らぎを、“姉妹”の叫びを感じ取り
肉体の限界までライフルを撃ち続けマス!
アナタ達に恨みは無いデスが、ワタシ達にもやらないといけない事があるんデス!
(アドリブ歓迎)
●
「NDシリーズフラスコチャイルド、プロトタイプを全機廃棄処分、これより我々は新たなるモノを生み出すのだ!」
「うふふふ……ND-11、お前はどのような性能を我らに見せてくれるのか」
「AHAHAHAHAHA、これまでの研究データとこれだけの頭脳が揃えば計画成功は間違いなしだ」
誰なのかもわからない様々な声、それがいつの記憶かもわからないしそれどころか現実にあった記憶かどうかも定かではない。
だがアイビィ・エヌディーイレブン(フラスコチャイルドの戦車乗り・f24518)はこうも思うのだ、自分が生み出されるまでに作られたプロトタイプの廃棄品(ロストナンバー)達ははたしてその後どうなったのかということを。
燃える大地を彷徨う壊れた少女達、それはまるで魂の抜けたヒトガタという表現がよく似合う物体、そしてその姿を沈痛な面持ちで見つめるアイビィ。
それはそうだろう、髪や顔が不完全でわかりにくいがあの顔はどう見ても元々はアイビィと同じ系列の外見なのだ。
(うわぁ、見たくないデス……見たくなかったデス……)
黒い炎の先に徘徊する自分と同じNDシリーズ、つまりは“姉妹になれなかった”モノ達がこんなにも溢れ出しているのだから恐ろしいものだ。
あれは一歩間違えば自分もそうだったのかもしれないと思えばさらに心に重くのしかかる辛さ。
だが、だからといって放置なんてできないし、やるならば自分の手で片付けるというのがスジというものだろう。
「やるべき事は自分の手で……やるデスよ。 行くデスとアンシュリオン!」
アイビィはアンバランスなデザインの愛機に飛び乗りメイン動力に火を入れた。
機体のコンディションはオールグリーン、これでこそ最高の仕事ができるというものだ。
アイビィの姉妹達を倒すことになるであろう、そんな悲しい戦いへと愛機を向かわせる。
「こっち……デス」
恐らくなのだがこの戦場に残っている“姉妹達”の数はもうそう多くはない、仲間達がそれだけ活躍したということなのだが最期の看取ってやるのはアイビィにとってやらねばならない……これは義務だ。
こめかみに手を当てそして脳をフル加速させ思考を加速させていく、ほんの少しのデータから姉妹達のいる場所を特定しレバーをそっと握り機体の方向と砲身を微調整。
トリガーに指をそっと乗せそして考える、あれらはワタシだ成り切れなかったワタシだ。
運命の歯車がズレていればあそこで唸っていたのはワタシ自身なのだとそう何かが訴える。
零七式車載型対戦車ライフルの威力であれば苦しまず逝くことができるはずだ、だから……“許しテ”とは言わない。
「目標をロック……サヨナラ」
空気が吠える、黒い炎を突き破りキャバリア用のライフルが連続で撃ちだされていく、ありったけの弾薬を撃ちまくり、マガジンを交換しさらに何発も撃ち込み遥か視界の先で弾け飛ぶ姉妹達。
(アナタ達に恨みは無いデスが、ワタシ達にもやらないといけない事があるんデス!)
脳が熱くなる思考の加速は昔の事を、どうやって生まれたのかを、そしてこの先どうするべきなのか……視界が真っ白になるまでそれはどこまでも加速していき……。
ビービービー
機体のアラームが残弾0を現している、そして愛機アンシュリオンのコクピットでぐったりと昏睡状態に陥ったアイビィ。
戦いは終わった、残らず殲滅された姉妹達はもうここで襲いかかってくることはない、ただ直接顔を合わしての別れでない事だけが唯一の救いとなったのではなかろうか。
自分と同じ顔の姉妹達の死にざまなど決して見ていて気分のいいものではなかっただろうから。
だからこそこの戦場の視界を塞ぐ黒い炎は、今日のアイビィにとっての救いの神だったのかもしれない。
大成功
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