しゃくしゃくふわふわ、かき氷超魔軍!
京の都を見下ろす双眸は、赤混ざる金のいろ。
バサリと音を鳴らし揺れる、優美なる天使の翼。
そして美しい容姿に微笑み宿すその男――大天使ロロサエルは、穏やかな声色で紡ぐ。
『これまで、幾度となく超魔軍を差し向けましたが。これほどまで、思うように上洛させて貰えないとは。猟兵という存在に、ますます強い興味を覚えます』
けれども小さく首を傾け、ロロサエルはこう続ける。
『ですが、江戸幕府の転覆を実現するために、ここで手をこまねいているわけにもいきません。現れる猟兵達が抗えぬほどの手を、此方も打たなければと』
そしてロロサエルは、満を持して紡ぐ。
――発動せよ、「超・魔軍転生」!
魔軍将「安倍晴明」を配下に憑装させるという、クルセイダーの秘術を施すために。
そんな、ロロサエルが今回、晴明を憑装させたのは。
『これはこれは、今回は愛らしい姿ですな』
大天使の作戦にお誂え向きな、寂しがり屋の雪ん子たちの集団。
オブリビオンの雪ん子たちに憑依した安倍晴明はそう愉快気に笑って。
ロロサエルも大天使の微笑みを宿したまま、晴明へとこくりと頷く。
『人が決して抗えぬもの……それは『キーン』だと聞きました。かき氷というものが繰り出すその攻撃は、強者をも苦しめる、と。私はその『キーン』に強い興味を覚えました』
『成程、確かに冷たいものを食した際に襲いくる『キーン』は、実に抗い難いものでありましょう』
『思わず『キーン』となるほどに、冷たく美味なかき氷とやらを振舞えば……猟兵も、これまでのように我らの進軍を阻めないでしょうし。陰陽師達の結界も、弱まるに違いありません』
それからロロサエルは金の瞳を細め、雪ん子晴明たちにこう告げるのだった。
『猟兵や陰陽師達が夢中で口にしたくなるほど、素晴らしいかき氷とやらを作ってください。それを振舞い、猟兵や陰陽師が『キーン』となっている隙に、上洛を果たしましょう』
『斯様な氷菓もまた一興かもしれませぬな。はてさて、どのような美味なものにいたしましょうか』
そう雪ん子晴明が取り出したのは、くるくるハンドルを回すと目がきょろきょろ動く、ちょっぴりレトロな動物さんかき氷機。
さらに、シロップ各種や果物などのトッピングをずらり並べて。
雪ん子の冷気をもって水を凍らせ、早速、かき氷機に入れてハンドルを回してみる。
そんな目がきょろきょろ動く動物さんかき氷機を、じいっと眺めながら。
『かき氷……大変、強い興味を覚えますね』
大天使殿もおひとつ、と差し出された、イチゴ味の蜜をかけたかき氷を受け取って。
ロロサエルは、とても興味深そうに一口、優雅に口にしてみるのだった。
●大天使と魔軍将がかき氷を振舞ってくれるそうです
「皆にも対処に向かって貰っている、猟書家の侵略であるが。今回、サムライエンパイアに在る猟書家のひとり・大天使ロロサエルの新たな行動を予知することができた」
己が追跡すべき存在の動向を掴んだ筧・清史郎(ヤドリガミの剣豪・f00502)は、集まってくれた猟兵達に礼を言った後、視た予知の内容を語り始める。
「再び動きをみせた猟書家は、大天使ロロサエル。七大天使の一柱であり、クルセイダーの目論む「江戸幕府の転覆」を実現するべく行動を続けている」
他に、七大天使を探すという目的も彼にはあるようではあるが。
今のロロサエルの興味は、あまりそちらには今のところ向いていないらしい。
かわりに積極的に乗り出したのが、クルセイダーの目論む「江戸幕府の転覆」――その実現の為に発動させたのが、クルセイダーの秘術「超・魔軍転生」なのだという。
「大天使ロロサエルは、魔軍将「安倍晴明」を憑装したオブリビオンの大軍勢を率い、エンパイアの中枢都市のひとつである「京」の都に押し寄せんとしている」
しかし京には、古代より密かに「対オブリビオン戦闘」を想定してきた「陰陽師」達が数百年掛けて張り巡らせた結界がある。
とはいえ、それはいつまでも持つものではない。
「なので陰陽師達と協力し、迫るオブリビオンの軍勢を倒して、大天使ロロサエルの目論見を打破して欲しい」
戦力としては不足であるが、陰陽師達の協力を得られれば。
彼らの成す結界で敵の動きを鈍らせることができるというのだ。
そして今回、ロロサエルが魔軍将「安倍晴明」を憑装させたオブリビオンの群れは。
「触れるだけでものを凍らせてしまう冷気を持つという、雪ん子の群れだ」
大天使ロロサエルが発動させた「超・魔軍転生」によって、オブリビオンの雪ん子の群れの魔力が、大きくパワーアップされてしまったのだという。
「ロロサエルは、その雪ん子の強力な冷気を使用し、自分達の上洛を阻止しようとする猟兵や陰陽師達に、美味しいかき氷を振舞うことを目論んでいる」
……美味しいかき氷??
真剣な表情で告げた清史郎の言葉に、思わず首を傾ける猟兵達。
そんな皆に、清史郎はこくりと頷き返し、続ける。
「ああ、美味なかき氷だ。思わず一気に頬張ってしまいたくなるほど美味なかき氷を振舞い、いわゆる『キーン』という頭痛を猟兵や陰陽師達へと引き起こすことが、敵の狙いのようだ」
確かに、いくら屈強な強者でも『キーン』となってしまえば、思わず頭を抱えてしまうし。陰陽師達が『キーン』となってしまえば、彼らが張り巡らせている結界も弱まってしまうかもしれない。
「なので、『キーン』とならないように注意しながら、その振る舞いを受けて。逆に油断した晴明憑依の超魔軍を一気に倒し、その後姿を現す大天使ロロサエルを退けて欲しい」
かき氷はかき氷でも、やはり『キーン』を発生させるくらいに一気にかきこみたくなるような、美味なものでなければ意味がないことは、敵も周知済み。
イチゴやメロンなどのかき氷定番の、果実の味をした美味な蜜は勿論。少し変わった味のものもあるかもしれないし。トッピングも、新鮮な果物や甘い練乳、もちもち白玉に餡子、抹茶……等々、とてもバリエーションに富んだものが用意されているというので。
まずは寂しがりやな雪ん子晴明たちを油断させるべく、かき氷を食べて欲しい。
「ちなみに俺は、甘いイチゴミルクのかき氷が好きだ」
清史郎はそう微笑みを宿しながらも、敵の上洛を防ぐべく手を貸して欲しい、と。
掌に満開桜のグリモアを咲かせ、かき氷が食べたくなるほど夏の暑さが厳しい京の都の傍へと、皆を導く。
志稲愛海
志稲愛海です。
よろしくお願いいたします!
こちらは、2章で完結する猟書家幹部シナリオです。
※ご連絡※ 今回のシナリオは、短期間募集での運営となります。
第1章の受付は【8/13(金)朝8:31~8/14(土)23:59迄】、
第2章の受付は【8/18(水)朝8:31~8/19(木)23:59迄】の予定です。
第1章の追加冒頭はありません。
●プレイングボーナス(全章共通)
陰陽師と協力する。
●シナリオ概要等
第1章:オブリビオンの雪ん子(集団戦)
第2章:大天使ロロサエル(ボス戦)
第1章は、晴明を憑装した、オブリビオンの雪ん子との集団戦です。
強化された冷気纏い、大雪ではない夏でも活動できるようになっています。
そんな雪ん子晴明の群れが、『キーン』を狙って美味なかき氷を作るので。
その振る舞いを受けて油断させ、敵の群れを倒して頂ければです!
美味しくいただくほど、敵は油断するかと思いますので。
存分に、振舞われたかき氷を食べまくり味わう行動メインで構いません。
シロップやトッピングはエンパイアにありそうなものは勿論ありますし。
エンパイアにこの味あるの!? というものもあるかもしれません。
魔軍将や大天使が用意するものですから!(ご自由にご指定ください!)
お好みの味のものを持ち込んでもOK、おかわりも勿論どうぞ!
いわゆる『キーン』は、なってもならなくてもOKです。
雪ん子晴明たちはかき氷を作ることに力を注いでいるので。
存分にかき氷を美味しく食べて、相手を油断させれば、
戦闘は、UC選択頂くか、倒しますの一言で、さくさくっと倒せます。
第2章は、猟書家・大天使ロロサエルとの戦闘です。
彼は整った容姿を駆使し人を言いくるめる物腰柔らか胡散臭い大天使です。
色々な物事に興味を覚える性質です。猟書家の彼は憑装はしていません。
●お願い
同行者がいる場合は【相手の名前(呼称推奨)と、fからはじまるID】又は【グループ名】のご記入をお忘れなくお願いします。
グループ参加の人数制限はありません、お一人様~何人ででもどうぞ!
ですが、ご指定の同行者が参加していない場合は返金となる可能性もあります。
可能な限り皆様書かせて頂きたく思っています。
どうぞお気軽にご参加ください!
第1章 集団戦
『オブリビオンの雪ん子』
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POW : あそぼ
【大雪が降る中、当たると凍てつく雪玉】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD : いかないで いっしょにいて
自身に【触れたもの全てを凍らせる冷気】をまとい、高速移動と【吹雪の竜巻】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ : おともだちづくり(雪)
自身の創造物に生命を与える。身長・繁殖力・硬度・寿命・筋力・知性のどれか一種を「人間以上」にできる。
👑11
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月舘・夜彦
【華禱】
きーん?あぁ、急いで口に含んだ時に起こるものですね
私もゆっくり食べるので、あまり経験はないです
陰陽師達に助言
口の中は温かいので氷との温度差もあるようです
なりそうな時は温かいお茶も用意すると良いのではないでしょうか
ということで、私達も頂きましょう
何味にしましょう?桃も今の時期らしいですね
私は抹茶を、それから餡子と白玉を乗せて貰います
黒蜜ですか?なるほど、黒蜜に抹茶や餡子も合いますからね
途中でかけてみましょう
抹茶の苦味と餡子の甘味、飽きずに食べ進められそうです
倫太郎の桃のかき氷も頂いて……うん、香りに見合った甘さです
では私からも餡子の他に白玉も乗せて
はい、あーん
さて……では、やりましょうか
篝・倫太郎
【華禱】
キーン体験……夜彦はある?
俺?俺はあんまない!
そんな話をしつつ
まずは陰陽師の皆さんにキーン回避法伝授
ゆっくりと味わって食べる事
以上!
一緒にかき氷喰って
くそ暑い京都の夏を乗り切ろうぜ
尤も、ふわふわのはキーンってなり難いけどさ
夜彦は何かける?
俺?俺はねー、桃!
ついでだから生の桃も乗せて貰お!
あんたのにはこれも別添えして貰お?(黒蜜示し)
途中で味変も出来るしさ!
ちゃんと温かいお茶も用意して……いざ!
ん~~
香りがいいなぁ、やっぱり
甘さもいい感じで美味い!
夜彦、夜彦
ほら、あーん
な!美味いだろ?
夜彦からのお裾分けも美味いなぁ
つーか、晴明は黙ってて!毎度毎度!
カキ氷も堪能したし、倒そう!そうしよう!
季節は、夏真っ盛り。
ただでさえうだるような暑さが続くこの時期であるのだけれど。
此処は、盆地であるが故に、夏の暑さが尚厳しい京の地。
幾重にも折り重なる装束に身を包んで、懸命に結界を維持する陰陽師達も暑さに参ってしまうかもしれない。
そんな中……大天使と魔軍将が企てた、恐るべき作戦。
聞いた予知の内容を思い返しながら、篝・倫太郎(災禍狩り・f07291)は月舘・夜彦(宵待ノ簪・f01521)へとふと訊ねてみる。
「キーン体験……夜彦はある?」
キーン体験、それこそ敵が目論む策なのだと言うから……!
けれど。
「きーん? あぁ、急いで口に含んだ時に起こるものですね。倫太郎はありますか?」
「俺? 俺はあんまない!」
「私もゆっくり食べるので、あまり経験はないです」
そう話すふたりには、あまり効果がなさそうな気がするものの。
夏の猛暑の中、結界を成す陰陽師達は、冷たくて美味しいかき氷を振舞われたら一気にかきこんでしまう可能性は十分に有り得るから。
『ふふ、冷たくて美味しいかき氷を作って差し上げましょうぞ』
張り切って雪ん子晴明がかき氷を張り切って作っている間に、対策を講じておくことに。
ということで、倫太郎がまず行なうのは、陰陽師の皆さんにキーン回避法を伝授!
――ゆっくりと味わって食べる事。
「以上!」
5秒で伝授完了です!
「口の中は温かいので氷との温度差もあるようです。なりそうな時は温かいお茶も用意すると良いのではないでしょうか」
夜彦も真面目に、陰陽師達へと助言を。
「成程、暑いのでつい頬張りたくなりますが……それが敵の狙いなのですね」
陰陽師達は、雪ん子晴明の作るかき氷にわくそわしながらも、ふたりの言葉に大きく頷いて。
つい少しくらい気持ちが逸っても、きっとそう心掛けるだけでも大きく違うだろうから。
倫太郎は陰陽師達へと声を掛けて笑む。
「一緒にかき氷喰って、くそ暑い京都の夏を乗り切ろうぜ」
『ふふ、ふわふわに出来ましたぞ。どのようなお味を所望されるのでございましょう?』
刹那、きょろきょろ目玉が動くかき氷機で器に盛ったみぞれ状態のかき氷が並べられて。
「私達も頂きましょう。何味にしましょう?」
「夜彦は何かける? 俺? 俺はねー、桃!」
「桃も今の時期らしいですね。私は抹茶を」
夜彦と倫太郎はぞれぞれ、桃と抹茶を選ぶけれど。
勿論、振舞って貰えるというならば、それだけでは終わりません。
「ついでだから生の桃も乗せて貰お!」
「それから餡子と白玉を乗せてください」
そうトッピングも増し増し!
さらに、倫太郎が見つけて指したのは。
「あんたのにはこれも別添えして貰お?」
「黒蜜ですか? なるほど、黒蜜に抹茶や餡子も合いますからね」
「途中で味変も出来るしさ!」
夜彦の抹茶白玉金時のかき氷も確実に合うだろう黒蜜。
倫太郎のそんな美味な提案に、途中でかけてみましょう、と夜彦もこくり。
ちゃんと温かいお茶も用意して……いざ!
ふたり揃って手を合わせて、いただきます!
スプーンで掬って、はむりと口に運べば。
「ん~~香りがいいなぁ、やっぱり。甘さもいい感じで美味い!」
「抹茶の苦味と餡子の甘味、飽きずに食べ進められそうです」
柔らかで香り高く、旨味溢れる桃の甘さは、頬が落ちそうなほど美味しくて。
思わず破顔する倫太郎に、夜彦も翡翠の瞳細める。
濃厚な抹茶と優しく上品な甘さの餡子、もちっとした白玉が絶妙で。
それから倫太郎はもうひと匙、一等美味しそうな部分を掬って。
「夜彦、夜彦。ほら、あーん」
彼の口元へと差し出してみれば。
ぱくりと、あーんした桃のかき氷を口にした夜彦を、にこにこと見つめる。
……な! 美味いだろ? って。
「……うん、香りに見合った甘さです」
夜彦ももぐもぐ、貰ったひとくちを存分に味わってから。
「では私からも」
餡子の他に白玉も乗せて――はい、あーん。
仲良く、あーんのし合いこをすれば。
「夜彦からのお裾分けも美味いなぁ」
自分のものとは違った美味しさに、嬉しい笑みが満開に綻ぶ。
勿論、いくら美味しいからって、かきこむように急いで食べたりはしないし。
『おや、そう勿体ぶらずに。もっと豪快に食してみてはいかがでございましょう?』
そう誘惑してくる雪ん子晴明に、倫太郎はちらりと目を向けてこう口にする。
「尤も、ふわふわのはキーンってなり難いけどさ」
『……! なんです、と?』
しゃくしゃくとふわふわかき氷を焦らず食べ進めつつ言った彼の言葉に、雪ん子晴明は瞳を見開く。
色々と浮世離れした魔軍将や大天使は、どうやら知らなかったみたいです。
そんな、早速作戦が破綻している気もしない超魔軍へと。
『おかわりは如何でございましょう? 素早く次々と口へと運んだ方がよろしいかと。何せ斯様な暑さ、溶けてしまいますゆえに』
「つーか、晴明は黙ってて! 毎度毎度!」
倫太郎はびしっと言い放ちながらも、最後のひとくちを焦らずはむりと食べてから。
黒蜜をかけて味変しつつも綺麗にかき氷を食べ終わった夜彦と、ちゃんとご馳走様をした後。
「さて……では、やりましょうか」
「カキ氷も堪能したし、倒そう! そうしよう!」
かき氷を振舞ってくれた雪ん子晴明へと、倫太郎が縛めをくれてやれば。
キーンという抗い難い現象を利用し、上洛を果たさんと目論む輩たちへと。
夜彦が容赦なく放つは、素早き抜刀から繰り出される神風の如き斬撃。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ディアナ・ロドクルーン
【天狼月】
なんというか…平和ね!
夏と言ったらカキ氷。ねえ初音ちゃんは何味が好き?
何でもあるみたい
雪ん子清明が作り出した氷で作ったかき氷だから普通のとはひと味もふた味も舌触りが違うと思うの!(無駄に圧を掛ける)
陰陽師さん達に振舞おうとするカキ氷を片っ端から貰っちゃいましょ
私、白玉を乗っけたい
それにマンゴーシロップとマンゴーの果肉も乗っけて…っと。
絶対美味しい奴よねこれ
初音ちゃん、ミコトさん、私と並んで座り
ん~~、美味しい。ふふ、初音ちゃんも良いお顔をして
はい、ミコトさんも一口どうぞ、あーんして?(頭キーンとさせちゃえ的な
私にも?じゃあ、遠慮なく頂くわ
皆で楽しく美味しくご馳走様
きちんと敵も倒すから
ミコト・イザナギ
【天狼月】
・呼び方
ディアナさん
初音さん
この暑い夏には効果覿面な絡め手
雪ん子清明、恐ろしい子…っ
このかき氷攻めからは逃げられない
ちゃんとしたかき氷を見るも初めての様子の初音に初々しさ
無駄に圧力をかけてゴージャスなかき氷を手にする無邪気なディアナ
二人を様子を微笑ましさに心癒された所で本命参上!
宇治金時!
白玉ましまし
餡子多め
練乳たっぷり
頂上に大玉アイスクリームのトッピングの
激盛りかき氷をひとつ頂きましょうか!(ででん!)
贅沢とはこのことを言うのです(ででーん!)
うん、二人のかき氷も気になっていたんです
分け合いっ子して食べましょうね
ほら、召し上がれ
あーんで反撃!
ごちそうさまです
では最後に斃しましょうか
羽月・初音
【天狼月】
沢山の氷があるわ
触らずとも伝わる冷気に心が弾む
私はブルーハワイが好きよ
味は勿論、あの綺麗な色が好きなの
かき氷ができる様子を眺め
ふわり、ふさり
かき氷が羽のように舞い、思わず感嘆の声を上げる
あら、ふたりのかき氷は豪華ね
……食べきれるのかしら
悩んだ末、選んだのは普通のかき氷
特別なトッピング等なくても
この氷だけで心を魅了されてしまう
ええ、美味しいわ
幾らでも食べれられそう
……ミコトさん?
ふふ、しょうがないわね
口許にかき氷を持っていく、何度も何度も
3人でこの美味しさを共有したくて
反撃されたら控えめに口を開いてぱくり
楽しい時間はあっという間に終わりを告げる
……倒すのは任せてもいいかしら
夏の暑さも本格的なこの時期。
しかも場所は盆地という土地柄、暑さが厳しいといわれているこの京の地において。
上洛を目論む大天使や魔軍将が取った策、それは――。
「雪ん子清明、恐ろしい子……っ」
ミコト・イザナギ(語り音の天狗・f23042)が思わずそう口にしてしまうほどの、この暑い夏には効果覿面な絡め手。
――このかき氷攻めからは逃げられない。
そう……それは、冷たくて美味しいかき氷の罠!
その美味しさに夢中になってかきこんでしまえば、見悶えしてしまうほどの『キーン』が襲いくる。
今回の敵の狙いは、結界を張る陰陽師や立ちはだかる猟兵を『キーン』としてしまおうとしているのだという……!
『ということで、極上のかき氷を作りましょう』
上洛を果たすべく、せっせと氷を作っては、目がきょろきょろ動くかき氷機で氷を削っていく雪ん子に憑装した晴明。
そんな一生懸命な姿と、やはり装束は暑いのか、そわりとしている感じの陰陽師達を見回して。
「なんというか……平和ね!」
――夏と言ったらカキ氷。
ディアナ・ロドクルーン(天満月の訃言師・f01023)がそう、こくりと頷けば。
「沢山の氷があるわ」
ひやりと、触らずとも伝わる冷気に心弾ませるのは、羽月・初音(愛し恋し・f33283)。
今回振舞われるというかき氷は、ただのかき氷ではない。
つい『キーン』となるほどかきこみたくなる、絶品かき氷なのだという。
そしてふとディアナは、わくそわした様子の初音へと訊いてみる。
「ねえ初音ちゃんは何味が好き? 何でもあるみたい」
「私はブルーハワイが好きよ。味は勿論、あの綺麗な色が好きなの」
口に広がる甘い味わいも良いが、キラキラかき氷を見つめる瞳の様な青の色。
夏の太陽に煌めく氷の上にかけられれば、とても涼し気で綺麗だ。
初音は向けられた問いに答えつつも、じぃっとかき氷ができるさまを眺めて。
「……わぁ」
――ふわり、ふさり、しゃくしゃく。
器へと折り重なっていくふわふわな氷は、まるで舞う羽のよう。
そんな思わず感嘆の声を上げる初音と一緒に、かき氷の完成を待ちながらも。
「雪ん子清明が作り出した氷で作ったかき氷だから、普通のとはひと味もふた味も舌触りが違うと思うの!」
そうハードルを上げ、無駄に圧を掛けるディアナ。
そして雪ん子晴明が、出来たかき氷をまずは結界を張る陰陽師達へと渡さんとするけれど。
『ささ、おかわりもありますゆえ。一気にかきこんで食していただければ、涼もとれましょう』
「そう言うなら、遠慮なく貰っちゃいましょ」
陰陽師達が『キーン』となって結界が弱まらないように、すかさずカキ氷をいただきます!
そんな、ちゃんとしたかき氷を見るも初めての様子の、キラキラ瞳輝かせる初音に初々しさに。
無駄に圧力をかけては、ゴージャスなかき氷を手にするディアナの無邪気さ。
ミコトはふたりの様子を微笑ましく見つめ、そして心癒されれば。
――本命参上!
満を持して、雪ん子晴明へといざ、相対する!
「宇治金時!」
やはりここは京の地。颯爽と選ぶのは、間違いない一品。
いや、それだけではない。
「白玉ましまし、餡子多め、練乳たっぷり。頂上に大玉アイスクリームのトッピングの激盛りかき氷をひとつ頂きましょうか!」
――ででん!
そんな効果音が聞こえる気がするほどの、盛り盛り増し増しなトッピングを注文して。
「贅沢とはこのことを言うのです」
――ででーん!
めちゃめちゃ豪華なかき氷に、どやぁ!
そしてミコトに続いて。
「私、白玉を乗っけたい。それにマンゴーシロップとマンゴーの果肉も乗っけて……っと」
……絶対美味しい奴よねこれ、と。
ディアナも、もちもち白玉入りの濃厚でフルーティーなマンゴー尽くしのかき氷にして。
「あら、ふたりのかき氷は豪華ね」
初音はふたりの豪勢なかき氷を見つめ、首をこてり。
……食べきれるのかしら、って。
だから悩んだけれど、美味しく食べられる分だけにと。
選んだのは、普通のかき氷。
けれど、特別なトッピング等はなくても。
(「この氷だけで心を魅了されてしまう」)
ミコトの隣にちょこりと座り、口にする瞬間がとても待ち遠しい。
そんな初音とミコトを挟んで座ったディアナは、早速いただきまーす!
「ん~~、美味しい。ふふ、初音ちゃんも良いお顔をして」
「ええ、美味しいわ。幾らでも食べれられそう」
しゃくしゃく、ふわふわ。
掬ったひと匙はやっぱり、冷たくて美味しくて。
ふたりと共にかき氷を口にしながらも、ミコトはふとこんな提案を。
「うん、二人のかき氷も気になっていたんです。分け合いっ子して食べましょうね」
「……ミコトさん? ふふ、しょうがないわね」
初音は彼の口許へと再び掬い上げたかき氷を持っていく。何度も何度も。
だって、3人でこの美味しさを共有したくて。
「はい、ミコトさんも一口どうぞ、あーんして?」
そしてディアナも、ミコトへとあーん。
頭キーンとさせちゃえ的な、そんなちょっと大胆に盛ったひと匙を。
けれど、すかさずミコトも、ふたりへとお返しのあーんで反撃!
「ほら、召し上がれ」
「私にも? じゃあ、遠慮なく頂くわ」
勿論、喜んでその反撃をあーんと受けたディアナは、ミコトの宇治金時ももぐもぐ味わって。
初音も控えめに口を開いて、ぱくり。
3人で食べさせ合いっこをして、存分にかき氷を堪能すれば……あれだけ盛り盛りだったかき氷も、綺麗になくなって。
皆で楽しく美味しく――ご馳走様でした!
そんな3人に、すかさず仕掛けてくる雪ん子晴明だけれど。
『ふふ、良い食べっぷりでございますな。では、おかわりなど……』
楽しい時間は、あっという間。この場所にきた目的も、忘れてはいません。
「……倒すのは任せてもいいかしら」
「では最後に斃しましょうか」
「ええ、きちんと倒すわ」
初音の言葉に、ミコトとディアナはこくりと頷いて。
『今度はイチゴミルクなど……ぎゃあ!?』
江戸幕府転覆のための上洛をかき氷で狙う、雪ん子晴明はきっちり倒します!
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ヴィオレッタ・エーデルシュタイン
きーん、ね。
さてさてここで問題よ。
ヤドリガミはきーんとするのかしら。
それからかき氷はほとんど水分だから、体重はダメージないわよね…???
ところで練乳ないかしらー(台無しです)
ということで練乳かき氷頂くわ。
もしかしてこれはどこぞの世界のお山かき氷なのかしら。
ええ、頑張るわね。ちょっと方向違う気もするけど。
うん、おいしい。
しっかり頂くわ。
ここのところ食べるの自重したから、このぐらいいいじゃない?(自己暗示完了)
キーンとするかどうかは神さまのみぞ知るのかも???
しっかり食べ終わったらご馳走様。
雪ん子たちには悪いけどユーベルコード【ブルーインフェルノ】で苦しまないようにさようならするわ。
クルセイダーの野望のもと、江戸幕府転覆を目論んで。
上洛を目論む、大天使ロロサエル。
そしてそれを成すべく、配下のオブリオンの群れに魔軍将・安倍晴明を憑装させたというが。
彼らが今回、猟兵や結界を張る陰陽師達へと仕掛けた恐るべき罠……それは。
「きーん、ね」
ヴィオレッタ・エーデルシュタイン(幸福証明・f03706)が口にした通り『キーン』である。
けれど、ヴィオレッタは色の違う藍と紫の瞳をふっと細めて続ける。
――さてさてここで問題よ、って。
「ヤドリガミはきーんとするのかしら」
元々はモノであるヤドリガミは、人の身を得ているとはいえ……果たして、キーンとするのだろうか。
いや、けれどヴィオレッタが一番何気に気になっているのは、キーンではない。
「それからかき氷はほとんど水分だから、体重はダメージないわよね
……???」
天敵は、体重計!
とはいえ、折角美味しいかき氷を振舞ってくれるというのならば。
「ところで練乳ないかしらー」
うん、ほとんど水分のはずが、台無しです!
『練乳も勿論、ありますぞ』
ということで、雪ん子晴明から受け取るのは、練乳かき氷。
(「もしかしてこれはどこぞの世界のお山かき氷なのかしら」)
そんなことをふと思いながらも。
「ええ、頑張るわね」
ちょっと方向違う気もするけど……頑張ります!?
それから、ふわふわのかき氷を口へと運べば。
「うん、おいしい」
やはり練乳は正義です。
そして、しっかり美味しく頂きながらも。
「ここのところ食べるの自重したから、このぐらいいいじゃない?」
自己暗示完了させるヴィオレッタであったが。
「……!?」
美味しくいただきすぎて、もしかしてキーンがきちゃいました??
けれど余すことなく全ていただいて、しっかりご馳走様をし終えれば。
(「雪ん子たちには悪いけど」)
『おかわりもまだまだございます……、ッ!?』
――全てを焼き尽くす星界の炎よ。
キーンを使って上洛を企てる雪ん子晴明たちへと、ヴィオレッタは蒼炎の電離プラズマをお見舞いして。
苦しまないように、さようならを。
大成功
🔵🔵🔵
丑三・勘太郎
かき氷を食べてる間を狙って上洛を目指す作戦か……
真面目にやってんだか、よく分からねぇこと考えるもんだな。
かき氷を振る舞ってくれるってことだし、せっかくだしノってやるぜ!
シロップはせっかくだし、UDCアースで1回食べた『ぶるぅはわい』とやらで頂こう。
かき氷は振る舞われた時点でさっそく食べ始める。
問題の『キーン』に関しては、《気合い》で我慢するが、
頭を抑えて『キーン』ってなってるように装うようにする。
食べ終わり頃から肩をさりげなく回し、【羅刹旋風】を使用する。
食べ終わって器を返したタイミングで、正拳突きをぶちかます!
「かき氷ご馳走さん! 振る舞ってくれたところ悪いが、倒させてもらうぜ!!」
江戸幕府の転覆を目論み、京の都へと上洛せんとしていると予知された、大天使率いるオブリビオンの群れ。
サムライエンパイア出身としては、放っておけない案件であるが。
敵の前に立ちはだかるべく駆けつけた丑三・勘太郎(妖憑依を継ぐもの・f10108)は、ふとこう口にする。
「かき氷を食べてる間を狙って上洛を目指す作戦か……真面目にやってんだか、よく分からねぇこと考えるもんだな」
聞いた感じでは、普通に大真面目にやっているようであるが。
相手は大天使。人とは、何だかちょっと思考が違って色々とずれているのかもしれない。
けれど、季節はうだるような暑い夏。しかも地形的に、暑さが厳しい京の地。
そんな中、冷たくて美味しいものを提供してくれるというのなら。
(「かき氷を振る舞ってくれるってことだし、せっかくだしノってやるぜ!」)
ノらない手はありません!
ということで、早速かき氷を貰いにいく勘太郎。
『ささ、美味なかき氷などいかがでしょう。一気に食べてしまわれても、おかわりの用意もありますゆえ』
そして、味はいかが致しましょう、と雪ん子晴明に訪ねられれば。
折角だし、と選んだシロップは。
「UDCアースで1回食べた『ぶるぅはわい』とやらで頂こう」
『ほう、界渡った世界にて食した『ぶるぅはわい』でございますか。口に含めば甘く、見目も爽やかで、良い選択でありますな』
そう晴明はこくりと頷きながらも、こんもり盛ったふわふわかき氷に綺麗な青のシロップをかけて。
手渡され振舞われれば早速、はむり。
口に広がる甘さと冷たさは、病みつきになるほど美味で。
つい、ひと匙ふた匙と食べ進めていけば、問題の『キーン』になりかけるも。
そこは気合いで我慢、むしろそれを逆手にとって。
「……うわ、キーンときたぜ!」
頭を抑えて『キーン』ってなっているように装ってみる勘太郎。
そして、思惑通り、みたいにほくそ笑む雪ん子晴明に気付かれないよう、さりげなーく。
食べ終わりそうになった頃、ぶんぶんと肩を回して。
頭を抑える演技をしつつ、何気に羅刹旋風で準備も万端……食べ終わって器を返したタイミングで、いざ!
「かき氷ご馳走さん! 振る舞ってくれたところ悪いが、倒させてもらうぜ!!」
『折角ですから、おかわりでも……えっ、ぎゃあぁっ!?』
上洛を企てる雪ん子晴明へと、強烈な正拳突きを容赦なくぶちかまします!!
大成功
🔵🔵🔵
夜刀神・鏡介
俺は件の猟書家と対峙した事はないんだが、こんな作戦を考えるような奴だったのか?
それともあれか、考えすぎた結果一周回って変になったとか?
まあ、暑い夏だ。かき氷が事件解決の役に立つっていうなら上等かな
色々と用意されているようだが、ここは敢えて飾り気のないみぞれでいこう
別に通ぶりたい訳じゃないが、単純だからこそ誤魔化しができないだろう
……あ、これは美味い。良い水と良い砂糖を使ってるみたいだな
思わず一気にかっこみたくなるが、それが敵の作戦か
ゆっくり楽しませてもらうとしよう
しかし……目的はともかく美味いものを食わせてもらった相手を倒すってのは若干引っかからないでもないが
これも仕方なし、ちゃんと倒す
聞いている話によれば、猟書家にして大天使とやらの一柱であるというロロサエル。
そんな件の猟書家とまだ対峙した事はない夜刀神・鏡介(道を探す者・f28122)であったが。
(「こんな作戦を考えるような奴だったのか? それともあれか、考えすぎた結果一周回って変になったとか?」)
そう辿り着いた現場を見回しながらも、思わずにはいられない。
今回、大天使と憑装した魔軍将が仕掛ける策。
それは――かき氷を慌てて食べると生じる『キーン』。
しかも本人たちはふざけているわけではなく、至って真面目なようだ。
今までの進軍の大抵は真っ当なのだが、実はたまーに興味を覚えるまま、奇行のような作戦を立てているロロサエルであるが。
相手はオブリビオンで、得体のしれない大天使。
きっと、人にはわからない感性や思考の持ち主なのかもしれないし。
「まあ、暑い夏だ。かき氷が事件解決の役に立つっていうなら上等かな」
ただでさえ夏真っ盛りなこの時期、しかもひときわ暑さが厳しい京の地において。
ひやり涼を与えてくれる美味な氷菓を振舞われ、それによって敵の進軍を防げるというのならば、のらない手はない。
『おかわりもありますゆえ、遠慮ならさずかきこんでいただければと。味はいかがなさいましょう?』
そう、思惑が見え隠れする誘い文句をかけてきた雪ん子晴明の声を聞きながら。
鏡介は、用意されている蜜やトッピングを一通り見回して。
(「色々と用意されているようだが」)
「ここは敢えて飾り気のないみぞれでいこう」
『おや、その選択……なかなかの通とお見受け致しますが』
「別に通ぶりたい訳じゃないが、単純だからこそ誤魔化しができないだろう」
『成程、納得でございますな。されど私のかき氷は絶品、かきこみたくなるほど美味でございますよ』
きょろきょろ目が左右に動くかき氷機のハンドルを回しつつ、ふわふわのみぞれかき氷を作る雪ん子晴明。
そして、完成したそれを受け取った鏡介は早速ひと匙、はむり。
「……あ、これは美味い。良い水と良い砂糖を使ってるみたいだな」
頬張ってみれば口の中に広がるのは、シンプルだからこそ分かる上質な美味しさ。
そんな美味しさや冷たさに、思わず一気にかっこみたくなる衝動に駆られるけれど。
(「それが敵の作戦か」)
自分が『キーン』とならないか、さり気なく探っている様子の雪ん子晴明に気が付いて。
……ゆっくり楽しませてもらうとしよう、と。
そっと控えめに、もう一口。
頭痛が起きない程度に、焦らずゆっくりとはむはむ食べ進めれば――何事も無く、御馳走様。
そして美味しくかき氷を頂く自分達猟兵の姿に、すっかり油断している雪ん子たち。
そんな雪ん子晴明たちを見遣りながらも、こう思ってしまう鏡介だけれど。
(「しかし……目的はともかく美味いものを食わせてもらった相手を倒すってのは若干引っかからないでもないが」)
だが、此処へと赴いた目的も確りと分かっているから。
……跳ね斬る――壱の型【飛燕】。
『もう1杯いかがでしょう……って、ふぎゃっ!?』
上洛を果たすべくおかわりを勧めてきた雪ん子晴明へと、閃く下段からの斬り上げを見舞う鏡介。
これも仕方なし、オブリビオンの群れはちゃんと倒します!
大成功
🔵🔵🔵
フリル・インレアン
ふええ、どうして私ばっかりこんな目に合うのですか。
確かにかき氷は雪ん子晴明さんが作ったからそのユーベルコードの効果が発揮されるのは分かるのですが、あの手この手で私をキーンとさせようとしてこないでください。
なんだか、アヒルさんみたいってアヒルさんはどこに行ったのですか?
ふええ、私が生命を与えられたかき氷に追われている隙に普通のかき氷を食べてるなんてずるいですよ。
暑い夏に振舞われる、美味しい絶品かき氷。
色々な思惑があるものの……それをいただいているひとときは、幸せで至福。
……な、はずなのに。
「ふええ、どうして私ばっかりこんな目に合うのですか」
大きな帽子をぎゅっと押さえながら、そう声を上げているのは、フリル・インレアン(大きな帽子の物語はまだ終わらない・f19557)。
いや、何故こんな目にあっているのか、それはわかるのだ。
だって今、発動しちゃっているから。
――ふええ!? 私を斬らせてってどういうことですか? アヒルさぁーん。
その名も、アヒル真拳『フリルを斬らせて敵を断つ』が!
確かにかき氷は雪ん子晴明が作ったものであるから、ユーベルコードの効果が発揮されるのは分かる。
ええ、分かるのだけれど。
「あの手この手で私をキーンとさせようとしてこないでください」
『はて、キーンとは?』
『そう言わず、一気にかきこんでみてはいかがでしょう?』
『おかわりもありますゆえ、ささ、ぐぐっと』
そう雪ん子晴明たちに、ずいっと迫られて。
冷たくて美味しいのだけれど……ぐいぐいとかき氷をつきつけられるフリル。
そんな雪ん子達の強引な行動に、ふとフリルは或る既視感を覚えて。
「なんだか、アヒルさんみたいってアヒルさんはどこに行ったのですか?」
雪ん子たちに迫られながらも、きょろりと赤の瞳を巡らせてみれば……アヒルさんを発見!
――しゃくしゃく、はむはむ。
「ふええ、私が生命を与えられたかき氷に追われている隙に普通のかき氷を食べてるなんてずるいですよ」
フリルがこんな散々な目にあってるいるのを後目に。
美味しい絶品かき氷を、しれっと堪能中です!?
大成功
🔵🔵🔵
テフラ・カルデラ
【人形館】
※アドリブ可
えー…そのまま凍らせてしまえば早いのに…
ともあれ…カキ氷食べて『キーン』としないようにするのですね…
と、シエナさんとポーラさん(ポーラリア)と共に迎え撃ちます!
作戦としてはゆっくりかき氷を食べて『キーン』が来ないように…
いやぁ…この『キーン』があるからこその醍醐味ですが…現状が現状なので仕方がないです…
…と唐突に【全てを凍てつかせる小さな妖精】さんが勝手に出てきました!?
すると食べている途中のわたしをカチンコチンに凍らせてしまって…
何故か雪ん子達と仲良くなる羽目に…と思ったら雪ん子達以上の冷気で氷像に変えてしまった…!
…とまぁ、凍っている間に皆さんから聞いたお話です…
ポーラリア・ベル
【人形館】アドリブ可
わーい♪かき氷ー♪
あのね、あのね、雪だるまさん型かき氷とか、くまさん型かき氷とか
(ユーベルコード的に)やってる?
その上にねー、小豆とか蜜とかとっぴんぐして、【スノウブレス】で雪を積もらせ、頂くの!
人間さんのサイズだから沢山食べれるー!んー♪あまーいー♪
? 【氷耐性】とか駆使して、『キーン』しないのよ?
でもてふてふ(テフラ)がしてるとこ見て真似っこでキーンする!
しえなん(シエナ)と一緒に沢山食べるの。こっちのかき氷もどうー?
普通に満喫してたら、いつの間にかてふてふが凍ったりしえなんが暴れたりしてはわわわ!
事が収まったら、シエナんとてふてふを落ち着かせに(もとに戻しに)行くの
シエナ・リーレイ
■人形館・アドリブ可
好きなだけ食べていいの?とシエナは確認します。
テフラくんやポーラさんに誘われかき氷を食べに来たシエナ
雪ん子達のお願いを受けて『お友達』と共にかき氷を食べ始めます
キーンと来たよ!とシエナは頭痛を訴えます。
雪ん子達の目論み通り、頭を抱えるシエナですがそれは瞬く間に収まります
何故ならシエナの身体はお人形、雪ん子達の期待に応えそう振る舞っているだけで実際はキーンが起きていません
それはシエナが呼び出した『お友達』も同様でその数も相まって供給を凌ぐ勢いでかき氷を食べてゆきます
その子達と遊んであげて!とシエナはお願いします。
そして、供給不足を切欠に『お友達』が雪ん子にじゃれ付き始めます
大天使が率いる、魔軍将が憑依したオブリビオンの群れ。
江戸幕府転覆を狙い、上洛を果たさんと進軍する彼らであるが。
それを成すためには、きっとまた自分達の前に立ちはだかるだろう猟兵達と陰陽師の結界をどうにかしなければならない。
そこで、大天使と魔軍将が張り巡らせる罠、それは。
「わーい♪ かき氷ー♪」
キャッキャ無邪気にはしゃぐポーラリア・ベル(冬告精・f06947)の言う様に、かき氷大作戦です!
いえ、正確に言えば、かき氷をかきこんで起こる『キーン』。
どうしても抗えぬ生理現象を引き起こせば、邪魔はできまいと、そういう策のようだが。
「えー……そのまま凍らせてしまえば早いのに……」
至極ごもっともなことを口にする、テフラ・カルデラ(特殊系ドMウサギキマイラ・f03212)。
そんな呟きも露知らず、安倍晴明の憑装で凍気も増し増しになった雪ん子たちがせっせと凍らせるのは、美味しい水。
そしてハンドルを回すたびにきょろきょろ目が動くかき氷機から落ちるふわふわな氷を眺めながら訊ねるのは、シエナ・リーレイ(取り扱い注意の年代物呪殺人形・f04107)。
「好きなだけ食べていいの? とシエナは確認します」
『ええ、ええ。おかわりの分も十分ありますゆえに。一気にかきこむように食せば、より美味しゅうございます』
そうかき氷を作りながら笑う雪ん子晴明。
けれど聞いた予知で、その目論見はお見通しだから。
(「ともあれ……カキ氷食べて『キーン』としないようにするのですね……」)
テフラはウサギの耳をぴこりと揺らし、こくりと小さく頷いてから。
ぐっと密かに心に紡ぐ……シエナさんとポーラさんと共に迎え撃ちます! と。
これまで先に赴いた猟兵達が随分と、雪ん子晴明の数を減らしてはいるが。
まだかき氷を作っている、残っている雪ん子晴明たち。
そんなかき氷をポーラリアはじいっと見つめ、ふとこう訊ねる。
「あのね、あのね、雪だるまさん型かき氷とか、くまさん型かき氷とか、やってる?」
『雪だるまさんや、くまさんでございますか? 所望されるのならば、作ってみましょう』
そう冷気を駆使し、雪だるまさんやくまさん型のかき氷を作ってみる晴明。
そしてテフラやポーラリアに誘われて、かき氷を食べに来たシエナも。
『ささ、そちらのお嬢さんもいかがでございましょう?』
「皆で美味しくいただくよ、とシエナは動物さんを呼び出します」
雪ん子達のお願いを受けて『お友達』と一緒に、シャクシャク。
かき氷をいざ食べ始めます!
それから、雪だるまさんやくまさん型のかき氷の上に、ポーラリアがるんるん乗せるのは。
「雪だるまさんやくまさんの上にねー、小豆とか蜜とかとっぴんぐして、雪を積もらせ、頂くの!」
『雪、でございますか?』
「うん、あのね、こうやってね……」
――ふーっ……。
『!?』
凍雪の吐息――スノウブレスでひらひらと雪をさらに積もらせてから。
「人間さんのサイズだから沢山食べれるー!」
――んー♪ あまーいー♪
ポーラリアは掬ったひと匙を、はむり。
(「作戦としてはゆっくりかき氷を食べて『キーン』が来ないように……」)
テフラもそう、しゃくりとかき氷にスプーンを入れて。
慎重にそうっと口に運びながらも紡ぐけれど。
「いやぁ……この『キーン』があるからこその醍醐味ですが……現状が現状なので仕方がないです……」
「? 『キーン』しないのよ?」
そうきょとりとする、ポーラリア。
いや、氷耐性とか駆使すれば『キーン』知らず……なのですが。
「しえなん、こっちのかき氷もどうー? あれっ?」
「……!? キーンと来たよ! とシエナは頭痛を訴えます」
「シエナさん
……!?」
刹那、頭を抱えてしまったシエナ。
そんな彼女に、一瞬ふたりは瞳をぱちくりさせるも。
「やっぱり、キーンしたの!」
「わたしも『キーン』が来ました……!」
立て続けにふたりも、キーン!?
いえ……シエナは雪ん子達の目論み通り、一瞬頭を抱えるけれども。それは瞬く間に収まるのだった。
何故ならシエナの身体はお人形。雪ん子達の期待に応えそう振る舞っているだけで、実際はキーンなんて起きていません!
そして空気を読んだふたりも真似して、キーンのフリをして。
『ふふ、さすがの猟兵も『キーン』となりましたか。これで上洛も……っ、!?』
雪ん子晴明達を油断させた、瞬間。
『……!?』
シエナ同様、キーンとしない『お友達』が、その数も相まって。
「その子達と遊んであげて! とシエナはお願いします」
供給を凌ぐ勢いで、ぱくぱくシャリシャリ、あっという間にかき氷を蹂躙し始める『お友達』たち。
さらに。
「妖精さんが勝手に出てきました!?」
唐突に出てきたのは、全てを凍てつかせる小さな悪戯妖精さん!?
そして、はむりとかき氷を食べていたテフラをカチンコチンに凍らせてしまう悪戯妖精さん。
いえ、石化とはちょっぴり違うけれど、涼しいし、ある意味彼にはご褒美……かも、しれない?
そんな何故か雪ん子晴明達と仲良くなる羽目に……と思ったら。雪ん子達以上の冷気で、みんな氷像に変えてしまって。
普通にかき氷を満喫していたポーラリアは、いつの間にか凍ったテフラや暴れ出したシエナに、はわわわ!
けれど供給不足を切欠に氷像になった雪ん子にじゃれ付き始めた『お友達』や、悪戯な妖精さんが、残っていた雪ん子晴明をみんな倒して。
何とか事が収まったことを、きょろりと確認したポーラリアは。
はわはわ、シエナとテフラを落ち着かせたり元に戻したりしに行くのであった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第2章 ボス戦
『大天使ロロサエル』
|
POW : 月閃乱撃
【日本刀による隙無き連撃】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
SPD : 月呪審判
【三日月の如き刃】【朧月の如き羽】【月蝕の如き呪言】を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らす。全て命中するとユーベルコードを封じる。
WIZ : 月焔邪視
【魔眼や呪言】を向けた対象に、【精神や身体の内側から蝕む焔】でダメージを与える。命中率が高い。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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雪ん子晴明達が猟兵達の手で倒されている頃――シャクシャクと。
『ふむ、これは冷たくて甘い。いちごみるく、強い興味を覚えます』
優雅な微笑みを湛え、かき氷を堪能していた大天使ロロサエルであるが。
律儀に手を合わせ、ぺこりとご馳走をした後。
『しかし、『キーン』とやらでも猟兵は止められませんか』
ようやく、晴明を憑装した雪ん子達が次々と躯の海へと還る様を見遣って。
大天使はバサリ、大きな翼を悠然とはばたかせる。
『いちごみるくの他の味も、とても興味を覚えます』
何気にかき氷に強い興味を持ったまま、今度は自らが刀を手に。
京の都への上洛を果たさんと、それを阻む猟兵達を排除するべく。
今――戦場へと、降り立つ。
篝・倫太郎
【華禱】
俺達、キーンってなってないから……止めようなくね?
そう思いつつも
頭痛に苛まれなかった陰陽師の皆さんには障害物に隠れて貰う
あ、食べてる人は隠れて食べててチョーダイ
さって、夜彦往こうぜ
拘束術使用
敵の位置を確認
射程内なのを確認してダッシュで接近しながら鎖での先制攻撃
出来るだけ日本刀とそれを持つ手や腕を部位破壊も乗せて狙い、拘束
拘束出来ても出来なくても華焔刀でなぎ払いの2回攻撃
敵の連撃の回数や精度を落とす
それが出来ればいい
言い換えれば、それが出来なきゃ意味がねぇ
敵の状況や夜彦の立ち位置を確認して
拘束術は適時、重ね掛けして動きを制限
好きにはさせねぇし
いちごみるく以外は味わうことなく
骸の海に還んな
月舘・夜彦
【華禱】
キーンは自発的なものなので対策さえしていれば良いのでは……
いえ、あまり真面目に返すのも野暮というものでしょうか
陰陽師達は離れていて貰いましょう
かき氷を堪能していても大丈夫ですからね
では、参りましょう
水霊『紫水』を呼び出しておき、倫太郎と共に接近
2回攻撃となぎ払いを基本として攻撃
剣術によるユーベルコードを使わないのは相手の連撃を誘発
連撃を繰り出す時に水霊『紫水』の水の壁を形成、同時に毒の飛沫で反撃
反撃している間に氷の槍を形成して応戦しましょう
倫太郎の拘束術も発動しているのであれば此方も隙は無し
氷繋がりということで氷槍で対抗してみました
やはり武器は色々扱えるに越したことはないですね
京の地にふわり降り立ったのは、猟書家にして大天使の一柱。
彼――ロロサエルの目的は、都への上洛とそして、クルセイダーの野望である江戸幕府の転覆。
けれど無論、そんな事を許すわけにはいかない。
このサムライエンパイアは何としても守る……そう強い決意と志を胸に。
今日もふたり共に、この地を駆ける。
『かき氷とやらの『キーン』は、抗い難いほどのものだと聞きましたが』
そうふと首を傾けつつも、周囲をぐるりと見回すロロサエル。
猟兵達の行動はおろか、結界を張っている陰陽師達も頭を抱えて悶えている様子はない。
そんな不思議そうな顔をしている大天使を見遣りつつも、篝・倫太郎(災禍狩り・f07291)は思う。
(「俺達、キーンってなってないから……止めようなくね?」)
(「キーンは自発的なものなので対策さえしていれば良いのでは……」)
月舘・夜彦(宵待ノ簪・f01521)も、ロロサエルの策にそう思わずにはいられないけれど。
……いえ、あまり真面目に返すのも野暮というものでしょうか、と。
相手は何を考えているのかよく分からない大天使、しかも律儀にそれを教えてやる義理もない。
この必ず守り抜くと誓った世界から、すぐにでもお引き取り願うのだから。
けれど、確かに雪ん子晴明たちの振舞ったかき氷は美味しかったし。
かき氷の『キーン』によって陰陽師達の結界が揺らぐことはない。
ふたりがきちんと声を掛けた通り、陰陽師達はゆっくりとかき氷を口にしているから。
だが大天使が降り立ったことで慌てて、かき氷をかきこんでは『キーン』となってしまう。
それでは、本末転倒であるから。
「あ、食べてる人は隠れて食べててチョーダイ」
「かき氷を堪能していても大丈夫ですからね」
頭痛に苛まれなかった陰陽師達へと、少し離れたところに隠れて貰い、結界に支障ない程度にかき氷を味わって貰うことにして。
言われた通り、かき氷を手に、陰陽師達がある程度離れたことを確認すれば。
「さって、夜彦往こうぜ」
「では、参りましょう」
ふたり同時に地を蹴り、大天使との距離を一気に縮める。
そしてロロサエルの位置を確りと見定め、射程内に入ったことを確認した刹那。
――縛めをくれてやる。
駆けるその足を止めずに倫太郎が繰り出すのは、災いを縛る見えない鎖。
『!』
閃く日本刀を持つ敵の手や腕を出来るだけ狙い、破壊する力も乗せて拘束を試みて。
ぐっと握る黒塗りの柄の焔を舞い踊らせるかの如く、美しき刃紋映える刃で薙ぐ。
けれど成した鎖は叩き斬られ、薙いだ刃は弾かれる。
しかし倫太郎の狙いは、敵を斬り伏せることではない。
大天使が繰り出してくるだろう刀の連撃、その手数や精度を落とすこと。
(「それが出来ればいい」)
いや、倫太郎はその手を休めることなく鎖を重ね、華焔刀の刃を振るい返しながらもロロサエルを見据える。
……言い換えれば、それが出来なきゃ意味がねぇ、って。
そんな倫太郎と共に駆けながらも、夜彦が夏空に泳がせるのは、水霊『紫水』。
そして握り振るうは、夜天に移す銀の月。曇り無き刃を閃かせ、薙ぐような斬撃を大天使へと放ってゆく。
『かき氷を食べたのに、『キーン』とはならないのですか?』
ふたりの繰り出す刃を悠然と捌きながらも、まだ不思議そうなロロサエルであるが。
『晴明が用意してくれたいちごみるくは、甘かったですね。他の味も強い興味を覚えます』
そんな話に興じながらも放たれるは、隙無き連撃。
だがそれこそ、夜彦の思惑通り。
倫太郎の拘束や己の刃と折り重ねる斬撃をいなしながらも繰り出されるそれは、万全のものとは言えないだろう。
そして大天使が連撃を閃かせる瞬間。
『……!』
形成されたのは、水霊『紫水』が張った分厚い水の壁。
同時にお返しの毒の飛沫を見舞い、倫太郎が再び縛めの鎖を重ねがけすれば。
(「倫太郎の拘束術も発動しているのであれば此方も隙は無し」)
夜彦が、水霊『紫水』を以って成すは、凍てついた水にて形成されし氷の槍。
「好きにはさせねぇし、いちごみるく以外は味わうことなく骸の海に還んな」
倫太郎がそうふっと笑んで紡いだ刹那、夜彦の氷の鋭撃がロロサエルへと見舞われる。
『! かき氷とはまた違った氷、ですか』
「氷繋がりということで氷槍で対抗してみました」
倫太郎の言った通り、いちごみるく以外の味ではない氷を大天使へとくれてやりながらも。
夜彦は、尚も敵を確りと見据える翡翠の瞳を細める。
――やはり武器は色々扱えるに越したことはないですね、と。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ヴィオレッタ・エーデルシュタイン
何かとっても食い意地が張っているように見えるわね…。
それならちょっと仕掛けてみましょうか。
[結界術]で温度を低く保った空間を作っておいて、そこにいちごみるく以外のかき氷をぽちぽち配置…これって[罠使い]の範疇かしらね。
あとは[目立たない]ように[迷彩]で身を物陰に隠しつつ敵が来るのを待ちましょう。
もしかき氷に足止めされたら…一応武士(?)の情けよ。
一口食べるまでは待ってあげる。
そして10秒集中してユーベルコード【千里眼射ち】
もし足止めされなくてもタイミングを見計らってから同じ行動をとるわ。
射撃後は自慢の[逃げ足]で相手の攻撃に届かない所へ逃走、隠れて集中、射撃、の繰り返しね。
ふと耳に聞こえたのは、戦場へと降り立った大天使のこんな呟き。
『大変強い興味を覚えていますが……いちごみるく以外のかき氷は、味わえないのでしょうか』
猟書家にして大天使の一柱であるという、強者の余裕からか。
それとも、他の大天使の捜索の任よりも興味を覚えたクルセイダーの野望の方に心向いているという現状から垣間見えるような、ちょっと斜め上な気がする旺盛な好奇心からか。
既に激しい戦闘は始まっていながらも尚、かき氷の事が気になっている様子のロロサエル。
そんな大天使の様子を、じいっと色の異なるふたつの宝珠で見つめながら。
「何かとっても食い意地が張っているように見えるわね……」
ヴィオレッタ・エーデルシュタイン(幸福証明・f03706)はそう呟いた後。
金の髪をそっと揺らし、こくりとひとつ頷く。
――それならちょっと仕掛けてみましょうか、と。
そして展開した結界術で作りだしたのは、温度を低く保った空間。
それから、きっとロロサエルが強い興味を覚えるであろう罠を張り巡らせる。
ヴィオレッタがぽちぽち配置した、それは。
(「……これって罠使いの範疇かしらね」)
『おや……あちらに沢山用意されているのは、かき氷でしょうか。いちごみるくとは、また違う色をしていますね』
そう――いちごみるく以外のかき氷!
ブルーハワイにメロン、抹茶にみぞれに、レモンにマンゴー。
様々な味のものをさっと配置し、目立たないように迷彩で身を物陰に隠し様子を窺いつつも。
ヴィオレッタは、抹茶かき氷を興味津々手に取った大天使を見遣る。
(「……一口食べるまでは待ってあげる」)
一応武士(?)の情けです!
そんな武士の情けな10秒間、しっかりと集中して。
『……ふむ、このかき氷は、甘くもほろ苦いですね。強い興味を覚えます』
抹茶かき氷をひとくちロロサエルが味わった、瞬間。
武士の情けタイムも、もう終わり。
『!』
千里眼射ちを展開し、今度は美味しいかき氷ではなく鋭い矢をロロサエルへとお見舞いする。
そんな矢が射放たれた方へと大天使は目を向けるけれど。
射撃後、既にヴィオレッタは自慢の逃げ足で十分に距離を取り、また身を隠して。
次はブルーハワイを大天使が味わっている間に、また10秒間しっかりと集中。
そして再び、かき氷を食べている敵へと狙いを定め、矢を撃ち出していく。
大成功
🔵🔵🔵
フリル・インレアン
ふええ、ひどい目にあいました。
というよりも、私かき氷をいただいていませんよ。
それに猟書家の天使様がこちらを見ています。
あれ?こちらというよりもアヒルさんがまだ食べてるかき氷の方ですよね。
ふえぇ、アヒルさん優雅にかき氷について語り出さないでくださいよ。
ふえぇ、そのシロップそんなに美味しいんですか?
あれ?天使様にお世辞の魔法がかかって振り回されてます。
執拗に『キーン』とさせようと迫る雪ん子晴明達も、何とか躯の海に全て還って。
「ふええ、ひどい目にあいました」
大きな帽子のつばを押さえながらも、そうようやく一息つくフリル・インレアン(大きな帽子の物語はまだ終わらない・f19557)であったが。
ふと、ある事実に気が付く。
「というよりも、私かき氷をいただいていませんよ」
あんなにかき氷を食べろと迫られたのに……ひとくちもかき氷を食べていなかったことに。
けれど。
『ふむ……とても美味しそうなかき氷ですね、興味を覚えます』
いつの間に降りて来たのか、そうぽつりと呟くのは、大天使ロロサエル。
その視線は自分を見ているのかとてっきり思ったフリルであるけれど。
実際、自分はかき氷を食べていないし。それに若干、自分から逸れたところに視線が向いている……?
そんな大天使の視線を改めて正確に追ってみれば。
「あれ? こちらというよりもアヒルさんがまだ食べてるかき氷の方ですよね」
ロロサエルがじいっと見ているのは、シャクシャクとアヒルさんが食べている普通の美味しいかき氷!
そしてアヒルさんはちょっと得意気に、饒舌に語り始める。
「ふえぇ、アヒルさん優雅にかき氷について語り出さないでくださいよ」
そう……冷たくて美味しい、手元のかき氷の魅力に。
そんなアヒルさんの言葉に、ロロサエルも興味を覚えたように耳を傾けて。
『成程、その蜜は甘さの中にも爽やかさがあるのですか。それは強い興味を覚えますね』
「ふえぇ、そのシロップそんなに美味しいんですか?」
アヒルさんのプレゼンに、思わずフリルも聞き返すけれど。
『私もひとくち頂いてみたいものです
……、!』
刹那、かき氷の冷たさが有難いほどの夏空にふわりと浮く大天使の身体。
だって、アヒルさんのかき氷はばっちり好奇心旺盛な大天使の心を掴んだから。
フリルは赤い瞳をぱちくりさせつつも、と何が起こったか把握するのだった。
ふと発動していたそれは、『あなたの心を掴んで持ち上げるお世辞の魔法』。
――あれ? 天使様にお世辞の魔法がかかって振り回されてます、と。
大成功
🔵🔵🔵
丑三・勘太郎
コイツがこの妙な計画立てた首謀者か。
かき氷は喰わせてもらったが手は抜かねぇ。
全力でぶちのめしてやるぜ!
戦闘が始まったら、【妖憑依】を使用し、戦闘力を増強する。
敵の放ってくる刃と羽は《気合》で避け、
呪言は自身の呪縛の代償と共に、『逢魔の紋』の《呪詛耐性》で対策する。
敵を殴れる位置まで近づけたら、『C.C.proto』を起動し、
血液を代償に魔力を《限界突破》する!
【妖憑依】と『C.C.proto』で二重に強化した状態から、
《捨て身の一撃》である平手打ちを叩き込む!
「こいつで一発吹き飛びな! 丑三流奥義!! 『鬼平手
』!!!」
かき氷による『キーン』を引き起こさんとした雪ん子晴明達を、全て骸の海に還した後。
大きな翼を優美に羽ばたかせ、戦場へと降り立ったのは、猟書家であり大天使であるロロサエル。
『かき氷を作っていた雪ん子晴明達は、どうやら全て倒されたようですね』
……叶うならばおかわりを頂きたかったのですが。
なんて紡ぐ様は、強大な力を持っている余裕からか。
それとも、ただ単にそういうちょっと変わった性格なのか。
大天使という存在は、人とは思考自体がそもそも違うのか。
それは定かではないが。
「コイツがこの妙な計画立てた首謀者か」
きょろりと視線を巡らせている大天使を見遣る、丑三・勘太郎(妖憑依を継ぐもの・f10108)。
確かに、眼前のロロサエルこそ、策と言っていいのか分からない策を企てた今回の元凶。
それに、雪ん子晴明達に振舞われた『ぶるぅはわい』は、思わずかきこみたくなるほど美味ではあったが。
「かき氷は喰わせてもらったが手は抜かねぇ」
刹那、大天使目掛け、勘太郎は大きく地を蹴って。
「全力でぶちのめしてやるぜ!」
『かき氷の『キーン』をもってしても、猟兵の足止めはなりませんか。ならば仕方ありませんね』
――丑三流の真髄、とくと拝ませてやるぜ!
展開するは、妖怪の能力や悪霊の魂、鬼の力を宿す『妖憑依』にて戦闘力を増強すれば。
「……ッ、!」
襲いくる三日月の如き鋭利な刃、朧月の如く舞う羽を、歯を食いしばり気合いで避け、耐えて。
飛んでくる月蝕の如き禍々しき呪言は、浮かび上がった、丑三流を受け継いだ者に刻まれし『逢魔の紋』の耐性で凌ぐ。
そして眼前に敵の姿をみとめれば、起動するは、左胸に埋め込んだ魔術装置『C.C.proto』。
自身の血液を媒介に膨大な魔力を生産しすれば、いざ限界突破!
最も自身が得手とする、二重に強化した状態からの肉弾戦へと持ち込む勘太郎。
そんな懐にすかさず入り込んだ勘太郎に、ロロサエルも対抗せんとするけれど。
再びロロサエルが刃や羽や呪言を繰り出すより、強化を折り重ねた勘太郎の方が僅か早く。
「こいつで一発吹き飛びな! 丑三流奥義!! 『鬼平手
』!!!」
『……! ぐっ』
大天使へと容赦なくお見舞いするは、強烈な捨て身の平手打ち――丑三流奥義・『鬼平手』。
大成功
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夜刀神・鏡介
まあ、なんというか。頭がキーンとするのは確かに辛い。それはわかる
だが、それだけで動きに支障が出るってことは流石に滅多にないと思うんだよな
勿論、俺も万全の体勢。どころか美味いものを食べた分、寧ろ力が有り余っているまである
という訳で、油断も慢心もなく鉄刀を抜いて、捌の型【水鏡】の構え
得物は互いに同じ刀だし、どちらが上か、精々試させてもらおうか
敢えて構えに隙を作る事で敵の攻撃を誘導。冷静にそれらを見極めてから此方の刀で受け流し
連撃を一通り捌いた所で反撃、手数重視で攻撃を叩き込む
多分、かき氷を配るよりは正面から攻め込んだ方が成功率が高かったと思うが。これは策士策に溺れるというかなんというか……
眼前に在る敵は、猟書家としてこの地で暗躍しながらも、大天使の一柱として名を連ねる存在。
そんなロロサエルが、魔軍将・安倍晴明を憑装した雪ん子達と企て、講じた作戦であったが。
『猟兵は、噂の『キーン』にも抗えるような存在なのですね。ますます強い興味を抱きます』
彼自身も言うように、それは予知を事前に聞いていた猟兵達にとっても。
猟兵達からかきこまずゆっくり食べるよう注意喚起された陰陽師達にも、効き目は薄いという結果に終わったのだけれど。
「まあ、なんというか。頭がキーンとするのは確かに辛い。それはわかる」
みぞれかき氷を美味しくいただいた夜刀神・鏡介(道を探す者・f28122)は、『キーン』経験者として、そう一度は頷きはするものの。
「だが、それだけで動きに支障が出るってことは流石に滅多にないと思うんだよな」
そんな、至極ごもっともな言葉を続ける。
むしろ厳しい夏の暑さに振舞われたかき氷は、火照った身体を心地良く冷やしてくれて。
暑そうな装束を纏いバテ気味であった陰陽師達の結界も強まっている気もするし。
それに、何よりも。
「勿論、俺も万全の体勢。どころか美味いものを食べた分、寧ろ力が有り余っているまである」
使い込まれた痕跡残る鉄刀を抜いた鏡介も、諸事万端抜かりなく。
油断も慢心もなく取るのは、捌の型【水鏡】の構え。
『かき氷のおかわりは叶いませんでしたが、では、興味深い猟兵のお相手でもしましょうか』
ロロサエルも、若干かき氷への未練を垣間見せながらも、スラリと日本刀を抜き放って。
(「得物は互いに同じ刀だし、どちらが上か、精々試させてもらおうか」)
特に構えもしない相手の初動を窺いながらも、敵の攻撃を誘導するべく敢えて構えに僅かの隙を作れば。
やはりその隙を狙い放たれる、ロロサエルの月の如く閃く強烈な乱撃。
けれど、それこそ鏡介の狙い通り。
……我が太刀は鏡の如く――捌の型【水鏡】。
繰り出される敵の連撃を冷静に見極め、鏡介が握る愛刀を振るえば。
『!』
鋭い連撃に対応した太刀筋がそれらを受け流し、次々と捌いていく。
そして、一通り捌ききれば……ぐっと地を踏みしめ、鏡介は仕掛ける。
ひゅっと夏空に鋭利な刃の音色を数多鳴らして。
連撃のお返しといわんばかりにロロサエルへとお見舞いするのは、手数を重視した閃き。
これまで猟兵達から叩きつけられた衝撃も積み重なってか、ロロサエルは堪らず、ぐらりとその上体を揺らして。
『……く、もう少しかき氷のことを詳しく研究して臨むべきだったでしょうか』
そう首を傾けつつも再び、骸の海へと一旦還ってゆく。
そしてそんな大天使に、鏡介は律儀に一応教えてあげる。
「多分、かき氷を配るよりは正面から攻め込んだ方が成功率が高かったと思うが」
だが、たとえそう仕掛けてきたとしても、また自分達猟兵が前に立ちはだかるだろうし。
撃破するその日まで、何度でもこうやって、躯の海へと還すのみであるけれど。
胡散臭い微笑みを絶やさず退く大天使を見遣りながら。
「これは策士策に溺れるというかなんというか……」
鏡介は再び夏の暑さが戻って来た京の空の下、そう呟かずにはいられないのだった。
大成功
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