アポカリプス・ランページ⑤〜悪食は共有し、増殖す
ソルトレークシティの一角、かつては何らかの宗教団体の施設であったであろう痕跡の残る建造物の瓦礫が揺らぎ、崩落する。
オブリビオンストームによる荒廃、その影響による崩壊と普段なら気にも止めない出来事であるが、此度の崩落は自然劣化にあらず。
崩れた瓦礫の向こう側、闇の中に光るは血走った数多の赤き眼光。
それらは10や20に収まらぬ数が潜んでいることを如実に示し、やがて獲物を求めて走り出す。
闇の中より姿を見せるは150cmは超えようかという巨大なネズミ、その数は測定不可能。
次々と飛び出してきたネズミの群れは手近なものに鋭き前歯で噛り付き、食べれるものなら咀嚼し飲み込み胃袋へ。食えぬものと判断すれば即座に吐き出し、踏みしだき、仲間のネズミがそれに追従。
圧倒的な物量を展開し、周囲を蹂躙するネズミが投入された理由、それはこの地を奪取せんと戦いを繰り広げる猟兵の足止め、あわよくば排除。
単純なネズミの群れならば各個撃破で倒されてしまうであろう存在、ほんの少しの時間稼ぎしかできないだろうが此度のネズミは一味違う。
何せ、この土地で行われていた研究成果の一部を流用、この物量を生かす為の強化が施されたのだ。
その研究成果を投入され、物量という武器をさらに強化されたネズミの大集団が猟兵の足を止めるべく立ち塞がる。
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「お集まりいただきありがとうございます、今回はアポカリプスヘルで発生している大規模な戦いへの介入となります。
皆様に向かっていただくのはソルトレークシティと呼ばれる場所、そこに展開している膨大なネズミの群れを殲滅する事が目的になります」
集まった猟兵を前にして説明を開始するのはクアド・ペントヘキシウム(バーチャルキャラクターの人形遣い・f09688)である。
今回彼女が予知したのはアポカリプス・ランページに連なる戦場、そこに出現した膨大な量のネズミの群れを相手取る戦いとなる。
単純な物量を押し付ける相手ならば時間をかけて倒すことは可能だろうが、それができないように細工されているのが此度の敵。
「どうやら敵のネズミはとある研究成果の一つを施され、出現するネズミ同士で命を、即ち生命力を共有しているようなのです。
つまり各個撃破を狙い攻撃してもすぐにそのダメージを群れ全体で共有、倒しきる事が出来ない為に数は減らない。そして敵の数は膨大で次々と増援が出現する性質を持つ。
物量を生かした存在を、さらに厄介にさせたような状態になっているのです」
生命力を膨大な群れで共有、そして新手を次々と繰り出し数を減らさぬままに蹂躙するという、数こそ力、を続ける恐ろしき陣容。
されど全体で生命力を共有しているからこそ、そこに攻略の起点があるとクアドは続ける。
「単体を狙う戦いでは効率が悪いですが、裏を返せば広範囲へ、致命傷とならずとも多数を巻き込むような攻撃を繰り返せば確実に相手を消耗させることができます。
時間をかけて、一匹を絶命させる一撃を打たず同じ時間で10匹を傷つける方が全体共有している命へのダメージが大きい、ということですね」
数を武器に、生命力を共有するなら総合ダメージを瞬時に跳ね上げてしまえばよいだけの事。
相手が散らばり潜もうが、その手合いも集団を狙い攻撃し続ければやがて共有する生命力が尽きれば絶命するので無理に伏兵的立ち位置のネズミを探す必要も無いということである。
「情報としては以上となります。最初は相手が倒れず数を相手取り面倒だとは思いますが、日頃使っていない広範囲への攻撃を遠慮なくぶちまける好機でもありますね。
では、すばらしい成果を期待します、準備はよろしいですね?」
そう言ってクアドは説明を終了、グリモアを起動させ数多の敵集団との戦いへ猟兵を送り出すのであった。
紅葉茉莉
こんにちは、紅葉茉莉です。
今回は戦争シナリオをお届け、標的となるのは膨大な数のネズミです。
とにかく数を生かして、点ではなく面での攻撃を仕掛けてくる厄介な存在、そして生命力を共有しているが故に強烈な一撃を単体に叩き込もうがすぐに群れ全体にダメージを分散、倒れずに向かってきます。
それを踏まえての戦い方を考えて頂ければ、と思います。
プレイングボーナスはオープニングでクアドも説明していますが、此方にも。
なるべく多くの敵に大ダメージを与える工夫、がされているとプレイングボーナスがかかる形になります。
地形はあちこちに崩れた瓦礫が散らばり死角のある廃墟郡、瓦礫の裏や建物の中などは見えませんが別に保護する必要のある建造物もありません。
邪魔ならば破壊し、視界を確保するように立ち回ってもよし。
何らかの手段で敵を一網打尽にするならば、あえてそれらの廃墟を利用しての立ち回りをするのもご自由に。
選択は皆様次第、どのような攻撃手段で数を相手に立ち向かうかです。
では、ここまで長文を読んでいただきありがとうございました、ご縁がありましたらよろしくお願いします。
第1章 集団戦
『大砂ネズミの群れ』
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POW : 踏み荒らすネズミたち
【更に大量の大砂ネズミの群れ】が現れ、協力してくれる。それは、自身からレベルの二乗m半径の範囲を移動できる。
SPD : 突進するネズミたち
【大量の大砂ネズミの】突進によって与えたダメージに応じ、対象を後退させる。【もっと大量の群れ】の協力があれば威力が倍増する。
WIZ : 喰い荒らすネズミたち
戦闘中に食べた【物】の量と質に応じて【大砂ネズミたちの細胞が活性化し】、戦闘力が増加する。戦闘終了後解除される。
👑11
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鳴上・冬季
「ふむ。さすが鼠の化生といったところでしょうか。実に良い依頼です」
嗤う
「それでは他の猟兵とかち合わぬうちに楽しませてもらいましょう。庇え、黄巾力士」
自分は風火輪
黄巾力士は飛来椅で飛行
黄巾力士には自分を庇うよう命じ、鼠が近づけないよう制圧射撃させ、攻撃を受けそうな時はオーラ防御で庇わせる
空中から発生源含めこの廃墟(及び群れ)全体を取り込むほど大きな大きな陣を八卦天雷陣を重ねて書くことで完成させる
「ここまで大きな陣を書いたのは久しぶりです。それでは鏖殺を始めましょう…
万象流転し虚無に至れ!」
「蹂躙せよ、黄巾力士」
UC後も残敵があった場合、黄巾力士には鎧無視・無差別攻撃の蹂躙命じ自分も雷公鞭振るう
四季乃・瑠璃
緋瑪「範囲攻撃・広域殲滅ならわたし達にお任せってね!」
瑠璃「特にこれは爆弾特化の力だしね」
翡翠「…ハハッ!」
瑠璃&緋瑪「それ以上はいけない!」
【破壊の姫君】で分身&シスターズ
飛翔翼で3人で飛行し、敵を自分達に惹きつけて集め、後は空中からUCで強化した接触式ボム&感知式ボム【爆撃、蹂躙、範囲攻撃、鎧無視、鎧砕き】を大量投下の【乱れ撃ち】。
敵を逃がさず、なるべく大勢の敵を爆破できる様に3人で囲う様に爆撃を行い、爆破の威力でクレーターを形成。
後は爆撃でクレーターをドンドン深く形成していき、敵を逃げられない穴の底に押し込め、ジェノサイドノヴァでまとめて爆砕するよ。
翡翠「ネズミは流石に食べられない…」
マリア・ルート
前もそうだったが、このネズミどもはただ軍団で突撃するしか能がないのか…?
確かに人海戦術はあるが…一騎当千の存在には敵わない。私みたいな『範囲攻撃』得意な者には特に、な。
【指定UC】でMAP攻撃。
戦場全体を包む攻撃だ、逃げられるわけがあるまい。
群れを見つけるたびにそこを起点に発動してやろう。戦力の逐次投入は愚策と知るがいい。
崩れた瓦礫は視界の邪魔になるようなら破壊だ。死角からの肉薄が一番怖いのでな。
さらに『野生の勘』で肉薄を察知できるようにし、肉薄されたら『オーラ防御』で防御か『早業』で回避、さらに『吹き飛ばし』『なぎ払い』で距離をとらせてやる。
生憎面制圧は私の十八番なのだよ。
圧倒的物量を生かし展開を始めた大砂ネズミの大群の勢いは凄まじく、ネズミにしては巨大な体躯も相まって数多の足音が重なり合い、また鳴き声も同様に。
膨大な数の音が重なる事にて不気味で、それでいて大音量の鳴き声が、足音が響き渡っていた。
「ふむ。さすが鼠の化生といったところでしょうか。実に良い依頼です」
その展開を嗤いながら眺めるは鳴上・冬季(野狐上がりの妖仙・f32734)
壮観、されど数をまとめて蹴散らす秘策ありとばかりに目を細め片手を挙げれば呼び出される二足歩行の自立戦車、黄巾力士。
「それでは他の猟兵とかち合わぬうちに楽しませてもらいましょう。庇え、黄巾力士」
自らの足首には炎を纏い回転する車輪を嵌めて空中浮遊、黄巾力士も追従するよう空に飛び、上空から見下ろすは膨大なるネズミの集団。
だが今すぐに手は下さぬ、その飛翔能力を利用して上空に描き出されるは八卦の陣、されどその大きさが別格で。
廃墟郡を覆い尽くさんばかりの陣を幾重にも重ねて描くその姿、さすがに何度も上空を飛び回られれば大砂ネズミも不穏な物を感じ取ったか幾匹かが上空向けばその動きに呼応。
一匹が瓦礫を咥え、首の力を用いて上空へ投げ飛ばせば他のネズミも追従し、さながら瓦礫の砲弾による対空砲火が如き弾幕が形成されていたのである。
「なるほど、流石に気付きますか……ですが」
自身を撃ち落さんと放たれる一斉投擲、されど落ち着き払う冬季の下方。オーラを纏った黄巾力士が庇うように滑り込み、次々と放たれる瓦礫をその身で受けて。
主への被弾を防げばその間に虚空に広がり、そして地表へゆるりと落ちる描かれし八卦の陣。
その陣自体に攻撃能力は無いが不穏な気配を感じたか、迎撃していたネズミ以外に周囲へ散開する個体も続出。
もとより廃墟郡も広大、かつネズミの集団も全てが同じ場所に群れていたわけでもなく全ての敵を洩れなく包むことは出来ていないが機会を逃すのが一番の失策と判断したのか冬季は行動を変更。
「ふむ、あちら側までは覆えませんでしたが止むを得ません、ですがここまで大きな陣を書いたのは久しぶりです。それでは鏖殺を始めましょう……万象流転し虚無に至れ!」
飛翔する中緊急停止、慣性が働きぐっと体に負荷が伝わる中で右手に持った多節鞭を振るえばその先端より放たれる一筋の雷光。
その雷光が地表に到達すれば先に仕掛けた八卦の陣が光り輝き、陣内に吹き荒れる颶風。
切り裂かれ、吹き飛ばされ、押し付けられ、巻き上げられ。
風との位置関係にて様々なやられ方をする大砂ネズミの大群、その被害は甚大。
「全ては巻き込めませんでしたが、あちらは他の猟兵にお任せしましょう、蹂躙せよ黄巾力士!」
広範囲へ、多数へ十分すぎる被害を与えた冬季はそのまま黄布力士を伴い急降下、射撃援護を行わせ自身は手にした鋼鉄製の多節鞭、雷公鞭を振るい突撃。
立て直しを図る暇も与えぬとばかりに追撃を始めていたのである。
「おー、さっきの攻撃はすごかったね、けど範囲攻撃・広域殲滅ならわたし達にお任せってね!」
「うんうん、特にこれは爆弾特化の力だしね」
開幕から派手に仕掛けた攻撃を遠くに見遣り、その攻撃範囲から逃れていた別の群れを前にしていたのは多重人格者が持つひとつの人格であり、分身として行動する緋瑪とそんな彼女の本体である四季乃・瑠璃("2人で1人"の殺人姫・f09675)
先ほどの広域攻撃に負けぬと気合を入れた二人だが。
「……ハハッ!」
「「それ以上はいけない!」」
突然聞こえた謎の笑い、色々と名前を出したり表現したりが憚られるネズミなキャラクターのモノマネを始めた別人格を宿した人形、翡翠の暴挙を全力で止める緋瑪と瑠璃、問題の目は早期に摘み取る模範的な行動であった。
そんな茶番はさておいて、三人による連携攻撃の開始。
分身であるということは全員が同じ装備、つまりは飛行能力を持つ飛翔翼を瑠璃が装備していれば自ずと全員が装備して三人が空に浮かべば殲滅作戦の開始である。
「こっちは私が、反対は瑠璃に任せたよ」
「オッケー、それじゃ中央は翡翠、お願い」
「……ん、わかった」
三方向に展開すれば、それぞれが地表スレスレを飛んでみたり、あえてネズミのすぐ隣を飛びぬけたり。
また時には瓦礫を巻き上げたりと様々な飛び方をしながらネズミの群れ、その注意を引き付け敵意を向けさせ進行方向をコントロール。
そのまま三人でグルグルと囲むように飛びながら次々と爆弾を投擲、最初は降り注ぐ物体が何なのか理解していなかった大砂ネズミたちであったが次々と爆発、仲間が吹き飛ばされるのを見て危険を察知。
散り散りに逃げようとするも既に手遅れ、逃走図るネズミの進路を阻むように三人の誰かが退路を遮断、爆弾を投げ込んで。
ならば別方向だと走るネズミも別の誰かが投じた爆弾によって阻まれ逃走は不可能。
そして徐々に囲みは狭く、また爆発が重なり合って小さな穴が繋ぎ合わさり巨大なクレーターのような物が出来上がれば、そこへ追い込む様に三人の爆撃範囲はさらに絞られて。
「それじゃ、これで」
「一気に殲滅っと♪」
瑠璃と緋瑪が魔力を注ぎ、威力を高めた爆弾を投げ込めば一際大きな爆発が巻き起こり数多のネズミがその爆風に飲み込まれ、辺り一面に焦げ臭い煙を広げていく。
殲滅、とまではいかないが此方も広範囲、そして多数の敵へ無差別攻撃を仕掛けることで群れ全体の耐久力を大きく削り取ることは出来たといって間違いない。
「焼いても、ネズミは流石に食べられない……」
そんな中、翡翠もネズミに負けず劣らず悪食っぷりを発揮しそうになっていたが、やはりネズミは食べられないという結論に落ち着いたのはまた別の話である。
「なるほど、あちらは爆弾による爆発か。まあ似たような能力だが相手がネズミなら学習も出来んだろう」
派手に爆発で多数を巻き込む様子を確認、真の姿である紅き吸血鬼の姿を見せるマリア・ルート(紅の姫・f15057)が呟きながら広範囲攻撃から逃れ、新手を呼び寄せつつあるネズミの群れを凝視する。
以前、同種と戦ったことがあるのだろうか。ただ軍団で突撃してきたと記憶を呼び起こし、また此度も同じように物量を生かしての人海戦術を取る様子を呆れ顔で見つめていたのだ。
「確かに人海戦術はあるが……一騎当千の存在には敵わない。私みたいな『範囲攻撃』得意な者には特に、な」
ならば以前と同じように、このネズミそのものに。
そしてネズミをけしかけた者に分からせてやるだけだ。その為ならば手加減不要、徹底的に叩き潰し力の差を見せ付けるだけ。
「私を倒すことはほぼ不可能だ。何故かわかるか?」
走り回るネズミ、その一点を睨み付け、この戦いを監視する者が居たならば。
その存在に言い聞かせるように、そして存在しないのならばただの戯言とばかりに呟けば、視線の先が紅く光ったと思えば瞬時に爆発。
周囲へ紅き魔力の波動が広がって、飲み込まれた大砂ネズミがその衝撃で吹き飛ばされる。
直接触れられたわけでもない、攻撃する素振りを見たわけでもない。
意識の埒外から繰り出された攻撃に右往左往するネズミの集団に、追加とばかりに新たな爆発をお見舞いし。
第二、第三の衝撃で小さな集団は何も出来ぬままに吹き飛び、そして瓦礫の下へと消えていく。
だがしかし、一方的に倒されるだけではないとばかりにネズミ達も反抗の機運を高め散らばり、瓦礫を盾に周囲に潜む。
徐々に近づく獣の気配、それを肌で感じながらマリアが一歩踏み出して、ザリッと小石が靴底で音を鳴らしたその瞬間。
「ふん、本能的に隠れたか。まあいい、邪魔な瓦礫はこうするだけだ」
死角からの肉薄、それが此度の戦いにおいて最も警戒する攻撃。
ならばそれへの対処をどうするか? その答えは至極簡単、自身の周囲に存在する、死角を生み出す瓦礫全てを破壊してしまえば良いという事。
そして今まさに瓦礫に潜む敵が居るのなら、それごと全て吹き飛ばすまでと右へ左へ視線を移せばそれに呼応し、聳え立つ瓦礫を中心に次々と爆発が巻き起こる。
ネズミが潜もうが潜んでいまいが、関係ない、邪魔な存在は全て排除するまでと容赦のない連鎖爆発、そして広がる魔力の波動が瓦礫を押し出し、へし折り、またネズミも同時に吹き飛ばし。
絶叫が如き鳴き声が響き渡るもそれをかき消すように重なる爆発音、それが収まる頃にはマリアの周囲に遮蔽物となる瓦礫は存在せず、まるで最初から何もなかったかのような地面が露出するだけとなる。
「生憎面制圧は私の十八番なのだよ、それに今から新手が来ても戦力の逐次投入、単なる悪手だ」
そう呟いたマリアが再び目を向ければ、新たに出現したネズミの集団が吹き飛ぶ光景が広がっていた。
大成功
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ニクロム・チタノ
アハハこの辺りは瓦礫が多いですね、こういうところにネズミは潜んでいる可能性もありますね
まずはヨダレを撒き散らして瓦礫ごと辺り一面をヘドロ化してネズミ達をヘドロの猛毒で動きを封じつつヘドロの海に沈めましょうか
どんどんネズミ達が集まって来ましたねならばヘドロをどんどん生み出してヘドロの底に沈めてあげますよ
この辺りはヘドロの材料になる瓦礫も沢山ありますからね、ヘドロには事欠かないのです
いくら数が居ても小さな体では耐えられる毒の量は小さなもの、ヘドロの海の猛毒には耐えられないでしょう?
まるで飛んで火に入るなんとやら自分から死地に飛び込むとは滑稽ですね、所詮はネズミですか
アハハッアハハハハ
馬県・義透
四人で一人の複合型悪霊。生前は戦友
第三『侵す者』武の天才
一人称:わし 豪快古風
武器:灰遠雷
本当に厄介な手合いよの。
さて、広範囲に均等ダメージなぁ。ま、馴染みある攻撃があるのだ。
建造物の中でもできるだけ高いところに。なければ空中浮遊する陰海月を足場に。
視認範囲全てに【四天境地・雷】。雷属性攻撃は、四天刀鍵で増幅してあるしの。
このUC攻撃を繰り返す。
突進は受けぬようにせねばな。建造物壊れそうなら、やはり陰海月に乗って空中浮遊かのう…。
※
陰海月「ぷきゅ」
いざというときの足場。ゆらゆら。
クロゼ・ラビットクロー
【兎爪】
ラブリーのことはラビィと呼ぶ。
口調は普通。ラビィ以外には敬語。混ざっても問題なし。
アメリカが広すぎて迷子になってたけど、
やっとラビィを見つけられたな。
うわっ、大砂ネズミじゃないか。
親の顔より見た連中だぞ。
アメリカでも出るんだなー。
なんかこう、爆弾でバーっと駆除してもいんだけど。
やたら数いるみたいだから【焼夷弾】使っとくか。
僕は常にガスマスクしてるので
風向きとか普段は考えないんだけど、
より多くのネズミを巻き込むために、
瓦礫の影に隠れて風上に移動しておこう。
発生した燃焼ガスはネズミを即死させるには
ちと弱いかもしれないけど、
動きを鈍らせるには充分のはずだ。
あとはラビィに任せれば大丈夫だろう。
ラブリー・ラビットクロー
兎爪
ししょーやっと見つけた!
もー!一体今までどこ行ってたんだ?
でも会えて嬉しーのん
沢山お話したいけど
その前にする事しなくちゃなん
うわっ、大砂ネズミなんな
マザーの顔より見たネズミ
【本当ですか?】
ごめん嘘かも
でも今日はししょーと一緒
マザーはお留守番
【行ってらっしゃい】
ししょーが黒いガスもくもくさせてるぞ
ネズミの動きも鈍ってるんだ?
今の内にらぶも煙に紛れちゃお
ラビットギアから抜き取ったガソリン沢山まいちゃって
その近くにはきらきらビー玉とピカピカ金貨
とてもきれーでしょ?食べたくなっちゃうんだ?
あんまり美味しくないけれど
沢山食べてもいーんだぞ
ししょーがサイン出してる
それならラビットブレスで燃やしちゃえ!
モン・サンシン
みゃふふ、ネズミさんみゃ?いつもみたいに黒いぐるぐるでもいいけどたまにはさそうダンスに変えても面白そうみゃ。
「レーッツダンシーングっ!」
ダメージとか戦い方はみんなに任せるけどさそうダンスで妨害しちゃうみゃっ。呼ばれるとこあらばそっちでもダンスしちゃうみゃっ!
レッツパーリィナーイッ!
黒沼・藍亜
向こうが単に時間稼ぎとかに徹さず、物量で押しつぶすつもりなら待ち伏せるだけっすかね?
予め足元に『昏く暗い黒い沼』をできる限り広げておくっすよ(罠使い)
後は踏み込んだ相手を片端から『啜り孕む黒い触腕』で《不意打ち》して《捕縛》し沼の中へ。
そもそもこの「沼」自体がUDCだから踏み込んだ時点で《生命力吸収》されるんすけどさ
一挙殲滅っていうか丸ごと拘束し継続ダメージ、って感じっすね
……そして保険でUC使用、沼から出てきたパン子を触腕でぶん投げて爆撃しつつ、飛び散る粘液で「沼」の罠領域を広げるっすよ
この沼は底なし…っていうか異界に繋がってるし、どんどん身投げしてくれていいっすよー?
※アドリブ他歓迎っすよ
派手に集団を蹴散らす攻撃、ならばその攻撃から逃れるように走り回った集団はどこへ行くのか?
まるで誘導されるかのように走るネズミ、その先には猫、もといケットシーのモン・サンシン(スキャットニャン・モン・f00444)が立っていた。
「みゃふふ、ネズミさんみゃ? いつもみたいに黒いぐるぐるでもいいけどたまにはさそうダンスに変えても面白そうみゃ」
挑発的に尻尾を振って、今からネズミ対策とばかりにテンションを上げていくモン。
だがこの大砂ネズミ、体長は150cmと小柄なケットシーであるモンの5倍近い大きさ、そして大群という状況。
逃げるばかりでフラストレーションが溜まっていたのか、小さい獲物であろうと容赦せぬとギチギチ前歯を擦り合わせて音を立て、一斉に飛び掛らんと走り出すネズミの群れ。
「みゃふふ、遊ぶみゃ? いいみゃ、それじゃ……レーッツダンシーングっ!」
自分に釣られたと察したモン、ならばこのまま引き寄せるとばかりに踊りながら逃げ出せば、それを追うネズミの群れ。
あえて追いつけそうな距離保ち、群れを引き付け誘導する先は仲間の猟兵が罠を仕掛け待ち伏せるポイントで。
「向こうが単に時間稼ぎとかに徹さず、物量で押しつぶすつもりなら待ち伏せるだけっすよ」
地中、もとい地表に広がる黒き液体の中から聞こえた声は黒沼・藍亜(人間のUDCエージェント・f26067)のもの。
その声を聞いたモン、後は任せたとばかりに黒き沼を飛び越えるように跳躍、瓦礫の上へと飛び乗ればそれと入れ替わるようにして沼の中からぬるりと体を起こし、姿を見せた藍亜。
追いかけて来た猫は逃げた、ならば代わりにこの人間を食い散らかすとばかりに速度を上げて突っ込むネズミたちだがその先は既に藍亜のテリトリー。
「勢いはすごいっすけど、そこ、ホラ……底なし沼なんっすよね」
最前列のネズミが広がる黒き液体に足を浸し、突き進めばすぐに広がる深みの領域。
足を取られもがく姿に後続が急停止しようとするも、大群であるが故に衝突から押し出され沼に飲まれる個体が次々と出現。
さらに混乱を加速させるように、沼の中から多数の触腕伸びれば手近なネズミを掴み、また遠方で引き返そうとしたネズミもあざとく見つけ尻尾を掴み、力任せに引き寄せて。
次々とネズミたちを沼の中へと引きずり込んでいたのである。
だがしかし、ネズミの受難はこれだけではない。単純な待ち伏せ、いわば落とし穴に近い沼だけで数は減らせぬとばかりに藍亜が沼から触腕で引き出しそのまま投げ飛ばしたのは回転式の自立型爆弾、パンジャンドラムなどと言われ一部では熱狂的なファンが存在する代物。
もっとも、ただのパンジャンドラムではなくこれはれっきとしたユーベルコードで生み出された存在で。
「行くっすよパン子! 後方爆破で追い立てるっす!」
ネズミの後方、つまりは広がる沼と投げ飛ばされた車輪というかパンジャンドラムというか、パン子で挟み込み、追い立てる事で沼へと身投げさせる。
いわば過去の名称が行った、鎚と金床戦術のようなものをこの地で再現したのである。
後方で発生する爆発、そして更に領域を広げる沼、追われ広がる沼に落ちるネズミたち。
生命力を吸い上げる沼に多数が飲まれれば、殲滅はされずとも継続的にダメージが入る事にて共有する生命力を削り続けるという厭らしくも効果的な戦術であった。
「この沼は底なし……っていうか異界に繋がってるし、どんどん身投げしてくれていいっすよー?」
最早聞こえているかわからぬ、混乱しきったネズミたちを煽るように声を出し、藍亜がより多くを沼の中へ引き込む様子を見届けたモン。
では次とばかりに飛び跳ね、新たな群れを発見すれば同じとばかりに飛び出して尻尾を一振り。
「みゃはは、レッツパーリィナーイッ!」
此方でも同じように誘うオーラを全力で振りまいて、刺激されたネズミたちが一斉に走り出す。
さあ、追いついてみなさいとばかりにクイクイと体をくねらせ踊りながら逃げ出すモン、苛立ちながら追いかけるネズミの群れ。
そんな中でモンは呼ばれたような、それでいて先ほどの藍亜と似たような気配を感じそちらに方向転換、ネズミを引き連れ走る先には黒色のナニカが広がっており、同じように引き込もうと走っていくが近づくにつれ違和感が。
「みゃっ? な、なにか変な臭いがするみゃっ、とりあえず飛び越えるみゃ!」
立ち込める異臭に気付き、あの液体に触れてはならぬがネズミは引き寄せるとばかりに走るモン、そろそろ飛び越え瓦礫を足場にしようとした瞬間。
幾つかの瓦礫がぐらりと揺らぎ、倒れ、黒き液体に飲まれ溶けて行く恐ろしい光景が。
「やっぱりやばいみゃ! ここはさっさと走り抜けるみゃっ!」
踊りながら走っていたモン、ここは危険すぎるとばかりに普通に走り跳躍し、瓦礫を足場に次々と飛び跳ね液体、もといヘドロ地帯を駆け抜ける最中下方に見えるは一人の猟兵。
両腕を力なくだらりと下げて、ゆらゆらと不気味に体を揺らしながらヘドロを撒き散らしていたニクロム・チタノ(反抗を忘れた悪堕ちヘドロ・f32208)の姿であった。
とりあえず後は任せたとばかりにモンが走り抜けた後、追いかけて来たネズミ達もヘドロの悪臭と立ち込める毒素に気付いたか足を止めるがもう遅い。
「アハハこの辺りは瓦礫が多いですね、こういうところにネズミは潜んでいる可能性もありますね」
嗤いながら、モンが引き連れてきたネズミ以外もいるのでは、などと考えて。
次々と撒き散らすヨダレ、それは腐食効果も持ち合わせヘドロ化を齎す毒素を含む危険物。
それらを受けた瓦礫などひとたまりも無く新たなヘドロが生み出され、ネズミ達が進む為に必要な足場を消し去り、また退路を断つかのように汚染領域を広げていく。
ならば力任せに汚染源であるニクロムを倒してしまえとばかりに新手を呼び寄せ、ネズミの集団が一気に飛びつき体当たりを仕掛けていくが近づかれる事は彼女にとって望むところと言わんばかりの展開で。
「アハハッアハハハハ、どんどん集まってきましたね」
笑いながら体を揺らし、体当たりを受けてよろめくも問題ない、とばかりに踏みとどまり。
ぶつかった衝撃でヘドロを更に撒き散らし、周囲に汚染地域を広げ瓦礫を素材にヘドロを増やし、ネズミを取り囲んでいくニクロム。
「いくら数が居ても小さな体では耐えられる毒の量は小さなもの、ヘドロの海の猛毒には耐えられないでしょう?
まるで飛んで火に入るなんとやら自分から死地に飛び込むとは滑稽ですね、所詮はネズミですか」
捲くし立てるように早口に言葉を紡ぐその姿、それはおおよそ理性を保っているとは言いがたくナニカが決定的に壊れてしまったかのように見える危険なもの。
だが敵を倒すにその力が有用なのは変わりなく、粘性の危険領域を広げネズミを飲み込み、先ほどの藍亜と同じく持続的にダメージを与え続ける姿がそこにはあるのみであった。
追い立てられ、また引き寄せられて多数のネズミに甚大な被害が出ている時。
少数の群れを見つけ、されどどこからか新手が来るかもしれぬと警戒している猟兵の姿があった。
「本当に厄介な手合いよの。さて、広範囲に均等ダメージなぁ」
一人呟き、瓦礫を足場に飛び上がり。高所を取ってネズミの群れを見下ろすは馬県・義透(死天山彷徨う四悪霊・f28057)
だが崩壊した建造物の残骸、一般的住居の屋根程度の高さでは視認できる範囲は限られ、より多くの敵の動きを見るには不適当と判断したのか義透が片手を翳せば空中に浮かぶ巨大なクラゲ。
ふよふよとまるで水中を泳いでいるかの如く動くそれ目がけ飛び跳ねて足場にすれば、踏んだ瞬間柔らかな質感と共に「ぷきゅっ」と音を鳴らしつつクラゲが変形。
そのままゆらゆらと高度を上げれば先ほどよりも多くのネズミが義透の、もとい彼を構成する多数の悪霊、そのひとつの人格である侵す者の目に入っていたのである。
「居るわ居るわ、面倒な手合いがごろごろと。瓦礫なぞすぐに駆け上っている辺り、やはりこれで正解かの」
突進されてはたまらなかったとばかりに呟いて、浮遊するクラゲに乗って空中移動を選択してよかったと呟きながら取り出したのは鈍く灰色に光る弓の灰遠雷。
しかし弓あれど、番える矢は見当たらず。ならばどうするのかといえば生み出せば良いだけで。
「如何に数を揃えようともそれに適した、馴染みある攻撃があるのだ。悪霊からは逃げられない」
弓握る手に力が篭れば、腕より立ち上る黒きオーラ。
それは強烈な呪詛であり、灰色の弓がまるで漆塗りの漆器が如く黒く艶やかに輝けば、それと同時に右手には霊力にて生み出された矢が一本。
そのまま弓へと番え、引き絞ればキリキリと弦が張り詰め音鳴らし、ふと力を緩めれば番えた一矢がひょうと飛ぶ。
だが多数を相手に効果的な攻撃が、霊力で生み出した矢が一本だけなわけもない。
飛翔する最中、その矢が次々と分裂。雷光纏った矢となって降り注ぎ、次々とネズミ達を射抜いていく。
勿論、攻撃がこれだけで収まるわけも無く。義透は次なる矢を番え同じ様に放っていけば此方も分裂、多数のネズミを追いかけながら射抜いていく。
一射ごとに向きを変え、次々とネズミを射抜くその姿は一人で多数の弓兵として機能しているかの様。
こうして、数多のネズミが雷光の矢にて動きを止めていくのであった。
「ししょーやっと見つけた! もー! 一体今までどこ行ってたんだ?」
「はは、すまんすまん。アメリカが広すぎて迷子になってたけど、やっとラビィを見つけられたな」
ガスマスク越しに対面の喜びを見せていたのはラブリー・ラビットクロー(とオフライン非通信端末【ビッグマザー】・f26591)とクロゼ・ラビットクロー(奇妙なガスマスクの男・f26592)の二人であった。
戦場は広い、故に離れ離れになっていたのだろう、感動の再開といったシーンだが今は戦場、そして戦闘中である。
本来ならばつもる話もあって、長時間ああだこうだと語り合いうような場面だがそれを許さぬ敵が居る。
ガラガラと瓦礫を押しのけ、姿を見せた数多の大砂ネズミたち。
「でも会えて嬉しーのん。沢山お話したいけどその前にする事しなくちゃなん」
「うわっ、大砂ネズミじゃないか。親の顔より見た連中だぞ。アメリカでも出るんだなー」
敵が出たというのに、まるで近所の顔なじみな野良猫が出てきたかのような反応なクロゼとラブリー。
「うわっ、大砂ネズミなんな、マザーの顔より見たネズミ」
なんということ、二人は親よりもこのネズミの顔を見た回数の方が多いというのか。
もっと親の顔を見てあげて。
『本当ですか?』
ナンテコッタイ、スマートフォンからマザーがラブリーに抗議の声を上げている。
ほら、ここでちゃんと言ってあげないと。
「ごめん嘘かも。でも今日はししょーと一緒、マザーはお留守番」
『行ってらっしゃい』
よかった、ちょっとした冗談程度で済んだようでマザーとラブリーは和解できている、はず。
そんな茶番はさておいて残存数が少なくなってきているがまだまだ多数のネズミが闊歩しているのも事実。
「なんかこう、あっちでやってたみたいに爆弾でバーっと駆除してもいんだけど。やたら数いるみたいだから【焼夷弾】使っとくか」
「そこらへんはししょーに任せるのん。お手伝いは任せてほしーの」
ふっと遠くを見たクロゼ、方針を決定したのかネズミから離れるように走り出し、追従するようにラブリーも瓦礫に紛れ姿を隠す。
残された大砂ネズミが仲間を呼び出し、逃げた二人を追いかけようと首を動かし合図を送り、瓦礫を押しのけ走り始めたその瞬間。
風上から放物線を描き飛んできたのは一発のグレネード、着弾と同時に燃え上がり、そして黒き煙を出して周囲の視界を奪いつつ生物にとって有害な燃焼ガスを撒き散らせば、ネズミ達は四散し煙の範囲から逃れようと走り出す。
だがその煙に包まれるのはネズミだけではない。
ネズミを倒すべく戦場に立つ猟兵……今回で言えばラブリーもその煙に隠れネズミの集団に密かに近づき、多量のガソリンと共に光る硬貨やビー玉を周囲にばら撒く。
「ししょーが黒いガスもくもくさせてるぞ、つまりらぶも煙に紛れちゃお。
とてもきれーでしょ? 食べたくなっちゃうんだ? あんまり美味しくないけれど沢山食べてもいーんだぞ」
ガスマスクの下で呟き仕込みを完了、ネズミの前には硬貨とビー玉、その煌めきは何か強く引き付けるようなものがあり、食べることが不可能でありながらネズミたちは引き寄せられる。
あからさまなトラップ、だがしかし抗えぬ誘惑に一匹、また一匹とネズミ達がガソリン地帯に足を踏み入れ、硬貨やビー玉に噛り付き、また立ち込める燃焼ガスにて動きが鈍れば時は来たと言って良く。
「うむ、仕込みは終わったな。あとはラビィに任せれば大丈夫だろう」
風上の瓦礫に隠れていたクロゼ、腕だけ出してサムズアップの形を作ればそれが後は任せたのサインであろう。
「ししょーがサイン出してる。それならラビットブレスで燃やしちゃえ!」
その合図をしっかり確認、背負った火炎放射器のラビットブレス、その銃口をネズミ達に向け躊躇い無く引き金引けば噴出す炎がネズミを包み、またぶちまけられたガソリンに引火、爆発的に炎上して超高温の世界が瞬時に発生。
世紀末な世界でモヒカン頭な存在が、汚物は消毒と言いつつ炎を吹き出すアレよりも遥かに強力な炎によってネズミ達は炎に包まれ、火達磨状態になって走り回るがここまでの戦いで共有する生命力で維持できる数に限度が来ていたのだろう。
バタバタと倒れ、痙攣しながら動きが鈍り、やがて動かなくなった果て。そこには黒こげの巨大ネズミの死骸が多数散乱する少々グロテスクな光景が広がるのであった。
大成功
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ルゥナ・ユシュトリーチナ
◎連携アドリブ歓迎
普段はおふざけしつつゆるぅく生きてるルゥナさんだけどねぇ?
流石に生まれ故郷の一大事なんだ、幾ら何でもシリアスに成らざるを得あ、ちょうちょだ!()
まー、ちょっと真面目に考えると相性は控えめに言っても最悪。
ほら、こっちの腕は二本しかないし。
接敵した場合、まずはスモグレを投げて目と鼻を潰そう。足りなそうならPDWの牽制射も追加。
足止めしている隙にブドウ糖タブレットのブランデー漬けを手早く作成してばら撒くよぅ。ほら、甘いのは誰だって好きだよね?
で、度数の高いお酒って酔い易いし…何より燃えやすい。
後は火を点けた葉巻でも放ってあげれば、ネズミローストの出来上がり♪
偶には頭も使わなきゃね?
八条・麻乃
「ねこ(の鳴き声)です、よろしくおねがいします」
いわゆるICレコーダー。最近は小型で使い捨てできるので、大量に用意します。
巨大化・凶暴化しているそうなので、必ずしも猫の鳴き声程度で逃げてくれるとは限りません、むしろ飛びついてくるかもしれませんが。
それならそれで、囮として誘導に使えます。もちろん逃げるなら、相応に。
相手を分散させすぎないのが目的なので、使い方は臨機応変にいきましょう。現場でネズミの悲鳴を録音できれば便利かも?
あとはまあ、鉄球撒き散らす対人地雷とか、煙幕なグレネードとか、通常兵器も、ネズミの行動制限や追い込み補助には使えそうですね。これならごく普通の巫女でもお役に立てるというもの。
なんだかんだと大損害を受けて数を一気に減らした大砂ネズミの集団。
だが攻撃を逃れ無事だった小規模なグループも、共有している命の残りがほぼ無くなって、更には別の猟兵に見つかってしまったが為に悪運もここまでだろう。
「普段はおふざけしつつゆるぅく生きてるルゥナさんだけどねぇ? 流石に生まれ故郷の一大事なんだ、幾ら何でもシリアスに成らざるを得あ、ちょうちょだ!」
いや、もしかしたら悪運が尽きてないかもしれない。
偶然こんな荒れ果てた大地で力強く生きてた蝶々を見つけそっちに気が向いてるルゥナ・ユシュトリーチナ(握撃系無気力フラスコチャイルド・f27377)だったし、もしかしたら逃げ切れるかも知れない。
「ねこ(にゃーん)です、よろしくおねがいします」
いや、やっぱり甘くは無かった、何か別の猟兵も来ていた。
猫の鳴き声を録音したボイスレコーダー片手に八条・麻乃(ただの巫女・f00108)が謎の自己紹介。
しかも持ち込んだのは一個ではない、大量だ……つまりこれをそこかしこにばら撒けば猫の鳴き声に反応して、ネズミが近づいてくるかはたまた逃げるかはわからないが、何らかの動きをするって寸法である。
「ねこの声! どこかな、どこにいるのかな!」
あっ、ネズミより先にルゥナが釣られてる。やっぱりもしかして大砂ネズミは助かるかもしれないっ!
と思ったが、急に顔がキリッとしたルゥナ。
「まー、ちょっと真面目に考えると相性は控えめに言っても最悪」
「単体攻撃しかできない、という点でしょうか?」
突然のまじめモード、両手をにぎにぎしている様子を見て麻乃が尋ねれば頷くルゥナ。
腕は二本しか無いと言わんばかりにぷらぷら振れば、此方にいい物がある、と何か物騒なグレネード弾や地雷を取り出して見せる麻乃。
こういう代物があれば例え倒せずともネズミを目標地点に追い込めます、なんて悪そうな笑顔を見せればルゥナは満面の笑みで頷いて、追い込みよろしくって感じで走っていく。
即席ながら見事な連携、近接タイプと支援タイプといい感じに分かれている。
「前線を担当して下さる方が居るので通常兵器も輝きます。これならごく普通の巫女でもお役に立てるというもの」
走り出したルゥナを見送る麻乃、うんうん頷きながらネズミを追い込む為に自分も走り出していたのだがちょっと待て。
ごく普通の巫女は地雷とかグレネードとかを平然と持ち込んで、的確に使用して敵を追い込むとかしないからな!
そんなこんなで残り少ない少数のネズミ、警戒しながら進む集団に聞こえるのは別の動物の鳴き声で。
『にゃーん』
『うにゃあああああ!』
複数個所から聞こえてきた、甘えたり威嚇したりする猫の鳴き声。
その鳴き声に反応、数も減ってきたので不用意に飛び出さず気配を探るネズミだが、鳴き声を出しているのは実際の猫ではなく仕掛けられたICレコーダー達なので、声はすれども気配は無い、という困惑する状況。
ヒゲをひくひく動かし、進むか否か動きを決めかねるネズミだが無理矢理動かすように投げ込まれたのはグレネード。
派手な爆発音と共に炸裂したそれに反応、一目散に反対側に走り出すネズミだがそこでは足元が爆発、多量の鉄球が飛び出し数匹のネズミが穴だらけになっていて。
後ろは駄目、前も駄目、ならば横だと走るネズミ達、これは完全に動きをコントロールされている。
「ふふ、逃げていますね。では後はお任せします」
その仕掛けは全て麻乃の策、音と爆発物で逃げる方向をコントロールした先はルゥナが待ち構える瓦礫地帯。
瓦礫に身を隠したルゥナが接近してきたネズミに向かい放り投げるのは周囲に煙を立ち込めさせるスモークグレネード。
シュウシュウと音を立てて周囲に立ち込める煙によって視界が奪われ、また煙による匂いで嗅覚も乱されて。
後方に引き返す事は先の攻撃から不可能、ならば前に進むしか無いのだが、そこには数多の銃弾が撃ち込まれ地表を抉りネズミの進軍を許さない。
「お腹がすいてるだろぅ? ほら、あまーいお菓子だよぉ。甘いのは誰だって好きだよね?」
そんな中でルゥナが煙の中、ネズミ達へ追加で投げ込むはブドウ糖タブレットのブランデー漬け。
もう、これでもかと甘い匂いをさせるソレは混乱しながらもネズミが思わず口にしてしまいそうな魅力があって、多量のブランデーが撒き散らされた場所にもかかわらず確保しようとネズミが走る。
幾匹かがタブレットをくわえ、齧り、そのアルコールで動きが鈍るも糖分で回復。
煙も薄れてきたのでこのまま逃げようとしたのだが、次に飛んできたのは火のついた葉巻であり……ポンポンと地面を跳ねて、煙を上げる先端が地表に広がるアルコールの上に落下した瞬間、気化した高濃度のアルコールに引火。
通常ならば逃げ出せたネズミであるが、タブレットに釣られてアルコール地帯の上に居たのが災いして体が炎に包まれて、のた打ち回るネズミ達。
運よく逃げ出せたネズミも居たが、待ってましたとばかりにルゥナが目の前に立ち、強烈なパンチで吹き飛ばして炎の中に強制復帰させていく。
「はい、ネズミローストの出来上がり♪ 偶には頭も使わなきゃね?」
めっちゃいい笑顔で一匹残らずネズミを炎に返していけば、やがて動くものは存在せず。
先の戦いで数を減らし、ほんの少数まで追い詰められたネズミの集団もこれが最後であったのだろう、周囲に新手の様子も無い。
ここに、大量の数を用いて猟兵を足止めし、押し潰してしまおうと目論んだ物量作戦は完全に制圧されたのであった。
戦いの後に残るは不気味な静けさ、されど世界全体での激戦は続いている。
次なる戦いではどのような苦難が待ち受けるかはわからぬが、それを乗り越えねば世界の破滅は免れないということだ。
この世界を守るべく、そして新たな脅威に立ち向かう為。一度の勝利、そして次なる勝利に向けて猟兵は暫しの休息を取るのであった。
大成功
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