大祓百鬼夜行㉓〜メニーマニートレンディ!
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UDCアースに突如出現した、キンキラキンの見事なバズリトレンディ御殿。
その中央で、制服のような衣装を着込んだ女性がタピオカ片手に出入り口を見つめていた。
「よくぞ生き残った我が精鋭達よ! 猟兵達もようやっとここまで来たな、それならワイちゃんの出番や!」
一見トンチキなこの女性こそが新し親分・バズリトレンディだ。
彼女は積み重なったお札の山に堂々と腰掛けて、もうすぐやってくる猟兵達を待ち侘びている。
大祓骸魂を倒すためにも、猟兵達には全力で自分に立ち向かってもらわなくては。
そのためには――。
「もっとジャンジャンお金出してちょーだい! よりゴージャスな方が勝つんやから! ヒャア、こういうのたまんねぇよなぁ。生きてるーって感じがするで!」
バズリトレンディが両腕をぶんぶん振るえば、御殿の内部には更にお金が溢れていく。
果たしてこれだけのお金、使いこなせるのは親分か猟兵か。
「さあ猟兵、ワイちゃんと勝負や! 心の熱さ、見せつけてくれや!」
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「お疲れ様っす! バズリトレンディ御殿への道が開けたっすね!」
ニカッとした笑みと共に、雨谷・境(境目停留所の怪・f28129)が猟兵達を出迎える。けれどその表情には、どこか緊張の色も滲んでいた。
「バズリトレンディ御殿はその名の通り、俺達新しい妖怪の親分『バズリトレンディ』が待ち受けてるっすよ。彼女も骸魂に取り憑かれているから、思いっきり戦ってきて欲しいっす!」
妖怪親分達は敢えて大祓骸魂の軍門に降ることで、猟兵達を導こうとしているのだ。そんな彼ら彼女らと全力で戦えば、きっと行くべき道が切り拓かれるだろう。
「おまけにバズリトレンディは大祓骸魂の撃破に必要な『虞知らず』という技を習得してるっす。彼女を無事に救い出せば、きっと俺達もこの技を教えてもらえるっすよ!」
どのみち大祓骸魂の元に辿り着くためにも、バズリトレンディとの戦いは避けられない。
戦争を終わらせ二つの世界を救うために、今回の戦いも気合を入れて挑まなければならないだろう。
「そんで、今回戦うバズリトレンディは『トレンディ形態』と呼ばれる状態になってるっす。この状態の彼女がいる限り、御殿からは無尽蔵に『お金』が溢れてくるっすよ。名前の通りトレンディでバブルなイメージっすね」
お金はめちゃくちゃ溢れてくるが、戦闘の支障にはならないようだ。
勿論目くらましとして投げつけたりは出来るだろうが――このお金の真価は、消費された時に発揮されるのだという。
「溢れるお金で買えるものをイメージすると、なんとその物品が出てくるらしいんすよ! 更に更に、その時の消費金額によってパワーアップまで出来ちゃうらしいっす!」
つまり、『トレンディ形態』のバズリトレンディと戦う際は、バンバンお金を消費してパワーアップすれば有利になるのだ。高級なものをじゃんじゃか買い漁ってひたすらパワーアップするも良し、なんか凄そうな武器をいっぱい買って武装するも良し。
とにかくゴージャスに、バブリーに戦うのが重要だ。
「ただしバズリトレンディも強敵っす、生半可なゴージャス度じゃ勝てないっす。彼女もバンバン現金で殴ってきたり、栄養ドリンク買い込んだり、ディスコで豪遊してくるっす。頑張って対抗するっすよ!」
なかなかふざけた相手に戦場だが、妖怪親分の一人が敵だということを忘れてはいけない。
とにかく頑張るっす、と境は笑顔で付け加えた。
「戦争もあと少し、気合入れていこうっす! そんじゃ、今回もよろしくお願いするっすよ!」
ささかまかまだ
こんにちは、ささかまかまだです。
ツチノコ、実在したのか……!
●プレイングボーナス
お金で買えそうなものを買いまくりパワーアップする(買ったもので攻撃するのもOK)。
溢れるお金で欲しい物品をイメージすれば、その物品が姿を現します。
その際の消費金額によってパワーアップできるので、どんどんお金を使いましょう。
高級な品を買い込むも良し、高い武器を使うのも良しです。
●『新し親分バズリトレンディ・トレンディ形態』
新しい妖怪の親分です。
彼女もマネーパワーでどんどんパワーアップしていくので、頑張って対抗しましょう。
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オープニングが出た時点でプレイングを受付開始します。断章の追加はありません。
シナリオの進行状況などに関しては戦争の詳細ページ、マスターページ等も適宜確認していただければと思います。
また、プレイングの集まり次第で不採用が出てしまうかもしれません。ご了承下さい。
それでは今回もよろしくお願いいたします。
第1章 ボス戦
『新し親分バズリトレンディ・トレンディ形態』
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POW : 竹やぶで拾ってきたわ!
【多額の現金】を籠めた【大きなカバン】による一撃で、肉体を傷つけずに対象の【戦闘意欲】のみを攻撃する。
SPD : 何があろうと戦い続けんと!
【栄養ドリンク】を給仕している間、戦場にいる栄養ドリンクを楽しんでいない対象全ての行動速度を5分の1にする。
WIZ : ワイちゃんと踊ろうか!
【召喚したミラーボールから光】を降らせる事で、戦場全体が【1990年代前半のディスコ】と同じ環境に変化する。[1990年代前半のディスコ]に適応した者の行動成功率が上昇する。
👑11
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ナーバ・キャンサ
※いつもの猫又姿
質素倹約を生きがいとしている僕にはちょーっと難しい戦場、でも新し親分を解放したいから頑張るよ。
確かに僕は質素な服装が好きだけど、シンプルだからといってお安めとは限らないんだよなー。一度手にしてみたかったんだ、絹の着物一式!
うっわー、手触りだけじゃなくて柄も繊細で凄い!これいくらするんだろう。欲張って色んな種類を取り寄せちゃうぞ。
更に高級料理。うーん、上品な味だし体が喜ぶのがわかる、美味しい!
ん、親分さん栄養ドリンクくれるの?せっかくだから貰おう。
そして大砲!えっ路線が違う?気にしない、気にしない。
楽器としても使われるらしいこれを派手にぶっぱなしてみたかったんだぁ…どかーん!
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バズリトレンディ御殿の内部では無限にお札が舞い踊り、なんともお目出度い様子を作り上げている。
質素倹約を生きがいとしているナーバ・キャンサ(猫又もどき・f33334)からすると、そんな光景は何とも言えないものだ。
猫又の耳や尻尾をぴくりと動かしつつ、ナーバが見据えたのは――札束の奥で猟兵を待ち構える、新し親分の姿。
彼女を解放するため、故郷を救うため。難しい戦場でも頑張らなければ。
「……という訳で親分、ここのお金は使わせてもらうね」
「ええで、じゃんじゃん使いや!」
親分は栄養ドリンク片手にナーバの豪遊っぷりを見守るつもりのようだ。
「確かに僕は質素な服装が好きだけど、シンプルだからといってお安めとは限らないんだよなー。という訳で、まずはこれ!」
ナーバが札束をがしっと使って天に掲げれば、すっとお札は消え去って――代わりに出てきたのは美しい絹の着物一式だ。
手にした着物はつやつやのさらさらで、柄もとても繊細だった。思わず惚れ惚れしてしまいそうだ。
「うっわー、これいくらするんだろう。もっと頼んでみようかな?」
ナーバがイメージを浮かべれば浮かべるほど、着物はどんどん飛び出してくる。
その度に身体から不思議な力が溢れてくるのも良い気分だ。
「それなら……着物に相応しい料理も頼んでみよう」
呟きと共にポン、と出てきたのは和風の高級料理達だ。使われている食器も美しく、きっと凄い値段がするのだろう。
試しに湯葉入りの鍋を食べれみれば――。
「……うーん、上品な味だし体が喜ぶのがわかる、美味しい!」
「え、ほんま? ワイちゃんも一口食べたいわぁ……」
ほっこりしているナーバにつられ、親分も鍋をじーっと覗き込みにきたようだ。彼女の瞳は純粋に湯葉を欲している。
「タダでとは言わん、ワイちゃんの栄養ドリンクと交換ってことで!」
「ん、親分さん栄養ドリンクくれるの? ありがとう!」
互いに食べ物や飲み物を交換すれば、暫くまったりタイム。
それはそれとして二人共お金は使っているのだ。不思議パワーだって十分に溜まってきているだろう。
二人で一緒にごちそうさまをすれば仕切り直しだ。
「そんじゃ、そろそろワイちゃんも行かせてもらうで!」
「それなら僕ももう一つ……大砲を!」
「今までと路線がちゃうやんけ!」
親分のツッコミをさっと流し、ナーバは大砲をぐっと引いて親分の方へと向ける。
導火線に火をつければ準備も万端だ。
「大砲って楽器にもなるらしいからね。これを派手にぶっぱなしてみたかったんだぁ……どかーん!」
「爆発オチは聞いてないわーッ!!」
マネーパワーでたっぷり強化された砲撃は、親分を見事に星にする。
初めての着物、高級料理、そして大砲。楽しい体験を沢山したナーバは、満足げな笑みを浮かべていたのだった。
大成功
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夜刀神・鏡介
金を使えと言われても……ああ、一つやってみたいことがあったんだ、と大量の金を使って大型バイクを購入
故郷(サクラミラージュ)にこんなものはないし、UDC辺りは免許がどうっていう問題があるからな。……そもそも高くて手がでない
前に見てから一度乗ってみたいと思っていたんだが、こんな所で叶うとは……と浮かれている場合じゃない
なんせ俺はバイク初心者、かつ乗った状態で刀を振れるか……。悪い親分、練習するからちょっとだけ待ってくれ
ちょっと試行錯誤して……お、意外となんとかなるもんだ。これならいける
後はバイクで動き回り、途中無駄なアクションを挟んだりして親分を撹乱しつつ、すれ違いで刀による攻撃を叩き込んでやる
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「金を使えと言われても……」
キンキラキンの御殿にて、突然ふっかけられた無理難題を前に夜刀神・鏡介(道を探す者・f28122)は小さく唸る。
彼の前では新し親分が『何やるかなー、ワクワク』というキラキラとした視線を投げかけていた。
お金を使わないと出来ないこと。何かあるだろうか、と鏡介は暫し考え――。
「……ああ、一つやってみたいことがあったんだ」
どのくらいの量が必要か分からないから、とりあえず持てるだけのお金を手に取り鏡介はイメージを膨らます。
自分が欲しいものといえば。
ぽん、と彼の前に姿を現したのは――UDCアース産の大型高級バイクだった。
「わー、結構意外やな。君こういうのが趣味なんか?」
「元々興味はあったんだ。故郷にこんなものはないし、UDC辺りは免許がどうっていう問題があるからな」
故郷の桜の世界にも凄まじい性能を誇るダルマ自転車はあったけれど、バイクの格好良さとはベクトルが別だろう。
免許も頑張れば取れるだろうが、どうしても時間はかかる。
「何より……そもそも高くて手がでない。だからこんな所で夢が叶うとは思ってなかったよ」
バイクに跨り、キーを刺し、そしてエンジンを吹かす。
一通りの流れを満喫しつつ――鏡介はふと一つの事実に気がついた。
「……それで、このバイクに乗って戦いたいんだが」
「うん?」
「なんせ俺はバイク初心者、かつ乗った状態で刀を振れるか……。悪い親分、練習するからちょっとだけ待ってくれ」
「ええでええで! 初めてでいきなり事故ったら悲しいもんな!」
なんか緩い空気が流れ始めた。
せっかくなのでお金を使ってサーキットも整備したり、バイクも改造したり。
そして暫く練習を続けていけば――なかなか様になってきたぞ!
「お、意外となんとかなるもんだ。これならいける」
「よっしゃ! そんじゃスタイリッシュにかかってこいやぁ!」
鏡介が臨戦態勢を取ったのを確認し、親分も大きな現金入りバックをぶんぶん掲げて向かってきたようだ。
そんな彼女のダッシュを華麗なハンドル捌きで回避して、ついでにサーキットのジャンプ台で跳んでみたりしつつ、鏡介はどんどん親分を翻弄していく。
「おわっ!? 君センスあるんやなぁ」
「褒められるのは嬉しいが……戦いは真剣にやらせてもらいたいからな」
しみじみしつつもバッグを構える親分に向け、鏡介は更にバイクを加速させていく。
そして利き手にはしっかりと鉄刀を握りしめ――。
「こういうのも、一度やってみたかったんだ!」
すれ違いざまに振るわれた壱の型【飛燕】は見事に親分を斬り上げる!
「こういうののヤラレ役も悪くないわなーッ!」
吹き飛ばされつつもサムズアップを向ける親分に、親分も笑みを返すのだった。
大成功
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黒影・兵庫
テーマパークに来たみたいだぜ
テンションあがるな~
(「目が笑っていないわよ黒影」と頭の中の教導虫が話しかける)
いや、この空間おかしすぎません?
(「まだ常識に囚われているようね。そんなんじゃ駄目よ!ほらパーッと散在しなさいな!」)
う、うーん、そうだ!
ここにせんせーの像を建てよう!
素材は純金!瞳はエメラルド!ネームプレートにはダイヤモンドを散りばめて
像の高さは30メートル!
(「ちょ、ちょっと!やめてぇ!恥ずかしい!やだぁ!」)
さぁ新し親分さん!このせんせーの黄金像の美しさに酔いしれ、そして俺の拳を受け止めてください!
(UC【蜂蜜色の奔流体】を発動し蜂蜜色のオーラの拳撃を『衝撃波』と共に放つ)
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派手派手キラキラなバズリトレンディ御殿は一歩足を踏み入れれば、猟兵達を不思議な非現実感へと誘うようだ。
舞い散るお札を見上げつつ、黒影・兵庫(不惑の尖兵・f17150)もぼんやりとその光景を眺めている。
「テーマパークに来たみたいだぜ。テンションあがるな~」
『目が笑っていないわよ黒影』
兵庫の頭の中のせんせーがすかさずツッコミを入れる。そう、兵庫は全然笑ってない。言ってることと表情がバラバラなのだ。
「いや、この空間おかしすぎません? やたらキラキラしてますしお金は無限に湧いてますし!」
『まだ常識に囚われているようね。そんなんじゃ駄目よ! ほらパーッと散在しなさいな!』
せんせーにワイワイ説得されている内に新し親分の方も兵庫に気付いたようだ。
「君が見とる光景がここバズリトレンディ御殿の常識やで! 欲望に素直になるんや! そうやないとワイちゃんは倒せないで!」
『ほら、親分もああ言ってるわよ』
目の前では親分が、頭のなかではせんせーが次々に兵庫を散財の方に導いていく。
いや、なかなか危ない光景な気はするのだが、これも世界を救うため。
観念したかのように、兵庫はうーんと唸りつつ散財の方向性を考え始めた。
「う、うーん、そうだ! ここに像を建てよう!」
『あら、いいんじゃないかしら?』
「素材は純金! 瞳はエメラルド! ネームプレートにはダイヤモンドを散りばめて像の高さは30メートル!」
『うんうん、ゴージャスでいいと思うわ。それで、何の像を建てるの?』
「せんせーの像です!!」
『!? ちょ、ちょっと! 何言ってるの!? やめてぇ! 恥ずかしい! やだぁ!』
どんどん話を進める兵庫に、脳内でせんせーが必死に抵抗を始めるが――親分に聞こえるのは兵庫の声だけだ。
つまり親分から見れば、とにかくノリノリで兵庫が像を建てようとしていることしか分からないぞ!
「おー、ゴージャスでええやん! ちなみにせんせーって?」
「せんせーはせんせーです! 俺のするとっても美人な女の人です!」
『やめてぇぇぇ!!』
せんせーの叫びも虚しく、御殿に呼び出されたのは超巨大で金色に輝くせんせーの像だ。
貴金属や宝石をたっぷりと使用したお陰で、兵庫も不思議パワーでたっぷりと強化してもらうことが出来た。
「……という訳で。さぁ新し親分さん! このせんせーの黄金像の美しさに酔いしれ、そして俺の拳を受け止めてください!」
不思議パワーや嬉しさいっぱいの精神パワーも相まって、兵庫は今めちゃくちゃ調子がいいぞ。
その勢いを蜂蜜色のオーラに変えて解き放てば、親分はサムズアップと共に吹き飛ばされていく。
「せんせーの像……めっちゃゴージャスでええと思うで……!」
「はい、俺も本当にそう思います!」
『もうやだぁ……』
……仕事はきちんと果たせたが、暫くせんせーは真赤になって悶えていただろう。
大成功
🔵🔵🔵
杓原・潤
ばぶりー?ってなんだろう……赤ちゃんっぽい感じ?
よく分かんないけどお金で買えそうな物をいっぱい買えば良いんだよね!
まずは生まれてない時代の事を体験しよう。
うんうん、テレビで見た事あるけど実際踊ってみたらすごい楽しい……けど、もっと子供向けの遊び場が欲しいな!
だからうるうは土地を買う!
そのでぃすこ?がある土地を全部買って立ち退き要求だ!
権利とか法的な何かとか、そーゆーのもけんりょくしゃってゆーを買えば何とかなるってパパが言ってた!
テルビューチェの【怪力】ならミラーボールどころか建物だって解体できるし、何ならユーベルコードで全部サメのロボットにして一掃!
そのまま親分さんにぶつけてやるもんね!
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此度のバズリトレンディはトレンディ形態、つまりバブリーな感じで戦うといいらしい。
しかし……リアル小学生である杓原・潤(星と鮫の魔法使い・f28476)にとって「バブリー」という概念はそもそもよく分からないものであった。
「ばぶりー? ってなんだろう……赤ちゃんっぽい感じ?」
こてんと首を傾げるけれど、御殿内部の舞い散るお札を見ればやるべきことは理解できた。
「よく分かんないけどお金で買えそうな物をいっぱい買えば良いんだよね!」
「せやで! そんでトレンディっていうのは……こういうことや!」
突如飛び出した新し親分がパチンと指を弾けば、御殿の様子は一変。なんかキラキラしたボールが出てきて、ノリノリな音楽が流れ始めたのだ。
「あ、なんかテレビで見たことあるよ! 踊るんだよね!」
「せやで! せっかくやから君も一緒に踊ろっか!」
ミラーボールに負けないくらいに瞳をキラキラ輝かせ、潤も楽しくディスコへ参上。
音楽に合わせて踊ってみれば、これがなかなか楽しいのだ。
けれど――それだけで満足する潤ではない。
「すごい楽しい……けど、もっと子供向けの遊び場が欲しいな!」
「あー、確かに子供が遊ぶってなると難しいかもなぁ」
「だからうるうは土地を買う!」
「発想が凄いんやけど!?」
潤がビシッとミラーボールを指差せば、出てきたのは土地の権利書だ。
「でぃすこ? がある土地を全部買って立ち退き要求だ!」
「権利書だけじゃどうにも出来んことはあるんやで?」
「大丈夫、権利とか法的な何かとか、そーゆーのもけんりょくしゃってゆーを買えば何とかなるってパパが言ってた!」
その言葉に合わせるように、更にお金が消え去り書類がぽんぽん飛び出してくる。
それに目を通した親分は、なんかめっちゃ遠い目をしていた。
「……ほんまに完璧に立ち退き要求されてるわ。いくら使って買収したんやこれ……」
「それじゃあ作業を始めるね! おいで、テルビューチェ!」
潤が杖を掲げれば、出てきたのは魔法のキャバリア『テルビューチェ』だ。
この子の力を借りれば、ディスコをまるごと持っていくことも容易いだろう。
「それから――さー・むぇふぁー・どぅ・あー!」
今回は必要ないテルビューチェのパーツは魔法でサメのロボットに早変わり。
彼らにも解体作業を手伝ってもらえば準備も万端。
テルビューチェはディスコの残骸を構えると、親分の方へとそれはもう凄まじい勢いでぶん投げた。
マネーパワーの怪力も相まってその威力はすっごいことになっている。親分は一瞬で星になった。
「ほんまに物理的な立ち退きやー!」
「今度は素敵な遊び場を作るからねー!」
吹き飛ばされた親分にぶんぶん手を振って、潤は満足げな笑みを浮かべるのだった。
大成功
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ゲニウス・サガレン
いや、このお金、私の研究に使って欲しいくらいだけど……
まずはヘリに乗って登場、BGMは生オーケストラ
「はっはっは、楽しそうな遊びと聞いてザギンから直行できたよ」
ツタンカーメンみたいな金の棺がかぱっと開いて登場
衣装はギラギラのプレスリー的なアレ
「この一瞬にどれだけかかったことか、最高にハイってやつだね!」
ライトアップされた噴水から水柱が景気よくドーン!
「最高にバブリーだがどう戦えば……ええい」
(足元から高層ビルが生え、そのてっぺんでサタデーナイトフィーバーのポーズ)
「うおお、私の気分は有頂天!」
(こっそりUC「ゴーイング・マイウェイ」、ここの金貨を使ってうまいことなんとかなってしまえ!)
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無限に湧き出てくるすごい量のお金。話は聞いていたけれど、実際に見てみるとその光景は凄まじいものだった。
「いや、このお金、私の研究に使って欲しいくらいだけど……」
そんな事を呟くのはゲニウス・サガレン(探検家を気取る駆け出し学者・f30902)だ。彼は今――バズリトレンディ御殿の上空にいた。ヘリに乗って。
よく見ると彼の着地予定地点にはプロの楽団が待機しており、生オーケストラでいい感じのBGMを奏でてくれている。
バララララ、と響くヘリの音には新し親分も気付いているようで、ポカンとした顔で上空を眺めていた。
「な、なんや。一瞬で空間が乗っ取られたんやけど」
「はっはっは、楽しそうな遊びと聞いてザギンから直行できたよ」
ヘリのドアが開け放たれると、中から出てきたのはキンキラキンの金の棺だ。
そちらもぱかっと開かれれば――どこぞのロックンロールのキングの如きキラキラヒラヒラ衣装を纏ったゲニウスがバーンと飛び出した。
勿論それに合わせてBGMも盛り上がる。ありがとう、楽団の皆さん。
「この一瞬にどれだけかかったことか、最高にハイってやつだね!」
どどーん。更に轟音が響く。
見れば御殿の至るところに立派な噴水が設置されており、それがゲニウスの登場に合わせてド派手に水柱をあげていたようだ。
ライトアップも本格的でめちゃくちゃ綺麗である。なんていうか、クリスマスみたいな。
そしてここまで演出していて、ゲニウスは根本的なことに気付いてしまう。
「最高にバブリーだがどう戦えば……ええい」
こうなったらとことんやってしまおう。決意と共に札束をバラ撒けば、落下地点からはニョキニョキと高層ビルが立ち上がる!
世界中のどんな建物よりも高いそのビルのてっぺんには、特設ステージまでもが備え付けられていた。
ゲニウスはそちらへ向かって勢いよく飛び乗ると、右手を天に突き出し伝説のポーズをババーンとキメる!
勿論そちらに合わせてもBGMはいい感じに盛り上がった。楽団の皆さん、アドリブで頑張っている。
「うおお、私の気分は有頂天!」
「せやで、もうワイちゃんは見守ることしか出来ひんわ……!」
親分の瞳は期待でキラキラしているぞ。さあ、フィニッシュを決める時だ。
こうなったらどうにでもなーれ。ゲニウスは残りのお金を全て金貨に変換すると、ビルの屋上から景気よくバラ撒いた。
これはただの演出ではない。『ゴーイング・マイウェイ』をこっそり使うための最後のひと押しだ。
マネーパワーと埒外パワーの双方が合わされば、今のゲニウスに決して不可能はありえない!
「という訳で……これで終わりだ!」
勢いでビルから飛び降り格好良くポーズを決めれば、親分に向かって叩き込まれたのは凄まじい威力のキックだ!
「今夜は君が一番輝いてたでーッ」
「ありがとうーッ!」
吹き飛ばされる親分に向け、無傷のゲニウスは爽やかな笑みを向けるのだった。
大成功
🔵🔵🔵
エル・クーゴー
●WIZ
“お金で買えそうなものを買いまくりパワーアップ”――
>タスクを受領しました
『ウイングキャット・マネギ』MAX515体を召喚
マネギ各機に軍事兵器を買い与え、進軍を開始します(団体行動)
一撃で破壊されるスペックのユニットへ、高価な武装を湯水の如く導入――
これは非常にバブリーです
~おかいものリスト~
・拳銃に機関銃に狙撃銃に散弾銃、クッソ高価な光学照準器も適宜導入
・無反動砲も持たせる
・林かな?ってくらい迫撃砲をズラリ並べる
・榴弾砲とか地対艦誘導弾を積んだ牽引車を運転させてくる
・でかい火砲を積んだ戦車や装甲車に編隊組ませてこよう
・そうだ、戦闘ヘリに援護させよう
・もうステルス戦闘爆撃機も買っちゃえ
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ド派手なバズリトレンディ御殿も、キマイラフューチャーを拠点としているエル・クーゴー(躯体番号L-95・f04770)からするとそこまで驚くべきものではないかもしれない。
凄まじい量のお金だって、オーダーを完遂するために必要ならば淡々と利用するのが一番だ。
エルは適当に札束を握りしめ、改めてオーダーを確認していく。
「お金で買えそうなものを買いまくりパワーアップ――タスクを受領しました。まずは友軍を展開します」
「お、なんやなんや。楽しそうなことしとるな」
エルが粛々と準備を進めるのを確認し、新し親分は興味津々に待つことにしたようだ。
退屈はディスコミュージックが紛らわせてくれている。このノリもどこかキマフュっぽいな、とエルは少しだけ感じていた。
それなら――相応しい友軍は彼らだろう。
「『ウイングキャット・マネギ』MAX515体を召喚。マネギ各機に軍事兵器を買い与え、進軍を開始します」
ぽぽぽぽぽん、と溢れ出たのはふわふわの羽根を生やしたデブ猫みたいなドローン・マネギ達だ。
彼らは札束の合間にひしめき合い、エルの指示を待っている。
「うわー可愛い! けどいっぱいおったらちょっと怖いな……」
ころころ動くマネギ達は確かに可愛らしいのだが、それが五百を越えてひしめいていたらちょっと壮観だろう。
しかも彼らは可愛いだけではない。エルの指示に従い、的確に行動を行うことが出来るのだ。
そんなドローン達に無数の武器を買い与えたら……それはもう、凄いことになるだろう。
「まずは銃火器類です。拳銃に機関銃に狙撃銃に散弾銃、全てに高価な光学照準器も導入しましょう」
注文を受け姿を現したのはちょっとした軍隊レベルの銃器類だ。マネギ達はふくふくの手で器用に銃を握り、整備を進めている。
「無反動砲も購入しましょう。迫撃砲も並べた方がいいと判断します」
「……もうこれで十分ちゃう?」
「いいえ、まだです。牽引車に榴弾砲や地対艦誘導弾を搭載するのも良いかと。それから戦車や装甲車も必要です。編隊組ませましょう」
なんだか凄いことになってきた。ひしめき合っていたマネギ達は次々に軍用兵器に乗り込み、的確な隊列を組み上げていくのだ。
「援護は戦闘ヘリに行わせます。最後に……ステルス戦闘爆撃機も購入しましょう」
一通りの注文を終えたエルはどこか満足げだ。
そしてそんな彼女の前には――無数の兵器を携え、全員が親分へと狙いを定めるマネギ達がにゃあにゃあしている。
ぶっちゃけ、怖い。超高性能な兵器を動かしてるのが全部ふくふくの猫だよ。親分も流石にこれには呆然だよ。
「一撃で破壊されるスペックのユニットへ、高価な武装を湯水の如く導入――これは非常にバブリーです」
「せせせせやけど流石にこれはやりすぎちゃうか!?」
「これは貴女の用意した戦場でルールです。ですので……受け入れて下さい」
次の瞬間、凄まじい爆撃が御殿の内部で炸裂した。
親分は星になり、オーダーを完遂したエルとマネギはハイタッチを交わしていく。
今回の兵器運用は次回以降の戦闘にも活かせるだろう。確かな実感を感じつつ、エルは星になった親分を見上げるのだった。
大成功
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朱酉・逢真
心情)金ねェ。俺にゃアよくわからんモンのひとつさ。つまり、ヒトにゃア不可欠で。《過去》にゃアいらんものってこった。…ああ、親分どのにゃアいるかもわからんがね。
行動)美術館出しとくれ。言わずもがなだが、中にガチモンの美術品がたっぷり飾られたままのやつをな。芸術品ってなァ、ひとつで億も兆もいくらしいじゃねェか。そンなが詰まったドデカい建物を、あの親分の真上に出しとくれ。押しつぶそうって腹さ。ああ、植物で拘束しとこうか。国ひとつ買えるっくらいの金使ったンだ、いい攻撃力になるだろ?
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ひらひら舞い踊る紙幣は凄まじいが、使い込んでしまえばあっという間に消えてしまう。
だからこそ、人々はこの光景を泡だと例えたのだろうか。
御殿の光景をぼんやりと見遣りつつ、朱酉・逢真(朱ノ鳥・f16930)もまた新し親分の元へと訪れていた。
「金ねェ」
神である逢真からすれば、よく分からないもの。
ヒトにとっては、必要不可欠なもの。
そして過去には要らないもの。ならばやっぱり、ぱっと使ってしまうのがいいだろうか。
「……ああ、親分どのにゃアいるかもわからんがね」
「ここのお金はある意味流行みたいなもんやしなぁ……。ああ、でも今は必要やな!」
ニカっとした笑みと共に、親分が構えたのは札束入りの大きなカバンだ。
巫山戯た光景に見えるけれど、これが今の彼女にとっての臨戦態勢なのだろう。
「殴られたくなかったら、どんどんお金を使い込まんとアカンで?」
親分の言う通り、戦うためにはお金を使う必要がある。
せっかくなら、楽しいものに使いたい。そう考えた逢真は顎に手を当て、暫し目を伏せて――。
「そうさねェ。それじゃア……美術館出しとくれ。言わずもがなだが、中にガチモンの美術品がたっぷり飾られたままのやつをな」
頭の中に思い浮かべるのは、古今東西の美しいもの達だ。
それらに金銭的な価値をつけることにどのくらい意味があるのか。そんなことも思うけれど、今はその付加価値が何よりも必要なのだ。
「芸術品ってなァ、ひとつで億も兆もいくらしいじゃねェか。そいつをどんどん頼むよゥ」
「わーっ、派手な使い方やな! ええと思うで! ワイちゃんもすっごい絵とか生で見たいわぁ」
きゃっきゃとはしゃぐ親分に向け、逢真が向けたのは緩い笑みだ。
何故なら――親分はこの後起こることに、全く気付いていないのだから。
「国ひとつ買えるっくらいの金使ったンだ、それなら……ほら」
不思議パワーのお陰で逢真の力も大きく強化されていた。
少し意識を向けるだけで、御殿の内部には無数の植物が蔓延り親分の身体を縛り付けていく。
「あっ、これじゃあワイちゃんが美術館に行けないやん!」
「心配は要らないよゥ。なんでかって……美術館、親分の真上に出すからサ」
どすん。無慈悲な重い音が響く。
逢真の要望を受けた美術館が、指定通りの場所に現れたからだ。
あの親分も妖怪達のリーダーなのだから、この程度では死なないだろう。
「……せっかく出したんだし、ちょいと覗いていこうかね」
彼女が復活するまでの間、暫く美術鑑賞と洒落込もうか。舞い踊る紙幣を見ているよりは楽しいだろう。
そんなことを考えつつ、逢真はゆるりと歩を進めた。
大成功
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ベルナデット・デメジエール
お初にお目にかかりますわ、新し親分さん!中々愉快な方でいらっしゃるのね!
ですがゴージャスさならわたくしも自信がありましてよ!
しかし高貴なる者はお金の使い道も高尚でなければなりませんわ
ただ浪費するのは品がありません
ですのでわたくしが買うのは…
大きく、しかも美しくカットされた数多の宝石達!
名匠が手掛けた楽器や家具、それに器などの調度品の山!
高名な芸術家の名画や彫刻の数々!
いずれも物によっては数億は下らない価値ある品々でしてよ!
親分さんを懲らしめるには十分な消費金額ではないかしら!
こうして高めた高貴なマネーパワーの影響で何故か金ピカになったミゼリコルディア・スパーダで引導を渡して差し上げますわー!!
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「ひ、酷い目に遭ったわ……」
猟兵達の攻撃を受け、親分は疲労困憊の様子だ。彼女との戦いもあとひと押しだろう。
そんな親分の前へ堂々と姿を現したのは――吸血鬼、ベルナデット・デメジエール(孤高なる夜の女王(自称)・f28172)だ。
「お初にお目にかかりますわ、新し親分さん! 中々愉快な方でいらっしゃるのね!」
「お、君も妖怪やな! よろしく頼むで! 愉快やけどゴージャス、それがワイちゃんや!」
「ゴージャスさならわたくしも自信がありましてよ! さあ、勝負ですわ!」
和気藹々と、けれど真剣に始まるこの勝負。果たして最後に立つのはどちらだろうか。
「それでは早速何かを購入……といきたいのですけれど、高貴なる者はお金の使い道も高尚でなければなりませんわ」
確かにこの勝負、沢山お金を使った方がパワーアップされるのだ。
けれどただ浪費するのは品がない。そこでベルナデットが取った選択は――。
「わたくしが買うのは……こちらですわ!」
ばばーんとお札を構え、最初にベルナデットが購入したのは美しい宝石類だ。
その全てが大ぶりであり、カットも丁寧かつ美しい。
それらを豪華な宝石箱やケースとセットにしつつ並べれば、まるで星の海の如き光景だ。
「うわー、キラキラや! ええ使い方やなぁ。でもまだあるんやろ?」
「勿論ですわ。次はこちらですの!」
ベルナデットが両腕をばっと掲げれば、辺り一面に姿を現すのは高級品の数々だった。
名だたる名匠が手掛けた楽器や家具、それに器などの調度品。それらを山のように積み上げてみるけれど、一つひとつの物品がきちんと存在感を放っている。
「最後に高名な芸術家の名画や彫刻の数々もお願いしますわ!」
オーダーを受けた瞬間、御殿の内部は美術館へと早変わり。
誰もが知ってる名作に、マイナーだけどこれから価値が上がるであろう作品まで。古今東西の美しい品々が、ベルナデットの周囲を埋め尽くす!
「ひゃあ、圧巻やなぁ……。かんっぜんにお城とかの中におる気分やわ……」
「そうでしょう? いずれも物によっては数億は下らない価値ある品々でしてよ!」
ベルナデットの言葉の通り、どの物品も凄まじい値段を誇っているだろう。
これだけお金を使えば――不思議パワーだって十分に溜まっているはずだ。
「……と、いう訳で。親分さん、懲らしめさせて頂きますわ!」
散々高めたマネーパワーを使い、ベルナデットが発動するのは『ミゼリコルディア・スパーダ』だ。
何故か魔法剣の一本一本がキンキラキンの黄金エネルギーで輝いているが、きっとそういうものなのだろう。
「さあ、引導を渡して差し上げますわー!!」
「ワイちゃんもこれだけのお宝見れて、楽しかったわー!」
放たれた黄金の剣を全て受け止めた親分は、その場にぱたりと倒れ伏す。
見た目からは分からないが、彼女の中からは完全に骸魂の気配が消えていた。
「高貴なる者らしく戦えましたわ! これからも孤高なる夜の女王らしく参りますのよー!」
これにて一件落着だ。
こっそりと安堵の息を吐いてから、ベルナデットは勝利の高笑いを響かせるのだった。
大成功
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