銀河帝国攻略戦⑩~叩き壊すは鉄のカーテン~
遠方に見える宇宙船同士の激しい銃撃戦をよそに、細い宇宙船の群れがスペースデブリを隠れ蓑にエンペラーズマインドへ近づいていく。
「それでは作戦の確認をさせていただきます」
その細い船の中ではプルミエール・ラヴィンスが画面越しに真剣な表情で猟兵達に話しかけていた。
「現在帝国軍の防衛戦力は、皆さんが知っている通り解放軍と衝突しています。その混乱に乗じて、エンペラーズマインドに潜入してください」
突然画面が二分割され、スペースシップワールドの資料室の片隅に放置されていたというエンペラーズマインドの内部映像が表示される。
「映像の通りエンペラーズマインド内部には数百以上の巨大隔壁があり、コアを厳重に守護しています。現状、どれがコアに通じる道であるかは判明していません。……一般に見せるための映像だったので、機密情報につながる場所は写せなかったのでしょう」
ラヴィンスがそう語る横で、職員と見られる男は自信満々に隔壁を叩いて、その硬さをアピールしている。
すると場面が突如変わって、複数のクローン兵士がガトリング銃を一斉に隔壁にぶちこむ様子が流された。
ワイプの中でリアクションをするレポーターと字幕と火薬による煙が消えた後画面に映ったのは、傷一つついてない隔壁の姿だった。
「皆様は秘密裏に突入した後、要塞内を巡回する警備兵の目を盗み、出来るだけ重要そうな巨大隔壁の破壊を行ってください。警備兵に発見されずに要塞の奥まで移動できれば、より重要な隔壁を破壊する事が出来るかもしれません。ただ、それがブラフで重要なものが比較的浅いところにある可能性も十分に存在します。そこらへんを加味しつつ……と言いますが、簡単な話です。とにかく目に付いたもの全部ぶっ壊してきてください。見つかっても私が責任を取って皆さんをグリモアベースに帰還させますので」
ラヴィンスはそう笑顔で呼びかけると、再びエンペラーズマインドの隔壁の前でレポーターに向かって喜色満面で話を続ける職員の話へ戻ってきた映像を消した。
「先ほどの映像の通り、隔壁はかなりの硬さを誇っているようですが……私達にはそれを食い破る力がありますから」
平岡祐樹
はじめましての方ははじめまして、平岡と申します。
このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
1フラグメントで完結し、「銀河帝国攻略戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
ユーベルコードをぶっ放すド派手なシナリオの予定です。警備兵ごとぶっ飛ばす豪快なプレイングにするか、スパイのように影で暗躍して隔壁を一つ一つ壊していくプレイングにするかは猟兵の皆様次第です。
さぁ、潜入作戦スタートです!
第1章 冒険
『⑩エンペラーズマインド突入戦』
|
POW : 密かに潜入し、POWのユーベルコードで巨大隔壁を攻撃する
SPD : 密かに潜入し、SPDのユーベルコードで巨大隔壁を攻撃する
WIZ : 密かに潜入し、WIZのユーベルコードで巨大隔壁を攻撃する
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴
|
フィロメーラ・アステール
潜入だと、あたしの応援の出番はなさそうな……いや、待てよ?!
「あまり暴れるのは得意じゃないんだけどなー、やるしかないか!」
無害な小隕石を装った【迷彩】によって内部に潜入!
【第六感】がビビっと来る方に向かって移動!
そして内部で【スーパー流れ星キック】を発動だ!
通路の中に最高速の隕石が突っ込んでくることなんて、たぶん想定してないだろ!
コイツでとりあえず隔壁を攻撃するぜ!
その勢いで空中【スライディング】しつつ【残像】のスピードで移動!
【空中戦】テクニックを駆使して警備兵を引っ掻き回すぞ!
長く頑張れば、他の仲間が動きやすくなるはずだぜ! 【気合い】入れるぞー!
このドタバタでみんなを【鼓舞】だー!
「隊長、ご報告が」
「なんだ」
「2時の方向より小型の隕石が一つこちらに向かって飛んできております」
「……いつも通り打ち落とせばいいだろう」
「それが……避けるんです」
「何?」
「まるで意思があるように我々が撃った光線をギリギリで避けていくんです。……着弾位置の予測はすでに行っております」
「……一兵団の移動を許可する。すぐに向かえ」
「了解いたしました」
ーーーーー
「無害な小隕石にも光線撃ってくるなんて聞いてないよー!」
出鼻をくじかれたフィロメーラ・アステール(SSR妖精:流れ星フィロ・f07828)は侵入したそばから待ち構えていた兵士団の猛攻にあっていた。
「侵入者一名がC-2259をD区画方面へ逃走中! 至急応援を求む!」
いくら宇宙速度に達する超加速で動いていても進行方向を覆い尽くすように飛んでくる光線には意味がない。
しかも同士討ちも厭わない攻撃により、敵を壁にして脅すこともできない。
そうなれば向かう方向は一つしかなかった。
『スーパー! 流れ星!! キーーーック!!!』
光線の間を縫うようにしてフィロメーラは偶然横にあった隔壁を突き破る。
予想外の方向からの一撃に隔壁向こうの通路を移動していた兵士達は成すすべもなく吹き飛ばされた。
「だーもー! こうなったらもうとにかく引っ掻き回してやるー!」
フィロメーラが蹴り開けた穴から兵士たちが光線を乱射しながらわらわらと追いかけてくる。フィロメーラは絶叫しながら通路の壁を飛び移りながら兵士の気配がない方へ走り出した。
苦戦
🔵🔴🔴
「ぶっ壊すならまかせろー」
そうのんびりとした口調でいったペトニアロトゥシカ・ンゴゥワストード(蛮族キマイラ・f07620)は隔壁の横にある金属の板の隙間に爪をもぐらせると豪快にそれを引っぺがした。
金属の板の奥には何やら面倒くさそうな基盤や配線がごちゃごちゃと詰め込まれていた。もし機械オタクが見ればよだれを垂らすであろう代物だったのだが……同行する二人は残念ながら違った。
「片っ端からぶっ壊す!! フルバースト・マキシマム!!」
「ヒャハハハハ!!発射ぁ!!」
ロート・カニーンヒェン(グリーディー・ファントム・f00141)とシェイド・レーム(ナイトハンター・f13612)の全力の一撃によってそれらの機械は全部粉々に吹き飛び、近隣に点っていた光は失われた。
「隔壁をいくら頑丈に作っても、それを支えてるのは普通の壁だからねー。そこを一枚丸ごと剥がしちゃえば、隔壁の強度は関係なく破壊できるって訳」
ぺトが圧倒的な火力に辛うじて耐えていた奥の金属の板を蹴破ると隔壁の向こう側の通路へたどり着く。
向こう側の通路の電源も落ちており、そこに偶然出くわした兵士達は慌てた様子でそれぞれ自分のヘルメットに内蔵されていた暗視装置を起動させていた。
「はい、ダメー」
隔壁すらも軽々剥ぎ取ったぺトの爪が兵士を宇宙服ごと真っ二つにする。
金属の板が倒れた時の音と兵士の断末魔に一斉に兵士達が振り向き、武器を構えるがその背後を青白い炎をまとった何かが切りかかった。
「隔壁相手じゃ刃が欠けちまうが、てめえら相手なら十分だなぁ!」
「こちらにも敵がいることをお忘れなく!」
シェイドが勝ち誇りながら呼び出した死霊騎士に命令を下す横を通り抜け、ロートがサイコパワーをまとわせた拳で死霊騎士に対応しようとした兵士の顔面を片っ端からぶん殴る。
「さて、おかわりが来る前に準備だけでもしておきますかー」
本拠地で挟み撃ちにあい、一方的かつ通信する暇もなくボコボコにされた兵士達を尻目にぺトは次の標的に爪を立てた。
ロート・カニーンヒェン
「片っ端からぶっ壊す!!」(POW)隠れるのは苦手だけど、壊すのは分かりやすくて良い!怪しいと思った壁を片っ端からフルバースト・マキシマムで破壊するよ。ひとつでも多く、後続のみんなの為にも全力で挑むよ!(アドリブ歓迎です)
ペトニアロトゥシカ・ンゴゥワストード
アドリブ・連携歓迎
ぶっ壊すならまかせろー。
断裂剥撃で力任せにバリバリと隔壁を掴んで周りの壁から引き剥がしてくよ。
真面目なこと言うと、隔壁をいくら頑丈に作っても、それを支えてるのは普通の壁だからね。隔壁を一枚丸ごと剥がしちゃえば、隔壁の強度は関係なく破壊できるって訳さ。
それに、こういう目立つやり方で敵の目を引き付ければ、他の猟兵が奥に潜入しやすくなるだろうしね。
それじゃあ、派手に暴れるとしようか。
シェイド・レーム
さて、どうしたもんかね。俺様の死霊騎士じゃ刃が欠けちまうなありゃ。バッタリ警備に見つかっちゃ召喚する暇もねぇ…となると、こいつだ!死霊ミサイル!!てめーら銀河帝国兵のカラクリ銃にもひけをとらねぇ凶悪なヤツだぜ、ヒャハハハハ!!発射ぁ!!
【第六感】を働かせながら攻撃力を最大まで重視した【死霊ミサイル】で怪しい場所をしこたま爆撃してやるぜ!
これだけド派手に撃ち込めば俺様はすぐ警備に見つかってハチの巣にされちまう…おいっ!グリモア猟兵!さっさと俺様を帰還させろ!!これ以上は陽動どころじゃねえ!!
「ぶっ壊すならまかせろー」
そうのんびりとした口調でいったペトニアロトゥシカ・ンゴゥワストード(蛮族キマイラ・f07620)は隔壁の横にある金属の板の隙間に爪をもぐらせると豪快にそれを引っぺがした。
金属の板の奥には何やら面倒くさそうな基盤や配線がごちゃごちゃと詰め込まれていた。もし機械オタクが見ればよだれを垂らすであろう代物だったのだが……同行する二人は残念ながら違った。
「片っ端からぶっ壊す!! フルバースト・マキシマム!!」
「ヒャハハハハ!!発射ぁ!!」
ロート・カニーンヒェン(グリーディー・ファントム・f00141)とシェイド・レーム(ナイトハンター・f13612)の全力の一撃によってそれらの機械は全部粉々に吹き飛び、近隣に点っていた光は失われた。
「隔壁をいくら頑丈に作っても、それを支えてるのは普通の壁だからねー。そこを一枚丸ごと剥がしちゃえば、隔壁の強度は関係なく破壊できるって訳」
ぺトが圧倒的な火力に辛うじて耐えていた奥の金属の板を蹴破ると隔壁の向こう側の通路へたどり着く。
向こう側の通路の電源も落ちており、そこに偶然出くわした兵士達は慌てた様子でそれぞれ自分のヘルメットに内蔵されていた暗視装置を起動させていた。
「はい、ダメー」
隔壁すらも軽々剥ぎ取ったぺトの爪が兵士を宇宙服ごと真っ二つにする。
金属の板が倒れた時の音と兵士の断末魔に一斉に兵士達が振り向き、武器を構えるがその背後を青白い炎をまとった何かが切りかかった。
「隔壁相手じゃ刃が欠けちまうが、てめえら相手なら十分だなぁ!」
「こちらにも敵がいることをお忘れなく!」
シェイドが勝ち誇りながら呼び出した死霊騎士に命令を下す横を通り抜け、ロートがサイコパワーをまとわせた拳で死霊騎士に対応しようとした兵士の顔面を片っ端からぶん殴る。
「さて、おかわりが来る前に準備だけでもしておきますかー」
本拠地で挟み撃ちにあい、一方的かつ通信する暇もなくボコボコにされた兵士達を尻目にぺトは次の標的に爪を立てた。
「おい、大丈夫か!」
その時、自分たちの後ろから増援がわらわらとやってきてしまった。どうやら初撃に気付いた兵士たちが集まってきたらしい。
「……おいっ!グリモア猟兵!さっさと俺様を帰還させろ!!これ以上は陽動どころじゃねえ!!」
その声にシェイドは焦った様子で通信機に呼びかける。
しかし反応はない。どうやら「まだやれるでしょ」と見られているようだ。
「シェイドさん、やつらが来る前にこっちを打ち破りましょう!」
「壁は引っ剥がしたよー」
真っ暗な通路の中、二人の声がする方と壁にあいた大穴を交互に見たシェイドは苛立ったように呻いた。
「ああもうわかったよ! 死霊騎士、その穴からやってくるやつを全員通すな!」
シェイドの声に従い、死霊騎士が穴の中へもぐる。その瞬間に大量の光線が中から飛んできた。
穴の中で蜂の巣になっているであろう死霊騎士が自分になってしまわないことを祈りつつ、シェイドはミサイルを呼び出した。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
ゼイル・パックルード
隠密とかしたことねぇから悩んでたけど、手当たり次第やっていいなら手伝えそうでありがたい。
一応警備兵を【追跡】できたら、重要っぽいところ行かないか確認するか。でも隠密とか得意じゃないし無理そうなら破壊に回る。後ろ向かれる動作とかはちゃんと【見切り】できるように。
まぁそういうの得意そうなヤツに着いていくでもいいか。
隔壁を壊すのは【怪力】で!【力溜め】した【烈破灼光撃】かね、動かない物相手なら気兼ねなく打ち込めるしどんどん破っていく。
爆薬とかとどっちが強いか試したかったしいい機会だぜ。
拳を痛めようとも、こんな楽しいパーティーで手を抜くなんてごめんだぜ。
「みんな大暴れしてるようだな」
連絡を受けて現場へと急行する警備兵の後姿を見ながらゼイル・パックルード(火裂・f02162)は足を止めた。
先ほどから重要区画の防護へ回る警備兵がいないかどうかこっそり後をつけていたのだが、途中で連絡が入って別の方向へ行ってしまうか振り返ってバレてしまうかの二択になってしまっていた。
「しょうがねぇ。こうなったら俺も適当にぶん殴るとしますかね」
ゼイルは肩を軽く回すと目の前にある隔壁の前で構えた。
「『一足先に地獄を味わいな!』烈破灼光撃!」
どす黒い炎をまとった拳を思いっきり振りぬかれ、重い音が辺りに響き渡る。
手を離した隔壁には熱により赤く変色した拳の痕がくっきりと残っていた。
「とりあえず、あの兵士が使ってる銃よりは上ってことでいいよな……」
手に残る鈍い痛みに顔をしかめながらもゼイルの視線はそこから少しも離れない。
「こんな楽しいパーティーで手を抜くなんてごめんだぜ」
そして再び構えを取る。
「さぁ……あと何発耐えてくれるかな?」
成功
🔵🔵🔴
リリスフィア・スターライト
他の人達との絡みやアドリブはOKだよ。
こっそりと近づいて壁を破壊すればいいんだね。
全力で力を振るういい機会かな。
事前にハッキングや周辺を索敵して重要そうな障壁を調査するよ。
障壁が集まっている宙域が怪しいかな。
目ぼしい障壁を発見するかこれ以上は帝国側に見つかりそうな
状況であるなら攻撃を優先だね。
天体破局で極大の火球を呼び出して衝撃でぶつけるよ。
今回は周囲の被害を気にしなくてもいいから多少暴走してでも
全力で攻撃することを優先だね。
「木を隠すにはと言うけれど、やってみないとかな」
「今、どこまで力を出せるか思いきりぶつけるよ!」
ルビィ・リオネッタ
相棒にして恋人の六道紫音(f01807)と潜入してみるわ
・移動
「潜入といえばアタシの出番ね♪ついてきて、シオン」
小さな体を生かし【目立たない】ように【聞き耳】を立て進むわ
【視力】も使って敵をいち早く発見したら【先制攻撃】からの【早業・暗殺】
声を立てられないよう危険があれば『精霊の抱擁』で口を塞いでからにするわ
壊す壁はシオンの運を信じて、他の猟兵と分担して回ろうかな
・破壊
シオンに壁にヒビを入れて貰ったら、強酸の【属性攻撃】で『精霊の抱擁』
壁をボロボロに腐食させてシオンの攻撃で崩しやすくするわ
途中で敵兵が来るようなら【ダッシュ】からの【早業・マヒ攻撃】で黙らせるわね
「せーの!どんどん壊しましょ♪」
六道・紫音
相棒にして恋人のルビィ(f01944)と潜入
「分かった。ルビィの得意分野だな、先導は任せる」
・移動
ルビィの手助けとしては俺は『第六感』を駆使して気配探知、巡回兵の気配を探って随時ルビィに伝えよう。
壊す壁は他の猟兵と分担してあたる。
・破壊
まずは俺が『怪力』を用い『鎧無視効果』のある高打撃力の大上段からの振り下ろしを壁に見舞いヒビを入れる。
ルビィがそこを更にぼろぼろにしたら、『怪力』で膂力を増し『見切り』と『鎧無視効果』で脆い部分を見極め『捨て身の一撃』で放つ【伍之太刀《氷牙》】で腐食した部分を狙い破壊する。
途中で邪魔が入るなら先に撫で斬るまでの事。
「この程度の壁、崩すは容易い!」
※アドリブ歓迎
どっかんばっこんととんでもない轟音が辺りに響く中、リリスフィア・スターライト(多重人格者のマジックナイト・f02074)とルビィ・リオネッタ(小さな暗殺蝶・f01944)、六道・紫音(剣聖・f01807)は兵士と交戦することなく通路を進んでいた。
「さっきハッキングした情報によるとこの区画に隔壁が集中しているようなんです」
リリスフィアが操作する端末に表示された3Dの地図が表示されていた。侵入前にハッキングした防犯カメラの情報から簡単な地図を作り出したそうだ。
「そのわりには人の姿が無いが……」
「きっとド派手にやっている子達の対処に追われてるんでしょ? アタシ達はアタシ達の仕事をする、それで十分よ」
「あ、ここがその入り口です」
リリスフィアが立ち止まった先には道中でみた隔壁より一回り大きな物が聳え立っていた。
「……重要な区画としてはあからさま過ぎない?」
「木を隠すには~とは言うけれど……やってみないとかな」
胡散臭げな視線を送るルビィにリリスフィアは苦笑いを浮かべながら首をかしげる。
「ルビィ、もしはずれだとしても俺達が先に壊しておけば後から来る者たちがここに時間を割く必要がなくなる。たとえ罠だとしてもな」
そう言って紫音は大上段に刀を構えると思いっきり振り落とした。普通の刀であれば簡単に跳ね返されるだけでなく折れてしまっただろうが、まとわり付いた気により威力が上がった宝刀《皇月》は全く刃こぼれせずにヒビを刻んだ。
「むぅ……そこまで簡単にはいかないか」
「大丈夫、これだけ傷ついてれば劣化も早まるわ」
眉をひそめる紫音の肩を叩いてルビィが前に出る。すると先ほど入ったヒビがだんだん黒く変色し始めた。
「紫音、もう一発お願い」
「心得た」
先ほどとは違う構え方をされた宝刀《皇月》にこれまでとは違う青い気がまとわりつき、リリスフィアは思わず身を震わせる。
「伍之太刀《氷牙》!」
そして叩き込まれた瞬間、隔壁全体に霜が走り、がらがらと音をたてて崩れ落ちた。
「さすが紫音! さぁ、次に」
「いや、そう簡単にはいかないらしい」
隔壁の隙間の暗闇から赤い光が何十、何百と灯る。隔壁が地響きを立てて開かれると同時に大量のウォーマシンが三人へと襲い掛かってきた。
「ふん。この程度の壁、崩すは容易い!」
紫音がルビィをかばうように一歩前に出る。しかしそのさらに前に出る姿があった。
「今、どこまで力を出せるか思いきりぶつけるよ!『唸れ雷光、轟け嵐、渦に飲まれ、全てを灰燼に帰せ!』」
リリスフィアの前に特大の火球が発生する。その熱気にルビィは悲鳴をあげ、紫音はその体を守るように抱きしめた。
「天体破局!」
打ち出された火球はウォーマシンごと奥にある隔壁を焼き尽くす。そして特大の爆発まで引き起こした。
しかしその時には三人の体はエンペラーズマインドから遠く離れたグリモアベースにあった。
その周りには走りつかれて疲労困憊になった他の猟兵達が寝転がり、画面には各地から炎や煙を噴き上げるエンペラーズマインドが映し出されていた。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴