7
【戦後】戦いと休息と

#アックス&ウィザーズ #戦後 #精霊使いの暗躍 #プレイング受付終了

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#アックス&ウィザーズ
🔒
#戦後
#精霊使いの暗躍
#プレイング受付終了


0




●A&Wのとある冒険者ギルドにて
「猟書家達のこの世界での動きは、ひとまず沈静化したみたいだな。良かった・・・」

 冒険者ギルドで職員と話をし、情報収集を行った鳳凰院・ひりょ(天然系精霊術使いの腹ぺこ聖者・f27864)は安堵した。猟書家『大天使ブラキエル』が討伐されたこの世界、残った猟書家幹部達は散り散りとなり、逃げ延びたようだ。だが、今までのような組織立った行動はもう出来ないと思われる。
 これでこの世界から一つ騒動の種が排除されたと言っていい。とはいえ、完全に騒動の種がなくなったわけではない。冒険者達では対処しきれない、猟兵達の力を借りねばならない任務というのはまだまだあるのだろう。

 ギルドの中の掲示板の前を通り過ぎた際、ひりょは一つの張り紙に目が行った。

「ん?これは・・・」

●A&Wのとある拠点にて
「どうやら強化はほどほど成功したようね。水の精霊の力が貴方には馴染むみたい」

 目の前に平伏すように待機する一体の竜を見下ろし、一人の少女がそう呟いた。
 偶然この竜と交戦する事になった少女は、その力にて相手を屈服させた。手駒を必要としていた彼女は竜を配下とし、自身の力の一部を付与していた。

「件の大天使様とやらも、猟兵達に討ち取られてしまったようだしね。復活させてもらった恩義は既に果たしたし。後は私の自由に行動させてもらうわ」

 彼女自身、大天使の決戦に何度かは赴く事になった。猟兵達とも刃を交え、そして負けた。なけなしの精霊力をつぎ込んだ自身とほぼ同格の分身を差し向けたが、やはり猟兵達は強い。

「今の私にはまだ彼らを圧倒するような力はない。今は耐えるべき時ね。迅速に手駒を増やしていかなければ・・・」

 目の前に待機する竜へ呼びかける少女。調整の終わった力のテストをする必要がある。

「じゃあ、行ってきなさい。今の貴方の力は以前の物とは違う事、私に示してみなさいな」

 少女の呼びかけに呼応するように竜は雄たけびを響かせるのだった。

●とある世界の夕闇亭にて
「皆さん、大祓百鬼夜行は本当お疲れ様でした。それと同時に猟書家の大天使ブラキエルを討伐する事にもなり、かなり大変な戦いだったかと思います」

 夕闇亭の食堂に集まった猟兵達をひりょが労っていた。ただ労う為にここへ召集を掛けたのか?という疑問に応えるようにひりょは話を続ける。

「そんな中で申し訳ないのですが、A&Wの方で冒険者達でも手を焼いている案件があるようで・・・。そちらの任務を皆さんにお願いしたいと思いまして」

 二度の大きな戦いを終結させたA&Wの世界。とはいえ、まだまだ猟兵達の力が必要な局面はあるようだ。

「荒野に住むバーバリアン達の集落の近くで一体の竜が暴れまわっているようです。霧中の暴君『グラドラゴ』というらしいのですが・・・」

 話によるとその『グラドラゴ』、何者かの手で強化されており冒険者達でも手を焼いているそうだ。その事を知ったひりょが討伐任務を引き受けて来た、という事らしい。

「バーバリアン達の集落ではお祭りが開催される予定らしいのですが・・・。集落周辺で竜が暴れまわっている現状では安全にお祭りが開催できる目処が立たず、困っているようです。現地に赴き、バーバリアン達と協力してその竜を討伐してください」

 ひりょはバーバリアン達に知り合いは居ないものの、今までの戦いに尽力してくれた猟兵達のおかげもあって彼らは猟兵達には非常に友好的らしい。喜んで協力してくれる事だろう。また、無事に竜を討伐出来たら彼らの祭りに参加することも出来るようだ。一緒に戦勝パーティーも行われるようで、お祭りに参加してもいいし、パーティーの方に参加してもいいそうだ。

「凄く個人的な事なのですが、俺も猟兵になって1年が経過しようとしてまして。それも周りの皆さん達のおかげあっての事。お礼もしたいな、と思ってましたのでちょうど良いかな、と。パーティーの際には俺も料理を振る舞わせてもらうつもりでいます」

 どうやら竜を討伐し安全が確保出来たら、ひりょもその祭りやパーティーに参加するつもりのようだ。ちなみにお祭りは水辺で行われるそう。水源となる場所付近に植わっている水風船のように水分たっぷりの実を互いに投げつけ合う祭りのようだ。実が破裂すれば種が飛び散る。種蒔きを兼ねた行事でもあるようだ。その祭りを観戦しながら料理や歓談を楽しむのが戦勝パーティーらしい。

「まずはお祭りを無事に開催する為にも、現地で暴れまわっている竜の討伐をお願いしますね。っと、言い忘れてましたが、件の竜は周囲を凍結させる『コールドブレス』という攻撃も行ってくるようなのでくれぐれも注意してくださいね。各自対策を怠らないよう」

 そう言いつつ、ひりょは猟兵達を現地へと転送を開始した。「また後で」と声を掛けながら。


黄昏空
 MSの黄昏空(たそがれ・そら)です。皆様、大祓百鬼夜行お疲れ様でした。戦争も終わり、少しひと休憩する時間も作ってみるのはどうかな?と思い、このシナリオの方を作成してみました。ちょうど当方のPCである鳳凰院ひりょが猟兵となって1年が経過するというタイミングでもあったので、ちょっとしたわいわいやれる形を取ってみる事にしました。

 まず第1章はボス戦。霧中の暴君『グラドラゴ』との戦闘となります。ただし、何者かによってこの『グラドラゴ』は強化されているようです。猟兵の皆さんのUCに対応した攻撃以外に、自身の前方一直線を凍結させるコールドブレスを放ってきます。それ以外には通常攻撃として前脚の爪による攻撃くらい、でしょうか。
 特にこのコールドブレスに関しては対処法を各自考えておく必要があります。

 そして第2章はボスを倒した後、一緒に戦ったバーバリアンの集落で戦勝パーティーです。荒野の一角に貴重な水源があり、その周囲がバーバリアンの集落となっています。周囲には水気の多い実がなる木が植わっており、その実をもいで投げ合う種蒔きを兼ねた祭りも行われるようです。(「周囲を暴れまわっていたボスを倒した事で安全が確保され、無事に祭りが実施できるようになった」という所です)
 このお祭りに参加者として参加したり、お祭りを観戦する側に回る事も可能です。お祭り参加者はバーバリアン達と共に実をぶつけ合うお祭りを楽しみます。尚、この実は水風船のように衝撃が加わると破裂します。それによる怪我等は特にない安全なものとなっています。目一杯楽しんでもらって大丈夫かと思います。
 祭りを観戦する側はその場で料理を準備し皆で歓談しながらその料理をつまむ事になります。グリモア猟兵のひりょも基本、料理の準備を行っています。
 ひりょにお声かけ戴いての行動も大歓迎です。その際はプレイングにその旨を記載お願いします。ご要望があれば皆さんと一緒にお祭りへの参加とかも喜んで参加する事でしょう。

 プレイングボーナスがこのシナリオにはあります。
 ①:バーバリアンと協力する(1章、2章共通)
 ②:ボスのコールドブレスに対処する(1章限定)

 第1章のプレイングの受付は6月2日(水)8:31より開始、6月4日(金)の23:59まで受け付けます。第2章の受付は追ってタグで連絡しますが次週になります。

 皆さんのご参加をお待ちしております!
35




第1章 ボス戦 『霧中の暴君『グラドラゴ』』

POW   :    死の竜霧
自身に【触れるだけで出血毒と麻痺毒に犯される霧】をまとい、高速移動と【毒霧と身体が裂けるような咆哮】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
SPD   :    ミストリフレクト
【相手の姿をしている霧製】の霊を召喚する。これは【霧の中で強化され、真似た相手の武器】や【同じユーベルコード】で攻撃する能力を持つ。
WIZ   :    霧中に潜むもの
戦闘用の、自身と同じ強さの【霧で作られた自身と同じ姿の無数の竜】と【霧に隠れた本体を守る巨竜】を召喚する。ただし自身は戦えず、自身が傷を受けると解除。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠ナイツ・ディンです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎

■行動
お祭りですか、良いですねぇ。
その前にひと頑張りと参りましょう。

『F●S』各種を展開し【銀翼袍】を使用し飛行、[空中戦]でお相手しますぅ。
『接触』関連の毒は『生物の状態で近づかない』ことで対処可能ですし、此方の『速度』に『崩壊の波動』による『認識阻害』を加え狙いを絞り辛くすれば『霧』や『ブレス』の回避も問題ありません。
後は『咆哮』とラッキーヒットを『FMS』のバリアに[結界術]を重ねて防ぎ、『FRS』『FSS』の[砲撃]と『FBS』の斬撃で叩き、折を見て[部位破壊]で『翼』を狙いますぅ。

ただ、この形には『流れ弾』の危険が。
バーバリアンの皆さんに避難誘導をお願い出来ますと。



「お祭りですか、良いですねぇ。その前にひと頑張りと参りましょう」

 グリモア猟兵から話のあったお祭りについて思いを馳せる夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)。その障害となる件の竜は転送された目の前に立ち塞がっていた。

「依頼を受け助太刀させていただきますぅ」
「おぉ、救援か。感謝する!アイツはかなり厄介なブレスを放ってくる。注意してくれ」
「はいぃ、承知いたしましたぁ」

 既に交戦状態にあったバーバリアン達が、駆けつけたるこる達の姿を見て安堵の表情を浮かべた。

(遠距離から砲撃を仕掛ければ敵から反撃を受けずに戦えそうですが…。問題はブレス、ですねぇ。やはりここは空中戦でお相手するのが最善でしょうかぁ)

 空中からの砲撃戦は、るこるの使う戦術パターンの一つ。ブレスの射程が不明な以上、機動力を高めた状態での空中戦の方が回避がしやすい、とるこるは判断した。
 るこるは女神の衣を纏い空中に浮き上がると、こちらを見上げているバーバリアン達に声を掛ける。

「皆さん。すみませんが竜の真正面には入らないように気を付けながら、相手から距離を取っていただけますかぁ?これより私の方は空中からの砲撃を開始しますのでぇ」
「あぁ、わかった。こちらは十分敵から距離を取りつつ、可能なら遠距離から援護しよう」
「くれぐれもご無理されない範囲でよろしくお願いしますねぇ」

 るこるの砲撃に巻き込まれてしまう可能性がある事、そして敵が使ってくる霧にバーバリアン達が巻き込まれるのを避ける為には、彼らには敵から距離を取ってもらう必要がある。
 この場から距離を取ろうとするバーバリアン達を追おうとした竜の鼻先へ、るこるの操るビームの刃が襲い来る!

「皆さんの行動の邪魔はさせませんよぉ?私がお相手いたしますぅ」

 振り上げた前脚の爪がビームの刃を迎撃する。一つの刃を弾き飛ばすも、次から次へ襲い来るビームの刃にとうとうバーバリアンへの追撃を諦める竜。今度はるこるを標的と見定め距離を詰めようとして来る。

「それでは、本格的に攻撃開始といきましょうかぁ」

 るこるの周りには数々の浮遊する砲門が待機している。ビームの刃を竜にけしかけている間に同時進行でるこるはこの各種武装を展開し砲撃準備を整えておいたのだ。先の攻撃は、敵の目をバーバリアン達から注意を引き剥がすと共に、るこるの戦闘準備を整える時間も作り出したのだ。そして準備の整ったるこるは一斉砲撃を開始する。

 圧倒的な物量の弾幕に曝され棒立ちとなる竜。煩わしさからるこるへ向けてコールドブレスを放った。…だが。

(無事に認識阻害が効いているようですねぇ。これならば回避も容易いですぅ)

 るこるは砲撃と同時に、UC発動により付与された崩壊の波動を竜に放ち続けていた。認識阻害の効果を持つこの波動により竜はいつの間にか狙いを定められなくなっていたのだ。悔し紛れに放たれた咆哮もるこるの前に展開されていたバリアによって防がれる。結界術も重ね掛けしたバリアは鉄壁であり竜の攻撃を完全に防ぎきった。

「後は、飛行されると厄介ですから翼を破壊してみましょうかぁ」

 一旦回収していたビームの刃を、今度は竜の翼に向け放ちながらも攻撃の手を緩めないるこるだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

真宮・響
【真宮家】で参加

実はこの世界には家族で随分お世話になっていてねえ。火種は残ってるみたいだが、大きな騒ぎは一段落したみたいで。とはいえ、まずは異様な進化をしている奴を何とかしないとね。

敵の攻撃は広範囲をカバーするか。厄介だね。まったく。なら、飛ぶかね。赤竜飛翔を発動。的がでかいから狙いやすい。攻撃を【残像】【見切り】で回避しながら【衝撃波】【二回攻撃】で攻撃。まあ、目立つだろうから攻撃喰らって墜落しても【オーラ防御】でダメージを軽減して、根性で【怪力】【気合い】【串刺し】【重量攻撃】を併せた渾身の【槍投げ】で攻撃。まあ、アタシが撃墜されても子供達がいるからね!!囮は任せな。


真宮・奏
【真宮家】で参加

A&Wは家族3人で色々楽しい事を体験したので思い入れが深いんですね。大きな騒ぎは取り合えず収まったみたいで。でもまだまだ厄介ごとは残ってるんですよね。目の前のグラドラゴみたいに。

地面にいるとコールドブレスを喰らいますので飛びますか。彗星の一撃で空を飛び回りながら攻撃。飛んでくる攻撃は【オーラ防御】【盾受け】【武器受け】【拠点防御】【ジャストガード】【受け流し】で対処。【衝撃波】【二回攻撃】も併せて召喚した竜を纏めて攻撃しますよ!!あわよくば本体に攻撃がと届けば儲けものですね!!


神城・瞬
【真宮家】で参加

A&Wは、家族での思い出が多く残る土地です。猟書家も何度かお手伝いしましたし。まあ、まだまだ問題が残ってるようですが。まずこの不吉な怪物を排除しませんとね。

コールドブレスを喰らいたくないので月読の騎士を発動。飛びながら召喚される竜に向かって【鎧無視攻撃】【マヒ攻撃】【目潰し】【部位破壊】を仕込んだ【結界術】を【高速詠唱】で【範囲攻撃】化して展開。奏が召喚された竜達の相手をしてくれますので、僕は本体を狙います。【魔力溜め】【多重詠唱】【全力魔法】を併せた【誘導弾】で攻撃します!!飛んでくる攻撃は【オーラ防御】【第六感】で凌ぎます。



 A&Wでの任務と聞き、【真宮家】の3人が戦場へ馳せ参じた。

「アタシ達も協力させてもらうよ!実はこの世界には家族で随分お世話になっていてねえ」
「ええ、猟書家も何度かお手伝いしましたし」
「家族3人で色々楽しい事を体験したので思い入れが深いんですよね」

 真宮・響(赫灼の炎・f00434)がバーバリアン達に声を掛けると、それに続き神城・瞬(清光の月・f06558)と真宮・奏(絢爛の星・f03210)もこの世界への思い入れを思わず伝えていた。
 3人にとってこの地は、かの帝竜戦役勃発よりもずっと前から関わって来た世界。孤児であった瞬を家族として迎え入れた響と奏の親子。まるで最初から親子であったかのように、3人は長き日々を一緒に過ごしてきた。そういった数々の思い出が残るのがこの世界なのだ。
 件の大天使が討伐され大きな災厄は取り除かれたかもしれないが、まだまだこの地には脅威となる存在が蠢いている。そう、目の前に立ち塞がる竜のように。

「とにもかくにも、まずは異様な進化をしている奴を何とかしないとね」
「ええ、このただならぬ雰囲気の不吉な怪物を排除しませんとね」
「コールドブレスが厄介だって、話でしたね。気を付けないと」

 【真宮家】の3人がそれぞれに武器を構える。その様子を見た竜が3人に狙いを定めて来た。

「さっきの戦いを見た限りでも、敵の攻撃は広範囲をカバーするか。厄介だね。まったく。なら、飛ぶかね」
「ええ、地面にいるとあのコールドブレスを喰らいますので飛んだ方が良さそうです」
「では、各自で飛翔して空中戦ですね」

 3人はコールドブレスに関して、やはり空中での回避を選ぶ方が戦いやすいと判断した。それぞれに飛翔効果のあるUCを発動させ空中へと舞い上がっていく。
 響は赤い竜の羽根を生やした騎士の姿に、奏は召喚した飛翔する多数の剣の一つに掴まり、瞬は純白の翼を持つ銀の鎧の騎士の姿に。それぞれが異なる飛行スタイルとなるが、これで空中戦を挑む事が出来るだろう。

 飛翔した3人を迎撃する為、竜は霧で出来た無数の分身体を召喚した。そして召喚者である自身を守るようにひと際巨大な竜を1体待機させると、それ以外の分身体に指示を出す。まるで「あの小さき者どもを排除せよ」とでもいうように。

「面倒だね。あの数の竜を突破して親玉に何とか攻撃を届かせたい所だけど」
「それなら、私があの竜達を何とかしますね!」
「では、僕が奏を援護しつつ、あの親玉の前に立ち塞がっている大きいのへ対処しましょう」
「じゃあ、それに合わせてアタシも切り込もうかね」

 瞬はこちらに向かってくる龍の群れに対し結界術を展開する。素早く広範囲に展開されたその結界を竜達は回避する事が出来ない。回避するには距離が無さ過ぎた。次々と瞬の結界に衝突した竜達が体の動きを止め墜落していく。瞬の展開した結界にはマヒの効果が含まれていたのだ。
 結界に衝突した竜達は、その影響を受け飛翔する事が出来ない。必死にもがく様に手足をバタバタさせるが、そのような適当な攻撃が当たるような3人ではない。巧みに竜達の攻撃を回避しながら奏が天に掲げた手を振り下ろす!

「ちょっとぶっ飛ばしますよ~!!いっけ~!!」

 奏が召喚した星の光を纏った多数の剣が墜落していく竜達に降り注ぐ。まるでその光景は流星雨のようだった。次々と剣に刺し貫かれて消滅していく霧の竜達。

 その間に響と瞬は親玉へと距離を詰めていた。霧の中の親玉を守るように巨大な竜が一体2人の前に立ち塞がる。
 巨大な竜が瞬目がけ前脚を振り上げる。その攻撃を直感を持って回避しながら、瞬は魔力を練り上げていく。

「この竜の相手は僕が。今のうちに!」
「ここは任せたよ。さぁ、そんな霧の中に隠れてないで出て来なよ!」

 親玉を護衛するように立ち塞がっていた竜を瞬が注意を引き、響きが親玉を攻撃する隙を作り出した。その竜の横をすり抜け親玉に接近する響。そして手に持った槍から衝撃波を放つ。それが親玉の竜の霧を切り裂き本体に直撃した!

「オノレ、矮小ナル存在ガ!」

 そこで初めて親玉の竜が声をあげた。そして自身に周囲に毒霧を発生させる。

「あれに触れるのはまずいね。なら槍を投擲すればいいだけさ!」

 敵の前足による攻撃を回避しながら衝撃波を放ち、相手の隙を作り出そうとする響。相手は大振りな攻撃故に、こちらの残像をも残すような高速の動きにはついて来られていない。とはいえ、一撃を喰らえばこちらとて無事では済むまい。必殺の一撃を喰らわせる為のきっかけが欲しい所だ。必至の攻防が繰り広げられる。

 一方その頃、瞬は護衛の竜を相手に1人で立ち向かっていた。練り上げられた魔力を一点に集中し解き放つ!

「流石ですね、巨体故にタフなようです。一撃では倒せませんか」

 親玉のように特殊な力はこの個体自体はもたないようだ。とはいえ、1人で親玉と戦っている響の元へ早く駆け付けたい所だ。次で勝負を決める、そう考えた瞬は再び魔力を練り始める。今度こそ目の前の竜を打ち倒す為に。
 だが、相手も長く瞬に対応してきたためにその動きに慣れてきたようだ。魔力を集中する為に回避運動に割ける意識がどうしても不足しているのもあるのだろう。動きがパターン化していたようだ。竜の攻撃が瞬を掠める。

「くっ、まずいですね。このままでは…」

 瞬が魔力を練りあげきる前に、敵に動きを捕えられる可能性がある。だが、その窮地を救う存在が後方より現れた!
 瞬と竜を分断するように星の輝きに似た剣の群れが降り注いだ!

「お待たせ!あっちは片付いたよ!」

 竜の群れを全て撃破した奏が瞬の元へ駆けつけたのだ。そして今度は瞬の攻撃準備が整うまでの時間を奏が作り出す。

「これで、トドメです!」

 奏の援護もあり十分な魔力を練り上げられた瞬は全力の一撃を竜に放つ!
 迎撃しようとした竜の前足を魔力弾はひらりと躱し…、背中より強襲した魔力弾は竜の肉体を刺し貫いた。竜は断末魔の悲鳴をあげながら消滅していく。
 これで、残るは響が対応している親玉のみ。奏と瞬は頷き合い、母の元へ急行するのだった。

(なるほど、伊達に強化されてるわけじゃないって事かい)

 親玉の竜へ決定打を打ち出すきっかけを作れずに硬直が続く中、必死に突破口を作り出そうとする響。
 敵の放つブレスを高速飛翔で回避し、その隙を突いて衝撃波を放つ!
 その時、響の放った衝撃波が竜の足元に突き刺さり、その巨体がグラリと揺れた。

「っ!チャンスだね!」

 必殺の一撃を喰らわせようと槍を投擲する体勢に入った響。だが…。

「なっ、フェイントかい!」

 ニヤリと不気味な笑みを浮かべたような竜が、投擲体勢に入っていた無防備な響を前足で叩き伏せたのだ。敵の直撃が命中する瞬間、必死に全身にオーラを纏い防御へ切り替えた響。致命傷は避けられたものの、地面へ叩き伏せられる事となった。

(流石に、ちょっとまずいかね…)

 ゆっくりと勝利を確信したかのように歩を進めて来る竜を見ながら、響はそれでも必死に槍を杖代わりにして立ち上がる。

「存外、良クヤッタ、ト言ッテヤル。ダガ、ココデ終ワリダ」

 振り上げられた竜の前足。
 だが、…その前足に剣と魔法弾が叩き込まれる!

「お待たせしました」
「母さん大丈夫?」
「まだまだ、いけるさ!」

 駆けつけた瞬と奏により敵の目が一瞬、響より外れた。そのチャンスを逃さない響は全ての力を手に持った槍に込め始める。この一撃が最後の一手になるだろう。まるで弓を射るように槍を構え瞳を閉じ、その手先に全神経を集中させる響。そして…。

「こいつでも喰らいなっ!」

 カッと目を見開いた響が全身のバネを使い全力で槍を投擲する。引き絞られた弓が矢を放つように、大砲の砲弾が放たれるように、打ち出された槍は…。無防備になった敵の胴体へ叩き込まれたのだった!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

アイ・リスパー
【電脳の箱庭】
「コールドブレスを吐くドラゴンですか!
ドラゴンBBQのために一狩りいきましょう!」

理緒さん、司さんと一緒に狩りの時間です。
機動戦車オベイロンに乗って、ドラゴンの元まで行きましょう。
この戦車内なら冷気のブレスにも耐えられます!

「オベイロン、レーザーガトリングとミサイルで攻撃です!」

霧で偽物を出しても無駄です。
【バタフライ効果】によって生み出した竜巻で霧を吹き飛ばします。
毒霧も吹き飛ばして毒抜きですっ!

「さあ、じっくりこんがり焼きましょう!」

司さんの剣刃一閃と理緒さんのNimrud lensに合わせて、オベイロンの主砲の大型荷電粒子砲を撃ってウェルダンに仕上げましょう!


菫宮・理緒
【電脳の箱庭】

これはごはんのために頑張らないと。

おいしくいただくためには、
しっかり運動しておくことが大事だよね。

そのための『グラドラゴ』だっけ?

得意技はコールドブレスだったね。
食材の冷凍にはよさそうだけど、わたしたちはそうはならないよ!

ブレスは竜の正面に立たないように気を付けて戦っていくとして……。
相手が冷たいなら、こっちは熱くいくね。
【Nimrud lens】でひとあし早めのBBQといこう!

司さんの剣刃一閃が当たりやすいように、
アイさんとタイミングをあわせて、まずは熱線で援護。

司さんが剣刃一閃でお肉を切り分けたら、
熱線で焼いて……グレドラゴBBQを作っちゃうよー!
「上手に焼けまs……」


椎宮・司
【電脳の箱庭】

ひりょさんが旨い酒を奢ってくれると聞いて
……ってあれ?えー、働くのかい?
というか、食う気なのかいアレ?ホントに?
仕方ない、メシの前にひと働きしようか

とはいえ、いきなり近づくのは危険か
ちょいと搦め手といこう
【七星七縛符】を投げつけて一時的に行動を封じて
野太刀を引き抜いてから
理緒さんの熱線の間を抜けつつ接近
間合いに入ったら【七星七縛符】解除からの
【剣刃一閃】で斬り付ける!

敵の攻撃はアイさんのUCでどうにかなりそうだ
ってことはあたいは程よく焼きあがるように
隠し包丁(普通に斬ってる)を入れていくとしようか

こんだけ斬ったらよく焼けるはずサ
減った寿命はお前さんの肉を食わせてもらうとするよ!



 空中戦を挑む猟兵達が多い中、敢えて地上戦を挑む者達がいた。【電脳の箱庭】のメンバーだ。
 機動戦車オベイロンに搭乗し進軍を開始するアイ・リスパー(電脳の天使・f07909)と菫宮・理緒(バーチャルダイバー・f06437)。
 そのオベイロンに並走する形で移動していた椎宮・司(裏長屋の剣小町・f05659)は、アイの宣言に思わず思考を中断する。

「コールドブレスを吐くドラゴンですか!ドラゴンBBQのために一狩りいきましょう!」
「食う気なのかいアレ?ホントに?」

 アイの宣言に思わずツッコミを入れた司。BBQをするのは確かにいい案のだが、まさか前方に微かに見えて来たアレを食べようというのか。そう言えば前にアポカリプスヘルで現地調達した『食材』で大変な目に遭ったとか、そんな話を知人伝手に聞いたなーなどと思い出す司。まぁ、現地に住むバーバリアン達もいるのだ、本当に食べられないものならばストップがかかるだろう。

「これはごはんのために頑張らないと。おいしくいただくためには、しっかり運動しておくことが大事だよね。そのための『グラドラゴ』だっけ?」

 美味しくいただく物の中にやはり竜も入ってるんだろうか?…思わずそう突っ込みたくなる状況の中、3人は件の竜を完全補足する位置まで到着する。

「目標を攻撃射程に捕えました。理緒さん、司さん、狩りの時間です!」

 どうやらこれまでの戦いで竜もかなり消耗しているようだ。直前まで戦っていたのだろう猟兵の一撃により、大きく体勢を崩している。深手と思われる貫通穴も胴体に空いているようで、どうやら3人の参戦タイミングがちょうどトドメとなりそうだ。

「まずは先手必勝!オベイロン、レーザーガトリングとミサイルで攻撃です!」

 アイの指示により、オベイロンが搭載されたガトリングとミサイルを一斉発射する。狙い違わずその弾丸達は竜に刻まれた貫通穴へ吸い込まれていった。

「オノレ、オノレッ!アノオ方ニ新タナ力ヲ与エラレタ、コノ我ガァァッ!」
「なんだか、相当怒ってるみたい?というか、話せたんだねドラゴン」
「まぁ、だいぶ追い詰められてるみたいだねぇ」
「チャンスです。続けてガンガン行きましょう!司さんはブレスに気を付けてくださいね!」
「っと、そうだったね。いきなり近付くのは危険か」

 そんな話を聞いていたのか否か。竜がコールドブレスを放ってきた。

「っと、危ないねぇ。オベイロンの後ろに隠れてたから難を逃れたけど。もう一撃は勘弁してもらいたい所だねぇ」
「バ、バカナ…。我ノブレスガ、効カヌダト?!」
「このオベイロンの中なら冷気のブレスにだって耐えられます!」
「今のが得意技はコールドブレスだったんだね。食材の冷凍にはよさそうだけど、わたしたちはそうはならないよ!」

 狼狽する竜。今までの猟兵達はこのコールドブレスを回避する事に専念していた。まともに喰らえばひとたまりもあるまい、そう自信を持っていた。その自信も今、打ち砕かれたのだ。

「ナラバ、コレナラドウダッ!」

 竜は残る全ての力を総動員し攻撃を仕掛けて来る。周囲に毒霧を発生させ、自身の分身体を多数召喚するとこちらへ差し向けて来たのだ!だが、その対策も準備済みだ。

「大気中の気体分子の運動、解析完了。初期運動量コントロール。ローレンツ・アトラクタ・プログラム起動します!これであなたの霧も分身体も、全て吹き飛ばします!」

 アイのUC【バタフライ効果】が作り出した人工竜巻によって、竜が残る力を振り絞り発生させた霧も分身体もあっという間に消し去ってしまった。

「コンナ、コンナ事ガ…。信ジラレヌ」

 自分の一手を一瞬にして消し去られた事により竜に隙が出来た。その狼狽し硬直した瞬間を司は逃さなかった。護符を投擲すると竜の動きを封じる術式を発動させる。

「グ、ナ、ナニゴトダ…。体ガ動カヌ…」
「これの長時間使用はきついんだよねぇ。早めにカタを付けさせてもらうよ!」
「司さん、援護しますね!」
「じゃあ、わたしもそれに合わせて…。屈折率、固定……収斂。相手が冷たいなら、こっちは熱くいくね」

 司が野太刀を引き抜いて地を駆ける!それを援護するようにオベイロンから弾幕が、そして理緒が発動させたUC【Nimrud lens】が熱線を放ち、竜へ肉薄しようとする司を援護する。
 自らに接近してくる司にかろうじて動いた前足を振り下ろそうとするも、アイと理緒の弾幕と熱線により行動を妨害される。

「さて、ここまで来ればあたいの間合いだよ!【七星七縛符】を解除して、ここからは切り刻ませてもらうサ!」

 司が竜の動きを封じていた術式を解除すると共に野太刀を振るい、全力の一閃を放つ。鋭利に切り裂かれた竜は堪らず悲鳴をあげる。

「おや、一撃では仕留められなかったかい。でも、致命傷みたいだねぇ」
「バ、バカナ…。コンナ、コンナ事ガ…」
「アイさん、司さんが作ってくれた切り口、あそこを焼きあげていこう!」
「ええ。オベイロン、大型荷電粒子砲発射です!」

 先程は司の進軍を援護していた理緒の熱線が、今度は竜の傷口に注がれる。じゅぅと肉の焼ける匂いが辺りに立ち込めた。それに間髪入れず、オベイロンから放たれた主砲も叩き込まれ、司によって切られた傷口はみるみるうちに熱せられていく。

「っと、今の切り口は結構いい感じで焼けたようだねぇ。続けて次、いこうかね」

 再び振るわれる司の【剣刃一閃】!竜の体に次々と傷口が増えていく。

「キ、貴様ラ。一体何ヲ。ソレニ貴様、何故コウモ動ケル。霧ハ吹キ飛バサレタトハイエ、辺リニハ毒ガ…」
「残念ですが、私の【バタフライ効果】でその毒も吹き飛ばしています」
「バ、バカナ…。悪夢カ、コレハ…」

 そうこうしている間にもどんどん司は遠慮なく切り刻み続ける。

「これだけ大きいと、隠し包丁入れるのもやり応えがあるってもんだね」
「いい感じにウェルダンに仕上げましょう、理緒さん!」
「ひとあし早めのBBQといこう!」
「キ、貴様ラ先程カラ何ヲ…。…マサカ、我ヲ食オウト?」
「はい」
「みたいだねぇ」
「うん」

 三者三様の返事で竜に応える【電脳の箱庭】メンバー。

「コンナ、コンナ悪夢ナドアリエルカァァ!」

 その絶叫が竜の最後の言葉となった。ついに司の【剣刃一閃】が竜の胴体を両断したのだ。
 地響きを立て、崩れ落ちる竜。
 【電脳の箱庭】のメンバーの目には、もはやそれは『食材』でしかなく…。

「さあ、じっくりこんがり焼きましょう!」
「グレドラゴBBQを作っちゃうよー!」
「こんだけ斬ったらよく焼けるはずサ。減った寿命はお前さんの肉を食わせてもらうとするよ!」

 既に戦場は調理場へと変貌していた。既に忘れ去られていたかのように遠くからその様子を眺めていたバーバリアン達も、勝負はついた、と確信を得たのだろう。周囲を警戒しながらも徐々に3人の元へ接近して来た。

「無事に…終わったのか?」

 バーバリアン達のリーダーと思わしき男が3人に声を掛ける。

「あ、皆さん。こちらは無事に終了しましたよ」
「うん、上手に焼けまs……」
「理緒さん、ストォォォップ。それ以上は色々とまずい」

 賑やかな3人の様子に警戒を緩めたバーバリアン達。いや、よく考えてみたら戦闘中もずっとこんな調子だった気もするが…。気のせいですよね、はい。

「あ、そうそう。ドラゴンの肉、焼いてみたんですけど皆さん食べますか?ちょうどいい焼き加減だと思いますよ?」
「ドラゴンの肉はなかなかに美味ではあるな。まさか、このような状況で食べられるとは思わなかったが…」

 アイに話し掛けられたバーバリアン達が困惑しながらも程よく焼けた肉を頬張り始める。

「皆も戦った後だし、しっかり食べないと、ねー」
「まぁ、この後お祭りがあるって話らしいけどねぇ…。そういや、お酒とかはどうしようかね。ひりょさんも善処してみるとは言ってたけど」
「地酒でよければ、振る舞わせてもらおう」
「お、いいねぇ。それならひと安心だ」

 理緒がバーバリアン達、そして周囲で戦闘での負傷や消耗を回復させていた猟兵達に声を掛けた。興味を持った者達は同様に竜の肉を食べ始める。
 司は出発前にグリモア猟兵とのやり取りを思い出しながら首を傾げる。「ひりょさんがお酒、奢ってくれるって聞いたよ?」「えぇっ!?そんな話はしてないんですが椎宮さん」そんな普段通りの、ちょっとしたコミュニケーションを取って来ていたのだ。準備してみるとは言っていたが、この調子なら現地調達も可能だろう。

「これだけあれば、お祭りの際にもこの肉を持ち込んでもいいかもしれないねぇ」

 その司の言葉に同意したバーバリアン達が残った竜の肉を運搬し始めた。そのくらいは自分達も協力したい、と。


 皆戦闘を終え、荒野にいた人間は全てその場を立ち去った。
 お祭り会場であるバーバリアンの集落へ向かったのだ。

 …いや、1人だけ。1人だけ残っていた。その戦闘の一部始終を眺めていた存在が、その場にはいた。
 猟兵達に気付かれぬよう、隠形に徹して状況を観察していた1人の少女がため息をつく。

「まさか、惨敗するだけじゃなくて食べられちゃうとか…。やっぱり猟兵は侮れないわね、色々と」

 何とも言えない複雑な表情でそう呟いた後、彼女も飛翔しその場を立ち去った。

「まだまだ、戦力は足りないみたいね…。ほんと、やんなっちゃう…」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 日常 『ボムって!ウォーターバトル!』

POW   :    肉体や気合を駆使して遊ぶ!

SPD   :    速さや技量を駆使して遊ぶ!

WIZ   :    魔力や賢さを駆使して遊ぶ!

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 戦闘を無事に終え、バーバリアンの集落へやって来た猟兵達。集落で待機していたバーバリアン達も無事に竜が討伐された事を知り、猟兵達の来訪を歓迎した。しかも竜の肉も持ち替えるという状況であっただけに、大歓声が巻き起こる。

「皆さん、お疲れ様でした!」

 皆の勝利を信じ、先にバーバリアンの集落に出向いていたグリモア猟兵のひりょも猟兵達を笑顔で出迎える。竜の肉には流石に目を丸くしていたが「食材が増えた」と思う事にしたようだ。

 水辺の付近に植わっている木々には水風船のようにたっぷりと水気を含んだ実が沢山ついている。どうやらお祭りにはこの実をもぎ取り互いにぶつけ合うようだ。木々も沢山あるようなので、実が直ぐに無くなる、という事もなさそうだ。
 現地はそれなりに温かい。実をぶつけ合って水浸しになったとしても、風邪を引くような事もなさそうだ。

 その祭りを鑑賞出来る場所で、戦勝パーティーという名の宴会を行う為の準備も整えられている。バーバリアン達の料理は、狩りをした獲物の肉を使った料理が主のようだ。
 ひりょも簡単に摘まめそうな料理を作っているようだ。

「あ、皆さん。事前に話のしてあった通り、お祭りの方へ参加してもいいですし、戦勝パーティーの方へ参加していただいても大丈夫ですよ?」

 料理を手伝ってくれる方も歓迎する、との事だ。料理に必要な物があればひりょの方もある程度のものなら運んでくるという。

 さて、お祭りに参加しようか、それとも料理を摘まみながら歓談しようか…。それとも両方?
 楽しみ方は皆それぞれとなりそうだ。
夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎

■行動
さて、後はお祭りと、鳳凰院さんの一周年記念ですかぁ。
楽しんで参りましょう。

珍しい食材も有るみたいですが、その分[料理]の人手が欲しそうですねぇ。
お祭りの方を遠目で見物しつつ、【到爨】でお料理に入りましょう。
更に【豊饒佳饌】を発動、[料理]と[グルメ知識]を強化してメニューを決定しますねぇ。
お祭りに使う『珍しい実』も、その水分を使った煮込み等の珍しい料理に使えそうですぅ。
不足しそうな食材関連や配膳等は、鳳凰院さんにもお手伝い頂けましたら?

ただ、変わった食材を使う以上、合わなかったり中る方も出そうですぅ。
【到爨】で治療する『状態異常』は『腹痛』等にしておくと良いですかねぇ?



「さて、戦闘も無事に終了しましたし、後はお祭りと、鳳凰院さんの一周年記念ですかぁ。楽しんで参りましょう」

 るこるはバーバリアン達の集落へ到着すると戦闘モードより普段の自分へスイッチを切り替えた。ひとまず開会された戦勝パーティーの会場を見渡したるこる。

(珍しい食材も有るみたいですが、その分料理を作る人手が欲しそうですねぇ)

 先程のドラゴンの肉などの戦利品もある。今から急ぎ料理するとなると、果たしてパーティーが終わるまでに食材が捌き切れるか…。少し心配な所である。
 幸いにしてるこるは料理を食べる方も作る方も出来る。バーバリアン達は祭に参加しているか、もしくは戦勝パーティーに参加していても飲み食いに専念する形の者達がほとんどだ。パッと見、料理を作っているのはグリモア猟兵のひりょくらいだろう。では、自分も料理を作る側に回る事にしましょう…と、そういう結論に至った。

(珍しい食材もある事ですし、グルメ知識等も底上げしておきたい所ですねぇ…)

 ドラゴンの肉を手に取り、自身の既存の知識だけでなく、さらに向上させた方が良さそうか、と思ったるこるは【豊乳女神の加護・豊饒佳饌】を発動させる。

「大いなる豊饒の女神、豊かなる恵みを齎す叡智をお貸しくださいませ」

 るこるの料理、グルメ知識は無論一定の水準以上のものがあるが、それはさらに強化するべく発動させた【豊饒佳饌】により、食材に最適な調理法を見出していく。
 その上で、その知識をフルに活かすべく調理系のUCを発動させたのだ。

「大いなる豊饒の女神の使徒の名に於いて、偉大なる導きの恩寵を此処に」

 一瞬にして仕上がった料理の数々。普段使わないような竜の肉という食材ではあったが、先に使ったUCのおかげもあり無事に最適な料理となったようだ。

「これは…竜の肉を使った料理なのか?こんな料理も出来るのか…」

 興味を持ったバーバリアンがるこるの作った料理に手を付ける。バーバリアンの女性陣達も興味津々だ。るこるの知識はA&W以外の世界の知識も含まれるため、この地の人々から見たら珍しい料理もあるのだ。
 自分の作った料理に手を伸ばすバーバリアン達は、一様に満足げな表情を浮かべている。ふと、その向こう側で展開されるお祭りを眺めるるこる。

(そういえば、あの実も食材に使えるのでしょうか?水気が多いようですし煮込み系になら使えそうですが…)

 バーバリアン達にその話をすると、あまり食べた事がないとの事。るこるもひとまず挑戦してみる事にした。

「これは…食べれなくはないですが…。あまりお勧め出来る感じではないかもしれないですねぇ」

 どうやらこれは人を選ぶ感じの料理となったようだ。念のために調理系のUCを使った際に、腹痛等を起こさないよう治癒効果を付与しておいた。
興味を持ち手に取ったバーバリアン達もこの料理には好みが分かれたようだ。だが、付与した効果のおかげで一人もお腹を壊すという事は発生せずに済んだ。

「鳳凰院さん、食材が少々足りなくなりそうなのですが」
「了解です、るこるさん。まだストックがあったと思うので持ってきますね」
「はいぃ、よろしくお願いしますぅ」

 そうしてひりょに配膳や食材の補充をお願いし、るこるは料理の腕を振るい続けた。時折手隙の時間が出来たので、その際はお祭りの賑やかな様子を眺めながら過ごすうちにパーティーの時間は過ぎ去っていくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

満月・双葉(サポート)
ボディタッチ等の密な接触は嫌い
話しかけられれば応じ、冗談も飛ばす
他人に自分には踏み込ませず、また踏み込まず、つき合いは表面的な者に限りますが、会話が円滑に進むように冗談は飛ばします
表情はないが声に抑揚があり、感情はアホ毛が動いてバレバレ(嬉しいときには嬉しそうに揺れる)
相手のことは苗字+さんで呼び、丁寧語で接するが、相手のボケに対するツッコミに関しては「知らねーですよ」と敬語が崩れ、吐き捨てるような言い切りにですが付属する

食事に関しては少食で少し食べたらお腹がいっぱいになるが、大根に関しては無限に食べ、大根にチョコをかけて食べるなど味付けも少々おかしい
辛いものは苦手


マルコ・ガブリエル(サポート)
『初めまして、わたくしはマルコと申します』
『皆様を苦しめるのであれば、わたくしも情けは捨てましょう!』
『まあ、なんて美味しそう……! 宜しければ、一緒にいかがですか?』
笑顔が魅力的で朗らかな女の子です。実は故郷を滅ぼされて天涯孤独の身ですが、そうした悲壮感を仲間に感じさせることはなく、いつも明るく振る舞っています。
誰に対しても優しく、敵にさえ「できれば戦わず、穏便に事件を解決したい」と考えるような優しい性格ですが、無辜の人々を苦しめる悪い奴には心を鬼にして全力で攻撃をお見舞いします。
美味しいもの、特に焼肉をみんなで食べるのが大好きで、無事に事件解決した後はよく他の猟兵をご飯に誘おうとします。



「戦いは終わってしまったようですね。倒す事になった竜は残念でしたが…、これでバーバリアンの皆さんが危険に曝される事もなくなったのでしょうか」

 個人的には敵であろうと戦わずに穏便に解決が出来るならそうしたい、と願うマルコ・ガブリエル(焼肉天使・f09505)は、しばし討伐された竜へ祈りを捧げる。

「ひとまず、事件は解決されたのですよね。それではパーティーを目一杯楽しみましょう!お肉を使った料理が沢山あるようですし!」

 焼肉を皆で食べるのが大好きなマルコは、気持ちを振り払うようにひと際明るい声で近くにいた満月・双葉(時に紡がれた人喰星・f01681)へ声を掛けた。
 そんな風にマルコに話し掛けられた双葉は、表情には変化はない。ただ、ちょっとマルコが身を乗り出すように話しかけてきたので、さりげなく後ずさりながら一定の距離を保っていた。双葉は普段からある程度人との距離を一定に保つようにしている。それは他人に踏み込まず、自身にも踏み込まれたくないと考えているから。
 とはいえ、表面的な人付き合いはする方ではあるので、マルコの距離には一瞬戸惑ったものの会話は普通に繋げた。

「まぁ、この後はお祭りやら祝勝パーティーやらあるみたいですし。各自思い思いに過ごせばいいのではないでしょうか」
「そうですわね。まぁ、あの料理、凄く美味しそう。そう言えば申し遅れましたが、わたくしはマルコと申します」
「僕は双葉です。肉料理が主体みたいですね。グリモア猟兵や一部の猟兵が何か作るみたいですが」
「双葉さんはどれか食べてみたいものはありますでしょうか?良かったらお取りしましょうか?」
「僕は…少食なので少し食べたらお腹いっぱいになってしまうので…。まぁ、大根料理があれば別ですが」
「双葉さんは大根料理が好きなのね。グリモア猟兵さん、確かひりょさんだったかしら?大根料理あるか聞いてみましょう」
「いえ、あれば食べますが…。…あるんですかね」

 双葉も少し興味を持ったのか、表情は相変わらずだが頭の上にあるアホ毛が忙しなく動き回っている。なんだかそわそわしているようにも見える双葉と共に、マルコは料理に勤しむひりょの元へ。

「ひりょさん、でしたね。つかぬ事を聞きますが、大根を扱った料理とかは、あるのかしら?」
「大根ですか、ふむ…。一応持って来ていますし、何か作りましょうか?」
「お願い出来ますか?大根ならいくらでも行けます」

 ひりょが大根を持って来ていると聞いて、双葉のアホ毛がテンションが上がったように揺れ動く。それを見たひりょも苦笑いしながら大根を取り出した。

「あ、ですが、今から作るとなると手間…ですよね。時間が掛かってしまいますし」

 双葉のアホ毛がうなだれたようにシュンとする。だが、その双葉にひりょはにっこりとほほ笑んだ。

「あぁ、大丈夫ですよ。こういう時の為のUCも今は俺、持ってますので」
「!」
「良かったですわね、双葉さん」
「べ、別に嬉しくは…」

 ひりょの返答に双葉のアホ毛が勢いを取り戻し、それを見たマルコもどこかホッとした表情を浮かべる。ひりょは大根を手に意識を集中した、と思った次の瞬間には、手元に大根料理が出来上がっていた。

「便利なUCが出来たものですね」

 そう言いつつも興味津々に、食い入るように大根料理に熱視線を送る双葉。

「じゃあ、双葉さんでしたね。これ、どうぞ」

 差し出された器を持ち、ひりょに頭を下げる双葉。

「良かったですわね、双葉さん。では私もお肉の料理をいただきましょう」
「マルコさん、でしたね。そう言えば竜の討伐に向かった皆さんが竜の肉を持ち帰ったそうです。それを使った料理とかも出来ますね」
「あら、そうなのですか。…では、竜の肉を使った料理をいただこうかしら?」

 マルコは一瞬考えるような仕草をした。ある意味、供養にもなるのかもしれない、とも思えなくもない。そう思ったマルコはバーバリアン達の料理と竜の肉を使った料理を少しずつ器に取り、双葉と共にその場を離れた。

「なかなかに美味しいですわね。野性味あふれる感じはありますが。双葉さんはどうですか?」
「うん、美味しい。…お代わりもらって来ます」
「あら?もう食べてしまったんですか?」

 少食と聞いていた双葉の完食速度に思わずびっくりしたマルコ。いそいそとひりょの元へお代わりをもらいに行った双葉を見て、楽しそうな表情を浮かべた。暫くすると両手に大根料理を持った双葉が戻って来る。既に食べる気満々なようだ。

「うん、美味しい、美味しい」
「なんだか、双葉さんが食べているのを見たら、私も大根料理を食べてみたくなりましたね。私ももらってきましょう」

 肉料理も楽しみつつ、マルコも大根料理を口に運ぶ。

「確かに美味しいですね。これは、素朴な感じで、これはこれで…」
「…これを付けるともっと美味しい」

 もぐもぐする双葉がスッとマルコに差し出したのはとろ~りと程よく溶けたチョコ。

「これ、チョコですわね。大根にチョコですか…。…これは…なかなか個性的な味ですわね」

 一口食べてみて、苦笑いを浮かべたマルコ。彼女にはちょっと口には合わなかったようだ。

「うん、やっぱりチョコをかけると最高になる」
「そ、そうなのですね…。お肉の料理ももう少しもらって来てみましょう」

 大根料理の話になると思ったより饒舌になった双葉。会話を始めた当初はどこか人と壁を作る感じの印象を双葉に抱いたマルコだったが、今この時はそんな事もなく、程よく会話を楽しみながら祭の時間を過ごすのだった。

 尚、ひりょが作った大根料理はその後もほとんどが双葉が平らげた。双葉にとって、大根料理は別腹なようだ。そんな双葉に触発されたように双葉のアレンジ味付けに挑戦した猛者も現れたが、見事に轟沈していたようだ。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ダスク・ドーン(サポート)

煮るなり焼くなり。
人数穴埋めから不採用まで幅広くお使いください。
キャラの扱いはアドリブでも何でもお好きにお願いします。
口調は適当なので細かいとこは気にしない。

ただし、
他の猟兵に迷惑をかける行為や公序良俗に反する行動はしません。


『また日が沈むな』
人間のフォースナイト × スカイダンサー
年齢 27歳 男
特徴 面倒見がいい くーる 女性が好き とんでもない甘党
口調 やわらか(自分、相手の名前+ちゃん、ぜ、だぜ、じゃん、じゃねぇの? )


戦闘ならいずれかのフォースブレイドを使用。
シンプルな正面勝負を好む。

冒険や日常は……、
うむ、メンドウだな。
(テンション低くても仕事はきちんとやります)


仇死原・アンナ(サポート)
普段はぼんやりですが敵前では獄炎操る処刑人と化します

鉄塊剣『錆色の乙女』,妖刀『アサエモン・サーベル』、戦闘用処刑道具『赤錆びた拷問器具』、『鎖の鞭』等を使います

UCは指定した物どれでも使用

普段の口調は(私、あなた、呼び捨て、ね、よ、なの、なの?)
戦闘中は(ワタシ、お前、呼び捨て、言い捨て)

ぼんやりしつつ日常を楽しみます。一人で楽しむ事も苦じゃないみたいです
ダークセイヴァー出身なので複雑な機械の操作はかなり苦手ですがキャバリアの操縦はそこそこ(本職に比べたら劣る)
流行には疎いけどまぁそんなモノもあるんだと認識する感じです



 ダスク・ドーン(人間のフォースナイト・f13904)と仇死原・アンナ(炎獄の執行人あるいは焔の魔女・f09978)は互いに戦勝会場でぼんやりと過ごしていた。
 ダスクは戦っている時はともかく、それ以外の時はあまり積極的に行動を起こす方ではない。

(祭に参加するのは…。うむ、メンドウだな)

 積極的にあのぶつけあいの中に入る気にはなれず、消去法で戦勝パーティーの会場の方にいる、というのが現状であった。
 一方、戦闘では獄炎操る処刑人と化すアンナも戦闘以外の時はぼんやりと過ごす事が多く。ダスクと同様に祭に参加するという気にはなれずにやはりこの場へ。

 バーバリアン達や猟兵達が作った料理を手に、ぼんやりと遠目から祭の様子を眺める二人。ふと視線が合った。どちらからともなく挨拶をする2人。

「戦闘は終わっちゃってたからなぁ。かといって祭に加わる気には…なぁ」
「あなたも?私も戦闘はともかく、こういう時はどう過ごせばいいのか。手持無沙汰で」
「2人共、どうやら似たような状況みたいだな」

 苦笑するダスクとアンナ。

「まぁ、とはいえ。祭にしか参加できない、っていう状況じゃないのはありがたいぜ。ああいうのはあんまり参加した事がなくてなぁ」
「遠目から眺めているくらいがちょうどいい、と思うわね」

 互いの話に納得してしまう二人だった。そうこうしている内に二人とも手元に持ってきた器が空になっていた。

「まぁ、せっかくだし。食べるのくらいはなぁ」
「ええ、次は何にしようかしら」

 ずらっと並ぶ料理の中に物珍しいものが。思わず視線がそちらへ向き、その先でバーバリアン達に配膳していたグリモア猟兵のひりょと視線が合った。

「あぁ、お2人共。これはさっきの戦いで入手した竜の肉を使った料理ですね。良かったら2人もどうですか?」
「じゃあ、いただくかね。竜の肉なんて、この世界じゃなきゃ食べれなさそうだしな。…そういや、甘い物とかはあるのかい?」
「甘いものですか?こっちのは甘いデザートみたいな感じのを作ってみましたけど」
「じゃあ、そっちももらってくかな」

 甘い物が何気に好きなダスクはひりょに教えたもらったデザートを手に取り、その場を後にする。アンナも竜の肉を使った料理を何種類か器に盛ってきたようだ。

「この肉、なかなかに美味しい。取れたて…?なのもあるのかな。私もせっかくならその竜の討伐に加われれば良かったかな」

 アンナが竜の肉の料理を一口つまみながら、ぼんやりと呟く。

「まぁ、一足遅かった、ってタイミングだったしな。せっかくなら戦闘もしたかった、って所かい?」
「戦っている間は充実感がある。私の呪われた力でも人を救う事が出来るから」
「自分の場合はそこまでの感じじゃないが…。敵と正面からぶつかり合ってる時はやっぱり楽しいな」

 戦闘に関しては、やはり二人とも何かしら思う所があるのだろう。料理をつまみながら自然と互いの今までの戦いの経験などを話していた。互いに剣を使った戦いを行うタイプなだけに話も当初予想していたより白熱したものとなった。気が付けば手元の器がまた空に。

 とはいえ、結構話し込んでいたようでそれなりに時間は経過していたようだ。
時折、祭りの会場の方を眺め「あぁ、あのくらいの攻撃は躱せないとな」とか、「あれは剣で切り払えば」など祭の参加者たちの動きを見ながら感想を口にしていた。思わず戦闘を例に出してしまうのは2人にとっては致し方ない所もあるだろう。一番表現がしやすいし想像しやすいからだ。

「まぁ、たまにはこんな時間の使い方もいいかもしれないな」
「ええ、確かに」

 料理を追加をもらいに行きながらふとそんな事を思った二人。初めは戦勝パーティーの時間をどう過ごそうか、と思っていたのだが、予想外に話し相手が見付かった。戦闘の話に花が咲いたのもあるのだろう。時間経過が思ったより早く感じたくらいだ。
 実際に敵を前にしている時以外で、なかなかこういう機会に遭遇するのも珍しい。2人とも戦闘以外ではどちらかというと消極的な行動を取るタイプであったからだろう。互いが無理せずに済むペースで話が続いていたから苦にならなかったのかもしれない。

「っと、今度はこれをもらって行ってみるか。そういや、さっきのこれ。食べてみたが結構美味かったぜ?」
「じゃあ、私今度食べてみようかな。…あ」
「ん?どうした?」
「互いに自己紹介もしないまま話し込んでた、って。遅くなったけれど私は仇死原・アンナ」
「そういや、そうだったな。自分はダスク・ドーンだ。改めてよろしくな」

 互いに自己紹介をしつつ持って来た料理に手を伸ばす2人。

「これもなかなかいけるな」
「うん、美味しい」

 そうしてぼんやりしながらも二人は時折話をし、ゆっくりした時間の中でパーティーを過ごしていくのだった。
 互いに普段は戦いの中で過ごす日々が主かもしれないが、今のこのひと時くらいは。手持無沙汰でもなく、ただただぼんやりするでもない、そんな穏やかな時間を過ごす。

 気が付けばグリモア猟兵によるパーティーお開きの挨拶が始まっていた。ゆっくりとした、しかしそれなりに充実した時間を過ごせたと思う2人。
願わくはこの時間が戦士たちにとって少しの休息の時間となってくれることを願うのみである。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ニコリネ・ユーリカ(サポート)
あらあら、盛り上がってるわねぇ
お忙しい所、お邪魔しまーす!
新しい販路を求めてやってきた花屋です
宜しくお願いしまーす(ぺこりんこ)

~なの、~なのねぇ、~かしら? そっかぁ
時々語尾がユルくなる柔かい口調
商魂たくましく、がめつい

セリフ例:
まぁ綺麗なところ
折角ご縁を頂戴したんだもの、寄っていっても良いかしら?
えっこれ何……ひゃっ!
んンッ、おーいしー!
お土産も頂いていきましょうね

瞳に映るもの全てに頬笑み
日常の景色を視て、触れて、遊んで、楽しみます
情景の説明約、褒め役として使って頂ければ幸いです


コーデリア・リンネル(サポート)
 アリス適合者の国民的スタア×アームドヒーローの女の子です。
 普段の口調は「女性的(私、あなた、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」、機嫌が悪いと「無口(わたし、あなた、呼び捨て、ね、わ、~よ、~の?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。

内気な性格のため、三点リーダーや読点多めの口調になります。
ですが人と話すのが嫌いでは無いため、
様々な登場人物とのアドリブ会話も歓迎です。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



 一方お祭り会場の方は…。

「おぉ、激しい攻防が繰り広げられてます!互いに一歩も譲らない名勝負になりそうです!」

 ニコリネ・ユーリカ(花屋・f02123)が実況役を、そのアシストとしてコーデリア・リンネル(月光の騎士・f22496)が待機していた。お祭りの状況を見ていたら、実況役がいた方がより盛り上がりそうかしら?という話になり、ニコリネがその役を買って出たのだ。ちょうどその場に居合わせたコーデリアが手隙であった為、サポート役として気が付けば駆り出されていた。

「私、人と話慣れ、していないのですが…、大丈夫、でしょうか?」

 コーデリアが不安げな表情をニコリネに向ける。そんなコーデリアに向け、大丈夫と大きく頷くニコリネ。

「何とかなるわよ。時々私の話に相槌を打ってくれればいいしね」
「それなら…、なんとか、なる…かも、です」
「よし、じゃあ行ってみましょう!っと、そうこうしている間にさらなる激しい戦いへと発展していましたー!」
「二人とも…凄い気迫、です」

 バーバリアン達の若手の中になかなかにいい動きをする者達がいるようだ。無論、猟兵には遠く及ばないものの参加者たちの中では目を見張る動きだ。

「これは…、期待のホープの登場かー?その辺り、どうなのですか?リーダーさん」

 特別ゲストに竜討伐の際に、バーバリアン達を率いて戦闘の場にいたリーダーの男がニコリネとコーデリアの元にいた。

「う、うむ。この祭りはこの場の木々の種蒔きの祭りでもあるが、もう一つの側面があってな。次世代のこの集落を守る戦士を見定める機会にもなっているんだ」

 2人の峰麗しい女性に挟まれる形で若干緊張気味のリーダーの男が、それでもこの祭りのもう一つの重大な意味を説明した。

「なるほど、あの二人のようにいい動きをする方々が次世代の戦士候補となる、と?」
「あぁ、そうだな。判断材料となっている。有事の際に戦士の欠員があり得るからな」
「あ…、特に、今回は…。戦闘があったから…?」
「そうだ。怪我人も多数出た。猟兵の皆さんが来てくれたおかげで最悪の事態は免れたものの、それまでの度重なる戦闘で負傷してしばらく復帰が無理なメンバーもいる。若手に戦闘の技術を叩き込んで戦士となってもらう必要もあるのでな」
「なるほどー。じゃああの白熱した戦いを繰り広げる二人は戦士候補、ですかねー?」
「それ以外にも、上手く危険を回避しているメンバーもいるようだ。そういう奴は斥候なんかに向いているだろう」
「今までの、経験を見せる場、でもあるのですね」
「そういう事だな」

3人が実況を繰り広げる中、バーバリアンの若者達の戦いにも終止符が打たれた。

「おぉ、どうやら決着がついたみたいです。二人に惜しみない拍手を~」

 ニコリネの呼びかけに他の参加していたバーバリアン達から暖かい拍手が送られる。

「それでは、第二戦が開始されるまでしばらく休憩のようです。実況はニコリネと」
「え、えっと…、コーデリア、が、お送り、しました」
「あ、良かったらうちの花屋もよろしくー!絶賛販路開拓中でーす!」

 さりげなく、ニコリネは自身の花屋の宣伝もしておいた。バーバリアン達のこの集落の周囲は荒野が広がっているが、この集落の中にはこうして水源もある。水源のある所なら草木も育つ故、ニコリネとしても自分のお店の花々が売れる可能性もあるのかな?と思った次第だ。宣伝効果のおかげか、お祭りに参加していた女性陣の中には、お祭り会場の脇に乗り付けていたニコリネの移動販売車で花を見て回っている者もいる。
 花を観賞するバーバリアン達へ対応している間に、ふと姿が見えなくなっていたコーデリアがニコリネの元へ戻って来た。手には料理や飲み物が。

「祝勝パーティーの方で、料理が一杯あったので、少しもらって来て、みました」
「ありがと~。ちょうど実況した後で喉が渇いていたのよね。助かるわ~」
「良かった…」

 2人で料理を摘みながらゆっくりと休憩をする。この後には猟兵達も参加する第2戦目もあるのだ。インターバルの間に食事も取っておけるなら取っておきたい所だ。

「そういえば…、ごめんねー。無理して付き合わせちゃったかしら?」
「いいえ、私も、楽しかった、ですから」
「そっか~、それなら良かった!」

 人付き合いが苦手そうなコーデリアに実況のサポートを頼んだ事を、念の為謝っておいたニコリネ。その場に居合わせた事、自身がメインで実況をするので、問題ないだろう、とは思っていたが、気にはなっていたのだ。
 だが、コーデリアも楽しんでくれていたとわかり、気持ちも楽になったニコリネだった。

「あ、これ。おーいしー!何の肉なのかしら?」
「それは、竜の肉、って、言ってました。グリモア猟兵さんが」
「あぁ~、さっきの戦いの戦利品、って言ってた奴ね。お土産とかに出来ないかしら?」
「聞いて、きましょうか?」
「あぁ、大丈夫。また後で私から聞いてみるから。もうじき第2戦の開始だしね。そろそろ準備しないと」
「もう、そんな時間、ですか?早かった、です」
「そうね~、休憩時間も楽しかったから。じゃあ、また頼むわねコーデリアさん!」
「はい、頑張り、ます!」

 控えめなガッツポーズをするコーデリアの様子を微笑みながら眺めたニコリネは、実況を再開する。

「さて、猟兵達も参加する第2戦が開始されます。今度はどんな展開が待ち受けているのでしょうか~。こうご期待!」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

真宮・響
【真宮家】で参加

いやあ、色々大騒ぎだったが何とかなってよかった。折角だから家族でお祭りの方へ参加しようかね。半袖半ズボンに中にワンピースの水着を着て、と。

射撃はアタシが得意とするところだから奏と瞬の挑戦を受けるよ。1対2で人数的に不利だが目立たないように動くのと的確に狙う技術は負ける気がしない。突進癖のある奏はすぐ当てられるだろうが、慎重で遠距離の得意な瞬には苦戦するだろうね・・・じゃあ、不意に接近して零距離で実をぶつけてやる。はっはっは!!これには対応できないだろう。(満足)

勝っても負けても、子供達の頭を撫でて健闘を称える。おもしろかったよ。アンタ達の成長振りが見れたから。


真宮・奏
【真宮家】で参加

お食事の方にも惹かれるんですが、今の季節だからこそ楽しめるお祭りに参加します!!楽しそうですので。半袖半ズボンに中に水着を着て、と。これで万全です。

射撃が抜群に得意な母さんに瞬兄さんと二人で挑戦します。二人ならなんとかなるかも!!ただ、私は突進して受け流すのに特化しているので、自然に囮になったあげく実に当たりそうですが!!ごめんなさい、後はお任せします~。

勝敗に関わらず、自分の突進癖に少ししょんぼりしてたり。母さんに頭を撫でられて笑顔。はい、相手してくれてありがとうございます!!楽しかったです!!


神城・瞬
【真宮家】で参加

(ドラゴン肉に目を丸くしながら)まあ、最近暑くなってきてますし、お祭りの方に参加しますかね。半袖Tシャツ+サーフパンツに着替えて、と。

射撃戦の立ち回りに優れる母さんに挑むのは無謀かもですが、奏と二人なら何とかなるかも。勝負です!!奏、無謀に飛び出すのは危険・・・あ。当たってしまいましたか。僕は母さんの動きを良く見て投げれば・・・遠距離戦なら得意ですし。・・・母さん。流石に不意の接近戦には対応できません。参りました(実を当てられて降参)

母さんにしてやられて少しがっかりしますが、母さんの頼もしさを再確認出来て嬉しかったり。頭を撫でられながら笑顔になります。



 少しだけ時間は遡る。

 竜を討伐し終えたバーバリアン達と猟兵達が集落へ到着すると、それぞれ思い思いに好きな会場へと移動を開始した。

「いやあ、色々大騒ぎだったが何とかなってよかった」

 【真宮家】の3人の気持ちを的確に表した発言をした響。

「まさか、ドラゴンが食材として持ち込まれる事になるとは思いませんでしたね」

 目の前で戦勝パーティーの会場へ持ち込まれるドラゴンの肉に瞬も目を丸くしている。

「この後どうしましょう?私はお食事の方にも惹かれるんですが、今の季節だからこそ楽しめるお祭りに参加したいなぁ、って」

 奏の提案に響と瞬も頷く。

「そうだね。折角だから家族でお祭りの方へ参加しようかね」
「まあ、最近暑くなってきてますし、お祭りの方に参加しますかね。ちょうど良さそうですし」
「それじゃあ…。母さん、瞬兄さんと私がペア組んで母さんに挑戦してみても…いい?」

 そこで奏が響を真正面からじっと眺め、そう切り出した。

「瞬がそれでいいならアタシは構わないよ?射撃はアタシが得意とするところだから、奏と瞬の挑戦を受けるよ」
「射撃戦の立ち回りに優れる母さんに挑むのは無謀かもですが、奏と二人なら何とかなるかも。その話、乗ります」
「良かったぁ。二人ならなんとかなるかも!!うん!」
「それじゃあ、ルールを決めようかねぇ。各自ライフは2つにしておこうか。それだけ相手に命中させた方が勝ちだよ?」
「うん、それでいいです。瞬兄さん、頑張って2人で母さんに勝とうね!」

 お祭り自体には「実をぶつけ合う」という以外には明確なルールはない。先程バーバリアン達のみが参加した第1戦目も最終的に競い合っていた2人の内、1人が根負けして勝敗が決した、という感じだったようだ。その為、3人だけのルールをこの場で決定したのだ。

 どうやら、第1戦が終わり3人が相談している内に祭は一旦休憩時間に入ったらしい。今のうちに3人も祭へ参加する為に準備をする事にした。そして…着替え終わった3人は会場入りする。

 半袖半ズボンに中にワンピースの水着を着た響と、同様に着込んだ奏と半袖Tシャツ+サーフパンツ姿の瞬のペアが向き合う。

「実はぶつけても怪我するようなものじゃないみたいだからね。奏、瞬、遠慮なくいくよ?」
「うん、負けないからね母さん!」
「母さん、勝負です!」

 第2戦開始の合図と共に、3人の戦いが始まった!

 開始早々、奏が手に持った実を振りかぶりながら響へ特攻を仕掛ける!

「行くよ、母さん!」
「奏、無謀に飛び出すのは危険…」

 瞬が制止する声を掛ける間もなく特攻を開始した奏、だが、彼女にも策は一応あるようだ。

「私が囮になるから、瞬兄さん、その隙を狙って!」
「流石、奏だね。その思い切りの良さは感心するけれど、真正面から挑むのは無謀だよ?」

 真正面からこちらに特攻してくる奏に向けて素早く実を投擲する響。

「まずは、一つ!…っと、避けた?」

 紙一重で響の一撃を回避した奏、チャンスとばかりにそのままの勢いで迫るが…。

「上手く回避出来た!母さん、かく…」

 最後まで奏が言い切る前に顔面に実がぶつけられていた。

「甘いよ奏、一撃回避したからと言って油断したら、ね!」

 足元に次の実を準備しておいたのだろう。響は一投目が回避されると直ぐに次の実を手に取り奏に投擲していたのだ。

「さぁ、奏、後がないよ?どうする?っと、瞬、やるね!」

 次の2撃目をぶつけようと振りかぶった響の目の前に実が飛んで来た。奏の後方を素早く確認すると瞬が投擲後の次弾を入手している姿が見えた。
 響が慌てて瞬が投げた実を回避するが、そのおかげで奏も二撃目を喰らうのを回避する事が出来た。

「ありがとう、瞬兄さん!」
「奏、流石にあれは無謀すぎですよ。援護します」
「うん、任せます!」

 なんとか二撃目を回避し、瞬がカウンターの一撃を放てるよう動き回る奏。

(1対2で人数的に不利だが、目立たないように動くのと的確に狙う技術は負ける気がしない。とはいえ、あの二人もなかなかやるもんだね)

 連携しながら突破口を開こうとする2人に思わず心の中で感心する響。だが、まだまだ詰めが甘い。
 そう、フェイントで不意に体勢を崩してチャンスと思わせれば…。

「?!よし、今ならっ!」
「奏!それはっ!」

 体勢を崩した響に今が好機と踏み込んできた奏!
 まんまと策にハマった自身の娘にトドメの一撃をお見舞いした。

「まったく、まだまだだね、奏。フェイントに引っかかるんだから。…っ!?」

 一瞬奏に集中していた、その響の足元へ実が着弾した。

「な、なんとか掠りましたね。掠っても一撃は一撃です」

 瞬が響の動きを冷静に観察し、響がフェイントを放ったその後の隙を上手く突いたのだ。結果として奏は敗退となったが、一矢報いた、とも言えるだろう。

「あぁ、やられちゃったか~。ごめんなさい、後はお任せします~」

 後は響と瞬の一対一の対決だ。響は残りライフ1、それに対し瞬はライフ2。だが、瞬が優勢に思われるのは数値上の事だけだ。

(奏がいたから、一撃掠らせる事が出来た。でもこの後は、どう立ち回るか…)

 先程はフェイントに奏が引っかかった時点で、思わず止めたのだが間に合わず…。

(当たってしまいましたか…。ですが、この一瞬、母さんの不意が突けるかもしれません)

 そう気持ちを切り替え奏の後ろから飛び出すように投擲し、響になんとか掠らせる事が出来たのだ。だが、そんな手は響には二度と通用しないだろう。

「瞬兄さん、頑張れ~!」

 敗退となった奏は二人の勝負の邪魔にならない位置へ待機し、声援を送っている。その期待に応えて精一杯戦おうと思う瞬。

 一方の響は…。

(上手く奏の後ろから不意を突いてきたね。まさかこちらを掠るとはね。突進癖のある奏はなんとかなったが、ここからはどうするか。慎重で遠距離の得意な瞬には苦戦するだろうね…。フェイントも奏のようには通用しないだろうし)

 互いに探り合いながら投擲するも決定打には至らず。

(まずいですね。手持ちの実がつきました。補充しないと)

 瞬の手元には直ぐに投擲できる実がない。急ぎ実を手に取ろうとする瞬。
今度はその一瞬の隙を響が突いてきた!

「遠距離で勝負がつかないなら、こうだよっ!」
「えっ、母さん!?」

 瞬が次の実を手に取った時には、既に自身の目の前に響が迫っていた。投擲しようと振りかぶるが。

「遅いよっ瞬!これには対応できないだろう?」

 両手に持った実を連続で叩き付けられる!

「まさか、接近戦を挑まれるとは…。流石に不意を突かれたら対応は出来ません。参りました」

 ここで決着となった。結果は電光石火の二連射を命中させた響の勝利。とはいえ、瞬と奏のペアはあと一歩の所まで響を追い詰める事が出来たのだ。

「終わっちゃったかぁ…。母さん、瞬兄さんお疲れ様~。ふぅ、私は突進癖、なんとかしなきゃだめかなぁ…」

 勝負がつき、真っ先に敗退した奏が思わずしょんぼりしているのが見える。瞬も健闘したものの最後の一瞬で勝負をつけられてしまった事にちょっと無念そうな表情を浮かべている。

 そんな二人に響は笑顔で歩み寄る。2人の頭を撫でて健闘を称えた。

「よくやったね。おもしろかったよ。アンタ達の成長振りが見れたしね」

 そんな風に称えられながら頭を撫でられた二人は思わず相好を崩す。

「はい、相手してくれてありがとうございます!!私も楽しかったです!!」
「僕もです。母さんの頼もしさを再確認出来て嬉しかったですし」

 互いを称え合う家族に周囲からも惜しみない拍手が送られたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

菫宮・理緒
【電脳の箱庭】

さっきお肉食べたし、お腹を空かせるためにも、
まずはお祭りだね!

ひりょさん、ごはん取ってきてくれるの? ありがと!

それなら……ここはスピード勝負!
「とうっ!」

司さんと2人で先制攻撃だね。
実をアイさんの全身にぶつけちゃうよ。
「背中が隙だらけだよ……うひゃぁ!?」

司さーん同盟は!?

見事なスローが腰辺りに命中。
濡れてまとわりつくレギンスを脱いで、ぽい。

こうなったら、みんなバトロワだ-!
って、アイさんUCは反則じゃない!?

とかいいながら、楽しんじゃいます。

びっしょりになって、
服が身体にぴったり張り付いているのに気がついた時には、
時すでに遅し。

ひりょさんにばっちりみられちゃいました。


アイ・リスパー
【電脳の箱庭】
ひりょさんを呼びます

「お祭りと料理……
それはもちろん、両方に決まってるじゃないですか!」

というわけで、ひりょさんに料理を取ってきてもらっている間に、私たちはお祭りに参加です。
理緒さん、司さん、覚悟してくださ……(全身に実が命中し、ずぶ濡れになる

「理緒さん……
よくもやってくれましたねっ!
こっちもいきますよっ」(びしょ濡れの上着を脱ぎ捨ててワイシャツ姿になり

電脳魔術【ラプラスの悪魔】で司さんの動きを計算。
投擲の隙を狙って実を投げつけましょう!

「ふふん、どうですか。
あ、ひりょさん、料理持ってきてくれてありがとうございます」
『アイ、濡れたブラウスが身体に張り付いてますよ』
「……へっ!?」


椎宮・司
【電脳の箱庭】
えーまだ動くのかい?
もうのんびりさせておくれよ…

覚悟も何も…と見せかけて!(隠し球投擲
ハハハ、騙されたね?
あたいが祭りを見逃すわけないだろ?
さあ理緒さんやっちまいな!
あたいは…理緒さんをやるけどな!(だまし討ちその2
まだまだ青いねえ
オトナは裏切るもんサ!

大乱戦で被弾は必須
しかし!(着物脱ぐ
こんなこともあろうかと着物の下は水着なのサ!
そこ、歳の割にはしゃぎ過ぎとか肌出し過ぎとか言うな(誰も言ってない

木から落ちてきた実を胸元で柔らかくリフティング(揺れる
ジャンプしてキャッチ、空中から狙撃だよ!

お、ひりょさん悪いねえ
ん?別にあたいはこっちの実を見られて構わないけども?(胸元指しつつ



「お祭りと料理……。それはもちろん、両方に決まってるじゃないですか!」
「さっきお肉食べたし、お腹を空かせるためにも、まずはお祭りだね!」
「えーまだ動くのかい?もうのんびりさせておくれよ…」
「では、猟兵が参加する第2戦開始までは観戦でもして休憩しましょう」

 【電脳の箱庭】のメンバーはお祭りと戦勝パーティーの料理、両方を堪能する事にしたようだ。とはいえ、先程竜を討伐した際にその場で行ったBBQ(という名の戦闘)でそれなりに食べたので小腹を空かせる必要がある。そこでちょうど良い事に適度に動く事になるだろうお祭りへ参加する…という話になった。
 第1戦を観戦しているとそれなりに動けるバーバリアン達の若者もいるようだ。それなりに観戦も楽しむ事が出来た。

「それにしても…。皆水浸しだねぇ…」

 水気の多い実をぶつけ合うという事からもその辺りは想定可能なはず、なのだが…。司はそういえばその割にグリモア猟兵からその辺りの話の詳細が出てなかったなぁ、と思い出す。怪我はしない、という話は出たけれど。

「これは…、ひりょさんのうっかりが出たかね?」
「そういえば、第1戦が開始した頃にひりょさんがその様子を見て『しまったぁぁっ!』とか叫んでたのを見た気がする」

 司の指摘にこくりと頷く理緒。どうやら『水着を持参してください』とか連絡がなかったのは彼がうっかり失念していた線が濃厚のようだ。

「ち、致命的なミスでなければ、何とかなりますよ…。多分!」

 よく任務中、最後の最後の詰めの部分でうっかりトラブルが発生しやすいアイが、視線を逸らしつつ呟く。今、妙なフラグが立った気がした司と理緒だった。

「そろそろ休憩も終わりのようですね。あ、ひりょさん、すみませんが料理の方をこちらの会場へ持って来てもらえますか?」

 アイからの提案をその場にいたひりょが快諾する。

「ひりょさん、ごはん取ってきてくれるの? ありがと!」
「お酒もあるといいかねえ。ひりょさん頼めるかい?」
「了解です、バーバリアンの方々に地酒を分けてもらってきますよ」
「お、それは楽しみだ」

 司は祭りの後に一杯飲めたらいいな、と思ったのでひりょに頼んでみた。この地へ転送される前にあったやり取りもあったので、お酒の手配は尽力してくれるようだ。その場を離れるひりょを理緒が感謝の言葉で送り出す。


 そうこうしているうちに、どうやら祭の第2戦目の時間のようだ。

「さて、お祭り開始みたいですね。理緒さん、司さん、覚悟してくださ……」
「アイさん、隙あり!とうっ!」

 アイが二人に宣戦布告をしようとしている間に既に一撃喰らっていた。先制攻撃を行ったのは理緒。開始早々スピード勝負に出たのだ。

「口上の途中に攻撃するのは…わふっ」

 続けて司がアイに追加攻撃の一撃を喰らわせていた。

「覚悟も何も…ねぇ」
「うんうん、アイさんは隙だらけだよね、司さん!」
「ハハハ、まんまと騙されたねアイさん?」
「さっきまで司さん、乗り気じゃなさそうだったのに…あれはフリだったんですか」
「アイさん、あたいが祭りを見逃すわけないだろ?」

 こっそり同盟を組んでいた理緒と司。狙い通りの先制攻撃ヒットに思わずハイタッチ。
 水も滴るいい女状態のアイがふるふるしている。あ、なんかスイッチ入っちゃったっぽい。

「理緒さん…、司さん…。よくもやってくれましたねっ!こっちもいきますよっ」

 びしょ濡れの上着を脱ぎ捨ててワイシャツ姿になったアイ、目がマジです。

「あらら、アイさん本気にさせちゃったかねえ。さぁ理緒さん続けてやっちまいな!」
「うん、背中ががら空きだねっ、えいっ」
「まぁ…あたいは…理緒さんをやるけどな!(ボソリ)」
「え~?司さん、何か言った~?」
「なんでもないサ、なんでもね」

 どうやら不穏な行動を取ろうと画策している司。その企みには気が付けず本格的に反撃に入って来たアイに応戦する。

「司さん、援護お願いっ、1人じゃちょっと無理っぽ…うひゃぁ!?」

 何故か背後から実をぶつけられた理緒。アイは目の前にいる。後ろを見ると…だまし討ち成功!といい笑顔でこちらを見ている司の姿があった。

「司さーん同盟は!?」
「理緒さん、まだまだ青いねえ。オトナは裏切るもんサ!」

 思わずどや顔の司。司がアンダースローで投げた実はこちらにノーマークだった理緒の腰辺りに見事命中。作戦成功である。

「も~、やったね司さん!こうなったら、みんなバトロワだ-!」
「受けて立ちます、覚悟してください2人共!」
「っと、これはあたいも本気出さなきゃね!」

 理緒も濡れてまとわりつくレギンスを脱ぎ捨て、本気モードだ。
 3人の戦いは白熱していく。司もこれまでは被弾する事も少なかったものの、完全にバトルロワイヤルに移行した今、被弾も増えて来た。

「これじゃ、流石に動きにくいねえ。しかし!こんなこともあろうかと着物の下は水着なのサ!」

 司も着物を脱ぎ水着姿になった。

「そこ、歳の割にはしゃぎ過ぎとか肌出し過ぎとか言うな!」

 思わずびしぃとどこか一点を指さしながらツッコミを入れる司。どこかから視線を感じたのだろう、たぶん。


「どうやら3人とも本気モードのようですね。なら、私も遠慮はしませんよ!」
「って、アイさんUCは反則じゃない!?」
「アイさん、超本気モードじゃないか。そんな油断ならないアイさん、へっ!」
「甘いです、司さん。司さんの動きは計算済みです!」
「え、あたいをメインなのかい?っと、危ないあぶな…」

 UCを発動させたアイへ思わずツッコミを入れる理緒。そんなアイへ投擲した一投を回避された司。アイから反撃を受けるも回避したと思ったら、次弾が間髪入れずに飛んで来てべちゃりと顔に命中した。白熱した戦いはどやらアイの闘志に完全に火をつけたようだ。

「や、やるねえアイさん」
「えいっ、さっきのお返しだよ司さん!」
「理緒さんもかっ!ならこれはどうだい?空中から狙撃だよ!」

 司は木から落ちてきた実を胸元で柔らかくリフティングし、飛び上がって空中から2人へ実を投げつける。
 ギャラリーから歓声があがる。何故だろう、その歓声は男性陣の野太い声ばかりだったのは。

「あ、あれは出来ません。私には」
「私もー、あの真似は無理だね」

 自分の胸部装甲を見ながら絶望的なオーラを纏うアイと理緒の顔面に実が命中した。

「あはは、隙だらけだよ2人とも。まだまだ行くよ!」
「呆けている場合じゃありませんでしたね」
「よ~し、私も頑張るよ!二人とも覚悟~!」

 3人の白熱した、でも心躍る時間はどんどん過ぎ去っていった。そして目一杯楽しみ切った頃に第2戦目終了の合図が掛かる。

「いやー、楽しかったねえ」
「本当に、楽しかった、ねー?」
「結構序盤から本気出してしまいました…」
「あはは、アイさんまさかUCまで発動させるんだからねえ」

 互いを健闘しながらお祭り会場から出る3人。そろそろグリモア猟兵のひりょが料理をこちらへ持って来てくれる頃、道中で合流出来る事だろう。
 わいわい3人で話ながら歩いていると、前方より大きなライオンとそれに寄り添うように歩いて来るひりょの姿が見えた。

「あれはひりょさんの召喚するライオンさん、かなぁ?」
「みたいだねえ、お~い、ひりょさん悪いねえ」
「あ、ひりょさん、料理持ってきてくれてありがとうございます」

 3人は手を振りひりょへ合図を送る。どうやら料理が結構あった為、ライオンを召喚し、一部をその背に乗せて運搬して来てくれたようだ。
 まぁ、余ろうものなら大食いのひりょが食べたりもあるのだろうから、足りないよりは多い方がいいだろう、という判断だったのだろう。

「っと、3人ともお疲れ様です。料理持ってきまし…」

 手を振る3人に気が付いてこちらに歩を進めて来たひりょだが、途中で絶句したように口を閉ざし、硬直している。どうしたのだろう、首を傾げる3人。

『アイ、濡れたブラウスが身体に張り付いてますよ』

 凄く言いにくそうに、アイのサポートを兼ねるオベイロンAIが事実を告げる。

「……へっ!?」

 3人は自分達の姿を改めて確認する。皆、白熱していたので途中から気にならなくなっていたが、着ていた服が水を含んで、ぴったり体のラインを浮かび上がらせている。完全にスケスケ状態だ。

「もしかして…全部見られちゃった?」
「…(フリーズ中)」
「ん?別にあたいはこっちの実を見られて構わないけども?」

 思わずあらら、と目をぱちくりさせる理緒。ハプニングにあわわとなり、フリーズ状態のアイ。そして胸元を指さし大胆発言をする司。そんな様子を見ていたひりょが、目の前でぶっ倒れる。鼻から赤い水を噴き出しながら。

「ひ、ひりょさ~ん!」
「…はっ、ひりょさんが倒れたっ!?」
「ひりょさんにはちょっと刺激が強かったかねえ」

 三者三様の反応を示しながらひりょの元へ駆けていく【電脳の箱庭】の3人。
「私はどうしたらいいのだろう」と途方に暮れた様子で佇むライオンが、その様子を眺めていた。


 こうしてバーバリアンの集落での一日は過ぎ去っていった。
 それぞれが満足した面持ちでその場を後にする猟兵達。転送陣でその姿が見えなくなるまで、バーバリアン達は手を振り続けるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年06月13日


挿絵イラスト