バーチャル遺跡にとあるちょうすごいCGが居て……
●情報が……情報が多い……!
キマイラフューチャーの地下に眠る巨大な「バーチャル遺跡」……そこには、遺跡のバーチャルナビゲーターをつとめる、『ちょうてんさいドン・フリーダムのCG』がいた。
彼女は『バーチャルキャラクターの外見がフリーダムになる開放プログラム』を作ってたのだが、なんと困ったことにエネルギーが足りない。
そこにひょっこり現れたのが、オウガ・フォーミュラの『キング・ブレイン』。
「もしや誰かのお宅なのか? ごめんくださ〜い!」
「ブオン(登場の擬音を口で喋る)! 古代バーチャル遺跡にいらっしゃいませですわ」
出会った両者は和やかに挨拶をかわすのだった。
そして、すごいCGはキングにとある要求を行った。
「この装置は激しいバトルのエネルギーで起動するのですわ。ちょっと猟兵を呼んできてくださらない? あと一緒に戦ってくださいですわ」
●この開放プログラムとくに害は無いらしい
グリモア猟兵の夕月・那由多(f21742)は生命を与えた創造物で人形劇をしながら先ほどの様なナレーションを入れた。
「やりとりが気安いんじゃが!?」
那由多は人形をとりあえず横に片付けると、状況の説明を開始した。
「だいたいは皆が予兆で見た通りなのじゃが……キマイラフューチャーの地下にバーチャル遺跡があってのう」
この時点で何もかもが新情報である。
「で、ここにいるドン・フリーダムの姿をしたすごいCGと、オウガ・フォーミュラの二体と戦ってもらいたいのじゃ」
そしてさらっと出て来る重要人物。
もしやオウガ・フォーミュラとの最終決戦なのかと身構えてしまうが、どうもそうでもないらしい。
「劣勢になればすぐ逃げる様じゃ。どうも戦うことが目的で勝ち負けはそこまで重要でもないっぽいのじゃ」
では何かの企みを阻止する趣旨なのかと思えば、それも違う様子。
「この解放プログラム、バーチャルキャラクターの姿の制限が無くなるだけで何の害も無いっぽいんじゃ」
CGの方は自由のために動いているのは何となくわかるのだが……キング・ブレインの方は何故……?
その問いに那由多は「わからん……」と答えた。
単にキング・ブレインが根がお人好しなだけなのかもしれない……。
そんな感じで、いつもの転移の門が形作られた。
ここをくぐれば、地下のバーチャル遺跡に入ることができるだろう。
ウノ アキラ
はじめましての方は初めまして。そしてこんにちわ。
予兆のあまりの軽さに、つい。ウノ アキラです。
このオープニングに興味を持っていただき、ありがとうございます。
●お得情報
今回は【書けそうなタイミングで書く】ため、特に期間は区切りません。
平日は二日ごとにひとり~ふたり。
休日は四人~六人分はまとめて書ける見込みです。
プレイングが来た順に、書きやすいそうな方優先で書いていこうと思います。
他にもマスター紹介のページは一読頂けると文字数を少し節約できるかもしれません。
●依頼について
キマイラフューチャーの依頼となります。
ギャグっぽいノリになると思います。
今回は断章無しで進めていきます。
一章はボス戦です。
ちょうすごいCGがドン・フリーダムと同じ能力で戦ってきますが、本物のように強くはありません。
CGですが凄い技術なので実体のように殴ってきますし殴れます。
二章もボス戦です。
猟書家オウガ・フォーミュラ『キング・ブレイン』の本人です。
戦いそのものは真剣に行いますが、特に目的がないので劣勢になると逃げます。
特製の自転車『ブレインバイシクル1号』に乗って次元の壁を越えて逃げてしまい、捕らえることは絶対に出来ません。
事前の情報は以上となります。
よろしくお願いいたします。
第1章 ボス戦
『ドン・フリーダムのCG』
|
POW : 赤べこキャノン
【絶対無敵バリア展開後、赤べこキャノン】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD : レボリューション・ストーム
【花の足場をバラバラにする暴風】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ : マニアックマシン
対象のユーベルコードに対し【敵の死角から反撃するマシン】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
|
ベアトリス・バスカヴィル
解放プログラムがBBにも適用できれば、色々面白いことができそうだとBBは思います
なのでマスターにも内緒で勝手に自分で自分を逆召喚してここにきました
BBはそんなこともできるのです。えっへん
ここがバーチャル遺跡ですか
何がバーチャルなのかBBは気になります
でも遺跡の探索は後回しですね
まずはちょうすごいCGの相手をするべきだと、BBは考えます
【BBの電脳工作教室】を始めます
足場をバラバラにするほどの暴風に対抗して、BB印のちょうすごい扇風機を用意するとBBは言います
スイッチオン。ぽちっとな
最大出力で暴風を押し返して、逆にCGをふきとばしましょう
…風で吹き飛ぶCGは、それはそれですごいとBBは思います
●バーチャルのようでバーチャルではないバーチャルな対決
発動することでバーチャルキャラクターの外見がアメーバやスライムなどになれるという『バーチャルキャラクターの外見がフリーダムになる開放プログラム』。
その話を聞いたベアトリス・バスカヴィル(デジタルデビルBB・f23871)は早速、地下の古代バーチャル遺跡を訪れた。
「解放プログラムがBBにも適用できれば、色々面白いことができそうだとBBは思います」
そう独白するベアトリス・バスカヴィルは、バーチャルキャラクターであり人造悪魔でもあるそうだ。あなたも情報が多いですね……!
そんな彼女は普段は電脳世界から物質世界へ行き来する際に何かしらの制限があるらしいのだが。
「なのでマスターにも内緒で勝手に自分で自分を逆召喚してここにきました。BBはそんなこともできるのです。えっへん」
と今回の様なイレギュラーな登場が可能な自身の優秀さにどやっと胸を張る。
そんなベアトリスの前に、ぶおん! と口で言いながら『ドン・フリーダムのCG』が現れた。
そしておもむろに始まるのは、あいさつ。
「古代バーチャル遺跡にいらっしゃいませですわ。私は遺跡のバーチャルナビゲーター、ちょうてんさいドン・フリーダムのCGですの」
対するベアトリスもあいさつで返した。あいさつは実際に大事。
「これはご丁寧に。BBは幼女神に創造された人造悪魔のBBといいます」
そして挨拶を交わしたベアトリスは、すかさずひとつの疑問を口にした。
「ここがバーチャル遺跡ですか。何がバーチャルなのかBBは気になります」
それはこの文を書いてる私も気になる。
しかし、ちょうすごいCGはこの問いに答えずに攻撃を開始するのだった。
「よく来ましたね猟兵。ではさっそくわたくしと戦いなさいませ」
CGが放つのは暴風。
この攻撃にベアトリスは――。
「スイッチオン。ぽちっとな」
質問しながらおもむろに召喚していたBB印のちょうすごい扇風機のスイッチを入れていた。
ベアトリスのユーベルコード『BBの電脳工作教室<<ビービークリエイト>>』で取り出した扇風機が激しい風を生み、CGが放つ暴風と激しくぶつかり合う……。
巻き上がる風は激しいエネルギーの奔流を生み、色々なものを風で巻き上げていった。
二人の肌色面積が多い事もあって絵面がちょっとすごい。
そしてこうして難なく競り合えるあたり、このCGは確かにドン・フリーダム本人に比べると強くは無い様である。
(まずはちょうすごいCGの相手をするべきだと、BBは考えます)
遺跡を気にしつつも、ベアトリスは対策を取られる前に扇風機の出力を上げた。
すると、ゴォォ、と一層激しい風が巻き起こり、風が目の前のものを飲み込む。
「これわたくし、ぶっ飛ばされますわね」
そうCGが呟くのと、吹っ飛ばされるのはほぼ同時だった。
巻き上がる竜巻で上空に跳ね上げられた『ドン・フリーダムのCG』は、そのままキリモミ回転で落下して地面に激突すると、一時撤退なのか、ザザザ……と乱れた映像となり消えていく……。
その姿を見ながら、ベアトリクスはぽつりと呟いた。
「……風で吹き飛ぶCGは、それはそれですごいとBBは思います」
この一戦によりプログラムの起動に必要なエネルギーがいくらか蓄積されていく。
この調子で戦っていけば目的のプログラムもやがて起動することだろう。
成功
🔵🔵🔴
トリテレイア・ゼロナイン
&&
コンコンコン…システムフラワーズの創造主
実体CGなど貴女にとっては容易きこと
敬意は抱けど驚きはいたしません
ですが、その際限なき自由への欲求を放置する訳には参りません
キングブレイン共々、これ以上の活動はご遠慮頂きたい
そして…
その公序良俗を乱す格好はお辞め下さい!(懇願)
致し方ありません、実力行使に移ります
嘗ての無敵バリア解除条件は『エモい』感情
砲撃を脚部スラスターの推力移動で躱しつつ、遺跡内の石を拾い
UCで振るう剣で嘗ての戦闘の情報収集元に精巧なフィギュア削り出し
彼女へ見せ
エイプモンキー、ラビットバニー、ウィンドゼファー
皆(色々な意味で)忘れ得ぬ強敵でした
懐かしさでバリア解除し怪力で剣を一閃
●騎士として
古代バーチャル遺跡……その内部で、トリテレイア・ゼロナイン(「誰かの為」の機械騎士・f04141)と『ドン・フリーダムのCG』の両名が相対していた。
「『コンコンコン』……システム・フラワーズの創造主。実体CGなど貴女にとっては容易きこと。敬意は抱けど驚きはいたしません」
そう言い油断なく構えるトリテレイアは、ドン・フリーダムの姿と会うのは初めてではない。
対するCGは口元に手を当て驚きのリアクションを取っていた。
「あら、記録がありますの。あなたCGではない方のわたくしをぶっ殺した事がある方ですわの?」
対策されあっさりやられてしまえば肝心のエネルギーが溜まらないと、CGは敵意を削ぐべくトレーを出してオイルと燃料を勧め始める。
「まあまあ。せっかく来たのですし粗茶でもですわ? 本人はフォーミュラーとして消滅してまして、わたくしはただのCGですのでお手柔らかにですの」
しかしトリテレイアは「いえ、お気遣いなく」と片手で制し話を続けていく。
「……ごほん。ですが、その際限なき自由への欲求を放置する訳には参りません。よって、キングブレイン共々、これ以上の活動はご遠慮頂きたい」
あくまで毅然と、落ち着いて語りかけるトリテレイア。
しかしこのCGが欲するのは戦闘によるエネルギー……彼女は騎士の言葉をスルーして、『赤べこキャノン』をよいしょと抱えていく。
その際に抱えたキャノンで潰れた胸部が強調されたりしたなら、かつて「その恰好、お寒くはありませんか?」と紳士に振舞った騎士であろうと――。
――いや。騎士だからこそ、トリテレイアは『今度こそ』この言葉を言わなければならない。
「……そして、その公序良俗を乱す格好はお辞め下さい!」
そこに含まれるのは、懇願。
TPOなにするものぞなドン・フリーダムの恰好は、規律と秩序、何より節度が乱れる元となる。
それは騎士として困る。
加えて全裸は絵面がよろしくなく、清廉な騎士とはちょっと噛み合わない。
そんなトリテレイアのアイデンティティに関わりそうな真剣な頼みに、CGはむすっと不機嫌になるのだった。
「失礼しちゃいますわ。わたくしがどんな格好をしようと、わたくしの自由ではないですの」
と、口をとがらせて砲撃が始まる。
「――致し方ありません、実力行使に移ります」
トリテレイアは砲撃を盾で凌ぎつつ、脚部のメインスラスターを吹かした。
そして砲撃で抉れた床の破片を拾うと、続けて剣を抜いてユーベルコードを放つ……!
(彼女の持つ、嘗ての『無敵バリア』……その解除条件は……『エモさ』)
「はあっ!」
ユーベルコード『機械騎士の精密攻撃<<マシンナイツ・プリセッションアタック
>>』……その超精密攻撃による破壊が、先ほど拾った石を削り始めた……!!
(かつての私は、『エモさ』の定義に困惑しました。ですが……)
経験と苦悩を重ねた今のトリテレイアならば『エモさ』に騎士として答えることが出来る――。
次の瞬間、『ドン・フリーダムのCG』の前に精巧なフィギュアが差し出された。
スッ……と差し出されるトリテレイアの手に乗るのは、石から削り出された、ドン・フリーダムのかつての部下たちの姿。
「エイプモンキー、ラビットバニー、ウィンドゼファー。皆(色々な意味で)忘れ得ぬ強敵でした――」
そう言うと、トリテレイアは精巧なフィギアをやさしく『ドン・フリーダムのCG』の手に乗せる。
この時『絶対無敵バリア』が割れる音が響いた。
「これが今の私の実力行使です」
バリアを攻略したトリテレイアはすかさず『ドン・フリーダムのCG』を剣で一閃。
その攻撃でCGが地面に崩れ落ちると、ザザザ……と消えゆく姿へトリテレイアはそっとマントを被せるのだった。
――プログラムの起動に必要なエネルギーがほんのすこしだけ、蓄積された。
成功
🔵🔵🔴
リグ・アシュリーズ
はーい! ドン・フリーダムとドンパチやりに来たわ!
お望み通りになっちゃうけど、
害がないなら仕方ないわよね、うんうん!
本物との戦いが叶わなかった分、
全力出して派手にいくわよ!
絶対無敵バリア、ホントに無敵なのかしら?
黒剣で斬りつけて試してみるけど、
打ち破れなくても赤べこキャノン撃つ瞬間には解けるはず。
多少相手の攻撃がかするのは覚悟で、
狙撃銃でのカウンターを狙うわ!
一発目、弾道をはかって続く二発目は特別製の炸裂弾。
ただの弾丸と思ったかしら?
びりりと痺れて動けぬ間に近寄り、
そのままスライディングからの斬擊で
向こう脛がしんとひったたいちゃう!
ちょうてんさい敗れたり!
あと服着なさい、服!
●正面からの対決
キマイラフューチャーの地下にあった古代バーチャル遺跡。
ここを訪れたリグ・アシュリーズ(風舞う道行き・f10093)は開口一番に元気な挨拶をした。
「はーい! ドン・フリーダムとドンパチやりに来たわ!」
その声に応える様に『ドン・フリーダムのCG』が姿を現す。
ジジジ……と音も無く現れた後に、口で「ブオン!」と擬音を発してCGは軽く挨拶をした。
「古代バーチャル遺跡にいらっしゃいませですわ。話が早くて助かりますの」
と『赤べこキャノン』を早速抱えるCG。
リグも同様に、無骨な鉄塊のような黒剣の『くろがねの剣』を構えて戦闘態勢に入るのだった。
彼女は以前に本物のドン・フリーダムが現れた時、気になってはいたものの戦えなかった様である。
そのためか、この戦闘に対してリグはどこか楽しそうだ。
(本物との戦いが叶わなかった分、全力出して派手にいくわよ! そのまま戦ったら相手のお望み通りになっちゃうけど、プログラムが発動しても害がないなら仕方ないわよね、うんうん!)
リグがそう考える間に、CGは早速『絶対無敵バリア』を展開して砲撃を開始する。
「派手にいきますの! おらっ!」
CGの持つキャノンから砲弾がボボボンと連射された。
その砲撃をリグはフェイントを混ぜたダッシュで避け、回避しきれないものは剣でなぎ払ってやりすごす。
かつての本物のドン・フリーダムに比べると、このCGは相対的に強くはなく並のボス程度の強さに収まっている様だ。
リグはけん制のような砲撃を潜り抜けると、砲撃直後のCGへと切りつける――しかし。
「良いパワーですわ。そのまま何度も打ち込んで欲しいですの」
リグの振るう剣は、バリアに弾かれてしまった。
余裕を見せるCGに対してリグは、再びバリアの硬さを確かめるようにくろがねの剣を打ち据えてみる。
「この絶対無敵バリア、ホントに無敵なのかしら?」
「あらあら、ちょうてんさいドン・フリーダムのCGに欠陥があるという事ですの?」
リグの問いに、こう答えるCGだが……。
このCGの能力は本物に及ばない――戦闘の中でリグはその確信を強めていく。
赤べこキャノンの銃口が動くと、リグは後方へ飛び退いて砲撃を躱して武器を…『くろがねの剣』から『スコープ付き狙撃銃』へ持ち替えると狙いをつける。
これの切り替えにはリグなりの目的があった。
――例えば、キャノンを打つ瞬間であれば?
……それはほぼ直感の様なものだったかもしれない。
それでも、攻撃と防御を両立させる器用な余力が、この『ドン・フリーダムのCG』には無いことをリグは見抜いていた。
膝立ちで『スコープ付き狙撃銃』を構えるリグに対し、CGは赤べこキャノンの攻撃力を上げ狙いをつける。
先手をとったのはリグ――初撃は、バリアに防がれるのを承知した上での弾道を確認するための一射。
そして本命の二射目は、CGが赤べこキャノンを放つその瞬間。
「ぶっぱなしますの――ひゃん!?」
CGが砲撃を放つ瞬間、リグの二射目がCGの至近で炸裂した。
その炸裂は赤べこキャノンの砲身から放たれた瞬間の砲弾をも誘爆させて大きな衝撃を撒き散らす。
ユーベルコード『二番目の嘘<<ダーティ・ストライク>>』――この攻撃で『ドン・フリーダムのCG』は5秒ほど衝撃で動けなくなった。
その隙に――。
「ただの弾丸と思ったかしら?」
リグの声が風と共に聞こえたその刹那。
ガツンっ! とCGの向こう脛……いわゆる弁慶の泣き所に強打が加えられた。
「――っ
!!!!」
低い位置へ滑り込まれ、死角から放たれた強烈な一打。
それを受けたCGは脛を抑えてゴロゴロと悶えて転がっている。
その姿にリグは勝利を宣言するのだった。
「ちょうてんさい敗れたり! あと服着なさい、服!」
『ドン・フリーダムのCG』は痛みに悶えながら、そのままザザザ……と乱れた映像となり消えていった……。
この一戦でプログラムの起動に必要なエネルギーがさらに蓄積されていく。
成功
🔵🔵🔴
リーゼロッテ・ローデンヴァルト
&&&【POW】
※愛機は『シフト・トリックスター』で等身大機械鎧に変換
ほほー、自我を持つエロCGねえ♡
…エロくない?なら布地描き足しなよ♪
質量再現は重力場やナノマシンでイケるけど
自我はどう再現してるのかね?
アーカイブがCGに偽装されてるのか、或いは…
だがソレよりもっ
『アンタは2Dか、それとも3Dなのか』
早速横に回ったりモフって調べるよー♪
…ま、仕事もヤるけどね
実はオペ80番【グリッド・イーター】を起動中
少しずつ『ちょうすごいCG』のデータを拝借して
『絶対無敵バリア』の発動タイミングを解析♪
堪能&解析が完了したら敢えてバリアを張らせた後
再構築の瞬間に等身大『スカベンジャー』の精密射撃でブチ抜くっ
●データ解析っ☆
「ほほー、自我を持つエロCGねえ♡」
これがリーゼロッテ・ローデンヴァルト(リリー先生って呼んでよ・f30386)の第一声だった。
「それは服を着る常識にとらわれた発想ですの」
と返すCGへ、リーゼロッテはこう言葉を繰り出すが。
「エロさを否定をするならすこしは布地描き足しなよ♪」
「どのような格好をするかはそれぞれの自由。そしてわたくしは、肌を覆う窮屈さが嫌なだけですのよ」
と、CGはさらっと返す。
(挑発には乗ってこないかー。自我はどう再現してるのかね?)
リーゼロッテは興味深げに『ドン・フリーダムのCG』を観察するが、空間に見事な映像が浮かんでいる以上のことは解りそうにない。
(吹き飛ばされたりする質量再現は重力場やナノマシンでイケるけど……ドン・フリーダムの記録にCGを被せているのか、それとも別の偽装か、或いは……)
と考察しながらリーゼロッテはCGに近づいていく。そして……。
「だがソレよりもっ。ところでアンタは2Dか、それとも3Dなのか。触ってみてもいい?」
リーゼロッテはCGの脇腹をつついたり胸を揉んだりとやりたい放題を始めた。
「あ、そのお面は流石に外れないんだ」
CGの顔のお面を掴むリーゼロッテ。
CGはその手を振り払うと、赤べこキャノンをよいしょと取り出した。
「自由で欲望全開の振る舞い、たいへん良いことですわ。ですがわたくしにも目的がありまして、いつまでもお付き合いはできませんの」
そう言うとCGは『絶対無敵バリア』を展開する。
「さてさて、とっととバトルを始めますわよ」
CGが『絶対無敵バリア』を展開すると、リーゼロッテはバリアに押し返されて弾き飛ばされてしまった。
飛ばされたリーゼロッテは即座に光の腕輪『シフト・トリックスター』を起動させて機械鎧を纏う。
そこへCGは容赦なく砲撃を連続で浴びせた。
「ちょうてんさいドン・フリーダムのCGは、ちょうすごいCGですの。流石にハッキングの類には敏感ですのよ。なに情報をつまみ食いしてくれやがりますの」
「あれ、バレてた?」
てへぺろとかわいく振舞うリーゼロッテ。
ユーベルコード『Op.LTX:GRID EATER<<グリッド・イーター>>』――それは、得られたデータの量と質に応じて対象の弱点を的確に狙えるようになるというもの。
これがリーゼロッテが何気なく仕掛けていた電子攻撃だった。
連続して浴びせられる赤べこキャノンの砲撃に対し、防御を固めるリーゼロッテ。
しかし機械鎧の元であるナインス・ラインは装甲が厚めであるものの、秀でているのは出力と積載量であり守りに特化しているわけではない。
「このまま削り倒してさしあげますの」
とCGが言う様に、次第にリーゼロッテの鎧は剥がれて肌も傷つき始めた。
「くっ、じゃあ、これはどうかなっ☆」
「飽和攻撃ですの? 効きませんわよ」
リーゼロッテが鎧から小型多弾頭ミサイル『シリウス・マイン』を発射して反撃する。
その大量のミサイルは『絶対無敵バリア』で難なく防がれてしまうが……。
このバリアの展開データ、それこそがリーゼロッテの目的だった。
「――やっぱり攻撃が止まったね。解析完了っ☆」
ミサイルを防いだCGが砲撃を再開しようとするその瞬間――ビームの光が『ドン・フリーダムのCG』 を焼いた。
それはリーゼロッテが放った、キャバリア用のビームマシンガン『スカベンジャー』のライフルモードでの射撃の光。
「アンタのバリアの発動タイミングを解析させてもらったよ♪ そしてバリアが無い一瞬を精密射撃でブチ抜かせてもらった」
(ま、結局CGのほうはよくわかんなかったけどね……)
半身を焼かれた『ドン・フリーダムのCG』はそのままザザザ……と乱れた映像となり消えていった。
……そして、解放プログラムの起動に必要なエネルギーもまた蓄積されていく。
成功
🔵🔵🔴
日輪・黒玉
&
面妖な……いえ、もうなにもかもが……
とはいえ、私のやることは変わりません
誇り高き人狼の名に懸けて貴女を狩るだけです
死角からの反撃、確かに厄介ですね
ですが、ただ死角から攻撃してくるだけというのならばその上を行くまでです
より速く、より鋭く
マシンの反撃よりも更に先へ
遺跡の壁なども使った立体的な動きで【ダッシュ】に【ジャンプ】を混ぜながら最高速度で蹴りを撃ち込みます
敵よりも速いほど私は更に速くなる
死角からの攻撃を【スライディング】で潜り抜け、マシンを【踏み付け】、再度突撃し、追加の一撃を蹴り込みます
●人狼の狩り
古代バーチャル遺跡。
その謎しかない空間を訪れた日輪・黒玉(日輪の子・f03556)はぽつりと感想を漏らした。
「面妖な……いえ、もうなにもかもが……」
黒玉のクールなジト目は、先ほどからずっと困惑を含んでより険しくなっている。
そこへ、ぶおん! と口で言いながら『ドン・フリーダムのCG』が現れるのだった。
「古代バーチャル遺跡にいらっしゃいませですわ。私は遺跡のバーチャルナビゲーター、ちょうてんさいドン・フリーダムのCGですの」
定型の挨拶をするCG。対する黒玉は足のローラーブレードの刃をシャキン! と展開する。
「私のやることは変わりません。誇り高き人狼の名に懸けて貴女を狩るだけです」
相手は狩りの対象――オブリビオンを前に黒玉は即座に攻撃を仕掛け始めた。
「あ、これシャレが通じにくいタイプですの」
容赦ない黒玉の鋭い蹴りが『ドン・フリーダムのCG』の首を掠める。
「あっぶねーですわの!? いきなり生物の急所狙ってきましたわ!」
ギリギリで黒玉の攻撃を避けたCGは花びらを纏わせふわりと距離を離すと、続けて盾や銃を形成していく。
ガチバトルの開始である。
CGは形成したライフルで黒玉へ攻撃を始めるが、黒玉はそれを巧みに避けた。
それはCGの動きが黒玉より遅いから――黒玉のユーベルコード『黒玉狼の乱舞<<ウィンドミル>>』の発動で回避能力が高まっているからである。
「もう貴方は私の獲物です」
黒玉はローラーブレード『藍晶疾走』で地を蹴って加速すると、CGへ接近して再び脚の刃で首を狙ったが……。
しかし二度目の攻撃は阻止されてしまった。
視界の外から伸びた刃が黒玉の腕を切りつけたからである。
「――くっ」
続けて振り下ろされる刃を避けると、黒玉は攻撃から逃れるため獲物からいちど距離をとった。
見ればふわふわと浮くマシーンがあり様々な武器を携えている。
「必ず死角を見つけて反撃をする、『マニアックマシン』ですの」
CGが放つ反撃マシーンのデザインがぬいぐるみなのは動揺を誘う為だろうか。
黒玉はいちど呼吸を整えると、狩りに意識を集中させた。
「死角からの反撃、確かに厄介ですね。ですが……」
黒玉は再び地を蹴り加速する。
(……ですが、ただ死角から攻撃してくるだけというのならばその上を行くまでです)
――より速く、より鋭く。
獲物が反応できない速度を目指し狼は駆けていく。
『死角からくる』ことさえ解っていれば、『常に』攻撃がくる前提で動けば良い。
黒玉は身体を揺らし、壁へ飛び、さらに飛んで立体的に動いた。
その素早い動きは空間に色を残し、二対の髪が軌跡を残して線を作る。
やがて速度が極まれば反撃さえも追い付かない速度へ――。
(マシンの反撃よりも更に先へ。敵よりも速いほど、私は更に速くなる!)
死角から反撃するマシンの反応を超える速度に達した黒玉の、最高速度からの蹴りがCGの胴を捉えた。
「ぎゃん!?」
吹き飛ばされ悲鳴をあげるCG。
黒玉は蹴りの勢いを殺さぬように着地と同時に地面を滑ると、死角の何かを足場として蹴って吹き飛んだCGへ向かって飛ぶ――。
――体勢など整えさせない。そんな黒玉の強引な再突撃が再び『ドン・フリーダムのCG』を捉えた。
ローラーブレードの刃が『ドン・フリーダムのCG』の身体を切断する。
この攻撃で致命傷を負った『ドン・フリーダムのCG』は、倒れると乱れた映像となってザザザ……と消えていった。
そして、この戦いで解放プログラムのに必要なエネルギーもまた蓄積していった。
成功
🔵🔵🔴
ロベリア・エリヌス
&&&
実は私、貴女の事知らないのよね
だから、はじめまして…かしら?
それにしても、凄い技術よね
古代バーチャル遺跡って言ってるし、キマイラフューチャーには既にあった技術なのかしら?
それとも何となくノリで古代遺跡を名乗ってるだけで実は最新の技術?
とても気になるわね
…思惑に乗せられるのは好きじゃないけど、協力してあげるわ
【クロックアップ・スピード】で加速して足場がバラバラにされるよりも先に動き続けるわ
暴風の方は【念動力】で遠隔操作した[B.O.X]を盾にしちゃおうかしら?
その隙に二機の[O.W.L]を使って【レーザー射撃】と【誘導弾】の【弾幕】をお舞いするわね
さてと…これが起動するとどうなるのかしら?
●ナビゲートしないナビゲーター
キマイラフューチャーの地下にあった古代バーチャル遺跡。
その地をロベリア・エリヌス(recorder・f23533)は歩いていた。
床や壁は金属質な様に見えつつも材質は不明。
しかしいくら歩いても意味がありそうな空間や部屋は見当たらず、まるで管理者によって封じられているかの様だ。
「それにしても、凄い技術よね」
と、ロベリアが感想を言葉にすると答える声が聞こえた。
「なにせ、遺跡ですもの。古代バーチャル遺跡ですの」
意味のない解説をしたのは、遺跡のバーチャルナビゲーター『ドン・フリーダムのCG』。
CGは、ロベリアと目が合うと思い出した様に、ぶおん! と口で言って登場を仕切り直した。
「古代バーチャル遺跡にいらっしゃいませですわ。私は遺跡のバーチャルナビゲーター、ちょうてんさいドン・フリーダムのCGですの」
現れたCGを、じっと見るロベリア。
「……実は私、貴女の事知らないのよね。だから、はじめまして……かしら?」
と挨拶を返すと、次のような要求を始めた。
「ところで、今あなた遺跡のナビゲーターと言ったわね? なら案内してくれないかしら」
「こいつも自由ですわね。欲望に忠実なのは大変好ましいことですわ。その自由に免じて、このあと必ず戦うという条件で少しお付き合いしますの」
ロベリアの要求を引き受けるCG。
しかしこのCG、権限が与えられていないとかで意味のあるナビゲーションを行わない。
ロベリアが次のように質問をしても。
「古代バーチャル遺跡って言ってるし、キマイラフューチャーには既にあった技術なのかしら? それとも何となくノリで古代遺跡を名乗ってるだけで実は最新の技術?」
「当遺跡は古代ですの。古代バーチャル遺跡ですもの」
という答えしか返らない。そして。
「所で猟兵の方、そろそろ戦っていただきたいですの。ていうかぶっちゃけわたくしナビゲートに飽きましたわ」
と言い、ナビゲートをしないナビゲーターが、ロベリアの歩みを遮り始めた。
ロベリアが仕方なく戦闘体勢に入ると、床一面が花の足場に変わっていった。
ゴオ、と暴風が吹き荒れると花びらで出来た足場が吹き飛んでいく。
これは触れた者を無差別に切り刻む風だ……その風を、四角い箱――ロベリアのサイキックキャバリア『B.O.X』が受け止めた。
「……威力は思ったより普通ね。CGはあくまで本物ではないということかしら」
そう呟きながら、ロベリアは風で飛ばされる前に足場を飛び移っていく。
ユーベルコード『クロックアップ・スピード』。これによって爆発的に増大した速度とキャバリアの遠隔操作でロベリアは暴風に対応していた。
しかし時間が経つほど足場は小さく、散り散りとなってしまう……だが、なんとなく『誘っている』様な感じもしており、ロベリアは素直に対応する気も削がれていた。
(けれど、長期戦は不利ね……)
ロベリアはため息をつくと、こっそり放っていた二機の支援機『O.W.L』へ指示を出す。
「……思惑に乗せられるのは好きじゃないけど、協力してあげるわ。さてと……これが起動するとどうなるのかしら?」
この辺り一帯には、吹き荒れる暴風の花びらに紛れてロベリアが仕込んだ誘導弾も多数舞っていた――これらの誘導弾を支援機のレーザーが撃ち抜けば、あたりを爆発が埋め尽くし、炎と衝撃の渦が巻き上がる。
ロベリアがサイキックキャバリア『B.O.X』の後ろに退避して炎をやりすごしていると、フッと空間が切り替わった。
何時の間にか周囲の壁や床は元の金属じみた素材に戻っている……。
(――確か、相手は勝ち負けではなくバトルそのもののエネルギーを欲しているのだったかしら。だったら、こういう派手な攻撃を望んでいたのよね……)
不機嫌そうなロベリアの視線の先には、乱れた映像となって消えゆく焼け焦げた姿のナビゲーターを自称するCGが転がっていた……。
そして、解放プログラムのに必要なエネルギーもこの戦いでさらに蓄積していく。
成功
🔵🔵🔴
数宮・多喜
&&&
まーた懐かしい奴が出てきたもんだねぇ、ってCGかよ。
足場がなくなるのもCGって事でナシにしてくれりゃ良いんだけどって
無理だよなぁ……
しゃあない、『念動力』で自分を浮かせて『空中戦』に、って
お前なんでこのタイミングで出てくるんだよ珍獣!?
確かにこの雰囲気はお前向きだよ!?
だからって……え?暴風に対抗するなら念動力より風魔法が良い?
なんだよその降って湧いたような謎設定!?
通るか通らないかで言えば通らねぇ方だろ!?
ああもう、でもやるだけやってやらぁ!
【ラジカル☆まじかる★チャームあーっぷ!!】
らじかる☆ハートロッドを振り回して竜巻を作り、
暴風ごとCGをブッ飛ばしてやらぁ!
……これ風魔法か?
●魔法少女☆マジカル多喜ちゃん
花びらが咲き乱れる空間で巨大な竜巻がぶつかり合っていた。
その片方は魔法少女の姿をした人物の持つ、どう見ても戦車砲の砲身に見える物体が振り回されることで発生している。
そして、彼女の隣にはお約束のようなマスコットがいた。
「多喜ちゃん! みんなの応援パワーが集まって来たよ! もうひと頑張りだ」
「応援パワーって何だよ!? 誰があたしらの戦い見て応援してるんだよ!?」
突っ込みながら戦車砲を振り回し竜巻を維持しているのは、数宮・多喜(撃走サイキックライダー・f03004)、24歳。猟兵だ。
多喜は何故か魔法少女の姿をしていた。
この状況を説明するには少し時を遡らなければならないだろう――。
――数宮・多喜は、古代バーチャル遺跡を訪れていた。
「古代バーチャル遺跡にいらっしゃいませですわ」
と、挨拶をする『ドン・フリーダムのCG』を見て、多喜は複雑な気持ちを抱く……それは戦いの思い出という、素直に懐かしむことができない気持ちだ。
「CGとはいえ、まーた懐かしい奴が出てきたもんだねぇ……足場がなくなるのもCGって事でナシにしてくれりゃ良いんだけどって、無理だよなぁ……」
と多喜がぼやくなかで戦闘が始まったのだが……始まってみれば意外と、なんとかなっていた。
CGは本物のドン・フリーダムに比べるとさほど強くはなく、多喜は念動力で暴風を逸らして足場が飛ばされても浮遊することでやり過ごしていく。
「あらあら、過去の記録と異なりますのね」
「あたしも強くなってるって事さ。それにアンタ、本物ほどじゃあないね。なら悪いがこのまま――」
――そんな思ったより余裕のある戦闘の最中でふと、一瞬だけ多喜は「この花びらが舞う場所ってなんだか魔法少女っぽいよな」と思ってしまった。
――その思考に誘われて、奴が現れる……。
「そうだね、多喜ちゃん! 変身だ!」
「お前なんでこのタイミングで出てくるんだよ珍獣!?」
思わず叫ぶ多喜。
それは、多喜にも正体がわからない謎の存在だ。
なぜこのタイミングで、という多喜の言葉にマスコットは真顔でこう返した。
「えっ魔法少女っぽい場所だなって思ったでしょ? 多喜ちゃん」
「確かにこの雰囲気はお前向きだよ!?」
このやり取りにCGも面白そうだと乗ってくる。
「我慢しなくていいのですよ。欲望は止めなくていいのです」
「いや欲望ってなんだよ!?」
ここですかさずマスコットが「暴風に対抗するなら、風魔法の方が良いよ!」と力説しだした。
CGも「わたくしもそうおもいますわ!」と乗ってきた。
「お前敵だろ!? あと風魔法ってなんだよその降って湧いたような謎設定!? 通るか通らないかで言えば通らねぇ方だろ!?」
「我慢しなくていいのですよ」
「いやしてねぇよ!?」
マスコットはともかくCGがノリノリである。
事前情報によると、彼女はバトルのエネルギーが目的なためもしかするとエネルギーの発生効率がより高い方を狙っているのかもしれない。
以上の状況を鑑みた結果、多喜は――。
「ああもう、でもやるだけやってやらぁ! 『ラジカル☆まじかる★チャームあーっぷ!!』」
――多喜は、この場に居る者たちの願いを叶える方を選んだ。
――こうして今に至る。
「多喜ちゃん! 集中して、押され始めてるよ!」
「だからお前誰だよぉ!?」
多喜がサイキックの要領で力を集めると、竜巻を作っていた杖(戦車砲)に光が集り竜巻が暴風を押し返し始める。
……そのまま竜巻は暴風と共にCGを飲み込んでいった……。
「ぐふっ。見事ですわ魔法少女……ですが、わたくしを倒そうと第二、第三のわたくしが……」
ボスっぽい口上を言いながら、『ドン・フリーダムのCG』はザザザ……と乱れた映像となり消えるのだった。
いつの間にかマスコットも消えており、元の姿になっていた多喜はひとりぽつりと呟く。
「ほんとうに何だったんだこれ……」
……この戦いによって、さらに解放プログラムに必要なエネルギーが蓄積されていく。
成功
🔵🔵🔴
リダン・ムグルエギ
やっほー、ちょうてんさいさんおっひさしぶりー
アタシはわざと解放を手伝いに来たの
友達の見た目変えて新しい服着せるのも楽しそうだし
バーチャルキャラになったアナタがどんな姿になりたいのかも気になるし
じゃ、勝負と行きましょ
コーデバトルでね!
自由こそ命という主張は分かるわ
それでも、アタシは彼女の中に着衣ブームを起こしたいのよ
服飾師として
最初の服は相殺で破れてもいいダメージものの服!
AR技術で作った『着てるように見えるだけCGウェア』
着たら子供になる時蜘蛛糸の子供パーカー!
アナタが満足感で昇天するまで、あの手この手おだてて色んな服を見繕って撮っちゃうわ!
なお、アタシ自身を攻撃されると即死だからやーめーてー
●キマイラフューチャー流のバトル
「やっほー、ちょうてんさいさんおっひさしぶりー」
地下の古代バーチャル遺跡で、リダン・ムグルエギ(宇宙山羊のデザイナー・f03694)の声が明るく響く。
その声に『ドン・フリーダムのCG』は苦手そうな反応をした。
「げ、過去の記録によりますとわたくしに服を着せようとした方ですの」
服の拘束感、そして肌を覆う窮屈さを苦手とする裸族にとって好ましくない相手である。
加えるなら、服を着せたいという真っ直ぐな欲望はオリジナルのドン・フリーダムが掲げる『オール・フォー・フリーダム』に沿っているため強い否定もできないのだ。
リダンは、真っ直ぐな瞳で語った。
「自由こそ命という主張は分かるわ。それでも、アタシはアナタの中に着衣ブームを起こしたいのよ。服飾師として」
「その欲望、大変好ましいことですの。ですがわたくしにも目的というものがありますのよ。あなたたち猟兵をここに呼び込んだのは、『バトルのエネルギー』を溜めるためですの」
CGはリダン欲望を拒否する理由を挙げる。
……しかしその否定はあっさり反転してしまった。
「もちろん。じゃ、勝負と行きましょ。コーデ『バトル』でね!」
「!?」
「なお、アタシ自身を攻撃されると即死だからやーめーてー。エネルギーも溜まらないと思うわ」
「!!?」
思い起こせばこの世界は『バトルオブフラワーズ』を始めとして暴力以外のバトルで戦局が進んでいた。
つまり、リダンの提案は実にキマイラフューチャーらしいものと言える。
バトルであればエネルギーも発生する。加えて己のやりたいバトルをする、という自由な発想。
これを否定する理由は『ドン・フリーダムのCG』にはない。
「『バトル』……成る程ですの。そう言われてしまっては仕方がありません。そのバトル、受けて立ちますわ」
古代バーチャル遺跡の壁や床がぴこぴこと光りながら形を変え、ステージがせり上がっていく。
キマイラフューチャーの街中に突然投票ボタンが生え、街中のモニタに会場の映像が映し出され、その設備はさながらかつての『ザ・ステージ』。
かくして、リダン・ムグルエギvsドン・フリーダムのCGによるコーディネートバトルが始まるのだった。
薄暗いステージに伸びるキャットウォーク。スポットライトが歩くモデルを照らし出す……。
ドン・フリーダムのCGがモデルを兼任してバトルが始まる。
一戦目。
先手はリダンによるダメージものの服。
ジーンズやシャツの裂けた隙間がメリハリのあるモデルの肉体美を強調し、ワイルドな服装との調和を生み出している。
破れた形や場所といったダメージ部位もデザインのポイントだろう。
続いてCGが用意したのは、裸の上に襟元しかないワイシャツとネクタイをつけガーターベルトを組み合わせたぱっと見はキャリアワーカーっぽい気がするけどやっぱり裸なコーデ。
リダンのユーベルコード『トレンドメーカー・GOATia』による、外れても突如流行する特性がなかなか強い。
しかしCGのユーベルコード『マニアックマシン』による死角からの反撃……つまり盲点をつくような目を引くチョイスが流行にブレーキをかける。
そして二戦目。
先手はCGが用意したもの。
頭の上に全身を覆うサイズの巨大な輪をつけ、そこから水玉状に穴が空いた布を吊り下げている。
腕の部分に穴が空いて袖っぽいのが辛うじて服要素だろうか。
続いてリダンが用意したのはARを用いた、『着てるように見えるだけCGウェア』。
どんなに全身を包んでいても実は全裸、というポイントがCGの心に突き刺さった。
「これは良いものですわ。是非とも流行していただきたいですの」
自然とキャットウォークを歩く姿も様になり、高得点が入っていく。
そして最後の三戦目。
先手はリダン……用意したのは、着たら子供になる『時蜘蛛糸』の子供パーカー。
アックス&ウィザーズの群竜大陸にそんな蜘蛛が居た気がする……。
ちんまりした子供姿のCGが、パーカー姿でキャットウォークをとてとて歩く。
服を脱いで元に戻ったCGが続いて用意したのは、自身の長い髪を螺旋状にして体を包んだ肩だしワンピースの恰好だった。
セクシーな美しさはもちろん、あくまで服が肌に触れていないのがポイントだろう。
突然始まったコーデバトルの中継に、よくわからないままキマイラたちも大喜び。
二戦目の高評価が決め手となり、このバトルは多くのエネルギーを生みながらリダンの勝利で締めくくられるのだった。
「お陰で目的のエネルギーの蓄積も順調ですの。良いバトルでしたわ。何より、自由でした。目的も果たしましたし敗者は去りますわ」
CGは満足した様子でリダンへ話しかけると、CGはザザザ……と乱れた映像となり、消えていった。
その姿を見送りながら、リダンは消えゆく彼女へ今回の思いを伝えるのだった。
「アタシはわざと解放を手伝いに来たの。友達の見た目変えて新しい服着せるのも楽しそうだし、バーチャルキャラになったアナタがどんな姿になりたいのかも気になるし」
こうして、解放プログラムの起動に必要なエネルギーがさらに蓄積していくのだった。
大成功
🔵🔵🔵
第2章 ボス戦
『猟書家『キング・ブレイン』』
|
POW : 侵略蔵書「スーパー怪人大全集(全687巻)」
【スーパー怪人大全集の好きな巻】を使用する事で、【そこに載ってる怪人誰かの特徴ひとつ】を生やした、自身の身長の3倍の【スーパーキング・ブレイン】に変身する。
SPD : 本棚をバーン!
【突然、背中のでかい本棚を投げつけること】で攻撃する。また、攻撃が命中した敵の【リアクションをよく見て身体特徴】を覚え、同じ敵に攻撃する際の命中力と威力を増強する。
WIZ : 脳ビーム
詠唱時間に応じて無限に威力が上昇する【脳(かしこさを暴走させる)】属性の【ビーム】を、レベル×5mの直線上に放つ。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴
|
●それは、イレギュラーな出会い
ドン・フリーダムのCGが猟兵たちの相手を終えた時、時間差で『キング・ブレイン』がテレポートして現れる。
「うおっほん。ブレブレブレ(笑い声)! ドン・フリーダムのCGがやられたようですな……」
『キング・ブレイン』は特製の自転車『ブレインバイシクル1号』から降りると、ソレを懐にひょいと仕舞って仁王立ちする。
「猟兵どもよ、頑張っているようですが吾輩は甘くありませんぞ! バトルをするからには、真剣に挑む所存。そのように約束しましたので! どのようなバトルだろうとウェルカムですぞ」
猟書家オウガ・フォーミュラである『キング・ブレイン』の本人が登場した。
●その他
事前にお伝えした情報にあるように、劣勢になるとすぐ逃げます。そして絶対捕まえられません。
一人ずつ戦っては、不利になる、あるいは負けると悔しがりながら別の場所へ撤退する形で進む見込みです。
リーゼロッテ・ローデンヴァルト
&&&【WIZ】
※愛機は前章同様機械鎧状態
アンタが噂のキンブレさんか、ヤる前に愛車と一枚撮らせてよ♪
怪人もピン写りは重要っしょ?仕込みはないよ。ほい、こんな感じっ
クールな外見と次元跳躍自転車のトンチキさが好みなのさ♡
※生体電脳の記録画像をナノマシンで印刷提供
じゃ、真面目にイクかねっ
『お願いしまぁす♡』『がんばるぞ~♪』
【マーチング・ワスプ】2種、総勢112体参陣
彼女らとアタシ(の【ナインス・ライン】製機械鎧)を
オペ68番【マトリクスドライブ・クインビー】で強化
※武装はブラキオン製『キック増強システム』
チャージなどさせるものかっ
113人が天使の様に舞い上がり
『夏休み恒例・超必殺キック』で速攻さ☆
●悪の大首領
「猟兵どもよ、頑張っているようですが吾輩は甘くありませんぞ!」
登場するなりボスキャラとして振舞う猟書家『キング・ブレイン』。
しかし、そんな彼にリーゼロッテ・ローデンヴァルト(リリー先生って呼んでよ・f30386)はカメラ片手に笑顔で寄っていくのだった。
引き続き機械鎧を装備しているリーゼロッテであるが、その行動は見かけた有名人に「一枚写真良いですかー♪」と声をかけるような軽いノリである。
「アンタが噂のキンブレさんか、ヤる前に愛車と一枚撮らせてよ♪」
いきなり距離の近いフレンドリーな絡みに、キング・ブレインは。
「写真ですと!? 戦いの前に、敵同士でで?」
と返しながら、一度仕舞った特製の自転車『ブレインバイシクル1号』を改めて出し、自転車のサドルへ横向きに腰を乗せて足を組みつつ腕組みポーズをする。
「いいですとも! ではボスキャラっぽくこのようなポーズで……どうですかな!」
「クールな外見と次元跳躍自転車のトンチキさが好みなのさ♡」
カシャッと鳴るシャッター音。
メタ的に『ブレインバイシクル1号』の外観や仕組みが不明なので描写が出来ないが、ブレインが背負う本棚の重みをものともしないあたり非常に丈夫であることは違いないだろう。
こうして撮影は真剣につつがなく進み、記録画像をナノマシンで印刷した写真がリーゼロッテからブレインへ手渡された。
「ほい、こんな感じっ」
「おやこれはどうも、ありがとう。男前に撮れましたな。吾輩の首領としての活動にも使えそうだ」
「怪人もピン写りは重要っしょ? じゃ、真面目にイクかねっ」
「ムッ、戦闘開始ですな。うおっほん! ブレブレブレ! ドン・フリーダムのCGの次は吾輩が相手ですぞ!」
やりたいことをやり終えたリーゼロッテは、改めて距離をとっていく。
こうして両者ともに戦闘体勢へ入るのだった。
場が仕切り直され、リーゼロッテのユーベルコードが発動される。
「さて、『マトリクス・メモリ』認証完了っと。現象再現用ホロアーカイブ、リローデッド☆」
現れたのは人型ドローン『EP-145MT-LEX マーチング・ワスプ』。
自律した人型無人機が未知の単一原子、ブラキオンを利用した武装……キック増強システムと翼を装備して大量に現れる――ユーベルコード『Op.LXVIII:M.DRIVE [Q]<<マトリクスドライブ・クインビー>>』。
「お願いしまぁす♡」
「がんばるぞ~♪」
「総勢112名プラス、ご本人の大軍勢……! であれば、遺跡のボスキャラとしてはビームでなぎ払うのが様式美というもの!」
そう言うや『キング・ブレイン』の頭部へ光が生まれエネルギーが集まっていく。
「ハイパー・メガ・デストロイ・ギャラクシア・コスモ・ヘル・ボルテック・ダーク・シャドウ……」
「チャージなどさせるものかっ」
そのあまりに長い詠唱を中断させるべく、リーゼロッテは攻撃を開始。
総勢113名が一斉に翼を広げて飛び上がると、夏の劇場に集合する某ヒーローの締めの様に一斉に飛び蹴りが放たれた……!
『夏休み恒例・超必殺キック!!』
「ぐわーッ!!」
蹴りがヒットすると、爆発の演出を加える古代バーチャル遺跡。
ドーン! と空気を読んだ派手な爆発エフェクトの後に煙がもうもうと立ち込める中で『キング・ブレイン』は片膝をついた。
「ぐふっ……必殺技の技名を言う途中に攻撃を加えるとは。もしやアナタ、なかなかにワルなのでは!?」
「てへ♪ じゃ、二発目イクね♪」
リーゼロッテは舌を出して微笑むと、続けて二発目の蹴りを入れようと全員で飛び上がる。
すると『キング・ブレインは慌てて『ブレインバイシクル1号』にまたがって。
「ええい、仕方がありませんな! 次はこちらがよりワルなことを証明してみせますからな!! 今回はこれで見逃してやる、覚えていなさい!」
全力でペダルを踏むと、ブレブレブレ(笑い声)! と高笑いしながら次元の壁を越え撤退していった。
大成功
🔵🔵🔵
リダン・ムグルエギ
&&
前々から真摯な人だとは思ってたけど
デビキン出身だったのね、アナタ
じゃ、納得したところで勝負…の前にその自転車、ちょっと乗らせてくれない?
(乗ってみた動画取りたい勢)
それじゃ本番よ!
話している隙に配備した300人のスナイパーの弾幕、掻い潜れるかしら
あ、当たった
右のアタシを攻撃する?
何も無い後ろへ逃げる?
アタシは事前に催眠毒の香水を振りかけて冒頭の交渉をしておく事で
相手に香を嗅がせコードの下準備をしておくの
悪辣?いいえ
幻影の射撃で攻撃し
自分は位置誤認させて躱す事で
互いに無傷のままエネルギーを貯めれるwinwinなバトルよ
怪我をする可能性があるとすれば
退却時に全力で自転車で壁に突っ込むくらいね!
●実体無きバトル
登場した猟書家『キング・ブレイン』は早速、リダン・ムグルエギ(宇宙山羊のデザイナー・f03694)へと勝負を挑む。
「どのようなバトルだろうとウェルカムですぞ。さあかかってきなさい!」
しかしリダンは、動画モードのカメラを取り出して『キング・ブレイン』に迫っていくのだった。
「自転車、ちょっと乗らせてくれない?」
興味に瞳を輝かせるリダンに『キング・ブレイン』はあっさり承諾して『ブレインバイシクル1号』を再び取り出す。
「構いませんが、これは吾輩専用の特製品なので猟兵には扱えませんぞ」
「ありがとう、上に乗って動画にしたいだけよ」
と言い自転車にまたがるリダン。そして『キング・ブレイン』は、なんとなく流れでカメラを受け取って撮影を代行していた。
メタ的に『ブレインバイシクル1号』の外観や仕組みが不明なので描写は出来ないが、キマイラフューチャーに突如現れた大首領を名乗る者の私物動画はけっこう珍しいのではないだろうか。
「この香り……香水ですな?」
「ええ、そうよ」
「ふむ。こういうお洒落も大首領としてアリだろうか」
「興味があるのかしら? コツは手首やうなじにほんの少しだけつけることよ」
などと会話をしつつ、リダンはふと8月16日に全ての猟兵に見えた予知を思い出していた。
「前々から真摯な人だとは思ってたけど、デビキン出身だったのね、アナタ」
「なぜそれをご存知で? 吾輩の個人情報、漏れ過ぎでは?」
ひとりで納得するリダンに対し、ブレインは真顔で疑問符を浮かべる。
客観的に考えると怖い状態ではある。
そんな空気の中でバトルは始まった。
「それじゃ本番よ!」
改めて距離を離したリダンは何かを喚び出す様なポーズをとり……そして、このように宣言した。
「話している隙に配備した『300人のスナイパー』の弾幕、掻い潜れるかしら」
「ややっ……!? いつの間に……」
言葉と共に瞬時に現れる狙撃手。
これがリダンのユーベルコード『ゴートリック・フォース』……催眠性のある『香水』によって、言葉通りの幻覚を見せるというものだ。
――つまり、これは先ほどの香水からすでに仕込まれていた罠。
しかし幻影であるが故に、直接のダメージにはならない。
「あ、当たった」
「ぐわーっ……あれ? 痛くない? さては幻影ですな!」
幻影だと気づけば避ける必要もなく、『キング・ブレイン』は撃たれるままに反撃を開始する。
背負った本棚を持ち上げ狙いを定めるブレインだが……今度はリダンが分身を始めた。
「アタシも『たくさんいる』んだけど……右と左のアタシ、どっちに攻撃する?」
「ムムッ……!」
そのまま背負った本棚をバーン! と投げつけるブレインだが、どれが本物か分からず攻撃は外れてしまう。
このリダンの策略に『キング・ブレイン』は感心を示した。
「正々堂々と戦わず幻影でかく乱をするとは、ワル寄りのワルの戦い方……やりますな!」
「ワル? いいえ。互いに無傷のままエネルギーを貯めれるwinwinなバトルよ」
「エネルギーを生んでいるのは主に吾輩では!?」
不公平に抗議しながらも『キング・ブレイン』は徐々に命中精度を上げ本物のリダンへ近づいていった……。
しかしこのまま時間をかけては、遺跡内の他の猟兵が合流してしまい不利になるのは間違いないだろう。
「このまま翻弄されっぱなしは悔しいですが、このまま時間をかけるのも不味い……っ!」
そう言うと『キング・ブレイン』は攻撃を断念して撤退を開始する。
「うおっほん、猟兵よ! これで勝ったと思わないことだな。次こそ大首領の恐ろしさを見せてやりましょうぞ!」
そう言うと、特製の自転車『ブレインバイシクル1号』にまたがってペダルを漕ぎ……ドンッ、と幻影で隠されていた壁にぶつかってしまった。
ここまでのリダンの幻影による翻弄で、壁際まで誘導されていたのだ。
「痛ったあ!?」
「言い忘れていたわ。そこ壁際だから気を付けてね!」
「ぐぬぬ!! この借りは必ず返しますぞ!」
ぶつけた頭を抑えながら、『キング・ブレイン』は再びペダルを漕ぐと次元の壁を越えて撤退していった。
大成功
🔵🔵🔵
リグ・アシュリーズ
「ブレブレブレって笑って!」なうちわをはためかせ、
ノリノリで現地入りするわ!
オウガ・フォーミュラ本人がお出ましだなんて、ずいぶん律義なのね!
それじゃあ獲りに行くわね!と雰囲気一転。
頭を削ぎ落す勢いで黒剣を次々と見舞うわ!
どうせ勝ち逃げするなら全力振るってもいいじゃない、
死なないんでしょ?といい感じに笑み。
ちなみに賢さ暴走させようったってムダよ!
私の、既に振り切れてるから!
……そこ、マイナス方向でしょみたいな視線送らないでくれる?
相手がタジタジしたら、さりげなく自転車の方へ歩み寄り。
ええ。逃がしてあげるわ。そういう約束だものね!
自転車に可愛いおなまえシールをぺたり。
後で気付いて悶え死ぬといいわ!
●かしこさ対決
ドン・フリーダムのCGを退けたリグ・アシュリーズ(風舞う道行き・f10093)の元へ、間もなく『キング・ブレイン』が現れた。
特製の自転車『ブレインバイシクル1号』にまたがりテレポートで現れた『キング・ブレイン』はマントをばさぁと腕で払うと尊厳を意識した声色でボスっぽく言葉を放つ。
「うおっほん。ブレブレブレ! なかなかやるようですな猟兵!」
「大首領ー! いらっしゃーい!」
その登場をノリノリで迎えるリグ。
手には『ブレブレブレって笑って!』とプリントされたうちわなどを持ち、ぶんぶん振っている。
「なにゆえの歓迎!? 出鼻から困惑させてくるとは、こやつ出来る……!」
たじろぐブレイン。
CGの頼みに対し自ら出撃するというキング・ブレインの律義さと、素直な反応にリグは感心しているようだ。
「オウガ・フォーミュラ本人がお出ましだなんて、ずいぶん律義なのね!」
そう言うと、リグは爽やかな笑顔でくるりとまわる。
……一転、明るくまわるリグの手に『くろがねの剣』が握られた!
「それじゃあ獲りに行くわね! ――どうせ勝ち逃げするなら全力振るってもいいじゃない、死なないんでしょ?」
鋭い一閃が『キング・ブレイン』の首を狙う――朗らかな明るい微笑みが、勝ちを取りにいく不敵な笑みに変わった。
初手から敵を殺しにかかったリグ。
黒い刃が宙を踊り、振るわれた剣筋は目標へ。
……しかしその煌きは火花を散らして止められた。
刃を止めたのは、モグラのような鉤爪。
スーパー怪人大全集のどれかに載っている怪人の爪である。
「実に分かりやすいバトル展開。こういうのもウェルカムですぞ! それでは、ボスらしくお相手しましょう」
蔵書を開いた『キング・ブレイン』は、鞭を生やして横へ凪ぐ。
これはまだ通常の攻撃。
身体も大きくなっておらず『侵略蔵書』の力の一端でしかない。
リグはそれを滑り込んで躱すと、起き上がりざまに切り上げた。
それをブレインは鞭をモーニングスターに変えて受け止める。
「しかし、死なない、は語弊がある気がするのですが。死なない様に、ほどほどにエネルギーを発生させたら退散する考えではありますぞ。ここは吾輩が命を賭ける場ではないのですからな」
そう答えたブレインは、リグの剣を受け止めたままモーニングスターから火球を放った。
それを、後方へ飛んで躱すリグ。
その着地のタイミングをキング・ブレインの脳ビームが襲った!
「デストロイ・ボルテック・ブレイン・バスター!!」
「くっ……」
知恵を暴走させるビームを浴びたリグ……しかしリグは、息もつかず地を蹴ると真っ直ぐにブレインを切りつけた。
「賢さ暴走させようったってムダよ!」
「ムムッ!? ……暴走しないですと!」
さすがにちょっと冷静になって質問をする『キング・ブレイン』。
「え、疑心暗鬼になって考えすぎたり、知恵熱がでてボーっとしたり、そういうのないのですか?」
「私の、既に振り切れてるから!」
「…………」
「……そこ、マイナス方向でしょみたいな視線送らないでくれる?」
もうすこし詠唱時間を頑張ればオーバーフローさせられるかもしれないが……初手から首を狙うような作戦をとったリグだ。
長い詠唱時間は与えないだろう。
つまり『キング・ブレイン』が今取れる手段では、リグに対応する策が足りない。
「ムムム……あまり手の内を見せても不利になりますし、何より、さっき受けた斬撃が思いのほか深い……!」
『キング・ブレインは撤退のため『ブレインバイシクル1号』を取り出した。
そこへ、ぺたり。
リグは『ブレインバイシクル1号』に可愛いおなまえシールを張り付けた――ユーベルコード『知らぬが仏<<ウッカリグノノロイ>>』。
(後で気付いて悶え死ぬといいわ!)
脳ビームでかしこさが上がった? リグの策略が仕込まれる中、『キング・ブレイン』は自転車にまたがると。
「うおっほん! 次会うときはこの様にはいかぬぞ! 覚えておけ猟兵!」
リグが仕掛けたシールに気付かないまま、負け台詞を残すと次元の壁を越えて撤退していくのだった。
成功
🔵🔵🔴
日輪・黒玉
&
逃げる獲物を捕らえることができないとは、誇り高き人狼としては屈辱ですが……
例えどんな狩りでも手を抜かないのが誇り高き人狼です
……逃げたくなるまで、絶対に黒玉が逃がしません
大きな獲物を牙で、爪で狩るための心得
それは踏み込むこと
リーチと力の差を踏み越え、懐に潜り込んだ瞬間が好機です
遺跡内の壁や天井を【ジャンプ】や【スライディング】を駆使した立体的な動きで駆け回り、撹乱しながら全速力での【ダッシュ】
どんな足場でも私ならば駆けるのに問題はありません(【足場習熟】【悪路走破】)
大振りになる腕や足の動きを見極め、足場として【踏み付け】て一気に接近
その頭のキラキラしてるの狙った蹴りで貴方を狩る
●喉元へ伸びた牙
狩った獲物――ドン・フリーダムのCGが倒れて消えた後、日輪・黒玉(日輪の子・f03556)はあたりを見渡した。
今回狩る獲物はひとつではない……このあとオウガ・フォーミュラでもある猟書家『キング・ブレイン』が現れる筈だ。
事前の情報では『劣勢になればすぐ逃げる』という話で、逃亡は阻止出来ないらしい。
(逃げる獲物を捕らえることができないとは、誇り高き人狼としては屈辱ですが……例えどんな狩りでも手を抜かないのが誇り高き人狼です)
黒玉が獲物を待ち構えていると、さほど間を置かずに『キング・ブレイン』が特製の自転車『ブレインバイシクル1号』にまたがって出現した。
「うおっほん。ブレブレブレ! 次は吾輩が相手……」
出現と同時に言い始めた口上を無視して、黒玉は頭部を狙った蹴りを放つ――。
並の相手であればこれで仕留める事が出来ていただろう。
しかし、初手は薄皮一枚という僅かな差で避けられてしまった。
「……おっとぉ!」
黒玉もこの程度で狩れる相手だとは思っておらず、反撃されないよう敵の体を踏み台にして直ぐに距離を離した。
「戦闘前の口上を躊躇なく遮るのはルール違反では!?」
そう言いながら『キング・ブレイン』はすぐさま侵略蔵書を出して手首から海藻の様なものを生やすと黒玉を捉えるべく伸ばしていく。
その反撃は、早く、スムーズだった。
(先ほどのドン・フリーダムのCGとは違って、こちらは戦いに慣れていますね)
黒玉は床を蹴ると壁へと飛び、さらに壁や天井を蹴って移動していく。
それは、足場をものともしない立体的な機動だ。
黒玉は伸びてきた海藻を潜り抜けると、再び獲物へ飛び掛かった。
それを拳で迎え撃つ『キング・ブレイン』。その拳を、黒玉はさらに足場にする。
拳にぶつかるのではなく、柔らかく体重を乗せて……上方へ跳躍。
「吾輩をまた踏み台に!?」
黒玉は獲物の動きを見極めていた。
先ほどは一瞬で『キング・ブレイン』の上腕に長い針が生えており、もしあのまま上方から攻撃を行えば自ら針へ突っ込む形になっていただろう。
ここで業を煮やした『キング・ブレイン』が行動を開始する。
「ええい、埒があきませんな! であればこの侵略蔵書「スーパー怪人大全集」の更なる力をお見せしましょう!」
そう言うや、『キング・ブレイン』の身体は三倍もの大きな体格になった。
「ブレブレブレ! これがもうひとつの吾輩の姿、スーパーキング・ブレインであるぞ!」
今回現れた怪人の特徴は、肩の黒い羽。
黒い羽が無数に射出された。
その羽は縦横無尽に駆ける黒玉を狙い、外れた先で刺さった壁や床で次々と爆発して安全な空間を狭めていく。
「いつまで逃げられますかな!」
「どんな足場でも私ならば駆けるのに問題はありません。それに……」
黒玉は、逃がさないのはこちらの方だと付け加える。
「……逃げたくなるまで、絶対に黒玉が逃がしません」
(狙いは腕や足が大振りになるタイミングです)
巨大化した『キング・ブレイン』が再び拳を振るった。
それを壁から床へと飛び降りて避けた黒玉は、次の踏みつけをスライディングで潜り抜ける。
(大きな獲物を牙で、爪で狩るための心得……それは踏み込むこと)
『キング・ブレイン』の足元へ滑り込んだ黒玉は、地を蹴り飛び上がった。
「――私の速さに付いてこられますか?」
あまりに近ければ、却って視界に収まらず死角となる。
飛び上がった先で天井を足場にした黒玉は、眼下の『キング・ブレイン』へ鋭い蹴り――ユーベルコード『黒玉狼の一蹴<<ダンスマカブル>>』を打ち込んだ。
この一撃を受け、元のサイズに戻った『キング・ブレイン』の元に瞬時に『ブレインバイシクル1号』が現れる。
「ぐぬぬ……よもや巨大化を逆手にとられるとは!!」
『キング・ブレイン』は、割れた頭部からナゾの汁をどくどく流しながら悔しがると急いで自転車へ跨った。
……そこからの離脱は実に速く『キング・ブレイン』はあっという間に次元の壁を越えてしまった。
大成功
🔵🔵🔵
トリテレイア・ゼロナイン
オウガ・フォーミュラとしての役目は…と言いたい所ですが
ご婦人の願いを叶えるその姿勢は騎士として好ましい、と戦いの前に申しておきます
…ところで、甲冑を纏った騎士怪人は載っておりますか?
(素朴な疑問)
(要望通りに変身して…やはり、かの世界の“悪魔”の気風を感じます)
では…参ります!
巨大化した相手の体躯をマルチセンサーでの情報収集で計測
攻撃のリーチを瞬間思考力で見切り、脚部スラスターでの推力移動で回避
怪力で振るうUCの鉄球を甲冑に叩き付け
…防御を過信しましたね!
鉄球に仕込まれた軌道変更用のバーニア噴射
ドリルの様に回転させ甲冑を砕き爆破
電流鉤爪で拘束、怪力で大地に叩き付け…いない!?
何と言う引き際…
●騎士vs騎士型の遺跡ボス
猟書家『キング・ブレイン』は現れるなり、この古代バーチャル遺跡のボスキャラとして振舞い始める。
「うおっほん。ブレブレブレ! ドン・フリーダムのCGがやられたようですな……。しかし! 吾輩は同じようにはいきませんぞ!」
相対するのは、ドン・フリーダムのCGを退けたトリテレイア・ゼロナイン(「誰かの為」の機械騎士・f04141)。
「オウガ・フォーミュラとしての役目は……と言いたい所ですが、ご婦人の願いを叶えるその姿勢は騎士として好ましい、と戦いの前に申しておきます」
トリテレイアは、オウガ・フォーミュラという強大な敵がこうも気軽に現れることに少し呆れを見せつつも、今回は相手の行動に敬意を示した。
その丁寧で紳士然とした物腰に『キング・ブレイン』は思わず素で答えてしまう。
「あ、どうも。吾輩に得はありませんでしたが、損も特にないので、頼みを聞いても良いかなあと」
お人好しっぽい一面を覗かせる『キング・ブレイン』。
この雰囲気に、トリテレイアもつい気軽に疑問をぶつける。
「なるほど。……ところで、甲冑を纏った騎士怪人は載っておりますか?」
「甲冑……。少々お待ちを……お、これですかな」
ブレインは侵略蔵書『スーパー怪人大全集』の一冊を開いてトリテレイアに見せた。
そこへトリテレイアがこう要望を言ってみたならば。
「……騎士型同士の決戦。絵的に映えると思うのですがどうでしょうか」
「なるほど! 古代遺跡へ入り込んだ騎士を迎え撃つ、同型のボス……確かに、ボスキャラとしても良いシチュエーションですな」
感心した『キング・ブレイン』は素直に侵略蔵書の力を発揮し始めて、騎士型というひとつの特徴を生やした全身甲冑の騎士フル装備セットの姿で巨大化していく。
その様子に、トリテレイアはデビルキングワールドを連想するのだった。
(『要望』通りに変身して……やはり、かの世界の"悪魔"の気風を感じます)
遺跡の調査に訪れた騎士が内部で巨大な騎士型のボス守護者に遭遇した……といったボスイベントの様相で両者は相対する。
「うおっほん。よくここまで来たな侵入者よ! ここから先は通さぬ!」
役に入り込みながら大きな体躯で剣を振り上げるスーパーキング・ブレイン。
その動きに対し、トリテレイアは特徴的な大きな盾を構えた。
同時にトリテレイアの頭部に備わるセンサーが距離と速度、そして重心を計測する……。
そして計測で攻撃範囲を推測したトリテレイアは、脚部に格納されるメインスラスターを噴出させた。
正確な計測による紙一重の回避、そして急制動の後に――。
「では……参ります!」
剣の間合いの外から、ワイヤー鉄球が放たれた!
「ふごぉっ!?」
ゴォォン! と、響き渡る金属同士がぶつかり合う重い音。
スーパーキング・ブレインの甲冑にトリテレイアの鉄球が直撃していた。
「……防御を過信しましたね!」
最初の騎士型怪人の質問は他意のない素朴な疑問だったが、その後の要望から先はトリテレイアの策の内。
二度目の鉄球が撃ち込まれれば、今度は鉄球から軌道変更用のバーニアが噴出されて回転。
そのまま火花を散らして甲冑の表面を削ると爆発をした――ユーベルコード『拘束鉄爪内蔵式対装甲破砕鉄球<<ワイヤード・ジェット・モーニングスター>>』――その爆発は、『キング・ブレイン』の纏った甲冑を砕き、飛び出した鉤爪が甲冑を捕えてトリテレイアと繋ぐ。
「捕まえましたよ」
トリテレイアは電流を流しながらワイヤーを強く引くと、捕らえた甲冑をその怪力で宙へ浮かせて床へ叩きつけた。
そして甲冑の中身へ追撃を加えようと近づくと……。
「……いない!?」
……甲冑の背が開いており中身はすでに無かった。
「何と言う引き際……」
呆然とするトリテレイアの聴覚センサーが『キング・ブレイン』の声を察知する。
見れば何時の間にか『ブレインバイシクル1号』にまたがった『キング・ブレイン』が凄まじく早い速度で撤退していた。
「まだ頭がくらくらしますな……! 次は油断しませんぞ! 覚えていなさい!」
……遺跡内に捨て台詞が響き渡ると、その姿はあっという間に次元の壁を越えて消えてしまった。
大成功
🔵🔵🔵
ベアトリス・バスカヴィル
&&&
あ、ブレブレな人
真剣にバトルですか?
それはつまらないとBBは言います
もっと面白バトルを期待するのです
動画映えするようなスタジオとか、ビジュアルだけ派手で実際の効果のない素敵な必殺技とか、そういうのはないのかとBBは問います
自転車が変形したりはしないのです?
それとも何か芸…例えば皿回ししながら綱渡りするとか、それくらいできないのです?
BBは期待します(わくわく
できないのですか?できますよね?
と、煽るだけ煽りつつ【BBの小悪魔モード解放】で真の悪魔姿に変身して
何の面白みもないただの殴る蹴るでブレブレな人をボコボコにするのです
面白味ないです?
BBはいいのです
BBは存在が面白いので(しれっと
●その人造悪魔、自由につき
「うおっほん。ブレブレブレ! よく来たな猟兵! ここからは吾輩が相手――」
「あ、ブレブレな人、真剣にバトルですか?」
現れるや早速口上を述べ始めた猟書家『キング・ブレイン』。
しかしその台詞は、ベアトリス・バスカヴィル(デジタルデビルBB・f23871)によっていきなり遮られてしまった。
「登場の口上をは出来れば邪魔しないでいただきたいのですが!?」
「真剣にバトルですか?」
「吾輩の話を聞いていらっしゃいます?」
「真剣にバトルですね?」
「……もちろん!」
傍若無人に振舞うベアトリスにちょっぴり折れた『キング・ブレイン』。
彼はこの後もベアトリスの言動に振り回されることになる。
「真剣なバトル……それはつまらないとBBは言います」
ベアトリスは淡々と望みを語っていく。
「もっと面白バトルを期待するのです」
「具体的には……?」
「動画映えするようなスタジオとか、ビジュアルだけ派手で実際の効果のない素敵な必殺技とか、そういうのはないのかとBBは問います」
そんな無茶な要求をけっこう真剣に検討する『キング・ブレイン』。
「ムム……そういう趣旨で競うバトルであれば」
そして、垣間見えるお人好しな面に、ベアトリスは玩具を見つけたような視線を向けるのであった。
(このひとチョロいです。カモなのです)
そんなこんなで最終的に『びっくりさせた方が勝ち』みたいな方向でバトルの新ルールが決まっていった。
「ではまずは吾輩から……」
先行になったブレインは三倍の大きさになった後に腕に爪を生やしその上で皿を回す。
その一芸に関心を向けるベアトリスだが……しかし、物足りない様子。
「おおー。ところで自転車が変形したりはしないのです?」
と要求を重ねていく。
対するブレインは真剣にバトルをしようとルールに沿って芸をする努力を見せていた。
「ムム……ならば、続けてこのように!」
次は蜘蛛の糸を出して綱渡りを試みる……。
「おおー。ところでそれくらいしかできないのです? BBは期待します。もっとすごいの、できないのですか? できますよね?」
ベアトリスはペチペチ拍手して「おおー」と反応はするのだが、その上でなお物足りないと要求していくのだった。
「うおっほん! 猟兵、吾輩の番はもう十分ではないか? 次はそちらの番、そろそろ決着をつけましょう!」
「あ、そういえばそんなルールでしたね。では、次はBBの番とういことで」
そう言うと、ベアトリスは真の悪魔姿への変身を開始する。
ユーベルコード『BBの小悪魔モード解放<<スイートデビル・ビービーチャン>>』――その効果で、ベアトリスの能力を制限していた拘束が解けると拘束に使われていた魔力が全てベアトリス自身へと還元されていった。
山羊の角に蝙蝠の羽根が生えたうさ耳なしバニースーツの姿となったベアトリスは、最後にキュピーンという効果音とともにポーズを決める。
「BBのこれが、本当の力だと言いましょう」
「ではどのような面白芸を見せるか、お手並み拝見とさせてもらおうか猟兵!」
対戦者である『キング・ブレイン』は腕組みをして観戦&採点モードである。
そんなブレインの元へ、ベアトリスはすたすた近寄っていき……。
「えい」
「痛ったあ!?」
――そのまま殴った。
「えいえい」
「なっ、何故そのまま吾輩を攻撃するので!? さっきまでのルールは!?」
防御姿勢で耐えながらこの理不尽な状況を問う『キング・ブレイン』……その問いに、ベアトリスは真顔でこう答えるのだった。
「面白味ないです? BBはいいのです。BBは存在が面白いので」
「えーーーーーっ!?」
シチュエーションとか悪辣さとか、いろいろな要素が不利だと悟ると『キング・ブレイン』は撤退を開始する。
「決まったルールを躊躇なく破るとはなんという悪事っ! ……うおっほん! 今日はこのくらいにしといてやろう! ちっくしょー覚えていなさい!」
『キング・ブレイン』は『ブレインバイシクル1号』に跨ると、悔しそうに次元の壁を越えて撤退していった。
成功
🔵🔵🔴
ロベリア・エリヌス
&&&
「バトル」でさえあれば大丈夫なのね
じゃあ私もパク…もとい、参考にさせて貰おうかしら?
さっきは不完全燃焼だったし、貴方には少し付き合って貰うわよ
というわけで「速読バトル」を挑むわ
本をいかに早く正確に読み取るかの優劣を競う勝負よ
一度でも読んだ本が入っていると公平じゃないのよ
だから私は貴方の背負ってる本棚の本を読もうかしら?
貴方には特別に私の『記録』を見せてあげるわ
あ、見せるのは貴方がハジメテよ?
因みに原則分単位、ものによっては秒単位の記録だから結構な量よ
まあ、私は【クロックアップ・スピード】を使うけどね
キングブレインの蔵書が読めるなら勝敗はどうでも良いけれど…
双方に得があるからいいでしょう?
●キング・ブレインは断れない
「あなた、さっき……『どのようなバトルだろうとウェルカム』って言ったわね?」
「いかにも」
「『バトル』でさえあれば大丈夫なのね」
「装置を起動するパワーは、それで良いと聞いていますな」
猟書家『キング・ブレイン』とロベリア・エリヌス(recorder・f23533)の二人は先ほどからこのようなやりとりを繰り広げていた。
ロベリアが念押しで確認する理由、それは――。
「なら、『速読バトル』を挑むわ。ちょうど貴方の背中の本棚に沢山あるから……私はそれを読もうかしら」
――その理由は、『キング・ブレイン』の所持する本を読んでみたいから。
(最も、キングブレインの蔵書が読めるなら勝敗はどうでも良いけれど……)
あらゆる世界のあらゆる事象を『記録』する……それを至上命題とする彼女にとって、これはチャンスであった。
その内容をブレインは思わず聞き返した。
「今、何と?」
「本をいかに早く正確に読み取るかの優劣を競う勝負よ」
何か問題が? といった態度でロベリアはルールを説明していく。
「ただ、一度読んだ本が入っていると読む速度が不公平だから……公平を期す為に、お互い初めて読むものを読みましょう? 私はさっき言ったように貴方の本を読むから、貴方には特別に私の『記録』を見せてあげるわ」
何処から取り出したのか、次々と積み上げられていく本。
「あ、見せるのは貴方がハジメテよ? 因みに原則分単位、ものによっては秒単位の記録だから結構な量よ。そうね……公平性のために冊数は合わせてあげる。これで貴方はバトルができて開放プログラムの起動エネルギーを得る。私は貴方の本棚の蔵書が読める。双方に得があるからいいでしょう?」
この説明の最中、ロベリアの視線はずっとブレインの背の本棚にくぎ付けだった。
(さっきの遺跡探索は結局何もわからなくて、不完全燃焼だったのよね)
「それじゃあ始めましょう」
ロベリアはそう言いながら本棚へ手を伸ばしかけるが……その手は質問で遮られる。
「その前に。吾輩からも二つほよろしいですかな? この勝負、妨害はありでしょうか」
「本を読ませてくれるなら何でもいいわ」
手をワキワキさせて珍しく落ち着かないロベリア。
表情こそ殆ど変わらないが、とにかく読ませろというオーラがにじみ出ている。
「それともうひとつ。吾輩の背の本は侵略蔵書『スーパー怪人大全集(全687巻)』……非常に大切なものですので、代わりに別の本にして頂きたいのですが」
「……!?」
今度はロベリアが想定外の事に固まる番だった。
こうしていろいろと調整が入りつつ、速読バトルが始まった。
ロベリアが読むのは『キング・ブレイン』が別途用意した、『怪人大全集』が一冊……普通の怪人図鑑の様だ。
一応は『キング・ブレイン』の蔵書らしく、読んだことのない本を読めるのでそれはそれで良しではあるのだが……。
「……まあ、私は『クロックアップ・スピード』を使うけどね」
いきなり発動した大人げない全力は合理的な判断か、それとも不完全燃焼の不満のはけ口か。
ロベリアはパチンと指を鳴らすと、ユーベルコードを発動させてスピードと反応速度を爆発的に増大させるのだった。
「うおっほん! 素直に読ませると思うなよ猟兵!」
だがそうはさせまいと開始前に結ばれた妨害アリのルールに則って『キング・ブレイン』が背の本棚をバーン! と叩きつけて、高速で移動するロベリアを狙い出す。
もちろん、ちゃんと読書で勝敗を決することも忘れていない。
「ブレブレブレ! 汝を倒した後でゆっくり本を読んで勝たせてもらおう!」
「――読み終えたわ」
しかしこの勝負は『キング・ブレイン』にも誤算があった。
それは、図鑑とはいえ爆発的に速度を上げたロベリアが一冊の本を読み終えるのに、数分とかからないということだ。
「く……っ! 負けは負け、仕方ありませんな。次こそ吾輩が勝つ! 覚えていなさい!」
そう言うと、『キング・ブレイン』は『ブレインバイシクル1号』に跨り、次元の壁を越えて撤退していった。
その姿を見送りながら、ロベリアは呟く。
「……いずれ訪れる決戦の時は、あの自転車を『記録』……いえ、なんとかした方が良さそうね……」
成功
🔵🔵🔴