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大祓百鬼夜行⑨〜君の脳内かぐや姫とキャッキャウフフ

#カクリヨファンタズム #大祓百鬼夜行 #プレイングしめきり済み


●ライトアップ竹林
 カクヨリファンタズムの竹林は夜になるとさながら商業主義のライトアップの如く輝く。此度の百鬼夜行の影響か、あちこちの竹の節より見目麗しいかぐや姫達がきらりふわり次々に顕現する。
 スポットライトを浴びて絢爛豪華な姫達の響演は、見る物を魅了せずにはいられ――。
「フッ、この紫に輝く上腕二頭筋を見よ!」
 この世で己の筋肉が一番美しいならば、そんなことはない。
 スポットライトを独占するのはこの我の筋肉、だ!
「そんな珍妙なる筋肉は知りませんわ」
「貢ぎ物を命じるまでもないですね」
 しかしかぐや姫もまた勝手に言い散らかしている。
「ぬ。この紐の痕もつかぬさらさらの黒髪を見てもそんなことが言えるのか」
 さららーん♪
 竹林ライトの光を浴びて、紫筋肉の濡れ鴉色の髪が翻る。
「ああ、見目麗しい殿方はいらっしゃらないの?」
「貢ぎ物は星の欠片を模した砂がいいわ、南国にあるそうよ」
 かぐや姫たち聞いてない。
「怒り心頭なり!!! ああ、この熱が頭頂から髪へと伝わり、鍛え上げられて輝きを増すのだ!」
 それは筋肉だ、痛めつけたら髪はぼさぼさになるだけだ。
 そんなツッコミすら誰もしてくれないので、寂しくなった紫筋肉は謎めく力をかぐや姫へと放った。
 まずいぞ! かぐや姫軍団が操られてしまった!
「さぁ! 我を見よ!」
 操られてるので見るだけは見るかぐや姫。
 それで満足な『我』さん。
 あ、なんだこのショウは、誰得なんだよ?!

 元々は忘れ去られた悪の組織ワルイゾーの大総統であった彼、自分の名前も忘れちゃったので『我』と呼称。
 ただでさえ組織の知名度は0だったのに、今は彼自身も忘れているのだからマイナス振り切れているのだ。
 それはそれとして、周囲でわきゃわきゃするかぐや姫集団も戦闘力があるので放置するとめんどい。
 求む:猟兵!

●どうしてこうなった
 竹林スポットライトの下で黒髪を振り乱し舞い狂う紫筋肉のオッサン、周囲では煌びやかなかぐや姫達――皆が美を競い合う地獄絵図。
 そんな画面を背に、レテ・ラピエサージュ(忘却ノスタルジア・f18606)はいつものように朗らかな笑顔である。
「来て下さりありがとうございます! 今回はカクヨリファンタズムでのミッションをご案内させていただきます」
 多分、ここまでトンチキだとMMOのネタイベントっぽいから、却って案内しやすいのかもしれない。
 ぱぱぱ、と、レテの白い手袋が宙を舞い、沢山のかぐや姫が映し出された。
 既視感を抱く人もいるかもしれない、ギャルゲーのスタートで攻略する女の子を決める画面だ。
「竹林でかぐや姫の群れがオブリビオンに操られて攻撃してきます。この事件はかぐや姫を攻略することで解決できます」
 かぐや姫は色々な性格がいるので、自分が攻略しやすそうな娘を選べばいい。いっぱいいるからあなたのハートに刺さるタイプもきっといる。
「かぐや姫を操っている紫筋肉の『我』さんですが、ご自身にしか興味がありません。ですので、操ってギャラリーにしているかぐや姫がいなくなったらガッカリして倒れます」
 よわっ。
 かぐや姫の画面を両手で集めて閉じると、紫筋肉をスワイプしてドアップにする。そうしてつつーっとみんなの方へと画面を差し出した。
 気持ち悪いけど嫌がらせではない、説明のためなのだ。
「『我』さんの攻撃は猟兵のみなさんにはダメージを与えられません。また物によっては全ての攻撃を無効化してしまうので、放置が一番効率的な攻略方法です」
 巨大な画面の横からひょこっと顔を出し、レテはしめくくる。
「以上でこのミッションは攻略完了です。それではクリア頑張って下さい!」
 手のひらに浮かべた蒼鍵をつまむと“かしゃん”とまわし、戦場への扉をひらくのである。


一縷野望
 オープニングをご覧頂きありがとうございます、一縷野です
 公開時点より受付を開始しております
 なお、戦争シナリオですので速度重視です。いつもよりかなり文字数が控えめですのでご了承ください

●補足情報
カクリヨファンタズムのオブリビオンは「骸魂が妖怪を飲み込んで変身したもの」です。飲み込まれた妖怪は、オブリビオンを倒せば救出できます

●プレイングボーナス
 これに基づく行動をすると有利になる事をオープニングでお客様に説明し、実際にプレイングボーナスを与えてください
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プレイングボーナス……かぐや姫の大群に対処する
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●どうすればいいの?
>かぐや姫
 プレイングであなたの戦いたいかぐや姫を『ひとり』設定してください

必須:『性格』と『欲しがる物』
指定orお任せ:攻撃方法、口調、外見、他

 奴等はかぐや姫ですのでワガママ。無理難題をぶつけつつ攻撃もしてきます
 撃破方法は物理・口車どちらでもOKです

>ボス『神の上の髪』
 自己陶酔してポージングしているだけですので放置でもOKです
 彼との戦闘プレイングがあれば戦闘描写を入れますが、その場合かぐや姫パートの描写を減らして文字数のバランスをとります

●採用人数
 短期完結を目指すため採用は少人数となります
「かぐや姫の設定記載がない」「プレイング文字数自体が少ない」方は流れやすいと思います、ご了承ください  
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第1章 ボス戦 『神の上の髪』

POW   :    超絶美髪観覧・健全な髪は健全な肉体に生える
全身を【美しく見せるポーズへ次々】に変える。あらゆる攻撃に対しほぼ無敵になるが、自身は全く動けない。
SPD   :    超絶美髪発現・髪は髪の上に髪をつくらず
【頭髪あるいは頭皮】から、対象の【願いを勝手に変えて、キレイになりたい】という願いを叶える【キューティクルヘアー】を創造する。[キューティクルヘアー]をうまく使わないと願いは叶わない。
WIZ   :    超絶美髪育成・大好きな髪に情熱の全てを注ぎなさい
妖怪【おとろし】の描かれたメダルを対象に貼り付けている間、対象に【髪を見せびらかしたくなる、髪を注目される】効果を与え続ける。

イラスト:FMI

👑11
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泡沫・うらら
あら、恋のお相手は殿方だけとは限らへんのよ?
後ろの方で小さくなっていらっしゃる貴女

ええ、そう、濡れ羽の黒髪をおさげにして
眼鏡をかけていらっしゃるそう、貴女よ

うちはうらら
貴女のお名前は?
――さん
ふふ、素敵なお名前ね

そんなに褒めてくれはって嬉しいわぁ
せやけどね、ほら
眼鏡を外した先に在る貴女の眸もとても綺麗
複雑な模様を描く黒曜石の様

お世辞やあらへんよ
証拠に貴女が望む通り
貴女を、綺麗と言わしめてみせましょう

そばかすはコンシーラーで隠し
小さなお口に似合うはルビーピンクのグロス
揃いを瞼に
目尻に赤引いて

髪に艶を足し真っ直ぐ流せば――ほら
素敵なお姫様の出来上がり

鏡をご覧になって
今この場で一番美しいのは、貴女よ




 かしましい騒ぎの中を泡沫・うらら(混泡エトランゼ・f11361)は一際太い竹へと歩を進める。
「……あの」
 竹の影に隠れる娘はパサパサ髪のおさげを揺らして下を向く。何か続けているようだが聞こえない。
 漸く拾えた「私が恋なんて……」という台詞にうららは口元を隠す手を取った。現れるのはそばかすに赤面な田舎娘。眼鏡越しの瞳は前髪で被って見えない。
「あら、恋のお相手は殿方だけとは限らへんのよ? うちはうらら。貴女のお名前は?」
「姫希……です」
「姫希さん。ふふ、素敵なお名前ね」
「姫っていやなんです、名前負けしてて……うららさんみたいに綺麗ならいいけれど……」
「そんなに褒めてくれはって嬉しいわぁ」
 手を合わせ屈託なくはしゃぐと愛らしくなる。美人で感情豊かで親しみやすい……と褒め言葉は続いた。
「おおきに。姫希さんは素敵やよ。うちのこと、こんな嬉しい気持ちにしてくれはる。心の綺麗さが眸に現れてるよ」
 そっと眼鏡の蔓に触れて外す。きょとんと見つめ返す眼はまるで黒曜石、片時も同じではない複雑な煌めきを見せる。
「……そんな、お世辞。私なんて、汚いそばかす」
「お世辞やあらへんよ。うん、そばかすも可愛いと思うんやけどな」
 でも今のお望みは違うよう。娘が見据える先の煌びやかなかぐや姫達と、鏡で見慣れた自分の容を浮かべ、うららはコスメのケースを開いた。
「……! すごい、宝石みたい」
「好きなお色ある?」
 おずおずと指さすルビーピンクのグロスにうららはにぃっと口元に弧を描く。
「うん、よかった。うちもこれが姫希さんに一番似合うと思て。さぁ、持っててな」
 手鏡を持たせると、うららはお化粧開始。
 ベースを作りそばかすはコンシーラーで隠す。白粉叩けばパッと輝く容、姫希は瞳をまぁるく見開いた。
「おめめも唇にあわせよ」
 グロスとお揃いの色を瞼にのせてほんわり、でも目尻は赤で引き締める。解いた髪はつや出しの椿油を塗してほぐせば、みつあみ由来のウェーブが引き立ち華やかさを増した。
「こ……これ…………だれ、え??」
 びっくり仰天の頬をそっと支え持つと、うららは「よくご覧になって」と囁きおとす。
 桜梅桃李、季節に咲く花全てを従えて黒曜の瞳を瞬かせる、控えめな表情がまた麗しい――。
「今この場で一番美しいのは、貴女よ」
 ずっと蹲っていた姫希は立ち上がると、うららの手を取った。
「うららさん、私が一番欲しかったものをくださって、ありがとう」
 お化粧は女の子に勇気をくれる。もう竹に隠れて自分を卑下する娘はいない。
「いいえ。うちこそありがとうね」
 花咲く笑顔がなによりの贈り物!

大成功 🔵​🔵​🔵​

琴平・琴子
控えめなかぐや姫様、何をご所望で?
浪漫溢れるお話?構いませんよ

そうですね…内緒なんですけど、私実は王子様でして
女の子なのに王子様、って変だと思います?
実は私の双子のお兄様のフリをしているんです
病弱なお兄様のフリをして、王子は健在ですって振舞っているの

お姫様の恰好がしたくないのか、ですって?
それはまあしたいですけども…
偶にお姫様の恰好をしていたら、私の本当の運命の相手に出会えるかもしれないじゃないですか
ねえ、かぐや姫様
貴女が私の運命の相手?
見つめて手を繋いでみたりして
(まあ全部嘘なのですけども)

かぐや姫様、白いお顔が赤いですけどもお熱でも?
もっとお顔をよく見せて?
あら、倒れちゃいました…




 かしましいかぐや姫達が「如何に高価で手に入れるのに苦労するもの」をねだるかで競い合っている。
「……浪漫がないわね」
 その輪から外れる姫は凜とした声に呼びとめられる。
「ごきげんよう、控えめなかぐや姫様、何をご所望で?」
 ふんわりとしたおかっぱを揺らして首を傾ける琴平・琴子(まえむきのあし・f27172)に、先程のぼやきを聞かれなかったかと焦る。
「あなたも姫なの?」
「いいえ、私実は王子様でして」
 内緒ですよ? と人差し指をたててしーっと示した後で、そっとかぐや姫の手を結ぶ。
「女の子なのに王子様、って変だと思います?」
「ええ。あなたはこんなにも愛らしいのに、どうして?」
「実は……」
 琴子は自分の髪を後ろで束ねて唇を切り結ぶ、なんて精一杯に男の子のフリをしてみせてから続けた。
「私の双子のお兄様のフリをしているんです」
「まぁ! お兄様は今どこに?」
「病気で臥せっています」
 本当か嘘かかぐや姫は知る術もない。
 ただ、琴子の心にはあの世界で助けてくれた『王子様』がいる。例え己が傷つこうが、弱き人へとためらわずに手を差し出すのは、あの人のようになりたいという憧れと矜持の現れ。
 だから今も背筋を伸ばして大人びた声でかぐや姫へと浪漫を紐解き語れるのだ。
「病弱なお兄様のフリをして、王子は健在ですって振舞っているの」
「なんてお強いのかしら! でも、あなたは綺麗に着飾ってお姫様のように殿方に大切に扱われたくはないの?」
 率直な問いかけに琴子は微笑んだ。それは困ったようにもはにかんだようにも見える複雑な彩。
「それはまあしたいですけども……」
「まぁ、無理は良くなくてよ?」
「偶だからいいんですよ」
 ふふっと口元に蠱惑を刻み、少女はかぐや姫の好奇の瞳を翡翠で絡め取る。
「偶にお姫様の恰好をしていたら、私の本当の運命の相手に出会えるかもしれないじゃないですか」
 ねえ、と手を取った。
 小さな悲鳴、でも嫌がってはいない。むしろ預けるように収まる白魚の指を琴子はつんとなぞりあげ、
「かぐや姫様、貴女が私の運命の相手?」
 指と指を交差させ離れられないようにして、琴子は自信に充ちた表情で目の前の乙女を愛で支配する。
 カァッと林檎のように熟れた頬を、かぐや姫は慌てて袖で隠した。
「かぐや姫様、白いお顔が赤いですけどもお熱でも?」
「……し、知りませんわ!」
 運命だなんてと囁き声と同時に、琴子とつながる指に力が込められる。もはやすっかり琴子のトリコ。
「もっとお顔をよく見せて?」
 鼻先が触れあう距離まで近付いたなら、突如姫の全身から力が抜けた。
「あら、倒れちゃいました……」
 どうやら嘘が……いいや、贈り物の『浪漫』が過ぎた模様。満足げにかぐや姫はほうっと溜息をつくのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

琶咲・真琴
かぐや姫の性格:明るくお喋り・食いしん坊
欲しがる物:クレープとかパンケーキとか洋食系料理
その他諸々はお任せ致します


えーっと……
うん

お祖母ちゃん、ご飯食べてくれそうな食いしん坊なかぐや姫さんを探そうっか
(今回のボスに何とも言えなくなった小学3年生

お祖父ちゃんも手伝ってー(索敵・偵察など

目当てのかぐや姫発見後は
戦場の一角を借りて食事会を開きます

ボクは主に火を使わない方の味付けなどの仕込み作業が中心
火を使う時はお祖母ちゃんにお願いしてやってもらう

包丁は最近、使い方習ったばかりだから
不器用だけど

でも、真心を込めてやりました

美味しいでしょうか?

他のかぐや姫達も
よかったら、食べてくださいね

アドリブ
連携歓迎




 竹林の輝きを浴びて、青紫の肉体がしなやかにポージングする様は、さながら暗黒舞踏。
「えーっと……」
 片翼の少年少女の人形を抱えた琶咲・真琴(1つの真実に惑う継承者・f08611)は、ためた後にこくんと頷いた。
「うん」
 見なかったことにしよう。そうだね、これは小学3年生が見てはいけないものだ。
「お祖母ちゃん、ご飯食べてくれそうな食いしん坊なかぐや姫さんを探そうっか」
 枯れ葉の上におろした女の子の人形がこくり頷くと絢爛豪華な乙女の間を歩き出す。
「お祖父ちゃんも手伝ってー」
 とことこキョロキョロと歩き出した男の子人形を見送って、真琴は竹林の一角にゴザを敷いた。せっせと簡易かまどを準備したら、次は野菜を切る。
「ええっと……包丁を使う時は、抑える方はにゃんこの手」
 きゅっと指をしまって皮を剥いた馬鈴薯をことんことんと切っていく。
 その音を聞きつけたか、お祖母ちゃんがとことこと帰ってきた。火は危ないから孫にははやい。器用に火種を作り簡易かまどに火を入れる。
 そうこうしていると、ふくよかなお顔の娘を連れてお祖父ちゃんが帰ってきた。
「みんな霞を食べてますって顔して、反物や珍品の話ばっかりなんだもの~」
「あ、こんにちは。えっと、ご飯を作ってます。美味しいものはいいですよね」
 竹の皮に鱈とキノコをつつむ真琴に、かぐや姫はうんうんと大きく頷いた。
「そうよそうよ~、美味しいご飯がなきゃ始まらないわ~。珍品をお金に換えて食べ物を買ってなんて待ちきれないわよ~」
 竹の皮の中に醤油を垂らして蒸し焼き。野菜は鍋に入れて豚汁に……美味しそうな湯気にかぐや姫のお腹がぐぅと鳴る。
「あははは~」
 お腹を叩いて闊達に笑うかぐや姫につられて真琴も吹き出した。
「ボクもお腹が空いてます。でもまずはかぐや姫さんに食べて貰いたいんです」
 決して手際がいい訳ではないが一所懸命、そんな真琴にかぐや姫はほだされる。
 お祖父ちゃんがあつらえたふかふか座布団の特等席に座ったら、素朴なご飯が並べられた。
「真心込めてやりました、どうぞ召し上がれ」
「いただきます~!」
 手を合わせて言ったが最後、まずは豚汁を一口。二口……あ、食べ切っちゃった。
「美味しいでしょうか?」
「うふふ~」
 おかわりと差し出すお椀。手元ではお祖母ちゃんが竹皮を破いて鱈とキノコの準備OK。
「ふふふ、至れり尽くせりね~。あなたもこっち、一緒に食べましょうよ。好きな人と食べるご飯が一番なのよ~」
 おにぎりをほおばるかぐや姫は一言ぽろり。
「あーーーおいしい~! もう月になんて帰りたくない~!」
 つまり攻略成功ってことですね。
 ちょこんと真琴も隣に座って鱈をもぐもぐ、美味しくできました♪
 臭いにつられてやってきたお姉様方も「よかったら、食べてくださいね。まだまだありますよ」と誘い込む。
 美味しいは、正義。

大成功 🔵​🔵​🔵​

涼風・穹
【かぐや姫(?)】
『サディスト』で「のじゃ」とかいいそうなゴスロリ服のロリBBAな吸血鬼
欲しがるものは『血液』で見るのも飲むのも好きでやたらと出血を強いるような武器で攻撃したり拘束した相手の出血部位から血を吸ったりと
……物騒なかぐや姫もいたもんだ…
吸血姫(きゅうけつき)というやつか…?

最近のトレンディは血のかわりにトマトジュースを飲むヘルシー志向な吸血鬼らしいぞ
それ以前に血の臭い(匂い?主観次第)や汚れは落ちないし、そんなものを纏っているのはお洒落とは程遠いんじゃないか?

戦いながらも女の子を攻撃したくはないので全力で他に興味を持つよう唆します

もう後が無ければ血文字でXYZを書いて《灼滅者招来》




 まずい、なんでこんなのを相手にしてしまったんだ俺は。
 涼風・穹(人間の探索者・f02404)は血をししどに垂らし、はやくも膝をついていた。
「む……なんじゃ、もう仕舞いか? まだ始まったばかりじゃぞ?」
 出会い頭に樫の杖で殴打してきたかぐや姫(?)は不満げに頬を膨らませる。
 ツインテールロリ! 元は金髪だったであろう髪は程よく色が抜けて銀髪に。黒のレースをふんだんにあしらい、太もも丈から伸びる足は絶対領域、和ゴスの破壊力足るや語るまでもない。
「く……物騒なかぐや姫もいたもんだ……」
 穹さん鼻血。
「吸血姫(きゅうけつき)というやつか……?」
「むぅ、鼻血はちょっとなぁ」
 やんわり拒否しつつ取り出したのは、右手に蛇剣、左手の茨の鞭。
「さて、どちらがよき血を流すか、おぬしの体で試させてもらうとするぞ?」
「! 勘弁し……ぎゃぁああッ!」
 しゅるり。
 胴体に絡みつくと鋭い刃が方々に食い込みいきなりの深傷だ。
「ふむふむ」
 荒い息に玉の汗を浮かべる穹の胸元に顔を寄せる、ぴちゃぴちゃとひとしきり啜った後で、
「新鮮であるが少々雑味があるのう。深すぎようじゃ」
 グイと唇を拭い、蛇剣の戒めを解いた。
「……ッはぁ。なぁ、最近のトレンディは血のかわりにトマトジュースを飲むヘルシー志向な吸血鬼らしいぞ」
「トマトでは栄養素が足りぬのじゃよ」
 案外理知的な返しでサディストロリBBAは茨の鞭を右手に持ち替えている。
「そぉれ! いい声で鳴くが良いわぁ!」
 ぴしぃ!
「あ、がっ……やめ、ろ……」
 棘がぷつりぷつりと刺さり痛みの鋭さ自体は先程より増した。蛇剣の傷を全て避けて刺すとかなんて匠の技。
「ふむふむ」
 同じように近付いてくると、茨が食い込む部分を凝視。くんと鼻を鳴らすと、喜色満面。
「これは……! 量は少ないがなんというかぐわしき香りじゃ!」
 先程のように舌を伸ばす娘へ必死に訴えかける。
「……止めろ。折角……の、綺麗な姿が、血で汚れる……ぞ……?」
「むぅ?」
「お前は好きかもしれ……んが」
 はぁっと深呼吸。最後の力を振り絞っての説得。
「血の匂いや汚れは落ちないし、そんなものを纏っているのはお洒落とは程遠いんじゃないか?」
「…………妾のような年寄りがお洒落なぞ、若い娘ら笑われるのじゃ」
「いや、お前は俺にとってはこの場で一番のベイビーさ」
 緩んだ茨鞭から腕を抜いてイイ笑顔でサムズアップ、それが穹の記憶の最後だ。
「……な、おま、妾を選ぶとは趣味が悪すぎるのじゃ!///」
 なんて、吸血姫は頬を染めてデレ落ちしてたし、最後にしとけばよかったんだよ……なんで地面に血文字の『XYZ』なんて書いちゃったんだろうなー……。
 ぼふん、と空間が弾けた後に、穹によく似ているが別の存在である男が現れる。
「……ってぇ、あれ、ここどこだ?」
「そちの名は?」
「和弥、だけど」
 女の子いっぱい空間、でっぱいもちっぱいもよりどりみどりかぁと早速目移りの和弥に、吸血姫の怒りパラメーターが一気のMAX。
「下僕の本分もわきまえぬ犬がぁ! 和弥よ、妾に跪くのじゃ! しつけ直してくれる」
「ひぃいいいい!」
 ぴしぃっと茨鞭で連打される和弥の悲鳴が竹林を染め上げる、嗚呼なんという呼ばれ損。


 こうして、猟兵達の頑張りで全ての吸血姫が陥落しました。ギャラリーがなくなった『我』は心を折ってちゅどーんと勝手に爆発して竹林には平和が訪れたのでした。
 めでたしめでたし。

―終―

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年05月12日


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#カクリヨファンタズム
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#大祓百鬼夜行
#プレイングしめきり済み


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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠大門・有人です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト