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アポカリプス・ランページ⑤〜終幕のドラゴンズハート

#アポカリプスヘル #アポカリプス・ランページ #アポカリプス・ランページ⑤


 ●ナイトメアデスティニー
 文明が崩壊して尚、未完成は完全体へと至る事を夢見ていた。
 心臓部と枠組みだけの、表皮や中身を与えられなかったメカドラゴン。
 自分が完成する日はもう来ない。
 自分で完成させなくては。
 頭脳であり、心臓部のAIは解答を既に導き出している――機体に使う大量の武器、鉄材はこの先の地域に存在する。未だ見ぬ大量の材料を求め、メカドラゴンは胸を締め付けるような音を立てて飛翔する――。

 目的地はアメリカ西部、高原地域。
 経済的中心地となっていた街――宗教都市としても有名だった場所だ。
 宗教都市の真下には、真実を覆い隠すような大規模な"フラスコチャイルド製造施設"。
 一つの都市の闇と光がお互いの真実を隠し合っていたという。
 地下の秘密が表沙汰になった今、どれもが稼働と未稼働、破棄のどれかの生産ラインを確保している。
 正々堂々稼働している場所は、ヴォーテックス一族の手が掛かっている場所。地下から飛び出して、地上にまではみ出した大きな施設からごうんごうんと大きな音が響いていた。中では"デミウルゴス式偽神細胞"を培養し、増殖させる研究が行われていたらしい。
 いつか"最強のストームブレイド"を爆誕させるための、悲願が期待された施設だ。
 その場所は細胞を移植し、存命するフラスコチャイルドが創れぬものかと日夜奔走していた場所の一つ。
 そんな場所へ悪夢は運命的に落ちてくる。
 未完成のメカドラゴンが鉄材を求めて急降下――もとい、施設の破壊を行ったのだ。
 壊れれば誰も施設を構成していた素材を破棄するはず。単純に、"誰からも必要とされない廃材"をドラゴンは入手する計画を実行したに過ぎないのだが――。

●完成こそ終わりの始まり
「不幸という言葉は、どこにでも落ちてくるらしい」
 フィッダ・ヨクセム(停ノ幼獣・f18408)は資料といいつつ紙を猟兵たちへ配る。
「アンタらには、資料にあるフラスコチャイルド製造施設があッた街へ行ッてもらいたいんだ」
 内部破壊でも、鎮圧でも、やってほしいことはそれではない。
 施設なんて既に、無残に、破壊しつくされた跡地になっているから。
「街に行けば分かるさ、一体……いや、一基か?メカドラゴンが飛んでいるはずだ。手当たりしだいに街に被害を出して、大暴れしていると思う」
 心臓部の紅の玉。そして枠組みだけのドラゴンは、"デミウルゴス式偽神細胞"の貯水タンクに巨体を落として破壊した。
 ドラゴンの落下により、施設は全て破却するのを余儀なくされて生存したレイダーたちはもう逃走済。ドラゴンは未知の細胞を全身に被り、フラスコチャイルドでもないのに、一時的共存を成し得た。それは驚異的なパワーアップを、オブリビオンに約束した。
 パキパキと、徐々に禍々しい龍属性のオーラが表皮のように形成されて覆われていく。
 骨だけのメカドラゴンとは呼ばせない。なんと素晴らしい日だろうか。
「メカドラゴンは望んでいたのとは違うが、おおよそ完成体のような身体を獲得する事ができたんだよ。やッと念願の、完成された兵器と活動できる。……だが、代わりに力を使ッても使わなくても身体が徐々に壊れていくんだ、代償は、重い」
 猟兵が倒しに行かなくても、街が滅ぶ頃には、メカドラゴンは自壊消滅する。
 細胞と共存は出来たが、力の波長が同調できただけなのだ。
 細胞からの激烈な拒絶反応で、メカドラゴンは部分的に機能停止に追い込まれていく。
「つまり、主にユーベルコードの使用させればより早く、脅威を止めることが出来るッてこと……」
 猟兵が到着する頃には、既に街の一部が壊し尽くされていて、メカドラゴンは自分の身体の一部に連ねているだろう。
「完全な姿になりたかッたドラゴンは、完全を得たら死ぬ定めまで得た」
 フィッダが予知した施設の細胞は、全てドラゴンに溶け込んでいるため、オブリビオンの排除は敵の野望の阻止の一部に繋がるかもしれない。
「物(ヤドリガミ)が言うのもなんだけど、自壊する時誰も居ない孤独はアレだからさ」
 全力で戦って、"お前は完全だった"と認めさせて終わらせてやってくれないか。


タテガミ
 こんにちは、タテガミです。
 これは戦争依頼に属する【一章で完結する】依頼となります。

 プレイングボーナスは、……超強力な攻撃を耐え凌ぎ、敵の自壊を誘う。

 このシナリオでは、メカドラゴンは主に電気属性のオーラブレスを吐き散らします。
 戦闘兵器として、自分の体として取り込んだ鉄系の"武器"をつかったりもします。
 壊し尽くした施設と、町の鉄材を確保した為、電力のフル充電はバッチリ。電力が足りなくなっても"デミウルゴス式偽神細胞"がボスの主力エネルギー代用品となって大気から力を補填する永久機関となっているようです。

 顔と腕と手足。これらが龍属性のオーラの表皮を得て、まるでA&Wで見かけるような、肉質を獲得しています。これは、ユーベルコードを使えば使うほど、面積は身体を覆い尽くすものになるでしょう。実質完全体になるころには……というやつです。
 力の代償は、身体の自壊。有りすぎるパワーは、"未完成のメカ"には強すぎたのです。

 猟兵たちは、そんな町に被害に出たあたりに到着します。
 身体を得た喜びと、痛みに暴れるドラゴンは、AIを搭載しているので喋ったり喋らなかったりすることでしょう。自壊するバグに汚染されて壊れていっているので、この地にとどまったまま、毛布必要な自分の体の材料集めを熱心に繰り広げているイメージ。

 状況は此処とOPの通りです。
 なるべく頂いたプレイングは採用できればと思いますが、全採用を行えない場合もあるので、ご注意ください。プレイングに問題が無くても採用を行えない場合が存在します。公序良俗に反し過ぎる行動も場合により採用できないことがあります。
 ご留意いただけますと、幸いです。
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第1章 ボス戦 『未完成のメカドラゴン』

POW   :    完成予想図
無敵の【完璧な機体を持つ姿】を想像から創造し、戦闘に利用できる。強力だが、能力に疑念を感じると大幅に弱体化する。
SPD   :    カラダ集め
非戦闘行為に没頭している間、自身の【心臓部】が【異常に発熱し】、外部からの攻撃を遮断し、生命維持も不要になる。
WIZ   :    クラッキング
見えない【電流】を放ち、遠距離の対象を攻撃する。遠隔地の物を掴んで動かしたり、精密に操作する事も可能。
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●終末の未完
 黒い煙が、もくもくと空を染めていた。
 一部が燃えた建物さえ見える。鉄骨や、瓦礫が黒く焼かれて残される。
 ああなってしまえば、誰の被害も出ない事を祈るのみ。
 マトモな住人は大抵逃げた後であろうから、あとは二次被害がでないうちに決着を迎えるのみ――。
『――――!!』
 まるで金属を引っ掻くような音だった。
 破壊、倒壊、生物を含め建物にも終焉を齎す機械竜にしては、あまりにも悲しい叫びのようにも聞こえた。
 見上げた空に、何よりも剥き出しなメカドラゴンが飛翔する。
 かしゃり、かしゃりと未完成の翼を広げて、ばちりばちりと電光を纏って、辺り一帯へ吹き付ける。電撃による雨を起点に、プラズマ発火が多発する。
 あれは自分の手で、完成するはずだった姿へ、至ろうとした幻創機械竜――。
アテナ・アイリス
ドラゴン退治なら、わたしに任せておいて。でも、自滅を待つなんて性に合わないのよ。
さあ、わたしと全力の戦いを繰り広げましょうか。

【武器受け】、【2回攻撃】、【カウンター】、【範囲攻撃】、【乱れ撃ち】を使って、「アーパスブレード」で攻撃しながら、【見切り】、【オーラ防御】、【第六感】、【ジャストガード】、【残像】、と「アキレウスの鎧」のダメージ半減効果を使って、攻撃をかわしたり、受け止めたりする。

ダメージがひどくなって攻撃がかわせなくなってきたら、UC『アイギスの盾』でメカドラゴンのブレスや攻撃を防いでいく。

「あはは、とっても楽しかったわ!じゃあ、静かにおやすみなさい。」

共闘、アドリブ大好きです。



●それでも完成形を求める竜

 メラメラと燃え立つ禍々しい威圧感のあるオーラ。
 敵意を嗅ぎ取り、敵対者を潰さんとするのは、紛れもなく"ドラゴンの性(さが)"。
 ずどん、とその巨体は地上に一度舞い降りた。
 翼を休めるでもなく、じわじわと故障していく身体の補強を行うためだ。
『――』
 鉄骨、良し。半壊の武器、妥協。
 木材、却下。鉄片、妥協。
「……ドラゴン退治なら任せておいて」
 こっそりと、アテナ・アイリス(才色兼備な勇者見届け人・f16989)はメカドラゴンの内職現場へ近づく。
 音を立てないように慎重に。
 非戦闘行為に没頭するドラゴンは、聞き耳を立てた様子もない。
 心臓部の動力に不思議な力が働いているのか、異常に発熱し、眩い光を目に焼き付ける。
「隙だらけね……!でも、自滅を待つなんて性に合わないのよ!」
 壊れた廃材の中を、アテナは掛けて機械竜に届く場所へ迫った。
 飛翔せずとも、出来ることはある。
 剣技の前に、こちらへ興味を向けさせるだけでいい!
「壊れる前に、わたしたち全員に"全力"をだすの!わかった!?」
 厳し目にお姉さん口調を炸裂させて、氷のように透き通ったアーパスブレードで斬りつける!
 カキィイイン!
 ――硬い!
 氷より澄んだ音が、周囲一帯に響く。冷気を纏わせていて、それでいて鋭い二撃を叩き込んだというのに、手応えは薄い。
『――』
 身体のパーツを探し、組み込んでいる間。偽神細胞の侵食さえ、気にならないようだ。龍属性のオーラの両手足にも、痛みを感じる様子がない。
 剥き出しの胸部へ、ダメージを加えられているという顔さえしなかった。
 飛び退き、作戦を考える。
 没頭するメカドラゴンは、外部攻撃も痛みも遮断する。
 恐らくアーパスブレードで打たれた事にも動じていない。
「……ならこっちにも考えがあるわ!」
 一歩飛び退いて、発動するはアイギスの盾(アイギスノタテ)。
「鍛冶神の盾よ、あらゆる邪悪・災厄を打ち払え!」
 魔法で召喚した盾を構え、作業に没頭し続けて攻撃行動に移らないドラゴンに天罰を。兵器として、敵前逃亡しているようなものだ。
 こちらを向きなさい。兵器だというのなら!
 ――カラダ集めは、もうしなくていいのよ。
 アイギスの盾の真ん中につけられたメデューサの目が一度、ぎらんと激しく光った直後、石化光線を放つ。
 びびび、と光線が狙い撃ったのは機械竜本体ではなく――カラダの代用品として物色する足元へだ!それらが石に変わったならば、もう探す時間を継続できまい。
「あなたが今するべきことは、死を前に現実から目をそらすことではないの!」
 ――全力で戦うことなのよ!
「さあ、あなたの最期の自由時間にしましょう!皆が、待っているから!」
 兵器として全力で戦ってきなさい!
 わたしとも、――この地に訪れた、猟兵とも。
 カラダ集めの没頭時間を解除され、ドラゴンは材料を石化された事に気がついた。
 当然哭くだろう。宝物を、先に奪われてしまったような、ものだから。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

レナ・ヴァレンタイン
哀れ、とは笑わんよ。実に律義な奴じゃないか
故に、最後の最後まで付き合ってやるとも。幻影に踊れ

ユーベルコード起動。さあ、ショータイムだ
呼び出した劇団員たち全ての能力を使い、「完全なドラゴン」を創造
何者にも邪魔されず、何者も害することのない空での空中戦を演じさせる
そら、お前の思い描いた竜種。その身姿だ
共に空の王者、その最高性能を終わりのその瞬間まで発揮し続けるがいい
この幻はお前を「お前の思い描く完璧」へと連れていくだろう
疑問に思うことはない、五感全てを騙して造られた偽物はけして本物には劣らないが、お前はその偽物をいずれ越えられるとも

まあ、超えた先がデッドエンドなのには変わらないがね



●本物に迫る生き様

 吼える。生身で生きる竜のように。
 吠える。今此処にいると声の限りに、叫ぶ。
『――ガァアアアアア!!!』
 未完成のメカドラゴンは、品定めを止めて空へと戻る。
 漁る場所が石に変わった――ならば別の場所を創り出さなくては。
 痛むカラダの悲鳴を傍受していては、痛みに壊されてしまう。
 急がなくては。壊さなくては。
 壊し尽くして、カラダを補強、修繕、入れ替え強化を行わなくては。
「その声、その体、その仕様。その終わりの示唆――哀れ、とは笑わんよ。実に律義な奴じゃないか」
 レナ・ヴァレンタイン(ブラッドワンダラー・f00996)は地上から、空でギシギシと音を立てて飛ぶ機械竜を見ていた。
 時折ドラゴンから聞こえてくる独り言のような音に片目を瞑り、思いに耽る。
 AIな考えも、個体としての考えも同一として大事にすると良い。
「故に空は空の戦いが起こり得る。最後の最後まで付き合ってやるとも。幻影に踊れ」
 さあ、順番に物事を起こそう。
 全てが終わってしまう前に。ショータイム、という奴だ。
「“彼はなんて言ったと思う?”“答えはこう、「ここは新世界だ」「ここでは、なりたい自分になれる」” ――せいぜい楽しめ」
 お前が信じるものはなんだ。お前が欲しいものは真実か?
 それとも、本来自分が至るべきだった"本当の姿"か?
 呼ばれる声に導かれ、霧満ちる都の見世物小屋(フリークス・ショータイム)は開幕する。
 大人数のレナの劇団員の力を借りて、全てを一つに集約させる――曰く、「完全なドラゴン」を創造してみせた。
 此処は一つの見世物小屋。お前は唯一の観客だ。
「お前がそらとぶその空は、何者にも邪魔されず、何者にも害されることのない空だ」
 空へ飛んでいく完全なドラゴンの姿を、見ると良い。
『――!?』
 ――それを何だと思った?
 ――"仲間"?"同型機"?違う、断じて否だ。
「お前の思いが描いた竜種。その身姿だ」
 機械竜が想像する、自分自身が至るべきだった完璧な質量重量を持つ姿の、正しい完全な姿が、目の前で飛翔していた。
 躍動するように飛び、機械の中にしなやかさを内包する。
「お前の今の姿は、鏡に映るその姿――共に空の王者、その最高性能を終わりのその瞬間まで発揮し続けるがいい」
 今も疑ってやまない完璧な姿は、竜のオーラによる完成予想図の先取り。
 恐らく本物は、こうではないとレナは思うが……しかし言葉にはださない。
「雷を放て。どこまでも雷撃で殲滅だ。お前ならば出来る、空の王者となるべきお前なら」
 ――疑問に思うことはない。そうだろう?
 優雅に飛ぶレナの"完全なドラゴン"――の虚構さを追いかけて、全力の雷撃を打ち込む。
 創造から作り出した力だ、流石に強力。
「だが……五感全てを騙して造られた偽物はけして本物には劣らないが、お前はその偽物をいずれ越えられるとも?」
 ポツリとこぼされた言葉には、果たしてどうだ?
 どんなにブレスを零しても、剥き出しの武器を引き抜いて、切り結んでも。
 レナのドラゴンには、どうしても一歩先を行かれてしまう。
『――ッ!』
「おお、いい音だ」
 雷の爆ぜる音と、金属に食らいつく音。
 同時に聞こえて、激しさが増していくのがレナにも見える。
 ――まあ、たとえ超えられたとして。
 ――そのまま力を使い続ければ、デッドエンドなのには変わらないがね。

成功 🔵​🔵​🔴​

マキナ・エクス
アドリブ・他猟兵との連携歓迎

そうなのだろうね、彼はただ完璧を求めただけだったのだろう。未完成で終わるはずだった自らの定めを否定し完全な存在になりたかっただけなのだろう。その末路が自らの力に耐えきれず自壊とはね…
嗚呼、本当にこれだからバットエンドは嫌いなんだ。
せめて全力で挑み、完全だったと認めてやろう。ハッピーとはいかずとも彼の物語をトゥルーエンドで締めくくらねば。

UC発動。相手が竜だというのならばこちらも竜で挑むとしよう。全力を持って相手とぶつかろう。

この戦いを持って私は君を肯定しよう。君は伝承の竜とすら戦える、完璧な存在だったのだと。


マリア・ルート
完全を求める気持ちはわかる。ようやくって気持ちはわかる。でも……
完全ってのはね……もうその先がないってことなのよ。
永遠に未完成だった方が、まだ可能性とかあるのよ……

それにその細胞はあんたに合ってない。
……力には代償が必要なのよ。

【指定UC】を発動、高速移動と飛翔をしながら相手に電磁パルスを与えていく。
相手の中身は機械なのよ、これは効くでしょ。それに対抗して心臓を発熱させれば電磁パルスは無力化できるでしょうけど細胞の効果で己が蝕まれていく……
相手の攻撃は『野生の勘』で見切って当たりそうなのは『オーラ防御』で防御か『早業』でかわす。

…ごめんね。
でも、あんたみたいなのを止めるのも、私達の役目だから…


五百崎・零
※戦闘中はハイテンション

勝手に壊れてくれるみたいだし、こちらは回避を優先しようか
UCを発動し、召喚した翼獣に騎乗
翼獣で空を駆けつつ装備した銃で威嚇射撃を行い、こちらに攻撃が向くように誘う

「おらおら、こっちだ、ドラゴンさんよォ!!」
敵が攻撃してきたら、動きをよく見て避ける
死にたくはないけれど、ギリギリで躱してスリルを楽しみたい

攻撃を受けてもハイなモードのため、基本的に戦闘は続行する
「くく…ひひ、あー、危ない危ない。もうちょっとで死ぬとこだった」
あれ、死んだのかな?…あは、どっちでもいいや楽しいし
「…ひひ、ヒャハハハハ、まだいけんだろォ!?」



●未完であるからこその完成形

「完全をね、求める気持ちはわかる。ようやくって気持ちはわかる。でも……」
『――Ggaaaaaaaaaa!!』
 叫ぶ言葉が、二重に三重に、ブレて耳へ届く。
 発声する機構でさえ、偽神細胞に飲み込まれていっているのだろうか。
 それともただ、苦痛に終わりを願っている声だろうか。
 手当り次第に破壊活動する様は、野生のタガが外れた害悪なドラゴンに墜ちていく。
 燃えるような龍属性の禍々しいオーラを宿した両手で、殴りつけるように破壊して完膚無きまで叩き潰した。
 まるで完全な建物を視認するのを嫌がるように。
 プログラムされた行動をとるように、何度も何度も繰り返す。
「あんた……機械で、たやすく朽ちるものでもないでしょう。完全ってのはね…………もうその先がないってことなのよ」
 マリア・ルート(紅の姫・f15057)は悲鳴の音に苦悶の表情を浮かべた。
 兵器として生きたかった個体が、兵器として生きれる力をようやく手にしたと言葉にするのは容易いが――。
 それにしては至るまでが遅すぎた。
 手段が悪かった。存在理由まで否定するのは容易いだろう。
 しかし、空の機竜へこの言葉が届くとは思えない。
 届いたところで、破滅は終わらない。
「分かる?私が言いたいこと」
 未完で終わった、システムがその先へ至らなかった、作り出した者たちに放置され、忘れられた未完成の機械竜。
 あんたはきっと――。
「永遠に未完成だった方が、まだ可能性とかあるのよ……」
 剥き身な形に守られた、赤い動力部。
 機械でしかない身体に侵食と破壊を齎す細胞の効果で、ずぶずぶと、腐敗して壊れていく自分の身体が見えないの?
「……それ、きっと希望の力じゃないの。ぬか喜びさせたところ、申し訳ないけど」
 ――その細胞の力はあんたに、合ってない。
「未完は未完で、完成だったと認めておくべきだったわね。あとから……力を得た分の代償は大きいものなのよ」
「そうなのだろうね、彼はただ完璧を求めただけだったのだろう」
 マキナ・エクス(物語の観客にしてハッピーエンド主義者・f33726)も同意しながら頷いた。
「未完成で終わるはずだった自らの定めを否定し、完全な存在になりたかっただけなのだろう」
 世界へ返り咲いた時点で、オブリビオン。骸の海か羽撃いて、此処まで来たのなら大した執念と褒める部分であるかも知れない。
「しかし、しかしだね。その末路が自らの力に耐えきれず自壊とはね……」
 これは悲しい物語へと至る、序章。
 いや、既に中盤へ至っている、最終話の出来事かもしれないとマキナはドラゴンの飛翔を見ながら呟く。
「誰の助けも無く、ずっと未完のまま……流離いこの場所を探り当て、悲劇はあのように彼を染め上げた」
 ――せめて彼が、完成した個体だったなら。
 ――このような事態は起こらなかったのだろう。
 世界で時折見つけてしまう"可能性の潰えた物語"。
 かの機竜の意識が、自我がどこから生まれたかの想像は尽きないが、これは幸福ではない終わりを迎えたものが足掻く話。
「……嗚呼、本当にこれだからバットエンドは嫌いなんだ」
 あの竜の終幕、引導、終わりの場に猟兵が幾人も集まった。
 恐らくは、少しは物語の終わりの形が変わるはず。
「君もそれを望んでもいいと承諾したから、来たのだろう?」
「ええ。"兵器として戦った"。記憶こそ、最大の"手向けの花"よ」
 マリアの同意を心地よく思いつつ、せめて全力の戦いを願うマキナ。
 ――完全だったと認めてやろう。
「ハッピーとはいかずとも彼の物語を、トゥルーエンドで締めくくらねば」

『――ごちゃごちゃと、喧しく鳴く蟻だ!黙れ!黙れ!!』

 怒号と同時に重なる歪な機械音。コーラスのように控えめで。
 決して正しい音にならない不協和音。
 未完成のメカドラゴンの声は恐らく、小さく聞こえた音の方。
「ヒャハハ、なんだその鳴き声!ちっせえ!クッソ小せえ!!もっと声を張らねぇ誰の耳にも届かねぇぜ!」
 ハイテンションに語りかける五百崎・零(死にたくない死人・f28909)は空の舞台へ躍り出た。
 戦場に流れる赫はないけれど、それでも音は悲鳴だとわかってグンんと気分が昂揚しだしたのだ。
 ドラゴンなのに悲鳴が主流!なんて、イイ声で鳴いてんだ!
 ――もっと啼けよ!痛いと世界に知らしめろ!
 ――もっと激しい声で哭けよ!皆がお前を"認識する"から!
 死んで蘇って、力をつけてその有様。
 死んでも死んでるようなモン。なんだじゃあお前もデッドマンか!
「勝手に壊れるようだしさあ、ほら構わねぇ、好き放題ぶち壊しな!」
 第一悪魔式「傲慢なる翼獣」(ルシファー)によって呼び出した零よりも体格の大きい翼ある獅子の上から、挑発的に声を発する。
 さあ撃て。なんどでも。
「空を統べるはドラゴンのみだあ?んなわけねぇだろ!」
 空に獅子が居て、それから、空へ至った物は――。
 偽典神話・冥界の怒れし邪竜(オルタナティブファーブラ・ニーズヘッグ)により終末を超える邪竜の姿へと変じたマキナ。
「相手が"竜"だというのならば、こちらも竜で挑むとしよう」
 この空は赤雷が爆ぜる終幕の空。
 黄昏色の戦場だ。
 それからシステムダウン・パルス(システムダウン・パルス)を使い自力にて飛翔を行うマリアが続いた。
「こんなのも創造できるのよ。自分が持っていないは未完ということ。成長する可能性はどこにでもあるの――わかる?」
 使う方法に悪意を込めれば文明を滅ぼしかねない力だ。
 する、しないは"使用者"が選べる。マリアは当然、望まない。
「同時撹乱、脅威が3つ同時立ちはだかったなら、あんた……どうする?」
 高速で移動する、マキナが放つ微弱な赤雷は広範囲。
 マキナより速度を上げて飛ぶマリアは、自身の体から機械などを無力化させる強力な電磁パルスを放出している。
 最悪な組み合わせを、同時に浴びて、ドラゴンが暴れずにいるわけもなく。
 カラダ集めに没頭している時間さえ与えない。
「おらおら女ばっか狙ってんじゃねえ!こっちだこっち!」
 大声を張り上げる零が、駆る獅子が、どす、と背中に打撃の一撃を繰り出して。
 一撃の後にすぐ身を翻す。
 攻撃の隙を埋めるのは、零の役目。銃を撃ち続けて、威嚇する。
 この空は、デカい顔した奴が大勢いるぞ、と釘付けにしてやまない。
『忌々しい、死体風情が!』
 鋭いオーラに覆われた手で、物理的に切り裂こうとする動きもお見通し。
 身体機能の停止を着々と早められていて尚、"本物のドラゴン"のように怒る様は、実に清々しい。
「てめぇも死骸だ馬鹿!」
 動きを見てギリギリのところで避け、うっすい爪痕が一筋、身体に刻まれる。
 皮膚の皮一枚ぶんの、危うさに、唇を舌なめずり。
 死にたくはないが、下手したら死ぬこのスリル感は、とてもいい。
 満足しても止めないで済むこの時間が永遠に続けばいいのに、このドラゴンは寿命を減らし続けている。
 ――持ったいねぇ!!
 ――ああ!戦いが楽しいのはこれからだってえのに!
『邪魔ヲするな!脅威だと自称するのなら、終わりの果てまで死力を尽くせ!』
 口腔にエネルギーを溜め込んで、吐き散らすように雷のブレスをぶちまける。
 マキナとマリアは速度を上げて、威力の弱まる空域へ。
 零は少々、反応速度が遅く獅子とともに、攻撃を強く浴びる結果となった。ばりばりと、肌を突き刺す雷が無尽蔵に生み出される等、確かに脅威ではあるが――。
「くく……ひひ、おいおいオレを壊す?どうしたよ、壊れてねぇぞ」
 獅子の背中を強めに叩き、体制を立て直すように促して。
 強めに何度か咳き込んだ。
 どうやら、外を焼く雷ではなく"内側をじわじわ焼く"攻撃らしい。
 内側の臓器から壊す雷。
 ――外面から崩れていくお前と同じ境遇作り出してんのか?
「もうちょっとで死ぬとこだった。あー、惜しい惜しい!」
 なるべく大きな声心がけて、ハイなモードを継続した零は、機械竜を呼び止め続ける。不意打ちのように、マキナの襲撃が頭上より刺さり、地面へと激しくふっ飛ばされた。ダイレクトに赤雷を降り注がせて、自分で繰る雷以外を"提供する"。
 ――過剰電力とは、いずれ身を滅ぼす毒の一手。
 ――許容量を越えたなら、自壊の速度は早まってしまうだろうが。
 地面に落下した機械竜に近づいて、マリアはその身に臆せず触れる。
 触れた場所は、後ろ足。右と、左に触れて。
「……これはもう動かない。でもあんたは動かなくても、行動するのを止めないんでしょうね…………」
 直に強力な電磁パルスを込めて、すぐ身を翻して撤退。
 込めた力は、ドラゴンが身を立て直そうとする時直ぐに効果を齎す。
 じたばたと、起き上がろうとしてバランスを崩すのだ。
「あれ、あれ?もう殺そうって気分が死んだか?黙ったな、はは、それとも今の2連撃でやる気がそげたか?……あは、いや単なる機能不全か!敵だらけは楽しいか?俺はどっちでもいいわ、楽しいし!そっちも満足するまで楽しめよ、なあ!」
 俺らともっと、空の争いを続けようぜ!
 痛みを推して吼え続けろ!死なない脅威を壊さんと、攻撃を続けろ!
「……ひひ、ヒャハハハハ!まーだまだ、いけんだろォ!?」
 身を翻し、翼を広げ兵器の機械竜は、空の世界へ舞い戻る。
 尾で零を薙ぎ払うように身を無理やり回転させて、命中させた。
『その程度で死なぬなら、死ぬまで戻ってこい殺してやる!』
 挑発的態度を取っていた零を、死なない相手と選抜して。
 攻撃の餌食にし続ける宣言を声の限りに吠え立てる!
『死んだか?脆いな、やはり死体は死体か』
「……っだーからお前も!過去から戻ってきたお前も!死体だ!!」
 零のハイテンションは可能な限り続くだろう。
 全力戦闘の果てに、失われるモノを騒々しい中で理解しながら。

『――システムメッセージ。脚の完全機能停止を確認しました――――』
 ぞわぞわと、偽神細胞由来のオーラの表皮が尾を覆っていく。
 あの後ろ足は既に飾り。尾がより長く、凶悪な鱗なオーラに覆われた。
『――アァアアアアア!!!!!』
 領域が拡大すればするほど、言葉は悲鳴に埋もれていく。

「……ごめんね」
 痛いよね。苦しいよね。もっと苦しくさせているよね、きっと。
「でも、あんたみたいなのを止めるのも、私達の役目だから……」
 恨まないで。決して。
 マリアの願いを邪竜なマキナは心から肯定する。
「この戦いに意味はあった。私は君を肯定しよう」
 ――称賛の言葉を、望む限り伝えよう。
 君は伝承の竜とすら戦える、完璧な存在だったのだと。
 弱くなど無い。
 未完成で終えた兵器が、対等にわたりあえるはずなどないのだから。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​


●ドラゴンズハートBRAVE

 足がある――その構成情報は全て偽神細胞が創り上げていたものだった。
 元から未完成のメカドラゴンに足たる部分は存在しなかった。
 故に、心臓部もAIも、"自身の身体に連なるものだ"とプログラムから改変されていたのである。
 オーラの皮膜を被ったドラゴンの身体の大半が、"偽神細胞によって変貌させられていく"。
 もとの機能を全て壊して。攻撃における出力だけを高レベルにセットして。
 雷を放てば、内部が崩れていく。外側をオーラが覆っていく。鎧にすらならないオーラの被膜は、"完全の生物たるドラゴン"化を進めていくのだ。トゲトゲの、鎧を着込む。中身は全て、崩れ行くガラクタ同然と成り果てようとも。
 意識だけは、最期まで遺る。
 オーラの身体を動かすべきシステムだけは、最後まで遺る。
『――!!』
 急ぎ壊れた部分を入れ替えなければ。
 技術者は存在しないのだ、己の手で壊れた部分を修復しなければ。
 メカドラゴンの中をぶつりぶつりと電子的な連結が途切れる痛みを越えて、自己の修復を優先させる。
 痛みの限り破壊活動を兵器として優先して行うべき。
 しかし、その活動を許すものが猟兵にいるわけもなく――。
春乃・結希
焔の翼で飛行
頭が向いてる方向に注意しつつ
ブレスの前には、口を開けるとかエネルギーが集まるとか、何かしら予兆があるかも
翼の速さと反応速度で射線から逃れる【空中戦】
無理に近づこうとせず、一定の距離を保って攻撃を回避し時間を稼ぐ
機械だから、行動には規則性があるんやないかな
ブレス撃った後には数秒の冷却時間が要る、とか
スキを見つけられたらタイミングを待って一気に接近
狙いたいのはコア。そこまで届かなくてもwithを叩きつけた箇所は破壊出来るはず【鎧無死攻撃】

…あなたは機械だけど、ちゃんと心があるんですね
あなたが夢みた完全になれてるといいな
でも、絶対負けないよ
だって私は、withと私は最強だから



●直線を越えて

「まだ戦う意志は残っているよね」
 希望を結ぶ為の想いの形。
 緋色の翼(ヒイロノツバサ)の翼を広げて、空に躍り出た春乃・結希(withと歩む旅人・f24164)。
 頭が向いている方向に注意しつつ、側面から声を掛けて、意思確認。
 不完全ながら引き出した力の権限だ、あまり長い時間の使用は避けるべき。
『―――!』
 ぎろり。まるで視線がこちらを向いたような悪寒。
 龍属性のオーラを身に纏って作られた"顔"の偽神瞳が、結希を認識した。
 ばちばちと、メカドラゴンの身体の体表を爆ぜる雷の調光。
 エネルギーの循環は、全て口へ集約する。
 かぱり、と最後に開いた口にエネルギー装填の発露。
「それがブレスだね、よっ、と」
 口を開ける前から見えていたエネルギーの放出の予兆を予期して、結希はwithを手に身を翻して射線上からひらりと逃れる。
 直線状に貫通力を高めて放たれた、まごうこと無く"ビーム"だった。
 やや逃げ残ったコートの隅から嫌な音を聞いたきがするが、気のせいと思うことにする。
 羽ばたく焔の翼の推進力と反応速度が無ければ、穿たれていたかもと思うだけでゾッとする。
 ――withも一緒に巻き添えなら、……ううん、ダメダメ。
「良い攻撃。元からそういう攻撃を?」
 無理に近づこうとせずに、問いかける。
 未完のあなたは、ビームを放つドラゴンであったのか、と。
『――!!』
 二射目のエネルギー充填のほうが、兎に角速い。
 返答を行うつもりはないようだ。
「あー……この戦場が、"初めて"なのですかね」
 人物への命中が思うように行かず、苛立ち焦るばかりだろうな、と想像に難くない。しかし超威力となると、安々受けるわけにもいかず。
 結希は軽く、苦笑した。
「撃つ、叫ぶ。――撃つ、吼える――――」
 攻撃の方法を、回避しながら時間を稼いでいる中で、じいと見て、言葉へ返る。
 機械竜の攻撃は、苦悶に叫ぶ事を含めて定められた行動なのではないか。
「……機械だから、行動に法則性があるんじゃないか、と思ったんだよね」
 二発目を避けて、しゅうう、と口腔付近の数秒の冷却時間を設けている事に気がついた。一度目の後、話しかけたタイミングで冷却時間としていたのなら、恐らく辻褄が合う。
 ――だから、あなたは次に"吼える"。
『――ウォオオオオ!!!』
 ――ほら、予想通り。
 三度目の充填が始まる。
「良いですね、その攻撃。私は的確な破壊の意志が乗っていて、とてもいいとおもいますよ」
 ビームの通るラインを予想して、速度を上げて躱しながら急加速。
 全ての溜め込んだ電力が吐き出された後、あと数秒の後――。
 口からもうもうと煙を上げて、ドラゴンの攻撃が止んだ。
「でも、防御力が著しく低いのが気になります」
 例え、偶発的に獲得した代償の大きい力のオーラなのだとしても。
 使いこなせて"完全な個体"と言えます。
 ――だからあなたは"未完"のままであるとも言えますね。
 withをどが、と胸に突き立てて殴りつける。
 ビームを放てないだけで、行動停止にまで至っていなかったドラゴンは両腕を盾代わりに差し出したが脆く。
 両手は破滅の一途を辿るだろう。コアに届けと伸ばした手は、少量とはいえ確実に、傷を付けて"完全さ"は損なわせた。
 綻びを生んだコアは、もっと負荷を強いるだろう。
「……あなたは機械だけど、ちゃんと心があるんですね」
『――』
「だって、"全力を尽くせ"って言われた通りに全力を出そうとしています」
『……』
「ほら、唸りもせずおとなしくなるのが良い証拠です」
 ――あなたが夢見た完全になれてると、いいな。
「でも、戦いはまだ終わっていませんよ」
 withを構えて、まだやろうと誘いつつ。
「だって私は、withと私はね、最強だから」
 何度も狙って、もっと全力勝負を命を削る戦いを、行おうと思います!
 ごう、と炎の翼で羽撃いて、もう一度撃て、と促す結希。
 絶対撃ち落とさんとする、機械竜が四度目の攻撃充填される――!

大成功 🔵​🔵​🔵​

ナイ・デス
オブリビオン、ですね。つまりは、既に一度?
……完成したその力、限界までみせてもらいましょうか

『いつか壊れるその日まで』お付き合いします

光を放ち【推力移動】飛翔して【空中戦】
黒剣鎧から刃をだして【鎧無視攻撃】龍の表皮も切り裂いて、骨に届けば傷つける
あえて狙わない、なんてしない。全力でこちらも戦うから、心臓部狙いもして
攻撃は【第六感】で察しての回避、防御を先んじて
【覚悟、激痛耐性、継戦能力】死なない。耐えて、再生して、強くなる
性能を発揮するに足る存在であり続ける

死ぬ時
狂ったままがいいかもしれない。それでも
AIまで届けと【浄化】の、聖者の光を
痛みを除き、最期は正気にと

とても、強かったです

それだけ


メレディア・クラックロック
――……すっごい、なあ。
終わりゆくだけの世界で、キミは自分の夢を叶えたんだ。
それが墜落するしかない飛翔だとしても飛翔できたコトだって真実。
ボクは、それを記録したい。
さあ、思いっきり吼えて見せて!

ありのままを撮りたいから基本は防御と回避に徹するよ。
電流なら電脳越しに導線を読み取れるから余裕を持ってカメラを回そう。
それにちょこまか動き回ってれば鬱陶しくてちょっかいかけたくなるでしょ?
そのタイミングでお返しだ。
【Meredia】でキミの得た力を解析模倣、真っ正面からぶつけてあげる!

おめでとう、未完成だったキミ。
初めての空を、体を、どう感じた?
その心がきっとキミへの報酬だ。
――カット。お疲れ様でした。


ルパート・ブラックスミス
多くを語る必要はあるまい。来い、完全へと至る竜。

UC【黒騎士呑み込む青き業火】。
敵と同じく周囲の【地形の利用】、街の残骸を吸収変換した鉛を纏い戦闘力を強化、青く燃える鉛の翼で飛翔し【空中戦】。
雷撃が飛んでくるなら変換した鉛を即席の槍に【武器改造】し【投擲】し避雷針代わりに、"武器"を用いての格闘戦なら黄金魔剣で【なぎ払い】それぞれ【武器受け】する。

それでも敵の戦闘力に追いつかんなら拳を敵の身体に【串刺し】【生命力吸収】。
無敵で完全を目指すその力の一部を奪うことで一時的に戦闘力を同等にまで【限界突破】させる。

存分に振るえ、"最期"まで。
その生き様、黒騎士ブラックスミスが総て受け止めてみせよう。



●刹那のインタビュアー

「――……すっごい、なあ」
 吼える声に言葉らしきものを聞き取れなくとも。
 メレディア・クラックロック(インタビュア・f31094)は、ある種の美しいものをみた気分に落ち着く。
 決して、感情を優先し、あのメカドラゴンを放置している時間はないのだけれど。
「だって、キミの稼働時間を逆算しても既に終わりゆくだけの世界の中で、キミは自分の夢を叶えたんだ」
 欲しいと願ったものを、誰かに誇れるものを、手に入れたんだ。オブリビオンとなった後に、未完の自分を完成させるのだって、簡単なことじゃない。
 ――随分な苦心があったんだろう?
 ――試行錯誤を重ねて、この地へやってきたんだろう?
「機械の翼、未完の翼。AIと、兵器になりたかった意志だけで、此処へ来たんだろう?」
 莫大な力は、キミはいらなかったんだろうけれど。
 蝕む最大の原因を、手にしたくはなかっただろうけど。
「墜落するしかない人生なんてボクは思わないよ。縛りのある飛翔だとしても、素晴らしい姿で飛翔できたコトだって真実だもの」
『――――!!』
 痛みを忘れたいが為、力の放出を止めないキミ。
「ボクは、それを記録する。さあ、さあ!キミの人生を!思っきり吼えて見せて!」
 ありのままを撮る為の手段はメレディアの手元にしっかりと握られていた。
 "誰かの生き方は他の誰かの生きる力になる"――これは、取材だ。
 キミという機械竜。そう、キミの独占取材なんだ。
 くるりと向いた竜の鎌首。光り輝く電光は、しっかり溜め込んだ命の息吹。
 ――攻撃の主流、キミを構成する一部が電流なら、電脳越しに同期すればほら。
 ――見つけた。君の、ネットワークの、綻び。
 目を瞑って、感じた違和感。導線は、寸分の狂いもなく理解できた。
 メレディアが目を凝らさなくても可視化しているぱりり、と爆ぜる雷の動く流れ。
 吐き出されるのは口。向いている方向、力の速度。
 それらを見切れば、余裕を持てる。
「ほら、ほら!ボクはカメラを回し続けるから!」
 外部干渉を受けた事に気がついて、メレディアが駆けるのを、メカドラゴンは見据えるだろう。
 見えない電流を街中に放ち、ネズミを追い込むように、電気で出来たクラッキングドラゴンを向かわせる。
「お、……直ぐ側の電線を通ったね、…………くるかな?」
 瞬間的な、攻撃を見逃さず、身を屈めてメレディアは避けた。
 カメラは常に、メカドラゴンを録画するように向け続けて――。
『――rrrrrrrr!!!!』
 言葉ではない、悶える音色――悲鳴。
 ユーベルコードの使用によって身体が強制終了し、AIを駆使しても動かなくなる。
 疑似細胞に覆われた表皮によって、蝕まれる箇所を内部だけでなく外部に広げていくのだ。
 翼はまるで、皮膜を得た、完成形。オーラが皮膜となって輝いていた。
 飛翔する度欠落するのは、あのドラゴンが集め続けてきたガラクタ(部品)だろう。
『――ちょこ、まか、ト!』
「あ、喋った。……そっか、言葉は失われていないんだね、…………良かった」
 二箇所、三箇所。
 爆ぜる音。同時にせめて、メレディアを黙らせる手段に出た様子。
「いいね?模倣と再現は電脳魔術の十八番だよ?―― 手の内を晒してくれてありがとう!」
 一度直ぐ側を通るクラッキングを躱したのだ、故にMeredia(エミュレート)可能。
 届け、キミが使う、キミの力!
「真正面から行くよ!」
 即座に解析模倣。機械であり、電子を抱えるキミは単独で、避雷針。
 さあ飛んでいけ、"地から空へ貫く雷のように"!
 ぴしゃり。雷は惑う事無くドラゴンへと還された。
『――システム、30秒程度ダウンします――――』
 AIが意識が落ちた事を告げたのだ、ああ、では間違いなく。
 このドラゴンは避けるではなく受けるを自分で選んだのだ。

●電流の奔流の中で
 システムが落ちて、心臓部の明かりが暗い色を灯した。
「……未完成のメカドラゴン。町の破壊の理由は、その姿が原因なのでしょう?」
 ――オブリビオン、ですね。
 機械の身体と強く結びついたAIが、"完成した姿"を多く願っていたのだろう。
 終わった後に、もう一度、願わくば、と。
「つまり一度、未完のまま……」
 兵器として使われることはなく、何らかの要因で機能を停止し終わった竜。
「……今、あなたは紛れもなくドラゴン兵器ですよ。完成したその力、振るう場所はこの地です」
 さあ限界までみせてください。
 システムがもう一度意識を浮上させたなら。
 私は"いつか壊れるその日まで"、お付き合いしますから。
『……――!』
「即座に痛みで哭きますか。私は、死なない。私は、死ねない……あなたが望むべき言葉を強く、持っています」
 全く真逆。力を使い続けるほど瞬時に崩壊を起こし、終わりへ近づくあなた。
 瞬時に再生し聖なる光を身に宿すナイは、とても相性の悪い敵である。
『――壊レ、ろ!終わレ、我よリ先ニ!!』
「光より、あなたの攻撃が届くことがあれば……」
 輝ける光を放つナイへ、カパリと開けた口腔より雷のビームが放たれる。
 炎のように拡散する、雷のエネルギーを頭から浴びせかけんと瞬時に強くはばたいて頭上をとって、自然落下に働きかけて。
 ……しかし途中で電流は不可視の力出見えなくなる。 
 音は聞こえるが突如姿を消した雷の乱舞を、ナイは推力移動で滑るように泳ぎ、空中で身を翻す。
 黒剣鎧から刃を取り出して、急接近。
 メラメラと燃えるような龍の表皮を雨のように降り注ぐ雷に怯むこと無く、切り裂いた。
 手応えは、分厚い布でも切り裂いたような心地で。本当に機械の竜を相手にしているのかと疑ったほど。
 鎧を無視する研ぎ澄ませた一撃から得た感覚は――肉のない幻創の革ばかりの竜に、"生き物"のような手応え。
 ――骨とも言える骨格まで、手を伸ばせば届いてしまうのに。
 ――あちらも全力なのですから、自身の守りを含めて全力を出して貰わねば。
 伸ばした手は、骨格を傷つける事もあえて良しとした。
 心臓部付近へ差し込んで、ぐぐぐ、と押し込む。深く、ずぶずぶと沈む"終わる(死ぬ)"ギリギリを知ればいい。
 両手のオーラを纏った腕が、ナイを鷲掴もうとしたけれど。
 光の聖者はするりと躱してみせる。
「痛かったですか。私を、恨みますか」
『――アァアアアアアア!!!』
「……そうですか殆ど全て偽神細胞に侵食されてしまっているのですね」
 叫ぶ声はずっと悲鳴にしか聞こえないけれど。
 自壊の中で足掻いているのは、わかります。
「覚悟を持っているんですね。兵器として、今を必死に活動していると」
 刃を打ち据えて、爪や襲いくる竜の口をその場に留める。
 ガラガラと、ナイの見えない箇所がメカドラゴンの形すら留めて置けなくなった音が聞こえてくる。
 だんだんと、機械竜の質量が、全体的に減っていく。
 身体を構成していた鉄(骨)は、尾の先からじわじわと連結が解けて地に還る――。

●ヤドるモノよ
 全てを他の猟兵が告げていただろう。未完たる身でも受けておくべき事柄は全て。
 戦闘として敵を前にして全力で戦えと、誰も彼もが貴殿へ語ったはずだ。
「……その状態の貴殿に、多くを語る必要はあるまい」
 ルパート・ブラックスミス(独り歩きする黒騎士の鎧・f10937)は言葉数を少なめに、一段と多くの鉛を青に燃やし、空を見据える。
 触れた物質が燃える鉛を変じさせていのは布石。
 堂々と、竜が見える場所で行うのは黒騎士としての嗜みだ。
 モノである機械にAIがあることは特に気に留めない。
 だが、意思を抱くものならば――それは擬似的にもヤドリガミに近しい。
 ――当方に近いような、遠いような。
 まるで自分と似たような(しかし決して同一ではない)存在を目撃した気分を抱くことを口に出すまい。
「今一度、最期へ居たり飛翔するが良い」
『――ァアアアアアアアアアア!!』
 蝕まれ、崩れ落ち。元の未完成姿などどこにもない。
 龍属性のオーラは全身を包み込み、本来完成するべきだった筈の"完全へと至る"姿は、誰がみても異なっていた。
 黒い鱗をびっしり生やし、本体が動かす事さえ出来ない下半身部分もオーラ上で補った"完全体"。
 一体如何なる者の細胞による影響か、誰にも分かるものの居ない街の上で、巨大な竜は終幕に吼える。

 痛みの中に生まれ墜ちた、我は此処に在るものぞ、と。

 殆ど機械質の部分が自壊して、本来のパーツは殆どなかった。
 全身まるごと細胞に喰われている。この表現が一番正しい。あれこそが、創造の中で思い描く最期を飛翔する幻創機竜たる最強の自身が姿――。
 竜翼を広げ、オーラの腕で鎧の正面にドラゴンは降り立った。
「当方が触れ、集めた鉛は此処までに至る各所から調達した」
 敵と同じ周囲の地形をルパートは利用した。
 此処まで戦闘に参戦しない代わりに、黒騎士呑み込む青き業火(キックドオフカルマナイト)を使い潜んでいた。
 メカドラゴンが空を制するものであって、作戦は順調に進んでいたのである。
 ルパートが触れた街の残骸は、を纏い騎士は竜へ挑む覚悟の姿を見せ付ける。
 竜討伐を行うものは、大幅に自身の力を蓄えた波打つ炎で燃え広がる青い炎翼。
 マントはいつのまにか翼へと変じていた。鉛の炎を蓄えて普段よりも大きく、意志を反映するように燃えていた。
『――grrrrrrr』
 両腕を広げて、身体を侵食する細胞から雷の力をかき集める。
 ブレス?そんな熱量ではない。両腕に集め、身体に集め、更には空の天候まで暗雲に染めていく。
 強大な力で天候まで操る竜は、"無敵"の創造に成功したのだ。
「自然の落雷など、当方は成れている」
 炎翼を広げ空の舞台を飛ぶ鎧へ、雷撃が空と竜から齎される。
 落雷と同様、もしくはそれ以上の過剰電力の攻撃が、鎧の元へ――。

 くん、と雷撃は標的を貫く前に曲がる。
 ルパートが調達した鉛で創り上げた即席の槍を、街ではなく、素早く竜の土手っぱらへ投擲していたのだ。
 即席の避雷針が代わり……雷が、尖る槍を追うならば。
 ――貴殿は、身体から"槍"を抜いて、その武器を使うだろう?
 鉛の熱さも温度も感じられないオーラの腕で、ルパートの槍を掴みルパートにやり返さんとする竜。
 しかし何もかもがひとつぶんおくれている。
 急接近したルパートが懐に飛び込むことを許したこと。
 黄金魔剣の薙ぎ払いで、秘匿したと思いこんでいる心臓部目掛けて切り込んで来た対処に遅れたこと。
「当方を破壊する動きは実に良い。だが……」
 敵の猛攻を受け流し、ルパートの手はコアへと至る。
 ――刺し貫くばかりが騎士に非ず。
「存分に振るえ、"最期"まで。その生き様、黒騎士ブラックスミスが全て受け止めてみせよう」
 がごん、がこん、と怪力を込めたオーラの腕に叩かれながらも、コアへ手は届く。
 心臓目掛けて、拳を気合の一撃で尽きこんで生命力吸収の応用で――燃える鉛へ変じさせる。
 無敵で完全を目指す力の根源。メカドラゴンが動力源。
 力を制御するコアがメカドラゴンの内側から零れ落ちれば、自壊の準備は完了する。制御機構を失えば、無敵の理想も崩れ去り、オーラで出来た完全さも失われる。
 ――貴殿が機械の竜で良かった。

●ENDROLL
 構成していた鉄のパーツが、空から街へがらがらと降り注ぐ。
 剣、バール、戦車の主砲。鉄屑へと解けて、じゃらじゃらと、誰も居ない街に落ちていく。
 翼も、尾も、腕も。顔だと分かる未完の部位だけが、それが兵器が解けた姿だった名残。
「狂ったまま、溺れるように終わる方がいいかも知れない」
 頭部のそばへ訪れたナイはしゃがみ込む――自分の考えを、聖者の両分として信じることにした。
 ――未だ頭部に宿り遺るだろうAIまで届け。
 願いを乗せた、浄化の力が合わさった聖者の光をメカドラゴンへ降り注がせる。
 ――同じ場所へ落下してきたパーツに、未だ神経系の接続が在るのなら。
 ――感じる痛み(おわり)に安らぎを。
 ――痛みを除き、最期は正気を手にすると良いでしょう。
「……とても、強かったです」
 ひとことだけ、それだけ言ってナイは瞳を閉じた。

『――戦闘個体、自壊の中において"完成を享受"。未完からの終焉任務完了。職務全うを確認。敵戦力強大――――完敗だ、感謝すル』

「おめでとう、未完成だったキミ」
 よく頑張ったね。微笑んだのはインタビュアーのメレディア。
「完成して、初めての空。最期の空で、体を、どう感じた?」
 楽しく飛べた?ほんの僅かな時間だけでも。
 苦痛の悶える中でさえ、空に"理想"を預けられた?
「――もし、なにか楽しい事を考えられたのなら、その心がきっとキミへの報酬だ」
 機械は機能を停止する。
 もう再び動き出すことも、細胞に苦しめられて暴れることもない。
 戦いが終われば兵器は鉄へ。
 遺されたものは、いずれ街の再建へと回されるだろう。
 ――カット。
 収録は此処まで。お疲れさまでした。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年09月09日


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#アポカリプスヘル
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#アポカリプス・ランページ
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#アポカリプス・ランページ⑤


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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はサフィリア・ラズワルドです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト