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かわいいかわいい、あなた

#カクリヨファンタズム #戦後

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#カクリヨファンタズム
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#戦後


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●かわいいね、かわいいね
「ン?」
 いつもの帰路に突然現れた、全く見覚えの無い建物。
 ぴかぴか輝く装飾は華美ではあるが、不思議と高級そうに見える。
「こんな店、ここには無かったよな……」
 過去の遺物で組み上げられたカクリヨファンタズムでは、オブリビオンが迷宮化を行う事もあり、知らない内に建物が生えている事なんて日常茶飯事ではあるが――。
 足を止めた地獄の獄卒の男は訝しげにしながらも、不思議とその建物から目を離す事が出来なくなっていた。
「……まあ少しくらい寄り道しても、いいよな」
 引き寄せられるかのように、彼がその扉をくぐった刹那。
「わっ……!」
 なぜだか視界が低くなった気がして、周りを見渡し。
「……へっ?」
 それから、自らに起こった『変化』に言葉を失った。
 白魚のような細い指先に、ふっくらと盛り上がった胸元。
 自らの胸に手を寄せた彼。――否、彼女はその柔らかさを……。
「まあ、まあ、まあ! かわいい~~!」
 突然かけられた声に、彼だった彼女は肩を跳ねる。
 その前へと歩み寄り微笑んでいたのは、この店の娘らしき鬼であった。
「えっ……、俺……?」
「そうそう、かわいい、かわいい~!」
 店の奥から、どんどん鬼娘達が褒めそやしながら集まって来る。
 そうして手にした鏡で、彼であった彼女の前へと鏡が差し出されると――。映しだされたおんなのこは、どんぐりみたいに丸い瞳に、白い肌。
「え……、かわいい……」
 そう、とってもかわいいのだ。
 柔らかな頬に手を当てた彼であった彼女は、思わず零すように呟き。
「かわいいよ!」
「すっごくかわいい~~!」
「えっ、えっ、……そう、かな?」
「そうだよ、かわいい~~!」
 周りの鬼娘達は笑いながら何度もうなずくと、彼であった彼女の手を引いて店の奥のソファーへと誘導する。
「……えへへ、そっか、ふふ、俺……ううん、あたしってかわいいんだ!」
「うんうん、そうだよう! ね、ね、何飲む?」
 納得しきった彼……彼女は、ふふふとかわいく笑った。
 そんな彼女に品書きを差し出す鬼の娘も、横に腰掛けてかわいく笑い返す。
「ふふー、いちばんかわいいの、どれかなあ?」
「わーっ、良いよ、いちばんかわいいの頼んじゃおう!」

 あまいお菓子はいかが?
 美味しい飲み物だってたくさんあるの。
 すてきな衣に、飾りもの。
 ここには、あなたをかわいくするモノがなんだってあるわ。
 楽しい楽しい、おんなのこだけの宴をはじめましょう。
 どんなむさ苦しい見た目の子だって、この宴に訪れれば――。
 ほら、みーんな、かわいいかわいい。

●グリモアベース
 大祓百鬼夜行が終わったって、カクリヨファンタズムは変わらずカタストロフの危険と背中合わせ。
「と、言う訳で。センセ達には女の子になって頂いて、キャバクラに行って貰うっス!」
 ――突然現れた華美な店。
 平たく言えばキャバクラめいたお店に、周囲の妖怪達が続々と引き寄せられる予知が出たのだと、小日向・いすゞ(妖狐の陰陽師・f09058)は言う。
「このお店の中では誰もかしこもかわいい女の子になってしまって、褒められて気分がよくなって心まで女の子になってしまうっス!」
 男性は、おんなのこに。
 女性は、よりおんなのこに。
 別段ぼったくられる事も無いし、何ならお金すら取られてはしないのだけれども。終わりも無く繰り広げられるかわいい宴をこのまま放っておけば、カクリヨファンタズムの妖怪達は全てかわいいおんなのこになってしまうだろう。
「女の子にされてしまった妖怪達も大半がキャバ嬢――キャストになっているっス。店の中に居ると褒められるし、皆かわいいっスし、居心地が良いンでしょうねェ」
 別に店側だって、彼女達を引き留めようとして引き留めている訳では無い。
 おんなのこになってしまった上で店に在籍している妖怪達は、おんなのこである事を求めている。
 だからこそ上手に避難をさせておかないと、戦闘時に妨害をしてくる可能性があるのだ。
「いい感じに口説くなり何なりで、違和感を抱かない様に女の子にされてしまった妖怪たちを、店外やら安全な場所に連れ出して避難をさせてあげてほしいっス!」
 元凶の鬼娘達は連れ込まれた妖怪たちとは別の揃いの衣装を着ている為、避難させるべき妖怪達はすぐに見分けが付くだろう、と、いすゞは付け足し。
「じゃァ、センセ達、気合いれてかわいくなって来て貰うっスよォ」
 なんて。
 おどけた彼女は頭を下げた。


絲上ゆいこ
 いつもお世話になっております、絲上ゆいこ(しじょう・-)です。
 今回はかわいい感じです。
 かわいくお願い致します。

●受付期間
 マスターページにリンクのあるスレッドや、タグにてご案内致します。

●異変について
 おとなも、こどもも、船も、動物も、ロボも、おとこのこも、おんなのこも。
 お店の中に入った途端、かわいいおんなのこになります。
 例外はありません。
 例外無く、かわいいおんなのこになります。
 女性の方は、もっともっとかわいい最強にかわいいおんなのこになります。
 この店の宴はかわいいおんなのこになる事を受け入れやすくなる雰囲気がある上に、店の妖怪や鬼娘達も皆でかわいいと褒めてくれるので、猟兵達もどんどん気持ちがかわいくなって行く事でしょう。

●一章について
 趣旨:キャバクラでかわいいおんなのこになって、かわいいおんなのことご飯を食べたりお着替えをしたりとキャッキャできます。
 概要:皆さんがこの店の宴に取り込まれて、かわいいおんなのこになりきってしまう前に、かわいいおんなのこになってしまっている妖怪達を店外に避難させてください。
 妖怪達は心からかわいいおんなのこになってしまっているので、良い感じに口説いたり、言いくるめたり、なんとか外に連れ出してください。
 もしくは仲間達が避難をやりやすいようにおんなのこを満喫して鬼娘の気を惹いたりしてください。

●おんなのこの宴
 華美でかわいい建物の中は、かわいいキャバクラっぽくなっています。
 かわいいボックス席ごとにかわいいおんなのこにされた妖怪達が付いて、接待を行ってくれます。
 お菓子や食べ物、飲み物、お洋服やお化粧、アクセサリーなどなど。
 基本はお話をして楽しむ場所ですが、お客様がよりかわいくなる様ならばいろんなモノを勧めてくれる事でしょう。
 ステータスシートの年齢が20歳以上の方には、望めばお酒も提供されます。

●迷子防止のおまじない
 ・複数人でのご参加は冒頭に「お相手のキャラの呼び方とID」または「共通のグループ名」の明記をお願いします。
 ・3名以上でのご参加は、グループ名推奨です。2名でも文字数が苦しい時はグループ名を使用してみて下さい!

●その他
 ・プレイングが白紙、迷惑行為、指定が一方通行、同行者のID(共通のグループ名)が書かれていない場合は描写できない場合があります。

 それでは、かわいいプレイングをお待ちしております!
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第1章 冒険 『一瞬女の子だった』

POW   :    手当たり次第に心当たりを探す

SPD   :    聞き込みなどして原因を探る

WIZ   :    いっそ楽しんじゃう

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

白峰・歌音
うーん、ヒーローなオレがかわいらしいなんてとてつもない違和感覚えるぜー。まあ、こんだけ違和感強かったらそう簡単には飲み込まれないよな、うん。


(救助するつもりが逆にだんだん飲まれていく、結果的に注意を引き補助をする役割を希望)
お邪魔しますだぜーっと。え?かわいい?いや、オレはどっちかっていうとカッコイイ方だと思うんだけれど……そんな事ない?う、見てみると確かにかわいい方かも……いやいや、飲まれるな、オレ?
もっと着飾ってかわいくしよういや、それは(ん?逃げ場の目途とかつけられるか?)それじゃあ、ちょっとだけな?
……わたし、とってもかわいい♪わたし、何だかかわいいの、すっごく楽しくなってきちゃった♪


アリス・フェアリィハート
アドリブや連携等歓迎です

私も…かわいいのは
大好きですけど
おんなのこに
されちゃった妖怪さん達を
助けなきゃです…

囮役で
お店に潜入
味方が
妖怪さん達の避難を
行い易い様に

『わぁ♪かわいいものがいっぱいですっ、こんなお店があったんですね…♪』

【コミュ力】も使い
鬼娘さん達に
お席に案内して貰い

『えっと…お飲み物は…クリームソーダを…あ、このかわいいトッピングのパフェに、ケーキもお願いします…♪』

『このお店の、おすすめのかわいいものは…何ですか…?』

『私…メイクは初めてで…』

かわいいアクセやメイク
お洋服を着せて貰ったり
かわいい髪型にして貰ったり
ぬいぐるみさんで遊んだりして
おんなのこを満喫
鬼娘さん達の気を引きます


神賛・ヴァキア
ジョッキーは男性と一緒にというか男性も負かせなければならない勝負の世界で
気強く生きてきている

今回は愛馬を連れて行ったりはせず一人で行く
まぁ、こんな世界も…



普段は気性の荒いヴァキアですが、
外も中も砂糖吐くくらいあま~くしてやってください。
詳細はお任せで


ロニ・グィー
アドリブ・連携・絡み歓迎!

わ~い!ボクってかわいい?かわいい?
もっともっとかわいい最かわだって!?
そっか~…知ってた!知ってけど~もっとほめてほめて~!きゃ~!
ていうかさ~カクリヨファンタズムの妖怪達は全てかわいいおんなのこになってしまうって?
それ別にいいんじゃないかな!え、ダメ?そっか~!

●申し訳程度のUC使用
言いくるめ、催眠術、郷愁を誘うあたりをレベル1040にして~
かわいいね~♥みんなと~ってもかわいいよ~♥と褒めそやす
是非その姿を友達や家族に見せてあげよう!
ほら、写真も撮ってあげて~!ほらこんなにかわいい!
さあみんなに見せてあげようね~♥
っと妖怪くんたちを送り出そう!



●かわいい! かわいい!
「お邪魔しますだぜー……っと……」
「それじゃ、かわいいお姉さん。すぐに戻ってくるから待っていてね~」
 赤と黒の色彩で統一された、上品ではあるがかわいらしい設えの店内。
 普段であれば絶対に訪れる事の無いであろう店の中を、かわいらしい衣装を纏った店員に促されるが侭に。白峰・歌音(彷徨う渡り鳥のカノン・f23843)は柔らかなレースカーテンで横と仕切られている、ふかふかの大きなソファへと腰掛けた。
「う、うん」
 メニューをとってくる、と。
 キャストが奥へと引っ込んでしまえば、歌音はどうにもそわそわとして座りが悪い様子。
「……どこを見ても、かわいい、なー……」
 なんたって。
 いつもは――マギステック・カノンが助けに来たぜっ! なんて。
 勇ましくヒーロー活動をしている歌音としては、自分がこのようなかわいらしい空間の中に居る事と言う事自体にとてつもない違和感を覚えてしまうもの。
 落ち着かない気持ちを抑える為にも、歌音は何となく周りの客たちの様子の観察を始めた。

 ――ちょうど向かいのボックス席に腰掛けて。
 空色をした大きな瞳でメニューの文字を追う、金糸のような髪の小さな女の子。
「えっと……、お飲み物はっ……」
 ぬいぐるみを膝の上に置いたアリス・フェアリィハート(不思議の国の天司姫アリス・f01939)は、たっぷりと悩んでいる様子で何度もメニューブックのページを行ったり来たり。
「ふふふ、どれでも好きなのを選んでいいのよ」
 そのかわいらしい様子に、横へ腰掛けた鬼娘がアリスの髪を梳きながらくすくすと笑い。アリスはまた、ううんと小さく唸ってから。
 ……勿論、アリスだってかわいいものは大好きだ。
 かわいいものがたくさんあれば、嬉しい気持ちだって分かってしまう。
 それでも、かわいくされてしまった妖怪さんたちを、そのままにしておいて良い訳では無い。
 鬼娘の視線を少しでも引き留めておけるように、アリスはたっぷり悩んだ様子で。
「どれもかわいくて、悩んでしまいますけどっ……、このクリームソーダをお願いできますか……♪」
「アリスちゃんはかわいいから、パフェなんかも似合うんじゃないかな?」
「わぁ……♪ それじゃ、このかわいいトッピングのパフェに……♪ ……ケーキもお願い出来ますかっ……?」
 メニューを決めたアリスの髪の毛をかわいらしく編み込み、結わえ終えた鬼娘は大きく頷き。
「もちろん、とびっきりかわいいスイーツを届けてもらうわよ! アリスちゃんみたいにね。あっ……そうそう。アリスちゃんもかわいくデコレーションしなきゃ♪」
 それから。
 オーダーを通しながらアリスの瞳を真っ直ぐに覗き込むと、鬼娘はクリームとパフを手にとった。
「あ、あの……っ、め、メイクですか……? その、私……メイクは初めてで……」
「緊張しなくていいわ。これはアリスちゃんが、もっともーっとかわいくなる魔法だから」
「……魔法、ですか……?」
「そう、あなたがもっともっとお姫様になる、魔法だよ」
 じっと視線を交わしていると、チークを塗った訳でもないのに、ほわわと朱色に染まるアリスの頬。
「えっと……お手柔らかに……、お願いします……♪」
「ええ、委ねていいのよ」
 笑みを深めた鬼娘は、指先でアリスの頬をなぞって――。

「……わっ、わっ!?」
 歌音はなんだか見てはいけないものを見てしまった気持ちになって、慌てて別の客席へと視線を移す。
 そうして、次に目に留まったのは――。

「わあっ、ねえねえ、見てみて! とってもかわいくなったよ!」
「……そ、そうか?」
 普段はきっともっと、きゅっと冷ややかにつり上がっているのであろう目尻。
 しかし。
 今日はその眦も些か弛んでしまっている様子の神賛・ヴァキア(鞍上大暴走・f27071)は、おうまさんの形にデコレーションされたアイスの乗ったドリンクのグラスを両掌できゅっと包み込み、視線を反らしたまま。
 その横で鬼娘がニコニコと微笑みながら、鏡を彼女に掲げている。
「うんうん、メイクもヘアメイクも、あたしのコーディネートしたお洋服も完璧っ。……うふふ、どう見たって素敵なレディだよ!」
「れ、レディ……」
 ――ヴァキアは元ジョッキーだ。
 ずっと、ずっと、勝負の世界で生きてきた。
 例え相手が誰であろうと勝たなければいけない世界で、気強く生きてきた。
 しかし猟兵として覚醒をしてから――『例え相手が誰であろうと勝たなければいけない世界』へと、更に強く踏み込む事となったのだ。
 そこに性別など必要は無い。
 勝負の世界は、戦いの世界は――、性別で相手は手を抜いてくれたりしないのだから。
「それにしたって、本当にかわいい~~!」
「……そうなの、か?」
 知っていたけれど、知らなかった。ずっと目を背けていた。
 ただただかわいいと褒めそやすだけの、世界があるなんて。
 ヴァキアに向けて鏡をずずいと突き出す鬼娘の姿は、いかにもかわいい。
 真っ直ぐに見つめられてしまうと、同性であるというのにヴァキアも一瞬どきりとしてしまうほど。
「そうだよ、ほら、真っ直ぐ鏡を見てみてよ」
「……わかったよ」
 そんな彼女にもう一度鏡を勧められて、ヴァキアはやっとの事で鏡を覗き込む。
 鏡の中に居たのは、赤い毛をふんわりと巻いた切れ長の瞳に長い睫毛を揺らす――。
「……ね、かわいいでしょ?」
「……かわいい……」
 自分では絶対に選ばないかわいい洋服が、甘やかに自らの体を包んでいる。
 思わず鏡に指を伸ばしたヴァキアは、燃えるような赤の瞳に星を瞬かせて。
「そんなにかわいいのに~~! もっともっと着飾ってみないと、もったいないでしょっ?」
「……もう少しだけ、試してみても、……良いよ」
 思わず鬼娘の誘いにもこっくりと頷いてしまったヴァキアに、とろけだしたお馬さんのアイスを一匙掬って鬼娘は、ヴァキアの唇の前へと差し出して。
「そうよね! そうよね! うふふふ、王子様メイクも似合うだろうけれど……もっともっとかわいいい服も着てもらいたいなあ、ねえ、ねえ、どんなのを着たい? どんなのを着たってかわいいと思うけれどっ」
 ぐぐいと迫られたヴァキアは、差し出されたアイスを一口。
 こくんと飲み干してから、一度視線を反らして。
「……えっと、……それじゃ、アンタみたいな服も、着てみたいかな?」
「わあ~~、いいよ、いいよ、双子コーデしよ~~っ!」

「……」
 歌音はどんどんかわいくなってゆくヴァキアを見つめたまま、ぱちぱちとまばたきを重ねる。
 これだけ違和感があると言うのに、……今となってはなんだかソファの座り心地も悪くない気はしてきているのだ。
 簡単には飲み込まれない、飲み込まれないと思っていた。
 ――それなのに。
「ただいまー」
「えっ、わっ、お、おかえりなさい!?」
 かけられた声に肩を跳ねる歌音。
 鬼娘は一瞬キョトン、としたがすぐに横へと腰掛けて。
「ね、ね、ね。メニューと一緒に歌音ちゃんに似合いそうなパーティドレスも持ってきちゃった~、きっと似合うとおもうよ~」
「い、いや。そんなにかわいいのはちょっと……、オレはどっちかいうとカッコイイ方だしさ? 着飾るのとかは、ちょっと……それは……」
 思わず逃げる先を探して、視線を泳がせる歌音。
 そんな彼女の様子に鬼娘は一瞬、息を呑んで。
「えっ……? そんなにかわいい顔をして……?」
「えっ」
 目を丸くした鬼娘に、思わずつられて歌音も目を丸くする。
「……えっ、えっと、あれ……?」
「ほらほら、ちょっと合わせてみなよ~」
「わ、わ……あ、えっと……でも……」
 服を重ねられた歌音はじたじたするが、その抵抗の動きを止めて。
 ――そうだな、たしかにちょっとかわいい気もするけれど。
 着替えの為に移動するのならば、避難場所の目途だってつけられるに違いない。
 そう、この服がかわいいから着てみたい訳では無くて、目途をつけるためだから。
「それじゃあ、……ちょっとだけな?」
「やった、やったっ、ねねね、メイクもしていいよね? 髪の毛もかわいくしちゃお~!」
「い、いいけどもー……」
 この店に入ってきた時と同じく、鬼娘に導かれるがままに歌音はドレッシングルームへと歩みだす。
 ――そう。
 決して、かわいいとか……そういう、そういうのじゃないからなー!!
 場の空気に飲まれてる訳じゃないけど、違うのだけれども……。
 服とメイクを整えてもらって、鏡の前に立った歌音は――。
「……かわいい♪」
「うん、うん、かわいいっ♥」
 うんうん、かわいいね。

 歌音がかわいい堕ちをしたドレッシングルームのちょうど裏側では、ロニ・グィー(神のバーバリアン・f19016)がいつもよりも更にだぼだぼの姫袖をひらひらと揺らしていた。
「ねえねえ、今日のボクってかわいい? かわいいよねえ? 最かわじゃない?」
「うんうん、もちろんかわいいよお。この世界で一番かも~」
「でしょ、でしょっ? わ~い、知ってた、知ってたけど~、もっとほめて、ほめて~!」
 ソファに寝っ転がって。ゆるーく返事する妖怪に膝枕をして貰った桃色髪の神様は、ごきげんな様子。
 ――このままカクリヨファンタズムの妖怪達がみーんなかわいいおんなのこになってしまったって、ロニは別に良いのだけれども。
 どうやら世界的にはダメらしいと教えられたので、今日も今日とて世界を救うためにボクはがんばっちゃうんだよ~、ぶいっ。
「世界いちかわい~!」
「きゃ~っ、キミもかわいいねえ♥」
 妖怪がきゃっきゃとかわいく褒めてくれれば、ロニは足先をぷらぷらと揺らしながら。
 妖怪の頬に掌を伸ばしてへんにゃり笑って、そのさわり心地の良い柔らかな頬を優しく撫でる。
「ね、ね、写真撮って良い? だってと~ってもかわいいんだもん~」
 軽口を叩きながらも。ロニが彼女としっかりと交わした視線は、決して反らす事無く。
 じいっと見上げる形で、瞳の奥の奥を覗き透かすよう。
「それでね、……そのかわいい姿を友だちや家族にも見せてあげようよ♥」
 ロニの紡ぐ言葉は、まあまあ悪魔的だ。
 突然性別が変わった友達や息子にカミングアウトを勧めた上に、その姿を見せてあげようというのだから。異変に対して心が広い妖怪達とは言え、すこしはびっくりしてしまうし、戸惑う事だろう。
 しかし。
 彼の言葉に籠められた異能は、妖怪の耳を、脳を、心を、蝕み、食らいつき、離さない。
「……そうだよ、ね、かわいいもんね」
「うん、うん! と~ってもかわいいよ! そんなのみんなに見せてあげなきゃ、ダメダメだよ~」
「そう、だよねえ」
 ロニの言葉が甘く響くと、くすくすと笑った妖怪はすっかりとろけた表情で頷いて。
「じゃあ、見せにいこうかなあ」
「あっ、もう行くの~? きっと皆喜ぶよ~! あ! この席にほかのコを呼んでもらってもいい~?」
 ボクがさみしいからねえ、と。
 袖をひらひらさせるロニに、妖怪はこっくり頷いて。
「うん……」
「わ~い、ありがと~♥」
 膝枕から上半身を起こしたロニは、口元を隠してくすくす笑う。
 ――さーてさて。
 この調子であと何人、外に誘導できるかな~?
 そうしてロニはかわいいグラデーションのかわいい飲み物をかわいく飲むと、次の娘に向かって再び手をひらひらと振るのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

雨野・雲珠
【八重】
※かわいくしてください🌸

事故の予感しかしない
あの俺きっとお見苦し…(鏡を見てぽうっと)
わぁ…お可愛らしい。これが…俺…?

深山さ…うわーー!どういうこと!?
ムキムキの若頭はいずこに…
えっそれどうなってるんですか!?
胸部に小玉スイカが…うわうわ怖いなにこれ
あっかみさま…かみさま!?
いえお綺麗です、お綺麗ですけどなんでメイっ……に、にー…(パシャ)

さりげなくかみさまを真ん中にして座ります
なんだかすごくキラキラでまぶしい
これが女の園…!
口説けなくとも、できるだけ仲良くなって
皆でごはんに行きませんか?って誘ってみましょう。
この間(の戦争の時)おいしいお店見つけたんです!
(※図らずもアフター)


深山・鴇
【八重】
ぼんきゅっぼんな巨乳な女の子になる、その他はお任せ

逢真君は君、そっちの方が健康的だな…メイド?似合うけどメイド
雲珠君は可愛いぞ、自信を持っていい可愛さだ(スマホでばっちり二人を撮っておく)
(若頭って言ったな、雲珠君最近隠さなくなってきたな)
元々胸があるからじゃないか(雄っぱい)

まずは心まで女の子になってしまう前に店の妖怪を逃がそう
折角そんなに可愛くなったのだから、他の人にも見せるべきじゃないか?きっと皆が褒めてくれるよ、とか上手く外の妖怪達に見せに行くように促す
(店外へ連れ出せた人数を三人で競う、勝敗お任せ)

うーん、これだけ可愛いともう女の子でもいい気がしてきたな…いや、男には戻るが


朱酉・逢真
【八重】 血色の良い色白スレンダー女子に 物理接触不可
心情)アアいつもより《宿(*からだ)》が軽い。コッチ(*女性)のほうが相性いいンだ。胸あンまねェが十分サ。髪下ろすかァ。ひひ、編んでたせいでウェーブかかってら。《服》も編み直そう。前に着たメイド服でいいか。深山サンも雲珠坊もかわいいかわいい。ふたりとも元ッからかわいいからなァ。写真撮ンのか? いいぜ、ほれ雲珠坊。1足す1はァ?
行動)メイドなンで貞淑に促そう。(メイドではない)おかわいらしいお嬢様がた、お披露目会のお時間ですわ。外にお車を待たせております。どうぞいらしてくださいまし。ひひ、精神汚染もこのメンツじゃ楽しいばかりだ。アアおかしい…



 赤と黒の色彩で統一された、上品ではあるがかわいらしい設えの店内。
 おんなのこたちは、誰もがすごくキラキラしていて、まぶしくて――。
「わぁ……えっ、……わあ……?」
 鏡を向き合って両頬を抑えた雨野・雲珠(慚愧・f22865)は、いつもよりも自分のほっぺたがもちもちですべやかになっている事を発見した。
 桜と空の色を宿した瞳はくりくりとまあるくて。
 少し身長の縮んだ体は、細身ながらにやわらかな丸みを帯びている。
 そう、これは、どうみたって。
「……お可愛らしい」
 『かわいいおんなのこ』であった。
「うん、うん、そうだよ、かわいいねえ!」
「あっ、あ、ありがとうございます……」
 ――きっと見苦しくなると、事故の予感しかしていなかった。
 しかし。
 実際かわいいおんなのこになってみれば、本当にかわいいおんなのこになってしまったもので。
 微笑みながら鏡を持つ妖怪のキャストに褒められてしまえば、雲珠はかっと頬が熱くなるのを感じる。
「あ、深山さんとかみさまは――」
 なんだか暖かくなってしまった頬を隠すように掌で抑えたまま、雲珠は本日の同行者達へと振り向き。
「……えっ、う、うわーーーっ!? ど、どういうことですか!?」
 そうして。
 まあまあ絹を裂くような声を上げて、雲珠は驚いた。
「うん、女の子になっているね」
 冷静な声音には、たしかに面影がある。
 黒の先を彩る桜色は代わりはせずとも、その姿は随分と変わってしまった。
「その髪色は深山さん……!? えっ? なんで? ムキムキは……ムキムキ若頭はいずこに……?! えっ、うわうわうわ、胸部も小玉スイカくらい腫れ上がっていません? えっと……大丈夫ですか? 俺、応急手当くらいなら……」
「うん。雲珠君、手当は大丈夫だよ。しかし君。最近は隠さなくなってきて、随分良くなってきたね」
 迷いなく若頭って言ったなあ、なんて。
 深山・鴇(黒花鳥・f22925)の面影の残る娘は、引き締まった腰になだらかな丸みを帯びた尻。
 ぼんきゅっぼん。
「しかし、随分と大きくなってしまったものだ」
「うわ、うわーっ 何!? これはなんですか、なんですかこれは!? すごい腫れ!?」
 メリハリがしっかりとしたおんなのこの姿となった鴇が振り返ってくすくす笑うと、ばるんと胸が揺れる。
「何って、元々胸があるからじゃないか?」
 そして彼は――彼女は、胸筋よりもずっと柔らかで大きな胸を抑えるように手を当て。その圧に自分自身ちょっと目を丸くした。
 わっ、なんだこれエゲツないな。
「うわうわうわうわ、怖い、か、かみさま……かみさま!?!?」
「それにしたって、そこまで必死に助けを求める程、怖いかい……?」
 ばるるんと揺れる胸と共に響く、鴇のちょっぴり切ない呟き声。
 巨大おっぱいに追い詰められた雲珠は角笛を手に。
 牽制と威嚇を行いながら、朱酉・逢真(朱ノ鳥・f16930)に助けを求めて振り向いて。
「ひ、ひ……、深山サンも雲珠坊も、かわいいかわいい。ふたりとも元ッからかわいいからなァ」
 どう考えたって雲珠の助けを求めた先は、人選ミスであったと言わざる得ないのだが。
 彼の助けを求めた先にはふわふわとウェーブのかかった黒髪を揺らした、細身のメイド服少女が立っていた。
 勿論そのメイド服の少女こそが、助けをもとめた『かみさま』――逢真その人である。ちなみにメイド服は自前だ。
「え、えっ!? なんでメイ……ッ!?」
 予想外の事が続きすぎて絶句した雲珠は、目を白黒。だって『かわいいおんなのこ』になるとは聞いていたが、メイド服に自動に着せ替えられるとは聞いていないし、小玉スイカの話も聞いていない。
 前門の巨大おっぱい、後門の謎のメイド服。
 混乱の絶頂へと陥った雲珠は、万事が休した様子で角笛をぎゅっと握りしめて――。
「おや、随分と健康的な顔色だな。メイドも似合ってるね」
「アア、いつもより宿が軽いンだ。元より俺はコッチの方が、相性がいいからねェ。ナ、綺麗なモンだろ?」
「そうだね」
「そうだろゥ」
 なんでメイド服になったんだろうという表情を浮かべながらも。スマホのカメラアプリを起動しながら鴇が応じれば、逢真はいつもよりも血色の良い頬をにんまりと笑みに歪め。
「いえ、たしかに、たしかにお綺麗です。……お綺麗ですけど、どうしてメイド服を……」
 理解のできる言葉で尋ねられた事で、雲珠は言葉を取り戻し。
「うん。逢真君は綺麗だし、雲珠君は可愛いぞ、自信を持っていい可愛さだ」
「えっ、あ、ありがとうございます?」
 その勢いで現在最大級の疑問を口にしようとしたが、鴇の重ねた言葉と構えたスマホに掻き消されてしまった。
「ひひ。ほれ写真だ、雲珠坊。1足す1はァ」
「っ……に、にー……」
 角笛を構えた雲珠とピースをする逢真の写真をばっりり撮影した鴇は、にっと笑って画面を二人に見せて。
「うん、かわいいかわいい」
「ウンウン、かわいいよゥ」
「……そうですね、かわいいですね」
 難しいことがおおすぎたので、雲珠はそのまま考えることをやめる事にした。

 ――案内された先の、ボックス席。
「しかしみんな、本当にかわいいねえ~」
「うんうん、もっともっとドレスアップしたげたいなー」
「メイドさんのお洋服、本当に似合ってるねえ。二人もお着替えしないの~?」
 ふかふかのソファの上で妖怪たちが、逢真に万が一にも触れぬよう。
 メイドを真ん中に据えたフォーメーションで、鴇と雲珠が左右を固めて座っている。
「着替えなくとも、両手に花ってェもんさ」
「たしかに、お花~! 大きめのお洋服でもかわいいねえ」
「かわいいかわいい~」
 逢真が喉を鳴らして笑うとその周りに腰掛けた妖怪のおんなのこたちは口々に、更に三人を褒めそやしてはじめて。
 鴇はできるだけ平常心を保ちながら、グラスを傾けておんなのこたちに尋ねる。
「いやいや、皆も本当に可愛いよ。どうやってそんなに可愛くなったんだい?」
 かわいいの言葉はじわじわと心を溶かして、次第に全てをおんなのこにしてしまう毒のようなものだ。
「かわいくなろ~って思ったら可愛くなるよね!」
「お化粧しましょうよ~、もっとかわいくなるよ」
「ああ、そりゃアいい」
 触れさせる気も無いのに、逢真はにんまりと笑って相槌を打つばかり。
 その言葉に妖怪たちはもっとニコニコと微笑んで。
「鴇ちゃんも、しよしよ~」
「雲珠ちゃんも、もっともーっとかわいくなれるよ♥」
「ありがとうございます! では、……その。もっともーっとかわいくしてもらったら、皆でごはんに行きませんか?」
 妖怪のおんなのこ達の言葉に、雲珠はまた頬を朱色に染めて。この間美味しい店を見つけたのです、とニコニコと微笑んで応じる。
「やーん、いいね。お誘いうれしい~、いこいこ~」
「アフターを誘うなんて、やるね、雲珠くん」
「あふたー……?」
 妖怪たちの難しい言葉にきょとんと首を傾ぐ雲珠。その様子に鴇は肩を竦めて。
「しかし、そうさな、俺もご飯に行くのは賛成だ。可愛くなったなら他の人にも見せるべきだろう? 皆もきっと褒めてくれるだろうしね……俺達だけじゃなくて、君達も、ね?」
 なんて。妖怪のおんなのこ達と視線を交わして、ぱちんと鴇がかわゆく片目を瞑って告げると。
 おんなのこたちは最早、一緒にご飯を食べに行く気満々のようで。
「それでは……、おかわいらしいお嬢様がた、お披露目会のお時間ですわ」
 貞淑たる佇まいで微笑んだ逢真の言葉の奥には、どうにも心地の良い音が響いている。
「外にお車を待たせております。どうぞいらしてくださいまし?」
 実にうさんくさい内容である、とは彼女たちも感じたのだろう。
 しかし。
 なぜだか耳を傾けたくなるその声に女の子達はこっくりと頷き、立ち上がって。
 ――実は、三人はどれだけ女の子を口説いて外で連れ出せるか、の競争をしている。
 ちらりと言葉で精神を蝕むかみさまを見やった鴇は肩を竦めて、口説くのにユーベルコードを使うのは強すぎないかい、と言った視線を投げかけ。
「……チームプレイという事で、今回の人数は分け合わないかい?」
「ほほう。まァ、いいよゥ?」
 逢真がけらけらと笑う横で、雲珠が突然何かに気づいた顔をした。
「――あれ、もしかして。俺たち、今、女湯に女装して入るみたいな事してます……?」
 気づいてはいけないものに気づいてしまった顔の彼に、鴇と逢真は心底おかしげに眦を和らげて。
「大丈夫だよ。女性が接待を行うただの酒場だからね」
「……はい、いえ、それなら良いのですけれど……」
 それならば、なぜ女の子になる必要があるのだろう。
 犯罪の類では無いさそうなことに雲珠は胸をなでおろしながらも、新たな疑問が生まれてしまう。
 ――世界には不思議な事ばかり。
 鼻をふっと鳴らして笑った鴇は、大きな胸をまたばるんと揺らして鏡を覗き込み。
「うーん、これだけ可愛いともう、女の子でもいい気がしてきたな……」
 妖怪のおんなのこたちと外へと向かいながら、だんだん気持ちがおんなのこに飲み込まれだしている自分に気がついた。
 ……いや、うん、大丈夫。男に戻る気はあるからね。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

鈴久名・惟継
【幽蜻蛉】
遵殿もか~わ~い~い~
いやいや、前(胸)も後ろ(尻)も重たくてな
これだけの抜群なスタイルなのにどうして……やかましい!
遵殿もあれだ、スレンダーというやつだな
それも可愛いだ!

……っは、いかんいかん……色々取り込まれる所だった
いやはや幽世は改めて恐ろしいものだ
うん……?はは、ボリュームがある女性が苦労するものだな

おうとも、こうした所ではフルーツ盛りみたいなのがいいらしいぞ
それに女子らしい感じがする!
それから重ねたグラスの一番上から酒を注ぐのはどうだろう

おぉ、遵殿のもいいな!
こうした酒の場は二次会も醍醐味の一つだ
これが終わったら二次会に行こう
最近は締めパフェというのがあるそうだぞ


霞末・遵
【幽蜻蛉】
かーわーいーいー
えー惟継さんめっちゃ可愛いじゃん。スタイルもいいしなんで彼氏いないの?
爪だって塗ってないのにつやつやじゃん。うらやましー
木と金属以外にこんなに可愛さを感じるなんて

いや待って今ちょっと正気に戻った
こわいなー。幽世こわいなーマジで
でもなんでだろう。謎の悔しさを感じる(ささやかな体形を撫で下ろす
……よし。飲もう

ねえねえ注文いい?
すっごい大きくて可愛くて、みんなで飲めるようなお酒欲しいなーって
写真撮りたいからキラキラにしてよねー
締めパフェってなにそれ可愛いじゃん
お姉さん絵描くの得意だからさあ、みんなで作ろうよ
鬼ちゃんたちも集まって案出して出して。最高に可愛いの考えちゃお



「えーー惟継さん、か~~わ~~い~~い~~!」
「え~~、遵殿も、か~~わ~~い~~い~~!」
 案内された先のふっかふかのソファに横並びに腰掛けた霞末・遵(二分と半分・f28427)と鈴久名・惟継(天ノ雨竜・f27933)は、互いにかわいくなったお顔を確認し合う。
 立派な胸筋はすべて、丸みを帯びたふくよかな乳房に変化したのであろう。
 丸みを帯びた尻に、大きな乳房、キュッと締まったウエスト。
 流水のように美しい青髪を揺らしたかわいい竜神と成った惟継は、赤くて大きな遵の瞳を覗き込むとうっとりと呟いた。
「遵殿は線が細くて本当に可愛いな……、細くてスレンダーってやつだな?」
「惟継さんこそ~、爪なんて塗っても無いのにつやつやじゃん」
 そんな惟継の細く華奢な手をとって、眦を緩める遵の肌は白くすべやか。
 月明かりを浴びたようにきらめく銀色の髪も美しく。ボリュームこそ控えめだが確かな女の丸みを帯びた遵の姿は、どこからどう見たって儚げでかわいい悪霊である。
「は~~、スタイルもいいしうらやましー。え~~、なんでなんで? 不思議~~、木と金属以外にこんなに可愛さを感じるなんて……」
「いやいや~、前も後ろも重たいばっかりでなー」
 惟継の謙遜の言葉に、ほうと憂いを帯びた吐息を零した遵は、すべやかな爪をじいっと見つめてから、視線を上げて。
「なのに、なんで彼氏いないの?」
「やかましい!」
 そこまで茶番を繰り広げた二人は、はっと同時に肩を跳ねてかぶりを振った。
「いや、待って、今なんか、一瞬おんなのこになってなかった?」
「っは……、いかん、いかん、いかんいかん。取り込まれる所だった……」
 二人は近づきすぎた距離を少しだけ開けて、ソファへと改めて背を預けなおした。
 赤と黒の色彩で統一された上品ではあるがかわいらしい設えの店内は、かわいさと共に調度の高級感を感じられる。
 席と席を仕切るカーテンすらもかわいくて、こうやってココに座っているだけで――。
「いやはや……かわいい……」
「待って、今正気に戻る流れだったよね? なんでまた惟継さんさん取り込まれちゃってるの?」
「はっ!? ……改めて恐ろしいものだな、幽世とは……」
 惟継を揺らして正気を取り戻させた遵は、コクコクと頷いて。
「うーん、わかるなー。こわいなー。幽世はこわいなー、マジで」
 自分たちの住処の世界ではあるが、すぐにカタストロフするし幽世は実際に怖い世界だ。
 悪霊もいるし、竜神も闊歩している。
 惟継と自分の体を見比べた遵は、瞳を瞑って、開いて。
「……よし、飲もうか。ねえねえ、注文いいー?」
「おうとも、こうした所ではフルーツ盛りみたいなのがいいらしいぞ! それから重ねたグラスの一番上から酒を注ぐのはどうだろうか?」
「んー、いいね。すっごく大きくて可愛くて、皆が飲めて写真映えもしそうだねえ」
 惟継と遵の交わす言葉に、ボックス席へと向かってきていた妖怪たちも首を傾いで。
「えっ、何々、シャンパンタワーするの?」
「えっ、あれかわいいけど、職人さん呼ばなきゃいけないよね? 今日いたっけ? うちらでやっちゃう?」
「かわいくできるかなー?」
 妖怪のおんなのこたちが交わす言葉には、遵が少し興味深そうに顔をあげた。
「へえー、ああいうのって職人がいるんだ、ああいうのって。えー、やっていいなら一度やってみるのも楽しそうだなあ。おじさ……お姉さん、できるまでやるとか完成するまでやるとか得意だよ」
 未知のものを体験する事は、楽しいもの。
 うっかりグラスを落としてしまっても浮かす事だってできるだろうし。
 それに割ってしまっても、それはそれで綺麗かもしれない、なんて。
 遵は顎に人差し指を当てて、ううんと瞳を細め。
「おお、俺も手伝おうか?」
「えー、惟継さんのその体で繊細な動きできる?」
「飲む事は得意だぞ」
「んー、なるほどねえー」
 やっぱりちょっとスレンダーすぎる体つきを気にしているのかもしれない。
 遵は平坦な体をなでおろしてから、妖怪の娘達へと視線を上げて。
「そういう訳で、皆、お姉さんと一緒にシャンパンをタワーしない?」
「いいよ~、かわいくしよー、光らせるヤツもいっぱいあるし、ぴっかぴかにしよ!」
「おぉ、よし。なら俺も準備を手伝おう!」
 惟継が力仕事なら任せろと言わんばかりに、うきうきと妖怪のおんなのこ達の背を追いながら。
 そういえば、と思い出した様子。
「最近は締めパフェというのもあるそうだな」
「えっ、なにそれ、めっちゃかわいい概念じゃん。いいね~~、パフェも皆で作ろうよ。お姉さん絵描くの得意だからさあ」
 その提案にまた遵は赤い瞳を輝かせて、美少女スマイルを見せた。
 何かを作る事は楽しいもの。何がなくとも毎日滅びかけてるやばい世界で楽しく生きるコツは、楽しくなることだ。
「ほらー、鬼ちゃんたちも集まって、案出して出して! 最高に可愛いパフェとタワーを考えちゃお」
「ええーっ、かわいいのやるの?」
「何々、いいねー、何するの?」
 声掛けにわちゃわちゃと集まってきた鬼娘や妖怪のおんなのこ、――店を構成するキャスト達は、遵を中心にわいわいと相談を始め。
「そら、俺はこっちのグラスを……あっ」
「あっ」
 そこに。
 シャンパンタワーを作り出している妖怪たちを手伝おうと立ち上がった惟継は、普段自分には無いばるんばるんの乳房をグラスに引っ掛けて――。
「……」
 がしゃん。
 きらきらと散るガラスを見つめながら、遵は再び謎の悔しさに苛まれるのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

佐那・千之助
クロト(f00472)、かわいい…!!!
常にかわいいが美少女クロトなんてもはや天変地異ではないか
ほら、誘拐されないよう手つなご…

そしてミニスカメイド服を着せる
私の趣味じゃ、悪く思え
暗器?かわいいを作るための犠牲になったのじゃ
全城が傾くかわいさ。でも何処の城にもやらぬ!
ぎゅっと抱きしめて
あ、首筋超絶美味しそう…

色々と理性がぐらつくが、辛うじて持ち直して
かわいい妖怪さん達、今夜は流れ星が見えるのじゃ
この店の近くでは装飾が眩しくて星が見えぬが
幾らか離れればよく見える
流れ星に更にかわいくなれるよう願えば叶うとか…
クロトはさっき願ってきたのじゃよね?
(ここで可愛い仕草を、と目配せ
ほらもうかわいい…っ!!


クロト・ラトキエ
千之助(f00454)の方が
誘拐されそうな美少女なんだが??

しかし、何コレ。若返り…?
(女顔・成長も声変わりも遅かった
(体以外は昔の自分によー似とる
(半諦念により口調も若干、素…

かわいい子達に囲まれて御大尽…
贅沢なシチュエーション!
…の筈なのに…
何が悲しゅうてミニスカメイド!?
趣味!?
じゃあ仕方な…く無いですかーらーねー!
(しかしハグで許せた。チョロかった…

かわいい言われる毎に切なくなるこの現象…
実に納得いかないながら、誰かさんに可愛い連呼されるから、
耐性付いたんかな…(遠い目)

受け入れようにも難易度高い事、ありますよね。
お電話妖怪さん…(心の声)

かわ…願っ!?
えーと…
(頬に手を当てきゃるん☆



「かわいい~」
「うんうん、かわいい!」
 ドレスアップを手伝ってくれたかわいい妖怪のキャストたちが、手を叩いて褒めそやしてくれている。
 しかし、しかし。
 それ以上に――。
「……クロト……クロト! かわいい……、ああなんじゃ……、すごい、いい、……何の奇跡……? ……かわいい……かわいすぎ、では……?」
 感極まった様子でうわ言のようにかわいいと何度も呟き続ける佐那・千之助(火輪・f00454)の方が、褒めのレベルが数段上であった。
「……」
 彼……否。彼女に永久にかわいいと褒められ続けるだけの存在と化した、ミニ丈のメイド服に身を包んだクロト・ラトキエ(TTX・f00472)は、そんな千之助の横に腰掛けたまま遠くを見ている。
「クロト……誘拐されないように手つないどこな……、桜も、月も、今のそなたを見たら攫ってしまうじゃろからな……」
 ――なんたって、なんたって。
 尊さとか言うやつで今にも泣き出しそうな千之助の憂いを宿した紫色を覆う、普段から長いと感じている睫毛は更に長く。
 壊れ物に触れるようにそっと重ねられた指先は、どうみたって華奢で、握れば折れてしまいそうだ。
 陽光色の髪を、妖怪のキャスト達にきれいに編み込まれた千之助は――。
 ……千之助の方が、よっぽど誘拐されそうな美少女なんだが……???
 昔から女顔で、声変わりだって遅かった。
 眉根をきゅっと寄せるクロトはそりゃあ体こそはおんなのこのモノとなっているが、今の姿は第二次性徴前の自らによく似た姿だと自己分析していた。
 ――自己分析を続ける。
 自らを俯瞰して考えてみれば、クロトはかわいい妖怪のおんなのこたちに囲まれて御大尽。
 普段であれば、とってもとっても贅沢なシチュエーションだ。
 そう。
 何故か自分の体が少女になっていて、ミニスカメイド服さえ着ていなければ。
「……僕は一体、何が悲しゅうてこんなことに……?」
「ああ。私の趣味じゃ、悪く思え」
「……えっ、これ趣味ですか!?」
「ああ、趣味じゃ。暗器にはかわいいを作るための犠牲になってもらった。いや、太ももに仕込むというのも悪く無い……」
 謝っているのだか何なのだか。
 話しているうちに更に不埒な事を思いついたようで、千之助が重ねた掌に少し力を籠める。
「成程、それなら仕方な……、……く、無いですからね!?!?!?」
 クロトは力説する彼に絆されかけたが、絆されてはあげない。やはりメイド服については納得がいっていないのだ。
「すまん、しかし――全城が傾くかわいさが作れたと私は思っている。しかし、しかし! 何処の城にもやらぬ!! ずっと、ずっと私の……!」
「……ッ!?」
 素直に謝りながら、ぎゅっとクロトを抱き寄せた千之助。
 普段とは違う柔らかな体の首筋は彼のにおいなのに、もっとあまいにおい。
 それでも普段と同じ様に、自らの胸がときときと跳ねている事にクロトは気づいてしまう。
 ――ハグ一つで絆されてしまうなんて、自分でもチョロいとは思ってしまうけれど。
「……もう、今日だけですよ」
 甘やかに千之助の耳元で、囁くクロトの声。
 千之助は目を見開いて、抱き寄せる指先に力を籠めて――。
 ああ~~、首筋超絶美味しそう……、流石に今は……今はだめじゃよね……。
 自らのダンピールとしての悪い部分と理性の、戦いを始めていた。
「わーっ、ハグしててかわいい~」
「私達もハグしたーい」
「ふふ……、クロトをハグして良いのは私だけじゃ。……じゃよね?」
「そんな事言わせないで下さい……」
「わ~~、かわいい~~」
「うふふ、かわいい~~」
 妖怪たちに囃し立てられて、ぐんぐん切なさが胸に溜まってゆくクロト。
 ――しかし。
 それでおんなのこになってゆく感じは一つも感じられない。
 ――毎日のようにかわいいと連呼されているから、すでに耐性がついているだけなのかもしれない。
「いや待て……そんな耐性ある……?」
 嫌な事実に気がついたクロトは、ハグをされたまま思わずめちゃくちゃ素の声で呟いてしまうのであった。
 イヤイヤイヤ。
 こちとら親みたいな歳のおじさんなんだが??? 実際女顔なのは否定できないけども、耐性ができるほどかわいいって言われてる……ってコト……???
 そりゃあ、イヤではない。
 そう、本当は、嬉しいです。
 それでも、それでも。
 ――受け入れようにも難易度高い事って、ありますよね。
 お電話妖怪さん……。
 そうして。
 クロトはふるふると心の中の骸魂妖怪に語りかけながら、かぶりを振るのであった。
 そんなクロトを見下ろして、口を開いて、閉じて、開いて、閉じて。
 何とか口を閉じてクロトを離すコトに成功した千之助は、ソファへと腰掛ける妖怪のおんなのこたちへと顔を向けて。
「そういえばのう、知っとるか? かわいい妖怪さん達」
 妖怪たちを見ているような顔で、かわいい飲み物を手渡されてかわいくグラスを傾けるクロトの姿を凝視しながら言葉を次いだ。
「今夜は流れ星が見える夜なのじゃ、この店の近くでは装飾が眩しくて星が見えぬが……幾らか離れればよく見えるだろうな」
 その話の流れが外へと連れてゆく作戦だと気づいたクロトは、アイコンタクト一つ。
 ――何かできることがあったら、教えて下さい。
「そうじゃな、例えば流れ星に更にかわいくなれるよう願えば叶うとか……、クロトはさっき願ってきたのじゃよね?」
 完璧に理解した千之助は、一度小さく頷いて。
 完全に理解している千之助は、完璧に理解しているのでクロトにここで可愛い仕草を、と無茶振りの目配せを一つ。
「へー、そうなんだ! かわいくなれた?」
「……かわっ、願……っ!? え、と……」
 想像もしていなかった無茶振りに、クロトは一瞬動きを止めてから。
 両手をきゅっと可愛い角度にして、頬に当てて可愛いポーズをとった。
 きゃるん。
「ほら、もう、かわいい……っ!!」
 刹那、クロトが一番かわいいから優勝のポーズをとる千之助。
「あ、ほんと。かわいい~。後で行ってみようかな?」
「あたしもいこっかなあ」
「じゃろ!!!!!」
 なんて、千之助と妖怪たちがわいわいとお話する横。
「……」
 かわいい。
 ――クロトだけは謎の無力感に苛まれていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

キラス・レスケール
†神ちゅん†

俺様は神だから性別は些末な問題ではあるが……まぁよい
今日の俺様は神でありながらかわいいおんなのこだ

折角の機会だ
オセロは以前、レディにいいねされたい、キャアされたいと言っていたからな
神でありかわいいおんなのことなった俺様がその願いを叶えてやろう
それはもうオセロの発言全てにいいねしていくし、キャアの合いの手も入れよう
気にするな、俺様は神だからな、オセロの願いをどこまでも叶えていこう

さて、十分にオセロをいいねしたら人々を助けねばならんからな
かわいさの中にも【威厳】を見せた神の話術で外に連れ出すとしよう
その間もいいねしていくぞ

※【優しさ】満点のかわいいおんなのこな俺様神様
なんでもやります


オセロ・コールブランド
†神ちゅん†だぜっ

ヤローの8割近くは一度美少女になりたいと思ってるんスよ。
ちょっとばかしサヨナラだぜ、マイサン……!

どうせオンナノコになるならとびっきりの美少女になりてえ。
あっそこのきれいなオネーサン!おすすめコーデない!?
(いろいろメイクアップしてもらって出てくる)
アタシヨォ!(ほんのり高い声)
オッケーかなりありだぜ!
†神ニーサン†はどこかニャア…

(居た)(ホゥ)(トゥンク)

♡女神♡ニーサン…!やべえよテッペン狙えるよ。
エッアタシも可愛い?マジ?ンェヘヘ自分でもちょっと思ってたってゅぅヵ…アッ全身のいいねがキく!美容にいい!
やる気マンゴスチン!
じゃ、ちっと避難誘導、いっちまいますかぁ!



 この世の男の8割は、一度くらいは美少女になりたがっているものだ。
 ――オトコノコのホントアンケート、オセロ・コールブランド(宣誓剣・f05438)調べ。
 そのためには大切なモノと、少しばかりお別れが必要になるのだけれども。
 またすぐに会えるよね。
 だから、今は、おやすみ、マイサン――。
「俺ァー! 今日はちょっと特殊なタイプの青春をすんスよ!!」
 赤と黒の色彩で統一された、上品ではあるがかわいらしい設えの店内。
 店内に入って来た赤い髪の神――キラス・レスケール(†神†・f16415)と、黒髪のやかましい少年――否。
「ほう、まあ俺様は神だから性別なんて些末な問題ではあるが……、オセロに付き合って神でありながらかわいいおんなのこになるとするか」
「ンヘーィ、店に入った瞬間に最早かわいいオンナノコじゃねースか! ンアーーッ、あれじゃん、えっ、マジで!?!? ヤバイじゃん!!!!!!」
 黒髪のやかましいおんなのこ、オセロは自らの体をパンパンして目を見開いた。
「うむ、オセロがご機嫌で俺様も嬉しい」
 オセロが嬉しいことはキラスだって嬉しいもの、だってキラスは人間大好き。
 シマエナガが跳ねて移動するような動きで、キャストの妖怪に駆け寄ってゆくオセロを見送って。
「そこのきれいなオネーサン!! 俺に……いいや、アタシにとびっきりの美少女コーデを施してほしいっス!!!」
「ま、かわいいに意欲的なのね」
「どうせオンナノコになるなら、美少女になりてえっスからね!!」
「ふふ、わかったわ、世界一お姫様にしてあげる」
「っシ! ありざーーーーっス!!!」
 ドレッシングルームへと向かうオセロを後方彼氏のポーズで見守ったキラスは、よしと顔を上げて。
「俺様も世界一の神のプリンセスにして貰おう」
 ――オセロが以前願った願いを思い返しながら、妖怪へと告げるのであった。
 くるくる、しゅたん。
「アタシヨォ!」
 甲高いおんなのこの声。
 華麗な動きでむやみに武闘の構えをキメたオセロは、カーテンで仕切られたボックス席をぐるりと見渡して。
「よーしよし、†神ニーサン†はどこかニャア……? 世界一のお姫様がご到着っスよ!?」
 かなりアリよりのアリの姿に変身した美少女オセロは見慣れた赤髪を見つけると、さっとシュタっと明らかなる神へと忍び寄って――。
「キャッ!?」
 オセロは肩を跳ねて、黄色い声を上げた。
「来たかオセロ、そこに腰掛けるが良い」
「は、ハヒッ!」
 そこに腰掛けていたのは、オセロにとっての女神であった。
 美しい赤髪はまるで、ベルベッドのようになめらか。ふさふさと長い睫毛。
 真っ赤なドレスを纏ったキラスの姿は、スタイルが良いというのはきっとこういうコトを言うのだろうと思わせる説得力があった。
「め、♥女神♥ニーサン…♥♥♥ やべえよテッペン狙えるよ……」
「キャア! うむ、そうか? しかしオセロもかわいいぞ、安心するが良い」
「エッ♥ アタシも可愛い? マジ? ンェヘヘ~~、自分でもちょっと思ってたって、ゅぅヵ……」
「♡いいね」
「あっ、いまアタシの♡いいねボタンおした!?」
「♡いいね」
「アッ、アッ、アッ! 全身のいいねがキく! 美容にいい!」
「♡いいね」
「溜まってきてる! ♡いいね溜まってきてるっス!!」
「うむ、うむ」
 満足げにうなずくキラスは、キャアもしてあげる。
 ――神でありかわいいおんなのことなった今のキラスは、オセロの願い『レディースにモテて、キャア言われたいだけ』をどこまでも叶えてあげるコトができるのだ。
「♡いいねは効いてきたか?」
「効いてきたっスけれど、奇数回で止められると♥いいねが♡いいねでとまっちゃうっス!! ンェエエエエッ!!」
「なるほど、キャア! ♡いいね」
「やる気マンゴスチン~~!」
 ここに今あるのは、最高の合いの手。
 そして最高のおんなのこの神と、最高の美少女がいれば、なんだってできる。
 オセロはそう信じているのだ。
「よっし、♥女神♥ニーサン! かわいいおんなのこの為にはじめるっスよ!」
「キャア! ♡いいね、やはりオセロはイイことを言う。それでは妖怪のかわいいおんなのことお話を始めようではないか」
「黄色い悲鳴!! 染み込む~~~!! やるっすいくっすやれるっス~~!」
「ああ、それでこそオセロだ。♡いいね!」
「はニャーーーッ!! 強い刺激が五臓六腑に染み渡って痙攣しそう!!!」
 ――こうして。
 騒がしい二人のおんなのこ達は、なんだかんだで妖怪のおんなのこ達のナンパを始めるのであった。
 ――それが成功したのか、失敗したのかは神のみぞ知るのであろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

終夜・嵐吾
【嵐雅】

せーちゃんがかわいいじゃ、と…
今日は…せぇこちゃんじゃな

かわっ…(ぼひゅと照れ)
わ、わしはかわいくなんかないんじゃもん!!もん!!

もふもふはもふでもふじゃからもふもふじゃけど
かわいいもふかの?もふがかわいいのはわかる
もふ!(ゆらす(自然と可愛いしぐさになる

女の子は女の子というだけでかわいいんじゃよ
じゃが皆はかわいいおぶかわいいじゃ!(きゃっきゃ
あ、そうじゃね。さっきサイン貰って秘訣を教えてもらったんじゃ
良く寝る子はかわいくなる、と他にも教えてくれよるようじゃよ
行っておいで~

行ったかの?
はぇっ!?
や、可愛い女の子でもそんな甘味の好みは、あっアッアッアアアア~~~~(何かに絶望する声)


筧・清史郎
【嵐雅】

らんらん、俺も可愛い女子になっているだろうか?(キラキラ可愛い雅笑顔
らんらんは、ふむ…(じい~~~

最強に可愛いな(きぱっ

特にこの、もふもふ尻尾とお耳
ゆうらりぴこり揺れる仕草、もふっとした手触り…可愛いがすぎるな
…ん?女子の必要性?
ふふ、兎に角らんらんはとてももふもふ可愛い(もふに夢中

妖怪女子達もまずはベタ褒めし、良い気分にさせてから(天然たらし
美魔女で有名な妖怪を店の外で見かけたな
俺達はサインを貰い美の秘訣を伝授してもらったが
今ならまだ間に合う、皆も行ってくるといい
もっと可愛くなれるぞ(微笑み言いくるめ

さて、らんらん
可愛い女子は甘味が好きだ
俺達もいただこう(よかれと激甘に盛り可愛い友へ



 レースのついた柔らかなカーテンで仕切られたボックス席。
 大きなソファの前にはローテーブルが備え付けられており、その上には甘味が乗っている。
「らんらん、俺も可愛い女子になっているだろうか?」
 雅やかな指先は、今日は白魚のように細くて華奢で。
 背が低く丸みを帯びた体つきは、正しく少女であった。
 テーブルの上に並んだ甘味を突く筧・清史郎(ヤドリガミの剣豪・f00502)は、きっといつものように笑っているつもりなのであろう。
 しかし。
 終夜・嵐吾(灰青・f05366)からすれば、それは清史郎のいつもの笑顔等ではなく、雅やかでかわいく美しい少女の笑みでしか無い。
「……今日はせーちゃん、せぇこちゃんじゃな……?」
 かわいい笑みを真っ直ぐに向けられて、嵐吾は灰青の獣耳の先をぴぴぴと揺らして。
「ふむ。ならば、らんらんは……」
 嵐吾の少女具合を精査をしようとしているかのように、じっと瞳を覗き込んでくる清史郎の睫毛は長く。
 じつに心臓に悪い顔をしているものだと、嵐吾は思う。
「ふむ」
 それから。じっと嵐吾の顔を穴が空いてしまいそうなほど見つめながらも甘味を食べる手は止めていなかった清史郎は、すっかりと空けてしまったパフェグラスを机に置いて。
「最強に可愛いな」
「……かわっ!?」
 じっと長時間眺めてからただただ褒めるという強コンボをキメられてしまった嵐吾は、一度肩を跳ねて。
 獣の耳をぴいんと立ててから、尾の先を忙しくぱたぱたと揺らす。
 頬がかっと一瞬で熱を持ったことが、自分でも理解できてしまう。
「わ、わしは、か、かわいくなんかないんじゃもん!! ……もんっ!!」
 灰青の尾を揺らす長髪の少女と成った嵐吾は、視線をふらふらと泳がせて。
「いいや、可愛いぞ。特にこの、もふもふ尻尾とお耳は最高だ。ゆうらりぴこりと揺れる仕草、もふっとした手触り……、全く可愛いがすぎるぞ、らんらん」
「…………っ、も、もふもふはもふでもふじゃから! そりゃもふもふじゃけど!?」
 清史郎の言葉につられて、ゆうらりぴこり。
 自らの揺れる尾を嵐吾も目で追って。
「まあ……、そじゃの。もふがかわいいのはわしもわかる」
 もふ、もふ。
 おんなのことして可愛いと言われた訳ではないと理解した嵐吾は、どきどきと跳ねる心臓を落ち着かせるように更に尾をぱたぱた揺らして。
「ふふ、らんらんはとても、もふもふ可愛いな」
 嵐吾の心が乱れて尾が揺れれば揺れるほどもふもふが可愛くなるものだから、清史郎は尾に身体を寄せて全身でもふを楽しむよう。
 そのうちにはた、と思い出したように清史郎は尾から顔を上げて。
「ああ、そうだ、らんらん。作戦を考えてきたのだが……」
「む? 何じゃせぇこちゃん?」
「……ふふ、もふもふだな」
「作戦の話をもふもふで一瞬で忘れるの、止めてほしいんじゃが……」
 ふたりのかわいいおんなのこは、内緒話、秘密の相談。

「そこのかわいい妖怪さん、注文をお願いできるか?」
「お、よく見ると本当にかわいいの」
「えー? そう? こう見えて美容には気をつけてるからねえ」
 清史郎の呼び止めた声に、嵐吾も調子をあわせて。
 褒められた妖怪は、悪い気分ではない様子だ。
 清史郎はメニューブックに指を這わせて、うむと小さく頷いてから。
「次は少しあっさり目でいこう。こっちのでらっくすぱふぇに練乳とあんこ、そふとくりーむ、たいやきを載せて貰えるか?」
「せぇこちゃん、本気でそれがあっさりだと思とるの……?」
「ん? らんらんの分も頼むか?」
「遠慮する」
 嵐吾が即答すると、清史郎はそうか、とメニューブックを閉じて。
「ああ、そう言えばさっき、美魔女で有名な妖怪が店の外を歩いていたな」
 そうして。はた、といかにも今思い出したように、雑談めいて清史郎が言葉を切り出すと――。
「えっ!? 誰々?」
 妖怪達は興味津々。
 食いついた、と瞳を眇めた嵐吾は追撃するように言葉を重ねる。
「あ~、そうじゃね。さっきサインをもらって、かわいい秘訣を教えてもらったんじゃ~」
「ああ、気さくに美の秘訣を伝授してくれる妖怪だったな」
 うむうむ、と頷く清史郎に、メニューを取っている妖怪達はそわそわ。
「今からいけば、まだ間に合うかもしれない、皆も行ってくるといい。きっともっと可愛くなれるぞ」
「良く寝る子はかわいくなる、とか教えて貰うたの。……興味があるなら行っておいで~?」
「……メニューだけ通して、行ってきます!!」
 慌てて妖怪が駆けていくのを見送った二人は、顔を見合わせて――。
「うむ、上手く行ったようじゃ」
 嵐吾の言葉に、こっくり頷く清史郎。
「ああ。上手く行ったな、らんらん。……さて。俺たちは今可愛い女子だからな」
「……まあ、そうじゃが……」
「可愛い女子は甘味が好きなものだ、俺たちもいただくとしよう」
「……はぇっ!? さっき遠慮したよの!?!?」
 清史郎は雅やかなかわいい笑顔。
 机の上に置かれたままのあっさり目じゃない方のパフェを引き寄せると、一口掬って――。
「気にするな、可愛い女子同士だろう、さあ」
「や、え、か、可愛い女の子でもそんな、甘味の好みはひとそれぞ、あっ」
 そのまま善意100%のあっさり目じゃない方のパフェを掬った匙が、嵐吾の口へと押し込まれるのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

花邨・八千代
ッえ~~~俺がこれ以上かぁいくなっちゃったらヤバくな~~~い?
もう傾城ってレベルじゃなくない?世界傾いちゃわない?
ヤバ~い、俺がかぁいすぎて逆に経済が回る

まぁでも仕事はするぜ、俺は出来る女だからな

いぇーい遊びにきちゃった~!
お、かぁいこちゃんばっかりじゃん?
俺に負けず劣らずって感じィ?

まぁまぁ飲もうぜ、ピンドンよろしく~!
今夜はガンガン飲もうぜェ~い!
ってな感じでわいわい酒飲んで仲良くなるぞ

わはは!楽しくなってきたァ!
なぁなぁ、夜パフェ食いたくない?美味い店知ってんだぜ、俺
しかもめっちゃ映え系、みんなで一緒に行こうぜ!

そんな感じでかぁいこちゃん達をお持ち帰りだ!
いやー、俺ってほんと罪なオンナ


フィッダ・ヨクセム
え、俺様かわいい?
今日はヤンキー気質は潜めて、良い子に努めよう
まあ当然だなァ(満更でも無い)

なあアンタ、女子としてはどんな菓子がかわいいと思う?
恐らく男に聞いてどうするんだ、ッて話だが
面白がッて色々聞いてみる!
(女子トークなんて普段混ざらないし)
(大人数は苦手だしな)
俺的にはあまーいのが最強かと!へへへ!

一瞬自分の胸の確認くらいするけど
興味本位で……チラッと、ペタッと(意味深)

可愛いは譲るけどワイルド可愛いは譲らねえ!
調子にノッて真の姿なハイエナ姿に化術を使ッて部分的に(鼻先だけ)変えるけど当然驚かないだろうから、ワンコ系女子(物理)は沢山お菓子を貢がれたい
女子と甘味は最強コンボ、OK理解した


那雪・光
「あたし、かわいい……? かわいいかな、かわいいかな、でへへ、嬉しい!」

男の子がかわいい女の子になってしまう!? そうなると、やっぱり、男の子に恋しちゃうのかな……? 外見が女の子なのはいただけないけど、でも、男の子同士の恋、是非見守りたーい! あたしもそのキャバクラ、行く行く!
ここがそのキャバクラだね……あのかわいい女の子も元々は男の子なのかな……?(どきどき顔を赤くしつつ、落ち着きなく周囲を見回している)

あたしのこともかわいいと言ってもらえて気分よくなってきた! あんまり言われた経験ないから沢山言ってもらえて嬉しい! もっと言って! ねっねっねっ!

すっかり骨抜きにされちゃうあたしであった!



 あっちをみても、こっちをみても、どっちをみても、おんなのこしか居ない店内。
 ソファに腰掛ける那雪・光(慈愛の聖乙女・f16157)はきょろきょろ周りを見渡しては、お話をするおんなのこたちにドキドキ。
 ――ここのお店にいる人たちは、外見こそ皆かわいいおんなのこだけれども。
 かわいいおんなのこになった、元は男の子だっているそうだ。
 つまり。
 かわいいおんなのこを見ると、恋に落ちてしまうコトだってあるだろう。
「……きゃーっ」
 落ち着き無く周りを見渡しては、光の脳裏に巡るいろんな想像。
 ――男の子同士の恋路を見守りたいという気持ちは、きっと万人にある感情に違いない。
「ふふ、かわいいコだね~、ここのお店は初めて?」
「あっ、う、うん! そうだよっ」
 周りのおんなのこたちに気を取られてるうちに、気がつけば横に妖怪のキャストが横に腰掛けていたものだから光は目を丸くして。
「じゃあ、今日はもっともっとかわいくなって貰おうかなー。ねえ、ふふふ、メイクしてみてもいい? その後ドレスも着替えて見ようよ」
「えっ、えっ、……うんっ、い、いいよ?」
 もしかすると化粧道具を広げだした、目の前のキャストだって元は男の子だったのかもしれない。
 そんな想像をすると光はもっとどきどきしてしまうもので、そわそわと落ち着き無く。
「ふふー、緊張しなくていいよ、かわいいコにちょっと魔法をかけるだけだからね」
「それじゃあ……、魔法をおねがいするねっ!」
 そうして瞳を瞑った光は、キャストへとメイクを委ねて――。

「っ、ぷはーーーっ!」
「きゃ~~っ、おねえさんいい飲みっぷり~!」
「かわいい顔して、たくさんのむんだねえ」
「かぁいこちゃんと一緒に飲むと、美味しい酒がもっと美味しくなるからなァ~!」
 乾杯の音頭が無くとも、かわされるグラスは軽やかに。
 朱色の交じる、きれいな黒髪。
 普段から楽しげに過ごしている羅刹は、今日はもう一回り楽しげに。
 たくさんのキャストを侍らせた花邨・八千代(可惜夜エレクトロ・f00102)は、ビールジョッキを掲げて上機嫌。
「しっかし、ただでさえ俺、かぁ~~いいのに、これ以上かぁいくなったらヤバくない???」
「やばいやばい~」
「ヤバイじゃん~」
「まぁー、そうだよな。傾城ってレベル超えて、俺で世界傾いてカタストロフだよなあ」
「わかるな~、あたしも可愛すぎてカタフトロフ起こしそうだもん」
「ふふふー、そうだねえ、おこしちゃうかも!」
「ヤバ~い!」
「ヤバ~~!!」
 八千代の軽口にドレスを着込んだキャスト達も、ニコニコとお酒を傾けながら楽しげに頷き。
「いや~、今日はここに遊びにきてよかったなァ、楽しい酒が飲める! 飯もうまい!」
「ここよりかわいいコがいる店なんてないよ~」
「八千代おねえさんも、ここで働いちゃわない?」
「酒を飲んで、飯を食ってるだけでいいなら、それもいいかもなぁ~~!」
「きゃーーっ!」
 グラスを傾けるキャストの言葉に、八千代は大きな声で笑って。
 ワイワイと楽しげに、八千代はキャストと酒を酌み交わす。

「……えッ、俺様がかわいい……?」
「えっ、……どうみてもかわいいよね……?」
「……ふふ、そうだな……、まあ当然だなァ!」
「うんうん、そうそう、当然かわいいよ~!」
 気持ち膨らんだ胸。
 丸みを帯びた体。
 薄くなった体毛に、ふさふさと揺れる睫毛。
 ――ソファで鏡を手渡されたフィッダ・ヨクセム(停ノ幼獣・f18408)は、自らが美少女になっている事に気が付いた。
 ふっと笑ったフィッダは鏡を手渡してくれた妖怪のキャストに首を傾いで。
「なあなあ、アンタはどんな菓子がかわいいと思う?」
 普段なら絶対に聞かないような話を、尋ねてみた。
 だッて、今日は折角女子になッているんだ。
 普段出来ないような話をしてみるのも、面白いだろ?
「え~、最近じゃマリトッツォとかマカロンとかも可愛いと思うけれど……、やっぱり映えるやつかな~、夏だからかき氷とかもいいし、あっ、金魚鉢に入った金魚を模したソーダとかもいいよね!」
「へへ、そうだな。菓子ッていッたら、やッぱりあまーいのが最強だよなあ!」
「もしかしておねえさん、……甘いの食べたいの?」
「え、作ってくれるのか?」
「勿論、何が良い?」
「ふふ、何でも良いなら、コレ! 食べてみたい!」
「おっきいパンケーキにアイスクリームのせ? うん、うん、かわいいの選ぶねえ、いいよ。作ってきてあげる!」
「ん。ありがとう! へへへ、楽しみにしてる!」
 キャストがひらひらと手を振ると、フィッダはこっくり頷いて。
「……」
 それから。
 ちょっとだけ服を引っ張ると、自分の胸元を覗き込んだ。
 へぇー、……うん。なるほどね。

「わ……えっ、こ、これ……」
「うん、かわいいね」
 ――お化粧を追えた光は、自分がまるで別人になったかのように思える。
「か、かわいい……よね?」
「そうだよ、とーってもかわいい」
 キャストが尋ねる度に頷いてくれるものだから、光はわあっと笑みを浮かべて。
「ふふふ、あんまり言われた事が無いから、かわいいって言われるとうれしいなあ……!」
「えー、もったいないよ。こんなにかわいいのに、かわいいって言ってもらえないなんて~」
「えへへ、ねっねっ、もっとかわいいって、言ってもらっていい?」
「いいよ、髪型もお洋服もよーく似合っているね。ぱっちりしたお目々も、お花のモチーフのアクセサリーもぜーんぶかわいい!」
「きゃーっ、もっともっとっ!」
「――もっともっと飲むぞ~~っ!」
 光がもっともっととかわいいをせがむ横、八千代が巨大なジョッキを一気に飲み干して、机の上に置いて――。
「わはははは! 楽しくなってきたなァ! なぁ、なぁ、夜パフェ食いに行かない!? 旨い店知ってんだぜ、俺! ちょーー映え系の所~!」
「えっ、いこいこーっ」
「八千代とパフェにいくのたのしみ~っ」
「……!? パフェ!?」
 パフェの言葉に反応したのは、顔だけハイエナ姿に化術をしてキャストたちにお菓子をたくさん貰っていたフィッダだ。
 そう、女子と甘味は最強コンボ。
 あまーいお菓子が食べられるというのならば、ワンコ系女子(物理)はついて行きたい。
「えっ、かわいいならあたしも行く~っ!」
 そこに光が腕をぶんぶんと振って、さらなるかわいい高みを目指すよう。
「わはははは、任せろっ、みんなかぁいこちゃん達はお持ち帰りだ~~!」
 なんて。
 八千代はぽんと胸を叩いてキャストと、猟兵どちらもお持ち帰りをキメるのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

七那原・エクル
七那原・望と参加

いやいや、まさかそんなはっきりと女の子になるわけじゃ…ないよね?

オルタナティブ・ダブルを発動して、女性人格の「ヒメ」を召喚。ボクがお客さんを説得して「ヒメ」はお客さんを店外に誘導・案内をしてもらうよ。

お客さんにもっと可愛らしくなってみませんかー、とか。より可愛らしくなるために興味を引きそうな適当な話題を持ちかけてお客さんがのってきたら、あとは「ヒメ」に外への誘導を任せるよ。

この姿を望に見つかるわけには…
きっとまた撮影会と称してカシャカシャ撮られちゃう…

日頃から望にカワイイ連呼されているけど、いつもより望のカワイイ発言にキュンってきちゃう…

はっ!?もしかしてこれが女の子のキモチ…


七那原・望
えくるん(f07720)と参加

えくるんがおんなのこになったと聞いて!
ふみゅ、確かにえくるんの声、ちょっといつもと違うかもー?お肌もとってもやわやわなのー♪もう見なくてもわかるくらいえくるんとっても可愛いのー♪えくかわなのー♪

あ、お願いなのです。えくるんの可愛い姿を映像に残してほしいのです。そうすればわたしもいつかえくるんの可愛い姿を見られるのですー。
あと写真も!可愛いえくるんとツーショットで!

アマービレで呼んだねこさん達(おんなのこ化)にお願いして、妖怪達と仲良くなってもらって外に連れ出してもらうのです。

わたしはここでひたすらえくるんを愛で愛でするのです。

えくるん可愛い♪ふふー♪かわかわ♪



 赤と黒で統一された、かわいらしさの中にも上品さの感じられる店内。
 エントランスに足を踏み入れた七那原・エクル(ツインズキャスト・f07720)と手を繋いだ七那原・望(封印されし果実・f04836)は、エクルの方へと顔を向けて。
「えくるん、えくるん、もうおんなのこなのー?」
 店内の雰囲気もあるのだろう。
 望の流れるような銀髪が、先程よりも美しく輝いているようにエクルには感じられるだろうか。
 へんにゃりと柔く愛らしい笑顔を浮かべた望を、エクルは苦笑と共に見下ろして。
「いやいや、まさか、そんな……。はっきりと女の子になるわけ……」
 それから確認するかのように自らの体を柔く撫でると――。
「……」
 ひとなで。
 無い。
 ふたなで。
 えっ、無い?
 相違う瞳を見開いて息を飲んだエクルは望に気付かれないように、できるだけ動きを抑えて店に備え付けられた姿見を見やる。
 そこに写っていたのは、先程までは確かに無かった女性らしい柔らかさを胸に携えた自らの姿。
 ――変化は胸だけでは無い。
 普段より決して逞しいとは言えない身体ではあるのだが。
 それでもその身体は身長が縮み丸みを帯びているように見え、着ていた服も少しばかりオーバーサイズに感じられる。
 それは。
 髪の長さこそ普段のエクルではあるが、エクルの中に存在する女性人格の『ヒメ』が顕現したかのような。――ヒメがヒメとして女性の身体を持ち合わせていれば、きっとこうなるだろうと思ってしまうような姿。
「ふみゅ……、でも、えくるんの声ちょっといつもと違うのですー」
 変化に気づいてはいない様子の望は、へんにゃり笑ってエクルの頬へと腕を伸ばして。
「あはは、そうかな~?」
「なのです! お肌もとってもやわやわなのー♪ ふふー♪ もう見なくてもわかるくらい、えくるんはとっても可愛くなっているのですー! えくかわなのー♪」
 望はそのままエクルの頬を掌で柔く包み込んで、むにむにともみほぐし。
 そのすべやかな肌を堪能するよう。
「ええ、ええ、かわいくなっていますよ!」
「うん、うん、かわいい~!」
 そこへ二人を客席へと案内すべくやってきたキャストまで褒めそやし混ざったものだから、ぱあっと笑った望は腕を上げてぴょこぴょこ跳ねて。
「あ、おねえさん達、お願いなのですー。えくるんの可愛い姿を……映像に残してほしいのです!」
「……えっ!?」
 また撮影会と称してカシャカシャ撮られてしまうのだろうか。
 いや、映像って事は動画だろうか。
 困ったように眉を寄せ頬を朱色に染めたエクルが望を見やると、くすくすと笑った彼女はエクルの服裾を引いて。
「ふふー♪ そうすればいつかわたしも、えくるんの可愛い姿を見られるのです!」
「……そうだねえ」
 そんな風にお願いされてしまうと、エクルが拒否をできる訳も無い。
 それになんだか。
 日頃から望にかわいいと連呼されてはいるけれど、今は何故かその言葉を受け入れやすく感じてしまう。
 ――受け入れやすいという表現は、正確では無いかもしれない。
 かわいいと褒められる度にエクルの胸の奥が締め付けられるように、きゅっとなってしまう感覚。
 ちょっと苦しくて、どきどきするキモチ。
 ――これが女の子のキモチなのだとしたら、エクルは既にずいぶんとこの店に魅入られてしまっているのかもしれない、なんて考えてしまう。
「あと写真も! 可愛いえくるんとツーショットなのです!」
 そんなエクルの考えを知らない望は嬉しそうに笑って、キャストへ話しかけ。
「ふふふ、勿論勿論。おねーさんに任せて! とーってもかわいく撮っちゃうよ~。まずは席にご案内~」
 キャストもノリノリで良いお返事を返してくれる。
「わーいなのですー!」
 ぴょんぴょん喜びに飛び跳ねて歩く望とエクルが案内された先は、レースのカーテンで横と区切られたボックス席であった。
「じゃあ、かわいいお二人さん。メニューを持ってくるから少し待っててね~」
 二人並んでふかふかのソファに腰掛けると、キャストが一度席から離れ。
「よし、やろうか望」
「なのです!」
 その隙を逃さないエクルの声掛けに、杖を構えた望はこっくりと頷いた。
 ――そうして。
 同時に顕現したのはツインテール姿のヒメと、可愛い猫達だ。
「それじゃ、ボクはお客さんに声をかけてくるから、ヒメは避難誘導を……」
 エクルがヒメに作戦を告げ出すと、望はその動きを制止するように再び服の裾を引いて。
「少し待ってほしいのですー」
「ん?」
 首を傾ぐエクルの横で、ヒメは望がもう何を言いたいのかを全て理解しているかのように小さく肩を竦め。
「せめてかわいいえくるんを……少し愛で愛でさせてほしいのー。まだ映像も撮影もしていないのですー」
「はいはい、ごゆっくりどうぞ」
「ひ、ヒメー!?」
 エクルの言葉にくすくすと笑ったヒメは、客の避難誘導をすべく猫達と一緒に歩み出し。
 そんなエクルに、ぎゅーっと抱きついた望はにんまり笑顔。
「えくるん可愛いのですー、ふふ、かわかわなのです♪」
「もー、……少しだけだよ」
 その笑顔と言葉に、エクルの胸の奥はいつもより強くきゅんと締め付けられるよう。
 抱きついてきた望の頭を、エクルはやわく撫でてやり――。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

月舘・夜彦
【華禱】
倫太郎にきゃばくらについて聞きます
ふむ……実際に雰囲気を知った方が良さそうです

そういえば、性別が変わってしまう……のでしたね
女装をして潜入もしましたが今度は性別も変わるとは

えぇと……この時は潜入した時のように「りん」と呼びましょう
りんもとても可愛いです

はい、お酒には気を付けます
飲むと眠ったり、思考が緩くなってしまいますからね
りんの可愛さも相俟って心も変わってしまう前に
任務をやらなくては、ですね

避難させる妖怪達には何の妖怪か聞いてみたり
衣装の華やかさ、髪の綺麗さを褒めてみましょう
私も簪の妖怪みたいなもので髪には惹かれるものです

貴女達と話していると楽しいです
これから一緒に外に出ませんか?


篝・倫太郎
【華禱】
夜彦にまず『キャバクラ』とはなんぞ?
ってとこからなんだけどさ……
ま、百聞は一見に如かずってな?

入店したら
夜彦が可愛い可愛い夜子ねえさまに!
うん、凄い可愛い
かー→わー→いー↑いー↑

あ、お酒はだめだよ?
可愛くなくなっちゃうからネ!

とか言いつつ、実は物凄い可愛いんだけど
見せたくないからだーめ

さて、身も心もかわいい女子になっちゃう前に
やる事やらねば(きりり)

取り込まれた妖怪さんの肌を褒めて
秘訣を聞く
聞くついでに
更に可愛く綺麗になれるエステ紹介するーとか言って
店の外に誘導

夜子ねえさまのお肌の艶々っぷり見てから疑ってくれる?

そんなノリで店の外へ!

は!夜子ねえさまが口説いてる!
ずるい!口説かれたい!



「倫太郎、倫太郎」
 ――華美に輝く外壁はそれだけを見ると落ち着きの無い建物に見えるのだが、透かしガラスの嵌められた扉が組み合わせられる事で不思議にシックな高級感が感じられる。
 金色のドアノブに手を掛けた篝・倫太郎(災禍狩り・f07291)の背に、月舘・夜彦(宵待ノ簪・f01521)は彼の名を呼び掛けて。
「随分と絢爛な建物ですが……、一体きゃばくらとはどのような施設なのですか?」
「ん、……んー。そだな。ま、百聞は一見に如かずってな?」
 言葉を組み立てようと少しだけ悩んだ様子の倫太郎は、すぐににっと笑って。
「ふむ、なるほど。それでは実際に一見する事にしましょうか」
 夜彦が眦を和らげて応じると同時に、二人は扉を潜った。
 ――最初に感じた変化は、がくんと落ちるように視界の位置が下がった事であった。
「……おや、そう言えば……」
 『異変』の内容を思い出したように、夜彦は瞬きを重ねると自らの身体を見下ろして。
 自らの掌が、指が、細く華奢に変化している。
 鍛え上げられた胸筋が、やわらかな丸みを宿した胸へと変化している。
 女装をしたことはあったが、この様に実際に変化してしまうのは流石に初めてだ。
 夜彦が顔を上げて、横に立つ倫太郎を見ると。
「ぅん、――よる……や、……こ! ねえさま……!」
 萌葱色のショートカットから、伸びた3つの角。
 丸みを帯びた身体は、一回りも二回りも小さくなってしまったように思える。
 表情や雰囲気に倫太郎の面影は勿論あれど、其の姿はどうみたってボーイッシュな乙女と変化してしまっていた。
「……りん」
 その愛らしさに思わず夜彦は、以前とある学園に潜入した時の倫太郎のコードネームをぽつりと零し。
「夜子ねえさま……!」
 ぴかぴかと瞳を輝かせる倫太郎――りんは、自らの拳をぎゅーっと握りしめてその名に応じる。
「……凄い可愛い」
 そうして視線を交わしあった二人だが。先に目を反らしてしまったのは、りんの方であった。
「ふふ、りんもとても可愛いです」
 夜子が瞳を細めて笑うと、りんは下唇をきゅっと噛んで。
「…………すごい、すごいかわいい」
「ええ、すごくかわいいですね!」
 言葉を噛みしめるように、絞り出すようにりんが顔をあげると、新たなる客を案内すべく現れた妖怪のキャストがりんの言葉に満面の笑みで相槌を打ち。
「分かる? かーーわーーいーーいーーよな!? も~~、優勝って感じだよネ!?!?!」
 りんの熱の籠もった語気は、語尾がどんどん高く上がってゆく。
「はい、か~~わ~~い~~い~~と思いますよ! 優勝って感じですよ!!!!!」
 それに応じるキャストも、ぎゅっと拳を握って同じ発音で復唱する。
「ふふ、ありがとうございます」
 そんな二人を見守る夜子は、いつもの調子でくすくすと笑ってお礼を口にした。
「それでは、かわいいお姉さんたちこちらへどうぞ~!」
 テンションを上げていたって、キャストはキャスト。
 ボックス席へ案内された二人はふかふかのソファに並んで座って。
「あっ、でも夜子ねえさま、――お酒はだめだよ? 可愛くなくなっちゃうからネ?」
「はい、お酒には気を付けましょう」
 手渡されたメニューを開くりんに釘を刺されてしまえば、夜子はこっくり頷いた。
 ……なんたって夜子がとてもとてもお酒に弱い事を、りんは誰よりもよく知っている。
 その姿が何にも代えがたい程かわいい事だって、りんは誰よりもよく知っている。
 ――だからこそ、だからこそ。
 だれにもそんな姿、自分以外には見せたくないから。
「うん、えらいえらい」
 そんな独占欲は、夜子にだって内緒にしておく。
 ノンアルコールカクテルを見繕ったりんは、キャストに注文を告げてから小さく肩を竦めて。
「さて、……かわいくやる事をやる事としようか」
「はい、――かわいく任務を行いましょうか」
 二人は軽口を叩くように言葉を交わしあうと、くすくすと笑いあった。
 見つめ合っていると、普段とは違った色の『かわいい』と言う気持ちがじわじわと込み上がってくる。
 ――そんな気持ちに全て飲み込まれてしまった時、二人は心までおんなのこになってしまうのであろう。
「はあい、おまたせ~」
「きらきらかわいいドリンクにしたからね!」
 そこにドリンクを持って、キャストたちが戻って来た。
 二人は視線をもう一度交わしあって、アイコンタクトで作戦開始を伝え合い。
「そういえば、キャストさんもお肌が綺麗でかわいいよねー」
「はい、髪も美しく結われていますし、その衣装にぴったりですね」
「やーん、照れちゃう照れちゃう~、二人もとってもかわいいよ? もっと可愛い衣装も奥にあるから着替えてみる?」
「無料でドレスを貸してくれるんだよねえ」
 妖怪のキャストたちは、くすくす笑いながら二人の横へと腰掛けて。
「それも良いですね、……しかし、折角なら貴女たちの美しい髪を結ってみたいですね。――私も簪の妖怪みたいなものですから、きれいな髪に惹かれてしまうのです」
「そうそう髪もそうだけど、お肌の綺麗さの秘訣は?」
「あっ、できるだけ果物をたべるようにしてるけど……え~~、あなたもお肌すべすべじゃない~!」
「そうだよー」
「ウン、分かる。夜子ねえさま、艶々っぷりが凄い。ちょうかわいいし、ちょうきれいだし……うん……ちょうかわいい……」
 キャストたちに相槌を打つりんは、喋りながらだんだん限界を迎えてきた様子。
 感極まりだしたりんの横で、夜彦は楽しげに微笑んで見せて。
「貴女達とお話しているととても楽しいですね、――一緒に別の店も行ってきませんか?」
「うんうん。可愛くて綺麗になれるエステも紹介したいよねー、夜子ねえさまみたいの行きつけのエステ!」
 りんが夜子に合わせて取り結ぶように言葉を紡ぎ。
 ――それにしたって。夜子ねえさまに口説かれるの、ずるくない???!!!
 俺だって口説かれたいケド!!?!?!?! ずるい!!!!!!!!!
 言葉を紡ぎながら、思わず手と視線に倫太郎をにじませたりんは自分の手を自分で抑え込む。収まれ俺の左手。
「そうねー、遊びに行くのもいいかも。ふふふ。艶々の秘訣、おしえてもらいたいもんねえ」
「うんうんっ!」
 そんな二人に疑問を持つ事も無く、キャストはにっこり笑うのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

百鳥・円
【MAD+N】

最強の助っ人がいらっしゃるとのこと
いったいどんな方なのか楽し――
わ!ニルズヘッグさん!?

(ふたりを見比べて、瞬き)

ええ〜〜〜!びっくり!!
ご兄妹がエマのおねーさんだったなんて!
んふふ、此度はニルのおねーさんですね
大きい姿見はこちら〜!
おねーさんズに囲まれてハッピーですよう

可愛い×美しい×最強な三人の完成ですの
極意をしっかりと享受したならいざ実践!
お姉さんは笑顔がステキですねえ
笑っている姿をも〜〜っと見たいなあって!

お話のお供にお酒は如何です?
呑めないなら、わたしとノンアルで乾杯しーましょ!

程よい気持ちよさを提供しましょ
『獄薔姫』にて微睡みへと誘いますよう

たあっぷりおやすみなさい♡


ニルズヘッグ・ニヴルヘイム
【MAD+N】
かわいい……おんな……のこ……?
あっ円!ハイドラの友達だったのか
そう、こっちが前に言った妹――の、末から二番目
えっ姉貴って 私は男で あっ鏡 本当だ かわいい ウワーッ(アイデンティティを失う)

私たちはみんなかわいいおんなのこだったんだね

おんなのこになっても大丈夫だよ
ハイドラと円が沢山話をしてくれてるから、私は他の子たちも集めてこようかな
さあレディ――私もレディだけど
沢山お話が聞きたいな。私、話を聞くのは得意だよ
一杯お酒を飲んだら話もしやすくなるね
辛いことも楽しいことも何でも聞くから
酔っ払ったらハイドラにパスして運んでもらおう

みんなかわいい……私も……私……
私は一体何を……!?


ハイドラ・モリアーティ
【MAD+N】
円、こちら俺の兄貴
え?知り合い?そっか
じゃあ話は早いな、兄貴――いや、姉貴
大丈夫だってスーパーカリスマギャルの円も一緒だから

基本、相手はもう出来上がっちまってるって想定したらいい
で、キャバ嬢から好かれることを意識しろ
いいか?金払いのよさと、お上手なトーク力だ
俺たちの席についたかわいい妖怪ちゃんに言ってやるのさ
え、やだ~かわいい~!ねえねえお酒とか飲める系?
ドンペリ頼んでよドンペリ~~!俺おごっちゃうから~!

――ほめて酒でべろべろにして俺のガジェットで避難場所まで輸送プランだ
【GENIUS】!
――あ、ごめんごめん。この子酔っちゃったみたいでさぁ
あっちでごろーんって寝かせとくね♡



 上品ではあるが可愛らしく設えられた、赤と黒で統一された店内。
 ――一緒に足を踏み入れた者であれば、その違和感はより強く感じられただろう。
 普段から感じられるハイドラ・モリアーティ(冥海より・f19307)の冴えた月のような美しさが、今や甘やかな愛らしさへと変化していた事に。
 そんな彼女の横に立つ乙女の折りたたまれた黒翼の上に、亜麻色にはちみつを溶かしたような淡い髪がさらさらと流れている。
 相違う瞳は鈴のように大きく丸く。愛らしいという言葉がぴったり当てはまるであろう乙女――百鳥・円(華回帰・f10932)は、店のエントランスでハイドラと同じく人待ち顔。
「……ああ」
 扉の開く気配に煙るような長い睫毛の間から瞳を凝らして振り向いたハイドラは、そこに立つ人物が待ち人であった事を知る。
「来たか」
 扉を開けた男――否、女は一つにまとめた灰の髪に燃える瞳。
 なだらかな撫肩に女の丸みを備えた体から、すらりと伸びた均整の取れた手足が伸びている。
 勿論その姿は普段とは全く変わってしまっているのだが、雰囲気から彼女がニルズヘッグ・ニヴルヘイム(伐竜・f01811)であろう事は、すぐに察せられた。
「って、あっ、円!?」
「わっ! 最強の助っ人って、ニルズへッグさんですか!?」
 ハイドラと並んで立つ円も、ニルズへッグも、驚いた様子で言葉を交わしあい。
「え? 知り合い? そっか、じゃあ話は早いな。円、紹介するよ。俺の兄貴――、いや姉貴だよ」
「そう、こっちが前に言った妹――の、末から二番目……って、……姉貴?」
 ニルズへッグが怪訝な表情を浮かべたが、ハイドラは小さく首を傾いで唇に笑みを宿し。
「姉貴だろ?」
「わあ、びっくり……!! ニルズへッグさんがエマのおねーさんだったなんて!」
 円まで二人を見比べてぱちぱちと目を瞬かせて言うものだから、ちょっと自信を無無くしたニルズへッグは眉を寄せて。
「えっ? 私は男で……」
「……えっ、今はニルのおねーさんですよね???」
 円が示す先には、エントランスに備え付けられた大きな姿見がある。
 つかつかと鏡に近寄ったニルズヘッグは、姿見を見て、自分を見て、姿見を見た。
「えっ、えっ? うわっ、えっ? ワッ!! 本当だ、かわいい……、えっ? ウワッ!? え、私が? かわいい……、かわいいおんな、のこ……?」
「んっふふ~~、かわいいおんなのこですね!」
 何度も鏡を覗き込んで自我を失いそうになりつつあるニルズヘッグに、円はコクコク頷いてぴかぴかの笑顔。
「大丈夫だって、姉貴。姉貴はちゃんとかわいいおんなのこだよ。それに今日はスーパーカリスマギャルの円も一緒だから、かわいいおんなのこになる事にゃ、何の心配もいらねえよ」
 人を喰ったような笑みというのはこういう表情の事なのであろう。
 ハイドラがにんまり笑っていると、キャストたちもニルズへッグを囲んできゃいきゃいと。
「そうですよ、かわいいかわいい!」
「かわいいおねえさんたち、ようこそいらっしゃいませ!」
「えっ、私は……? かわいい……おんなの……こ?」
 完全に男としてのアイディンティティを奪われたニルズへッグは、褒めそやされながらキャストたちに客席へと連行されて行き。
「ふふ~、おねーさんズに囲まれてハッピーですよう」
 その後ろをハイドラと一緒に付いていきながら、円はうきうきと掌をあわせて笑った。
「そうか……私たちはみんなかわいいおんなのこだったんだ。おんなのこになっても大丈夫なんだね」
 ――ちょっと開いちゃいけない方の扉を、ニルズへッグは開きだしているようでしたけれども。

 そうして。
「さて、キャバクラでの基本は相手はもう出来上がっちまってるって想定したらいい」
 カーテンで席ごとに区切られたボックス席へとたどり着けば、キャストがドリンクを運んでくるまでの間にハイドラのキャバクラ講座の始まりだ。
「はーい、先生!」
「かわいいおんなのこにはそういうのが必要なの?」
 円とニルズヘッグが相槌を打てば、ハイドラは指をぴっと一本立てて。
「何よりも大切なのは、キャバ嬢から好かれることを意識する事だ」
 言葉を重ねながら、彼女は指を一気に3本目まで立てた。
「――いいか? 金払いのよさと、お上手なトーク力で相手の気分を良くさせるんだ」
「ふふー、わかりました、しーっかりと理解しましたよう!」
「……わかった、かわいいおんなのこの私も、猟兵仕事はしなきゃいけないな」
 キャストの姿が見えれば、短いお勉強の時間も終わり。
 ――後は実践有るのみだ。
「わーっ、今日はよろしくおねがいしますね、おねえさんたちっ」
「かわいいドリンクつくってきましたよ!」
「え、やだ~妖怪ちゃんたち、超かわいい~!」
 キャスト達がソファへと腰掛けようとした瞬間、一番最初に仕掛けたのはハイドラであった。
「ねえねえお酒とか飲める系? ドンペリ頼んでよドンペリ~~! 俺おごっちゃうから~!」
 こういう場に置いて、女同士だからこそ許される距離というモノもある。ずずいと一人のキャストに寄ったハイドラは、手渡されたドリンクを一口。
 それからグラスをキャストの前へと差し出すと、奥の奥まで射抜くような視線を向ける。
「ねえ、かわいい妖怪ちゃん、名前を教えてくれる?」
 名を聞かれたキャストは、ハイドラの相違う色をした瞳にかかる長い睫毛が瞬きに揺れた事まで良く良く見えた事だろう。
 ――そのまま。まるで口づけをするかのように顔を寄せたハイドラは、彼女の耳元へと唇を寄せて。
「今日はたーっぷり楽しもうぜ」
 低い低い声音で、囁いた。
「そ、……れ、なら今日は一緒にたくさん飲みましょうねえ」
 一瞬だけ息をつまらせたキャストは、こくんと喉を鳴らし。そうして頬を朱色に染めると、ハイドラの横へと腰掛けて笑った。
「わっ、お姉さん。笑うとかわいい顔がもっともっとステキになりますねえ!」
 ハイドラの攻めの姿勢を見習うように。
 別のキャストとお話する円はぽんと掌を合わせると、ぴかぴかの笑顔。
「ねえねえ、お姉さんの笑っている姿をも〜〜っと見たいなあって! んふふ、お酒は飲めますか?」
「うふふ、大好きよ?」
「わあっ、じゃあじゃあ、今日はたくさん飲んじゃいましょう! わたしの奢りですよ! それで、たっくさんお話しましょうっ!」
 じゃれる猫のように語りかける円は、持ってきてもらったお酒のボトルを抱きしめて。
 本来ならば接客する立場であるキャストたちが、その事を忘れてしまうようなひとなつっこい笑顔で、どんどんとグラスに酒を注ぎだし――。
 かわいいおんなのこ達が頑張っているのならば、かわいいおんなのこであるニルズへッグだって負けてはいられない。キャストへと向かい合ったニルズへッグは、こほんとかわいらしく咳払いを一つ。
「さあレディ」
 今はニルズへッグもレディだけど、そういう細かいかわいくない事は横においておく。
「折角二人が出会えた日だもの、今日は沢山お話が聞きたいな。私、話を聞くのは得意なんだ」
「ふふふ、随分とお口が上手なのね」
「そうでもないよ」
 グラスに酒を注がれたキャストは、ニルズへッグの横に腰掛けたままくすくすと笑う。
 ゆるゆると首を揺すった美少女ニルズへッグは、精一杯のキメ顔をキメて。
「でも、この一杯に魔法をかける事はできるよ。これは辛いことも楽しいことも何でも話しやすくなる、魔法の一杯だよ」
「ふふ、やっぱり口説き上手じゃない」
 肩を竦めたキャストは、笑ってグラスを傾け――。

 そうして。
 続く酒宴に酔い潰されたキャストの一人が円へとしなだれかかると、円はくすくすと笑って。
「眠いなら眠って良いんですよ、――たあっぷりおやすみなさい♥」
「あ、酔っちゃったぁ? じゃ、あっちでごろーんって寝かせとくね♥」
 円より放たれる薔薇の香りは、まどろみを誘う香り。
 ハイドラの呼び出したガジェットが、眠ってしまった妖怪たちを素早く運び出し――。
「みんなかわいい……、私も、かわ……、私は一体何を……?」
 その横でニルズへッグは、自問自答を続けていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ロキ・バロックヒート
【鏡猫】
神様基準の美人
猫が甘えるような声

偶然クロウく…ちゃんと再会して
お互い名前と声は知ってるけど俺様…私しか相手の顔は知らないんだよね
どこかで会った?もしかして運命かな
あえて名乗らず楽しんじゃう

こんな可愛い子忘れるわけないじゃないなんて
手を握ろうとして払われても笑う
蜂蜜酒で乾杯して妖怪たちも口説きに行っちゃおう

ねぇねぇ可愛い服着てよって店外に連れ出して
かわいい~!って愛でる
私も着替えてみようかな

ふふ、ありがとう
そんなに謙遜しなくても良いのに~
え~どうしようかな?
彼女が座るソファの背に手を添えて
その前髪を少し払い覗き込みながら
逃げ道無くして迫る

もっと可愛くお強請りしてくれたら考えてあげるよ
ね?


杜鬼・クロウ
【鏡猫】
人見知り
隠れ巨乳の大和撫子(属性過多
前髪で目元隠れがち

オイ待てや…この姿、まさか
今日はエイプリルフールか?なんです?
私は三か月前に寿命がつきて死んだ筈…あァ、俺だよ

大混乱中にロキと偶然会う

貴女、何処かで…(美人さんだと見惚れ
な、何を言…
あんま見ンな…クソ似合ってねェし可愛くね、ですわ!(手払う
私…俺が女になるのは違う…ですよ

シンガーポールスリングで乾杯
ロキ達と違い宴に馴染めず浮く

エッ、服…?
女じゃねェと着れない服には興味あ、ります

店外で着替える
服などお任せ
前髪は少し横に流し目元見せる

…変な感じです
貴女の方が可愛いですわ
今日の事は秘密にして下さいね…?(上目遣い
ちち近…(赤面の顔覆い狼狽



 赤と黒に彩られた上品ながらに可愛らしい店内は、人々の活気に満ち満ちて。
 笑い声、話し声がさざめく店内で、杜鬼・クロウ(風雲児・f04599)は自らに起こった『異変』に眉を寄せていた。
「は? おま、……オイ……何だこりゃァ……?」
 エントランスに設置された姿見に映る姿は、まるで、そう。エイプリルフールのよう。
「この姿、まさか……?」
 クソ、どうなっているんです?
 私は3ヶ月前に寿命が尽きて死んだ筈の……。
 クロウは自らの顔を触って、身体を触って。
 再び鏡の中に映る、自分を睨めつけた。
 そうかそうか、そうか。
 傾けた顔に掛かった前髪が、相違う瞳を隠している。
 縮んだ背に、丸みを帯びた身体。
 胸筋であったはずの肉は、柔らかな乳房へと変化していた。
 そして、なにより。
 ――大切なモノを失っている。
「……今日は、エイプリルフールか? なんです????」
 この鏡が変に歪んで見えているなんて、そういう次元では無い。
 ――どう考えたってクロウは、女性に変化していた。
「クソ、そういう『異変』かよ……」
「――あれ?」
 そこに。
 猫の甘えるような、鈴が転がるような、きれいな声。
 クロウがどこかで聞いたことのある音が混じった声が、聞こえた。
 顔を上げたクロウが振り返ると、そこにはちみつ色の瞳に長い黒髪――クロウにとって全く見覚えの無い美女が立っていた。
「……貴女、何処かで……?」
 思わずクロウは、言葉を零し。
 美女――ロキ・バロックヒート(深淵を覗く・f25190)は、眦を和らげるとただ柔く笑った。
「……何処かで出会った?」
 ……その笑みは悪戯を思いついた時の笑みであったのだけれども。
 クロウからすれば、ロキの笑みの種類なんて判断が付くわけも無い。
 なんたってサムライエンパイアのあの路地中で、ロキは被り布で顔を隠していた。
 そう。
 ――ロキとクロウは一度、出会った事があるという事だ。
 それでも瞳を細めたロキは、とぼけた様子で小さく首を傾ぎ。
「……もしかして、運命かな?」
 そうしてクロウの顔にぐっと顔を寄せると、その顔をじいっと覗き込んだ。
「なっ、何を言っ……」
 その返事は、まるでクロウがナンパを仕掛けたようになってしまう。
 クロウが慌てて否定しようと顔を上げると、目前まで迫ったはちみつ色の瞳にかかる長い睫毛に思わず言葉ごと息を飲んでしまった。
「ふふ。こんな可愛い子、一度出会ったら忘れるわけないじゃない」
「っ……近……ッ!? あっ、あんま見ンな……ッ」
 まかり間違えば口づけをしてしまいそうな距離。
 慌てて距離をとったクロウが前髪で瞳を隠すように腕を上げて。
「ふふ。ねえ、折角の宴なんだから一緒に行こうよ。可愛い子と一緒に飲めると、私も嬉しい」
 距離を撮られてもめげないロキは笑んだまま、クロウへと手を伸ばした。
 その手をぱしっと払ったクロウは、首を左右に振って。
「クソ、可愛くねェ、……ですわ!」
「そう? 残念。じゃあせめて、乾杯でもしようよ」
 楽しげにまた笑ったロキはクロウにソファを勧めて。
 テーブルから取った夕焼け色をしたカクテルのタンブラーを差し出す。
「……まァ、そんくらいなら……」
 しぶしぶタンブラーを受け取ったクロウは、ロキの横へと腰掛けて。
 ロキの掲げた蜂蜜酒の満たされたグラスに合わせて、グラスを掲げて一口。
「それじゃ、それを飲んだら可愛い服も見に行こうよ。この店の妖怪のキャスト達にも、もう声をかけてるんだ~」
「…………」
 今日の主な目的が、まずは避難だと言う事をクロウは知っていた。
 つまり妖怪たちを外に連れ出す事を断るという事は、今日の仕事の否定であると言うことだ。
「……いい、ですけど」
「ふふ、ありがとう。やっぱりいろんな服を着てみたいよねェ」
 なんたって今日はおんなのこ。
 おんなのこ向けの服は、やはり成人男性では着づらいもの。
「興味は、あ、りますけど……」
「ふふ、やっぱり可愛い子には可愛い服を着てもらいたいもんねえ」
「……貴女の方が可愛いですわ」
 クロウがグラスを傾けながら、むくれたように言葉を零す。
 その様子がおかしくて、可愛くて。
 ロキはソファの背に手を添えて、クロウをソファの隅へと押し込んでしまうように自らの身体を寄せる。
「ありがとう、でもそんなに謙遜しなくても良いのに~」
「~~……っち、近っ……」
 さらり、とクロウの瞳を覆う前髪を払う、細くて、華奢な、きれいなロキの指先。
「可愛い」
 目を見開いたクロウの耳元へと唇を寄せたロキは、クロウだけに聞こえる声で囁いて。
「う、ううっ」
「かーわいい」
 思わず唸ったクロウにロキはクスクスと笑いながらもう一度、本心を伝えてあげる。
「そんなに褒められると、……変な感じです」
「本当の事だよ」
 耳まで真っ赤に染まったクロウは肩をぎゅっと竦めて。
 ロキを見上げて言葉を絞り出すように――。
「……今日の事、誰にも秘密にしてくださいね……?」
 そのおねだりが、あんまりに可愛かったものだから。
「もっと可愛くお強請りしてくれたら、考えてあげようかな」
 ロキは意地の悪い笑みを浮かべて、クロウの瞳を覗き込んだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

朱赫七・カムイ
⛩神櫻

サヨは何時でも可愛いよ
今日は少しばかり目のやり場に困るな
何とも、艶やかで

しかしな、なんたること!
私が女神になろうとちっとも可愛くないというのに!
くう、サヨ!柔らかいものを押し付けないで!
抱きしめられ真っ赤になる

やめて、私は可愛くない!
サヨから可愛い酒を遠ざけながら成すがままに飾り付けられる
こんなの恥ずかしいのに
私なんて厄災にしかならないのに
もしかして可愛い?なんて思う自分を殴りたい

サヨは斯様な女子が好きなのだね
私も女神だったなら…きみの…

サヨは何を着ても可愛いし私はどんなきみも愛おしい
強いて言うなら
巫女服(美脚が際立つ短め袴)を
…そんな事
僅かにある

着飾らなくてもそのままのサヨが一番可愛い


誘名・櫻宵
🌸神櫻

私はいつもかぁいいけれど…うふふ

きゃあ!カムイ可愛いー!
凛と美しくてかぁいらしい女神様
思わず抱きついて頬擦りをする
お胸は控えめなのね?
ふわふわでふにふにで…いい香り
擽ったい?
真っ赤なお顔も素敵
頬にキスをひとつ

鬼娘
カムイをもっとかぁいくしたいの
コスメにアクセにお洋服、持ってきて
髪を編み込みリボンで結び
桜のチョーカー
清楚なレェスの白いワンピースドレスを着せて
お化粧も任せて!
赤い髪がよく映える清楚で綺麗で少し気が強そうな私好みのお姉様の出来上り

すき!
ぎゅうと抱きしめる

私はカムイがカムイならどちらでも好き

次は私をあなた好みの女子にして頂戴
この巫女服…
…美脚が好きなのね?

本当に、あなたは可愛いね



「うふふ、……カムイ! 可愛い~~っっ!」
 カーテンで仕切られたボックス席。
 ソファに腰掛ける誘名・櫻宵(爛漫咲櫻・f02768)は、朱赫七・カムイ(厄する約倖・f30062)の顔をじいっと見つめながら、その角にぽぽぽと桜の花を満開にさせていた。
 あっ、ダメ。我慢できない!
「なんてかぁいらしい女神様なのかしら、カムイ、ステキよ!」
「……サヨ、いけないよ」
 ぎゅっとカムイに櫻宵が抱きつくと、ふるふると首を振るカムイ。
 そう。
 何時だってサヨは可愛い。
 可愛いのは良いのだけれども、――今日は、艶やか過ぎるのだ。
 なんとも視線を向ける事すら出来ないというのに。
 抱きつかないで、抱きつかないで!
 柔らかいものが腕に押し付けられる感覚に、カムイはふるふると顔を振って。
 ああっ、やわらかいし、ううっ、やわらかい……。
「サヨ、少し離れてくれるかい?」
 そんな言葉を頬を真っ赤にしながら言われてしまえば、櫻宵は満面の笑み。
「……ふふふ、お胸は控えめなのね?」
「さ、サヨ……! や、やめて……!」
「ふふ、くすぐったい? ふわふわで、ふにふにで、いい香りね……」
 身悶えするカムイの胸裏なんて、櫻宵にはわからないけれど。
 一つだけ分かっている事だってある。
 ――こうやって身悶えしているカムイは、びっくりするくらいかわいいってって事。
「わ。私が女神になろうとも、ちっとも可愛くないだろう?」
「まあ、……私の女神様って本当にかぁいい事をいうのね」
 くすくすと笑った櫻宵は、瞳にかかる長い長い睫毛を揺らして。
 カムイの頬に口づけを落としてやると、カムイは耳まで真っ赤になってしまう。
 ひらりと手を降った櫻宵は、近くを歩いていた鬼娘のキャストに声を掛けて。
「ねえねえ、鬼娘。――カムイをもーっともっとかぁいくしたいの。手伝ってくれるかしら?」
「勿論ですっ!」
「わあっ、かわいくするのなら得意ですよっ」
「ふふふ、ただでさえかわいいのに、もっともっとかわいくなっちゃいますよう?」
 声をかけられればノリノリのキャスト達がよってたかってカムイを飾り付けようと集まって来たものだから、そんな様子を眺める櫻宵はくすくすと笑って。
「ああ、絶景とはこの事ね」
「やめて、私は可愛くない!! サヨ、サヨー!!! 助け……っ」
 ――そうして。
 手持ち無沙汰になってしまった櫻宵の視線の向かう先は、テーブルの端に置かれた鬼娘が運ぼうとしていたとってもかわいい酒のボトルであった。
「……きっとその中身もかぁいいわよね……?」
「ああっ、サヨ! ダメだよ、お酒は本当にダメだよ!」
 酒に手を伸ばそうとした櫻宵の前からボトルを奪った瞬間、ガードの弛んだカムイが鬼娘たちにめちゃくちゃにされてゆく。
「う、うわーっ」
 ――赤い髪は綺麗にリボンで編み込まれて。
 桜色のチョーカーに、レースの白いワンピースドレス。
 そこまで仕上げてもらえれば、最後の仕上げは櫻宵自身で。
「カムイ、すこしじっとしていてね」
 そうして肌を整えて、朱を引けば――。
 赤い髪が白いドレスにまばゆく映える、――清楚で綺麗で、少し気の強そうな櫻宵好みのお姉さまの出来上がりだ。
「うふふ、カムイ。…………すき!!!!」
 感極まった櫻宵がカムイに抱きつけば、カムイはふるふると顔を揺すり。
「……サヨは斯様な女子が好きなのだね」
 鬼娘の持ってきた姿見に映る自らの姿を見据えて、呟いた。
 本来カムイは、災厄にしかならないような神だ。
 そう。
 カムイは本来、女神では無い。
 ――こんなに可愛い姿なんかでは、無いのだ。
 それに、もし、カムイが女神であれば。
 ……カムイはきゅっと息を飲んで瞳を細める。それ以上は考える事が、あまりに怖い。
「そうよ」
 そこへ帰ってきたのは、櫻宵が今の姿のカムイを好きだという返事。
 カムイは身を竦めて――。
「私はね、カムイがカムイなら、どんな姿のカムイでも好きなのよ」
「……サヨ」
 次がれた言葉に、カムイはほうと身体を弛緩させて吐息を零した。
 それから櫻宵を受け入れるようにその背に腕を伸ばすと、きゅっと抱き寄せ。
「サヨは何を着ても可愛いし、私もどんなきみも愛おしい」
「ええ、ええ」
「――強いて言うなら、巫女服。しかも美脚が際立つ短めの袴を着てほしいと願う事も、僅かにある」
「…………美脚が好きなのね?」
「……そんな事は……僅かに、ある」
「そう」
「でもね。着飾らなくても、そのままのサヨが一番可愛いよ」
 一瞬瞳を瞬かせてから。ふ、と鼻を鳴らした櫻宵は、さらりとカムイの前髪をかきあげて。
 その鼻先に、また口づけを落としてやると――。
「……ふふ、本当にあなたは、可愛いね」
 なんて、笑った。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ノイ・フォルミード
ゆい(f17917)と
※姿はお任せ

これが私の姿?
そんな、声まで変わって!?

壁にある鏡で己の姿をしげしげと
ううむ、ルーには負けるけど中々可愛いじゃないか?
段々と満更でも無くなってきて……イヤイヤ、これはいけない

ああ、私はノイだよ
隣の君はゆい、だよね?
流石の美人ぶりだ
アタイ自信無くなりそ……もう早バグっているのかな?私は?

お店のみんなもかわいいね
おんなのこに似合うものといえば花だろう
ねえ、私達に合う花って何かな?

おや奇遇
私も花が好きでね
皆の意見を聞いていたら、
今すぐ花屋に行きたくなってきた
一緒に行かないかい?
皆に合う花も選んでみたくなってしまった
もちろん、君たちの方がずうっとかわいいけれど、ね?


絆・ゆい
ノイ(f21803)

ふうむ、いささか視界が悪いよな
何とも言い得ぬものを覚えるよう

身が重たいのは着物の所為では無さそ、ね
踵を引き摺るよな、そんな重さだこと

姿見に映る“己”が姿を眺もうか
――はら、ま。これは、これは
女人のかたちを取るとは、おどろきね
声帯震わす音色、その高さにも頷けてしまう

お隣さんは……のい、あなたかしら
ふむ、ふむ。あなたも、まじないに掛かったの、ね

ふは、奇怪で愉快なひとときよな
ね、そこな愛い仔。いっとうの花をおくれ
わらわに相応しい、うつくしい一輪を

花は、すきよ。ひととせの巡りを感ずるの
常より重き身を運ぶために、念力を身に纏おう
駆けてゆくよりも、はやいのよ

花々を求めて――さ、往こか



 かわいらしくも上品な店内へと足を踏み入れた瞬間に、その『異変』は全ての者に平等に降り注ぐ。
 例えばそれは、肉の躯を持たぬウォーマシンであれ、美しき麗人が如く男性であれ。
 ――かわいいおんなのこは、性別を超越した先に存在する。
「……これが私の姿……?」
 エントランスに備え付けられた姿見を覗き込んだノイ・フォルミード(恋煩いのスケアクロウ・f21803)は、自らの頬を両の掌で包み込む。
「そんな、声まで変わって……!」
 『異変』だとは聞いていたが、こんなに効果があるだなんて。
 瞬きを重ねる度にノイの金色の瞳を覆う睫毛が、ふさふさと揺れている。
 放っておいたってサビも浮かなそうな、肉の身体。
 普段から被っている大きな帽子の鍔を持って、ノイはくるりと一回転。
 姿見の中できらきらと光を照り返して流れる金糸のような髪は、ルーの髪にもよく似て見える。
「ううむ。ルーには負けるけど……なかなか私って可愛いじゃないか?」
「……はら、ま。これは、これは」
 すこしばかりまんざらでも無くなってきてしまっているノイの横で、春の色をした少女が口元をちょいと上品に隠して言葉を零した。
 重たげな程長い睫毛の揺れる、宝石のように煌めく瞳の色は紫。
 白い肌は陶器のようにすべやかで、彼――彼女がそこに立っているだけで周りに花が咲いたかのように楚々と艶やかに映る。
「なんと、まあ。まこと女人のかたちを取るとは、おどろきね」
 普段見ている視界よりも低い世界。
 それに、身が重たいのは、着物の所為では無さそ、ね。
 華奢な躯は、常のひと回りは小さくなってしまっていそうだ。
 女性らしいまるみが感じられる肉付き。胸には常であれば存在しない無い膨らみが生まれている事が解る。
 絆・ゆい(ひらく歳華・f17917)は己へと起こった変化に、ぱちぱちと瞳を瞬かせ。思わず零したその声によって、声音までかわいらしく変わってしまった事を知る。
「ね、あなたは……のい、で、よいのかしら?」
「ああ、そうだよ。そういう君は、ゆい、……だよね?」
 ゆいの姿は普段の面影が多く残っているが、ノイの姿は普段の彼からは中々想像ができぬ程変化が現れている。
 首を傾ぎ確かめ合う二人は、どうみたってかわいいおんなのこ。
 ゆいは変化をまじまじと見据えるように、真っ直ぐノイと視線を交わして。
「ふむ、ふむ。あなたも、まじないに掛かったの、ね」
「強力な異変のようだね、見ての通りバッチリ可愛くなってしまったよ」
 花のような美しさを持つゆいに見つめられると、なんとなく気恥ずかしさがふつふつと湧き上がるよう。その感情を散らすように思わず視線を逸らしてしまったノイは、小さく首を左右に振った。
「しかしゆいは流石の美人ぶりだね。……アタイ、自信を無くしちゃいそ……」
 そこで。
 自分が何を考えて、何を言おうとしているのか気付いたノイはぴたりと動きを止めた。
 ――それは常であれば、絶対に思いつかないような言葉だ。
 何なら一人称すら既にかわいいおんなのこに飲み込まれはじめている事実に、ノイはぞぞぞと背を震わせて、また姿見を横目で見やった。
 あっ、かわいい。
 考えてしまってから首をふるふると左右に振って。
「……もう早私は、バグってしまったのかな?」
 鏡の中ではノイの言葉に合わせて、かわいいおんなのこが形の良い唇を開いて、閉じて。
 うーん、やっぱりかわいい。
「――ふは、奇怪で愉快なひとときよな?」
 そんなノイの動きが面白くて堪らないと言った様子で、ゆいは笑う。
 それから肩を上げて、下げて。
 ……それがどれほど面白い異変であれ猟兵として訪れたのならば、異変は解決せねばならない。
「どのような姿をとっても、ぼくはぼくだもの。それはのいも、同じこと、ね?」
「ああ、大丈夫だよ。うん、かわいいおんなのこの姿をしていたって、私は私さ」
 かわいいおんなのこなんかに飲まれたりはしない。
 気持ちをふたりが確かめ合う、そこに。
「まあまあまあ! いらっしゃい、かわいいお二人さん!」
 二人を客席に案内すべく、キャストが近寄ってきた。
 ノイとゆいは、己たちがどれほどかわいいおんなのこに成ってしまったとしたって、猟兵である事は忘れない。
 今日の目的だって、ちゃあんと覚えている。
「嗚呼、まこと愛い仔たち。場にぱっと花が咲いたよ、ね」
「本当、みんな咲き誇る花のようで、かわいくてきれいだねえ」
 キャストの顔をじっとゆいが覗き込むと、それだけでキャストは美しい視線に射貫かれてどきどきしてしまう。
 そりゃあゆいの顔面凶器をまともに喰らえば、ドキドキしてしまう事は仕方の無い事。
 間髪入れず、ノイはキャストの一人に畳みかけるように、声をかける。
 そう、なんたって。
 今日の目的は彼女達を口説いて、外へと連れ出すことなのだから。
「――ねえ、きみ。私達に合う花って何かな?」
「花ですか?」
 突然の問いかけに、キャストは首をきょとんと傾げて。
「嗚呼。ぼくも花は、すきよ。ひととせの巡りを感ずるの」
「そう。私も花が好きでね。――私の今の姿にどのような花をあつらえれば素敵か、みんなの意見を聞いてみたいと思ったのだよ」
 成る程と相槌を打ったキャストは瞬きを一度、二度。
「うーん……そう、ですね」
「いっとうの花をあつらえておくれ。わらわたちに相応しい、うつくしい一輪を」
 鈴を転がすような声でゆいはお願いを重ね。
 悩むキャストの周りには、気がつけば他のキャストも集ってきている。
「おねえさんは桜で、そっちのおねえさんは向日葵ってかんじじゃない?」
「えー、椿とデイジーかも」
「桃の花とチューリップってかんじもしない?」
 一度人の集まった場所には、人が更に寄ってくるもの。
 ふたりのイメージの花を決めるべく、キャストたちがわいわいと議論をはじめる最中。
 ノイとゆいは小さく肩を竦めて、またアイコンタクトを交わし合った。
「ああ、どうしようかな。皆の意見を聞いていたら今すぐ花屋にいきたくなってきたなあ」
 少しばかり芝居がかったノイの言葉も、かわいいおんなのこなので七難隠れるもの。
 口元を覆ったゆいも、こっくり頷き。
「はらま。言われてみれば、わらわも、ね。花の素朴なあいらしさも、目の醒めるよなうつくしさも、恋しさを感じるかしら」
 紫と金の瞳をあまやかな笑みに細めて。猫が甘えてじゃれるように、二人はキャスト達を見上げる。
「私は土地勘が薄くてね、花屋まで道案内をお願いできないかい? ――それに。みんなに合う花も、選んでみたくなってしまったしね」
「嗚呼。愛いこの花をあつらえるも、楽しいひととせになりそね」
 ――畳みかけるように、ノイの言葉にゆいが同意の言葉を重ね。
「もちろん花よりもずうっとみんなのほうが、かわいいけれど、ね?」
「――さ、往こか」
 ノイとゆいが手を伸ばして、笑めば――。
「えー、少しくらいならお店あけても平気かな?」
「お花屋さん、直ぐそこだし多分大丈夫だよお」
「あたしも見に行きたいなー、自分に合うお花を選んで貰えるなんて楽しいじゃない」
 口々に言葉を交わし合うキャスト達も、二人に笑いかけ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

丸越・梓
低くなった視界
柔らかでこぼれそうな胸
折れそうに細くなった腕や腰、脚
胸元まで伸びた髪に
…貴重な経験をしているなと僅か戸惑いつつも前向きに捉え
彼女達を助けられるなら一切迷いもなく

話し感じたのは
建物の影響関係なく彼女達は可愛らしいこと
そしてそれは心の美しさ故のものだと
純粋にそう思った為素直に伝える
例え外見が『かわいい女の子』でなくとも
貴方はとても魅力的だと
心からの言葉を

会話を重ねる中で
これからせねばならぬことがあると話し
此処にいては危ないから外にいてほしいと真摯に伝え
「──必ず、貴方のことを護ってみせる」

_
(本人は口説いている自覚もなく天然の所業にて
そして自身の気品に満ちた容姿にも全く自覚なく)



 かわいらしくも上品な店内は幾つものカーテンで区切られ、区画ごとに大きなソファが備え付けられている。
 その一つに腰掛けた丸越・梓(零の魔王・f31127)の横には、妖怪のキャストがひとり。
「うふふ。お姉さん、本当に綺麗でかわいいねえ」
 梓を真っ直ぐに見据えて楽しげに告げる妖怪のキャストの言葉からは、嘘の色は見えない。
 しかし梓は瞳を細めて、少し視線を落とす。
 それは彼女と話しているうちに、重ねられた幾度目かの言葉。
 いつかの言葉にも似た、褒め言葉。
 ――真っ直ぐに褒めてくれる事は嬉しい。
 しかしその言葉を全て受け入れる事は、やはり難しいもので。
 常よりもずっと低い視界。
 丸みを帯びた身体、長く伸びた黒髪。
 大きく膨らんだ乳房は自らが異性と成った事を主張するかのように、動く度にずしりと重さを返す。
 何処かにぶつけたら折れてしまうのではないだろうかと、不安になる程華奢な身体。
 ――それが、今の梓の身体だ。
「有難う」
「ううん、ホントの事だもの。ふふふ、よかったらもっと着飾ってみない? きっと似合うよ」
「そうだな、また機会があれば」
「うんうん、楽しみにしてるわ」
 なんて。
 グラスを傾けるキャストと、ふと視線があった梓は小さくかぶりを振って。
「……貴方の外見が『かわいいおんなのこ』でなくとも、とても魅力的なのだろうな」
「うん? どういう事?」
「この建物の中では、皆が『かわいいおんなのこ』になっているようだが――」
 話をする中で彼女たちが褒める言葉は、不思議と嘘に感じられなかった。
 ――それはきっと彼女たちの心の美しさに所以するのだろう、と、心から梓は感じるのだ。
「……ふうん、ふふ、それはちょっとうれしいな」
 真っ直ぐに射抜くように、梓を見据えたキャストはまた笑って。
「でも、私もお姉さんの事を同じ様に感じているよ」
「――有難う」
「んーん。……ね、何かやることがあるんじゃない?」
「……」
「ずっとね。来たときからずーっと、そんな目をしてるよ、お姉さん」
「そう、――だな」
 キャストの藍色と、梓の黒曜色の視線が交わされる。
「此処に居ると貴方にも危険が……」
 梓が真摯に伝えようとするとキャストは梓の唇に人差し指を寄せて、内緒の指。
 それ以上は言ってはいけない、と制するよう。
「わかったわ、あなたが『何』なのかも」
 それからキャストは肩を竦めて、眦を和らげて。
 立ち上がりながら梓の耳元へと唇を寄せて、小さな小さな梓にだけ聞こえる声で囁いた。
「このまま放っておけば、世界が壊れてしまうのでしょう? ――猟兵さん」
 くっと瞳を細めた梓は、こくりと頷いて。
「――必ず、貴方の事を護ってみせるから」
 その言葉に気分も良さげに笑ったキャストは、もう一度ありがとう、と小さく小さく耳打ちをして。
「ふふ、大丈夫よ。でも次はきっと、着飾らせて頂戴ね」
 なんて。
 踵を返すと、外へ続く扉へと歩み出した。
「……有難う」
 梓はもう一度だけ、もう扉の外へと向かったキャストには届かぬ言葉を呟いて――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

リゲル・ロータリオ
俺、もっと男らしくなりたいんすよ
筋肉つかねーし、ヒゲとかも全然目立たねーっすけど
でもいつかはカッコイイ男になれると思ってたんすよ
なんで女のコになってるんすか!? 俺、男っすよ!?
(UDCアース式ブレザー女子制服を着せられたよ)

と、ともかく! カワイイ女の子ばっかりなのは役得っすよ!
こういうトコで楽しまないと何がキマイラっすか!(やけくそ)
キマイラ流【誘惑】アゲアゲトークで盛り上げつつ、外に誘導していくっすよ
その角とかマジイケててカワイイっすね~!
えっ、俺の角っすか? 俺のはカワイイんじゃなくてカッコイイ…
だから! 俺はカワイクないんすよ! もー!

※スカートの下はスパッツ着用済み
※アドリブ絡み◎



「ねえねえ、ステキだねえ」
「うんうん、とっても似合ってる!」
 きゃあきゃあと響く、黄色い声。
 リゲル・ロータリオ(飛び立て羽ばたけどこまでも・f06447)は、筋肉が付きづらい身体だ。
 リゲルはヒゲだって全然目立たない。
 それでもリゲルは、もっともっと男らしくなりたいと、願っていた。
 それでもリゲルは、いつかきっと格好良い男になれると思っていた。
「……いやー、この服カワイイっすねー!」
 ハハハとカラ笑いするリゲルは、かわいいブレザーにチェックのスカート。
 丸みを帯びた柔らかな身体に、膨らんだ乳房。
 服の上から撫でて確かめて見たが、リゲルの男として誇るべきリゲルたる部分はもう、そりゃあ、失われていた。無がそこにあった。
 無ってそこに無いのに、無があるんですよ。
 今日は一つ勉強になった。生きているとこんなに恐ろしいことが起きる世界だってあるって事を覚えた。
「ほんとほんと! 超かわいい! ねえねえ、お揃いの洋服で写真とってみない?」
「えー、そんなの絶対かわいい! わたしもやりたーい!」
 リゲルの回りには、リゲルのかわいい制服姿を褒めそやす妖怪のおんなのこたちがソファへと腰掛けている。
「イヤーー、俺自身は別にカワイクないっすけれど、勿論良いっすよ!!」
 やややけくそ気味にも見えるリゲルは、元気にお返事。
 ――何処を見たってかわいいおんなのこしか居ない空間で、かわいいおんなのこが接待してくれる。
 面白おかしく生きるキマイラとして、それ以上何を求めるというのだろうか?
 そこに男の誇りがちょっとばかり失われているとしたって、この状況は役得でしか無いはずだ。
 無いはずっすよね????
「でもどうせ写真をとるなら、外で撮るとより映えないっすか?」
「えー、この店内もかわいくない?」
「チッチッチッ、こういう制服は街中で撮影した方がより映えるんすよ! 例えコスプレでも本物感がでてくるっすからねー」
 キマイラフューチャーではより映える撮影方法が、何時だって開発されている。
 彼女たちの心をくすぐるような提案で、平和に外へ誘導する。
 ――これぞキマイラ流アゲアゲトークっすよ!
「リゲルちゃんってホント色々映える方法しってるねー、かわいいし凄いね!」
「うん~、かわいいしねえ」
「うんうん、俺はどちらかというとカッコイイっすけれど」
 妖怪のキャストたちがワイワイと褒めそやしてくれるけれども、リゲルはすかさず笑顔で訂正。
「じゃあ早速行こうよ、皆!」
 そんなリゲルをスルーしたキャストたちは、ワイワイと立ち上がって――。
「きいてるっすか? 俺は! カワイクはないんすけれど!」
「おおーっ、いこーっ!」
「お姉さんたちーっ!?!?」
 必死の訴えにやっと振り向いてくれたキャストは、リゲルへと手を伸ばして。
「それじゃあ、かわいいリゲルちゃんもいこ~っ」
 ぴっかぴかの笑顔で誘ってくれるものだから。
「わーーっ、楽しみ~~!!」
 リゲルはだいぶやけくそ気味の笑顔を浮かべたまま、妖怪たちと一緒に外へと向かうのであった。
 かわいいね。

大成功 🔵​🔵​🔵​

呉羽・伊織
【愉】
(きゃぴってる姐サンの横で恐る恐る中窺い)
――やっぱオレ帰っても良い?
オレが求めてるのはちがうそうじゃないってかまだ心の準備が~!



(自分を二度見後姐サンも二度見し)
ウン、姐サンも若返…っいやいやいつも以上に輝いてるネッ
ハハハ
もうど~にでもなれ☆
(複雑な男心と湧き上がる乙女心の鬩ぎ合いの末、現実逃避)

ん、あのコ達知り合い?
まぁソレならオ…いやワタシ…も、相席で~
いや~ホント超カワイイネ、皆
(何やかんやででれ~っと乗りかけた直後)
…待てその源氏名!?

妖怪は妖怪でも妖怪悪辣女狐!!
あとナニ…?爺が…かわいいおんなのこ…??
(頭がバグった顔)

ヤダ~!ソレよりアフター女子会に行こ~!(断末魔)


花川・小町
【愉】
(うきうききゃぴきゃぴ伊織ちゃん捕まえ)
何たじろいでるの?
此処なら一夜限りなれど、貴方の夢も叶うでしょう
――そう、可愛い女の子と遊びたいなら、貴方も女の子になれば良いじゃない

さぁ、男は度胸
(問答無用で入店し)
――そして女は愛嬌よ?
(隣の可愛い女の子
な、伊織ちゃんに微笑み)
ふふ
これは一際可愛がりたくなっちゃうわね
喜んでどうにでもしてあげるわ~
(早速可愛い髪飾りつけ遊び)

さ、更に可愛くなった所で特等席へ行きましょ
(ツレの元へ上機嫌に誘い)
ええ、大親友の――妖子ちゃんと松子ちゃんよ
うふふ
二人とも完璧ね

妖怪ちゃん達も、伊織ちゃんをもっと可愛くしてあげてくれない?
(これは遊びに非ず
勿論退出誘導よ)


佳月・清宵
【愉】
(肴調達は小町に任せ
一足先に松子もとい爺と席へ
――面白可笑しく酒が飲めるなら何でも良いのか
平然と女子になりきり溶け込んでいる!)
何方も此方も愛らしく、お酒も一際美味しく感じられますこと

ねぇ、愛らしいお嬢さん
もうすぐとっておきのお人形が届くから
どう遊ぶか一緒に考えて頂けない?
(とか可愛い顔して企てていれば)

小町ちゃん、待ちわびたわ(あざとく笑んで手招き)
ふふ、可愛い子が増えて嬉しい

――中身にも可愛げが芽生えりゃ文句ナシなんだが、なァ?
(悪戯っぽく内緒の耳打
と見せかけ肴へご挨拶☆)

ああ、襤褸着の儘じゃ勿体無いものね
皆で楽しく可愛い衣装選びに、お外のお店に行きましょ(人形遊び?否、退避誘導だ)


重松・八雲
【愉】
(よくわからないまま店に入りよくわからないままかわいいおんなのこになっていた!
――が、特に気にも留めず、妖子という名の清宵ときゃっきゃと席へ!)
まぁまぁ、とってもすてき!とってもかわいい!
(きらっきらの店内の様子にきらっきらの笑顔を浮かべ)
かわいいきゃばじょうさん、貴女のオススメのかわいい甘味はある?
きゃー!かわいい!(女子力高いパフェに甲高い歓声を上げテンションも更に高く上げ上げ)

あっ小町!(右に同じくこっちこっちと可愛く手を振り)
そして其方はもしや――!
ふふふ!そうよ私よ!(どやぁ)

皆で着せ替え遊び(※避難誘導)するの?良いわね!
伊織もそう照れず!お主ももっと可愛くなるんじゃよー!!



 赤と黒で纏められた上品ながらにかわいらしい店内は、ボックス席の区画ごとにカーテンで仕切られ。
 その一画に備え付けられたソファに腰掛けた少女は、運ばれてきたぱんださんのパフェにぴかぴかと瞳を瞬かせた。
「きゃあきゃあっ、妖子、きゃばじょうさん、みて、みて! とってもすてきで、とってもかわいい~!」
「ふふふ~、そうでしょ、そうでしょ、私の力作でーす!」
「えっ、すごいっすごいっ! かわいいし……」
 妖怪のキャストが胸を張って答えると、少女はまたひときわ大きな喜びの声を上げて。
 スプーンを手にとった少女は、パフェを一口ぱくり。
「――おいしい! すごーいっ!」
「でしょう~、かわいいしおいしいし最高でしょうっ?」
「最高~~っ!」
 妖怪のキャストと少女が笑い合う、横。
「そうさねえ、松子の言う通り――何方も此方も愛らしくて、お酒も一際美味しく感じられますこと」
 狐の大きな耳が印象的な黒髪の少女は猪口を煽ると、口端を擡げて。
「嗚呼、ねぇ。愛らしいお嬢さん。そう言えば、もうすぐとっておきのお人形が届くからどう遊ぶか一緒に考えて頂けない?」
 なんて。
 妖子と呼ばれた少女は赤い赤い瞳を眇めると、――唇だけで笑った。

 おそるおそる。
 店内に足を踏み入れた呉羽・伊織(翳・f03578)は、自らに起こった変化に瞳を見開いて。
 それから胸を覆うと、ちょうど入り口の横にあった柱に何となく姿を隠した。
「姐サン、姐サン。――やっぱオレ、帰っても良いカナーって……」
「あら、伊織ちゃん。今更何をたじろいでるのかしら。此処なら一夜限りなれど、貴方の夢も叶うだろうと思って呼んだのに……」
 いつもよりもずっと肌艶の良くなった花川・小町(花遊・f03026)は、不思議そうに首を傾ぎ。
 もう、と瞳を細めると伊織に向かって、こちらにいらっしゃいという様に手招き一つ。
「ね。可愛い女の子と遊びたいなら、貴方も女の子になれば解決でしょう?」
「えっとネ~~! オレが求めてるのは、そういうヤツじゃないっていうか、こう……ホラ。まだ、心の準備みたいなのが……!」
「はいはい。ねえ、伊織ちゃん、男は度胸っていうけれども……」
 つかつかと伊織へと歩み寄ってきた小町は、『彼女』の首根っこを猫のようにひっつかむと柱から引っ剥がして。
「――おんなのこの今は愛嬌よ?」
 その勢いでゆさっと揺れた『彼女』の胸元を見やってから、『彼女』――伊織の顔を、小町は覗き込んだ。
 伊織へと向けられた金色の視線に、伊織は瞬きを一つ、二つ。
 それから思わずといった様子で口を開くと。
「……姉サン。若返……っ、……いやっ。今日のお肌は、いつも以上に輝いてるネッ」
「…………ふふ、これは一際可愛がりたくなっちゃうわね」
 失言を漏らしかけた伊織と小町は、ニッコリと笑顔で向き合い。
 片手を上げた小町は、よーく店内に通る声で言い放った。
「はいはい鬼娘ちゃんたち~、とびっきり可愛くしてあげてねえ」
「わあ、いいんですか?」
「あなたかわいいですね~、もっとかわいくなりましょうね!」
「あ~~っ、ハ、ハハハハハハ、もうど~にでもな~~れ☆」
 そうして。
 首根っこをつかんだまま連行された伊織は鬼娘たちにもみくちゃにされながら、どんどんかわいくなって往くのであった。
 どうにでもなった~。

「と、言うわけでお待たせしたわ」
「もう、小町ちゃんったら、待ちわびたわ」
 すっかりかわいくなった伊織と並んだ小町に、ソファに腰掛けたまま声をかける狐耳の少女――妖子は可愛らしく笑みを向け。
「……えっ、何? 知り合いのお方?」
 可愛く髪を結われた伊織が首を傾げると、リボンがはらはらと揺れた。
「あっ、其方がもしや……?」
 空いたパフェグラスが二つ並んだ向こう側から、顔を覗かせた松子と呼ばれていた少女は、さらにパフェを口へ運びながら片手で手を降って。
「ええ、大親友の――」
 伊織の質問に小町が答えきる前に伊織は頷くと、ソファの方へと歩みだし。
「まぁソレなら……、オ、……いやワタシ……も、相席にしようカナー」
 なんて、腰掛けた瞬間。
 妖子はソファの上に膝をついて、伊織にぐいっと肉薄を行い。
「……!?」
「妖子ちゃんと松子ちゃんよ」
 ついでに小町は、先程の言葉を次いだ。
「待って、ナニ!? その源氏名!?」
 騙された事に気がついた伊織が、大きな声で吠えた瞬間。
「ふふ、可愛い子が増えて嬉しい――その中身にも、ちったァ可愛げが芽生えりゃ文句ナシなんだが、なァ?」
 顔を寄せた松子……佳月・清宵(霞・f14015)は伊織の耳元で囁き。
「きゃばじょうさん、次のオススメの甘味を持ってきてくれるー?」
 松子こと重松・八雲(児爺・f14006)は、マイペースに次の甘味を選んでから伊織に向き合うと胸を張り。
 ゆさりと揺れる、おおきなお胸。
「ふふふ! そうよ私よ!」
「噫、残念だったな。生憎と俺だ」
 上目遣いで伊織を見上げた美少女の清宵は、長いまつげを揺らしてくすくすと笑った。
「え? ナニ? ドユコト? 妖怪は妖怪でも妖怪悪辣女狐……ってコト……!? それと、え、これ、エット、ナニ……? 爺が……かわいいおんなのこに……なって……???」
 頭に流れ込んできた情報の濁流に完全に飲み込まれた伊織は、壊れかけたおもちゃのように瞳がぐるぐる。
「うふふ、二人とも完璧ね」
「そっちの肴は、いまいち完璧じゃねェみてぇだがな」
「なんだ伊織、お主照れておるのか?」
「アアーーー、急激にお家に帰りたくなってきたナーーーッ!!」
 小町と清宵が勝手なことを言い出すと、八雲だって勝手なことを言う。
 頭を抱えた伊織がぶんぶんと首を揺すっていると、小町はなんの気なし、と行った様子で言葉を重ねて――。
「あら、それなら丁度いいわよね。伊織ちゃんの衣装が足りないって妖怪ちゃんたちとお話していた所よ」
「もっとお似合いの服が用意できるとおもったんですけれど……」
 ぽんと掌をあわせた小町は妖怪のキャストと視線を交わしあうと、ねーっと笑いあい。
「ああ、それじゃあ、皆で楽しく可愛い衣装選びに行きましょ?」
 清宵がそのお出かけの意味合いを理解した様子で片目を眇めると、ぐるりと回りを見渡すと妖怪のキャストたちへよくよく聞こえる声音で言った。
「さんせーい!」
 多分、八雲は何も考えていないけれど。
 とにかく楽しそうだからそれで良いのだろう。
 伊織だって、皆の言っているお出かけが避難誘導である事くらい理解はできている。
 しかし、しかし。
「ヤダ~!ソレよりアフター女子会のほうがいい~!」
 着せかえ人形として遊ばれるくらいならば、もっと他の何かが有るはずだ。
 あ、あるハズですよネ!?!?!
「うむ?」
 しかし。
 伊織の懇願も虚しく不思議そうに首をかしげた八雲は、全然理解していない様子で伊織の背をぽんっと叩いてあげて。
「伊織、まだ照れておるのか? お主も、もっと可愛くなるんじゃよー!!」
「イヤアーーッ!」
 全然見当違いの慰めの言葉を、伊織にかけてあげるのであった。
 そうしてぞろぞろと歩みだした一行は、服屋を目指して――。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

龍槙・悧玖
ライラ(f22064)と

俺やだよ、男だし。それになんかこんな感じの店苦手だ
ライラはいいけど、俺は男なんだよ…
…なんて店に入る前は思っていたのに。

俺…いえ私。案外悪くないかも…☆
ライラちゃんもいつにも増してとてもキュートだわ!
(連れの猫を優しく撫でつつ)りうちゃんも可愛いレースのリボンつけましょうね
ライラちゃんは本当に長くて綺麗な髪よね。少し、遊んでみない?

猫のりうも『ライラめっちゃ可愛いぞ!!ライラ好き好きっ♪りうも可愛ぃ?』と嬉しそうに燥いでるし。

あ、そこの貴女(妖怪さん)、マカロンってご存知?カラフルで丸くて可愛いいの!あなたにも召し上がって頂きたいから少し此方に来て下さらない?


ライラ・ネイサン
りく(f28080)と一緒!

えー、いいじゃんいこーよー
やだやだいくのー
……ふっ、駄々をこねた甲斐があったな!

しゃらら〜んととびきり可愛くなったら
同じく可愛くなったりくに可愛いを連呼!
りく、きゃわいい!
とびきり可愛くしよっ☆
もちろん、りうも!

ん?ふふ、髪の毛はね、自慢だよ
えっ?可愛くアレンジしてくれる?
わくわく、キラキラっ!

じゃあお返しにボクも髪の毛やったげる!
ヘアピンいっこ貸してあげるね
お揃い!
りうにつけたリボンをりくの髪に編み込んで完成☆

りうも、可愛いって思う?
んふふ、じゃあマカロンでみんなで女子会だっ♪



「りく、りく、こっちだよ!」
 ライラ・ネイサン(泡沫の夢・f22064)は龍槙・悧玖(碧水の芽・f28080)に向かって大きく手を降り、太陽みたいにぴかぴかに微笑み。
「本当に行くの?」
 そんな彼女の後ろを歩む悧玖は、どうにも気乗りのしていない様子の訝しげな表情。
「やっぱり俺やだな。男だし。……それになんか、こんな感じの店は苦手だ」
「えー、いいじゃんいこーよー」
 どうにも足取りの重い悧玖へ振り向いたライラが、ぐいぐいと彼の腕を引く。
「ライラはいいかもしれないけど、俺は男なんだよ……」
「やだやだ、いくのー!」
 ライラは頬を膨らせ、絶対に一緒に行くと一歩も譲らぬ表情。
 大きく肩を竦めた悧玖は、ライラの様子に折れた様子で――。
「分かった、分かったよ……」

 そうしてぴかぴかと輝く店の中へと二人が消えてから、数十分後。

 かわいらしくも上品な赤黒色で統一された店内。
 カーテンで仕切られたボックス席に腰掛ける少女たち――と。可愛いリボンをたっぷりとあしらわれて箱座りしている猫が一匹。
「ライラちゃんって、本当に長くて可愛い髪よね」
 栗色の髪の少女は言葉を零しながら、ライラの絹のような黒髪へと手を伸ばし。
 長く華奢な指先が髪を梳くように遊べば、髪は素直にさらさらと流れる。
「ん? ふふー、そうでしょー! 髪の毛はね、自慢だよ!」
 いいでしょー、なんて。笑ったライラからは、かわいいドリンクの入ったグラスに口を寄せ。
 その様子はなんだか店に入るまえよりも、より少女らしく。
 かわいく、美しくなった印象を受けるかもしれない。
「そうなんだ、……ねえ。少し、遊んでみない?」
 さら、さら。
 髪を指で梳かすとびきりかわいい美少女――悧玖は悪戯げに瞳を細めて、笑った。
「可愛くアレンジしてくれるって事? わくわく、やってやって~っ!」
「ん、まかせて。もっともっとキュートにしてあげる」
「ありがと! じゃあボクも後でお返しに髪の毛やったげるね!」
「うん、ありがとう」
 髪の毛を編み込む形で結い出した悧玖に、ライラはくすぐったげに首をぐーっと反らし。
 悧玖がこっくり頷くと、可愛いリボンをたっぷりあしらわれた猫――りうがぴょーんとライラの膝上へと乗る。
『ライラ、ライラぁ! すきっ、すきっ♪ りうも、りうももっと可愛くして! りうも可愛いでしょ? ねえ、可愛いでしょ~~! ライラ!! 可愛いぞ! 可愛いぞおぉおぉっ』
「なんかめっちゃ喋ってるみたいだけど、相変わらずわからんな」
「落ち着けよ、りう」
 りうに膝上に乗られれば、ライラも悪い気はしない。
 優しく撫でくりまわしながら、りうにつけられたレースのリボンを整えてあげるライラ。
『ライラ~、好き~♪』
「ん、……こんなもんかな?」
 声音で言ったライラの前髪を斜めに編み込み終えた悧玖は、りうと同じレースのリボンで仕上げてやり。
「じゃあ次はボクの番~、ねえりく、こっち向いて!」
「うん」
 ライラは自らのつけていた星のヘアピンで悧玖の髪を留めると、レースのリボンを編み込んで――。
「んふふー、これで皆お揃いだねっ!」
「……ね、私、可愛くなった?」
「もちろんっ! うーん、りくも、りうも、本当にきゃわいくなったね~っ」
 少し恥ずかしげに上目遣いで尋ねる悧玖に、ぱあっとぴかぴかの笑顔で応じるライラ。
「私も、案外悪くないと思っちゃったから、ね?」
「だって、本当にかわいいもんねえ」
 やっぱり駄々をこねた甲斐があったと、ライラは何度も頷く。
「やっぱり、……そう? やっぱり案外悪くないよね……?」
「ううん、案外じゃなくて、きゃわいい! 最高っ!」
『ライラも可愛い~~! 好きっ好き~~!』
 悧玖が次いだ言葉に応じるライラは、満面の笑みで褒めそやし。
 それに合わせて、りうだってにゃあにゃあ。
 そう。
 ――ライラの駄々こねは、無事に実を結び。
 かわいいかわいいと言い続けられた悧玖は、だいぶその気になり随分気持ちも女の子となってしまっていた。
 鏡を覗き込めば実際かわいいのだから、それは仕方が無い事なのかもしれないけれども。
 ――でも、でも、おんなのこの気持ちになってきたからって今日ここに訪れた理由まで忘れてしまった訳では無い。
「あ、そこのあなた――マカロンってご存知?」
 鬼娘が歩んできた姿を見かけると、悧玖はゆるーく手を降って。
「あなたにも召し上がって頂きたいの! とっても可愛いのよ」
 なんて。
 堂に入ったかわいいおんなのこっぷりを発揮するの悧玖が、先程まで店内に入る事すら嫌がっていたなんて、だれにも最早想像できない事だろう。
 ライラも楽しげにさくりとマカロンを一口。
「んふふ、じゃあマカロンでみんなで女子会だっ♪」
『りうも、りうもっ』
「まあ、かわいい猫ちゃんに、おねえさんたち。うふふ、勿論頂くわ!」
 何も知らない鬼娘はにっこり微笑んで。
 彼女たちの横へと、まんまと腰掛けるのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

汪・皓湛
うむ…?
声は少し高くなったが然程変わっていない様な?
己の変化故、気付きにくいのだろうか
万禍を見れば鞘に在る花模様が随分と丸い
私にのみ届く低い声は高く
まさか友である神剣も変わるとは

うむ、これは可愛…
ハッ
いけない、呑まれかけている
気を引き締めなくては

演じるより自然体
キャストには初めてだと伝え、暫し饗されよう

花の如く素敵な方と過ごせるなど夢の様
その服も貴女の為に在る様で
その服、どちらで?

相手のセンスを褒め尊敬の眼差しの後
外へ誘導すべく相手の目を見つめ
しずしずと頼み事

私、買い物に不慣れで…
貴方の輝くばかりの愛らしさ
その秘訣を、実践で教えて欲しいのです

…ううん
愛らしく誘えた、だろうか(心配そうにチラリ



 上品ながらにかわいらしさの感じられる設え。
 案内された先のソファに腰掛けた汪・皓湛(花游・f28072)は、自らの指先を見つめていた。
 ――たしかに、指が普段よりも華奢になったように思える。
 少しばかり下がった目線、少し高くなった声。
 長い髪を結わえた編み込みは普段からは代わりはしないが、髪質がさらに柔らかくなったような気がしない事も無い。
 常とは違う、異性の身体。
 皓湛自身の自覚は少ないとはいえその身体はたしかに常と比べれば丸みを帯びた、女性らしい身体へと変化をしている。
 ――なによりも。
 皓湛自身が一番大きな変化だと感じられたのは、皓湛の無二の友である神剣、万禍の変化であった。
 鞘に有る花模様がまあるく変化し、皓湛だけが聞くことのできる声すらも女性のように高い声音と成っていた。
 まさか、まさか。
 剣の性別まで変化してしまうとは、予想もしていなかったことに皓湛はふ、と鼻を鳴らして笑って。
「……――うむ」
 これはちょっと面白くて、何より、可愛い気がしてしま……。
「あ、……ああ」
 万禍の声音に首を振る。
 危ない、危ない。かわいいおんなのこになってしまう所であった。
 今日は――かわいいおんなのこを誘い出さねばならないのだから。
 自身がかわいいおんなのこに成りきってしまっては、本末転倒だ。
 背筋をしゃんと伸ばした皓湛は、丁度ドリンクを持って戻ってきた妖怪のキャストに柔和に微笑んでみせた。
「――失礼。貴女、その服はどちらで?」
「あら、何か気になっちゃった?」
 ドリンクを皓湛の前へと差し出して、きょとんと首を傾ぐ彼女に皓湛は小さくかぶりを振って。
「いえ。まるで貴女が花のようですから。貴女の為に在るような服を何処で手に入れられたのかと、気になってしまって」
「……ふふふ、あなたかわいいのに、お口が上手ねえ」
 ――初めてこのような店に来た、と彼女には伝えてある。
 きっと精一杯背伸びしてこのような事を言っている、と思われているかもしれない。
 それでもいい。
「いいえ、おべっかのつもりはありません」
 ――彼女が花のように素敵だと思ったのは、本当の事なのだから。
 皓湛の真っ直ぐな視線には、キャストも眦を緩めている。
 眼を逸らすこと無く皓湛は彼女をじっと見つめて――。きゅっとキャストの服の裾を、小さく引いた。
「あの、私……、買い物には不慣れでして……、貴女の輝くばかりの愛らしさの秘訣を、実践で教えて頂ければ……、と思っているのです」
「……」
 その言葉には、キャストは一度瞬きを重ねて。
「…………」
 皓湛は彼女の生んだ沈黙に、小さく息を飲み込む。
 ……愛らしく誘えなかったのだろうか。
 それとも、何か悪い事を言ってしまっただろうか。
「ぷ、は……!」
「――!?」
 それからあはは、と突然笑い出したキャストに、皓湛は大きく瞳を見開く。
「あなたって、不思議でかわいいわ。……口がうまかったり、捨てられた犬みたいな眼をしてみたりさ。あはっ、いいよ、今日は一緒に遊びに行きましょうよ」
 一通り笑ったキャストは、皓湛に向かい合いなおすと皓湛の手を取って、よろしくの握手。
「良いの、ですか?」
「勿論」
「それでは、よろしくお願いします……!」
 無事キャストを誘い出す事に成功した皓湛は、ぱあっと花のように笑って。
 その表情がかわいいと、キャストはまた楽しげに笑い出すのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

唄夜舞・なつめ
【蛇十雉】
きゃばくら、なァ…
俺も少し前までは
遊びに行ってたっけ
…ってンだよときじ
ヤキモチか?…なァんてなぁ!
今はお前と色んなとこ遊びに行ってっから行く暇なんてねーよ

着替えと化粧を終えれば
誰もが目を惹く華美な花魁姿

ほら、ときじも恥ずかしがらずに
こっち来なんし(そっと手を引いて)

かわよう子でござりんしょ?
ふふ、かわよう、かわよう
言うてたらほら
顔真っ赤になってしもて。
あぁでも…あんまりわっちのツレに
変なことしたら、許しんせんよ…?(冷たい視線を送りつつ)

ふふ、格好は花魁でありんすけど
本物じゃあごさりんせん
雰囲気だけでも楽しんでおくんなんし

かわいい女の子たちの
接待したあとは
大勢を引連れて2軒目へと促す


宵雛花・十雉
【蛇十雉】

なつめ、キャバクラ行ったことあるんだ…
べ、別に
キャバクラくらいオレだって行ったことあるし
大人の男なら当然の嗜みだし
なんて虚勢を張る

オレはカッコよくなりたいんだけどなぁ…
なんて不貞腐れてると、いつの間にか目の前に背の高い花魁が
え、その声…なつめなの!?
一瞬、女の人かと思った

連れて行かれたボックス席で、勧められるままにあれよあれよとかわいくドレスアップ&メイクアップされる

か、可愛い?わーい
こうなったらヤケだ
一緒にお酒飲んで甘いものも食べよう
なんだかちょっと楽しくなってきたよ
かわいいって楽しいね

よーし、このまま二次会に繰り出すぞー!
なんて言いながら
妖怪たちを店の外に連れ出すよ



 ぴかぴかと瞬く華美な装飾の為された壁を見上げた唄夜舞・なつめ(夏の忘霊・f28619)は、何処か懐かしげに瞳を細める。
「俺も少し前までは、こういう店に遊びに行ってたっけな」
「……へえ、行ったことあるんだ」
 その様子に肩を竦めた宵雛花・十雉(奇々傀々・f23050)は、小さく鼻を鳴らして応じる。
 ――別に何も、気にしては居ないけれど、と。下げた目線が何かを訴えかえるようで、なつめはにんまりと唇に笑みを宿して。
「……ってンだよ、ときじ。もしかして――ヤキモチか?」
 なァんてなぁ! と。
 冗談めかしてなつめが言い切れば、十雉は一度大きく眼を見開いてすぐにその視線を横へと反らして。
「――こういう店くらい、オレだって行ったことあるし。大人の男なら当然の嗜みだし。別に、ヤキモチとか、気にしてなんか……」
 つらつらと溢れる言葉は、不思議と何もかもが言い訳じみて聞こえる。
 思わず吹き出したなつめは瞳を眇めて、ぐりぐりとときじの頭を撫でてやり。
「っはは、ときじ……今はお前と色んなとこ遊びに行ってっから行く暇なんてねーよ」
「……そ、っか」
 零せた言葉は、これだけ。
 本当は、十雉はそんな虚勢を張ったりする必要もない『カッコよい』男に成りたいというのに。

 それなのに、今日はどうして、何故なのだろうか。
 ――全てがかわいいおんなのこになってしまう場所に、来る事になってしまったのは。

 店内は赤と黒を基調に、上品ではあるがかわいらしさも感じられる内装であった。

 十雉が一人でぼんやりと考えこんでいるのは、店に入ってからなつめが率先して自分からドレッシングルームに自ら入ってしまったからだ。
 タイミングを見失った、と言うよりも気恥ずかしさが勝ってしまった十雉は着付けをしようかと声を掛けてくる妖怪たちを断り続け、自らの変化を確かめるように指先を見つめていた。
 普段よりもずっと細くて、華奢な指先。
 折れてしまいそうなほど細い腰。
 ささやかながらに膨らんだ胸は、自らが今、常とは違う異性と変化している事を訴えかけるようだ。
 ――そこに。
「お待たせしんした」
「えっ、……え?」
 掛けられた声に顔を上げた十雉は、思わず瞳を見開いた。
 一歩歩けばしゃらしゃらりと簪が音を立て、二歩歩けば三枚歯下駄がぽくりと鳴る。
 そこに立っているのは絵踏衣装を纏い、花魁に扮したおんなのこ。
「……なつめ、なの?」
 声質ごと変わってしまっているとは言え、その奥に残る色はなつめのもの。
 十雉がおそるおそると尋ねると、花魁に扮したおんなのこ――なつめは手を差し出して。
「ええ、ええ。ときじも恥ずかしがらずに、こちへいらっしゃい」
「う、ん」
 おず、と差し出された十雉の手を引いて、ソファへと横並びに腰掛けた。
「おねえさん、かわいくしてきたねえ」
「うんうん、そこまで豪華にかわいくする子はめずらしいよ~」
 ドリンクを持ってきた妖怪のキャストたちは、なつめを見やって眼をまあるくして。
「ふふ、格好は花魁でありんすけど、本物じゃあごさりんせん。雰囲気だけでも楽しんでおくんなんし?」
 そんなことよりも、と。
 口元を覆ってくすくすとわらったなつめは、横に腰掛けた十雉をきゅっと引き寄せて。
「ふふ、わっちもいいでありんすが、ぬし、こちの子も愛らしい子でありんしょう?」
「や、えっ、か、可愛い?」
 その褒め言葉に十雉は言葉を詰まらせるが、キャストたちはうんうんと頷いて。
「そうねえ、かわいいかわいい~」
「うんうん、かわいいかわいい~、何、何。何かお洋服きちゃうー?」
「メイクしちゃう?」
「わ、わあーーっ!?」
 一気に迫られた十雉が思わず声を上げると、なつめはちらりと冷えた視線でキャスト達を見やり――。
「まあ、まあ。あんまりわっちのツレに変なことしたら、許しんせんよ?」
「うふふー、かわいくするだけだからよーく見ててね!」
「わ、わーい……?」
 既に着付けとメイクを始められていた十雉は、どういうテンションで返事をすればよいのかわからなくなってしまった様子で眼をぐるぐるしていた。
 ――そうして。
「まあ、まあ、えらい可愛くして貰いんしたねえ」
 ばっちりメイクと着付けを終えた十雉は、かわいらしいドレス姿。
 しかし手渡された鏡と褒めるなつめの間を、視線だけで二往復した十雉は落ち着かない様子。
「か、可愛い? ホントに?」
「ばっちりでーす!」
「かわいいですよ!」
「ええ、ええ。かわよう、かわよう」
「そっか……」
 もう一度褒められば、少し安心したのか十雉はソファに深く深く座って。
 やっと人心地がついたように、あまくてかわいいお酒を一口飲み。
「……うん、ちょっとかわいい気がしてきた」
「おねーさんもかわいさに目覚めましたか!」
 なんてキャストがくすくす笑うと、十雉は肩を上げて、下げて。
 それから小さく笑って――。
「うん、うん、……ちょっとかわいいが楽しく思えてきたんだ。ねえ、もっとかわいいについて教えてくれない?」
「うふふふ、良いですよう!」
「おやあ。ときじはそのままでも、十分でありんしょう?」
「……なっ!?」
 ――楽しく食べて、楽しく飲んで。
 かわいく、かわいく。
 仲良くなれば、きっと店の外にだって一緒に行けるだろうから。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『かしまし鬼娘』

POW   :    鬼の刀
【小刀】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    鬼の鈴
【鈴の音】を聞いて共感した対象全ての戦闘力を増強する。
WIZ   :    鬼の本気
【自身の妖力の全て】を使用する事で、【立派な角】を生やした、自身の身長の3倍の【大鬼】に変身する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●かわいいのに! かわいいのに!
 気がつけば店内からは随分と人が減り、残ったのは揃いの服に身を包む鬼娘達と、猟兵達だけである。
「なーんかおかしいとは思ってたよねえ。あなた達、みーんな猟兵さんだったんだ」
 一人の鬼娘が頬を膨らせてかわいく言うと、横に立つ鬼娘がコクコクと頷いた。
「みんなかわいいって喜んでたのにー、みんなが喜ぶコトを私達はしてるだけだよ? どうしても邪魔をしたいっていうの?」
 この店にいる鬼娘達は皆、かわいいおんなのこをしている間に骸魂に取り込まれ、心の中までおんなのこになってしまった妖怪たちだ。
 彼女たちをかわいいおんなのこから救い出し、ひいてはカタストロフを防ぐ為には、彼女たちを取り込んでいる骸魂を倒す必要があるのだが――。
「そんなに私達の邪魔をしたいなら、私達よりあなた達の方が可愛いって認めさせてみなさいな」
「うんうん、そうしたら私達も、あなた達にかわいいおんなのこを託してこの妖怪達から出ていってあげてもいいよ」
 互いに顔を見合わせた鬼娘達は、一斉に猟兵達を睨めつけ。
「かわいいおんなのこでバトルよ!!!」
 かわいいおんなのこで勝負を仕掛けて来るのであった。

 ――かわいいおんなのこバトルでは、相手のかわいいおんなのこよりも、かわいいおんなのこであった者が勝利者となる。
 かわいいおんなのこによって引き起こされるカタストロフを防ぐが為。
 かわいいおんなのこである事を示すか、もしくは全てを諦めて武力で殴り倒せ、猟兵達!
オセロ・コールブランド
†神ちゅん†

やめろー!可愛いは人を傷つけるための道具じゃねえ!
アタシと可愛いバトルで勝負だ!ってことっスね?理解っちゃったな、俺グア
(女の子に弱いのでさくっとやられる)

フ、やべえ
♡女神♡ニーサンの声援はちょー嬉しいし最高なんスけど
レディースってまず超可愛いからこっちの防御力ゼロだし
俺自身どうしたらこれ以上可愛くなるのか全く分かんねえ!

♡女神♡ニーサン…力強い…
可愛いは…正義……
へへっ、俺としたことが忘れてた
俺たち、魔法少女だったんだ――だからさ
今なら、あの日の力を取り戻せる気がするんだ

ウオオ行くぞォ!これが俺たちの!愛と正義ッ
で引いた聖剣(かわいい棒)でかわいいバトルに挑むっスよ!!


キラス・レスケール
†神ちゅん†

無理矢理に可愛い女の子にするのはよくない
もっとも、俺様もオセロも(猟兵的な使命の元)自ら可愛い女の子になりにきたがな!

いいね❤だオセロ
お前は十分に可愛……む、大丈夫かオセロ(『生まれながらの光』でぴかぴかする)
オセロが可愛いとは言え、一人では分が悪いか
だが案ずるなオセロ、お前には可愛い女の子にして神である俺様がついている
ここからは二人でとびっきりか可愛い女の子バトルをするぞ

かわいいは正義だそうだ
俺様達はパラディンだ
更に俺様は聖者にして神
俺様達は絶対的正義にして最強可愛い女の子というわけだ

さぁゆくぞオセロ
俺様たちの可愛いを見せつけてやるのだ

※神ちゅんのかわいさが世界を救うと信じて──



「その勝負待ったァッ!!!」
「……!?」
 突然響き渡った制止の声に、目を丸くする鬼娘。
 同時に店内にスライディング気味で飛び込んできた美少女――オセロはそのままでんぐり返しでごろんごろんと数度転がりながら勢いを殺すうるさめの動きから、一気に身体を起して大きく跳ね上がって機敏に鬼娘の前へ立ち塞がると、胸を張った。
「かわいいは人を傷つけるための道具じゃねえ! 勝負をするのならばまずアタシと、グア」
 そうして。
 何やら良いことを言おうとした様子のオセロは鬼娘を直視してしまった故に、かわいさに膝から崩れ落ちた。
 いくら身体がかわいいおんなのこになろうとも、かわいいおんなのこに対する耐性が変わる訳では無い。
 オセロはかわいいおんなのこに――メチャクチャ弱い。
 副反応からガクガクと震えるかわいい身体は、本当にかわいくなってしまっている。
 いや、別にかわいいおんなのこにならずとも、オセロは普段からこうかもしれないけれど、それはそれ。
 そんなオセロへと降り注ぐ、まばゆい聖なる光!
「――無理矢理にかわいいおんなのこにするのは、よくないことだ」
 腕を組んだキラスがふっと鼻を鳴らして笑って、美少女戦士の後ろに立つお助けタキシード的なポーズで大きく腕を振るう。
「いいね♥だ、オシェロ! お前は十分にかわいい……! 立ち上がれ!」
「ううっ……、♡女神♡ニーサン……!」
 掛け声に合わせて、更にまばゆくぴかぴか光るキラスの生まれながらの光。
 癒やしの加護を帯びた光はたしかにオセロの身体を癒やしはするが、彼……彼女の折れかけた心までは回復できないものだ。
「だめっスよ……アタシ……、アタシ……、レディースってまず超可愛いからこっちの防御力ゼロだし、何より俺自身どうしたらこれ以上かわいくなるのか全く分かんねえ!!!! かわいさで勝てるヴィジョンがビタイチもてないっス!!!」
 心からのオセロの嘆きに、ゆるゆるとキラスはかぶりを振り。
「そうか、オセロ……。お前がいくら銀河レベルでかわいいとは言え、一人では分が悪いというものか。――だが、案ずるな。お前にはかわいいおんなのこにして、神である俺様がついている」
「ワ……、♡女神♡ニーサン…!」
 うつむき加減のオセロは、キラスを見上げていいね♥を一つ。
 この時のコツは奇数回ではなく、偶数回にしておく必要がある事をオセロは既に身をもって実感している。
「ここからは、二人でとびっきりかわいいおんなのこバトルをするぞ」
「……っ、はァ……ッ!!! へへっ……、俺としたことが弱音を吐いちゃったニャア……、思い出したっスよ……。可愛いは……正義……ってコト……!」
 ぶるぶる震える膝をついて、何とかオセロは立ち上がり。
 そんな二人の盛り上がる様子に鬼娘は首を傾いで、タイムを求める時の腕。
「そろそろはじめていい?」
「あっ、もうちょっと待ってほしいっス~!」
「うむ、もう少し頼む」
「わかった~」
 交差する赤茶と紫色。
 素直に頷いてくれる鬼娘の前で、改めてオセロとキラスは視線を交わし合い。
「かわいいは正義だそうだ」
「レディースの視線も、かわいい姿で集めまくりっスよ」
「ああ、俺様達はパラディンだ」
「へへっ、魔法少女でもあったっスよね」
「そうだ。その上、更に俺様は聖者にして神」
 くの字に足を立てるポーズを決めて、オセロとキラスは背中合わせに立ち。
 口上を述べながら、腕でかわいくポーズをキメて――。
「今なら、あの日の力を取り戻せる気がするんス!」
「そうだな、ゆくぞオセロ。自らかわいいおんなのこになりにきた俺様達の力を見せてやれ」
「ウオオオ!!! 行くっスよ、♡女神♡ニーサン!」
「集めたいいね❤を力に変えて……」
「今、ここに! 顕現するっ! 俺たちの! 愛と正義ッ!!」
 コール・ブランド!
 神とシマエナガ的な力が合わさり、オセロの掌の中がまばゆく光って剣の形を成す。
 それは世界を救う、かわいい光!
 そうして生まれたハートと星と丸が組み合わされためちゃくちゃ可愛い鈍器……否、聖剣を構えたオセロは瞳をぴかぴかと瞬かせて。
「いざ、かわいいおんなのこバトルっス!!!」
「絶対的正義にして最強かわいいおんなのこの俺様達の、かわいいを見せつけてやるとするか」
 かわいいポーズでオセロとキラスは、変身バンク的なアレを終えたのであった!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

霞末・遵
【幽蜻蛉】
タワーとパフェ作るのに忙しいから後でね
最高に可愛いの作ってるから後でね
それまで惟継さん適当に構ってて

フルーツカービングって木を削るのに似てるなあ
つい熱中しちゃう。なんだか懐かしい気分
絵の通りに盛り付けてね。多少ずれてもまあいいさ
自分の手で作ったものはより可愛く見えるしね
カットが終わったらタワーだ。てっぺんだいぶ高いけど脚立ある?
積み上げるのだって得意なものさ。崩すのもまあ、好きだけどね

一番上まで乗せて……かんせーい
見てよ惟継さんこれ! すごくない?
……今って話の流れどうなってる?
状況がよくわからないけどシャンパンタワーしてパフェ食べよ
ほらほら注ぐよ。ここ動画ポイントね
そーれキラキラー


鈴久名・惟継
【幽蜻蛉】
何か戦いが始まったぞ
いや、俺もタワー作りたいのだが……!
……うぐぐ、先程ぶつかって壊したりしてしまったからなぁ
「その邪魔しないで」の顔は止めてくれ
仕方ない、とても仕方ない……俺が相手をするとしよう

かわいいおんなのこでバトル
どうしたものか、どうしたものか……遵殿、がんばれーがんばれー

とりあえず攻撃をオーラ防御で受け止めながら様子を見る
いや、守りばかりでは埒が明かん
かわいいおんなのこ……かわいい、かわいい……
今ならば変化術を使っても可愛くなるのでは……!

蒼蜥蜴へと変身
おぉ、いつもよりも鱗の色が鮮やかだったり可愛いような
いやいやいや、戦えん

ああもう遵殿、此処は一つドーンと奴に喰らわせてくれ



 ぴかぴかまばゆく光ったり、口上をあげたりしだした猟兵に、鬼娘たち。
「遵殿、遵殿、何か戦いが始まったみたいだぞ」
 一生懸命グラスタワーを立てている遵たちの邪魔をしないように、惟継は二歩下がった位置から控えめに声をかけ。
「今忙しいから後でね」
 素気ない態度の遵は、戦っていない鬼娘たちとタワーを黙々と作っている。
「……いや、どうせならば、俺もタワーを作りたいのだが……!?」
「うんうん、最高に可愛いの作ってるから後でね」
「……うぐぐぐ」
 先程、無駄に腫れ上がっている胸部を当ててグラスを割ったりしてしまった手前。
 遵に素気なくされてしまっても、惟継はどうも強くは出れない。
 びっくりするくらい邪魔しないでほしいなあ、って顔をされている事が分かれば余計だ。
 惟継が眉をきゅっと寄せて腕を組むと大きな胸部がまた主張するものだから、遵の瞳のハイライトは不思議とどんどん失われてゆく。
 次はフルーツに手を伸ばした遵は、惟継から目を逸らし。
「うん、それじゃ、こっちが終わるまで惟継さんが向こうを適当に構っててくれる?」
「そうだなぁ……、……仕方ないな、俺が相手をするとしよう……」
 深い溜息を零した惟継は、ゆるゆるかぶりを振って。
 かわいいおんなのこバトルを繰り広げる鬼娘たちに向き直る。
「あ、そっちのりんごとってくれるかな?」
「いいよー」
 戦っていない遵と鬼娘たちは和気あいあい。
「そのカービングの終わった果物は、絵の通りに盛り付けてくれる?」
「りょー」
 遵の削り出す果物はまるでデコレーションケーキのようにも見える。
 木を削るのにも似て、なんだか懐かしい気分に浸ってしまう。
 夢中で果物を削る遵の横で、鬼娘たちはどんどんパフェとタワーを仕上げて行き。
「……遵殿、がんばれーがんばれー」
 そんな彼女達を見つめて、神威で防御を固めてかわいいを受け流す惟継は羨ましそうな顔。
「うんうん、ありがとう。惟継さんもそっちを頑張ってね」
「あ、ああ……」
 遵に応援されるがままに惟継は難しい顔で応じるが、考えはまだまとまってはいないもの。
 かわいいおんなのこバトルと言われたって、どうすればいいのかわかりはしない。
 守ってばかりでは、かわいい力でじわじわかわいいを削られてかわいい負けをしてしまいそうだが、かわいい攻めをするにしたって、どうかわいく攻めたものか。
「……考えていたって埒が明かんな」
 単純に考えれば、かわいさを上げればかわいいおんなのこバトルのちからは上がるだろうけれども。
 ならば、かわいいおんなのことは……かわいさとは……?
 遵の手元で変身するように飾り付けられていくパフェや果物は、かわいい。
「!」
 ならば。
 今ならば――!
 名案を思いついた様子の惟継は、ぐっと顔を上げて――。

「ねえねえ、鬼ちゃんたち、脚立ある? てっぺんまで、だいぶ高いよね」
「あるあるー、その果物かわいいね、グラスに入れてくの?」
「そうそう、こうやってグラスに入れて……、果物の中には光るライトを仕込んだからね、飲み物を注ぐと一段ときらきらするよ」
「え~~、いいね~!」
「いいね、いいね、かわいい~」
「じゃあ、一番上まで載せて……っと」
 自分の手で作り出したものが可愛く思えるのは、遵はよくよく知っている。
 生前は絡繰屋、今となってはものづくりが好きなただのひとでなし、ただの悪霊。
「かんせーい、ねえ、ねえ、見てよ惟継さんこれ! すごくない?」
「わーいいかんじ、いいかんじー」
「かわいいかわいい!」
 素敵なシャンパンタワーとパフェたち。
 遵が惟継に振り向くと、惟継はなんだか鮮やかでちいさくてかわいい蒼蜥蜴に変身していた。
「……?」
「……」
「え? 何? 今って、話の流れはどうなってる所?」
 遵が首を傾ぐと、鬼娘たちはくいくいと遵の服を引いて。
「ねえねえ、それよりシャンパン流そうよー」
「あ、いいね。動画ポイントだよ、撮っとく?」
「撮る撮る~!」
「そーれ、キラキラ~!」
 パシャパシャと撮影会が始まる最中。
 ちいさくてかわいい蒼蜥蜴になった惟継はチョロチョロ遵へと駆け寄って。
「ああもう遵殿……! 此処は一つドーンと奴に喰らわせてくれ!」
 かわいいを追い求めた結果もうなにがなんだかわからなくなってしまった様子の惟継が訴えるも、遵はうんうんと頷くばかりでパフェを一口。
「遵殿……」
「あ、惟継さんも食べる?」
「……食べる」
 そうして差し出されたパフェのスプーンに、惟継は蒼蜥蜴のままちろりと口をつけるのであった。かわいいね。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

花邨・八千代
まぁなー、確かにかぁいいは最強だよな
そして最強ってのは、この世でもっとも分かりやすい基準だ
つまり、最高にかぁいい俺は最強のおんなのこなんだぜ

かぁいい俺は喧嘩も強いぜ、試してみるか?
武器は「黒塚」、構えてから予備動作無しで【壊神】で不意打ちだ
地面をカタストロフさせたら「怪力」任せの「なぎ払い」で吹っ飛ばす
「だまし討ち」だ、「2回攻撃」で追撃もお忘れなく!

かぁいい鬼娘のご同輩ちゃん、ちっとばかし乱暴にしたって大丈夫だろ?
なにせ鬼は頑丈だ、俺がそうだからな

強くて頑丈で最高にかぁいいおんなのこ、それが俺だ
かぁいいってのは見た目だけのことじゃねぇ、生き様のことだぜ

ここの妖怪共、全員お持ち帰りにしてやんよ


リゲル・ロータリオ
かわいいおんなのこバトルってなんすか!? マジでなんすか!?
……あれ、でもここで勝たないと俺、男に戻れないんじゃ……?
~~やってやろうじゃないっすか! キマイラなめんじゃねーすっよ!(やけくそ)

っつーワケでかわ……かわい……くっ、カワイイ俺とバトルっす!
鬼娘ちゃん達もカワイイっすけど、そーんな尖った角はどーっすかね?
その点俺はかわ……いい、俺の耳と尻尾の可愛さよーっく見てほしいっすね
尻尾もしっかりブラッシングしてっからふかふかっすよー
尖った角と違ってくるんとした俺の角もキュートでカワイイんすよ
ほらほら、にゃーん♪
どうっすか、鬼娘ちゃん達にこの可愛さが真似できるっすかー?

※なんでもご自由にどうぞ


神賛・ヴァキア
うるせぇ!
一瞬惑わされたが、お前ら皆殺しにするから覚悟しろよ。

照れ隠しもあるのかもしれないが、愛馬もつれてきていないので何も止める者はいない手あたり次第に武器の鉈を振う

ひとしきり血祭に挙げたのちに
「かわいい そんな道もあったのかもしれない。しかし私は馬に乗って思い切り暴れる方が性に合ってるし好きなんだよ。
それに、馬はとびっきりかわいいだろ



「まって、まって、まって!? かわいいおんなのこバトルってなんすか!? マジでなんすか!?」
「そりゃあ、最強にかわいいおんなのこが勝ちのバトルだよー」
 本気で初めて聞く情報に目を白黒させたリゲルは、かわいい耳をぴんと立てて吠えて。
 対する鬼娘は常識すぎる事を聞かれたかのように、きょとんとかわいく首を傾いで応じてくれる。
「うんうん、まぁなー、確かにかぁいいは最強だよな」
 その意味を理解しているのか、いないのか。腕を組んで二度頷いた八千代は、首を左右に揺らしてぱきぱきと音を立てて。
「そして最強ってぇのは、この世でもっとも分かりやすい基準だ」
 わかるな、と。
 人差し指を立てた八千代が鬼娘のひとりに急接近すると、瞳の奥の奥を覗き込むよう。
 そのまま口づけしてしまいそうな程に顔を寄せると、鋭い牙を見せてにぃっと笑った。
「つまり、最高にかぁいい俺は、最強のおんなのこなんだぜ?」
 踏み込みが一瞬。
 軽く見えて重い足取りは地を砕き、穿たれた轍は長く伸びる。
「はぇ……っ!?」
 逆の手に握られた黒塗りの薙刀をただ真一文字に振り抜くと、単純で重い一撃が鬼娘を強かに弾き飛ばし。
「そ、そういうのかわいくないと思うんだけど!?!?」
「うるせぇっっっ!!!」
 小刀を構えてすっころんだ鬼娘の抗議に応じたのは、八千代では無くヴァキアであった。
「一瞬だけ惑わされたが、お前ら、皆殺しにするから覚悟しろよ!?」
 鋭く砥がれた鉈を手に飛びかかるヴァキアの声に感じる熱い熱、迷いなく彼女は鬼娘の細い首へと鉈を押し当てて。
「かわいかったのは、じじつ……」
「うるせえーーーッッ!!」
「きゃーっ」
 反論に鬼娘をぎっと睨めつけたヴァキアは、褒められた照れか、怒りか。
 耳まで真っ赤に染めたまま、がんがんと鉈を振り下ろし続ける。
「きゃーーっ!?」
 そんな凄惨な現場を目撃してしまったリゲルは、ぷるぷる首を振るばかり。
 まって、かわいいおんなのこバトルって聞いてたんすけれど????
 しかし。
 こうやって震えているばかりでは、もうリゲルに在るべきものが戻ってこなくなる可能性も高いもの。
 ――バイオレンスで対抗しないのならば、リゲルに残された選択肢はかわいいおんなのこバトルに乗る事だけだ。
「やっっって、……やって! やってやろうじゃないっすか……! かわ、……カワイイ俺とバトルっす!」
 それから恥じらいを吹き飛ばすようにリゲルがきゅぴーんとカワイイポーズをキメると、回りの鬼娘達にかわいい尻尾と耳を揺らして見せて。
「鬼娘ちゃん達もカワイイっすけど、そーんな尖った角はどーっすかね? かわ……いい……かわ、かわいいっ、俺の耳と尻尾の可愛さよーっく見てほしいところっすね!?」
「うんうん、かわいいかわいい~!」
 ヤケクソ気味に叫んだリゲルの主張に、殴られていない鬼娘はぱちぱちと手を叩いて褒めそやし。リゲルの言う通りふっかりとした尾は丁寧にブラッシングされており、くうるりと丸まった角はかわいらしい羊のよう。
「ほら、ほら、にゃーんっ♪」
「きゃーっ、かわい~」
 完全にかわいい生物になりきったリゲルのカワイイポーズに合わせて鬼娘が歓声をあげれば、八千代も薙刀を手にカワイイポーズをキメて。
「おう、それじゃァ、歯ァくいしばれ。かぁいい鬼娘のご同輩ちゃんたち」
 それからからからと笑った八千代は薙刀を支点に身軽に飛び跳ねると、リゲルの後ろに迫っていた鬼娘に薙刀の柄をバットを構えるように振り抜いて、ウィンク一つ。
「キャーーーーッ!!??」
 またまた不意打ちで、かわいいからバイオレンスへの急降下。
 まあまあ絹を裂くようなかわいい声で、リゲルは叫ぶ。
「鬼は頑丈だから、このくらいのかぁいい乱暴なら平気だろ?」
 転がる鬼娘を見下ろした八千代はやれやれと肩を竦める。
 なんたって、こんなにかぁいい俺も頑丈なんだから。
 それから八千代は振り向きざまに返す手でもう一度薙刀を払うと、割れた舌をちろりと見せて。
「強くて頑丈で最高にかぁいいおんなのこ、それが俺だ。――かぁいいってのは見た目だけのことじゃねぇ、生き様のことだぜ」
「――生き様か……ッ!」
 そこに飛び込んできたのは、ちょっと頭に血が登りきっているヴァキアであった。
 ヴァキアは素早い動きを見せた八千代に思わず鉈を叩き込むが、八千代は円を描くように差し出した薙刀の柄で鉈の刃を滑らせて、力強い一撃をなんとか躱して。
「ぜんぶ、ぜんぶ、ぶっ殺してやるッッッ!!!」
 ぐるぐると赤い瞳の奥に強い気持ちを渦巻かせるヴァキアは、ぐりんと振り向いたかと思うとまた目の前で動いた敵へと鉈を片手に飛び込んでいく。
「あ、あぶねーっすよ!?!? えっえっ、今まで俺の参加していたか、かわいいおんなのこバトルは!?」
 動くと殺られると直感した故にその場で硬直したリゲルの困惑の声に、ヴァキアは吠えるように応じて。
「私はかわいいと言われる道よりも、馬に乗って思い切り暴れる方が、性に合ってるし好きなんだよ!」
「うーん。俺はお前もかぁいいと思うけれど、思いっきり暴れるのが性に合うというのは、俺もおんなじだな」
 真一文字に薙刀を構えた八千代は、くっくっと喉を鳴らしてもう一度踏み込むとヴァキアの言葉に同意して。
「ば、バイオレンスーーーッッ!?」
 別段戦いがとても苦手なわけではないけれど、ノリの良いキマイラとしての性質が怯える側に回ってしまったリゲルは尻尾をぴーんと伸ばして叫ぶ。
「ようよう、かぁいいご同輩ちゃん、覚悟しな。全員、もれなくお持ち帰りにしてやんよ」
「そうだっ、馬のほうがとびっきりかわいい!!」
 今日は馬を連れてきてはいないけれど。
 頭に血が登りきったヴァキアは先程とは別の意味で全身を紅色に染めながら、大きな声で吠えて。
「待って! 待ってほしいっす!! バイオレンスならバイオレンスって先に教えておいてほしかったっすけれど!?!?!? そういう対応してくるっすから!!!!」
 いろんな叫び声が響き渡る店内。
 ぱっかんぱっかん殴るかわいい女の子二人の猛攻に、いちばんかわいい動きでリゲルはただただ慄くのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

朱酉・逢真
【八重】
心情)かわいい勝負か…ッし、やるならとことんやってやろうじゃねェか。どんなモンでも勝負は勝負、イモ引いてちゃアだせェってモンだぜ。
行動)来たれベイバロン、欲都の女主人よ。ベイブ姐さん、ちょいと俺ら3人がっつり仕立てちゃくれねェかい。化粧とか衣装とかそォいうモンをさ。最ッ高に男の欲を煽り立てるカワイイ女の子に仕上げておくれ。彼岸(*ウチ)でいっとう詳しかろ。ドレスに宝石、化粧品。なんでも使っていいとも。深山さん、例のシップあンだろ。こっそり張るぞ。あらあら清楚な美少女にスール持ってそなお姉サマ、ここは女学院でしたかしら? 俺はやや悪女気味ですけれど、十分過ぎるほどかわいらしくてよ!


深山・鴇
【八重】
かわいい勝負…かわいいと言えばうちの御影、かわいいにかわいいを足せばめちゃくちゃかわいいはずだ(首にてろーんと伸びた猫を乗せて登場)

あっすごい勢いで飾り立てられてるが逢真君、君のとこの眷属容赦がな、ちょ、わ、かわいいな!
(飾り立てられた逢真君と雲珠君を見て叫び)
湿布、ああ、あれか(貼ってるとお嬢様言葉になる湿布を礼だと押し付けられた奴)
(小さく切った湿布をそっと渡し、自分の分と雲珠君の分は目立たないところにぺたりと貼る)

おほほ、かわいいおんなのこであるならば、言葉使いもそれなりでなくっては、ねぇ?
あら、あなたリボンが曲がっていてよ?(上級生のおねえさま風に鬼娘ちゃんの服の乱れを直し)


雨野・雲珠
【八重】

えっあっそっち!?
殴るほうじゃなくてよかったというべきでしょうか…
あ、この方本気でやるつもりだ…!

半分白骨の迫力の美女に
色んな意味で圧倒されてされるがままです。
格が違いすぎて、動けるわけが…あっあっなにを、
イヤーー…!(※再・そこそこ絹を裂く悲鳴)

はわわ
とてもお綺麗です、お姉さま方…
いつものお姿とのギャップで
雲珠は頭がおかしくなりそうですが

なるほど…世のご婦人は素を磨き、
さらに装いを追究することで
いつもあんなにもお綺麗なのですね。
つまり…かわいいおんなのこ同士ならば、
互いがかわいくあるための苦労が自然と理解(わか)るもの。
わ…私たちを、おともだち(強敵)と認めていただけるでしょうか…



 再び店内に戻ってきた雲珠は鬼娘の言葉に、桜と空が混ざり合う彩の瞳を瞬かせて。
「えっ、あっ、えっ? かわいいおんなのこ? ばと……?」
「ほほう、かわいいおんなのこ勝負ときたかい」
 なかなか飲み込みづらい言葉に困惑する雲珠。
 我が物顔でソファの上にあぐらをかく逢真は、メイド服のスカートを翻して足を組む形で座り直すとにんまりと笑った。
「やるならとことんやってやろうじゃねェか。どんなモンでも勝負は勝負、イモ引いてちゃアだせェってモンだ」
「殴るほうじゃなくてよかったというべきでしょうか……」
 めちゃくちゃ力強く殴っている人たちも、勿論いるのだけれども。
 雲珠があわあわしつつも店内を見渡して言葉の意味をゆっくり噛み砕いていると、鴇はばるるんと乳を揺らして頷いて。
「うん。かわいいの代名詞といえば、うちの超伸びる御影だね」
 かわいいといえば猫。猫といえばかわいい。
 それはまかり間違っても決して解釈違いを起こすこと無く、どんな姿をしていたってとてもかわいい。
 猫は世界有数のパーフェクトかわいい生き物のひとつである。
 そう。
 かわいいにかわいいを足せばめちゃくちゃかわいいことは、開闢以来理解りきった事実である。その中でも鴇のイチ推しである、神様に貰った黒猫の御影はもうそりゃあ、どこからどう見たってかわいいものだから。
 小玉スイカほどの隆起をまたたぷんと凶悪に揺らしたかわいい鴇は、伸び切ったかわいい御影を首に引っ掛けて至極真顔で言い切り、首筋に感じる柔らかさに顎を引いた。
 尻尾を揺らしていて、とてもかわいいね、とてもくすぐったいね、とてもかわいいね。
「ひ、ひ……、その程度のかわいいに甘んじるかい? ……いいやァ、まだ行けるよゥ」
 そんな二人のかわいらしい様子に左右にかぶりを振った逢真がパチンと指を鳴らして、眦を笑みに下げて、――来たれベイバロン、欲都の女主人よ。
「さァ、ベイブ姐さん、ドレスに宝石、化粧品。なんでも使っていいとも。それでちょいと化粧とか衣装とかそォいうモンをさ。最ッ高に男の欲を煽り立てる女の子にがっつり仕立てちゃくれねェかい?」
 なァ、彼岸でいっとう詳しかろ?
 なんて肩を竦めた逢真が、喚び出した麗しき白骨の美女へと鷹揚にお願いをした。
「あ、この方本気でやるつも……あっ、あっ、何を、待って下さい、人前で、人前で服を剥くのはっっ、あっあっ、イヤーー……ッッ!!」
 刹那。
 白骨美女にめちゃくちゃにされた雲珠から響き渡るそこそこ絹を裂くような悲鳴と、威嚇の角笛。
「はは、雲珠く……」
 そんな様子を優しく眺めていた鴇だって、ベイバロンの神速の匠の技術から逃れる術は有りはしない。
「うわ、ちょっと、逢真君。君のとこの眷属、ちょっと容赦が、な、ちょっ、わ、おお……、かわいいな……!?」
「おう、おう、そうだろゥ?」
 抵抗することもなく飾り立てられる逢真は、鴇の言葉にまたからからと笑い。
 三人とも揃いの長めのプリーツスカートに、黒のセーラー服。
 サクラミラージュで言うところの女学生という言葉がぴったり当てはまる容姿と成った彼女達。
「あの……俺はどうなって……?」
「ひひ、深山サンも雲珠坊もかわいい、かわいい」
 雲珠のおどおどと怯えたような言葉に雑なフォローをしながら、逢真は仕上げに湿布を小さく切ったモノを皆に貼り付けて。
「たしかに……はわわ……お姉さま方、とても、とてもお綺麗ですね……」
「……そのお話の仕方、もしかして逢真君、あなた……」
「ええ、ええ、そのとおりでございますわ」
 それはおそらく鴇がいつだったか押し付けられた、『お嬢様言葉になる湿布』とやらだ。
 なんたって皆の話し方が、既にこう、お嬢様になっているし。
 こっくり頷いた逢真に、鴇は美しい笑顔で笑み返す。
「おほほ……、成程。かわいいおんなのこであるならば、言葉遣いもそれなりでなくっては、という事でございますわね?」
「そのとおりでございますわ、深山サン。それにしたって清楚な美少女に、スール持ってそなお姉サマがいらっしゃるなんて、ここは女学院でしたかしら?」
 逢真が悪役令嬢風にくっと口端を擡げて笑うと、鴇は大きな胸の上でリボンを揺らして。
 ゆるゆるとかぶりを振ると優しく眦を和らげる。
「ええ、そうでしたわね。……あら、なたリボンが曲がっていてよ?」
「あ……! お、おねえさま……?」
 お嬢様のように近くの鬼娘の帯の位置を正してやる鴇に、思わずきゅんとときめいてしまった鬼娘は胸元できゅっと拳を握って。
 背景に咲き誇る百合の花がしっかと幻視できた雲珠は、またはわわと瞳を細めた。
 よくわからないけれど、全部わかった。
「なるほど……、かわいいおんなのこ同士ならば、互いがかわいくあるための苦労が自然と理解るというもの……。あのように世のご婦人は素を磨き、さらに装いを追究することでいつもあんなにもお綺麗なのですね……」
 それから雲珠は、『理解』した内容をめちゃくちゃ説明的なセリフで皆に状況をお知らせしてくれる便利な桜となった。
「おほほ、雲珠君も理解ってきたようですわね。――さあ、行きましょうか」
「どちらに……?」
「ふふ、教室に決まっているじゃないの」
「どちらに…………?」
 鴇の言動と普段とのギャップ等、総合的な意味合いで頭がおかしくなっちゃいそうな雲珠は、目がぐるぐる。
「ええ、ええ、女学院ですものねえ」
 そんなかわいらしい雲珠の反応に逢真は、長いスカートを翻して綺麗に笑って。
「あなた達も、異論はなくって?」
「えっ、は、……はい、おねえさま……」
 美しきカリスマを備えた女学生のように逢真が尋ねると、思わず鬼娘達も頷いてしまう。
「わ、わあ……それって、……わ、私たちを、おともだち(と書いて強敵)と認めていただけるという事でしょうか……?」
「……そんなにかわいい姿を見せられたら、認めざるを得ませんわ」
 どきどきと拳を胸の前に当てて尋ねた雲珠の言葉には、湿布を貼られていない鬼娘達まで、思わず場の雰囲気に飲まれてお嬢様言葉で応じてしまうのであった。
 ――そう、ココは最早今、私立聖百合園学園といった所だろうか。
 ここから皆の学園生活が、始まるに違いないのだ。
「は、はじまりませんよ?」
 ――雲珠がぴゃっと慌てて、否定した。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

アリス・フェアリィハート
アドリブや連携等歓迎

『かわいいおんなのこ』で
対決ですか!?

自信はあまりないですけど…
カクリヨの為
鬼娘さんを禍魂から解放する
為にも…!

UCを発動
『不思議の国の魔法少女』な
アイドルの衣装を
纏った姿に変身

【ハートのA(アリス)】を
変化させた
魔法のステッキ型のマイクを
手に
【破魔】と【浄化】を込めた
【歌唱】【ダンス】
【パフォーマンス】や
自身の翼で飛翔
(【空中戦】での回避も兼ね)
魔法で虹や星のエフェクト等
出しつつ
歌い踊り
おんなのこ対決☆

敵の攻撃は
【第六感】【見切り】【残像】【結界術】【オーラ防御】で
防御・回避

『鬼娘さん達は…私に…このメイクとか…たくさんのかわいいものを教えて下さいました…元に戻って…!』


白峰・歌音
かわいくなれて、すっごく楽しいの。でも、気づいちゃったんだ……
かわいいばっかりになっちゃったら、かわいいは目立たなくなって消えてしまうんだよ。だから……わたしは、かわいい世界を守るために、あなたたちの勝負、受けるよっ♥
(かわいい堕ちしっぱなしでお送りします希望)

変身カードに可愛くキスして「リベレイション♥」
フリルいっぱい、アクセサリーも散りばめて、かわいいアイドル衣装姿に変身♥
「かわいいを助けたい、キューティーカノン♪」
ポーズも可愛らしくね♪

かわいらしいおんなのこバトルは、可愛らしくアイドルの振り付けを踊ったり、ポーズをキメて挑むよ♪
かわいらしくするの、すごく気分イイ♪ずっと勝負し続けたいな~



「あんまり自信はないですけれど……」
 ふうと息を吐いたアリスは、すこし緊張した面持ち。
 そんなアリスの横で歌音は、熱っぽい瞳に睫毛を揺らして。
「でも、わたしは……気づいちゃったんだ」
 かわいいことは、とっても楽しい。
 かわいくなれることは、とっても嬉しい。
 でも、歌音は気づいてしまった。
 みんなが『かわいい』になってしまうと、歌音の『かわいい』は目立たなくなって消えてしまう。
 『かわいい』は、皆が『かわいい』だと、『普通』になってしまうのだ。
「……ねえ、わたしは、わたしはね、かわいい世界を守るために――あなた達の勝負をうけるよっ♥」
「はい、……カクリヨの為、鬼娘さんを禍魂から解放する為にも……っ!」
 歌音の言う横で、意を決した様子でアリスも言葉を紡ぎ。
 アリスのぎゅっとにぎりしめた拳の中には、かわいらしい魔法のステッキの形をしたマイク。
 歌音が変身カードへ甘くキスを落とすと、二人の姿は同時に光に飲み込まれ――!
「いくよっ、リベイジョン♥」
「はいっ、メタモルフォーゼ……☆」
 星とリボンが広がり、二人を包み込む。
 フリルにアクセサリー、宝石にスイーツ。
 かわいいものが、いっぱいいっぱい。
 虹や星が二人を包み込むと、世界は全てかわいいになる。
 ――リボンとフリル、星飾り。
 大きく、白い羽根が広がり――。
 羽根がぱあっと舞った刹那、カワイイアイドル衣装に変身した二人は――!
「かわいいを助けたい、キューティーカノン♪」
「輝く虹やお星様達! たくさんのかわいいものを教えて下さいました、鬼娘さん達……、元に戻って……いただきます……っ☆ スターハートフラワリープリンセス・アリス☆」
 ぴかっと光って、かわいいポーズ。
「えっ、何?」
「えー、アイドルっぽいのめちゃくちゃかわいい~~!」
 突然現れた、ぴっかぴかの魔法少女アイドル達に、鬼娘たちはやんややんや。
「歌ってくれるのー?」
 鬼娘の問いに、歌音はてれてれと笑ってアリスと視線を交わして
「え、えへへっ、うんうんっ、じゃあ、――一緒にうたっちゃおうかっ!」
「……はいっ、歌って、踊って、おんなのこ対決です☆」
 こっくりと頷いて応じたアリスは、ぴかりと美しいエフェクトをステッキから放った。
「えっと……じゃあ、聞いて下さい、一曲目っ!」
 歌音がくるん、と回ってステップを踏むと、アリスも照れたように笑いながら合わせてステップ。
「わーっ、かわいいよ~~!」
「きゃーっ」
 鬼娘達が楽しげにすればするほど、骸魂の存在が薄まってゆく事を身体とハートと……おんなのこのきもちが伝えてくれる!
 ――歌音はときときと跳ねる胸が、暖かくなるのを止められない。
 ふふ、ふふふっ。
 かわいらしくするの、すごく気分イイ♪
 ずっと勝負し続けたいな~♥
「さあっ、次の曲……いきますよっ☆」
 すっかりステージと化した店内に、アリスと歌音のかわいらしい声が響きわたり――!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ニルズヘッグ・ニヴルヘイム
【MAD+N】
かわいい……勝負……?

私にはかわいいが何にも分からないよ
私はかわいいの?かわいいって……何……?
婚約者はかわいい……?

は?
貴様、今自分の方がハイドラと円よりかわいいって言ったか?
私の神にすら嫉妬されるほどかわいい妹とその婚約者と友達よりも
言うに事欠いて貴様なんぞがかわいいって言ったか!?!?!?
よしそこに並べ
今から殺す。あっでもかわいくなきゃならないんだっけ
分かった
かわいく殺す

二人とも少しそこにいてくれるか
幸いにもここには裁縫箱(自前)とかわいい衣装(貸し出し)がある
裁縫箱は……嗜みだから……?
白黒で揃いのロリータを!!二人に縫ってやる!!
見ろ!!!このかわいさを!!!


百鳥・円
【MAD+N】

ええ〜〜本気で言っているんですか??
おかしくてまどかちゃんお腹痛くなっちゃいそうですん
あっはは!お隣のおねーさんズをよおく見てくださいよ
ほ〜〜らとっても可愛い!
そしてあなたたちの目の前!まどかちゃんもとっても可愛い!

可愛いと可愛いと可愛いでぶっ潰してあげますよう
あらやだ!ちょっぴりお口が悪い?
うふふふ、ごめんあそばせ!

ニルのおねーさん、何処から裁縫箱を……?
わわわ!瞬く間にとっても可愛い甘々衣装が!
ハイドラのおねーさんは白!
わたしはシックな黒ですよう

わたしたちを引き立てるスパイスも大事
衣装に着られるだけじゃあダメなんです!
ほーら!
甘辛シャドウをバッチリと決めたウィンクをくらえー!


ハイドラ・モリアーティ
【MAD+N】
おい!!わかるだろ!!?
俺たちは!!見ただけでわかるくらいかわいい!!!
ちょっと待って、ちゃんと俺たちのこと見てみ
お前たちが俺らに勝てるわけなくない!??
彼氏いる!!??彼女でもいいけど!!
俺には婚約者がいま~~~す!!!
ほら見て俺のスマホの画像一覧みて!?
カップル感満載でしょうが!!
なんなら待ち受けも婚約者だし交際して何日みたいなのわかるアプリいれてるし
俺は!圧倒的に他人から承認を受けるレベルで――かわいい!!!

かわいいバトルって言ったのそっちだろが
かわいいでマウント取ってボッコボコにしてやる
え~~じゃあ俺白!白がいい
かわいいでしょウエディングみたいで
殺人ウインク一回お命頂戴!



「ええ~~、お姉さんたち本気で言ってるんですか??」
「おいおい、ちょっと待って、ちょっと待って、お前たち。ちゃんと俺たちのこと見てみ??」
 円が本当に驚いた様子で掌で口を覆い。
 ハイドラは親指で自らを示して、一歩鬼娘へとにじり寄った。
「お前たちが俺らに勝てるわけなくない!?!?!?」
「ふふふー、そうですよう。おかしくてまどかちゃん、お腹痛くなっちゃいそうですん」
 胸を張って自分がかわいいと認めるおんなのこもまた、かわいいもの。
 かわいいおんなのこバトルでは明確なかわいい基準が無いため、自己アピールが大切となってくる。
 民衆はどちらがかわいいか悩んだ際、より他者がかわいいとわかりやすくアピールしているモノを、かわいいと認める事も多い為だ。
 コクコク頷く円の横で、ハイドラは大きく腕を振るって。
「おい! わかるだろ!?!?! 俺たちは……見ただけでわかるくらい!! かわいい!!!!」
「……? かわいい……勝負?」
 言っている言葉自体は理解できるが、言っている内容は理解できない。
 かわいいアピールをするハイドラと円の後ろで、幻覚の宇宙を背景に未だに勝負の概要が噛み砕けていない様子なのはニルズヘッグ(おんなのこのすがた)だ。
「そう、そう、お隣のおねーさんズをよおく見てくださいよう。ほ~~ら、とっても可愛い~~!!」
「私は……かわいいの?」
「かわいい!!!!!!!」
 円がニルズへッグとハイドラを鬼娘達に紹介してあげると、ハイドラは全力の肯定。
 その良いお返事に胸を一段と張った円は、次は胸に手を当てると自らを示して。
「そしてあなたたちの目の前! まどかちゃんもとっても可愛いでしょう!!」
「そうだよ、かわいいでしょ???」
「かわいいって……何……?」
 円とハイドラの力いっぱいのアピールの後には、未だ精神が宇宙を彷徨うニルズへッグの呟きが続くのだけれども。
「えっ、大丈夫? そっちのおねえさん」
「大丈夫だよ、そのうち戻ってくると思う」
「んふふ、御心配ありがとうございます」
 鬼娘が思わずニルズヘッグの様子を心配すると、ふるふると円とハイドラはかぶりを振って。
「かわいいで勝負……?」
「それはそうと、お前たち、彼氏いる!!?? 彼女でもいいけどさ!!! 俺には……俺には俺には婚約者がいま~~~す!!!!!」
「婚約者は……かわいい……?」
「え~~、いいな~~~」
 ニルズへッグは未だに復唱に近い様子で混乱しているが、ハイドラは熱いアピールタイム。
 鬼娘達がやんやと手を叩くと、ハイドラは彼女たちにずずいっとカメラロール画面に切り替えたスマートフォンを差し出し。
「ほらほら、見て、俺のスマホの画像一覧みて!?!?!?!?」
「わあ、ハイドラのおねーさん、わたしも見たいです!」
「えー、見せて見せて~」
 円は一度見せて貰った事のある写真もあったが、どうやら新作も増えているようだ。
 未だ会った事の無い、声も知らぬ、画面の向こう側で微笑む見知った彼女。
 鬼娘と円が画面を覗き込むと、ハイドラは大切なものを説明する時特有のあの早口でまくしたてる。
「良いよ、お前たちも、円も見て!!!! 一杯見て!!!! ほらこのカップル感満載の自撮り!!!! なんなら待ち受けも婚約者だし、交際して何日みたいなのわかるアプリいれてるし、この角度の写真、俺にだけ許す顔って感じで最高じゃない? あっ、こっちの写真もまあ最高なんだけど……まあーーーそういう訳で!!!」
 そうして。
 びしっと人差し指を天に立てたハイドラは、よく響く声で言い切った。
「俺は!! 圧倒的に他人から承認を受けるレベルで、――かわいい!!!」
 一通りアピールタイムを終えて、鬼娘達からぱちぱちと上がる拍手。
「そうね、あなたたちも確かに可愛いみたいだけれど、わたしたちもあなたたち……」
 ならば次はと鬼娘が口を開いた――瞬間。
「……は? 貴様、今、……自分の方が、ハイドラと円よりかわいいって言ったか?」
 宇宙空間を永遠に彷徨いつづけるかと思われたニルズへッグの精神が、ついに彼……否、彼女の中へと戻って来たのだ。
「私の神にすら嫉妬されるほどかわいい妹と、その婚約者と、友達よりも……!?!?!? 言うに事欠いて貴様なんぞがかわいいって言ったか!?!?!?」
 拳を握りしめる。
 燃える瞳に、熱い心。
 ニルズへッグは突如裁縫箱を取り出すと、ぎっと鬼娘達を睨めつけて。
「よし、そこに並べッッ! 今から殺す! かわいく――殺す!!」
 店内の衣装棚から衣装を幾つかひっつかんだニルズへッグは、激しくそして精確な手さばきで猛然と裁縫を始め。
「えっ……!? ニルのおねーさん……今、何処から裁縫箱を……?」
「裁縫箱は……嗜みだから……!」
「裁縫箱は嗜みですか……」
 円はニルズへッグの言い分にただただ復唱する事しかできなくなってしまったが、ニルズへッグの手元でどんどん生み出されゆく服はどうやら、甘いレースを纏った白と黒の二着のかわいいロリータ服のようだ。
「さあ、二人とも着てくれるか!?」
 仕上がったばかりの二着をニルズへッグが二人へ差し出せば――。
「え~、姉貴、俺白、白の方がいい~」
「じゃあわたしは、シックでかわいい黒にします!」
 白と黒でお色直しをした、円とハイドラは背中合わせでびしっと可愛いポーズ。
「ウェディングみたいで、かーーわいいでしょ? ――さあ、覚悟しな。ここからは俺たちがかわいいでマウントを取ってボッコボコにするターンだぜ」
「ふふふー、衣装に着られるだけのわたしたちではありませんよう。――あくまでも衣装はわたしたちを引き立てるスパイスです」
 青い舌を見せて笑うハイドラに、円は長い睫毛の影を瞳に落として。
 上目遣い、かわいい笑顔。
 悪戯げな微笑みにおんなのこの魅力を、いっぱいつめこんだ表情で。
「――さあさ、お命頂戴!」
「くらえーっ!」
 ニルズヘッグお手製のロリータ服の裾を大きく揺らした二人は、鬼娘達に同時にバチーンとかわいいウィンクをブチかました!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

フィッダ・ヨクセム
(パフェ5杯以上ぺろりと平らげて口元のクリームを舐めながらの帰還)
(片手に三段分積み重なったあいす)
は?断然俺様の方が可愛いじゃん?
睨みつける奴の何処が可愛いんだ
とんでもない甘党な俺より可愛くぱふぇ食うやついたら連れてこいよ
(甘味三昧だったので上機嫌)

可愛い女は数で勝負?
姿が変わるのは俺様的には可愛いと思うところだが
俺もモフモフ化するし?超かわいい分類だと思ッてやまねー(自画自賛)
(ユーベルコードで獣耳と手のひらに肉球だけ)
だからな、……推しを語る女子のが可愛いんじゃね?
数で勝負すんなよ、自信ねーのか?
(挑発しながらアイスを食べる)

特別に肉球スタンプを無償提供してやろう
ぺたぺた
ほら俺のが可愛い


那雪・光
「あたしは勝つ! 妖怪さんたちのためにも、鬼娘さんたちのためにも!」

かわいいおんなのこで勝負!? うっ……じ、自信ないけど……頑張る! だって、戦って倒しちゃうよりは、かわいいおんなのこでバトルした方が平和的で、あたしも嬉しいもん! 妖怪さんたちのためにも、鬼娘さんたちのためにも、あたし、絶対、勝つよ!
でも、かわいさでどう勝てばいいんだろ……? 服が可愛ければ可愛いのかな……? UCのマジカル・メタモルフォーゼで、0.05秒で早着替えする! かわいい服に着替えるよ!(※些細はMSさんにお任せ)
ど、どうかな……似合ってるかな……? ぅぅ……はぢゅかちい……。(真っ赤になりうつむく)



 口元のクリームは美味しいものを食べた証拠。
 拭った掌についたクリームを舐め舐め、三段アイスを手にしてフィッダは、戻ってきた店内を覗き込むと真っ赤な瞳に睫毛の影を落として。
「……は? 俺様の方が断然可愛いじゃん??」
 そうしてかわいいおんなのこバトルの宣言に首を傾ぎながら、アイスにかぶりついた。
「あたしは勝つ……勝たなきゃならないっ! ……妖怪さんたちのためにも、鬼娘さんたちのためにも!」
 きゅっと拳を握りしめて、熱い宣言をする光。
 かわいいと言われて、たしかに光は嬉しくなってしまった。
 かわいいことは、素敵なことでもある。
 しかし、それで世界が壊れてしまうのならば。
 彼女たちが骸魂に取り込まれているだけなのだとすれば。
 ――それは救わなければいけないものだ。
 光はふるふるとかぶりを振って、洋服コーナーに吊るされた一番かわいい服をちらりと見やった。
 あまりにかわいすぎて、手を出すのも気後れするほどかわいい服。
 ――戦って倒すよりは、かわいいおんなのこでバトルをした方が、平和的に彼女たちを救う事ができるだろう。
 そして、かわいさで勝つということは、光自身がかわいくならなければいけないと言う事でもある。
「……うう」
 しかし。
 光が本当にかわいい服を着て、本当に似合うのだろうか。本当にかわいいと言ってもらえるだろうか。
 逡巡、葛藤、ふるふると光はかぶりを振って――。
「おいおい、俺様よりかわいくぱふぇを食うやつはいないのかよ?」
 光は響き渡るフィッダの声に、下げた視線を上げた。
 店内に立てられたかわいいシャンパンタワーの横に大量に並べられたかわいいパフェを、既に外で5杯以上平らげてきているというのに、更に消費をする彼――彼女の勇姿。
「負けないけれど!?」
「いいや、俺様のほうがかわいいもん」
 胃袋の容量の問題で大鬼に変化した鬼娘と、並んでかわいいパフェを食べながらフィッダは肩を竦めて。
「まァー、姿が変わるのは多少可愛いがな。俺もモフモフするし。超かわいいだろ?」
 顔をハイエナに変化させると、大口を開いてパフェを流し込むよう。勢い良く食べすぎてちょっと咳き込み、ぴょいっと獣耳と掌の肉球の変化だけに留め直す。
 フィッダはコーンフレークと混ざるフロマージュを掘り起こしながら、ぴぴぴと獣耳の先を揺らしながら、パフェスプーンをぷらぷら。
「だからな、数でかわいいを勝負するなんて無粋な事を止めて、推しでも語りあおうぜ。そっちのほうが、ずッとかわいいんじャね?」
 自信ねェのか? なんて。
 フィッダが鬼娘を煽る言葉に、光は瞳をぱちぱちと瞬かせた。
 ――それは、自分の思うかわいいを信じろという事だ。
 光はあのひらひらとした服が、とてもかわいいと思った。
 似合うか、似合わないか、じゃない。
 似合うように、――かわいく振る舞うのだ!
「――メイク! マジカル! メタモルフォーーゼッ!」
 ずばっと手を上げた光は、0.05秒であのかわいい服へと早着替えして――!
「……ぅぅ……はぢゅかちい……っ」
 やっぱりちょっと恥ずかしかったので、真っ赤になってうつむいてしまった。
「はいはい、かわいい、かわいい。頑張ッたねえ」
 そんな一部始終を見ていたフィッダは肩を竦めて。
 パフェを食べる傍ら、光を肉球スタンプで褒めてあげるのであった。
 ぺたぺた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

絆・ゆい
ノイ(f21803)

ばとる……はら、ま。争うの
ううん、愛らしさは夫々ゆえに
手荒な真似は、好ましくないのだけど
これもまた一興、なのかしら

長い髪を簪にて結い留めて
袖が踊るよな、仙界にまつわる衣を纏おう
粧いは、常よりの嗜みなの
此度は……如何なる色どりがよいかしら、ね

うん、決めた
あなたと……のいと、揃いの色を乗せよか
ふは、よおく似合うているでしょう

おや、まことに愛いこと
夏の白日。向日葵の畑にて、相見えることが叶いそ

ね、如何?
その闘志を失くして呉れると、よいのだけども
ふうん……そう、
そちらにも譲れぬものがある、ようね

あまりに姦しいなら……そ、ね
春麗にて巻き起こす、桜の一陣を呉れましょ

ひとつ、唄うてあげる


ノイ・フォルミード
ゆい(f17917)と

ふうむ
皆かわいいで良いと思うのだけど

ま、花は他より美しく咲こうと競うものだし
かわいいおんなのこ同士勝負をするのも自然、かな?
よし、受けてたつよ

服のお洒落は良く解らないから
帽子と鍬を可愛くデコって魅せよう
先程仕入れた花で飾りつける

帽子はリボンを隠す様に向日葵を飾り付けて
あちこち夕化粧も差し込んで可愛らしく
鍬はらいんすとーん?でキラッキラにするよ
…これ、後で取れるよね?

かわいい私+かわいいアイテム=もっとかわいい
ふ、勝ったな

ゆいは衣選びもお化粧もセンスがある
秘境に咲く優雅な花の様だね
え、お化粧を私にも?に、…にあう?

それでも鬼娘から骸魂出てこない時は
【ルブルム】(こっそり)



 金絲の髪をかきあげたノイは、鬼娘たちの言い分を聞こえると、小さく首を傾いで。
「ふうむ、かわいいというのならば、皆かわいいで良いと思うのだけど」
「はら、ま。……ううん、愛らしさは夫々ゆえに手荒な真似は、好ましくないのだけど」
 ゆるゆるとかぶりを振るゆいが、ノイを見やれば紫色の瞳に憂いを揺らして。
 応じたノイは肩を竦めてから、片目を眇めて見せ。
「ま、花は他より美しく咲こうと競うものだし。……かわいいおんなのこ同士勝負をするのも自然なの、――かな?」
 少しだけ自信のなさげなその言葉に、ゆいは花笑みを浮かべる。
「そ、ね。これもまた一興、なのかしら?」
「そうだね。一興なのかも。……よし、受けてたとう」
「ふは、奇怪で愉快なひととき。ぼくらも、このたまゆらのときを、楽しむとしよか」
 そうと決まれば、ノイとゆいは衣装ケースを覗き込み。
「……やっぱりよくわからないなあ」
 普段はブリキの案山子をしているもので、ノイはお洒落についてはやっぱり良くわからない。
 きらきらのラインストーンで鍬を飾り付けて――。
「……これ、後で取れるよね?」
「うん、……うん? やあ、や、たとえ取れずとも、綺麗なこと」
「……やあ、取れないとちょっとかわいすぎるかもしれないけれどね」
 世界が壊れてしまうよりはずっとマシだろう。
 仙女服を纏ったゆいが長い髪を簪で結い留め、ノイは帽子に先程買ってきたばかりの、小さくて可愛らしい夕化粧の花を幾つも差し込み。
「おや、おおや、おや、まことに愛いことね」
 眦を和らげたゆいは目についたひまわりの花を、ノイの帽子へと飾り付けてやり。
「夏の白日。向日葵の畑にて、相見えることが叶いそ、ね」
「わ、ありがとう。ゆいは、秘境に咲く優雅な花の様だね」
 可愛く仕上げられた帽子を深くかぶり直したノイは、鏡前で一回転。
 ふんわりと服の裾を揺らして、鏡の中で金髪の少女が回って笑う。
「しかし……フフフ。かわいい私+かわいいアイテム=もっとかわいい。これは、この勝負……貰ったね」
「うん、うん。では仕上げと、ゆきましょうか」
「えっ?」
 ゆいは目を丸くするノイと、自分と揃いの、鮮やかな夏の色した紅を粧い。
「に、にあう?」
「ふは、よおく、よおく似合うているよ」
「そうか、それなら良いのだけれど」
 帽子の鍔をきゅっと引いたノイは、照れ隠しのように。
 ゆいと共に、鬼娘達へと振り返り。
「愛らしさで争うのでしょ、ね?」
「さあ、勝負だよ!」
 鬼娘たちは、ふふ、と笑って。
「ただ飾り付けただけじゃあ、かわいいおんなのこバトルの勝者とは言えないよ。まあ、かわいいけれどね!」
「……ふうん、そう」
 まだ闘志を失ってはくれぬ相手に、ゆいは口元を覆って瞳を細めて。
 むむーっと悩んだ様子のノイは、こっそりと口を開いた。
「――!」
 それはヒトには聞こえない高周波数の音。
「あ、……れ?」
 刹那。
 抗えぬ眠気に、かくんと膝の笑った鬼娘。
 ゆいは指と指をあわせてその間から彼女の姿を見やって。
「ならば、ひとつ唄うてあげる、ね」
 祝福を告げる薄紅桜が、店内をゆうるりと覆う。
 花を纏い、歌う少女は、愛いことでしょう。
 さあさあ、骸魂よ。
 おかえりなさい、おやすみなさい。
「ねえ、これで私たちの勝ちかい?」
 なんて。
 眠りはじめた鬼娘であった少女に、ノイはかわいらしく、愛らしく、少女のように笑いかけた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

月舘・夜彦
【華禱】
かわいいおんなのこでばとる……?
りん……つまりは、どういうことなのでしょう?

えっ、私ですか
そんな……それは、りんこそ……え、えぇと……
倫太郎ことりんによる怒涛の称賛にみるみると顔を赤らめて黙り込む
目の前で褒められる居た堪れない気持ちと自分でも分かる頬の熱
それでも言い終えた時には我に返り、自分もと気合を入れる

……ありがとうございます、りん
私のことを沢山褒めてくださるのはとても嬉しいのですが
りんも元気が良くて活発で、私を褒めることにさえ一生懸命で
そんな様子がとても可愛く思います

私も可愛いりんが大好きですよ
そういえば、勝負はこうしたもので良いのでしょうか?
つまりはりんは可愛いです、ので


篝・倫太郎
【華禱】
え?可愛いって認めさせればいいの?
おっけー、まっかせて!
この人の可愛い部分に関しては第一人者自負してるから

倫太郎改めりんによるりんの為のりんが嬉しい
夜彦改め夜子おねえさまが如何に可愛いかトーク

ここから

この!宵の空のような艶やかで長く美しい髪!
髪色もあって映える白くてきめ細かな肌!
華奢な肩!そして抜群のプロポーション!
どこを取っても綺麗で可愛い!

さて、ここからが大本命!
何より一番可愛いのは!
この程度の誉め言葉で恥じらっちゃう
慎ましやかで奥深いその情緒!

数多ある世界で一番可愛い!

ここまで

どうだ!勝てるか!(どやぁ)
え?そうやって一生懸命な俺の方が可愛い?
やったぁ!夜子おねえさま、大好きー!



「……?」
 耳慣れない単語に、夜子はぽかんとした顔つきで瞬きを一度、二度。
「かわいいおんなのこばとる……?」
「おっけー、まっかせて!」
 そんな夜子とは対照的。りんは、ぱあっと笑って夜子に後ろから抱きついた。
「えっ、つまりは……どういうことなのでしょうか……?」
「要は可愛いって認めさせればいいってことでしょ? 夜子おねえさまの可愛い部分に関しては、俺、第一人者を自負してっから!」
 夜子に後ろから抱きついたままりんは人差し指を立てて、ぴしっと鬼娘達へと力強く宣言するよう。
「えっ、私の可愛い部分ですか……?」
「そうです!」
 夜子としてはそのような勝利条件は全くの青天の霹靂なのだが、りんに力強く肯定された事で、彼女は更に目をまあるくする。
「この! 宵の空のような艶やかで長く美しい髪!」
「あの……」
 夜子の両肩に掌を添えてお気に入りを紹介するかのように語り出したりんに、夜子は困ったように声を零して。
「髪の色に映える、白くてきめ細かな肌!」
「そんな、えっと……」
 続く称賛の言葉。
 夜子は鬼娘たちの視線が自らの称賛された部位に逐一向けられている事が分かるからこそ、眉をきゅっと寄せて両頬を抑える。だんだん頬がぽかぽかしてきている事がよく分かる。
「華奢な肩!」
「それは……」
 かわいいおんなのこバトルに則るとすれば、どうにかしてりんを褒め返さなければいけないはずだ。
 気持ちは逸るが焦れば焦る程言葉というのは、どうにも出てこなくなるもので。
 夜子はあわあわと耳まで真っ赤にして、紡ごうとした言葉を飲み込むばかり。
「そして抜群のプロポーション!」
「り、りんこそ……その、えぇっと……」
「――どこを取っても、綺麗で可愛い! だろ!? でもな、ここからが大本命だ」
 そんな夜子の様子に気づいて居るからこそ、りんは拳をきゅっと握りしめてから、大きく腕を開いて。
 ぱんぱかぱーん、と皆さんにご紹介のポーズを取った。
「何より一番可愛いのは! この程度の誉め言葉で恥じらっちゃう、慎ましやかで奥深いその情緒~~~!」
 決まった~~、イエーイ。
 これは優勝確定、金メダルありがとうございま~す。
「数多ある世界で一番可愛い!? だろ!? どうだ!?!? 勝てるか!?!?!」
 満面の笑みでご紹介を終えたりんは、腕を組み直すと一歩前へと出て今世紀最大のドヤ顔を浮かべて言い切った。
 そんな恋人の様子に夜子は、おずおずと俯けてしまっていた顔を上げて。
「えっと、あの……――」
 ドヤ顔を浮かべるりんを真っ直ぐに見据えると、未だに頬のあたたかさが残っている事がよく分かる。
「……ありがとうございます、りん」
 ――それでも。
 どれほど照れてしまう事であったって、伝えなければいけない事がある。
 夜子だって、かわいいおんなのこバトルにはちゃんと参戦しなければいけないという気持ちを、強く持っているのだ。
「私のことを沢山褒めてくださるのは、その、……とても嬉しいのですが……」
 だからこそりんから視線を逸らす事なく、夜子は懸命に本当の気持ちを、一つの言葉へと紡いでゆく。
「元気が良くて活発で、私を褒めることにさえ一生懸命で、そんな様子がとても可愛く思います」
 なんとか言い終えた夜子が、こくりと喉を鳴らすと、りんはきょとんとした表情を浮かべて。
「……俺が、可愛い?」
「……ええ、とても」
 夜子が頷いて応じると、りんはまたぱあっと笑顔を浮かべて夜子にぎゅっと抱きついた。
「やったぁ!夜子おねえさま、大好きー!」
「私も可愛いりんが大好きですよ」
 ちゃんと伝える事ができたことにほうっと胸をなでおろした夜子は、りんにおもいっきり頬ずりされながら、鬼娘たちへと視線を戻すと首を傾ぎ。
「つまりは、りんは可愛い、という事なのですけれども……。そういえば、勝負はこうしたもので良かったのでしょうか……?」
「えっと、ごちそうさまでした……」
 彼女の質問には、既に胸がいっぱいになってしまったように。
 胸を押さえた鬼娘たちは、ぷるぷるとかぶりを振った。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

朱赫七・カムイ
⛩神櫻

ウッ!!可愛い!!
心臓が止まるかと思った
余りにも私の巫女が可愛い…いつも可愛いが尋常でなく可愛く愛おしく堪らない可愛い
必死に平静を装うが無理だろう
可愛いから

鬼娘達の声も耳に入ってこない
見てくれ世界よ…私の櫻宵はこんなにも可愛い…
いや、見るな
私だけの桜だ
見たものの目玉を抉り抜いてもいい

鬼娘に目を移したら可愛いことを言ってきた
私は転生できた事に感謝する
私の姿など、霞
サヨの姿こそ、至高
一番に決まっているよ
可愛いだろう!私の巫女は!

……?!

唇に触れた感触に
爆発四散しそうになる

小指絡めて契った約束は、今や薬指へ結ばれたよ
サヨは可愛いから優勝した。私の中で
厄神ノ微笑─全ての幸いを可愛いきみへ

あ〜幸せ


誘名・櫻宵
🌸神櫻

みてー!カムイ好みのミニ袴の巫女服に着替えたの!
ぎゅ!とカムイに抱きついてすりりと頬を擦り寄せる
だって直ぐに赤くなってわなわなしだして
かぁいいんだもの
今まで出逢った女子の中でもナンバーワン可愛いわよ
好きな人が一番かぁいいの
当たり前でしょ?

カムイは…私が可愛くない?
ふふ…ならあんな子達を瞳に映さないで
私だけをみてて
1番可愛いのは私だと言って
あなたの1番は私でしょう

頬を撫でてふと気づく
まだ口紅をひいていなかったわね
だから…
唇を重ねて紅をうつす
ほら
もっと可愛い

照れて真っ赤に染まったカムイのかぁいらしさを自慢する
あなた達もかぁいい桜にしてあげる
喰華─咲き誇る桜は可愛くて
愛しい神を彩るに相応しい



「ねえ、カムイ、カムイ! みてみて、見て! 着替えたの!」
 店の衣装棚の奥で見つけた、すらりとした足も露わな膝上丈の袴の巫女衣装。
 櫻宵は勢いをつけてカムイに飛び込むように抱きつくと、彼女の胸へと頬ずりをして。
「ウッ!!」
 呻いたカムイは一瞬で頬を真っ赤に染めて、ぷるぷると震えた。
 ちょっと心肺ごと停止してしまいそうになっていた。いや、ちょっとしてたかも。心肺停止。
 勿論。
 それは櫻宵に突然飛びつかれた痛みなどでは無く、彼……否、今は彼女の、その姿が、余りに、余りに――かわいいから。
 そう、かわいいのだ。余りにも可愛すぎる。こういうのって限度があるものだろう。
 いつもかわいいが今日は尋常では無いほど、可愛く、愛おしく、堪らない。
 あ~~~~~~~~~、かわいい。
 私の好みを把握した上で、私の好みに合わせてきてくれるなんて、なんといじらしいのだろうか。
 カムイはこっくり頷いて、櫻宵に微笑みかけて。
「そうだね、可愛いよ」
 いや~~、かわいい。
 なんとか平静を装った返事をしたつもりだが、出来ているだろうか?
 見ておくれ、世界よ。
 私の巫女は、――私の櫻宵はこんなにもかわいいのだよ。
 いや、ちょっと待てよ。
 いや、いや、世界よ、見るな。どうしても見たいなら、私に許可を取って。
 これは私だけの桜だ。
 許可なく見るのならば、汝の目玉を抉り抜こう。
 見てはいけないよ、と。ギリリとカムイは鬼娘たちを睨めつけて。
「……カムイは、私が可愛くない?」
「……えっ?」
 櫻宵の言葉に目を丸くするカムイ。櫻宵はほう、と小さく吐息を零すように言葉を紡いで。
「だって、私だけを見てくれていなかったでしょう?」
 唇を尖らせる櫻宵がどれほどかわいいか、皆は知る事がないだろう。
 カムイが誰にも見せる事を許しはしないから。
 ――私は転生できた事に感謝するよ。
 噫。私の姿など、霞。サヨの姿こそ、至高。
 一瞬で櫻宵限界オタクさんと化したカムイは、その表情の変化をできるだけ見せぬように唇をもたげるだけの笑みを作って。
「……いいや、一番に決まっているよ」
 ほら~~、かわいいでしょ、私の巫女。
 かわいいでしょ!?!?
「ふふ、なら、あんな子達を瞳に映さないで。私だけを見ていて」
 櫻宵はそんなカムイの胸裏を知ってか知らずか。カムイの頬へと手を添えると真っ直ぐにその桜色の瞳を見据えて。
「一番かわいいのは、私だと言って。……あなたの一番は私でしょう?」
 カムイの頬を撫でながら、ふと何かに気がついた様に櫻宵はカムイの唇へと唇を寄せた。
「――まだ、口紅をひいていなかったわね」
「……!? サ、ヨ!?」
「ほら、これでもっと可愛い」
 その笑みは蠱惑的、と言うのだろう。
 弾け飛んでしまいそうな程高鳴る胸にカムイは瞳を大きく見開いて、耳まで赤くなってしまっている事なんてカムイ自身だって自覚している。
 ……ああもう、本当にかなわないな。全く。
 ――私が優勝してしまったじゃないか、幸せ、かわいい、最高~。
「ねえ、あなた達。見て、こんなに私の神はかぁいいのよ? ――今まで出逢った女子の中でもナンバーワンかぁいいの」
 なんたって。
 好きな人が一番かぁいいのは当たり前でしょ? と櫻宵は首を傾いで。
「折角だから、あなた達もかぁいい桜にしてあげるわ」
「ああ、小指に契った約束は、今や薬指へ結ばれたよ」
 彼女の言葉に合わせてなんとか心肺停止状態から戻ってきたカムイは、きりりとした表情を作って櫻宵を見た。
 ――この幸いは、全て可愛いきみへ。
 ――咲き誇る桜花は、愛しい神を彩るべく。
 はらり、はらり、桜花が待った。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

佐那・千之助
クロト(f00472)がどうなっても、好きじゃよ
どんなおんなのこになっても…(わくわく

って、推されている!?
推しを熱く語るタイプのおんなのこ??
え、あ、う…
それは、クロトの目線だからこそ、かわいく見えるのであって
かわいい子らの前で恥ずかしいのじゃ…
いや世界を救うためなのじゃが…

顔を赤くして、ともかく制止しようとくいくい彼の袖を引く
今彼はおんなのこなので優しく…
しかしとまらない!

ぽふんっとくっついて(抗議?
そ、そういうのは、二人きりのときだけでいい…
好ましく思ってくれるのは幸せなのじゃが…
もじもじ小声で訴える

これも今は乙女心と言えるだろうか
唯の本音じゃが、かわいく見えたなら結果オーライとしたい…


クロト・ラトキエ
千之助(f00454)…
僕がどんなになっても、変わらずいてくれますか?

世界を失わぬ為、過去の業を今一度…
女子(演技300)に成り切ります…!

かわいいおんなのこバトル?
ふふ…
貴女方、敗れたり!

ご覧なさい、彼女(※千之助)を!
星もかくやと煌めく瞳!
白き清廉な肌艶、そこに朱の差す愛らしさ!
陽光を縒ったが如き髪は毛先まで艶やかに躍り!
スタイルや儚げさ、美姿そのものは言わずもがな…

何より!
そのかわいさたるや、外見のみに非ず!

かわいいに踊らされぬ奥ゆかしさ!
他の子のかわいいを立てる謙虚さ!
内面までもかわいい!正にかわいいおんなのこの体現!!

(はっ
ごめんね、千ちゃん…
バトルなんて、かわいくないよね…(憂い顔



 鬼娘に告げられた勝負内容にミニスカメイドのクロトは、小さくかぶりを振って息を飲み。それから決意を宿した空の瞳で千之助を見つめた。
「……千之助。僕がどんな事になっても、変わらずいてくれますか?」
「……クロト?」
 クロトの張り詰めた面持ちに、千之助は眉を寄せて。
「……もしクロトがどうなったとしても、わしがずっと変わらずおぬしのことが……好きじゃよ」
 迷うこと無く紡いだ言葉は、クロトの全てを信頼する言葉。
 そう、それが例え。どんなかわいいおんなのこになるという事だとしたって。
 ……わくわく、えっ、楽しみ~。
「はい、……それでは」
 これは、世界を失わぬ為の戦い。
 これは、ひとつの世界を護る為の戦い。
 ――クロトの過去の業を、今一度繙こうか。
 瞳を閉じて、開いて。揺れる睫毛は艷やかに。
「ふふ……、かわいいおんなのこバトルなんて。挑む相手が悪かったようですね」
 唇を隠すように指先を寄せて、くすくすと鈴を転がすようにクロトは笑う。
 そう。
 ――世界の為にクロトはかわいいおんなのこに成り切る事を、今ココに誓ったのであった!
「ご覧なさい、彼女を! この星もかくやと煌めく瞳を!」
「えっ? 私?」
 突如話を振られて千之助は瞳をまあるくする。
 かわいいおんなのこの演技をする事までは予測できていても、その先。――推しを熱く語るタイプのおんなのこに成り切るなんて想像もしていなかった。
「白き清廉な肌艶、――そこに朱の差す愛らしさ!」
「ちょっ、待、」
 クロトのメイド服をくいくいと引いた千之助は、頬を真っ赤に染めて。
 そんな事を高らかに皆に伝えられるのは、とても照れる事だ。
 クロトがそう思ってくれているという事が嬉しい事以上に、恥ずかしさが千之助にひしひしと刺さるよう。
 いや、世界を救う為だとは理解している。それでも恥ずかしいものは、恥ずかしい。
「陽光を縒ったが如き髪は、毛先まで艶やかに躍り、まるで芸術品のよう!」
「え、あう、……ぅっ、そ、それはクロトの目線だからこそかわいく見えるのであって……」
 千之助の言葉に、クロトはただただ甘やかに笑って。
 その優しい瞳は大丈夫、とも、分かっている、とも訴えかけるよう。
 今は千之助だって、おんなのこ。
 そんな表情をされてしまっては、それ以上強く出る事もできず――。
「スタイルや儚げさ、美姿そのものは言わずもがな……」
 たとえ分かってくれたとしても、止める気がクロトにあるかと言えばそれは別の話だ。
「何より! そのかわいさたるや、外見のみに非ず!」
 メイド服のリボンがふかふかと揺れて。
 力強くぎゅっと拳を握ったクロトは、その腕を振るって全身で熱弁する。
「かわいいに踊らされぬ奥ゆかしさ! 他の子のかわいいを立てる謙虚さ!」
 恥ずかしい言葉の洪水に呑まれて、ついに千之助は両手で顔を覆ってしまう。
 あーっ、あーっ。
 もうおんなのことしてこの称賛の波を止める方法は一つしか無いのだろうか。
「見て下さい、この内面までもかわいい仕草を! 正にかわいいおんなのこの体現!!」
 そんな姿すら、今のクロトには褒める為の材料になってしまう。
「……っ!」
 もうコレしか思いつかない、と。
 意を決した千之助は大きく息を呑むと、クロトの背中にきゅっと抱きつき。
「…………そ、そういうのは、二人きりのときだけでいいの、じゃ。……好ましく思ってくれるのは幸せなのじゃが……すこし、……その、……はずかしい……」
 照れと恥ずかしさから揺れ消え入りそうな声で、千之助がなんとか本当の気持ちを真っ直ぐに伝えると、クロトはぎくりとした表情を浮かべて――。
「あっ……、ごめんね、千ちゃん。……こんな、バトルなんて、かわいくないよね……?」
 憂いを帯びた視線を地へと落とすと、かわいらしく謝罪をした。
「そ、そうじゃなくてっ、クロトちゃん、その、えっと……ただはずかしくてっ……」
「ううん、……ごめんね千ちゃん」
 ああ~~、かわいいけど、かわいいけど、今はそうじゃなくて、ああ~~っ!
 そんなおんなのこに成りきったクロトのかわいい反応に、千之助はぷるぷるとかぶりを振って苦悩するのであった。
 ごちそうさまです。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

終夜・嵐吾
【嵐雅】

とても、美味…??
あれが…??いや人の味覚はそれぞれじゃもんね
…激甘の間違いじゃろ…(尻尾は下がっている

あっ、せぇこちゃんその首こてんはかわいいじゃよ
つよつよかはわからんけどパフェを食べるとかわいい…なるほど(しっぽふり)
!? 最強可愛い!?
あっ、尻尾がの。そじゃね、尻尾はもふかわじゃよ!(ふりふり)

なるほど、あれがせぇこちゃんの可愛い動き…
わしも真似しよ
桜吹雪は出せんけど虚にお手伝いしてもろて華麗にかわいく花弁ぶわわじゃよっ!
もふもふの尻尾も花弁に彩られてさらにかわいくおしゃれしとる!!
せぇこちゃんどうじゃろか!(しっぽふり
わしはいま、ばっちりかわいいおんなのこ、じゃよ!(きゅるるん


筧・清史郎
【嵐雅】

ふふ、とても美味なパフェだった
はむりと最後の一口を可愛く口にした後
手を合わせぺこりんと可愛くご馳走様

パフェのおかわりを頂きたいところだが…
かわいいおんなのこで勝負?(首をこてり
そうか、可愛かったか(可愛い微笑み
それに甘味を食した俺達の可愛さはつよつよだ
何より、友は最強もふもふ可愛い
このもふもふ尻尾が可愛い無双すること間違いなしだ(きりり可愛く

そんな最強可愛さを、桜吹雪で可愛く飾ろうか
ぴょこり雅やかに可愛く舞いながら
可愛いピンク色をした桜嵐を容赦なく可愛く巻き起こそう
友のもふもふ可愛さに勝てる可愛いなど存在しない(可愛く断言

ふむ…(じ~~~
らんらんのもふもふはやはり、最強可愛いな(微笑み



 甘くて、ずっしりと重くて、食べごたえたっぷり。
 でらっくすぱふぇに練乳とあんこ、そふとくりーむ、たいやき載せ。
 黒蜜と蜂蜜もサービスで掛けてもらえば、それは清史郎にとっての至福の味。
「ふふ、とても美味なパフェだった」
 ごちそうさま、とかわいくパフェを食べ終えた清史郎は、かわいく口の回りをナプキンで拭い。
「……? とても……??」
 美味?
 そのどうにも納得し難い言葉に、思わず嵐吾の口からは疑問符がこぼれ落ちる。
 いや、えっと、人の味覚はそりゃあ、それぞれじゃが……。
 あれは、そう……、甘みの爆弾というか……。
 とても激甘の間違いじゃろ……?
 下がりきった尻尾に、下がりきった眉。
 もしかして毎日この激甘に慣らされていくことで、何時の日にか美味しく感じさせられる日がくるのじゃろか。
 なんて。おぞましき食育完了の想像が嵐吾の脳裏を過り、彼女はぷるぷると首を振った。
「さて、折角ならばパフェのおかわりを頂きたいところだが……、どうやらかわいいおんなのこで勝負のようだな?」
 しかしかわいいおんなのこでバトルをしたことは、まだ清史郎は無いもので。
 こてんと首を傾ぐと、嵐吾ははっと顔を上げて。
「あっ、せぇこちゃん。その首こてんはかわいいじゃよ!」
「そうか、可愛かったか。ならば甘味を食した俺達の可愛さは、つよつよだろうか」
「つよつよかはわからんけど、かわいいおんなのこがかわいくパフェを食べるとかわいいのは、たしかに理解できるのじゃ……」
 なるほど、と妙に納得させられてしまった嵐吾は、ふうむと顎に指先を寄せて。
 彼女の尾の先がふかふかと、無意識に揺れている。
 清史郎はその動きを目で追って――、雅やかに花笑みを浮かべた。
「何より。可愛さでいえば、らんらんは最強もふもふ可愛いぞ」
「!?」
 突然与えられた褒め言葉に、嵐吾はびくんと肩を跳ねて。
 清史郎はその様子に気づいているのか、いないのか。
 きりりと冷ややかに真っ赤な瞳に確信の色を宿して言い切った。
「このもふもふ尻尾であれば、かわいいおんなのこ勝負で無双することは最早間違いの無い事だろうな」
「あっ、そっ、そじゃよね。尻尾がの。うむ、尻尾がの! そじゃね、尻尾はもふかわじゃよ!」
 ぴーんと立った狐耳、尾はどうしたって忙しく揺れてしまう。
 この箱は突然こういう事を言って、人の情緒を乱してくる事がある事くらい嵐吾は承知していた筈ではあるが、やはり突然行われるとびっくりしてしまうもの。
「さて、最強もふもふ可愛い友を、さらに可愛くするとしよう」
 清史郎がソファからひょいっと立ち上がると、携えた刀を抜刀し。
 円を描くように遊ばせれば、桜の花弁が舞い上がる。
「――かわいい桜嵐よ、かわいく巻き起これ」
 かわいく吹きすさぶ花嵐は、ふかふかの尾を彩るように。
 清史郎の花舞う演舞に、嵐吾はまたなるほど、とぴーんと耳を立てた。
「なるほど、可愛さは動きでもあぴーるできるか……、わしも真似しよ~」
 眼帯の上に指先を柔く這わせれば、甘い花香が濃く。
 はらはらと舞う花弁は、溢れるにつれて様々な彩りを得て美しく舞い上がり。
「せぇこちゃん、せぇこちゃん、どうじゃろか?」
 清史郎の演舞に合わせるように、自由に跳ねて、舞って。
 足取りに合わせて舞い上がる花弁は、嵐吾の尾と歩みをかわいくおしゃれさんにする。
「わしはいま、ばっちりかわいいおんなのこ、じゃろっ?」
 そして、指先をぴーんと立てて可愛いポーズを取った嵐吾に、清史郎は眦を緩めて――。
「ふふ、……そうだな」
 鬼娘たちの方なんてひとつも見ないその視線が追うのは、嵐吾の歩みに合わせてふっかふか揺れる尾ばかり。最早、その姿は凝視といっても過言ではない。
「らんらんのもふもふはやはり、天下に並ぶものが無いほどに最強可愛いものだな」
 そうして清史郎は、とても満足げに微笑むのであった。
 ああ、友のもふもふが一番もふもふだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

七那原・エクル
七那原・望と参加

基本的な動きは望のプレイング指定通りに反応します

【心情】
望による撮影会も無事?に終わり、戦闘へ。カワイイまみれになったボクはノリノリで勝負に臨むよ。世界をカワイイで多い尽くせばきっと平和になるさ、きっと。カワイイ望を守るために、ボクはもっとかわいくなって見せる!

ユーベルコードを発動して、ヘンテコな形状の全方位空間投影機を召喚、周囲の空間をキラキラ粒子で多い尽くすよ。説明しようっ!この機械は周囲のカワイイ値を可視化させて空間に表示させる機械なのだ!これで誰がどれくらいカワイイははっきりとわかるねっ♪

ウェディング姿で
「ボク、女の子になっちゃったけど…望はこんなボクでもいいの?」


七那原・望
えくるん(f07720)と参加

果実変性・ウィッシーズラブで変身。

愛の魔法少女、ウィッシーズラブ!
可愛いといえば魔法少女。そして愛を知る女の子は可愛い。かわいいおんなのこバトル、受けて立つのです!

まずは外見。わたしは見えてないけど元々可愛いえくるんがおんなのこになって可愛くないわけがないのです。
仮に着飾らせるなら褐色肌に白いウェディングドレスとか最高だと思いませんか?
赤く染まった顔で恥らいいっぱい。それだけでも可愛すぎるのに、いつもは男の子を主張して可愛いを否定してるえくるんが、なんだか可愛いって言われてきゅんきゅんしちゃってる。
こんな可愛い生き物、わたしはえくるんしか知らないのです!



 望がエクルの撮影を本気でしている内に突然宣言された、かわいいおんなのこバトルの概要。
 かわいくなりきった店内の中で望は一通り撮影を終えてから、ふうっと汗を拭って――。
「さて、可愛いといえば、魔法少女なのです!」
「えへへ、じゃあボクも魔法少女っぽく戦ってみようかな!」
 撮影されまくってすっかりおんなのこになってしまったエクルは、びしっと大振りな機械槍を構えると、かわいく望に応じて。
「世界をカワイイで覆い尽くせば、世界はきっと平和になる!」
「――魔法少女はかわいいけれど、愛を知るおんなのこであれば、もっともっと可愛いのです!」
 エクルが両手で槍を縦一文字に構えると、望も合わせて金色の王笏をぴしりと構えて。
「……カワイイ望を守る為なら、ボクはもっとかわいくなって見せるっ!」
「愛の魔法少女、ウィッシーズラブ!」
 同時に発動したユーベルコードはぴかぴかと光を纏って、二人を覆い――。
 エクルの持つ槍はぐにぐにと揺れて、歪んで。きらきらと光る粒子を纏った、全方位空間投影機と成る。
「説明しようっ! この機械は周囲のカワイイ値を可視化させて空間に表示させる機械なのだッッ!」
 エクルがぴしっと指を立ててカメラ目線で説明を行うと、彼――彼女の言う通り数字がぐるぐると周りだす。
「ふふふっ、これで誰がどれくらいカワイイか、はっきりとわかるねっ♪」
 そうして。投影機によって映し出された数値は、――全てが全て9999と記されていた。
「……!? えっ、もしかして……、この店内じゃ全てがかわいくなりきってしまっているって……コト!?」
 ――そう。
 この店内ではすべてがかわいいおんなのこだ。
 かわいいおんなのこは、数値の上で優劣が生まれるものではない。
 みんな違って、みんなかわいい。全てがかわいくて、かわいいが全てだからこそ。
 この店の中は、かわいくて優しい世界であったのだ。
「これじゃ勝負なんて、つきっこないじゃないか……!?」
「それはちがうのです、えくるん!」
 エクルの嘆く声に全身を魔法で包み込んだ望は、待ったを掛けた。
「わたしはえくるんがこの世でいちばん可愛いと知っているのです、……数値で表せなくとも、わたしはその可愛い姿を全て言えるのです!」
「望……!?」
 エクルが顔を上げると、望はむむんと胸を張り。
「かわいいおんなのこバトルは……、どれだけかわいいかを納得させた者が、勝つに違いないのです! そういう訳でえくるんが可愛いお話をするのですー!」
「えっ、ちょっとまって!?」
 慌ててエクルが止めようとするも、エクルの可愛い所を語る望が止まるわけもない。
「まずは外見なのですー。わたしは見えてないけれど、元々可愛いえくるんがおんなのこになって可愛くないわけがないのです!」
「あ、あのっ!?」
「そう、仮にえくるんを着飾らせるなら白いウェディングドレスとか、……最高だと思いませんか?」
 かわいくなってしまったとは言え、自分の想像をされて語られると恥ずかしいもの。
 わあーっと顔を掌で覆って、ふるふるとエクルはかぶりを振って。
「褐色肌に映える白いウェディングドレスを着て、赤く染まった顔で恥らいいっぱいのえくるん。……それだけでも可愛すぎるのに、いつもは男の子を主張して可愛いを否定しているえくるんが、なんだか可愛いって言われてきゅんきゅんしちゃってたりして……」
 どんどん語る望は、両掌で頬を覆い、きゃーっと跳ねて、ぴょんぴょんぴょん。
「もう、もう、想像だけでも! こんな可愛い生き物、わたしはえくるんしか知らないのですー!」
 その言葉に頬から耳まで真っ赤にしたエクルは、手を伸ばして望の服裾を引いた。
「ボク、女の子になっちゃったけど……本当に望はこんなボクでもいいの?」
 そうして恥じらいに揺れる声で、エクルが望に尋ねると――。
「……? えくるんは、えくるんなのです。おんなのこでも、おとこのこでも、大好きなえくるんは可愛いのですよ!」
 なんて当たり前の事を聞くのだろう、と。
 少しだけ不思議そうに首を傾いだ望は、それは幸せそうに笑うのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

重松・八雲
【愉】
これがかわいいおんなのこの、さいきょうのせんとうふく――!
(ひらひらふりふりあまあまドレスを得て
テンションも三割増できゃっきゃと戻り!)
ふっふっふ!益々かわいくなってしもうたの!(しかし口調はろり爺だ!)

うむうむ、伊織も早う御披露目するが良い!
きゃー!これで儂らも即席あいどるじゃなー!(普段の胸板――の代わりに今日はお胸の主張が激しいのもご愛嬌!)

はっ、お主らはまさか、幻の――!
きゃー!!やはりかわいいは正義じゃな!!

そしてかわいいの在り方は千差万別、千紫万紅!
其処に優劣等ないと知るが良いー!
(もとい勝敗とかようわからんで、とっても無邪気に可愛くえ~いっ☆と――結局物理で決めにいった!)


花川・小町
【愉】
うふふ
こんな事もあろうかと、着替遊び序でに避難誘導に出た甲斐があったわ
さぁ、観念しておいでなさい
可愛そうな子――失礼、可愛い最終兵器ちゃん(ひらひらふりふり三割増な“お人形ちゃん”を笑顔でまたずるずると)

ほら見て鬼娘ちゃん達
ついつい可愛がらずはいられない程(ええこれは純粋に心から可愛がった結果よ)かわいいおんなのこでしょ?
もう、胸を張ってしゃんとなさい――あら、それもかわいいの内よ?(サイズ的な意味で)

仕方ないわ――ええ、最終兵器が使えないなら秘密兵器の出番ね
きゃ~、かわいい💕

もう皆かわいくて堪らないから、貴女(鬼娘)達も纏めて愛で倒してあげるわ!(精神的にも物理的にもわちゃわちゃと)


呉羽・伊織
【愉】
――俺は既にカタストロフを迎えた気分ダヨ(まがお)
可愛い女の子と遊ぶどころか可愛い女の子の皮被った化物達に遊ばれただけとかホント何コレ!?
チェンジで!衣装も!面子も!チェンジでー!!(じたばたやだやだっ)

えっと…あの…
カワイソウなモノを見る目はヤメテネ?
胸を張れって…公開処刑じゃん!?(両隣に対しチョット小さい胸隠し)
おい可愛い女の子みたいな顔してあくどい笑みを浮かべるなこの狐野郎

は?俺はもう黙され…

嘘だー!?!?
そんな…この美少女たいむを…終わらせなきゃならないなんて…っ

…いや何してんの?
可愛いの暴力がつよすぎる…
(ぷるぷるうるうる)
(色々涙目になりつつ
懸命にぴよ亀守りぺしぺし加勢)


佳月・清宵
【愉】
おい小町、色々駄々漏れになってんぞ
まぁ面白かったんで何でも良いが
(にっこり満足げに可愛そうなお人形眺め)

さぁ、特別にてめぇをセンターにしてやるよ
遠慮せず堂々と出てこい
(松子と挟んで伊織捕らえ――どこかをちらりと見て勝ち誇った様な笑み浮かべ)
(飽く迄味方の誰かの胸に対してに非ず
敵方に対しての勝ち誇った笑みである
たぶん)

ったく、この調子じゃ最終兵器も形無しだな
此処は秘密兵器を出すか

さて、情けねぇ主の分まで愛嬌振り撒いてきな――ぴよ子、亀子(??)
(唐突にマスコット的可愛さの美少女達
――と化した伊織のぴよこ&亀招き)

傑作揃いで結構結構
後は野となれ山となれってな
(仁義なき女子会にもあざとく参戦)



 ――かわいいおんなのこバトルの開幕。
 着飾りに着飾った小町は、店内の様子に瞳を細めて。
「うふふ、こんな事もあろうかと、着せかえ遊びのついでに避難誘導に出た甲斐があったわね」
「おい小町、色々駄々漏れになってんぞ」
 くすくす笑った小町に、やれやれと肩を竦めた清宵は、何かを気にするようにちらりと後ろを見やった。
「まぁ、俺は面白かったんで何でも良いが」
「これがかわいいおんなのこの、さいきょうのせんとうふく……! ますますかわいくなってしもうたの~!」
 清宵の視線の先はふわふわとあまーいかわいいドレスの裾をはためかせてくるくると回って楽しげにしている八雲の、――更に後ろ。
 小町も清宵に倣って振り向くと、やれやれと肩を上げて小さく息を吐いた。
「……そろそろ観念しておいでなさい、かわいそ……かわいい最終兵器ちゃん?」
「ああ、特別にてめぇをセンターにしてやるよ」
 しかし、小町と清宵の呼び掛けにも応じる気はないのだろう。
「…………」
 柱の影に隠れた野生動物のように威嚇をする気配は、むうっとそちらを睨めつけ。
「なんじゃ、伊織も早う御披露目するが良い!」
 何やら駆け引きをしているような雰囲気があったような、なかったような。
 しかし全力で空気を読む事を知らない八雲は、柱に隠れていた野生生物――ひらっひらふらふわのあまーいドレス姿の伊織を鹵獲すると、その背をばんばんと叩いて。
「遠慮せず堂々と出てこい」
 伊織が捕まえられた事をきっかけに近寄った清宵も、八雲とは反対側から伊織の肩へと腕を回して、悪い笑みを浮かべる。
「……既に世界のカタストロフを迎えた気分ダヨ」
 二人のかわいいおんなのこに挟まれているというのに、死んだ魚のような瞳の伊織は、囚えられた宇宙人によく似た姿。
 もはや此処まで来ると抵抗をしても、二人のちからに抑え込まれるだけだと知っている伊織は嘆きを零して――。
「ナンデ可愛い女の子と遊びに来たのに、可愛い女の子の皮被った化物達に遊ばれてるの???? ホント何コレ……!?!?」
 諦めていたかと思われた伊織だったが、気持ちが高ぶりすぎたのだろう。
 突然暴れだした彼女をセンターに、ふわふわひらひらのかわいい衣装に身を包んだ清宵と八雲は伊織をぎゅっと押し込んで、その無駄な抵抗を本当に無駄に終わらせてやる。
 小町はそんな三人を紹介するように腕を広げると、またくすくすと笑って。
「ほら、見て、鬼娘ちゃん。ついついついつい可愛がらずはいられない程かわいいおんなのこでしょ?」
「チェンジ! チェンジでー!!! 衣装も面子もノーセンキュー!!」
 鬼娘たちは八雲と清宵の腕の間でじたじた暴れる伊織の顔と小町を見やって。
 おまけにもう一往復してから、口を開いた。
「えっと……、イジり的なやつです?」
「発展するといじめ問題になりますよ」
 まあまあな正論ではあるのですが、いいえ、いいえ、これは心から純粋な気持ちでかわいがった結果なのデス。
「これでこれで儂らも即席あいどるじゃな!」
 身を捩って暴れる伊織の勢いにぶるんぶるん大きな乳が揺れる八雲は、その素晴らしい体幹の強さで立っている場からは一歩も動く事無く。
 ひまわりのように朗らかに笑うと、ばんばんと伊織の背をまた叩き。
「ああ」
 こちらも大きな胸は伊織の頷きに合わせて揺らされているが、その立ち姿は一つも乱れぬ清宵は狐のようににんまりと笑って応じ。
「…………」
 その間に挟まれた伊織の、ささやかな胸部パーツはいくら暴れたって揺れもしないもの。
 小町はそんなアイドル三人の胸と胸を視線で一往復、ほうと息を漏らして笑って。
「――もう、胸を張ってしゃんとなさいな?」
 それから嗜めるように、それはきれいな笑顔で笑った。
「そ、それって、公開処刑ですヨネ!?!?!?!」
「あらあら、それもかわいいの内よ?」
「大きさの話してます!??!?!?!?!」
「ったく……この調子じゃ、最終兵器も形無しだな」
 一瞬で涙を零して喚きだした伊織を地に下ろした清宵は、仕方ないなとかぶりを振って背後へと合図を一つ。
「此処は秘密兵器を出すとするか……」
「ええ、仕方がないわね」
 小町がまた伊織の胸を確認してから清宵に調子をあわせて指を鳴らすと、八雲は大きく瞳を見開き。
「はっ、まさか幻の――!?」
「は?」
 ただ一人、本気で何も教えられていない様子の伊織が、間抜けな声を上げて振り向くと――。
 そこには可愛らしい金髪と翠髪の、二人のかわいいおんなのこが立っていた。
「情けねぇ主の分まで愛嬌振り撒いてきな――ぴよ子、亀子」
 清宵の声掛けにこっくりと頷いて一歩踏み出したかわいいおんなのこたちに、小町と八雲がやんやと声を上げる。
「きゃ~~~、かわいい~~♥」
「きゃあきゃあ~~、やはりかわいいは正義じゃな!」
「う、」
 ふたりのかわいいおんなのこの出現に、わなわなと震えた伊織は自分の頬を引っ張ってから――。
「嘘だーーーーっ!?!?!」
 大きな声で叫んだ。
 普段から自分を慕う、何もわからないけれどまあまあかわいい動物たちがあんなに、あんなにかわいいおんなのこになるなんて。
「そんな……ええ、嘘……、俺がこの手で……、美少女たいむを……終わらせなきゃならない……ってコト……!?」
 嘆き、悲しみ、苦しみ、困惑。
 全ての感情がないこぜになって膝から崩れ落ちた伊織に、ぴよ子と亀子は近寄ってよしよし。
「うっ……」
 本当に本当にこんな幸せな時間を、……俺が破壊を……?
「はいはい」
 伊織の情緒がめちゃくちゃになっている最中に、小町はソファをひょーいと飛び越えて、鬼娘たちに向かって投げキッスを一つ。
「ふふ、もう皆かわいくて堪らないから、纏めて愛で倒してあげるわ!」
 いつもどおり刀を構えた八雲も、スカートを翻して鬼娘達にかわいいポーズを取り。
「うむ! かわいいの在り方は千差万別、千紫万紅! 優劣など存在はせん!」
「後は野となれ山となれってな」
 結局、最後は武力が一番ちからで暴力なのだ。
 鬼娘たちにかわいく殴りに行った二人に続いて、清宵もかけていくものだから。
「え、いや、何してんの??? かわいいおんなのこバトルって……えっ、かわいいの暴力が強すぎる……」
 キャットファイト――否、バイオレンス女子会に震えて涙目になっていた伊織も、二人のかわいいおんなのこを守りながら、刀を構える事となったのであった。
 ――世界が壊れてしまっては、かわいいおんなのこも何も無くなってしまう。
 これは真なるかわいいおんなのこを守る戦いなのだ!
 そう思い込む事で、伊織は勇気を振り絞って――。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

唄夜舞・なつめ
【蛇十雉】
かわいいおんなのこばとる。とは何でありんす…?
…え?
もう花魁風じゃなくていーのか?
いや…俺も分かんねーよ。
元々男だし。

仕方ない。諦めろときじ
お前は今、可愛いおんなのこなンだ
だーーめ。可愛いことしろ。
ほら、早く。

おーおー、可愛い可愛い!
いいぞー!ときじ!アンコール!!
…ンだよ。もー限界なのかァ?
しゃーねェなァ。

女の子たちの前でストン。と
女の子座りで座り込めばうるうるおめめで上目遣い。
おまけに尻尾もゆらゆらさせて
捨てられた子犬みたいにじぃっと見つめる

ックク、みんな俺に
メロメロってやつだなァ
どーだときじ。
すげーだろ!(ふふん!)

……ときじ?

ンー。前世、かァ…どーだろなァ?


宵雛花・十雉
【蛇十雉】

え、えぇーーーーっ
かわいいおんなのこバトルって何!?
何したらいいのか分かんないよ
うぅ、カッコいい男になるはずがどうしてこんなことに…

普通に戦っちゃ駄目…?
と相棒を方をちらっと見て
や、やっぱ駄目かーそっかーそうだよね…

えーい、くらえ!
なんとなくかわいいポーズ!
雑誌か何かで見た女性モデルのポーズを真似て繰り出すよ

アンコールやだ!無理!!
お、オレはこれで限界…!
あとは任せたよ、なつめ
なつめの方がこういうの上手そうだし

あ、あざとい…!
上手そうだとは言ったけどまさかこれ程とは…
かわいいけど何となく複雑だなぁ
なつめ、前世はかわいい女の子だったとかない?



「……?」「?」
 かわいいおんなのこバトルの開幕。
 ――鬼娘の宣言になつめと十雉は、顔を見合わせて首を傾ぎあい。
「かわいいおんなのこバトルって……?」
「何でありんす……?」
 頭の上に疑問符を一杯浮かべたまま、瞬きを重ね合うのであった。
「というか、いつまでその喋り方してるの?」
 むう、と顎先に手を寄せたまま。
 眉根をきゅっと寄せた十雉はまっすぐになつめを見つめると、もう一つ気になっていた質問をひとつ。
「……え? もう花魁風じゃなくていーのか?」
「……最初から花魁風である必要ってあったの?」
 逆方向に首を傾いだなつめに、十雉は更に疑問に疑問で返してしまうのであった。
「かわいいだろ」
「うん……かわいい……、……でも、かわいいおんなのこバトルって言われても何したらいいのか分かんないよ」
 続いてあっけらかんとなつめに返されてしまえば、十雉だって認めざる得ない。
 実際おんなのこだと見紛う――否、実際今はおんなのこの身体なのだけれども。
 まあ、そうだ。
 ふたりともかわいいおんなのこになっている。
 それにしたって、それでバトルするという事は――。
「そうだな、俺も分かんねーよ。でもかわいいおんなのこバトルっていう位なんだから、かわいいおんなのこバトルをする必要があるんだろうな」
 喋りを変えた事でかわいらしさを意識した座り方から、膝を立ててあぐらに近い体勢をとったなつめは、言葉を紡ぎながら肩を竦め。
「うぅ、カッコいい男になるはずがどうしてこんなことに……普通に戦っちゃ駄目……?」
「だーーめ。可愛いことしろ」
「や、やっぱ駄目かー……」
 十雉は訴えかけるように視線を送ってみたが、なつめはさくっと十雉の願いを一蹴した。
 いいや、実際回りを見渡せば普通に戦っている人たちだって沢山いるのだけれども。効率でいえばかわいいおんなのこでバトルしたほうが良さそうだと判断ができるだろう。
「諦めろときじ。お前は今、かわいいおんなのこなンだ。ほら、かわいいだろ?」
「そっか、……そう、だよね……?」
 なつめに窘められるようにかわいいを連呼されはじめて、また目がぐるぐるとしてくる十雉。ちょろそうな顔をする十雉。ちょっとその気になってくる十雉。
「ほら、ときじ、早く、早く。かわいいおんなのこたちもお待ちかねだ」
「ええっ!? えっと、ええ……――えーい、くらえ!」
 そういう訳で、その気になってしまった十雉は、腰をきゅっと反らせて腕をいつか雑誌で見たかわいいポーズ!
「おーおー、可愛い可愛い!」
 なつめはやんやと手を叩いて、へらへらと笑い。
「いいぞ、いいぞー! ときじ! アンコール!! アンコール!!」
「やだ!!!!! 無理!!!!!!! お、オレはこれで限界……!! あとはまかせた……っ!!」
 しかし十雉は顔を真っ赤にして顔を覆うと、ギブアップを申し出た。
「ンだよ……、しゃーねェなァ」
 やれやれと立ち上がったなつめは、口調こそ乱暴ではあるが楽しげに瞳を細めて。
 鬼娘たちの前へと歩み寄ると無防備に座り込み、尾をゆらゆら。
 捨てられた子犬みたいな瞳で、彼女たちを見上げて――。
「あ、あざとい……!?」
 なつめの動きに、十雉は目を丸くして吠えた。
 いやあ、上手そうだとは言ったけどまさかこれ程とは。
 なつめは口元を服裾で覆って、唇に宿る笑みを隠したまま、更に鬼娘たちを見上げて――。
「まあ、あざとかわいいわねえ」
「うんうん、かわいいかわいい~」
 ぱちぱちと手を叩く鬼娘たち。
 その様子に、ほら、ほら、見てみろ。みんな俺にメロメロってやつだろ? どーだ、すげーだろ、と。
 なつめが十雉を見やる視線にドヤの気配が混じりまくり――。
「……」
 かわいいけど何となく複雑だなぁ、なんて。十雉は思ってしまうのだ。
「……ときじ?」
 そんな彼女の様子の変化に、思わずなつめが首を傾いで名を呼ぶと。
「なつめ、……前世はかわいい女の子だったとかない?」
「ンー。前世、かァ。……どーだろなァ?」
 なんて。突然問われた言葉に、なつめは曖昧に首を傾ぐのであった。
「もっとかわいいことしてみて~」
「うんうん!」
「おー、任せとけ!」
 しかしそんな問いも鬼娘たちのお願いに、すぐ流され――。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

杜鬼・クロウ
【鏡猫】
レースの黒ドレスに渋々着替え
紫のヘッドドレス

可愛さで勝負…(絶望顔
私…俺にこんな羞恥強いるとか
本当に秘密にして下さいね…

純粋に恥ずかしいですわ死にたい(顔覆う
私の持病が再発したので貴女にお任せしても?
駄目?…見せつけるって?
ぴゃっ…えええと、何して!?(突然抱き締められ驚く
鬼娘達に効果あります?(ちら
だから…あの、顔見ないで…可愛くない
うう、貴女こそ肌すべすべで綺麗ですのに

やられっぱなしは悔しいので反撃
大胆に前からハグ
敵が空気

お返し、ですよ?(上目遣い
そんな可愛らしい顔してたら食べられちゃいますよ
冗談ですわ

何を以て可愛いと判断してるのかしら…
そういえば貴女のお名前は?

最終手段は物理攻撃


ロキ・バロックヒート
【鏡猫】

スリットのあるエキゾチックな民族衣装を着て
どう?似合ってる?なんて

可愛さで勝負か~ふふふ面白そう
なにが面白いって、隣の子がね?
ええ~どうしようかなぁ~なんて言いながら
私に任せるなんてだぁめ
見せ付けてあげなきゃね

ぎゅーって抱き締めてあげて
戸惑ったお顔を鬼娘に向かせる
どう?この子綺麗で可愛いでしょ?
この反抗したいのに反抗できないところとか
ほんとに可愛いと思わない?

ふふ、お肌以外も褒めてよ
なんて言ってたら不意に抱き着かれて
ひゃ、なんてちょっと素の声が
眼を丸くして君を見詰めて
…ちょっとはやってくれるじゃない?ねぇ
じゃあ、君が食べてくれるの?

――名前?ふふ、内緒

あらら、かわいい勝負はもういいの?



 レース生地のあしらわれた黒いドレスに、深い紫色をしたヘッドドレス。
 長い前髪に顔を覆わせたクロウは、また視線を下げていた。
 そんな彼女の横に腰掛けるロキは、エキゾチックな民族衣装風の服に深くはいったスリットからしなやか足を覗かせて。
 足を組んだままくすくすと笑って、ロキはクロウにしなだれかかる。
「可愛さで勝負か~、ふふふ面白そうだね」
 何が面白いって、勿論、そりゃあ。
「……こんな羞恥を強いられるなんて……、本当に、本当に秘密にして下さいね……?」
「ええ~どうしようかなぁ~?」
 前髪に隠れた相違う瞳からは完全に光が失われ、落莫とした表情を浮かべるクロウの様がまたおかしくて。ロキは唇の端を擡げて、被虐的な笑みを浮かべる。
「う、……うう……っ、純粋に恥ずかしいですわ、死にたい……」
 自分を見つめるはちみつ色の瞳が眩しくて、クロウは顔を覆い。
「……私の持病が再発したので、後は……、貴女にお任せしても?」
「もちろん、だぁめ」
 そんなクロウの額を指先でつついたロキは、悪戯げに瞳を歪めた。
「かわいいところは、みーんなに見せ付けてあげなきゃ、ね?」
「……見せつけ……?」
 クロウがきょとんとした瞬間、ロキはぎゅっとクロウを自らの胸に抱き寄せて。
 その顔だけを鬼娘の方へと向かせてやり――。
「ぴゃッ!?!? ……え、ええ、えええと!? 何をなされていらっしゃいます!?」
「ほらほら、どうどう? この子、綺麗で可愛いでしょー?」
 クロウの抗議なんてどこ吹く風。
 ロキはからからと笑って、クロウの前髪をさらりと梳いて。
「このさ、反抗したいのに反抗できないところとか、ほんとに可愛いと思わない?」
 頬に頬を寄せて首を傾ぐロキに、クロウは身体を硬直させたまま――。
「え、ええと……、これ、本当に、鬼娘たちに効果はでていますか……?」
「うんうん、きっと出てるよ」
 ちらりと見やれば、ロキのはちみつ色の瞳がとても近い。
 そのきれいな金色がこちらをみているものだから、クロウはきゅっと服の裾を握りしめて、また視線を地へと落とした。
「……あの、あんまり、顔を見ないで、欲しいです……可愛くない、から」
「こんなにかわいいのに?」
「う、ううっ! 貴女こそ肌すべすべで綺麗ですのに、なんで、そんなに、私、に」
「……ふふふ、お肌以外も褒めてよ」
 しどろ、もどろ、クロウの紡ぐ言葉。
 ロキは一つも動じていない様子で声を弾ませるものだから。
「……」
 クロウはぎゅうっと、抱きしめ返してやる。
「ひゃっ?」
「……おかえし、です」
 思わずワントーン高い声を漏らしたロキに、クロウはやっとペースを少し掴んだ様子で、小さく鼻を鳴らして笑った。
「――そんな可愛らしい顔してたら、食べられちゃいますよ?」
 それから瞳の色に悪戯心を揺らしてロキを見上げると、その唇に人差し指を寄せ。
 ロキは思わぬ反撃に、瞳をまあるくして、瞬きを一つ、二つ。
「じゃあ、君が食べてくれるの?」
 重たそうに揺れた睫毛を見上げたまま、クロウはかぶりを小さく左右に振った。
「ふ、……冗談ですわ」
 これで少しは溜飲も下がるというもの。
 クロウははた、と気がついた様にその瞳を真っ直ぐに見つめたまま。
「そういえば……貴女のお名前は?」
「――ふふ、内緒だよ」
「そうですか……」
 教えてもらえるとも思っていなかった様子で立ち上がったクロウは、魔剣を抜き――。
「あらら、かわいい勝負はもういいの?」
「ええ、もとよりこういうのは、肌にあわないもので」
「そっかぁ」
 くすくすと笑ったロキは、鬼娘へと向かってゆくクロウの背にどこか眩しそうに瞳を細めて――。
「さて、俺様も遊んでもらおうかな」
 なんて髪をかきあげると、立ち上がった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

丸越・梓
アドリブ、マスタリング歓迎

_

……かわいい女の子、とは、
そもそも俺のような屈強な男が内側にいる時点で苦しいような気はするが
ともあれ立ち向かわねばならない
必ず護ると約束したから

素直に鬼娘たちへ賛辞を贈りつつ
そもそもどうしてそこまで『かわいいおんなのこ』に拘るのか疑問に感じ、問う
武力で解決は好まない
彼女らに戦闘の意思がないのなら
隣に座り穏やかに会話を
彼女らに何か未練があったのなら
(猟兵として行なって問題ない範囲で)発散の手伝いをする

骸魂は、幽世に辿り着けず死んでしまったがゆえだと聞く
ならば今度こそ迷わずいけるよう
願い込めて微笑み
御所望であるなら膝枕でも何でもしてあげたい
「──おやすみ」


ロニ・グィー
アドリブ・連携・絡み歓迎!

それは違うよ!
みんなはかわいいおんなのこを世界に広げに行っただけさ!
かわいいおんなのこは世界のみんなのものだからね!みんなで共有しなきゃダメだよ!
それを分からないんて……

かわいいおんなのこバトルで決着を着けるしかないようだね!!

みんな~ボクが一番かわいいよねえ~♥
と萌え袖フリフリしながら上目遣いですりすりしたり
ねえねえボクに投票してよ~♥
と胸をぽんぽんしたりして

●UC使用(誘惑を強化)

総選挙の票をがっぽりだよ!
総選挙って何かって?
ボクも知らない!!

思うんだけどー…やっぱりみんなかわいいおんなのこになっちゃったほうがいいんじゃないかな!
だってかわいいし!



 ――かわいいおんなのこバトルは過酷なものだ。
 あるかわいいおんなのこは、武力を行使し。
 あるかわいいおんなのこは、美しさを見せる。
 あるかわいいおんなのこは――。
「かわいいおんなのこは世界のみんなのものだからね! みんなで共有しなきゃダメだよ! かわいいおんなのこを広めたいって気持ちはわかるけれど――、かわいいおんなのこしかいなくなった結果、世界が滅びてしまったら、そこでかわいいおんなのこの共有は終わっちゃうじゃないか! なら、もっと良いかわいいおんなのこの広め方を考えなきゃ~。かわいいおんなのこが滅亡しちゃうじゃないか!」
 ロニが身振り手振りで訴える声を聞きながら、梓はなんとなく視線をそらしてしまう。
 なんたって梓は、今でこそかわいいおんなのこではあるが、元々は屈強と言って差し支えのない男だ。
 ――そんな存在が店内にいる時点で、かわいいおんなのこだと言いはる事も苦しい気はするが――。
 梓は約束をしたのだ。
 必ず、護ると。
「ここの店にいる者たちは皆、心から他者を褒める事のできる者たちであると、俺は感じている。……そんなに魅力的な貴方が、どうしてそこまで『かわいいおんなのこ』に拘っているんだ?」
「……ふうん、そんな事をきいちゃうんだ」
 鬼娘の一人が、ゆるゆるとかぶりを振る。
 そんな彼女の横に腰掛けた梓は、コクリと頷いてソファに腰掛けると――。
「ああ、聞きたい。……話をしようじゃないか」
 なんて、横に腰掛けるように促した。

「ねえ、ねえ、みんな~♥ ボクが一番かわいいよねえ~♥」
 萌え袖を揺らすロニは、ぴょんぴょんと跳ねながら鬼娘たちにかわいいおんなのこである所を見せつけながら歩き回り。
「み~んなかわいいおんなのこだけど……、やっぱりボクに投票してくれる、よね?」
 潤んだ上目遣いで、お願いする。
「えっ、と、投票しちゃおうかな~」
「わ~い、やった~~♥♥」
 鬼娘に票を貰えば、無邪気にぴょんぴょんと跳ねて喜ぶロニ。
 こうやって総選挙の票をがっぽりゲットだよ~!
 えっ、総選挙って何かって?
 そんな事言われたって、ボクも知らないよ~~!! 他の人に聞いてね!
「ふふ、やっぱりかわいいおんなのこって最高だね! ……思うんだけど、やっぱりみーんなかわいいおんなのこになっちゃったほうがいいんじゃないかな……? かわいいし……」
「えー、分かるな~。私もそうおもうよ~、みんなかわいければハッピーだもんね」
「ねーっ!」
 ロニと鬼娘はくすくすと笑い合って。
「でも、一番かわいいのは、ボクだよね?」
「は、はい……」
 ――鬼娘と視線を真っ直ぐに交わしあいぐっと顔を寄せると、もう一度尋ねるのであった。

「……みんながかわいければ、みんな認めあえると思ったんです」
「そうか」
「違いがなければ、みんな苦しむ事なんてないじゃないですか」
「……そうか」
 穏やかに相槌を打つ梓に、鬼娘は訥々と語り続ける。
 骸魂とは、幽世に辿り着けず死んだ妖怪たちの霊魂だ。
 未練を、無念を、飢餓を。
 苦しみを覚えたまま、辿り着く事のできなかった魂たちの言葉に、梓はただ耳を傾ける。
「みんなが、幸せになってくれたら、それが一番いいな、って思って」
「……では、方法が間違えている事だって分かっていたのではないか?」
「ええ、……だから、ほんとうは。こうやって話をきいてほしかったのかもしれない、ですね」
 くすくすと笑った鬼娘は、梓にしなだれかかって。
「……でも間違えて、少しだけ良かったのかもしれません。だって、こんなにかわいい人に話を聞いてもらえたんだもの」
「そうか」
「――それじゃ、世界が壊れる前に、もう行きますね」
 梓の祈りは鬼娘の身体を傷つけずとも、骸魂の心根に響く。
 鬼娘は、梓の頬に口づけを落とし。
「おやすみなさい」
「……ああ、――おやすみ」
 ――こうして。
 最後まで残っていた骸魂も、ぱちんとこの世界から消えてしまう。

 後に残るのは、彼女たちが残したかわいい建物ばかり。
 ――皆が皆をかわいいと認め合う事で、世界は少しだけ優しくなるのかもしれない。
 きっと彼女たちは、そんな願いを抱えて――。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年08月08日


挿絵イラスト