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大祓百鬼夜行㉕〜愛する者からの鈍刃

#カクリヨファンタズム #大祓百鬼夜行


●それはさながら古びた恋文のように
 愛していました。
 愛しています。
 だからこそ私は帰ってきました。

 愛しましょう。
 私のしたように永久に愛しましょう。
 私の愛(やいば)で貫いて。

 永久に愛しましょう。
 永久に側で愛しましょう。
 ――世界を骸の海へと落として、私の愛を示しましょう。

●盲目、執心、そして――
「……愛とはこんな傍迷惑なものだったか?」
 まぁいい、と霧島・カイト(氷獄喪心の凍護機人・f14899)は言いながら、猟兵達を見回して説明を始める。
「ついに、大祓骸魂の居所が『繋がった』。UDCアースは東京、押上。スカイツリーの天辺で、世界を『滅ぼそう』としている」

「さて、今からスカイツリーの天辺までお前達を案内する訳だが、一つ注意して欲しいことがある。もう何度か経験している者もいるだろうが――」
 そういうカイトが言外に告げるのは、大祓骸魂の『虞』が猟兵達の真の姿を暴き立てる程の力を持つかもしれない、ということ。

「別に抵抗しても構わないが、裏を返せば好機とも言える。……暫定的に『彼女』と呼称するが、どんな姿かたちであろうとも、彼女はUDCアースへの『愛』を以て、お前も『愛』してくるだろうから」
 ――どんなに歪であっても。整っていても。問わずに、愛(ほろぼ)してくれる。

「前置きが長くなったが、気を付けてくれ。油断をすれば『愛』で世界が2つ滅びかねない。俺には正直それほどの『愛』は理解できないが……」
 少し首を捻った後、カイトは改めて猟兵達に向き直る。
「――世界を、頼んだぞ」


逢坂灰斗
 『愛』で世界を滅ぼす系のキャラってよく見ますが、悲劇的でない可能性も。
 そんな感じで再び宜しくお願いします。逢坂灰斗です。
 今回は『大祓骸魂』を討伐して頂きます。
(※『彼女』は倒しても救えません。予めご了承下さい。)

【MSより】
・こちらは『大祓百鬼夜行』の戦争シナリオです。1章のみのシナリオです。
 以下のプレイングボーナスが設定されてますのでご検討下さい。
『真の姿を晒して戦う(🔴は不要)』
(※立ち絵でお持ちで無い方はプレイングを圧迫しない程度に冒頭で記述して下さい)

 では、お目に止まりましたら宜しくお願いします。
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第1章 ボス戦 『大祓骸魂』

POW   :    大祓百鬼夜行
【骸魂によってオブリビオン化した妖怪達】が自身の元へ多く集まるほど、自身と[骸魂によってオブリビオン化した妖怪達]の能力が強化される。さらに意思を統一するほど強化。
SPD   :    生と死を繋ぐもの
自身が装備する【懐刀「生と死を繋ぐもの」】をレベル×1個複製し、念力で全てばらばらに操作する。
WIZ   :    虞神彼岸花
【神智を越えた虞(おそれ)】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【を狂気じみた愛を宿すヒガンバナで満たし】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​
カタリナ・エスペランサ
※真の姿はイラスト参照

敵の攻撃は《第六感+戦闘知識》で《見切り》、《空中戦》の機動力で回避

……そうね、ここまで正面から喧嘩を売られたんだもの
逆鱗の報いくらい与えさせてやりましょう
ダガーを《武器改造+限界突破》、蒼雷の《神罰+属性攻撃》を宿した大剣に再錬成。
自ら真の姿を解放、魔神の魂の《封印を解く》わ


――赦さん。ああ、赦すものか
愛。永遠。如何な題目を掲げようと、未来(我)を否定する者は神であろうと決して赦さん
まして異端異教の神紛い。その妄言、万死に値すると知るがいい!

一秒で104、二秒で208、十数える間に1040
概念ごと《切断》する【空覇絶閃】の《斬撃波》、懐刀悉くを墜とし大祓骸魂を斬り刻む



●『神』なるものの逆鱗
 見慣れた東京の夜景が『愛』で歪む。
 百鬼夜行ぞ、魑魅魍魎ぞ。現在では『null』とされたそれらの『帰還』。
 UDCアースであるのに、スカイツリーの天辺がカクリヨへと変じていた。

「――ああ、もうすぐ私の愛がこの世界を『殺す』でしょう」
 うっとりとした『彼女』の前に、一人の神は舞い降りた。
「……そうね、ここまで正面から喧嘩を売られたんだもの」
 逆鱗を触れられたその女神の如き『魔神』は――違うことはない。
 カタリナ・エスペランサ(閃風の舞手(ナフティ・フェザー)・f21100)の姿である。
「逆鱗の報いくらい与えさせてやりましょう」

 目の前の邪神はその嫋やかなる笑みを崩さない。
 まるで全てを慈しむかのようだ。どうせ、全て『堕とす』のだから、彼女の愛は変わらないのだというように。
「その怒りも愛らしいもの 私は全て覚えていましょう そして、貴方も『愛(ころ)し』ましょう」
 彼女の紡ぐ言の葉が、まるで菩薩のように聞こえたのならば、貴方は彼女の『愛(きょうき)』に触れてしまったのだろう。
 だが、目の前の魔神はその穏やかなる狂気に苛烈なる刃を向けて、奔る。

「――赦さん。ああ、赦すものか」
 『魔神』が言葉を紡ぐ度。短剣が姿を変え果てた蒼雷の剣は軌跡のみを残して『彼女』に『線』を刻む。
「愛。永遠。如何な題目を掲げようと、未来(我)を否定する者は神であろうと決して赦さん」
 『彼女』が眉一つ動かさず、その鈍刀の写し身を数多築き上げようとしても。刹那、その写し身に『線』が入り。
「まして異端異教の神紛い――」
 数えて追う間にも104、208……一瞬にして増え続けるその『線』が示す物は、『斬り捨てた』という事実。

 時間を掛けて愛(ころ)すなどという、悠長な『狂愛』に比べれば、この斬撃は。
 数分で以て『数多』殺すという、魔神の怒りの刃。景色すらも共に斬り刻む、文字通りの逆鱗!!

「その妄言、万死に値すると知るがいい!」
 その言の葉を〆として、『彼女』はようやく気づく。自分の動作全てよりも先に、眼前の『魔神』が動いていたのだと。
 気の遠くなる程思いを抱え続けたその邪神にとっては、その数秒は刹那よりも更に短く感じられただろう。
 それでも、斬り捨てられた『彼女』は愛を感じたかのように、うっとりと笑う。
 『魔神』はそれを見て――その笑みに、迷いなく『線』を刻み込んだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

エスタシュ・ロックドア
傍迷惑な愛には覚えがあり過ぎるな……。
ド正論で論破したってその手の連中にゃ無意味な事もよーく知ってら
よって問答無用で行こうかぁね
仕事だからな
ちゃんと獄卒らしく生と死を分かつとしよう

しばらくは虞に抵抗して元の姿のままで戦う
【怪力】でフリントぶん回して【なぎ払い】【吹き飛ばし】
敵がUC使ってこっちを刺しに来たら【カウンター】だ
真の姿(ワタリガラス形態)になると同時に『金剛嘴烏』発動
38羽で飛び回って攪乱する(【空中機動】【空中戦】)
敵が少しでも迷ったら隙を突く
一斉に襲い掛かり地獄の刑罰の如く引っ掻き啄むぜ(【神罰】【傷口をえぐる】)

その懐刀、ちょっと興味があるんだが
まぁ今はそれどころじゃねぇな



●てっぺんに在りし鳥辺野
 エスタシュ・ロックドア(大鴉・f01818)は、立っていた。
 ひとりの男ではなく。このかくりよで秘されて久しい閻魔王の名を『受けた』、獄卒の在り方として。
 奇妙に2つの世界を繋いだこの『てっぺん』に立っていた。

「傍迷惑な愛には覚えがあり過ぎるな……」
 微笑む邪神(おんな)の在り方には奇妙な既視感を覚え。眉を顰めて。
「――ド正論で論破したってその手の連中にゃ無意味な事もよーく知ってら」
「受け止めてくださるなら 私も嬉しいわ」
 男は歪んだ愛をただひたすらに歯を食い縛るようにして振り払う。
 無骨なつるぎは金棒にすら見えたろうか。虞に抗うのは、きっと彼の矜持故か。
「いいや違うね、ただの……『問答無用』って奴だ!」

 獄卒の在り方に目を細め、それでも慈しむように微笑むその姿は恐ろしい程に柔らかく――
「さぁ、繋ぎましょう 貴方のいた場所も 貴方がきた場所も 全ては共に過去へ沈むのです」
 宣誓と共に、数多の鈍刃が顕現する。
 羅刹の男の身体を楔で穿つかのように、降り注ぐように『刺して』、穿って――

 ……だが。
 刺した感触は、掌には無い。あるとしたならば空を斬る感覚。
 獄卒羅刹のその御身は鴉の姿と成り果て、まるで分裂したかとも錯覚する。
 刺せば刺す程に帰ってくるその感覚の果て――至る鴉の数は三十八。
 その一斉が、罪深く、愛を湛えたままに帰ってきた邪神(おんな)を葬するのだ。

 ――その光景が見えたのならば。人は塔のてっぺんで鴉が群れ成している光景のみが切り取られたであろう。
 その中心に座していたものは、忘れ去られるべき愛で。生と死を『繋ごう』とした者なのだ。
 生きたままに、この『過去』は葬される。そうあるべき故に、生と死は『分かたれて』ゆく。

(……その懐刀、ちょっと興味があるんだが、まぁ今はそれどころじゃねぇな)
 一羽の鴉が目を細め、啄む姿に紛れているのも邪神(おんな)は意に介さない。
 ただただ、愛を受け止めるかのように。よろこびを感じるかのようで。
 その狂愛は、ただただ、ひとのこころとは違って、狂っていた。

成功 🔵​🔵​🔴​

朱鷺透・小枝子
ディスポーザブル02に搭乗操縦。
骸の海に落ちて、オブリビオンに堕ち果てたこの異形のキャバリアは、この姿が真の姿である。

「マシンは歪んだ狂気に満ちた、あなたも、そうなのか?」
UCの発動により、爆弾を搭載した02達が姿を現し、大祓骸魂へ殺到する。
爆発がヒガンバナを散らし、周囲に散った呪詛が、狂気が狂気を上書きする。

「自分は愛とは己を犠牲にする物だと教わりました」
これが正しいかどうかは知らない。だけど、愛で愛した相手を壊すなどと、それを愛と認める事は、自分にはできない!

爆発の中を突っ切って、灼熱の光剣を振るい、属性攻撃。
4腕からの連続攻撃に、2腕の内蔵パルスマシンガンでの弾幕を織り交ぜ攻撃し続ける。



●狂気の交錯する中で
 朱鷺透・小枝子(亡国の戦塵・f29924)のキャバリアは、虚飾を剥がされたかのように、真なる姿へと堕ちてゆく。
 骸の海に堕ち、ただの異形に成り果てたそれこそ、彼女の郷里では『オブリビオンマシン』と呼ぶに相応しかろう。

 その機体の中心に座し、狂気の只中に有りながらも。彼女は真っ直ぐに問いかける。
「マシンは歪んだ狂気に満ちた、あなたも、そうなのか?」
 『彼女』の答えは、変わらない。今も、昔も、そしてこれからも――同じ答えを返すのだ。
「いいえ、私は変わっていない 今も 昔も」
 狂乱の機体の群れが狂愛の邪神へと殺到する。それに驚愕すら浮かべずに、『彼女』はただ、微笑む。
「――等しく 愛しているだけ」

 爆発が、この場に満ちた狂気の花弁を散らして揺らす。
 狂気が狂気を塗り潰すこの様は、通常のいきものであれば直視にすら耐え難いであろう。
 だが――この乗り手は。朱鷺透・小枝子という少女は。
 死ねないままに、その眼差しも逸らさずに。2つの狂気の横たわるてっぺんの世界を見ている。

「……自分は愛とは己を犠牲にする物だと教わりました」
 その教えが正しいかなんて、わからない。彼女を自分の意志で使い潰させる為の方便だったのかもしれない。
 当然、これが正しいかなんて――誰も答えを返せないし、教えた者も最早何処にも居ないのだろう。

「だけど」
 爆炎の中を、狂気の機体は加速してゆく。
 その四つ腕の抱えし灼熱のつるぎのみが彼女の在り処を示すが、緩慢な動きを示す『彼女』では届かない。
「愛で愛した相手を壊すなどと、それを愛と認める事は――自分にはできない!」

 彼女の咆哮は、弾丸の嵐が代弁し。彼女の意志は四つのつるぎの剣閃が示してゆく。
 そうして数多刻んでいく、彼女の答えにすら、『彼女』は柔らかく笑うのだ――
 まるで、『愛されている』喜びを示すように。

大成功 🔵​🔵​🔵​

数宮・多喜
大祓骸魂さんよ、アンタがこの世界を愛してるからこそ、大事に思っているからこそ滅ぼすってのは、全部が全部分からないって訳でもないさ。
けれどもそれは、今を生きるアタシらからすると止めなきゃならねぇ。
つまりは、これもアンタが縋る『過去』とアタシが進もうとする『未来』の、ぶつかり合いって奴さ!

気合十分、メットも被ってフル装備。
両手に纏うはサイキックの波動、意地を通すなら他にゃ何もいらねぇ。
一か所に集まろうとする妖怪たちを、
一歩ごとに『衝撃波』の『範囲攻撃』を放って、散らしながら歩む。

妖怪たちや猟兵たちが想いと力を繋いで示してくれたこの先、
最後はただそこに居るだろう大骸魂に【魂削ぐ刃】を振り抜くだけさ!



●鋭き意志と鈍ら狂刃
「大祓骸魂さんよ、アンタがこの世界を愛してるからこそ、大事に思っているからこそ滅ぼすってのは、全部が全部分からないって訳でもないさ――」
 『彼女』の愛は、規模は大きいにせよ現実的には日常のどこかに転がっていそうな思想の一端ではある。
 そんな『愛』の一端であるならば――理解できなくもない、そんな思考を過ぎらせながらも、数宮・多喜(撃走サイキックライダー・f03004)はこの場に立つ。
 愛機は傍らには無く。あるのは己が身のみ。正しく告げるならば、人機一体となったその姿で以て、彼女は狂愛と対峙しに来たのだ。

「けれどもそれは、今を生きるアタシらからすると止めなきゃならねぇ」
 そう、理解は出来ても『止めなければ』ならない。今を生きる者として、そんな『滅び(あい)』は受け容れる事は出来ないのだ。
 塔の最上で、念動の波動が紫電を迸らせるかのように、歪んだ時空を斬り裂いて、現実を露出させている。
 過去と現在が交わったかのようなこの場所で、咆哮のように彼女は『彼女』へ、ただ告げる。
「……つまりは、これもアンタが縋る『過去』とアタシが進もうとする『未来』の、ぶつかり合いって奴さ!」

 『彼女』は過去からこの世界に縋り続けた。今を生きるものも全てが等しく愛する対象ならば、全てを慈しむのが彼女の道理で。
「――貴方の進もうとする未来も愛しましょう 積み上げた全てを 紡ぎ上げる全てを」
 嫋やかな言葉に確かな狂気を伝播させながら、歪んだ百鬼夜行の主は『愛』を命じるのだ。
「ゆっくりと 貫いて あげましょう」

 歪みし風景の中に立ち並ぶ黒波はこの場所を鑑みれば本来は有り得ないことなのだ。
 その歪みの中を、意志強く踏み分ける一人の女の姿は。一人の女の歩みは揺らぐこと無く真っ直ぐにあった。

「アンタには愛しい世界の一部にしか見えないだろうけどね、アタシが此処まで辿り着いたのは数多の思いと力があるからだ」
 歩みとともに散らされた妖怪達も、全ては信頼が故に『成り果てた』者らなのだ。
 そして、数多の信頼と、思いと力の果てに――ついに狂愛を体現する『彼女』の下へ刃が届く。
 ……『彼女』の鈍刀とは違う。それは確固たる意志を以て振り抜かれる、核のみを『削ぎ落とす』超力の刃。

 手刀のひと薙ぎを見つめる『彼女』の姿も揺らぐことは無い。
 ただ、『彼女』に致命が入ったのは誰の目からも明らかであった。
 そんな致命を受けながらも――おんなは、愛を以て、未だに立ち続けていたのだから、狂っているとしか、言いようがなかった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ナイ・デス
オブリビオンとなって、歪んだ結果
……そう、思いたいですね

愛で世界を滅ぼすのは、ダメですが
愛された世界の、一部として
それが、愛ならば
……世界の一部として、愛し(滅ぼし)ましょう

真の姿「光」が中枢となって新生、ダイウルゴス
大地をダイウルゴス化させていたように【生命力吸収】
強制ではなく、一緒に戦いましょうとお願いして
世界の一部に、一時的に竜となってもらい、一体化していく
【念動力オーラ防御、覚悟、継戦能力】耐えながら、百鬼夜行の妖怪さん達にも呼びかけながら【力溜め】

救えないのは知っている
でも、せめて優しく骸の海にと
高めた【浄化】の光で、虞を撃ち祓い
世界に還元するように、吸収して、消滅させようとしてみる



●世界と共に在りし竜
 塔の天辺にてなおも嫋やかに微笑むその姿は、愛しいあの世界(ひと)を待っていたが故。
 いつ滅んでも可笑しくはない致命を負っても尚、『邪神(かのじょ)』は笑んでいた。

「オブリビオンとなって、歪んだ結果。……そう、思いたいですね」
 その姿を見てナイ・デス(本体不明のヤドリガミ・f05727)は彼女の在り方に煩悶する。
 愛で世界を滅ぼすのは、どうあっても『あってはならない』。それが世界の一部である『彼ら』としての当然の帰結だから。
 だが――それが『愛』というのならば。

 彼のその身が、光の如き身体が、龍鱗で覆われていく。
 世界に語りかけるようにして、世界が生み出した『鱗』が、彼を覆ってゆく。
 その姿こそ、世界を護る『竜』の在り方――ダイウルゴスの姿なのだ。

 その竜を囲うようにして群がる百鬼夜行にも『竜』は等しく語りかける。
 同じ世界の者であるならば、自分達を信じてくれたのならば、共に、『一緒に』。戦おうと。
 そうして生み出されたのが――核たるナイの輝きにも似た、清き光の雨である、と。

 光は全てを打払う。救えないのはとうに知っている事だ。ならば、この光こそはせめてもの慈悲。
 彼の試みは虞を打払い、『世界』として『邪神(かのじょ)』を還元すること。
 けれども、それは致命を負わせた筈の存在である筈なのに、叶わなかったのだ。

 しかし。
 虞は最早無い。あるとするならばそれば狂愛のみで立つ――
 ひとりの『おんな』の姿であったから。

成功 🔵​🔵​🔴​

空亡・劔
…ええ
最後まであたしは言い続ける
この最強の大妖怪である空亡劔を差し置いての大異変!
百鬼夜行とは生意気よ!

神殺しの魔王発動!
…ああ
あんたの愛はこうまで恐ろしいものなのね


真の姿
背に大祓骸魂と同様の赤き円の太陽を映

【天候操作】で凍て付くような猛吹雪を引き起こし妖怪達の分断
更に【結界術】で猟兵と大祓骸魂以外の妖怪を分断し己にも障壁展開
【属性攻撃】で二刀に氷属性を付与
【戦闘知識】でその動きを【見切り】
超絶強化された戦闘力を以て飛び回り
【念動力】での【弾幕】乱射で動きを止め
二刀による【二回攻撃】での【切断】で切り捨てる!

彼女が倒れた時
【天候操作】で天に太陽を昇らせ夜明けに

大百鬼夜行の…終焉よ



●そして、夜は明ける
「……ええ。最後まであたしは言い続ける」
 大祓骸魂の終焉は近い。それでも尚、空亡・劔(本当は若い大妖怪・f28419)は眼前の邪神に向けて真っ直ぐに告げる。
「この最強の大妖怪である空亡劔を差し置いての大異変! 百鬼夜行とは生意気よ!」
 彼女の矜持として、自身を差し置いての大異変。それも――世界を2つ巻き込んだもの。それを犯した狂者は生意気にも程がある。
 その叫びと共に、赤き月は『ふたつ』に変わるだろう……。
 ひとつは、『おんな』のもの。 もう一つは、大妖怪たる劔のもの。
 ……どちらの月が先に沈むかは、最早明白であった。

 劔は妖怪の群れに一瞥たりともくれてはやらぬ。
「ああ……あんたの愛はこうまで恐ろしいものなのね。けれど、これはあんたとあたしの戦いよ」
 ただ殺到しようとするそれを、ぴしゃりと制するように、『壁』が生じる。そして、二人の間に遮るものは無くなった。
「敬意ぐらい評しましょうか。この大異変を起こし『誰にも知られないままに』世界を滅ぼそうとしたあんたの愛って奴にね」

 結界により隔離された場には、二人の『大将』のみがそこに居るのだ。
 彼らには手は出さぬ。だが――自分を差し置いて世界を揺るがそうとしたこの『おんな』は赦してやる道理などないのだ!
 致命を負おうとも、虞を失おうとも、それは変わらぬ。この『おんな』に一部たりとも温情は与えてやらぬ――

 念動の魔弾は『おんな』を標本のように縫い止め、もうすぐ来る終わりへと向ける磔刑を成す。
 そうして劔が振り抜いた氷刃を前にしても――
 ……『おんな』は、その柔らかな笑みを崩すことはなく。
 まるで、ただただ愛を感じているかのような笑みを浮かべたままに斬り捨てられたのだ。

 世界が、元の憧憬を取り戻し始める。
(……まったく、最後まで生意気な奴だったわね。愛だけが原動力だなんて、文字通り『狂っていた』わ)
 消えゆく姿を一瞥しながらも、彼女は大妖怪として告げる――
「――見なさい、人よ、共に抗いし妖怪達よ!」
 百鬼夜行の群れとされていた妖怪達からも、次々と正気に戻っていく者達が増えてゆく。
 カクリヨと繋がれた景色は、重い空より解放されて――真白き月光を凛と映し出していた。

「大百鬼夜行の……終焉よ」

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年07月09日


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#カクリヨファンタズム
🔒
#大祓百鬼夜行


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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト