タオルでもできる旗艦建造
「……もうすぐだ。これが完成すれば、私の大願も成就にまた一歩近づく」
それはさながら死んだ巨大な海洋生物の様に宇宙空間の闇の中に横たわっていた。取り付いてせわしなく動き回る工作機械の様子を眺めつつ呟くのは、手足が生えてたすきと鉢巻を着用した真っ黒なタオル。
「忌まわしきブラックタールどもを滅ぼす、その為にもこの『新インペリウム』は必要不可欠。だが、これさえ完成すれば――」
そうして黒きタオルは意識を未来へと向け沈黙する。ただ、そんな主の心境などおかまいなく工作機械たちは黙々と作業を続けていた。
「皆様、お集まりいただきありがとうございます」
君達にミュリエル・フォルクエイン(オラトリオのアーチャー・f01452)は頭を下げると、皆様にはスペースシップワールドの世界に赴いていただきたいのですと切り出した。
「実は、猟書家幹部『ヘルメスデウス・ブレインコア』の遺志を継ぐオブリビオンが帝国継承軍の新たなる旗艦『新インペリウム』を密かに建造していることが判明したのです」
現状ではただ巨大宇宙戦艦を建造しているだけで被害はないが、これを放置すれば建造中の新インペリウムは完成してしまうことだろう。
「建造されている宙域は私のグリモアで判明いたしましたが――」
そこは危険な磁気嵐の頻発する危険なエリアを抜けねばたどり着けず、突破するには周囲について熟知する凄腕の「スターライダー」が必要なのだとか。
「必要とされる方のおられる場所に関しても判明しているものの、現地に赴いて協力を仰げばよいかと言うとそうでもないのです」
なんでも件のスターライダーはデブリとなってしまった壊れた宇宙船などを資源回収目的で探査及び回収している真っ最中だとのこと。
「協力していただくには、スターライダーの方の回収作業をお手伝いし作業を終わらせる必要があるかと」
やらなければいけないことさえ終わらせてしまえば、スターライダーも手を貸してくれるということなのだろう。
「今は被害こそ出ていませんが、新インペリウムが完成してしまえばそれが悲劇を招くかもしれません。それを防ぐためにも」
豊かな胸を弾ませ、グリモア猟兵の少女はどうかよろしくお願いいたしますと頭を下げたのであった。
聖山 葵
なんだかこの宿敵見るのも久しぶり。
という訳で、今回は旗艦復活を目論む黒いタオルの野望を当人(?)ごとぶちのめしていただくお話のようです。
またこのシナリオフレームには下記の特別な「プレイングボーナス」があり、これにのっとった行動をすることで、戦いに有利になります。
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プレイングボーナス(全章共通)……スターライダーを探す/スターライダーの指示に従い行動する。
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では、ご参加お待ちしております。
第1章 日常
『残骸は残懐と共に』
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POW : 力づくで調査・回収を行う
SPD : 技術を用いて調査・回収を行う
WIZ : 知識を用いて調査・回収を行う
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津崎・要明
何という朗報だ!
タオルにインペリウムが造れるなら、俺にも造れない道理はないな、うん。
様子見ついでにビッタンビッタンいわせてやるぜ
あっちだな?電磁波動を感じる。
「回収の手伝いするから、案内をお願いできないか?」
…3時間後、スターライダーの前で俺は膝をついていた
ダメだ!おっわらね〜!!!
完全ゴミはレーザーで細分し、回収。
使える物はバウンドボディで集めて回収。だが、効率が悪すぎる。
こうなったらこれしかねぇ!UC発動
壊れた電磁発生武器らしきものに、バリア系ネットを組み合わせて
回収装置を作成、ついでに活きてるアイテム探すレーダーも付けたぞ!
これやるから、肉体労働はもうかんべんしてくれよぉ〜
黒木・摩那
新インペリウムの打倒も大事ですが、その前に日々の生活、特にご飯の確保も大事なことです。スターライダーの協力を求めるならば、こちらも相応の対価というか、お手伝いは必要なことでしょう。
ここはスターライダーの回収作業を手伝わせていただきます。
ヨーヨー『エクリプス』を使います。
UC【蒼鷹烈風】でヨーヨーの範囲を拡大します。
さらに宇宙空間の移動はマジカルボード『アキレウス』に乗れば、すいすいです。これらを駆使して広範囲のデブリを回収していきます。
「何という朗報だ!」
話を聞いて、津崎・要明(ブラックタールのUDCメカニック・f32793)は感動に打ち震えていた。
「タオルにインペリウムが造れるなら、俺にも造れない道理はないな、うん」
その理由に関しては当人の独言がそのまま全てであり。
「様子見ついでにビッタンビッタンいわせてやるぜ」
「……スターライダーの協力ですか」
意気揚々と出発する一方、黒木・摩那(冥界の迷い子・f06233)は思考を巡らせつつこれに続き。
「あっちだな?」
電磁波動を感じる、と要明が自身の感覚を信じるままに進んだ先に、件の人物と思しき存在はあった。
「あれですね」
壊れた宇宙船の間を飛び回るのは一台の宇宙バイクで、宇宙船の船尾だったと思われる巨大なスクラップに向かって行ったかと思うとその表面で止まり、降り立った人物が何やら作業をすると、それを待っていたかのように宇宙船が一隻、近寄って行って件の人物が何かしていた場所へと光の縄のようなモノを射出、つながったとみるや宇宙船の船首部分が口の様に開いて、光の縄が手繰り寄せられ、スクラップが呑みこまれてゆく。
「宇宙船の方は解体と資源回収用で、下準備の為にあのスターライダーが動いていると」
回収するものの優先順位を決め下準備までしているのも件のスターライダーのようであったが。
「新インペリウムの打倒も大事ですが、その前に日々の生活、特にご飯の確保も大事なことです」
協力を求めるならば相応の代価を支払う、つまりかの人物のお手伝いをするのも摩那にとってはやぶさかではなく。
「回収の手伝いするから、案内をお願いできないか?」
「私も手伝わせていただきます。ですので――」
先にたどり着いて交渉を始めていた要明に便乗する形で申し出れば、ヘルメットで顔の隠れたスターライダーはすぐさま頷いた。
「ちょっと一人じゃ厳しいと思ってたとこなんだ。助っ人は大歓迎さ」
スターライダーからしても申し出は渡りに船だったのだろう。
「励起。昇圧、目標を確認……加速開始」
摩那はマジカルボード『アキレウス』で宇宙を駆けつつ、手にしたヨーヨーの射程を伸ばし。
「いきます、っ、これで、あとは――」
宇宙デブリの塊をワイヤーで絡めとっては資材回収用の宇宙船へとけん引してゆく。
「おお、やるな。俺も負けてられないぜ」
その様子を見た要明は俺元作業に移るのだが。
「ダメだ! おっわらね~!!!」
ただこの三時間後、一人じゃ厳しいというスターライダーの言葉の意味を思い知った要明は宇宙船の残骸の上で膝をつき項垂れていた。
「完全ゴミはレーザーで細分し、回収。使える物はバウンドボディで集めて回収……間違ってはいない筈、いない筈――」
ただ、要明の作業は効率が悪すぎたのだ。
「こうなったらこれしかねぇ! 技術革新改変改造万物解析思いのままに、閃け創造のBigbang!」
追い詰められたは切り札を投入、周辺を漂う宇宙船残骸から材料を失敬し、メカニックとしての腕を最大以上に振るって資源回収用の装備に改造してゆく。
「電磁発生武器らしきものにバリア系ネットを組み合わせて、ついでに活きてるアイテム探すレーダーも付けたぞ!」
会心の出来ともいえるべきものを作り出した要明はスターライダーの元へと直行し。
「これやるから、肉体労働はもうかんべんしてくれよぉ~」
「……あー。まぁ、それなりに手伝っても貰ったしな。わかった、協力の礼はせねばな」
いくらかすっきりとした宇宙空間を背景にヘルメットで顔の隠れたスターライダーは二人に協力することを明言するのだった。
大成功
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第2章 ボス戦
『ブラックタオル』
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POW : 抜群の吸水性を知れっ!
【身体の前面】を向けた対象に、【突進し密着して水分を吸収すること】でダメージを与える。命中率が高い。
SPD : 体感するがいい、この肌触りをっ!
【タオル生地の表面】から【肌触り抜群の感触】を放ち、【驚き】により対象の動きを一時的に封じる。
WIZ : 必殺・ブラックタオルブレード
【右手に持つ黒いフォースの剣】が命中した対象を切断する。
👑11
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「あれだ。あんたらの探してたのはな」
危険な磁気嵐の合間を縫うように進んだ先、開けた場所に揺蕩う建造中の宇宙戦艦。その近くに浮かぶのは工作機械の基地にもなっていると思わしき何者かの手が加わった小惑星。その天辺へ静かに立ち建造の様子を眺めるのは、手足の生えた黒いタオルだった。
黒木・摩那
タオルでここまで宇宙戦艦を作り上げた手腕は見事です。
しかし、タオルとして帝国の復興というのは果たして必要なのでしょうか?
ともかく、ここまでやられてしまっては、こちらも無視できません。
ここでタオルの野望?を阻止します。
ヨーヨー『エクリプス』で戦います。
UC【蒼鷹烈風】で今度は高速回転。さらにヨーヨーの外縁の刃を出します。
この高速カッターでブラックタオルのタオル生地を切り裂きます。
トドメはタオルを結んでいるハチマキ。
これを切って、一枚生地な一反木綿状態にしてしまいましょう。
津崎・要明
スターライダーに示された方向に、建設中の艦を認める
そして
驚きの肌ざわり、だとっ!?
俺も男だ、そこまで言われれば受けて立たざるをえないだろう・・・
UCで弾丸のごとくブラックタオルに突っ込む
ただし、右手にリミッター装置を外したブラスターを構えて
タオルに接触する直前に零距離射撃、建造中インペリアルまで貫通させる
ええええ、何なにめっちゃいい肌ざわりやーん
穴開けちまってすまん
だが、これが勝負というものなのだ。
明日宇宙の海に散るのは、俺の方なのかもしれないのだから・・・
(タオルをもみもみスリスリしながら)
それにしても、インペリアルの設計図ってどんだけ出回ってんだろ、
俺にも1枚くらいくれたっていいのにな!
「あれが……確かに戦艦だな」
せわしなく張り付いた工作機械が動き回る建造中のソレを認めて、津崎・要明はポツリと零し。
「タオルでここまで宇宙戦艦を作り上げた手腕は見事です。しかし、タオルとして帝国の復興というのは果たして必要なのでしょうか?」
同じモノを目にし、件のタオルの仕事ぶりは認めつつも覚えた疑問に黒木・摩那は首を傾げた。
「組織と言う背景があるのとないのとでは、雲泥の差だ。個人にできることなどたかが知れている。いくら私がブラックタールを滅ぼすべく作られた存在であるとしてもな」
そんな呟きが聞こえていたのか。気づけば小惑星の上の黒タオルは摩那の存在に気づいて、そう返してきていて。
「個人? あなたはタオルなのでは?」
「いや、そういう細かいところは……はっ?!」
人かタオルか議論になりかけたところでツッコミを入れかけたブラックタオルは愕然とした。
「いかん、いきなり相手のペースに呑まれるところだった」
黒タオルからすればそれは看過できない失態であったのだろう、何故なら。
「驚きの肌ざわり、だとっ!?」
どこに目があるのかは不明だが、タオルの視界の中には当タオルのかけたたすきの文字を見て動きを止めた津崎・要明の姿があったのだから。
「私としたことが忌まわしきブラックタールを前に他所のことに気を取られるとは」
ブラックタールを滅ぼすことこそ存在意義だったタオルからすれば、自身のアイデンティティすら揺らぎかねない大問題だったようである。
「ともかく、ここまでやられてしまっては、こちらも無視できません。ここでタオルの野望を阻止します」
野望の後ろに疑問符でも付きそうなぐらい釈然としないモノを含みつつも黒タオルの動揺はさらっと関せず流した摩那はマジカルボードを駆ってブラックタオルの元に向かい。
「俺も男だ、そこまで言われれば受けて立たざるをえないだろう……」
謎の覚悟を決めた要明は伸縮性と弾力性に富んだ形態へ姿を変えると弾丸のごとく黒タオルめがけて突っ込んでゆく。
「っ、来たか忌まわしきブラックタールと他一名ッ!」
どうしても要明側への注目度が高くなるのは、ブラックタールを滅ぼすべく作られたモノのサガか。
「励起。昇圧、目標を確認……加速開始」
黒いフォースの盾を翳して攻撃に備える敵を瞳に映し、ヨーヨー『エクリプス』を高速回転させながら摩那は敵本体の布地目掛けて投じる。
「なんの、ぐあっ?!」
回転するヨーヨーからは外縁の刃が飛び出し、三倍と化したヨーヨーの射程と合わせ、間合いの目測を誤った黒タオルの布地は盾で防ぎきれずにきりさかれ。
「今だ!」
怯んだところで要明がブラックタオルへと到達する。リミッター装置を外したブラスターを構えたままで。
「おぞっ」
接触直前の零距離から放たれたブラスターの光条は布地を貫き、建造中の宇宙戦艦にも突き刺さり。
「ええええ、何なにめっちゃいい肌ざわりやーん」
だが、黒タオルの布地と接触した要明はその肌触りに驚き、動きが止まっていた。たすきの文字通りであった。
「穴開けちまってすまん。だが、これが勝負というものなのだ」
知覚していたとしても、このタオルの性質を鑑みればおそらくブラックタールに謝られたところでただ憤るだけであろうが、要明は謝罪の言葉を口にし。
「明日宇宙の海に散るのは、俺の方なのかもしれないのだから……」
言い訳めいたことを口にしつつ揉んだり布地をすりすりしたりするも。
「よかろう、それほどまでに言うならば、ここで散らせてやろう! 全身の水分を吸い尽くしてなっ!」
ブラックタオルからすれば滅ぼす相手がわざわざ攻撃を受けに来てくれたという認識である。もともとこのタオル、抜群の吸水性でブラックタールの水分を吸い尽くし滅ぼすというコンセプトで作られている。自分から密着してきたブラックタールはまさに自分から肉食動物の口に飛び込んできた草食動物も同じ。
「ぎゃあっ」
要明の運命も一巻の終わりかと思われたが、悲鳴を上げたのは黒タオルの方であった。
「トドメまではさせませんでしたか」
摩那の投じたヨーヨーが要明に気を取られすぎたブラックタオルを再度切り裂いたのだ。
「ぐうっ、おのれ」
同時に切り裂かれた鉢巻がブラックタオルの頭部からはらりと落ち。というか、頭部でいいのかしら。
「それにしても、インペリアルの設計図ってどんだけ出回ってんだろ、俺にも1枚くらいくれたっていいのにな!」
ともあれ、ブラックタオルが手傷を負い、一枚生地な一反木綿状態に近づいたことで何とか危機を脱した要明は、自身のブラスターの一射で損傷を負った建造中の戦艦をチラ見してそう零したのだった。
成功
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双海・忍
銀色のキャバリアで出撃します(コクピット内の本人の服装はメイド服)。
「相手はタオルですか。姿で判断をするのは危険なので、確実にいきましょう。」(予め、スターライダーさんに周辺の状況を分かる範囲で聞いておきます。)
【POW】で攻撃です。
攻撃は、無敵斬艦刀を構え【鎧無視攻撃】と【貫通攻撃】を付け【フェイント】を絡め【限界突破】した【一撃必中】で、『ブラックタオル』を攻撃します。相手の攻撃に関しては【残像】【オーラ防御】【見切り】で、ダメージの軽減を試みます。
「(攻撃を回避したら)残念、それは残像です。」「少しでも、ダメージを与えて止めは次の方に。」
アドリブや他の方との絡み等は、お任せします。
「相手はタオルですか」
それが討つべき敵であることを双海・忍(人間のクロムキャバリア・f04566)はグリモア猟兵からの情報で知っていた。もっとも情報が無くとも先の猟兵達が攻防を繰り広げていたのだ、見落とすようなことはなかっただろう。
「姿で判断をするのは危険なので、確実にいきましょう」
銀色のキャバリアのコクピットでメイド服に身を包んだ忍は外部の光景を機体越しに見たまま呟き。視線をそらさぬままにキャバリアを操り、炎の尾を引いた機体は手傷というか何カ所か切り裂かれた黒いタオルへ迫る。
「聞いていた通りですね」
ヘルメットで素顔を隠したスターライダーから周辺について教えを乞うていた忍には見知らぬ宙域を進む戸惑いはなく。
「行きます!」
「来るかっ!」
駆る銀色の機体手に持つ無敵斬艦刀の間合いへと至ろうとしたところで、黒いフォースの盾へ黒きタオルは半身を隠す。凄まじいまでの体格差が存在するというのに、ブラックタオルは忍のキャバリアが持つ巨剣をその盾で捌こうというのか。
「なっ」
ただ、予想した斬撃は訪れず、振り下ろすのではなくむしろ引き戻す様に腰だめに構えるようにした無敵斬艦刀で銀色キャバリアは突きかかる。
「フェイン」
トとまで続ける間は存在しなかった。無敵斬艦刀の切っ先が黒きタオルの中央を貫き。
「く、ただではやられんッ! せめてこの巨剣、破壊させて――」
貫かれながらも一矢報いんと黒きフォースの装備をブラックタオルは刀身に叩きつけようとするも。
「な」
「残念、それは残像です」
フォースの盾の殴打を刀身がすり抜ける。いや、未だ貫かれているという感覚自体が錯覚であったのだろう。
「少しでも、ダメージを与えて止めは次の方に」
「しま」
慌てて振り返る黒きタオルに迫る無敵斬艦刀。直後、黒いフォースの盾は忍の更なる一撃によって砕けたのだった。
大成功
🔵🔵🔵
山梨・玄信
あー、そう言えば居たのう。こんなタオル。
【POW】
最初から褌一丁で宇宙服を着て行くのじゃ。
先ずはスターライダーの方の協力を取り付け、旗艦の案内と攻撃方法の指示を仰ぐぞ。
タオルの突撃は見切りと第六感で躱し、避けきれなければオーラ防御で水分を吸われないようにするのじゃ。
(宇宙じゃが)虚空を見上げてうなずき、何時もの人に呼びかけるぞ。
そして、UCの強風でタオルをズタボロにしてやるのじゃ。
「わしは怪しい者…ではあるが、悪人ではない。銀河帝国の復活を阻止する為にも協力してもらえんか?」
「行くぞ、何時もの人。宇宙でも風を吹かすのじゃ」
「タオルは布である以上、突風で吹き飛ぶのは定めなのじゃ」
アドリブ歓迎じゃ
高柳・零
【POW】
おや?全く見かけなかったので、どこかのブラックタールさんに倒されたのかと思ってましたが…まだいたんですねえ。
「すいません!帝国の残党を倒す為に力を貸してください!」
凄腕スターライダーさんに頼み込み、敵の所への案内をお願いします。
艦に到着したらライダーさんには隠れてもらい、名乗りをあげて敵を引きつけます!
「あなたも剣使いですか?ならば、自分と勝負しましょう!」
全身にオーラを纏い、剣と魔導書を構えます。天霧の盾は水分が吸われる可能性があるので。
見切りで剣筋を読み、魔導書で受けます。
突進はオーラで止め、密着させません。
2回攻撃の天斬りの1撃目で盾を斬り、2撃目で本体を斬ります!
アドリブ歓迎
「あー、そう言えば居たのう。こんなタオル」
どことなくしみじみしつつ、山梨・玄信(3-Eの迷宮主・f06912)は久々に相対することになるオブリビオンなタオルを思い出していた。
「おや? 全く見かけなかったので、どこかのブラックタールさんに倒されたのかと思ってましたが……まだいたんですねえ」
一方で、高柳・零(テレビウムのパラディン・f03921)は意外そうな声を上げるもまぁ、ブラックタールを滅ぼすことを目的とした黒タオルなのだ。危機感を覚えたブラックタールが撲滅に動いても確かに不思議はなく。
「すいません! 帝国の残党を倒す為に力を貸してください!」
「わしは怪しい者……ではあるが、悪人ではない。銀河帝国の復活を阻止する為にも協力してもらえんか?」
二人が居合わせたヘルメットで素顔を隠したスターライダーへ要請すれば、返ってきたのは構わないという言葉だった。既に他の猟兵がブラックタオルの元に至るのに協力し事情をある程度知っていることもあったからかもしれない。尚、この時の玄信の格好は、褌一丁の上に宇宙服を着こんだだけのニュースタイルであり。
「乗れ」
にもかかわらず、スターライダーは乗機の後部座席を示して玄信達に言う。
「うむ」
「お邪魔します」
指示には従うつもりだった玄信が迷うことなく跨れば、零も続き。
「あれだ」
目的地にたどり着くのに、大して時間はかからなかった。軽くこの宙域での動き方を聞きながらの行軍であったこともあるのだろうが。そしてスターライダーが示すのは、一つの小惑星。立つ黒いタオルは黒きフォースの盾を失い、鉢巻を失い、ボロボロの身体にかかるのはたすきだけ。
「くっ、新手かっ!」
「あなたも剣使いですか? ならば、自分と勝負しましょう!」
それでも闘志は失わず、自分達に気づき振り返るブラックタオルへ、零は名乗りを上げて進み出る。ここまで運んでくれたスターライダーが隠れる時間を作るべく。
「良く言った。たとえこちらが手負いと言えど同じ獲物で勝負になると思っている慢心、後悔させてやるっ!」
フォースの剣を一振りし低く鳴かせて剣と魔導書を構えた零目掛け小惑星を蹴って飛ぶ。
「なにっ」
刃を受け止めたのは、やたら分厚い魔導書の表だった。
「天霧の盾は水分が吸われるかもしれませんからね。ただ――」
斬撃を受け止めながらも零が気を緩めることはなかった。黒いタオルの攻撃手段が他にもあることを知っていたのだ。即座にオーラを展開し、突進に備え。
「今じゃ!」
攻防のさ中も自身に攻撃が向かってくることを警戒していた玄信は頭上を仰いでそこに半透明の神々しい女性の幻影を認める。
「行くぞ、何時もの人。宇宙でも風を吹かすのじゃ」
「はい、玄信。正義をなしましょう」
自身の言葉に返す呼びかけへ玄信が頷きで応じれば、光を帯びた風が零と斬り合いを演じていたブラックタオルを横殴りに吹っ飛ばす。
「がはっ」
「タオルは布である以上、突風で吹き飛ぶのは定めなのじゃ」
既に満身創痍の黒きタオルは弾みで傷口の糸がほつれ。
「まだ、だ……忌まわしきブラックタールを滅ぼすまで、わた」
「天に変わって悪を斬る!」
宇宙空間で吹き飛ばされながらも身を起こし、反撃に出ようとした黒きタオルは言葉ごと零の斬撃によってかけたたすきを断ち切られ。
「おのれ、私のた」
切り返す一撃で真っ二つになって骸の海へと還り始めるのだった。
「流石にああもボロボロじゃと持ち帰れとは言わんじゃろうしな」
玄信が思い出すのは、そのタオル目当てに以前戦った時のことか。ともあれ、こうして猟兵達の活躍によって建造中の宇宙戦艦は脅威となることなく完成を阻止されたのだった。
大成功
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